(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0013】
(構成)
図1は、本実施形態に係わる番組録画装置の構成を示すブロック図である。番組録画装置1は、制御部11と、チューナ12と、画像処理部13と、複数(ここでは3つ)のカードインターフェース部(以下、I/Fという)14a、14b、14cと、記憶装置15と、ディスクドライブ装置16と、リモコン受信部17とを含んで構成されている。番組録画装置1は、デジタル放送受信装置であり、本実施の形態では、番組を録画する機能を有するハードディスクレコーダである。なお、本実施形態では、番組録画装置1は、ディスクドライブ装置16を有しているが、ディスクドライブ装置16を有していなくてもよい。
【0014】
よって、番組録画装置1は、テレビジョン受像機(以下、テレビという)等に接続され、テレビ等の表示画面上に、受信している放送の番組を表示し、かつ番組を録画し、さらに録画した番組を再生して表示することができる。
【0015】
さらに、番組録画装置1は、番組の視聴及び録画の機能に加えて、過去の所定期間(例えば過去15日間)だけ、設定された1又は2以上のチャンネルの番組の全てを自動的に録画する全番組録画機能を有する。
【0016】
よって、ユーザは、番組録画装置1により、現在放送されている番組のリアルタイムの視聴、現在あるいは将来放送される番組の録画予約、及び全番組録画機能による録画及びその録画された過去の番組のタイムシフト再生をすることができる。
【0017】
制御部11は、番組録画装置1の全体の動作を制御するための処理部であり、中央処理装置(CPU)、ROM、RAM、フラッシュメモリ等を含んで構成される。制御部11は、CPUがROM等に記憶されている所定のプログラムを読み出して実行することにより、後述する受信契約に関する情報を表示する機能を含む種々の機能を実現する。
【0018】
チューナ12は、図示しないアンテナ等に接続されており、放送事業者からのデジタル放送信号を受信し、受信された複数のRFチャネルのデジタル放送信号より所定のRFチャネルの放送信号を選択し、そのRFチャネルの放送信号に対応したMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)トランスポート・ストリームを生成する回路である。
【0019】
画像処理部13は、デスクランブル部、デマルチプレクス部、MPEGデコード部、音声信号処理部、等々を含み、受信した放送信号をデコードして、映像信号と音声信号の出力信号OUTを生成する処理部である。画像処理部13において生成された出力信号OUTは、テレビに出力される。
【0020】
3つのI/F14a、14b、14c(以下、3つのI/Fを纏めて指すとき、あるいは任意の1つのI/Fを指すときは、I/F14という)は、3枚のICカードC1、C2、C3(以下、3枚のICカードを纏めて指すとき、あるいは任意の1枚のICカードを指すときは、ICカードCという)を装着可能で、制御部11が、各ICカードCに記憶された情報を読み出し、装着された各ICカードへ情報を書き込むためのインターフェース装置である。各I/F14は、ICカードCを装着するためのカードスロットを有する。各ICカードCには、有料放送の番組の視聴に必要な契約のための情報が記憶されている。
【0021】
記憶装置15は、大容量のハードディスク装置(HDD)である。記憶装置15には、ユーザの録画予約により録画された番組、及び全番組録画機能により録画された番組が、記憶される。
【0022】
ディスクドライブ装置16は、ディスク(例えばDVD、ブルーレイ・ディスク)を搭載するための装置であり、ディスクに記録されたコンテンツを再生し、及びディスクにコンテンツを記録するための駆動装置である。
【0023】
リモコン受信部17は、ユーザが操作するリモコン(図示せず)からの操作信号OCを受信する回路である。リモコン受信部17は、例えば、赤外線の操作信号OCを受光して、電気信号に変換して制御部11へ出力する。
【0024】
ユーザは、リモコンを操作することにより、番組のリアルタイム視聴、録画予約、タイムシフト再生、番組表表示、各種設定、等々の指示を、番組録画装置1へ与えることができる。
【0025】
図2は、番組録画装置1の外観図である。番組録画装置1の前面パネル21の下部には、カバー22が開閉可能に設けられており、
図2は、カバー22が開けられた状態を示す。ユーザがカバー22を開けてICカードCを装着することができるように、前面パネル21には、3つのカードスロット23a、23b、23c(以下、3つのカードスロットを纏めて指すとき、あるいは任意の1つのカードスロットを指すときは、カードスロット23という)が配置されている。3つのカードスロット23は、それぞれ3つのI/F14a、14b、14cのカードスロットに対応する。
【0026】
なお、前面パネル21には、USB端子部24、及びSDカードスロット25も設けられている。
【0027】
さらに、前面パネル21には、ディスクドライブ装置16のためディスクトレイ部26も設けられており、ユーザは、開閉ボタン27を操作することにより、二点鎖線A1で示す方向に沿って、ディスクトレイ部26を前面パネル21から飛び出させたり、前面パネル21の内部へ収容させたり、することができる。
【0028】
カードスロット23aは、BS・CS.地デジ共用のICカードC1を装着するためのスロットである。カードスロット23bは、地デジ専用のICカードC2を装着するためのスロットである。カードスロット23cは、BS・CS.地デジ共用のICカードC3を装着するためのスロットである。
【0029】
番組録画装置1は、上述したように、番組の視聴機能、番組の録画予約機能、及び全番組録画機能の3つの機能を有する。本実施の形態では、ICカードC1は、視聴機能用、録画予約機能用、及び全番組録画機能用のカードとして利用され、ICカードC2とC3は、全番組録画機能専用のカードとして利用されるものとして説明する。
【0030】
よって、3枚のICカードCは、番組を受信するための契約に必要な情報を記憶する記憶部を構成する。その記憶部は、全番組録画機能により録画される番組の受信のための契約に必要な情報としての識別情報を記憶する記憶媒体としてのICカードC2,C3と、後述する電子番組表EPGに表示される番組の受信のための識別情報を記憶する記憶媒体としてのICカードC1と、を有する。そして、ICカードC1に記憶された識別情報は、全番組録画機能により録画される番組の受信のための契約に必要な情報としても使用可能である。各ICカードCの識別情報は、受信契約用識別情報である。
【0031】
本実施形態の番組録画装置1では、全番組録画機能は、例えば最大8チャンネルについて設定可能であり、ICカードC2とC3は、全番組録画機能のために最大3チャンネルまで設定すなわち使用可能なCAS(Conditional Access System)カードとminiCASカードであり、ICカードC1は、全番組録画機能のために最大2チャンネルまで設定すなわち使用可能なCASカードである。言い換えると、ICカードC2とC3は、全番組録画機能の専用カードであり、ICカードC1は、全番組録画機能の増設チャンネル用のカードとして使用可能となっている。
【0032】
番組録画装置1は、番組の視聴及び番組の録画予約のために、電子番組表EPGを表示することができる。ユーザは、図示しないリモコンに対して所定の操作を行うことによって、電子番組表EPGを、テレビの表示画面上に表示させることができる。
【0033】
さらに、番組録画装置1は、全番組録画機能により録画された番組の録画リストである過去番組表RLを表示することができる。ユーザは、図示しないリモコンに対して所定の操作を行うことによって、過去番組表RLを、テレビの表示画面上に表示させ、所望の番組のタイムシフト再生をすることができる。
【0034】
(作用)
次に、番組録画装置1における、有料放送の受信契約のための情報の表示方法について説明する。有料放送を視聴したい者は、有料放送の番組を提供する放送事業者へ、デジタル放送受信装置に装着されたICカードCの識別情報を通知して契約を結ぶ。すなわち、ここでは、ICカードCの識別情報は、カードIDであり、受信契約に必要な情報である。
【0035】
図3は、番組録画装置1に装着されたICカードCの識別情報を表示する処理の流れの例を示すフローチャートである。
図3の処理は、制御部11のCPUが、ROMに記憶された所定のプログラムを読み出して実行することによって、行われる。
【0036】
ユーザが図示しないリモコンに対して所定の操作を行うことによって、電子番組表EPG又は過去番組表RLを、テレビの表示画面上に表示させる指示を、番組録画装置1に対して行うと、制御部11は、
図3の処理を実行する。
【0037】
制御部11は、表示指示された番組表が過去番組表RLであるか否かを判定する(S1)。この判定は、リモコンからの操作信号OCに基づいて行うことができる。
【0038】
表示指示された番組表が過去番組表RLである場合(S1:YES)、制御部11は、過去番組表RLを、テレビの画面上に表示する処理を実行する(S2)。過去番組表RLは、全番組録画機能により録画された番組の録画リストである。よって、S2の処理は、全番組録画機能により録画された番組の録画リストRLを表示する録画リスト表示部を構成する。
【0039】
表示指示された番組表が過去番組表RLでない場合(S1:NO)、制御部11は、電子番組表EPGを、テレビの画面上に表示する処理を実行する(S3)。電子番組表EPGは、番組の視聴及び番組の録画予約のために番組表である。よって、S3の処理は、視聴若しくは録画のための電子番組表EPGを表示する電子番組表表示部を構成する。
【0040】
図4は、過去番組表RLの表示例を示す図である。過去番組表RLは、横軸が、全番組録画機能の対象チャンネルであり、縦軸が、録画時刻である。横軸に沿って表示されたチャンネルは、全番組録画機能の対象チャンネルとして設定されたチャンネルである。
【0041】
例えば、
図4の左側の3つの地デジのチャンネルが、全番組録画機能専用のICカードC2を使用して受信契約がされているチャンネルであり、中央の2つのBSのチャンネルが、全番組録画機能専用のICカードC3を使用して受信契約がされているチャンネルであり、右側の1つのBSのチャンネルが、全番組録画機能用にも使用できるICカードC1を使用して受信契約がされているチャンネルである。
【0042】
図4に示すように、過去番組表RLは、表示している番組表がタイムシフト再生用の番組表であることを示す番組表種別表示部31と、画面上に表示されている録画された番組の時間帯の属する日付を示す日付表示部32と、番組名等を表示する番組欄表示部33と、コマンド表示部34を含む。
【0043】
番組表種別表示部31は、表示されている番組表が全番組録画機能により録画された番組のタイムシフト再生用リストであることを示す「過去番組表」の文字を含んでいる。
【0044】
日付表示部32は、番組欄表示部33に表示されている各番組が録画された日付を示す文字を含んでいる。
【0045】
番組欄表示部33は、縦軸の時間経過に沿って、チャンネル毎に番組名を含む番組欄を
表示する。
図4の場合、6つのチャンネルの、日付表示部32に表示された日付の午後4
時から7時迄に録画された複数の番組名、番組詳細内容などが、番組欄表示部33の番組
毎に表示されている。
【0046】
コマンド表示部34は、続き再生のためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部34a、チャンネル毎の番組名表示ためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部34b、ICカードCの識別情報であるカードIDの画面表示指示のためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部34c、ページ切換指示のためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部34d、及びサブメニュー表示指示のためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部34eを含んでいる。例えば、ボタン機能指示部34aは、リモコンの「緑」ボタンが「続き再生」の機能の実行を指示するためのボタンであることを示し、同様に、ボタン機能指示部34cは、リモコンの「画面表示」ボタンが「カードIDを表示する」機能の実行を指示するためのボタンであることを示している。ユーザが、各ボタン機能指示部に示されたリモコン上のボタンを押すと、対応する機能が実行される。
【0047】
因みに、有料放送サービスにおいて、一定期間だけ無料で番組を受信できる期間を提供するサービスが設けられる場合がある。その場合、受信契約をしていなくても、番組記録装置1において全番組録画機能の録画対象チャンネルに設定することができる。しかし、その無料の期間が経過すると、番組の録画はできなくなるため、過去番組表RLの該当するチャンネルの番組欄は空欄となる。
【0048】
図5は、電子番組表EPGの表示例を示す図である。
図5は、地デジ放送の電子番組表EPGの例である。電子番組表EPGは、横軸が、視聴及び録画予約機能の対象チャンネルであり、縦軸が、放送時刻である。横軸に沿って表示されたチャンネルは、視聴及び録画機能のために、受信契約が締結されたチャンネルである。
図5の6つの地デジのチャンネルは、ICカードC1を使用して受信契約がされているチャンネルである。
【0049】
図5に示すように、電子番組表EPGは、表示している番組表が現在放送されている及び将来に放送される番組の番組表である電子番組表EPGであることを示す番組表種別表示部41と、画面上に表示されている番組の放送時間帯の属する日付を示す日付表示部42と、番組欄表示部43と、コマンド表示部44を含む。
【0050】
番組表種別表示部41は、表示されている番組表が、地デジの電子番組表EPGであることを示す「地上デジタル番組表」の文字を含んでいる。
【0051】
日付表示部42は、番組欄表示部43に表示されている複数の番組名が放送される日付を示す文字を含んでいる。
【0052】
番組欄表示部43は、縦軸の時間経過に沿って、チャンネル毎に番組名を含む番組欄を表示する。
図5の場合、6つのチャンネルの、日付表示部42に表示された日付の午後7時から10時迄に放送される複数の番組名、番組詳細内容などが、番組欄表示部43の番組毎に表示されている。
【0053】
コマンド表示部44は、翌日の番組表を表示するためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部44a、マルチ表示のためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部44b、チャンネル毎の番組名表示ためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部44c、一発予約指示のためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部44d、現在の番組表を表示するためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部44e、ページ切換のためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部44f、及びサブメニュー表示指示のためのリモコン上のボタンの機能を示すボタン機能指示部44gを含んでいる。ユーザが、各ボタン機能指示部に示されたリモコン上のボタンを押すと、対応する機能が実行される。
【0054】
図3に戻り、S2及びS3で表示される番組表は、それぞれ
図4及び
図5の番組表である。
【0055】
S2又はS3の処理後、制御部11は、番組選択処理を実行する(S4)。番組選択処理は、ユーザが、リモコンを操作して、表示されている番組表中の所望の番組にカーソルを移動させることによって、所望の番組を選択することができるようにする処理である。
【0056】
過去番組表RLの場合、
図4において斜線で示すように、選択された番組SP1が他の番組と区別できるように強調表示され、番組SP1が選択されていることが示される。電子番組表EPGの場合、
図5において斜線で示すように、選択された番組SP2が他の番組と区別できるように表示され、番組SP2が選択されていることが示される。
【0057】
よって、S4で選択された番組に対して、ユーザは、リモコンにおいて所定の操作をすることにより、
図4の過去番組表RLの場合であれば、選択された番組の再生をすることができ、
図5の電子番組表EPGの場合であれば、選択された番組の視聴あるいは録画予約をすることができる。
【0058】
S4の処理後、制御部11は、過去番組表RLが表示され、かつ過去番組表RL中のある番組が選択された状態で、ICカードCの識別情報表示ボタンであるカードID表示ボタンがオンされたか否かを判定する(S5)。すなわち、カードIDの画面表示指示のためのリモコン上のボタン機能指示部34cに対応するリモコン上のボタン(ここでは、「画面表示」ボタン)が操作すなわち押下されたか否かが判定される。
【0059】
ボタン機能指示部34cに対応するリモコン上のボタンが操作されなければ(S5:NO)、処理は、S8へ移行する。
ボタン機能指示部34cに対応するリモコン上のボタンが操作されると(S5:YES)、制御部11は、選択されている番組を受信するために使用されているICカードCをチェックする(S6)。すなわち、ICカードCに記憶された情報に基づいて、3枚のICカードC1からC3のいずれのICカードCが、選択されている番組を受信するために使用されているか、が判定される。
そして、制御部11は、判定されたICカードCに記録された識別情報を読み出して、テレビの画面上に識別情報を表示する(S7)。すなわち、S7の処理が、録画リストである過去番組表RL中で選択されている番組を受信するための使用されているICカードC1からC3のいずれかに記憶された、選択されている番組についての契約に必要な情報を表示する情報表示部を構成する。特に、ここでは、S5の処理に応じて、すなわち所定の表示指示入力に応じて、選択されている番組についての契約に必要な情報が表示される。
【0060】
図6は、過去番組表RL におけるICカードCの識別情報の表示例を示す図である。ICカードCの識別情報は、過去番組表RL上に重畳するように表示される別のウインドウ51内に示される。
図6の場合、ポップアップして過去番組表RL上に重畳するように表示された矩形のウインドウ51は、表示内容説明部52と、識別情報表示部53とを含んでいる。
【0061】
表示内容説明部52は、選択された番組が全番組録画機能により録画されたもので、その番組の受信のために使用されたICカードがどのICカードであるかを示すメッセージを含んでいる。
【0062】
具体的には、
図6の場合、表示内容説明部52は、3枚のICカードCの中の「CASカード」が、選択された番組のチャンネルの全番組録画のために使用されている旨のメッセージを含んでいる。さらに、識別情報表示部53は、そのICカード(「B-CASカード」)の識別情報すなわちカードIDは、「0000 XXXX 0000 1234 XXXX」であることを示している。なお、このウインドウ51は、ユーザがカーソルを移動して「了解」ボタン54をクリックすることにより、閉じられる。
【0063】
S7で識別情報を表示した後、処理は、S8へ移行する。S8では、表示されている過去番組表RLあるいは電子番組表EPGの表示終了の指示がされたか否かが判定される。
【0064】
過去番組表RLあるいは電子番組表EPGの表示終了の指示がされなければ(S8:NO)、処理は、S4へ戻る。過去番組表RLあるいは電子番組表EPGの表示終了の指示がされると(S8:YES)、処理は終了する。
【0065】
以上のように、本実施の形態によれば、過去番組表RLが表示されているときに、番組を選択した状態で、ユーザが、所定の操作を行うと、その選択された番組を受信するために使用されているICカードCに記憶されている、その番組を受信するための契約に必要な情報が画面上に表示される。
【0066】
例えば、
図6の場合、左端のチャンネルの番組SP1が選択されている。よって、ウインドウ51には、左端のチャンネルの番組SP1は、ICカードC2を使用して受信契約がされているチャンネルの番組であるので、ICカードC2の識別情報が、表示される。
【0067】
もしも、
図4の右端のチャンネルの番組が選択されていれば、ウインドウ51には、右端のチャンネルの番組は、ICカードC1を使用して受信契約がされているチャンネルの番組であるので、ICカードC1の識別情報が、表示される。もしも、
図4の右端から2番目のチャンネルの番組が選択されていれば、ウインドウ51には、右端から2番目のチャンネルの番組は、ICカードC3を使用して受信契約がされているチャンネルの番組であるので、ICカードC3の識別情報が、表示される。
【0068】
よって、ユーザは、全番組録画機能用として使用されているICカードの識別情報を容易に確認することができる。
【0069】
なお、上述した有料放送の無料受信期間の経過後、ユーザが有料チャンネルの契約をしたい場合、過去番組表RLから、空欄表示となった番組欄を選択して、上記のリモコン上の所定のボタン(ここでは、「画面表示」ボタン)を操作すなわち押下すると、その無料受信期間時に設定した全番組録画機能の対象チャンネルの受信時に使用したICカードCの識別情報が表示されるので、ユーザは、使用されているICカードの識別情報を容易に確認することができ、受信契約を簡単に結ぶことができる。その結果、ユーザは、契約締結後、その有料チャンネルの全番組録画を行うことができる。
【0070】
次に変形例を説明する。
上述した実施形態では、ICカードC1の識別情報は、所定の操作(上述の例では、所定のボタンの押下)がされると、選択されている番組を受信するためICカードCの識別情報が、ポップアップ表示されたウインドウに表示されているが、選択された番組の欄の中に、ICカードCの識別情報が表示するようにしてもよい。
【0071】
図7は、選択された番組の欄の中にICカードCの識別情報を表示する過去番組表RLの表示例を示す図である。ユーザが、過去番組表RL中の番組を選択すると、所定の操作(所定のボタンの押下など)をしなくても、その選択された番組を受信するためICカードCの識別情報が、その選択された番組欄の中に表示される。
【0072】
図7に示すように、右端の番組SP3が選択された状態であり、右端のチャンネルの番組SP3は、ICカードC1を使用して受信されている有料チャンネルの番組である。なお、番組SP3の欄は黒抜きで示され、有料チャンネル未契約で録画がされていなかったことを示している。よって、ICカードC1の識別情報およびカスタマーセンターの連絡先の情報が、選択された番組欄SP3にある表示スペース61に表示される。
【0073】
なお、
図7のように、ICカードCの識別情報を選択された番組名の欄の中に表示するのではなく、別のウインドウ中に、表示するようにしてもよい。
【0074】
図8は、選択された番組を受信するためICカードCの識別情報を、別のウインドウ中に表示する表示例を示す図である。ユーザが、過去番組表RL中の番組を選択すると、その選択された番組を受信するためICカードCの識別情報が、別のウインドウである表示スペース61の中に表示されている。
【0075】
図8に示すように、右端の番組SP3が選択された状態であり、右端のチャンネルの番組は、ICカードC1を使用して受信契約がされているチャンネルの番組であるが、ICカードC1の識別情報は、所定の操作(所定のボタンの押下など)がされなくても、別のウインドウである表示スペース61の中に表示される。
【0076】
図9は、
図7及び
図8の表示例に関わる、番組録画装置1に装着されたICカードCの識別情報を表示する処理の流れの例を示すフローチャートである。
図9の処理も、制御部11のCPUが、ROMに記憶された所定のプログラムを読み出して実行することによって、行われる。
図9において、
図3と同じ処理については、同じステップ番号を付して、説明は省略する。
【0077】
図9の場合、S1からS4の処理の後、S6の処理が実行される。なお、
図7の表示例の場合は、S4の処理を省略して、番組選択無しで識別情報等を表示してもよい。S6の後、制御部11は、選択されている番組のチャンネルは有料チャンネルか否かを判定する(S11)。選択されている番組のチャンネルが有料チャンネルであるとき(S11:YES)、そのチャンネルが未契約であるか否かが判定される(S12)。選択されている番組のチャンネルが未契約であるとき(S12:YES)、制御部11は、識別情報(カードID)及びカスタマーセンターの連絡先を表示スペース61中に表示する(S13)。
【0078】
また、選択されている番組のチャンネルは有料チャンネルでないとき(S11:NO)、及び選択されている番組のチャンネルが契約済みであるとき(S12:NO)、制御部11は、識別情報(カードID)を表示スペース61中に表示する(S14)。
S13及びS14の処理の後、S8の処理が実行される。
【0079】
よって、
図7から
図9で示した本変形例においても、ユーザは、全番組録画機能用として使用されているICカードの識別情報を容易に確認することができる。すなわち、S4、S6及びS11の処理が、録画リストである過去番組表RL中の番組選択状態に応じて、選択されている番組についての契約に必要な情報を表示する情報表示部を構成する。
【0080】
なお、
図7と
図8では、その番組の契約に関わるカスタマーセンターの連絡先の情報として、電話番号も、ICカードCの識別情報と共に、その選択された番組名の欄の中あるいはウインドウ61の中に表示されている。よって、ユーザは、簡単にカスタマーセンターへの連絡をとることができる。
【0081】
このようなカスタマーセンターの連絡先の情報の表示は、上述した実施形態のウインドウ51中に、表示するようにしてもよい。
【0082】
また、上述した実施形態及び変形例では、過去番組表RL中の番組を選択することにより、その番組の受信に使用されているICカードCの識別情報が表示されるが、番組を選択しなくても、各チャンネルの受信に使用されているICカードCを識別できるように、過去番組表RL及び電子番組表EPGを表示するようにしてもよい。
【0083】
図10は、過去番組表RLの表示例の変形例を示す図である。
図10の過去番組表RLは、
図4の過去番組表に対応するものであり、横軸のチャンネル表示部71には、複数(ここでは6つ)のチャンネル情報表示部71a〜71fが表示されている。
【0084】
各チャンネル情報表示部には、地デジ、BS、CSの放送の種類と、チャンネル名、チャンネル番号が含まれている。例えば、左端のチャンネル情報表示部71aには、放送が「地デジ」であり、チャンネル名が「NH・・・」であり、チャンネル番号が「011」であることが示されている。なお、各チャンネル情報表示部には、アイコンなどが表示されるようにしてもよい。
【0085】
ここでは、ICカードC毎に予め色が設定されており、各チャンネル情報表示部は、その設定された色が付加されて、表示される。
【0086】
例えば、
図10においては、左側の3つの地デジのチャンネルが、全番組録画機能専用のICカードC2を使用して受信契約がされているチャンネルであり、中央の2つのBSのチャンネルが、全番組録画機能専用のICカードC3を使用して受信契約がされているチャンネルであり、右側の1つのBSのチャンネルが、全番組録画機能用にも使用できるICカードC1を使用して受信契約がされているチャンネルである。
【0087】
よって、チャンネル表示部71の左側の3つのチャンネル情報表示部71aから71cは、所定の第1の色(
図10では、斜めの斜線で示す)が背景色として付加されて表示される。チャンネル表示部71の中央の2つのチャンネル情報表示部71d、71eは、所定の第2の色(
図10では、横の縞模様で示す)が背景色として付加されて表示される。チャンネル表示部71の右側の1つのチャンネル情報表示部71fは、所定の第3の色(
図10では、格子模様で示す)が背景色として付加されて表示される。
【0088】
なお、色の付加は、番組欄に対して行うようにしてもよい。
色の付加処理は、制御部11のCPUにより行われるので、そのCPUを含む制御部11が、録画リストである過去番組表RLにおいて、各番組の受信のために使用されている記憶媒体であるICカード毎に割り当てられた色を付加して、各番組あるいは各番組のチャンネルを表示する録画リスト表示部を構成する。
【0089】
色分けは、制御部11が予め決められた複数の色を、複数のI/F14のスロットのそれぞれに順番に割り当てるようにしてもよいし、ユーザがスロット23aから23cの各スロットに装着されるICカードC毎に設定してもよい。設定された色の情報は、制御部11のフラッシュメモリに記憶される。
【0090】
このように設定された色の情報を用いて、他の画面表示のときにも、色別表示を行うようにすることもできる。
図11は、ICカードCの動作状態を確認するための画面の表示例である。
図11に示すような動作状態確認画面71は、番組録画装置1の購入後に最初に設定される処理等において表示される画面である。
図11の動作状態確認画面71は、各カード挿入口に装着されたICカードCの動作状態が、「正常」であることを示すとともに、各カードに対応する色表示部72を表示する。色表示部72は、前面パネル21の右上のカード挿入口23aに装着されたICカードC1は、所定の第3の色(
図10と同じように格子模様で示す)であり、前面パネル21の左のカード挿入口23cに装着されたICカードC3は、所定の第2の色(
図10と同じように横の縞模様で示す)であり、前面パネル21の右下のカード挿入口23bに装着されたICカードC2は、所定の第1の色(
図10と同じように斜めの斜線で示す)であることを示している。
【0091】
図11の色の付加処理も、制御部11のCPUにより行われるので、そのCPUを含む制御部11が、記憶媒体である各ICカードCの動作を確認するための動作状態確認画面において、各ICカードCに割り当てられた色を表示する色表示部72を表示するための出力を行う色表示部出力部を構成する。
【0092】
よって、ユーザは、各ICカードCの色を、
図11の動作状態確認画面71においても、確認することができる。
【0093】
また、全番組録画機能設定画面においても、設定された各チャンネルがどのICカードC1を使用して受信契約がされているかを、色では容易に認識できるように、色表示部を設けるようにしてもよい。
【0094】
図12は、全番組録画機能設定画面の表示例である。
図12に示すような全番組録画機能設定画面81は、ユーザが、全番組録画機能のために使用するチャンネルを設定するときに使用される設定画面である。
【0095】
図12では、6つのチャンネルが全番組録画機能のために設定されており、2つのチャンネルが未設定であることを示すと共に、各チャンネルに対応する色表示部82を表示する。色表示部82は、上側の第1から第3のチャンネルは、所定の第1の色(
図10と同じように斜めの斜線で示す)であり、中程の第4と第5のチャンネルは、所定の第3の色(
図10と同じように格子模様で示す)であり、第6のチャンネルは、所定の第2の色(
図10と同じように横の縞模様で示す)であることを示している。
【0096】
図12の色の付加処理も、制御部11のCPUにより行われるので、そのCPUを含む制御部11が、全番組録画機能により録画する番組のチャンネルを設定する全番組録画機能設定画面において、チャンネル毎に、割り当てられた色を表示する色表示部82を表示するための出力を行う色表示部出力部を構成する。
【0097】
よって、ユーザは、各チャンネルが、どのICカードCを使用して受信契約されているのかを容易に認識して確認することができる。
【0098】
なお、上述した例では、過去番組表RLが表示され、ある番組が選択されている状態で、カードIDの画面表示指示のためのリモコン上のボタン機能指示部34cに対応するリモコン上のボタンが操作されると、
図6に示すような、ICカードCの識別情報を含むウインドウ51が表示されるが、電子番組表EPGにおいても、同様の表示を行うようにしてもよい。
【0099】
すなわち、
図5の電子番組表EPG上に、カードIDの画面表示指示のためのリモコン上のボタン機能指示部を設け、電子番組表EPGが表示され、ある番組が選択されている状態で、カードIDの画面表示指示のためのリモコン上の所定のボタンが操作されると、
図6に示すような、ICカードCの識別情報を含むウインドウ51が表示されるようにしてもよい。そのようにすれば、無料放送であるか有料放送であるかに関わらず、ICカードCの識別情報が表示される。
【0100】
以上のように、上述した実施形態によれば、
契約に必要な情報を放送事業者へ通知して契約された1又は2以上のチャンネル用として使用されている
複数の記憶部の受信契約に必要な識別情報をユーザが容易に確認することができる番組録画装
置を提供することができる。
【0101】
従来は、一台のデジタル放送受信装置に複数のICカードが装着可能で、かつ複数のICカードを全番組録画用として使用可能な場合、ユーザは、どのICカードが、全番組録画用のどのチャンネルの番組受信用として使用されているのか、を確認するためには、契約時に使用したICカードをデジタル放送受信装置から抜き取ってICカードを見ただけで、判断することはできない。さらに、所定のメニュー画面を表示させて所定の操作を行うことによって表示装置の画面上に各ICカードの識別情報を表示させて確認する場合も、煩雑な作業あるいは操作が必要となる。
【0102】
しかし、上述した実施形態の放送受信装置によれば、複数のICカードを全番組録画機能用に使用したときに、ユーザは、どのチャンネルの番組受信にどのICカードが使用されているかを容易に確認でき、かつ新たな受信契約を結ぶ、あるいは契約を解約する場合も、ユーザは、識別番号を間違えずに、ICカードの識別情報を、放送事業者に通知することができる。
【0103】
なお、上述した実施形態では、番組録画装置の例として、ハードディスクレコーダを挙げて説明したが、テレビ自体が所謂タイムシフト機能を有しているものもあるので、本実施形態の番組録画装置は、テレビ等でもよい。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。