(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384764
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】離散個体押出粒子を製造する方法
(51)【国際特許分類】
B01J 2/20 20060101AFI20180827BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20180827BHJP
A23L 33/155 20160101ALI20180827BHJP
A61K 9/66 20060101ALI20180827BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20180827BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20180827BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20180827BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20180827BHJP
A61K 31/07 20060101ALI20180827BHJP
A61K 8/11 20060101ALI20180827BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20180827BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20180827BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
B01J2/20
A23L5/00 D
A23L33/155
A61K9/66
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/42
A61K47/14
A61K31/07
A61K8/11
A61K8/67
A61K8/73
A61K8/37
【請求項の数】28
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-543476(P2015-543476)
(86)(22)【出願日】2013年11月27日
(65)【公表番号】特表2016-507353(P2016-507353A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】EP2013074879
(87)【国際公開番号】WO2014083065
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年10月21日
(31)【優先権主張番号】12194395.5
(32)【優先日】2012年11月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】テレキ, アレクサンドラ
【審査官】
松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−526546(JP,A)
【文献】
特表2010−530240(JP,A)
【文献】
特開2010−115200(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0155447(US,A1)
【文献】
米国特許第06294212(US,B1)
【文献】
特開平07−099924(JP,A)
【文献】
特開2000−178133(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0201116(US,A1)
【文献】
特表2008−532506(JP,A)
【文献】
特開2001−252013(JP,A)
【文献】
特表2011−505158(JP,A)
【文献】
特開2000−128736(JP,A)
【文献】
特表2010−533667(JP,A)
【文献】
特表2014−516544(JP,A)
【文献】
特表2012−526547(JP,A)
【文献】
特表2005−512811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 2/00− 2/30
B01J 13/02− 13/22
A23L 5/00− 5/30
A23L 29/00− 29/10
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00− 47/69
A61K 31/00− 31/327
A61K 35/00− 35/768
A61K 36/06− 36/068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中油型エマルション小滴を含んでなる押出物が、第1のステップで製造され、前記押出物が、押出後に離散固体押出粒子にさらに成形される、離散固体押出粒子を製造する方法であって、
前記水中油型エマルション小滴が、少なくとも1種の脂溶性化合物、少なくとも1種の乳化剤および水を含んでなり、
乳化工程が押出機内で実施される、方法。
【請求項2】
前記押出物が、切断および乾燥によって離散固体押出粒子にさらに成形される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記乾燥を前記切断前、前記切断中または前記切断後に、ならびにそれらの任意の組み合わせで実施し得る、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記押出物が、球形化工程によって離散固体押出粒子にさらに成形される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記脂溶性化合物が、油またはビタミンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記脂溶性化合物が、ココナッツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、落花生油、ナタネ油、キャノーラ油、紅花油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、アーモンド油、カシュー油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、プラカシ油、ペカン油、松果油、ピスタチオ油、サチャインチ(プルケネティア・ボルビリス(Plukenetia volubilis))油、クルミ油、多価不飽和脂肪酸、油性栄養補給食品、ビタミンAまたはそのエステル、ビタミンEまたはそのエステル、ビタミンK(フィトメナジオン)、およびビタミンD3(コレカルシフェロール)からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記脂溶性化合物が、コーン油、ビタミンAまたはそのエステル、ビタミンEまたはそのエステル、および多価不飽和脂肪酸からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記乳化剤が、化工食用デンプン、ペクチン、アルギン酸塩、カラゲナン、ファーセレラン、キトサン、マルトデキストリン、デキストリン誘導体、セルロースおよびセルロース誘導体、リグノスルホネート、多糖類ガム、ゼラチン(ウシ、魚、ブタ、家禽)、植物タンパク質、動物タンパク質、レシチン、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、ソルビタンエステル、PGエステル、および糖エステル、ならびにそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記エマルションの総重量を基準にして、5wt.%〜75wt.%の少なくとも1種の脂溶性化合物が使用される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記エマルションの総重量を基準にして、5wt.%〜80wt.%の少なくとも1種の乳化剤が使用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記エマルションの総重量を基準にして、1wt.%〜90wt.%の水が使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記エマルションの総重量を基準にして、1wt.%〜80wt.%の水が使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記エマルションの総重量を基準にして、1wt.%〜85wt.%の少なくとも1種の助剤が使用され、
前記助剤が、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、第三級ブチルヒドロキシキノリン、エトキシキン、脂肪酸のアスコルビン酸エステル、可塑剤、安定剤、湿潤剤、保護コロイド、染料、香料、増量剤、および緩衝液からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
最初に前記乳化剤、次に前記水、その後に前記脂溶性化合物が添加される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記脂溶性化合物がビタミンAまたはその誘導体である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記脂溶性化合物が、ビタミンAまたはその誘導体であり、開始時に液体形態で添加される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記脂溶性化合物が、ビタミンAまたはその誘導体であり、開始時または任意の後期の段階のどちらかで、純粋な粉末として、または少なくとも1種の化工食用デンプンとの混合物として、添加される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記押出機内部の温度が、20℃〜220℃である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
成分の前記押出機内部の総滞留時間が、1〜400sである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
水中油型エマルション小滴を含んでなる球状の離散固体押出粒子であって、
前記水中油型エマルション小滴が、
少なくとも1種の脂溶性化合物、
化工食用デンプンである乳化剤、および
水
を含んでなり(ただし、加水分解レシチン生成物を含む場合を除く)、
前記水中油型エマルション小滴の平均粒度が、300nm未満であり、
前記離散固体押出粒子の含水量が、総重量を基準にして10wt.%未満であり、
前記離散固体押出粒子の円形度(HS Circularity)が0.91以上である、前記離散固体押出粒子。
【請求項21】
1000μm未満の粒度を有する、請求項20に記載の粒子。
【請求項22】
前記離散固体押出粒子の総重量を基準にして、5wt.%〜75wt.%の少なくとも1種の脂溶性化合物、
前記離散固体押出粒子の総重量を基準にして5wt.%〜80wt.%の前記乳化剤、および
前記離散固体押出粒子の総重量を基準にして、10wt.%未満の水を含んでなる、請求項20または21に記載の粒子。
【請求項23】
前記離散固体押出粒子の総重量を基準にして、8wt.%〜70wt.%のココナッツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、落花生油、ナタネ油、キャノーラ油、紅花油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、アーモンド油、カシュー油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、プラカシ油、ペカン油、松果油、ピスタチオ油、サチャインチ(プルケネティア・ボルビリス(Plukenetia volubilis))油、多価不飽和脂肪酸(PUFA)、栄養補給食品、ビタミンAまたはそのエステル、ビタミンEまたはそのエステル、ビタミンK(フィトメナジオン)、およびビタミンD3(コレカルシフェロール)からなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性化合物を含んでなる、請求項20〜22のいずれか一項に記載の粒子。
【請求項24】
前記離散固体押出粒子の総重量を基準にして、8wt.%〜80wt.%の前記乳化剤を含んでなる、請求項20〜23のいずれか一項に記載の粒子。
【請求項25】
前記離散固体押出粒子の総重量を基準にして、6wt.%未満の水を含んでなる、請求項20〜24のいずれか一項に記載の粒子。
【請求項26】
前記離散固体押出粒子の総重量を基準にして、1wt.%〜80wt.%のアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、第三級ブチルヒドロキシキノリン、エトキシキン、脂肪酸のアスコルビン酸エステル、可塑剤、安定剤、湿潤剤、保護コロイド、染料、香料、増量剤、および緩衝液からなる群から選択される少なくとも1種の助剤を含んでなる、請求項20〜25のいずれか一項に記載の粒子。
【請求項27】
食品、飼料、医薬品またはパーソナルケア製品中における、請求項20〜26のいずれか一項に記載の粒子の使用。
【請求項28】
請求項20〜26のいずれか一項に記載の粒子を含んでなる、食品、飼料、医薬品またはパーソナルケア製品。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、エマルション小滴を含んでなる離散個体押出粒子を製造する方法、このような粒子、ならびに食品、飼料、医薬品、およびパーソナルケア用途におけるこのような粒子の使用に関する。
【0002】
脂溶性化合物を配合する多数の方法がある。脂溶性化合物は、例えば油およびビタミンである。配合物のタイプは、すなわち、最終用途におけるこれらの配合物の用途、ならびに使用される材料(成分)の種類に左右される。
【0003】
脂溶性化合物を配合する一方法は、乾燥エマルションである。脂溶性化合物は水中油型乳剤に乳化され、その中で水性相は、マトリックス材料および/または適切な乳化剤を含有する。乾燥後、脂溶性化合物は、マトリックス材料中に包埋される。
【0004】
乳化のための既知の技術は、例えばロータステータシステム、高圧ホモジナイザーまたは超音波装置である。これらの技術の主な不都合は、比較的低粘度(通常は1Pasを下回る)が要求されることであり、乳剤中の大量の水につながり、それは最後に除去する必要がある。
【0005】
押出工程(および押出機)は、配合の分野で周知である。これらは、多数の異なる種類の材料のために使用し得る。技術は、最初に生ゴム(天然ガム)産業で使用された。しかししばらく後には、食品や飼料産業もまた、それらの目的のためにこの技術を採用した。
【0006】
押出技術を使用することの主な利点は、高粘性の溶液を配合し得て、分散中でより小量の水を使用し得ることであり、それは従って、必要とされる乾燥が減少することである。さらに押出工程は、連続プロセスとして実施し得る。
【0007】
脂溶性ビタミンを含んでなるエマルションの押出は、先行技術に見られる。米国特許出願公開第2004/0201116号明細書は、高圧ホモジナイザーのような装置を使用するエマルション製造と、引き続く第2の工程段階としての直接ペレット化または押出との組み合わせによって得られるペレットを開示する。
【0008】
本発明の目的は、例えば油またはビタミンなどの脂溶性化合物を含んでなる、水中油型エマルション小滴を含んでなる押出物の製造を改良する(簡素化もする)方法を見出すことであった。
【0009】
次にこれらの押出物はまた、粒子表面に水中油型エマルション小滴の低い割合を有する(低い表面含油量)、優れた流動性を有する形態に成形されるべきである。
【0010】
本発明との関連において、押出物という用語は、押出機を出る、まださらに加工されていない製品形態と定義される。
【0011】
このような離散固体押出粒子を製造する、新規方法が発見された。驚くことに、乳化を押出機内部で実施して、その後、押出物を離散固体押出粒子にさらに成形すると、工程ならびに得られる押出物および離散固体押出粒子が改善されることが分かった。
【0012】
乳化を押出機(押出装置)内で実施して、その後、押出物を離散固体押出粒子にさらに成形すると、
(i)非常に小さな平均分散小滴サイズを得ることができ、
(ii)小滴径の非常に狭い単峰性分布が得られ、
(iii)このような方法は、連続工程として容易に実施され得て、
(iv)有機溶剤は使用されず、
(v)より少ない水を利用し得て、したがって押出物を乾燥するためにより少ないエネルギーが必要とされ、
(vi)離散固体押出粒子の優れた流動性、および
(vii)離散固体押出粒子の低い表面含油量(1%未満)。
【0013】
したがって本発明は、水中油型エマルション小滴を含んでなる押出物が第1のステップで製造され、
押出物が、押出後に離散固体押出粒子にさらに成形される、離散固体押出粒子を製造する方法に関する。
【0014】
本発明の好ましい実施形態は、水中油型エマルション小滴が、少なくとも1種の脂溶性化合物および少なくとも1種の乳化剤および水を含んでなり、乳化工程が押出機内で実施される、上述したような方法に関する。
【0015】
本発明の好ましい実施形態は、押出物が切断および乾燥によって、離散固体押出粒子にさらに成形される、上述したような方法に関する。
【0016】
本発明の好ましい実施形態は、乾燥を切断前、切断中または切断後に、ならびにそれらの組み合わせで実施し得る、上述したような方法に関する。
【0017】
本発明の好ましい実施形態は、押出物が、球形化工程によって離散固体押出粒子にさらに成形される、上述したような方法に関する。
【0018】
脂溶性化合物として、任意の既知の有用な脂溶性化合物を使用し得る。脂溶性化合物は、(エーテル、クロロホルム、および油などの)非極性物質に可溶性の化合物である。脂溶性化合物の例は、すなわち、油およびビタミンである。
【0019】
油は、任意の起源に由来し得る。それらは、天然、化工または合成であり得る。油が天然である場合、それらは植物油または動物油であり得る。適切な油は、すなわち、ココナッツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、落花生油、ナタネ油、キャノーラ油、紅花油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、アーモンド油、カシュー油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、プラカシ油、ペカン油、松果油、ピスタチオ油、サチャインチ(プルケネティア・ボルビリス(Plukenetia volubilis))油、クルミ油、多価不飽和脂肪酸(トリグリセリドおよび/またはエチルエステルなど、(例えばアラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびγ−リノレン酸および/またはエチルエステル)、および油性栄養補給食品(ローズマリー抽出物、オレガノ抽出物、ホップ抽出物、およびその他の親油性植物抽出物など)である。
【0020】
多価不飽和脂肪酸(PUFA)は、分子の炭素鎖内の二重結合の位置によって、n−9、n−6またはn−3 PUFAに分類される。
【0021】
n−6 PUFAの例は、リノール酸(C18:2)、アラキドン酸(ARA、C20:4)、γ−リノレン酸(GLA、C18:13)、およびジホモ−γ−リノレン酸(DGLA、C20:3)である。n−3 PUFAの例は、α−リノレン酸(C18:13)、エイコサペンタエン酸(EPA、C20:5)、およびドコサヘキサエン酸(DHA、C22:6)である。
【0022】
本発明では、ビタミンAまたはそのエステル(例えばビタミンA酢酸エステルおよびビタミンAパルミチン酸エステル)、ビタミンEまたはそのエステル(例えばビタミンE酢酸エステル)、ビタミンK(フィトメナジオン)、およびビタミンD3(コレカルシフェロール)などの脂溶性ビタミンが、検討される。このようなビタミンは、商業的供給元から容易に入手できる。それらはまた、当業者により従来法によって調製されてもよい。ビタミンは、純粋形態で使用されてもよく、または脂肪または油などの適切な希釈剤中で使用されてもよい。
【0023】
ビタミンAおよび/または例えばパルミチン酸レチニルおよび/または酢酸レチニルなどのレチニルエステル、およびビタミンEまたはそのエステル(例えばビタミンE酢酸エステル)が、特に好ましい。
【0024】
したがって本発明の好ましい実施形態は、脂溶性化合物が、少なくとも1種の油および/または少なくとも1種の脂溶性ビタミンである、上述したような方法に関する。
【0025】
より好ましいのは、1つまたは複数の脂溶性化合物が、ココナッツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、落花生油、ナタネ油、キャノーラ油、紅花油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、アーモンド油、カシュー油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、プラカシ油、ペカン油、松果油、ピスタチオ油、サチャインチ(プルケネティア・ボルビリス(Plukenetia volubilis))油、クルミ油、PUFA(例えば、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびγ−リノレン酸および/またはエチルエステルなど、ならびにリノール酸、アラキドン酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸などのトリグリセリドおよび/またはエチルエステル)、油性栄養補給食品(ローズマリー抽出物、オレガノ抽出物、ホップ抽出物、およびその他の親油性植物抽出物など)、ビタミンAまたはそのエステル(例えばビタミンA酢酸エステルおよびビタミンAパルミチン酸エステル)、ビタミンEまたはそのエステル(例えばビタミンE酢酸エステル)、ビタミンK(フィトメナジオン)、およびビタミンD3(コレカルシフェロール)からなる群から選択される方法である。
【0026】
特に好ましい方法では、1つまたは複数の脂溶性化合物が、コーン油、ビタミンAまたはそのエステル(例えばビタミンA酢酸エステルおよびビタミンAパルミチン酸エステル)、ビタミンEまたはそのエステル(例えばビタミンE酢酸エステル)、およびPUFA(特にリノール酸、アラキドン酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸)からなる群から選択される。
【0027】
本発明による方法では、少なくとも1種の乳化剤が使用される。任意の一般に知られて使用される乳化剤を使用し得る。乳化剤は、その後の離散固体押出粒子の最終用途に応じて選択し得る。これは、本発明による方法によって得られる離散固体押出粒子が、食品または飼料製品で使用される場合、乳化剤が食品または飼料等級でなくてはならないことを意味する。
【0028】
そしてそれらが医薬用途で使用される場合、乳化剤は医薬品等級でなくてはならない。
【0029】
適切な乳化剤は、すなわち、化工(食用)デンプン、ペクチン、アルギン酸塩、カラゲナン、ファーセレラン、キトサン、マルトデキストリン、デキストリン誘導体、セルロースおよびセルロース誘導体(例えば、酢酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、リグノスルホネート、多糖類ガム(アカシアガム、アラビアガム、亜麻仁ガム、ガッチガム、タマリンドガム、およびアラビノガラクタンなど)、ゼラチン(ウシ、魚、ブタ、家禽)、植物タンパク質(例えば、エンドウマメ、大豆、トウゴマ種子、綿、ジャガイモ、甘藷、マニオク、ナタネ、ヒマワリ、ゴマ、亜麻仁、紅花、レンズマメ、堅果、小麦、イネ、トウモロコシ、大麦、ライ麦、オート麦、ルピナス、およびソルガムなど)、ミルクまたはホエータンパク質をはじめとする動物タンパク質、レシチン、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、ソルビタンエステル、PGエステル、および糖エステル(ならびにその誘導体)である。
【0030】
デンプンは、物理的におよび化学的に化工し得る。α化デンプンは、物理的化工デンプンの例である。酸性化工、酸化、架橋、デンプンエステル、デンプンエーテル、およびカチオン性デンプンが、化学的化工デンプンの例である。
【0031】
本発明の好ましい実施形態は、少なくとも1種の乳化剤が、化工(食用)デンプン、ペクチン、アルギン酸塩、カラゲナン、ファーセレラン、キトサン、マルトデキストリン、デキストリン誘導体、セルロースおよびセルロース誘導体(例えば酢酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、リグノスルホネート、多糖類ガム(アカシアガム、アラビアガム、亜麻仁ガム、ガッチガム、タマリンドガム、およびアラビノガラクタンなど)、ゼラチン(ウシ、魚、ブタ、家禽)、植物タンパク質(例えば、エンドウマメ、大豆、トウゴマ種子、綿、ジャガイモ、甘藷、マニオク、ナタネ、ヒマワリ、ゴマ、亜麻仁、紅花、レンズマメ、堅果、小麦、イネ、トウモロコシ、大麦、ライ麦、オート麦、ルピナス、およびソルガムなど)、ミルクまたはホエータンパク質をはじめとする動物タンパク質、レシチン、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、ソルビタンエステル、PGエステル、および糖エステル(ならびにその誘導体)からなる群から選択される方法に関する。
【0032】
本発明のより好ましい実施形態は、少なくとも1種の乳化剤が(化工)食用デンプンである方法に関する。これは((化工)食用デンプンである)1種の乳化剤のみを用いて、あるいは全てが(化工)食用デンプンである混合物または少なくとも1種の乳化剤が入っている乳化剤の混合物を用いて、方法を実施し得ることを意味する。
【0033】
水もまた、本発明による方法で使用される。しかし前述のように、通常使用される方法と比較して、より少量の水を用いて方法を実施することが可能である。
【0034】
本発明による方法では、有機溶剤は使用されない。
【0035】
配合(押出)工程で、さらなる成分(助剤)を添加することも可能である。
【0036】
このような助剤は、押出工程のために、
および/または押出物のために、
および/または離散固体粒子のために、
および/または離散固体押出粒子がその後に使用される製品(または用途)のために有用たり得る。
【0037】
このような助剤は、例えば、
抗酸化剤(アスコルビン酸またはそれらの塩、トコフェロール(合成または天然))、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、第三級ブチルヒドロキシキノリン、エトキシキンおよび/または脂肪酸のアスコルビン酸エステルなど);
可塑剤(フルクトース、グルコース、グリセロール、マンニトール、転化糖シロップ、ソルビトール、スクロース、キシリトール、プロピレングリコール、クエン酸エステル、ラクチトール、エリスリトール、およびマルチトールなど);
安定剤;
湿潤剤(グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールなど);
保護コロイド(ジェランガム、キサンタンガムなど);
染料;
香料;
増量剤、および
緩衝液
である。
【0038】
これらの助剤は、任意選択的に添加される。添加される場合、助剤の量は、押出物の総重量を基準にして、1〜85重量%(wt.%)である。
【0039】
上に列挙した脂溶性化合物、乳化剤、および助剤のための全ての選好はまた、押出物組成ならびに離散固体押出粒子にも当てはまる。
【0040】
押出工程中に材料(特に水)の損失はほとんどないので、エマルションについて示される量は、押出物の量(したがってその中でエマルションが形成される押出機に供給される量)に相当する。
【0041】
本発明による好ましい方法では、エマルションの総重量を基準にして、5wt.%〜75wt.%、好ましくは8wt.%〜70wt.%の少なくとも1種の脂溶性化合物が使用される。
【0042】
本発明による好ましい方法では、エマルションの総重量を基準にして、5wt.%〜80wt.%、より好ましくは8wt.%〜80wt.%、なおもより好ましくは10wt.%〜80wt.%の少なくとも1種の乳化剤が使用される。
【0043】
本発明による好ましい方法では、エマルションの総重量を基準にして、1wt.%〜90wt.%、より好ましくは1wt.%〜80wt.%の水が使用される。
【0044】
本発明による好ましい方法では、エマルションの総重量を基準にして、1wt.%〜80wt.%の少なくとも1種の助剤が使用される。
【0045】
したがって本発明の好ましい実施形態は、水中油型エマルション小滴を含んでなる押出物が、第1のステップで製造され、
押出物が、押出後に離散固体押出粒子にさらに成形され、
エマルションが、
エマルションの総重量を基準にして、8wt.%〜70wt.%の少なくとも1種の脂溶性化合物、および
エマルションの総重量を基準にして、8wt.%〜80wt.%、好ましくは10wt.%〜80wt.%の少なくとも1種の乳化剤、および
エマルションの総重量を基準にして、1wt.%〜80wt.%の水、および
エマルションの総重量を基準にして、1wt.%〜80wt.%の少なくとも1種の助剤
を含んでなる、離散固体押出粒子を製造する方法に関する。
【0046】
したがって本発明の好ましい実施形態は、水中油型エマルション小滴を含んでなる押出物が、第1のステップで製造され、
押出物が、押出後に離散固体押出粒子にさらに成形され、
エマルションが、
エマルションの総重量を基準にして、8wt.%〜70wt.%のココナッツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、落花生油、ナタネ油、キャノーラ油、紅花油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、アーモンド油、カシュー油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、プラカシ油、ペカン油、松果油、ピスタチオ油、サチャインチ(プルケネティア・ボルビリス(Plukenetia volubilis))油、クルミ油、PUFA((例えば、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびγ−リノレン酸および/またはエチルエステルなど、ならびにリノール酸、アラキドン酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸などのトリグリセリドおよび/またはエチルエステル)、油性栄養補給食品(ローズマリー抽出物、オレガノ抽出物、ホップ抽出物、およびその他の親油性植物抽出物など)、ビタミンAまたはそのエステル(例えばビタミンA酢酸エステルおよびビタミンAパルミチン酸エステル)、ビタミンEまたはそのエステル(例えばビタミンE酢酸エステル)、ビタミンK(フィトメナジオン)、およびビタミンD3(コレカルシフェロール)からなる群から選択される、少なくとも1種の脂溶性化合物、およびエマルションの総重量を基準にして、8wt.%〜80wt.%、好ましくは10wt.%〜80wt.%の化工(食用)デンプン、ペクチン、アルギン酸塩、カラゲナン、ファーセレラン、キトサン、マルトデキストリン、デキストリン誘導体、セルロース、およびセルロース誘導体(例えば、酢酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、リグノスルホネート、多糖類ガム(アカシアガム、アラビアガム、亜麻仁ガム、ガッチガム、タマリンドガム、およびアラビノガラクタンなど)、ゼラチン(ウシ、魚、ブタ、家禽)、植物タンパク質(例えば、エンドウマメ、大豆、トウゴマ種子、綿、ジャガイモ、甘藷、マニオク、ナタネ、ヒマワリ、ゴマ、亜麻仁、紅花、レンズマメ、ナッツ、小麦、イネ、トウモロコシ、大麦、ライ麦、オート麦、ルピナス、およびソルガムなど)、ミルクまたはホエータンパク質をはじめとする動物タンパク質、レシチン、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、ソルビタンエステル、PGエステル、および糖エステル(ならびにその誘導体)からなる群から選択される、少なくとも1種の乳化剤、および
エマルションの総重量を基準にして、1〜80wt.%の水、および
エマルションの総重量を基準にして、1〜80wt.%の抗酸化剤(アスコルビン酸またはそれらの塩、トコフェロール(合成または天然);ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA);パルミチン酸アスコルビル;没食子酸プロピル;第三級ブチルヒドロキシキノリン、エトキシキン、および/または脂肪酸のアスコルビン酸エステルなど);可塑剤(フルクトース、グルコース、グリセロール、マンニトール、転化糖シロップ、ソルビトール、スクロース、キシリトール、プロピレングリコール、クエン酸エステル、ラクチトール、エリスリトール、およびマルチトールなど);安定剤;湿潤剤(グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールなど);保護コロイド(好ましくはジェランガムおよびキサンタンガム);染料;香料;増量剤、および緩衝液からなる群から選択される、少なくとも1種の助剤を含んでなる、離散固体押出粒子を製造する方法に関する。
【0047】
したがって本発明のより好ましい実施形態は、水中油型エマルション小滴を含んでなる押出物が、第1のステップで製造され、
押出物が、押出後に離散固体押出粒子にさらに成形され、
エマルションが、
エマルションの総重量を基準にして、8wt.%〜70wt.%のコーン油、ビタミンAまたはそのエステル(例えばビタミンA酢酸エステルおよびビタミンAパルミチン酸エステル)、ビタミンEまたはそのエステル(例えばビタミンE酢酸エステル)、および多価不飽和脂肪酸(好ましくはリノール酸、アラキドン酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸からなる群から選択される、少なくとも1種の脂溶性化合物、およびエマルションの総重量を基準にして、10wt.%〜80wt.%の(化工)食用デンプンである少なくとも1種の乳化剤、および
エマルションの総重量を基準にして、1〜80wt.%の水、および
エマルションの総重量を基準にして、1〜80wt.%の抗酸化剤(アスコルビン酸またはそれらの塩、トコフェロール(合成または天然);ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA);パルミチン酸アスコルビル;没食子酸プロピル;第三級ブチルヒドロキシキノリン、エトキシキン、および/または脂肪酸のアスコルビン酸エステルなど);可塑剤(フルクトース、グルコース、グリセロール、マンニトール、転化糖シロップ、ソルビトール、スクロース、キシリトール、プロピレングリコール、クエン酸エステル、ラクチトール、エリスリトール、およびマルチトールなど);安定剤;湿潤剤(グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールなど);保護コロイド(好ましくはジェランガムおよびキサンタンガム);染料;香料;増量剤、および緩衝液からなる群から選択される、少なくとも1種の助剤を含んでなる、離散固体押出粒子を製造する方法に関する。
【0048】
上述のように、(押出機から出てくる)押出物は、エマルションと同一組成を有する。
【0049】
本発明の利点の1つは、押出物内部の(および離散固体押出粒子内の)水中油型エマルションの平均小滴径のサイズ分布が、狭く単峰性であることである。これは、脂溶性化合物が押出物内部で(および離散固体押出粒子内で)ほぼ均一に分配していることを意味し、それは、その後の非常に精密な使用量を可能にする。さらに本発明による方法は、押出物内部で(および離散固体押出粒子内で)、非常に小型の水中油型エマルション小滴を製造できるようにする。平均小滴径は、50nm程度に小さくあり得る。通常は、小滴は、1μmよりも小さい。
【0050】
好ましくは、押出物内部の(および離散固体押出粒子内の)水中油型エマルションの平均小滴径(d
3,
2)は、50nm〜300nmである。小滴径は、一般に知られる標準化された方法を使用して測定される。適切な方法は、光散乱またはレーザー回折である。
【0051】
より好ましくは、押出物内部の(および離散固体押出粒子内の)水中油型エマルションの平均小滴径(d
3,
2)は、100nm〜200nmである。
【0052】
押出工程は、乳化が押出機内部で実施されることで、特徴付けられる。通常は、3つの主成分(脂溶性化合物および乳化剤および水)が、押出機工程の異なる入口で添加される。これらの入口は、互いに間を開けて配置されている。(任意選択的に)助剤が添加される場合、それらは主成分の1つまたは複数と一緒に添加され得て、またはそれらは別のステップで添加され得る。
【0053】
通常は、乳化剤が最初に添加され、次に水、次に脂溶性化合物が添加される。押出機の2つ以上の入口を通じて異なる位置で、1つの成分を添加することもまた可能である。したがって本発明のさらなる実施形態は、最初に乳化剤(または乳化剤混合物)、次に水、その後に脂溶性化合物(または脂溶性化合物混合物)が添加される、方法に関する。
【0054】
本発明の方法の好ましい実施形態は、脂溶性化合物が、ビタミンA(またはその誘導体)である方法に関する。この場合ビタミンAは、
(i)押出機内に液体(融解)として、または
(ii)固体粉末(任意選択的に少なくとも1つの化工(食用)デンプンと予備混合される)として
のどちらかで添加され、粉末は、押出機の開始点でまたは任意の段階で工程に添加され得る)。
【0055】
押出機内部の温度は、通常は20〜220℃である。好ましくは押出機を出る押出物の温度は、<100℃であり、より好ましくは押出機内部の温度は、20〜100℃である。押出機中の成分の全滞留時間は、通常は1〜400sである。
【0056】
本発明による押出法の剪断量は、通常は200〜80000単位である。
【0057】
さらに不活性ガスを押出機にポンプで送り込むことも可能である。不活性ガスは、通常は押出機の入口にポンプで送り込む。しかしそれは、任意の押出工程段階で(そしてまた異なる位置のいくつかの入口を通じて)、ポンプで送り込むこともできる。不活性ガスは、感覚的な成分を保護するのに役立ち得る。
【0058】
押出機は、通常は、その上に様々な搬送または混練タイプのスクリュー要素が展開される、1つまたは複数のスクリュー軸を含んでなる。
【0059】
材料は、これらの要素によって(任意選択的に加圧下および高温で)、押出機を通して輸送される。押出機の終わり(出口)では、それを通じて押出材料が圧搾される押出型があり得る。その後、押出材料は、乾燥され切断される(または逆もまた然りである)。押出機は、それを通じて材料を添加し得る、いくつかの入口を有し得る。
【0060】
本発明の場合、乳化剤、脂溶性化合物、水、および任意選択的に助剤を添加するためのいくつかの入口がある。
【0061】
本発明に必須の特性は、押出物が、(押出工程後に)離散固体押出粒子にさらに成形されることである。この成形ステップは、様々な方法を使用して実施し得る。
【0062】
この成形ステップは、押出物の切断および乾燥によって実施することが適切である。乾燥は、切断前、切断中または切断後に、ならびにそれらの任意のその他の組み合わせで実施し得る。
【0063】
切断は、押出機技術で使用される任意の既知の装置によって実施し得る。
【0064】
切断条件は、離散固体押出粒子の所望のサイズに関連する。
【0065】
乾燥は、任意の既知の装置によって実施し得る。乾燥条件は、離散固体押出粒子の所望のサイズおよび所望の最終含水量に関連する。
【0066】
この成形ステップを球形化工程によって実施することもまた、適切である。球形化工程(「球形化」)は、既知の工程である。球形化中に、円柱状押出物のストランドが、球状固体粒子に転換される。この工程では、押出物のストランドが断片に分解され、次にそれらが所望の形状を有するまで丸められる。最後にそれらは、球形造粒機から排出されて、ペレットの最終含水量を得るために、任意選択の乾燥工程に移される。
【0067】
本発明はまた、(上述したような)方法によって得られる離散固体押出粒子にも関し、離散固体押出粒子はエマルション小滴を含んでなり、これらのエマルション小滴は、少なくとも1種の脂溶性化合物および少なくとも1種の乳化剤および水を含んでなり、押出物は、押出後に離散固体押出粒子にさらに成形されることで特徴付けられる。
【0068】
好ましくは、本発明はまた、(上述したような)方法によって得られる離散固体押出粒子にも関し、離散固体押出粒子はエマルション小滴を含んでなり、これらのエマルション小滴は、少なくとも1種の脂溶性化合物および少なくとも1種の乳化剤および水を含んでなり、押出物は、押出後に離散固体押出粒子にさらに成形されることで特徴付けられ、乳化工程は押出機内で実施される。上述したような全ての選好はまた、発明の方法によって得られるこのような離散固体押出粒子にも当てはまる。
【0069】
本発明のさらなる実施形態は、新規離散固体押出粒子に関する。これらの発明の離散固体押出粒子は、非常に小さな平均小滴径を有する水中油型エマルション小滴を含んでなり、小滴径の分布は狭く(ほぼ)単峰性である。
【0070】
さらにこれらの離散固体押出粒子は、低い表面含油量を有する。
【0071】
本発明による離散固体押出粒子の表面含油量は、1%未満であり(離散固体押出粒子の全含油量に対する、表面に存在する油の量によって定義される)、より好ましくは0.5%未満であり、最も好ましくは0.1%未満である。
【0072】
離散固体押出粒子の粒度は、1000μm未満であり、好ましくは700μm未満である。通常は50〜700μmである。
【0073】
50〜500μmの粒度を有する、または100〜400μmの粒度を有する離散固体押出粒子を製造することもまた可能である。
【0074】
離散固体押出粒子の粒度分布は、かなり狭い。離散固体押出粒子形状は、好ましくは球状である。
【0075】
粒度および形状は、光学的顕微鏡検査、(スキャニング)電子顕微鏡検査またはレーザー回折(サイズのみ)などの周知の方法を使用して判定される。本発明との関連においては、粒度は、粒子の最長寸法(そのような、すなわち球状粒子の場合は直径、または非球状粒子の場合は対応する球面の直径)と定義される。
【0076】
したがって本発明のさらなる実施形態は、水中油型エマルション小滴を含んでなる離散固体押出粒子に関し、これらのエマルション小滴は、
少なくとも1種の脂溶性化合物、および
少なくとも1種の乳化剤、および
水、および
任意選択的に少なくとも1種の助剤
を含んでなり、離散固体押出粒子内部の水中油型エマルション小滴の平均粒度が、300nm未満である(好ましくは水中油型エマルション小滴の平均粒度が、100nm〜200nmである)ことで特徴付けられ、離散固体押出粒子が、離散固体押出粒子の総重量を基準にして、10wt.%未満(好ましくは6wt.%未満)の水を含んでなることで特徴付けられる。
【0077】
水中油型エマルション小滴の平均粒度は、例えばMalvern Mastersizer 2000およびHydro 2000 Sサンプル分散ユニットを用いたレーザー回折によって測定される。水中油型エマルション小滴の平均粒度はまた、例えばMalvern Zetasizer Nanoを用いた動的光散乱によって判定し得る。
【0078】
本発明による好ましい離散固体押出粒子は、
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、5wt.%〜75wt.%の少なくとも1種の脂溶性化合物、および
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、5wt.%〜80wt.%の少なくとも1種の乳化剤、および
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、10wt.%未満の水、および
任意選択的に、離散固体押出粒子の総重量を基準にして、1wt.%〜85wt.%の少なくとも1種の助剤
を含んでなり、離散固体押出粒子内部の水中油型エマルション小滴の平均粒度が、300nm未満である(好ましくはエマルション小滴の平均粒度が、100nm〜200nmである)ことで特徴付けられる。
【0079】
離散固体押出粒子の粒度は、1000μm未満であり、好ましくは700μm未満である。通常は50〜700μmである。
【0080】
より好ましくは、離散固体押出粒子は、
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、8wt.%〜70wt.%のココナッツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、落花生油、ナタネ油、キャノーラ油、紅花油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、アーモンド油、カシュー油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、プラカシ油、ペカン油、松果油、ピスタチオ油、サチャインチ(プルケネティア・ボルビリス(Plukenetia volubilis))油、クルミ油、PUFA(例えば、リノール酸、アラキドン酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸などのトリグリセリドおよび/またはエチルエステル)、油性栄養補給食品(ローズマリー抽出物、オレガノ抽出物、ホップ抽出物、およびその他の親油性植物抽出物など)、ビタミンAまたはそのエステル(例えばビタミンA酢酸エステルおよびビタミンAパルミチン酸エステル)、ビタミンEまたはそのエステル(例えばビタミンE酢酸エステル)、ビタミンK(フィトメナジオン)、およびビタミンD3(コレカルシフェロール)からなる群から選択される、少なくとも1種の脂溶性化合物、および
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、8wt.%〜80wt.%の化工(食用)デンプン、ペクチン、アルギン酸塩、カラゲナン、ファーセレラン、キトサン、マルトデキストリン、デキストリン誘導体、セルロース、セルロース誘導体(例えば、酢酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、リグノスルホネート、多糖類ガム(アカシアガム、アラビアガム、亜麻仁ガム、ガッチガム、タマリンドガム、アラビノガラクタンなど)、ゼラチン(ウシ、魚、ブタ、家禽)、植物タンパク質(例えば、エンドウマメ、大豆、トウゴマ種子、綿、ジャガイモ、甘藷、マニオク、ナタネ、ヒマワリ、ゴマ、亜麻仁、紅花、レンズマメ、ナッツ、小麦、イネ、トウモロコシ、大麦、ライ麦、オート麦、ルピナス、ソルガムなど)、ミルクまたはホエータンパク質をはじめとする動物タンパク質、レシチン、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、ソルビタンエステル、PGエステル、および糖エステル(ならびにその誘導体)からなる群から選択される、少なくとも1種の乳化剤、および離散固体押出粒子の総重量を基準にして、6wt.%未満の水、および
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、1wt.%〜80wt.%の抗酸化剤(アスコルビン酸またはそれらの塩、トコフェロール(合成または天然))、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、パルミチン酸アスコルビル;ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、第三級ブチルヒドロキシキノリン、エトキシキン、および/または脂肪酸のアスコルビン酸エステルなど);可塑剤(フルクトース、グルコース、グリセロール、マンニトール、転化糖シロップ、ソルビトール、スクロース、キシリトール、プロピレングリコール、クエン酸エステル、ラクチトール、エリスリトール、およびマルチトールなど);安定剤;湿潤剤(グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールなど);保護コロイド(ジェランガムおよびキサンタンガムなど);染料;香料;増量剤、緩衝液からなる群から選択される少なくとも1種の助剤
を含んでなり、離散固体押出粒子内部の水中油型エマルション小滴の平均粒度が、300nm未満であり(好ましくはエマルション小滴の平均粒度が、100nm〜200nmであり)、離散固体押出粒子粒度が、1000μm未満であり(好ましくは700μm未満であり、より好ましくは50〜700μmである)ことで特徴付けられる。
【0081】
さらに好ましくは、離散固体押出粒子は、
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、8wt.%〜70wt.%のコーン油、ビタミンAまたはそのエステル(例えばビタミンA酢酸エステルおよびビタミンAパルミチン酸エステル)、ビタミンEまたはそのエステル(例えばビタミンE酢酸エステル)、および多価不飽和脂肪酸(好ましくはリノール酸、アラキドン酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸)からなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性化合物、および離散固体押出粒子の総重量を基準にして、8wt.%〜80wt.%の(化工)食用デンプンである少なくとも1種の乳化剤、および
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、6wt.%未満の水、および離散固体押出粒子の総重量を基準にして、1wt.%〜80wt.%の抗酸化剤(アスコルビン酸またはそれらの塩、トコフェロール(合成または天然))、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、パルミチン酸アスコルビル;ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、第三級ブチルヒドロキシキノリン、エトキシキン、および/または脂肪酸のアスコルビン酸エステルなど);可塑剤(フルクトース、グルコース、グリセロール、マンニトール、転化糖シロップ、ソルビトール、スクロース、キシリトール、プロピレングリコール、クエン酸エステル、ラクチトール、エリスリトール、およびマルチトールなど);安定剤;湿潤剤(グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールなど);保護コロイド(ジェランガムおよびキサンタンガムなど);染料;香料;増量剤、緩衝液からなる群から選択される少なくとも1種の助剤
を含んでなり、離散固体押出粒子内部の水中油型エマルション小滴の平均粒度が、300nm未満であり(好ましくはエマルション小滴の平均粒度が、100nm〜200nmであり)、離散固体押出粒子粒度が、1000μm未満であり(好ましくは700μm未満であり、より好ましくは50〜700μmである)ことで特徴付けられる。
【0082】
最も好ましくは、離散固体押出粒子は、
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、8wt.%〜35wt.%のコーン油、ビタミンAまたはそのエステル(例えばビタミンA酢酸エステルおよびビタミンAパルミチン酸エステル)、ビタミンEまたはそのエステル(例えばビタミンE酢酸エステル)、および多価不飽和脂肪酸(好ましくはリノール酸、アラキドン酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸)からなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性化合物、および離散固体押出粒子の総重量を基準にして25wt.%〜70wt.%の少なくとも1種の(化工)食用デンプン、および
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、6wt.%未満の水、
離散固体押出粒子の総重量を基準にして、10wt.%〜55wt.%の抗酸化剤(アスコルビン酸またはそれらの塩、トコフェロール(合成または天然))、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、第三級ブチルヒドロキシキノリン、エトキシキン、および/または脂肪酸のアスコルビン酸エステルなど);可塑剤(フルクトース、グルコース、グリセロール、マンニトール、転化糖シロップ、ソルビトール、スクロース、キシリトール、プロピレングリコール、クエン酸エステル、ラクチトール、エリスリトール、およびマルチトールなど);安定剤;湿潤剤(グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールなど);保護コロイド(ジェランガムおよびキサンタンガムなど);染料;香料;増量剤、緩衝液からなる群から選択される少なくとも1種の助剤
を含んでなり、離散固体押出粒子内部の水中油型エマルション小滴の平均粒度が、300nm未満であり(好ましくはエマルション小滴の平均粒度が、100nm〜200nmであり)、離散固体押出粒子粒度が、1000μm未満であり(好ましくは700μm未満であり、より好ましくは50〜700μmである)ことで特徴付けられる。
【0083】
上述したような方法によって得られる離散固体押出粒子は、多数の応用分野で使用し得る。好ましくは上で開示され説明される離散固体押出粒子は、食品、飼料、医薬品、およびパーソナルケア製品で使用される。
【0084】
したがって本発明のさらなる実施形態は、食品、飼料、医薬品および/またはパーソナルケア製品中における、上で開示され説明される離散固体押出粒子の使用に関する。健康補助食品は、我々の食品の定義の一部であることに留意されたい。
【0085】
本発明のさらなる実施形態は、上で開示され説明される離散固体押出粒子を含んでなる、食品、飼料、医薬品またはパーソナルケア製品に関する。
【0086】
このようにして得られた製品は、優れた貯蔵安定性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】
図1は、乳化親油性活性を含んでなる押出固体粒子を製造する方法の概略図である。
【0088】
以下の実施例は、本発明を例証するのに役立つ。全ての百分率および部は、(特に断りのない限り)重量に関連する。温度は、(特に断りのない限り)摂氏で記載される。
【0089】
[実施例]
[実施例1]
図1に示される工程系統図に従って、乳化ビタミンA酢酸エステルを含んでなる離散固体押出粒子の製造を実施した。乳化剤(化工食用デンプン)ならびに添加剤(微結晶セルロース)は、実験室規模共回転二軸スクリュー押出機(PTW16/40 OS装着HAAKE Polylab OS二軸スクリュー押出機、Thermo Fisher Scientific)の第1のバレルに、どちらも重量測定的に供給した(Brabender Technologie)。押出機は、10個の(電気的に加熱され水で冷却される)バレルと、スクリュー径16mmおよび長さ対直径比40のダイヘッド(12×Φ0.5mm)とからなった。脱ミネラル水を第2のバレルに注入した。バレル2〜10ならびにダイヘッドの温度を50℃に設定した。70℃の融解ビタミンA酢酸エステル(任意選択的にd,l−アルファトコフェロールまたはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)などの抗酸化剤が添加された)をバレル5内に注入し、下流バレル内で化工食用デンプン/微結晶性セルロースと混合した。典型的な押出物ストランド組成を表1に示す。乳化ビタミンA酢酸エステル小滴を含有する押出物ストランドを収集して、実験室規模球形造粒機(R250,Gabler)内に移し入れた。球形化後、球状固体粒子を実験室規模流動床乾燥機(Retsch TG 200)内で50℃60分間にわたり乾燥して、5wt.%の最終含水量を得た。
【0090】
数百ミリグラムの離散固体押出粒子を穏やかに撹拌しながら水に溶解し、Malvern Mastersizer 2000およびHydro 2000 Sサンプル分散ユニットを用いたレーザー回折によって、ビタミンA酢酸エステル油滴のサイズ分布を測定した。得られた表面加重平均油滴直径(d
3,
2)は、484nmであった。粒子の表面含油量(シクロヘキサン抽出により判定され、粒子の総ビタミンA酢酸エステル含有量に対する抽出によって求められる含有量と定義される)は非常に低く、0.04%であった。Malvern Morphologi G3S顕微鏡および対応するソフトウェアを用いて、押出粒度および形状分析を実施した。4つのガラスサンプルホルダー(プレート)上で手動分散させた、少なくとも6000個の粒子を分析するために、1×対物レンズを使用した。完璧に球状の粒子は、Morphologi G3SソフトウェアでHS Circularity≧0.91と定義され、それによって64%の球の割合が求められた。このようにして判定された粒子数分布の平均CE直径は、685μmであった。
【0091】
【表1】
【0092】
[実施例2]
図1に示される工程系統図に従って、乳化ビタミンA酢酸エステルを含んでなる離散固体押出粒子の製造を実施した。乳化剤(化工食用デンプン)ならびに増量剤(デキストリン)は、実験室規模共回転二軸スクリュー押出機(PTW16/40 OS装着HAAKE Polylab OS二軸スクリュー押出機、Thermo Fisher Scientific)の第1のバレルに、どちらも重量測定的に供給した(Brabender Technologie)。押出機は、10個の(電気的に加熱され水で冷却される)バレルと、スクリュー径16mmおよび長さ対直径比40のダイヘッド(21×Φ0.5mm)とからなった。脱ミネラル水を第2のバレルに注入した。バレル1〜3の温度を80℃に、およびバレル4〜10ならびにダイヘッドの温度を60℃に設定した。70℃の融解ビタミンA酢酸エステル(任意選択的にd,l−アルファトコフェロールまたはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)などの抗酸化剤が添加された)をバレル5内に注入し、下流バレル内で化工食用デンプン/デキストリンと混合した。典型的な押出物ストランド組成を表2に示す。乳化ビタミンA酢酸エステル小滴を含有する押出物ストランドは、2つの回転ナイフ(Thermo Fisher Scientific)によってダイ前面で直接切断した。切断した離散固体粒子を実験室規模流動床乾燥機(Retsch TG 200)内で50℃60分間にわたり乾燥して、6wt.%の最終含水量を得た。
【0093】
数百ミリグラムの離散固体押出粒子を穏やかに撹拌しながら水に溶解し、Malvern Mastersizer 2000およびHydro 2000 S サンプル分散ユニットを用いたレーザー回折によって、ビタミンA酢酸エステル油滴サイズ分布を測定した。得られた表面加重平均油滴直径(d
3,
2)は、313nmであった。粒子の表面含油量(シクロヘキサン抽出により判定され、粒子の総ビタミンA酢酸エステル含有量に対する抽出によって求められる含有量と定義される)は非常に低く、0.1%であった。Malvern Morphologi G3S顕微鏡および対応するソフトウェアを用いて、押出粒度および形状分析を実施した。1×対物レンズを使用した。完璧に球状の粒子は、Morphologi G3Sソフトウェア中で、HS Circularity≧0.91と定義され、それによって8%の球の割合が求められた。このようにして判定された粒子数分布の平均CE直径は、695μmであった。
【0094】
【表2】
【0095】
[実施例3]
図1に示される工程系統図に従って、乳化ビタミンA酢酸エステルを含んでなる離散固体押出粒子の製造を実施した。乳化剤(化工食用デンプン)ならびに可塑剤(ソルビトール)は、実験室規模共回転二軸スクリュー押出機(PTW16/40 OS装着HAAKE Polylab OS二軸スクリュー押出機、Thermo Fisher Scientific)の第1のバレルに、どちらも重量測定的に供給した(Brabender Technologie)。押出機は、10個の(電気的に加熱され水で冷却される)バレルと、スクリュー径16mmおよび長さ対直径比40のダイヘッド(12×Φ0.5mm)とからなった。脱ミネラル水を第2のバレルに注入した。バレル1〜3の温度を80℃に、およびバレル4〜10ならびにダイヘッドの温度を60℃に設定した。70℃の融解ビタミンA酢酸エステル(任意選択的にd,l−アルファトコフェロールまたはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)などの抗酸化剤が添加された)をバレル5内に注入し、下流バレル内で化工食用デンプン/ソルビトールと混合した。典型的な押出物ストランド組成を表3に示す。乳化ビタミンA酢酸エステル小滴を含有する押出物ストランドを収集して、室温に冷却させた。引き続いてペレタイザー(Thermo Fisher Scientific)で、ストランドを離散固体粒子に切断し、最後に実験室規模流動床乾燥機(Retsch TG 200)内で50℃で60分間乾燥して、6wt.%の最終含水量を得た。
【0096】
数百ミリグラムの離散固体押出粒子を穏やかに撹拌しながら水に溶解し、Malvern Mastersizer 2000およびHydro 2000 Sサンプル分散ユニットを用いたレーザー回折によって、ビタミンA酢酸エステル油滴サイズ分布を測定した。得られた表面加重平均油滴直径(d
3,
2)は、144nmであった。粒子に表面油は見られなかった(シクロヘキサン抽出により判定され、粒子の総ビタミンA酢酸エステル含有量に対する抽出によって求められる含有量と定義される)。Malvern Morphologi G3S顕微鏡および対応するソフトウェアを用いて、押出粒度および形状分析を実施した。1×対物レンズを使用した。完璧に球状の粒子は、Morphologi G3SソフトウェアでHS Circularity≧0.91と定義され、それによって20%の球の割合が求められた。このようにして判定された粒子数分布の平均CE直径は、498μmであった。
【0097】
【表3】