(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。先ず、
図1を参照して画像形成装置100、及び本発明のシート積載装置60を備えた用紙後処理装置20から構成される画像形成システムについて説明する。
図1は、本発明の画像形成装置100及び用紙後処理装置20の内部構成を示す概略図である。なお、本実施形態においては画像形成装置100の一例としてデジタル複合機を例示しているが、本発明の用紙後処理装置20は、デジタル複合機以外の、例えばレーザープリンターやインクジェットプリンター、ファクシミリ装置等にも同様に連結可能である。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置(例えばモノクロ複合機)100本体内には、帯電、露光、現像及び転写の各工程によりモノクロ画像を形成する画像形成部Pが配設されている。
【0014】
画像形成部Pには、感光体ドラム1の回転方向(
図1の反時計回り方向)に沿って、帯電部2、露光ユニット3、現像装置4、転写ローラー7、クリーニング装置8、及び除電装置(図示せず)が配設されている。画像形成部Pでは、感光体ドラム1を
図1において反時計回り方向に回転させながら、感光体ドラム1に対する画像形成プロセスが実行される。
【0015】
感光体ドラム1は、例えばアルミドラムに感光層が積層されたものであり、帯電部2により、表面の感光層を一様に帯電させるようになっている。そして、後述する露光ユニット3からのレーザービームを受けた表面に、帯電を減衰させた静電潜像を形成する。なお、上記の感光層は、特に限定されるものではないが、例えば耐久性に優れるアモルファスシリコン(a−Si)感光層や、帯電時のオゾンの発生が少なく高解像度の画像が得られる有機感光層(OPC)等が好ましい。
【0016】
帯電部2は、感光体ドラム1の表面を均一に帯電させるものである。例えば帯電部2として、細いワイヤー等を電極として高電圧を印加することにより放電するコロナ放電装置が用いられる。なお、コロナ放電装置に代えて、帯電ローラーに代表される帯電部材を感光体表面に接触させた状態で電圧を印加する接触式の帯電装置を用いても良い。露光ユニット3は、画像読取部18において読み取られた原稿画像データに基づいて光ビーム(例えばレーザービーム)を感光体ドラム1に照射し、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。
【0017】
現像装置4は、感光体ドラム1の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成させるものである。この現像装置4へのトナーの供給はトナーコンテナ5によって行われる。なお、ここでは磁性を有するトナー成分のみから構成される一成分現像剤(以下、単にトナーともいう)が現像装置4に収容されている。
【0018】
転写ローラー7は、感光体ドラム1表面に形成されたトナー像を乱さずに用紙搬送路11を搬送されてくる用紙に転写する。クリーニング装置8は、感光体ドラム1の長手方向に線接触するクリーニングローラーやクリーニングブレード等を備えており、トナー像が用紙に転写された後に、感光体ドラム1の表面に残った残留トナーを除去する。
【0019】
画像読取部18は、複写時に原稿を照明するスキャナーランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCDセンサー等(いずれも図示せず)から構成されており、原稿画像を読み取って画像データに変換する。
【0020】
コピー動作を行う場合、画像読取部18において原稿の画像データを読み取り画像信号に変換する。一方、画像形成部Pにおいて、帯電部2により図中の反時計回り方向に回転する感光体ドラム1が一様に帯電される。次に、画像読取部18で読み取られた原稿画像データに基づいて露光ユニット3が感光体ドラム1上にレーザービーム(光線)を照射することで、その画像データに基づく静電潜像を感光体ドラム1表面に形成する。その後、現像装置4が静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
【0021】
上記のようにトナー像が形成された画像形成部Pに向けて、用紙収容部10から用紙が用紙搬送路11及びレジストローラー対13を経由して所定のタイミングで搬送され、画像形成部Pにおいて転写ローラー7により感光体ドラム1表面のトナー像が用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙は感光体ドラム1から分離され、定着部9に搬送されて加熱及び加圧されることで用紙にトナー像が定着される。
【0022】
定着部9を通過した用紙は、用紙搬送路11、排出ローラー対14を介して胴内排紙空間16に排出される。排出ローラー対14によって排出された用紙は、画像形成装置100の胴内排紙空間16に装着された用紙後処理装置20内に搬入される。
【0023】
図2は、用紙後処理装置20の側面断面図である。用紙後処理装置20の内部には、搬入された用紙に対してパンチ穴形成を行うパンチ穴形成装置21、搬入された用紙を複数枚積載(スタック)する処理トレイ30、及び処理トレイ30上に積載された用紙束をステープルで綴じるステープラー40が備えられている。用紙後処理装置20の側面には、用紙の排出に適した位置に昇降可能な排出トレイ50が設けられている。
【0024】
パンチ穴形成装置21は、用紙後処理装置20の上部に配置されており、用紙の搬送方向と平行な一方の側端縁(装置前側または後側)に沿って複数のパンチ穴を形成する。パンチ穴形成装置21の上流側かつ用紙搬送方向と直交する方向(
図2の紙面と垂直な方向)の略中央部には、排出ローラー対14によって用紙後処理装置20内に搬入される用紙の先端を検知する搬入検知センサー(図示せず)が配置されている。
【0025】
用紙搬送方向に対しパンチ穴形成装置21の下流側には第1排出ローラー対27が配設されている。第1排出ローラー対27の上流側には用紙の通過を検知するアクチュエーター型の用紙検知センサー28が配置されている。
【0026】
更に、第1排出ローラー対27の下方には第1排出ローラー対27によって搬送される用紙を所定枚数整合して積載する処理トレイ30と、処理トレイ30上に積載された用紙の束(用紙束)に綴じ処理を行うステープラー40が設けられている。
【0027】
用紙搬送方向に対し処理トレイ30の下流側には、処理トレイ30から排出トレイ50に用紙束を排出する第2排出ローラー対29が配設されている。第2排出ローラー対29は、駆動モーター(図示せず)により正逆回転可能なゴム製の排出ローラー29aと、排出ローラー29aに従動して回転する樹脂製の排出コロ29bとで構成されている。排出ローラー29aは、回動軸31aを支点として上下に揺動可能なローラーホルダー31に支持されている。
【0028】
処理トレイ30の上方であって第1排出ローラー対27の下流側(
図2の左側)には、第1排出ローラー対27によって搬入される用紙を処理トレイ30方向に叩いてトレイ面に沿わせるための叩き部材33が配設されている。処理トレイ30は積載される用紙の後端側(
図2の右側)に向かって下向きに傾斜するように設けられており、第2排出ローラー対29が逆回転することによって用紙が後端側から処理トレイ30上に引き込まれ、用紙の後端が突き当て部30aに当接する。これにより、用紙束の後端が揃った状態で処理トレイ30上に積載される。また、処理トレイ30には、処理トレイ30上に積載された用紙束を幅方向(
図2の紙面と垂直な方向)に整合する一対の側端整合カーソル35が設けられている。
【0029】
ステープラー40は、移動機構(図示せず)によって搬送方向と直交する用紙幅方向に移動可能であり、綴じ処理の内容に応じて処理トレイ30の突き当て部30aに沿って所定位置に移動する。
【0030】
次に、用紙後処理装置20の動作について説明する。画像形成装置100で画像形成処理がなされた用紙が搬入されると、パンチ穴形成が指示されている場合には、パンチ穴形成装置21によって搬送される用紙の所定位置(例えば装置前側の側端縁に沿った2個所)にパンチ穴が形成され、パンチ穴形成が指示されていない場合はそのままパンチ穴形成装置21を通過する。
【0031】
そして、用紙は第1排出ローラー対27によってさらに下流側に搬送される。このとき、
図2に示すように、ローラーホルダー31は上方に揺動しており、排出ローラー29aは排出コロ29bから離間した位置(離間位置)に配置されている。そのため、第1排出ローラー対27によって搬送されてきた用紙は排出ローラー29aと排出コロ29bの隙間を通って排出トレイ50に突出する。
【0032】
用紙の後端が第1排出ローラー対27を通過したタイミングで、ローラーホルダー31を下方に揺動させて排出ローラー29aを排出コロ29bに当接した位置(当接位置)に配置する。その後、叩き部材33を駆動して用紙を処理トレイ30に沿わせる。この状態で排出ローラー29aを逆回転(
図2の反時計回り方向)させることで、用紙が処理トレイ30に沿って引き込まれ、突き当て部30aにより後端が整合される。このとき、用紙の中間部は第2排出ローラー対29にニップされた状態であり、用紙の先端は第2排出ローラー対29から排出トレイ50上に突出している。用紙を処理トレイ30に沿って引き込むときは、用紙を必要以上に引き込むことのないように、ローラーホルダー31の自重だけで排出ローラー29aを排出コロ29bに圧接させた状態で用紙をニップする。
【0033】
そして、1束分の用紙の受け入れが終了すると、突き当て部30aの切り欠き位置にステープラー40を移動させて用紙束の後端をステープル部40aに挿入し、ステープル部40aで用紙束の綴じ処理が行われる。ステープル部40aで用紙束の綴じ処理を行った後、用紙束は第2排出ローラー対29を正回転(
図2の時計回り方向)させることにより処理トレイ30に沿って上方へ搬送され、排出トレイ50上に排出される。用紙束を排出トレイ50に排出するときは、ローラーホルダー31の自重だけでなく、ローラーホルダー31をバネ等の付勢部材により下方に付勢して排出ローラー29aを排出コロ29bに圧接させる。これにより、用紙の引き込み時よりも強い力で用紙束がニップされるため、用紙束を排出トレイ50に確実に排出することができる。
【0034】
また、シフト排出が設定されている場合は、第2排出ローラー対29を駆動して用紙束を排出トレイ50へと排出する際に、先ずローラーホルダー31を離間位置に移動させる。その後、側端整合カーソル35を、用紙を受け入れた位置(基準位置)、または基準位置から排出方向と直交する方向(用紙幅方向)に所定量シフトした位置(シフト位置)に配置する。そして、ローラーホルダー31を当接位置に移動させて用紙を排出する。これにより、用紙束は排出トレイ50上の基準排出位置と、基準排出位置から排出方向と直交する方向(用紙幅方向)に所定量シフトしたシフト排出位置とに交互に排出され、各用紙束は排出トレイ50上において用紙幅方向に互い違いに積載されて仕分けされる。
【0035】
また、第2排出ローラー対29の下方には用紙押さえ部材51が配置されている。用紙押さえ部材51は、支点51aを中心として揺動可能に支持されており、
図2に示すように排出トレイ50上から退避した(排出トレイ50と重ならない)退避位置と、排出トレイ50と重なる位置に突出して排出トレイ50上に排出された用紙の上面を押さえる用紙押さえ位置とに選択配置される。
【0036】
また、用紙押さえ部材51は、用紙押さえ位置に配置された状態で排出トレイ50上に積載された用紙の上面位置を検知する上面検知機構55を構成する。上面検知機構55は、用紙押さえ部材51と、用紙押さえ部材51の近傍に配置された上面検知センサー53(
図3参照)とで構成される。
【0037】
図3は、画像形成装置100と用紙後処理装置20とを含む画像形成システムの制御経路を示すブロック図である。なお、画像形成システムを使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、制御部70自体は複雑なものとなる。そこで、
図3では制御部70や用紙後処理装置20のうち、本発明の実施に必要となる部分について重点的に説明している。なお、ここでは画像形成装置100内に設けられた制御部70を用いて画像形成システム全体を制御することとしたが、用紙後処理装置20内に制御部を設けることも可能である。
【0038】
用紙種類検知センサー54は、画像形成装置100から搬入された用紙の種類を自動的に検知する。用紙種類検知センサー54としては、例えば、用紙を搬送する搬送ローラーに検出光(レーザー光)を照射し、搬送ローラーからの反射光の位置の変化により、用紙の厚みを検知する厚み検知センサー等が用いられる。
【0039】
上面検知センサー53は、発光部及び受光部から成る検知部が設けられたPI(フォトインタラプター)センサーである。以下、
図4を用いて排出トレイ50上に積載された用紙の上面位置の検知方法について説明する。
【0040】
用紙押さえ部材51を用紙後処理装置20の側面20aの内側(
図4の右側)に退避した退避位置(
図4の位置A)から排出トレイ50上に重なる用紙押さえ位置に移動させたとき、用紙押さえ部材51の先端が排出トレイ50上の用紙、若しくは排出トレイ50の上面に接触しなければ突出位置(
図4の位置B)に配置される。このとき、上面検知センサー53の検知部の受光信号レベルはHIGH状態となっている。用紙押さえ部材51は、退避位置と突出位置との間で揺動可能となってる。
【0041】
排出トレイ50上に用紙が積載されていくと、用紙押さえ部材51が用紙の上面に押圧されて揺動し、突出位置から
図4の時計回り方向に回動する。その結果、用紙押さえ部材51に形成された遮光板によって上面検知センサー53の検知部の光路が遮断され、検知部の受光信号レベルがHIGHからLOWに切り換わる。この位置(
図4の位置C)が上面検知位置となり、上面検知位置から所定時間(所定距離)だけ排出トレイ50を下降させることで、後述する用紙積載制御において通常の用紙(カールし難い用紙)の排出に適した通常積載位置(第1積載位置)となる。
【0042】
トレイ位置検知センサー59は、排出トレイ50が下限位置に配置されているか否かを検知する。トレイ位置検知センサー59は、上面検知センサー53と同様のPIセンサーであり、排出トレイ50に形成された遮光板によってトレイ位置検知センサー59の検知部の光路が遮断され、検知部の受光信号レベルがHIGHからLOWに切り換わることにより、排出トレイ50が下限位置にあることを検知可能となっている。
【0043】
制御部70は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)71、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)72、読み書き自在の記憶部であるRAM(Random Access Memory)73、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部74、カウンター75、複数(ここでは2個)のI/F(インターフェイス)76を少なくとも備えている。
【0044】
ROM72には、システムの制御用プログラムや制御上の必要な数値等、変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM73には、システムの制御途中で発生した必要なデータや、制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。また、ROM72(或いはRAM73)には、上面検知センサー53により検知された用紙の上面位置に基づいて排出トレイ50を下降させる際に、トレイ駆動モーター57に送信される基準駆動パルス値も記憶されている。
【0045】
カウンター75は、画像形成装置100での印字枚数をカウントする他、搬入検知センサーの検知信号により画像形成装置100から用紙後処理装置20に搬入される用紙の枚数をカウントする。或いは、用紙搬送方向に対し処理トレイ30の上流側に配置される用紙検知センサー28の検知信号により処理トレイ30上に搬入される用紙の枚数をカウントする。なお、カウンター75を別途設けなくても、例えばRAM73でその回数を記憶するようにしてもよい。
【0046】
また、制御部70は、画像形成装置100、用紙後処理装置20を含むシステム内の各部分、装置に対し、CPU71からI/F76を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や、入力信号がI/F76を通じてCPU71に送信される。制御部70が制御する各部分、装置としては、例えば、画像形成装置100の用紙搬送部5、画像形成部6、定着装置7(いずれも
図1参照)、用紙後処理装置20のパンチ穴形成装置21、第1排出ローラー対27、第2排出ローラー対29、処理トレイ30、ステープラー40、排出トレイ50、トレイ駆動モーター57等が挙げられる。なお、第2排出ローラー対29、排出トレイ50、用紙種類検知センサー54、上面検知機構55、トレイ駆動モーター57、トレイ位置検知センサー59は、制御部70と共に本発明のシート積載装置60を構成する。
【0047】
操作部80には、液晶表示部81、各種の状態を示すLED82、テンキー83が設けられており、ユーザーは操作部80を操作して指示を入力することで、画像形成装置100、用紙後処理装置20の各種の設定を行い、画像形成機能や後処理機能等の各種機能を実行させる。液晶表示部81は、システムの状態を示したり、画像形成状況や印字枚数を表示したり、タッチパネルとして両面印字や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定など各種設定を行えるようになっている。テンキー83は、印字枚数の設定や、画像形成装置100がFAX機能を有する場合に送信先のFAX番号を入力等するためのものである。
【0048】
その他、操作部80には、画像形成を開始するようにユーザーが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、システムの各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
【0049】
図5は、本発明の第1実施形態に係るシート積載装置60における用紙積載制御の一例を示すフローチャートである。
図1〜
図4を参照しながら、
図5のステップに沿って本実施形態のシート積載装置60における用紙積載手順について説明する。
図5に示す第1実施形態の用紙積載制御では、連続印字(連続排出)を行う一連の印字動作(1ジョブ)において複数種類の用紙を不規則に排出する場合、用紙の種類に応じて用紙一枚毎に排出トレイ50の高さを調整する。
【0050】
ユーザーにより操作部80(
図3参照)やパソコン設定画面(操作端末)から印字指示が入力されると、制御部70は、先ず、排出トレイ50上に用紙が積載されていない状態で、排出トレイを予め用紙押さえ部材51により排出トレイ50または用紙の上面を検知可能な上面検知位置まで上昇させておく(ステップS1)。そして、用紙種類検知センサー54によって検知された用紙種類情報を取得する(ステップS2)。次に、制御部70は、取得した用紙の種類がカールし易い用紙であるか否かを判断する(ステップS3)。取得した用紙の種類が普通紙や薄紙等であり、カールし易い用紙でない場合は(ステップS3でNo)、排出トレイ50を上面検知位置から所定距離だけ下降させた通常積載位置(第1積載位置)に配置する(ステップS4)。一方、取得した用紙の種類が厚紙等のカールし易い用紙である場合は(ステップS3でYes)、排出トレイ50を通常積載位置よりも低い下限位置(第2積載位置)に配置する(ステップS5)。
【0051】
具体的には、制御部70は、取得した用紙の種類と上面検知センサー53及びトレイ位置検知センサー59から送信される検知信号とに基づいて排出トレイ50の位置を判断する。そして、カールし易い用紙でなく、且つ排出トレイ50が下限位置に配置されている場合、又は、カールし易い用紙であり、且つ排出トレイ50が通常積載位置に配置されている場合は、トレイ駆動モーター57により排出トレイ50を上昇又は下降させて排出トレイ50を通常積載位置又は下降位置に配置する。一方、カールし易い用紙でなく、且つ排出トレイ50が通常積載位置に配置されている場合、又は、カールし易い用紙であり、且つ排出トレイ50が下限位置に配置されている場合は、排出トレイ50を移動させない。
【0052】
そして、印字を開始することにより排出トレイ50上に用紙が排出される(ステップS6)。次に、制御部70は、印字が終了したか否かを判断する(ステップS7)。印字が終了している場合は(ステップS7でYes)そのまま処理を終了する。印字が継続している場合は(ステップS7でNo)ステップS1に戻り、以下同様の手順を繰り返す。
【0053】
上述したような制御を行うことにより、厚紙等のカールし易い用紙を排出するときは排出トレイ50を下限位置に配置した状態で用紙が排出されるため、排出トレイ50上に積載された用紙が後続の用紙によって排出方向に押し出されず、用紙の整合不良や排出トレイ50からの落下を効果的に防止することができる。一方、普通紙や薄紙等のカールし難い用紙を排出するときは排出トレイ50を通常積載位置に配置した状態で用紙が排出されるため、用紙の先端が自重により下方に垂れ下がり、排出トレイの上面に突っかかって丸まった状態で積載される現象を回避することができる。
【0054】
図6は、本発明の第2実施形態に係るシート積載装置60における用紙積載制御の一例を示すフローチャートである。
図1〜
図4を参照しながら、
図6のステップに沿って本実施形態のシート積載装置60における用紙積載手順について説明する。本実施形態のシート積載装置60では、排出トレイ50を上面検知位置、通常積載位置、下限位置、及び、下限位置よりも高く通常積載位置よりも低い中間位置の3箇所に配置可能となっており、トレイ位置検知センサー59は、排出トレイ50が下限位置に配置されているか否か、及び中間位置に配置されているか否かを検出可能である。
【0055】
ユーザーにより操作部80(
図3参照)やパソコン設定画面(操作端末)から印字指示が入力されると、制御部70は、先ず、排出トレイ50上に用紙が積載されていない状態で、排出トレイを予め用紙押さえ部材51により排出トレイ50または用紙の上面を検知可能な上面検知位置まで上昇させておく(ステップS1)。そして、制御部70は、用紙種類検知センサー54によって検知されたN枚目(N;自然数)の用紙種類情報を取得し(ステップS2)、さらにN+1枚目の用紙種類情報を取得する(ステップS3)。次に、制御部70は、取得したN枚目の用紙の種類がカールし易い用紙であるか否かを判断する(ステップS4)。
【0056】
N枚目の用紙の種類が普通紙や薄紙等であり、カールし易い用紙でない場合は(ステップS4でNo)、次に、排出トレイ50を上面検知位置から所定距離だけ下降させた通常積載位置(第1積載位置)に配置する(ステップS5)。一方、N枚目の用紙の種類が厚紙等のカールし易い用紙である場合は(ステップS4でYes)、制御部70は、N+1枚目の用紙の種類がカールし易い用紙であるか否かを判断する(ステップS6)。
【0057】
N+1枚目の用紙の種類がカールし易い用紙である場合は(ステップS6でYes)、排出トレイ50を通常積載位置よりも低い下限位置(第2積載位置)に配置する(ステップS7)。また、N+1枚目の用紙の種類がカールし易い用紙でない場合は(ステップS6でNo)、排出トレイ50を通常積載位置よりも低く、下限位置よりも高い中間位置(第3積載位置)に配置する(ステップS8)。
【0058】
ここで、制御部70は、第1実施形態と同様に、取得した用紙の種類と上面検知センサー53及びトレイ位置検知センサー59から送信される検知信号とに基づいて排出トレイ50の位置を判断する。そして、排出トレイ50の位置がステップS5、S7、S8において配置されるべき位置と異なる場合にのみトレイ駆動モーター57を駆動して排出トレイ50を所定の位置に移動させる。
【0059】
その後、印字を開始することにより排出トレイ50上に用紙が排出される(ステップS9)。次に、制御部70は、印字が終了したか否かを判断する(ステップS10)。印字が終了している場合は(ステップS10でYes)そのまま処理を終了する。印字が継続している場合は(ステップS10でNo)、N+1枚目の用紙種類情報をN枚目の用紙種類情報として(ステップS11)ステップS2に戻り、以下同様の手順を繰り返す。
【0060】
上述したような制御を行うことにより、第1実施形態と同様に、カールし易い用紙が選択されたときは排出トレイ50を下限位置に配置した状態で用紙が排出されるため、排出トレイ50上に積載された用紙が後続の用紙によって排出方向に押し出されず、用紙の整合不良や排出トレイ50からの落下を効果的に防止することができる。一方、カールし難い用紙が選択されたときは排出トレイ50を通常積載位置に配置した状態で用紙が排出されるため、用紙の先端が自重により下方に垂れ下がり、排出トレイの上面に突っかかって丸まった状態で積載される現象を回避することができる。
【0061】
また、N枚目の用紙がカールし易い用紙であり、N+1枚目の用紙がカールし難い用紙である場合は、排出トレイ50を通常積載位置よりも低く下限位置よりも高い中間位置に配置した状態でN枚目の用紙が排出されるため、N+1枚目の用紙が排出されるまでに排出トレイ50を通常積載位置まで確実に上昇させることができる。従って、用紙後処理装置20の処理効率を落とすことなく、排出トレイ50上の用紙の積載不良や排出トレイ50からの用紙の落下、および用紙が丸まった状態で積載される現象を効果的に防止することができる。
【0062】
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記各実施形態においては、用紙種類検知センサー54によって検知された用紙種類情報に基づいて排出トレイ50の位置を変更しているが、予め操作部80やパソコン設定画面から用紙一枚毎の種類を入力しておき、入力された用紙の種類情報を用いて排出トレイ50の位置を変更することもできる。
【0063】
また、上記各実施形態においては、画像形成装置100に連結される用紙後処理装置20から排出される用紙を積載するシート積載装置60を例に挙げて説明したが、画像形成装置100から排出される用紙を積載するシート積載装置においても本発明を適用することができる。
【0064】
また、上記各実施形態では、用紙の種類がカールし易い用紙であるときは排出トレイ50を下限位置(第2積載位置)まで下降させているが、大容量の排出トレイ50では、下限位置まで下降させると第2排出ローラー対29からの距離が遠くなり過ぎて用紙の積載状態が乱れてしまうおそれがある。そのような場合、上面検知位置よりも低く、且つ下限位置よりも高い位置であって、排出トレイ50上に積載された用紙と第2排出ローラー対29により排出されてくる用紙とが衝突するおそれのない位置(第2積載位置)まで下降させることが好ましい。