特許第6384615号(P6384615)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6384615穿孔装置、シート処理装置、画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384615
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】穿孔装置、シート処理装置、画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   B65H37/04 Z
【請求項の数】6
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-532410(P2017-532410)
(86)(22)【出願日】2016年5月31日
(86)【国際出願番号】JP2016066005
(87)【国際公開番号】WO2017022311
(87)【国際公開日】20170209
【審査請求日】2017年7月10日
(31)【優先権主張番号】特願2015-155907(P2015-155907)
(32)【優先日】2015年8月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】頴川 圭介
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−117084(JP,A)
【文献】 特開2013−129470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00−7/20
B65H37/00−37/06
B65H43/00−43/08
B41J11/00−11/70
G03G15/00
B26F 1/00−3/16
B26D 5/00
B26D 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向へ搬送されるシート材の搬送経路に対向し、それぞれ前記第1方向に直交する第2方向における前記搬送経路の第1側端および第2側端である第1経路側端および第2経路側端の一方寄りの位置から他方寄りの位置に亘って形成された支持体と、
前記支持体を前記第2方向に沿って往復変位させる変位機構と、
前記支持体における前記第1経路側端寄りの位置に支持され、前記支持体が変位するときに、前記シート材における前記第1経路側端側の第1エッジを検知する第1シートセンサーと、
前記支持体における前記第2経路側端寄りの位置に支持され、前記支持体が変位するときに、前記シート材における前記第2経路側端側の第2エッジを検知する第2シートセンサーと、
前記支持体における前記第1経路側端寄りの位置に支持され、前記シート材に対する穿孔加工を行う第1穿孔部と、
前記支持体における前記第2経路側端寄りの位置に支持され、前記シート材に対する前記穿孔加工を行う第2穿孔部と、
搬送方向穿孔処理が前記シート材の前記第1エッジ側の部分に対して実行される第1穿孔モードと前記搬送方向穿孔処理が前記シート材の前記第2エッジ側の部分に対して実行される第2穿孔モードとの一方を選択する穿孔モード選択部と、
前記変位機構、前記第1穿孔部および前記第2穿孔部に、前記搬送方向穿孔処理を実行させる制御部と、を備え、
前記搬送方向穿孔処理は、前記シート材における前記第1方向に沿う複数箇所に順次前記穿孔加工を施す処理であり、
前記第1穿孔モードが選択された場合に、前記制御部は、前記変位機構によって前記支持体を前記第1経路側端側から前記第2経路側端側へ変位させ、さらに、前記支持体が第1目標位置に到達した状態で前記第1穿孔部を動作させ、
前記第2穿孔モードが選択された場合に、前記制御部は、前記変位機構によって前記支持体を前記第2経路側端側から前記第1経路側端側へ変位させ、さらに、前記支持体が第2目標位置に到達した状態で前記第2穿孔部を動作させ、
前記第1目標位置は、前記第1シートセンサーにより前記第1エッジが検知された時点の前記支持体の位置を基準とする位置であり、
前記第2目標位置は、前記第2シートセンサーにより前記第2エッジが検知された時点の前記支持体の位置を基準とする位置である、穿孔装置。
【請求項2】
前記第1穿孔部および前記第2穿孔部は連動し、
前記第2方向における前記第1穿孔部と前記第2穿孔部との間隔が、前記第2方向における幅が最大の前記シート材における前記第1エッジおよび前記第2エッジの一方の穿孔位置から反対側のエッジまでの長さよりも大きい、請求項1に記載の穿孔装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記搬送方向穿孔処理において、前記シート材の最初の1箇所への前記穿孔加工が行われる際に、前記支持体を前記第1経路側端側および前記第2経路側端側の一方から前記第1目標位置および前記第2目標位置の一方まで変位させ、その後、前記シート材の残りの箇所への前記穿孔加工が終了するまで前記支持体の位置を保持する、請求項1に記載の穿孔装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記シート材の3つ以上の箇所に対する前記搬送方向穿孔処理において、前記シート材の最初の2箇所各々への前記穿孔加工が行われる際に、前記支持体を前記第1経路側端側および前記第2経路側端側の一方から前記第1目標位置および前記第2目標位置の一方へ変位させ、前記シート材の残りの箇所への前記穿孔加工が行われる際に、最初の2箇所の前記穿孔加工が実行されるときの前記支持体の位置に基づく線形外挿により定まる位置に前記支持体を位置決めする、請求項1に記載の穿孔装置。
【請求項8】
シート材に画像を形成する画像形成装置から搬送されてくる前記シート材に対して穿孔加工を施す請求項1に記載の穿孔装置を含むシート処理装置。
【請求項9】
シート材に画像を形成する画像形成装置と、
請求項8に記載のシート処理装置と、を備える画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿孔装置、シート処理装置およびそれを備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置に接続されるシート処理装置が知られている。前記シート処理装置は、後処理装置などと称される。前記シート処理装置は、例えば穿孔装置を備える。前記穿孔装置は、前記画像形成装置から搬送されてくるシート材に対して穿孔処理を施す。
【0003】
また、前記穿孔装置において、複数の穿孔部およびセンサーが、前記シート材の幅方向に変位可能な支持体に支持され、複数の前記穿孔部が、前記シート材の複数箇所に同時に穿孔加工を施すことが知られている。この場合、前記センサーが、前記シート材における幅方向の一端を検知する。さらに、前記支持体が、前記センサーによって前記シート材の端が検知された時点の位置を基準に位置決めされる。その状態で、複数の前記穿孔部が同時に動作する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−29619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の前記穿孔装置は、前記シート材におけるその搬送方向に直交する方向に沿う複数の箇所に孔を空ける。従って、前記シート材における長手方向に沿う複数の箇所に対する穿孔加工が必要な場合、前記シート材が横向きで搬送される必要がある。
【0006】
前記シート材が横向きで搬送される場合、前記シート材が縦向きで搬送される場合に比べて装置が大きくなる。
【0007】
本発明の目的は、よりコンパクトな構成で、シート材における長手方向に沿う複数の箇所に対する穿孔加工を行うことができる穿孔装置、シート処理装置およびそれを備える画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る穿孔装置は、支持体と、変位機構と、第1シートセンサーと、第2シートセンサーと、第1穿孔部と、第2穿孔部と、穿孔モード選択部と、制御部とを備える。前記支持体は、第1方向へ搬送されるシート材の搬送経路に対向する部材である。前記支持体は、第1経路側端および第2経路側端の一方寄りの位置から他方寄りの位置に亘って形成されている。前記第1経路側端および前記第2経路側端は、それぞれ前記第1方向に直交する第2方向における前記搬送経路の第1側端および第2側端である。前記変位機構は、前記支持体を前記第2方向に沿って往復変位させる機構である。前記第1シートセンサーは、前記支持体が変位するときに、前記シート材における前記第1経路側端側の第1エッジを検知するセンサーである。前記第1シートセンサーは、前記支持体における前記第1経路側端寄りの位置に支持されている。前記第2シートセンサーは、前記支持体が変位するときに、前記シート材における前記第2経路側端側の第2エッジを検知するセンサーである。前記第2シートセンサーは、前記支持体における前記第2経路側端寄りの位置に支持されている。前記第1穿孔部は、前記支持体における前記第1経路側端寄りの位置に支持され、前記シート材に対する穿孔加工を行う部分である。前記第2穿孔部は、前記支持体における前記第2経路側端寄りの位置に支持され、前記シート材に対する前記穿孔加工を行う部分である。前記穿孔モード選択部は、第1穿孔モードおよび第2穿孔モードの一方を選択する処理を実行する。前記第1穿孔モードは、搬送方向穿孔処理が、前記シート材の前記第1エッジ側の部分に対して実行される動作モードである。前記第2穿孔モードは、前記搬送方向穿孔処理が、前記シート材の前記第2エッジ側の部分に対して実行される動作モードである。前記搬送方向穿孔処理は、前記搬送方向穿孔処理が、前記シート材における前記第1方向に沿う複数箇所に順次前記穿孔加工を施す処理である。前記制御部は、前記変位機構、前記第1穿孔部および前記第2穿孔部に、前記搬送方向穿孔処理を実行させる。前記第1穿孔モードが選択された場合に、前記制御部は、前記変位機構によって前記支持体を前記第1経路側端側から前記第2経路側端側へ変位させる。さらに、前記制御部は、前記支持体が第1目標位置に到達した状態で前記第1穿孔部を動作させる。前記第1目標位置は、前記第1シートセンサーにより前記第1エッジが検知された時点の前記支持体の位置を基準とする位置である。前記第2穿孔モードが選択された場合に、前記制御部は、前記変位機構によって前記支持体を前記第2経路側端側から前記第1経路側端側へ変位させる。さらに、前記制御部は、前記支持体が第2目標位置に到達した状態で前記第2穿孔部を動作させる。前記第2目標位置は、前記第2シートセンサーにより前記第2エッジが検知された時点の前記支持体の位置を基準とする位置である。
【0009】
本発明の他の局面に係るシート処理装置は、画像形成装置から搬送されてくるシート材に対して前記穿孔加工を施す前記穿孔装置を備える。前記画像形成装置は、シート材に画像を形成する装置である。
【0010】
本発明の他の局面に係る画像形成システムは、前記画像形成装置と前記シート処理装置とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、よりコンパクトな構成で、シート材における長手方向に沿う複数の箇所に対する穿孔加工を行うことができる穿孔装置、シート処理装置およびそれを備える画像形成システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る穿孔装置を含む画像形成システムの構成図である。
図2図2は、画像読取装置および画像形成装置の構成図である。
図3図3は、第1実施形態に係る穿孔装置を含むシート処理装置の構成図である。
図4図4は、第1実施形態に係る穿孔装置の斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係る穿孔装置における穿孔ユニットの一部の概略平面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る穿孔装置における制御関連機器のブロック図である。
図7図7は、第1実施形態に係る穿孔装置を含む画像形成システムにおける画像形成・穿孔処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第1実施形態に係る穿孔装置における第1搬送方向穿孔処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第1搬送方向穿孔処理において穿孔加工前に第1基準位置へ変位した穿孔ユニットの一部の概略平面図である。
図10図10は、第1搬送方向穿孔処理においてシート材の第1エッジが検知されたときの穿孔ユニットの一部の概略平面図である。
図11図11は、第1搬送方向穿孔処理において第1目標位置に到達した穿孔ユニットの一部の概略平面図である。
図12図12は、第1搬送方向穿孔処理において穿孔加工後に第1基準位置に戻った穿孔ユニットの一部の概略平面図である。
図13図13は、第1実施形態に係る穿孔装置における第2搬送方向穿孔処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、第2搬送方向穿孔処理において穿孔加工前に第2基準位置へ変位した穿孔ユニットの一部の概略平面図である。
図15図15は、第2実施形態に係る穿孔装置における第1搬送方向穿孔処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、第3実施形態に係る穿孔装置における第1搬送方向穿孔処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0014】
[第1実施形態]
まず、図1〜3を参照しつつ、第1実施形態に係る穿孔装置6を含む画像形成システム10の構成について説明する。
【0015】
[画像形成システム10]
画像形成システム10は、画像読取装置1、画像形成装置2およびシート処理装置5を備える。図1に示される画像形成システム10は複合機である。画像形成システム10が、シート処理装置5を備えるプリンター、コピー機またはファクシミリ装置などであることも考えられる。前記複合機は、前記プリンターの機能および前記コピー機の機能などを併せ持つ。
【0016】
[画像読取装置1および画像形成装置2]
画像読取装置1は、原稿から画像を読み取る装置である。画像形成システム10がコピー処理を実行する場合、画像形成装置2が、画像読取装置1から出力される前記原稿の画像データに基づく画像をシート材9に形成する。また、画像形成装置2が、不図示の端末から受信した印刷ジョブに基づく画像をシート材9に形成する場合もある。
【0017】
図2が示すように、画像形成装置2は、シート搬送部3および画像形成部4などを備える。画像形成装置2は、電子写真方式の画像形成を行う。なお、画像形成装置2が、インクジェット方式などの他の方式で画像形成を行うことも考えられる。
【0018】
シート搬送部3において、複数のシート材9が、重ねてシート受部30に載置される。シート材9は、紙、コート紙、ハガキ、封筒、およびOHPシートなどのシート状の画像形成媒体である。シート送出部31が、シート材9をシート受部30からシート搬送路300へ向けて送り出す。
【0019】
シート搬送部3の搬送ローラー32が、シート材9をさらに画像形成部4へ向けて搬送する。その後、搬送ローラー32は、画像形成後のシート材9をシート搬送路300から排出トレイ303上またはシート処理装置5へ搬送する。なお、搬送ローラー32は、シート材9を挟んで回転する一対のローラーを含む。
【0020】
シート搬送部3の可動ガイド33は、不図示のソレノイドなどの駆動源によって変位する。これにより、可動ガイド33は、画像形成後のシート材9の2つの搬送経路を選択的に切り替える。2つの搬送経路は、シート搬送路300から画像形成装置2の排出トレイ303へ向かう経路およびシート処理装置5へ向かう経路である。
【0021】
画像形成部4は、シート搬送路300を移動中のシート材9の表面に画像を形成する。画像形成部4において、帯電部42が回転中の感光体41の表面を一様に帯電させる。さらに、光走査部43がレーザー光の照射により感光体41の表面に静電潜像を書き込む。現像部44が感光体41に現像剤を供給することによって前記静電潜像を現像する。
【0022】
さらに、転写部45が、感光体41表面に形成された前記現像剤の像をシート材9に転写する。その後、定着部46が、シート材9上の前記現像剤の像を加熱することにより、シート材9上に画像を定着させる。
【0023】
[シート処理装置5]
シート処理装置5は、画像形成装置2から搬送されてくるシート材9に対してシート処理を行う装置である。前記シート処理は、シート材9に対する穿孔加工を含む。
【0024】
図3が示す例では、シート処理装置5は、前記穿孔加工を実行可能な穿孔装置6に加え、ステープル装置5aおよびシート折り装置5bなども備える。なお、図3において、シート折り装置5bの構成図が省略されている。
【0025】
シート処理装置5が、不図示のトレイにセットされたシート材9を、前記シート処理の実行位置へ搬送する機構を備えることも考えられる。この場合、シート処理装置5は、画像形成装置2を伴うことなく単独で前記シート処理を実行可能である。
【0026】
シート処理装置5は、搬送ローラー51、可動ガイド52、穿孔装置6、ステープル装置5a、シート折り装置5b、第1排出トレイ53、第2排出トレイ54および第3排出トレイ55などを備える。なお、搬送ローラー51は、シート材9を挟んで回転する一対のローラーを含む。
【0027】
シート処理装置5内には、それぞれシート材9の搬送路である主搬送路50、第1搬送路501、第2搬送路502および第3搬送路503などが形成されている。
【0028】
搬送ローラー51は、シート材9を主搬送路50、第1搬送路501、第2搬送路502および第3搬送路503の各々に沿って搬送する。画像形成装置2から搬送されてくるシート材9は、シート処理装置5のシート導入口500から主搬送路50に進入する。シート導入口500は、画像形成装置2におけるシート搬送路300の出口に連通している。
【0029】
可動ガイド52は、不図示のソレノイドなどの駆動源によって変位する。これにより、可動ガイド52は、主搬送路50に沿って搬送されるシート材9の次の搬送経路を選択的に切り替える。前記次の搬送経路は、第1搬送路501、第2搬送路502および第3搬送路503である。
【0030】
穿孔装置6は、画像形成装置2から主搬送路50に沿って搬送されてくるシート材9に対して穿孔加工を施す。穿孔装置6は、その下方に回収容器600を備える。前記穿孔加工により、シート材9からシート片が切り出される。
【0031】
前記穿孔加工によって生じる前記シート片は、主搬送路50から落下し、回収容器600に回収される。回収容器600は、シート処理装置5に対して取り外し可能に装着されている。
【0032】
以下の説明において、穿孔装置6の直近の前段および後段に配置された搬送ローラーのことを前段搬送ローラー32aおよび後段搬送ローラー51aと称する。前段搬送ローラー32aおよび後段搬送ローラー51aは、シート材9を主搬送路50に沿って搬送する。
【0033】
主搬送路50から第1搬送路501へ搬送されたシート材9は、搬送ローラー51によってそのまま第1排出トレイ53へ排出される。
【0034】
ステープル装置5aは、第2搬送路502に搬送された複数枚のシート材9を揃えて保持し、それらシート材9に対してステープル処理を施す。ステープル処理が施されたシート材9は、搬送ローラー51によって第2排出トレイ54へ排出される。
【0035】
シート折り装置5bは、第3搬送路503に搬送されたシート材9を2つ折りまたは3つ折りにするシート折り処理を実行する。前記シート折り処理が施されたシート材9は、搬送ローラー51によって第3排出トレイ55へ排出される。
【0036】
ところで、従来の穿孔装置は、シート材9におけるその搬送方向に直交する方向に沿う複数の箇所に孔を空ける。従って、シート材9における長手方向に沿う複数の箇所に対する前記穿孔加工が必要な場合、シート材9が横向きで搬送される必要がある。
【0037】
シート材9が横向きで搬送される場合、シート材9が縦向きで搬送される場合に比べて装置が大きくなる。
【0038】
なお、シート材9が横向きで搬送される場合、シート材9は、その長辺が先頭および後尾となる向きで搬送される。シート材9が縦向きで搬送される場合、シート材9は、その短辺が先頭および後尾となる向きで搬送される。
【0039】
一方、穿孔装置6は、よりコンパクトな構成で、シート材9における長手方向に沿う複数の箇所に対する前記穿孔加工を行うことができる。
【0040】
[穿孔装置6の構成]
以下、図4〜6を参照しつつ、穿孔装置6の構成について説明する。以下の説明において、主搬送路50におけるシート材9の搬送方向のことを第1方向R1と称する。また、第1方向R1に直交する方向のことを第2方向R2と称する。第2方向R2は、主搬送路50を移動中のシート材9の幅方向である。
【0041】
また、第2方向R2における、主搬送路50の第1側端および第2側端のことを、それぞれ第1経路側端50aおよび第2経路側端50bと称する。第1経路側端50aと第2経路側端50bとの間隔は、主搬送路50を通過可能な最大サイズのシート材9の幅に若干の余裕分を足した程度の間隔である。
【0042】
各図において、第1方向R1に向かって主搬送路50の右端が、第1経路側端50aとして例示されている。また、第1方向R1に向かって主搬送路50の左端が、第2経路側端50bとして例示されている。
【0043】
穿孔装置6は、穿孔ユニット60および変位機構65などを備える。穿孔ユニット60は、複数の穿孔部61a,61b,61c,61dと、複数のシートセンサー62a,62bと、支持体63と、穿孔駆動部64とを含む。
【0044】
支持体63は、穿孔ユニット60を構成する機器を支持する部材である。支持体63は、主搬送路50に対向し、第1経路側端50a寄りの位置から第2経路側端50b寄りの位置に亘って形成されている。
【0045】
複数の穿孔部61a,61b,61c,61d各々は、主搬送路50に沿って搬送されるシート材9に対して前記穿孔加工を施す部分である。穿孔部61a,61b,61c,61d各々は、支持体63に支持されている。支持体63は、穿孔部61a,61b,61c,61d各々を支持する個別支持部631を含む。
【0046】
本実施形態において、穿孔装置6は、4つの穿孔部61a,61b,61c,61dを備える。第1穿孔部61aは、支持体63における第1経路側端50a寄りの位置に支持されている。第2穿孔部61bは、支持体63における第2経路側端50b寄りの位置に支持されている。
【0047】
また、第3穿孔部61cおよび第4穿孔部61dは、支持体63における第1穿孔部61aと第2穿孔部61bとの間の位置に支持されている。なお、1つまたは3つ以上の穿孔部が、支持体63における第1穿孔部61aと第2穿孔部61bとの間に支持されることも考えられる。
【0048】
穿孔部61a,61b,61c,61d各々は、退避位置と作動位置との間で往復変位可能に支持されている。前記退避位置は、主搬送路50内のシート材9から離隔した位置であり、前記作動位置は、主搬送路50内のシート材9を貫通する位置である。例えば、穿孔部61a,61b,61c,61d各々が、バネで支持されたパンチ刃であることが考えられる。この場合、前記パンチ刃を前記作動位置から前記退避位置へ戻す弾性力が、前記バネから前記パンチ刃へ作用する。
【0049】
穿孔駆動部64は、穿孔部61a,61b,61c,61d各々を前記退避位置と前記作動位置との間で往復変位させる機構である。穿孔駆動部64は、穿孔モーター640、第1リンク部641、シャフト642および複数の第2リンク部643a,643b,643c,643dなどを含む。穿孔モーター640は、例えばサーボモーターである。
【0050】
第1リンク部641が、穿孔モーター640の駆動力をシャフト642に伝達する。これによりシャフト642が回転する。第2リンク部643a,643b,643c,643d各々は、シャフト642の回転力を穿孔部61a,61b,61c,61d各々を前記動作位置へ押す力へ変換する。
【0051】
本実施形態において、第1穿孔部61aおよび第2穿孔部61bに対応する第2リンク部643a,643bが、穿孔モーター640の第1動作に応じて同時に動作する。また、第3穿孔部61cおよび第4穿孔部61dに対応する第2リンク部643c,643dが、穿孔モーター640の第2動作に応じて同時に動作する。
【0052】
即ち、穿孔モーター640の前記第1動作に応じて第1穿孔部61aおよび第2穿孔部61bが連動する。穿孔モーター640の前記第2動作に応じて第3穿孔部61cおよび第4穿孔部61dが連動する。第1穿孔部61aおよび第2穿孔部61bと、第3穿孔部61cおよび第4穿孔部61dとは独立して動作する。
【0053】
例えば、穿孔装置6は、前記第1動作および前記第2動作を切り替える不図示のソレノイドを備える。また、穿孔モーター640の前記第1動作および前記第2動作が、それぞれ異なる半周分の範囲において半回転する動作であることも考えられる。この場合、2つの第2リンク部643a,643bが、シャフト642がある半周分の範囲で回転するときにシャフト642に連動するカム機構であることが考えられる。同様に、他の2つの第2リンク部643c,643dが、シャフト642が残りの半周分の範囲で回転するときにシャフト642に連動するカム機構であることが考えられる。
【0054】
支持体63は、その下部にパンチング・ダイ632を有している。なお、図5,9,10,11,13において、穿孔ユニット60におけるパンチング・ダイ632、穿孔部61a,61b,61c,61d、第1シートセンサー62aおよび第2シートセンサー62bと、中央シートセンサー62cとが示されている。
【0055】
パンチング・ダイ632は、平板状の部材である。パンチング・ダイ632には、穿孔部61a,61b,61c,61d各々に対応する複数の貫通孔6320が形成されている。穿孔部61a,61b,61c,61dは、前記退避位置から前記作動位置へ変位することにより、パンチング・ダイ632の貫通孔6320を貫通する。
【0056】
パンチング・ダイ632と前記退避位置の穿孔部61a,61b,61c,61dとの間の空間は、主搬送路50の一部である。シート材9がパンチング・ダイ632に沿う位置に達した状態で、穿孔部61a,61b,61c,61dが前記退避位置から前記作動位置へ変位する。これにより、シート材9にパンチ孔9hが形成される。なお、図5などにおいて、2点鎖線で記されたパンチ孔9hは、それがシート材9に形成される予定の孔であることを示す。
【0057】
穿孔装置6は、幅方向穿孔処理および搬送方向穿孔処理の各々を実行する機能を備える。前記幅方向穿孔処理は、シート材9における第2方向R2に沿う複数箇所に同時に前記穿孔加工を施す処理である。
【0058】
穿孔装置6において、第3穿孔部61cおよび第4穿孔部61dが、前記幅方向穿孔処理の前記穿孔加工に用いられる。
【0059】
前記搬送方向穿孔処理は、シート材9における第1方向に沿う複数箇所に順次前記穿孔加工を施す処理である。
【0060】
穿孔装置6において、第1穿孔部61aおよび第2穿孔部61bが、前記搬送方向穿孔処理の前記穿孔加工に用いられる。
【0061】
変位機構65は、支持体63を第2方向R2に沿って往復変位させる機構である。即ち、変位機構65は、穿孔ユニット60を第2方向R2に沿って往復変位させ、目的の位置で停止させることができる。以下の説明において、第2方向R2における支持体63の位置と、第2方向R2における穿孔ユニット60の位置とは同義である。
【0062】
変位機構65は、変位モーター650、リンク部651および支持フレーム652などを含む。変位モーター650は、例えばステッピングモーターまたはサーボモーターである。
【0063】
支持フレーム652は、支持体63を第2方向R2に沿って変位可能に支持する。図4が示す例では、一対の支持フレーム652が、主搬送路50の両側に配置されている。支持体63は、一対の支持フレーム652各々の開口6520に通されている。一対の支持フレーム652各々における開口6520の下側縁部が、支持体63を支持する。
【0064】
リンク部651は、変位モーター650と支持体63とを連結し、変位モーター650の回転に応じて支持体63を第2方向R2に沿って変位させる。以下の説明において、第1経路側端50a側から第2経路側端50b側へ向かう方向のことを第1変位方向R21と称し、その逆方向のことを第2変位方向R22と称する。第1変位方向R21は、主搬送路50における第1経路側端50a側から内側へ向かう方向でもある。同様に、第2変位方向R22は、主搬送路50における第2経路側端50b側から内側へ向かう方向でもある。
【0065】
支持体63に支持された第1シートセンサー62aおよび第2シートセンサー62bは、支持体63と連動して第2方向R2に沿って往復変位する。
【0066】
第1シートセンサー62aは、支持体63における第1経路側端50a寄りの位置に支持されている。第2シートセンサー62bは、支持体63における第2経路側端50b寄りの位置に支持されている。
【0067】
第1シートセンサー62aは、支持体63が第1変位方向R21へ変位するときに、シート材9の第1エッジ9aを検知するセンサーである。第1エッジ9aは、シート材9における第1経路側端50a側のエッジである。
【0068】
第2シートセンサー62bは、支持体63が第2変位方向R22へ変位するときに、シート材9の第2エッジ9bを検知するセンサーである。第2エッジ9bは、シート材9における第2経路側端50b側のエッジである。
【0069】
中央シートセンサー62cは、主搬送路50に沿って搬送されるシート材9の先端を検知するセンサーである。
【0070】
中央シートセンサー62cは、第1シートセンサー62aおよび第2シートセンサー62bの位置に対し第1方向R1の上流側の位置において、不図示の支持部に固定されている。また、中央シートセンサー62cは、第2方向R2における第1経路側端50aと第2経路側端50bとの間の位置に固定されている。
【0071】
本実施形態において、様々なサイズのシート材9が、いわゆる中央揃えで主搬送路50に沿って搬送される。即ち、シート材9は、その幅方向の中心が主搬送路50における第2方向R2の中心に概ね一致する状態で搬送される。この場合、中央シートセンサー62cが、主搬送路50における第2方向R2の中心の位置に固定されることなどが考えられる。
【0072】
第1シートセンサー62a、第2シートセンサー62bおよび中央シートセンサー62cは、主搬送路50に対向して配置されている。例えば、第1シートセンサー62a、第2シートセンサー62bおよび中央シートセンサー62cが、反射型フォトセンサーまたは透過型フォトセンサーなどであることが考えられる。
【0073】
第1シートセンサー62aの検知結果は、パンチ孔9hがシート材9における第1エッジ9a寄りの部分に形成される場合に、第2方向R2における支持体63の位置決めの基準として用いられる。
【0074】
第2シートセンサー62bの検知結果は、パンチ孔9hがシート材9における第2エッジ9b寄りの部分に形成される場合に、第2方向R2における支持体63の位置決めの基準として用いられる。
【0075】
中央シートセンサー62cの検知結果は、パンチ孔9hがシート材9に形成される場合に、第1方向R1におけるシート材9の位置決めの基準として用いられる。本実施形態において、前段搬送ローラー32aおよび後段搬送ローラー51aが、第1方向R1における目標の位置にシート材9を停止させる。
【0076】
[制御関連機器の構成]
次に、図6を参照しつつ、穿孔装置6における制御関連機器の構成について説明する。穿孔装置6は、制御部7、二次記憶部700および操作表示部70なども備える。
【0077】
操作表示部70は、ユーザーインターフェイス(UI)の装置である。操作表示部70は、例えばタッチパネルおよび操作ボタンなどを含む情報入力用の操作部と、液晶表示パネルなどのパネル状の表示部とを含む。
【0078】
制御部7は、穿孔装置6が備える各種の電気機器を制御する。制御部7は、UI制御部71、搬送制御部72、変位制御部73および穿孔制御部74などを含む。UI制御部71、搬送制御部72、変位制御部73および穿孔制御部74は、バスまたは共用メモリーなどを通じて、相互に情報の受け渡しが可能である。
【0079】
UI制御部71は、操作表示部70を制御する。例えば、UI制御部71は、操作表示部70に操作メニューなどを表示させる。さらに、UI制御部71は、操作表示部70の操作を通じて入力される入力情報を他の制御部に引き渡す。
【0080】
搬送制御部72は、前段搬送ローラー32aおよび後段搬送ローラー51aを駆動する搬送モーター34を制御する。搬送制御部72は、中央シートセンサー62cの検知結果に応じて搬送モーター34を制御する。これにより、搬送制御部72は、シート材9を主搬送路50における目的の位置に停止させる。
【0081】
変位制御部73は、第1シートセンサー62aおよび第2シートセンサー62bの検知結果に応じて変位モーター650を制御する。これにより、変位制御部73は、第2方向R2における穿孔ユニット60の位置を目標の位置へ変位させる。
【0082】
穿孔制御部74は、穿孔モーター640を制御することにより、穿孔部61a,61b,61c,61dに前記穿孔加工を実行させる。
【0083】
後述するように、制御部7における搬送制御部72、変位制御部73および穿孔制御部74が、変位機構65、第1穿孔部61aおよび第2穿孔部61bに、前記搬送方向穿孔処理を実行させる。
【0084】
例えば、制御部7が、予め二次記憶部700に記憶されたプログラムを実行するMPU(Micro Processor Unit)およびRAM(Random Access Memory)などを備えることが考えられる。前記RAMは、前記MPUに実行させるためのプログラムを一時記憶する揮発性の主記憶部である。
【0085】
そして、操作表示部70の制御プログラムを実行する前記MPUが、UI制御部71として機能することが考えられる。同様に、搬送モーター34の制御プログラムを実行する前記MPUが、搬送制御部72として機能することが考えられる。
【0086】
同様に、変位モーター650の制御プログラムを実行する前記MPUが、変位制御部73として機能することが考えられる。同様に、穿孔モーター640の制御プログラムを実行する前記MPUが、穿孔制御部74として機能することが考えられる。
【0087】
また、UI制御部71、搬送制御部72、変位制御部73および穿孔制御部74が、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって構成されることも考えられる。
【0088】
二次記憶部700は、制御部7が参照する各種情報を記憶する不揮発性の記憶部である。また、二次記憶部700は、制御部7による各種情報の読み書きが可能な記憶部でもある。
【0089】
なお、本実施形態において、制御部7は、画像読取装置1および画像形成装置2の制御部も兼ねる。従って、制御部7は、画像読取装置1および画像形成装置2の制御に関する不図示の他の構成要素も備える。
【0090】
[画像形成・穿孔処理]
次に、図7に示されるフローチャートを参照しつつ、画像形成装置2および穿孔装置6が実行する前記画像形成・穿孔処理の手順の一例について説明する。
【0091】
前記画像形成・穿孔処理は、シート材9に画像を形成し、画像形成後のシート材9に前記穿孔加工を施す処理である。
【0092】
以下の説明において、S101,S102,…は、制御部7が実行する各工程の識別符号を表す。前記画像形成・穿孔処理は、操作表示部70に対して予め定められた開始操作が行われたときに開始する。
【0093】
<工程S101>
まず、UI制御部71が、動作モード設定処理を実行する。前記動作モード設定処理は、前記搬送方向穿孔処理の動作モードとして第1穿孔モードおよび第2穿孔モードの一方を選択する穿孔モード選択処理を含む。なお、工程S101の処理を実行するUI制御部71が穿孔モード選択部の一例である。
【0094】
前記第1穿孔モードは、前記搬送方向穿孔処理が、シート材9の第1エッジ9a側の部分に対して実行される動作モードである。前記第2穿孔モードは、前記搬送方向穿孔処理が、シート材9の第2エッジ9b側の部分に対して実行される動作モードである。
【0095】
例えば、UI制御部71は、操作表示部70の前記表示部に対して予め定められた選択メニュー画面を表示させる。さらに、UI制御部71は、操作表示部70の前記操作部に対する操作に従って、前記第1穿孔モードおよび前記第2穿孔モードの一方を選択する。
【0096】
なお、前記動作モード設定処理において、前記穿孔モードとして前記幅方向穿孔処理の動作モードが選択される場合もある。しかしながら、前記幅方向穿孔処理の動作モードについての説明は省略する。
【0097】
UI制御部71は、操作表示部70に対して予め定められた確定操作が行われた場合に処理を次の工程S102へ進める。
【0098】
<工程S102>
次に、制御部7における不図示のプリント制御部が、画像形成部4に画像形成処理を実行させる。これにより、画像がシート材9に形成され、画像形成後のシート材9が、画像形成装置2から主搬送路50へ搬送される。
【0099】
<工程S103,S104>
次に、工程S101で前記第1穿孔モードが選択された場合、制御部7は、第1搬送方向穿孔処理を実行する(S103)。一方、工程S101で前記第2穿孔モードが選択された場合、制御部7は、第2搬送方向穿孔処理を実行する(S104)。その後、前記画像形成・穿孔処理が終了する。
【0100】
[前記第1搬送方向穿孔処理]
次に、図8に示されるフローチャートを参照しつつ、穿孔装置6の制御部7が実行する前記第1搬送方向穿孔処理の手順の一例について説明する。
【0101】
以下の説明において、S201,S202,…は、制御部7が実行する各工程の識別符号を表す。前記第1搬送方向穿孔処理の開始時点において、前段搬送ローラー32aおよび後段搬送ローラー51aは回転している。
【0102】
<工程S201>
前記第1搬送方向穿孔処理において、まず、変位制御部73が、穿孔ユニット60を第1経路側端50a側の第1基準位置へ変位させる。
【0103】
変位制御部73は、変位モーター650に対して出力する駆動信号のパルス数をカウントすることにより、穿孔ユニット60の位置を特定可能である。前述したように、穿孔ユニット60の位置は、支持体63の位置と同義である。
【0104】
図9は、前記穿孔加工が実行される前に、前記第1基準位置へ変位した穿孔ユニット60の一部の概略平面図である。
【0105】
前記第1基準位置は、第1シートセンサー62aが、シート材9の第1エッジ9aよりも第1経路側端50a側の位置である。変位制御部73は、第2方向R2におけるシート材9の幅に応じて前記第1基準位置を設定する。
【0106】
例えば、第2方向R2におけるシート材9の幅を特定する情報が、予め操作表示部70に対する操作に従って設定されることが考えられる。この場合、シート材9の幅を特定する情報が、前記動作モード設定処理(S101)などにおいて設定される。
【0107】
第2方向R2におけるシート材9の幅を特定する情報が、不図示の端末から受信する印刷ジョブに含まれることも考えられる。また、第2方向R2におけるシート材9の幅が、不図示のセンサーによって検出されることも考えられる。
【0108】
なお、前記第1基準位置が、シート材9のサイズに関わらず、最大サイズのシート材9の幅に対応する一定の位置であることも考えられなくはない。
【0109】
<工程S202>
次に、変位制御部73は、中央シートセンサー62cによってシート材9の先端が検知されたか否かを監視する。中央シートセンサー62cの検知結果は、搬送制御部72を通じて変位制御部73に入力される。
【0110】
<工程S203>
さらに、変位制御部73は、中央シートセンサー62cがシート材9の先端を検知してから予め定められた先端待ち時間が経過したときに、穿孔ユニット60を前記第1基準位置から第1変位方向R21へ変位させる。
【0111】
前記先端待ち時間は、シート材9の先端が中央シートセンサー62cの位置に到達してから第1シートセンサー62aの位置に到達するまでの時間、または、それに一定時間を加えた時間である。
【0112】
<工程S204>
さらに、変位制御部73は、第1シートセンサー62aがシート材9の第1エッジ9aを検知したか否かを監視する。
【0113】
<工程S205>
第1シートセンサー62aがシート材9の第1エッジ9aを検知すると、変位制御部73は、穿孔ユニット60を第1目標位置で停止させる制御を実行する。
【0114】
前記第1目標位置は、第1シートセンサー62aにより第1エッジ9aが検知された時点の支持体63の位置を基準として定まる位置である。穿孔ユニット60が前記第1目標位置に存在するときの第1穿孔部61aの第2方向R2の位置が、シート材9におけるパンチ孔9hを形成すべき第2方向R2の位置である。
【0115】
図10は、シート材9の第1エッジ9aが検知されたときの穿孔ユニットの一部の概略平面図である。図10に示される第2方向R2の設定距離x0は、第1シートセンサー62aにより第1エッジ9aが検知される時点の支持体63の位置から前記第1目標位置までの距離である。設定距離x0は、予め設定された距離である。
【0116】
変位制御部73は、第1シートセンサー62aにより第1エッジ9aが検知された時点から、穿孔ユニット60を設定距離x0だけ第1変位方向R21へ変位させて停止させる。これにより、穿孔ユニット60が前記第1目標位置で停止する。
【0117】
<工程S206>
また、第1シートセンサー62aがシート材9の第1エッジ9aを検知すると、搬送制御部72が、シート材9をi番目の穿孔位置で停止させる制御を実行する。iは、第1方向R1におけるパンチ孔9hの番号を表す変数であり、初期値が1である。
【0118】
搬送制御部72は、中央シートセンサー62cがシート材9の先端を検知した時点から、パンチ孔9hの番号(i)ごとに予め設定された搬送距離の分だけシート材9を搬送したときに、搬送を停止する。これにより、シート材9におけるi番目のパンチ孔9hが形成されるべき部分が、第1穿孔部61aの正面と重なる。
【0119】
なお、シート材9がi番目の前記穿孔位置に到達する前に、穿孔ユニット60が前記第1目標位置に到達する。
【0120】
<工程S207>
穿孔ユニット60が前記第1目標位置に到達し、シート材9がi番目の前記穿孔位置に到達した状態で、穿孔制御部74が、第1穿孔部61aを動作させる。これにより、i番目のパンチ孔9hがシート材9に形成される。
【0121】
図11は、前記第1目標位置に到達した穿孔ユニット60の一部の概略平面図である。本実施形態において、第2方向R2における第1穿孔部61aと第2穿孔部61bとの間隔W0が、最大のシート材9に対応する基準長さL0よりも大きい。
【0122】
基準長さL0は、第2方向R2における幅が最大のシート材9における第1エッジ9aおよび第2エッジ9bの一方の穿孔位置から反対側のエッジまでの長さである。これにより、第1穿孔部61aおよび第2穿孔部61bが連動する場合でも、シート材9に無用なパンチ孔9hが形成されてしまうことがない。
【0123】
<工程S208>
次に、搬送制御部72が、パンチ孔9hの番号iをカウントアップする。
【0124】
<工程S209>
さらに、搬送制御部72が、シート材9の搬送を再開する。
【0125】
<工程S210>
さらに、搬送制御部72が、予め定められた終了条件が成立したか否かを判定する。前記終了条件は、全てのパンチ孔9hの形成が終了したことである。パンチ孔9hの番号iが、形成すべきパンチ孔9hの全数を超えた場合に、前記終了条件が成立する。
【0126】
<工程S211>
搬送制御部72が、前記終了条件が成立していないと判定した場合、変位制御部73が、工程S201と同様に、穿孔ユニット60を第1経路側端50a側の前記第1基準位置へ変位させる。
【0127】
図12は、2番目のパンチ孔9hの前記穿孔加工が終了した後に前記第1基準位置に戻った穿孔ユニット60の一部の概略平面図である。
【0128】
その後、変位制御部73、搬送制御部72および穿孔制御部74が、前記終了条件が成立するまで、工程S205からの工程S210までの処理を繰り返す。
【0129】
一方、搬送制御部72が、前記終了条件が成立していると判定した場合、前記第1搬送方向穿孔処理が終了する。
【0130】
以上に示されるように、前記第1穿孔モードが選択された場合に、変位制御部73は、変位モーター650を含む変位機構65によって支持体63を第1変位方向R21へ変位させる(S203)。さらに、支持体63が前記第1目標位置に到達した状態で、穿孔制御部74が、第1穿孔部61aを動作させる(S207)。
【0131】
[前記第2搬送方向穿孔処理]
次に、図13に示されるフローチャートを参照しつつ、穿孔装置6の制御部7が実行する前記第2搬送方向穿孔処理の手順の一例について説明する。
【0132】
前記第2搬送方向穿孔処理は、前記第1搬送方向穿孔処理と比較して、穿孔ユニット60を変位させるときの基準位置および方向が異なるだけである。以下、前記第2搬送方向穿孔処理における前記第1搬送方向穿孔処理と異なる点について説明する。
【0133】
以下の説明において、S301,S302,…は、制御部7が実行する各工程の識別符号を表す。工程S301〜S311は、それぞれ図8における工程S201〜S211に対応している。前記第2搬送方向穿孔処理の開始時点において、前段搬送ローラー32aおよび後段搬送ローラー51aは回転している。
【0134】
<工程S301>
前記第2搬送方向穿孔処理において、まず、変位制御部73が、穿孔ユニット60を第2経路側端50b側の第2基準位置へ変位させる。
【0135】
図14は、前記穿孔加工が実行される前に、前記第2基準位置へ変位した穿孔ユニット60の一部の概略平面図である。
【0136】
前記第2基準位置は、第2シートセンサー62bが、シート材9の第2エッジ9bよりも第2経路側端50b側の位置である。変位制御部73は、第2方向R2におけるシート材9の幅に応じて前記第2基準位置を設定する。
【0137】
なお、前記第2基準位置が、シート材9のサイズに関わらず、最大サイズのシート材9の幅に対応する一定の位置であることも考えられなくはない。
【0138】
<工程S302>
次に、変位制御部73は、図8の工程S202と同様に、シート材9の先端が検知されたか否かを監視する。
【0139】
<工程S303>
さらに、変位制御部73は、図8の工程S203と同様に、中央シートセンサー62cがシート材9の先端を検知してから前記先端待ち時間が経過したときに、穿孔ユニット60を前記第2基準位置から第2変位方向R22へ変位させる。
【0140】
<工程S304>
さらに、変位制御部73は、第2シートセンサー62bがシート材9の第2エッジ9bを検知したか否かを監視する。
【0141】
<工程S305>
第2シートセンサー62bがシート材9の第2エッジ9bを検知すると、変位制御部73は、穿孔ユニット60を第2目標位置で停止させる制御を実行する。
【0142】
前記第2目標位置は、第2シートセンサー62bにより第2エッジ9bが検知された時点の支持体63の位置を基準として定まる位置である。穿孔ユニット60が前記第2目標位置に存在するときの第2穿孔部61bの第2方向R2の位置が、シート材9におけるパンチ孔9hを形成すべき第2方向R2の位置である。
【0143】
変位制御部73は、図8の工程S205の処理と同様に、第2シートセンサー62bにより第2エッジ9bが検知された時点から、穿孔ユニット60を設定距離x0だけ第2変位方向R22へ変位させて停止させる。これにより、穿孔ユニット60が前記第2目標位置で停止する。
【0144】
<工程S306>
また、第2シートセンサー62bがシート材9の第2エッジ9bを検知すると、搬送制御部72が、シート材9をi番目の穿孔位置で停止させる制御を実行する。この処理は、図8の工程S206の処理と同じである。
【0145】
<工程S307>
穿孔ユニット60が前記第2目標位置に到達し、シート材9がi番目の前記穿孔位置に到達した状態で、穿孔制御部74が、第1穿孔部61aを動作させる。これにより、i番目のパンチ孔9hがシート材9に形成される。
【0146】
<工程S308〜S310>
次に、搬送制御部72が、図8の工程S208〜S210と同じ処理を実行する。
【0147】
<工程S311>
搬送制御部72が、前記終了条件が成立していないと判定した場合、変位制御部73が、工程S301と同様に、穿孔ユニット60を第2経路側端50b側の前記第2基準位置へ変位させる。
【0148】
その後、変位制御部73、搬送制御部72および穿孔制御部74が、前記終了条件が成立するまで、工程S305からの工程S310までの処理を繰り返す。
【0149】
一方、搬送制御部72が、前記終了条件が成立していると判定した場合、前記第2搬送方向穿孔処理が終了する。
【0150】
以上に示されるように、前記第2穿孔モードが選択された場合に、変位制御部73は、変位モーター650を含む変位機構65によって支持体63を第2変位方向R22へ変位させる(S303)。さらに、支持体63が前記第2目標位置に到達した状態で、穿孔制御部74が、第2穿孔部61bを動作させる(S307)。
【0151】
本実施形態において、穿孔装置6は、前記搬送方向穿孔処理を実行する。そのため、シート材9が縦向きで搬送される状態で、シート材9における長手方向に沿う複数の箇所に対して前記穿孔加工を行うことが可能である。
【0152】
さらに、穿孔装置6は、第1エッジ9a側のパンチ孔9hを形成する前記第1搬送方向穿孔処理と、第2エッジ9b側のパンチ孔9hを形成する前記第2搬送方向穿孔処理とを区別して実行する。そのため、パンチ孔9hの形成位置の自由度が高いにもかかわらず、第2方向R2における穿孔ユニット60の最大の変位幅を小さく抑えることができる。
【0153】
従って、穿孔装置6が採用されれば、よりコンパクトな構成で、シート材9における長手方向に沿う複数の箇所に対する前記穿孔加工を行うことができる。しかも、パンチ孔9hの形成位置の自由度が高い。さらに、変位機構65の動作時間が短いため、変位機構65の動作および穿孔ユニット60の移動などにより生じるシート処理装置5の機械音および振動が抑制される。
【0154】
また、本実施形態において、シート材9のエッジ検出(S204,S304)およびその検出結果に基づく穿孔ユニット60の位置決め(S205,S305)が、前記穿孔加工の箇所ごとに行われる。そのため、シート材9が、第1方向R1に対して傾斜した状態で搬送された場合でも、パンチ孔9hが、シート材9における正しい位置に形成される。
【0155】
[第2実施形態:前記搬送方向穿孔処理]
次に、図15に示されるフローチャートを参照しつつ、第2実施形態に係る穿孔装置の制御部が実行する前記搬送方向穿孔処理の手順の一例について説明する。
【0156】
第2実施形態に係る穿孔装置の構成は、穿孔装置6の構成と同じである。本実施形態における第1実施形態と異なる点は、前記第1搬送方向穿孔処理および前記第2搬送方向穿孔処理における一部の処理が省略されることのみである。
【0157】
図15のフローチャートは、本実施形態における前記第1搬送方向穿孔処理の手順の一例を示す。図15において、図8に示される工程と同じ工程は、同じ識別符号が付されている。以下、本実施形態における第1実施形態と異なる点について説明する。
【0158】
本実施形態における前記第1搬送方向穿孔処理は、図8に示される前記第1搬送方向穿孔処理から工程S211の処理が省略された処理である。
【0159】
即ち、工程S210において、搬送制御部72が、前記終了条件が成立していないと判定した場合、穿孔ユニット60が、最初の箇所の前記穿孔加工において停止した前記第1目標位置に保持された状態のまま、搬送制御部72および穿孔制御部74が、工程S205〜S210の処理を繰り返す。
【0160】
また、本実施形態において、前記第2搬送方向穿孔処理も、図13に示される前記第2搬送方向穿孔処理から工程S311の処理が省略された処理である(不図示)。
【0161】
即ち、変位制御部73は、前記搬送方向穿孔処理において、シート材9の最初の1箇所への前記穿孔加工が行われる際に、穿孔ユニット60を第1経路側端50a側および第2経路側端50b側の一方から前記第1目標位置および前記第2目標位置の一方まで変位させる(工程S203,S303)。その後、変位制御部73は、シート材9の残りの箇所への前記穿孔加工が終了するまで穿孔ユニット60の位置を保持する(工程S210から工程S206へ、工程S310から工程S306へ)。
【0162】
本実施形態においては、穿孔ユニット60が変位する回数が、第1実施形態に比べて少なくなる。そのため、変位機構65の動作および穿孔ユニット60の移動などにより生じるシート処理装置5の機械音および振動が抑制される。
【0163】
なお、UI制御部71が、操作表示部70に対する予め定められた選択操作に従って、前記搬送方向穿孔処理の動作モードとして、第1モードおよび第2モードの一方を選択することも考えられる。前記第1モードが選択された場合、変位制御部73は、前記搬送方向穿孔処理において、第1実施形態に示された処理を実行する。一方、前記第2モードが選択された場合、変位制御部73は、前記搬送方向穿孔処理において、第2実施形態に示された処理を実行する。前記第1モードは、穿孔位置の精度を優先する動作モードであり、前記第2モードは、前記機械音および前記振動の抑制を優先する動作モードである。
【0164】
[第3実施形態:前記搬送方向穿孔処理]
次に、図16に示されるフローチャートを参照しつつ、第3実施形態に係る穿孔装置の制御部が実行する前記搬送方向穿孔処理の手順の一例について説明する。
【0165】
第3実施形態に係る穿孔装置の構成は、穿孔装置6の構成と同じである。本実施形態における第1実施形態と異なる点は、前記第1搬送方向穿孔処理および前記第2搬送方向穿孔処理に2つの工程の処理が追加されることのみである。
【0166】
本実施形態は、シート材9の3つ以上の箇所に対する前記搬送方向穿孔処理が行われる場合に、第1実施形態との差異が生じる。
【0167】
図16のフローチャートは、本実施形態における前記第1搬送方向穿孔処理の手順の一例を示す。図16において、図8に示される工程と同じ工程は、同じ識別符号が付されている。以下、本実施形態における第1実施形態と異なる点について説明する。
【0168】
本実施形態における前記第1搬送方向穿孔処理は、図8に示される前記第1搬送方向穿孔処理に工程S210aおよび工程S212の処理が追加された処理である。
【0169】
<工程S210a>
即ち、工程S210において、搬送制御部72が、前記終了条件が成立していないと判定した場合、搬送制御部72は、前記穿孔加工の状況が、1番目のパンチ孔9hのみが形成された状況であるか否かを判定する。
【0170】
そして、2番目のパンチ孔9hの前記穿孔加工は、穿孔ユニット60が前記第1基準位置に戻された上で実行される(工程S211から工程S205へ)。
【0171】
<工程S212>
一方、工程S210aにおいて、搬送制御部72が、2番目以降のパンチ孔9hが形成された状況であると判定した場合、変位制御部73は、穿孔ユニット60をi番目の線形外挿位置へ変位させる。
【0172】
i番目の前記線形外挿位置は、最初の2箇所の前記穿孔加工が実行されるときの穿孔ユニット60の位置に基づく線形外挿により定まる位置である。前述したように、穿孔ユニット60の位置は、支持体63の位置と同義である。
【0173】
本実施形態において、変位制御部73は、最初の2箇所の前記穿孔加工が実行されるときの前記第1目標位置を記憶する。
【0174】
さらに、工程S212において、変位制御部73は、記憶した最初の2箇所の前記第1目標位置と、最初の2箇所のパンチ孔9hのピッチと、1番目とi番目のパンチ孔9hのピッチとに基づく線形外挿により、i番目の前記第1目標位置に相当するi番目の前記線形外挿位置を算出する。
【0175】
そして、変位制御部73は、穿孔ユニット60を現在位置から直接前記線形外挿位置へ変位させる。
【0176】
同様に、前記第2搬送方向穿孔処理において、変位制御部73は、記憶した最初の2箇所の前記第2目標位置と、最初の2箇所のパンチ孔9hのピッチと、1番目とi番目のパンチ孔9hのピッチとに基づく線形外挿により、i番目の前記第2目標位置に相当するi番目の前記線形外挿位置を算出する。
【0177】
即ち、本実施形態において、変位制御部73は、シート材9の3つ以上の箇所に対する前記搬送方向穿孔処理において、以下の制御を実行する。
【0178】
まず、変位制御部73は、シート材9の最初の2箇所各々への前記穿孔加工が行われる際に、穿孔ユニット60を第1経路側端50a側および第2経路側端50b側の一方から前記第1目標位置および前記第2目標位置の一方へ変位させる(工程S203,S303)。
【0179】
さらに、変位制御部73は、シート材9の残りの箇所への前記穿孔加工が行われる際に、最初の2箇所の前記穿孔加工が実行されるときの穿孔ユニット60の位置に基づく前記線形外挿位置に穿孔ユニット60を位置決めする(例えば、工程S212)。
【0180】
本実施形態においも、穿孔ユニット60が変位する回数が、第1実施形態に比べて少なくなる。そのため、変位機構65の動作および穿孔ユニット60の移動などにより生じるシート処理装置5の機械音および振動が抑制される。
【0181】
なお、UI制御部71が、操作表示部70に対する予め定められた選択操作に従って、前記搬送方向穿孔処理の動作モードとして、前記第1モードおよび第3モードの一方を選択することも考えられる。前記第3モードが選択された場合、変位制御部73は、前記搬送方向穿孔処理において、第3実施形態に示された処理を実行する。前記第3モードも、前記第2モードと同様に、前記機械音および前記振動の抑制を優先する動作モードである。また、UI制御部71が、操作表示部70に対する予め定められた選択操作に従って、前記搬送方向穿孔処理の動作モードとして、前記第1モード、前記第2モードおよび前記第3モードのうちのいずれかを選択することも考えられる。
【0182】
[応用例]
以上に示された各実施形態において、支持体63が、複数の第1シートセンサー62aおよび複数の第2シートセンサー62bを支持することも考えられる。この場合、複数の第1シートセンサー62aおよび複数の第2シートセンサー62bは、第2方向R2において間隔を空けて配置される。
【0183】
そして、前記搬送方向穿孔処理において、シート材9の第1エッジ9aまたは第2エッジ9bの位置に最も近い第1シートセンサー62aまたは第2シートセンサー62bが、シート材9のエッジ検知に用いられる。
【0184】
上記応用例によれば、穿孔ユニット60の変位範囲をより小さくすることができる。その結果、装置をよりコンパクトにすること、および、前記機械音および前記振動をより抑制することが可能になる。
【0185】
また、穿孔装置6において、第1方向R1における第1穿孔部61aおよび第2穿孔部61b各々の中心から後段搬送ローラー51aの回転中心までの間隔が、想定される最短のシート端−孔長さよりも短いことが考えられる。
【0186】
前記シート端−孔長さは、シート材9の先端から前記搬送方向穿孔処理においてシート材9の最も先端側に形成されるパンチ孔9hの中心までの長さである。これにより、全てのパンチ孔9hの前記穿孔加工が、シート材9の第1方向R1の位置が後段搬送ローラー51aによって調節された状態実行される。
【0187】
例えば、想定される最短の前記シート端−孔長さは、1枚のシート材9に4つのパンチ孔9hを形成する前記搬送方向穿孔処理における前記シート端−孔長さである。
【0188】
なお、本発明に係る穿孔装置および画像形成システムは、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
【0189】
また、穿孔装置6において、第2経路側端50b側における第2穿孔部61bおよび第2シートセンサー62bが省略されることも考えられる。この場合、UI制御部71による前記動作モード設定処理(S101)も省略される。
図1
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