(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のクライアント端末と、各前記クライアント端末の仮想クライアントが稼働する端末用サーバと、複数の仮想サーバが稼働するサーバ用サーバと、管理装置とを有する情報処理システムであって、
前記複数の仮想サーバは、同一のソフトウェアが実行され、一方が稼働状態となり、他方が待機状態となる一対の仮想サーバがペアサーバとしてクラスタを構成し、
各前記仮想クライアントに対応する仮想イメージファイルが記憶されるイメージファイル記憶部と、
前記クライアント端末に割り当てられる前記仮想クライアントのクライアント識別情報、前記仮想クライアントに対応する前記仮想イメージファイルが記憶される前記イメージファイル記憶部におけるイメージファイル識別情報、前記仮想クライアントで実行されるソフトウェアのソフトウェア識別情報、前記ソフトウェアのメンテナンスの処理状態に関するメンテナンス処理情報がユーザごとに記憶されるユーザ記憶部と、
前記ペアサーバを構成する各前記仮想サーバのサーバ識別情報、各前記仮想サーバの稼働状態を示す稼働情報、各前記仮想サーバで実行されるソフトウェアのソフトウェア識別情報、各前記仮想サーバの前記ソフトウェアのメンテナンスの処理状態に関するメンテナンス処理情報がペアサーバごとに記憶されるペアサーバ記憶部とを備え、
前記管理装置は、
前記仮想クライアントで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、前記ユーザ記憶部から、当該ソフトウェアを含む前記仮想イメージファイルの前記イメージファイル識別情報を読み出し、前記イメージファイル識別情報に基づいて前記イメージファイル記憶部に記憶される前記仮想イメージファイル内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想イメージファイル内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新するイメージファイルメンテナンス処理と、
前記仮想クライアントで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、前記ユーザ記憶部から、当該ソフトウェアが実行される前記仮想クライアントの前記クライアント識別情報を読み出し、前記クライアント識別情報に基づいて前記仮想クライアント内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想クライアント内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新するクライアントメンテナンス処理と、
前記仮想サーバで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、当該ソフトウェアが実行される前記ペアサーバのクラスタを分離し、待機状態にある前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新し、前記クラスタを結合する待機サーバメンテナンス処理と、
前記仮想サーバで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、当該ソフトウェアが実行される前記ペアサーバのクラスタを分離し、稼働状態にある前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新し、前記クラスタを結合する稼働サーバメンテナンス処理とを実行する
ことを特徴とする情報処理システム。
複数のクライアント端末と、各前記クライアント端末の仮想クライアントが稼働する端末用サーバと、複数の仮想サーバが稼働するサーバ用サーバと、管理装置とを有する情報処理システムの情報処理方法であって、
前記複数の仮想サーバは、同一のソフトウェアが実行され、一方が稼働状態となり、他方が待機状態となる一対の仮想サーバがペアサーバとしてクラスタを構成し、
各前記仮想クライアントに対応する仮想イメージファイルが記憶されるイメージファイル記憶部と、
前記クライアント端末に割り当てられる前記仮想クライアントのクライアント識別情報、前記仮想クライアントに対応する前記仮想イメージファイルが記憶される前記イメージファイル記憶部におけるイメージファイル識別情報、前記仮想クライアントで実行されるソフトウェアのソフトウェア識別情報、前記ソフトウェアのメンテナンスの処理状態に関するメンテナンス処理情報がユーザごとに記憶されるユーザ記憶部と、
前記ペアサーバを構成する各前記仮想サーバのサーバ識別情報、各前記仮想サーバの稼働状態を示す稼働情報、各前記仮想サーバで実行されるソフトウェアのソフトウェア識別情報、各前記仮想サーバの前記ソフトウェアのメンテナンスの処理状態に関するメンテナンス処理情報がペアサーバごとに記憶されるペアサーバ記憶部とを備え、
前記仮想クライアントで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、前記ユーザ記憶部から、当該ソフトウェアを含む前記仮想イメージファイルの前記イメージファイル識別情報を読み出し、前記イメージファイル識別情報に基づいて前記イメージファイル記憶部に記憶される前記仮想イメージファイル内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想イメージファイル内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新し、
前記仮想クライアントで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、前記ユーザ記憶部から、当該ソフトウェアが実行される前記仮想クライアントの前記クライアント識別情報を読み出し、前記クライアント識別情報に基づいて前記仮想クライアント内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想クライアント内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新し、
前記仮想サーバで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、当該ソフトウェアが実行される前記ペアサーバのクラスタを分離し、待機状態にある前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新し、前記クラスタを結合し、
前記仮想サーバで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、当該ソフトウェアが実行される前記ペアサーバのクラスタを分離し、稼働状態にある前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新し、前記クラスタを結合する
ことを特徴とする情報処理方法。
複数のクライアント端末と、各前記クライアント端末の仮想クライアントが稼働する端末用サーバと、管理装置と、各前記仮想クライアントに対応する仮想イメージファイルが記憶されるイメージファイル記憶部と、前記クライアント端末に割り当てられる前記仮想クライアントのクライアント識別情報、前記仮想クライアントに対応する前記仮想イメージファイルが記憶される前記イメージファイル記憶部におけるイメージファイル識別情報、前記仮想クライアントで実行されるソフトウェアのソフトウェア識別情報、前記ソフトウェアのメンテナンスの処理状態に関するメンテナンス処理情報がユーザごとに記憶されるユーザ記憶部とを有する情報処理システムに適用されるコンピュータに、
前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、前記ユーザ記憶部から、当該ソフトウェアを含む前記仮想イメージファイルの前記イメージファイル識別情報を読み出し、前記イメージファイル識別情報に基づいて前記イメージファイル記憶部に記憶される前記仮想イメージファイル内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想イメージファイル内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新するイメージファイルメンテナンス処理と、
前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、前記ユーザ記憶部から、当該ソフトウェアが実行される前記仮想クライアントの前記クライアント識別情報を読み出し、前記クライアント識別情報に基づいて前記仮想クライアント内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想クライアント内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新するクライアントメンテナンス処理と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
複数の仮想サーバが稼働するサーバ用サーバと、管理装置と、前記ペアサーバを構成する各前記仮想サーバのサーバ識別情報、各前記仮想サーバの稼働状態を示す稼働情報、各前記仮想サーバで実行されるソフトウェアのソフトウェア識別情報、各前記仮想サーバの前記ソフトウェアのメンテナンスの処理状態に関するメンテナンス処理情報がペアサーバごとに記憶されるペアサーバ記憶部とを有し、前記複数の仮想サーバは、同一のソフトウェアが実行され、一方が稼働状態となり、他方が待機状態となる一対の仮想サーバがペアサーバとしてクラスタを構成する情報処理システムに適用されるコンピュータに、
前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、当該ソフトウェアが実行される前記ペアサーバのクラスタを分離し、待機状態にある前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新し、前記クラスタを結合する待機サーバメンテナンス処理と、
前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、当該ソフトウェアが実行される前記ペアサーバのクラスタを分離し、稼働状態にある前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新し、前記クラスタを結合する稼働サーバメンテナンス処理と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
複数のクライアント端末と、各前記クライアント端末の仮想クライアントが稼働する端末用サーバと、複数の仮想サーバが稼働するサーバ用サーバと、管理装置と、各前記仮想クライアントに対応する仮想イメージファイルが記憶されるイメージファイル記憶部と、前記クライアント端末に割り当てられる前記仮想クライアントのクライアント識別情報、前記仮想クライアントに対応する前記仮想イメージファイルが記憶される前記イメージファイル記憶部におけるイメージファイル識別情報、前記仮想クライアントで実行されるソフトウェアのソフトウェア識別情報、前記ソフトウェアのメンテナンスの処理状態に関するメンテナンス処理情報がユーザごとに記憶されるユーザ記憶部と、前記ペアサーバを構成する各前記仮想サーバのサーバ識別情報、各前記仮想サーバの稼働状態を示す稼働情報、各前記仮想サーバで実行されるソフトウェアのソフトウェア識別情報、各前記仮想サーバの前記ソフトウェアのメンテナンスの処理状態に関するメンテナンス処理情報がペアサーバごとに記憶されるペアサーバ記憶部とを有し、前記複数の仮想サーバは、同一のソフトウェアが実行され、一方が稼働状態となり、他方が待機状態となる一対の仮想サーバがペアサーバとしてクラスタを構成する情報処理システムに適用されるコンピュータに、
前記仮想クライアントで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、前記ユーザ記憶部から、当該ソフトウェアを含む前記仮想イメージファイルの前記イメージファイル識別情報を読み出し、前記イメージファイル識別情報に基づいて前記イメージファイル記憶部に記憶される前記仮想イメージファイル内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想イメージファイル内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新するイメージファイルメンテナンス処理と、
前記仮想クライアントで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、前記ユーザ記憶部から、当該ソフトウェアが実行される前記仮想クライアントの前記クライアント識別情報を読み出し、前記クライアント識別情報に基づいて前記仮想クライアント内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想クライアント内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新するクライアントメンテナンス処理と、
前記仮想サーバで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、当該ソフトウェアが実行される前記ペアサーバのクラスタを分離し、待機状態にある前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新し、前記クラスタを結合する待機サーバメンテナンス処理と、
前記仮想サーバで実行される前記ソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、当該ソフトウェアが実行される前記ペアサーバのクラスタを分離し、稼働状態にある前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアのメンテナンスに関する処理を行うとともに、前記仮想サーバ内の前記ソフトウェアに関する前記メンテナンス処理情報を更新し、前記クラスタを結合する稼働サーバメンテナンス処理と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る情報処理システムは、以下に示す規模の病院内に設置するものとする。この病院は、約100床のベッドが設けられ、16名の医師、3名の薬剤師、64名の看護師及び准看護師、3名の診療放射線技師、4名の臨床検査技師、55名のその他の職員、合計145名のスタッフ(ユーザ)が在席しているものとする。
【0020】
また、スタッフが操作する端末は、医師用が16台、薬剤師用が1台、看護師及び准看護師用が32台、診療放射線技師用が1台、臨床検査技師用が1台、その他の職員用が9台、計60台とする。
【0021】
さらに、情報処理システムは、電子カルテシステム、医事会計システム、薬剤管理システム、検体検査システム、生理検査システム、医療用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)、看護管理システム、リハビリシステム、輸血管理システム、放射線科情報システム(RIS:Radiology Information Systems) 及び栄養管理システムの計11個のサブシステムを有しているものとする。
【0022】
図1は、本実施の形態1に係る情報処理システムの構成を示す構成図である。本実施の形態1に係る情報処理システムは、60台の端末1
1〜1
60と、8台の端末用サーバ2
1〜2
8と、8台のサーバ用サーバ3
1〜3
8と、記憶装置4と、管理装置5とがLAN(Local Area Network)6を介して接続されて構成されている。
【0023】
端末1
1〜1
60は、端末用サーバ2
1〜2
8からLAN6を介して提供される仮想デスクトップ(Virtual Desktop)環境(以下、「VD環境」という。)で動作するシンクライアント端末、すなわち、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)端末である。VD環境は、各端末1
1〜1
60のデスクトップ環境を端末用サーバ2
1〜2
8上で稼働させる仕組みであり、クライアントOS(Operating System)及びこのクライアントOS上で動作するアプリケーションを含む仮想イメージファイルとして管理される。ここで、OS及びアプリケーションの総称として、ソフトウェアを用いる。
【0024】
端末1
1は、例えば、VD環境に対応したデスクトップ画面データを対応する端末用サーバ2
1の仮想クライアント(VC:Virtual Client)32
11(
図5及び
図6)から受信して表示部12(
図2)に表示する機能等の必要最低限の機能のみを有している。
【0025】
端末用サーバ2
1〜2
8は、
図5及び
図6を参照して後述するように、60台の端末1
1〜1
60のそれぞれにLAN6を介してVD環境を提供するために、1台の端末用サーバ2にいずれも8台のVC32を搭載するものである。VC32は合計64台であるので、端末1
1〜1
60が一斉に使用されたとしても4台のVC32は未稼働のままであり、不測の事態に備えることができる。
【0026】
図1に示すサーバ用サーバ3
1〜3
8は、
図8〜
図10を参照して後述するように、情報処理システムを構成する電子カルテシステム等合計11個のサブシステムのサーバ機能を仮想化技術を用いて高可用性で提供するために、1台当たり2又は3台の仮想サーバ(VS:Virtual Server)52をクラスタ構成で搭載するものである。
【0027】
図1に示す記憶装置4は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光学ディスク装置(CD/DVD/Blu−ray(登録商標) Discなど)、磁気テープ等からなる。記憶装置4には、スタッフごとの仮想イメージファイル及びユーザプロファイル、サーバ用サーバ3
1〜3
8が稼働する際に生成又は使用される各種データなどが記憶される。
【0028】
記憶装置4において、スタッフごとの仮想イメージファイルが記憶される記憶領域は、請求項1、請求項3、請求項4、請求項6、請求項7及び請求項9における「イメージファイル記憶部」に対応している。
【0029】
ユーザプロファイルには、各スタッフが端末1
1〜1
60を使用する際に当該端末1のユーザ環境を設定するための設定情報、例えば、各アプリケーションに関する各種設定情報、デスクトップ画面に関する各種設定情報、スタッフがアプリケーションを用いて作成したドキュメントファイルのようなユーザデータも含まれる。
【0030】
図1は、記憶装置4が端末用サーバ2
1〜2
8及びサーバ用サーバ3
1〜3
8とLAN6を介して接続されたNAS(Network-Attached Storage)である例を示している。しかし、
図1の例に限定されず、記憶装置4は、LAN6とは独立した高速なネットワークであるSAN(Storage Area Network)、FC−SAN(Fibre Channel SAN)、IP−SAN(Internet Protocol SAN)等を介して、端末用サーバ2
1〜2
8及びサーバ用サーバ3
1〜3
8と接続されるように構成しても良い。さらに、記憶装置4は、仮想化技術を用いて、複数台の記憶装置を論理的に1台の記憶装置として仮想化したり、1台の記憶装置を論理的に複数台の記憶装置として仮想化したりしても良い。
【0031】
管理装置5は、情報処理システム全体を管理する。管理装置5は、後述するVC割当処理及びメンテナンス支援処理その他の各種処理を実行する。VC割当処理は、各端末1
1〜1
60のVD環境をいずれかの端末用サーバ2
1〜2
8上で稼働させるかを決定して割り当てる処理である。メンテナンス支援処理は、管理者が行うVC32及びVS52のメンテナンスを支援する処理である。VC割当処理及びメンテナンス支援処理その他の各種処理は、VC割当処理プログラム及びメンテナンス支援処理プログラム等として管理装置5の補助記憶装置27(
図4)に予め記憶されており、CPU21(
図4)がこれらのプログラムを読み出して実行する。
【0032】
また、管理装置5は、WAN(Wide Area Network)7を介して、各種OSや各種アプリケーションを提供する複数のベンダーが運営する複数のwebサーバや複数のメールサーバ等(いずれも図示略)に接続される。WAN7は、LAN6と対比されるものであり、通信事業者が設置・運用する各種回線網の他、インターネットも含まれる。
【0033】
次に、
図2を参照して、端末1
1〜1
60の構成の一例について説明する。端末1
1〜1
60は、各構成要素の仕様等が異なるものもあるが、例えば、
図2に示すように、端末本体11と、表示部12と、操作部13とを備えている。そこで、端末1
1〜1
60を共通した構成要素を備えたものとして総称するときは、端末1と称する。端末用サーバ2
1〜2
8及びサーバ用サーバ3
1〜3
8についても共通した構成要素を備えたものとして総称するときは同様である。
【0034】
端末本体11は、例えば、
図2に示すように、CPU21と、フラッシュメモリ22と、RAM23と、入出力インターフェース24と、LANインターフェース25とを備えている。CPU21は、他の構成要素とバス26を介して接続され、各構成要素とともに端末1全体を制御する。CPU21のコア数は、例えば、2又は4である。
【0035】
フラッシュメモリ22は、BIOS(Basic Input Output System)、各種設定用のファームウェア、画面表示プログラム、操作情報転送プログラムなどが予め記憶されている。フラッシュメモリ22の記憶容量は、例えば、4〜64GBである。RAM23は、CPU21が実行するBIOS、各種設定用のファームウェア、画面表示プログラム等がフラッシュメモリ22から読み出されて展開されるとともに、それらのプログラムが動作する際に使用する各種設定データ、端末用サーバ2から送信されたデスクトップ画面データや各種ユーザデータが記憶される。RAM23の記憶容量は、通常の解像度の表示部12が1台だけ接続される場合は1GB程度で良いが、通常の解像度の表示部12の他、医療用画像が表示される高解像度の表示部12も接続される場合は4GBは必要である。
【0036】
入出力インターフェース24は、各種インターフェース規格に対応した端子が設けられ、これらのインターフェース規格に基づいて、表示部12への画像信号及び制御信号等の出力及び操作部13からの操作信号及び制御信号等の入力を制御する。各種インターフェース規格に対応した端子としては、例えば、DVI端子、VGA端子、DisplayPort端子、HDMI(登録商標)端子、USB端子などがある。
【0037】
LANインターフェース25は、端末1と、端末用サーバ2、サーバ用サーバ3、記憶装置4及び管理装置5との間におけるLAN6を介したデータ及び制御信号等の通信等について、仮想デスクトッププロトコル等の通信プロトコルを用いて制御する。ここで、LAN6は、専用回線網(VPN:Virtual Private Network)等であり、この病院外の他のネットワークとは隔絶されているものとする。LAN6を介した通信は、有線でも無線でも良い。また、仮想デスクトッププロトコル等の通信プロトコルの種類については、特に限定されず、いずれの規格に対応したもの又はいずれのベンダーが提供するものを用いても良い。
【0038】
表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)、エレクトロルミネセンス(EL:electroluminescence)ディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイパネル(PDP;Plasma Display Panel)等からなる。操作部13は、表示部12上に設けられたタッチパネル、マウス、キーボード、タッチパッドなどからなる。
【0039】
次に、
図3を参照して、端末用サーバ2及びサーバ用サーバ3の構成の一例について説明する。端末用サーバ2及びサーバ用サーバ3は、いずれも、CPU21と、RAM23と、LANインターフェース25と、補助記憶装置27とを備えている。
図3において、
図2に示す端末本体11の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。ただし、CPU21は例えば16コア以上のものが2個必要であり、RAM23の記憶容量は各CPU21について32GB以上必要である。
【0040】
図3においては、
図2に示すフラッシュメモリ22に換えて補助記憶装置27が設けられているとともに、入出力インターフェース24が設けられていない。なお、端末用サーバ2及びサーバ用サーバ3においても、入出力インターフェース24を設け、表示部12及び操作部13を接続可能に構成しても良い。
【0041】
補助記憶装置27は、HDD、SSD、光学ディスク装置等からなる。端末用サーバ2を構成する補助記憶装置27には、BIOSや各種設定用のファームウェア、ハイパーバイザー、クライアントOS、各種アプリケーションの他、これらが実行されることにより生成される各種データが記憶される。一方、サーバ用サーバ3を構成する補助記憶装置27には、BIOSや各種設定用のファームウェア、ハイパーバイザー、サーバOS、各種アプリケーションの他、これらが実行されることにより生成される各種データが記憶される。補助記憶装置27の記憶容量は、例えば、HDDの場合、1TB以上必要である。
【0042】
次に、
図4を参照して、管理装置5の構成の一例について説明する。管理装置5は、表示部12と、操作部13と、CPU21と、RAM23と、入出力インターフェース24と、LANインターフェース25と、補助記憶装置27と、WANインターフェース28とを備えている。
図4において、
図3に示す端末用サーバ2及びサーバ用サーバ3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0043】
管理装置5を構成する補助記憶装置27には、端末用サーバ2やサーバ用サーバ3を構成する補助記憶装置27と同様、BIOSや各種設定用のファームウェア、OS、各種アプリケーションの他、これらが実行されることにより生成される各種データが記憶される。また、この補助記憶装置27には、詳細は後述するが、VC割当テーブル(
図7)、VS管理テーブル(
図11)、スタッフ管理テーブル(
図12)等の各種テーブルが記憶される。
【0044】
補助記憶装置27において、VS管理テーブルが記憶される記憶領域は、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項8及び請求項9における「ペアサーバ記憶部」に対応している。一方、スタッフ管理テーブルが記憶される記憶領域は、請求項1、請求項3、請求項4、請求項6、請求項7及び請求項9における「ユーザ記憶部」に対応している。
【0045】
図4においては、
図2に示す表示部12、操作部13及び入出力インターフェース24が設けられているとともに、WANインターフェース28が新たに設けられている。WANインターフェース28は、各種OSや各種アプリケーションを提供する複数のベンダーが運営する複数のwebサーバや複数のメールサーバ(いずれも図示略)との間におけるWAN7(
図1)を介したデータ及び制御信号等の通信等について、所定の通信プロトコルを用いて制御する。WAN7を介した通信は、有線でも無線でも良い。
【0046】
図5は、端末用サーバ2の論理構成の一例を示す構成図である。本実施の形態1では、1台の物理マシン31上に8台のVC32を搭載するものである。なお、物理マシン31上には、実際は、ホスト型仮想マシンであればホストOS、ハイパーバイザー型仮想マシンであればハイパーバイザーが搭載され、これらの上に各VCが搭載されるとともに、管理OSや管理ツール等も搭載されるが、いずれも本発明とは直接関係しないので、その説明を省略する。サーバ用サーバ3の論理構成についても同様である。
【0047】
図5において、クライアントOS41
1〜41
8及びアプリケーション(アプリ)42a〜42fには、ベンダーのサポートが終了した古いバージョンのOSやアプリケーション、いわゆるレガシーOSやレガシーアプリケーションも含まれる。
【0048】
図6は、
図1に示す情報処理システムを構成する8台の端末用サーバ2
1〜2
8の論理構成の一例を示す構成図である。各VC32において、符号の添え字十の位の数字(1〜8)が同じである場合は、同一の端末用サーバ2の同一の物理マシン31上に搭載されていることを意味している。以下、この数字をマシン番号と称する。また、各VC32において、符号の添え字一の位の数字(1〜8)は、同一の物理マシン31上において各VC32を識別するために付されている。以下、この数字を識別番号と称する。
【0049】
図7は、管理装置5を構成する補助記憶装置27(
図4)に記憶されるVC割当テーブルの構成の一例を示している。
図7において、割当順位は、いずれかの端末1から処理要求があった際に当該端末1にVC32を割り当てる順位を示しており、この割当順位が高いもの(数字が小さいもの)から順次割り当てる。VCコードは、64台のVC32を上記マシン番号を左の桁とし、上記識別番号を右の桁とした2桁のコードで表している。
【0050】
割当順位は、64台のVC32のすべてについて、今までいずれの端末1にも割り当てられたことがない初期状態における割当の順位を示している。この初期状態の割当順位は、物理的な障害を可能な限り避けるために、マシン番号順(1から8まで)に、同一の識別番号が付されたものを識別番号順(1〜8)に割り当てるという規則で定めている。
【0051】
具体的には、割当順位1位から8位まではVC32
11、VC32
21、VC32
31、VC32
41、VC2
51、VC32
61、VC32
71、VC32
81が順次割り当てられ、割当順位9位から16位まではVC32
12、VC32
22、VC32
32、VC32
42、VC32
52、VC32
62、VC32
72、VC32
82が順次割り当てられ、割当順位57位から64位まではVC32
18、VC32
28、VC32
38、VC32
48、VC32
58、VC32
68、VC32
78、VC32
88が順次割り当てられる。
【0052】
図7において、稼働コードは、端末1への割当及び処理実行状態を2桁のコードで表している。稼働コード「11」は、いずれかの端末1に割り当てられ、実際に処理を実行している状態を表している。稼働コード「10」は、いずれかの端末1に割り当てられているが、処理は実行しておらず待機している状態を表している。稼働コード「01」は、以前はいずれかの端末1に割り当てられたが、現在はいずれの端末1にも割り当てられていない状態を表している。稼働コード「00」は、今までいずれの端末1にも割り当てられたことがない状態を表している。
【0053】
図7の例では、VCコード「11」、「21」、「31」、「41」、「51」、「61」、「71」及び「81」がそれぞれ付与されたVC32は、稼働コードがいずれも「11」である。したがって、60台の端末1
1〜1
60のうち、8台の端末1がスタッフによって操作されており、これら8台の端末1に割当順位1位から8位までのVC32
11、VC32
21、VC32
31、VC32
41、VC32
51、VC32
61、VC32
71及びVC32
81が割り当てられ、実際に処理を実行していることを表している。一方、割当順位9位から64位までは、稼働コードがいずれも「00」である。したがって、残り52台のVC32は、今までいずれの端末1にも割り当てられたことがないことを表している。
【0054】
次に、サーバ用サーバ3
1〜3
8について説明する。上記のように、本実施の形態1では、情報処理システムは、電子カルテシステム、医事会計システム、薬剤管理システム、検体検査システム、生理検査システム、PACSシステム、看護管理システム、リハビリシステム、輸血管理システム、RISシステム及び栄養管理システムの計11個のサブシステムを有している。
【0055】
まず、上記各サブシステムが稼働するために要求されるCPUのコア数及びRAMの記憶容量が
図8に示すものであったとする。そして、これら計11個のサブシステムを仮想化技術を用いて構築するとともに、クラスタ構成とするために、8台のサーバ用サーバ3
1〜3
8を設ける。各サブシステムの組み合わせは、以下の通りである。
【0056】
(i)検体検査システム+医事会計システム+薬剤管理システム(合計コア数;28、RAM;26GB)
(ii)生理検査システム+電子カルテシステム+栄養管理システム(合計コア数;27、RAM;27GB)
(iii)PACSシステム+輸血管理システム+リハビリシステム(合計コア数;24、RAM;23GB)
(iv)RISシステム+看護管理システム(合計コア数;30、RAM;29GB)
【0057】
図9は、サーバ用サーバ3の論理構成の一例を示す構成図である。本実施の形態1では、1台の物理マシン51上に2又は3台のVS52を搭載するものである。
図9において、サーバOS及びアプリケーションには、ベンダーのサポートが終了したレガシーOSやレガシーアプリケーションも含まれる。
【0058】
図10は、
図1に示す情報処理システムを構成する8台のサーバ用サーバ3
1〜3
8の論理構成の一例を示す構成図である。各VS52において、符号の添え字十の位の数字(1〜8)が同じである場合は、同一のサーバ用サーバ3の同一の物理マシン51上に搭載されていることを意味している。以下、この数字をマシン番号と称する。また、各VS52において、符号の添え字一の位の数字(1〜3)は、同一の物理マシン51上において各VS52を識別するために付されている。以下、この数字を識別番号と称する。
【0059】
図10に示す24台のVS52は、物理的障害の影響を回避する観点から、異なるサーバ用サーバ3、すなわち、異なる物理マシン51に搭載されているVS52同士をペアとする。本実施の形態1では、マシン番号が奇数同士及び偶数同士の物理マシン51に搭載され、かつ、識別番号が同じVS52をクラスタとして構成する。
【0060】
図11は、管理装置5を構成する補助記憶装置27(
図4)に記憶されるVS管理テーブルの構成の一例を示している。
図11において、ペアVSとは、クラスタを構成する2台のVS52を示している。すなわち、例えば、ペアVSの上段が「11」、下段が「51」とあるのは、マシン番号1の物理マシン51
1に搭載されている識別番号1のVS52
11と、マシン番号5の物理マシン51
5に搭載されている識別番号1のVS52
51とがクラスタを構成していることを示している。このペアVSをこれ以降、ペアVS(11,51)と表す。
【0061】
異なる物理マシン51に搭載され、クラスタを構成している一対のVS52(ペアVS)は、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項8及び請求項9における「ペアサーバ」に対応している。また、VS管理テーブルにおいて、各VS52のマシン番号及び識別番号は、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項8及び請求項9における「サーバ識別情報」に対応している。
【0062】
図11において、サブシステム名は、ペアVSに割り当てられているサブシステムを示している。また、稼働コードは、ペアVSを構成する2つのVS52の処理実行状態を2桁のコードで表している。すなわち、稼働コード「10」は、ペアVSとして対応するサブシステムに割り当てられ、ペアVSの項目の上段のVS52が実際に処理を実行し、下段のVS52が処理は実行しておらず待機している状態を表している。ここで、実際に処理を実行しているVS52を稼働VSと称し、処理は実行しておらず待機しているVS52を待機VSと称する。
【0063】
また、
図11には示していないが、稼働コード「01」は、ペアVSとして対応するサブシステムに割り当てられ、ペアVSの項目の上段のVS52が処理を実行しておらず待機し、下段のVS52が実際に処理を実行している状態を表している。さらに、
図11において、稼働コード「00」は、ペアVSとしていずれのサブシステムにも割り当てられていない状態を表している。VS管理テーブルにおいて、各ペアVSの稼働コードは、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項8及び請求項9における「稼働情報」に対応している。
【0064】
図11において、使用OSは、当該ペアVSを構成する各VS52上で使用するサーバOSの名称を表している。例えば、使用OS名「ASOS18」は、ベンダーA社が提供するサーバOSであるASOS18を、使用OS名「BOS10」は、ベンダーB社が提供するサーバOSであるBOS10を、使用OS名「CSOSX1」は、ベンダーC社が提供するサーバOSであるCOSX1をそれぞれ表している。
【0065】
図11において、使用アプリは、当該ペアVSを構成する各VS52の各サーバOS上で使用するアプリケーションの名称を表している。例えば、使用アプリ「MA18」はあるベンダーが提供する医事会計システムアプリケーションMA18を、使用アプリ「NX18」はあるベンダーが提供する検体検査システムアプリケーションNX18を、使用アプリ「MM18」はあるベンダーが提供する薬剤管理システムアプリケーションMM18をそれぞれ表している。
【0066】
また、
図11において、使用アプリ「LS18」はあるベンダーが提供する生理検査システムアプリケーションLS18を、使用アプリ「EC1」はあるベンダーが提供する電子カルテシステムアプリケーションEC1を、使用アプリ「NM18」はあるベンダーが提供する栄養管理システムアプリケーションNM18をそれぞれ表している。
【0067】
さらに、
図11において、使用アプリ「PACS18」はあるベンダーが提供するPACSシステムアプリケーションPACS18を、使用アプリ「BTM2018」はベンダーB社が提供する輸血管理システムアプリケーションBTM2018をそれぞれ表している。
【0068】
また、
図11において、使用アプリ「REHX1」はあるベンダーが提供するリハビリシステムアプリケーションREHX1を、使用アプリ「RIS18」は、あるベンダーが提供するRISシステムアプリケーション「RIS18」を、使用アプリ「CNM2018」はベンダーC社が提供する看護管理システムアプリケーションCNM2018をそれぞれ表している。VS管理テーブルにおいて、各ペアVSの使用OS及び使用アプリは、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項8及び請求項9における「ソフトウェア識別情報」に対応している。
【0069】
図11において、メンテナンスの項目では、要否コード、結果コード及び対応コードがそれぞれ設けられているとともに、上下2段が設けられている。上段は、当該ペアVSの項目の上段のVS52に関するもの、下段は、当該ペアVSの項目の下段のVS52に関するものである。
【0070】
本実施の形態1では、メンテナンスとは、情報処理システムのセキュリティを担保するために行う以下の作業をいう。
(a)OSのセキュリティアップデート作業
(b)セキュリティソフトウェアのアップデート作業
(c)OSの脆弱性におけるバグフィックスアップデート作業
(d)アプリケーションのバグフィックスアップデート作業
【0071】
(a)及び(c)において、OSには、サーバ用サーバ3に搭載されるサーバOSの他、端末用サーバ2に搭載されるクライアントOS、ホスト型仮想マシンのホストOS、ハイパーバイザー型仮想マシンの管理OS等が含まれる。本実施の形態1では、サーバOS及びクライアントOSのメンテナンスに言及するが、他のOSについても後述する手法と同様の手法を用いてメンテナンスを行うことができる。
【0072】
図11において、要否コードは、左の桁が使用OSに対応し、右の桁が使用アプリに対応しており、ペアVSを構成する各VS52について、メンテナンスが必要な場合に「1」にセットされ、当該メンテナンスが終了した後に「0」にセットされる。例えば、ペアVS(11,51)の行では、上段及び下段とも要否コードが「10」であるので、VS52
11及びVS52
51のいずれも、使用OS「ASOS18」はメンテナンスが必要であり、使用アプリ「MA18」はメンテナンスが終了していることを表している。
【0073】
図11において、結果コードは、左の2桁が使用OSに対応し、右の2桁が使用アプリに対応しており、それぞれについてメンテナンスを行った結果を2ビットで表している。結果コードは、例えば、メンテナンス中は「00」に設定され、メンテナンスが問題なく終了した場合は「01」に設定され、致命的なエラーでない場合は「10」が設定され、致命的なエラーの場合「11」に設定される。例えば、ペアVS(11,51)の行では、上段及び下段とも結果コードが「0101」であるので、VS52
11及びVS52
51の両方について、使用OS「ASOS18」及び使用アプリ「MA18」のいずれもメンテナンスが問題なく終了したことを表している。
【0074】
図11において、対応コードは、左の2桁が使用OSに対応し、右の2桁が使用アプリに対応しており、それぞれについてメンテナンス後の対応を2ビットで表している。対応コードは、例えば、対応が不要な場合又は対応が終了した場合に「00」に設定され、対応が保留されている場合は「01」に設定され、対応中である場合は「10」が設定され、対応策がない場合はメンテナンス前の正常に稼働していた状態に戻した(ロールバック)後に「11」に設定される。
【0075】
例えば、
図11において、ペアVS(11,51)の行では、上段及び下段とも対応コードが「0000」であるので、VS52
11及びVS52
51の両方について、使用OS「ASOS18」及び使用アプリ「MA18」のいずれもメンテナンス後の対応が不要又は対応が終了したことを表している。
【0076】
VS管理テーブルにおいて、各ペアVSのメンテナンスの項目における要否コード、結果コード及び対応コードは、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項8及び請求項9における「メンテナンス処理情報」に対応している。
【0077】
図12は、管理装置5を構成する補助記憶装置27(
図4)に記憶されるスタッフ管理テーブルの構成の一例を示す。
図12において、ID及びパスワードは、スタッフが本実施の形態1に係る情報処理システムにログインするための識別番号(ID:identification)及びパスワードである。IDの左端の1又は2文字のアルファベットは職務の種類を表している。
【0078】
図12において、アクセス権限は、上記情報処理システムを構成する計11個のサブシステムのいずれにアクセスできるかを4段階で表したものである。アクセス権限4はほぼすべてのサブシステムにアクセスでき、アクセス権限1は自己の業務に直接関係するサブシステムのみにアクセスできる。
【0079】
図12において、使用端末番号は、当該スタッフが現在情報処理システムにログインして使用している端末1に付与されている識別番号を表している。稼働VC番号は、当該スタッフが現在使用している端末1上で稼働しているVD環境に対応したVC32に付与された識別番号を表している。稼働VC番号の下2桁は、
図6に示す64台のVC32
11〜32
88の符号32の二桁の添え字に対応している。スタッフ管理テーブルにおいて、各稼働VCの識別番号は、請求項1、請求項3、請求項4、請求項6、請求項7及び請求項9における「クライアント識別情報」に対応している。
【0080】
図12において、VCアドレスは、当該スタッフが使用するVD環境に対応した仮想イメージファイルが記憶された記憶装置4の記憶領域の先頭アドレスを表している。この仮想イメージファイルは、VC32で稼働しているVD環境と同一のものであり、場合によっては、スタッフは、VC32で稼働しているVD環境を使用するのではなく、この仮想イメージファイルを使用することもある。そこで、この仮想イメージファイルについては、「ミラーVC」と称することもある。スタッフ管理テーブルにおいて、各VCアドレスは、請求項1、請求項3、請求項4、請求項6、請求項7及び請求項9における「イメージファイル識別情報」に対応している。
【0081】
図12において、使用OSは、当該スタッフがVD環境上で使用するクライアントOSの名称を表している。例えば、使用OS名「AOS10」は、ベンダーA社が提供するクライアントOSであるAOS10を、使用OS名「BOS10」は、ベンダーB社が提供するクライアントOSであるBOS10を、使用OS名「COS18」は、ベンダーC社が提供するクライアントOSであるCOS18をそれぞれ表している。
【0082】
図12において、使用アプリは、当該スタッフがVD環境上で使用するアプリケーションの名称を表している。アプリケーションの名称については、
図11に示す使用アプリの名称と同様であるので、その説明を省略する。スタッフ管理テーブルにおいて、各スタッフの使用OS及び使用アプリは、請求項1、請求項3、請求項4、請求項6、請求項7及び請求項9における「ソフトウェア識別情報」に対応している。プロファイルアドレスは、当該スタッフが使用するユーザプロファイルが記憶された記憶装置4の記憶領域の先頭アドレスを表している。
【0083】
図12において、メンテナンスの項目では、要否コード、結果コード及び対応コードがそれぞれ設けられているとともに、上下2段が設けられている。上段は、当該スタッフが現在使用している端末1上で稼働しているVD環境のVC32(以下、「稼働VC」という。)に関するもの、下段は上記ミラーVCに関するものである。
【0084】
図12において、要否コードは、左の桁が使用OSに対応し、右の桁が使用アプリに対応している。また、結果コード及び対応コードは、いずれも、左の2桁が使用OSに対応し、残りの数桁が2桁ごとに使用アプリに対応している。なお、要否コード、結果コード及び対応コードのそれぞれの意味は、
図11に示す要否コード、結果コード及び対応コードのそれぞれの意味と同様であるので、それらの説明を省略する。
【0085】
スタッフ管理テーブルにおいて、各スタッフのメンテナンスの項目における要否コード、結果コード及び対応コードは、請求項1、請求項3、請求項4、請求項6、請求項7及び請求項9における「メンテナンス処理情報」に対応している。
【0086】
次に、上記構成の情報処理システムの動作について、
図13〜
図17に示すフローチャートを参照して説明する。まず、スタッフが情報処理システムにログインして端末1を使用する際の情報処理システム全体の概略的な動作(情報処理)について、
図13及び
図14を参照して説明する。
【0087】
前提として、当該病院に在席している合計145名のスタッフについて、ID、情報処理システムにログインするためのパスワード、アクセス権限、使用OS、使用アプリ、VCアドレス及びプロファイルアドレスは、
図12に示すスタッフ管理テーブルに予め登録されているものとする。もちろん、管理者が管理装置5の操作部13を操作して又は、各スタッフが端末1の操作部13を操作して、パスワード、使用OS及び使用アプリ等を登録しても良いし、適宜変更しても良い。
【0088】
あるスタッフがある端末1の操作部13(
図2)を操作して、自己に付与されたID及びパスワードを入力するログイン手続を行うと、当該端末1のCPU21は、その情報を管理装置5に送信する(
図13のステップS1)。これにより、管理装置5のCPU21は、
図12に示すスタッフ管理テーブルを参照して、受信したIDとパスワードとの組み合わせが正しいか否かの認証を行う(ステップS2)。
【0089】
受信したIDとパスワードとの組み合わせが正しいと認証すると、管理装置5のCPU21は、当該端末1に計64台のVC32のうち、いずれを割り当てるかを決定するVC割当処理を行う(ステップS3)。このVC割当処理については、
図15を参照して後述する。
【0090】
当該端末1に割り当てるVC32を決定すると、管理装置5のCPU21は、割り当てたVC32が搭載された端末用サーバ2に、当該端末1に対してVD環境を提供するように要求する(ステップS4)。この際、管理装置5のCPU21は、
図12に示すスタッフ管理テーブルから、当該スタッフに関するVCアドレスを読み出して端末用サーバ2に送信する。
【0091】
VD環境提供要求及び当該スタッフに関するVCアドレスを受信した端末用サーバ2のCPU21は、当該VCアドレスを用いて、記憶装置4から、当該スタッフが使用するVD環境に対応した仮想イメージファイルを読み出し、割り当てられたVC32に搭載する。これにより、VC32のCPU21は、仮想イメージファイル内のクライアントOS及びアプリケーションを実行し、この実行結果に応じたデスクトップ画面データを当該端末1に送信する(ステップS5)。
【0092】
したがって、端末1のCPU21は、受信したデスクトップ画面データに応じたデスクトップ画面を表示部12に表示する。このデスクトップ画面を見たスタッフが操作部13を操作して、例えば、電子カルテにある患者の診察結果、この診察結果に基づいた処方箋及び医事会計に関するデータ等を入力すると、端末1のCPU21は、これらのデータ及びこれらデータに基づいた電子カルテ等の変更処理要求を当該VC32に送信する(ステップS6)。
【0093】
上記各データ及び処理要求を受信したVC32のCPU21は、
図12に示すスタッフ管理テーブルから、当該スタッフに関するプロファイルアドレスを読み出した後、当該プロファイルアドレスを用いて、記憶装置4内の当該スタッフのユーザプロファイルにアクセスし、ユーザプロファイルを更新する。
【0094】
次に、このVC32のCPU21は、更新されたユーザプロファイルに対応したデスクトップ画面に関するデータを端末1に送信する。また、VC32のCPU21は、医事会計システム、薬剤管理システム及び電子カルテシステムがそれぞれ割り当てられたVS52
11、VS52
13及びVS52
22に対して、当該患者の医事会計、処方箋、電子カルテに関するデータ及びこれらのデータに応じた処理要求を送信する(ステップS7)。
【0095】
これにより、端末1のCPU21は、受信したデスクトップ画面データに応じたデスクトップ画面を表示部12に表示する(
図14のステップS8)。
【0096】
一方、上記データ及び処理要求を受信したVS52
11のCPU21は、当該患者の請求書に関するデータを作成して会計スタッフが操作する端末1に割り当てられたVC32に送信する。また、上記データ及び処理要求を受信したVS52
13のCPU21は、当該患者の処方箋に関するデータを作成して薬剤師が操作する端末1に割り当てられたVC32に送信する。さらに、上記データ及び処理要求を受信したVS52
22のCPU21は、当該患者の電子カルテを変更するとともに、その旨をVC32に送信する(以上、
図14のステップS9)。
【0097】
電子カルテの変更した旨を受信したVC32のCPU21は、これに対応したデスクトップ画面に関するデータを端末1に送信する(ステップS10)。なお、VC32の他の処理についてはその説明を省略する。これにより、端末1のCPU21は、受信したデスクトップ画面データに応じたデスクトップ画面を表示部12に表示する(ステップS11)。
【0098】
次に、端末1のCPU21は、スタッフがログアウトに関する操作をしたか否かを判断する。スタッフがログアウトに関する操作をしなかった場合には、端末1のCPU21は、
図13のステップ6へ戻り、上記した一連の処理と同様の処理を繰り返す。一方、スタッフがログアウトに関する操作をした場合には、端末1のCPU21は、終了処理に関する要求を管理装置5に送信した後、処理を終了する(ステップS13)。
【0099】
終了処理要求を受信した管理装置5のCPU21は、当該端末1のVC32に終了処理を要求した後、当該端末1に関した処理を終了する(ステップS14)。終了処理要求を受信したVC32のCPU21は、当該端末1のVD環境を内部で保持するとともに、当該VD環境に対応した仮想イメージファイルについて、記憶装置4の当該スタッフに関するVCアドレスの記憶領域に更新する。そして、VC32のCPU21は、今までの処理過程において、当該端末1に関してアクセスしていた各VS52に当該端末1に関する終了処理を要求した後、当該端末1に関した処理を終了する(ステップS15)。終了処理要求を受信した各VS52のCPU21は、当該端末1に関した処理を終了する(ステップS16)。
【0100】
次に、
図15を参照して、管理装置5が実行するVC割当処理について説明する。あるスタッフについて、認証処理(
図13に示すステップS2)に成功すると、管理装置5のCPU21は、
図15に示すステップS21へ進む。ステップS21では、管理装置5のCPU21は、当該スタッフのIDに基づいて補助記憶装置27に記憶されたスタッフ管理テーブル(
図12)を参照して、当該スタッフに関するデータの使用端末の項に当該スタッフが使用した端末1の識別番号を入力した後、ステップS22へ進む。
【0101】
例えば、当該スタッフが医師山田太郎(ID:D0001)であって、識別番号「0001」の端末2
1を使用してログインしてきたとする。この場合、管理装置5のCPU21は、
図12に示すスタッフ管理テーブルの山田太郎の行において、使用端末番号の項に端末1の識別番号「0001」を入力する。
【0102】
ステップS22では、管理装置5のCPU21は、稼働VC番号の項を参照して既にいずれかのVC32が割り当てられているか否かを判断する。ステップS22の判断結果が「Yes」の場合には、管理装置5のCPU21は、ステップS23へ進む。今の場合、スタッフ管理テーブルの山田太郎の行において、稼働VC番号の項には、既に「VC0011」が入力されているので、ステップS21の判断結果は「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS23へ進む。
【0103】
ステップS23では、管理装置5のCPU21は、既に割り当てられたVC32を再度割り当てた後、この割当処理を終了する。上記山田太郎の場合、管理装置5のCPU21は、VC32
11を再度割り当てた後、この割当処理を終了する。
【0104】
一方、当該スタッフのIDに基づいてスタッフ管理テーブルの稼働VC番号の項を参照したが空欄であり、いずれのVC32も割り当てられていない場合には、ステップS22の判断結果は「No」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS24へ進む。
【0105】
ステップS24では、管理装置5のCPU21は、補助記憶装置27に記憶されたVC管理テーブル(
図7)を参照して、64台のVC32のすべてが既に割り当てられているか否かを判断する。この判断を行うのは、1台の端末1を複数名のスタッフが使用してログインする場合があるからである。ステップS24の判断結果が「No」の場合、すなわち、64台のVC32のうち、まだ割り当てられていないVC32がある場合には、管理装置5のCPU21は、ステップS25へ進む。
【0106】
ステップS25では、管理装置5のCPU21は、VC管理テーブル(
図7)を参照して、稼働コードが「00」又は「01」であるVC32のうち、割当順位が最も高いVC32を割り当てた後、この割当処理を終了する。
【0107】
一方、ステップS24の判断結果が「Yes」の場合、すなわち、64台のVC32のすべてが既に割り当てられている場合には、管理装置5のCPU21は、ステップS26へ進む。ステップS26では、管理装置は、記憶装置4に記憶された当該スタッフの仮想イメージファイル(ミラーVC)を割り当てた後、この割当処理を終了する。
【0108】
次に、
図16及び
図17を参照して、管理装置5が実行するVC32及びVS52のメンテナンス支援処理について説明する。ステップS31では、管理装置5のCPU21は、常時、WAN7を介して、各種OSや各種アプリケーションを提供する複数のベンダーが運営する複数のwebサーバや複数のメールサーバ等(いずれも図示略)からOSやアプリケーション等のソフトウェアのメンテナンスに関する情報が送信されたか否か判断する。
【0109】
そして、上記メンテナンスに関する情報が送信されると、ステップS31の判断結果が「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS32へ進む。ステップS32では、管理装置5のCPU21は、上記メンテナンスに関する情報がVCに関するものかVSに関するものかを判断する。上記メンテナンスに関する情報がVSに関するものである場合には、管理装置5のCPU21は、ステップS33へ進む。一方、上記メンテナンスに関する情報がVCに関するものである場合には、管理装置5のCPU21は、
図17のステップS41へ進む。
【0110】
例えば、上記メンテナンスに関する情報がベンダーA社から送信されたものであり、サーバOS「ASOS18」に関するものであったとすると、VSに関するものであるので、管理装置5のCPU21は、ステップS33へ進む。
【0111】
ステップS33では、管理装置5のCPU21は、VS管理テーブル(
図11)を参照して、該当する使用OS又は使用アプリを使用しているペアVSの上下2段の各要否コードの左の桁に「1」をセットしてVS管理テーブルを更新した後、ステップS34へ進む。今の場合、使用OSがサーバOS「ASOS18」であるペアVSは、ペア(11,51)、(13,53)、(23,63)、(33,73)及び(41,81)の5組である。したがって、管理装置5のCPU21は、
図11に示すように、これら5組のペアVSの上下2段の各要否コードの左の桁に「1」をセットしてVS管理テーブルを更新した後、ステップS34へ進む。
【0112】
ステップS34では、管理装置5のCPU21は、VS管理テーブル(
図11)を参照して、今回メンテナンスを行うべきペアVSを選択した後、ステップS35へ進む。複数あるペアVSの中からどの順番で選択するかについては特に限定されない。例えば、
図11の2行目から順に最下行まで選択しても良い。
【0113】
この例では、管理装置5のCPU21は、今回メンテナンスすべきペアVSとして、医事会計システムが搭載されたペアVS(11,51)を選択した後、ステップS35へ進む。ステップS35では、管理装置5のCPU21は、選択したペアVSのクラスタを分離した後、ステップS36へ進む。今の場合、ペアVS(11,51)を構成するVS52
11とVS52
51とを分離する。
【0114】
ステップS36では、管理装置5のCPU21は、VS管理テーブル(
図11)において、当該ペアVSの稼働コードを参照して、ペアVSを構成する2台のVS52のうち、待機VS52を選択して、そのメンテナンスを行うための画面を表示部12に表示するとともに、待機VS52に対応した結果コードの左の2桁を「00」に設定した後、ステップS37へ進む。今の場合、VS52
11が稼働VSであり、VS52
51は待機VSである。したがって、ペアVS(11,51)の行において、待機VS52
51に対応した結果コード下段の左の2桁を「00」に設定する。
【0115】
ステップS37では、管理装置5のCPU21は、メンテナンス作業が終了したか否かを判断する。この処理は、例えば、管理者が操作部13を操作して、VS管理テーブルにおいて、当該ペアVSを構成する待機VSの対応コードに対応中であることを示す「10」以外の値を設定したか否かを判断して行う。ステップS37の判断結果が「No」の場合には、管理装置5のCPU21は、同判断を繰り返す。
【0116】
管理者は、上記メンテナンスに関する情報に基づいて、VS52
51のメンテナンス作業を行う。例えば、上記メンテナンスに関する情報がサーバOS「ASOS18」の脆弱性に関するバグに対応したものであれば、ベンダーA社から供給された更新プログラムをインストールするなどの作業を行う。管理者は、必要であれば、待機状態にあるVS52
51の再起動を行う。このVS52
51の再起動の際、スタッフがこのVS52
51とペアVS(11,51)を構成するVS52
11にアクセスしていても、当該スタッフは、このVS52
51の再起動を認識することはない。
【0117】
サーバOSのメンテナンスを行うとログが記憶されるので、管理者は、そのログを参照して、メンテナンスが問題なく終了した場合は、管理装置5の操作部13を操作して、VS管理テーブルの(11,51)の行において、要否コード下段の左の桁に「0」を設定し、結果コード下段の左の2桁に「01」を設定するとともに、対応コード下段の左の2桁に対応が終了したことを示す「00」を設定する。これにより、ステップS37の判断結果が「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS38へ進む。
【0118】
これに対し、管理者は、上記ログに軽微なエラーが表示されていた場合は、管理装置5の操作部13を操作して、上記要否コード下段の左の桁に「1」を設定し、上記結果コード下段の左の2桁に「10」を設定するとともに、上記対応コード下段の左の2桁に対応が保留されていることを示す「01」設定する。これにより、ステップS37の判断結果が「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS38へ進む。
【0119】
また、管理者は、上記ログに致命的なエラーが表示されていた場合は、管理装置5の操作部13を操作して、上記要否コード下段の左の桁に「1」を設定し、上記結果コード下段の左の2桁に「11」を設定するとともに、上記対応コード下段の左の2桁に対応中であることを示す「10」を設定する。
【0120】
次に、管理者は、操作部13を操作してWAN7を介して当該サーバOSを提供しているベンダーのwebサーバ等にアクセスする。管理者は、当該webサーバ等からそのエラーの対策(例えば、修正版アプリケーションなど)を探し出して処置を行い、エラー状態を解消していく。そして、管理者は、致命的なエラーが解消された場合には、上記要否コード下段の左の桁に「0」を設定し、上記結果コード下段の左の2桁に「01」を設定するとともに、上記対応コード下段の左の2桁に「00」を設定する。これにより、ステップS37の判断結果が「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS38へ進む。
【0121】
一方、エラーの対策を発見できなかった場合には、管理者は、サーバOSをメンテナンス前の正常に稼働していた状態に戻した(ロールバック)後、上記対応コード下段の左の2桁に「11」を設定する。これにより、ステップS37の判断結果が「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS38へ進む。
【0122】
ステップS38では、管理装置5のCPU21は、選択したペアVSのクラスタを再び結合した後、ステップS39へ進む。今の場合、ペアVS(11,51)を構成するVS52
11とVS52
51とを結合する。
【0123】
ステップS39では、管理装置5のCPU21は、ペアVSを構成する2台のVSについてメンテナンス作業が終了したか否かを判断する。この処理は、VS管理テーブル(
図11)を参照して、当該ペアVSの行において、例えば、メンテナンスの項目を構成する要否コード上下2段の左の桁のいずれかが「1」に設定されているか否かを判断して行う。なお、サーバOSをロールバックした場合、要否コードの左の桁は「1」に設定されたままである。その場合、対応コードの左の2桁が「11」に設定されているか否かを判断する。ステップS39の判断結果が「Yes」の場合には、管理装置5のCPU21は、ステップS40へ進む。
【0124】
一方、ステップS39の判断結果が「No」の場合、すなわち、ペアVSを構成する2台のVSについてメンテナンス作業が終了していない場合には、管理装置5のCPU21は、ステップS35へ戻り、上記ステップS35〜S38の処理を繰り返す。今の場合、VS管理テーブルの(11,51)の行において、要否コード上段の左の桁が「1」に設定されているので、ステップS39の判断結果は「No」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS35へ戻る。
【0125】
ステップS35では、管理装置5のCPU21は、選択したペアVSのクラスタを再び分離した後、ステップS36へ進む。今の場合、ペアVS(11,51)を構成するVS52
11とVS52
51とを分離する。これにより、ペアVS(11,51)では、今まで稼働VSであったVS52
11が待機VSとなる一方、今まで待機VSであったVS52
51が稼働VSとなり、これ以降医事会計システムを提供することになる。そこで、管理装置5のCPU21は、VS管理テーブルの(11,51)の行において、稼働コードを「10」から「01」へ変更する。
【0126】
医事会計システムを利用していたスタッフは、端末1の表示部12に表示されているデスクトップ画面上で医事会計システムへの再接続を行うことにより作業を継続することができる。これにより、これ以降端末1からアクセスするVSは稼働VSであるVS52
51となる。ステップS36〜S38の処理については、上記の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0127】
ステップS40では、管理装置5のCPU21は、メンテナンス対象であるすべてのペアVSを構成するすべてのVSについてメンテナンスが終了したか否かを判断する。この処理は、VS管理テーブル(
図11)のすべてのペアVSの行において、ステップS33の処理で「1」にセットした要否コード上下2段の左の桁がともに「0」にセットされているか否かを判断して行う。なお、サーバOS等をロールバックした場合、要否コードの左の桁は「1」に設定されたままである。その場合、対応コードの左の2桁が「11」に設定されているか否かを判断する。
【0128】
ステップS40の判断結果が「Yes」の場合には、管理装置5のCPU21は、このメンテナンス支援処理を終了する。一方、ステップS40の判断結果が「No」の場合、すなわち、メンテナンス対象であるすべてのペアVSを構成するすべてのVSについてメンテナンスが終了していない場合には、管理装置5のCPU21は、次のペアVSを選択するために、ステップS34へ戻り、上記したステップS34〜S39の処理を繰り返す。
【0129】
一方、
図16に示すステップS32の判断において、上記メンテナンスに関する情報がVCに関するものである場合には、管理装置5のCPU21は、
図17のステップS41へ進む。例えば、上記メンテナンス情報がベンダーB社から送信されたものであり、クライアントOS「BOS10」に関するものであったとすると、VCに関するものであるので、管理装置5のCPU21は、ステップS41へ進む。
【0130】
ステップS41では、管理装置5のCPU21は、スタッフ管理テーブル(
図12)を参照して、該当する使用OS又は使用アプリを使用しているスタッフの要否コード上下2段のそれぞれの左又は右の桁に「1」をセットして管理テーブルを更新した後、ステップS42へ進む。
【0131】
今の場合、使用OSがクライアントOS「BOS10」であるスタッフは、加藤信一、佐戸蓮太及び三崎司の3名である。したがって、管理装置5のCPU21は、
図12に示すように、これら3名の要否コード上下2段のそれぞれの左の桁に「1」をセットして管理テーブルを更新した後、ステップS42へ進む。
【0132】
ステップS42では、管理装置5のCPU21は、スタッフ管理テーブル(
図12)を参照して、今回メンテナンスを行うべきスタッフを選択した後、ステップS43へ進む。複数名いるスタッフの中からどの順番で選択するかについては特に限定されない。例えば、
図12の2行目から順に最下行まで選択しても良い。
【0133】
この例では、管理装置5のCPU21は、今回メンテナンスすべきスタッフとして、加藤信一を選択した後、ステップS43へ進む。ステップS43では、管理装置5のCPU21は、スタッフ管理テーブル(
図12)において、選択したスタッフの行からVCアドレスを読み出し、使用OSのメンテナンスを行うための画面を表示部12に表示する。また、管理装置5のCPU21は、メンテナンスの項目において、結果コード上下2段のそれぞれの左の2桁を「00」に設定した後、ステップS44へ進む。
【0134】
この例では、管理装置5のCPU21は、スタッフ管理テーブルの加藤信一の行からVCアドレスを読み出し、クライアントOS「BOS10」のメンテナンスを行うための画面を表示部12に表示するとともに、スタッフ管理テーブルの加藤信一の行のメンテナンスの項目において、結果コード上下2段のそれぞれの左の2桁を「00」に設定する。
【0135】
ステップS44では、管理装置5のCPU21は、メンテナンス作業が終了したか否かを判断する。この処理は、例えば、管理者が操作部13を操作して、スタッフ管理テーブルのメンテナンスの項目において、当該スタッフの対応コード上下2段のそれぞれの左の2桁に対応中であることを示す「10」以外の値を設定したか否かを判断して行う。ステップS44の判断結果が「No」の場合には、管理装置5のCPU21は、同判断を繰り返す。
【0136】
管理者は、上記メンテナンス情報に基づいて、まず、加藤信一が使用するVD環境に対応した仮想イメージファイル(ミラーVC32
31)のメンテナンス作業を行う。例えば、上記メンテナンス情報がクライアントOS「BOS10」の脆弱性に関するバグに対応したものであれば、ベンダーB社から供給された更新プログラムをインストールするなどの作業を行う。管理者は、必要であれば、ミラーVC32
31の再起動を行う。このミラーVC32
31の再起動の際、加藤信一がこのミラーVC32
31に対応したVC32
31にアクセスしていても、加藤信一は、このミラーVC32
31の再起動を認識することはない。
【0137】
クライアントOSのメンテナンスを行うとログが記憶されるので、管理者は、そのログを参照して、メンテナンスが問題なく終了した場合は、管理装置5の操作部13を操作して、スタッフ管理テーブルの加藤信一の行において、いずれもメンテナンスの項目下段について、要否コードの左の桁に「0」を設定し、結果コードの左の2桁に「01」を設定するとともに、対応コードの左の2桁に対応が終了したことを示す「00」を設定する。これにより、ステップS44の判断結果が「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS45へ進む。
【0138】
これに対し、管理者は、上記ログに軽微なエラーが表示されていた場合は、管理装置5の操作部13を操作して、スタッフ管理テーブルの加藤信一の行において、いずれもメンテナンスの項目下段について、上記要否コードの左の桁に「1」を設定し、上記結果コードの左の2桁に「10」を設定するとともに、上記対応コードの左の2桁に対応が保留されていることを示す「01」設定する。これにより、ステップS44の判断結果が「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS45へ進む。
【0139】
また、管理者は、上記ログに致命的なエラーが表示されていた場合は、管理装置5の操作部13を操作して、スタッフ管理テーブルの加藤信一の行において、いずれもメンテナンスの項目下段について、上記要否コードの左の桁に「1」を設定し、上記結果コードの左の2桁に「11」を設定するとともに、上記対応コードの左の2桁に対応中であることを示す「10」を設定する。
【0140】
次に、管理者は、操作部13を操作してWAN7を介して当該クライアントOSを提供しているベンダーのwebサーバ等にアクセスする。管理者は、当該webサーバ等からそのエラーの対策(例えば、修正版アプリケーションなど)を探し出して処置を行い、エラー状態を解消していく。そして、管理者は、致命的なエラーが解消された場合には、スタッフ管理テーブルの加藤信一の行において、いずれもメンテナンスの項目下段について、上記要否コードの左の桁に「0」を設定し、上記結果コードの左の2桁に「01」を設定するとともに、上記対応コードの左の2桁に「00」を設定する。これにより、ステップS44の判断結果が「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS45へ進む。
【0141】
一方、エラーの対策を発見できなかった場合には、管理者は、クライアントOSをメンテナンス前の正常に稼働していた状態に戻した(ロールバック)後、スタッフ管理テーブルの加藤信一の行において、いずれもメンテナンスの項目下段について、上記対応コードの左の2桁に「11」を設定する。これにより、ステップS44の判断結果が「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS45へ進む。
【0142】
ステップS45では、管理装置5のCPU21は、スタッフが使用するVC32として、稼働VCからミラーVCへ切り替えた後、ステップS46へ進む。今の場合、加藤信一が使用するVC32として、稼働VC32
31からミラーVC32
31へ切り替える。
【0143】
ステップS46では、管理装置5のCPU21は、稼働VCについてメンテナンス作業が終了したか否かを判断する。この処理は、スタッフ管理テーブル(
図12)を参照して、当該スタッフの行において、例えば、メンテナンスの項目を構成する要否コード上段の左の桁が「0」に設定されているか否かを判断して行う。なお、クライアントOSをロールバックした場合、要否コード上段の左の桁は「1」に設定されたままである。その場合、対応コードの左の2桁が「11」に設定されているか否かを判断する。ステップS46の判断結果が「Yes」の場合には、管理装置5のCPU21は、ステップS47へ進む。
【0144】
一方、ステップS46の判断結果が「No」の場合、すなわち、当該スタッフの稼働VCについてメンテナンス作業が終了していない場合には、管理装置5のCPU21は、ステップS43へ戻り、稼働VCについて、上記ステップS43〜S45の処理を繰り返す。今の場合、スタッフ管理テーブルの加藤信一の行において、要否コード上段の左の桁に「1」が設定されているので、ステップS46の判断結果は「No」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS43へ戻る。
【0145】
ステップS43では、管理装置5のCPU21は、再び、当該スタッフの使用OSのメンテナンスを行うための画面を表示部12に表示した後、ステップS44へ進む。ステップS44では、管理装置5のCPU21は、メンテナンス作業が終了したか否かを判断する。ステップS44の判断結果が「No」の場合には、管理装置5のCPU21は、同判断を繰り返す。
【0146】
管理者は、上記メンテナンスに関する情報に基づいて、今度は、当該スタッフの稼働VC32
31、すなわち、当該スタッフ、今の場合、加藤信一が現在使用している端末1上で稼働しているVD環境のVC32
31のメンテナンス作業を行う。このメンテナンス作業は、上記したミラーVC32
31のメンテナンス作業と同様であるので、その説明を省略する。
【0147】
管理者が稼働VC32
31のメンテナンス作業を終了し、管理装置5の操作部13を操作して、スタッフ管理テーブルの加藤信一の行において、いずれもメンテナンスの項目上段について、要否コードの左の桁に「0」を設定し、結果コードの左の2桁及び対応コードの左の2桁に所定の値を設定すると、ステップS44の判断結果が「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS45へ進む。
【0148】
ステップS45では、管理装置5のCPU21は、スタッフが使用するVC32として、ミラーVCから稼働VCへ切り替えた後、ステップS46へ進む。今の場合、加藤信一が使用するVC32として、ミラーVC32
31から稼働VC32
31へ切り替える。
【0149】
ステップS46では、管理装置5のCPU21は、稼働VCについてメンテナンス作業が終了したか否かを判断する。今の場合、スタッフ管理テーブルの加藤信一の行において、要否コード上段の左の桁に「0」が設定されているので、ステップS46の判断結果は「Yes」となり、管理装置5のCPU21は、ステップS47へ進む。
【0150】
ステップS47では、管理装置5のCPU21は、メンテナンス対象であるすべてのスタッフのVC32についてメンテナンスが終了したか否かを判断する。この処理は、VC管理テーブル(
図12)のすべてのスタッフの行において、ステップS41の処理で「1」にセットした要否コードが「0」にセットされているか否かを判断して行う。なお、クライアントOS等をロールバックした場合、要否コードの左の桁は「1」に設定されたままである。その場合、対応コードの左の2桁が「11」に設定されているか否かを判断する。
【0151】
ステップS47の判断結果が「Yes」の場合には、管理装置5のCPU21は、このメンテナンス支援処理を終了する。一方、ステップS47の判断結果が「No」の場合、すなわち、メンテナンス対象であるすべてのスタッフのVC32についてメンテナンスが終了していない場合には、管理装置5のCPU21は、次のスタッフを選択するために、ステップS42へ戻り、上記したステップS42〜S46の処理を繰り返す。
【0152】
このように、本実施の形態1では、スタッフが使用する端末1
1〜1
60を、医療用コンピュータはもちろん、一般的なパーソナルコンピュータと比較しても安価なVDI端末とし、各スタッフの仮想クライアント(VC)を端末用サーバ2
1〜2
8上に構築するとともに、医事会計システム等の各サブシステムの仮想サーバ(VS)をサーバ用サーバ3
1〜3
8上に構築している。また、本実施の形態1では、各VCについては、記憶装置4に対応したミラーVCを設けて二重化し、各VSについては一対のVSをペアVSとしてクラスタ構成にしている。
【0153】
そして、VCについては、ミラーVCと稼働VCとを切り替えてそれぞれメンテナンス作業を行い、ペアVSを構成する各VSについてもクラスタを分離及び結合することによりそれぞれメンテナンス作業を行っている。
【0154】
したがって、本実施の形態1によれば、デスクトップ仮想化技術及びサーバ仮想化技術を用いることにより、ハードウェアに関する設備費用(調達コスト及び更新コスト)を大幅に削減できるとともに、ハードウェア自体が消費する電力及びハードウェアを冷却するための電力も大幅に削減でき、しかも、メンテナンスについても時間的な制約を受けずに行うことができる。
【0155】
また、本実施の形態1によれば、ベンダーのサポートが終了したレガシーOSやレガシーアプリケーションもそのまま使用することができるので、ユーザにとって使い勝手が良い。さらに、老朽化した端末用サーバ2又はサーバ用サーバ3を新機種に更新する作業は、例えば、ライブマイグレーション等を用いることにより、病院業務を止めることなく、しかも、時間的な制約を受けずに行うことができる。
【0156】
実施の形態2.
上述の実施の形態1では、稼働VSと待機VSとをペアVSとしてクラスタを構成し、待機VSに対してメンテナンス作業を行った後、稼働VSに対してメンテナンス作業を行う例を示したが、これに限定されない。例えば、クラスタ構成を採用せずに、VCの場合と同様、VSの仮想イメージファイル(以下、「ミラーVS」という。)を記憶装置4に記憶するように構成し、ミラーVSに対してメンテナンス作業を行った後、稼働VSに対してメンテナンス作業を行うように構成しても良い。
【0157】
実施の形態3.
上述の実施の形態1では、端末用サーバ2に稼働VCを搭載するとともに、VCの仮想イメージファイル(ミラーVC)を記憶装置4に記憶する例を示したが、これに限定されない。例えば、VSと同様、異なる物理マシン31上に稼働VC32と待機状態にあるVS32(以下、「待機VC」という。)とをペアVCとしてクラスタを構成し、待機VCに対してメンテナンス作業を行った後、稼働VCに対してメンテナンス作業を行うように構成しても良い。このように構成すれば、端末1について高可用性を実現することができる。
【0158】
実施の形態4.
上述の実施の形態1では、メンテナンス作業は管理者が行う例を示したが、これに限定されない。例えば、1台目のVS又はVCのメンテナンス作業は管理者が行い、対策が判明した場合には、その対策をプログラミングし、2台目以降のVS又はVCのメンテナンス作業は管理装置5が行うように構成しても良い。このように構成すれば、メンテナンスにかかる費用及び時間を削減することができる。
【0159】
実施の形態5.
上述の各実施の形態では、メンテナンス支援処理のすべてを管理装置5が行う例を示したが、これに限定されない。例えば、メンテナンス支援処理の一部、具体的にはクラスタを構成するペアVSの分離及び結合、稼働VCとミラーVCとの切替などを端末用サーバ2
1〜2
8やサーバ用サーバ3
1〜3
8に搭載された、ハイパーバイザー、ホストOS又は管理OSが行うように構成しても良い。
【0160】
実施の形態6.
上述の各実施の形態では、管理装置5を病院内に設ける例を示したが、これに限定されない。例えば、管理装置5を病院外に設け、WAN7を介して情報処理システムにアクセスするように構成しても良い。このように構成すれば、遠隔地から情報処理システムのメンテナンス作業を行うことができる。
【0161】
実施の形態7.
上述の各実施の形態では、端末用サーバ2
1〜2
8及びサーバ用サーバ3
1〜3
8を病院内に設ける例を示したが、これに限定されない。例えば、端末用サーバ2
1〜2
8、サーバ用サーバ3
1〜3
8及び記憶装置4を病院外のデータセンターに設置するとともに、端末1
1〜1
60の一部を当該病院外の他の診療所等に設け、それらをVPN等の専用回線網を介して情報処理システムにアクセスするように構成しても良い。このように構成すれば、病院施設に何らかの障害があっても情報処理システムの復旧を迅速に行えるとともに、地域医療についても協力体制を構築することができる。
【0162】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0163】
例えば、上述の各実施の形態では、ミラーVCはすべて記憶装置4内に記憶される例を示したが、これに限定されず、各端末用サーバ2
1〜2
8とSAN等で直接接続された記憶装置に、各端末用サーバ2
1〜2
8に搭載された複数台の稼働VCにそれぞれ対応する複数台のミラーVCを記憶するように構成しても良い。このように構成すれば、記憶装置4の物理的な障害の影響を少なくすることができる。
【0164】
また、上述の各実施の形態では、
図7に示すVCの割当順位は物理マシン31
1〜31
8の相違だけで決定する例を示したが、これに加えて、複数の物理マシンが搭載されるラック又は複数の物理マシンに電源を供給する電源系統が同一か否かを割当順位を決定するパラメータとして加えても良い。
【0165】
また、上述の各実施の形態では、メンテナンスの時間帯は特に限定しない例を示したが、これに限定されない。例えば、当該スタッフの勤務時間(例えば、日勤;8:30〜17:15、準夜勤;16:00〜0:45、深夜勤;0:00〜8:45)外や外来診察時間(9:00〜13:00、14:00〜17:00)の合間などに集中してメンテナンス作業を行っても良い。
【0166】
また、上述の各実施の形態では、端末1
1〜1
60は医師等のスタッフだけが使用する例を示したが、これに限定されず、端末1
1〜1
60は患者等が使用しても良い。この場合、端末1
1〜1
60の使用者は医師等のスタッフ及び患者等であり、これらを「ユーザ」と総称することができる。これに伴って、
図12に示すスタッフ管理テーブルもユーザ管理テーブルとなり、少なくとも入院患者に対応した各種データが記憶される。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
、記憶装置4、管理装置5を有する。記憶装置4には各VCに対応する仮想イメージファイルが記憶される。管理装置5を構成する補助記憶装置には端末1に割り当てられるVCの識別番号、このVCに対応する仮想イメージファイルが記憶される記憶装置4のVCアドレス、VCで実行されるソフトウェアの名称、ソフトウェアのメンテナンス処理情報がスタッフごとに記憶される。管理装置5はソフトウェアのメンテナンスに関する情報に基づいて、仮想イメージファイル内及び稼働VC内それぞれの当該ソフトウェアのメンテナンスを促す表示を行い、メンテナンス終了後に当該ソフトウェアのメンテナンス処理情報を更新する。