特許第6384948号(P6384948)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6384948地下障害物の除去方法を用いた道路の構築方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384948
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】地下障害物の除去方法を用いた道路の構築方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/12 20060101AFI20180827BHJP
   E01C 1/00 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   E02D3/12
   E01C1/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-134126(P2014-134126)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-11536(P2016-11536A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2017年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】尾本 聡
(72)【発明者】
【氏名】長谷 理
(72)【発明者】
【氏名】沓名 正明
(72)【発明者】
【氏名】峰松 博之
(72)【発明者】
【氏名】西 健太郎
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−008372(JP,A)
【文献】 特開2013−221347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
E01C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に掘削用ビットを備えたケーシングを回転させながら地中を掘削する掘削機にて掘削して地中障害物を解体除去し、前記掘削機前記掘削機による掘削箇所を充填材にて埋め戻し、その埋め戻した充填材にて山留壁を形成する地下障害物の除去方法を用いて、新設道路予定箇所に新設道路を設置する道路の構築方法において、
新設道路設置予定箇所に対して、地下障害物の解体除去、及び、充填材の埋め戻しによる山留壁の形成を行い、
形成された山留壁を利用して地下工事を行い、形成された山留壁の上部に新設道路を設置する地下障害物の除去方法を用いた道路の構築方法。
【請求項2】
前記掘削機による掘削箇所は、一連に並ぶ複数の掘削箇所の列がその横幅方向に複数並べた複数の列状とし、その列の横幅方向を厚み方向として前記山留壁を形成し、前記山留壁の厚みは、新設道路設置予定箇所の道幅方向の全長に亘る長さを有する請求項1に記載の地下障害物の除去方法を用いた道路の構築方法。
【請求項3】
既設道路を残したまま、新設道路設置予定箇所に対して、地下障害物の解体除去、及び、充填剤の埋め戻しによる山留壁の形成を行う請求項1又は2に記載の地下障害物の除去方法を用いた道路の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下障害物を掘削除去する地下障害物の除去方法を用いた道路の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、新築建物を構築する際に、既設建物の地下躯体等の地下障害物が存在すると、その地下障害物を解体除去する必要がある。例えば、掘削箇所に対して山留壁を構築するとともに、その掘削箇所の上部に構台を構築することで、構台下に工事用空間を確保し、その工事用空間に解体機等の重機を配置して、地下障害物の解体除去を行う。しかしながら、この場合には、山留壁及び構台を構築する工事を先行して行う必要があった。
【0003】
そこで、先端に掘削用ビットを備えたケーシングを回転させながら地中を掘削する掘削機(例えば、全周回転掘削機や全回転型オールケーシング掘削機)を用い、山留壁及び構台の構築を必要としない地下障害物の除去方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この除去方法では、ケーシングを回転させながら地中に押し込み、その押し込んだケーシング内にバケット等を挿入させて、そのケーシング内の地下障害物を解体除去する。そして、掘削機による掘削箇所を流動化処理土にて埋め戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−281038号公報(図9図14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の方法では、新設の山留壁構築部分と干渉する地下既設構造物を全周回転掘削機にて掘削撤去し、流動化処理土で埋め戻した後、山留壁造成用大型機械によって、流動化処理土を掘り起こして山留壁を新たに構築する。よって、工事の複雑化及び工期の長期化を招くものとなっていた。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、工事の簡素化及び工期の短縮化を図ることができる地下障害物の除去方法を用いた道路の構築方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、先端に掘削用ビットを備えたケーシングを回転させながら地中を掘削する掘削機にて掘削して地中障害物を解体除去し、前記掘削機による掘削箇所を充填材にて埋め戻し、その埋め戻した充填材にて山留壁を形成する地下障害物の除去方法を用いて、新設道路予定箇所に新設道路を設置する道路の構築方法において、
新設道路設置予定箇所に対して、地下障害物の解体除去、及び、充填材の埋め戻しによる山留壁の形成を行い、
形成された山留壁を利用して地下工事を行い、形成された山留壁の上部に新設道路を設置する点にある。
【0008】
本特徴構成によれば、掘削機は、掘削用ビットを備えたケーシングを回転させてそのケーシングを地中に押し込み、その押し込んだケーシングを用いて地中を掘削できるので、山留壁及び構台の構築を必要とせずに、地下障害物の解体除去を行うことができる。そして、掘削機による掘削箇所を充填材にて埋め戻すが、その埋め戻した充填材にて山留壁を形成しており、地下障害物の解体除去箇所を有効に活用して山留壁を形成することができる。よって、山留壁造成用大型機械によって新たに山留壁を構築する工事を必要とせずに、充填材にて形成された山留壁を利用して、掘削箇所の周辺における掘削工事等の工事を行うことができるので、工事の簡素化及び工期の短縮化を図ることができる。
本特徴構成によれば、地下障害物を除去して充填材にて埋め戻した箇所に道路を設置するので、埋め戻す充填材を山留壁に用いるだけでなく、路床等の道路の下地層としても利用することができ、充填材を有効に活用しながら、地下障害物を除去した箇所に道路を設置する工事を行うことができる。そして、道路の下地として充填材を利用する際には、例えば、空隙がほとんどなく均一な充填材を用いることで、道路の沈下を抑制できるとともに、液状化対策としても有用なものとなる。
【0009】
本発明の第2特徴構成は、前記掘削機による掘削箇所は、一連に並ぶ複数の掘削箇所の列がその横幅方向に複数並べた複数の列状とし、その列の横幅方向を厚み方向として前記山留壁を形成し、前記山留壁の厚みは、新設道路設置予定箇所の道幅方向の全長に亘る長さを有する点にある。
【0010】
本特徴構成によれば、複数の列状に並ぶ複数の掘削箇所の夫々において、掘削機によって地下障害物を解体除去できるとともに、充填材にて埋め戻すことができる。このように、掘削箇所は、その列の横幅方向に複数の列が並ぶだけの幅を有しているので、山留壁を形成するに当たり、その列の横幅方向を厚み方向とすることで、十分な厚みを有して適切に自立できる山留壁を形成することができる。
【0011】
本発明の第3特徴構成は、既設道路を残したまま、新設道路設置予定箇所に対して、地下障害物の解体除去、及び、充填剤の埋め戻しによる山留壁の形成を行う点にある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】工事対象エリアを示す平面図
図2】地下障害物の除去方法における工程を示す図
図3図1(b)の一部を拡大して掘削箇所を示す平面図
図4】充填材にて形成した山留壁を示す斜視図
図5】道路の設置状況を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る地下障害物の除去方法を用いた道路の構築方法の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
この実施形態では、建物の建て替えと道路の付け替えを行う工事を行っており、図1では、この工事における工事対象エリア5(図中点線にて囲んだエリア)の平面図を示している。つまり、図1(a)に示す既設建物1を図1(b)に示す新築建物3に建て替えるとともに、図1(a)に示す既設道路2を図1(b)に示す新設道路4に付け替える工事において、本発明に係る地下障害物の除去方法、及び、その除去方法を用いた道路の構築方法を採用している。
【0016】
図1(a)は、既設建物1及び既設道路2を示しており、工事対象エリア5内に、既設建物1が図中上方側の第1既設建物1aと下方側の第2既設建物1bとに分けて建てられており、第1既設建物1aと第2既設建物1bの間に既設道路2が設けられている。第1既設建物1a及び第2既設建物1bは、いずれも地下にも躯体を備えた建物である。
【0017】
図1(b)は、新築建物3及び新設道路4を示しており、2つに分けられていた既設建物1を1つにまとめて新築建物3として新築建物設置予定箇所Fに建て替えるとともに、新設道路設置予定箇所Dに新設道路4を設置する。既設道路2は、新築建物設置予定箇所Fに含まれており、その新築建物設置予定箇所Fから外れた箇所に新設道路設置予定箇所Dが設定されている。
【0018】
この工事では、下記の1〜3の工事を順に行う。
1.既設建物1の地上部分を解体する地上解体工事
2.新設道路設置予定箇所における地下障害物を除去して新設道路4を設置する道路工事
3.新築建物工事区域に新築建物3を建築する新築工事
【0019】
(1.地上解体工事)
この地上解体工事では、既設道路2を残したまま、第1既設建物1aと第2既設建物1bの両方について、各種の重機等を用いて、その地上部分を解体除去する。この地上部分を解体除去する場合には、各種の解体除去方法を採用することができる。
【0020】
(2.道路設置工事)
この道路設置工事では、地上解体工事と同様に、既設道路2を残したまま、まず、新設道路設置予定箇所Dにおける地下障害物の解体除去を行い、次に、新設道路設置予定箇所Dに新設道路4を設置する。
【0021】
地下障害物の解体除去を行う際に、本発明に係る地下障害物の除去方法を採用する。この地下障害物の除去方法では、全周回転掘削機や全回転型オールケーシング掘削機等の掘削機6を用いて地下障害物を解体除去する、いわゆるオールケーシング工法を使用する。このオールケーシング工法は、公知技術であるので、以下、簡単に説明する。
【0022】
まず、図2(a)に示すように、所望の掘削箇所に円筒状のケーシング7を挿脱自在な掘削機6を設置し、クレーン9にて吊り下げたケーシング7を掘削機6に挿入して設置する。次に、図2(b)の矢印に示すように、掘削機6にてケーシング7を把持して回転させながら、地中の所望深さまでケーシング7を押し込む。ケーシング7を押し込む深さが深い場合には、複数のケーシング7を繋ぎ合わせながら所望深さまでケーシング7を押し込む。ケーシング7の先端には掘削用ビット8が備えられており、地下躯体等の地下障害物があってもケーシング7を地中に押し込むことができる。次に、図2(c)に示すように、クレーン9に吊り下げられたハンマーグラブや各種のバケット等の掘削具10を、押し込んだケーシング7の上端開口からケーシング7内に吊り降ろして、ケーシング7内の地下障害物を掘削具10にて解体除去する。このようにオールケーシング工法にてケーシング7内の地下障害物を解体除去した後、図2(d)に示すように、バックホウ等の重機を用いて、ケーシング7内に充填材11を充填させて、掘削箇所を充填材11にて埋め戻す。ここで、充填材11としては、泥水や建設汚泥に固化材を加えて混練し、高い流動性を持たせた土粒子配合の安定処理土である流動化処理土、各種の改良土、セメントミルクやコンクリート等を適用することができる。
【0023】
掘削機6による掘削箇所は複数設定されており、この掘削箇所について説明する。図3は、図1(b)の点線にて囲んだ部分を拡大した平面図であり、既設建物1及び既設道路2を点線や一点鎖線等にて示している。図3に示すように、掘削機6にて掘削する掘削対象エリアは、基本的には、新設道路設置予定箇所D(図中太線にて囲まれたエリア)を対象エリアとしており、他の工事が必要な他工事箇所E(図中斜線が施されたエリア)だけが除かれている。掘削機6による掘削箇所Kは、平面視で円形状となっており、他工事箇所Eを除いた新設道路設置予定箇所Dの全体に亘って複数設定されており、一連に並ぶ複数の掘削箇所Kの列がその横幅方向に複数並べた複数の列状としている。つまり、新設道路設置予定箇所Dの通行方向(図中X方向)に沿って一連に並ぶ複数の掘削箇所Kの列を形成しており、新設道路設置予定箇所Dの道幅方向(図中Y方向)の全長に亘って掘削箇所Kの列を複数並べる。
【0024】
複数の掘削箇所Kに対して、1つずつ、上述の図2(a)〜(d)の工程を繰り返し行うことで、複数の掘削箇所Kの全てについて、地下障害物の掘削除去、及び、充填材11による埋め戻しを行う。掘削箇所Kは、図3に示すように、新設道路設置予定箇所Dの通行方向(図中X方向)及び道幅方向(図中Y方向)に隣接するもの同士がその一部が重複するように設定されていることから、新設道路設置予定箇所の通行方向及び道幅方向で隙間が無い状態で充填材11にて埋め戻すことができる。
【0025】
上述の如く、掘削箇所Kの埋め戻しを充填材11にて行うことから、図4に示すように、この充填材11にて山留壁12を形成して充填材11を有効に活用する。この山留壁12を形成するに当たり、複数の掘削箇所Kが新設道路設置予定箇所Dの道幅方向(図中X方向)に複数並べた複数の列状となっているので、その新設道路設置予定箇所Dの道幅方向(図中X方向)を厚み方向として山留壁12を形成する。これにより、山留壁12は、新設道路設置予定箇所Dにおいて、他工事箇所Eを除いた全長に亘る長さを有するとともに、その道幅方向の全長に亘る厚みを有する。よって、埋め戻した充填材11によって、十分な長さ及び厚みを有する山留壁12を形成することができ、その山留壁12の自立を適切に行うことができる。この実施形態では、山留壁12に掛け渡す状態で複数の切梁13を設けることで、山留壁12の自立を補助してその自立を確実なものとしている。このように、埋め戻した充填材11にて山留壁12を形成することで、他工事箇所Eにおける工事、新設道路設置予定箇所Dの周辺における地下障害物を解体除去する工事及び地下構造物の構築工事等の各種の工事を行う際に、新たに山留壁を構築する工事を行わなくても、充填材11にて形成した山留壁12を利用することができる。
【0026】
ここで、工事対象エリア5内の新設道路設置予定箇所D以外の箇所についても、既設道路2はそのまま残した状態で、地下障害物を解体除去する工事を行うことができるので、この解体除去の工事を、新設道路設置予定箇所Dにおける解体除去の工事と併行して行うことができる。このときに、埋め戻した充填材11にて形成された山留壁12を有効に利用しながら、地下障害物の解体除去工事や、地下構造物の構築工事等を行うことができる。このときの地下障害物の解体除去工事としては、例えば、新設道路設置予定箇所Dと同様に、掘削機6を用いて地下障害物を解体除去したり、埋め戻した充填材11にて形成された山留壁12を利用して、他の各種の重機を用いて、地下障害物を解体除去することができる。
【0027】
上述の如く、新設道路設置予定箇所Dにおける地下障害物の解体除去、及び、充填材11による埋め戻しを行った後、その新設道路設置予定箇所Dに新設道路4を設置するが、このとき、本発明に係る道路の構築方法を採用する。図5に示すように、新設道路4の下地として充填材11を用い、その充填材11の上部を舗装することで、充填材11による埋め戻し箇所を舗装して新設道路4を設置する。例えば、充填材11として、空隙がほとんどなく均一な流動化処理土等を用いることで、道路の沈下を抑制することができるとともに、高い遮水性をもち、液状化対策としても有効なものとなる。このように、充填材11の種類や配合を適宜選択するだけで、上述のメリットを得ることができ、道路の下地として有用なものとなる。
【0028】
ちなみに、充填材11による埋め戻し箇所を舗装して設置する道路については、まずは、仮舗装して仮舗装道路を設置し、その後(例えば、新築工事期間中等に)、仮舗装道路を除去して、本舗装して本設の新設道路4を設置することもできる。又は、充填材11による埋め戻し箇所を、最初から本舗装して本設の新設道路4を設置することもできる。
【0029】
(3.新築工事)
この新築工事では、工事対象エリア5のうち、新設道路設置予定箇所Dを除き、既設道路2を含む区域を新築建物設置予定箇所Fとしており、既設道路2を除去して新築建物設置予定箇所Fに新築建物3を建築する。この新築建物3を建築する場合には、各種の建築方法によって新築建物を建築することができる。
【0030】
上述の如く、地上解体工事、道路工事、新築工事の順に各工事を行うことで、新設道路4を設置でき、新築建物3を建築することができる。そして、地上解体工事及び道路工事の工事期間中には、既設道路2をそのまま残しているので、既設道路2をそのまま利用することができる。また、道路工事にて新設道路4を設置しているので、新築工事の工事期間中には、新設道路4を利用することができる。このように、地上解体工事、道路工事、及び、新築工事のいずれの工事期間中であっても、既設道路2及び新設道路4のどちらかの道路の利用を確保しながら、各工事を行うことができる。
【0031】
また、既設道路2は新築建物設置予定箇所Fに含まれているので、新築工事に先行して道路工事を行い、新設道路4の設置が完了した段階で新築工事を開始することで、既設道路2及び新設道路4のどちらかの道路の利用を確保しながら、新築工事を早期に開始することができ、工期の短縮化を図ることができるとともに、新築工事の工事負担を軽減することができる。
【0032】
例えば、道路工事として、仮設構台上に仮設道路を設置することも考えられるが、この場合には、仮設道路の設置が完了した後も、その仮設構台下での工事が残ることになり、その後の新築工事での工事負担が増大することになる。それに対して、上記道路工事では、新設道路設置予定箇所Dにおける地下障害物を除去して充填材11にて埋め戻すことで、新設道路設置予定箇所Dにおける地下の工事が完了した段階でその上部に新設道路4を設置できているので、その後の新築工事での工事負担を軽減することができる。
【0033】
しかも、道路工事において、埋め戻した充填材11をそのまま利用することで、十分な長さ及び厚みを有する山留壁12を形成することができ、山留壁造成用大型機械によって新たに山留壁を構築する工事を行わなくても、その山留壁12を利用して新設道路設置予定箇所Dの周辺工事を行うことができ、工事の簡素化及び工期の短縮化を図ることができる。
【0034】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、建物の建て替えに併せて、既設道路2を新設道路4に付け替えているが、既設道路2を新設道路4に付け替えるだけでもよく、この道路の付替工事において、本発明に係る地下障害物の除去方法、及び、その除去方法を用いた道路の構築方法を適用することができる。
【0035】
(2)上記実施形態では、既設道路2を新設道路4に付け替えているが、単に、新設道路を設置するだけでもよく、この新設道路を設置する工事において、本発明に係る地下障害物の除去方法、及び、その除去方法を用いた道路の構築方法を適用することができる。
【0036】
(3)上記実施形態では、充填材11による埋め戻し箇所を舗装して新設道路4を設置しているが、このような道路を設置しなくてもよく、掘削機6による掘削箇所を充填材11にて埋め戻し、その充填材11にて山留壁12を形成して、その山留壁12を利用して、掘削箇所の周辺の工事を行うだけでもよい。
【符号の説明】
【0037】
6 掘削機
7 ケーシング
8 掘削用ビット
11 充填材
12 山留壁
図1
図2
図3
図4
図5