(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記系統インピーダンス推定部は、ニュートン法により前記系統インピーダンスの抵抗成分とリアクタンス成分とを推定する請求項1に記載の分散型電源システムの制御装置。
前記系統インピーダンス推定工程は、ニュートン法により前記系統インピーダンスの抵抗成分とリアクタンス成分とを推定する工程を含む請求項3に記載の分散型電源システムの制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における分散型電源システムの制御装置が適用された分散型電源システムの構成図である。
【0012】
図1において、分散型電源システムは、電力系統1と太陽電池モジュール2とパワーコンディショナ3とを備える。
【0013】
例えば、電力系統1は、電力会社により運用される。例えば、太陽電池モジュール2は、建築物の屋上に設けられる。パワーコンディショナ3は、電力系統1と太陽電池モジュール2との間に接続される。パワーコンディショナ3は、連系点4を介して電力系統1に接続される。
【0014】
制御装置5は、パワーコンディショナ3に接続される。制御装置5は、無効電力演算部5aと系統インピーダンス推定部5bとを備える。
【0015】
例えば、電力系統1の基準電圧は、V
rに設定される。連系点4から見た電力系統1のインピーダンスは、系統インピーダンスと呼ばれる。系統インピーダンスは、R+jXに設定される。
【0016】
太陽電池モジュール2は、太陽光の照射により直流電力を発生させる。パワーコンディショナ3は、当該直流電力を交流電力に変換する。パワーコンディショナ3は、当該交流電力を電力系統1に送る。この際、パワーコンディショナ3は、連系点4の現在の有効電力Pを把握する。
【0017】
制御装置5において、無効電力演算部5aは、電力系統1の基準電圧V
rと系統インピーダンス(R+jX)と連系点4の現在の有効電力Pとに基づいて電力系統1の電圧変動を抑制するように連系点4の無効電力Qを演算する。
【0018】
パワーコンディショナ3は、制御装置5により演算された無効電力Qを出力する。その結果、電力系統1の電圧変動が抑制される。
【0019】
制御装置5において、系統インピーダンス推定部5bは、連系点4の有効電力Pと無効電力Qと電圧V
sとに基づいて系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xと電力系統1の基準電圧V
rとを推定する。
【0020】
制御装置5において、無効電力演算部5aは、系統インピーダンス推定部5bにより推定された系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xと電力系統1の基準電圧V
rとに基づいて電力系統1の電圧変動を抑制するように連系点4の無効電力Qを再び演算する。
【0021】
次に、
図2を用いて、無効電力Qの演算方法を説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における分散型電源システムの制御装置による無効電力の演算方法を説明するための図である。
【0022】
図2において、連系点4の電圧V
sは、基準電圧V
rと系統インピーダンス(R+jX)と連系点4の現在の有効電力Pと無効電力Qとを用いて次の(1)式で表される。
【0024】
次の(2)式が仮定されると、(1)式は(3)式に変形される。
【0027】
連系点4の電圧VSの変動が最小化される場合は、次の(4)式が成立する。
【0029】
(3)式が(4)式に代入されると、次の(5)式が得られる。
【0031】
(5)式が整理されると、次の(6)式が得られる。
【0033】
(6)式が整理されると、次の(7)式が得られる。
【0035】
(7)式が整理されると、次の(8)式が得られる。
【0037】
(8)式がαについて整理されると、次の(9)式が得られる。
【0039】
次の(10)式が仮定されると、αは(11)で表される。
【0042】
この際、BおよびCは、次の(12)式および(13)式で表される。
【0045】
連系点4の電圧VSの変動が最小化される場合の無効電力Qは、次の(14)式で得られる。
【0047】
次に、
図3を用いて、系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xと電力系統1の基準電圧V
rとの推定方法の概要を説明する。
図3はこの発明の実施の形態1における分散型電源システムの制御装置による系統インピーダンスの抵抗成分とリアクタンス成分と電力系統の基準電圧との推定方法の概要を説明するための図である。
【0048】
図3に示すように、制御装置5は、連系点4の有効電力Pと無効電力Qと電圧V
sとに基づいて非線形計画法により系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xと電力系統1の基準電圧V
rとを推定する。
【0049】
次に、
図4を用いて、系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xと電力系統1の基準電圧V
rとの推定方法の詳細を説明する。
図4はこの発明の実施の形態1における分散型電源システムの制御装置による系統インピーダンスの抵抗成分とリアクタンス成分と電力系統の基準電圧との推定方法の詳細を説明するための図である。
【0050】
制御装置5は、連系点4の有効電力Pと無効電力Qと電圧V
sとについて複数組のデータをサンプリングする。例えば、
図4に示すように、制御装置5は、連系点4の有効電力Pと無効電力Qと電圧V
sとについて7組のデータをサンプリングする。
【0051】
系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xと電力系統1の基準電圧V
rが真値の場合、次の(15)式が成立する。
【0053】
制御装置5は、次の(16)の目的関数を最小化する系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xと基準電圧V
rとを非線形計画法により推定する。
【0055】
次に、
図5を用いて、系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xと電力系統1の基準電圧V
rとの推定方法の具体例を説明する。
図5はこの発明の実施の形態1における分散型電源システムの制御装置による系統インピーダンスの抵抗成分とリアクタンス成分と電力系統の基準電圧との推定方法の具体例を説明するための図である。
【0056】
例えば、制御装置5は、ニュートン法により系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xと電力系統1の基準電圧V
rとを推定する。制御装置5において、関数f
k(R、X、V
r)は、次の(17)式で表される。
【0058】
ニュートン法においては、次の(18)式が成立する。
【0060】
連系点4の有効電力Pと無効電力Qと電圧V
sとについて7組のデータがサンプリングされた場合、F
k、J
k、x
kは、以下の(19)式から(21)式で表される。
【0064】
制御装置5は、次の(22)式を用いてx
(k+1)を推定する。
【0066】
J
kの転置行列がJ
kTと表される場合、(22)式は、(23)式に変形される。
【0068】
次の(24)式および(25)式が仮定されると、(23)式は(26)式に変形される。
【0072】
制御装置5は、(26)式を用いてx
(k+1)を推定する。具体的には、x
(k+1)は、次の(27)式で推定される。
【0074】
次に、
図6を用いて、制御装置5の動作を説明する。
図6はこの発明の実施の形態1における分散型電源システムの制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0075】
ステップS1では、制御装置5は、kを「−1」に設定する。その後、ステップS2に進む。ステップS2では、制御装置5は、x
(0)を入力する。その後、ステップS3に進む。ステップS3では、制御装置5は、kに対してインクリメント処理を行う。その後、ステップS4に進む。
【0076】
ステップS4では、制御装置5は、x
(k+1)を演算する。その後、ステップS5に進む。ステップS5では、制御装置5は、解の精度検査を行う。具体的には、制御装置5は、f
(k+1)が十分に小さいか否かを判定する。より具体的には、制御装置5は、f
(k+1)が予め設定された閾値εよりも小さいか否かを判定する。
【0077】
ステップS5でf
(k+1)が十分に小さくない場合は、ステップS6に進む。ステップS6では、制御装置5は、反復回数検査を行う。具体的には、制御装置5は、kが予め設定されたk
maxよりも小さいか否かを判定する。
【0078】
ステップS6でkが予め設定されたk
maxよりも小さい場合は、ステップS3に戻る。
【0079】
ステップS5でf
(k+1)が十分に小さい場合とステップS6でkが予め設定されたk
max以上の場合は、動作が終了する。
【0080】
以上で説明した実施の形態1によれば、制御装置5は、電力系統1の基準電圧V
rと系統インピーダンス(R+jX)と連系点4の現在の有効電力Pとに基づいて電力系統1の電圧変動を抑制するように連系点4の無効電力Qを演算する。このため、系統インピーダンス(R+jX)が大きな電力系統1においても、電力系統1の電圧変動をより確実に抑制することができる。
【0081】
また、制御装置5は、連系点4の有効電力Pと無効電力Qと電圧V
sとに基づいて非線形計画法により系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとを推定する。このため、系統インピーダンス(R+jX)でも精度よく推定することができる。
【0082】
また、制御装置5は、ニュートン法により系統インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとを推定する。このため、系統インピーダンス(R+jX)を二次収束により早く推定することができる。
【0083】
なお、連系点4の有効電力Pと無効電力Qと電圧V
sとについて、複数組のデータのサンプリングは、適宜行われる。例えば、パワーコンディショナ3の発電電力を徐々に絞って、連系点4の有効電力Pと無効電力Qと電圧V
sとを短時間に変化させて連系点4の有効電力Pと無効電力Qと電圧V
sとをサンプリングしてもよい。例えば、朝と昼と夕方とにおいて予め設定された時刻に連系点4の有効電力Pと無効電力Qと電圧V
sとをサンプリングしてもよい。
【0084】
なお、非線形計画法として、二分法を採用してもよい。この場合も、系統インピーダンス(R+jX)を精度よく推定することができる。
【0085】
次に、
図7を用いて、制御装置5の例を説明する。
図7はこの発明の実施の形態1における分散型電源システムの制御装置のハードウェア構成図である。
【0086】
制御装置5の各機能は、処理回路により実現される。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ6aと少なくとも1つのメモリ6bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア7を備える。
【0087】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ6aと少なくとも1つのメモリ6bとを備える場合、制御装置5の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ6bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ6aは、少なくとも1つのメモリ6bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置5の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ6aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ6bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0088】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア7を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものである。例えば、制御装置5の各機能それぞれは、処理回路で実現される。例えば、制御装置5の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0089】
制御装置5の各機能について、一部を専用のハードウェア7で実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。例えば、無効電力演算部5aの機能については専用のハードウェア7としての処理回路で実現し、系統インピーダンス推定部5bの機能については少なくとも1つのプロセッサ6aが少なくとも1つのメモリ6bに格納されたプログラムを読み出して実行することによって実現してもよい。
【0090】
このように、処理回路は、ハードウェア7、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、制御装置5の各機能を実現する。
【0091】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2における分散型電源システムの制御装置が適用された分散型電源システムの構成図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には、同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0092】
図8において、分散型電源システムは、電力系統1と複数の太陽電池モジュール2と複数のパワーコンディショナ3とを備える。
【0093】
例えば、電力系統1は、電力会社により運用される。例えば、複数の太陽電池モジュール2は、建築物の屋上に設けられる。複数のパワーコンディショナ3の各々は、電力系統1と複数の太陽電池モジュール2の各々との間に接続される。複数のパワーコンディショナ3の各々は、連系点4を介して電力系統1に接続される。
【0094】
電力量計8は、複数のパワーコンディショナ3の各々と連系点4との間に接続される。制御装置5は、ハブ9を介してパワーコンディショナ3と接続される。制御装置5は、無効電力演算部5aと制御量演算部5cと出力値設定部5dと系統インピーダンス推定部5bとを備える。
【0095】
複数の太陽電池モジュール2の各々は、太陽光の照射により直流電力を発生させる。複数のパワーコンディショナ3の各々は、当該直流電力を交流電力に変換する。複数のパワーコンディショナ3の各々は、当該交流電力を電力系統1に送る。この際、電力量計8は、連系点4の現在の有効電力Pと無効電力Q
Pを把握する。
【0096】
制御装置5において、無効電力演算部5aは、電力系統1の基準電圧V
rと系統インピーダンス(R+jX)と連系点4の現在の有効電力Pとに基づいて電力系統1の電圧変動を抑制するように連系点4の無効電力Q
sを演算する。
【0097】
制御装置5において、制御量演算部5cは、無効電力演算部5aにより演算された無効電力Q
sと連系点4の現在の無効電力Q
Pに基づいて複数のパワーコンディショナ3の全体に対する無効電力の制御量MVを演算する。
【0098】
制御装置5において、出力値設定部5dは、制御量演算部5cにより演算された無効電力の制御量MVに基づいて複数のパワーコンディショナ3の各々の力率が予め設定された値以下とならない範囲で複数のパワーコンディショナ3の各々の無効電力の出力値を設定する。
【0099】
複数のパワーコンディショナ3の各々は、制御装置5により設定された無効電力を出力する。その結果、連系点4において、必要な無効電力Q
sが得られる。
【0100】
次に、
図9を用いて、制御装置5の動作の概要を説明する。
図9はこの発明の実施の形態2における分散型電源システムの制御装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0101】
ステップS11では、制御装置5は、電力系統1の電圧変動を抑制するように連系点4の無効電力Q
sを演算する。その後、ステップS12に進む。ステップS12では、制御装置5は、連系点4の無効電力の制御量MVを演算する。その後、ステップS13に進む。ステップS13では、制御装置5は、複数のパワーコンディショナ3の各々における無効電力の出力値を設定する。
【0102】
次に、
図10を用いて、連系点4の無効電力の制御量MVの演算方法を説明する。
図10はこの発明の実施の形態2における分散型電源システムの制御装置による無効電力の制御量の演算方法を説明するための図である。
【0103】
図10において、制御装置5は、連系点4の無効電力をPI制御する。具体的には、制御装置5は、演算された無効電力Q
sと連系点4の現在の無効電力Q
Pとの差に基づいて無効電力の制御量MVを演算する。
【0104】
次に、
図11を用いて、複数のパワーコンディショナ3の各々における無効電力の出力値の設定方法を説明する。
図11はこの発明の実施の形態2における分散型電源システムの制御装置による複数のパワーコンディショナの各々における無効電力の出力値の設定方法を説明するためのフローチャートである。
【0105】
ステップS21では、制御装置5は、現在の連系点4の無効電力Q
sを残無効電力出力値とする。残無効電力出力値を複数のパワーコンディショナ3の数で除した値を複数のパワーコンディショナ3の各々の無効電力目標値とする。その後、ステップS22に進む。
【0106】
ステップS22では、制御装置5は、当該パワーコンディショナ3のインデックスが複数のパワーコンディショナ3の数以下か否かを判定する。
【0107】
ステップS22で当該パワーコンディショナ3のインデックスが複数のパワーコンディショナ3の数以下の場合は、ステップS23に進む。ステップS23では、制御装置5は、当該パワーコンディショナ3の無効電力目標値の絶対値が現在の有効電力に対応した無効電力上限値の絶対値以上か否かを判定する。
【0108】
ステップS23で当該パワーコンディショナ3の無効電力目標値の絶対値が現在の有効電力に対応した無効電力上限値の絶対値以上の場合は、ステップS24に進む。ステップS24では、制御装置5は、当該パワーコンディショナ3の無効電力の出力値を現在の有効電力に対応した無効電力上限値に当該パワーコンディショナ3の無効電力目標値の符号関数を乗じた値に設定する。
【0109】
ステップS23で当該パワーコンディショナ3の無効電力目標値の絶対値が現在の有効電力に対応した無効電力上限値の絶対値未満の場合は、ステップS25に進む。ステップS25では、制御装置5は、当該パワーコンディショナ3の無効電力の出力値を当該パワーコンディショナ3の無効電力目標値に設定する。
【0110】
ステップS24またはステップS25の後は、ステップS26に進む。ステップS26では、制御装置5は、当該パワーコンディショナ3が運転中か否かを判定する。
【0111】
ステップS26で当該パワーコンディショナ3が運転中でない場合は、ステップS27に進む。ステップS27では、制御装置5は、当該パワーコンディショナ3の無効電力の出力値を0に設定する。その後、ステップS28に進む。
【0112】
ステップS26で当該パワーコンディショナ3が運転中の場合は、ステップS27を経由せずにステップS28に進む。
【0113】
ステップS28では、制御装置5は、当該パワーコンディショナ3の無効電力の出力値の絶対値が残無効電力出力値の絶対値以上か否かを判定する。
【0114】
ステップS28で当該パワーコンディショナ3の無効電力の出力値の絶対値が残無効電力出力値の絶対値以上の場合は、ステップS29に進む。ステップS29では、制御装置5は、当該パワーコンディショナ3の無効電力の出力値を残無効電力出力値に当該パワーコンディショナ3の無効電力目標値の符号関数を乗じた値に設定する。その後、ステップS30に進む。
【0115】
ステップS28で当該パワーコンディショナ3の無効電力の出力値の絶対値が残無効電力出力値の絶対値未満の場合は、ステップS29を経由せずにステップS30に進む。
【0116】
ステップS30では、制御装置5は、残無効電力出力値から当該パワーコンディショナ3の無効電力の出力値の絶対値を差し引いた値を新たな残無効電力出力値とする。その後、ステップS31に進む。
【0117】
ステップS31では、制御装置5は、パワーコンディショナ3のインデックスに対してインクリメント処理を行う。その後、ステップS32に進む。ステップS32では、制御装置5は、パワーコンディショナ3のインデックスが複数のパワーコンディショナ3の数以上か否かを判定する。
【0118】
ステップS32でパワーコンディショナ3のインデックスが複数のパワーコンディショナ3の数未満の場合は、ステップS21に戻る。
【0119】
ステップS22でパワーコンディショナ3のインデックスがパワーコンディショナ3の数よりも大きい場合またはステップS32でパワーコンディショナ3のインデックスがパワーコンディショナ3の数以上の場合は、動作が終了する。
【0120】
以上で説明した実施の形態2によれば、無効電力の制御量MVは、演算された無効電力Q
sと連系点4の現在の無効電力Q
Pと基づいて演算される。複数のパワーコンディショナ3の各々の無効電力の出力値は、無効電力の制御量MVに基づいて複数のパワーコンディショナ3の各々の力率が予め設定された値以下とならない範囲で設定される。連系点4の無効電力が足りない場合は、制御量MVが前回よりも大きく演算される。その結果、複数のパワーコンディショナ3の出力値も、前回よりも大きく設定される。このため、現実の無効電力を目標とした無効電力Q
sに近付けることができる。
【0121】
なお、実施の形態1および実施の形態2において、太陽電池モジュール2の代わりに他の自然エネルギー生成装置を用いてもよい。例えば、太陽電池モジュール2の代わりに風力発電装置を用いてもよい。この場合も、実施の形態1および実施の形態2と同様の効果を得ることができる。