特許第6384925号(P6384925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社AZEの特許一覧

特許6384925医用診断支援装置、方法およびプログラム
<>
  • 特許6384925-医用診断支援装置、方法およびプログラム 図000002
  • 特許6384925-医用診断支援装置、方法およびプログラム 図000003
  • 特許6384925-医用診断支援装置、方法およびプログラム 図000004
  • 特許6384925-医用診断支援装置、方法およびプログラム 図000005
  • 特許6384925-医用診断支援装置、方法およびプログラム 図000006
  • 特許6384925-医用診断支援装置、方法およびプログラム 図000007
  • 特許6384925-医用診断支援装置、方法およびプログラム 図000008
  • 特許6384925-医用診断支援装置、方法およびプログラム 図000009
  • 特許6384925-医用診断支援装置、方法およびプログラム 図000010
  • 特許6384925-医用診断支援装置、方法およびプログラム 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384925
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】医用診断支援装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   A61B6/03 360D
   A61B6/03 360P
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-20362(P2016-20362)
(22)【出願日】2016年2月5日
(62)【分割の表示】特願2015-57242(P2015-57242)の分割
【原出願日】2013年11月27日
(65)【公開番号】特開2016-127947(P2016-127947A)
(43)【公開日】2016年7月14日
【審査請求日】2016年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】503313373
【氏名又は名称】株式会社AZE
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】阪本 剛
(72)【発明者】
【氏名】浦山 博昭
(72)【発明者】
【氏名】畦元 将吾
【審査官】 松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−260396(JP,A)
【文献】 特開2008−126076(JP,A)
【文献】 特表2007−537771(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0027260(US,A1)
【文献】 特開2011−139797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の管腔状組織を撮像した第1の医用画像データにおける、前記管腔状組織の長手方向における関心部の位置と、前記被検体の管腔状組織を撮像した第2の医用画像データにおける、前記長手方向における関心部の位置と、を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の医用画像データにおける関心部の位置を示す情報と、前記第2の医用画像データにおける関心部の位置を示す情報とを、前記管腔状組織の前記長手方向における表示基準位置から関心部の位置までの距離に対応する位置にそれぞれ表示させる表示手段と、
を備え、
前記関心部の位置を示す情報は、前記表示基準位置から前記関心部の位置までの距離であることを特徴とする医用診断支援装置。
【請求項2】
前記第1の医用画像データは、前記被検体が第1の体位で撮影された医用画像データであり、前記第2の医用画像データは、前記被検体が前記第1の体位とは異なる第2の体位で撮影された医用画像データであること
を特徴とする請求項1に記載の医用診断支援装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記第1の医用画像データにおける関心部の位置に対応する位置に前記第2の医用画像データにおける関心部が存在する場合には、当該第1の医用画像データにおける関心部の位置が識別可能に表示すること
を特徴とする請求項1または2に記載の医用診断支援装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記第1及び第2の医用画像データの前記長手方向に交差する面内における関心部の位置も記憶しており、
前記表示手段は、前記面内における関心部の位置が識別できるように表示させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医用診断支援装置。
【請求項5】
被検体の管腔状組織を撮像した第1の医用画像データにおける、前記管腔状組織の長手方向における関心部の位置と、前記被検体の管腔状組織を撮像した第2の医用画像データにおける、前記長手方向における関心部の位置と、前記第1及び第2の医用画像データの前記長手方向に交差する面内における関心部の位置と、を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記長手方向における関心部の位置を示す情報を、前記面内における関心部の位置が識別できるように表示させる表示手段と、
を備え、
前記関心部の位置を示す情報は、前記管腔状組織の前記長手方向における表示基準位置から前記関心部の位置までの距離であることを特徴とする医用診断支援装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記面内における関心部の位置に応じた態様によって前記位置を示す情報を表示もしくは強調させることで、前記面内における関心部の位置が識別できるようにすることを特徴とする請求項4または5に記載の医用診断支援装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記面内における関心部の位置を、前記管腔状組織の中心位置から所定の部位に向かう方向からの角度として記憶していることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の医用診断支援装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記関心部の前記長手方向の領域も記憶しており、
前記表示手段は、前記位置を示す情報とともにもしくは前記位置を示す情報に替えて、前記領域を示す情報を表示させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の医用診断支援装置。
【請求項9】
前記第1の医用画像データと前記第2の医用画像データとは、互いに異なる画像取得方式により取得されたものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の医用診断支援装置。
【請求項10】
被検体の管腔状組織を撮像した医用画像データにおける関心部の位置の入力を受け付ける入力受付手段を更に有し、
前記記憶手段は前記入力受付手段で受け付けた位置を、医用画像データ毎に記憶していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の医用診断支援装置。
【請求項11】
被検体の管腔状組織を撮像した医用画像データにおける関心部の位置を、医用画像データをもとに特定する特定手段を更に有し、
前記記憶手段は前記特定手段で特定された位置を、医用画像データ毎に記憶していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の医用診断支援装置。
【請求項12】
被検体の管腔状組織を撮像した第1の医用画像データにおける、前記管腔状組織の長手方向における関心部の位置と、前記被検体の管腔状組織を撮像した第2の医用画像データにおける、前記長手方向における関心部の位置と、を記憶する記憶手段を備える医用診断支援装置による医用診断支援方法であって、
前記医用診断支援装置が、
前記記憶手段に記憶された前記第1の医用画像データにおける関心部の位置を示す情報と、前記第2の医用画像データにおける関心部の位置を示す情報とを、前記管腔状組織の前記長手方向における表示基準位置から関心部の位置までの距離に対応する位置にそれぞれ表示させる表示ステップ
を備え、
前記関心部の位置を示す情報は、前記表示基準位置から前記関心部の位置までの距離であることを特徴とする医用診断支援方法。
【請求項13】
被検体の管腔状組織を撮像した第1の医用画像データにおける、前記管腔状組織の長手方向における関心部の位置と、前記被検体の管腔状組織を撮像した第2の医用画像データにおける、前記長手方向における関心部の位置と、前記第1及び第2の医用画像データの前記長手方向に交差する面内における関心部の位置と、を記憶する記憶手段を備える医用診断支援装置による医用診断支援方法であって、
前記医用診断支援装置が、
前記記憶手段に記憶された前記長手方向における関心部の位置を示す情報を、前記面内における関心部の位置が識別できるように表示させる表示ステップ
を備え、
前記関心部の位置を示す情報は、前記管腔状組織の前記長手方向における表示基準位置から前記関心部の位置までの距離であることを特徴とする医用診断支援方法。
【請求項14】
被検体の管腔状組織を撮像した第1の医用画像データにおける、前記管腔状組織の長手方向における関心部の位置と、前記被検体の管腔状組織を撮像した第2の医用画像データにおける、前記長手方向における関心部の位置と、を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の医用画像データにおける関心部の位置を示す情報と、前記第2の医用画像データにおける関心部の位置を示す情報とを、前記管腔状組織の前記長手方向における表示基準位置から関心部の位置までの距離に対応する位置にそれぞれ表示させる表示手段と
を備え、
前記表示手段は、前記第1の医用画像データにおける関心部の位置に対応する位置に前記第2の医用画像データにおける関心部が存在する場合には、当該第1の医用画像データにおける関心部の位置が識別可能に表示すること
を特徴とする医用診断支援装置。
【請求項15】
被検体の管腔状組織を撮像した第1の医用画像データにおける、前記管腔状組織の長手方向における関心部の位置と、前記被検体の管腔状組織を撮像した第2の医用画像データにおける、前記長手方向における関心部の位置と、を記憶する記憶手段を備える医用診断支援装置による医用診断支援方法であって、
前記医用診断支援装置が、
前記記憶手段に記憶された前記第1の医用画像データにおける関心部の位置を示す情報と、前記第2の医用画像データにおける関心部の位置を示す情報とを、前記管腔状組織の前記長手方向における表示基準位置から関心部の位置までの距離に対応する位置にそれぞれ表示させる表示ステップ
を備え、
前記表示ステップは、前記第1の医用画像データにおける関心部の位置に対応する位置に前記第2の医用画像データにおける関心部が存在する場合には、当該第1の医用画像データにおける関心部の位置が識別可能に表示すること
を特徴とする医用診断支援方法。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1乃至11、14のいずれか1項に記載の医用診断支援装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管腔状組織の診断支援に関するものであり、更に詳細には、病変の可能性が
ある部分を示す位置情報を適切に表示することで、管腔状組織の診断に好適な表示を行う
医用診断支援装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、癌における死亡原因のうち大腸癌による死亡率が上昇しており、これを受けて大
腸癌の早期発見および治療のため、内視鏡検査等を利用した検診プログラムが開発されて
いる。そのうち、CT(computed tomography)を利用して大腸を撮影して得られた医用
画像データを基に、仮想内視鏡機能を用いて腸管内を検査する手法は、CT−Colonography
(CTC)と呼ばれ、様々な施設で用いられている(例えば、特許文献1を参照)。しか
し、腸管内に残渣が存在すると、病変部(癌の他に、ポリープや腫瘍等を含む)を検出す
る場合に、この残渣が病変部として誤検出される可能性がある。また、CTによる撮影時
のノイズ成分や、仮想内視鏡画像を生成するときの誤差に応じ、実際には存在しない形状
として、誤検出される可能性がある。
【0003】
そこでCTCでは、残渣を篩い分けて病変部と区別するために、空気により腸管を拡張
させておき仰臥位と腹臥位とでそれぞれCT撮影するのが一般的となっている。両体位に
てCT撮影した後、まず、一方の体位について読影を行い、病変の可能性がある部分の位
置情報が、例えば肛門からの距離としてPC等に入力され、ソフトウエア内のリストで管
理される。続いて、他の体位について読影を行い、病変の可能性がある部分の位置情報が
、肛門からの距離としてPC等に入力され、リスト管理される。
【0004】
ここで、癌等の病変部は腸管組織が変化したものなので、体位を変化させても腸管内で
移動することはないが、一方で残渣は腸管表面に付着するものなので、体位を変化させる
とそれに応じて腸管内を移動し得る。このため、例えば図10に示すように、入力された
位置情報を体位毎にリスト表示させ、両体位間で一致もしくはほぼ一致する位置情報が存
在すれば、その位置に病変部が存在する可能性が高いと判断できる。図10の例では、肛
門から101cmおよび23cmの位置近傍に病変部が存在する可能性が高いと判断でき
る。また、異なる体位間で対応する位置情報が存在しない場合、この位置情報はノイズ成
分等に基づく誤検出によるものである可能性があり、このような誤検出も排除することが
できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−088891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、入力された位置情報をリスト表示させる場合、従来は単に図10に示すように
、位置情報を示す数字(肛門からの距離)を降順に、上から下へと羅列させていた。この
ため、例えば体位間でリスト表示される位置情報数が異なる場合(図10の例では、体位
1に対応する位置情報が6つであるのに対して、体位2に対応する位置情報が3つ)、両
体位間で一致もしくはほぼ一致している位置情報、すなわち、病変の可能性がある部分の
位置を直感的に一目で特定し難いという課題があった。
【0007】
本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、病変の可能性がある部分の位
置を直感的に一目で特定できる表示であって、管腔状組織の診断に好適な表示を行うこと
ができる医用診断支援装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る医用診断支援装置、方法およびプログラムは、
以下のように構成されている。
【0009】
すなわち、本発明に係る医用診断支援装置は、被検体の管腔状組織を撮像した第1の医用画像データにおける、前記管腔状組織の長手方向における関心部の位置と、前記被検体の管腔状組織を撮像した第2の医用画像データにおける、前記長手方向における関心部の位置と、を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記第1の医用画像データにおける関心部の位置を示す情報と、前記第2の医用画像データにおける関心部の位置を示す情報とを、前記管腔状組織の前記長手方向における表示基準位置から関心部の位置までの距離に対応する位置にそれぞれ表示させる表示手段と、を備え、前記関心部の位置を示す情報は、前記表示基準位置から前記関心部の位置までの距離であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る医用診断支援装置、方法およびプログラムは、関心部の位置情報を体位毎
に所定の表示方向に沿って表示するときに、所定の表示方向における表示基準位置から位
置情報の表示位置までの長さを、管腔状組織の所定位置から関心部までの距離に対応させ
て表示するように構成されている。この構成により、互いに異なる体位間において、同一
病変部についての位置情報が、互いに表示位置が揃えられて表示される。このため、本発
明に係る医用診断支援装置により表示されるリストをながめて、互いに異なる体位間にお
ける、表示位置の揃った位置情報の有無を確認するだけで、管腔状組織に病変部が存在す
るか否かを一目で直感的に診断することができる。さらに、このことによって、読影者の
負担を軽減できるとともに、管腔状組織の診断を的確且つ効率良く行うことが可能になる
【0017】
また、関心部が残渣の場合、体位の変化に伴って管腔状組織内で移動し得るので、リス
ト表示を行うと、互いに異なる体位間で位置情報の表示位置がずれることとなる。このた
め、位置情報の表示位置に基づいて、病変部と残渣とを簡単且つ明確に区別することがで
き、管腔状組織の診断に好適な表示を行うことができる。また、体位を変えてCTにより
撮影する場合、長手方向の同一位置に誤差が生じることはまれである。このため、位置情
報をリスト表示させたときに、異なる体位間において誤差に基づく位置情報が揃った状態
で表示されることはほとんどないといって良い。よって、リスト表示をながめることで、
誤差に基づく誤検出(ノイズ成分)を排除した簡易で精度の高い診断支援を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施例に係る医用診断支援装置の概略構成を示すブロック図 である。
図2図1に示す医用診断支援装置において実行される処理の流れを示すフローチ ャートである。
図3】腸管内部の画像であって、(a)および(b)は体位を変えた状態での同一 病変部近傍を示す画像、(c)および(d)は体位を変えた状態での同一残渣近傍を 示す画像である。
図4図1に示す医用診断支援装置によって得られるリスト表示の一例である。
図5】位置情報に付される色彩の変化を環状に表した説明図である。
図6】本発明の第2の実施例に係る医用診断支援装置の概略構成を示すブロック図 である。
図7図6に示す医用診断支援装置において実行される処理の流れを示すフローチ ャートである。
図8図4に示すリスト表示の変形例であって、病変の可能性の高低を表すマーク を付したリスト表示である。
図9】病変部の形態の一例を示す断面図であって、(a)は腸管の長手方向におけ る断面図であり、(b)はこの長手方向に直交する面における断面図である。
図10】従来の医用診断支援装置によって得られるリスト表示の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、上述の図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図
1を参照しながら、本発明の第1の実施例に係る医用診断支援装置1の装置構成について
説明する。
【0020】
図1に示す医用診断支援装置1は、画像撮像装置4(例えばCT)により得られた生体
の医用画像データに基づいて、マウスやキーボード等からなる操作装置3により選択され
た部位を診断するための表示を、表示装置2に行わせるものである。この医用診断支援装
置1は、特に大腸等の管腔状組織の診断に好適な表示を行わせることができる点に特徴を
有する。
【0021】
医用診断支援装置1は、コンピュータ等から構成されており、図1に示すように、制御
部11、データ記憶部12、表示データ出力インタフェース14、操作入力インタフェー
ス15および画像データ入力インタフェース16を備えて構成される。
【0022】
制御部11は、各種の演算処理を行うCPUにより構成され、仮想表示手段20および
位置情報表示手段21を備える(詳細は後述)。データ記憶部12は、ハードディスク、
RAMまたはROM等の記憶装置により構成され、制御部11との間で各種データの送受
信が可能に構成される。
【0023】
表示データ出力インタフェース14は、制御部11から出力される表示データを表示装
置2に伝達するインタフェースである。操作入力インタフェース15は、操作装置3から
入力される各種操作信号を制御部11に伝達するインタフェースである。画像データ入力
インタフェース16は、画像撮像装置4からの医用画像データを制御部11に伝達するイ
ンタフェースである。
【0024】
次に、医用診断支援装置1の作動、すなわち、表示装置2に出力される表示データの生
成手順について、図3および図4を参照しつつ、図2に示すフローチャートに沿って説明
する。
【0025】
以下においては、生体を仰臥位および腹臥位それぞれの体位において画像撮像装置4に
より断層撮影し、断層撮影して得られた断層画像群からなる医用画像データ(例えばCT
値)に基づいて、診断対象である大腸を診断するための表示を表示装置2に行わせる場合
について説明する。本発明に係る医用診断支援装置1は、病変の可能性がある部分の存在
位置を、一目で直感的に把握できるリスト表示を行わせることができる点に特徴を有する
。なお、次述する表示データの生成および表示装置2への出力手順は、本発明の一実施形
態に係る医用診断支援プログラムに従って実行されるものである。
【0026】
〈1〉まず、画像撮像装置4から医用診断支援装置1に、被検体である生体を断層撮影
して得られた医用画像データが入力される(医用画像データ入力ステップ;図2のステッ
プS10参照)。医用診断支援装置1に入力された医用画像データは、データ記憶部12
に記憶される。なお、本実施形態では、生体の医用画像データを画像撮像装置4から取得
する構成を想定しているが、この構成に代えて、CDやDVD等の情報記憶媒体に記憶さ
れた医用画像データを必要に応じて読み出して取得するようにしても良い。
【0027】
〈2〉制御部11の仮想表示手段20は、操作装置3から入力される診断対象を選択す
る操作信号(この場合は大腸を選択する操作信号)に基づいて、データ記憶部12に記憶
された医用画像データを読み出し、大腸内部の仮想内視鏡画像を生成する。そして、この
仮想内視鏡画像(画像データ)を表示装置2に出力し、表示装置2に仮想内視鏡画像を表
示させる(仮想内視鏡表示ステップ;図2のステップS20参照)。このとき、仰臥位の
状態で撮影して得られた医用画像データに基づく仮想内視鏡画像と、腹臥位の状態で撮影
して得られた医用画像データに基づく仮想内視鏡画像とを、それぞれ表示装置2に表示さ
せる。ここで、体位間における仮想内視鏡画像の表示を統一させるため、生体の背側を画
像下側とし、腹側を画像上側として表示装置2に仮想内視鏡画像を表示させる。
【0028】
図3に、表示装置2に表示された大腸内部の仮想内視鏡画像の一例を示している。この
うち図3(a)および(b)は、それぞれ肛門からの距離がD1の部分であって、病変部
B近傍を示す仮想内視鏡画像である。図3(a)は、腹臥位の医用画像データに基づく仮
想内視鏡画像、図3(b)は、仰臥位の医用画像データに基づく仮想内視鏡画像である。
病変部Bは腸管組織が変化したものであって、体位を変化させても腸管内で移動すること
はないので、図3(a)および(b)の仮想内視鏡画像において略同一位置に表示される
【0029】
一方、図3(c)および(d)は、それぞれ肛門からの距離がD2の部分であって、残
渣Z近傍を示す仮想内視鏡画像である。図3(c)は、仰臥位の医用画像データに基づく
仮想内視鏡画像、図3(d)は、腹臥位の医用画像データに基づく仮想内視鏡画像であっ
て、紙面下方を背側とし、紙面上方を腹側として表示させたものである。残渣Zは腸管表
面に付着して、体位を変化さるとそれに応じて腸管内を移動し得るものなので、図3(c
)および(d)の仮想内視鏡画像において互いに異なる位置に表示される。なお、残渣Z
は、体位を変化させることによって、腸管における長手方向に沿って移動したり、長手方
向に直交する面内において回転移動し得る。
【0030】
〈3〉読影者は、まず、表示装置2に表示される一方の体位(例えば仰臥位)に対応し
た大腸の仮想内視鏡画像を、肛門側から口側に向けて読影する。そして、大腸内部の形状
に基づいて病変している可能性があると判断される部分(関心部K)を特定し、この関心
部Kの肛門からの距離を、操作装置3を操作して医用診断支援装置1に入力する(位置入
力ステップ;図2のステップS30参照)。このように、一方の体位に対応した仮想内視
鏡画像を基に、関心部Kの位置を入力した後、続いてもう一方の体位に対応した仮想内視
鏡画像を基に、関心部Kの位置の入力が行われる。医用診断支援装置1に入力された関心
部Kの肛門からの距離(位置情報)は、体位別にデータ記憶部12に記憶される。
【0031】
〈4〉制御部11の位置情報表示手段21は、データ記憶部12に記憶された位置情報
を読み出して、リスト表示のための表示データを生成する(位置情報配置ステップ;図2
のステップS40参照)。図4に、表示装置2に表示されるリスト表示の一例を示してお
り、この図を参照しながら、リスト表示のための表示データを生成について具体的に説明
する。
【0032】
図4に示す例は、体位1(例えば仰臥位)および体位2(例えば腹臥位)毎に、入力さ
れた位置情報を、数値の小さいものから順に下から上へと並べて表示させたものである。
ここで、リストの下端位置を肛門の位置(表示基準位置)とし、この表示基準位置に対す
る位置情報の表示位置を、位置情報を示す数値に対応させている。例えば体位1のリスト
に「10cm」の位置情報を表示させる場合、リスト下端位置から上方に10cmに対応
する距離dだけ離れた位置に、「10cm」の位置情報を配置する。また、体位1の「2
3cm」の位置情報は、10cmに対して2.3倍の距離に相当するので、リスト下端位
置から距離2.3dの位置に配置される。体位1における残りの位置情報(85cm、9
0cm、101cmおよび121cm)も同様にして、位置情報を示す数値に対応した上
下位置に配置される。
【0033】
一方、体位2についての位置情報「15cm」は、10cmに対して1.5倍の距離に
相当するので、リスト下端位置から距離1.5dの位置に配置される。体位2における残
りの位置情報(22cmおよび100cm)も同様にして、位置情報を示す数値に対応し
た上下位置に配置される。このようにして、読影者によって入力された位置情報を基にし
て、リスト表示のための表示データが生成される。
【0034】
〈5〉制御部11の位置情報表示手段21は、ステップS40において生成した表示デ
ータを表示装置2に出力して、表示装置2にリストを表示させる(リスト表示ステップ;
図2のステップS50参照)。このとき、体位を変化させても腸管に対する病変部Bの位
置は変化しないため、表示されたリストにおいて、異なる体位間で表示位置が左右方向に
一致もしくはほぼ一致する場合、その位置情報が示す部分は病変部Bである可能性が高い
。一方残渣Zは、体位を変化させると腸管内を移動し得る。このため、表示されたリスト
において、異なる体位間で表示位置が上下方向にずれた位置情報が存在する場合、その位
置情報が示す部分は残渣Zである可能性が高い。
【0035】
なお、異なる体位間において、左右方向に対応する位置情報が存在しない場合があり得
る。ここで、体位を変化させることによって、腸管T内の残渣が腸管Tに繋がる小腸に移
るほど移動することの可能性は必ずしも多くはないと考えられる。よって、このような位
置情報は、CTにより被検体を撮影するときのノイズ成分、もしくは医用画像データから
仮想内視鏡画像を生成するときの変換誤差に応じた偽形状に基づいて、誤検出されたもの
である可能性も大きいと考えられる。
【0036】
このため、読影者は、表示装置2に表示されたリストをながめて、異なる体位間で表示
位置が左右方向に一致もしくはほぼ一致する位置情報の有無を確認することにより、一目
で直感的に大腸の簡易的な診断を行うことができる。例えば図4に示すリストが表示装置
2に表示された場合、体位1と体位2との間で左右方向に表示位置が一致もしくはほぼ一
致する位置情報として、101cm(100cm)および23cm(22cm)の位置情
報を一目で直感的に特定できる。そして、これらの位置情報が示す、肛門から101cm
(100cm)および23cm(22cm)の部分が、病変している可能性があると判断
できる。なお、体位間における例えば1cm程度のずれは、測定誤差として許容する。
【0037】
なお、図4において、体位1の「10cm」と体位2の「15cm」との表示位置は、
体位1の「23cm」と体位2の「22cm」との表示位置ほどは左右方向に一致してお
らず、上下方向にずれている。このため、この位置情報は、体位変化によって腸管T内を
移動した残渣Z、あるいはノイズや誤差に基づく誤検出を示すものである可能性が高いと
判断することができる。また、体位1の「121cm」、「90cm」および「85cm
」は、左右方向に対応する位置情報が体位2に存在しない。よって、これらの位置情報は
、ノイズもしくは変換誤差に基づく形状に基づいて、誤検出されたものである可能性が高
いと判断することができる。以上のことから、表示されたリストをながめて行う診断にお
いては、左右方向に表示位置が一致もしくはほぼ一致する位置情報のみに注目すれば良く
、読影者の負担が軽減される。
【0038】
上述の医用診断支援装置1において、関心部Kの肛門からの距離に加えて、腸管の長手
方向に直交する断面(以下、直交断面と称する)における関心部Kの位置を反映させたリ
スト表示を行えば、一層精度良く大腸の簡易的な診断を行うことが可能になる。この構成
を備えた医用診断支援装置1´について、図5を追加参照して、医用診断支援装置1とは
異なる部分を中心に説明する。
【0039】
図5は、背側を紙面下側とし、腹側を紙面上側とした直交断面内における腸管Tの断面
と、この直交断面に対応させて設定された色相環Cとを併記したものである。この色相環
Cは、腸管Tの芯線Aから腹側(紙面上方)に向かう角度が基準角度(0度)として設定
されている。そして、この基準角度からの所定角度毎に、それぞれ対応する色彩が設定さ
れている。なお、図5には対応する色彩を45度毎に大まかに示しているが、例えば0度
と45度の間において、0度から45度に近づくに従って徐々に水色から緑色に切り替わ
る色彩が角度に応じて表示されるように設定されている。このことは、他の角度範囲(4
5度〜360度)においても同様である。勿論、各角度範囲に対して、各々対応する一定
の色彩が付されるように設定しても良い。
【0040】
医用診断支援装置1´の作動について、図2に示すフローチャートに沿って説明する。
医用診断支援装置1´では、医用診断支援装置1において実行されるステップS10〜S
50に加えて、二点鎖線で示すステップS31およびステップS41が実行される。すな
わち、ステップS30とステップS31とが実行された後にステップS40が実行され、
また、ステップS40とステップS41とが実行された後にステップS50が実行される
ようになっている。このため、ここでは、二点鎖線で示すステップS31およびステップ
S41を中心に説明する。
【0041】
ステップS20で表示された仮想内視鏡画像を読影者が読影する際、例えば仮想内視鏡
画像に表示された関心部Kの位置にポインタを合わせてマウスをクリックすることにより
、直交断面内における基準角度から関心部Kまでの角度を入力する(角度入力ステップ;
図2のステップS31参照)。具体的には、例えば図5において、関心部Kの位置にポイ
ンタを合わせてマウスをクリックすることで、基準角度から関心部Kまでの角度、すなわ
ち180度という角度がデータ記憶部12に記憶される。このステップS31で入力され
た角度は、ステップS30で入力された肛門からの距離に対応付けられて、データ記憶部
12に記憶される。なお、マウスをクリックして基準角度から関心部Kまでの角度を入力
する方法に代えて、読影者が仮想内視鏡画像を基に、基準角度から関心部Kまでの角度を
読み取って直接入力しても良い。
【0042】
そして、ステップS40により、肛門からの距離に応じた上下位置に位置情報を配置し
た後、図5に示す色相環Cに基づいて、各位置情報を基準角度からの角度に応じた色彩に
より表示させる(色彩付与ステップ;図2のステップS41参照)。例えばステップS4
0において図4に示すリスト表示が得られた後、ステップS41を実行して各位置情報に
色彩を付すことにより、体位1の「101cm」が赤色、「23cm」が緑色、体位2の
「100cm」が赤色、「22cm」が橙色に表示された場合を想定する。
【0043】
このように色彩が付されたリスト表示をながめて診断を行うとき、まず、体位1と体位
2との間で紙面左右方向に表示位置がほぼ一致する、肛門から101cm(100cm)
および23cm(22cm)の部分が病変している可能性があると判断できる。左右に並
んで表示された体位1の「101cm」および体位2の「100cm」は、両者とも赤色
で表示されていることから、直交断面内における関心部Kの位置が同一であることが直感
的に一目で判断できる。このように、肛門から101cm(100cm)の部分の関心部
Kは、体位1と体位2との間で、直交断面内における位置も同一であるので、この関心部
Kは病変部である可能性が非常に高いと判断できる。
【0044】
一方、左右に並んで表示された体位1の「23cm」と体位2の「22cm」とは、表
示の色彩が緑色と橙色とで互いに異なっている。このため、位置情報を表示する色彩に基
づいて、肛門から23cm(22cm)の位置の関心部Kは、両体位間で直交断面内にお
ける位置が異なることを直感的に把握することができる。この場合、体位を変化させたと
きに、腸管の長手方向に移動せずに直交断面内において移動した残渣Zを検出したものと
判断することができる。以上のように、医用診断支援装置1´によれば、色相環Cに基づ
いて位置情報を色彩表示したリストを表示させることにより、大腸の簡易的な診断の精度
を向上させることができる。
【0045】
次に、図6および図7を参照しながら、本発明の第2の実施例に係る医用診断支援装置
100について説明する。なお、上述した医用診断支援装置1と同一部分には同一番号を
付して、その説明を省略する。
【0046】
医用診断支援装置100は、図6に示すように、制御部111を備える。この制御部1
11は、関心部特定手段120、位置情報算出手段121、および位置情報表示手段21
から構成されている。
【0047】
医用診断支援装置100の作動について、図7に示すフローチャートに沿って説明する
。なお、図7に示すステップのうちで、図2に示すステップのいずれかに対応するものに
ついては、図2における対応するステップを括弧書きで示し、その説明を省略する。
【0048】
〈1〉まず、医用診断支援装置1に医用画像データが入力される(医用画像データ入力
ステップ;図7のステップS110参照)。このステップS110では、上述のステップ
S10と同様に、仰臥位の状態を撮影した医用画像データと、腹臥位状態を撮影した医用
画像データとが、それぞれ入力される。
【0049】
〈2〉制御部111の関心部特定手段120により、入力された医用画像データを基に
して、体位毎に診断対象(大腸)内の関心部Kが自動で特定される(関心部特定ステップ
図7のステップS120参照)。ここで、腸管と病変部BとではCT値が異なるため、
例えばCT値に閾値を設定しておくことにより、医用画像データを基にして病変部B(関
心部K)を特定することができる。しかし、腸管内に残渣Zが存在する場合、このステッ
プS120において、残渣Zも病変部Bとともに関心部Kとして特定される可能性がある
。このため、後述するステップS130およびステップS140が必要となる。
【0050】
〈3〉制御部111の位置情報算出手段121により、ステップS120において特定
された関心部Kの、腸管の長手方向における位置が自動で算出される(位置算出ステップ
図7のステップS130参照)。このステップS130では、各関心部Kの肛門からの
距離(位置情報)が算出され、体位別にデータ記憶部12に記憶される。
【0051】
〈4〉制御部111の位置情報表示手段21は、データ記憶部12に記憶された位置情
報を読み出して、リスト表示のための表示データを生成する(位置情報配置ステップ;図
7のステップS140参照)。なお、このステップS140の実行内容は、上述したステ
ップS40の実行内容と同一である。
【0052】
〈5〉制御部111の位置情報表示手段21は、ステップS140において生成した表
示データを表示装置2に出力して、表示装置2にリストを表示させる(リスト表示ステッ
プ;図7のステップS150参照)。読影者は、表示装置2に表示されたリストをながめ
て、異なる体位間で表示位置が左右方向に一致もしくはほぼ一致する位置情報の有無を確
認することにより、大腸の簡易的な診断を簡単且つ精度良く行うことができる。
【0053】
上述の医用診断支援装置100において、関心部Kの肛門からの距離に加えて、直交断
面内における関心部Kの位置を反映させたリスト表示(図5に示す色相環Cに基づく色彩
表示)を行えば、一層精度良く大腸を診断することが可能になる。この構成を備えた医用
診断支援装置100´について、医用診断支援装置1、1´、100とは異なる部分を中
心に説明する。
【0054】
医用診断支援装置100´の作動について、図7に示すフローチャートに沿って説明す
る。医用診断支援装置100´では、医用診断支援装置100で実行されるステップS1
10〜S150に加えて、二点鎖線で示すステップS131およびステップS141が実
行される。すなわち、ステップS130とステップS131とが実行された後にステップ
S140が実行され、また、ステップS140とステップS141とが実行された後にス
テップS150が実行されるようになっている。このため、ここでは、二点鎖線で示すス
テップS131およびステップS141を中心に説明する。
【0055】
制御部111の位置情報算出手段121は、医用画像データを基にして、直交断面内に
おける基準角度から関心部Kまでの角度を算出する(角度算出ステップ;図7のステップ
S131参照)。このステップS131で算出された角度は、ステップS130で算出さ
れた肛門からの距離に対応付けられて、データ記憶部12に記憶される。
【0056】
続いて、ステップS140により、肛門からの距離に応じた上下位置に位置情報を配置
した後、図5に示す色相環Cに基づいて、各位置情報を基準角度からの角度に応じた色彩
により表示させる(色彩付与ステップ;図7のステップS141参照)。このように、医
用診断支援装置100´は、色相環Cに基づいて位置情報を色彩表示したリストを表示さ
せることにより、大腸の簡易的な診断の精度を向上させることができる。
【0057】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、種々に態様を変更することが可能である。
【0058】
上述の実施形態において、図4に示すリスト表示を例示して説明したが、これに代えて
図8に示すリストを表示させるようにしても良い。図8に示すリストは、図4に示すリ
ストに対して、位置情報のそれぞれに、当該位置情報が示す部分が病変している可能性の
高低を表すマークMを付記したものである。例えば、体位間で1cm以内の対応する位置
情報が存在する場合、この位置情報が示す部分が病変している可能性が高いとして「○」
のマークMが付記される。また、体位間で1cmより大きく5cm以内の対応する位置情
報が存在する場合、この位置情報が示す部分が病変している可能性がそれほど高くないと
して「△」のマークMが付記される。さらに、体位間で5cm以内の対応する位置情報が
存在しない場合、この位置情報が示す部分は残渣の可能性が高いとして「×」のマークM
が付記される。このように、マークMを付記したリスト表示を行えば、マークMに基づい
てより直感的に病変している可能性が高い部分を把握することができる。
【0059】
上述の実施形態において、図4に示すような、体位毎に位置情報を上下に並べたリスト
表示を例示して説明したが、これに代えて、位置情報を左右に並べたリスト表示も可能で
ある。
【0060】
上述の実施形態において、図9(a)に示すように、腸管Tの長手方向に沿って関心部
Kが存在する場合の位置情報の表示方法として、次の3つの方法のいずれかを選択可能で
ある。第1の方法として、長手方向における関心部Kの中心位置(101cm)を、位置
情報として表示させることが可能である。第2の方法として、長手方向における関心部K
の始点位置(99cm)と終点位置(103cm)を、位置情報として表示させることが
可能である。第3の方法として、上記第1と第2とを組み合わせた方法、すなわち、始点
位置および終点位置の表示とともに中心位置を併せて表示させる方法も可能である。
【0061】
また、図9(b)に示すように、直交断面内において腸管内側に沿って関心部Kが存在
する場合の、色相環Cに基づく色彩表示として、次の2つの方法のいずれかを選択可能で
ある。第1の方法として、関心部Kの中心位置(135度)に基づく色彩(黄色)により
、位置情報を表示させることが可能である。第2の方法として、関心部Kの始点位置(9
0度)から終点位置(180度)に至る色彩、すなわち、黄緑色〜黄色〜赤色へと徐々に
変化する色彩により、位置情報を表示させることが可能である。
【0062】
上述の実施形態では、直交断面内における関心部Kの位置に基づいた色彩(色相環Cに
基づく色彩)により、位置情報を表示させる例(医用診断支援装置1´,100´)につ
いて説明した。これに代えて、各位置情報を囲む枠を位置情報とともに表示させる構成と
し、当該枠を、直交断面内における関心部Kの位置に基づいた色彩により表示させるよう
にしても良い。また、位置情報の表示背景を、直交断面内における関心部Kの位置に基づ
いた色彩により表示させる構成も可能である。さらに、色彩表示のためのマークを各位置
情報に隣接させて設け、当該マークを、直交断面内における関心部Kの位置に基づいた色
彩で着色して表示するようにしても良い。
【0063】
上述の実施形態において、残渣Zを腸管内で移動させて病変部Bと残渣Zとを区別する
ために、仰臥位と腹臥位との間で体位を変化させる場合について説明した。これらの体位
(仰臥位および腹臥位)は一例であって、腸管内で残渣Zを移動させることができれば、
他の体位間において変化させるようにしても良い。
【0064】
上述の実施形態において、CTにより撮像された医用画像データを用いる場合を例示し
たが、MRIや内視鏡により得られた医用画像データを用いることも可能である。また、
例えば、仰臥位の医用画像データをCTにより取得し、一方で腹臥位の医用画像データを
内視鏡により取得し、これらの医用画像データを基にして得られる位置情報を、体位毎に
並べてリスト表示させることも可能である。
【0065】
上述の実施形態においては、体位を仰臥位と腹臥位との間で変化させて医用画像データ
を取得し、これら2つの体位毎の位置情報をリスト表示させる構成について説明した。こ
の構成に代えて、例えば互いに異なる3つ以上の体位において医用画像データを取得し、
これら3つ以上の体位毎の位置情報をリスト表示させる構成も可能である。
【0066】
上述の実施形態においては、関心部Kの肛門からの距離を位置情報としてリスト表示さ
せる構成例について説明したが、この構成に代えて、大腸の他の部分(例えば、口側の端
部)からの距離を位置情報としてリスト表示させる構成でも良い。
【0067】
上述の実施形態においては、大腸を診断対象とした場合の例について説明したが、本発
明を適用して大腸以外の管腔状組織、例えば気管支、リンパ管、小腸および脊椎等の診断
を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 医用診断支援装置
2 表示装置
3 操作装置
4 画像撮像装置
11 制御部
12 データ記憶部
14 表示データ出力インタフェース
15 操作入力インタフェース
16 画像データ入力インタフェース
20 仮想表示手段
21 位置情報表示手段
120 関心部特定手段
121 位置情報算出手段
A 芯線
B 病変部
C 色相環
K 関心部
M マーク
T 腸管
Z 残渣
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10