(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行車体(2)の後方に複数条分の苗を積載する苗載置部(51)と、この苗載置部(51)から苗を取って圃場に植え付ける複数条分の苗植付装置(52a、52b、…)と、これらの苗植付装置(52a、52b、…)のいずれかへの駆動力の伝動を入切する部分条クラッチ(71a、71b、…)と、を備える苗移植機において、
これら部分条クラッチ(71a、71b、…)を操作する切替操作部材(73)を、複数のスイッチ(94a、94b、…)を左右方向に並べて構成し、
複数の該スイッチ(94a、94b、…)のうち第一に左端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち左端に位置するものを切状態にすると共に、
複数の前記スイッチ(94a、94b、…)のうち第一に右端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち右端に位置するものを切状態にする構成とし、
前記スイッチ(94a、94b、…)のうち左側端部または右側端部のものを第一に操作した後、第一に操作した側と反対側の端部の前記スイッチ(94a、94b、…)、及び左側端部の前記スイッチ(94a、94b、…)と右側端部の前記スイッチ(94a、94b、…)の左右間に位置する前記スイッチ(94a、94b、…)を操作しても、第一に操作した側と反対側の端部の前記スイッチ(94a、94b、…)に対応する前記部分条クラッチ(71a、71b、…)は切状態にしない構成とし、
前記部分条クラッチ(71a、71b、…)を入切するための伝動切替アーム(76、77a、77b、…)を、前記部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち左右の外側端部に位置するものを入切する一の主伝動切替アーム(76)と、前記部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち左右の外側端部に位置しないものを入切する複数の副伝動切替アーム(77a、77b、…)と、で構成し、
これらの伝動切替アーム(76、77a、77b…)を、左右どちらかの外側端部から順に前記部分条クラッチ(71a、71b、…)を入切する構成とすると共に、前記切替操作部材(73)を、三以上のスイッチ(94a、94b、…)を水平に並べて構成し、
これらのスイッチ(94a、94b、…)のうち第一に左端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち左端に位置するものを切る方向に主伝動切替アーム(76)が動作し、
前記スイッチ(94a、94b、…)のうち第一に右端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち右端に位置するものを切る方向に主伝動切替アーム(76)が動作する構成とし、
支持フレーム(75)上には、回動自在に配置した前記伝動切替アーム(76、77a、77b、…)と、これらの伝動切替アーム(76、77a、77b、…)を回動させるための接触ピン(86)を備えた連続切替部材(82)と、この連続切替部材(82)を駆動させる切替アクチュエータ(74)とを設け、前記連続切替部材(82)と切替アクチュエータ(74)との伝動を歯車伝動で行うと共に、前記連続切替部材(82)の角度を検出する角度検出手段(90)を設けたことを特徴とする苗移植機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、圃場端部の植付等のために作業者が部分条クラッチを使用する場合、部分条クラッチすべてについて切にすることがない。そのため部分条クラッチに対して各々スイッチを設ける必要はなく、この点についてコストが増大する問題がある。加えて、特許文献1の部分条クラッチでは、その全てを「切」にすることができるので、作業者が誤って全てを「切」にするという誤操作をするという問題がある。
【0005】
また、部分条クラッチ切替機構は、1条目と2条目、3条目と4条目、5条目と6条目に対応する切替アームがすべて別の部品であり、部品点数が多く、メンテナンス作業時等に分解すると、組立に要する時間と労力が増大する問題がある。特に条数が多い時にはこの問題が大きくなる。
【0006】
加えて、部分条クラッチ切替機構内は各切替アームの回動範囲を確保すべく、上下方向の異なる位相に各切替アームを設けているので、上下方向の厚みができてしまい、部分条クラッチ切替機構の配置用のスペースが過度に広くなる問題がある。
【0007】
特許文献2の苗移植機は、エンジンの後部にラジエータを備え、エンジンを冷却する構成としている。
【0008】
しかしながら、フロアステップの下部に設けられているエンジンの熱は、機体前側や機体側方にも発散されるので、エンジンの周囲に熱がこもり、長時間作業が続くとオーバーヒートを起こしやすくなるという問題がある。
【0009】
またエンジンの前側に設けられる油圧式無段変速装置(HST)も作動により高温化することがあり、内部の作動油が過熱されると作動油の流れが乱れ、作業者の操作通りにHSTが作動しなくなる問題がある。
【0010】
よって上記問題を解決する苗移植機を提供することが、本発明が解決しようとする課題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
【0012】
すなわち、請求項1に記載の発明は、走行車体(2)の後方に複数条分の苗を積載する苗載置部(51)と、この苗載置部(51)から苗を取って圃場に植え付ける複数条分の苗植付装置(52a、52b、…)と、これらの苗植付装置(52a、52b、…)のいずれかへの駆動力の伝動を入切する部分条クラッチ(71a、71b、…)と、を備える苗移植機において、
これら部分条クラッチ(71a、71b、…)を操作する切替操作部材(73)を、複数のスイッチ(94a、94b、…)を左右方向に並べて構成し、
複数の該スイッチ(94a、94b、…)のうち第一に左端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち左端に位置するものを切状態にすると共に、
複数の前記スイッチ(94a、94b、…)のうち第一に右端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち右端に位置するものを
切状態にする構成とし、
前記スイッチ(94a、94b、…)のうち左側端部または右側端部のものを第一に操作した後、第一に操作した側と反対側の端部の前記スイッチ(94a、94b、…)、及び左側端部の前記スイッチ(94a、94b、…)と右側端部の前記スイッチ(94a、94b、…)の左右間に位置する前記スイッチ(94a、94b、…)を操作しても、第一に操作した側と反対側の端部の前記スイッチ(94a、94b、…)に対応する前記部分条クラッチ(71a、71b、…)は切状態にしない構成とし、
前記部分条クラッチ(71a、71b、…)を入切するための伝動切替アーム(76、77a、77b、…)を、前記部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち左右の外側端部に位置するものを入切する一の主伝動切替アーム(76)と、前記部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち左右の外側端部に位置しないものを入切する複数の副伝動切替アーム(77a、77b、…)と、で構成し、
これらの伝動切替アーム(76、77a、77b…)を、左右どちらかの外側端部から順に前記部分条クラッチ(71a、71b、…)を入切する構成とすると共に、前記切替操作部材(73)を、三以上のスイッチ(94a、94b、…)を水平に並べて構成し、
これらのスイッチ(94a、94b、…)のうち第一に左端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち左端に位置するものを切る方向に主伝動切替アーム(76)が動作し、
前記スイッチ(94a、94b、…)のうち第一に右端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち右端に位置するものを切る方向に主伝動切替アーム(76)が動作する構成とし、
支持フレーム(75)上には、回動自在に配置した前記伝動切替アーム(76、77a、77b、…)と、これらの伝動切替アーム(76、77a、77b、…)を回動させるための接触ピン(86)を備えた連続切替部材(82)と、この連続切替部材(82)を駆動させる切替アクチュエータ(74)とを設け、前記連続切替部材(82)と切替アクチュエータ(74)との伝動を歯車伝動で行うと共に、前記連続切替部材(82)の角度を検出する角度検出手段(90)を設けたことを特徴とする苗移植機である。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、前記
走行車体(2)上に、HST(23)と、このHST(23)の後方にエンジン(20)とを設け、このエンジン(20)の駆動力をHST(23)に伝動する伝動軸(100)を備え、この伝動軸(100)に、機体後方に向けて冷却風を発生させる起風部材(101)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機である。
【0014】
(削除)
【0015】
(削除)
【0016】
上記の請求項1
または2に記載の発明に関連する、第1の関連発明は、前記伝動軸(100)の左右両側に補助起風部材(102、102)を設け、この補助起風部材(102、102)を、前記伝動軸(100)に巻き回した伝動無端体(103)により駆動し、前記起風部材(101)により左右方向に向かって生じた冷却風を、補助起風部材(102、102)により機体前方又は機体後方のいずれかに向けて送風することを特徴とする苗移植機である。
【0017】
また、請求項1
または2に記載の発明、ならびに第1の関連発明に関連する第2の関連発明は、前記左右両側に設けた補助起風部材(102、102)のうち、左右一側の補助起風部材(102)の送風方向を機体前側とすると共に、左右他側の補助起風部材(102)の起風方向を機体後側とし、前記エンジン(20)を冷却するラジエータ(104)を、左右他側に偏倚して配置し、更に前記HST(23)の出力軸に、機体左右方向に冷却風を起風するHST起風部材(105)を設けたことを特徴とする苗移植機である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明によれば、複数のスイッチ(94a、94b、…)のうち第一に左端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち左端に位置するものを切れると共に、スイッチ(94a、94b、…)のうち第一に右端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち右端に位置するものを切れることにより、作業者が最初に押すべきスイッチを間違いにくくなり、操作性が向上する。
【0019】
また、複数のスイッチ(94a、94b、…)のうち左側端部または右側端部のものを第一に操作した後、操作した側と反対側の端部のスイッチ(94a、94b、…)、及び左側端部のスイッチ(94a、94b、…)と右側端部のスイッチ(94a、94b、…)の左右間に位置するスイッチ(94a、94b、…)を操作しても、第一に操作した側と反対側の端部のスイッチ(94a、94b、…)に対応する部分条クラッチ(71a、71b、…)が切状態にならないことにより、全ての部分条クラッチ(71a、71b、…)を切るという誤操作がなくなったり、操作工数が減ったりするので、操作性が向上する。
【0020】
(削除)
【0021】
また、伝動切替アーム(76、77a、77b…)を、左右どちらかの外側端部から順に部分条クラッチ(71a、71b、…)を入切する構成とすることにより、一部の部分条クラッチ(71a、71b、…)を切り忘れることを防止できるので、不要な箇所に苗を植付けることが防止でき、苗の消費量を抑えることができる。
【0022】
また、部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち、左右の外側端部に位置するものを入切する一の主伝動切替アーム(76)を設け、スイッチ(94a、94b、…)のうち第一に左端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち左端に位置するものを切る方向に主伝動切替アーム(76)が動作し、スイッチ(71a、71b、…)のうち第一に右端のものを操作すると部分条クラッチ(71a、71b、…)のうち右端に位置するものを切る方向に主伝動切替アーム(76)が動作することにより、部品点数を減らすことができるので簡潔な構造となり、メンテナンス性が向上する。
【0023】
また、伝動切替アーム(76、77a、77b、…)を回動させるための接触ピン(86)を備えた連続切替部材(82)と切替アクチュエータ(74)との伝動を歯車伝動で行うと共に、連続切替部材(82)の角度を検出する角度検出手段(90)を設けたことにより、伝達誤差を少なくすることができるので、部分条クラッチ(71a、71b、…)入切の動作がより確実に行われる。
【0024】
請求項
2記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、エンジン(20)の駆動力をHST(23)に伝動する伝動軸(100)に、機体後方に向けて冷却風を発生させる起風部材(101)を設けたことにより、エンジン(20)の駆動力によって起風部材(101)から冷却風を発生させることができ、この冷却風でエンジン(20)を冷却できる。これにより簡易な構成でオーバーヒートを防止できるので、作業能率が向上する。
【0025】
また、第1の関連発明によれば、請求項1
または2に記載の発明の効果に加えて、伝動軸(22)の左右両側に設けた補助起風部材(102、102)を、前記伝動軸(100)に巻き回した伝動無端体(103)により駆動することにより、既存の駆動力を用いて補助起風部材(102、102)を駆動することができる。
【0026】
また、起風部材(101)により左右方向に向かって生じた冷却風を、補助起風部材(102、102)により機体前方に向けて送風場合は、HST(23)のオーバーヒートを防止でき、作業能率が向上する。
【0027】
そして、起風部材(101)により左右方向に向かって生じた冷却風を、補助起風部材(102、102)により機体後方に向けて送風する場合は、エンジン(20)をより適切に冷却でき、オーバーヒートを防止できるので作業能率が向上する。
【0028】
また、第2の関連発明によれば、請求項1
または2、ならびに第1の関連発明に記載の発明の効果に加えて、左右一側の補助起風部材(102)の送風方向を機体前側とすると共に、左右他側の補助起風部材(102)の起風方向を機体後側とし、エンジン(20)を冷却するラジエータ(104)を、左右他側に偏倚して配置し、更にHST(23)の出力軸に、機体左右方向に冷却風を起風するHST起風部材(105)を設けたことにより、エンジン(20)、HST(23)を冷却しながら冷却風を走行車体(2)に周回させ、更にラジエータ(104)が後方に流れてくる熱風を効率よく吸入できるので、エンジン(20)等の冷却が効率的に行われ、オーバーヒートが防止され、作業能率が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、苗移植機の前進方向を基準として、それぞれ前後及び左右とする。
【0031】
図1には、本発明の第一実施形態にかかる8条植えの苗移植機の側面図を、
図2には平面図を示す。本発明の第一実施形態にかかる苗移植機は、走行車体2の後側に昇降リンク機構3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。
【0032】
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10及び左右一対の後輪11を備えた四輪駆動車両であり、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13が設けられ、該左右前輪ファイナルケース13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪10が各々取り付けられている。
【0033】
ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18から外向きに突出する後輪車軸に後輪11が取り付けられている。
【0034】
エンジン20は、メインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、ベルト伝動装置21及びHST23を介してミッションケース12に伝達される。
【0035】
ミッションケース12に伝達された回転動力は、ミッションケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13に伝達されて前輪10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18に伝達されて後輪11を駆動する。
【0036】
又、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝動されるとともに、施肥伝動機構によって施肥装置5へ伝動される。
【0037】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に運転席31を設置する。運転席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10を操向操作する操縦ハンドル34が設けられている。
【0038】
エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35は一部格子状になっており(
図2参照)、フロアステップ35を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下する構成となっている。
【0039】
昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41、41を備えている。上リンク40及び下リンク41は、それらの基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に、苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。
【0040】
メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム(図示せず)の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、昇降油圧シリンダ46を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4が略一定姿勢のまま昇降する。
【0041】
苗植付部4は、8条植の構成で、フレームを兼ねる植付伝動ケース50、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分ずつ各条の苗取出口51aに供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口51aに供給すると苗送りベルト51bにより苗を下方に移送する苗載置部51、苗取出口51aに供給された苗を苗植付具54によって圃場に植付ける苗植付装置52、次工程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ19等を
備えている。
【0042】
植付伝動ケース50の後部は、4つに分岐しており、分岐したそれぞれの後端部に植付駆動軸が回転自在に支承されており、この植付駆動軸の左右突出部にロータリーケース16の中央部が一体回転する構成で固定して取り付けられている。更にロータリーケース16の両端部に植付回動軸を回転自在に支承し、これらの2つの植付回動軸のそれぞれに苗植付具54が取り付けられている。
【0043】
苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にミドルフロート57とサイドフロート56がそれぞれ設けられている。これらフロート55、57、56を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロート55、57、56が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置52により苗が植付けられる。
【0044】
各フロート55、57、56は、圃場表土面の凹凸に対応して前端側が上下動する如く回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が迎角制御センサー(図示せず)により検出され、その検出結果に対応して昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
【0045】
施肥装置5は、肥料タンク60に貯留されている粒状の肥料を繰出部61によって一定量ずつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62でセンターフロート55及びサイドフロート56の左右両側に取り付けた施肥ガイド(図示せず)まで導き、施肥ガイドの前側に設けた作溝体(図示せず)によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込む構成となっている。ブロアー用電動モーター53で駆動するブロアー58で発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバー59を経由して施肥ホース62に吹き込まれ、施肥ホース62内の肥料を風圧で強制的に搬送する構成となっている。
【0046】
苗植付部4には整地ローター27(第1整地ローター27aと第2整地ローター27bの組み合わせを単に整地ローター27と言う)が取り付けられている。又、苗載置部51は、苗植付部4の全体を支持する左右方向と上下方向に幅一杯の矩形の支持枠体65の支持ローラー65aをレールとして左右方向にスライドする構成である。
【0047】
走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく一対の予備苗枠38が設けられている。
【0048】
図3は、苗植付装置52への駆動力の伝動の入切を2条ごとに制御する部分条クラッチ71a、71b、…の接続構成を示すブロック図である。
図3では、植付伝動ケース50及び苗植付装置52の部分について、上から視た図を示している。
【0049】
植付伝動ケース50の後部の4つに分岐したそれぞれの後端部に、2条分の苗を植え付ける苗植付装置52が設けられている。ここでは、それらの4つの苗植付装置52を、機体の左側から順に、第1苗植付装置52a、第2苗植付装置52b、第3苗植付装置52c及び第4苗植付装置52dとする。
【0050】
植付伝動ケース50の後部の4つに分岐したそれぞれの後端部には、各後端部に設けられているロータリーケース16及び苗植付具54への駆動力を入切する部分条クラッチ71a、71b…が設けられており、2条分の苗を植え付ける苗植付装置52ごとの苗の植え付け動作を個別に制御出来る構成となっている。すなわち、第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dによって、それぞれ、第1苗植付装置52a、第2苗植付装置52b、第3苗植付装置52c及び第4苗植付装置52dへの駆動力の伝動が入切される。
【0051】
第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dは、それぞれ、第1クラッチワイヤー72a、第2クラッチワイヤー72b、第3クラッチワイヤー72c及び第4クラッチワイヤー72dによって部分条クラッチ切替機構70に接続されている。第1クラッチワイヤー72a、第2クラッチワイヤー72b、第3クラッチワイヤー72c及び第4クラッチワイヤー72dが、部分条クラッチ切替機構70によって引っ張られることにより、対応する第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dが「切」状態となり、対応する第1苗植付装置52a、第2苗植付装置52b、第3苗植付装置52c及び第4苗植付装置52dへの駆動力の伝動が切れる。
【0052】
本発明の第一実施形態にかかる苗移植機は、部分条クラッチ切替機構70を操作する切替操作部材73を、前記部分条クラッチ71a、71b、71c、71dよりも一少ない数のスイッチ94a、94b、94cを水平に並べて構成する。
図4には、該スイッチ94a、94b、94cを正面から見た図(即ち車体後方から見た図)を示す。これらのスイッチ94a、94b、94cは、操縦ハンドル34を備えるコラム上面等に配置する。
第1スイッチ94aが左端に位置するスイッチ、第3スイッチ94cが右端に位置するスイッチであり、作業者が第一に左端の第1スイッチ94aを操作すると部分条クラッチ切替機構70が作動して、部分条クラッチ71a、71b、71c、71dのうち左端に位置する第1部分条クラッチ71aを切り、作業者が第一に右端の第3スイッチ94cを操作すると、部分条クラッチ71a、71b、71c、71dのうち右端に位置する第4部分条クラッチ71dを切る。
【0053】
作業者が、第一に左端の第1スイッチ94aを操作した後、第1部分条クラッチ71aに加えて第2部分条クラッチ71bを切る場合、制御プログラムの構成により、第二に再度第1スイッチ94aを操作したり、第2スイッチ94bを操作したりするようにする。作業者が第1部分条クラッチ71aに加えて、第2及び第3部分条クラッチ71b、71cを切る場合、即ち右端に位置する第4部分条クラッチ71dのみを入れた状態にする場合、第一に左端に位置する第1スイッチ94aを押した後、第二に右端に位置する第3スイッチ94cを押すと、右端に位置する第4部分条クラッチ71d以外の第1から第3部分条クラッチ71a、71b、71cを切る。
【0054】
逆に、作業者が、第一に右端の第3スイッチ94cを操作した後、第4部分条クラッチ71dに加えて、第3部分条クラッチ71cを切る場合、制御プログラムの構成により第二に再度第3スイッチ94cを操作したり、第2スイッチ94bを操作したりするようにする。作業者が第4部分条クラッチ71dに加えて、第2及び第3部分条クラッチ71b、71cを切る場合、即ち左端に位置する第1部分条クラッチ71aのみを入れた状態にする場合、第一に右端に位置する第3スイッチ94cを押した後、第二に左端に位置する第1スイッチ94aを押すと、左端に位置する第1部分条クラッチ91a以外の第2から第4部分条クラッチ71b、71c、71dを切る。
【0055】
切状態とした各部分条クラッチ71a、71b、71c、71dを再度入状態にする時は、制御プログラムにより第一に操作したスイッチを再度操作するようにしたり、別途設けたリセットスイッチを操作するようにしたりする。
【0056】
部分条クラッチ71a、71b、…を操作する切替操作部材73を、部分条クラッチ71a、71b、…よりも一少ない数のスイッチ94a、94b、…を水平に並べて構成したことにより、部品点数を削減しコストを抑えることができる。
【0057】
また、スイッチ94a、94b、…のうち第一に左端のものを操作すると部分条クラッチ71a、71b、…のうち左端に位置するものを切ることができると共に、スイッチ94a、94b、…のうち、第一に右端のものを操作すると部分条クラッチ71a、71b、…のうち右端に位置するものを切ることができるので、作業者が最初に押すべきスイッチを間違いにくくなり、操作性が向上する。
【0058】
スイッチ94a、94b、…のうち左側端部または右側端部のものを第一に操作した後、操作した側と反対側の端部のものを第二に操作すると、部分条クラッチ71a、71b、…のうち第二に操作した側端以外のものを切る構成としたことにより、全ての部分条クラッチ71a、71b、…を切るという誤操作がなくなったり、操作工数が減ったりするので操作性が向上する。
【0059】
図5には、
図1の苗移植機の部分条クラッチ切替機構70の構成を示す。
図5(a)には、苗移植機の部分条クラッチ切替機構70の正面図を示し、
図5(b)には底面図を示す。又、部分条クラッチ切替機構70を構成する各部材の前後関係をわかり易くすべく、クラッチワイヤーの図示を省略した正面図を
図6に示す。
【0060】
切替機構の支持フレーム75の手前側に、主伝動切替アーム76、第1の副伝動切替アーム77a及び第2の副伝動切替アーム77bが、それぞれ、第1回動支点79、第2回動支点80及び第3回動支点81を中心として回動自在に取り付けられている。
【0061】
主伝動切替アーム76は、上部にリング状の接触ピン摺動孔84が形成された平板部材である。又、副伝動切替アーム77a、77bは、屈曲部を有する「く」の字の形状の平板部材である。これらの切替アームは、手前側から、主伝動切替アーム76、第1の副伝動切替アーム77a、第2の副伝動切替アーム77bの順に、前後方向に重なる構成で配置されている。
【0062】
主伝動切替アーム76の下端部には、第1クラッチワイヤー72a及び第4クラッチワイヤー72dのそれぞれの端部が連結している。又、第1の副伝動切替アーム77aの下端部には、第2クラッチワイヤー72bが連結しており、第2の副伝動切替アーム77bの下端部には、第3クラッチワイヤー72cが連結している。
【0063】
図5(a)、
図5(b)及び
図6は、いずれのクラッチワイヤーも引っ張っていない状態、すなわち第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dのいずれも「入」となっている状態を示している。
【0064】
この部分条クラッチ切替機構70は、主伝動切替アーム76と第1及び第2の副伝動切替アーム77a、77bが順次回動することで、部分条クラッチ71a…が、左右いずれかの端部から順に入切するように構成している。主伝動切替アーム76が、
図5(a)に示す状態から、第1回動支点79を中心に右回り(時計回り)に回動すると、第1クラッチワイヤー72aが引っ張られ、第1部分条クラッチ71aが「切」となる。一方、主伝動切替アーム76が、
図5(a)に示す状態から、第1回動支点79を中心に左回り(反時計回り)に回動すると、第4クラッチワイヤー72dが引っ張られ、第4部分条クラッチ71dが「切」となる。
【0065】
第1の副伝動切替アーム77aが、
図5(a)に示す状態から、第2回動支点80を中心に右回りに回動すると、第2クラッチワイヤー72bが引っ張られ、第2部分条クラッチ71bが「切」となる。第2の副伝動切替アーム77bが、
図5(a)に示す状態から、第3回動支点81を中心に右回りに回動すると、第3クラッチワイヤー72cが引っ張られ、第3部分条クラッチ71cが「切」となる。
【0066】
切替機構の支持フレーム75の奥側には、弧状の縁部に歯部が形成されている扇形状の連続切替部材82が、切替ギヤ回動支点87を中心として回動自在に取り付けられている。連続切替部材82の弧状の縁部に形成されている歯は、電動モータである切替アクチュエータ74によって回転する切替機構駆動ギヤ83の歯と噛み合っており、連続切替部材82は、切替機構駆動ギヤ83の回転に伴って、切替ギヤ回動支点87を中心に回動する。
【0067】
連続切替部材82の弧状の縁部に近い位置に、接触ピン86が立設する。そして、接触ピン86を貫通させるべく、支持フレーム75の、接触ピン86に対応する位置に接触ピン移動孔85が形成されている。接触ピン移動孔85は、切替ギヤ回動支点87を中心とする弧状の長孔であり、連続切替部材82が回動する際に、接触ピン86が、接触ピン移動孔85内を移動する構成となっている。切替ギヤ回動支点87を貫通する構成で配置されている接触ピン86は、最も手前に配置されている主伝動切替アーム76の接触ピン摺動孔84も貫通する長さを有している。
【0068】
したがって、連続切替部材82の回動に伴って接触ピン86が移動する際、接触ピン摺動孔84の内縁に接触して押しながら移動するので、主伝動切替アーム76の姿勢を変化させる。
【0069】
具体的には、
図5(a)に示す状態から、連続切替部材82が左回りに回動すると、接触ピン86によって接触ピン摺動孔84の右側の内縁部分が押されていき、主伝動切替アーム76の上部を右に移動させる。主伝動切替アーム76は、第1回動支点79を中心として回動するので、右回りに回動し、第1クラッチワイヤー72aが引っ張られる。
一方、
図5(a)に示す状態から、連続切替部材82が右回りに回動すると、接触ピン86によって接触ピン摺動孔84の左側の内縁部分が押されていき、主伝動切替アーム76の上部を左に移動させる。したがって、主伝動切替アーム76は、第1回動支点79を中心として左回りに回動し、第4クラッチワイヤー72dが引っ張られる。
【0070】
接触ピン86は、第1の副伝動切替アーム77aよりも手前側まで突出しているので、接触ピン86が移動して第1の副伝動切替アーム77aの周縁の位置まで達すると、その後、第1の副伝動切替アーム77aの周縁部に接触して押しながら移動するので、第1の副伝動切替アーム77aの姿勢を変化させる。
【0071】
具体的には、
図5(a)に示す状態から、連続切替部材82が左回りに回動すると、接ピン86は、切替ギヤ回動支点87を中心に左回りに回動していく。接触ピン86が第1の副伝動切替アーム77aに接触する前は、副伝動切替アーム77aの姿勢は変化しないが、接触ピン86が副伝動切替アーム77aに接触した以降は、副伝動切替アーム77aの「く」の字の右側の周縁部分が右上方へ押されていく。第1の副伝動切替アーム77aは、第2回動支点80を中心として回動するので、「く」の字の右側の周縁部分が右上方へ押されると、右回りに回動し、第2クラッチワイヤー72bが引っ張られる。
【0072】
一方、
図5(a)に示す状態から、連続切替部材82が右回りに回動すると、接触ピン86は、切替ギヤ回動支点87を中心に右回りに回動していく。接触ピン86が第1の副伝動切替アーム77aに接触する前は、副伝動切替アーム77aの姿勢は変化しないが、接触ピン86が副伝動切替アーム77aに接触した以降は、副伝動切替アーム77aの「く」の字の左側の周縁部分が上方へ押されていく。副伝動切替アーム77aは、第2回動支点80を中心として回動するので、「く」の字の左側の周縁部分が上方へ押されると、このときも右回りに回動し、第2クラッチワイヤー72bが引っ張られる。第1の副伝動切替アーム77aの「く」の字の屈曲角、及び第2回動支点80の位置は、上記動作をするように定める。
【0073】
接触ピン86は、第2の副伝動切替アーム77bよりも手前側まで突出しているので、接触ピン86が移動して副伝動切替アーム77bの周縁の位置まで達すると、その後、副伝動切替アーム77bの周縁部に接触して押しながら移動するので、副伝動切替アーム77bの姿勢を変化させる。
【0074】
副伝動切替アーム77bについても、接触ピン86の移動に伴って、接触ピン86が周縁部に接触した以降は、第1の副伝動切替アーム77aと同様の動作をする。
【0075】
すなわち、連続切替部材82が左回りに回動したときにも、右回りに回動したときにも、接触ピン86が第2の副伝動切替アーム77bの周縁部に接触した以降は、接触ピン86が回動するとともに、副伝動切替アーム77bは、第3回動支点81を中心として右回りに回動し、第3クラッチワイヤー72cが引っ張られる。
【0076】
但し、第1の副伝動切替アーム77aと第2の副伝動切替アーム77bとは、接触ピン86が接触するときの接触ピン86の位置が異なるので、同時には回動しない。したがって、第2クラッチワイヤー72bと第3クラッチワイヤー72cとは、同時には引っ張られない。
【0077】
接触ピン86が、左回りに回動するときには、第2の副伝動切替アーム77bよりも前に第1の副伝動切替アーム77aと接触するので、まず第2クラッチワイヤー72bが引っ張られる。その後、さらに接触ピン86が左回りに回動したときには、第2の副伝動切替アーム77bと接触して、第3クラッチワイヤー72cも引っ張られる。
【0078】
一方、接触ピン86が、右回りに回動するときには、第1の副伝動切替アーム77aよりも前に第2の副伝動切替アーム77bと接触するので、まず第3クラッチワイヤー72cが引っ張られる。その後、さらに接触ピン86が右回りに回動したときには、第1の副伝動切替アーム77aと接触して、第2クラッチワイヤー72bも引っ張られる。第2の副伝動切替アーム77bの「く」の字の屈曲角、及び第3回動支点81の位置は、上記動作をするように定める。
【0079】
本実施の形態では、連続切替部材82の回動角度を正確に制御すべく、連続切替部材82の回動角度を検出するポテンショメータである角度検知部材90を設けている。
【0080】
図7には、
図1の苗移植機の部分条クラッチに角度検知部材90であるポテンショメータを加えた場合の、部分条クラッチ切替機構70の正面図を示す。角度検知部材90は、支持フレーム75の奥側、すなわち
図7に向かって支持フレーム75の裏側の面に設ける。角度検知部材90は、先端側に位置検出孔92が形成されたメータアーム91を有しており、このメータアーム91の回動角度を検出する構成となっている。
【0081】
連続切替部材82には、位置検出ピン93が奥側に向けて立設しており、メータアーム91に形成されている位置検出孔92に嵌め合わされている。位置検出孔92は、長孔であり、連続切替部材82が回動すると、位置検出ピン93が位置検出孔92に接触しながら移動して、メータアーム91を回動させる。連続切替部材82の回動する角度に対応してメータアーム91の回動角度が変化するので、角度検知部材90がメータアーム91の回動角度を検出することにより、連続切替部材82の正確な回動角度が求められる。
【0082】
これにより、連続切替部材82を適切な回動角度となる如く制御することが出来る。すなわち、接触ピン86を回動して停止させる位置を正確に制御することが出来るので、主伝動切替アーム76、第1の副伝動切替アーム77a及び第2の副伝動切替アーム77bの回動姿勢を正確に制御出来る。
【0083】
次に、部分条クラッチ切替機構70の詳細な動作について説明する。
図8(a)〜
図8(c)に、連続切替部材82を左回りに回動したときの部分条クラッチ切替機構70正面図を示す。
図8(a)〜
図8(c)は、それぞれ、
図6に示す連続切替部材82の位置を基準として、連続切替部材82を左回りに、30°、60°及び90°回動したときの正面図を示している。
図9(a)〜
図9(c)に、連続切替部材82を右回りに回動したときの部分条クラッチ切替機構70の正面図を示す。
図9(a)〜
図9(c)は、それぞれ、
図6に示す連続切替部材82の位置を基準として、連続切替部材82を右回りに、30°、60°及び90°回動したときの正面図を示している。尚、
図8(a)〜
図8(c)及び
図9(a)〜
図9(c)では、各切替アームの姿勢をわかり易くすべく、クラッチワイヤーの図示を省略している。
【0084】
図6に示す連続切替部材82が、切替ギヤ回動支点87を中心として左回りに30°回動すると、接触ピン86が接触ピン摺動孔84の右側内縁部分に接触しながら回動するので、
図8(a)に示す通り、主伝動切替アーム76が第1回動支点79を中心に右回りに回動する。
【0085】
主伝動切替アーム76が右回りに回動することにより、主伝動切替アーム76の下端部に連結している第1クラッチワイヤー72aが引っ張られて、第1部分条クラッチ71aが「切」の状態となる。すなわち、このとき、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dが「入」の状態のまま、第1部分条クラッチ71aのみが「切」の状態となる。したがって、このときには、第1苗植付装置52aのみが、動作を停止する。
【0086】
連続切替部材82が、
図8(a)に示す位置から更に左回りに回動し、
図6に示す位置を基準として左回りに60°の位置まで回動すると、接触ピン86が、第1の副伝動切替アーム77aの「く」の字の右側の周縁部分を右上方へ押しながら回動するので、
図8(b)に示す通り、第1の副伝動切替アーム77aが第2回動支点80を中心に右回りに回動する。
【0087】
第1の副伝動切替アーム77aが右回りに回動することにより、副伝動切替アーム77aの下端部に連結している第2クラッチワイヤー72bが引っ張られて、第2部分条クラッチ71bが「切」の状態となる。
【0088】
主伝動切替アーム76の接触ピン摺動孔84の右側内縁部分の形状は、主伝動切替アーム76が、
図8(a)に示す位置まで回動しているときに、正面視で、接触ピン移動孔85の内縁形状に沿う形状としている。
【0089】
したがって、連続切替部材82が、
図8(a)に示す30°左回りに回動した位置から、
図8(b)に示す60°左回りに回動した位置まで回動する際に、主伝動切替アーム76の回動角度は、ほとんど変化せず、
図8(a)に示す姿勢が略維持される。すなわち、このとき、第1部分条クラッチ71aは「切」の状態が維持される。したがって、
図8(b)に示す状態では、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dが「入」の状態のまま、第1部分条クラッチ71a及び第2部分条クラッチ71bが「切」の状態となる。したがって、このときには、第1苗植付装置52a及び第2苗植付装置52bが、動作を停止する。
【0090】
連続切替部材82が、
図8(b)に示す位置から更に左回りに回動し、
図6に示す位置を基準として左回りに90°の位置まで回動すると、接触ピン86が、第2の副伝動切替アーム77bの「く」の字の右側の周縁部分を上方へ押しながら回動するので、
図8(c)に示す通り、第2の副伝動切替アーム77bが第3回動支点81を中心に右回りに回動する。
【0091】
第2の副伝動切替アーム77bが右回りに回動することにより、第2の副伝動切替アーム77bの下端部に連結している第3クラッチワイヤー72cが引っ張られて、第3部分条クラッチ71cが「切」の状態となる。尚、連続切替部材82が、
図8(b)に示す60°左回りに回動した位置から、
図8(c)に示す90°左回りに回動した位置まで回動する際に、主伝動切替アーム76の回動角度は、ほとんど変化せず、
図8(a)及び
図8(b)に示す姿勢が略維持される。すなわち、このとき、第1部分条クラッチ71aは「切」の状態が維持される。又、第1の副伝動切替アーム77aの右側の「く」の字の周縁部分の形状は、第1の副伝動切替アーム77aが、
図8(b)に示す位置まで回動しているときに、正面視で、接触ピン移動孔85の内縁形状に沿う形状としている。
【0092】
したがって、連続切替部材82が、
図8(b)に示す60°左回りに回動した位置から、
図8(c)に示す90°左回りに回動した位置まで回動する際に、第1の副伝動切替アーム77aの回動角度は、ほとんど変化せず、
図8(b)に示す姿勢が略維持される。すなわち、このとき、第2部分条クラッチ71bは「切」の状態が維持される。したがって、
図8(c)に示す状態では、第4部分条クラッチ71dのみが「入」の状態のまま、第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b及び第3部分条クラッチ71cが「切」の状態となる。したがって、このときには、第1苗植付装置52a、第2苗植付装置52b及び第3苗植付装置52cが、動作を停止する。
【0093】
上記の通り、連続切替部材82を左回りに回動させていくことで、連続切替部材82の回動角度が大きくなるに従って、第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71cの順に、「入」から「切」の状態に切り替えていくことが出来る。
【0094】
次に、
図6に示す連続切替部材82が、切替ギヤ回動支点87を中心として右回りに30°回動すると、接触ピン86が接触ピン摺動孔84の左側内縁部分に接触しながら回動するので、
図9(a)に示す通り、主伝動切替アーム76が第1回動支点79を中心に左回りに回動する。主伝動切替アーム76が左回りに回動することにより、主伝動切替アーム76の下端部に連結している第4クラッチワイヤー72dが引っ張られて、第4部分条クラッチ71dが「切」の状態となる。すなわち、このとき、第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b及び第3部分条クラッチ71cが「入」の状態のまま、第4部分条クラッチ71dのみが「切」の状態となる。したがって、このときには、第4苗植付装置52dのみが、動作を停止する。
【0095】
連続切替部材82が、
図9(a)に示す位置から更に右回りに回動し、
図6に示す位置を基準として右回りに60°の位置まで回動すると、接触ピン86が、第2の副伝動切替アーム77bの「く」の字の左側の周縁部分を左上方へ押しながら回動するので、
図9(b)に示す通り、第2の副伝動切替アーム77bが第3回動支点81を中心に右回りに回動する。第2の副伝動切替アーム77bが右回りに回動することにより、第2の副伝動切替アーム77bの下端部に連結している第3クラッチワイヤー72cが引っ張られて、第3部分条クラッチ71cが「切」の状態となる。
【0096】
主伝動切替アーム76の接触ピン摺動孔84の左側内縁部分の形状は、主伝動切替アーム76が、
図9(a)に示す位置まで回動しているときに、正面視で、接触ピン移動孔85の内縁形状に沿う形状としている。したがって、連続切替部材82が、
図9(a)に示す30°右回りに回動した位置から、
図9(b)に示す60°右回りに回動した位置まで回動する際に、主伝動切替アーム76の回動角度は、ほとんど変化せず、
図9(a)に示す姿勢が略維持される。すなわち、このとき、第4部分条クラッチ71dは「切」の状態が維持される。
【0097】
したがって、
図9(b)に示す状態では、第1部分条クラッチ71a及び第2部分条クラッチ71bが「入」の状態のまま、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dが「切」の状態となる。このときには、第3苗植付装置52c及び第4苗植付装置52dが、動作を停止する。
【0098】
連続切替部材82が、
図9(b)に示す位置から更に右回りに回動し、
図6に示す位置を基準として右回りに90°の位置まで回動すると、接触ピン86が、第1の副伝動切替アーム77aの「く」の字の左側の周縁部分を上方へ押しながら回動するので、
図9(c)に示す通り、第1の副伝動切替アーム77aが第2回動支点80を中心に右回りに回動する。
【0099】
第1の副伝動切替アーム77aが右回りに回動することにより、第1の副伝動切替アーム77aの下端部に連結している第2クラッチワイヤー72bが引っ張られて、第2部分条クラッチ71bが「切」の状態となる。
【0100】
尚、連続切替部材82が、
図9(b)に示す60°右回りに回動した位置から、
図9(c)に示す90°右左回りに回動した位置まで回動する際に、主伝動切替アーム76の回動角度は、ほとんど変化せず、
図9(a)及び
図9(b)に示す姿勢が略維持される。すなわち、このとき、第4部分条クラッチ71dは「切」の状態が維持される。
【0101】
又、第2の副伝動切替アーム77bの左側端部の周縁部分の形状は、第2の副伝動切替アーム77bが、
図9(b)に示す位置まで回動した後、接触ピン86が更に右回りに回動する際に、回動する接触ピン86に接触し続け、第2の副伝動切替アーム77bの姿勢が維持される形状をしている。
【0102】
したがって、連続切替部材82が、
図9(b)に示す60°右回りに回動した位置から、
図9(c)に示す90°右回りに回動した位置まで回動する際に、第2の副伝動切替アーム77bの回動角度は、ほとんど変化せず、
図9(b)に示す姿勢が略維持される。すなわち、このとき、第3部分条クラッチ71cは「切」の状態が維持される。したがって、
図9(c)に示す状態では、第1部分条クラッチ71aのみが「入」の状態のまま、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dが「切」の状態となる。このときには、第2苗植付装置52b、第3苗植付装置52c及び第4苗植付装置52dが、動作を停止する。
【0103】
上記の通り、連続切替部材82を右回りに回動させていくことで、連続切替部材82の回動角度が大きくなるに従って、第4部分条クラッチ71d、第3部分条クラッチ71c、第2部分条クラッチ71bの順に、「入」から「切」の状態に切り替えていくことが出来る。
【0104】
伝動切替アーム76、77a、77b…を、左右どちらかの外側端部から順に部分条クラッチ71a、71b、…を入切する構成とすることにより、一部の部分条クラッチ71a、71b、…を切り忘れることを防止できるので、不要な箇所に苗を植付けることが防止でき、苗の消費量を抑えることができる。
【0105】
また部分条クラッチ71a、71b、…のうち左右の外側端部に位置するものを入切する一の主伝動切替アーム76を設け、スイッチ94a、94b、…のうち第一に左端のものを操作すると部分条クラッチ71a、71b、…のうち左端に位置するものを切る方向に主伝動切替アーム76が動作し、スイッチ71a、71b、…のうち第一に右端のものを操作すると部分条クラッチ71a、71b、…のうち右端に位置するものを切る方向に主伝動切替アーム76が動作することにより、部品点数を減らすことができるので簡潔な構造となり、メンテナンス性が向上する。
【0106】
又、主伝動切替アーム76、第1の副伝動切替アーム77a及び第2の副伝動切替アーム77bの3つの切替アームを前後方向に重なる構成としているので、部分条クラッチ切替機構70を小型に出来、部分条クラッチ切替機構70を設置するスペースを小さく出来る。
【0107】
伝動切替アーム76、77a、77b、…を回動させるための接触ピン86を備えた連続切替部材82と切替アクチュエータ74との伝動を歯車伝動で行うと共に、連続切替部材82の角度を検出する角度検出手段90を設けたことにより、伝達誤差を少なくすることができるので、部分条クラッチ71a、71b、…入切の動作がより確実に行われる。
【0108】
なお、左右一対の線引きマーカ19、19と、スイッチ94a、…を連動させることも可能である。この場合、線引きマーカ19が下りて作動している側、もしくは反対側の部分条クラッチ71a、…の一部を切るようになる。
【0109】
図10には、本発明の第二実施形態にかかる苗移植機の冷却風通過経路を示す。
図10の太線で示したものが、冷却風の主な通過経路である。第一実施形態にかかる苗移植機は、走行車体2上にHST23とエンジン20とを備え、HST23の後方にエンジン20が位置する。そして、エンジン20の駆動力を、エンジン20からの伝動軸100とHSTから入力軸とを突き合わせ、軸継手で直結することによりHST23に伝動し、この伝動軸100に、機体後方に向けて冷却風を発生させる起風部材101を設ける。起風部材101は、複数のブレードを有するプロペラ構造であり、
図10に示すように冷却風が軸芯から左右側方へ分岐するようにブレードのピッチを固定する。起風部材101は伝動軸100に固定され、伝動軸100と共に回転することで冷却風を機体後方へ向けて送風し、冷却風はラジエータ104を通過して車体後方へ導かれる。
【0110】
エンジン20の駆動力をHST23に伝動する伝動軸100に、機体後方に向けて冷却風を発生させる起風部材101を設けたことにより、エンジン20の駆動力によって起風部材101から冷却風を発生させることができ、この冷却風でエンジン20を冷却できるので、簡易な構成でオーバーヒートを防止できるので作業能率が向上する。
【0111】
図11には、本発明の第三実施形態にかかる苗移植機の冷却風通過経路を示す。第二実施形態にかかる苗移植機との相違点は、伝動軸100の左右両側に補助起風部材102、102を設けた点である。補助起風部材102は、伝動軸100に固定したVベルトプーリである出力回転体106と、補助起風部材102の軸に固定した、同じくVベルトプーリである入力回転体107との間にVベルトである伝動無端体103を巻回し、この伝動無端体103により駆動する。第三実施形態にかかる苗移植機では、起風部材101のブレードを、冷却風が側方に向けて流れるようにし、左右両側に設けた補助起風部材102、102のブレードのピッチを、機体後方に向けて冷却風を導くように設定する。
【0112】
伝動軸100の左右両側に設けた補助起風部材102、102を、伝動軸100に巻き回した伝動無端体103により駆動することにより、既存の駆動力を用いて補助起風部材102、102を駆動することができる。
【0113】
起風部材101により左右方向に向かって生じた冷却風を、補助起風部材102、102により機体後方に向けて送風する場合は、エンジン20をより適切に冷却でき、オーバーヒートを防止できるので作業能率が向上する。
【0114】
図12には、本発明の第四実施形態にかかる苗移植機の冷却風通過経路を示す。第三実施形態にかかる苗移植機との相違点は、左右両側に設けた補助起風部材102、102のブレードのピッチを、機体前方に向けて冷却風を導くように設定した点である。
【0115】
起風部材101により左右方向に向かって生じた冷却風を、補助起風部材102、102により機体前方に向けて送風場合は、HST23のオーバーヒートを防止でき、作業能率が向上する。
【0116】
図13には、本発明の第五実施形態にかかる苗移植機の冷却風通過経路を示す。第三実施形態にかかる苗移植機との相違点は、伝動軸100の左右両側に設けた補助起風部材102、102のうち、左右一側(本実施形態では機体右側)に位置する補助起風部材102により冷却風が機体前側に導かれると共に、左右他側(本実施形態では機体左側)に位置する補助起風部材102により冷却風が機体後側に導かれるようになっている点である。加えて、エンジン20を冷却するラジエータ104を機体左側に偏倚して配置すると共に、HST23の出力軸に、機体左右方向に冷却風を起風するHST起風部材105を設ける。
【0117】
左右一側の補助起風部材102の送風方向を機体前側とすると共に、左右他側の補助起風部材102の起風方向を機体後側とし、エンジン20を冷却するラジエータ104を、左右他側に偏倚して配置し、更にHST23の出力軸に、機体左右方向に冷却風を起風するHST起風部材105を設けたことにより、エンジン20、HST23を冷却しながら冷却風を走行車体2に周回させ、更にラジエータ104が後方に流れてくる熱風を効率よく吸入できるので、エンジン20等の冷却が効率的に行われ、オーバーヒートを防止できるので作業能率が向上する。
【0118】
図14には、第六実施形態にかかる苗移植機の冷却風通過経路を示す。第五実施形態にかかる苗移植機との相違点は、ラジエータ104の姿勢を、右側を前方に、左側を後方になるように配置する。この配置により冷却風がラジエータ104を通過することが容易になり、より効率よく冷却を行うことができる。
【0119】
図15には、第七実施形態にかかる苗移植機のミッションケース12周辺の平面図を示す。従来、サイドクラッチとブレーキとを直列に構成し、サイドクラッチをクラッチ用シフタで作動させた後、ブレーキを作動させる構成としていた。これによりブレーキのクリアランス管理が必要であり、コストが大きくなるという問題があった。第七実施形態にかかる苗移植機においては、サイドクラッチ112用として、クラッチ用シフタ111を、ブレーキ113用としてブレーキ用シフタ110をそれぞれ設ける。これにより、サイドクラッチ112とブレーキ113との作動が安定し、コストダウンとなる。またクラッチ用シフタ111とピットマンアームとを連動ロッド115で連結する。ブレーキ系統を独立させることによりミッションケース12下部の構成部品を減らすことができる。また、ブレーキ用シフタ110を、スプリングが付属したケーブルを介したペダルによって作動させ、更にブレーキディスク枚数を増やす構成としている。この構成により、簡易な構成で重量軽減を図ることができる。
【0120】
図16には第八実施形態にかかる苗移植機の操縦ハンドル34周辺の側面図を、
図17には
図16の苗移植機の操縦ハンドル34を正面から見た図(即ち車体後方から見た図)を示す。本実施形態にかかる苗移植機は、操縦ハンドル34として環状のステアリングホイールを設けると共に、機体の運転状況等を表示する液晶のモニタパネル116を備える。モニタパネル116の上端が、操縦ハンドル34の上端よりも低くする。また、操縦ハンドル34の形状を、環状部材と、回動中心の支柱と、を2つの放射状のサポータで連結し、この二つのサポータが支柱よりも下方に位置するようにする。このように構成することで、作業者がモニタパネル116を見る際に、操縦ハンドル34にさえぎられることがなくなり、作業性が向上する。
【0121】
図18には第九実施形態にかかる苗移植機の施肥装置5周辺の側面図を示す。本実施形態にかかる苗移植機は、エンジン20を冷却した後の熱風を施肥装置5に取り込む構成を採用している。本実施形態にかかる苗移植機では、熱風ダクト117の熱風取り入れ口をラジエータ104の比較的高い位置に設ける。また、熱風ダクト117の下方に遮断版118を後方上向きに設ける。このような構成とすることで、ラジエータ104の比較的低い位置から供給される温度の低い冷却風を熱風ダクト117が取り入れることがなくなる。
【0122】
図19には第十実施形態にかかる苗移植機の施肥装置5周辺の側面図を示す。本実施形態にかかる苗移植機では、ラジエータ104の比較的低い位置から供給される温度の低い冷却風を熱風ダクト117が取り入れることがないように、遮断板118をラジエータ104の近傍であって、後方下向きに設ける。