【文献】
Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Alcatel-Lucent,Coordination of UE AMBR in dual connectivity[online], 3GPP TSG-RAN WG3♯84 R3-141173,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_84/Docs/R3-141173.zip>,2014年 5月23日,2節
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
二重接続構成の一部として動作するように構成される基地局であって、前記二重接続構成では、ユーザー通信デバイスの制御プレーン接続が前記基地局を介して与えられ、コアネットワークと前記ユーザー通信デバイスとの間の少なくとも1つの通信ベアラが少なくとも更なる基地局を介して与えられ、該基地局は、
前記ユーザー通信デバイスに固有の総合最大ビットレートを取得し、前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートに関連する情報を取得する手段と、
前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスの総合最大データスループットの実施において使用するために、前記更なる基地局に固有のビットレートを識別する情報を生成する手段であって、前記更なる基地局に固有の前記ビットレートは、i)前記ユーザー通信デバイスに固有の前記総合最大ビットレートと、ii)前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートに関連する前記取得された情報とに基づいて生成される、手段と、
前記更なる基地局に、前記更なる基地局に固有の前記ビットレートを識別する前記情報を提供する手段と、
を備え、
前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートに関連する前記情報は、前記ユーザー通信デバイスの前記更なる基地局に到着するデータレートに関連する情報、前記更なる基地局における前記ユーザー通信デバイスに関連付けられるデータ損失の指示、および前記ユーザー通信デバイスのバッファーステータスを識別する情報のうちの少なくとも1つを含む、基地局。
前記基地局に固有のビットレートを導出する手段を更に備え、前記基地局に固有の前記ビットレートと、前記更なる基地局に固有の前記ビットレートとの和は、前記ユーザー通信デバイスに固有の前記総合最大ビットレートを超えない、請求項1に記載の基地局。
前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートに関連する前記情報は、前記ユーザー通信デバイスに関連付けられる1つまたは複数の非保証ビットレート通信ベアラを介して送信されるデータパケットに関連する情報を含む、請求項1または2に記載の基地局。
前記基地局は、前記二重接続構成のマスター基地局として動作するように構成され、前記更なる基地局は、前記二重接続構成のセカンダリー基地局として動作するように構成される、請求項1〜3のいずれ一項に記載の基地局。
二重接続構成の一部として動作するように構成されるセカンダリー基地局であって、前記二重接続構成では、ユーザー通信デバイスのための制御プレーン接続が、前記セカンダリー基地局とは異なるマスター基地局を介して与えられ、コアネットワークと前記ユーザー通信デバイスとの間の少なくとも1つの通信ベアラが前記セカンダリー基地局を介して与えられ、前記セカンダリー基地局は、
前記セカンダリー基地局を介する前記ユーザー通信デバイスのために必要とされるデータレートを、前記ユーザー通信デバイスの前記セカンダリー基地局に到着するデータレートに関連する情報、前記セカンダリー基地局における前記ユーザー通信デバイスに関連付けられるデータ損失の指示、および前記ユーザー通信デバイスのバッファーステータスを識別する情報のうちの少なくとも1つを用いて決定する手段と、
前記マスター基地局に、前記セカンダリー基地局を介する前記ユーザー通信デバイスのために必要とされる前記決定されたデータレートに関連する情報を提供する手段と、
前記マスター基地局から、前記セカンダリー基地局に固有のビットレートを識別する情報を受信する手段であって、前記セカンダリー基地局に固有の前記ビットレートは、i)前記ユーザー通信デバイスに固有の総合最大ビットレートと、ii)前記セカンダリー基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされる前記データレートとに基づく、手段と、
を備える、セカンダリー基地局。
二重接続構成の一部として動作するように構成される基地局によって実行される方法であって、前記二重接続構成では、ユーザー通信デバイスの制御プレーン接続が前記基地局を介して与えられ、コアネットワークと前記ユーザー通信デバイスとの間の少なくとも1つの通信ベアラが少なくとも更なる基地局を介して与えられ、該方法は
前記ユーザー通信デバイスに固有の総合最大ビットレートと、前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートに関連する情報とを取得することと、
前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスの総合最大データスループットの実施において使用するために、前記更なる基地局に固有のビットレートを識別する情報を生成することであって、前記更なる基地局に固有の前記ビットレートは、i)前記ユーザー通信デバイスに固有の前記総合最大ビットレートと、ii)前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートに関連する前記取得された情報とに基づいて生成されることと、
前記更なる基地局に、前記更なる基地局に固有の前記ビットレートを識別する前記情報を提供することと、
を含み、
前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートに関連する前記情報は、前記ユーザー通信デバイスの前記更なる基地局に到着するデータレートに関連する情報、前記更なる基地局における前記ユーザー通信デバイスに関連付けられるデータ損失の指示、および前記ユーザー通信デバイスのバッファーステータスを識別する情報のうちの少なくとも1つを含む、方法。
二重接続構成の一部として動作するように構成されるセカンダリー基地局によって実行される方法であって、前記二重接続構成では、ユーザー通信デバイスの制御プレーン接続が、前記セカンダリー基地局とは異なるマスター基地局を介して与えられ、コアネットワークと前記ユーザー通信デバイスとの間の少なくとも1つの通信ベアラが前記セカンダリー基地局を介して与えられ、前記方法は、
前記セカンダリー基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートを、前記ユーザー通信デバイスの前記セカンダリー基地局に到着するデータレートに関連する情報、前記セカンダリー基地局における前記ユーザー通信デバイスに関連付けられるデータ損失の指示、および前記ユーザー通信デバイスのバッファーステータスを識別する情報のうちの少なくとも1つを用いて決定することと、
前記マスター基地局に、前記セカンダリー基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされる前記決定されたデータレートに関連する情報を提供することと、
前記マスター基地局から、前記セカンダリー基地局に固有のビットレートを識別する情報を受信することであって、前記セカンダリー基地局に固有の前記ビットレートは、i)前記ユーザー通信デバイスに固有の総合最大ビットレートと、ii)前記セカンダリー基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされる前記データレートとに基づくことと、
を含む、方法。
【背景技術】
【0002】
セルラー通信ネットワークにおいて、ユーザー機器(UE)(移動電話、移動デバイス、移動端末等)は、基地局を介して他のユーザー機器および/または遠隔サーバーと通信することができる。LTEシステムは、発展型ユニバーサル陸上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)と、発展型パケットコア(EPC)ネットワーク(または単に「コアネットワーク」)とを含む。E−UTRANは、ユーザープレーン(例えば、パケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、媒体アクセス制御(MAC)レイヤおよび物理(PHY)レイヤ)および制御プレーン(例えば、無線リソース制御(RRC))の双方のプロトコル終端をUEに向けて提供する複数の基地局(「eNB」)を含む。
【0003】
通信ネットワークにおける近年の発展によって、ピコeNB、フェムトeNB、ホームeNB(HeNB)等の低電力ノード(LPN)によって運用されるいわゆる「スモール」セルの展開の増加が見られる。これらのセルは、より高い電力の(通常の)マクロ基地局によって運用される既存のマクロセルよりも小さなカバレッジエリアを有する。複数の異なるセルタイプを備えるネットワーク、例えば、マクロセルおよびフェムトセルを備えるネットワークは、異種ネットワーク、すなわちHetNetと呼ばれる。以下の説明において、基地局という用語は、任意のそのようなマクロ基地局またはLPNを指すのに用いられる。
【0004】
従来、移動電話は、(関連付けられた無線リンクを用いて)1つの基地局を介して通信するように構成されている。しかし、E−UTRAおよびE−UTRANのためのスモールセル高度化に関する研究(3GPP技術報告書(TR)第36.842号、この内容は、引用することにより本明細書に組み込まれる)において、いわゆる「二重接続(dual connectivity)」機能が、例えば、ユーザー機器の高データレートのカバレッジ、一時的なネットワーク展開、セルエッジスループットの改善、および/またはシステムスループットを高めるために導入された。この二重接続の特徴は、適合した移動電話(および他のユーザー機器)が複数のネットワークポイントと実質的に同時に通信する技法を確立している。具体的には、この「二重接続」機能は、所与の移動電話(RRC_CONNECTEDモードで動作する)が少なくとも2つの異なるネットワークポイント(例えば、2つ以上の基地局)によって提供される無線リソースを消費する動作モードを指す。通常、二重接続機能に関与するネットワークポイントのうちの一方はマクロ基地局であり、他方のネットワークポイント(または複数のネットワークポイント)は低電力ノード(または複数の低電力ノード)を含む。
【0005】
移動電話用の二重接続の提供に関与する各ネットワークポイント(「アクセスポイント」とも呼ばれる)は、それぞれ異なる役割を仮定することができる。ネットワークポイントのうちの1つは、マスター基地局(MeNB)と呼ばれる場合があり、他のネットワークポイントのそれぞれは、セカンダリー基地局(SeNB)と呼ばれる場合がある。通常、二重接続の提供に関与する様々なセカンダリー基地局が、いわゆる非理想的バックホール(non-ideal backhaul)を介して(MeNB、したがって、コアネットワークに)結合されている。さらに、二重接続のシナリオでは、基地局のうちの一方(MeNB)は、他方の基地局もユーザープレーン通信のためにコアネットワーク(例えば、サービングゲートウェイ)に接続されているか否かを問わず、関連したインターフェース(例えば、S1インターフェース)を介して制御プレーンシグナリングをコアネットワークにルーティングする。
【0006】
MeNB/SeNBの役割は、必ずしも各基地局の能力/タイプ(例えば、電力クラス)に依存せず、(同じ基地局を用いているときであっても)移動電話が異なれば異なる場合がある。
【0007】
二重接続機能によれば、移動電話の無線(通信)ベアラ(複数の場合もある)と基地局との間のマッピングは、以下のように実現することができる。
−いわゆる、マスターセルグループ(MCG)ベアラであり、無線ベアラがMeNBのみによってサービングされるMCGベアラ(または「MeNB固有ベアラ」)。
−いわゆる、セカンダリーセルグループ(SCG)ベアラであり、無線ベアラがSeNBのみよってサービングされるSCGベアラ(または「SeNB固有ベアラ」)。
−スプリットベアラであり、無線ベアラがMeNBおよびSeNBによってサービングされるスプリットベアラ。
【0008】
通信ネットワーク内のユーザーごとに適切なサービスレベル(例えば、所望のビットレート)が提供されることを保証するために、ネットワーク事業者は、ネットワーク内のユーザー(加入者)に提供することができる総合最大ビットレート(AMBR:aggregate maximum bit rate)を決定する種々のパラメーターを、加入者およびアクセスポイントごとに割り当てる。具体的には、加入者ごとに、ホーム加入者サーバー(HSS)は、ユーザーの加入データの一部を形成する、関連した「HSS_APN−AMBR」パラメーター(APNごと)および「HSS_UE−AMBR」パラメーターを保持する。
【0009】
特定の(加入者の)ユーザー通信デバイスのためのHSS_APN−AMBR(APN総合最大ビットレート)パラメーターは、そのユーザーの通信デバイスによる特定のAPNを介する全てのPDN接続にわたる非保証総合ビットレートを制限する。所与のアクセスポイント(例えば、P−GW)によって使用(実施)される実際の「APN−AMBR」パラメーターは、HSSから取得された加入データに基づいてMMEによって提供される。
【0010】
特定の(加入者の)ユーザー通信デバイスのためのHSS_UE−AMBR(UE総合最大ビットレート)パラメーターは、アップリンクおよびダウンリンク上における(サービング基地局を介する)そのユーザー通信デバイスの全てのトラフィックを制限する。サービング基地局によって使用(実施)される実際の「UE−AMBR」パラメーターは、HSSから取得された加入データに基づいてMMEによって提供される。具体的には、MMEは、アクティブAPN(active APN)のHSS_APN_AMBRパラメーターの合計と、HSS_UE−AMBRパラメーターとのうちの小さい方に等しくなるように、UE−AMBRパラメーターを計算する。これは、3GPP TS23.401標準規格に更に示されており、その内容は引用することにより本明細書に組み込まれる。MMEは、計算されたUE−AMBRパラメーターをサービング基地局に送信する。そのため、その基地局は、UE−AMBRパラメーターに従ってユーザー通信デバイスのためのデータトラフィックを許可/破棄することができる。これは、3GPP TS36.413およびTS36.300標準規格に更に示されており、その内容は引用することにより本明細書に組み込まれる。
【0011】
したがって、UE−AMBRパラメーターによって示されるビットレートを超えて特定のユーザー通信デバイスによって送信/受信されるトラフィックは、そのユーザー通信デバイスをサービングする基地局のレートシェーピング機能によって破棄される場合がある。また、適用可能なAPN−AMBRパラメーターによって示されるビットレートを超えるトラフィックは、対応するAPNのレートシェーピング機能によって破棄される場合がある。UE−AMBRパラメーターおよびAPN−AMBRパラメーターは、特定の加入者(すなわち、その加入者に関連付けられるユーザー通信デバイス)の全ての非保証ビットレート(非GBR:non-Guaranteed Bit Rate)ベアラにわたって適用可能である。
【0012】
各基地局は、いわゆる、保証ビットレート(GBR)ベアラに関連付けられるダウンリンク保証ビットレートを保証し、特定のGBRベアラに関連付けられるダウンリンク最大ビットレート(MBR)を実施し、一群の非GBRベアラに関連付けられるダウンリンク総合最大ビットレート(AMBR)を実施する。さらに、アップリンクでは、1つのユーザー機器への通信リソース認可の総量を制限することによって、基地局は、ユーザー機器の各製品に関連付けられるそれぞれの一群の非GBRベアラに関するUE−AMBRに、MBRの合計値を超えられないことを保証することができる。
【0013】
SCGベアラオプションが適用されるときに、二重接続中に、MeNBが、UE−AMBRを管理し、ダウンリンクおよびアップリンク両方のAMBR実施(AMBR enforcement)を提供するためにSeNBを支援する情報をSeNBに提供するべきであるという一般的な合意がある。
【0014】
特定の二重接続UEの場合に実施される全体的なUE−AMBRが、そのUEのためのMeNB固有UE−AMBR(M
UE−AMBR)と、そのUEのためのSeNB固有UE−AMBR(S
UE−AMBR)とに分割される場合がある。S
UE−AMBRは、全体的なUE−AMBRを管理しているMeNBによってSeNBに送信され、それに応じて、SeNBはS
UE−AMBRを実施する。
【0015】
しかしながら、二重接続中に、UEの非GBRベアラがMeNBとSeNBとの間で分配された結果として、現在の合意に反し、一般的に認められるルート転送(route forward)が最適ではない解決策をもたらす場合がある。その場合、例えば、UE−AMBRがマスター基地局とセカンダリー基地局との間で必ずしも最も効率的に分割されない場合があることを本発明者らは理解している。
【0016】
例えば、SeNBバッファー内に、S
UE−AMBRの実施に起因して送信されない数多くのデータが存在し、かつMeNBに到着するデータのデータレートがM
UE−AMBRよりも著しく低いとき、UEが利用可能な実際のデータレートは、UEが契約によって権利を与えられた全体的なUE−AMBRよりも著しく低い場合がある。同様に、MeNBバッファー内に、M
UE−AMBRの実施に起因して送信されない数多くのデータが存在し、かつSeNBに到着するデータのデータレートがS
UE−AMBRよりも著しく低いとき、UEが利用可能な実際のデータレートは、UEが契約によって権利を与えられた全体的なUE−AMBRよりも著しく低い場合がある。したがって、UEは、UE−AMBR実施に起因して、不必要にデータ損失を被る場合がある。
【0017】
この問題を例示するのを助けるために、不必要なデータ損失の幾つかの例が以下に要約される。
【0018】
ダウンリンク−SeNBにおける無用なパケット破棄
特定のUEの場合に、UE−AMBRの値は、UEによって使用される2つの無線ベアラ間(例えば、MeNBを介して提供されるE−RAB#1とSeNBを介して提供されるE−RAB#2との間)で分配する場合に、例えば、10Mbpsとすることができる。この場合、(UEの非GBRベアラ用に)以下のパラメーター、すなわち、
M
UE−AMBR=5Mbps(MeNBを介するE−RAB#1上の通信ベアラ用)
S
UE−AMBR=5Mbps(SeNBを介するE−RAB#2上の通信ベアラ用)
が構成される場合がある。しかしながら、E−RAB#1がほとんど活動していないが、E−RAB#2上の通信ベアラが大量のデータを搬送するときに、E−RAB#2のための総データレートは、許可された5Mbpsを超える可能性がある。そのため、この場合、SeNBは、ユーザーの割当量(S
UE−AMBR)を超えると判断されるUEのためのデータパケットを破棄することによって、S
UE−AMBRを実施する。この結果として、ユーザーの観点から、契約されたUE−AMBRは10Mbpsであるが、UEは有効な5Mbpsのみを受信することができる(E−RAB#1が活動せず、E−RAB#2のためのS
UE−AMBRが5Mbpsに設定されると仮定する)。
【0019】
ダウンリンク−MeNBにおける無用なパケット破棄
同様に、上記の例のパラメーター(M
UE−AMBR=5MbpsおよびS
UE−AMBR=5Mbps)を使用するとき、MeNBが、不必要に特定のUEのためのデータパケットを破棄するシナリオが生じる場合がある。
【0020】
例えば、SeNBを介するE−RAB#2がほとんど活動していないが、E−RAB#1上で提供される通信ベアラが大量のデータを搬送するとき、E−RAB#1のための総データレートが、その基地局(MeMB)を介して許容される5Mbpsを超える可能性がある。したがって、MeNBは、データパケットを破棄し始める可能性があり、結果として、ユーザーの観点から、契約されたUE−AMBRは10Mbpsであるが、UEは有効な5Mbpsのみを受信する。
【0021】
同様のシナリオは、アップリンクUE−AMBRの実施の場合にも起こり得ることは理解されよう。
【0022】
要約すると、二重接続における特定のUEのための通信ベアラが、UEをサービングする基地局間の不均衡を(少なくとも一時的に)示すとき、特定のUEのための総データレートがユーザーの加入に関連付けられるデータレート(UE−AMBR)を満たすことを保証することが困難または不可能である場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0033】
概観
図1は、基地局5−1および5−2を介してサービングされる移動電話3(または他の互換性のある通信デバイス/ユーザー機器)を備える移動(セルラー)電気通信システム1を概略的に示している。当業者であれば、
図1には説明の目的で1つの移動電話3および2つの基地局5が示されているが、システムは実装時に通常、他の基地局および移動電話を含むことを理解するであろう。
【0034】
移動電話3のユーザーは、基地局5およびコアネットワーク7を介して他のユーザーおよび/またはリモートサーバーと通信することができる。コアネットワーク7は、特に、モビリティ管理エンティティ(MME)11と、サービングゲートウェイ(S−GW)13と、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P−GW)15とを備える。
【0035】
MME11は、移動電話3の全体的な移動態様を管理し、移動電話3が通信システムによってカバーされる地理的エリア内を移動しているとき(および/または移動電話3が通信システムの基地局間でハンドオーバーされるとき)、移動電話3との接続が維持されることを確保する。MME11は、移動電話3の制御プレーンシグナリングもハンドリングし、移動電話3と関連した様々なベアラ(例えば、発展型パケットシステム(EPS)ベアラおよび/または無線ベアラ等)も、例えば、そのようなベアラが提供される際に介するS−GW13およびP−GW15(および/または場合によっては他のネットワークノード)を制御することによって管理する。
【0036】
S−GW13は、移動電話3とコアネットワーク7との間の、関連した通信ベアラ(例えば、EPSベアラ)上でユーザープレーンデータを送受信するための(基地局5−1を介する)接続を提供する。この通信ベアラは、通常、P−GW15において終端する。ただし、この通信ベアラは、多くの場合、P−GW15とコアネットワーク7の外部(例えば、外部ネットワーク20内)の通信エンドポイントとの間の外部のベアラ(例えば、別のEPSベアラ等)によっても補完される。S−GW13の機能およびP−GW15の機能は、別々のエンティティとして示されているが、単一のゲートウェイ要素に実装することができることが理解されるであろう。
【0037】
当業者には理解されるように、各基地局5は、移動電話3とそれぞれのサービング基地局5との間に提供された1つまたは複数の適した通信リンク(例えば、無線リンク)を用いて、基地局5と移動電話3との間で通信を行うことができる1つまたは複数の基地局セル(図示せず)を運用する。上記通信リンクのそれぞれは、1つまたは複数の関連したコンポーネント搬送波(F1、F2)上で搬送することができる。
【0038】
このシステムでは、(例えば、3GPP TR36.842に仕様化されているように)適切に構成された単数または複数の通信ベアラを用いて、互換性のあるユーザー機器(移動電話3等)に二重接続サービスを提供することができる。二重接続の場合、基地局のうちの一方は、マスター基地局(MeNB)5−1として構成され、他方の基地局は、セカンダリー基地局(SeNB)5−2として構成される。これらの基地局5は、適切な基地局対基地局通信インターフェース(例えば、「X2」インターフェース)を介して互いに接続されている。この例では、基地局5は、非理想的バックホールを用いて互いに接続される。
【0039】
MeNB5−1は、S−GW13を介するユーザープレーン(「S1−U」)通信(例えば、MeNB固有ベアラおよび任意のスプリットベアラ用)およびMME11との制御プレーン(「S1−MME」)通信(全てのベアラ用)の両方を提供するために、S1インターフェースを介してコアネットワーク7に接続される。また、SeNB5−2も、その通信ベアラのうちの少なくとも幾つか(例えば、SeNB固有ベアラ)を介してユーザープレーン(「S1−U」)通信を提供するために、適切なS1インターフェースを介してコアネットワーク7に接続される。
図1において、SeNB5−2は、コアネットワーク7に直接接続されるように示されるが、例えば、外部ネットワーク20を介して、間接的に接続される場合もある。
図1に示されないが、SeNB5−2は、非理想的バックホール上で(例えば、スプリットベアラ構成を使用するときに)、MeNB5−1を介してユーザープレーン(「S1−U」)接続を有することもできる。
【0040】
移動電話3は、例えば、異なるサービスには異なる送信優先度を提供するために、複数の通信ベアラ(例えば、音声用の第1の通信ベアラ、ビデオ用の第2の通信ベアラ、インターネットデータ用の第3の通信ベアラ等)を用いて構成することができる。各通信ベアラ(およびそれらの通信ベアラ上で送信される各データパケット)は、そのような通信ベアラがMeNB5−1を介して提供されるのか、SeNB5−2を介して提供されるのか、または双方を介して提供されるのかにかかわらず、適切な送信優先度を満たすことができることを保証するために、QoSクラスインジケーター(QCI)値等の適切なサービス品質(QoS)識別子に関連付けられている。移動電話3の通信ベアラのうちの1つに関連付けられたデータは、同じ無線リンク/搬送波上で送信することができる(ただし、異なるベアラのデータは、異なる無線リンク/搬送波上で送信することができる)。
【0041】
このシステムでは、基地局5−1、5−2(および移動電話3)は、少なくとも1つのSeNB固有ベアラ、すなわち、移動電話3のためのユーザープレーンデータを通信するためにSeNB5−2を介してサービングされる通信ベアラを用いて、二重接続を提供するように構成される。そのようなベアラの設定は、適切なときに、MeNB5−1によって開始することができる。二重接続サービスの一部として、この例では、通信ベアラのためのPDCP、RLC、MACおよびPHY機能がSeNB5−2によって提供される。このようにして、
MeNB5−1によって(S1インターフェースを介してコアネットワーク7から)ダウンリンクデータパケットが受信されるとき、
MeNB5−1は、移動電話3に向かって送信するためにデータパケットの適切な処理を実行する(そして、PDCPレイヤから下位レイヤにデータパケットを渡す)。
【0042】
有利には、基地局5−1、5−2も、移動電話3の非GBR通信のために関連する総合最大ビットレート(すなわち、UE−AMBR)パラメーターを実施するように構成される。具体的には、MeNB5−1は、例えば、移動電話3と基地局5−1との間の接続確立手順の一部として、移動電話3のための初期コンテキストを設定しているときに、MME11からUE−AMBRの値を取得する。また、MeNB5−1は、取得されたUE−AMBRから、MeNB5−1およびSeNB5−2のそれぞれのための適用可能な総合最大ビットレートM
UE−AMBRおよびS
UE−AMBRを導出するように構成される。この場合、M
UE−AMBRおよびS
UE−AMBRは、その和がUE−AMBRに等しく、移動電話3が、二重接続サービスを使用しているときであっても、その関連する総合最大ビットレートを超えないことを保証するように選択することができる。
【0043】
例えば、MeNB5−1は、特定の二重接続UEの場合に実施される全体的なUE−AMBRから、以下の式:UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRに基づいて、そのUEのためのMeNB固有UE−AMBR(M
UE−AMBR)およびそのUEのためのSeNB固有UE−AMBR(S
UE−AMBR)を導出するように構成することができる。
【0044】
各基地局5−1および5−2は、適切な(基地局固有)総合最大ビットレートが、その基地局に接続される移動電話3の場合に実施されることを保証する役割を担う。このようにして、MeNB5−1は、MeNB5−1を介する移動電話3の通信の場合にM
UE−AMBRを実施し、SeNB5−2は、SeNB5−2を介する移動電話3の通信の場合にS
UE−AMBRを実施する。
【0045】
有利には、この例では、MeNB5−1は、SeNB5−2から、SeNB5−2を介する移動電話3のための現在のデータレートに関連する情報を取得するように動作可能である。取得された情報は、例えば、SeMB5−2において測定されたデータレート値、(SeNB5−2を介する)データレートが所定の閾値より高いという指示、SeNB5−2における送信バッファーが所定の閾値より高いという指示、所定の数のデータパケット(例えば、少なくとも1つのデータパケット)がSeNB5−2において破棄されたという指示等を含むことができる。SeNB5−2によって提供される情報(データレート/指示)は、SeNB5−2において移動電話3に関連付けられる非GBRベアラに関連付けることができるが、他のベアラに関連付けることもできる。
【0046】
適切なときに、MeNB5−1は、有益には、SeNB5−2から取得された情報に基づいて適用可能なM
UE−AMBRおよび/またはS
UE−AMBRを更新し、更新されたS
UE−AMBRをSeNB5−2に提供することができる。
【0047】
例えば、取得された情報が、SeNB5−2を介した移動電話3のデータレートが関連するデータレート割当量(S
UE−AMBR)を超える(または超えていた)可能性があることを示し、かつMeNB5−1が、自らのデータレートが(少なくとも一時的に)関連するデータレート割当量(M
UE−AMBR)未満であると判断するとき、MeNB5−1は、SeNB5−2におけるデータパケットの潜在的な破棄のリスクを軽減するために、適用可能なM
UE−AMBRおよび/またはS
UE−AMBRパラメーターを更新することもできる。例えば、MeNB5−1は、M
UE−AMBRパラメーターの値を下げ、S
UE−AMBRパラメーターの値を上げることができる(が、UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRを保証する)。更新されたS
UE−AMBRパラメーターがMeNB5−1によって導出されると、SeNB5−2が、更新されたS
UE−AMBRパラメーターを、SeNB5−2を介する移動電話3の後続の通信に適用できるように、SeNB5−2に(X2インターフェースを介して)転送される。
【0048】
同様に、取得された情報が、SeNB5−2を介する移動電話3のデータレートが関連するデータレート割当量(S
UE−AMBR)未満であることを示し、かつMeNB5−1が、自らのデータレートが(少なくとも一時的に)関連するデータレート割当量(M
UE−AMBR)を超えようとしていると判断するとき、MeNB5−1は、MeNB5−1におけるデータパケットの潜在的な破棄のリスクを軽減するために、適用可能なM
UE−AMBRおよび/またはS
UE−AMBRパラメーターを更新することができる。例えば、MeNB5−1は、M
UE−AMBRパラメーターの値を上げ、S
UE−AMBRパラメーターの値を下げることができる(が、UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRを保証する)。更新されたS
UE−AMBRパラメーターがMeNB5−1によって導出されると、SeNB5−2が、更新されたS
UE−AMBRパラメーターを、SeNB5−2を介した移動電話3の後続の通信に適用できるように、更新されたS
UE−AMBRパラメーターはSeNB5−2に(X2インターフェースを介して)転送される。
【0049】
要約すると、二重接続における特定のUEのための通信ベアラが、UEをサービングする基地局間の不均衡を(少なくとも一時的に)示すとき、基地局5−1と5−2との間で交換される情報に基づいて、特定のUEのための(二重接続サービスに関与する全ての基地局を介する)総データレートが、ユーザーの加入に関連付けられるデータレート(UE−AMBR)を満たすことを保証することができる。
【0050】
移動電話
図2は、
図1に示す移動電話3の主な構成要素を示すブロック図である。図示するように、移動電話3は、1つまたは複数のアンテナ33を介して基地局5に対して信号を送受信するように動作可能な送受信機回路31を有する。移動電話3は、移動電話3の動作を制御するコントローラー37を有する。コントローラー37は、メモリ39と関連付けられ、送受信機回路31に結合される。
図2に必ずしも示されていないが、移動電話3は当然ながら、従来の移動電話3の全ての通常の機能(ユーザーインターフェース35等)を有することができ、これを適宜、ハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアのうちの任意の1つまたはそれらの任意の組み合わせによって提供することができる。ソフトウェアは、メモリ39内に予めインストールすることができ、および/または、例えば電気通信ネットワークを介して若しくは取り外し可能なデータ記憶デバイス(RMD)からダウンロードすることができる。
【0051】
コントローラー37は、この例では、メモリ39内に記憶されたプログラム命令またはソフトウェア命令によって移動電話3の全体動作を制御するように構成される。図示するように、これらのソフトウェア命令は、特に、オペレーティングシステム41、通信制御モジュール43、および二重接続モジュール45を備える。
【0052】
通信制御モジュール43は、移動電話3と基地局(複数の場合もある)5との間の通信を制御する。通信制御モジュール43は、アップリンクデータおよびダウンリンクデータ並びに基地局5(および他のノード、例えば、基地局5を介してMME11)に送信される制御データの個別のフローも制御する。
【0053】
二重接続モジュール45は、二重接続サービスの一部分を形成するそれぞれの通信ベアラ(複数の場合もある)上の通信を(通信制御モジュール43による援助を受けて)調整する。二重接続モジュール45は、関連した搬送波F1上でのMeNB5−1との通信および関連した搬送波F2上でのSeNB5−2との通信も制御する。
【0054】
マスター基地局
図3は、
図1に示されたマスター基地局5−1の主な構成要素を示すブロック図である。マスター基地局5−1は、そのカバレッジエリア内のユーザー機器3にサービスを提供する通信ノードである。本発明による実施形態では、様々な基地局5と移動電話3との間の通信が調整される。図示するように、マスター基地局5−1は、少なくとも1つのアンテナ53を介して移動電話3に対して信号を送受信する送受信機回路51を備える。マスター基地局5−1は、ネットワークインターフェース55(隣接基地局と通信するX2/非理想的バックホールインターフェースおよびコアネットワーク7と通信するS1インターフェース)を介してコアネットワーク7および他の隣接基地局(例えば、SeNB5−2)に対しても信号を送受信する。送受信機回路51の動作は、メモリ59に記憶されたソフトウェアに従ってコントローラー57によって制御される。このソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム61、通信制御モジュール63、二重接続モジュール65、S1モジュール67、X2モジュール68、およびAMBRモジュール69を含む。
【0055】
通信制御モジュール63は、マスター基地局5−1と、SeNB5−2、移動電話3、およびコアネットワークデバイスとの間の通信を制御する。
【0056】
二重接続モジュール65は、この基地局によってサービングされる移動電話3の二重接続サービスの一部分を形成する単数(または複数)の通信ベアラ上の通信を調整する。
【0057】
二重接続モジュール65は、基地局5−1がMeNBとして構成されるときに、この基地局5−1を介してデータパケット(MeNB固有ベアラに属する)を通信することを担うPDCPエンティティ(レイヤ)、RLCエンティティ(レイヤ)、MACエンティティ(レイヤ)およびPHYエンティティ(レイヤ)を含む。
【0058】
S1モジュール67は、基地局5とコアネットワーク7のエンティティ(MME11およびS−GW13等)との間でS1シグナリングをハンドリングする(例えば、S1プロトコルに従ってフォーマットされたメッセージ/PDUを生成、送信、および受信する)。例えば、S1モジュール67は、基地局5−1がMeNBとして動作するように構成されているとき、コアネットワーク7からダウンリンクデータパケットを受信することと、受信されたデータパケットを二重接続モジュール65に(そのPDCPエンティティを介して)渡すこととを担う。
【0059】
X2モジュール68は、マスター基地局5とセカンダリー基地局5−2等の他の基地局との間でX2シグナリングをハンドリングする(例えば、X2アプリケーションプロトコルに従ってフォーマットされたメッセージ/PDUを生成、送信、および受信する)。例えば、X2モジュール68は、SeNB固有ベアラに関係したシグナリング(例えば、制御シグナリングおよび/またはデータパケット)をセカンダリー基地局5−2の対応するX2モジュールと交換することを担う。
【0060】
AMBRモジュール69は、この基地局によってサービングされる(直接、または二重接続サービスの一部として別の基地局を介して間接的に)ユーザー機器(移動電話3等)ごとに送信されるデータパケットのための適切な総合最大ビットレートが実施されことを保証することを担う。そのために、AMBRモジュール69は、MME11から、基地局5−1によってサービングされる移動電話3ごとに、その移動電話3に関連付けられるユーザーの場合に許可される(例えば、加入された)総合最大ビットレートを識別する情報を取得する。特定の移動電話3の場合に二重接続が構成されるとき、AMBRモジュール69は、それぞれMeNB5−1およびSeNB5−2における移動電話3の非GBR通信ベアラのための最大スループットを実施する際に使用するための適用可能な総合最大ビットレートM
UE−AMBRおよびS
UE−AMBRを決定する。AMBRモジュール69は、移動電話3とのMeNB5−1の通信(例えば、MeNB固有ベアラ)の場合にM
UE−AMBRを実施し、適用可能なS
UE−AMBRを(X2モジュール68を介して)SeNB5−2に提供する(SeNB固有ベアラ用、および任意選択でスプリットベアラ用)。
【0061】
幾つかの実施形態では、AMBRモジュール69は、SeNB5−2を介して、移動電話3のための現在のデータレートに関連する情報を(例えば、X2モジュール68を介して)取得するように構成される。取得された情報は、例えば、SeMB5−2において測定されたデータレート値、(SeNB5−2を介する)データレートが所定の閾値より高いという指示、SeNB5−2における送信バッファーが所定の閾値より高いという指示、所定の数のデータパケット(例えば、少なくとも1つのデータパケット)がSeNB5−2において破棄されたという指示等を含むことができる。適切なとき、AMBRモジュール69は、SeNB5−2から取得された情報に基づいて、適用可能なM
UE−AMBRおよび/またはS
UE−AMBRを更新し、更新されたS
UE−AMBRをSeNB5−2に提供する。
【0062】
セカンダリー基地局
図4は、
図1に示されたセカンダリー基地局5−2の主な構成要素を示すブロック図である。セカンダリー基地局5−2は、そのカバレッジエリア内のユーザー機器3にサービスを提供する通信ノードである。図示するように、セカンダリー基地局5−2は、少なくとも1つのアンテナ53を介して移動電話3に対して信号を送受信する送受信機回路51を備える。セカンダリー基地局5−2は、ネットワークインターフェース55(隣接基地局と通信するX2/非理想的バックホールインターフェースおよびコアネットワーク7と通信する任意選択のS1インターフェース)を介してコアネットワーク7および他の隣接基地局(例えば、MeNB5−1)に対しても信号を送受信する。送受信機回路51の動作は、メモリ59に記憶されたソフトウェアに従ってコントローラー57によって制御される。このソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム61、通信制御モジュール63、二重接続モジュール65、S1モジュール67、X2モジュール68、およびAMBRモジュール69を含む。
【0063】
通信制御モジュール63は、セカンダリー基地局5−2と、MeNB5−1、移動電話3、およびコアネットワークデバイスとの間の通信を制御する。
【0064】
二重接続モジュール65は、この基地局によってサービングされる移動電話3の二重接続サービスの一部分を形成する単数(または複数)の通信ベアラ上での通信を調整する。
【0065】
二重接続モジュール65は、基地局5−2がSeNBとして構成されているとき、この基地局5−2を介してデータパケットを通信することを担うPDCPエンティティ(レイヤ)、RLCエンティティ(レイヤ)、MACエンティティ(レイヤ)、およびPHYエンティティ(レイヤ)を含む。
【0066】
S1モジュール67は、基地局5とコアネットワーク7のエンティティ(MME11およびS−GW13等)との間でS1シグナリングをハンドリングする(例えば、S1プロトコルに従ってフォーマットされたメッセージ/PDUを生成、送信、および受信する)。
【0067】
X2モジュール68は、セカンダリー基地局5−2と、マスター基地局5−1等の他の基地局との間でX2シグナリングをハンドリングする(例えば、X2アプリケーションプロトコルに従ってフォーマットされたメッセージ/PDUを生成、送信、および受信する)。例えば、X2モジュール68は、SeNB固有ベアラに関係したシグナリング(例えば、制御シグナリング)をマスター基地局5−1の対応するX2モジュールと交換することを担う。
【0068】
AMBRモジュール69は、SeNBとして構成されている間に、この基地局5−2に接続されるユーザー機器(移動電話3等)ごとに送信されるデータパケットのための適切な総合最大ビットレートが実施されることを保証することを担う。そのために、AMBRモジュール69は、MeNB5−1から、基地局5−2によってサービングされる移動電話3ごとに、基地局5−2を介してその移動電話3のために許容される総合最大ビットレート(S
UE−AMBR)(移動電話3のSeNB固有ベアラ用)を識別する情報を取得する。AMBRモジュール69は、移動電話3とのSeNB5−2通信の場合にS
UE−AMBRを実施する。
【0069】
幾つかの実施形態では、AMBRモジュール69は、SeNB5−2を介して、移動電話3のための現在のデータレートに関連する情報を(例えば、二重接続モジュール65から)取得するように構成される。取得された情報は、例えば、SeMB5−2において測定されたデータレート値、(SeNB5−2を介する)データレートが所定の閾値より高いという指示、SeNB5−2における送信バッファーが所定の閾値より高いという指示、所定の数のデータパケット(例えば、少なくとも1つのデータパケット)がSeNB5−2において破棄されたという指示等を含むことができる。適切なとき、AMBRモジュール69は、二重接続モジュール65から取得された情報を、MeNB5−1に(X2モジュール68を介して)提供する。
【0070】
上記の説明において、移動電話3および基地局5は、理解を容易にするために、複数の別個のモジュール(通信制御モジュールおよび二重接続モジュール等)を有するように説明された。これらのモジュールは、特定の適用例の場合、例えば、既存のシステムが本発明を実施するように変更された場合には、このように設けられる場合があるが、他の適用例、例えば、最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されたシステムでは、これらのモジュールは、オペレーティングシステムまたはコード全体の中に組み込まれる場合があるので、これらのモジュールは、別個のエンティティとして区別できない場合がある。また、これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現される場合もある。
【0071】
動作
次に、
図1の(例示的な二重接続ネットワークポイントとしての)移動電話3および基地局5を用いて本発明をどのように実施することができるのかを示す幾つかの異なる例を説明することにする。上記したように、二重接続サービスは、それぞれの通信ベアラを用いてMeNB5−1および少なくとも1つのSeNB5−2の双方と通信するように移動電話3を構成することによって提供することができる。
【0072】
図5は、SeNB固有通信ベアラを提供するための例示的なベアラ構成を示す(実線を使用する)。比較のために、
図5は、MeNB固有ベアラおよびスプリットベアラも示しており(破線を使用する)、その説明は、簡単にするために本明細書では省略される。
図5では、基地局5によって実現されるプロトコルレイヤおよび機能(例えば、制御プレーン)の幾つかも省略される。
図5は、ダウンリンク方向のみを示すが(矢印によって示される)、必要に応じて、例えば、データ送信の方向を反転させることによって、アップリンク方向の場合にも同様のベアラ構成を実現することができる。
【0073】
SeNB固有ベアラの場合、移動電話3のためのS1制御プレーン(例えば、「S1−MME」)は、MeNB5−1によって提供される。移動電話3のための制御プレーンシグナリングは、必要なときに、基地局対基地局インターフェース(例えば、X2)を介してSeNB5−2と交換することができるか、またはMeNB5−1と移動電話3との間で直接通信することができる。
【0074】
単一接続および二重接続の両方のシナリオにおいて使用される場合がある従来または「正規」の通信ベアラ構成では、MeNB5−1が、移動電話3に関連付けられる通信ベアラ(例えば、
図1の搬送波F1に関連付けられる通信ベアラ)のためのS1ユーザープレーンを扱う。移動電話3のためのダウンリンクデータパケットは、MeNB5−1によってPDCPレイヤにおいて受信され、移動電話3に送信するために下位レイヤ(例えば、RLCレイヤ、MACレイヤおよびPHYレイヤ)に転送される。
【0075】
この場合、MeNB5−1のPDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの間の破線矢印によって示すように、コアネットワーク7からの(ダウンリンク)ユーザーデータは、基地局5−1内で処理され、PHYレイヤのサービスを用いて基地局5−1と移動電話3(
図5に図示せず)との間を(搬送波F1を用いて)エアインターフェースを通じて送信される。
【0076】
二重接続シナリオ(
図5において実線で示される)において使用される場合があるSCGタイプの通信ベアラ構成によれば、ユーザープレーン通信(例えば、
図1の搬送波F2に関連付けられる通信ベアラ)は、MeNB5−1を関与させることなく、SeNB5−2を介して移動電話3のために提供することができる。この場合、ダウンリンクデータパケットは、コアネットワーク7を通して(例えば、S−GW13を介して)関連する通信ベアラ上でリモートエンドポイントから送信され、SeNB5−2のPDCPレイヤにおいて受信することができる。PDCP処理後に、データパケットは、SeNB5−2のPHYレイヤ上で(搬送波F2を用いて)移動電話3(
図5には示されない)に送信される前に、RLCレイヤに渡され、その後、MACレイヤに渡される。
【0077】
実施例1
第1の実施形態
図6は、移動電気通信システム1の要素によって実行される手順を示す例示的なタイミング図である。
【0078】
その手順はステップS601において開始し、そのステップでは、MME11がMeNB5−1にUE−AMBRパラメーターの値を提供する。この場合、UE−AMBRは、移動電話3のための初期コンテキスト設定手順の一部として提供される。
図6には示されないが、MME11は、移動電話3に関連付けられるユーザーのための加入データからUE−AMBRの値を導出するように構成することができることが理解されよう。そのような加入データは、適宜、別のエンティティ、例えば、ホーム加入者サーバー(HSS)から取得することができる。
【0079】
次に、MeNB5−1が、例えば、M
UE−AMBRおよびS
UE−AMBRの和がUE−AMBRの値を超えないように、UE−AMBRから(UE固有の)M
UE−AMBRおよびS
UE−AMBRを導出する。例えば、MeNB5−1は、少なくとも最初に、基地局5−1と5−2との間に等しく総合最大ビットレート(UE−AMBR)を分配するように構成することができ、すなわち、M
UE−AMBRおよびS
UE−AMBRの双方を、移動電話3に関連付けられるUE−AMBRの50%に設定することができる。しかしながら、MeNB5−1は、他方の基地局に配分する総合最大ビットレートよりも、大きな(パーセンテージ)総合最大ビットレートを一方の基地局に配分するように構成することもできる。ステップS603において包括的に示されるように、MeNB5−1およびSeNB5−2は、それゆえ、基地局5−1および5−2を介する移動電話3の通信のためにそれぞれのM
UE−AMBRおよびS
UE−AMBRパラメーターを適用することができる。
【0080】
例えば、要求(S604に示される)に応答して、および/または定期的に実行される場合があるステップS605において、SeNB5−2は(そのAMBRモジュール69を用いて)、移動電話3に関連付けられる(SeNB5−2を介する)(SeNB固有)通信ベアラ(例えば、非GBRベアラ)のためのデータレートを決定する。移動電話3に関連付けられるデータレートが決定されると、SeNB5−2は(そのX2モジュール68を用いて)、ステップS607において、適切にフォーマットされたシグナリングメッセージ(例えば、「E−RABステータス報告」X2メッセージ)を生成し、MeNB5−1に送信し、このメッセージに(例えば、その適切な情報要素内に)、移動電話3のデータレートを識別する情報を含める。
【0081】
ステップS609において、MeNB5−1は(そのAMBRモジュール69を用いて)、SeNB5−2における移動電話3のデータレートを識別する受信された情報を考慮に入れることによって、更新された(UE固有)M
UE−AMBRおよびS
UE−AMBRパラメーターを(例えば、UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRになるように)導出する。
【0082】
例えば、SeNB5−2から受信された情報が、SeNB5−2における移動電話3のデータレートが現時点で実施されるS
UE−AMBR(S603において構成される)を超える可能性があることを示し、MeNB5−1のAMBRモジュール69が、MeNB5−1のデータレートが、移動電話3に関連付けられるデータレート割当量(M
UE−AMBR)を超えないと判断するときに、MeNB5−1は(そのAMBRモジュール69を用いて)、S
UE−AMBRパラメーターの値を上げる(そして同時に、UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRになるように、M
UE−AMBRパラメーターの値を下げる)ことができる。同様に、SeNB5−2から受信した情報が、SeNB5−2における移動電話3のデータレートが現時点で実施されるS
UE−AMBR(S603において構成される)を超えないことを示し、かつMeNB5−1のAMBRモジュール69が、MeNB5−1のデータレートが移動電話3に関連付けられるデータレート割当量(M
UE−AMBR)を超える可能性があると判断するときに、MeNB5−1は(そのAMBRモジュール69を用いて)、M
UE−AMBRパラメーターの値を上げ、そして同時に、(UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRになるように)S
UE−AMBRパラメーターの値を下げることができる。
【0083】
更新されたS
UE−AMBRパラメーターがMeNB5−1によって導出されると、MeNB5−1は(そのAMBRモジュール69を用いて)、ステップS611において、適切にフォーマットされたシグナリングメッセージを生成し、SeNB5−2に(X2インターフェースを介して)送信し、このメッセージに更新されたS
UE−AMBRを含める。
【0084】
ステップS613において、SeNB5−2は(そのAMBRモジュール69を用いて)、更新されたS
UE−AMBRパラメーターを、SeNB5−2を介した移動電話3の後続の通信に適用し始める。同様に、ステップS615において示されるように、MeNB5−1も(そのAMBRモジュール69を用いて)、更新されたM
UE−AMBRパラメーターを、MeNB5−1を介した移動電話3の後続の通信に適用し始める。
【0085】
実施例2
第2の実施形態
図7は、
図6に示される手順の変更を示す。この場合、ステップS701およびS703はそれぞれS601およびS603に対応し、それゆえ、本明細書において、その説明は省略される。
【0086】
しかしながら、この例では、ステップS705において包括的に示されるように、SeNB5−2は(その二重接続モジュール65を用いて)、関連するS
UE−AMBRパラメーターの施行に起因して、移動電話3のための所定の数のデータパケット(例えば、少なくとも1つのデータパケット)が破棄された(すなわち、送信に失敗した)と判断する。
【0087】
それゆえ、SeNB5−
2は(そのX2モジュール68を用いて)、ステップS707において、適切にフォーマットされたシグナリングメッセージ(例えば、「E−RABステータス報告」X2メッセージ)を生成し、MeNB5−1に送信し、このメッセージに(例えば、その適切な情報要素内に)、データレート実施に起因して、移動電話3のための1つまたは複数のデータパケットが破棄された(送達できなかった)という指示を含める。
【0088】
ステップS709において、受信された指示を考慮に入れることによって、MeNB5−1は(そのAMBRモジュール69を用いて)、更新された(UE固有)M
UE−AMBRおよびS
UE−AMBRパラメーターを(例えば、UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRになるように)導出する。
【0089】
例えば、SeNB5−2のメッセージが、所定の量のデータパケットが破棄されたことを示すとき、MeNB5−1は(そのAMBRモジュール69を用いて)、S
UE−AMBRパラメーターの値を上げる(そして同時に、UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRになるように、M
UE−AMBRパラメーターの値を下げる)ことができる(MeNB5−1のデータレートが、移動電話3に関連付けられるデータレート割当量(M
UE−AMBR)を超えないと仮定する)。同様に、SeNB5−2のメッセージが、(例えば、現在のS
UE−AMBRパラメーターを適用してからこれまでに、および/または先行する通知がSeNBによって送信されてからこれまでに)データパケットが破棄されなかったことを示すとき、MeNB5−1は、S
UE−AMBRパラメーターの値を下げる(そして同時に、UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRになるように、M
UE−AMBRパラメーターの値を上げる)ことができる。有利には、SeNB5−2を介する移動電話の通信が、影響を受けないままである(例えば、SeNB5−2においてパケットが破棄されない)限り、MeNB5−1は、移動電話3のためのデータレート割当量(M
UE−AMBR)を(例えば、徐々に)上げることができる場合がある。
【0090】
実施例3
第3の実施形態
図8は、
図6に示される手順の別の例示的な変更を示す。この場合、ステップS801およびS803はそれぞれS601およびS603に対応し、それゆえ、本明細書において、その説明は省略される。
【0091】
しかしながら、この例では、ステップS805において包括的に示されるように、SeNB5−2は(その二重接続モジュール65を用いて)、その送信バッファーのステータスが所定のトリガを満たす(例えば、送信バッファーおよび/または処理時間が所定の閾値を超える)と判断する。そのような所定のトリガは、移動電話3に関連付けられるS
UE−AMBRパラメーターの実施から生じる場合があることは理解されよう。
【0092】
それゆえ、SeNB5−
2は(そのX2モジュール68を用いて)、ステップS807において、適切にフォーマットされたシグナリングメッセージ(例えば、「E−RABステータス報告」X2メッセージ)を生成し、MeNB5−1に送信し、このメッセージに(例えば、その適切な情報要素内に)、(移動電話3のための)送信バッファーのステータスに関連する情報を含める。SeNB5−2の送信バッファーのステータスに関連する情報は、定期的に、すなわち、ステップS805においてトリガが検出されたか否かにかかわらず送信される場合もあることは理解されよう。
【0093】
ステップS809において、SeNB5−2の送信バッファーのステータスに関連する受信された情報を考慮に入れることによって、MeNB5−1は(そのAMBRモジュール69を用いて)、更新された(UE固有)M
UE−AMBRおよびS
UE−AMBRパラメーターを(例えば、UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRになるように)導出する。
【0094】
例えば、SeNB5−2のメッセージが、SeNB5−2の送信バッファーが所定の閾値を超えることを示すとき、MeNB5−1は(そのAMBRモジュール69を用いて)、S
UE−AMBRパラメーターの値を上げる(そして同時に、UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRになるように、M
UE−AMBRパラメーターの値を下げる)ことができる(MeNB5−1のデータレートが、移動電話3に関連付けられるデータレート割当量(M
UE−AMBR)を超えないと仮定する)。同様に、SeNB5−2のメッセージが、SeNB5−2の送信バッファーが所定の閾値を超えない(例えば、所定の閾値未満である)ことを示すとき、MeNB5−1は、S
UE−AMBRパラメーターの値を下げる(そして同時に、UE−AMBR=M
UE−AMBR+S
UE−AMBRになるように、M
UE−AMBRパラメーターの値を上げる)ことができる。有利には、SeNB5−2を介する移動電話3の通信が影響を受けないままである(例えば、SeNB5−2における送信バッファーが所定の閾値未満のままである)限り、MeNB5−1は、移動電話3のためのデータレート割当量(M
UE−AMBR)を(例えば、徐々に)上げることができる場合がある。
【0095】
変更形態および代替形態
上記で、詳細な実施形態が説明されてきた。当業者であれば理解するように、上記の実施形態において具現される発明から依然として利益を享受しながら、上記の実施形態に対して複数の変更形態および代替形態を実施できる。
【0096】
上記例では、MeNBは、マクロ基地局を含むものと説明されている。しかしながら、MeNBは、任意のタイプの基地局、例えば、ピコ基地局、フェムト基地局、ホーム基地局を含むことができることが理解されるであろう。さらに、搬送波F1および/またはF2は、基地局の代わりに中継器、リモート無線ヘッド等を介して提供することができることが理解されるであろう。
【0097】
上記例では、各基地局は、単一の搬送波(F1またはF2)を提供するものと説明されている。しかしながら、各基地局は、複数の搬送波(例えば、同じおよび/または異なる搬送波のセット)を提供することができることが理解されるであろう。
【0098】
上記例は、SCGタイプの通信ベアラに関して説明されているが、この説明は、(例えば、3GPP TR36.842に仕様化されているように)MeNB固有の通信ベアラおよび/または「スプリット」通信ベアラを含む他の任意のタイプの通信ベアラに等しく適用可能であることが理解されるであろう。
【0099】
図5の上記の説明では、MCGベアラの1つの事例、SCGベアラの1つの事例、およびスプリットベアラの1つの事例のみが示されている。しかしながら、特定のUEの場合に、任意の数および/または任意のタイプのベアラを、任意の組み合わせにおいて提供することができることは理解されよう。例えば、各タイプの複数のベアラおよび/または異なるタイプのベアラの任意の組み合わせを提供することができる。いずれの場合でも、実際のベアラ構成は、関連するQCI値に基づく。例えば、特定のUEの場合に2つのSCGベアラ(いずれも非GBRである)が存在する場合には、この2つのSCGベアラに関する総合データレートは、UEに関連付けられるS
UE−AMBRを超えるべきでない。別の例では、特定のUEの場合に1つのスプリットベアラおよび1つのSCGベアラ(いずれも非GBRである)が存在する場合には、SCGベアラ、およびスプリットベアラのSeNB部分に関する総合データレートは、UEに関連付けられるS
UE−AMBRを超えるべきでない。
【0100】
上記の実施形態において、MeNBは、SeNBから受信された情報(データレート、パッケージ破棄指示等)を考慮に入れることによって、更新されたS
UE−AMBRパラメーターを導出する(そして、SeNBに提供する)ように説明されている。しかしながら、MeNBは、(更新されたS
UE−AMBRパラメーターを導出する代わりに)、SeNBに、以前に送信された任意のS
UE−AMBRパラメーターを、少なくとも一時的に破棄または無視する指示を送信するように構成することもできる。これにより、有益には、SeNBが、移動電話のためのデータパケットを無用に破棄するのを回避できるようになる場合がある。この場合、SeNBは、少なくとも、所定の期間まで、MeNBから新たなS
UE−AMBRパラメーターを受信するまで、および/またはSeNBが、移動電話のために送信バッファー内に保持されたデータ量を空にするか、またはそのデータ量を閾値未満まで減少させるまで、S
UE−AMBRパラメーターの実施を一時停止するように構成することができる。
【0101】
図6の上記の説明において、SeNBは、X2アプリケーションプロトコルに従ってフォーマットされた「E−RABステータス報告」シグナリングメッセージを生成し、送信するように説明されている。しかしながら、異なるメッセージおよび/または異なるアプリケーションプロトコルが使用される場合もあることが理解されよう。例えば、SeNBは、フレームプロトコルメッセージ内の適切なフィールド(例えば、「実施結果」フィールド、「AMBR情報」フィールド、「データレート」フィールド等)に、そのデータレートに関連する情報を含むように構成することができる。
【0102】
SeNBは、定期的、および/または所定のトリガが満たされたときのいずれかにおいて、データレート情報を(ステップS607において)生成し、送信できることが理解されよう。そのような所定のトリガは、以下のいずれかを含むことができる。
−移動電話のためのデータレートが、関連するS
UE−AMBRより高い(またはそれに等しい)。
−移動電話のためのデータレートが、関連するS
UE−AMBRからオフセットを引いた値(例えば、S
UE−AMBRより10%低い値)より高い(またはそれに等しい)。
−関連するタイマの満了。
−送信バッファーが所定の閾値を超える(閾値は、移動電話のために構成されるS
UE−AMBRにとって不十分であることを示す場合がある)。
−移動電話のために必要とされるデータレートの突然の変化(例えば、増加/減少)。
−SeNBが、移動電話に関連付けられる通信ベアラに割り振ることができる更なる容量を有する。
−移動電話からの(またはSeNBの下位レイヤからの)データレートエラー指示の受信。
−MeNBからの要求の受信(例えば、ステップS604に示される)。
【0103】
SeNBが(ステップS707において)MeNBにパケット破棄の指示を送信するとき、SeNBは、移動電話のためのデータレートを識別する情報も送信できることが理解されよう。言い換えると、ステップS607およびS707は1つにまとめることができる。
【0104】
SeNBは、X2インターフェースを介してMeNBに、所与の期間中に(例えば、RLCおよび/またはMACレイヤにおいて)破棄されたデータパケットの数を識別する情報を提供するように構成できることも理解されよう。この情報に基づいて、MeNBは、SeNBにおける(移動電話のための)関連する「パケット破棄レート」の指標を決定し、それに応じて、M
UE−AMBRおよび/またはS
UE−AMBRを更新することができる場合がある。例えば、MeNBは、少なくとも、移動電話のための決定された「パケット破棄レート」によって、S
UE−AMBRの値を(最大で関連するUE−AMBRまで)高めることができる。
【0105】
基地局(MeNBおよびSeNB)は、両方の基地局によってサービングされる移動電話のための自らのデータレートに関連する情報を互いに提供するように構成できることが理解されよう。さらに、MeNBは、移動電話のために割り振られる通信リソースの過小利用を判断するように構成することができる(例えば、MeNBは、MeNBを介する移動電話のデータレートが、閾値/パーセンテージ未満であり、および/または関連するM
UE−AMBRからオフセットを引いた値未満であることを判断するように構成することができる)。この場合、MeNBは、SeNBに適切な指示を提供するように構成することができ、次に、その指示によって、SeNBは、移動電話のための関連するS
UE−AMBRを少なくとも一時的に超える/無視することができる(その一方で、依然としてUE−AMBR値、すなわち、M
UE−AMBR+S
UE−AMBRを実施する)。
【0106】
代替的には、MeNBは、MeNBおよびSeNBにおいて、それぞれ実施されるM
UE−AMBRおよび/またはS
UE−AMBRの現在値についてMMEに通知するように構成することができる。この場合、MMEは、M
UE−AMBRおよび/またはS
UE−AMBRの値をS−GWに転送するように構成することができ、S−GWは、M
UE−AMBRおよび/またはS
UE−AMBRの値をP−GWに転送するように構成することができる。有利には、P−GWは、M
UE−AMBRおよび/またはS
UE−AMBRパラメーターの実施を実行できる場合がある(例えば、MeNBを介して提供される通信ベアラのためのM
UE−AMBRの値でデータレート実施を実行し、SeNBを介して提供される通信ベアラのためのS
UE−AMBRの値でデータレート実施を実行することによる)。この代替形態は、S1インターフェースを介して(すなわち、M
UE−AMBRおよび/またはS
UE−AMBRをMMEに提供するために)、MeNBとMMEとの間で送信される新たな(または変更された)シグナリングメッセージを必要とする場合がある。
【0107】
前記基地局(例えば、MeNB)に固有のビットレートを導出する手段を更に備えてもよく、前記基地局に固有の前記ビットレートと、前記更なる基地局(例えば、SeNB)に固有の前記ビットレートとの和は、前記ユーザー通信デバイスに固有の前記総合最大ビットレートを超えない。
【0108】
前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートに関連する前記情報は、前記ユーザー通信デバイスの前記更なる基地局に到着するデータレート(例えば、非保証ビットレート)に関連する情報、前記更なる基地局における前記ユーザー通信デバイスに関連付けられるデータ損失の指示、および前記ユーザー通信デバイスのバッファーステータスを識別する情報のうちの少なくとも1つ含んでよい。
【0109】
前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートに関連する前記情報は、前記ユーザー通信デバイスに関連付けられる1つまたは複数の非保証ビットレート通信ベアラを介して送信されるデータパケットに関連する情報を含んでよい。
【0110】
前記基地局は、前記二重接続構成のマスター基地局として動作するように構成されてもよく、前記更なる基地局は、前記二重接続構成のセカンダリー基地局として動作するように構成されてもよい。
【0111】
(前記基地局の)前記生成する手段は、必要とされるデータレートに関連する前記情報が(前記更なる基地局を介して)入手できないときに、前記ユーザー通信デバイスに固有の前記総合最大ビットレートに基づいて、前記更なる基地局を介する前記少なくとも1つの通信ベアラ上の最大データスループットの実施において使用される、前記更なる基地局に固有の初期ビットレートを生成するように動作可能でもよい。この場合、前記提供する手段は、前記更なる基地局に固有の前記初期ビットレートを(例えば、前記取得する手段が、前記更なる基地局を介する前記ユーザー通信デバイスに必要とされるデータレートに関連する前記情報を取得する前に)前記更なる基地局に提供するように動作可能でもよい。
【0112】
前記基地局は、前記更なる基地局を介する前記コアネットワークと前記ユーザー通信デバイスとの間の前記少なくとも1つの通信ベアラの確立を制御する手段を更に備えてもよく、前記少なくとも1つの通信ベアラの前記確立は、前記更なる基地局に、前記更なる基地局に固有の前記初期ビットレートを提供することを含んでもよい。
【0113】
前記提供する手段は、前記更なる基地局に、基地局対基地局インターフェース(例えば、X2インターフェース)を介して前記更なる基地局に固有の前記ビットレートを識別する前記情報を提供するように構成されてもよい。前記提供する手段は、基地局対基地局インターフェースを介して前記マスター基地局に少なくとも1つのメッセージを送信することによって、前記情報を提供するように動作可能でもよい。
【0114】
(前記セカンダリー基地局の)前記提供する手段は、定期的に、および/または前記マスター基地局による要求時に、および/または所定のトリガの検出時に、前記情報を前記マスター基地局に提供するように動作可能でもよい。
【0115】
上記の実施形態において、移動電話に基づく電気通信システムが説明された。当業者であれば理解するように、本出願において説明されるシグナリング技法は、他の通信システムにおいて利用することができる。他の通信ノードまたはデバイスは、例えば、携帯情報端末、ラップトップ/タブレットコンピューター、ウェブブラウザー等のユーザーデバイスを含むことができる。
【0116】
上記の実施形態において、移動電話および基地局はそれぞれ送受信機回路を含む。通常、この回路は、専用のハードウェア回路によって形成される。しかしながら、幾つかの実施形態では、送受信機回路の一部が、対応するコントローラーによって実行されるソフトウェアとして実現される場合がある。
【0117】
上記の実施形態において、複数のソフトウェアモジュールが説明された。当業者であれば理解するように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされた形式またはコンパイルされない形式で提供される場合があり、コンピューターネットワークを介する信号として、または記録媒体上で基地局に供給される場合がある。さらに、このソフトウェアの一部または全てによって実行される機能は、1つまたは複数の専用のハードウェア回路を用いて実行される場合がある。
【0118】
本発明は、実施形態を通してこれまで説明されてきたが、本発明は、上記の実施形態には限定されない。本発明の範囲内で本発明の構成および細部に対して、当業者が理解することができる種々の変更を加えることができる。種々の他の変更は当業者には明らかであり、ここでは、これ以上詳しくは説明しない。
【0119】
本出願は、2014年8月8日に出願された英国特許出願第1414139.4号を基礎としており、この英国特許出願の優先権の利益を主張する。この英国特許出願の開示は、引用することによりその全体が本明細書に組み込まれる。