(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基準基地局および前記同期されるべき基地局が前記基準UEによって送信される同期基準信号を受信する瞬間に従って、前記同期されるべき基地局と前記基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する前に、
前記基準基地局によって送信される、前記基準基地局が前記同期基準信号を受信する瞬間T1を受信するステップであって、前記瞬間T1が、前記基準基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、前記基準基地局が前記同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、ステップと、
前記同期されるべき基地局によって送信される、前記同期されるべき基地局が前記同期基準信号を受信する瞬間T2を受信するステップであって、前記瞬間T2が、前記同期されるべき基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、前記同期されるべき基地局が前記同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、ステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記基準基地局および前記同期されるべき基地局が前記基準UEによって送信される同期基準信号を受信する瞬間に従って、前記同期されるべき基地局と前記基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する前記ステップが、前記相対的な瞬間T1および前記相対的な瞬間T2に従って前記基準基地局と前記同期されるべき基地局との間の前記タイミングオフセットΔT=T1 - T2を決定することを含む、請求項2に記載の方法。
前記基準基地局および前記同期されるべき基地局が前記基準UEによって送信される同期基準信号を受信する瞬間に従って、前記同期されるべき基地局と前記基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する前に、
前記基準UEおよび前記基準基地局の往復遅延(RTD)測定結果TA1を決定するステップと、
前記基準UEおよび前記同期されるべき基地局のRTD測定結果TA2を決定するステップと、
前記測定結果TA1および前記測定結果TA2に従って、前記基準UEから前記基準基地局までの距離と前記基準UEから前記同期されるべき基地局までの距離との間の差によって引き起こされるずれTA1 - TA2を決定するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記基準基地局および前記同期されるべき基地局が前記基準UEによって送信される同期基準信号を受信する瞬間に従って、前記同期されるべき基地局と前記基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する前記ステップが、前記相対的な瞬間T1、前記相対的な瞬間T2、およびずれTA1 - TA2に従って前記基準基地局と前記同期されるべき基地局との間の前記タイミングオフセットΔT=T1 - T2 - (TA1 - TA2)を決定することを含む、請求項2に記載の方法。
前記少なくとも1つの同期グループが複数の同期グループを含むとき、各同期グループに含まれる前記少なくとも2つの基地局から前記基準基地局および前記同期されるべき基地局を決定する前記ステップが、各同期グループに含まれる前記少なくとも2つの基地局から、全地球測位システム(GPS)時間サービスを受けることができる基地局を前記基準基地局として決定することであって、各同期グループの前記基準基地局のフレーム番号およびフレームタイミングが前記GPSと同期される、決定することを含む、請求項6に記載の方法。
前記タイミングオフセットに従って前記同期されるべき基地局上で較正を実行した後に、前記基準基地局または前記同期されるべき基地局が再起動することが検出されるときに、前記同期されるべき基地局が再決定されたタイミングオフセットに従って前記同期されるべき基地局上で較正を実行し、前記同期されるべき基地局が前記基準基地局に対する前記フレーム番号および前記フレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットを再決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
同期イーサネット(登録商標)または時分割多重(TDM)同期ネットワークを使用することによって前記基準基地局と前記同期されるべき基地局との間でネットワーキングが実行される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
前記第2の決定ユニットが、前記相対的な瞬間T1および前記相対的な瞬間T2に従って前記基準基地局と前記同期されるべき基地局との間の前記タイミングオフセットΔT=T1 - T2を決定するように構成される、請求項12に記載の装置。
前記第2の決定ユニットが、前記相対的な瞬間T1、前記相対的な瞬間T2、およびずれTA1 - TA2に従って前記基準基地局と前記同期されるべき基地局との間の前記タイミングオフセットΔT=T1 - T2 - (TA1 - TA2)を決定するようにさらに構成される、請求項12に記載の装置。
前記少なくとも1つの同期グループが複数の同期グループを含むとき、前記第1の決定ユニットが、各同期グループに含まれる前記少なくとも2つの基地局から、GPS時間サービスを受けることができる基地局を前記基準基地局として決定することであって、各同期グループの前記基準基地局のフレーム番号およびフレームタイミングが前記GPSと同期される、決定することを行うように構成される、請求項16に記載の装置。
前記同期較正ユニットが、前記基準基地局または前記同期されるべき基地局が再起動することが検出されるときに、前記同期されるべき基地局が前記基準基地局に対する前記フレーム番号および前記フレームタイミングの同期を完了するように、前記第2の決定ユニットを使用することによってタイミングオフセットを再決定し、再決定されたタイミングオフセットに従って前記同期されるべき基地局上で較正を実行するようにさらに構成される、請求項11に記載の装置。
同期イーサネット(登録商標)またはTDM同期ネットワークを使用することによって前記基準基地局と前記同期されるべき基地局との間でネットワーキングが実行される、請求項11から18のいずれか一項に記載の装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、比較的低いコストならびに比較的高いセキュリティおよび信頼性で基地局間の厳密な同期を実施することができる同期方法、同期装置、および基地局を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、同期方法であって、基準ユーザ機器UEを決定するステップであって、基準UEが、基準基地局および同期されるべき基地局と同時に通信することができ、基準基地局および同期されるべき基地局が、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を完了している、ステップと、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定するステップと、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行するステップとを含む、方法が提供される。
【0007】
第1の態様を参照して、第1の態様の第1の実装方法においては、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する前に、方法が、基準基地局によって送信される、基準基地局が同期基準信号を受信する瞬間T1を受信するステップであって、瞬間T1が、基準基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、基準基地局が同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、ステップと、同期されるべき基地局によって送信される、同期されるべき基地局が同期基準信号を受信する瞬間T2を受信するステップであって、瞬間T2が、同期されるべき基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、同期されるべき基地局が同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、ステップとをさらに含む。
【0008】
第1の態様および上述の実装方法を参照して、第1の態様の第2の実装方法においては、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定するステップが、相対的な瞬間T1および相対的な瞬間T2に従って基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットΔT=T1 - T2を決定することを含む。
【0009】
第1の態様および上述の実装方法を参照して、第1の態様の第3の実装方法においては、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する前に、方法が、基準UEおよび基準基地局の往復遅延RTD測定結果TA1を決定するステップと、基準UEおよび同期されるべき基地局のRTD測定結果TA2を決定するステップと、測定結果TA1および測定結果TA2に従って、基準UEから基準基地局までの距離と基準UEから同期されるべき基地局までの距離との間の差によって引き起こされるずれTA1 - TA2を決定するステップとをさらに含む。
【0010】
第1の態様および上述の実装方法を参照して、第1の態様の第4の実装方法においては、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定するステップが、相対的な瞬間T1、相対的な瞬間T2、およびずれTA1 - TA2に従って基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットΔT=T1 - T2 - (TA1 - TA2)を決定することを含む。
【0011】
第1の態様および上述の実装方法を参照して、第1の態様の第5の実装方法においては、基準ユーザ機器UEを決定する前に、方法が、少なくとも1つの同期グループを決定するステップであって、少なくとも1つの同期グループのそれぞれの同期グループが少なくとも2つの基地局を含む、ステップと、それぞれの同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から基準基地局および同期されるべき基地局を決定するステップとをさらに含む。
【0012】
第1の態様および上述の実装方法を参照して、第1の態様の第6の実装方法においては、少なくとも1つの同期グループが複数の同期グループを含むとき、各同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から基準基地局および同期されるべき基地局を決定するステップが、各同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から、全地球測位システムGPS時間サービスを受けることができる基地局を基準基地局として決定することであって、各同期グループの基準基地局のフレーム番号およびフレームタイミングがGPSと同期される、決定することを含む。
【0013】
第1の態様および上述の実装方法を参照して、第1の態様の第7の実装方法においては、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行した後に、方法が、サービスがアイドル状態であるときに、基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットを周期的に決定するステップと、タイミングオフセットが第1の閾値を超えており、第2の閾値未満であるときに、基準基地局および同期されるべき基地局が同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行することを可能にするか、またはタイミングオフセットが第2の閾値を超えているときに、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行するステップとをさらに含む。
【0014】
第1の態様および上述の実装方法を参照して、第1の態様の第8の実装方法においては、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行した後に、方法が、基準基地局または同期されるべき基地局が再起動することが検出されるときに、同期されるべき基地局が再決定されたタイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行し、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットを再決定するステップをさらに含む。
【0015】
第1の態様および上述の実装方法を参照して、第1の態様の第9の実装方法においては、基準UEによって送信される同期基準信号は、以下、すなわち、物理ランダムアクセスチャネルPRACH、サウンディング基準信号SRS、または復調基準信号DMRSのうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
第1の態様および上述の実装方法を参照して、第1の態様の第10の実装方法においては、同期イーサネット(登録商標)または時分割多重TDM同期ネットワークを使用することによって基準基地局と同期されるべき基地局との間でネットワーキングが実行される。
【0017】
第2の態様によれば、同期装置であって、基準ユーザ機器UEを決定するように構成された第1の決定ユニットであって、基準UEが、基準基地局および同期されるべき基地局と同時に通信することができ、基準基地局および同期されるべき基地局が、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を完了している、第1の決定ユニットと、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定するように構成された第2の決定ユニットと、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行するように構成された同期較正ユニットとを含む、装置が提供される。
【0018】
第2の態様を参照して、第2の態様の第1の実装方法においては、装置が、受信ユニットをさらに含み、受信ユニットが、基準基地局によって送信される、基準基地局が同期基準信号を受信する瞬間T1を受信することであって、瞬間T1が、基準基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、基準基地局が同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、受信することと、同期されるべき基地局によって送信される、同期されるべき基地局が同期基準信号を受信する瞬間T2を受信することであって、瞬間T2が、同期されるべき基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、同期されるべき基地局が同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、受信することとを行うように構成される。
【0019】
第2の態様および上述の実装方法を参照して、第2の態様の第2の実装方法においては、第2の決定ユニットが、相対的な瞬間T1および相対的な瞬間T2に従って基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットΔT=T1 - T2を決定する
ように構成される。
【0020】
第2の態様および上述の実装方法を参照して、第2の態様の第3の実装方法においては、第2の決定ユニットが、基準UEおよび基準基地局の往復遅延RTD測定結果TA1を決定し、基準UEおよび同期されるべき基地局のRTD測定結果TA2を決定し、測定結果TA1および測定結果TA2に従って、基準UEから基準基地局までの距離と基準UEから同期されるべき基地局までの距離との間の差によって引き起こされるずれTA1 - TA2を決定するようにさらに構成される。
【0021】
第2の態様および上述の実装方法を参照して、第2の態様の第4の実装方法においては、第2の決定ユニットが、相対的な瞬間T1、相対的な瞬間T2、およびずれTA1 - TA2に従って基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットΔT=T1 - T2 - (TA1 - TA2)を決定するようにさらに構成される。
【0022】
第2の態様および上述の実装方法を参照して、第2の態様の第5の実装方法においては、第1の決定ユニットが、少なくとも1つの同期グループを決定することであって、少なくとも1つの同期グループのそれぞれの同期グループが少なくとも2つの基地局を含む、決定することと、それぞれの同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から基準基地局および同期されるべき基地局を決定することとを行うようにさらに構成される。
【0023】
第2の態様および上述の実装方法を参照して、第2の態様の第6の実装方法においては、少なくとも1つの同期グループが複数の同期グループを含むとき、第1の決定ユニットが、各同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から、全地球測位システムGPS時間サービスを受けることができる基地局を基準基地局として決定することであって、各同期グループの基準基地局のフレーム番号およびフレームタイミングがGPSと同期される、決定することを行う
ように構成される。
【0024】
第2の態様および上述の実装方法を参照して、第2の態様の第7の実装方法においては、同期較正ユニットが、サービスがアイドル状態であるときに、第2の決定ユニットを使用することによって基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットを周期的に決定し、タイミングオフセットが第1の閾値を超えており、第2の閾値未満であるときに、基準基地局および同期されるべき基地局が同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行することを可能にするか、またはタイミングオフセットが第2の閾値を超えているときに、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行するようにさらに構成される。
【0025】
第2の態様および上述の実装方法を参照して、第2の態様の第8の実装方法においては、同期較正ユニットが、基準基地局または同期されるべき基地局が再起動することが検出されるときに、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、第2の決定ユニットを使用することによってタイミングオフセットを再決定し、再決定されたタイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行するようにさらに構成される。
【0026】
第2の態様および上述の実装方法を参照して、第2の態様の第9の実装方法においては、基準UEによって送信される同期基準信号は、以下、すなわち、物理ランダムアクセスチャネルPRACH、サウンディング基準信号SRS、または復調基準信号DMRSのうちの少なくとも1つを含む。
【0027】
第2の態様および上述の実装方法を参照して、第2の態様の第10の実装方法においては、同期イーサネット(登録商標)または時分割多重TDM同期ネットワークを使用することによって基準基地局と同期されるべき基地局との間でネットワーキングが実行される。
【0028】
第3の態様によれば、上述の同期装置を含む基地局が提供される。
【0029】
本発明の実施形態においては、同期を実行する必要がある基地局が、まず、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行し、基準基地局が、同期される必要がある基地局から決定され、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットが、同期されるべき基地局および基準基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間を使用することによって決定され、基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期の較正が、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局に対して実行され、それによって、比較的低いコストならびに比較的高いセキュリティおよび信頼性で基地局間の厳密な同期が実施する。
【0030】
本発明の実施形態における技術的ソリューションをより明瞭に説明するために、以下で、本発明の実施形態を説明するために必要とされる添付の図面を簡潔に紹介する。明らかに、以下の説明における添付の図面は、本発明の一部の実施形態を示すに過ぎず、当業者は、創造的な努力なしにこれらの添付の図面からその他の図面を導き出すことがやはり可能である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下で、本発明の実施形態の技術的ソリューションを本発明の実施形態の添付の図面を参照して明瞭および完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態の一部であり、すべてではない。創造的な努力なしに本発明の実施形態に基づいて当業者によって得られるすべてのその他の実施形態は、本発明の保護範囲内に入る。
【0033】
本発明の技術的ソリューションは、移動体通信用グローバルシステム(
GSM(登録商標))、符号分割多元接続(
CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(
WCDMA(登録商標))、汎用パケット無線サービス(
GPRS)、およびロングタームエボリューション(
LTE)などの様々な通信システムに適用され得る。
【0034】
モバイル端末(Mobile Terminal)、モバイルユーザ機器などとも呼ばれる可能性があるユーザ機器(
UE)は、無線アクセスネットワーク(RAN、Radio Access Networkなど)を使用することによって1つまたは複数のコアネットワークと通信し得る。ユーザ機器は、モバイル電話などの(または「セルラー」電話と呼ばれる)モバイル端末およびモバイル端末を有するコンピュータである可能性があり、たとえば、無線アクセスネットワークと
音声および/またはデータをやりとりするポータブル、ポケットサイズ、ハンドヘルド、コンピュータ組み込み、または車載モバイル装置である可能性がある。
【0035】
基地局は、GSM(登録商標)もしくはCDMAの基地局(BTS、Base Transceiver Station)である可能性があり、またはWCDMA(登録商標)のNodeB(NodeB)である可能性があり、またはLTEの進化型NodeB(eNBもしくはe-NodeB、evolutional Node B)である可能性があり、本発明において限定されない。
【0036】
同期は、主に、システムクロックの同期およびフレームの同期を含み、システムクロックの同期は、すべてのデバイス内で動いているクロックの同期(ビットタイミング)を指し、フレームの同期は、基地局間の通信のためのフレーム信号の同期(フレームタイミングの同期)を指す。2つの基地局がクロックの同期を完了した後、2つの基地局の間で周波数は同期されており、相対的な位相ドリフトは存在しない。しかし、2つの基地局がフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了していないとき、2つの基地局の間のタイミングの関係はまだランダムであり、つまり、フレーム番号およびフレームタイミングはずれを有するが、安定したままである。言い換えれば、基地局間の厳密な同期を完了するためには、クロックの同期を完了することに基づいてすべての基地局のフレームの初期位相が一貫していることが保証される必要がある。
【0037】
図1は、本発明の実施形態によるネットワークアーキテクチャの図である。
図1は、基地局間の同期を実行する必要があるモバイル通信ネットワークを示す。
【0038】
基地局間の同期を実行するモバイル通信システムは、GSM(登録商標)、CDMA、WCDMA(登録商標)、GPRS、またはLTEなどのシステムである可能性があり、本発明において限定されないことを理解されたい。
図1は、同期を実行する必要がある3つの基地局、すなわち、BTS1、BTS2、およびBTS3を示す。基地局は、GSM(登録商標)もしくはCDMAのBTSである可能性があり、またはWCDMA(登録商標)のNodeBである可能性があり、またはLTEのeNBもしくはe-NodeBである可能性があり、本発明において限定されない。
【0039】
加えて、ラインクロック101、ネットワーク管理ノード102、同期装置103、進化型パケットコア(
EPC)104なども、示され、上述のネットワークノードおよび装置は、トランスポートネットワークを使用することによって接続される。同期装置103は、スタンドアロンのデバイスとして個々に展開される可能性があり、またはネットワーク管理ノード102、EPC 104、もしくは任意の基地局上に論理モジュールとして展開される可能性がある。上述の例は、説明の便宜を意図されたものであるに過ぎず、通信ネットワークのネットワークノード、基地局、および装置は、上述の種類および量に限定されないことを理解されたい。
【0040】
BTS1、BTS2、およびBTS3は、基地局間の厳密な同期を完了する必要がある。同期プロセスは、同期装置103によって開始される可能性があり、またはネットワーク管理ノード102などの上位レイヤのネットワーク要素によって開始されるか、もしくは同期される必要がある基地局によって開始される可能性がある。まず、3つの基地局が、周波数の同期を実施し、基地局間の周波数ドリフトの一貫性を実現するためにラインクロック101を使用することによって同じ基準のソースと同期される可能性がある。周波数の同期を実施しているプロセスにおいて、または周波数の同期が実施された後で、同期装置103は、同期される必要がある基地局から基準基地局を決定する、たとえば、BTS2を基準基地局として決定する可能性がある。フレーム番号およびフレームタイミングの同期が実行されるとき、同期されるべき基地局として働くBTS1およびBTS3は、基準基地局BTS2との同期を別々に実行し得る。特に、BTS1およびBTS2を例として使用すると、同期装置103は、BTS1およびBTS2のハンドオーバエリア内のUEを基準UEとして決定する可能性がある。基準UEは、BTS1とBTS2との間のフレーム番号およびフレームタイミングのずれを測定することに参加する。そして、BTS1は、基準基地局BTS2とのフレーム番号およびフレームタイミングの同期を実施するために、測定されたフレームタイミングのずれに従ってフレーム番号およびフレームタイミングの較正を完了する。次いで、同期を完了するBTS1は、次の同期されるべき基地局が同期を実行するための基準基地局として働き得る。
【0041】
同期が完了された後、同期装置103は、基地局間のタイミングオフセットの測定を周期的に開始し得る。基地局間のタイミングオフセットが指定された範囲を超えるとき、基地局に対して再較正が実行される。
【0042】
図2は、本発明の実施形態による同期方法の流れ図である。
図2の方法は、基地局によって実行される可能性があり、または同期装置によって実行される可能性がある。
【0043】
201. 基準ユーザ機器UEを決定し、基準UEは、基準基地局および同期されるべき基地局と同時に通信することができ、基準基地局および同期されるべき基地局は、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を完了している。
【0044】
202. 基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する。
【0045】
203. 同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行する。
【0046】
本発明のこの実施形態においては、同期を実行する必要がある基地局が、まず、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行し、基準基地局が、同期される必要がある基地局から決定され、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットが、同期されるべき基地局および基準基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間を使用することによって決定され、基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期の較正が、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局に対して実行され、それによって、比較的低いコストならびに比較的高いセキュリティおよび信頼性で、ネットワーク全体にわたるプロトコルのサポートを必要とせずに、基地局間の厳密な同期を実施する。
【0047】
本発明のこの実施形態は、同期装置によって実行される可能性があり、同期装置は、スタンドアロンのデバイスとして個々に展開される可能性があり、またはネットワーク管理ノード、EPC、もしくは基地局上に論理モジュールとして展開される可能性がある。同期装置は、調整エリアのサイズを決定する、つまり、どの基地局が厳密なフレーム番号およびフレームタイミングの同期を実行する必要があるかを決定するように構成される可能性があり、調整エリア内の基地局を同期のための基準基地局として決定するように構成される可能性がある。
【0048】
同期される必要がある基地局は、基地局間の周波数の同期を実施するために、同じクロックの基準のソースと同期される可能性がある。好ましくは、ラインクロックの基準のソースは、ビルディング統合タイミング供給源(
BITS)である可能性がある。そのとき、基地局間のフレーム番号およびフレームタイミングの同期が実行される必要がある。
【0049】
任意で、実施形態においては、基準UEが、同期装置、または同期に参加する基準基地局もしくは同期されるべき基地局によって決定される可能性がある。たとえば、同期装置は、基準基地局および同期されるべき基地局と同時に通信することができるハンドオーバエリア内のUEを基準UEとして決定する。
【0050】
任意で、実施形態においては、ステップ202の前に、方法が、基準基地局によって送信される、基準基地局が同期基準信号を受信する瞬間T1を受信するステップであって、瞬間T1が、基準基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、基準基地局が同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、ステップと、同期されるべき基地局によって送信される、同期されるべき基地局が同期基準信号を受信する瞬間T2を受信するステップであって、瞬間T2が、同期されるべき基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、同期されるべき基地局が同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、ステップとをさらに含む。
【0051】
基準UEが決定された後、基準基地局および同期されるべき基地局は、特にUEのアップストリームアクセス信号である可能性がある、基準UEによって送信された同期基準信号を受信し得る。基準基地局および同期されるべき基地局は、それらの基地局独自のフレーム番号およびフレームタイミング基準にそれぞれ基づいて、基準基地局および同期されるべき基地局がUEのアップストリームアクセス信号を受信する正確な瞬間T1およびT2を決定する。そのとき、2つの基地局は、同期装置にT1およびT2をそれぞれ送信する可能性があり、同期装置は、後続の処理を実行する。T1は基準基地局のタイムラインに対して基準基地局によって決定された瞬間、すなわち、相対的な瞬間であり、同様に、T2も相対的な瞬間であることを理解されたい。
【0052】
基準UEによって送信される同期基準信号は、以下、すなわち、物理ランダムアクセスチャネルPRACH、サウンディング基準信号SRS、または復調基準信号DMRSのうちの少なくとも1つを含むがこれらに限定されない。
【0053】
任意で、実施形態において、ステップ202は、相対的な瞬間T1および相対的な瞬間T2に従って基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットΔT=T1 - T2を決定することを含む。2つの相対的な瞬間の間の差を使用することによって、2つの基地局のタイムラインの間の比較に基づくオフセット、すなわち、2つの基地局の間のフレーム番号およびフレームタイミングのずれが決定され得る。同期されるべき基地局は、タイミングオフセットΔTに従ってその同期されるべき基地局のフレーム番号およびフレームタイミングを調整し、それによって、基準基地局とのフレーム番号およびフレームタイミングの同期を実施し得る。
【0054】
任意で、実施形態においては、ステップ202の前に、方法が、基準UEおよび基準基地局の往復遅延RTD測定結果TA1を決定するステップと、基準UEおよび同期されるべき基地局のRTD測定結果TA2を決定するステップと、測定結果TA1および測定結果TA2に従って、基準UEから基準基地局までの距離と基準UEから同期されるべき基地局までの距離との間の差によって引き起こされるずれTA1 - TA2を決定するステップとをさらに含む。
【0055】
基準UEから2つの基地局(基準基地局および同期されるべき基地局)までの距離が異なる可能性があるので、上述のΔT=T1 - T2は、UEから2つの基地局までの距離の間の差によってもたらされるタイミングオフセットを反映しない可能性がある。したがって、2つの基地局の間のより正確なタイミングオフセットが取得される必要がある場合、基準UEから2つの基地局までの距離の間の差によってもたらされるタイミングオフセットが較正される必要がある。特に、基準基地局および同期されるべき基地局は、基準UEとのRTD測定を別々に実行して、基準UEから2つの基地局までの無線インターフェースの距離によってもたらされるタイミングオフセット(TA1 - TA2)を得る可能性がある。
【0056】
任意で、実施形態において、ステップ202は、相対的な瞬間T1、相対的な瞬間T2、およびずれTA1 - TA2に従って基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットΔT=T1 - T2 - (TA1 - TA2)を決定することを含む。基地局間のより正確なタイミングオフセットΔT=T1 - T2 - (TA1 - TA2)は、2つの基地局が基準UEの同期基準信号を受信する相対的な瞬間の間の差と、基準UEから2つの基地局までの無線インターフェースの距離によってもたらされるタイミングオフセットとに従って取得され得る。同期されるべき基地局は、タイミングオフセットΔTに従ってその同期されるべき基地局のフレーム番号およびフレームタイミングを調整し、それによって、基準基地局とのフレーム番号およびフレームタイミングの同期を実施し得る。
【0057】
任意で、実施形態においては、基準ユーザ機器UEを決定する前に、方法が、少なくとも1つの同期グループを決定するステップであって、少なくとも1つの同期グループのそれぞれの同期グループが少なくとも2つの基地局を含む、ステップと、それぞれの同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から基準基地局および同期されるべき基地局を決定するステップとをさらに含む。
【0058】
同期装置は、調整エリアが比較的大きく、同期される必要がある多くの基地局が存在するときに基地局間の厳密な同期プロセスを促進するために、調整エリア内の同期される必要がある基地局を1つまたは複数の同期グループに分類し、各同期グループの1つの基地局を基準基地局として決定し得る。
【0059】
任意で、実施形態においては、少なくとも1つの同期グループが複数の同期グループを含むとき、各同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から基準基地局および同期されるべき基地局を決定するステップが、各同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から、全地球測位システムGPS時間サービスを受けることができる基地局を基準基地局として決定することであって、各同期グループの基準基地局のフレーム番号およびフレームタイミングがGPSと同期される、決定することを含む。
【0060】
複数の同期グループが存在するとき、同期装置は、各同期グループ内で1つの基地局を基準基地局として決定する必要がある。すべての同期グループ内で基準基地局間の厳密な同期が必要とされ、同期グループが通常互いに遠く離れているので、まず、基準基地局が、GPSクロックのソースと同期され得る。つまり、基準基地局を決定するとき、同期装置は、GPS時間サービスを
受信することができる基地局を基準基地局として決定する必要がある。基準基地局が厳密な同期を完了した後、各同期グループ内の同期されるべき基地局が、グループ内の基準基地局との同期の較正を実行する。
【0061】
任意で、実施形態においては、ステップ203の後に、方法が、基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットを周期的に決定するステップと、タイミングオフセットが第1の閾値を超えており、第2の閾値未満であるときに、基準基地局および同期されるべき基地局が同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行することを可能にするか、またはタイミングオフセットが第2の閾値を超えているときに、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行するステップとをさらに含む。
【0062】
基地局が同期を実施した後、UEが、基地局間のタイミングオフセットを測定することに参加するために周期的に開始される可能性があり、基準基地局以外の別の基地局が、その基地局独自のフレーム番号およびフレームタイミングを較正すべきかどうかを測定結果に従って判定する可能性がある。
【0063】
好ましくは、タイミングオフセットの周期的測定は、サービスに対する影響を最小化するために、基地局のサービスが比較的空いているときに実行される可能性がある。周期的検出は、主として、システムの信頼性および堅牢性を高めるように意図される。サービスに対する影響を最小化するために、異なる処理の対策が、検出されたタイミングオフセットに従って使用される可能性がある。
タイミングオフセットが第1の閾値未満である場合、較正は実行されず、または位相オフセットが第1の閾値を超えており、第2の閾値未満である場合、位相オフセットは周波数調整方法で調整される。タイミングオフセットが第2の閾値を超えているとき、位相は直接調整される。タイミングオフセットが第2の閾値に等しい場合、周波数の調整または位相の調整が、同期装置または基地局によって前もって設定される可能性がある。
【0064】
任意で、実施形態においては、ステップ203の後に、方法が、基準基地局または同期されるべき基地局が再起動することが検出されるときに、同期されるべき基地局が再決定されたタイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行し、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットを再決定するステップをさらに含む。
【0065】
任意で、実施形態においては、同期イーサネット(登録商標)または時分割多重TDM同期ネットワークを使用することによって基準基地局と同期されるべき基地局との間でネットワーキングが実行される。
【0066】
本発明のこの実施形態においては、同期を実行する必要がある基地局が、まず、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行し、基準基地局が、同期される必要がある基地局から決定され、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットが、同期されるべき基地局および基準基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間を使用することによって決定され、基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期の較正が、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局に対して実行され、それによって、比較的低いコストならびに比較的高いセキュリティおよび信頼性で、ネットワーク全体にわたるプロトコルのサポートを必要とせずに、基地局間の厳密な同期を実施する。
【0067】
図3は、本発明の実施形態による基地局間の周波数の同期の概略図である。
図3は、周波数の同期前の2つの基地局間のフレームタイミングの差と、周波数の同期後の2つの基地局間のフレームタイミングの差とを示す。
【0068】
基地局間の周波数の同期を実行しなかった2つの基地局BTS1およびBTS2のシステムクロックは、それぞれ、f1およびf2で動作し、f1≠f2である。
図3の上の部分に示されるように、この場合、BTS1およびBTS2のフレーム番号およびフレームタイミングは無関係であり、f1≠f2であるので、BTS1およびBTS2のクロックドリフトの速度は異なる。
【0069】
2つの基地局が、2つの基地局間の周波数の同期を実施するために同じクロックの基準のソースと同期される。
図3のBTS1およびBTS2を例として使用すると、BTS1およびBTS2がBITSと同期され、無線フレームを送信するための2つの基地局の周波数が同期され、つまり、f1=f2である。ラインクロックは周波数の情報のみを有し、2つの基地局の間のタイミングの関係はまだランダムであるが、この場合、2つの基地局は同じ基準のソースと同期される。したがって、相対的な位相ドリフトは存在せず、つまり、フレーム番号およびフレームタイミングのずれは安定したままである。基地局のフレーム番号およびフレームタイミングが互いにまだずれており、厳密な同期が達成されていないことが、
図3から分かる。
図4は、フレーム番号およびフレームタイミングの同期が完了された後の2つの基地局間のフレームの位相の関係を示す。フレームタイミングのずれの測定を参照して、
図3および
図4を例として使用すると、BTS1が、同期されるべき基地局であり、BTS2が、基準基地局であり、周波数の同期が完了された後のBTS1とBTS2との間の位相の関係が、
図3の下の部分に示される。BTS1およびBTS2は、基準UEによって送信された同期基準信号を受信し、基準基地局および同期されるべき基地局は、それらの基地局独自のフレーム番号およびフレームタイミング基準にそれぞれ基づいて、基準基地局および同期されるべき基地局がUEのアップストリームアクセス信号を受信する正確な瞬間T1およびT2を決定し、タイミングオフセットΔT=T1 - T2は、4.7インターフェースギャップである(1インターフェースギャップは、無線フレームの初めから次の無線フレームの初めまでの範囲である)。
図4に示されるように、BTS1は、ΔTに従って較正を実行した後、BTS2に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了する。
【0070】
図5は、本発明の別の実施形態によるネットワークアーキテクチャの図である。
【0071】
図5は、同期を実行する必要がある6つの基地局、すなわち、BTS1、BTS2、BTS3、BTSx、BTSy、およびBTSzを示す。基地局は、GSM(登録商標)もしくはCDMAのBTSである可能性があり、またはWCDMA(登録商標)のNodeBである可能性があり、またはLTEのeNBもしくはe-NodeBである可能性があり、本発明において限定されない。
【0072】
加えて、ラインクロック501、ネットワーク管理ノード502、同期装置503、進化型パケットコア(Evolved Packet Core、EPC)504なども、示され、上述のネットワークノードおよび装置は、トランスポートネットワークを使用することによって接続される。同期装置503は、スタンドアロンのデバイスとして個々に展開される可能性があり、またはネットワーク管理ノード502、EPC 504、もしくは任意の基地局上に論理モジュールとして展開される可能性がある。上述の例は、説明の便宜を意図されたものであるに過ぎず、通信ネットワークのネットワークノード、基地局、および装置は、上述の種類および量に限定されないことを理解されたい。
【0073】
調整エリアが比較的大きいとき、つまり、同期される必要がある多くの基地局が存在するとき、基地局間のフレーム番号およびフレームタイミングの同期のプロセスを促進するために、比較的大きい調整エリアが、いくつかの比較的小さな調整エリアに分割される可能性がある。言い換えれば、同期される必要があるBTS1、BTS2、BTS3、BTSx、BTSy、およびBTSzなどの基地局が、複数の同期グループに分類される可能性がある。たとえば、BTS1、BTS2、およびBTS3が、1つの同期グループに分類され、BTSx、BTSy、およびBTSzが、別の同期グループに分類される。
【0074】
複数の同期グループが存在するとき、同期装置は、各同期グループ内で1つの基地局を基準基地局として決定する必要があり、たとえば、BTS2をBTS1、BTS2、およびBTS3の基準基地局として決定し、BTSyをBTSx、BTSy、およびBTSzの基準基地局として決定する。すべての同期グループ内で基準基地局間の厳密な同期が必要とされ、同期グループが通常互いに遠く離れているので、まず、基準基地局が、GPSクロックのソースと同期され得る。つまり、基準基地局を決定するとき、同期装置は、GPS時間サービスを受けることができる基地局を基準基地局として決定する必要がある。基準基地局が厳密な同期を完了した後、各同期グループ内の同期されるべき基地局が、グループ内の基準基地局との同期の較正を実行する。BTS1、BTS2、およびBTS3を例として使用すると、同期装置503は、同期される必要がある基地局から基準基地局を決定し、たとえば、GPS時間サービスを受けることができるBTS2を基準基地局として決定する可能性がある。フレーム番号およびフレームタイミングの同期が実行されるとき、同期されるべき基地局として働くBTS1およびBTS3は、基準基地局BTS2との同期を別々に実行し得る。特に、BTS1およびBTS2を例として使用すると、同期装置503は、BTS1およびBTS2のハンドオーバエリア内のUEを基準UEとして決定する可能性がある。基準UEは、BTS1とBTS2との間のフレーム番号およびフレームタイミングのずれを測定することに参加する。次いで、BTS1は、基準基地局BTS2とのフレーム番号およびフレームタイミングの同期を実施するために、測定されたフレームタイミングのずれに従ってフレーム番号およびフレームタイミングの較正を完了する。次いで、同期を完了するBTS1は、次の同期されるべき基地局が同期を実行するための基準基地局として働き得る。別の同期グループのフレーム番号およびフレームタイミングの同期は同様であり、詳細は本明細書において説明されない。
【0075】
同期が完了された後、同期装置503は、さらに、基地局間のタイミングオフセットの測定を周期的に開始し得る。基地局間のタイミングオフセットが指定された範囲を超えるとき、基地局に対して再較正が実行される。代替的に、基地局が再起動するときに、基地局がある同期グループ内で再較正が実行される可能性がある。
【0076】
図6は、本発明の実施形態による同期装置の概略ブロック図である。
図6の同期装置60は、第1の決定ユニット61、第2の決定ユニット62、および同期較正ユニット63を含む。
【0077】
第1の決定ユニット61は、基準ユーザ機器UEを決定し、基準UEは、基準基地局および同期されるべき基地局と同時に通信することができ、基準基地局および同期されるべき基地局は、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を完了している。第2の決定ユニット62は、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する。同期較正ユニット63は、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行する。
【0078】
本発明のこの実施形態の同期装置60によれば、基準基地局が、同期される必要がある基地局から決定され、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットが、同期されるべき基地局および基準基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間を使用することによって決定され、基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期の較正が、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局に対して実行され、それによって、比較的低いコストならびに比較的高いセキュリティおよび信頼性で、ネットワーク全体にわたるプロトコルのサポートを必要とせずに、基地局間の厳密な同期を実施する。
【0079】
同期装置60は、スタンドアロンのデバイスとして個々に展開される可能性があり、またはネットワーク管理ノード、EPC、もしくは基地局上に論理モジュールとして展開される可能性がある。同期装置60は、調整エリアのサイズを決定する、つまり、どの基地局が厳密なフレーム番号およびフレームタイミングの同期を実行する必要があるかを決定するように構成される可能性があり、調整エリア内の基地局を同期のための基準基地局として決定するように構成される可能性がある。
【0080】
同期される必要がある基地局は、基地局間の周波数の同期を実施するために、同じクロックの基準のソースと同期される可能性がある。好ましくは、ラインクロックの基準のソースは、ビルディング統合タイミング供給源(Building Integrated Timing System、BITS)である可能性がある。そのとき、基地局間のフレーム番号およびフレームタイミングの同期が実行される必要がある。
【0081】
任意で、実施形態において、同期装置60は、第1の決定ユニット61を使用することによって基準UEをさらに決定する可能性がある。たとえば、同期装置は、基準基地局および同期されるべき基地局と同時に通信することができるハンドオーバエリア内のUEを基準UEとして決定する。
【0082】
任意で、実施形態において、装置60は、受信ユニットをさらに含み、受信ユニットは、基準基地局によって送信される、基準基地局が同期基準信号を受信する瞬間T1を受信することであって、瞬間T1が、基準基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、基準基地局が同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、受信することと、同期されるべき基地局によって送信される、同期されるべき基地局が同期基準信号を受信する瞬間T2を受信することであって、瞬間T2が、同期されるべき基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、同期されるべき基地局が同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、受信することとを行うように構成される。基準UEが決定された後、基準基地局および同期されるべき基地局は、特にUEのアップストリームアクセス信号である可能性がある、基準UEによって送信された同期基準信号を受信し得る。基準基地局および同期されるべき基地局は、それらの基地局独自のフレーム番号およびフレームタイミング基準にそれぞれ基づいて、基準基地局および同期されるべき基地局がUEのアップストリームアクセス信号を受信する正確な瞬間T1およびT2を決定する。そのとき、2つの基地局は、同期装置60にT1およびT2をそれぞれ送信する可能性があり、同期装置60は、後続の処理を実行する。T1は基準基地局のタイムラインに対して基準基地局によって決定された瞬間、すなわち、相対的な瞬間であり、同様に、T2も相対的な瞬間であることを理解されたい。基準UEによって送信される同期基準信号は、以下、すなわち、物理ランダムアクセスチャネルPRACH、サウンディング基準信号SRS、または復調基準信号DMRSのうちの少なくとも1つを含むがこれらに限定されない。
【0083】
任意で、実施形態において、第2の決定ユニット62は、相対的な瞬間T1および相対的な瞬間T2に従って基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットΔT=T1 - T2を決定する
ように構成される。2つの相対的な瞬間の間の差を使用することによって、2つの基地局のタイムラインの間の比較に基づくオフセット、すなわち、2つの基地局の間のフレーム番号およびフレームタイミングのずれが決定され得る。同期されるべき基地局は、タイミングオフセットΔTに従ってその同期されるべき基地局のフレーム番号およびフレームタイミングを調整し、それによって、基準基地局とのフレーム番号およびフレームタイミングの同期を実施し得る。
【0084】
任意で、実施形態において、第2の決定ユニット62は、基準UEおよび基準基地局の往復遅延RTD測定結果TA1を決定し、基準UEおよび同期されるべき基地局のRTD測定結果TA2を決定し、測定結果TA1および測定結果TA2に従って、基準UEから基準基地局までの距離と基準UEから同期されるべき基地局までの距離との間の差によって引き起こされるずれTA1 - TA2を決定するようにさらに構成される。基準UEから2つの基地局(基準基地局および同期されるべき基地局)までの距離が異なる可能性があるので、上述のΔT=T1 - T2は、UEから2つの基地局までの距離の間の差によってもたらされるタイミングオフセットを反映しない可能性がある。したがって、2つの基地局の間のより正確なタイミングオフセットが取得される必要がある場合、基準UEから2つの基地局までの距離の間の差によってもたらされるタイミングオフセットが較正される必要がある。特に、基準基地局および同期されるべき基地局は、基準UEとのRTD測定を別々に実行して、基準UEから2つの基地局までの無線インターフェースの距離によってもたらされるタイミングオフセット(TA1 - TA2)を得る可能性がある。
【0085】
任意で、実施形態において、第2の決定ユニット62は、相対的な瞬間T1、相対的な瞬間T2、およびずれTA1 - TA2に従って基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットΔT=T1 - T2 - (TA1 - TA2)を決定するようにさらに構成される。基地局間のより正確なタイミングオフセットΔT=T1 - T2 - (TA1 - TA2)は、2つの基地局が基準UEの同期基準信号を受信する相対的な瞬間の間の差と、基準UEから2つの基地局までの無線インターフェースの距離によってもたらされるタイミングオフセットとに従って取得され得る。同期されるべき基地局は、タイミングオフセットΔTに従ってその同期されるべき基地局のフレーム番号およびフレームタイミングを調整し、それによって、基準基地局とのフレーム番号およびフレームタイミングの同期を実施し得る。
【0086】
任意で、実施形態において、第1の決定ユニット61は、少なくとも1つの同期グループを決定することであって、少なくとも1つの同期グループのそれぞれの同期グループが少なくとも2つの基地局を含む、決定することと、それぞれの同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から基準基地局および同期されるべき基地局を決定することとを行うようにさらに構成される。
【0087】
任意で、実施形態においては、少なくとも1つの同期グループが複数の同期グループを含むとき、第1の決定ユニット61が、各同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から、全地球測位システムGPS時間サービスを受けることができる基地局を基準基地局として決定することであって、各同期グループの基準基地局のフレーム番号およびフレームタイミングがGPSと同期される、決定することを行う
ように構成される。複数の同期グループが存在するとき、同期装置は、各同期グループ内で1つの基地局を基準基地局として決定する必要がある。すべての同期グループ内で基準基地局間の厳密な同期が必要とされ、同期グループが通常互いに遠く離れているので、まず、基準基地局が、GPSクロックのソースと同期され得る。つまり、基準基地局を決定するとき、同期装置は、GPS時間サービスを受けることができる基地局を基準基地局として決定する必要がある。基準基地局が厳密な同期を完了した後、各同期グループ内の同期されるべき基地局が、グループ内の基準基地局との同期の較正を実行する。
【0088】
任意で、実施形態において、同期較正ユニット63は、第2の決定ユニットを使用することによって基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットを周期的に決定し、タイミングオフセットが第1の閾値を超えており、第2の閾値未満であるときに、基準基地局および同期されるべき基地局が同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行することを可能にするか、またはタイミングオフセットが第2の閾値を超えているときに、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行するようにさらに構成される。
【0089】
基地局が同期を実施した後、同期装置60が、基地局間のタイミングオフセットを測定することに参加するためにUEを周期的に開始する可能性があり、基準基地局以外の別の基地局が、その基地局独自のフレーム番号およびフレームタイミングを較正すべきかどうかを測定結果に従って判定する可能性がある。好ましくは、タイミングオフセットの周期的測定は、サービスに対する影響を最小化するために、基地局のサービスが比較的空いているときに実行される可能性がある。周期的検出は、主として、システムの信頼性および堅牢性を高めるように意図される。サービスに対する影響を最小化するために、異なる処理の対策が、検出されたタイミングオフセットに従って使用される可能性がある。位相オフセットが第1の閾値未満である場合、較正は実行されず、または位相オフセットが第1の閾値を超えており、第2の閾値未満である場合、位相オフセットは周波数調整方法で調整される。タイミングオフセットが第2の閾値を超えているとき、位相は直接調整される。タイミングオフセットが第2の閾値に等しい場合、周波数の調整または位相の調整が、同期装置または基地局によって前もって設定される可能性がある。
【0090】
任意で、実施形態において、同期較正ユニット63は、基準基地局または同期されるべき基地局が再起動することが検出されるときに、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、第2の決定ユニットを使用することによってタイミングオフセットを再決定し、再決定されたタイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行するようにさらに構成される。
【0091】
任意で、実施形態においては、同期イーサネット(登録商標)または時分割多重TDM同期ネットワークを使用することによって基準基地局と同期されるべき基地局との間でネットワーキングが実行される。
【0092】
本発明のこの実施形態においては、同期を実行する必要がある基地局が、まず、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行し、同期装置60が、同期される必要がある基地局から基準基地局を決定し、同期されるべき基地局および基準基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間を使用することによって同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定し、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期の較正を実行し、それによって、比較的低いコストならびに比較的高いセキュリティおよび信頼性で、ネットワーク全体にわたるプロトコルのサポートを必要とせずに、基地局間の厳密な同期を実施する。
【0093】
図7は、本発明の実施形態による基地局の概略ブロック図である。
図7に示される基地局70は、
図6の同期装置60を含み、
図2の方法を実行することができる。
【0094】
図8は、本発明の別の実施形態による同期装置の概略ブロック図である。
図8の同期装置80は、プロセッサ81およびメモリ82を含む。プロセッサ81およびメモリ82は、バスシステム83を使用することによって接続される。
【0095】
メモリ82は、プロセッサ81が以下の動作、すなわち、基準ユーザ機器UEを決定する動作であって、基準UEが、基準基地局および同期されるべき基地局と同時に通信することができ、基準基地局および同期されるべき基地局が、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を完了している、動作と、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する動作と、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行する動作とを実行することを可能にする命令を記憶するように構成される。
【0096】
本発明のこの実施形態においては、同期を実行する必要がある基地局が、まず、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行し、同期装置80が、同期される必要がある基地局から基準基地局を決定し、同期されるべき基地局および基準基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間を使用することによって同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定し、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期の較正を実行し、それによって、比較的低いコストならびに比較的高いセキュリティおよび信頼性で、ネットワーク全体にわたるプロトコルのサポートを必要とせずに、基地局間の厳密な同期を実施する。
【0097】
同期装置80は、スタンドアロンのデバイスとして個々に展開される可能性があり、またはネットワーク管理ノード、EPC、もしくは基地局上に論理モジュールとして展開される可能性がある。同期装置80は、調整エリアのサイズを決定する、つまり、どの基地局が厳密なフレーム番号およびフレームタイミングの同期を実行する必要があるかを決定するように構成される可能性があり、調整エリア内の基地局を同期のための基準基地局として決定するように構成される可能性がある。
【0098】
同期される必要がある基地局は、基地局間の周波数の同期を実施するために、同じクロックの基準のソースと同期される可能性がある。好ましくは、ラインクロックの基準のソースは、ビルディング統合タイミング供給源(Building Integrated Timing System、BITS)である可能性がある。そのとき、基地局間のフレーム番号およびフレームタイミングの同期が実行される必要がある。
【0099】
加えて、同期装置80は、送信回路84、受信回路85、アンテナ86などをさらに含み得る。プロセッサ81は、同期装置80の動作を制御し、さらに、プロセッサ81は、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)と呼ばれる可能性がある。メモリ82は、読み出し専用メモリおよびランダムアクセスメモリを含む可能性があり、プロセッサ81のための命令およびデータを提供する。メモリ82の一部は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)をさらに含む可能性がある。特定の応用において、送信回路84および受信回路85は、アンテナ86に結合される可能性がある。同期装置80の構成要素は、バスシステム83を使用することによって一緒に結合され、バスシステム83は、データバスを含むのに加えて、電力バス、制御バス、ステータス信号バスなどをさらに含み得る。しかし、説明を明瞭にするために、図においては、様々なバスがバスシステム83として示される。
【0100】
本発明の上述の実施形態において開示された方法は、プロセッサ81に応用されるかまたはプロセッサ81によって実施され得る。プロセッサ81は、集積回路チップである可能性があり、信号処理能力を有する。実施のプロセスにおいて、上述の方法のステップは、プロセッサ81のハードウェアの集積論理回路またはソフトウェアの形態の命令を使用することによって完成される可能性がある。上述のプロセッサ81は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理デバイス、またはディスクリートハードウェア構成要素である可能性がある。本発明のこの実施形態において開示される方法、ステップ、および論理ブロック図が、実施または実行され得る。汎用プロセッサがマイクロプロセッサである可能性、またはプロセッサがさらに任意の通常のプロセッサである可能性などがある。本発明の実施形態を参照して開示される方法のステップは、ハードウェア復号プロセッサによって直接実行され、完了されるか、または復号プロセッサのハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールとの組合せによって実行され、完了される可能性がある。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、プログラマブル読み出し専用メモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリ、またはレジスタなどの当技術分野の成熟したストレージ媒体に置かれる可能性がある。ストレージ媒体は、メモリ82内に置かれる。プロセッサ81は、メモリ82内の情報を読み、プロセッサ81のハードウェアと組み合わせて上述の方法のステップを完成する。
【0101】
任意で、実施形態においては、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する前に、方法が、基準基地局によって送信される、基準基地局が同期基準信号を受信する瞬間T1を受信するステップであって、瞬間T1が、基準基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、基準基地局が同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、ステップと、同期されるべき基地局によって送信される、同期されるべき基地局が同期基準信号を受信する瞬間T2を受信するステップであって、瞬間T2が、同期されるべき基地局の現在のフレーム番号およびフレームタイミングに基づいて決定される、同期されるべき基地局が同期基準信号を受信する相対的な瞬間である、ステップとをさらに含む。
【0102】
任意で、実施形態においては、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する動作が、相対的な瞬間T1および相対的な瞬間T2に従って基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットΔT=T1 - T2を決定することを含む。
【0103】
任意で、実施形態においては、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する前に、方法が、基準UEおよび基準基地局の往復遅延RTD測定結果TA1を決定するステップと、基準UEおよび同期されるべき基地局のRTD測定結果TA2を決定するステップと、測定結果TA1および測定結果TA2に従って、基準UEから基準基地局までの距離と基準UEから同期されるべき基地局までの距離との間の差によって引き起こされるずれTA1 - TA2を決定するステップとをさらに含む。
【0104】
任意で、実施形態においては、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する動作が、相対的な瞬間T1、相対的な瞬間T2、およびずれTA1 - TA2に従って基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットΔT=T1 - T2 - (TA1 - TA2)を決定することを含む。
【0105】
任意で、実施形態においては、基準ユーザ機器UEを決定する前に、方法が、少なくとも1つの同期グループを決定するステップであって、少なくとも1つの同期グループのそれぞれの同期グループが少なくとも2つの基地局を含む、ステップと、それぞれの同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から基準基地局および同期されるべき基地局を決定するステップとをさらに含む。
【0106】
任意で、実施形態においては、少なくとも1つの同期グループが複数の同期グループを含むとき、各同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から基準基地局および同期されるべき基地局を決定するステップが、各同期グループに含まれる少なくとも2つの基地局から、全地球測位システムGPS時間サービスを受けることができる基地局を基準基地局として決定することであって、各同期グループの基準基地局のフレーム番号およびフレームタイミングがGPSと同期される、決定することを含む。
【0107】
任意で、実施形態においては、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行した後に、方法が、サービスがアイドル状態であるときに、基準基地局と同期されるべき基地局との間のタイミングオフセットを周期的に決定するステップと、タイミングオフセットが第1の閾値を超えており、第2の閾値未満であるときに、基準基地局および同期されるべき基地局が同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行することを可能にするか、またはタイミングオフセットが第2の閾値を超えているときに、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行するステップとをさらに含む。
【0108】
任意で、実施形態においては、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行した後に、方法が、基準基地局または同期されるべき基地局が再起動することが検出されるときに、同期されるべき基地局が再決定されたタイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行し、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットを再決定するステップをさらに含む。
【0109】
任意で、実施形態においては、基準UEによって送信される同期基準信号が、以下、すなわち、物理ランダムアクセスチャネルPRACH、サウンディング基準信号SRS、または復調基準信号DMRSのうちの少なくとも1つを含む。
【0110】
任意で、実施形態においては、同期イーサネット(登録商標)または時分割多重TDM同期ネットワークを使用することによって基準基地局と同期されるべき基地局との間でネットワーキングが実行される。
【0111】
本発明のこの実施形態においては、同期を実行する必要がある基地局が、まず、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行し、基準基地局が、同期される必要がある基地局から決定され、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットが、同期されるべき基地局および基準基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間を使用することによって決定され、基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期の較正が、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局に対して実行され、それによって、比較的低いコストならびに比較的高いセキュリティおよび信頼性で、ネットワーク全体にわたるプロトコルのサポートを必要とせずに、基地局間の厳密な同期を実施する。
【0112】
図9は、本発明の別の実施形態による基地局の概略ブロック図である。
図9の基地局90は、プロセッサ91およびメモリ92を含む。プロセッサ91およびメモリ92は、バスシステム93を使用することによって接続される。
【0113】
メモリ92は、プロセッサ91が以下の動作、すなわち、基準ユーザ機器UEを決定する動作であって、基準UEが、基準基地局および同期されるべき基地局と同時に通信することができ、基準基地局および同期されるべき基地局が、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を完了している、動作と、基準基地局および同期されるべき基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する瞬間に従って、同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定する動作と、同期されるべき基地局が基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期を完了するように、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で較正を実行する動作とを実行することを可能にする命令を記憶するように構成される。
【0114】
本発明のこの実施形態においては、同期を実行する必要がある基地局が、まず、同じクロックの基準のソースに対する周波数の同期を実行し、基地局90が、同期される必要がある基地局から基準基地局を決定し、同期されるべき基地局および基準基地局が基準UEによって送信される同期基準信号を受信する相対的な瞬間を使用することによって同期されるべき基地局と基準基地局との間のタイミングオフセットを決定し、タイミングオフセットに従って同期されるべき基地局上で基準基地局に対するフレーム番号およびフレームタイミングの同期の較正を実行し、それによって、比較的低いコストならびに比較的高いセキュリティおよび信頼性で、ネットワーク全体にわたるプロトコルのサポートを必要とせずに、基地局間の厳密な同期を実施する。
【0115】
基地局90は、同期装置80を含み、基地局90は、上述の同期されるべき基地局である可能性があり、または基準基地局である可能性がある。同期装置
80は、調整エリアのサイズを決定する、つまり、どの基地局が厳密なフレーム番号およびフレームタイミングの同期を実行する必要があるかを決定するように構成される可能性があり、調整エリア内の基地局を同期のための基準基地局として決定するように構成される可能性がある。
【0116】
同期される必要がある基地局は、基地局間の周波数の同期を実施するために、同じクロックの基準のソースと同期される可能性がある。好ましくは、ラインクロックの基準のソースは、ビルディング統合タイミング供給源(Building Integrated Timing System、BITS)である可能性がある。そのとき、基地局間のフレーム番号およびフレームタイミングの同期が実行される必要がある。
【0117】
加えて、基地局90は、送信回路94、受信回路95、アンテナ96などをさらに含み得る。プロセッサ91は、基地局90の動作を制御し、さらに、プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)と呼ばれる可能性がある。メモリ92は、読み出し専用メモリおよびランダムアクセスメモリを含む可能性があり、プロセッサ91のための命令およびデータを提供する。メモリ92の一部は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)をさらに含む可能性がある。特定の応用において、送信回路94および受信回路95は、アンテナ96に結合される可能性がある。基地局90の構成要素は、バスシステム93を使用することによって一緒に結合され、バスシステム93は、データバスを含むのに加えて、電力バス、制御バス、ステータス信号バスなどをさらに含み得る。しかし、説明を明瞭にするために、図においては、様々なバスがバスシステム93として示される。
【0118】
本発明の上述の実施形態において開示された方法は、プロセッサ91に応用されるかまたはプロセッサ91によって実施され得る。プロセッサ91は、集積回路チップである可能性があり、信号処理能力を有する。実施のプロセスにおいて、上述の方法のステップは、プロセッサ91のハードウェアの集積論理回路またはソフトウェアの形態の命令を使用することによって完成される可能性がある。上述のプロセッサ91は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理デバイス、またはディスクリートハードウェア構成要素である可能性がある。本発明のこの実施形態において開示される方法、ステップ、および論理ブロック図が、実施または実行され得る。汎用プロセッサがマイクロプロセッサである可能性、またはプロセッサがさらに任意の通常のプロセッサである可能性などがある。本発明の実施形態を参照して開示される方法のステップは、ハードウェア復号プロセッサによって直接実行され、完了されるか、または復号プロセッサのハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールとの組合せによって実行され、完了される可能性がある。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、プログラマブル読み出し専用メモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリ、またはレジスタなどの当技術分野の成熟したストレージ媒体に置かれる可能性がある。ストレージ媒体は、メモリ92内に置かれる。プロセッサ91は、メモリ92内の情報を読み、プロセッサ91のハードウェアと組み合わせて上述の方法のステップを完成する。
【0119】
本明細書における用語「および/または(and/or)」は、関連する対象を説明するための関連付けの関係のみを示し、3つの関係が存在し得ることを示すことを理解されたい。たとえば、Aおよび/またはBは、次の3つの場合、すなわち、Aのみが存在する場合、AとBとの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合を表し得る。加えて、本明細書における文字「/」は、概して、関連する対象の間の「または(or)」の関係を示す。
【0120】
上述のプロセスの連番は本発明の様々な実施形態における実行順を意味しないことを理解されたい。プロセスの実行順は、プロセスの機能および内部論理に従って決定されるべきであり、本発明の実施形態の実施プロセスに対するいかなる限定とも考えられるべきでない。
【0121】
当業者は、本明細書において開示された実施形態に示された例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムのステップが、電子的なハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子的なハードウェアとの組合せによって実施され得ることを知っているであろう。機能がハードウェアによって実行されるのかまたはソフトウェアによって実行されるのかは、特定の用途、および技術的な解決策の設計の制約条件に応じて決まる。当業者は、説明された機能をそれぞれの特定の用途のために実装するために異なる方法を用いる可能性があるが、実装は、本発明の範囲外であると考えられるべきでない。
【0122】
丁度よい簡潔な説明を目的として、上述のシステム、装置、およびユニットの詳細な作業工程に関しては、上述の方法の実施形態の対応するプロセスが参照可能であり、詳細は本明細書において説明されないことが当業者によってはっきりと理解されるであろう。
【0123】
本出願で提供されるいくつかの実施形態において、開示されたシステム、装置、および方法はその他の手法で実装され得ることを理解されたい。たとえば、説明された装置の実施形態は例示的であるに過ぎない。たとえば、ユニットの分割は、単に論理的な機能の分割であり、実際の実装ではその他の分割である可能性がある。たとえば、複数のユニットまたは構成要素が、組み合わされるか、もしくは別のシステムに統合される可能性があり、または一部の特徴が、無視されるか、もしくは実行されない可能性がある。加えて、示されたかまたは検討された相互の結合または直接的な結合または通信接続は、いくつかのインターフェースを使用することによって実装される可能性がある。装置またはユニットの間の間接的な結合または通信接続は、電子的、機械的、またはその他の形態である可能性がある。
【0124】
別々の部分として説明されたユニットは、物理的に分かれている可能性があり、または物理的に分かれていない可能性があり、ユニットとして示された部分は、物理的なユニットである可能性があり、または物理的なユニットではない可能性があり、つまり、部分もしくはユニットは、1つの位置に配置される可能性があり、または複数のネットワークユニットに分散される可能性がある。ユニットの一部またはすべては、実施形態の解決策の目的を達成するための実際の必要性に従って選択され得る。
【0125】
加えて、本発明の実施形態の機能ユニットが、1つの処理ユニットに統合される可能性があり、または各ユニットが、物理的に独立して存在する可能性があり、または2つ以上のユニットが、1つのユニットに統合される可能性がある。
【0126】
機能は、ソフトウェアの機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売されるかまたは使用されるとき、コンピュータ可読ストレージ媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、本発明の技術的な解決策は基本的にソフトウェア製品の形態で実装される可能性があり、または従来技術に寄与する部分もしくは技術的な解決策の一部はソフトウェア製品の形態で実装される可能性がある。ソフトウェア製品は、ストレージ媒体に記憶され、本発明の実施形態の方法のステップのすべてまたは一部を実行するように(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスなどである可能性がある)コンピュータデバイスに命じるためのいくつかの命令を含む。上述のストレージ媒体は、USBフラッシュドライブ、取り外し可能なハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクなどのプログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
【0127】
上述の説明は、本発明の特定の実装方法であるに過ぎないが、本発明の保護範囲を限定するように意図されていない。本発明で開示された技術的範囲内で当業者によって容易に想到されるすべての変更または置き換えは、本発明の保護範囲内に入るものとする。したがって、本発明の保護範囲は、請求項の保護範囲に従うものとする。