特許第6384995号(P6384995)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384995
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】ヒンジ構造
(51)【国際特許分類】
   E05D 1/04 20060101AFI20180827BHJP
   E06B 3/48 20060101ALI20180827BHJP
   E05D 11/06 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   E05D1/04 C
   E06B3/48
   E05D11/06
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-193217(P2014-193217)
(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公開番号】特開2016-65365(P2016-65365A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】399071775
【氏名又は名称】積水樹脂プラメタル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】前田 美好
(72)【発明者】
【氏名】浅田 秀樹
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−088440(JP,A)
【文献】 米国特許第05566739(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 1/00 − 9/00
E06B 3/48,3/90−3/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル同士を折り畳み可能に連結したヒンジ構造であって、
パネルを回動させる時にその回転軸となる支軸と、前記パネルの縦枠の一側面に設けられて前記支軸が挿入される溝部とを備え、
前記溝部は、挿入された前記支軸に向けて突出する回動凸部を備え、
前記支軸の外周面は、前記溝部の内周面に向けて突出し、かつ、前記回動凸部の回動時に当接して該回動凸部を制動する制動部を備え、
前記回動凸部と当接する前記制動部の一側面には、その突出先端側から該回動凸部に向けて相対的に突出させることにより、その基端側において内側に凹む凹部が形成されるとともに、
該制動部の一側面に当接する回動凸部の少なくとも一部が前記凹部内に位置することにより、前記回動凸部は、前記制動部に引っ掛かるように構成されていることを特徴とするヒンジ構造。
【請求項2】
パネル同士を折り畳み可能に連結したヒンジ構造であって、
パネルを回動させる時にその回転軸となる支軸と、前記パネルの縦枠の一側面に設けられて前記支軸が挿入される溝部とを備え、
前記溝部は、挿入された前記支軸に向けて突出する回動凸部を備え、
前記支軸の外周面は、前記溝部の内周面に向けて突出し、かつ、前記回動凸部の回動時に当接して該回動凸部を制動する制動部を備え、
前記回動凸部と当接する前記制動部の一側面には、その基端側が内側に凹んだ凹部が形成されるとともに、
該制動部の一側面に当接する回動凸部の少なくとも一部が前記凹部内に位置することにより、前記回動凸部は、前記制動部に引っ掛かるように構成されていることを特徴とするヒンジ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設工事現場や解体工事現場に設けられる仮設用防音パネルにおいて、出入り口を開閉するための門扉に関して、特に、門扉の扉体同士を折り畳み可能に連結するヒンジ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建築工事現場や解体工事現場においては、建築物の周囲を仮設の囲いで覆い、工事に伴う埃等の飛散や、工事の騒音が外部に漏れることを抑えている。このような仮設の囲いにおいて、工事用の専用車両が出入りする出入り口は大型車両が通行することが多いため一般には開口幅が広く、その出入り口を開閉する門扉としては、出入り口の一側端から他側端に向けて移動させることによって出入り口を開閉する引戸タイプの形態が多く用いられており、その中でも、多数のパネルをヒンジ部材介して折り畳み可能に連結された形態が多く利用されている。
【0003】
前記門扉において、連結されたパネル同士を折り畳む場合、平面視においては、扉体同士が山折り状に折り畳まれる箇所と谷折り状に折り畳まれる箇所とが交互に配置されており、この形態により、門扉の折り畳み作業をスムーズに実施することができる。
【0004】
ヒンジ部材の形態としては、様々な形態が提案されているが、例えば、特許文献1には、ヒンジ部材としての継手部材を介して複数のパネルを折り畳み自在に連結してパネルユニットを構成し、前記各継手部材に一対の支軸を形成し、第1、第2の継手部材のうちの少なくとも一方の継手部材の各支軸に、縦の切欠溝を有する中間円筒支軸を回動自在に外嵌し、該中間円筒支軸の外周部に、パネルの縦框を係合させた折畳み扉が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−180449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の折畳み扉においては、中間円筒支軸の縦の切欠溝の切欠幅等によって、連結されたパネルユニットの折り畳み角度範囲を調整することが可能であり、具体的には、連結されたパネル同士は、継手部材を挟んで一直線状に配置された状態から折り畳まれた状態の範囲で可動できるように連結されている。しかしながら、出入り口を閉鎖するためにパネル同士を一直線状に配置した状態では、パネルの正面あるいは背面から強風を受けると、継手部材に対して通常のパネルユニット同士の折り畳み方向とは逆向きの逆折れ状に作用する場合があり、継手部材の一部が破損したり、継手部材の支軸から中間円筒支軸が抜けて、パネルユニット同士の連結が外れたりするおそれがあった。
【0007】
本発明は、パネル同士を折り畳み可能に連結した時に、逆折れする方向に作用しても、パネル同士の逆折れが生じにくく、パネル同士の連結が容易に外れないヒンジ構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち本発明に係るヒンジ構造は、パネル同士を折り畳み可能に連結したヒンジ構造であって、パネルを回動させる時にその回転軸となる支軸と、前記パネルの縦枠の一側面に設けられて前記支軸が挿入される溝部とを備え、前記溝部は、挿入された前記支軸に向けて突出する回動凸部を備え、前記支軸の外周面は、前記溝部の内周面に向けて突出し、かつ、前記回動凸部の回動時に当接して該回動凸部を制動する制動部を備え、前記回動凸部と当接する前記制動部の一側面には、該制動部の突出先端側から該回動凸部に向けて相対的に突出させることにより、その基端側において内側に凹む凹部が形成されるとともに、該制動部の一側面に当接する回動凸部の少なくとも一部が前記凹部内に位置することにより、前記回動凸部は、前記制動部に引っ掛かるように構成されていることを特徴とするとするものである。
【0009】
また、本発明に係る別のヒンジ構造は、パネル同士を折り畳み可能に連結したヒンジ構造であって、パネルを回動させる時にその回転軸となる支軸と、前記パネルの縦枠の一側面に設けられて前記支軸が挿入される溝部とを備え、前記溝部は、挿入された前記支軸に向けて突出する回動凸部を備え、前記支軸の外周面は、前記溝部の内周面に向けて突出し、かつ、前記回動凸部の回動時に当接して該回動凸部を制動する制動部を備え、前記回動凸部と当接する前記制動部の一側面には、その基端側が内側に凹んだ凹部が形成されるとともに、該制動部の一側面に当接する回動凸部の少なくとも一部が前記凹部内に位置することにより、前記回動凸部は、前記制動部に引っ掛かるように構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、記回動凸部が回動して前記制動部に当接した際、回動凸部は、前記制動部に引っ掛かるように構成されているので、前記当接した状態から、更にその回動方向と同方向に外力が作用しても、回動凸部が制動部に引っ掛かって容易に外れず、パネルが支軸から外れるような不具合が起こりにくくなる。
【0011】
本発明において、前記制動部を内側に向けて凹む凹部を備えるとともに、前記回動凸部が前記制動部に当接した際、該回動凸部の一部が前記凹部内に位置するように構成すれば、回動凸部は制動部から更に外れにくくなるので、前記不具合が起こりにくくなり好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るヒンジ構造を用いた門扉の実施の一形態を示す正面図である。
図2図1のパネルの正面図である。
図3図2のA−A断面の主要部の拡大図である。
図4図2のB−B断面の主要部の拡大図である。
図5図1の門扉の可動状態を示す説明図である。
図6図1の門扉の可動状態を示す説明図である。
図7図1におけるヒンジ構造付近の説明図である。
図8図7のパネルの回動状態を示す説明図である。
図9図7のパネルの回動状態を示す他の説明図である。
図10図9のヒンジ構造付近の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係るヒンジ構造を用いた門扉について実施の一形態を示す正面図である。門扉Gは、所定の間隔をあけて立設された一対の門柱1と、前記門柱1間に取付けられた梁11と、前記梁11に吊り下げされて梁11の長手方向に移動可能に吊り下げられた縦桟12と、前記縦桟12に取付けられたパネル2とを備えている。これにより、パネル2は縦桟12によって梁11の長さ方向に沿って移動可能となされている。
【0015】
図2図1のパネルの正面図、図3図2のA−A断面の主要部の拡大図、図4図2のB−B断面の主要部の拡大図である。パネル2は、本形態では、矩形状の枠体21の内側にパネル本体22が取付けられている。すなわち、パネル本体22の外周縁部に沿って枠体21が配置されてパネル2が形成されている。
【0016】
枠体21は、本形態では、左右一対の縦枠23と上下一対の横枠24とによって矩形状に形成されており、該枠体21の内壁部には、その長手方向に沿って連続して開口する挿入溝25、26が設けられている。すなわち、図3図4に示すように、縦枠23、横枠24の内壁部には、挿入溝25、挿入溝26が設けられており、前記挿入溝25、挿入溝26にパネル本体22の周縁部が挿入されることによって、パネル本体22が枠体21により固定される。
【0017】
パネル本体22は、本形態では、合成樹脂性のシート状の芯材の両面に金属板が貼着されて金属板、芯材、金属板の順に積層された形態であって、軽量で遮音性能に優れたものとなり好ましい。芯材の厚さは、成型性、強度、取り扱い性等を考慮すると1〜10mmが好ましく、更には1〜3mmが更に好ましい。また金属板の厚さは、重量、加工性、取り扱い等を考慮すると0.05〜1mmが好ましい。
【0018】
パネル本体22は、本形態に限られるものではなく、合成樹脂製の板材のみから形成されたものでもよく、金属板のみでもよく、要は、敷地内で発生する埃等が敷地外に飛散しにくく、また発生する騒音が敷地側に漏れにくいものが好ましい。
【0019】
パネル2は、本形態では、枠体21を備えたものであるが、ヒンジ構造3を介して回動可能に連結可能であれば、枠体21を備えないものでもよい。すなわち、少なくとも縦枠23のみを備えた形態であれば、前記縦枠23を用いてヒンジ構造3を構成することが容易となり、好ましい。
【0020】
図5図6は、図1の門扉Gの可動状態を示す説明図である。パネル2の縦枠23同士は、ヒンジ構造3、連結部材4を介して連結されている。そして、図5に示すようにパネル2同士は、ヒンジ構造3、連結部材4を軸にして拡げられた状態と、図6に示すようにパネル2同士が折り畳まれた状態との間で可動可能となされている。なお、ヒンジ構造3、連結部材4は、同じ形態のものを用いてもよく、敷地外側からの意匠性等を考慮して折り畳まれた際のパネル2同士の干渉等の折り畳み方向に応じた形態のものを用いてもよく、要は連結されたパネル2同士がスムーズに折り畳められ、または拡げられればよい。
【0021】
ヒンジ構造3は、図3に示すように、パネル2を回動させる時にその回動軸となる支軸51と、パネル2の縦枠23の一側面において長手方向に連続して形成されて前記支軸51が挿入される溝部61とを備えている。
【0022】
ヒンジ構造3は、連結する2個のパネル2に対応して2個の支軸51を備え、該支軸51同士は中間部材52を介して接続されている。前記支軸51は縦方向沿って連続して形成されており、その外周部が円筒状に形成されている。本形態では、円筒状の一部が縦方向に連続して切り欠かれた略C字状であるが、単に円筒状に形成されたものでもよく、中実の円柱状に形成されていてもよい。
【0023】
溝部61は、側方に向けて開口する開口部62を備えている。そして、溝部61内に挿入された支軸51から該開口部62を通る中間部材52によって2個の支軸51同士が接続されている。これによってパネル2は、中間部材52が開口部62を通過した状態において、溝部61内に配置された支軸51を軸としてそれぞれ回動可能となる。
【0024】
次に溝部6と支軸51との関係について、図7〜10を用いて、更に詳しく説明する。溝部61は、その内壁部63から支軸51の外周面53に向けて突出する回動凸部64、65を備えている。前記回動凸部64、65は、支軸51を間にして対向して配置されており、回動凸部64、回動凸部65は、その突出先端部が支軸51の外周面53に当接するか近接した状態で、前記外周面53に沿って回動可能に構成されている。
【0025】
また外周面53は、溝部61の内壁部63に向けて突出する制動部54、55を備えている。これにより、図7においてパネル2をX方向に回動させると、図8に示すように、回動凸部64が外周面53に沿って回動し制動部54に当接されてパネル2同士が折り畳まれた状態となるまで回動させることが可能となる。また、図7においてパネル2をY方向に回動させると、図9に示すように、回動凸部65が外周面53に沿って回動し制動部55に当接されるまで回動させることができる。なおパネル2の回動範囲は、制動部54、55の位置によって調整することができる。
【0026】
図9においては、前記の通り、回動凸部65が制動部55に当接されているので、Y方向にはこれ以上回動しない。しかし、図9において下方から上方に向かうS方向から強風がパネル2に当たるなど、連結されたパネル2が本来の回動範囲から超えて逆折れするような外力が作用すると、回動凸部65が制動部55を乗り越えて、支軸51から溝部61が外れてしまうおそれがある。
【0027】
図10は、図9において回動凸部65を回動させて制動部55と当接した際、その当接箇所付近の拡大図である。回動凸部65は、制動部55に当接された際、該制動部55に引っ掛かるように構成されている。これによって、回動凸部65は、制動部55から容易に外れることはなく、回動部6が支軸51から容易に外れるような不具合を抑えることができる。
【0028】
回動凸部65が制動部55に引っ掛かる構成としては、図10に示すように、制動部55の一側面に凹む凹部56を形成し、回動凸部65の少なくとも一部が、前記凹部56に配置されるように構成したものを挙げることができる。前記凹部56は、制動部55の突出先端側から回動凸部65に向けて相対的に突出させることによって、制動部55の基端側に該凹部56を形成したものでもよく、制動部55の基端側を内側に凹ませて該凹部56を形成したものでもよい。これらのように凹部56を形成することによって、凹部56内に位置する回動凸部65は、制動部55の突出先端側を容易に乗り越えることは難しいので、前述の通り、回動凸部65は、制動部55から容易に外れることはなく、回動部6が支軸51から容易に外れるような不具合を抑えることができる。凹部56内に位置する回動凸部65は、制動部55に当接した箇所を含む方が、制動部55から更に外れにくくなるので、より好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明にかかるヒンジ構造によって連結されたパネル同士は、逆折れする方向に外力が作用しても、容易には逆折れせず、またパネルが支軸から外れにくくなるので、折り畳み型の門扉等に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 門柱
11 梁
12 縦桟
2 パネル
21 枠体
22 パネル本体
23 縦枠
24 横枠
25、26 挿入溝
3 ヒンジ構造
4 連結部材
51 支軸
52 中間部材
53 外周面
54、55 制動部
56 凹部
61 溝部
62 開口部
63 内壁部
64、65 回動凸部
G 門扉
S S方向
X X方向
Y Y方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10