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特許6384659電子機器、タッチスクリーン制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384659
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】電子機器、タッチスクリーン制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20180827BHJP
   H04M 1/247 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   G06F3/0482
   H04M1/247
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-156088(P2014-156088)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-33726(P2016-33726A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2017年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健
【審査官】 菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−108070(JP,A)
【文献】 特開2001−134381(JP,A)
【文献】 特開2014−054488(JP,A)
【文献】 特開2013−047873(JP,A)
【文献】 特開2011−133635(JP,A)
【文献】 特開平10−255167(JP,A)
【文献】 特開2012−074052(JP,A)
【文献】 特開2004−295822(JP,A)
【文献】 特開2008−305339(JP,A)
【文献】 特開2009−020585(JP,A)
【文献】 特開2014−102564(JP,A)
【文献】 特開2014−075759(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0154798(US,A1)
【文献】 特開平11−259202(JP,A)
【文献】 特開2013−205993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048−3/0489
G06F 3/041
H04M 1/247
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器であって、
前記タッチスクリーンにタッチ操作を促す情報が表示されてから前記タッチパネルに前記タッチ操作が行われるまでの時間を計測する計測手段と、
前記タッチ操作される際の操作環境が所定の条件を満たす場合に、前記計測手段により計測された計測時間を操作履歴として記憶する履歴記憶手段と、
前記履歴記憶手段に記憶されている複数の計測時間に基づいて、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記タッチスクリーンに関する設定内容の異なる複数の動作モードのうち、前記履歴記憶手段により記憶されている複数の計測時間に基づいて、その1つの動作モードを選択することにより、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数の動作モードのうち、少なくともその1つは前記タッチ操作の応答性を優先する応答性優先モード、他の1つは前記タッチ操作の確実性を優先する確実性優先モードである、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記タッチスクリーンに関する設定内容の異なる複数の動作モードの中からその1つを選択した後、所定の条件を満たすまでは前記動作モードの選択を行わない、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記タッチ操作を促す情報毎に重み付けがされ、
前記履歴記憶手段は、前記計測手段により計測された計測時間を操作履歴として記憶するほか、前記タッチスクリーンに表示されていた前記タッチ操作を促す情報の重み付けを更に記憶し、
前記制御手段は、前記履歴記憶手段に記憶されている複数の計測時間と複数の重み付けに基づいて、前記複数の動作モードのうち、その1つの動作モードを選択する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記タッチ操作を促す情報毎の重み付けは、その情報に基づき前記タッチ操作により実行される処理内容を実行させるか否か、或いは複数の選択肢から選択することを、操作者が判断することのうち、少なくともそのいずれかの困難性を評価した値である、
ことを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記履歴記憶手段は、前記タッチ操作される際の周辺の明るさ環境が所定の明るさ範囲内であることを条件として、前記計測手段により計測された時間を操作履歴として記憶する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記履歴記憶手段は、前記タッチ操作される際の時間に関する環境が所定の時間帯内であることを条件として、前記計測手段により計測された時間を操作履歴として記憶する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御手段は、前記履歴記憶手段に記憶されている計測時間の数が所定数に達したことを条件として、前記動作モードの選択を行う、
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記制御手段は、前記タッチ操作を促す情報の表示に関する制御を行う表示制御手段を更に備え、前記表示制御手段が前記タッチ操作を促す情報の表示を制御することにより前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記タッチ操作を促す情報は、ソフトウェアキー又はアイコンを識別する情報であり、
前記表示制御手段は、前記ソフトウェアキー又はアイコンの大きさ又はその数を制御する、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記タッチ操作を促す情報の表示に応じた前記タッチ操作によりその処理内容が実行されるまでの前記タッチ操作の回数を制御する、
ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
前記表示制御手段は、前記タッチ操作を促す情報である前記タッチ操作の説明文を表示させるか否か、又はその文字量を制御する、
ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記タッチ操作を促す情報であるメッセージ又はアラートを表示する時間を制御する、
ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記タッチ操作を促す情報の表示に応じて前記タッチ操作が行われた際にその前記タッチ操作により実行される処理内容を明示する表示を行うか否か、その表示する速度、その表示する時間のうち、少なくとも1つを制御する、
ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項16】
前記制御手段は、前記タッチパネルの動作に関する制御を行うタッチ制御手段を更に備え、前記タッチ制御手段がタッチパネルの動作を制御することにより前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う
ことを特徴とする請求項乃至15のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項17】
前記タッチ制御手段は、前記タッチ操作の有無判別用のタッチ継続時間を制御する、
ことを特徴とする請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】
前記タッチ制御手段は、前記タッチ操作の種類を判別するか否かの制御又はその種類の数の制御を行う、
ことを特徴とする請求項16に記載の電子機器。
【請求項19】
表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器におけるタッチスクリーン制御方法であって、
前記タッチスクリーンにタッチ操作を促す情報が表示されてから前記タッチパネルに前記タッチ操作が行われるまでの時間を計測する計測処理と、
前記タッチ操作される際の操作環境が所定の条件を満たす場合に、前記計測処理により計測された計測時間を操作履歴として記憶する処理と、
前記記憶されている複数の計測時間に基づいて、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う処理と、
を含むことを特徴とするタッチスクリーン制御方法。
【請求項20】
表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器のコンピュータに対して、
前記タッチスクリーンにタッチ操作を促す情報が表示されてから前記タッチパネルに前記タッチ操作が行われるまでの時間を計測する計測機能と、
前記タッチ操作される際の操作環境が所定の条件を満たす場合に、前記計測機能により計測された計測時間を操作履歴として記憶する機能と、
前記記憶されている複数の計測時間に基づいて、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面上にタッチパネルが積層されたタッチスクリーンを有する電子機器、タッチスクリーン制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、タッチスクリーンは、液晶パネルなどの表示パネルにタッチパネルを積層することにより様々なGUI(graphical user interface)を提供することができるため、各種の電子機器の操作手段として広く使用されている。しかしながら、例えば、年齢、性別、或いは操作の得手不得手などを多角的に考慮すると、誰にとっても使いやすい操作手段であるとは言い難かった。その解決策として、手の皮膚抵抗の測定や、撮像画像を基にした皮膚のキメ細かさを解析することにより年齢又は性別を判別し、その判別結果に基づいてタッチパネルの特に表示ボタンの表示態様を切り替えるようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。また、他の解決策としては、ユーザ操作と消費電力との関係からタッチ感度の設定が最適になるように制御する技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−238391号公報
【特許文献2】特開2013−69219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、年齢や性別に応じて表示ボタンの表示態様を一律に切り替えるもので、年齢や性別が同じである場合の操作の得手不得手などを考慮する技術ではなく、また、皮膚抵抗などを測定するための測定手段、撮像のためにレンズや撮像素子などからなる撮像手段を別途に備える必要があった。また、特許文献2の技術は、タッチ感度を制御する技術であり、タッチ感度を調整するだけでは誰でも使いやすい操作手段となるような改善までも望むことはできなかった。
【0005】
本発明の課題は、軽い処理であってもタッチスクリーンを適切に制御できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明の電子機器は、
表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器であって、
前記タッチスクリーンにタッチ操作を促す情報が表示されてから前記タッチパネルに前記タッチ操作が行われるまでの時間を計測する計測手段と、
前記タッチ操作される際の操作環境が所定の条件を満たす場合に、前記計測手段により計測された計測時間を操作履歴として記憶する履歴記憶手段と、
前記履歴記憶手段に記憶されている複数の計測時間に基づいて、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
上述した課題を解決するために本発明の他の電子機器は、
表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器であって、
前記タッチスクリーンに表示されるタッチ操作を促す情報が処理の実行を指示する場合に、その処理の種類を基にその処理を実行するか否かを操作者が判断することの困難性、或いは複数の選択肢の中からそのいずれかの選択肢を選択させることを指示する場合に、その選択を操作者が判断することの困難性を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された判断の困難性に基づき、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、軽い処理であってもタッチスクリーンを適切に制御することができ、使いやすいタッチスクリーンを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電子機器として適用したスマートフォンの基本的な構成要素を示したブロック図。
図2】「応答性優先モード」で表示に関する制御を行う際に使用される表示制御テーブル(応答性優先モード)T1を説明するための図。
図3】「確実性優先モード」で表示に関する制御を行う際に使用される表示制御テーブル(確実性優先モード)T2を説明するための図。
図4】設定内容テーブル(表示制御)T3を説明するための図。
図5】設定内容テーブル(タッチ制御)T4を説明するための図。
図6】タッチ入力処理を示したフローチャート。
図7】操作履歴記憶処理(図6のステップA9)を詳述するためのフローチャート。
図8】設定モード選択処理(図6のステップA14)を詳述するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図8を参照して本発明の実施形態を説明する。
本実施形態は、電子機器として、スマートフォンと呼ばれる多機能型携帯電話機に適用した場合で、図1は、スマートフォンの基本的な構成要素を示したブロック図である。
スマートフォンは、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能、計時機能(時計機能、タイマ機能)などの基本的な機能のほか、タッチ表示機能(表示画面上にタッチパネルが積層されたタッチスクリーン)を備えている。制御部1は、二次電池(図示省略)を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこのスマートフォンの全体動作を制御する中央演算処理装置などである。記憶部3には、プログラムメモリ3a、ワークメモリ3b、後述するタッチスクリーン制御テーブル3cなどが設けられている。
【0011】
プログラムメモリ3aは、図6図8に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とする情報などが記憶されている。ワークメモリ3bは、このスマートフォンが動作するために必要となる各種の情報(例えば、フラグ、タイマ時間、現在日時など)を一時的に記憶するワーク領域である。なお、記憶部3は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、また、その一部が図示しない所定の外部サーバの領域を含むものであってもよい。
【0012】
無線通信部4は、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能時に使用される広域通信部である。操作部5は、電源ボタンなどの押しボタン式の各種のキーを備えている。撮像部6は、図示省略したが、光学レンズからの被写体像が撮像素子(CCDやCMOSなど)に結像されることによって被写体を高精細に撮影可能なカメラ部である。タッチスクリーン7は、タッチ表示機能を構成するもので、表示部7aを構成する表示画面上にタッチパネル7bを積層配設した構成となっており、各種のソフトウェアキー(タッチキー)を割り当て配置してその機能名を表示したり、アイコンを表示したり、各種のメッセージを表示したりするほか、指などによるタッチ操作を感知してそのタッチ操作に応じた操作信号を入力したりする入力表示デバイスである。
【0013】
表示部7aは、例えば、液晶による表示部であるが、有機EL(Electro Luminescence)による表示部であってもよい。タッチパネル7bは、例えば、静電容量方式或いは抵抗皮膜方式を採用したもので、タッチパネル7bへのタッチ操作の種類として、制御部1は、任意の位置を接触してすぐに離す操作(1回軽くたたく操作)のシングルタップ、2回の接触を続けて行う操作(2回軽くたたく操作)のダブルタップ、接触移動する操作のスライド、接触移動してからすぐに離す操作(はらう操作)のフリックなどのタッチジェスチャを検出するようにしている。その他、二本の指で接触する操作のマルチタッチなどのタッチジェスチャも検出できるようにしてもよい。
【0014】
タッチスクリーン7は、タッチパネル7bへのタッチ操作に応じて接触の有無を示す信号(タッチオン信号/タッチオフ信号)を制御部1に与える。制御部1は、タッチパネル7bからの接触有無信号(タッチオン信号/タッチオフ信号)に基づいてタッチパネル7b上の座標位置(接触位置)、接触方向、接触距離、接触時間を検出してタッチ操作の有無、タッチ操作の種類、操作内容を判別する。なお、上述のタッチ操作とは、タッチパネル7b上において指やペンを直接タッチする接触操作に限らず、その接触操作に近似する操作として、例えば、指やペンの接近や接近移動による静電容量変化又は明るさ変化などに応じて指やペンの位置を検出する近接操作を含むことを意味している。つまり、接触操作を検出する接触型タッチパネルに限らず、近接型タッチパネルやデバイスであってもよいが、本実施形態にあっては、タッチ操作として、接触型タッチパネル上での接触操作を例示した場合を示している。
【0015】
このように構成されたタッチスクリーン7において、制御部1は、タッチ操作を促す情報を表示させてからタッチパネル7bにタッチ操作が行われるまでの時間(タイムラグ)を計測し、この計測時間に基づき、タッチスクリーン7に関する設定の制御を行うようにしている。すなわち、タッチスクリーン7に関して設定内容の異なる複数(本実施形態では2つ)の動作モードのうち、上述の計測時間に基づいてその1つの動作モードを選択することによりタッチスクリーン7に関する設定の制御を行うようにしている。
【0016】
ここで、タッチスクリーン7に関する設定の制御には、表示画面への表示に関する制御(表示制御)と、タッチパネル7bへのタッチに関する制御(タッチ制御)とを有し、制御部1は、この表示制御及びタッチ制御の両方を行うようにしている。ここで、タッチ操作を促す情報とは、例えば、ソフトウェアキー上に表示される機能名を示す文字、記号などのキー識別情報又はアイコン上に表示される絵柄や記号などのアイコン識別情報、ソフトウェアキー又はアイコンに対応付けて同時に表示されるメッセージや操作説明文で、その詳細については後で述べるものとする。
【0017】
そして、この2つの動作モードの1つは、タッチ操作の応答性を優先する「応答性優先モード」、他の1つはタッチ操作の確実性を優先する「確実性優先モード」を示している。そして、タッチスクリーン7に関する設定の制御として、「応答性優先モード」では、ソフトウェアキー又はアイコンの表示サイズを小さくしたり、タッチ操作の有無判別用のタッチ継続時間を短くしたり、フリックなどのタッチジェスチャを有効としたり、画面遷移時の表示されるアニメーション速度を速くしたりする。
【0018】
また、「確実性優先モード」では、ソフトウェアキー又はアイコンのサイズを大きくしたり、タッチ操作の有無判別用のタッチ継続時間を長くしたり、フリックなどのタッチジェスチャを無効としたり、画面遷移時の表示されるアニメーション速度を遅くしたりする。これによって例えば、「応答性優先モード」は、例えば、操作熟練者向き或いは操作環境が良好時に適した動作モードとなり、「確実性優先モード」は、例えば、操作未熟者向き或いは操作環境が不良時に適した動作モードとなるが、このような分け方に限らないことは勿論である。
【0019】
図2図4は、タッチスクリーン制御テーブル3cを説明するための図である。
タッチスクリーン制御テーブル3cは、タッチスクリーン7に関する設定の制御(上述した表示制御及びタッチ制御)を行う際に使用されるテーブルで、図2図4に示す各テーブルT1〜T4を有している。
図2は、「応答性優先モード」で表示に関する制御を行う際に使用される表示制御テーブル(応答性優先モード)T1の内容を示している。図3は、「確実性優先モード」で表示に関する制御を行う際に使用される表示制御テーブル(確実性優先モード)T2を示している。
【0020】
表示制御テーブル(応答性優先モード)T1は、図2に示すように、ソフトウェアキー(タッチキー)の操作を促す情報やその処理内容などを記憶するテーブルで、「ID」に対応付けて、「メッセージ表示内容」、「処理内容」、「重み付け」、「ソフトウェアキー(タッチ領域)」の各項目を有する構成となっている。「ID」は、タッチ操作を促す情報を識別する番号である。「メッセージ表示内容」は、タッチ操作を促す情報で、例えば、「ID」“1”に対応して“表示中のデータをどこにコピーしますか?”、“2”に対応して“表示中のデータをメモリ間で移動しますか?”が記憶されている。更に、“51”に対応して“内蔵メモリが一杯になりました”、“71”に対応して“この内容で注文しますか?”、“91”に対応して“フルリセットを実行しますか?”等が記憶されている。なお、図示の例は、タッチスクリーン7にソフトウェアキーを表示する場合を例示したが、アイコンを表示する場合であっても同様である(以下、同様)。
【0021】
「処理内容」は、対応するソフトウェアキーへのタッチ操作に応じて実行される処理を示し、例えば、コピー処理、移動処理、削除処理、注文処理、フルリセット処理などである。タッチ操作を促す情報毎に付加されている「重み付け」は、そのタッチ操作を促す情報が処理の実行を指示する場合に、その処理の種類に基づいて、処理を実行するか否かを操作者が判断することの困難性(困難度合い)と、タッチ操作を促す情報が複数の選択肢(後述する)の中から所望する選択肢を選択することを指示する場合に、選択肢の数に基づいて、その選択を操作者が判断することの困難性(困難度合い)を評価した値で、その値が大きいほど判断の困難性が高いことを示している。
【0022】
例えば、「ID」が“1”(コピー処理)の「重み付け」として“2”が記憶されているのに対し、“91”(フルリセット処理)の「重み付け」として“10”が記憶されている。このようにコピー処理に比べてフルリセット処理を行う場合は、操作者はその処理を実行するか否かの判断に時間をかけてより慎重に行う可能性があり、判断の困難性が高くなるために、フルリセット処理の「重み付け」は大きな値となっている。すなわち、タッチ操作後にそれをキャンセルすることができない処理であったり、データが失われたりする処理のように操作者が判断を、時間をかけて慎重に行う可能性のある処理の実行を指示する場合、また、多数のキー(選択肢)の中からその1つを選択する場合は、判断の困難性が高くなる。このように判断の困難性が高い場合の処理の「重み付け」を大きな値としている。
【0023】
「ソフトウェアキー(タッチ領域)」は、キーの表示に関する設定を示し、「大きさ」、「表示内容(数)」の各項目を有している。「大きさ」は、キー(タッチ領域)のサイズを示している。なお、図2の欄外は、「大きさ」が“1”、“2”、“3”、“4”の場合にそのサイズを視覚的に明示したもので、“1”<“2”<“3”<“4”の関係にあり、“4”は“1”の略2倍の大きさとなっている。「表示内容(数)」は、上述の「メッセージ表示内容」と同様にタッチ操作を促す情報の一つであるが、ソフトウェアキーの機能名と表示されるキーの数(選択肢の数)を示している。
【0024】
例えば、「ID」が“1”で、「メッセージ表示内容」が“表示中のデータをどこにコピーしますか?”の「表示内容(数)」は、3つのキーを表示させる設定内容となっている。すなわち、「表示内容(数)」は、コピー先として内蔵メモリを指示するキーであることを識別する情報(機能名)“内蔵”と、コピー先としてメモリカードを指示するキーであることを識別する情報“カード”と、コピーをしないことを指示するキーであることを識別する情報“キャンセル”の3つを表示させる設定内容となっている。
【0025】
また、「ID」が“2”で、「メッセージ表示内容」が“表示中のデータをメモリ間で移動しますか?”の「表示内容(数)」は、2つのキーを表示させる設定内容となっている。すなわち、「表示内容(数)」は、移動することを指示するキーであることを識別する情報“OK”と、移動をしないことを指示するキーであることを識別する情報“キャンセル”の2つを表示させる設定内容となっている。このようにキーの数(選択肢の数)は、「メッセージ表示内容」毎に異なる場合があるが、そのキーの数(選択肢の数)が多いほど、操作者は、その選択により時間がかかり、判断の困難性が高くなるために、その「重み付け」を大きくするようにしている。
【0026】
表示制御テーブル(確実性優先モード)T2は、図3に示すように、「ID」に対応付して「メッセージ表示内容」、「処理内容」、「重み付け」、「ソフトウェアキー(タッチ領域)」の各項目を有する構成で、図2で示した表示制御テーブル(応答性優先モード)T1と同様の構成となっている。この場合、図2の「ID」“1”は、図3の「ID」“101a”及び“101b”に対応している。同様に、“2”は、“102a”及び“102b”に対応し、“3”は、“103”に対応し、…、“91”は、“191a”及び“191b”に対応している。「メッセージ表示内容」は、図3の場合に比べて、詳細で理解し易い内容で記述されたもので、例えば、図3の「ID」“101a”及び“101b”の「メッセージ表示内容」は、図2の「ID」“1”のように1つの「メッセージ表示内容」で「内蔵メモリへのコピー」と「メモリカードへのコピー」をまとめて選択するように記述するのではなく、「内蔵メモリへのコピー」と「メモリカードへのコピー」を別々に分けて記述した内容となっている。
【0027】
すなわち、「ID」“101a”の「メッセージ表示内容」は、“表示中のデータを内蔵メモリにコピーしますか?”に、その操作説明文として“この操作では画像は失われません”が含まれている。また、「ID」“101b”の「メッセージ表示内容」は、“表示中のデータをメモリカードにコピーしますか?”に、その操作説明文として“この操作では画像は失われません”が含まれている。そして、「ID」“101a”及び“101b”の「ソフトウェアキー(タッチ領域)」の「大きさ」は、図2の「ID」“1”に比べて2倍となり、「表示内容(数)」は、コピーするかしないか(肯定/否定)を指示するキーであることを識別する情報(機能名)「はい」、「いいえ」の2つのキーを表示させる設定内容となっている。このように表示制御テーブル(確実性優先モード)T2の「メッセージ表示内容」には、メッセージに操作説明文を付加した構成となり、「ソフトウェアキー(タッチ領域)」は、比較的見易い表示形態、少ない選択肢となっている。
【0028】
一方、「ID」“171a”の「メッセージ表示内容」は、“この内容で注文しますか?”、その操作説明文として“注文内容は間違っていないですか”、また、“171b”の「メッセージ表示内容」は、“この注文で大丈夫ですか?”、その操作説明文として“取り消しはできなくなります”となっている。このように“171a”と“171b”とにより誤操作を防止するために2重の確認を行うようにしている。つまり、“171a”は先に表示する上位項目、“171b”は後から表示する下位項目の関係にあるため、“171a”の「処理内容」には、“ID171bへ”のジャンプが設定されている。このことは「ID」“191a”と“191b”との関係においても同様であり、“191a”の「処理内容」には、“ID191bへ”のジャンプが設定されている。なお、図2図3の場合の「重み付け」は、表示制御テーブルの種類に応じて若干異なっており、判断の困難性が高い処理内容ほどより高い重み付けとなっている。
【0029】
図4は、設定内容テーブル(表示制御)T3を説明するための図である。
設定内容テーブル(表示制御)T3は、タッチスクリーン7の表示設定を制御するためのテーブルで、例えば、ソフトウェアキーの表示サイズ、メッセージの表示時間などを制御する設定内容を記憶するもので、「設定項目(制御項目)」、「設定内容(制御内容)」の各項目を有している。図示の例では「設定項目(制御項目)」の“ソフトウェアキー又はアイコンの大きさ、その数”、“タッチ操作の回数”、“説明文を表示するか否か、その量”に対応する「設定内容(制御内容)」として、“表示制御テーブル参照”が記憶されており、各項目の設定内容は、上述した表示制御テーブル(応答性優先モード)T1、表示制御テーブル(確実性優先モード)T2を参照することによって特定される。
【0030】
すなわち、“ソフトウェアキー又はアイコンの大きさ、その数”は、表示制御テーブルT1、T2の「ソフトウェアキー(タッチ領域)」を参照することによって特定される。“タッチ操作の回数”は、表示制御テーブル(確実性優先モード)T2の場合に、「ID」が“171a”、“171b”のように上位項目、下位項目の関係にあれば、その上位項目から下位項目に至るまでのメッセージの表示回数、つまり、タッチ操作の回数を示し、上位項目から下位項目までの階層数に基づいてタッチ操作の回数が特定される。この例ではタッチ操作の回数は2回となる。“説明文を表示するか否か、その量”は、表示制御テーブルT1、T2の「メッセージ表示内容」を参照することによって特定されるもので、応答性優先モードでは説明文を表示しない、確実性優先モードでは説明文を表示する、説明文の文字数がその量となる。
【0031】
表示制御テーブル(応答性優先モード)T1では「ID」が“51”、“52”、表示制御テーブル(確実性優先モード)T2では「ID」が“151”、“152”のようにメッセージウィンドウを閉じるだけの場合には、応答性優先モード、確実性優先モードに拘わらず、メッセージウィンドウを所定時間表示した後は、それを自動的に閉じるようにしてもよい。そのために、「設定項目(制御項目)」の“メッセージ又はアラートを表示する時間”に対応する「設定内容(制御内容)」として、“応答性優先モードでは2秒”、“確実性優先モードでは3秒”が記憶されている。
【0032】
また、本実施形態においては、“実行された処理内容を明示する表示”として“状態変遷時に行うアニメーション表示”に関する表示の制御も行うようにしている。そのために「設定項目(制御項目)」の“実行された処理内容を明示する表示を行うか否か、その表示する速度、その表示する時間”に対応する「設定内容(制御内容)」は、次のようになっている。すなわち、“状態変遷時に行うアニメーション表示の速度”に対応して、“応答性優先モードでは10コマ/秒(設定により「表示しない」が選択可能)”、“確実性優先モードでは5コマ/秒”が記憶されている。また、“状態変遷時に行うアニメーション表示の時間”に対応して、“応答性優先モードでは1秒(設定により「表示しない」が選択可能)”、“確実性優先モードでは2秒”が記憶されている。
【0033】
図5は、設定内容テーブル(タッチ制御)T4を説明するための図である。
設定内容テーブル(タッチ制御)T4は、例えば、タッチ操作の有無判別用のタッチ継続時間などを制御する設定内容を記憶するもので、「設定項目(制御項目)」、「設定内容(制御内容)」の各項目を有している。図示の例では「設定項目(制御項目)」には“タッチ操作の有無判別用のタッチ継続時間”と、“タッチ操作の種類を判別するか否か、その種類の数”が記憶されている。“タッチ操作の有無判別用のタッチ継続時間”は、タッチされてからの継続時間に基づいてタッチ操作が行われたのか、単なるミスタッチなのかを判別するための時間を示している。“タッチ操作の種類を判別するか否か、その種類の数”は、複数の種類のタッチ操作(シングルタップ、フリックなど)を判別するか否か、判別する場合にはその種類の数を示している。
【0034】
ここで、「設定項目(制御項目)」には“タッチ操作の有無判別用のタッチ継続時間”に対応する「設定内容(制御内容)」には、“応答性優先モードでは0.1秒”、“確実性優先モードでは0.3秒”が記憶されている。なお、このタッチ継続時間は、シングルタップの場合の継続時間を示している。また、“タッチ操作の種類を判別するか否か、その種類の数”に対応する「設定内容(制御内容)」には、“応答性優先モードではシングルタップ・ダブルタップ・フリック・スライドを判別(更にマルチタップなどを判別してもよい)”、“確実性優先モードではシングルタップのみ”が記憶されている。この場合、応答性優先モードではタッチ操作の種類を判別し、確実性優先モードではタッチ操作の種類を判別しないようにしている。
【0035】
次に、本実施形態におけるスマートフォンの動作概念を図6図8に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。なお、図6は、スマートフォンの全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図6のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0036】
図6は、タッチ入力処理を示したフローチャートである。
先ず、制御部1は、起動中のアプリケーションで必要とされる表示項目の「ID」に基づいてそのタッチ操作を促す情報を表示制御テーブルT1又はT2から読み出してタッチスクリーン7上の所定の位置に表示させる(ステップA1)。この場合、タッチ操作を促す情報は、上述したように「ID」に対応する「メッセージ表示内容」及び「ソフトウェアキー(タッチ領域)」を示したもので、現在の設定モードが「応答性優先モード」であれば、表示制御テーブル(応答性優先モード)T1、「確実性優先モード」であれば、表示制御テーブル(確実性優先モード)T2からタッチ操作を促す情報を読み出してタッチスクリーン7上に表示させる。
【0037】
そして、タイムラグ計測タイマ(図示省略)の計測動作を開始させる(ステップA2)。このタイムラグ計測タイマは、タッチ操作を促す情報を表示させてからタッチパネル7bにタッチ操作が行われるまでの時間(タイムラグ)を計測するためタイマであり、このタイマの計測動作を開始させた後は、その表示項目「ID」に対応する「重み付け」を読み出し取得する(ステップA3)。次に、タッチパネル7bのタッチ領域(ソフトウェアキー)にタッチが検出されたか否かを調べる(ステップA4)。
【0038】
ここで、タッチが検出されなければ(ステップA4でNO)、後述するステップA15に移るが、タッチが検出されたときには(ステップA4でYES)、図5の設定内容テーブル(タッチ制御)T4を参照して、タッチ操作なのか、誤ってタッチされたのかのいずれかを判別するために、タッチ操作の有無判別用の継続時間が経過したかを調べる(ステップA5)。この場合、現在、応答性優先モードに設定されている場合には“0.1秒”、確実性優先モードに設定されている場合には“0.3秒”が経過したかを調べる。なお、タッチ操作の有無判別用の継続時間は、タッチ操作がシングルタップの操作有無を判別する時間を示したが、それに限らず、ダブルタップ、フリック、スライドなどの場合には、それに応じた接触状態に基づいてその操作有無を判別するようにしてもよい。なお、ダブルタップ、フリック、スライドなどの有無を判別する方法は、タッチパネルの技術分野では一般的なので、その説明は省略するものとする。
【0039】
いま、そのタッチが判定用の時間継続していなければ、タッチ操作が行われなかったものと判定して(ステップA5でNO)、後述するステップA15に移るが、判定用の時間が経過して継続したときには(ステップA5でYES)、タッチ操作が行われたものと判別してステップA6に移り、図5の設定内容テーブル(タッチ制御)T4を参照することによりタッチ操作の種類を判別するか否かを調べる(ステップA6)。この場合、現在、確実性優先モードに設定されている場合には、タッチ操作の種類を判別せずにシングルタップとして判別するが(ステップA6でNO)、応答性優先モードに設定されている場合には、シングルタップ、ダブルタップ、フリック、スライドのいずれかをその接触状態に基づいて判別する(ステップA6でYES、ステップA7)。その後、タイムラグ計測タイマの計測動作を停止(ステップA8)させた後、タッチ操作を操作履歴情報として記憶する操作履歴記憶処理(ステップA9)に移る。
【0040】
図7は、操作履歴記憶処理(図6のステップA9)を詳述するためのフローチャートである。
この操作履歴記憶処理は、タッチ操作が行われる毎にタイムラグの計測時間などを操作履歴として記憶する処理である。操作履歴は、モードを選択する際に参照されるもので、制御部1は、1回のタッチ操作が行われた時点(1個分の操作履歴を記憶した時点)でモードの選択を行うのではなく、複数回のタッチ操作が行われた時点(複数回分の操作履歴を記憶した時点)でモードの選択を行うようにしている。すなわち、操作者の傾向などを特定するために十分な情報(操作履歴)が溜まった時点でモードの選択を行うために、複数回分の操作履歴が揃うまでモードの選択を保留するようにしている。
【0041】
先ず、制御部1は、タッチ操作に影響を及ぼす操作環境であるかをチェックする。すなわち、時計機能から現在時刻tを取得し(ステップB1)、(下側閾値)≦t≧(上側閾値)に基づいて所定の時間帯内であるかを調べる(ステップB2)。例えば、早朝≦t≧深夜の時間帯内であるかを調べ、タッチ操作に影響を及ぼす操作環境(早朝、深夜の時間帯)であれば(ステップB2でNO)、操作履歴を記憶せず、そのまま図7のフローから抜けるが、所定の時間帯(充分に覚醒している或いは過度に疲労していないといった生理的に操作に適した時間帯)であれば(ステップB2でYES)、撮像部6の撮像素子への入射光に基づいて周辺光量aを取得し(ステップB3)、(下側閾値)≦a≧(上側閾値)に基づいて所定の明るさ範囲内であるかを調べる(ステップB4)。
【0042】
例えば、暗過ぎる≦a≧明る過ぎる、の時間帯内であるかを調べ、タッチ操作に影響を及ぼす操作環境(暗過ぎる、明る過ぎるの環境)であれば(ステップB4でNO)、操作履歴を記憶せず、図7のフローから抜けるが、所定の明るさ範囲(操作に適した明るさ範囲)であれば(ステップB4でYES)、図6のステップA8で得られた計測時間と上述のステップA3で取得した「重み付け」とを対応付けてワークメモリ3bに操作履歴として一時記憶させる(ステップB5)。
【0043】
このようにして操作履歴記憶処理が終わると(図6のステップA9)、図2の表示制御テーブル(応答性優先モード)T1、又は図3の表示制御テーブル(確実性優先モード)T2から表示項目の「ID」に対応する「処理内容」を読み出し取得して(ステップA10)、その「処理内容」を実行する(ステップA11)。そして、処理の実行によって画面切り換え時などの状態の遷移があるか否かを調べ(ステップA12)、メッセージウィンドウを閉じるだけといった、状態の遷移がない場合は(ステップA12でNO)、応答性優先モード、確実性優先モードのいずれかを設定モードとして選択する設定モード選択処理(ステップA14)に移る。
【0044】
また、状態の遷移がある場合は(ステップA12でYES)、図4の設定内容テーブル(表示制御)T3を参照して実行された処理内容を明示する表示としてアニメーション表示を行う(ステップA13)。この場合、アニメーション速度として、応答性優先モードでは“10コマ/秒”、確実性優先モードでは“5コマ/秒”、アニメーション表示時間として、応答性優先モードでは“1秒”、確実性優先モード“では2秒”のアニメーション表示を行う。その後、応答性優先モード、確実性優先モードのいずれかを設定モードとして選択する設定モード選択処理(ステップA14)に移る。
【0045】
図8は、設定モード選択処理(図6のステップA14)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、制御部1は、複数回分の操作履歴が溜まった時点で設定モード選択処理を実行するために、その回数のカウント値nに「1」を加算してその値を更新(ステップC1)した後、そのカウント値n≧(閾値)であるかを調べる(ステップC2)。例えば、カウント値nは“10”以上かを調べ、閾値未満(10未満)であれば(ステップC2でNO)、図8のフローから抜けるが、閾値以上(10以上)であれば(ステップC2でYES)、ステップC3に移り、上述の操作履歴記憶処理でワークメモリ3bにタッチ操作毎に一時記憶されている複数回分(カウント値n分)の「タイムラグ計測時間」と「重み付け」を読み出して、「タイムラグ計測時間/重み付け」の計算を行うと共に、その計算結果の総和mを求める。
【0046】
この場合、例えば、「重み付け」の値が同じ値であれば、「タイムラグ計測時間」の値が大きいほど(タイムラグが長いほど)、総和mの値が大きくなり、判断に要する時間がより長いとみなすことができる。逆に、「タイムラグ計測時間」が同じ値であれば、「重み付け」の値が大きいほど(判断の困難性が高い場合ほど)、総和mの値が小さくなり、判断に要する時間がより短いとみなすことができる。このような「タイムラグ計測時間/重み付け」の計算結果からその総和mを求めることで、総和mにはタイムラグ及び判断の困難性が反映されたものとなる。そして、次のステップC4では総和m≧(閾値)であるかを調べ、総和m≧(閾値)であれば(ステップC4でYES)、即ち、判断に要する時間が長い場合は、「確実性優先モード」を選択し(ステップC5)、総和m≧(閾値)でなければ(ステップC4でNO)、即ち、判断に要する時間が短い場合は、「応答性優先モード」を選択して(ステップC6)、この選択した、「確実性優先モード」又は「応答性優先モード」に基づいて図4の設定内容テーブル(表示制御)T3、図5の設定内容テーブル(タッチ制御)T4を参照し、タッチスクリーン7に関する設定を変更する(ステップC7)。そして、カウント値nをクリア(ステップC8)した後、図8のフローから抜ける。
【0047】
このようにして設定モード選択処理(図6のステップA14)が終わると、処理実行によって画面切り換えなどタッチ操作を促す情報の表示変更が必要であるかを調べ(ステップA15)、タッチ操作を促す情報をそのまま継続して表示する場合には(ステップA15でNO)、タッチが検出されたか否かを調べるステップA4に戻るが、タッチ操作を促す情報の表示変更が必要であれば(ステップA15でYES)、最初のステップA1に戻ってタッチ操作を促す情報の表示変更する処理を行った後、上述の動作を繰り返す。
【0048】
以上のように、本実施形態において制御部1は、タッチスクリーン7にタッチ操作を促す情報が表示させてからタッチパネル7bにタッチ操作が行われるまでの時間を計測し、この計測された時間(タイムラグ)に基づいてタッチスクリーン7に関する設定の制御を行うようにしたので、軽い処理であっても、例えば、タッチスクリーン7を操作者の年齢や操作の慣れ具合などに応じて適切に制御することができ、使いやすいタッチスクリーン7を提供することが可能となる。
【0049】
制御部1は、タッチスクリーン7に関して設定内容の異なる複数の動作モードのうち、計測時間(タイムラグ)に基づいてその1つの動作モードを選択することにより、タッチスクリーン7に関する設定の制御を行うようにしたので、複数の動作モードの中からタイムラグに適した動作モードを選択することができると共に、タッチスクリーン7に関する設定の数が多くても、この各設定を動作モード単位で一括して制御することが可能となる。
【0050】
複数の動作モードのうち、その1つはタッチ操作の応答性を優先する応答性優先モード、他の1つはタッチ操作の確実性を優先する確実性優先モードであるから、例えば、タイムラグの短い操作者に対しては、応答性優先モードを選択することができ、タイムラグの長い操作者に対しては、確実性優先モードを選択することができる。
【0051】
制御部1は、タッチ操作を促す情報毎にその判断の困難性が重み付けで評価されている状態において複数の動作モードのうち、上述の計測時間に加えて、タッチスクリーン7に表示されているタッチ操作を促す情報の重み付けに基づいて、その1つの動作モードを選択するようにしたので、操作の慣れ具合などのほか、判断の困難性をも含めて動作モードを選択することができ、より確実な選択が可能となる。
【0052】
制御部1は、タッチスクリーン7に関して設定内容の異なる複数の動作モードの中からその1つを選択した後、所定の条件を満たすまでは動作モードの選択を行わないようにしたので、操作傾向などを特定する上で十分な情報(操作履歴)を基にモードを選択することが可能となる。
【0053】
制御部1は、計測時間を操作履歴として記憶すると共に、この複数の計測時間に基づいて動作モードを選択するようにしたので、1回のタッチ操作が行われた時点(1個分の操作履歴を記憶した時点)でモードの選択を行うのではなく、複数回のタッチ操作が行われた時点(複数回分の操作履歴を記憶した時点)でモードの選択を行うことより、操作傾向などを特定する上で十分な情報(操作履歴)を基にモードを選択することが可能となる。
【0054】
制御部1は、時間が計測される毎にその計測時間を操作履歴として記憶するほか、タッチ操作を促す情報の重み付けを更に記憶し、この複数の計測時間と重み付けに基づいて、動作モードを選択するようにしたので、操作傾向などのほか、判断の困難性も含めて動作モードを選択することができ、より確実な選択が可能となる。
【0055】
タッチ操作を促す情報毎の重み付けは、タッチ操作によって、その処理内容を実行する場合の処理の種類、複数の選択肢の中から所望する選択肢を指定させる場合の選択肢の数を基に判断の困難性を評価した値であるから、例えば、データを失う処理の実行を指示する操作であるか否か、多くのキー(選択肢)の中からその1つを選択する操作であるか否か応じて重み付けを変えることができ、判断の困難性を精度良く評価することができる。
【0056】
制御部1は、タッチ操作された際の操作環境が所定の条件を満たす場合に、計測時間を操作履歴として記憶するようにしたので、操作環境を考慮した制御が可能となる。
【0057】
制御部1は、タッチ操作された際の周辺の明るさ環境が所定の明るさ範囲内であることを条件として計測時間を操作履歴として記憶するようにしたので、暗過ぎるか明る過ぎかなどの明るさ環境を考慮した制御が可能となる。
【0058】
制御部1は、タッチ操作された際の時間に関する環境が所定の時間帯内であることを条件として計測時間を操作履歴として記憶するようにしたので、生理的に操作に適した時間帯であるか否かを考慮した制御が可能となる。
【0059】
制御部1は、操作履歴の数が所定数に達したことを条件として動作モードを選択するようにしたので、操作傾向などを特定する上で十分な情報(操作履歴)が溜まった時点でモードを選択することができる。
【0060】
制御部1は、タッチ操作を促す情報の表示に関する制御(表示制御)を行うことによりタッチスクリーン7に関する設定の制御を行うようにしたので、計測時間(タイムラグ)に基づいてタッチ操作を促す情報の表示を制御することができ、操作者に適した表示が可能となる。
【0061】
タッチ操作を促す情報は、ソフトウェアキー又はアイコンを識別する情報であり、制御部1は、ソフトウェアキー又はアイコンの大きさ又はその数を制御するようにしたので、キー又はアイコンの表示形態を操作者に合わせて制御することができる。
【0062】
制御部1は、タッチ操作を促す情報の表示を制御する場合に、その情報の表示に応じたタッチ操作によりその処理内容が実行されるまでのタッチ操作の回数を制御するようにしたので、表示制御テーブル(確実性優先モード)T2において、「ID」が“171a”、“171b”のように上位項目から下位項目に至るまでの表示を適切に制御することが可能となる。
【0063】
制御部1は、タッチ操作を促す情報の表示を制御する場合に、そのタッチ操作の説明文を表示させるか否か、又はその文字量を制御するようにしたので、操作者に適した表示が可能となる。
【0064】
制御部1は、タッチ操作を促す情報の表示を制御する場合に、メッセージ又はアラートを表示する時間を制御するようにしたので、操作者に適した表示時間の制御が可能となる。
【0065】
制御部1は、タッチ操作を促す情報の表示に応じてタッチ操作が行われた際にそのタッチ操作により実行される処理内容を明示する表示を行うか否か、その表示する速度、その表示する時間を制御するようにしたので、例えば、状態変遷時のアニメーション表示を制御することができる。
【0066】
制御部1は、タッチパネル7bの動作に関する制御(タッチ制御)を行うことによりタッチスクリーン7に関する設定の制御を行うようにしたので、計測時間(タイムラグ)に基づいてタッチ操作を制御することができ、操作者に適したタッチ制御が可能となる。
【0067】
制御部1は、タッチ操作の有無判別用のタッチ継続時間を制御するようにしたので、タッチ操作の有無を操作者に合わせて判別することができる。
【0068】
制御部1は、タッチ操作の種類を判別するか否かの制御又はその種類の数の制御を行うようにしたので、操作者に応じてシングルタップのみを判別したり、シングルタップ、ダブルタップ、フリックなどを判別したりするかを分けることができ、その判別を精度良く行うことが可能となる。
【0069】
なお、上述した実施形態においては、タッチスクリーン7にタッチ操作を促す情報が表示させてからタッチパネル7bにタッチ操作が行われるまでの時間を計測し、この計測された時間(タイムラグ)に基づいてタッチスクリーン7に関する設定の制御を行うようにしたが、タッチスクリーン7に表示されるタッチ操作を促す情報に応じたタッチ操作によって、その処理内容を実行する場合の処理の種類、複数の選択肢の中から所望する選択肢を指定させる場合の選択肢の数のうち、少なくともそのいずれかを基に判断の困難性(困難度合い)を特定し、この判断の困難性に基づき、タッチスクリーン7に関する設定の制御を行うようにしてもよい。このように判断の困難性に応じてタッチスクリーン7に関する設定を制御するようにすれば、操作者に拘わらず、判断の困難性を基にタッチスクリーン7を適切に制御することができる。
【0070】
この場合、上述の実施形態と同様に、判断の困難性を「重み付け」として予め評価しておいてもよい。この場合、図6のフローチャートのうち、そのステップA2、A8を省略するだけで、判断の困難性からタッチスクリーン7を制御することが可能となる。
なお、判断の困難性を「重み付け」として予め評価しておかず、その都度、処理の種類及び選択肢の数をチェックし、そのチェック結果に基づいて判断の困難性を特定するようにしてもよい。
【0071】
上述した実施形態においては、タッチスクリーン7に関する設定の制御として、表示に関する制御(表示制御)及びタッチに関する制御(タッチ制御)を行うようにしたが、表示制御、タッチ制御の一方を行うようにしてもよい。また、表示制御とタッチ制御を同等に行う場合に限らず、いずれか一方を優先して行うようにしてもよい。
【0072】
上述した実施形態においては、タッチスクリーン7に関して設定内容の異なる複数の動作モードとして、「応答性優先モード」、「確実性優先モード」を例示したが、2つのモードに限らず、例えば、「応答性優先モード」、「標準モード(中間モード)」、「確実性優先モード」としてもよく、また、4以上のモードとしてもよい。
【0073】
上述した実施形態においては、標準的に装備されている撮像部6の撮像素子への入射光に基づいて周辺光量を取得するようにしたが、照度センサを別途に備える構成であってもよい。この場合、タッチスクリーン7の表示画面に近接して照度センサを設ければ、画面の明るさを精度良く検出することができる。
【0074】
上述した実施形態においては、操作環境として、周辺の明るさを計測するようにしたが、周辺の温度を測定するようにしてもよい。この場合、温度センサを表示画面の近辺に設ければよい。そして、例えば、測定温度が10°C以下の場合には、手袋をしている、手がかじかんでいるといった理由で、操作反応が遅れる可能性があるので、タッチスクリーン7に関する設定制御の対象から外し、また、測定温度が30°C以上の場合には、手が汗で濡れている、暑さで頭がボーッとしているといった理由で、操作反応が遅れる可能性があるので、タッチスクリーン7に関する設定制御の対象から外すようにしてもよい。
【0075】
上述した実施形態においては、特に言及をしなかったが、タッチスクリーン制御テーブル3cを構成する図2の表示制御テーブル(応答性優先モード)T1、図3の表示制御テーブル(確実性優先モード)T2、図4の設定内容テーブル(表示制御)T3、図5の設定内容テーブル(タッチ制御)T4の内容をユーザ操作により任意に設定可能としてもよい。
【0076】
また、上述した実施形態においては、スマートフォンに適用した場合を示したが、これに限らず、タッチスクリーン付きのパーソナルコンピュータ・PDA(個人向け携帯型情報通信機器)・タブレット端末装置・スマートフォン以外の携帯電話機・電子ゲーム・音楽プレイヤーなどであってもよい。更に、今後、普及が期待されているタッチスクリーン付きの電子腕時計(スマートウォッチ)に適用してもよい。電子腕時計の表示画面は、スマートフォンに比べて画面サイズが大きく制約されているために電子腕時計には、より好適なものとなる。
【0077】
また、上述した実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0078】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器であって、
前記タッチスクリーンにタッチ操作を促す情報が表示されてから前記タッチパネルにタッチ操作が行われるまでの時間を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測された時間に基づいて、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、
前記制御手段は、前記タッチスクリーンに関する設定内容の異なる複数の動作モードのうち、前記計測手段により計測された時間に基づいて、その1つの動作モードを選択することにより、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う、
ことを特徴とする。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電子機器において、
前記複数の動作モードのうち、少なくともその1つはタッチ操作の応答性を優先する応答性優先モード、他の1つはタッチ操作の確実性を優先する確実性優先モードである、
ことを特徴とする。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の電子機器において、
前記タッチ操作を促す情報毎に重み付けがされ、
前記制御手段は、前記複数の動作モードのうち、前記計測手段により計測された時間に加えて、前記タッチスクリーンに表示されている前記タッチ操作を促す情報の重み付けに基づいて、その1つの動作モードを選択する、
ことを特徴とする。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記制御手段は、前記タッチスクリーンに関する設定内容の異なる複数の動作モードの中からその1つを選択した後、所定の条件を満たすまでは前記動作モードの選択を行わない、
ことを特徴とする。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の電子機器において、
前記計測手段により時間が計測される毎にその計測時間を操作履歴として記憶する履歴記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記履歴記憶手段に記憶されている複数の計測時間に基づいて、前記複数の動作モードのうち、その1つの動作モードを選択する、
ことを特徴とする。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電子機器において、
前記タッチ操作を促す情報毎に重み付けがされ、
前記履歴記憶手段は、前記計測手段により時間が計測される毎にその計測時間を操作履歴として記憶するほか、前記タッチスクリーンに表示されていた前記タッチ操作を促す情報の重み付けを更に記憶し、
前記制御手段は、前記履歴記憶手段に記憶されている複数の計測時間と複数の重み付けに基づいて、前記複数の動作モードのうち、その1つの動作モードを選択する、
ことを特徴とする。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項4又は請求項7に記載の電子機器において、
前記タッチ操作を促す情報毎の重み付けは、その情報に基づきタッチ操作により実行される処理内容を実行させるか否か、或いは複数の選択肢から選択することを、操作者が判断することのうち、少なくともそのいずれかの困難性を評価した値である、
ことを特徴とする。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の電子機器において、
前記履歴記憶手段は、タッチ操作された際の操作環境が所定の条件を満たす場合に、前記計測手段により計測された時間を操作履歴として記憶する、
ことを特徴とする。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の電子機器において、
前記履歴記憶手段は、タッチ操作された際の周辺の明るさ環境が所定の明るさ範囲内であることを条件として、前記計測手段により計測された時間を操作履歴として記憶する、
ことを特徴とする。
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の電子機器において、
前記履歴記憶手段は、タッチ操作された際の時間に関する環境が所定の時間帯内であることを条件として、前記計測手段により計測された時間を操作履歴として記憶する、
ことを特徴とする。
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、請求項6乃至11のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記制御手段は、前記履歴記憶手段に記憶されている計測時間の数が所定数に達したことを条件として、前記動作モードの選択を行う、
ことを特徴とする。
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記制御手段は、前記タッチ操作を促す情報の表示に関する制御を行う表示制御手段を更に備え、前記表示制御手段がタッチ操作を促す情報の表示を制御することにより前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う、
ことを特徴とする。
(請求項14)
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の電子機器において、
前記タッチ操作を促す情報は、ソフトウェアキー又はアイコンを識別する情報であり、
前記表示制御手段は、前記ソフトウェアキー又はアイコンの大きさ又はその数を制御する、
ことを特徴とする。
(請求項15)
請求項15に記載の発明は、請求項13又は請求項14に記載の電子機器において、
前記表示制御手段は、前記タッチ操作を促す情報の表示に応じたタッチ操作によりその処理内容が実行されるまでのタッチ操作の回数を制御する、
ことを特徴とする。
(請求項16)
請求項16に記載の発明は、請求項13乃至15のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記表示制御手段は、前記タッチ操作を促す情報であるタッチ操作の説明文を表示させるか否か、又はその文字量を制御する、
ことを特徴とする。
(請求項17)
請求項17に記載の発明は、請求項13乃至15のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記表示制御手段は、前記タッチ操作を促す情報であるメッセージ又はアラートを表示する時間を制御する、
ことを特徴とする。
(請求項18)
請求項18に記載の発明は、請求項13乃至15のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記表示制御手段は、前記タッチ操作を促す情報の表示に応じてタッチ操作が行われた際にそのタッチ操作により実行される処理内容を明示する表示を行うか否か、その表示する速度、その表示する時間のうち、少なくとも1つを制御する、
ことを特徴とする。
(請求項19)
請求項19に記載の発明は、請求項1乃至18いずれか1項に記載の電子機器において、
前記制御手段は、前記タッチパネルの動作に関する制御を行うタッチ制御手段を更に備え、前記タッチ制御手段がタッチパネルの動作を制御することにより前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う
ことを特徴とする。
(請求項20)
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器において、
前記タッチ制御手段は、前記タッチ操作の有無判別用のタッチ継続時間を制御する、
ことを特徴とする。
(請求項21)
請求項21に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器において、
前記タッチ制御手段は、前記タッチ操作の種類を判別するか否かの制御又はその種類の数の制御を行う、
ことを特徴とする。
(請求項22)
請求項22に記載の発明は、
表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器であって、
前記タッチスクリーンに表示されるタッチ操作を促す情報が処理の実行を指示する場合に、その処理の種類を基にその処理を実行するか否かを操作者が判断することの困難性、或いは複数の選択肢の中からそのいずれかの選択肢を選択させることを指示する場合に、その選択を操作者が判断することの困難性を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された判断の困難性に基づき、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
(請求項23)
請求項23に記載の発明は、
表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器におけるタッチスクリーン制御方法であって、
前記タッチスクリーンにタッチ操作を促す情報が表示されてから前記タッチパネルにタッチ操作が行われるまでの時間を計測する処理と、
前記計測された時間に基づいて、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う処理と、
を含むことを特徴とするタッチスクリーン制御方法。
(請求項24)
請求項24に記載の発明は、
表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器のコンピュータに対して、
前記タッチスクリーンにタッチ操作を促す情報が表示されてから前記タッチパネルにタッチ操作が行われるまでの時間を計測する機能と、
前記計測された時間に基づいて、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
(請求項25)
請求項25に記載の発明は、
表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器におけるタッチスクリーン制御方法であって、
前記タッチスクリーンに表示されるタッチ操作を促す情報が処理の実行を指示する場合に、その処理の種類を基にその処理を実行するか否かを操作者が判断することの困難性、或いは複数の選択肢の中からそのいずれかの選択肢を選択させることを指示する場合に、その選択を操作者が判断することの困難性を特定する処理と、
前記特定された判断の困難性に基づき、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う処理と、
を含むことを特徴とするタッチスクリーン制御方法。
(請求項26)
請求項26に記載の発明は、 表示画面上にタッチパネルを積層したタッチスクリーンを有する電子機器のコンピュータに対して、
前記タッチスクリーンに表示されるタッチ操作を促す情報が処理の実行を指示する場合に、その処理の種類を基にその処理を実行するか否かを操作者が判断することの困難性、或いは複数の選択肢の中からそのいずれかの選択肢を選択させることを指示する場合に、その選択を操作者が判断することの困難性を特定する機能と、
前記特定された判断の困難性に基づき、前記タッチスクリーンに関する設定の制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0079】
1 制御部
3 記憶部
3a プログラムメモリ
3c タッチスクリーン制御テーブル
6 撮像部
7 タッチスクリーン
7a 表示部
7b タッチパネル
T1 表示制御テーブル(応答性優先モード)
T2 表示制御テーブル(確実性優先モード)
T3 設定内容テーブル(表示制御)
T4 設定内容テーブル(タッチ制御)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8