(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
材料における、リソグラフィーによって生成された形体上のラインエッジラフネスを修正するための方法であって、荷電親水性ポリマーブロックおよび非荷電親水性ポリマーブロックを含むブロックコポリマーを、前記ラインエッジラフネスを有する前記形体上の領域に適用するステップを含む方法。
前記非荷電親水性ポリマーブロックが、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、およびアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸グリセロール、(メタ)アクリル酸オリゴ(アルキレングリコール)メチルエーテル(OAG(M)A)、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、およびメタクリル酸2,2−(ジメチル−1,3−ジオキソラン)メチルから選択されるモノマーの重合残基または前記モノマーに由来する重合残基を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
前記荷電親水性ポリマーブロックが、メタクリル酸2−アミノエチル塩酸塩、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、アクリル酸2−N−モルホリノエチル、メタクリル酸2−N−モルホリノエチル、アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、塩化2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、2−(ジエチルアミノ)エチルスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリジノン、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−アクリロイルアミド−エトキシエタノール、3−アクリロイルアミノ−1−プロパノール、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミド、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、p−スチレンカルボン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、エタクリル酸、アルファ−クロロアクリル酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸およびマレイン酸から選択されるモノマーの重合残基または前記モノマーに由来する重合残基を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
前記ブロックコポリマーを適用した後の前記ラインエッジラフネスが、未修正のリソグラフィーによって生成された形体の前記ラインエッジラフネスと比較して低減される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
材料における、リソグラフィーによって生成された形体であって、前記形体の表面の少なくとも一部がブロックコポリマーでコーティングされ、前記ブロックコポリマーが荷電親水性ポリマーブロックおよび非荷電親水性ポリマーブロックを含む、リソグラフィーによって生成された形体。
前記非荷電親水性ポリマーブロックが、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、およびアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸グリセロール、(メタ)アクリル酸オリゴ(アルキレングリコール)メチルエーテル(OAG(M)A)、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、ならびにメタクリル酸2,2−(ジメチル−1,3−ジオキソラン)メチルから選択されるモノマーの重合残基または前記モノマーに由来する重合残基を含み、かつ前記荷電親水性ポリマーブロックが、メタクリル酸2−アミノエチル塩酸塩、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、アクリル酸2−N−モルホリノエチル、メタクリル酸2−N−モルホリノエチル、アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、塩化2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、2−(ジエチルアミノ)エチルスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリジノン、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−アクリロイルアミド−エトキシエタノール、3−アクリロイルアミノ−1−プロパノール、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミド、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、p−スチレンカルボン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、エタクリル酸、アルファ−クロロアクリル酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸およびマレイン酸から選択されるモノマーの重合残基または前記モノマーに由来する重合残基を含む、請求項12から15のいずれか一項に記載のリソグラフィーによって生成された形体。
前記荷電親水性ポリマーブロックが、5から70個の重合モノマー残基単位を含みかつ前記非荷電親水性ポリマーブロックが、15から50個の重合モノマー残基単位を含む、請求項12から16のいずれか一項に記載のリソグラフィーによって生成された形体。
前記ブロックコポリマーの前記荷電親水性ポリマーブロックが、カチオン性の親水性ポリマーブロックでありかつ前記リソグラフィーによって生成された形体が、負に帯電した、請求項12から17のいずれか一項に記載のリソグラフィーによって生成された形体。
【発明を実施するための形態】
【0032】
定義
以下は、本発明の記述の理解において役立ち得る幾つかの定義である。これらは、一般的定義を目的とするものでありかつ本発明の範囲を決してこれらの用語だけに限定すべきではないが、以下の記述のより良い理解のために示す。
【0033】
本明細書および後に続く特許請求の範囲の全体を通して、文脈によって要求しない限り、語「含む(comprise)」、および「含まれる(comprised)」、「含む(comprises)」または「含む(comprising)」などの変形形態は、述べられた整数またはステップあるいは整数またはステップの群の包含を意味するが、いかなる他の整数またはステップあるいは整数またはステップの群の除外も意味しないと理解されるであろう。
【0034】
冠詞「1つ(1種)の(a)」および「1つ(1種)の(an)」は、冠詞の文法的な目的語の1つ(1種)または2つ(2種)以上(すなわち、少なくとも1つ(1種))を指すために本明細書において用いられる。例を目的として、「要素(an element)」は、1種の要素または2種以上の要素を意味する。
【0035】
本明細書の文脈において、「約(about)」という語は、当業者が、同一の機能または結果を達成する文脈において列挙された値と等しいと考えるであろう数値の範囲を指すと理解される。
【0036】
本明細書の文脈において、「親水性の」という語は、ブロックコポリマーまたはブロックコポリマー内のポリマーブロックに関する限り、全体的なブロックコポリマーまたはそのポリマーブロック(単離された場合)が、水性液体に可溶性であることを意味する。
【0037】
本明細書の文脈において語「水性液体」または「水溶液」は、少なくとも50体積%、少なくとも60体積%、少なくとも70体積%、少なくとも80体積%、少なくとも90体積%、または少なくとも95体積%、または少なくとも98体積%の水を含む液体を意味すると理解される。水性液体は、1種または複数の他の成分、例えば水性可溶性液体、例えばメタノール、エタノール、およびTHFを含んでいてよい。
【0038】
本明細書の文脈において、「ガラス転移温度」または「T
g」の言及は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて直鎖ブロックコポリマーについては10℃/分、または分岐ブロックコポリマーについては20℃/分の加熱速度で測定されたことを意味することが意図される。
【0039】
本発明は、ある種のブロックコポリマーが、リソグラフィーによって生成された形体のラインエッジ粗表面の修正によく適した特性を示すという発明者による発見に少なくともある程度基づく。
【0040】
本発明に従って、ブロックコポリマーは、ラインエッジラフネスを有する形体上の領域に適用される。ブロックコポリマーが「適用される」は、ラインエッジラフネスを有する形体の領域上にポリマーのコーティングが形成することを意味する。ブロックコポリマーは、任意の適した手段によって適用され得る。一般にはブロックコポリマーは、溶液または液体における分散系の形状で適用されるであろう。一実施形態において、ブロックコポリマーは、水溶液の形状で適用される。水溶液は、ブロックコポリマーを水性液体に単純に溶解することによって調製され得る。適した適用手段には、ディップコーティング、スピンコーティング、噴霧、およびはけ塗りが含まれる。
【0041】
一実施形態において、ブロックコポリマーは、ディップコーティングによって水溶液の形態で適用される。
【0042】
ラインエッジラフネスが、典型的には仮想直線から測定されたラインエッジの3標準偏差(3σ)として報告されることは、当業者なら理解するであろう(
図1参照)。こうした測定を行うために必要な画像は、典型的には走査電子顕微鏡法(SEM)またはトンネル電子顕微鏡(TEM)を用いて得られるであろう。
【0043】
修正されたラインエッジラフネスは、したがって未修正の形体のラインエッジラフネスと比較してラインエッジラフネスにおける測定可能な差分をもたらすであろう。
【0044】
減少したラインエッジラフネスは、したがって未修正の形体のラインエッジラフネスと比較してラインエッジラフネスにおける測定可能な減少をもたらすであろう。
【0045】
ラインエッジラフネス(LER)における差分は、リソグラフィーによって生成された形体の3σLER値を本発明に従って形体が修正される前とされた後に測定することによって決定され得る。測定された3σLER値の減少は、LERにおける減少を意味する。3σLERは、実施例の節に記載のように(
図1および少なくとも実施例1.11を参照)SEMまたはTEMを用いて決定してよい。
【0046】
一実施形態において、LERを修正することは、その未修正3σLER値よりも少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、または少なくとも30%の減少をもたらす。
【0047】
さらに別の実施形態において、LERを修正することは、その未修正3σLER値よりも少なくとも1%から約50%、少なくとも1%から約40%、または少なくとも1%から少なくとも約30%の減少をもたらす。
【0048】
リソグラフィーによって生成された形体がLERを示すという条件で、その形体の形成への特段の制限はない。本発明に適用可能な材料におけるリソグラフィーによって生成された形体の性質および範囲は当業者なら理解するであろう。
【0049】
リソグラフィーによって生成された形体が、LERを示すという条件で、リソグラフの形体が生成される材料にも特段の制限はない。一実施形態において、材料は、高分子材料、例えばフォトレジストである。
【0050】
リソグラフの形体が生成される材料は、基板、例えばシリコンウエハー上に堆積してよい。
【0051】
典型的には、LERを示すリソグラフィーによって生成された形体の領域は、形体の側壁上に位置するであろう。
【0052】
本発明において用いられるブロックコポリマーは、荷電親水性ポリマーブロックおよび非荷電親水性ポリマーブロックを含む。
【0053】
ブロックコポリマーが「親水性のポリマーブロック」を含むことは、最終的な親水性の性質を示すコポリマー構造内部の認識可能なブロックを意味する。
【0054】
ブロックコポリマーが「荷電親水性ポリマーブロック」を含むことは、最終的な正または負電荷を示すコポリマー構造内部の認識可能な親水性ポリマーブロックを意味する。
【0055】
一実施形態において、荷電親水性ポリマーブロックは、最終的な正電荷を表しかつカチオン性親水性のポリマーブロックと呼ばれ得る。
【0056】
ブロックコポリマーが「非荷電親水性ポリマーブロック」を含むことは、電荷を示さないコポリマー構造内部の認識可能な親水性ポリマーブロックを意味する。
【0057】
理論に制限されることは望まないが、ブロックコポリマーにおける異なる親水性ブロックは、異なる機能を果たすと考えられる。荷電親水性ポリマーブロックが、ブロックコポリマーを逆に荷電したリソグラフィーによって生成された形体に静電的相互作用を介して付着するように方向づける要因であると考えられる一方で、非荷電親水性ポリマーブロックは、表面エネルギー最小化を通してリソグラフィーによって生成された形体上に存在するラインエッジラフネスの修復または平滑化を容易にすると考えられる。
【0058】
2種の親水性ブロックを含むことの結果として、本発明において用いられるブロックコポリマーは、一般には性質において全体的に親水性になる。その場合には、ブロックコポリマーは、親水性のブロックコポリマーとして記述され得る。全体的な親水性の性質を示すことによって、ブロックコポリマーは、水性液体に可溶性になる。水性液体に可溶性であることによって、本発明において用いられるブロックコポリマーは、自己集合してミセルなどの、典型的には両親媒性の性質を示すポリマーによって形成されるような物である、塊状構造を形成しないことを理解されたい。むしろ、本発明において用いられるブロックコポリマーのポリマー鎖は、典型的には水性液体において直径10nm未満である溶媒和粒子を形成するであろう。
【0059】
理論に制限されることは望まないが、ブロックコポリマーが溶液中で凝集構造を形成する能力の欠如は、ブロックコポリマーが形体のLER表面上により効率的かつ効果的に適用されることを可能にすると考えられる。具体的には、ミセルなどの、ポリマー鎖の凝集構造は、LER表面とのポリマーの接触を妨げるまたは減少する粒径を表し得ると考えられる。一方で、本発明において用いられるブロックコポリマーによって与えられる凝集構造の欠如は、LER表面との高程度の接触を可能にする。これが今度はLER表面を修正する能力を改善することが分かっている。
【0060】
ブロックコポリマーは、直鎖または分岐であってよい。分岐ポリマー構造の例には、星型ポリマー、櫛形ポリマー、ブラシ型ポリマー、グラフトポリマー、超分岐ポリマーおよびデンドリマーが含まれる。
【0061】
非荷電親水性ポリマーブロックは、荷電親水性ポリマーブロックに直接的に共有結合または例えば連結基を通して、間接的に共有結合していてよい。一実施形態において、非荷電親水性ポリマーブロックは、荷電親水性ポリマーブロックに直接的に共有結合している。
【0062】
「直接的に」共有結合していることは、それぞれの関連したポリマーブロック間に共有結合だけがあることを意味する。
【0063】
「間接的に」共有結合していることは、それぞれのポリマーブロック間に位置した1つまたは複数の共有結合した原子または分子があることを意味する。ポリマーブロックが間接的に結合している場合、それらを、連結基を介して共有結合していると呼ぶことは好都合で有り得る。
【0064】
ポリマーブロックに結合する働きをし得るという条件で、こうした連結基の性質に関して特段の制限は無い。例えば、これは、ブロックコポリマーがどのように調製されるかによって、ブロックコポリマーが、例えば、モノマーの重合を促進してコポリマーを形成する部分の残基で有り得る、連結基を含むことで有り得る。その場合には、ブロックコポリマーの構造は、例えば、Aは非荷電親水性ポリマーブロックを表し、Lは連結基を表し、かつBは荷電親水性ポリマーブロックを表す、A−L−Bとして表され得る。その場合には、連結基を含むポリマーにもかかわらず、それでもブロックコポリマーと記述されるであろうことを当業者なら理解するであろう。
【0065】
連結基の例には、任意のアルキル鎖において存在するそのまたはそれぞれの−CH
2−基が、−O−、−OP(O)
2−、−OP(O)
2O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2O−、−OS(O)
2O−、−N=N−、−OSi(OR
a)
2O−、−Si(OR
a)
2O−、−OB(OR
a)O−、−B(OR
a)O−、−NR
a−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−OC(O)NR
a−および−C(O)NR
a−から独立に選択される二価の基によって置き換えられていてよく、そのまたはそれぞれのR
aが水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、カルボシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールアルキル、およびアシルから独立に選択され得る、場合によっては置換された、オキシ(−O−)、ジスルフィド(−S−S−)、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル(−C(O)−を含む)、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、カルボシクリルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、アシルチオ、カルボシクリルチオ、ヘテロシクリルチオ、ヘテロアリールチオ、アルキルアルケニル、アルキルアルキニル、アルキルアリール、アルキルアシル、アルキルカルボシクリル、アルキルヘテロシクリル、アルキルヘテロアリール、アルキルオキシアルキル、アルケニルオキシアルキル、アルキニルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルキルアシルオキシ、アルキルオキシアシルアルキル、アルキルカルボシクリルオキシ、アルキルヘテロシクリルオキシ、アルキルヘテロアリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルケニルチオアルキル、アルキニルチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルアシルチオ、アルキルカルボシクリルチオ、アルキルヘテロシクリルチオ、アルキルヘテロアリールチオ、アルキルアルケニルアルキル、アルキルアルキニルアルキル、アルキルアリールアルキル、アルキルアシルアルキル、アリールアルキルアリール、アリールアルケニルアリール、アリールアルキニルアリール、アリールアシルアリール、アリールアシル、アリールカルボシクリル、アリールヘテロシクリル、アリールヘテロアリール、アルケニルオキシアリール、アルキニルオキシアリール、アリールオキシアリール、アリールアシルオキシ、アリールカルボシクリルオキシ、アリールヘテロシクリルオキシ、アリールヘテロアリールオキシ、アルキルチオアリール、アルケニルチオアリール、アルキニルチオアリール、アリールチオアリール、アリールアシルチオ、アリールカルボシクリルチオ、アリールヘテロシクリルチオ、およびアリールヘテロアリールチオの二価の形態が含まれる。そのまたはそれぞれのR
aも、水素、C
1〜18アルキル、C
1〜18アルケニル、C
1〜18アルキニル、C
6〜18アリール、C
3〜18カルボシクリル、C
3〜18ヘテロアリール、C
3〜18ヘテロシクリル、およびC
7〜18アリールアルキルから独立に選択してよい。
【0066】
本明細書における2つ以上の部分基(例えば[基A][群B])を含む基の参照は、部分基が提示される順序に限定されることは意図されない。したがって、[基A][基B](例えばアルキルアリール)として定義される2つの部分基は、[基B][基A](例えばアリールアルキル)として定義される2つの部分基への参照でもあることが意図される。
【0067】
ブロックコポリマーにおける親水性のポリマーブロックのそれぞれは、ホモポリマーブロックまたはコポリマーブロックであってよい。ポリマーブロックがコポリマーである場合、コポリマーは、グラジエント、ブロック、交互、ランダムまたは統計コポリマーであってよい。
【0068】
ブロックコポリマーは、一般には疎水性のポリマーブロックを含まないであろう。
【0069】
荷電親水性ポリマーブロックは、約5から約80、または約5から約70、または約5から約60の、重合モノマー残基単位を含んでいてよい。一般には、荷電親水性ポリマーブロックを構成する少なくとも約10%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも70%、または少なくとも90%、あるいは全てのモノマー残基単位が、電荷を含む。
【0070】
一実施形態において、荷電親水性ポリマーブロックは、それぞれが電荷を含む約5から約80、または約5から約70、または約5から約60の、重合モノマー残基単位を含む。
【0071】
本明細書において「荷電」している親水性のポリマーブロックの参照は、正または負電荷を示
す1つまたは複数の官能基または部分をポリマーブロックが有することを意味することが意図される。
【0072】
したがって、こうした官能基または部分は、その電荷を本来備わって帯びていてもよく、または例えば求電子剤の追加または除去を通して、荷電状態に変換され
たものであってもよい。言い換えれば、正電荷については、官能基または部分は、第四級アンモニウム官能基または部分など本来備わっている電荷を有していてよく、あるいは官能基または部分は本質的に
当初は中性であ
り、第三級アンモニウムカチオンのpH依存的形成、または第三級アミン基の四級化を通して、カチオンを形成
してもよい。負電荷については、官能基または部分は、例えば、負電荷を提供する有機酸塩を含んでいてよく、あるいは官能基または部分は、
当初は中性で有り得る有機酸を含
み、酸性のプロトンのpH依存的除去を通して、アニオンを形成
してもよい。
【0073】
ブロックコポリマーは、中性状態でありその後荷電状態に変換され得る官能基または部分を含有するモノマーを用いて調製してよい。例えば、モノマーは、重合されると荷電ポリマーブロックを形成し続いて正に帯電した状態に四級化される、第三級アミン官能基を含んでいてよい。
【0074】
荷電状態において、本来カチオン性ポリマーブロック内に存在するカチオン、または本来アニオン性ポリマーブロック内に存在するアニオンは、それと関連した適した対イオンを有するであろうことは、当業者なら理解するであろう。
【0075】
電荷を示す荷電親水性ポリマーブロックによって、それは、リソグラフィーによって生成された形体の逆に荷電した表面に容易に静電的に関連付けられ得る。
【0076】
一実施形態において、ブロックコポリマーの荷電親水性ポリマーブロックはカチオン性の親水性ポリマーブロックでありかつリソグラフィーによって生成された形体は負に帯電している。
【0077】
非荷電親水性ポリマーブロックは、約10から約60、または約15から約50、または約15から約40の重合モノマー残基単位を含んでいてよい。非荷電親水性ポリマーブロックは、最終的な親水性の性質を示すであろう。一般には、親水性のポリマーブロックを形成する少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約90%、または100%の重合モノマー残基単位は、親水性のモノマー残基単位になる。
【0078】
一実施形態において、非荷電親水性ポリマーブロックは、約10から約60、または約15から約50、または約15から約40の重合した親水性のモノマー残基単位を含む。
【0079】
非荷電親水性ポリマーブロックは、典型的には例えばプロトンなどの求電子剤の追加または除去を通して荷電状態に変換される能力がある官能基を含まないであろう。したがって、非荷電親水性ポリマーブロックは、典型的にはpH依存性の荷電状態を形成し得る官能基を含まないであろう。
【0080】
重合されて非荷電親水性ポリマーブロックを提供するモノマーは、本来的に親水性であってもまたは例えば官能基の脱保護を通して、親水性の状態に変換され
たものであってもよい。
【0081】
ブロックコポリマーは、任意の適した手段によって調製してよい。
【0082】
一般にはブロックコポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合によって調製される。エチレン性不飽和モノマーの重合は、好ましくはリビングまたはいわゆる「疑似」リビング重合技術を用いて行われる。
【0083】
リビングまたは疑似リビング重合は、一般には非可逆的連鎖停止が実質的に無い鎖重合の形態であると当技術分野において考えられている。リビング重合の重要な特徴は、重合を維持するモノマーおよび反応条件が提供されている間はポリマー鎖が成長を続けるであろうことである。リビング重合により調製されるポリマー鎖は、明確に定められた分子構成、所定の分子量および狭い分子量分布または低モル質量分散度を有利に示し得る。
【0084】
リビング重合の例には、イオン重合および制御ラジカル重合(CRP)が含まれる。CRPの例には、これに限定されないが、イニファーター重合、安定フリーラジカル仲介重合(stable free radical mediated polymerisation)(SFRP)、原子移動ラジカル重合(ATRP)、および可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合が含まれる。
【0085】
リビング重合を実行するための設備、条件、および試薬は、当業者に良く知られている。
【0086】
エチレン性不飽和モノマーがリビング重合技術によって重合される場合、一般にはいわゆるリビング重合剤の使用が必要になる。「リビング重合剤」は、リビングポリマー鎖(すなわちリビング重合技術に従って形成されたポリマー鎖)を形成するために1種または複数のエチレン性不飽和モノマーのリビング重合に関与および制御または仲介し得る化合物を意味する。
【0087】
リビング重合剤には、これに限定されないが、イオン重合およびCRPから選択されるリビング重合技術を促進する物が含まれる。
【0088】
一実施形態において、ブロックコポリマーは、イオン重合を用いて調製される。
【0089】
別の実施形態において、ブロックコポリマーは、CRPを用いて調製される。
【0090】
さらに別の実施形態において、ブロックコポリマーは、イニファーター重合を用いて調製される。
【0091】
別の実施形態において、ブロックコポリマーは、SFRPを用いて調製される。
【0092】
さらなる実施形態において、ブロックコポリマーは、ATRPを用いて調製される。
【0093】
一層のさらなる実施形態において、ブロックコポリマーは、RAFT重合を用いて調製される。
【0094】
RAFT重合によって調製されるポリマーは、好都合にはRAFTポリマーと呼ばれ得る。重合の反応機構の長所によって、こうしたポリマーは、モノマーの重合を容易にしたRAFT剤の残基を含むであろう。
【0095】
本発明に従う使用のために適したRAFT剤は、チオカルボニルチオ基を含む(これは−C(S)S−によって表される二価の部分である)。RAFT重合およびRAFT剤は、国際公開第98/01478号、Moad G.、Rizzardo,E、Thang S,H.Polymer 2008年、49、1079〜1131ならびにAust.J.Chem.、2005年、58、379〜410、Aust.J.Chem.、2006年、59、669〜692、およびAust.J.Chem、2009年、62、1402〜1472などの非常に多くの刊行物に記載されている。分岐ポリマーの調製において使用するために適したRAFT剤には、キサントゲン酸塩、ジチオエステル、ジチオカルバミン酸塩およびトリチオ炭酸塩化合物が含まれる。
【0096】
本発明に従う使用のために適したRAFT剤は、一般式(I)または(II)で表され得る:
【化1】
(式中、ZおよびRは基、かつR
*およびZ
*はそれぞれ、薬剤が1種または複数のエチレン性不飽和モノマーの重合におけるRAFT剤として機能し得るように独立に選択された、x価およびy価の基であり、xは整数≧1、ならびにyは整数≧2である)。
【0097】
1種または複数のエチレン性不飽和モノマーの重合におけるRAFT剤として機能するために、RおよびR
*は、典型的には用いられた重合条件下でフリーラジカル脱離基として機能する場合によっては置換された有機基であり、かつしかも、フリーラジカル脱離基として、重合を再び開始する能力を保持するであろうことを、当業者なら理解するであろう。当業者は、ZおよびZ
*が、典型的には重合が過度に抑制される程度までRAFT−付加ラジカルの分裂の速度を遅くすること無くフリーラジカル添加に対してRAFT剤におけるC=S部分の適切に高い反応性を与える働きをする場合によっては置換された有機基であろうことも理解するであろう。
【0098】
式(I)において、R
*は、xが整数≧1である、x価の基である。したがって、R
*は、一価、二価、三価またはより高い価であってよい。例えば、R
*は、ポリマー鎖から懸垂した複数の基として表された式(I)において描かれたRAFT剤の残部を有する、場合によっては置換されたポリマー鎖であってよい。一般には、xは1から約20、例えば約2から約10、または1から約5の範囲の整数であろう。
【0099】
同様に、式(II)において、Z
*は、yが整数≧2である、y価の基である。したがって、Z
*は、二価、三価またはより高い価であってよい。一般には、yは2から約20、例えば約2から約10、または2から約5の範囲の整数であろう。
【0100】
本発明に従って用いられるRAFT剤におけるRの例には、場合によっては置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、アシルチオ、カルボシクリルチオ、ヘテロシクリルチオ、ヘテロアリールチオ、アルキルアルケニル、アルキルアルキニル、アルキルアリール、アルキルアシル、アルキルカルボシクリル、アルキルヘテロシクリル、アルキルヘテロアリール、アルキルオキシアルキル、アルケニルオキシアルキル、アルキニルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルキルアシルオキシ、アルキルカルボシクリルオキシ、アルキルヘテロシクリルオキシ、アルキルヘテロアリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルケニルチオアルキル、アルキニルチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルアシルチオ、アルキルカルボシクリルチオ、アルキルヘテロシクリルチオ、アルキルヘテロアリールチオ、アルキルアルケニルアルキル、アルキルアルキニルアルキル、アルキルアリールアルキル、アルキルアシルアルキル、アリールアルキルアリール、アリールアルケニルアリール、アリールアルキニルアリール、アリールアシルアリール、アリールアシル、アリールカルボシクリル、アリールヘテロシクリル、アリールヘテロアリール、アルケニルオキシアリール、アルキニルオキシアリール、アリールオキシアリール、アルキルチオアリール、アルケニルチオアリール、アルキニルチオアリール、アリールチオアリール、アリールアシルチオ、アリールカルボシクリルチオ、アリールヘテロシクリルチオ、アリールヘテロアリールチオ、およびポリマー鎖が含まれ、かつ本発明に従って用いられるRAFT剤におけるR
*については、場合によっては置換されたこれらのx価の形態が含まれる。
【0101】
いかなる疑いも回避するため本明細書における「場合によっては置換された」、アルキル、アルケニル...などの参照は、アルキルおよびアルケニルなどのそれぞれの基が場合によっては置換されていることを意味することが意図される。
【0102】
本発明に従って用いられ得るRAFT剤におけるRの例には、場合によっては置換されたアルキル、飽和、不飽和または芳香族の炭素環または複素環、アルキルチオ、ジアルキルアミノ、有機金属種、およびポリマー鎖も含まれ、かつ本発明に従って用いられるRAFT剤におけるR
*についても、場合によっては置換されたこれらのx価の形態が含まれる。
【0103】
本発明に従って用いられ得るRAFT剤におけるRのより特定の例には、場合によっては置換された、C
1〜C
18アルキル、C
2〜C
18アルケニル、C
2〜C
18アルキニル、C
6〜C
18アリール、C
1〜C
18アシル、C
3〜C
18カルボシクリル、C
2〜C
18ヘテロシクリル、C
3〜C
18ヘテロアリール、C
1〜C
18アルキルチオ、C
2〜C
18アルケニルチオ、C
2〜C
18アルキニルチオ、C
6〜C
18アリールチオ、C
1〜C
18アシルチオ、C
3〜C
18カルボシクリルチオ、C
2〜C
18ヘテロシクリルチオ、C
3〜C
18ヘテロアリールチオ、C
3〜C
18アルキルアルケニル、C
3〜C
18アルキルアルキニル、C
7〜C
24アルキルアリール、C
2〜C
18アルキルアシル、C
4〜C
18アルキルカルボシクリル、C
3〜C
18アルキルヘテロシクリル、C
4〜C
18アルキルヘテロアリール、C
2〜C
18アルキルオキシアルキル、C
3〜C
18アルケニルオキシアルキル、C
3〜C
18アルキニルオキシアルキル、C
7〜C
24アリールオキシアルキル、C
2〜C
18アルキルアシルオキシ、C
2〜C
18アルキルチオアルキル、C
3〜C
18アルケニルチオアルキル、C
3〜C
18アルキニルチオアルキル、C
7〜C
24アリールチオアルキル、C
2〜C
18アルキルアシルチオ、C
4〜C
18アルキルカルボシクリルチオ、C
3〜C
18アルキルヘテロシクリルチオ、C
4〜C
18アルキルヘテロアリールチオ、C
4〜C
18アルキルアルケニルアルキル、C
4〜C
18アルキルアルキニルアルキル、C
8〜C
24アルキルアリールアルキル、C
3〜C
18アルキルアシルアルキル、C
13〜C
24アリールアルキルアリール、C
14〜C
24アリールアルケニルアリール、C
14〜C
24アリールアルキニルアリール、C
13〜C
24アリールアシルアリール、C
7〜C
18アリールアシル、C
9〜C
18アリールカルボシクリル、C
8〜C
18アリールヘテロシクリル、C
9〜C
18アリールヘテロアリール、C
8〜C
18アルケニルオキシアリール、C
8〜C
18アルキニルオキシアリール、C
12〜C
24アリールオキシアリール、アルキルチオアリール、C
8〜C
18アルケニルチオアリール、C
8〜C
18アルキニルチオアリール、C
12〜C
24アリールチオアリール、C
7〜C
18アリールアシルチオ、C
9〜C
18アリールカルボシクリルチオ、C
8〜C
18アリールヘテロシクリルチオ、C
9〜C
18アリールヘテロアリールチオ、および約500から約80,000の範囲、例えば約500から約30,000の範囲の数平均分子量を有するポリマー鎖が含まれ、かつ本発明に従って用いられるRAFT剤におけるR
*については、場合によっては置換されたこれらのx価の形態が含まれる。
【0104】
本発明に従って用いられるRAFT剤におけるRに場合によっては置換されたポリマー鎖が含まれる場合、および本発明に従って用いられるRAFT剤におけるR
*についてはそのx価の形態が含まれる場合、ポリマー鎖は、ラジカル、イオン、配位、段階成長または縮合重合などの任意の適した重合プロセスによって形成されてよい。ポリマー鎖は、ホモポリマー、ブロックポリマー、マルチブロックポリマー、グラジエントコポリマー、またはランダムもしくは統計コポリマー鎖を含んでいてよくかつ直鎖、星型、分岐、グラフト、またはブラシ型などの種々の構成を有していてよい。
【0105】
本発明に従って用いられ得るRAFT剤におけるZの例には、場合によっては置換されたF、Cl、Br、I、アルキル、アリール、アシル、アミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、アシルアミノ、カルボシクリルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アシルチオ、カルボシクリルチオ、ヘテロシクリルチオ、ヘテロアリールチオ、アルキルアリール、アルキルアシル、アルキルカルボシクリル、アルキルヘテロシクリル、アルキルヘテロアリール、アルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルキルアシルオキシ、アルキルカルボシクリルオキシ、アルキルヘテロシクリルオキシ、アルキルヘテロアリールオキシ、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルアシルチオ、アルキルカルボシクリルチオ、アルキルヘテロシクリルチオ、アルキルヘテロアリールチオ、アルキルアリールアルキル、アルキルアシルアルキル、アリールアルキルアリール、アリールアシルアリール、アリールアシル、アリールカルボシクリル、アリールヘテロシクリル、アリールヘテロアリール、アリールオキシアリール、アリールアシルオキシ、アリールカルボシクリルオキシ、アリールヘテロシクリルオキシ、アリールヘテロアリールオキシ、アルキルチオアリール、アリールチオアリール、アリールアシルチオ、アリールカルボシクリルチオ、アリールヘテロシクリルチオ、アリールヘテロアリールチオ、ジアルキルオキシ−、ジヘテロシクリルオキシ−またはジアリールオキシ−ホスフィニル、ジアルキル−、ジヘテロシクリル−またはジアリール−ホスフィニル、シアノ(すなわち−CN)、および−S−R(式中、Rは式(II)に関して定義された通りである)が含まれ、かつ本発明に従って用いられるRAFT剤におけるZ
*については、場合によっては置換されたこれらのy価の形態が含まれる。
【0106】
本発明に従って用いられ得るRAFT剤におけるZのより特定の例には、場合によっては置換されたF、Cl、C
1〜C
18アルキル、C
6〜C
18アリール、C
1〜C
18アシル、アミノ、C
3〜C
18カルボシクリル、C
2〜C
18ヘテロシクリル、C
3〜C
18ヘテロアリール、C
1〜C
18アルキルオキシ、C
6〜C
18アリールオキシ、C
1〜C
18アシルオキシ、C
3〜C
18カルボシクリルオキシ、C
2〜C
18ヘテロシクリルオキシ、C
3〜C
18ヘテロアリールオキシ、C
1〜C
18アルキルチオ、C
6〜C
18アリールチオ、C
1〜C
18アシルチオ、C
3〜C
18カルボシクリルチオ、C
2〜C
18ヘテロシクリルチオ、C
3〜C
18ヘテロアリールチオ、C
7〜C
24アルキルアリール、C
2〜C
18アルキルアシル、C
4〜C
18アルキルカルボシクリル、C
3〜C
18アルキルヘテロシクリル、C
4〜C
18アルキルヘテロアリール、C
2〜C
18アルキルオキシアルキル、C
7〜C
24アリールオキシアルキル、C
2〜C
18アルキルアシルオキシ、C
4〜C
18アルキルカルボシクリルオキシ、C
3〜C
18アルキルヘテロシクリルオキシ、C
4〜C
18アルキルヘテロアリールオキシ、C
2〜C
18アルキルチオアルキル、C
7〜C
24アリールチオアルキル、C
2〜C
18アルキルアシルチオ、C
4〜C
18アルキルカルボシクリルチオ、C
3〜C
18アルキルヘテロシクリルチオ、C
4〜C
18アルキルヘテロアリールチオ、C
8〜C
24アルキルアリールアルキル、C
3〜C
18アルキルアシルアルキル、C
13〜C
24アリールアルキルアリール、C
13〜C
24アリールアシルアリール、C
7〜C
18アリールアシル、C
9〜C
18アリールカルボシクリル、C
8〜C
18アリールヘテロシクリル、C
9〜C
18アリールヘテロアリール、C
12〜C
24アリールオキシアリール、C
7〜C
18アリールアシルオキシ、C
9〜C
18アリールカルボシクリルオキシ、C
8〜C
18アリールヘテロシクリルオキシ、C
9〜C
18アリールヘテロアリールオキシ、C
7〜C
18アルキルチオアリール、C
12〜C
24アリールチオアリール、C
7〜C
18アリールアシルチオ、C
9〜C
18アリールカルボシクリルチオ、C
8〜C
18アリールヘテロシクリルチオ、C
9〜C
18アリールヘテロアリールチオ、ジアルキルオキシ−、ジヘテロシクリルオキシ−またはジアリールオキシ−ホスフィニル(すなわち−P(=O)OR
k2)、ジアルキル−、ジヘテロシクリル−またはジアリール−ホスフィニル(すなわち−P(=O)R
k2)(式中、R
kは場合によっては置換されたC
1〜C
18アルキル、場合によっては置換されたC
6〜C
18アリール、場合によっては置換されたC
2〜C
18ヘテロシクリル、および場合によっては置換されたC
7〜C
24アルキルアリール、シアノ(すなわち−CN)、ならびに−S−R(式中、Rは式(II)に関して定義されたとおりである)から選択される)が含まれ、かつ本発明に従って用いられるRAFT剤におけるZ
*については、場合によっては置換されたこれらのy価の形態が含まれる。
【0107】
一実施形態において、本発明に従って用いられるRAFT剤は、トリチオ炭酸塩RAFT剤でありかつZまたはZ
*は、場合によっては置換されたアルキルチオ基である。
【0108】
必要に応じて、ブロックコポリマーを作成するために用いられた重合剤からの残基は、除去してよい。例えば、RAFT重合が用いられる場合、RAFT剤残基が、ブロックコポリマーから除去され得る。こうした薬剤残基を除去するための技術は、当技術分野において既知である。
【0109】
そこからZ、Z
*、RおよびR
*が選択され得る基を定義している本明細書の一覧において、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、カルボシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびポリマー鎖部分は、場合によっては置換されていてよい。いかなる疑いも回避するために、所与のZ、Z
*、RまたはR
*が2つ以上のこうした部位(例えばアルキルアリール)を含む場合、こうした部位のそれぞれは、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の本明細書で定義される通りの任意の置換基で場合によっては置換されていてよい。
【0110】
そこからZ、Z
*、RおよびR
*が選択され得る基を定義している本明細書の一覧において、所与のZ、Z
*、RまたはR
*が2つ以上の部分基(例えば[基A][基B])を含む場合、部分基の順序は、それらが提示される順序に限定することは意図されない。したがって、[基A][基B](例えばアルキルアリール)として定義される2つの部分基を有するZ、Z
*、RまたはR
*は、[基B][基A](例えばアリールアルキル)として定義される2つの部分基を有するZ、Z
*、RまたはR
*への参照でもあることが意図される。
【0111】
Z、Z
*、RまたはR
*は、分岐していてよくかつ/または場合によっては置換されていてよい。Z、Z
*、RまたはR
*が場合によっては置換されたアルキル部分を含む場合、任意の置換基には、アルキル鎖における−CH
2−基が−O−、−S−、−NR
a−、−C(O)−(すなわちカルボニル)、−C(O)O−(すなわちエステル)、および−C(O)NR
a−(すなわちアミド)(式中、R
aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、カルボシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールアルキル、およびアシルから選択され得る)から選択される基で置き換えられている場合が含まれる。
【0112】
本明細書においてx価、y価、多価または二価「・・・の形態の」への参照は、特定の基がそれぞれ、x価、y価、多価または二価のラジカルであることを意味することが意図される。例えば、xまたはyが2の場合、特定の基は、二価のラジカルであることが意図される。その場合には、二価のアルキル基は、実質的にはアルキレン基(例えば−CH
2−)である。同様に、基アルキルアリールの二価の形態は、例えば、−(C
6H
4−CH
2−で表してよく、二価のアルキルアリールアルキル基は、例えば、−CH
2−(C
6H
4)−CH
2−で表してよく、二価のアルキルオキシ基は、例えば、−CH
2−O−で表してよく、および二価のアルキルオキシアルキル基は、例えば、−CH
2−O−CH
2−で表してよい。「場合によっては置換された」という語がこうしたx価、y価、多価または二価の基との組み合わせにおいて用いられる場合、その基は、本明細書に記述される通りに置換または融合していてもよくまたはしていなくてもよい。x価、y価、多価、二価の基が2つ以上の部分基、例えば[基A][基B][基C](例えばアルキルアリールアルキル)を含む場合、実行可能な場合はこうした部分基の1つまたは複数が場合によっては置換されていてよい。より高い価の形態の提供にこの原理を適用する方法は当業者なら理解するであろう。
【0113】
ブロックコポリマーの調製は、一般にはエチレン性不飽和モノマーの重合を必要とするであろう。エチレン性不飽和モノマーの共重合性を決定する因子は、当技術分野においてよく文書化されている。例えば、Greenlee、R.Z.、Polymer Handbook第3編(Brandup、J、およびImmergut.E.H.編)Wiley:New York、1989、pII/53(その内容全体が参照により本書に組み込まれる)を参照されたい。
【0114】
当業者は、非荷電親水性ポリマーブロックおよび荷電親水性ポリマーブロックを提供するために適したモノマーを選択できるであろう。
【0115】
非荷電親水性ポリマーブロックを提供するために適したモノマーの例には、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、およびアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸グリセロール、(メタ)アクリル酸オリゴ(アルキレングリコール)メチルエーテル(OAG(M)A)、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル
、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、およびメタクリル酸2,2−(ジメチル−1,3−ジオキソラン)メチルが含まれる。
【0116】
OAG(M)Aについては、アルキレン部分は、一般にはC
2〜C
6、例えばC
2またはC
3の、アルキレン部分であろう。「(アルキレングリコール)」に関連した学名「オリゴ」は、複数のアルキレングリコール単位の存在を指すことを当業者なら理解するであろう。一般には、OAG(M)Aのオリゴ成分は、約2から約200、例えば約2から約100、または約2から約50または約2から約20のアルキレングリコール反復単位を含むであろう。
【0117】
メタクリル酸2,2−(ジメチル−1,3−ジオキソラン)メチルについては、このモノマーが、グリセロール官能基の脱保護を通して親水性の状態に変換され得ることにより相対的に疎水性であることを、当業者なら理解するであろう。
【0118】
荷電親水性ポリマーブロックを提供するために適したモノマーの例には、メタクリル酸2−アミノエチル塩酸塩、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩、N−[3−(N,N−ジメチルアルニノ)プロピル]アクリルアミド、N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、アクリル酸2−N−モルホリノエチル、メタクリル酸2−N−モルホリノエチル、アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、塩化2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、2−(ジエチルアミノ)エチルスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリジノン、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−アクリロイルアミド−エトキシエタノール、3−アクリロイルアミノ−1−プロパノール、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミド、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、p−スチレンカルボン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、エタクリル酸、アルファ−クロロアクリル酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸およびマレイン酸が含まれる。
【0119】
正に帯電した親水性のポリマーブロックを提供するのに適したモノマーの例には、メタクリル酸2−アミノエチル塩酸塩、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、アクリル酸2−N−モルホリノエチル、メタクリル酸2−N−モルホリノエチル、アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、塩化2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、2−(ジエチルアミノ)エチルスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリジノン、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−アクリロイルアミド−エトキシエタノール、3−アクリロイルアミノ−1−プロパノール、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミドが含まれる。
【0120】
負に帯電した親水性のポリマーブロックを提供するのに適したモノマーの例には、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、p−スチレンカルボン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、エタクリル酸、アルファ−クロロアクリル酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸およびマレイン酸が含まれる。
【0121】
本発明に従ってブロックコポリマーを形成するためにフリーラジカル重合技術が1種または複数のエチレン性不飽和モノマーの重合において用いられる場合、重合は通常は、フリーラジカルの供給源からの開始を必要とするであろう。
【0122】
開始ラジカルの供給源は、適した化合物ペルオキシド、ペルオキシエステル、またはアゾ化合物などの熱開始剤)(1種または複数)の熱的に誘導された均一開裂切断(、モノマー(例えばスチレン)からの自然発生、レドックス開始系、光化学開始系または電子ビーム、X線もしくはガンマ放射線などの高エネルギー放射などの、フリーラジカル発生の任意の適した手段によって提供され得る。
【0123】
熱開始剤は、一般には重合の温度において適切な半減期を有するように選択される。これらの開始剤には、以下の化合物の1種または複数が含まれ得る:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シアノブタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(イソ酪酸)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(t−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1、1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、2,2’−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、t−ブチルペルオキシアセテート、ペルオキシ安息香酸t−ブチル、ペルオキシネオデカン酸t−ブチル、イソ酪酸t−ブチルペルオキシ、ペルオキシピバリン酸t−アミル、ペルオキシピバリン酸t−ブチル、ペルオキシ二炭酸ジイソプロピル、ペルオキシ二炭酸ジシクロヘキシル、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ペルオキシ二硫酸カリウム、ペルオキシ二硫酸アンモニウム、次亜硝酸ジ−t−ブチル、次亜硝酸ジクミル。この一覧は、網羅的ではない。
【0124】
光化学開始剤系は、一般には重合の条件下でラジカル生成の適切な量子収率を有するように選択される。例には、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、アシルホスフィンオキシド、および光レドックス系が含まれる。
【0125】
レドックス開始剤系は、一般には重合の条件下でラジカル生成の適切な速度を有するように選択され、これらの開始系には、これに限定されないが、以下の酸化剤および還元剤の組み合わせが含まれ得る:
酸化剤:カリウム、ペルオキシ二硫酸塩、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド。
還元剤:鉄(II)、チタン(III)、チオ亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム。
【0126】
他の適した開始系は、一般的に利用可能な文章に記述されている。例えば、MoadおよびSolomon「The Chemistry of Free Radical Polymerisation」ペルガモン、ロンドン、1995年、53〜95頁を参照されたい。
【0127】
親水性の媒体においてより容易に溶媒和になる開始剤には、これに限定されないが、4,4−アゾビス(シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1、1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、およびそれらの誘導体が含まれる。
【0128】
疎水性の媒体においてより容易に溶媒和になる開始剤には、良く知られている材料の2,2’−アゾビスイソブチロニトリルによって例示されるアゾ化合物が含まれる。他の適した開始剤化合物には、アセチルペルオキシドおよびベンゾイルペルオキシドなどのアシルペルオキシド類ならびにクミルペルオキシドおよびt−ブチルペルオキシドなどのアルキルペルオキシドが含まれる。t−ブチルヒドロペルオキシドおよびクミルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシドも、広く用いられる。
【0129】
ブロックコポリマーを調製する場合にブロックコポリマー鎖間に分岐点を挿入するまたは架橋することは望ましくあり得る。
【0130】
分岐点の挿入または架橋が非常に多くの方法において達成され得ることは、当業者なら理解するであろう。例えば、これは、多エチレン性不飽和モノマーを用いて達成され得る。その場合には、モノマーの反応は、典型的にはフリーラジカル反応機構を通る。
【0131】
あるいは、フリーラジカル重合反応に加わることに感受性ではない反応性官能基も含むエチレン性不飽和モノマー(すなわち「官能化された」不飽和モノマー)を用いて達成され得る。その場合には、こうしたモノマーは、不飽和基の重合を通してポリマー主鎖に組み込まれてよく、得られるペンダント官能基は、それを通してさらなる反応が起こり得る手段を提供する。反応性官能基の相補的な対(すなわち互いに反応するであろう基)を提供するモノマーを利用することによって、反応性官能基の対は、非ラジカル反応機構を通って反応して架橋または分岐点を提供し得る。
【0132】
反応性官能基の相補的な対を用いることの変形形態は、モノマーが非相補的な反応性官能基を提供する場合である。その場合には、官能基は、互いに反応しないが、代わりにその後に薬剤と反応して架橋または分岐点を形成し得る部位を提供するであろう。こうした薬剤は、実質的に非相補的な反応性官能基の全てと反応する量で用いられるであろうことを理解されたい。これらの状況下での架橋または分岐点の形成は、一般にはモノマーの重合後に発生するであろう。
【0133】
これらの技術の組み合わせを用いてよい。
【0134】
架橋または分岐点の発生の文脈において、上述の「多エチレン性不飽和モノマー」および「官能化された不飽和モノマー」は、本明細書において好都合にかつ集合的に「架橋エチレン性不飽和モノマー」または「架橋モノマー」とも呼ばれ得る。一般用語「架橋エチレン性不飽和モノマー」または「架橋モノマー」は、それを通して架橋または分岐点が導かれるまたは導かれるであろうエチレン性不飽和モノマーを意味する。
【0135】
架橋または分岐を促進するために用いられ得る適した多エチレン性不飽和モノマーの例には、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタエリトリトール、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリトリトール、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリトリトール、ジ(メタ)アクリル酸グリセロール、ジ(メタ)アクリル酸グリセロールアリルオキシ、ジ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、ジ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリメリット酸トリアリル、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル(diallyl terephthalte)、ジビニルベンゼン、メチロール(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、マレイン酸オレイル、トリアクリル酸グリセリルプロポキシ、メタクリル酸アリル、メタクリル酸無水物およびメチレンビス(メタ)アクリルアミドが含まれる。
【0136】
フリーラジカル重合反応に加わることに感受性ではない反応性官能基を含む適したエチレン性不飽和モノマーの例には、メタクリル酸アセトアセトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、N−メチロールアクリルアミド、(イソブトキシメチル)アクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸t−ブチル−カルボジイミドエチル、アクリル酸、γ−メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、メタクリル酸2−イソシアノエチルおよびジアセトンアクリルアミドが含まれる。
【0137】
すぐ上で述べた相補的反応性官能基を提供する適したモノマーの対の例には、N−メチロールアクリルアミドとそれ自体、(イソブトキシメチル)アクリルアミドとそれ自体、γ−メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシランとそれ自体、メタクリル酸2−イソシアノエチルとアクリル酸ヒドロキシエチル、ならびにメタクリル酸t−ブチル−カルボジイミドエチルとアクリル酸が含まれる。
【0138】
上述の官能化された不飽和モノマーの1つまたは複数の反応性官能基と反応し得る適した薬剤の例には、ヘキサメチレンジアミン、メラミン、トリメチロールプロパントリス(プロピオン酸2−メチル−1−アジリジン)およびアジピン酸ビスヒドラジドが含まれる。薬剤と相補的な反応性基を提供する官能化された不飽和モノマーとの対の例には、ヘキサメチレンジアミンとメタクリル酸アセトアセトキシエチル、ヘキサメチレンジアミンとメタクリル酸グリシジル、メラミンとアクリル酸ヒドロキシエチル、トリメチロールプロパントリス(プロピオン酸2−メチル−l−アジリジン)とアクリル酸、アジピン酸ビスヒドラジドとジアセトンアクリルアミドが含まれる。
【0139】
一実施形態において、ブロックコポリマーは、メタクリル酸2−アミノエチル塩酸塩、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、アクリル酸2−N−モルホリノエチル、メタクリル酸2−N−モルホリノエチル、アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、塩化2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、2−(ジエチルアミノ)エチルスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリジノン、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−アクリロイルアミド−エトキシエタノール、3−アクリロイルアミノ−1−プロパノール、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−(3−メトキシプロピル)アクリルアミド、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、p−スチレンカルボン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、エタクリル酸、アルファ−クロロアクリル酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸およびマレイン酸から選択される1種または複数のモノマーの重合した残基を含む荷電親水性ポリマーブロックを含む。
【0140】
さらに別の実施形態において、非荷電親水性ポリマーブロックは、それ自体がメタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、およびアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸グリセロール、(メタ)アクリル酸オリゴ(アルキレングリコール)メチルエーテル(OAG(M)A)、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、およびメタクリル酸2,2−(ジメチル−1,3−ジオキソラン)メチルから選択される2つ以上のモノマーの重合した残基を含むブロックコポリマーである。
【0141】
ブロックコポリマーは自己集合する傾向が無いので溶液中においては、例えば100nm未満のリソグラフィーによって生成された形体の、LERを減少するために、修正するために有効に用いられ得ることが分かった。一実施形態において、リソグラフィーによって生成された形体のサイズは、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満、または20nm未満である。この文脈において、「サイズ」は、当然ながら形体の最小寸法の参照である。
【0142】
ラインエッジラフネスを有する形体の領域へのブロックコポリマーの適用は、一般にはブロックコポリマーを有する領域のコーティングをもたらすであろう。適用されたブロックコポリマーにおける区域移動性を誘導することは、ポリマーモフォロジーにおける変化(ポリマー鎖の再組織化)を促進する可能性があり、これが今度は表面エネルギー最小化を通してラインエッジラフネスの平滑化または修復を促進し得る。区域移動性を誘導するための技術には、ブロックコポリマーを加熱または溶媒蒸気処理することが含まれる。
【0143】
したがって、一実施形態において方法は、適用されたブロックコポリマーの区域移動性を誘導してそのモフォロジーにおける変化を促進することをさらに含む。
【0144】
別の実施形態において区域移動性は、適用されたブロックコポリマーを溶媒蒸気処理することによって誘導される。
【0145】
さらに別の実施形態において区域移動性は、適用されたブロックコポリマーを加熱することによって誘導される。
【0146】
適用されたポリマーを処理する溶媒蒸気が、ポリマーマトリクス内の溶媒の吸収によって区域移動性を促進することは、当業者なら理解するであろう。吸収された溶媒は、可塑剤として機能してその中でポリマー鎖がより自由に流動することを可能にし得る。適した溶媒は、適用されたポリマー内に吸収されてこうした可塑化効果を促進するそれらの能力のために選択される。リソグラフィーによって生成された形体の起こり得る変形を回避するために、溶媒は、形体の材料によって容易に吸収されないように選択してよい。
【0147】
ポリマー鎖の区域移動性は、ポリマーがそのT
gと等しいかまたは上回る温度の場合にも向上することは、当業者なら理解するであろう。必要とされる場合、適用されたブロックコポリマーは、LERの平滑化または修復を容易にするためにそのT
gと等しいか、または上回る温度に加熱してもよい。
【0148】
所与のブロックコポリマーのT
gおよびポリマーがその上に適用されたリソグラフィーによって生成された形体の性質に応じて、ブロックコポリマーを加熱し過ぎないことを守ることは重要で有り得る。例えば、ポリマーがその上に適用されたリソグラフィーによって生成された形体の材料は、ブロックコポリマーよりもあまり高くないT
gを有するポリマーであってよい。その場合には、形体の起こり得る変形を回避するために、ブロックコポリマーを、形体の材料のT
gまたは上回る温度に加熱すべきでない。
【0149】
別の実施形態において、そこからリソグラフの形体が生成される材料は、ブロックコポリマーのT
gより高いT
gを有するポリマーである。さらに別の実施形態において、ブロックコポリマーは、そのT
gに等しいか、または上回るが材料のT
gよりは低い温度に加熱される。
【0150】
ブロックコポリマーの加熱は、当技術分野において既知の手段によって達成してよい。
【0151】
ブロックコポリマーが2つ以上のT
gを示し得ることは、当業者なら理解するであろう。本発明に従って用いられるブロックコポリマーが、2つ以上のT
gを示す場合は、ブロックコポリマーを少なくとも非荷電親水性ポリマーブロックのT
gまたは上回る温度に加熱することが好ましくあり得る。
【0152】
本発明に従って用いられるブロックコポリマーが、2つ以上のT
gを示す場合、一実施形態においてブロックコポリマーは、ブロックコポリマーによって示される最高T
gのT
gまたは上回る温度に加熱される。
【0153】
一実施形態において、本発明の方法は、ブロックコポリマーを含む酸性水溶液(好ましくはpHが約6.3以下)においてリソグラフィーによって生成された形体をディップコーティングすることによって実行されてラインエッジラフネスを有する形体上の領域上のブロックコポリマーのコーティングを提供する。適用されたブロックコポリマーは、次いでそのT
gと等しいか、または上回る温度に加熱される。そこからリソグラフの形体が生成される材料は、ブロックコポリマーのT
gより高いT
gを有するポリマーである。その場合には、ブロックコポリマーは、そのT
gを上回るが材料のT
gよりは低い温度に加熱される。
【0154】
本明細書で使用する場合、単独でまたは化合物中のいずれかで用いられる単語である、「アルキル」という語は、直鎖、分岐または環状アルキル、好ましくはC
1〜20アルキル、例えばC
1〜10またはC
1〜6を意味する。直鎖および分岐アルキルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチル−プロピル、ヘキシル、4−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、1,2,2−トリメチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、5−メチルヘキシル、1−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチル−ペンチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,1,2−トリメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、オクチル、6−メチルヘプチル、1−メチルヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−メチルオクチル、1−、2−、3−、4−または5−エチルヘプチル、1−、2−または3−プロピルヘキシル、デシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−および8−メチルノニル、1−、2−、3−、4−、5−または6−エチルオクチル、1−、2−、3−または4−プロピルヘプチル、ウンデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−メチルデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−エチルノニル、1−、2−、3−、4−または5−プロピルオクチル、1−、2−または3−ブチルヘプチル、1−ペンチルヘキシル、ドデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−または10−メチルウンデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−エチルデシル、1−、2−、3−、4−、5−または6−プロピルノニル、1−、2−、3−または4−ブチルオクチル、1−2−ペンチルヘプチルおよび同類のものが含まれる。環状アルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルおよび同類のものなどの一または多環式アルキル基が含まれる。アルキル基が一般に「プロピル」、「ブチル」などとされる場合、適切な場合には直鎖、分岐および環状の異性体のいずれかを指し得ることが理解されるであろう。アルキル基は、本明細書において定義される通りの1つまたは複数の任意の置換基によって場合によっては置換されていてよい。
【0155】
「アルケニル」という語は、本明細書で使用する場合先に定義した通りのエチレン性の一価、二価または多価不飽和のアルキルまたはシクロアルキル基、好ましくはC
2−20アルケニル(例えばC
2〜10またはC
2〜6)を含めた少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含有する直鎖、分岐または環状の炭化水素残基から形成された基を意味する。アルケニルの例には、ビニル、アリル、1−メチルビニル、ブテニル、イソ−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、シクロペンテニル、1−メチル−シクロペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、シクロヘキセニル、1−ヘプテニル、3−ヘプテニル、1−オクテニル、シクロオクテニル、1−ノネニル、2−ノネニル、3−ノネニル、1−デセニル、3−デセニル、1,3−ブタジエニル、1,4−ペンタジエニル、1,3−シクロペンタジエニル、1,3−ヘキサジエニル、1,4−ヘキサジエニル、1,3−シクロヘキサジエニル、1,4−シクロヘキサジエニル、1,3−シクロヘプタジエニル、1,3,5−シクロヘプタトリエニルおよび1,3,5,7−シクロオクタテトラエニルが含まれる。アルケニル基は、本明細書において定義される通りの1つまたは複数の任意の置換基によって場合によっては置換されていてよい。
【0156】
本明細書で使用する場合「アルキニル」という語は、前に定義された通りのエチレン性の一価、二価または多価不飽和のアルキルまたはシクロアルキル基を含めた少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する直鎖、分岐または環状の炭化水素残基から形成される基を意味する。炭素原子の数が指定されない限りその語は、好ましくはC
2〜20アルキニル(例えばC
2−10またはC
2〜6)を指す。例には、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ならびにブチニル異性体、およびペンチニル異性体が含まれる。アルキニル基は、本明細書において定義される通りの1つまたは複数の任意の置換基によって場合によっては置換されていてよい。
【0157】
「ハロゲン」(「ハロ」)という語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)を意味する。
【0158】
「アリール」(「カルボアリール」)という語は、芳香族炭化水素環系(例えばC
6〜24またはC
6〜18)の単一の、多核の、共役したおよび融合した残基のいずれかを意味する。アリールの例には、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、クアテルフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、アントラセニル、ジヒドロアントラセニル、ベンゾアントラセニル、ジベンゾアントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、ピレニル、イデニル、アズレニル、クリセニルが含まれる。好ましいアリールには、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基は、本明細書において定義される通りの1つまたは複数の任意の置換基によって場合によっては置換されていてもされていなくてもよい。「アリーレン」という語は、アリールの二価の形態を意味することが意図される。
【0159】
「カルボシクリル」という語には、非芳香族単環式、多環式、融合したまたは共役した炭化水素残基、好ましくはC
3〜20(例えばC
3〜10またはC
3〜8)のいずれも含まれる。環は、飽和した、例えばシクロアルキルであってよく、あるいは1つもしくは複数の二重結合(シクロアルケニル)および/または1つもしくは複数の三重結合(シクロアルキニル)を有していてもよい。具体的には好ましいカルボシクリル部分は、5〜6員または9〜10員の環系である。適した例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロオクタテトラエニル、インダニル、デカリニルおよびインデニルが含まれる。カルボシクリル基は、本明細書において定義される通りの1つまたは複数の任意の置換基によって場合によっては置換されていてよい。「カルボシクリレン(carbocyclylene)」という語は、カルボシクリルの二価の形態を意味することが意図される。
【0160】
本明細書で使用する場合「ヘテロ原子」または「ヘテロ」という語はその広義において、環状有機基の一員であってよい炭素原子以外の任意の原子を指す。ヘテロ原子の特定の例には、窒素、酸素、硫黄、リン、ホウ素、ケイ素、セレンおよびテルル、より詳細には窒素、酸素および硫黄が含まれる。
【0161】
単独でまたは化合物の単語において用いられる場合「ヘテロシクリル」という語には、非芳香族残基を提供するように1つまたは複数の炭素原子がヘテロ原子によって置き換えられた単環式、多環式、融合したまたは共役した炭化水素残基、好ましくはC
3〜20(例えばC
3〜10またはC
3〜8)のいずれも含まれる。適したヘテロ原子には、O、N、S、PおよびSe、具体的にはO、NおよびSが含まれる。2つ以上の炭素原子が置き換えられている場合、これは、2つ以上の同一のヘテロ原子によってまたは異なるヘテロ原子によってよい。ヘテロシクリル基は、飽和または部分的に不飽和、すなわち1つまたは複数の二重結合を有していてよい。具体的には好ましいヘテロシクリルは、5〜6および9〜10員環のヘテロシクリルである。ヘテロシクリル基の適した例には、アズリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、2H−ピロリル、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、インドリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピロリル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリニル、ジオキサラニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ジヒドロピラニル、オキサジニル、チアジニル、チオモルホリニル、オキサチアニル、ジチアニル、トリオキサニル、チアジアジニル、ジチアジニル、トリチアニル、アゼピニル、オキセピニル、チエピニル、インデニル、インダニル、3H−インドリル、イソインドリニル、4H−キノラジニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、ピラニルおよびジヒドロピラニルが含まれ得る。ヘテロシクリル基は、本明細書において定義される通りの1つまたは複数の任意の置換基によって場合によっては置換されていてよい。「ヘテロシクリレン(heterocyclylene)」という語は、ヘテロシクリルの二価の形態を意味することが意図される。
【0162】
「ヘテロアリール」という語には、芳香族残基を提供するように1つまたは複数の炭素原子がヘテロ原子によって置き換えられた、単環式、多環式、融合したまたは共役した炭化水素残基のいずれも含まれる。好ましいヘテロアリールは、3〜20環原子、例えば3〜10環原子を有する。具体的には好ましいヘテロアリールは、5〜6および9〜10員環の二環式環系である。適したヘテロ原子には、O、N、S、PおよびSe、具体的にはO、NおよびSが含まれる。2つ以上の炭素原子が置き換えられている場合、これは、2つ以上の同一のヘテロ原子によってまたは異なるヘテロ原子によってよい。適したヘテロアリール基の例には、ピリジル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、フラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、1,5−ナフチリジニル、キノザリニル、キナゾリニル、キノリニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、オキサジアルゾリル、オキサトリアゾリル、トリアジニル、およびフラザニルが含まれ得る。ヘテロアリール基は、本明細書において定義される通りの1つまたは複数の任意の置換基によって場合によっては置換されていてよい。「ヘテロアリーレン」という語は、ヘテロアリールの二価の形態を意味することが意図される。
【0163】
単独または化合物の単語のいずれかにおける「アシル」という語は、C=O部分を含有する基(かつカルボン酸、エステルまたはアミドではない)を意味する。好ましいアシルには、C(O)−R
e(式中、R
eは水素あるいはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、またはヘテロシクリル残基である)が含まれる。アシルの例には、ホルミル、直鎖または分岐アルカノイル(例えばC
1〜20)例えばアセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペンタノイル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、ノナデカノイルおよびイコサノイル;シクロアルキルカルボニル、例えばシクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニルおよびシクロヘキシルカルボニル;アロイル、例えばベンゾイル、トルオイルおよびナフトイル;アラルカノイル、例えばフェニルアルカノイル(例えばフェニルアセチル、フェニルプロパノイル、フェニルブタノイル、フェニルイソブチリル、フェニルペンタノイルおよびフェニルヘキサノイル)およびナフチルアルカノイル(例えばナフチルアセチル、ナフチルプロパノイルおよびナフチルブタノイル];アラルケノイル、例えばフェニルアルケノイル(例えばフェニルプロペノイル、フェニルブテノイル、フェニルメタクリロイル、フェニルペンテノイルおよびフェニルヘキセノイルならびにナフチルアルケノイル(例えばナフチルプロペノイル、ナフチルブテノイルおよびナフチルペンテノイル);アリールオキシアルカノイル、例えばフェノキシアセチルおよびフェノキシプロピオニル;アリールチオカルバモイル、例えばフェニルチオカルバモイル;アリールグリオキシロイル、例えばフェニルグリオキシロイルおよびナフチルグリオキシロイル;アリールスルホニル、例えばフェニルスルホニルおよびナプチルスルホニル;複素環式カルボニル(heterocycliccarbonyl);複素環式アルカノイル(heterocyclicalkanoyl)、例えばチエニルアセチル、チエニルプロパノイル、チエニルブタノイル、チエニルペンタノイル、チエニルヘキサノイル、チアゾリルアセチル、チアジアゾリルアセチルおよびテトラゾリルアセチル;複素環式アルケノイル(heterocyclicalkenoyl)、例えば複素環式プロペノイル(heterocyclicpropenoyl)、複素環式ブテノイル(heterocyclicbutenoyl)、複素環式ペンテノイル(heterocyclicpentenoyl)および複素環式ヘキセノイル(heterocyclichexenoyl);ならびに複素環式グリオキシロイル(heterocyclicglyoxyloyl)、例えばチアゾリグリオキシロイルおよびチエニルグリオキシロイルが含まれる。R
e残基は、本明細書に述べるように場合によっては置換されていてよい。
【0164】
「スルホキシド」という語は、単独または化合物の単語のいずれかにおいて、基−S(O)R
f(式中、R
fは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリル、およびアラルキルから選択される)を指す。好ましいR
fの例には、C
1〜20アルキル、フェニルおよびベンジルが含まれる。
【0165】
「スルホニル」という語は、単独または化合物の単語のいずれかにおいて、基S(O)
2−R
f(式中、R
fは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリル、およびアラルキルから選択される)を指す。好ましいR
fの例には、C
1〜20アルキル、フェニルおよびベンジルが含まれる。
【0166】
「スルホンアミド」という語は、単独または化合物の単語のいずれかにおいて、基S(O)NR
fR
f(式中、R
fは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリル、およびアラルキルから独立に選択される)を指す。好ましいR
fの例には、C
1〜20アルキル、フェニルおよびベンジルが含まれる。一実施形態において少なくとも1つのR
fは水素である。別の実施形態において、どちらのR
fも水素である。
【0167】
「アミノ」という語は、当技術分野において理解される通りにその広義で本明細書において用いられかつ式NR
aR
bの基(式中、R
aおよびR
bは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、カルボシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールアルキル、およびアシルから独立に選択されるいずれかであってよい)が含まれる。R
aおよびR
bは、それらが付く窒素と共に、単環式、または多環式の環系、例えば3〜10員の環、具体的には、5〜6および9〜10員環の系も形成し得る。「アミノ」の例には、NH
2、NHアルキル(例えばC
1〜20アルキル)、NHアリール(例えばNHフェニル)、NHアラルキル(例えばNHベンジル)、NHアシル(例えばNHC(0)C
1〜20アルキル、NHC(O)フェニル)、Nアルキルアルキル(式中、それぞれのアルキル、例えばC
1〜20は、同一または異なっていてよい)および場合によっては1つまたは複数の同一または異なるヘテロ原子(例えばO、NおよびS)を含有する5または6員の環が含まれる。
【0168】
「アミド」という語は、当技術分野において理解される通りにその広義で本明細書において用いられかつ式C(O)NR
aR
b(式中、R
aおよびR
bは、上で定義される通りである)を有する基が含まれる。
【0169】
アミドの例には、C(O)NH
2、C(O)NHアルキル(例えばC
1〜20アルキル)、C(O)NHアリール(例えばC(O)NHフェニル)、C(O)NHアラルキル(例えばC(O)NHベンジル)、C(O)NHアシル(例えばC(O)NHC(O)C
1〜20アルキル、C(O)NHC(O)フェニル)、C(O)Nアルキルアルキル(式中、それぞれのアルキル、例えばC
1〜20は、同一または異なっていてよい)および場合によっては1つまたは複数の同一または異なるヘテロ原子(例えばO、NおよびS)を含有する5または6員の環が含まれる。
【0170】
「カルボキシエステル」という語は、当技術分野において理解される通りにその広義で本明細書において用いられかつ式CO
2R
g(式中、R
gは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、カルボシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、およびアシルを含めた基から選択され得る)を有する基が含まれる。カルボキシエステルの例には、CO
2C
1〜20アルキル、CO
2アリール(例えばCCフェニル)、CO
2アラルキル(例えばCO
2ベンジル)が含まれる。
【0171】
本明細書で使用する場合、「アリールオキシ」という語は、酸素橋を通して付加した「アリール」基を指す。アリールオキシ置換基の例には、フェノキシ、ビフェニルオキシ、ナフチルオキシおよび同類のものが含まれる。
【0172】
本明細書で使用する場合、「アシルオキシ」という語は、「アシル」基が同様に酸素原子を通して付着した「アシル」基を指す。アシルオキシの例には、ヘキシルカルボニルオキシ(ヘプタノイルオキシ)、シクロペンチルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、4−クロロベンゾイルオキシ、デシルカルボニルオキシ(ウンデカノイルオキシ)、プロピルカルボニルオキシ(ブタノイルオキシ)、オクチルカルボニルオキシ(ノナノイルオキシ)、ビフェニルカルボニルオキシ(例えば4−フェニルベンゾイルオキシ)、ナフチルカルボニルオキシ(例えば1−ナフトイルオキシ)および同類のものが含まれる。
【0173】
本明細書で使用する場合、「アルキルオキシカルボニル」という語は、カルボニル基を通して付着した「アルキルオキシ」基を指す。「アルキルオキシカルボニル」基の例には、ギ酸ブチル、sec−ギ酸ブチル、ギ酸ヘキシル、ギ酸オクチル、ギ酸デシル、ギ酸シクロペンチルおよび同類のものが含まれる。本明細書で使用する場合、「アリールアルキル」という語は、芳香環で置換された直鎖または分岐鎖のアルカンから形成された基を指す。アリールアルキルの例には、フェニルメチル(ベンジル)、フェニルエチルおよびフェニルプロピルが含まれる。
【0174】
本明細書で使用する場合、「アルキルアリール」という語は、直鎖または分岐のアルカンで置換されたアリール基から形成された基を指す。アルキルアリールの例には、メチルフェニルおよびイソプロピルフェニルが含まれる。
【0175】
本明細書において「場合によっては置換された」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アシル、アラルキル、アルカリル、アルクヘテロシクリル(alkheterocyclyl)、アルクヘテロアリール(alkheteroaryl)、アルクカルボシクリル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ハロカルボシクリル、ハロヘテロシクリル、ハロヘテロアリール、ハロアシル、ハロアリアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、ヒドロキシカルボシクリル、ヒドロキシアリール、ヒドロキシヘテロシクリル、ヒドロキシヘテロアリール、ヒドロキシアシル、ヒドロキシアラルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルコキシアルキニル、アルコキシカルボシクリル、アルコキシアリール、アルコキシヘテロシクリル、アルコキシヘテロアリール、アルコキシアシル、アルコキシアラルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、カルボシクリルオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アシルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアルキニルオキシ、ハロアリールオキシ、ハロカルボシクリルオキシ、ハロアラルキルオキシ、ハロヘテロアリールオキシ、ハロヘテロシクリルオキシ、ハロアシルオキシ、ニトロ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロシクリル、ニトロヘテロアリール(nitroheteroayl)、ニトロカルボシクリル、ニトロアシル、ニトロアラルキル、アミノ(NH
2)、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アラルキルアミノ、ジアラルキルアミノ、アシルアミノ、ジアシルアミノ、ヘテロシクリルアミノ(heterocyclamino)、ヘテロアリールアミノ、カルボキシ、カルボキシエステル、アミド、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、アルキルスルフェニル、アリールスルフェニル、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、カルボシクリルチオ、ヘテロシクリルチオ、ヘテロアリールチオ、アシルチオ、スルホキシド、スルホニル、スルホンアミド、アミノアルキル、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アミノカルボシクリル、アミノアリール、アミノヘテロシクリル、アミノヘテロアリール、アミノアシル、アミノアラルキル、チオアルキル、チオアルケニル、チオアルキニル、チオカルボシクリル、チオアリール、チオヘテロシクリル、チオヘテロアリール、チオアシル、チオアラルキル、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキニル、カルボキシカルボシクリル、カルボキシアリール、カルボキシヘテロシクリル、カルボキシヘテロアリール、カルボキシアシル、カルボキシアラルキル、カルボキシエステルアルキル、カルボキシエステルアルケニル、カルボキシエステルアルキニル、カルボキシエステルカルボシクリル、カルボキシエステルアリール、カルボキシエステルヘテロシクリル、カルボキシエステルヘテロアリール、カルボキシエステルアシル、カルボキシエステルアラルキル、アミドアルキル、アミドアルケニル、アミドアルキニル、アミドカルボシクリル、アミドアリール、アミドヘテロシクリル、アミドヘテロアリール、アミドアシル、アミドアラルキル、ホルミルアルキル、ホルミルアルケニル、ホルミルアルキニル、ホルミルカルボシクリル、ホルミルアリール、ホルミルヘテロシクリル、ホルミルヘテロアリール、ホルミルアシル、ホルミルアラルキル、アシルアルキル、アシルアルケニル、アシルアルキニル、アシルカルボシクリル、アシルアリール、アシルヘテロシクリル、アシルヘテロアリール、アシルアシル、アシルアラルキル、スルホキシドアルキル、スルホキシドアルケニル、スルホキシドアルキニル、スルホキシドカルボシクリル、スルホキシドアリール、スルホキシドヘテロシクリル、スルホキシドヘテロアリール、スルホキシドアシル、スルホキシドアラルキル、スルホニルアルキル、スルホニルアルケニル、スルホニルアルキニル、スルホニルカルボシクリル、スルホニルアリール、スルホニルヘテロシクリル、スルホニルヘテロアリール、スルホニルアシル、スルホニルアラルキル、スルホンアミドアルキル、スルホンアミドアルケニル、スルホンアミドアルキニル、スルホンアミドカルボシクリル、スルホンアミドアリール、スルホンアミドヘテロシクリル、スルホンアミドヘテロアリール、スルホンアミドアシル、スルホンアミドアラルキル、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、ニトロカルボシクリル、ニトロアリール、ニトロヘテロシクリル、ニトロヘテロアリール、ニトロアシル、ニトロアラルキル、シアノ、硫酸、リン酸、トリアリールメチル、トリアリールアミノ、オキサジアゾール、およびカルバゾール基から選択される物を含めた1つ、2つ、3つまたはそれ以上の有機および無機基で基が(縮合した多環式の基を形成するように)置換または融合されていてもいなくてもよいことを意味すると取られる。任意の置換は、鎖または環における−CH
2−基が、−O−、−S−、−NR
a−、−C(O)−(すなわちカルボニル)、−C(O)O−(すなわちエステル)、および−C(O)NR
a−(すなわちアミド)(式中、R
aは、本明細書において定義された通りである)から選択される基で置き換えられている場合を指すとも取られ得る。
【0176】
好ましい任意の置換基には、アルキル、(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなどのC
1〜6アルキル)、ヒドロキシアルキル(例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル)、アルコキシアルキル(例えばメトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピルなど)アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシなどのC
1〜6アルコキシ)、ハロ、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、ヒドロキシ、フェニル(それ自体が例えば、C
1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロOC(O)C
1〜6アルキル、およびアミノによってさらに置換されていてよい)、ベンジル(ここでベンジルはそれ自体が例えば、C
1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロOC(O)C
1〜6アルキル、およびアミノによってさらに置換されていてよい)、フェノキシ(ここでフェニルは、それ自体が例えば、C
1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロOC(O)C
1〜6アルキル、およびアミノによってさらに置換されていてよい)、ベンジルオキシ(ここでベンジルは、それ自体が例えば、C
1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロOC(O)C
1〜6アルキル、およびアミノによってさらに置換されていてよい)、アミノ、アルキルアミノ(例えばC
1〜6アルキル、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミンなど)、ジアルキルアミノ(例えばC
1〜6アルキル、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ)、アシルアミノ(例えばNHC(O)CH
3)、フェニルアミノ(ここでフェニルは、それ自体が例えば、C
1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロOC(O)C
1〜6アルキル、およびアミノによってさらに置換されていてよい)、ニトロ、ホルミル、−C(O)−アルキル(例えばC
1〜6アルキル、例えばアセチル)、O−C(O)−アルキル(例えばC
1〜6アルキル、例えばアセチルオキシ)、ベンゾイル(ここでフェニル基はそれ自体が例えば、C
1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシヒドロキシC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロOC(O)C
1〜6アルキル、およびアミノによってさらに置換されていてよい)、C=O、CO
2H、CO
2アルキル(例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステルなどのC
1〜6アルキル)でのCH
2の置き換え、CO
2フェニル(ここでフェニルは、それ自体が例えば、C
1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシルC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロOC(O)C
1〜6アルキル、およびアミノによってさらに置換されていてよい)、CONH
2、CONHフェニル(ここでフェニルは、それ自体が例えば、C
1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシルC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロOC(O)C
1〜6アルキル、およびアミノによってさらに置換されていてよい)、CONHベンジル(ここでベンジルは、それ自体が例えば、C
1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシヒドロキシルC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ハロC
1〜6アルキル、シアノ、ニトロOC(O)C
1〜6アルキル、およびアミノによってさらに置換されていてよい)、CONHアルキル(例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルアミドなどのC
1〜6アルキル)CONHジアルキル(例えばC
1〜6アルキル)アミノアルキル(例えば、HNC
1〜6アルキル−、C
1〜6アルキルHN−C
1〜6アルキル−および(C
1〜6アルキル)
2N−C
1〜6アルキル−)、チオアルキル(例えば、HS C
1〜6アルキル−)、カルボキシアルキル(例えば、HO
2CC
1〜6アルキル−)、カルボキシエステルアルキル(例えば、C
1〜6アルキルO
2CC
1〜6アルキル−)、アミドアルキル(例えば、H
2N(O)CC
1〜6アルキル−、H(C
1〜6アルキル)N(O)CC
1〜6アルキル−)、ホルミルアルキル(例えば、OHCC
1〜6アルキル−)、アシルアルキル(例えば、C
1〜6アルキル(O)CC
1〜6アルキル−)、ニトロアルキル(例えば、O
2NC
1〜6アルキル−)、スルホキシドアルキル(例えば、R(O)SC
1〜6アルキル、例えばC
1〜6アルキル(O)SC
1〜6アルキル−)、スルホニルアルキル(例えば、R(O)
2SC
1〜6アルキル−例えばC
1〜6アルキル(O)
2SC
1〜6アルキル−)、スルホンアミドアルキル(例えば、
2HRN(O)SC
1〜6アルキル、H(C
1〜6アルキル)N(0)SC
1〜6アルキル−)、トリアリールメチル、トリアリールアミノ、オキサジアゾール、およびカルバゾールが含まれる。
【0177】
本発明は、ここで以下の非限定的な実施例への参照と共に記述される。
【実施例】
【0178】
実施例1
本実施例ではメタクリル酸[ポリ(メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル)−stat−(メタクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル)]−b−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAを、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合を用いて合成した。異なる時間のモノマー変換に伴う分子量の変化を調査した。これは、ブロックのそれぞれについて所望の分子量の調製を可能にする。
【0179】
第2の目的は、(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAを用いて形体サイズのLERを100nm未満に減少することの可能性を調査することであった。これには、表面とのブロックコポリマーの相互作用の詳細の理解を可能にするため、ならびに何の因子がブロックコポリマーで処理後の粗さの平滑化に影響するかを調査するために静電引力を用いて(Pglycerol MA−stat/−PDEGMA)−b−PDMAEMAを平坦かつ粗い負に帯電した表面上へ導くことが含まれた。最終的に、集積回路の製造において使用するための本プロセスの潜在的有用性を実証するために100nm未満であるリソグラフィーによってパターン形成した形体に同じ方法論を適用した。
【0180】
1.1材料
メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(DMAEMA)、メタクリル酸tert−ブチル(tBMA)、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸グリシジル(GMA)、ベンゾジチオ酸2−シアノ−2−プロピル(CPDB)(>97%)、メタクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル(DEGMA)、メタクリル酸2,2−ジメチル−l,3−ジオキソラン)メチル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(PEGMA、99%)、1,4−ジオキサン(無水物、99.8%)は、全てSigma Aldrichの系列会社から得た。2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)は、Tokyo OHCA KOGYO−Co CTPから取得し、ポリヒドロキシスチレン系(PHOST系)レジストポリマー溶液(乳酸エチル中37wt%)(622HSB−EL)は、JSR Microから取得した。AIBNは、メタノールからの再結晶によって精製した。DMAEMA、DEGMA、tBMA、MMAおよびGMAは、使用前に塩基性アルミナカラムを通すことによって精製した。全ての他の化学物質は、受け取ったまま使用した。
【0181】
1.2合成
メタクリル酸(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(SMA)の合成
メタクリル酸(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルを、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールおよび塩化メタクリロイルから合成した。2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール(0.50mol)、トリエチルアミン(0.65mol)、および200mLのジクロロメタンを、500mLの丸底フラスコに加えて、これを窒素で10分間パージして密封した。塩化メタクリロイル(0.60mol)を、次いでフラスコに温度を0℃に維持しながら滴下して加えた。混合物を、温度をゆっくり室温に到達させながら窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応生成物を、ろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去した。溶液を、飽和塩化ナトリウムおよび水で洗って無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機画分を、蒸発乾固して粗製生成物を取得した。精製を、10
−2トールの減圧において110℃で真空蒸留によって行った。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)6.1(s、1H)、5.6(s、1H)、4.3−3.7ppm(m、5H)、1.95ppm(s、3H)、1.42−1.36(s、6H)。
13C NMR 400MHz(CDC1
3):δ(ppm)167.1、135.9、126.0、109.7、73.6、66.3、64.7、26.6、25.4、18.3。
【0182】
[メタクリル酸(2,2−ジメチル−l,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]−stat−[メタクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル](PSMA−stat−PDEGMA)の合成
PSMA−stat−PDEGMAの合成のために用いられる典型的な方法論は、DEGMA(6.6mmol)、SMA(6.9mmol)、CPDB(0.2mmol)およびAIBN(2×10
ー2mmol)を1,4−ジオキサン(6mL)中に溶解させることを含む。溶液を、シュレンク管に移して5回の連続した凍結−減圧−融解サイクルを実行することによって脱気した。重合を、65℃で実行した。反応を、ポリマーを冷n−ヘキサン中に沈澱させることにより徐々に進めた。淡紅色沈殿物が得られ溶媒は0.8mbarの減圧で25℃で16時間掛けて除去した。
1H NMR 400MHz(CDCl
3):δ(ppm)7.8(d、2H)、7.5(d、1H)、7.4(t、2H)、4.3−3.6(m、11H)、3.4(s、3H)、1.9−1.6(m、2H)、1.4−1.2(s、6H)および1.0−0.9(m、3H)。
13C NMR 400MHz(CDCl
3):δ(ppm)177.4、109.5、72.1、63.5、57.2、26.8、17.1。
【0183】
ポリ[メタクリル酸(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]−stat−[メタクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル]−b−2−メタクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)エチル[(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMA]の合成
(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAの合成のために用いられる典型的な方法論は、DMAEMA(6.8mmol)、PSMA−stat−PDEGMA(0.091mmol)、およびAIBN(9.6×10
−3mmol)を1,4−ジオキサン(2.6mL)中に溶解させることを含む。溶液を、シュレンク管内に置いて3回の連続した凍結−減圧−融解サイクルを実行することによって脱気しその後密封して60℃の水浴中に浸漬した。粗製PSMA−stat−PDEGMAを、n−ヘキサン中に沈殿させて残留溶媒を16時間0.8mbarの減圧において除去した。
1H NMR 400MHz(CDCl
3):δ(ppm)7.8(d、2H)、7.5(d、1H)、7.4(t、2H)、4.3−3.6(m、11H)、3.4(s、3H)、2.6(s、2H)、2.3(s、6H)、1.9−1.6(m、2H)、1.4−1.2(s、6H)および1.0−0.9(m、3H)。
13C NMR 400MHz(CDCl
3):δ(ppm)177.3、109.7、72.9、63.0、57.2、45.1、26.8、16.8。
【0184】
(ポリ(メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル)]−stat−[メタクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル]−b−メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル[(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMA]の合成
(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAの末端基修正のための典型的な方法論は、(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMA(0.6mmol)、メタクリル酸メチル(0.8mmol)およびジメチル(フェニル)−ホスフィン(0.03mmol)を乾燥ジクロロメタンに溶解させることを含んだ。この混合物を、Ar
(g)で15分間パージした後オクチルアミン(1.24mmol)を加えた。これを、その後にAr
(g)でさらに10分間パージした。次いで反応を、25℃で16時間撹拌した。精製を、2回のn−ヘキサンにおける沈殿によって行った。末端基修正ポリマーを、1,4−ジオキサンに溶解して溶液に1M HCl
(aq)を滴下して加えた。次いで混合物を、減圧下(約600mmHg)で16時間撹拌して副生物、アセトンを除去した。次いで粗製生成物を、18.2ミリQ水に対する透析(MWCO、3500)によって精製した。次いで生成物を、凍結乾燥させた。
1H NMR 400MHz(D
20):δ(ppm)4.3−3.5(m、11H)、1.93−1.60(m、2H)、2.6(s、2H)、2.3(s、6H)、および1.0−0.8(m、3H)。
13C NMR(400MHz、D
2O):177.4、176.5、109.7、72.9、66.4、63.0、62.9、57.2、57.1、45.8、25.3、18.6、16.5。
【0185】
親水性ポリマー溶液の調製
(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMA(5mg)の溶液を、1mLの18.2MΩ.cmミリQ水に溶解させた。負に荷電した表面および粗い表面を、その溶液内で60秒間ディップコーティングし、次いで原子間力顕微鏡(AFM)検査の前に表面を減圧において1時間乾燥させた。アニーリング調査を、コーティングしたウエハーを加熱することによって実行した。次いでウエハーを、AFMによって調査した。
【0186】
メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(DMAEMA)の合成
DMAEMA(20mmol)、CPDB(0.2mmol)およびAIBN(2×10
−2mmol)を、1,4−ジオキサン(5mL)に溶解させた。溶液を、シュレンク管に移して、3回の連続した凍結−減圧−融解サイクルを実行することによって管を脱気した。重合を、65℃で実行した。反応を、ポリマーを冷ヘキサン中に沈澱させることにより徐々に進めた。淡紅色沈殿物が得られ残留溶媒を0.8mbarの減圧で25℃で一晩除去した。
1H NMR 400MHz(CDCl
3):δ(ppm)7.8(d、2H)、7.5(d、1H)、7.4(t、2H)、4.1(s、2H)、2.6(s、2H)、2.3(s、6H)、2.1−1.8(dd、2H)、および1.1−1.0(d、3H)。
13C NMR 400MHz(CDCl
3):δ(ppm)177.4、63.0、57.2、45.8、29.8、18.6。
【0187】
(PtBMA
0.42−stat−PMMA
0.56−stat−PGMA
0.02)、(PtBMA
0.44−stat−PMMA
0.56)の合成
本化合物を、Chuangら(Adv.Funct.Mater.2012年)に記載のように合成した。
【0188】
PHOST系モデル表面の調製、およびPHOST系表面の調製
本化合物を、Chuangら(Adv.Funct.Mater.2012年)に記載のように合成した。
【0189】
1.3技術
トリプル検出−サイズ排除クロマトグラフィー(TD−SEC)による絶対分子量測定
全てのポリマー試料を、分析の前に真空オーブン内で40℃で2日間乾燥させた。乾燥したポリマーを、0.3wt%のLiClを含有するN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)に1mg/mLの濃度まで溶解させ次いで0.45μmPTFEシリンジフィルターを用いてろ過した。クロマトグラフィーシステムは、1515アイソクラティックポンプ(Waters)、717オートサンプラー(Waters)、順番に実行するStyragel HT 6EおよびStyragel HT 3カラム(Waters)、光散乱検出器DAWN 8+(Wyatt Technology Corp.)、2497二重波長検出器(λ=254&280nm)ならびに2414示差屈折率検出器(Waters)からなった。0.3wt%の塩化リチウム(LiCl)を含有するDMACを、1mL/分の流速で移動相として用いた。ASTRA(Wyatt Technology Corp.)およびEmpower2(Waters)を、データ収集および処理のために用いた。
【0190】
1Hおよび
13C核磁気共鳴(NMR)
全てのNMRスペクトルを、外部ロック(CDCl
3)を用いてかつ標準の内部基準(溶媒基準)を利用してBruker DRX 400MHz(298Kで5mm bboプローブ)分光計上で記録した。スペクトルを、512走査で10秒のリサイクル遅延時間を用いて収集した。
13CNMRスペクトルを、プロトンを脱結合することによって記録して全ての化学シフトは、これらの内部基準に対して正の低磁場として与えられる。
【0191】
示差走査熱量計(DSC)
DSC1(Mettler Toledo)を用いてブロックコポリマーのガラス転移温度(T
g)を調査した。PDEGMAについては−70℃から120℃の走査温度範囲を選択し、残りのポリマーについては−20℃から100℃を選択した。10℃min
−1の加熱速度および15ml/min
−1のN
2流速を用いた。
【0192】
フーリエ変換近赤外(FT−NIR)
FT−NIR測定を、Perkin Elmer system 2000 FT−IR分光計上で行った。試料を、65℃に維持して、5000〜7000cm
−1の範囲のNIR領域を観測した。それぞれのスペクトルは干渉写真を収集することを伴いこれらを8cm
−1の分解能で32走査について平均した。OMNICソフトウェアは、データを自動的にフーリエ変換してNIRスペクトルを与えた。モノマーの最初の倍音の炭素−炭素二重結合の領域における減少(すなわち6162cm
−1における(v
c=c))
3を計算してそれぞれの時点における変換パーセントを与えた。
【0193】
原子間力顕微鏡(AFM)
スタンドアロン型のMFP−3D計器をタッピングモードで用いて空気中でAFMを実行した。AFMを、防振テーブル(Herzan LLC)上に取り付けて遮音囲い(TMC)内で作動した。高さ画像を、0.8Hzにおいてラインあたり512点で取得した。Multi75DLC−50カンチレバー(75±15kHz、3N/m、および湾曲の半径<15nm)をBudget Sensorsから取得して表面トポグラフィーの特性評価のために用いた。
【0194】
電子ビームリソグラフィー(EBL)
シリコンウエハーを、酸素プラズマを用いて清浄にした(100mT、300ワット、50sccmO
2、3分間)。ポリマーに対して、10wt/v%のポリ((4−ヒドロキシスチレン)
0.6−stat−ポリスチレン
0.2−stat−PtBMA
0.2)、5wt/wt%のトリフル酸トリフェニルスルホニウム、およびポリマーの量に対して、0.05wt/wt%の消光剤(トリオクチルアミン)を、乳酸エチルに溶解させた。溶液を、4000rpmで60秒間シリコンウエハー上にスピンコーティングし、その後熱板上で95℃で60秒間塗布後ベーク(PAB)した。次いでウエハーを、10μmの開口、6nmのステップサイズおよび6mmの作動距離で、電子ビームリソグラフィー(EBL)を用いて10〜20kV加速電圧でパターン形成した。パターンは、Raithのソフトウェアを用いて設計し50nmから150nmの範囲の限界寸法を有するライン/空きパターンを含んだ。照射したウエハーを、露光後ベーク(PEB)で95℃で60秒間処理し、その後現像液[2.38%TMAH(AZ726)]を30秒間適用した。次いでウエハーを、N
2ガスの流れで乾燥させた。
【0195】
1.4ポリマー合成および堆積の概要
一連の二重親水性ブロックコポリマーを、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合を用いて合成した。具体的には、最終ポリマーは、メタクリル酸ポリグリセロール−stat−ポリ[メタクリル酸2−(2−メトキシ)エチル−b−メタクリル酸ポリ(2−N,N−ジメチルアミノ)エチル)、[(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMA]のブロックからなった。ポリマーを、PDMAEMAブロックが正に帯電するように酸性水溶液に溶解させた(
図2(A))。次いで荷電ブロックコポリマーを、平坦(
図2(B))または粗い(
図2(C))のいずれかである負に帯電した表面上に堆積させた。次いでこれらのコーティング表面を、最終的なナノスケールの粗さを制御するための温度の範囲でアニーリングした。
【0196】
(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAの合成のためのステップは、下記の図式1に例示される。
【化2】
図式1:RAFT仲介重合によるPSMA−stat−PDEGMAの調製(A)、DMAEMAでPSMA−stat−PDEGMAの鎖延長(B)、メタクリル酸メチルで末端基修正(C)、アセタールからジオールへの酸加水分解(D)。
【0197】
第1にSMA−stat−PDEGMAブロックを合成した(A)。第2のステップは、PSMA−stat−PDEGMAマクロ開始剤を利用してDMAEMAで鎖延長することであった(B)。第3のステップは、RAFT末端基を除去してチオールを生じ次いでこれをチオール−エン反応によってメタクリル酸塩(C)でキャップすることであった。最後のステップは、アセタールをジオールに加水分解して二重親水性ブロックコポリマーを生じることであった(D)。
【0198】
1.5(PSMA−stat−PDEGMA)の合成および特性評価
SMAおよびPDEGMAの重合をCPDBで仲介し変換をFTNIRを用いて時間の関数として観測した。モノマーのCTAに対するモル比を、55から1に設定し、一方で開始剤のCTAに対するモル比を1から10に設定した
8。PSMA−stat−PDEGMAの合成中にモノマー変換の関数としての数平均分子量(M
n)の線形増加を観測した(
図3(A)を参照)。これは、RAFT仲介重合から予測される、重合を実行した期間中の成長鎖の定数と一致する。実験的M
n(TD−SECおよび
1H NMRから決定された)は、RAFTシステムに関して計算されたM
n値に近かった。さらには、
図3(B)におけるモル質量分散度(D
M)は、重合の間1.2未満のままであり、これは、この特定の系に関して制御の程度が良好であることを示す。
【0199】
1.6(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAの合成および特性評価
(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAコポリマーの調製を、DMAEMAでPSMA−stat−PDEGMAを鎖延長することにより達成した。時間の関数としてのモノマー変換は、702分間で63%まで着実に増加し、かつ908分間で73%まで達した。モノマー変換の関数としてのM
nの線形増加を、実験の期間にわたって観測した。鎖延長が原因で観察された増加したM
n値は、理論的M
nである、TD−SECおよび
1H NMRからのM
nと妥当な一致であった。モル質量分散度(D
M)は、重合の間1.3未満のままを示した。これは、PSMA−stat−PDEGMAのDMAEMAでの鎖延長が、よく制御されたことを示す。
【0200】
上に提示したデータは、(PSMA−stat−PDEGMA)の合成およびDMAEMAでのその鎖延長が、よく制御されたことを実証する。これは、反応を特定の時間で失活することにより所望の分子量を有する(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAの調製を可能にする。調製した一連の(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMA(試料A1からA11)の分子量パラメータを、表1に示す。調査したポリマー組成物の範囲を、三元の組成物図(
図4)に示す。
【0201】
【表1】
【0202】
1.7(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAの末端基修正および二重親水性BCPを生じるためのペンダントアセチル基の加水分解
本実施例において合成されたブロックコポリマーは、ω−末端基としてジチオ安息香酸基を有する。このブロックコポリマーを水溶液中に置いた場合、ある種の条件下でRAFT末端基は、加水分解を受けてチオールの形成に繋がる場合があり、これが最終的にジスルフィドの形成に繋がり得る。これは、望ましくない分子量の増加をもたらすであろう。したがって、アミノリシス反応を最初に行ってチオールを生じる場合はワンポット末端修正を行い、続いてメタクリル酸メチル(MMA)でマイケル付加を行った。反応を、還元剤として作用してジスルフィド結合形成を妨げかつチオール−エン反応も触媒する、ジメチル(フェニル)ホスフィンの存在下で実行した
10。
1H NMRスペクトルのδ7.8、7.5および7.4における芳香族のピークの消失は、ジチオ安息香酸基の除去の成功を裏付けた。
【0203】
末端基修正の後にブロックコポリマーにおけるペンダントアセタール基を、酸性条件下で加水分解した。(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAは、両親媒性ポリマーであるが、SMAのアセタールを加水分解してジオール(すなわちグリセロールMA)を与えることによって、コポリマーが二重親水性になる。アセタール基に関連したδ2.3ppmにおける
1H NMRスペクトルのピークの消失は、ジオールへの変換の成功およびしたがって二重親水性ブロックコポリマー(C)の形成を示す。
【0204】
1.8一連の二重親水性ブロックコポリマーのガラス転移温度の特性評価
末端基修正前後、ならびに加水分解後の一連のブロックコポリマーのガラス転移温度を、表2に示す。ジチオ安息香酸末端基を有する(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAのガラス転移温度は、MMA末端基を有するDHBCのガラス転移温度に類似する。これは、末端基の修正が、典型的には鎖運動性および占有体積への影響がほとんど無いことから予想される。DEGMAまたはDMAEMAブロックがより長くなる場合、T
gが低下することが注目された。ホモポリマー、ポリ(DEGMA)およびポリ(DMAEMA)は、低T
gを有し、かつそれらがブロックコポリマーに組み込まれる場合は、区域移動のための自由体積が作り出され、したがってT
gを低下させると予想される。
【0205】
一方で、ペンダントアセタール基を脱保護してPglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAを形成して、それらをガラス転移温度について調査した。酸加水分解後のガラス転移温度の上昇は、グリセロールMAブロックが、ポリマー中の水素結合受容体と水素結合を形成し得る、ペンダントジオールを含有することから予想された。水素結合は、鎖運動性を制限ししたがってガラス転移温度の上昇をもたらす。鎖運動性への水素結合の影響は、フォックス−フローリーの式を用いて考慮されない。フォックス−フローリーの式から計算した理論値は、したがって、典型的には実験値より低かった。例えば、試料A4は、56℃の予測T
gを有するが89℃の実験T
gを有する。観察され得る別の傾向は、T
g値が、DEGMA含有量の増加と共に低下することであり、これはPDEGMAホモポリマーの低T
sに起因すると予想される。調査した全てのDHBCコポリマーについて、調査したブロック長の範囲についてブロックが固体状態において混和性であることを示すT
gは1つだけ観察された。
【0206】
本章において合成された一連の(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAのT
g値は、4℃から89℃の範囲であった。ブロックコポリマーのT
g値は、PHOSTレジスト、TER60のガラス転移温度より低く、これはリソグラフィーによってパターン形成した形体を生成するために用いられる温度よりも低くなるので、これは重要である。したがって、ブロックコポリマーでコーティングしたパターン形成した形体のアニーリングは、形体の崩壊を避けるためにBCPを超えるがレジストより低いT
gで実行してよい。
【0207】
【表2】
【0208】
1.9負に帯電した平坦な表面上へのDHBCの誘導自己組織化
平坦な負に帯電した表面を、Chuangら(Adv.Funct.Mater.2012年)に記載されている方法により調製した。平坦な負に帯電した表面は、偏光解析法によって測定された、約19nmの厚さを有し、表面粗さは、AFMによって0.3±0.2nmであると測定された。表面粗さは、二乗平均平方根(RMS)として定義されており、これは1標準偏差に対する表面高さのばらつきを表す。
【0209】
負に帯電した平坦な表面を、6.3のpHを有する、(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAの一連の溶液中でディップコーティングした。DHBCでコーティングした負に帯電した表面は、アニーリング前には厚さ27から30nmの範囲であった(表3)。負に帯電した表面の厚さを除くと、DHBC層の厚さは、8〜12nmの間であった。これは、DHBCが負に帯電した表面に付着していることを示した。100℃におけるアニーリング後、DHBC層の厚さは、3から8nmの間に減少した。この厚さにおける変化は、ブロックコポリマーの脱水に起因すると考えられた。ブロックコポリマーの接着も、XPSによって調査した。処理の前にXPSスペクトルにおいて有意の窒素ピークは観察できなかったが、一方ブロックコポリマー溶液での処理後は、402eVにおける小さいピークがはっきりと分かり、これはPDMAEMAブロック中の窒素に対応付けられ得る。小さい窒素信号は、ポリマー中の低窒素含有量から予想された(例えばN含有量は、5原子%−下表4を参照)。窒素信号は、しかしながら、信号強度がノイズの標準偏差の3倍よりも大きく、検出限界を上回った。窒素信号は、ブロックコポリマーのモデル表面への付着の確証をさらに提供した。
【0210】
【表3】
【0211】
【表4】
【0212】
ブロックコポリマーの接着をさらに確認するために、AFMを用いて表面を解析した。一連の(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMA(試料A1からA13)、およびPDMAEMAホモポリマー対照(試料A0)でもコーティングおよびアニーリングした表面のAFM像を収集した。トポロジーの変化は、平坦な表面上へのPglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAの接着を実証する。一般には、一連の(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMA溶液でコーティングした平坦な負に帯電した表面が、表面粗さの増加をわずかに示すまたは示さないことも観察された。ブロックコポリマーコーティングした表面のAFMのほとんどが、下層に類似した粗さを有し、そのため表面被覆率は高いと想定された。
【0213】
本節は、(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−6−PDMAEMAが負に帯電した表面に接着すること、および試料の大部分について固有の粗さは基板との有意差が無いことも確認した。
【0214】
1.10負に荷電した粗面の修復
モデル粗面を、Chuangら(Adv.Funct.Mater.2012年)に記載されているのと同じ方法論を用いて生成した。それらのRMS値を、表5に記録した。粗面を、一連の(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMA溶液でディップコーティングした。RMS値は、ディップコーティングプロセス後に有意に変化せず、これは、表面(非アニーリング)上にブロックコポリマーをコーティングすることでは修復を生じるために十分でないことを示唆する。例えば、1.2±0.1nmのRMSを有するモデル粗面を試料A3でコーティングした場合、RMSは、1.2±0.2nmであった。同様に、1.23±0.03nmのRMSを有する表面を試料A4でコーティングした場合、RMSは、1.25±0.08nmであった。
【0215】
次のステップは、粗さの平滑化が、処理した表面をブロックコポリマーのT
gは上回るが、下にあるレジストのT
gより低いアニーリングをすることによって達成され得るかどうかを判定するためであった。RMS値を、100℃におけるアニーリング後に記録して表5に記載した。Chuangら(Adv.Funct.Mater.2012)において、非処理モデル粗面は、100℃におけるアニーリングの結果として粗さが変化しなかったことが実証されていることに留意されたい。PDMAEMAホモポリマー、A0で処理した粗面は、表面の粗さのわずかな増加を示した。これは、層毎の方策を用いて高分子電解質で表面を修正し、これが増加した粗さをもたらしたことを報告している文献と一致する。この結果の説明は、pH6.4において、PDMAEMAの窒素原子がプロトン化されてこれが正の電荷をもたらすであろうということである。これらの正の電荷は、負の表面とのポリマーの相互作用を可能にする一方で、複数電荷は、PDMAEMA鎖の剛性を強化する。したがって、これは、表面粗さを修復しそうにない。この結果は、PDMAEMAホモポリマー単独での粗面の処理が粗さの平滑化を生じないであろうことを実証するので重要である。
【0216】
ブロックコポリマー試料A4、A7、A10、およびA13に関して、処理およびアニーリング後のRMS値の減少はわずかまたは無かった。これらの試料に関してPDMAEMA鎖は、Pglycerol MAブロックと比較して相対的に長かった。一方で、PDMAEMAブロックがPGMAブロック(例えばA1、A3、A6、A9およびA12)と同様の鎖長を有する場合に表面粗さの著しい減少(例えば11〜24%の粗さの減少)が観察されたことが分かる。さらにより短いPDMAEMAブロックを有するBCPを用いた場合(例えばA2、A5、A8およびA11)は粗さの減少が観察されたが、これは典型的には同一または類似のサイズのPglycerol MAブロックを有する対応するBCPよりも少なかった。
【0217】
PDMAEMAホモポリマーおよびPglycerol MAブロックと比較して長いPDMAEMAブロックを有するBCPが、一般には不十分な修復値の上昇、または表面粗さの増加を与えることは、本節から明らかである。一方で相対的により短いPDMAEMAブロックを有するBCPは、モデル粗面を処理した場合により良好な修復値をもたらす。
【0218】
【表5】
【0219】
PHOST溶液を、シリカウエハー上にスピンコーティングした。ウエハーを、集束電子ビーム(EB)に露光させ、続いて露光後ベークおよび現像液すすぎステップをしてパターンを与えた。クリアするための線量(dose to clear)、E
0、およびここで用いたPHOSTレジストの特定の形体サイズ、E
sizeを達成するために必要とされた線量の特性評価を、下記に示す。
【0220】
1.10.1電子ビームパターン形成
本節は、シリコンウエハー上にコーティングしたレジストのEBパターン形成、およびそれに続くブロックコポリマーでの処理を記述する。フォトレジストを、ポリマーに対して10wt/wt%のポリ((4−ヒドロキシスチレン)
0.6−stat−ポリスチレン
0.2−stat−PtBMA
0.2)、5wt/wt%のトリフル酸トリフェニルスルホニウム、およびポリマーの乳酸エチル溶液に対して0.05wt/wt%の消光剤(トリオクチルアミン)を含有する溶液からスピンキャストした。平均でフォトレジストフィルムは、80nmの厚さを有した。この配合は、Intel Corp.から提供され、ここで100nmハーフピッチライン(E
100)のためのサイズに対する線量(dose−to−size)は、IntelのEUVL計器、微細露光装置(MET)を用いて約12mJcm
−2であると測定された。
【0221】
(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMA(実施例に示す通りの試料A1、A2およびA3)の溶液で処理前および処理後のパターン形成したウエハーのSEM顕微鏡写真を、
図5に示す。処理状況は、上述の物と同様であり、簡単に言えば、ブロックコポリマー溶液中でパターン形成したウエハーをディップコーティングし次いで100℃で10分間アニーリングすることを含む。処理前および処理後のパターンのライン幅および3σLERを、SEM像から決定して、表6に示し、同様に
図6にプロットした。A5は別として、全ての試料においてアニーリング後に観察可能な3σLERの減少があった。A5で処理した試料の初期の3σLERは、約6nmと比較して4.3nmと既に低い可能性があり、このため本試料は、異常値として見なし得る。試料A8〜A12の3σLERの減少は、試料A1〜A3についてよりもわずかに少なかったことも観察された。
【0222】
【表6】
【0223】
1.11EUVLパターン上の粗さの修復
EUVLプリントされたウエハーを、微細露光装置上にプリントした。用いたレジストは、前節において用いた同じPHOST系のレジストであった。パターンのための命名規則は、目的のライン幅およびピッチに基づき、例えば目的の80nmのライン幅および160nmのピッチを有するパターンは、L80P160として示した。実際のライン幅は、線量および他の加工パラメータなどの要因が原因で変わることに留意されたい。DHBCの溶液での処理前および処理後のパターンに関するライン幅および3σLERの変化を本節において調査した。試料A2およびA3はEBLプリントされた形体について最高の修復能力を示したので、それらを、EUVLプリントされたラインを修復する可能性を実証するためにここで用いた。
【0224】
処理前(対照群)および試料A2およびA3での処理後のEUVLパターンのTEM像を、
図7に示す。非処理EUVLパターンのライン幅は、37nm、57nmおよび79nmである。パターンを試料A2で処理した後、ライン幅は、47nm、63nmおよび85nmに増加した。これは、それぞれ、ライン幅の25%、10%および7%の増加に相当した。同様に、パターンを試料A3で処理した後、ライン幅は、50nm、65nmおよび82nmに増加した。これは、それぞれ、ライン幅の34%、14%および3%の増加に相当した。処理後のライン幅の増加は、プリントされたラインの側壁をコーティングしている(Pglycerol MA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAと一致し、かつライン幅の変化は、上節1.10で述べたモデル系の偏光解析法測定値と大まかに一致した。
【0225】
ブロックコポリマーでの処理より前にプリントされたラインL80P160、L60P120、およびL50P150は、それぞれ5.5nm、5.7nm、および5.9nmの3σLER値を有した。パターンを試料A2で処理した場合、3σLERは、それぞれ27.1%、24.6%および14.5%減少した。同様に、パターンを試料A3で処理した場合、3σLERは、それぞれ29.2%、28.9%および26.7%減少した。
【0226】
実施例2
本実施例では、RAFT方法論を用いて超分岐ポリ(メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル)(PDMAEMA)を調製した。メタクリル酸(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン)(SMA)で延長した鎖である、超分岐PDMAEMAを、マクロ開始剤として用いた。SMA反復単位を、グリセロールMA反復単位を形成するために後で加水分解して、二重親水性の超分岐PDMAEMA−b−Pglycerol MAの形成をもたらした。PDMAEMAブロックの機能は、ブロックコポリマーの負に帯電した表面上への堆積を方向づけするためでありかつPglycerol MAブロック機能は、アニーリングでの表面粗さを修復することであった。
【0227】
2.1材料
エタンチオール(>97%)、DL−1,2−イソプロピリデングリセリン(>98%)、ジメタクリル酸エチレングリコール(98%)、トリエチルアミン(≧99%)、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(DMAEMA)、アクリル酸tert−ブチル(tBMA)、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸グリシジル(GMA)、ベンゾジチオ酸2−シアノ−2−プロピル(CPDB)(>97%)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、トリフル酸トリフェニルスルホニウム、Aliquat 336、1,4−ジオキサン(無水物、99.8%)、トリオクチルアミン(98%)、ジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA、99%)およびN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)(>99%)を、Sigma Aldrichの系列会社から全て取得した。1,3−プロパンジオールおよび塩化アクリロイルMerckは、Merckから購入した。無水硫酸マグネシウムは、Scharlanから取得した。2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)は、Tokyo OH CA KOGYO−Co CTPから取得し、ポリヒドロキシスチレン系(PHOST系)レジストポリマー溶液(乳酸エチル中37wt%)(622HSB−EL)は、JSR Microから取得した。AIBNは、メタノールからの再結晶によって精製した。モノマーおよびジメタクリル酸エチレングリコールは、使用の直前に塩基アルミナカラムに通すことによって精製した。全ての他の化学物質は、受け取ったまま使用した。
【0228】
2.2合成
2−((エチルチオ)カルボノチオイル)チオ)−2−メチルプロパン酸(EMP)の合成
25gのNaOH(50wt%)を、エタンチオール(18.9g)、Aliquat 336(4.9g)および150mLのアセトンの溶液に0℃で20分掛けて滴下して加えた。次いで反応を、さらに10分間撹拌した後二硫化炭素(18mL)を追加して混合物を次いで30mLのアセトンで20分掛けて滴下して希釈した。さらに10分間撹拌した後、クロロホルムを一度に加え次いで120mLのNaOH(50wt%)を20分掛けて滴下して加えた。得られる溶液を、次いで0℃で24時間撹拌した。アセトンを除去することにより精製を行い、200mLの水に再溶解し次いで300mLの濃HCl
(aq)を氷浴中で急速に撹拌しながら加えた。試料を、PETスピリットで抽出し次いで3回水で洗った。PET相を回収して硫酸マグネシウム(MgSO
4)で乾燥させた。溶液を、次いでろ過して回転蒸発によって濃縮した。生成物をPETスピリットから3回再結晶させ、鮮黄色結晶を生じた。(91.2%)
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=3.30(q、2H)、1.73(s、6H)。1.33(t、3H)。
13C NMR(400MHz、CDCl
3):δ=207.18(C=S)、177.35(COOH)、55.49(SCCH
3),31.26(SCH
2)、25.22(CCH
3)、12.85(CH
2CH
3)。
【0229】
プロプ−2−イン−1−イル2−(2−メチルプロパン酸(エチルチオ)カルボノチオイル)チオ))(PEMP)の合成
EMP、EDC−HC1およびDMAPを、0℃でアルゴン下でDCMに溶解させた。混合物を、10分間撹拌した後にプロパルギルアルコールを滴下して加えた。反応を、氷浴中で30分間撹拌した後に温度を16時間掛けてゆっくり23℃に到達させた。次いで溶液を、減圧において回転蒸発によって乾燥まで減少させ次いでジエチルエーテルに再溶解させて100mLの10%HCl、100mLの水および100mLの飽和炭酸水素ナトリウムで洗った。水性相を、ジエチルエーテルで再抽出した。有機相を、回収してMgSO
4で乾燥させた。溶液を、ろ過して減圧において回転蒸発によって乾燥まで減少させた。(95.8%)
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)、4.69(d、2H)、3.30(q、2H)、2.46(d、1H)、1.71(s、6H)。1.33(t、3H)。
13C NMR(400MHz、CDCl
3):
13C NMR(400MHz、CDCl
3):172.27(COO)、75.08(CCH)、55.52(CCCH
3)、53.25(SCCH
3)、31.17(SCH
2)、25.14(CCH
3)、12.82(CH
2CH
3)。
【0230】
ジアクリル酸1,3−プロパンジオールの合成
ジメチルアセトアミド(DMAc)中で1,3−プロパンジオール(10g)およびトリエチルアミン(19.9g)を、0℃で撹拌した。塩化アクリロイル(17.7g)を、次いで混合物に滴下して加えた。反応を、温度をゆっくり23℃に到達させながら16時間撹拌した。粗製生成物を、水で洗ってジエチルエーテルで抽出し、続いてカラムクロマトグラフィーによって70v/v%(ヘキサン)および30v/v%(ジエチルエーテル)から構成される溶離剤を用いて精製した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)、6.42(d、2H)、6.14(t、1H)、5.84(q、2H)、4.26(t、4H)、2.08(t、3H)。
13C NMR(400MHz、CDCl
3):
13C NMR(400MHz、CDCl
3):166.08(COO)、130.94(C(CH
3)CCO)、128.30(C(CH
3)CCO)、61.18(OCCO)、27.99(C(H
3)CCO)。
【0231】
超分岐PDMAEMAの合成
超分岐PDMAEMAの合成に用いられる典型的な方法論は、PEMP(0.71mmol)、DMAEMA(11.5mmol)、分岐剤(例えばジアクリル酸プロパン−1,3−ジイルまたはジメタクリル酸エチレングリコール)(0.6mol)およびAIBN(0.07mmol)を1,4−ジオキサンに溶解させることを含んだ。溶液を、シュレンク管に移して、3回の連続した凍結−減圧−融解サイクルを実行することによって脱気した。管を、次いで60℃の水浴内に置いた。管を、異なる時間において取り出して氷浴中で失活させた。モノマー変換を、FTNIRによって観測した。精製を、n−ヘキサンにおける2回の沈殿によって行った。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)4.79(d、2H)、4.07(s、2H)、3.40(q、2H)、2.57(s、2H)、2.29(s、6H)、1.92−1.83(dd、2H)、1.09−0.90(d、6H)。
13C NMR(400MHz、CDCl
3):177.3、131.1、63.0、57.1、54.0、45.0、44.7、18.5、16.6。
【0232】
メタクリル酸(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン)メチル(SMA)の合成
本化合物を、実施例1のように合成した。
【0233】
メタクリル酸ソルケタール(SMA)で延長した超分岐PDMAEMA鎖
超分岐PDMAEMAの鎖延長のために用いた典型的な方法論は、超分岐PDMAEMA(1.6mmol)、メタクリル酸ソルケタール(SMA)(30.1mol)およびAIBN(0.04mmol)を、1,4−ジオキサンに溶解させることを含んだ。溶液を、シュレンク管に移して、3回の連続した凍結−減圧−融解サイクルを実行することによって脱気した。管を、次いで60℃の水浴内に置いた。管を、異なる時間において取り出して氷浴中で失活させた。モノマー変換を、FTNIRによって観測した。精製を、n−ヘキサンにおける2回の再沈殿によって行った。
1H NMR(400MHz、CDCl3):δ(ppm)4.65(d、2H)、4.31−3.76(m、7H)、3.40(q、2H)、2.57(s、2H)、2.29(s、6H)、1.97−1.73(s、2H)、1.45−1.38(s、6H)、1.16−0.90(s、3H)。
13C NMR(400MHz、CDCl3):δ(ppm)177.4、109.7、72.9、65.4、62.9、57.1、45.4、44.7、18.8、18.5、16.7。
【0234】
PDMAEMA−b−Pglycerol MAの合成
超分岐PDMAEMA−b−PSMA(0.2mmol)、メタクリル酸メチル(0.85mmol)およびジメチル(フェニル)−ホスフィン(0.01mmol)を、乾燥ジクロロメタンに溶解させた。この溶液を、Ar
(g)で15分間パージした後オクチルアミン(0.8mmol)を加えた。その後Ar
(g)でパージした(10分)。次いで反応を、室温で16時間撹拌した。精製を、2回のn−ヘキサンにおける再沈殿によって行った。末端基修正したポリマーを、1,4−ジオキサンに溶解させた。1M HCl(aq)を、溶液に滴下して加えた。混合物を、600mmHgの減圧において16時間撹拌して副生物、アセトンを除去した。粗製生成物を、18.2ミリQ水に対する透析(MWCO、3500)によって精製した。透析試料を、凍結乾燥機を用いて乾燥させた。
1H NMR 400MHz(D
20):(ppm)4.28−2.7(b、15H)、1.9−0.86(b、10H)。
13C NMR(400MHz、D
2O):δ(ppm)178.4、69.2、62.4、60.6、55.3、44.3、43.5、19.2、18.3.
【0235】
2.3技術
トリプル検出器サイズ排除クロマトグラフィー(TD−SEC)
全てのポリマー試料を、分析に先立って真空オーブン内で40℃で2日間乾燥させた。乾燥したポリマーを、0.3wt%のLiClを含有するN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)に1mg/mLの濃度まで溶解させ次いで0.45μmPTFEシリンジフィルターを通してろ過した。クロマトグラフィーシステムは、1515アイソクラティックポンプ(Waters)、717オートサンプラー(Waters)、順番に実行するStyragel HT 6EおよびStyragel HT 3カラム(Waters)、光散乱検出器DAWN 8+(Wyatt Technology Corp.)、2497二重波長検出器(λ=254&280nm)ならびに2414示差屈折率検出器(Waters)からなった。0.3wt%の塩化リチウム(LiCl)を含有するDMACを、1mL/分の流速で移動相として用いた。ASTRA(Wyatt Technology Corp.)およびEmpower2(Waters)を、データ収集および処理のために用いた。
【0236】
1Hおよび
13C核磁気共鳴(NMR)
全てのNMRスペクトルを、内部ロック(CDCl3)を用いてかつ残留プロトン化溶媒を内部基準として利用してBruker DRX 400MHz(298において5mm bboプローブ)分光計上で記録した。スペクトルを、512走査で10秒のリサイクル遅延で収集した。
【0237】
示差走査熱量計(DSC)
DSC1(Mettler Toledo)を用いてブロックコポリマーのガラス転移温度(T
g)を調査した。超分岐DMAEMAについては20℃min
−1の加熱速度で−60から60℃の走査温度範囲を実行した。超分岐DMAEMA鎖延長ポリマーについては10℃min
−1の加熱速度で−40から100℃の走査温度範囲を実行した。15ml/min
−1のN
2流速を用いた。
【0238】
フーリエ変換−近赤外(FT−NIR)
FT−NIR測定を、Perkin Elmer system 2000 FT−IR分光計上で行った。5000〜7000cm
−1の範囲のNIR領域を観測した。それぞれのスペクトルは干渉写真を収集することを伴いこれらを8cm
−1の分解能で32走査について平均した。OMNICソフトウェアは、データを自動的にフーリエ変換してNIRスペクトルを与えた。モノマーの炭素−炭素二重結合帯の最初の倍音の領域における減少(すなわち6162cm
−1における(v
c=c))
9を計算してそれぞれの時点における変換パーセントを与えた。
【0239】
動的光散乱(DLS)
ゼータ電位(ζ)および流体力学的半径測定を、Zetasizer(Malvern Instrument)を用いて173°の固定散乱角で実施した。実験は、25℃で実施した。ポリマー標準の屈折率を、ポリスチレン(PS)の屈折率に等しいと仮定した。
【0240】
原子間力顕微鏡(AFM)
空気中で、スタンドアロン型のMFP−3D計器をタッピングモードで用いてAFMを実行した。AFMを、防振テーブル(Herzan LLC)上に取り付けて遮音囲い(TMC)内で作動した。高さ画像を、0.8Hzにおいてラインあたり512点で取得した。Multi75DLC−50カンチレバー(75±15kHz、3N/m、および湾曲の半径<15nm)をBudget Sensorsから取得して表面トポグラフィーの特性評価のために使用した。
【0241】
電子ビームリソグラフィー(EBL)
シリカウエハーを、酸素プラズマで清浄した。ポリマーに対して、10wt/v%のポリ((4−ヒドロキシスチレン)
0.6−stat−ポリスチレン
0.2−stat−PtBMA
0.2)、5wt/wt%のトリフル酸トリフェニルスルホニウム、およびポリマーの量に対して0.05wt/wt%の消光剤(トリオクチルアミン)を、乳酸エチルに溶解させた。溶液を、4000rpmで60秒間シリコンウエハー上にスピンコーティングし、その後熱板上で95℃で60秒間塗布後ベーク(PAB)した。ウエハーを、10μmの開口、6nmのステップサイズおよび6mmの作動距離で、10〜20kVの加速電圧を用いてEBLによってパターン作成した。パターンは、Raithのソフトウェアを用いて設計しかつ50nmから150nmのライン幅を有するライン/空きパターン1:1ライン/空きパターンで構成されていた。照射したウエハーを、露光後ベーク(PEB)で95℃で60秒間処理し、その後2.38%のTMAH(AZ726)で30秒間現像した。次いでウエハーを、N
2(g)ガスの流れで乾燥させた。
【0242】
2.4合成概要
本節では、複数の合成ステップを実行して超分岐ポリ(メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル)−b−ポリ(メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル)を生じる。目的は、望ましい分子量および構成を有するポリマーを合成することを可能にし、ならびに用いた重合方法が予想したとおりに振る舞うことを確実にすることであった。これを達成するためのアプローチは、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合を使用することであった。
【0243】
重合ステップを、図式2に示す;第1に、RAFT仲介重合を介してDMAEMAおよび分岐剤を重合した(A);第2のステップは、SMAで超分岐DMAEMAを鎖延長することであった(B);第3のステップは、ジチオ安息香酸を開裂することおよび新しく形成されたチオール末端基とメタクリル酸メチルとの間のマイケル付加反応の実行によりRAFT基を除去することであった。その後ペンダントアセタール基を酸加水分解してジオール基(すなわちメタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル(グリセロールMA))(C)を生じた。プロセス(A)、(B)および(C)を下記に述べる。
【化3】
図式2:ワンポットRAFT仲介重合による超分岐PDMAEMAの調製(A)。SMAで超分岐PDMAEMAの鎖延長(B)。メタクリル酸メチルで末端基修正、その後、GMAへのSMA反復単位の酸加水分解(C)。
【0244】
2.5超分岐PDMAEMAの調製
2.5.1分岐剤としてEGDMAを用いる超分岐PDMAEMAの合成
ジオキサンにおけるDMAEMAおよび分岐剤[ジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)]のプロプ−2−イン−1−イル2−(2−メチルプロパン酸(エチルチオ)カルボノチオイル)チオ))(PEMP)で仲介した重合を実行した。開始剤のCTAに対するモル比は、1:10であった。
【0245】
重合を、最初は溶液中5mol%分岐剤(モノマーを参照)で実行した。結果を、表7にA1として記録した。K.J.Thurechtら、J.Am Chem Soc.、2010年、132、5336に記載されている物と同様のやり方で
1H NMRを用いて鎖当りのモノマー単位の数を評価した。
1H NMRから得られたM
nは、TD−SECから得られたM
nと類似した。M
nにおける類似性は、分岐がほとんど無いまたは無いことを示唆する。分岐ポリマーを得るために、分岐剤の濃度を10mol%に増加した(モノマーを参照)。結果は、A2として表7に記録され、TD−SECから得られるM
nは、
1H NMRから得られるM
nの1.4から2倍を示した。これは、分子当り約2つのポリマー鎖がある(すなわち1分岐点)ことを示唆する。分岐剤濃度の増加は、さらに分子当りの分岐点の数を増加し得るが、高濃度の分岐剤はゲル化に繋がり得ることが文書化されている
6。したがって、分岐点の数を増加するための別のアプローチは、モノマー濃度を増加することであった。モノマー濃度を増加することにより、モノマーが分岐剤に遭遇する可能性が増加し、分子当りのポリマー鎖の増加に繋がることが報告されている
11。40wt%のより高いモノマー濃度を用いて結果をA3として表7に記録した。結果は、55%のモノマー変換で分子当り3つのポリマー鎖を達成し、かつモル質量分散度(D
M)は11であった。85%以上のモノマー変換でゲル化が観察された。Perrierおよび同僚の研究では、約20wt%のモノマー濃度を、反応において用いた。EGDMA/CTAが2に近い場合にゲル化が発生したが、EGDMA/CTAが1に近い場合には発生しなかったことが報告された。本研究において用いられるEGDMA/CTAがわずか0.6であることを考えれば、ゲル化は、高モノマー濃度([DMAEMA]約40wt%)によって発生すると思われた。ゲル化について別の考えられる説明は、反応性比率である。
γEGDMA値は、
γDMAEMAより高く、したがって、低変換におけるポリマーは、EGDMAが豊富になるであろうことが考えられる。一旦ポリマー鎖に組み込まれると、EGDMA反復単位は、架橋剤として機能してゲル化を生じ得る。実際に、DMAEMAおよびEGDMAは、ヒドロゲルを生成するために用いられている。
【0246】
超分岐ポリマーは、より可撓性のある鎖を有すると報告されており、したがってそれらは、その直鎖の類似物より低いガラス転移温度を有すると予想される。しかしながら、分岐点の程度が特定の点を通過して増加するにつれて、鎖運動は制限されるようにもなる可能性があり、次いでT
gがより高くなるであろう。系AポリマーのT
gを調査した。分岐点の形成がほとんど無いまたは無い、試料A1は、直鎖PDMAEMA(14000Da、14℃におけるT
g)に近いT
gを有することが観察された。試料A2は、モノマー変換が増加するにつれて6から17℃の範囲のT
g値を有する。T
gの増加は、分子量の増加に起因する可能性があった。試料A3−1およびA3−2に関する低T
g値は、分岐の低レベルと一致する。
【0247】
2.5.2分岐剤としてプロパン−1,3−ジアクリラートを用いる超分岐PDMAEMAの合成
高分岐ポリマーを調製するために本節において代わりの分岐剤、プロパン−1,3−ジアクリラートを提案する。プロパン−1,3−ジアクリラートは、以下の2つの理由のために選択された:
1)プロパン−1,3−ジアクリラートは、アクリル酸塩ファミリーに属しかつメタクリル酸塩の存在下でより低い反応性比率を有すると予想される。
2)プロパン−1,3−ジアクリラートは、EGDMAよりもわずかに長いペンダント基を有し、これはより高い鎖運動性に繋がるはずである。
【0248】
ジオキサン(dixoane)中でDMAEMAとプロパン−1,3−ジアクリラートとのPEMPで仲介した重合を実行し、ここで分岐剤およびモノマー濃度は、シリーズAと同様に変えた。表8に結果を示す。B1シリーズを、分岐剤としてEGDMAをジアクリル酸プロパン−1,3−ジイルで置き換えたことを除き、A1と同一の反応条件を用いて調製した。同様の重合時間にもかかわらずB2シリーズは、A1に関して約2900分で79%と比較してより高い変換、例えばB1に関して約2900分で96%に達し、これは連鎖移動剤によって仲介されたアクリル酸塩分岐剤での超分岐MMAの形成を調査したSlarkらと一致する。モノマー変換が増加した状態で、分子量および分岐点の数は、増加した。次の系、B2を、モノマー濃度を40wt%に増加することにより実行した。再びモノマー変換が増加した状態で、分子量が増加したことが観察された。本方法を用いて得られた分子当りのポリマー鎖の最高数は、約3であった。B3について、モノマー濃度を40wt%に維持しながらプロパン−1,3−ジアクリラート濃度を10wt%に増加した。モノマー変換増加に伴う分子量増加の類似の傾向が観察された。高変換において、分子当り平均4つのポリマー鎖があったが、モル質量分散度は12.5であった。しかしながら、ゲル化は観察されなかった。これは、2つのモノマーの反応性比率によって説明され得る。メチルアクリル酸メチルは、0.5の反応性比率を有するアクリル酸メチルと比較して2の反応性比率を有することが報告されている。その観点から考えると、超分岐ポリマーは、低変換においてDMAEMA豊富になり、かつ変換が増加するにつれてジアクリル酸プロパン−1,3−ジイルの組み込みが増加するであろう。分岐剤としてのジアクリル酸プロパン−1,3−ジイルの使用は、高変換におけるゲル化を防止した。
【0249】
異なるモノマー変換における一連の超分岐PDMAEMAのガラス転移温度を調査した。超分岐PDMAEMAは、一般に同様の分子量を有する直鎖ポリマー類似物より低いT
g値を有することが分かった。鎖運動性の増加は、ポリマーのT
g値を低下し得る。これは、文献に一致する
6、15。加えて、亜系列内で(異なる変換において同じ遊離比率(freed ratio))、T
gはモノマー変換増加と共に増加することも観察された。これは、増加した分岐点の数が鎖運動性(すなわちT
gの増加)を制限し始める点に到達することによって説明され得る。しかしながら、ポリマーの分子量は相対的に低いので増加するT
gは増加した分子量の関数でも有り得る。
【0250】
次のステップは、RAFTマクロ開始剤として用いられる超分岐PDMAEMAを生成することであった。調製のための条件は、相対的に低いモル質量分散度で妥当な分子当りの分岐点の数を生成するためにB2と同様であった。SMA鎖延長のために用いた超分岐PDMAEMAは、鎖当り4200DaのM
n、3.4分岐点、および1.5のD
Mを有した。
【0251】
【表7】
【0252】
【表8】
【0253】
2.6SMAで延長された超分岐PDMAEMA鎖
SMAでのRAFTマクロ開始剤の鎖延長を、本節に述べる。分岐した(branced)マクロ開始剤、モノマー、開始剤および溶媒を含有する溶液を、4つの管に移して60℃で重合させた。それぞれの管を、異なる時間で失活させてモノマー変換をフーリエ変換−近赤外(FT−NIR)によって測定し変換が一様に増加して835分で90%に達したことを示した。4200から7600Daまでのモノマー変換の関数としてのM
nにおける線形増加が、実験の期間にわたって観測され得る。加えて、M
nの理論値と、
1HNMRからのM
nとの間に妥当な一致があった。TD−SECからの実験的M
nは、
1H NMRから導かれたM
nの約3倍であった(表9)。これは、それぞれのマクロ開始剤分子(超分岐PDMAEMA)が約3個の分岐点を含有したことから予想された。モル質量分散度(D
M)シフトが、開始モル質量分散度と比較してより高い値に向かうことも観察された。超分岐ポリマーの鎖延長は、大きいモル質量分散度をもたらすことが報告されている
6。
【0254】
【表9】
【0255】
上で提示したデータは、反応を特定の時間で失活することによって所望の分子量を有する(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAの調製を可能にする。一連の(PSMA−stat−PDEGMA)−b−PDMAEMAの分子量パラメータを、表10に示す。
【0256】
【表10】
【0257】
2.7超分岐PDMAEMA−b−Pislvcerol MA)上の末端基修正
鎖延長超分岐DMAEMAの
1H NMRスペクトルは、PSMAブロック中のアセタール基に割り当てられたδ1.4〜1.2ppmにおける追加的ピークの証拠を示した。これは、SMAでの超分岐ポリマー鎖の鎖延長を確認する。こうしたポリマーを水溶液中に置いた場合、ある種の条件下でRAFT末端基は、加水分解を受けてチオールの形成に繋がる場合があり、これが最終的にジスルフィドおよび超分岐−超分岐結合の形成に繋がり得る。これは、望ましくない分子量の増加をもたらすであろう
18、19。したがって、チオールを生じるためにアミノリシス反応、続いてメタクリル酸メチル(MMA)でマイケル付加が実行される、ワンポット末端基修正を行った。本方法論は、Loweらによって報告された方法論に基づく
19。反応は、反応において還元剤として作用してジスルフィド結合形成を妨げ得るジメチル(フェニル)ホスフィンの存在下で実行した。ω末端基におけるエチルジチオエステルの
1H NMRスペクトルにおけるピークの消失、およびδ1.4−0.8ppmにおける追加的メチルピークは、末端基におけるMMAの組み込みと一致する。
【0258】
超分岐PDMAEMA−b−PSMAは、両染性ポリマーである。SMAのアセタールを加水分解することは、結果として生じる超分岐ブロックコポリマーを二重親水性にするペンダントジオール(すなわちグリセロールMA)を与える。
1H NMRスペクトル中のδ2.3ppmにおけるアセタール基の消失は、アセタールからジオールの変換の成功を示す。
【0259】
超分岐PDMAEMAマクロ開始剤のガラス転移温度は、−19℃であった。超分岐PDMAEMA−b−PSMA試料は、S1、S2およびS3についてそれぞれ−3℃、6℃および12℃のガラス転移温度を有した。これらの実験的T
g値は、フローリー−フォックスの式から予測されたt値(tvalue)に近かった(約4℃差)。加えて、それぞれの試料について1つだけのガラス転移温度が観察され、これは、2つのブロックが、調査したブロック長の範囲について固体状態において混和性であることを示唆する。次に、超分岐PDMAEMA−b−Pglycerol MAの熱的特性を調査した。実験的T
gは、フローリー−フォックスの式から予測された理論的T
g値よりもずっと高かったことが観察された。より高いT
gは、鎖可撓性が予想より低くこれはPDMAEMAとPglycerol MAブロックとの間の水素結合によって生じた可能性があることを示唆する。
【0260】
【表11】
【0261】
2.8超分岐PDMAEMAおよびPDMAEMA−b−Pglycerol MAの流体力学的半径およびゼータ電位へのpHの影響の調査
本節の目的は、3.5から10.7の範囲のpH値について超分岐PDMAEMAおよびPDMAEMA−b−Pglycerol MAの流体力学的半径およびゼータ電位の変化を理解することである。
【0262】
pHの増加に伴うゼータ電位の低下が観察された。酸性の環境において、PDMAEMA中の第三級アミンは、プロトン化されて、ブロックコポリマーに正の電荷を与える第四級アンモニウム基を形成し得る。pHを増加することにより、窒素含有PDMAEMAは、次第にプロトンを失い、したがって正の電荷の損失が観察されている。中性の電荷は、約pH8.5で発生し、これは文献値(pKa約7.3〜8.4)に近い。一方で、増加するpHに伴う流体力学的半径の増加が観察された。高pHにおいて、DMAEMA鎖は、脱プロトン化されてかつ崩壊する鎖が、より小さい流体力学的半径をもたらすと予想されるであろう。しかしながら、高pHにおける流体力学的半径の増加は、凝集が、非荷電超分岐PDMAEMAのために優勢になっている誘引性のファンデルワールス力が原因で発生している可能性があることを示唆する。
【0263】
本節の次の目的は、ゼータ電位および流体力学的半径へのグリセロールMA鎖長の影響を調査することである。3つの異なるグリセロールMA鎖長を有する超分岐PDMAEMA−b−Pglycerol MAを、表12において試料S1、S2およびS3として表示する。4つの異なるpHの両端間の流体力学的半径およびゼータ電位を、それぞれの超分岐ブロックコポリマーについて測定した(表12を参照)。試料S1、S2およびS3に関して超分岐PDMAEMA−b−Pglycerol MAの流体力学的半径は、全てそれらの前駆体、超分岐PDMAEMAと比較してより大きいことが分かった。これは、鎖長の増加がより大きい粒径をもたらすはずであることから予想される。溶液pHの増加に伴って、S1、S2およびS3に関して流体力学的半径の減少が観察された。これは、高pHにおけるPDMAEMA芯の崩壊に原因があると考えられ、したがって流体力学的半径は小さくなる。
【0264】
その反対に、PDMAEMA−b−Pglycerol MAのゼータ電位は、増加するpHに伴って減少した。これは、DMAEMAが、低pHにおいてプロトン化(すなわち正に荷電)されたが高pHにおいては脱プロトン化された(荷電無し)ことから予想された。さらには、超分岐PDMAEMAと超分岐PDMAEMA−b−Pglycerol MAとの間のゼータ電位の明らかな変化が無かったことが観察された。本章において合成した3つのPDMAEMA−b−Pglycerol MA試料は、水溶液中で中性である、Pglycerol MAを有する同一DMAEMA芯から延長された鎖であった。したがって、類似のゼータ電位が観察されたことは予想外ではない。これは、Pglycerol MA鎖が超分岐PDMAEMA芯の電荷を遮蔽していなかったことを意味し、これはメタクリル酸ポリエチレングリコールでの超分岐PDMAEMAの鎖延長に関して報告されている。加えて、溶液pHが8より高い場合、グリセロールMAブロックが長いほど、沈殿が生じるであろう可能性が高いことが分かった。例えば、沈殿は、試料2に関してはpH10.3で生じるが試料3に関しては8.5で既に生じる。これは、DMAEMA、およびまたDMAEMAとPglycerol MAとの間の大量の水素結合に起因する可能性があり、ポリマー鎖の崩壊を誘発する。
【0265】
【表12】
【0266】
2.9負に帯電した平坦な表面への超分岐ポリマーの堆積
本節の目的は、負に帯電した表面への超分岐ポリマーの付着を調査することおよび超分岐ポリマーで処理後の表面粗さの変化を調査することである。平坦な負に帯電した表面を、Chuangら(Adv.Funct.Mater.2012年)に記載のように調製して特性評価した。平坦な負に帯電した表面は、偏光解析法によって測定された約19nmの厚さを有し、かつ表面粗さ(RMS)は、AFMによって測定された0.31±0.20nmであった。
【0267】
負に帯電した平坦な表面を、超分岐PDMAEMA−b−Pglycerol MAの一連の溶液中でディップコーティングした。層の厚さは、約27nmに増加した(表13)。負に帯電した下層の厚さを除いて、HBPの層厚さは、約8nmであると概算された。アニーリング後にHBP層厚さは、約3nmに減少した。アニーリングステップの前後の厚さの変化は、約4から5nmであり、ポリマーの脱水に起因するものと考えられた。
【0268】
【表13】
【0269】
超分岐PDMAEMAでディップコーティングした負に帯電した平坦な表面のAFM像は、平坦な表面とは異なるトポロジーを有し、これは超分岐PDMAEMA−b−Pglycerol MAが表面をコーティングしていることをさらに裏付ける。
【0270】
2.10モデル粗面への超分岐ポリマーの堆積
粗面を、Chuangら(Adv.Funct.Mater.2012年)に記載されているのと同じ方法で生成した。表面粗さを、RMSとして評価して表14に記録した。1.15nmの粗さを有する表面を、超分岐PDMAEMA(延長した鎖ではない)溶液でディップコーティングし、ディップコーティング後の粗さは、1.24nmにわずかに増加したことが分かり、これは、超分岐PDMAEMA(延長した鎖ではない)を単にコーティングすることによるだけでは、表面粗さを減少するために十分ではないことを示唆する。したがって、さらなるステップ、アニーリングを、一連のコーティングした表面に適用した。アニーリング後に記録したRMS値を、表14に詳述する。アニーリングプロセス後、表面粗さの変化は無かったことが分かった。これは、前述および文献における先の発見と一致する。プロトン化DMAEMAは、限定的な鎖運動性を有し、したがって表面上の粗さを減少することが困難である。しかしながら、試料S1、S2およびS3で処理したモデル表面に関しては、RMS値の有意の減少があり、これは超分岐ブロックコポリマーが粗い平面表面を修復し得ることを実証する。これは、中性ブロックが修復を促進するために必要であることも実証する。3つの試料の中で最長のグリセロールMA単位を有する、S3は、最小の修復能力を有することが観察された。
【0271】
次節は、電子ビームリソグラフィーによってプリントされたライン上への超分岐ポリマーの修復能力の調査に注目する。平面粗面に関して超分岐PDMAEMA(延長した鎖ではない)は、表面粗さを修復するいかなる能力も示さなかったので、試料S1、S2およびS3だけをパターンに適用した。
【0272】
【表14】
【0273】
2.11電子ビームパターン上の粗さ修復
本節は、電子ビームリソグラフィーによって調製したパターンを修復する超分岐ポリマーの有効性を調査する。
【0274】
PHOST系フォトレジスト溶液を、シリカウエハー上にスピンコーティングした。ウエハーを、電子ビームリソグラフィー(EBL)によってパターン形成し、その後露光後ベークステップおよび現像液すすぎが続いてライン−スペースパターンを与えた。
【0275】
処理の前後のパターンのSEM顕微鏡写真を、
図8に示す。処理前のパターンを、対照群として表15に示した。それらは、それぞれ、73、74および99nmのライン幅、ならびに5.5、6.3および4.8nmにおける3σLERを有する。パターンを、次いで一連の超分岐PDMAEMA−6−Pglycerol MA溶液でコーティングして100℃で10分間アニーリングした。処理後のライン幅および3σLER値を、表15に記録した。また、処理前および処理後の3σLERの比較をプロットした。
【0276】
パターンを、個々に試料S1、S2およびS3で処理した。試料S1および試料S2に関して、ライン幅の増加および3σLERの減少が観察された。S1およびS2処理表面は、それぞれ、14.5%および18.2%の減少を示す。試料SSで処理したパターンについては、観察可能なライン幅および3σLERの変化はなかった(
図9)。結果は、上述のAFM調査と類似し試料S1およびS2で処理した平面粗面は18%および28%の粗さの減少を示したが、S3で処理した表面は粗さが6%減少しただけであった。次のステップは、同一方法論下でS1およびS2でEUVLプリントされたラインを処理することである。
【0277】
【表15】
【0278】
2.12EUVLパターン上の粗さ修復
本節では、試料S1およびS2を、節5.3.6に記載されているのと同じ方法でEUVLパターン形成ウエハー適用して、ライン幅および3σLERの変化を調査した。本節において調査したプリントされたラインは、80nmのライン幅および160nmのピッチを有し、L80P160として示した。同じ表記法を、L60P120、およびL50P150を含めた、他のプリントされたラインに適用した。超分岐PDMAEMA−b−Pglycerol MA溶液で処理前および処理後のパターンに関するライン幅およびLERの変化を本節において調査した。
【0279】
L80P160、L60P120およびL50P150は、それぞれ79±2nm、57±1nmおよび37±1nmのライン幅を有する。EUVLパターンを試料S1で処理した後、L80P160およびL60P120についてはライン幅の有意の変化が無かったが、L50P150については16%のライン幅の増加があったことが観察された。ライン幅の変化における類似の傾向が、試料S2で処理したEUVLパターンについて観察された。L80P160およびL60P120に関するライン幅の有意の変化が無いことは、層厚さ(約3nm×2)がライン幅と比較して小さい、PDMAEMA−b−Pglycerol MAの平坦化した構造に起因する可能性があり統計的に有意なライン幅の変化を結果として生じない。L50P150試料に関する統計的に有意なライン幅の増加の観察値は、単純にライン幅(37nm)のかなりの割合である超分岐ポリマーの層厚さ(約3nm×2)に起因する可能性がある。
【0280】
一方で、L80P160、L60P120およびL50P150は、それぞれ、5.5±0.6nm、5.7±0.8nmおよび5.9±1.1nmにおける3σLERを有する。パターンをS2で処理した場合は、対象のライン幅が減少するにつれて修復の程度が増加することが観察された。類似の傾向が、パターンを試料S3で処理した場合に観察された。3σLERの減少は、観察可能なライン幅変化がないにもかかわらず超分岐PDMAEMA−b−Pglycerol MAの接着と一致する。