特許第6384747号(P6384747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6384747無線通信装置用フレキシブルプリント配線板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384747
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】無線通信装置用フレキシブルプリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20180827BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20180827BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20180827BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   H05K3/46 Q
   H01F17/00 B
   H01F17/04 F
   H05K3/46 Z
   H05K3/46 N
   H05K1/16 B
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-1994(P2014-1994)
(22)【出願日】2014年1月8日
(65)【公開番号】特開2015-130450(P2015-130450A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2016年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】500400216
【氏名又は名称】住友電工プリントサーキット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100158540
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 博生
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176876
【弁理士】
【氏名又は名称】各務 幸樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177976
【弁理士】
【氏名又は名称】根木 義明
(74)【代理人】
【識別番号】100184697
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100117167
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 隆嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187768
【弁理士】
【氏名又は名称】藤中 賢一
(72)【発明者】
【氏名】高地 正彦
【審査官】 原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−258393(JP,A)
【文献】 特開2000−261230(JP,A)
【文献】 特開平10−303563(JP,A)
【文献】 特開2013−080846(JP,A)
【文献】 特開2003−031416(JP,A)
【文献】 特開2001−160510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H05K 1/16
H01F 17/00
H01F 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コイル状回路を構成する第1コイル層と、
合成樹脂製の第1絶縁層と、
強磁性材料を含む磁性体層と、
合成樹脂製の第2絶縁層と、
第2コイル状回路を構成する第2コイル層と
をこの順に備え、
上記第1コイル層と上記第2コイル層とが電気的に接続され、
上記第1コイル状回路の巻方向が第2コイル層の巻方向と同一の通電方向であり、
上記磁性体層が、上記強磁性材料を含む磁性シートと、この磁性シートが嵌合する合成樹脂製の補強シートとを備え、
上記磁性シートが、上記第1コイル状回路占有領域と上記第2コイル状回路占有領域との重複投影領域に少なくとも配設されている無線通信装置用フレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
上記磁性体層が、分割配設される複数の上記磁性シートを備える請求項1に記載の無線通信装置用フレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
上記複数の磁性シート間の補強シート領域に、上記第1コイル層と上記第2コイル層とを電気的に接続するスルーホールを備える請求項2に記載の無線通信装置用フレキシブルプリント配線板。
【請求項4】
上記磁性シートが、平面視で上記第1コイル状回路占有領域及び上記第2コイル状回路占有領域とそれぞれの投影面積の90%以上で重複する請求項1請求項2又は請求項3に記載の無線通信装置用フレキシブルプリント配線板。
【請求項5】
上記第1コイル状回路及び上記第2コイル状回路の互いに接続されていない端部にそれぞれ設けた一対の接続端子と、上記第1コイル状回路又は上記第2コイル状回路内に設けた中間端子と有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線通信装置用フレキシブルプリント配線板。
【請求項6】
上記第1コイル層及び上記第1絶縁層と上記第2コイル層及び上記第2絶縁層とが、それぞれ片面板を形成する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の無線通信装置用フレキシブルプリント配線板。
【請求項7】
最表面及び最裏面の少なくともいずれかにカバーレイが積層されている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無線通信装置用フレキシブルプリント配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、近距離無線通信(NFC:Near Fielc Communication)技術を利用したRFID(Radio Frequency IDentification)システムや非接触ICカード等の普及に伴い、平面的に形成したコイル状回路をアンテナとして使用するアンテナ装置が広く利用されている。このようなアンテナ装置は、可撓制の樹脂フィルムの上に導体層を積層してコイル状回路を形成したフレキシブルプリント配線板として提供され得る。
【0003】
また、このようなアンテナ装置のコイル状回路は、電流が流れることにより磁束を形成するが、近傍に金属(特に非磁性金属)が存在すると、それらの金属中に渦電流を発生させる。すると、この渦電流がコイル状回路によって形成される磁束と逆方向の磁束(反磁界)を形成して、コイル状回路の見かけ上のインダクタンスを低下させるため、コイル状回路の通信性能が低下する。
【0004】
そこで、コイル状回路を形成した基板の片側に磁性体(軟磁性体)を配置して、コイル状回路が形成した磁束を補足して遮断することにより、近傍の導体に渦電流が発生しないようにする技術が知られている(特願2005−122595号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−122595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記アンテナ装置に用いる強磁性体としては、磁束を補足する能力が高く、高透磁率で低保磁力であるフェライト焼結体等があるが、このような材料は一般に脆くて欠けやすい。このため、コイル状回路の片側に磁性体を積層すると、磁性体が欠けてその屑が周囲に飛散する場合があり、取り扱いに注意が必要であった。
【0007】
また、磁性体は比較的高価であり、コイル状回路全面に磁性体を積層するとフレキシブルプリント配線板が高価となる。
【0008】
上述の事情に鑑みて、本発明は、通信性能が高いコイル状回路を備え、磁性材料が飛散し難い安価なフレキシブルプリント配線板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた発明は、第1コイル状回路を構成する第1コイル層と、合成樹脂製の第1絶縁層と、強磁性材料を含む磁性体層と、合成樹脂製の第2絶縁層と、第2コイル状回路を構成する第2コイル層とをこの順に備え、上記第1コイル層と上記第2コイル層とが電気的に接続されているフレキシブルプリント配線板である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフレキシブルプリント配線板は、安価でありながら、通信性能が高いコイル状回路を備え、磁性材料が飛散し難い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態のフレキシブルプリント配線板を示す模式的分解斜視図である。
図2図1のフレキシブルプリント配線板の模式的部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本発明の実施形態の説明]
本発明は、第1コイル状回路を構成する第1コイル層と、合成樹脂製の第1絶縁層と、強磁性材料を含む磁性体層と、合成樹脂製の第2絶縁層と、第2コイル状回路を構成する第2コイル層とをこの順に備え、上記第1コイル層と第2コイル層とが電気的に接続されているフレキシブルプリント配線板である。
【0013】
当該フレキシブルプリント配線板は、第1コイル状回路と第2コイル状回路とが磁性体層により磁気的に隔離されているので、第1コイル状回路及び第2コイル状回路が互いに干渉せず、高い通信性能を発揮できる。また、当該フレキシブルプリント配線板は、第1絶縁層と第2絶縁層との間に磁性体層を挟み込んだので、磁性材料が飛散し難く、取り扱いが容易である。また、第1コイル状回路と第2コイル状回路との間に磁性体層を配置したことにより、磁性体層の一方の面で第1コイル状回路の磁束を遮断し、磁性体層の他方の面で第2コイル状回路の磁束を遮断できるので、高価な磁性材料の使用量を少なくして当該フレキシブルプリント配線板を安価に提供できる。さらに、当該フレキシブルプリント配線板は、磁性体層により、近傍に配置された金属に対して第1コイル状回路又は第2コイル状回路が形成する磁束を遮断するので、金属の近接による通信性能の低下(見かけ上のインダクタンスの低下)を抑制できる。加えて、第1コイル状回路と第2コイル状回路とが重ねて配置されているので、当該フレキシブルプリント配線板における第1コイル状回路と第2コイル状回路とを接続した回路の単位面積当たりのインダクタンスが大きく、当該フレキシブルプリント配線板の小型化が可能である。
【0014】
当該フレキシブルプリント配線板は、上記磁性体層が、上記強磁性材料を含む磁性シートと、この磁性シートが嵌合する合成樹脂製の補強シートとを備え、上記磁性シートが、上記第1コイル状回路占有領域と上記第2コイル状回路占有領域との合成投影領域に少なくとも配設されていることが好ましい。このように磁性体層の必要領域に選択的に磁性体を配置して全面に磁性体を使用しないことにより、当該フレキシブルプリント配線板の製造コストを低減できる。また、磁性シートを補強シートに嵌合させることにより、容易に磁性シートを位置決めできる。さらに、磁性体層が磁性シートに比べて接着性の高い補強シートを備えることにより、磁性体層の磁性シート以外の領域と第1絶縁層及び第2絶縁層との接合が確実になるため、信頼性及び機械的強度が高くなる。
【0015】
当該フレキシブルプリント配線板は、上記磁性体層が、分割配設される複数の上記磁性シートを備えることが好ましい。このように磁性シートを分割配設することにより、母材シートから磁性シートを効率よく切り出すことが可能になる。
【0016】
当該フレキシブルプリント配線板は、上記複数の磁性シート間の補強シート領域に、上記第1コイル層と上記第2コイル層とを電気的に接続するスルーホールを備えることが好ましい。このように分割配設した磁性シート間にスルーホールを配置することにより、第1コイル状回路と第2コイル状回路とを容易かつ確実に接続できる。
【0017】
当該フレキシブルプリント配線板は、上記磁性シートが、平面視で上記第1コイル状回路占有領域及び上記第2コイル状回路占有領域とそれぞれの投影面積の90%以上で重複することが好ましい。このように磁性シートと第1コイル状回路及び第2コイル状回路との重複面積を90%以上とすることにより、磁性シートで第1コイル状回路及び第2コイル状回路が形成した磁束の大半を補足できるので、金属の近接による第1コイル状回路及び第2コイル状回路インダクタンスの低下をより確実に防止できる。
【0018】
当該フレキシブルプリント配線板は、上記第1コイル状回路及び上記第2コイル状回路の互いに接続されていない端部にそれぞれ設けた一対の接続端子と、上記第1コイル状回路又は上記第2コイル状回路内に設けた中間端子と有することが好ましい。このように一対の接続端子を設けることによって、第1コイル状回路及び第2コイル状回路を1つのコイルとして取り扱うことができ、さらに第1コイル状回路又は第2コイル状回路内に中間端子を設けることによって、第1コイル状回路及び第2コイル状回路をそれぞれ独立したコイルとして取り扱うこともできる。また、第1コイル状回路及び第2コイル状回路間が磁性体層によって磁気的に隔離されるため、第1コイル状回路及び第2コイル状回路間の干渉による通信性能の低下が生じ難い。また、中間端子は、第1コイル状回路と第2コイル状回路とを直列に接続した回路を所望のインピーダンスを有する2つの回路に再分割できる。この構成では、2つのコイルを互いに離して設置する必要がないため、複数のコイルを小さいスペースに配設できる。
【0019】
当該フレキシブルプリント配線板は、上記第1コイル層及び上記第1絶縁層と上記第2コイル層及び上記第2絶縁層とが、それぞれ片面板を形成することが好ましい。このように第1コイル層及び第1絶縁層と第2コイル層及び第2絶縁層とがそれぞれ片面板を形成することにより、第1絶縁層及び第2絶縁層が第1コイル層及び第2コイル層を形成するための基材としても利用されるため、当該フレキシブルプリント配線板全体の層の数を少なくできると共に、第1コイル状回路及び第2コイル状回路と磁性体との接触を確実に防止できる。なお、片面板とは、基材フィルムの片面のみに回路を形成した片面プリント配線板を意味する。
【0020】
当該フレキシブルプリント配線板は、最表面及び最裏面の少なくともいずれかにカバーレイが積層されていることが好ましい。このようにカバーレイを備えることにより、当該フレキシブル配線板を電子機器に組み込む際の短絡や損傷を防止できる。
【0021】
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係るフレキシブルプリント配線板の一実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
【0022】
[フレキシブルプリント配線板]
図1及び図2のフレキシブルプリント配線板は、平面視概略長方形のシート状に形成され、表面側から順に、第1カバーレイ1と、第1コイル状回路2を構成する第1コイル層3と、合成樹脂製の第1絶縁層4と、強磁性材料を含む複数の磁性シート5及びこれらの磁性シート5が嵌合する補強シート6を有する磁性体層7と、合成樹脂製の第2絶縁層8と、第2コイル状回路9を構成する第2コイル層10と、第2カバーレイ11と、第1絶縁層4、補強シート6及び第2絶縁層8を貫通して第1コイル状回路2と第2コイル状回路9とを電気的に接続するスルーホール12とを備える。
【0023】
<カバーレイ>
第1カバーレイ1及び第2カバーレイ11は、当該フレキシブルプリント配線板において主に第1コイル層3及び第2コイル層10を保護するものである。これらの第1カバーレイ1及び第2カバーレイ11は、カバーフィルム13とカバーフィルム接着層14とをそれぞれ有する。また、第1カバーレイ1には、後述する第1接続端子17、中間端子18及び第2接続端子19にアクセスできるようにするための開口15が形成されている。
【0024】
(カバーフィルム)
カバーフィルム13は、可撓性及び絶縁性を有することが好ましい。カバーフィルム13の主成分としては、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。特に、耐熱性の観点からポリイミド樹脂が好ましい。なお、このカバーフィルム13は、主成分以外の他の樹脂、耐候剤、帯電防止剤等を含有してもよい。なお、主成分とは、最も含有量の多い成分であり、例えば材料中50質量%以上を占める成分を指す。
【0025】
カバーフィルム13の平均厚さの下限としては、特に限定されないが、3μmが好ましく、10μmがより好ましい。また、カバーフィルム13の平均厚さの上限としては、特に限定されないが、500μmが好ましく、150μmがより好ましい。カバーフィルム13の平均厚さが上記下限未満の場合、第1コイル層3、第2コイル層10等の保護が不十分となるおそれがあると共に、カバーフィルム13に絶縁性が求められる場合には絶縁性が不十分となるおそれがある。一方、カバーフィルム13の平均厚さが上記上限を超える場合、第1コイル層3、第2コイル層10等の保護効果の上積みが少なくなるおそれがあると共に、カバーフィルム13に可撓性が求められる場合には可撓性が不十分となるおそれがある。
【0026】
ここで、「平均厚さ」とは、任意の十点において測定した厚さの平均値をいう。なお、以下において他の部材等に対して「平均厚さ」という場合にも同様に定義される。
【0027】
(カバーフィルム接着層)
カバーフィルム接着層14を構成する接着剤としては、特に限定されるものではないが、柔軟性や耐熱性に優れたものが好ましい。かかる接着剤としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の各種の樹脂系接着剤が挙げられる。
【0028】
カバーフィルム接着層14の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、カバーフィルム接着層14の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。カバーフィルム接着層14の平均厚さが上記下限未満の場合、第1カバーレイ1及び第2カバーレイ11の第1コイル層3及び第2コイル層10に対する接着強度が不十分となるおそれがある。また、カバーフィルム接着層14の平均厚さが上記上限を超える場合、当該フレキシブルプリント配線板が無用に厚くなるおそれがある。
【0029】
<コイル層>
第1コイル層3及び第2コイル層10は、導電性を有する材料からなる層であり、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9をそれぞれ構成する。これらの第1コイル層3及び第2コイル層10は、後述の第1絶縁層4及び第2絶縁層8とそれぞれ片面板を形成している。つまり、第1コイル層3及び第2コイル層10は第1絶縁層4及び第2絶縁層8の片面に予め形成されている。
【0030】
これら第1コイル層3及び第2コイル層10の材質としては、導電性を有するものであればよいが、電気抵抗が小さいものが好ましい。例えば、第1コイル層3及び第2コイル層10は銅によって形成される。また、第1コイル層3及び第2コイル層10の表面に金、銀、錫等でめっきを行ってもよい。
【0031】
第1コイル層3及び第2コイル層10の平均厚さの下限としては、0.1μmが好ましく、1μmがより好ましい。一方、第1コイル層3及び第2コイル層10の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、80μmがより好ましい。第1コイル層3及び第2コイル層10の平均厚さが上記下限未満の場合、内部抵抗が大きくなり損失が過大となるおそれがあると共に、強度が不足して第1コイル層3及び第2コイル層10が断裂しやすくなるおそれがある。また、第1コイル層3及び第2コイル層10の平均厚さが上記上限を超える場合、当該フレキシブルプリント配線板が無用に厚くなるおそれがある。
【0032】
第1コイル層3及び第2コイル層10により構成される第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9は、外形が略長方形の渦巻きを描くように、後述する絶縁層4及び絶縁層8の外形線に沿って延伸する帯状の電気流路である。第1コイル状回路2は表面側から見て内側に向かって右回りに延伸し、第2コイル状回路9は表面側から見て外側に向かって右回りに延伸する。第1コイル状回路2と第2コイル状回路9とは、各帯状部分が平面視で略重複するように配置されている。
【0033】
図1に示すように、第1コイル層3は、第1コイル状回路2の外側の端部に設けた第1接続端子17と、第1コイル状回路2の内側の端部近傍に設けた中間端子18と、第1コイル状回路2の外に設けた第2接続端子19とを有する。
【0034】
また、図2に示すように、第1コイル状回路2の内側の端部と第2コイル状回路9の内側の端部とは、スルーホール12によって電気的に接続されている。同様に、第2コイル状回路9の外側の端部と第2接続端子19とも、別のスルーホール12によって電気的に接続されている。
【0035】
これにより、第1接続端子17及び第2接続端子19間には、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9が直列に接続されたインダクタンスの大きい1つのコイルを有する回路が形成される。また、第1接続端子17及び中間端子18間には第1コイル状回路2だけを有する回路が形成され、中間端子18及び第2接続端子19間には、第2コイル状回路9だけを有する回路が形成されている。これらの端子に配線を接続することで、上記回路を選択して使用できる。
【0036】
第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の各帯状部分の平均幅の下限としては、0.03mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。一方、各帯状部分の平均幅の上限としては、1.5mmが好ましく、1.25mmがより好ましい。第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の各帯状部分の平均幅が上記下限未満の場合、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の機械的強度が不足し、破断するおそれがある。また、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の各帯状部分の平均幅が上記上限を超える場合、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9、ひいては当該フレキシブルプリント配線板が無用に大きくなるおそれがある。なお、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の各帯状部分の幅は、すべて等しいことが好ましい。
【0037】
第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の各帯状部分の隙間(絶縁距離)としては、例えば0.02mm以上4.5mm以下とすることができる。
【0038】
<絶縁層>
第1絶縁層4及び第2絶縁層8は、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9と後述する磁性シート5との電気的接触による短絡を防止するための合成樹脂製の層である。また、図1及び図2のフレキシブルプリント配線板において、第1絶縁層4及び第2絶縁層8は、第1コイル層3及び第2コイル層10と片面板を形成している。具体的には、第1コイル層3は第1絶縁層4の表面側に形成され、第2コイル層10は第2絶縁層8の裏面側に形成されている。つまり、第1絶縁層4及び第2絶縁層8は、第1コイル層3及び第2コイル層10を形成するためのベースフィルム(基材)でもある。
【0039】
第1絶縁層4及び第2絶縁層8に用いる合成樹脂としては、絶縁性を有するものであればよいが、特に、可撓性及び電気絶縁性を有するシート状に形成された合成樹脂フィルムを採用できる。この合成樹脂フィルムの材料としては、例えばポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂等が好適に用いられる。
【0040】
第1絶縁層4及び第2絶縁層8の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、第1絶縁層4及び第2絶縁層8の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。第1絶縁層4及び第2絶縁層8の平均厚さが上記下限未満の場合、第1絶縁層4及び第2絶縁層8の絶縁強度が不十分となるおそれがある。また、第1絶縁層4及び第2絶縁層8の平均厚さが上記上限を超える場合、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の磁束の結合が低下し、インダクタンスが小さくなるおそれがある。また、当該フレキシブルプリント配線板が無用に厚くなるおそれもある。
【0041】
これらの第1絶縁層4及び第2絶縁層8は、それぞれ、接着剤層20によって磁性体層7に接着されている。
【0042】
(接着剤層)
これら接着剤層20を形成する接着剤の材質としても、特に限定されるものではないが、柔軟性や耐熱性に優れたものが好ましい。かかる接着剤としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の各種の樹脂系の接着剤が挙げられる。これらの接着剤をフィルム上に成形したボンディングシートが接着剤層20として好適に使用できる。
【0043】
接着剤層20の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、接着剤層20の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。接着剤層20の平均厚さが上記下限未満の場合、第1絶縁層4及び第2絶縁層8と磁性体層7との接着強度が不十分となるおそれがある。また、接着剤層20の平均厚さが上記上限を超える場合、当該フレキシブルプリント配線板が無用に厚くなるおそれがある。
【0044】
<磁性体層>
磁性体層7は、図1に示すように、補強シート6に形成した嵌合孔16に、磁性シート5が嵌合することにより構成されている。図1のフレキシブルプリント配線板において、磁性シート5は、2つの嵌合孔16に分割配設されている。
【0045】
(磁性シート)
磁性シート5は、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9が形成する磁束を補足して遮断する。磁性シート5の材質としては、強磁性体を含むことにより磁束を効率よく補足できるものであればよいが、可撓制を有するものが好ましい。磁性シート5としては、合成樹脂中に強磁性体を分散したものが使用でき、ノイズ抑制シート等の名称で市販されているものが利用可能である。
【0046】
磁性シート5は、磁性体層7における第1コイル状回路2の占有領域と第2コイル状回路9の占有領域との合成投影領域に配置されている。具体的には、2つの磁性シート5は、同一形状の略L字状に形成され、組み合わされて概略1つの長方形枠状になるように点対称に配置されている。
【0047】
磁性シート5と第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9との重複面積の下限は、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9のそれぞれ占有領域の投影面積に対して90%が好ましく、95%がより好ましい。磁性シート5と第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9との重複面積が上記下限未満の場合、磁性シート5が第1コイル状回路2又は第2コイル状回路9が形成する磁束を十分に補足できず、当該フレキシブルプリント配線板の近傍に存在する金属の影響により第1コイル状回路2又は第2コイル状回路9の見かけのインダクタンスの低下を防止する効果が不十分となるおそれがある。
【0048】
より具体的には、磁性シート5は、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の投影形状を包含する長方形領域から第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の内側に形成される長方形部分を除いた長方形枠状の概形を有する。そして、磁性シート5は、この概形から、内側長方形部分の一対の長辺を互いに反対方向外側に上記長方形枠の外周部まで延伸するエッジを形成するよう2つの帯状部分をさらに取り除くことによって、2つの略L字状の部分に分割された形状を有する。よって、磁性シート5を2つに分割する上記帯状部分のみが、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の占有領域と重複していない。第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9間を接続する後述のスルーホール12は、補強シート領域である上記帯状部分に磁性シート5を避けて配設されている。
【0049】
磁性シート5の比透磁率の下限としては、20が好ましく、30より好ましい。一方、磁性シート5の比透磁率の上限としては、500が好ましく、300がより好ましい。磁性シート5の比透磁率が上記下限未満の場合、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の磁束の結合が低下することによりインダクタンスが小さくなるため、当該フレキシブルプリント配線の小型化を阻むおそれがある。また、磁性シート5の比透磁率が上記上限を超える場合、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の直流抵抗が大きくなり、当該フレキシブルプリント配線の通信性能が低下するおそれがある。また、磁性シート5がオーバースペックとなり、当該フレキシブルプリント配線板が高価になるおそれもある。
【0050】
磁性シート5の厚さの下限としては、10μmが好ましく、20μmがより好ましい。一方、磁性シート5の厚さの上限としては、500μmが好ましく、300μmがより好ましい。磁性シート5の厚さが上記下限未満の場合、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9が形成した磁束を十分に遮断できず、通信性能が低下するおそれがある。また、磁性シート5の厚さが上記上限を超える場合、当該フレキシブルプリント配線板が無用に厚くなるおそれがある。
【0051】
(補強シート)
補強シート6は、2つの嵌合孔16の中に磁性シート5を位置決めして保持すると共に、磁性体層7の第1絶縁層4及び第2絶縁層8に対する接着性を向上させる部材である。つまり、磁性体層7において、上記磁性シート5の中央の長方形部分及び磁性シート5を2つに分割する帯状部分には、この補強シート6が存在している。このように、磁性シート5を補強シート6の嵌合孔16の中に収容することで、仮に磁性シート5に割れや欠けが生じて磁性体の粉末が生じても、当該フレキシブルプリント配線板の内部空間に保留して外部に飛散させないようにできる。
【0052】
また、補強シート6は、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の占有領域における磁性シート5が配設されていない上記帯状部分に、第1コイル状回路2の内側端部と第2コイル状回路9の内側端部とを接続するスルーホール12、及び第2コイル状回路9の外型端部と第1コイル層3の第1接続端子17とを接続するスルーホール12が貫通している。
【0053】
補強シート6の材質としては、特に限定されないが、第1絶縁層4及び第2絶縁層8と同様の樹脂フィルムが好適に使用できる。また、補強シート6の厚さは、磁性シート5と略同じ厚さとする。
【0054】
補強シート6の外周縁から嵌合孔16までの最小距離の下限としては、0.5mが好ましく、1mmがより好ましい。一方、補強シート6の外周縁から嵌合孔16までの最小距離の上限としては、5mmが好ましく、3mmがより好ましい。補強シート6の外周縁から嵌合孔16までの最小距離が上記下限未満の場合、補強シート6と第1絶縁層4及び第2絶縁層8との接着が不完全となり、磁性シート5から生じた磁性材料の粉末を当該フレキシブルプリント配線板の内部に封止できないおそれがある。また、補強シート6の外周縁から嵌合孔16までの最小距離の距離が上記上限を超える場合、当該フレキシブルプリント配線板が無用に大型化するおそれがある。
【0055】
<スルーホール>
スルーホール12は、第1コイル層3、第1絶縁層4、接着剤層20、磁性体層7、接着剤層20、第2絶縁層8及び第2コイル層10を貫通し、第1コイル状回路2と第2コイル状回路9とを電気的に接続する。このようなスルーホール12は、上記各層を積層した積層体に貫通孔を形成し、この貫通孔に銅等の金属メッキをすることで形成できる。また、銀ペースト、銅ペースト等を注入して加熱硬化させることによっても形成できる。スルーホール12の径としては、加工性、導通特性等を考慮して適宜選択されるが、例えば350μmとすることができる。
【0056】
<製造方法>
当該フレキシブルプリント配線板は、(1)片面板形成工程、(2)磁性体層形成工程、(3)積層工程、(4)スルーホール形成工程及び(5)カバーレイ積層工程を有する製造方法によって容易かつ確実に製造できる。
【0057】
<(1)片面板形成工程>
片面板形成工程では、第1絶縁層4及び第2絶縁層8にそれぞれ導電材料を積層して第1コイル層3及び第2コイル層10を形成する。第1コイル層3の第1コイル状回路2及び第2コイル層10の第2コイル状回路9の平面形状は、導電性材料の積層方法等に応じて適当な方法により形成できる。例えば、第1絶縁層4及び第2絶縁層8に積層した金属膜にマスキングを施してエッチングすることで、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9を形成できる。この金属膜の形成方法は、例えば、金属箔等を第1絶縁層4及び第2絶縁層8に接着剤等により貼着してもよく、第1絶縁層4及び第2絶縁層8に金属を蒸着して形成してもよい。また、第1コイル層3及び第2コイル層10を導電性ペーストで形成する場合には、印刷技術によって第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9を形成できる。
【0058】
<(2)磁性体層形成工程>
磁性体層形成工程では、磁性シート5及び補強シート6をそれぞれシート状の母材から切り出し、磁性シート5を補強シート6に形成した嵌合孔16に嵌合させて磁性体層7を形成する。
【0059】
<(3)積層工程>
積層工程では、上記絶縁層形成工程で形成した磁性体層7の表裏に上記片面板形成工程で形成した第1コイル層3及び第1絶縁層4からなる片面板、並びに第2コイル層10及び第2絶縁層8からなる片面板を、それぞれ接着剤層20を介して積層する。
【0060】
<(4)スルーホール形成工程>
スルーホール形成工程では、上記積層工程で形成した第1コイル層3、第1絶縁層4、磁性体層7、第2絶縁層8及び第2コイル層10の積層体を貫通するスルーホール12を形成する。スルーホール12は、上記積層体に貫通孔を穿設し、この貫通孔に銅等の金属メッキをすることで形成できる。また、貫通孔に銀ペースト、銅ペースト等を注入して加熱硬化させることによっても形成できる。上記貫通孔の穿設方法としては、エッチング加工、レーザー加工、パンチング加工等が適用できる。さらに、補強のため、スルーホール12内部の空洞に樹脂等を充填してもよい。
【0061】
<(5)カバーレイ積層工程>
カバーレイ積層工程では、第1コイル層3の表面に第1カバーレイ1を積層すると共に、第2コイル層10の裏面に第2カバーレイ11を積層する。具体的には、第1カバーレイ1及び第2カバーレイ11は、第1コイル層3及び第2コイル層10にカバーフィルム接着層14を介してカバーフィルム13を貼着することで形成できる。
【0062】
<利点>
当該フレキシブルプリント配線板は、第1コイル層3と第2コイル層10との間に磁性体層7が配置されている。このため、第1コイル状回路2と第2コイル状回路9との磁束の結合が向上し、単位面積当たりのインダクタンスの増加が見込めるので、第1コイル層3、第2コイル層10及び磁性体層7の小型化を図ることができる。さらに、当該フレキシブルプリント配線板は、磁性シート5の両面を利用することにより高価な磁性材料の使用量が少なくて済むので安価に提供できる。
【0063】
また、磁性シート5による第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9の磁束の結合向上により、磁束の漏れが減少する。従って、当該フレキシブルプリント配線板の近傍に金属が存在していても、その金属中に発生する渦電流を抑え、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9のインダクタンスの低下を抑制できる。
【0064】
また、当該フレキシブルプリント配線板において、嵌合孔16に嵌合している磁性シート5は、その周縁が補強シート6によって取り囲まれると共にその表裏面が第1絶縁層4と第2絶縁層8との間に挟みこまれている。このため、磁性シート5が損傷して内包する磁性材料粉末が分離されても、それらの磁性材料粉末は嵌合孔16の中に封止されて外部に漏出しない。よって、当該フレキシブルプリント配線板は、発塵がないので取り扱いが容易である。
【0065】
また、当該フレキシブルプリント配線板は、磁性シート5が第1コイル状回路2の占有領域と上記第2コイル状回路9の占有領域との合成投影領域に配置されているため、磁性体層7の中央部には補強シート6が配置されている。補強シート6には接着剤層20に対する接着性の高い材料を選択できるので、当該フレキシブルプリント配線板は、容易かつ確実に組み立てられると共に、層間剥離の危険性が低く、信頼性及び機械的強度が高い。
【0066】
また、磁性シート5を2つに分割したことにより、大きなシート状の母材から磁性シート5を切り出す際の面積効率を高められる。これにより、当該フレキシブルプリント配線板の製造コストを一層低減できる。
【0067】
当該フレキシブルプリント配線板において、第1コイル状回路2と第2コイル状回路9とを接続するスルーホール12は、第1コイル状回路2の占有領域と上記第2コイル状回路9の占有領域との合成投影領域内で、磁性シート5の間の補強シート6を貫通するように配置されている。このような配置とすることにより、第1コイル状回路2と上記第2コイル状回路9とを接続する電気流路を短く簡素な構成にできるので、第1コイル状回路2と第2コイル状回路9とを容易かつ確実に接続できる。
【0068】
当該フレキシブルプリント配線板では、第1コイル層3及び第1絶縁層4と第2コイル層10及び第2絶縁層8とがそれぞれ片面板を形成している。このため、第1絶縁層4及び第2絶縁層8が第1コイル層3及び第2コイル層10を形成するための基材としても利用されるので、当該フレキシブルプリント配線板全体の層の数を少なくできる。また、このように構成すれば、第1絶縁層4及び第2絶縁層8の厚さが一定となり、第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9と磁性シート5との接触を確実に防止できる。
【0069】
また、当該フレキシブルプリント配線板は、最表面及び最裏面にカバーレイ1、11を備えるので、当該フレキシブルプリント配線板を電子機器に組み込む際に第1コイル状回路2及び第2コイル状回路9が損傷したり短絡したりすることが防止される。
【0070】
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0071】
上記実施形態では、補強シート6に2つの嵌合孔16を形成し、磁性シート5を2分割としたが、磁性シート5を3つ以上に分割してもよく、分割されない1枚の磁性シート5を使用してもよい。また、磁性体層7の中央(第1コイル状回路2と及び上記第2コイル状回路9の内側領域)には、補強シート6ではなく磁性シート5が配置されてもよい。さらに、補強シート6を全く使用せず、第1絶縁層4及び第2絶縁層8と同じ大きさの1枚の磁性シート5を使用してもよい。
【0072】
また、当該フレキシブルプリント配線板において、第1絶縁層4及び第2絶縁層8が第1コイル層3及び第2コイル層10と片面板を形成しなくてもよい。例えば、第1コイル層3の表面側及び第2コイル層10の裏面側に第1コイル層3及び第2コイル層10と共にそれぞれ片面板を形成する基材フィルムを設けもよい。この基材フィルムは、上記カバーレイ1、11と兼用されてもよい。この場合、第1コイル層3及び第2コイル層10と磁性体層7との間は、接着剤層20によって絶縁してもよく、さらなる絶縁フィルムの層を設けて絶縁を確保してもよい。さらなる代案として、磁性体層7に第1絶縁層4及び第2絶縁層8を積層した後に、例えば導電性ペースト等を使用して、第1絶縁層4及び第2絶縁層8に第1コイル層3及び第2コイル層10を形成してもよい。
【0073】
また、当該フレキシブルプリント配線板において、中間端子18は、第1コイル状回路2の任意の位置に配設できる。また、中間端子18は、第2コイル状回路9上の任意の位置に配設することもできる。その場合、裏面側のカバーレイ11に中間端子18にアクセスするための開口を形成してもよく、さらなるスルーホールを設けて中間端子18に接続してもよい。
【0074】
また、当該フレキシブルプリント配線板において、第1コイル状回路2と第2コイル状回路9とは、スルーホール12以外の手段により接続してもよい。例えば、第1コイル状回路2の表面と第2コイル状回路9の表面とを、絶縁層4、磁性体層7及び絶縁層8を迂回して接続するリード線等を配設してもよい。
【0075】
また、当該フレキシブルプリント配線板において、中間端子18は必須の構成要素ではない。逆に、当該フレキシブルプリント配線板に2以上の中間端子18を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
当該当該フレキシブルプリント配線板は、特に近距離無線通信用アンテナ装置として有用である。
【符号の説明】
【0077】
1、11 カバーレイ
2 第1コイル状回路
3 第1コイル層
4 第1絶縁層
5 磁性シート
6 補強シート
7 磁性体層
8 第2絶縁層
9 第2コイル状回路
10 第2コイル層
12 スルーホール
13 カバーフィルム
14 カバーフィルム接着層
15 開口
16 嵌合孔
17 第1接続端子
18 中間端子
19 第2接続端子
20 接着剤層
図1
図2