【文献】
柏木 亮二,信用のプラットフォーム「芝麻信用」,Financial Information Technology Focus 2017 10,野村総合研究所,2017年10月,p.14-15
【文献】
李 立栄,FinTechの可能性,野村資本市場クォータリー 2015年夏号 第19巻 第1号 Nomura Capital Markets Quarterly,株式会社野村資本市場研究所,2015年 8月 1日,第19巻,p.82-106,ISSN 2185-4629
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態および各実施例について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。
【0012】
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
【0013】
<システムの全体構成例>
図1は、本実施形態による、様々な各種サービスを管理し、ユーザに当該各種サービスを提供するサービス提供システム1の全体構成例を示す図である。
【0014】
サービス提供システム1は、各ユーザが保持または所有し、操作してネットワークにアクセスする携帯端末(固定端末であってもよい)10_1〜10_nと、ユーザ1からnの携帯端末10_1〜10_nから送られてくる情報やデータ(後述の個人格付け評点を含む)および各種業者のサーバから送られてくる情報やデータを管理し、各種業者が提供するサービスを取りまとめる管理サーバ20と、管理サーバ20が提供する個人格付け評点に基づいて該当するユーザへの融資条件(融資額および返済期間などの情報を含む)を決定し、管理サーバ20に送信する融資提供業者1からnのサーバ30_1〜30_nと、管理サーバ20が提供する個人格付け評点に基づいて該当するユーザに適合する(可能性が高い)商品群を決定して当該ユーザに対するオファーを生成し、管理サーバ20に送信するネット通販業者1からnのサーバ40_1〜40_nと、管理サーバ20が提供する個人格付け評点に基づいて該当するユーザに適合する(可能性が高い)各種サービスを決定して当該ユーザに対するオファーを生成し、管理サーバ20に送信する他のサービスAからX(例えば、人間ドック紹介サービスや人材紹介サービスなど)提供業者1からnのサーバ50_1〜50_nおよび60_1〜60_nと、管理サーバ20が提供する個人格付け評点に基づいて該当するユーザに適合する(可能性が高い)広告を決定して当該広告の情報を管理サーバ20に送信する広告配信業者1からnのサーバ70_1〜70_nと、ユーザ1からnが契約する銀行などの金融業者1からnのサーバ80_1〜80_nと、管理サーバ20が提供するユーザの携帯端末10_1〜10_nを特定する情報に基づき上記の各サービス提供業者がアクセスして、当該ユーザが当該携帯端末について通信契約をしている通信会社の通信料金の引き落とし口座の情報をそこから取得する通信会社1からnのサーバ90_1〜90_nを備え、これらがネットワーク100を介して接続されている。
【0015】
<システムの各構成要素の内部構成例>
図2から
図5は、サービス提供システム1を構成する各装置の内部構成例を示す図である。
図2は、ユーザ1からnの携帯端末10_1〜10_nの内部構成例を示す図である。
図3は、管理サーバ20の内部構成例を示す図である。
図4は、融資提供業者1からnのサーバ30_1〜30_nの内部構成例を示す図である。
図5は、ネット通販業者1からnのサーバ40_1〜40nおよび他のサービスAからX提供業者1からnのサーバ50_1〜50_nおよび60_1〜60_nの内部構成を示す図である。
図2から
図5に示されるように、サービス提供システム1を構成する各装置はコンピュータによって構成されている。
【0016】
(i)携帯端末
図2に示されるように、携帯端末10_1〜10_nは、端末にインストールされた各種プログラムを実行するプロセッサ101と、各種プログラムや各種パラメータを格納するメモリ102と、演算結果や取得情報を格納する記憶デバイス103と、キーボード、タッチパネル、各種ボタンやマイクなどで構成される入力デバイス(これらのうち1つのデバイスであってもよいし、複数種類の入力デバイスが含まれていてもよい)104と、表示デバイス、プリンタやスピーカなどで構成される出力デバイス(これらのうち1つのデバイスであってもよいし、複数種類の出力デバイスが含まれていてもよい)105と、ネットワーク100に接続して外部装置と通信するための通信デバイス106と、を備えている。また、図示はしないが、携帯端末10_1〜10_nは、例えば、GPS機能、加速度センサー、振動センサー、脈拍センサー、方位センサーやジャイロセンサー等を備えていてもよい。これらのセンサーは、後述の運動記録アプリケーション処理部1013や地図アプリケーション処理部と連携して動作するものである。
【0017】
プロセッサ101は、メモリ102から各種プログラムを読み込み、当該プログラムを内蔵メモリ(図示せず)に展開して適宜実行する。
図2には、各種プログラムがプロセッサ101の内蔵メモリに展開された状態が示されている。プロセッサ101は、プログラムとしての、コアプリケーション処理部1011と、ネット通販アプリケーション処理部1012と、運動記録アプリケーション処理部1013と、SNSアプリケーション処理部1014と、ヘルスケアアプリケーション処理部1015と、お薬手帳アプリケーション処理部1016と、不動産管理アプリケーション処理部1017と、人事情報管理アプリケーション処理部1018と、地図アプリケーション処理部1019と、を実行する。
【0018】
コアアプリケーション処理部1011は、例えば管理サーバ20が提供するサイト(サービスのホームページ)又は第三者のアプリケーション提供サイトからユーザが携帯端末10_1〜10_nにダウンロードされたアプリケーションプログラムである。コアアプリケーション処理部1011は、後述のように、携帯端末10_1〜10_n上の記憶デバイス103にコアアカウントを生成し、当該携帯端末を使った電子マネーや電子決済によるコアアカウントからの直接の入出金を実行し及びその記録を取得し、また、当該ユーザが契約する(口座を持つ)銀行等の金融業者と随時あるいは定期的に通信し、当該ユーザが当該金融業者との取引履歴情報(例えば、出金・入金の情報(金額、振込先、日付等の情報)、借入の情報、ローンの支払い状況の情報など)やクレジットカードの使用履歴情報などを取得し、コアアカウントに関連付けて記憶デバイス103に格納する。また、コアアプリケーション処理部1011は、携帯電話や固定電話の料金(通信料金)引き落とし口座が設けられた銀行のサーバと連携が取れるように構成され、当該口座の残高や電話料金の引き落とし履歴の情報を逐一取得できるように構成されている。さらに、コアアプリケーション処理部1011は、後述の各種アプリケーション処理部と連携し各種アプリケーション処理部が取得する情報をコアアカウントに関連付けて記憶デバイス103に格納する。そして、コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントに関連付けて記憶デバイス103に格納されたこれらの情報をもとに、当該ユーザの個人格付け評点の計算を行う。この個人格付け評点は出力デバイス105を通じ当該携帯端末を保持する当該ユーザのみが閲覧できるようにしても良い。
【0019】
ネット販売アプリケーション処理部1012は、コアアプリケーション処理部1011とユーザの携帯端末10_k(k(k=1〜n)番目のユーザの携帯端末の意味。以下同様)に搭載済みのネット販売に関するアプリケーションと連携して動作するように構成されており、ユーザが、当該携帯端末に搭載済みの当該ネット販売に関するアプリケーションを通じて、何らかの商品やサービスを購買すると、当該購買情報を取得し、取得した購買情報を随時あるいは定期的にコアアプリケーション処理部1011に受け渡す。また、コアアプリケーション処理部1011がネット販売アプリケーション処理部1012に定期的に問い合わせし、当該ユーザの購買情報を取得するようにしてもよい。
【0020】
運動記録アプリケーション処理部1013は、コアアプリケーション処理部1011と連携して動作するように構成されており、携帯端末10_kのユーザの運動状況に関する情報を随時および/または定期的に取得し、コアアプリケーション処理部1011に取得した当該ユーザの運動状況に関する情報を受け渡す。例えば、ユーザが運動すると、携帯端末10_kは、上記加速度センサー、振動センサー、および脈拍センサー等により例えば運動時間と負荷の大きさ(例えば、各センサーによって測定される動きの大きさよって規定される)を測定する。そして、運動記録アプリケーション処理部1013は、各センサーによって測定された運動時間と負荷の大きさの情報とを用いて、自動的に当該ユーザの運動量を算出(例えば、運動時間と消費カロリーを算出して運動量とすることができる)し、コアアプリケーション処理部1011に受け渡す。
【0021】
SNSアプリケーション処理部1014は、コアアプリケーション処理部1011とユーザの携帯端末10_kに搭載済みのSNS(Social Networking Service)に関するアプリケーションと連携して動作するように構成されており、携帯端末10_kのユーザ(保持者)のSNSにおける交友状況に関する情報(例えば、SNS使用頻度、友人数、参加コミュニティーの情報など)を当該携帯端末に搭載済みの当該SNSに関するアプリケーションを通じて、取得し、取得した交友状況に関する情報を随時あるいは定期的にコアアプリケーション処理部1011に受け渡す。
【0022】
ヘルスケアアプリケーション処理部1015は、コアアプリケーション処理部1011とユーザの携帯端末10_kに搭載済みのヘルスケアに関するアプリケーションと連携して動作するように構成されており、携帯端末10_kのユーザ(保持者)のヘルスケアに関する情報(例えば、ユーザの体重、上記脈拍センサーによって取得される心拍・脈拍、健康診断結果など)を当該携帯端末に搭載済みの当該ヘルスケアに関するアプリケーションを通じて、取得し、取得したヘルスケアに関する情報を随時あるいは定期的にコアアプリケーション処理部1011に受け渡す。また、ユーザの体重や健康診断結果の情報は、例えば、ヘルスケアアプリケーション処理部1015が定期的にユーザに問い合わせることによって更新される。あるいは、ヘルスケアアプリケーション処理部1015が、外部のヘルスケア情報管理サーバ(
図1に示さず)にアクセスし、登録されている対象ユーザのヘルスケアに関する情報の少なくとも一部を取得するようにしてもよい。
【0023】
お薬手帳アプリケーション処理部1016は、コアアプリケーション処理部1011とユーザの携帯端末10_kに搭載済みの服薬に関するアプリケーションと連携して動作するように構成されており、携帯端末10_kのユーザ(保持者)の服薬状況に関する情報(例えば、薬の種類、服薬頻度、当該薬の効用など)を当該携帯端末に搭載済みの当該服薬に関するアプリケーション通じて、取得し、取得した服薬状況に関する情報を随時あるいは定期的にコアアプリケーション処理部1011に受け渡す。服薬状況に関する情報は、例えば外部の服薬データ管理サーバ(
図1には示されず)にアクセスし取得してもよい。または、ユーザが薬局で薬を購入した際に携帯端末10_kに当該携帯端末に搭載済みの当該服薬に関するアプリケーション通じ、購入した薬の情報を登録するようにし、当該情報がお薬手帳アプリケーション処理部1016によって読み出されるようにしてもよい。また、ユーザが物販として薬を購入した場合に、お薬手帳アプリケーション処理部1016がネット通販アプリケーション処理部1012と通信し、購入した薬の情報を取得して管理するようにしてもよい。
【0024】
不動産管理アプリケーション処理部1017は、コアアプリケーション処理部1011と連携して動作するように構成されており、携帯端末10_kのユーザ(保持者)の保有不動産に関する情報(例えば、不動産の種類、所在地、広さ、建物であれば築年数など)を取得し、取得した保有不動産に関する情報を随時あるいは定期的にコアアプリケーション処理部1011に受け渡す。当該ユーザの保有不動産の情報は、例えば、不動産管理アプリケーション処理部1017がユーザに問い合わせることによって取得される。あるいは、不動産管理アプリケーション処理部1016が、外部の不動産情報管理サーバ(
図1に示さず)にアクセスし、登録されている対象ユーザの不動産情報を取得するようにしてもよい。また、当該ユーザが自分の携帯端末10_kを操作して自分の不動産情報を更新できるようにしてもよい
【0025】
人事情報管理アプリケーション処理部1018は、コアアプリケーション処理部1011と連携して動作するように構成されており、携帯端末10_kのユーザ(保持者)の人事情報(例えば、年齢、学歴、職歴、年収、職業など)を取得し、取得した人事情報を随時あるいは定期的にコアアプリケーション処理部1011に受け渡す。当該ユーザの人事情報は、例えば、人事情報管理アプリケーション処理部1018が当該ユーザに定期的に(例えば1年に1回)問い合わせることによって取得される。また、当該ユーザが自分の携帯端末10_kを操作して自分の人事情報を更新できるようにしてもよい。
【0026】
地図アプリケーション処理部1019は、GPS機能およびコアアプリケーション処理部1011と連携して動作するように構成されており、GPS機能を利用することにより携帯端末10_kのユーザ(保持者)の移動情報(例えば、移動日時、移動経路、滞在場所、滞在時間、移動時間など)を取得し、取得した移動情報を随時あるいは定期的にコアアプリケーション処理部1011に受け渡すとともに、これら移動情報に基づきユーザ(保持者)の居住区域を推定し、当該推定居住区域の生活地域関連情報を取得し、コアアプリケーション処理部1011に受け渡す。
【0027】
以上のように、携帯端末10_1〜10_nは、各種処理部1011〜1019を備えているが、コアアプリケーション処理部1011以外は、これら各種処理部の全てを備えている必要はなく、またこれらの処理部に限定して備えているものでもない。適宜、所定の処理部(所定のアプリケーションプログラム)を携帯端末10_1〜10_nにインストールして用いてもよい。新たにインストールされたアプリケーションプログラムによって取得された情報は、当該ユーザの個人格付け評点を算出する際に用いられるようにしてもよい。
【0028】
(ii)管理サーバ
管理サーバ20は、各ユーザと各業者との取引を可能にするサービスサイトを運営する会社(業者)のサーバコンピュータである。
図3に示されるように、管理サーバ20は、インストールされた各種プログラムを実行するプロセッサ201と、各種プログラムや各種パラメータを格納するメモリ202と、演算結果や取得情報を格納する記憶デバイス203と、キーボード、タッチパネル、各種ボタンやマイクなどで構成される入力デバイス(これらのうち1つのデバイスであってもよいし、複数種類の入力デバイスが含まれていてもよい)204と、表示デバイス、プリンタやスピーカなどで構成される出力デバイス(これらのうち1つのデバイスであってもよいし、複数種類の出力デバイスが含まれていてもよい)205と、ネットワーク100に接続して携帯端末10_1〜10_n、融資提供業者1からnのサーバ30_1〜30_n、ネット販売業者1からnのサーバ40_1〜40_n、サービス提供AからXの提供業者1からnのサーバ50_1〜50_n、60_1〜60_n、および広告配信業者1からnのサーバ70_1〜70_n等の外部装置と通信するための通信デバイス206と、を備えている。
【0029】
プロセッサ201は、メモリ202から各種プログラムを読み込み、当該プログラムを内蔵メモリ(図示せず)に展開して適宜実行する。
図3には、各種プログラムがプロセッサ201の内蔵メモリに展開された状態が示されている。プロセッサ201は、プログラムとしての、取引処理部2011と、ユーザ情報管理部2012と、加盟業者情報管理部2013と、を実行する。
【0030】
取引処理部2011は、例えば、携帯端末10_1〜10_nと、各融資業者のサーバ30_1〜30_n、各ネット通販業者のサーバ40_1〜40_nやサービスAからX提供業者のサーバ50_〜50_nおよび60_1〜60_nとの間の各種取引のオファー提示や取引を取りまとめるための処理を実行する。取引処理部2011の動作の詳細については後述する(
図7参照)。
【0031】
ユーザ情報管理部2012は、各ユーザの携帯端末10_1〜10_nから当該携帯端末を特定する情報及び個人格付け評点を受信し、各ユーザに割り振ったユーザIDと関連付けた携帯端末特定情報及び個人格付け評点の情報を記憶デバイス203に格納する。又、ユーザ情報管理部2012は、管理サーバ20に各ユーザのみが閲覧できる専用のページ(マイページ)を生成し、各種サービス提供業者のオファー内容を掲示する。ユーザ情報管理部2012の動作の詳細についても後述する(
図7)。
【0032】
加盟業者情報管理部2013は、融資提供業者1からn、ネット販売業者1からn、広告配信業者1からnやサービス提供AからXの提供業者1からnの情報(例えば、業者の所在地、連絡先、代表者、取り扱いサービスや商品等の業務内容、業務形態など)および各ユーザに対する各業者のオファー内容を取得し、各業者の識別IDとともに記憶デバイス203に格納する。又、加盟業者情報管理部2013は、管理サーバ20に上記の各業者のみが作業・閲覧できる専用のページ(業者専用ページ)を生成し、各ユーザの個人格付け評点を掲示する。そして、加盟業者情報管理部2013は、必要に応じて、記憶デバイス203から所望の業者の情報を読み込んで、取引処理部2011に送信する。
【0033】
(iii)融資提供業者のサーバ
融資提供業者1からnのサーバ30_1〜30_nは、個人格付け評点がサービスサイトの業者専用ページに開示された各ユーザに対する融資サービスを提供する業者のサーバであり、インストールされた各種プログラムを実行するプロセッサ301と、各種プログラムや各種パラメータを格納するメモリ302と、演算結果や取得情報を格納する記憶デバイス303と、キーボード、タッチパネル、各種ボタンやマイクなどで構成される入力デバイス(これらのうち1つのデバイスであってもよいし、複数種類の入力デバイスが含まれていてもよい)304と、表示デバイス、プリンタやスピーカなどで構成される出力デバイス(これらのうち1つのデバイスであってもよいし、複数種類の出力デバイスが含まれていてもよい)305と、ネットワーク100に接続して携帯端末10_1〜10_nや管理サーバ20等の外部装置と通信するための通信デバイス306と、を備えている。
【0034】
プロセッサ301は、メモリ302から各種プログラムを読み込み、当該プログラムを内蔵メモリ(図示せず)に展開して適宜実行する。
図4には、各種プログラムがプロセッサ301の内蔵メモリに展開された状態が示されている。プロセッサ301は、プログラムとしての、融資条件決定部3011と、オファー提示部3012と、契約管理部3013と、を実行する。
【0035】
融資条件決定部3011は、管理サーバ20が提供する各ユーザの個人格付け評点の情報を取得し、対象のユーザに対する融資条件を決定する。例えば、個人格付け評点に対応する融資条件の情報(パラメータ)がメモリ302や記憶デバイス303に予め格納されており、融資条件決定部3011は、管理サーバ20から取得した対象のユーザの個人格付け評点に対応する融資条件の情報を読み込む。そして、例えば、当該融資提供業者の担当者が読み込まれた融資条件を最終確認し、問題なければ最終決定の指示が融資条件決定部3011に入力され、融資条件決定部3011は、当該融資条件の情報をオファー提示部3012に受け渡す。
【0036】
オファー提示部3012は、融資条件決定部3011から取得した融資条件の情報と対象のユーザIDとをまとめ、当該ユーザIDとそのユーザにオファーする融資条件の情報とを、通信デバイス306を用いて管理サーバ20に送信する。
【0037】
契約管理部3013は、当該ユーザとの契約締結を確認後、当該ユーザの携帯端末10_k内のコアアカウントに契約融資金額を振り込む。契約管理部3013は、契約済(融資済み)のユーザのIDと連携した携帯端末、すなわち当該ユーザの携帯端末10_kを特定する情報を管理サーバ20から取得し、当該携帯端末10_kのユーザが契約している通信会社kのサーバ90_kにアクセスし、当該ユーザの通信料金の引き落とし口座の情報を取得し、記憶デバイス303にユーザIDに対応させて格納する。また、契約管理部3013は、融資条件のオファーをしたユーザが期限間近あるいは期限徒過しても契約を行っていない場合(管理サーバ20が提供するサービスサイト上で融資を受ける旨あるいは拒否する旨の意思表示をしていない場合)には、意思表示をするようにユーザにリマインドすることを管理サーバ20に対してリクエストする。
【0038】
なお、ここではパラメータなどを用いて自動的に融資条件を決定するようにしているが、融資業者の担当者が個人格付け評点に基づいて人的に決定した融資条件を金融業者のサーバを介して管理サーバ20に送信するようにしてもよい。
【0039】
(iv)ネット通販業者およびサービス提供業者のサーバ
ネット通販業者1からnのサーバ40_1〜40_nは、各ユーザの個人格付け評点に基づいて、各ユーザにオファーする商品群(個人格付け評点から判断して対象のユーザに最適と思われる商品群)を決定し、当該オファーをサービスサイトのマイページに提示し、ユーザによる購買を促すものである。また、他のサービス提供AからXの提供業者1からnのサーバ50_1〜50_nおよび60_1〜60_nは、各ユーザの個人格付け評点に基づいて、各ユーザにオファーするサービス(個人格付け評点から判断して対象のユーザに最適と思われるサービス)を決定し、当該オファーをサービスサイトのマイページに提示し、ユーザによる契約を促すものである。広告配信業者1からnのサーバ70_1〜70_nは、管理サーバ20が提供するサービスサイトの業者専用ページにアップされている各ユーザの個人格付け評点に基づいて、最適と思われる広告をサービスサイトのマイページに掲載するように管理サーバ20にリクエストする。なお、サービスサイトの業者専用ページには当該ユーザの個人情報は掲載されていないが、当該ユーザの生活圏情報、健康情報、経済与信情報や人事情報等が評点として掲載されているため、広告配信業者1からnにとって相当の広告価値を持つと考えられる。
【0040】
ネット通販業者、他の各種サービス提供業者及び広告配信業者のサーバ40_1〜40_n、50_1〜50_n、60_1〜60_n、および70_1〜70_nは、インストールされた各種プログラムを実行するプロセッサ401と、各種プログラムや各種パラメータを格納するメモリ402と、演算結果や取得情報を格納する記憶デバイス403と、キーボード、タッチパネル、各種ボタンやマイクなどで構成される入力デバイス(これらのうち1つのデバイスであってもよいし、複数種類の入力デバイスが含まれていてもよい)404と、表示デバイス、プリンタやスピーカなどで構成される出力デバイス(これらのうち1つのデバイスであってもよいし、複数種類の出力デバイスが含まれていてもよい)405と、ネットワーク100に接続して携帯端末10_1〜10_nや管理サーバ20等の外部装置と通信するための通信デバイス406と、を備えている。
【0041】
プロセッサ401は、メモリ402から各種プログラムを読み込み、当該プログラムを内蔵メモリ(図示せず)に展開して適宜実行する。
図5には、各種プログラムがプロセッサ401の内蔵メモリに展開された状態が示されている。プロセッサ401は、プログラムとしての、商品・サービス決定部4011と、オファー提示部4012と、購入・契約情報管理部4013と、を実行する。
【0042】
商品・サービス決定部4011は、管理サーバ20が提供する各ユーザの個人格付け評点の情報を取得し、対象のユーザに対する商品(群)やサービス(群)を決定する。商品・サービス決定部4011は、管理サーバ20から取得した対象のユーザの個人格付け評点に対応する商品群やサービス群の情報を読み込み、例えば、当該ネット通販業者あるいはサービス提供業者の担当者が読み込まれた商品群やサービス群を最終確認し、問題なければ最終決定の指示が商品・サービス決定部4011に入力され、商品・サービス決定部4011は、当該商品群あるいはサービス群の情報をオファー提示部4012に受け渡す。
【0043】
オファー提示部4012は、商品・サービス決定部4011から取得した各ユーザにオファーすべき商品群あるいはサービス群の情報と対象のユーザIDとをまとめ、当該ユーザIDとそのユーザにオファーする商品群あるいはサービス群の情報とを、通信デバイス406を用いて管理サーバ20に送信する。
【0044】
購入情報管理部4013は、当該ユーザとの契約締結を確認後、契約済みユーザのIDと連携した携帯端末、すなわち当該ユーザの携帯端末10_kを特定する情報を管理サーバ20から取得し、当該ユーザが当該携帯端末について契約している通信会社のサーバ80_kにアクセスし、当該ユーザの通信料金の引き落とし口座の情報を取得し、記憶デバイス403にユーザIDに対応させて格納する。また、購入情報管理部4013は、商品やサービスのオファーの対象のユーザが設定された期限間近になっても購入の有無についての意思表示を行っていない場合(管理サーバ20が提供するサービスサイト上で商品・サービス購入をする旨あるいは拒否する旨の意思表示をしていない場合)には、意思表示をするようにユーザにリマインドすることを管理サーバ20に対してリクエストする。
【0045】
<ユーザの携帯端末上での処理内容>
図6は、各ユーザの携帯端末10_1〜10_nにおいて実行されるコアアプリケーションの動作を説明するためのフローチャートである。本明細書では、各ステップ(ステップ601以外)の動作主体がコアアプリケーション処理部1011であるとしてコアアプリケーションの動作を説明するが、コアアプリケーション処理部1011はプロセッサ101によって実行されるため、プロセッサ101を動作主体としてもよい。
【0046】
(i)ステップ601
ユーザの操作に従って、プロセッサ101は、通信デバイス106を用いて管理サーバ20又は外部の適当なサーバにアクセスし、管理サーバ20が提供するサービスサイトにおける各種サービスを受けるためのコアアプリケーションを携帯端末10_kにダウンロードしてメモリ102に格納する。そして、プロセッサ101は、例えば、メモリ102からコアアプリケーションを読み込み、内蔵メモリ上に展開してコアアプリケーション処理部1011を生成するとともに、記憶デバイス103内にコアアカウントを生成する。
【0047】
コアアプリケーション処理部1011は、当該ユーザの各種情報を収集し、それら各種情報をもとに当該ユーザの個人格付け評点を算出するアプリケーションである。
【0048】
コアアカウントは、コアアプリケーション処理部1011の指示により、携帯端末10_kを使用して、例えば電子決済や電子マネー等の方法を通じ、当該携帯端末にて直接の入出金を可能にする当該携帯端末に関連付けられた口座のことである。さらに、コアアカウントは、コアアプリケーション処理部1011により当該携帯端末の契約する通信料金支払いの口座及びユーザが所有(契約)する金融機関やクレジット会社の口座とも関連づけられ、ユーザが携帯端末10_kを使用して実店舗あるいはネット上で入出金する都度、並びにユーザが当該携帯端末10_kの使用にかかわらず当該携帯端末の契約する通信料金支払いの口座及びユーザが所有(契約する)金融機関やクレジット会社の口座に入出金が発生する都度、それら入出金情報を随時又は定期的にコアアプリケーション処理部1011を通じ取得し、コアアカウントの中に格納する。
【0049】
また、プロセッサ101は、メモリ102からコアアプリケーションを読み込み、内蔵メモリ上に展開して、その他の各種アプリケーション処理部1012から1019を生成し、当該各種アプリケーション処理部と関連付けられた記憶領域(特定情報格納領域)をコアアカウントと関連付けて記憶デバイス103内に設定し、これら各種アプリケーション処理部が取得した各種情報を格納する。
【0050】
(ii)ステップ602
コアアプリケーション処理部1011は、自動的に又はユーザの指示に従って、ユーザが使用する携帯端末10_kについて契約する通信会社1からnのサーバ90_1〜90_n及び当該ユーザが契約する少なくとも1つの金融業者(契約金融業者)1からnのサーバ80_1から80_nにアクセスし、当該ユーザのこれら通信料金支払い口座及び金融口座とコアアカウントとのリンクを設定する。ここで、「リンク」とは、これら口座における出納情報を自動的に取得できるように関連付けること、及びコアアカウントとこれら口座間の振込み(入出金)が実施できることをいう。例えば、リンクが設定された口座に対して金銭の出し入れが対象のユーザによって行われた場合、あるいは第三者によって金銭が振込みされたり、引落しが行われたりした場合には、逐一その金銭の入出金の情報が当該ユーザの携帯端末10_kに送られ、コアアプリケーション処理部1011によりコアアカウントに格納(記入)される。また、ユーザの指示に基づき、コアアプリケーション処理部1011によりリンクが設定された口座からコアアカウントへの振込み又はコアアカウントからリンクが設定された口座への振込みがなされた場合にも、逐一その金銭の入出金の情報が、コアアプリケーション処理部1011によりコアアカウントに格納される。
【0051】
(iii)ステップ603
コアアプリケーション処理部1011は、コアアプリケーション処理部1011と、当該携帯端末10_kにコアアプリケーションにより生成されたネット通販アプリケーション処理部1012、運動記録アプリケーション処理部1013、SNSアプリケーション処理部1014、ヘルスケアアプリケーション処理部1015、お薬手帳アプリケーション処理部1016、不動産管理アプリケーション処理部1017、人事情報管理アプリケーション処理部1018、および地図アプリケーション処理部1019(以下、各種アプリケーション処理部1012〜1019と称する場合がある)とが連携して動作するようにこれらを相互に関連付ける。つまり、コアアプリケーション処理部1011は、各種アプリケーション処理部1012〜1019が取得した情報を随時あるいは定期的にコアアプリケーション処理部1011に受け渡すように各種アプリケーション処理部1012〜1019の動作を制御する。ここで、「連携して動作する」とは、一方の動作がもう一方の動作をトリガーすることを意味する。例えば、コアアプリケーション処理部1011が各種アプリケーション処理部1012〜1019から情報を取得すると、例えば記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントに当該取得した情報を格納する。
【0052】
(iv)ステップ604
コアアプリケーション処理部1011は、当該携帯端末10_kの各種アプリケーション処理部1012〜1019から当該ユーザ(携帯端末10_kの保持者)の各種情報を取得し、記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントに格納する。コアアプリケーション処理部1011は、各種アプリケーション処理部1012〜1019と随時あるいは定期的に連携を取り、各種情報を取得する。
【0053】
例えば、ネット販売アプリケーション処理部1012は、当該携帯端末に搭載済みのネット販売に関するアプリケーションにアクセスし、当該携帯端末10_kを使用した際の当該ユーザのネットショップでの商品購買情報(購入商品の種類、金額、日時、購入店舗情報など)を取得し、当該情報を記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントにネット販売アプリケーション処理部1012と関連付けて格納する。コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントから当該情報を取得する。
【0054】
運動記録アプリケーション処理部1013は、当該ユーザによる運動の記録を取得し、当該情報を記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントに運動記録アプリケーション処理部1013と関連付けて格納する。コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントから当該情報を取得する。上述したように、運動記録アプリケーション処理部1013は、当該ユーザが携帯端末10_kを携帯して運動することを前提として、携帯端末10_kに設けられた各種センサー(例えば、加速度センサー、振動センサー、脈拍センサー、方位センサーやジャイロセンサー等)によって計測されたデータを取得し、計測データから運動量を算出(推定)し、これを運動記録するようにしてもよい。また、携帯端末10_kに設けられたスケジューラに当該ユーザの運動の予定や日記などから運動の種類と運動時間の情報を取得して運動量を推定してもよい。
【0055】
SNSアプリケーション処理部1014は、当該携帯端末に搭載済みのSNS(Social Networking Service)に関するアプリケーションにアクセスし、当該携帯端末10_kを使用した際の当該ユーザのSNSにおける交友状況に関する情報(例えば、SNS使用頻度、友人数、参加コミュニティーの情報など)を取得し、当該情報を記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントにSNSアプリケーション処理部1014と関連付けて格納する。コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントから当該情報を取得する。
【0056】
ヘルスケアアプリケーション処理部1015は、当該携帯端末に搭載済みのヘルスケアに関するアプリケーションにアクセスし、当該携帯端末10_kを使用した際の当該ユーザのヘルスケアに関する情報(例えば、ユーザの体重、心拍・脈拍、健康診断結果など)を取得し、当該情報を記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントにヘルスケアアプリケーション処理部1015と関連付けて格納する。コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントから当該情報を取得する。ユーザの心拍・脈拍の情報は、例えば、携帯端末10_kに設けられた脈拍センサーによって取得される。また、ユーザの体重や健康診断結果の情報は、例えば、ヘルスケアアプリケーション処理部1015が定期的にユーザに問い合わせることによって取得されたり(ユーザが入力)、あるいは、ヘルスケアアプリケーション処理部1015が、外部のヘルスケア情報管理サーバ(
図1に示さず)にアクセスし、登録されている対象ユーザのヘルスケアに関する情報の少なくとも一部が取得されたりするようにしてもよい。
【0057】
お薬手帳アプリケーション処理部1016は、当該携帯端末に搭載済みの服薬に関するアプリケーションにアクセスし、当該携帯端末10_kを使用した際の当該ユーザの服薬状況に関する情報(例えば、薬の種類、服薬頻度、当該薬の効用など)を取得し、当該情報を記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントにお薬手帳アプリケーション処理部1016と関連付けて格納する。コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントから当該情報を取得する。例えば、お薬手帳アプリケーション処理部1016が外部の服薬データ管理サーバ(
図1に示さず)にアクセスして情報を取得したり、ユーザが薬局で薬を購入した際に携帯端末10_kに購入した薬の情報を自ら入力し、その情報をお薬手帳アプリケーション処理部1016が読み出すようにしてもよい。また、ユーザが物販として薬を購入した場合に、お薬手帳アプリケーション処理部1016がネット通販アプリケーション処理部1012と通信し、購入した薬の情報を取得して管理するようにしてもよい。
【0058】
不動産管理アプリケーション処理部1017は、当該ユーザの保有不動産に関する情報(例えば、不動産の種類、所在地、広さ、建物であれば築年数など)を取得し、当該情報を記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントに不動産管理アプリケーション処理部1017と関連付けて格納する。コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントから当該情報を取得する。ユーザの保有不動産の情報は、例えば、不動産管理アプリケーション処理部1017がユーザに問い合わせることによって取得したり(ユーザが入力)、あるいは、不動産管理アプリケーション処理部1017が、外部の不動産情報管理サーバ(
図1に示さず)にアクセスし、登録されている対象ユーザの不動産情報を取得するようにしてもよい。
【0059】
人事情報管理アプリケーション処理部1018は、当該ユーザの人事情報(例えば、年齢、学歴、職歴、年収、職業など)を取得し、当該情報を記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントに人事情報管理アプリケーション処理部1018と関連付けて格納する。コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントから当該情報を取得する。ユーザの人事情報は、例えば、人事情報管理アプリケーション処理部1018がユーザに定期的に(例えば1年に1回)問い合わせることによって取得したり(ユーザが入力)、ユーザが自分の携帯端末10_kを操作して随時入力することによって取得してもよい。
【0060】
地図アプリケーション処理部1019は、携帯端末10_kに備えられているGPS機能を利用することにより、当該ユーザの移動情報(例えば、移動日時、移動経路、滞在場所、移動時間など)を取得し、当該情報を記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントに地図アプリケーション処理部1019と関連付けて格納する。コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントから当該情報を取得する。さらに、地図アプリケーション処理部1019は、これらの移動情報に基づき、当該ユーザの居住区域を推定し、推定した当該推定居住区に基づき、外部の情報提供サーバ(
図1に示さず)にアクセスし、当該推定居住区の地価、区域内学校の偏差値等生活領域の価値に関する情報を取得し、当該情報を記憶デバイス103内に設定されたコアアカウントに地図アプリケーション処理部1019と関連付けて格納する。コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントから当該情報を取得する。
【0061】
(v)ステップ605
コアアプリケーション処理部1011は、当該ユーザが使用する携帯端末10_kについて契約する通信会社の料金引き落とし口座並びに当該ユーザが使用(契約)する金融(銀行)口座における出納(入出金)情報(残高情報含む)及び当該ユーザが契約するクレジットカードの消費情報(カードの使用日時、金額、使用場所など)を、当該通信会社のサーバ90_1〜90_n並びに当該契約金融業者のサーバ及びクレジットカード会社のサーバ80_1〜80_nにアクセスして取得し、携帯端末10_kに設定されたコアアカウントに格納する。なお、本実施形態では、コアアカウントは、携帯端末10_kの記憶デバイス103内に設定しているが、遠隔的に設けられたストレージサーバの当該ユーザ専用の記憶領域(例えば、クラウドサービス)に設定するようにしてもよい。
【0062】
(vi)ステップ606
コアアプリケーション処理部1011は、当該ユーザが携帯端末10_kを用いて、実店舗あるいはネット上でコアアカウントから直接入出金する場合、および/あるいは、ユーザの指示に基づいて、リンクが設定された口座からコアアカウントへの振込み又はコアアカウントからリンクが設定された口座への振込みがなされる場合に、随時又は自動的にその入出金に関連する取引の情報を当該携帯端末のコアアカウントに格納する。
【0063】
(vii)ステップ607
コアアプリケーション処理部1011は、コアアカウントから当該ユーザの入出金情報や消費情報等を取得し、並びに各種アプリケーション処理部と関連付けられたコアアカウントの当該情報格納領域から上記各種情報を取得する。コアアプリケーション処理部1011は、これらの取得した情報に基づき、当該ユーザの個人格付けに関する評価値(個人格付け評点)を算出する。個人格付け評点は、携帯端末10_kのユーザの経済的信用度や生活条件などを点数で表す情報である。評点方法は、予め決められているものが用いられる。既知の評点方法を用いても良い。例えば、金融機関の与信判断に必要な項目によるスコアリングリストに構成したり、当該ユーザの収入を額に応じて分類して評点したり、移動情報から推定された生活領域の自治体の財政情報や学校分布から評点したりすることができる。詳細には、例えば、口座の残高額が多ければ多い程高得点が付与され(階段状に評点は変化する)、入出金がバランスよく定期的に行われていれば高得点が付与される。また、ヘルスケア情報や服薬情報に基づいて当該ユーザの健康状態が判断され、健康状態が良ければ高得点が付与される(例えば、血圧値が正常であれば10点、高めの場合には0点、糖尿病を罹患している場合には−10点など)。上記のような当該ユーザの口座出納・残高等金融情報、消費情報、交共情報、移動情報、運動情報、服薬情報、ヘルスケア情報、保有不動産情報、人事情報等を各カテゴリーの情報と称し、各カテゴリーにおいてユーザの状況に応じて割り当てられる評価点が予め決められており、カテゴリーごとに得られる評価点を積算することにより、最終的な個人格付け評点が算出される。コアアプリケーション処理部1011は、各カテゴリーに重み付けを与え、各カテゴリーの評価点を積算する際カテゴリーごとの評価点を増減して調整しても良い。例えば、金融情報の評価点は1.5倍で計算し、人事情報の評価点は0.8倍で計算し、それらの積算を個人格付け評点として算出することもできる。また、コアアプリケーション処理部1011は、自動的に取得されるカテゴリーの情報、例えば当該ユーザの口座出納・残高等金融情報、消費情報、移動情報、運動情報、服薬情報、ヘルスケア情報等に基づいて、当該ユーザが自ら入力するカテゴリーの情報、例えば健康診断情報、保有不動産情報、および人事情報の一部について、後者のカテゴリーの情報の真偽を判断し(例えば、自動的に取得される上記のカテゴリーの情報とユーザ自らが入力するカテゴリーの情報を比較し、両者間の情報内容における齟齬や矛盾が見出された場合、ユーザ自らが入力したカテゴリーの情報を偽と見なす)、偽と判断されたカテゴリーの情報は当該ユーザの個人格付け評点に加算しない(ゼロ評点とする)ことで、上述の算出された個人格付け評点を調整することができるように構成してもよい。
【0064】
評点の対象カテゴリーとそれぞれのカテゴリーのランク付け点数幅などの情報は一般に公開される。これにより、各ユーザの個人情報を開示することなく、各ユーザの経済的信用度や生活条件等に関する情報を管理サーバ20、延いては各商品・サービス提供業者に提供することができるようになる。
【0065】
(viii)ステップ608
コアアプリケーション処理部1011は、ステップ606で算出した当該ユーザの個人格付け評点と各カテゴリーごとの評価点(重み付けをする場合は重み付け調整後の評価点、以下同様))を、サービスサイト運営会社のサーバ(管理サーバ20)に送信する。本明細書で言及する個人格付け評点はすべてカテゴリーごとの評価点を含むものとし、個人格付け評点の開示の際、それに関連する各カテゴリーごとの評価点も同時に開示することもできるものとする。
【0066】
<管理サーバにおける処理の詳細>
図7は、管理サーバ20で実行される処理を説明するためのフローチャートである。本明細書では、各ステップの動作主体が取引処理部2011、ユーザ情報管理部2012や加盟業者情報管理部2013であるとして動作を説明するが、これらの処理部はプログラムとしてプロセッサ201によって実行されるため、プロセッサ201を動作主体としてもよい。
【0067】
(i)ステップ701
ユーザ情報管理部2012は、携帯端末10_1〜10_nから送られてきた各ユーザの当該携帯端末を特定する情報及び個人格付け評点を受信し、当該ユーザの識別IDを付与し、当該IDと携帯端末特定情報と個人格付け評点とを関連付けて記憶デバイス203に格納する。また、ユーザ情報管理部2012は、付与したIDを対応するユーザの携帯端末10_1〜10_nに送信する。携帯端末10_1〜10_nは、受信した識別IDを管理サーバ20が提供するサービスサイトで用いられるユーザIDとして記憶デバイス103やメモリ102に格納する。なお、ユーザの識別IDは、各ユーザに対して管理サーバ20がサービスサイトの使用許諾を行う際に発行するようにしてもよい。また、例えば、ユーザの識別IDを発行した段階で、ユーザの専用ページであるマイページを設定するようにしてもよい。
【0068】
(ii)ステップ702
ユーザ情報管理部2012は、例えば、管理サーバ20に各ユーザのみが閲覧できる専用のページ(マイページ)を生成する。
ユーザ情報管理部2012は、適宜割り当てたユーザの識別IDとそのユーザの個人格付け評点とをサービスサイトの後述の業者専用ページ上に公開する。このとき、ユーザの個人情報は一切公開されない。従って、業者専用ページにアクセスした各業者は、個人格付け評点のみに基づいて、各種サービスや商品をオファーすることになる。つまり、例えば、融資提供業者1からnは、当該個人格付け評点に基づいて、対応するユーザへの融資額を決定する。また、ネット販売業者1からnは、当該個人格付け評点に基づいて、取り扱う商品群のうち、対応するユーザに最適だと思われる商品群(少なくとも1つ)を決定する。さらに、サービスAからXの提供業者1からnは、当該個人格付け評点に基づいて、取り扱うサービス群(例えば、人間ドックなどの医療サービス、人材紹介サービス、各種レンタルサービス、代行サービス、ネット商材提供サービス等々)のうち、対応するユーザに最適だと思われるサービス群(少なくとも1つ)を決定する。さらに、広告配信業者1からnは、当該個人格付け評点に基づいて、対応するユーザに最適だ(興味がある)と思われる広告群(少なくとも1つ)を決定する。
なお、公開される各ユーザの個人格付け評点の画面については後述する(
図8参照)。
【0069】
(iii)ステップ703
加盟業者情報管理部2013は、融資提供業者1からn、ネット販売業者1からn、広告配信業者1からnやサービス提供AからXの提供業者1からnの情報(例えば、業者の所在地、連絡先、代表者、取り扱いサービスや商品等の業務内容、業務形態など)および各ユーザに対する各業者のオファー内容を取得し、各業者の識別IDとともに記憶デバイス203に格納する。また、加盟業者情報管理部2013は、管理サーバ20に上記の各業者のみが閲覧できる専用のページ(業者専用ページ)を生成し、その上に各ユーザの個人格付け評点を掲示できるようにする。そして、加盟業者情報管理部2013は、必要に応じて、記憶デバイス203から所望の業者の情報を読み込んで、取引処理部2011に送信する。
【0070】
(iv)ステップ704
取引処理部2011は、融資提供業者1からnのサーバ30_1〜30_n、ネット販売業者1からnのサーバ40_1〜40_n、サービスAからXの提供業者1からnのサーバ50_1〜50_nおよび60_1〜60_n、並びに広告配信業者1からnのサーバ70_1〜70_nから、各業者が対象のユーザについて決定したオファーを受信する。そして、取引処理部2011は、サービスサイト上の対応するユーザのマイページに、当該ユーザに関して受信した各業者からのオファーを掲載する。
【0071】
(v)ステップ705
取引処理部2011は、各種業者からオファーがあったことを対象のユーザの携帯端末10_1〜10_nに通知する。当該通知を受けたユーザは、携帯端末10_kを用いて、サービスサイトのマイページにアクセスし、各種業者からのオファーを確認し、当該オファーを受けるか拒否するか決定する。決定は、携帯端末10_kから管理サーバ20に送信される。
【0072】
(vi)ステップ706
取引処理部2011は、ユーザの携帯端末10_1〜10_kから、各業者からのオファーに対する対象のユーザの回答を受信する。
【0073】
(vii)ステップ707
取引処理部2011は、オファーに対する対象のユーザの回答が入力されたことを、関係する各業者のサーバに通知する。ユーザの回答がオファー拒否である場合には、ここで処理は終了する。ユーザの回答が承認である場合にのみ処理はステップ707に移行する。
【0074】
(viii)ステップ708
取引処理部2011は、対象のユーザの携帯端末と対象の業者のサーバに対して、契約フォーム記入リクエストを送信し、商品あるいはサービスの売買契約に必要な情報をサービスサイト上のフォーム(契約専用ページ:例えば、ユーザの回答が承認である場合には、対象のユーザと対象の業者に対して、契約専用ページのアクセス権を与える)に記入することを促す。
【0075】
当該ユーザは自分の携帯端末を介して、当該業者は自身のサーバを介して、サービスサイト上の契約フォームに必要な情報を入力する。必要な情報を入力すると、当該ユーザおよび当該業者は、フォーム上に完了したことを示すチェックマークを入力する。所定期間が経過してもチェックマークが入力されていない場合には、取引処理部2011は、ユーザの携帯端末および/あるいは業者のサーバに契約フォームに必要情報を入力するようにリクエスト(リマインド通知)する。
【0076】
ユーザが入力する必要情報は契約条項の確認と締結の確認などに極力制限する。契約履行に必要なユーザ情報はすでに付与した識別IDにて特定された携帯端末情報があればそれに紐付けられた当該ユーザの通信料金の引き落とし口座情報にて充足されるため、当該業者は、契約締結後に、自身のサーバから管理サーバ20にアクセスし当該ユーザの携帯端末情報を取得し、さらに当該ユーザが当該携帯端末につき契約している通信会社のサーバにアクセスして当該ユーザの通信料金の引き落とし口座情報等契約履行に必要となる最少のユーザ情報を取得する。また、この契約フォームに入力する段階では、当該ユーザは自分の情報しか見ることができず、当該業者も自分の情報しか見ることができない。従って、ユーザの個人情報が当該業者に開示されない段階で契約締結を行うことができる。
【0077】
(ix)ステップ709
取引処理部2011は、対象のユーザおよび対象の業者によってそれぞれ入力された各契約フォームをチェックし、必要な全ての情報が入力されているか、および正しい情報が入力されているか判定する。正しい情報が入力されているか否かは、例えば、別のタイミングかつ別の方法で当該ユーザおよび当該業者からそれぞれ取得した情報(ユーザの場合、少なくとも当該携帯端末の確認情報と通信料金の引き落とし口座の一致;業者の場合、少なくとも免許番号や登記情報など)と契約フォームに入力された情報とを照合することによって判断される。
【0078】
(x)ステップ710
(x-1)ユーザと金融業者との間で融資契約が締結された場合
例えば、取引処理部2011は、当該金融業者に融資金を当該ユーザのコアアカウントに振り込むように指示する。また、当該金融業者から融資金の振り込みが完了したこと、および当該ユーザから融資金を受領したことの確認が取れたら(例えば、両者から完了通知を受信した後)、取引処理部2011は、融資に対する担保として、当該ユーザの当該携帯端末を特定する情報を当該金融業者のサーバ30_kに送信し、当該金融業者をして当該ユーザが当該携帯端末について契約している通信会社のサーバ90_k(90_1〜90_nのいずれかのサーバ)にアクセスし、当該ユーザの通信料金の引き落とし口座の情報を取得させてもよい。
【0079】
別の形態として、管理サーバ20の取引処理部2011が当該金融業者からの融資金を一旦受け取り、確認してから当該ユーザのコアアカウントに送金するようにしてもよい。この場合、取引処理部2011は、当該金融業者のサーバから送られてきた融資金およびその関連情報(例えば、融資先の情報(融資先のユーザID、金額、契約日時))を受け取り、メモリ202や記憶デバイス203に格納する。そして、取引処理部2011は、メモリ202あるいは記憶デバイス203から融資金の関連情報を読み出し、融資金の金額が正しい(契約通りである)か否か確認する。金額が正しいと判断した場合、取引処理部2011は、当該携帯端末10_kに融資金を送金する。当該携帯端末10_kのコアアプリケーション処理部1011は、送金されてきた融資金の金額を記憶デバイス103に生成されているコアアカウントに格納する。
【0080】
なお、上述のように、コアアカウントに融資金を直接格納するようにしてもよいが、コアアカウント先の金融機関(当該ユーザが契約する金融機関)の口座や通信料金が引き落とされる当該ユーザの口座に送金するようにしてもよい。この場合、管理サーバ20の取引処理部2011が当該融資金の送金に関連する通信処理を管理することになる。
【0081】
(x-2)ユーザとネット販売業者との間で商品売買契約が締結された場合
取引処理部2011は、該当商品をユーザに発送し、発送証明書(例えば、宅配業者の伝票の画像など)を管理サーバ20に送信するように当該ネット販売業者に指示する。そして、商品発送完了の確認がサービスサイトの担当者によってなされると、取引処理部2011は、商品代金支払いの担保として、当該ユーザの当該携帯端末を特定する情報を当該ネット販売業者のサーバ40_kに送信し、当該ネット販売業者をして当該ユーザが当該携帯端末について契約している通信会社のサーバにアクセスし、当該ユーザの通信料金の引き落とし口座情報(商品届け出先住所を含む)を取得させてもよい。
【0082】
(x-3)ユーザとサービスAからXの提供業者との間でサービス提供契約(売買契約)が締結された場合
取引処理部2011は、当該サービスAからXの提供業者に該当サービスの使用権を証明するデータ(例えば、会員証の画像やデータ、あるいは会員番号やアクセスパスワードなど)をユーザの携帯端末10_kに発送するように指示する。そして、当該書類の発送完了がサービスサイトの担当者によってなされると(例えば、ユーザから完了通知を受信した後)、取引処理部2011は、契約サービス代金支払いの担保として、当該ユーザの当該携帯端末を特定する情報を当該サービス提供業者のサーバ50_kに送信し、当該サービス提供業者をして当該ユーザが当該携帯端末につき契約している通信会社のサーバにアクセスし、当該ユーザの通信料金の引き落とし口座情報を取得させてもよい。
【0083】
<ユーザの個人格付け評点表の構成例>
図8は、サービスサイトの業者専用ページにおいて各業者に公開される各ユーザの個人格付け評点表800の構成例を示す図である。
【0084】
管理サーバ20は、各ユーザの携帯端末10_1〜10_nから各ユーザの個人格付け評点およびその更新情報を随時あるいは定期的に受信し、サービスサイトに設けられた業者専用ページに書き込む。新規ユーザの場合、ユーザ情報管理部2012は、
図8の表において当該新規ユーザの欄を追加し、個人格付け評点を入力する。また、既存ユーザの更新された個人格付け評点を受信した場合、ユーザ情報管理部2012は、該当する項目の点数を更新する。
【0085】
個人格付け評点表800は、ユーザを特定・識別するためのユーザID(ユーザ識別情報)801と、全ての項目を総合的に考慮して算出された総合評点802と、対象ユーザの収入情報(入金情報を含む)や出金情報に基づいて算出された収支評点803と、収支評点が所定期間経過後にどの程度変化(増減)したかを示す収支評点変化率804と、対象ユーザが保有する資産(例えば、動産、不動産、有価証券など)の評点805と、保有資産評点が所定期間経過後にどの程度変化(増減)したかを示す保有資産評点変化率806と、対象ユーザの移動情報に基づく推定居住区域の地価や区域内学校の偏差値等に基づく生活領域の価値を数値化する生活圏評点807と、生活圏評点が所定期間経過後にどの程度変化(増減)したかを示す生活圏評点変化率808と、を少なくとも構成項目として含む。個人格付け評点表800には省略してあるが、もちろん、消費状況、ヘルスケア、運動、交友、服薬、人事関係等の評点と評点変化率も含むことができる。
【0086】
上述のように、各業者は、自身のサーバを介してサービスサイトの業者専用ページにアクセスして
図8の個人格付け評点表800に掲載された各ユーザの個人格付け評点を見ることができる。そして、各業者は、特定のユーザに対するオファー(上述したような融資や商品・サービス提供)を生成し、サービスサイトにアップロードする。なお、融資に関しては、ユーザが融資を希望するか否かを示す情報(各ユーザは当該情報を随時管理サーバ20に送信することができる)を予め業者専用ページに掲載するようにし、これに基づいて金融業者がユーザ(融資希望者)に対するオファーを生成し、アップロードするようにしてもよい。
【0087】
<ユーザの閲覧ページの構成例>
図9は、各ユーザ(携帯端末10_1〜10_nの保持者)のみが閲覧することができるマイページの構成例を示す図である。マイページは、上述のように、ユーザがサービスサイトに加入した時点で、個別のユーザ毎に作成され割り当てられる。各ユーザは、他のユーザのマイページを閲覧することはできない。また、各業者も各ユーザのマイページを閲覧することはできない。
【0088】
マイページ900は、例えば、オファーされた融資関連の情報を表示するための融資関連情報表示領域901と、オファーされた商品やサービスの情報を表示するための物販・サービス関連情報表示領域902と、ユーザにお薦めの広告を表示するための広告関連情報表示領域903と、を含んでいる。
【0089】
融資関連情報表示領域901は、例えば、融資のオファーをする金融業者の名称あるいは識別情報を表示するための融資業者欄9011と、融資額欄9012と、融資期間を示すための期間欄9013と、年利欄(%)9014と、返済方法欄9015と、いつまでに融資(オファー)を受けるか否かを回答すべきかを示すための見積有効期間欄9016と、ユーザがオファーを受けるか否かを入力するためのラジオボタンが設けられた領域である承認欄9017と、によって構成される。例えば、見積有効期間9016で設定された期間の一週間前までにユーザによって承認欄9017への入力(YESまたはNO)がなされていない場合、管理サーバ20は、承認欄9017への入力を行うようにユーザの携帯端末10_kにリマインド通知を送るようにしてもよい。また、例えば、見積有効期間9016が徒過した場合、該当する融資のオファーが当該ユーザのマイページ900から自動的に消去されるようにしてもよい。
【0090】
物販・サービス関連情報表示領域902は、例えば、販売業者あるいはサービス提供業者の名称あるいは識別情報を示すための販売業者欄9021と、商品やサービスの内容を示すための商品・サービス欄9022と、商品やサービスの価格を示すための価格欄9023と、支払条件欄9024と、分割払い時の金利を示すための年利(%)欄9025と、いつまでに販売オファーを受けるか否かを回答すべきかを示すための見積有効期間欄9026と、商品やサービスに関連する画像を表示するための或いはそれに対するアクセス場所を示すための画像欄9027と、商品やサービスの詳細を示すページにアクセスするURLを示すための詳細URL欄9028と、ユーザがオファーを受けるか否かを入力するためのラジオボタンが設けられた領域である承認欄9029と、によって構成される。
【0091】
広告関連情報表示領域903は、例えば、広告業者が対象のユーザに最適であると判断して選別した商品やサービスを提供する会社の名称や識別情報を示すためのお薦め広告欄9031と、広告によって紹介される商品やサービスを示すための商品・サービス欄9032と、商品やサービスに関連する画像を表示するための或いはそれに対するアクセス場所を示すための画像欄9033と、商品やサービスの詳細を示すページにアクセスするURLを示すための詳細URL欄9034と、によって構成される。お薦め広告の場合、物販や融資等とは異なり、オファーではないため、見積有効期間は設定されない。ただし、広告の表示期間として1ヶ月など所定の期限が設定されるようにしてもよい。
【0092】
<まとめ>
(i)本実施形態は、特徴的な携帯端末の構成について開示する。携帯端末10_1〜10_nは、当該携帯端末上にコアアカウントを生成し、当該携帯端末を使った電子マネーや電子決済によるコアアカウントからの直接の入出金を実行し及びその出納情報をコアアカウントに格納し、並びにユーザが契約する金融業者(例えば、銀行)のサーバにアクセスし、当該ユーザの金融口座とコアアカウントとのリンクを設定し、ユーザの金融口座における出納情報を金融業者のサーバから定期的にあるいは随時取得し、コアアカウントに当該出納情報を格納する。そして、携帯端末10_1〜10_nは、少なくともこれらの出納情報に基づいて算出したユーザの個人格付け評点を、サービスサイトを運営するための管理サーバに送信する。個人格付け評点に基づいて各業者によってサービスが提供され、携帯端末10_1〜10_nは、提供されるサービスの情報を管理サーバにアクセスして取得する。このように、ユーザの情報として個人情報(個人を特定できる情報)は業者に一切公開されず、業者は個人情報とは全く関係ない個人格付け評点を閲覧できるだけなので、ユーザ(消費者)は安心して業者と商取引を行うことが可能となる。つまり、個人格付け評点は、個人情報を基にして算出された評価値であり、個人情報そのものではないので、それを見たり解析したりしても当該評点に対応する個人(ユーザ)を特定することができない。よって、ユーザにとってはそれを公開したとしても問題は生じない。
【0093】
個人格付け評点は、ユーザのコアアカウントの出納情報や金融口座における出納情報だけでなく、ユーザがショッピングアプリケーションを介して行った商品購入情報、運動記録アプリケーションによって記録されたユーザの運動記録情報、及びSNSアプリケーションが保持するユーザの交友状況に関する情報をさらに用いて算出されるようにしてもよい。その他、当該ユーザのヘルスケア情報(例えば、身長、体重、血圧、視力、既往歴、や持病などの情報を含む)、服薬情報、人事情報(例えば、年齢、学歴、職歴、年収など)、保有資産情報(例えば、動産、不動産、有価証券など)、移動情報(例えば、GPSによって取得した移動経路や滞在場所・時間など)、及び移動情報に基づき推定されるユーザの居住区域の生活領域に関する情報を用いて、個人格付け評点を算出するようにしてもよい。このように様々な種類の情報を用いて個人格付け評点を算出することにより、金融情報だけからは分からないユーザの特性を評点として表現することができ、より正確にユーザを格付けすることが可能となる。
【0094】
(ii)また、本実施形態は、特徴的なサービス提供システムの構成についても開示する。サービス提供システム1は、ユーザに様々なサービスを提供するサービスサイトを運営する会社の管理サーバ20と、上述のようなユーザの個人格付け評点を算出して管理サーバ20に送信する携帯端末10_1〜10_nと、ユーザに対するサービスや商品の提供のオファーを管理サーバ20にアップロードする各種業者サーバ(融資提供業者1からnのサーバ30_1〜30_n、ネット通販業者1からnのサーバ40_1〜40_n、サービスAの提供業者1からnのサーバ50_1〜50_n・・・サービスZの提供業者1からnのサーバ60_1〜60_n、広告配信業者1からnのサーバ70_1〜70_nなど)とによって構成される。当該システムにおいて、管理サーバ20は、サービスサイトにユーザの個人情報を公開せずにユーザの個人格付け評点を公開して、各業者サーバからの個人格付け評点へのアクセスを許可する。そして、各業者サーバは、管理サーバ20が作成するサービスサイトの業者専用ページにアクセスし、各ユーザの個人格付け評点を取得する。また、各業者は、取得した個人格付け評点に基づいてユーザに対して提供すべきサービスまたは商品の内容を決定し、各業者サーバを介して、当該サービスまたは商品の提供のオファーを管理サーバ20に送信する。このようにすることにより、各業者としても信頼の置ける個人格付け評点に基づいてサービスや商品の提供をオファーできるので、安心して取引することが可能となる。例えば、融資提供業者1からnからは個人格付け評点に応じた融資サービスのオファーが提供される。ネット通販業者1からnは、個人格付け評点に応じた商品群の紹介(オファーを含む)がなされる。サービスAからZの提供業者からは個人格付け評点に応じた内容のサービスAからZのオファーが提供される。広告配信業者1からnからは、個人格付け評点(例えば、評点に含まれる趣味趣向の評価値など)に応じた広告が選別されて提供される。なお、各業者によって個人格付け評点の評価方法は異なるため、オファーの内容は画一的ではなく異なっており、ユーザは、様々な内容のオファーを比較して一番好ましいと思われるオファーを選択することができる。
【0095】
管理サーバ20は、業者サーバからサービスまたは商品の提供のオファーがあった場合、対象ユーザの携帯端末10_kにある業者からオファーがあったこと通知する。通知の方法としては、例えば、管理サーバ20は、サービスサイトのユーザの専用のマイページにオファー内容を登録し、マイページの情報が更新されたことを当該ユーザの携帯端末10_kに知らせるという形態が考えられるが、この形態に限定はされない。そして、管理サーバ20は、ユーザと業者との間での契約締結(例えば、ユーザがマイページのラジオボタンを用いてオファーに対する承認を行う)を確認したら、当該ユーザへのサービスまたは商品の提供と引き換えに業者サーバにユーザの担保情報(例えば、当該ユーザが当該携帯端末について契約する通信会社によって通信料金が引き落とされるように設定された当該ユーザの通信料金の引き落とし口座の情報:当該業者サーバは、当該ユーザの通信料金引き落とし口座にアクセスし、サービスまたは商品の代金を引き落とすことができるようになる)を提供する。この段階で初めてユーザの個人情報が各業者(広告配信業者は除く)に開示されることになる。各業者としても最終的に担保情報を取得することができるので、取引の安全を保証することができるようになる。
【0096】
(iii)本実施形態の機能は、ソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本実施形態を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0097】
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータ上のメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータのCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。
【0098】
さらに、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することにより、それをシステム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納し、使用時にそのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしても良い。
【0099】
最後に、ここで述べたプロセス及び技術は本質的に如何なる特定の装置に関連することはなく、コンポーネントの如何なる相応しい組み合わせによってでも実装できることを理解する必要がある。更に、汎用目的の多様なタイプのデバイスがここで記述した教授に従って使用可能である。ここで述べた方法のステップを実行するのに、専用の装置を構築するのが有益であることが判るかもしれない。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。本実施形態は、具体例に関連して記述したが、これらは、すべての観点に於いて限定の為ではなく説明の為である。本分野にスキルのある者には、本実施形態を実施するのに相応しいハードウェア、ソフトウェア、及びファームウエアの多数の組み合わせがあることが解るであろう。例えば、記述したソフトウェアは、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0100】
さらに、上述の実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていても良い。
【0101】
なお、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上述の実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
本開示は、ユーザ(消費者)と業者との契約締結まで当該ユーザの個人情報を全く開示することなくユーザと業者との間の取引を可能にする技術を提供する。本開示によるサービス提供システムは、サービスサイトを提供する管理サーバと、ユーザの個人格付け評点を算出し、管理サーバに送信する携帯端末装置と、ユーザに提供すべき業者のサービスまたは商品の情報を管理サーバのサービスサイトにアップロードする業者サーバと、を備える。当該システムにおいて、管理サーバは、サービスサイトにユーザの個人情報を公開せず、ユーザの個人格付け評点を公開して、前記業者サーバからの前記個人格付け評点へのアクセスを許可する。また、業者サーバは、管理サーバにアクセスし、ユーザの個人格付け評点を取得し、当該個人格付け評点に基づいてユーザに対して提供すべきサービスまたは商品の内容を決定し、当該サービスまたは商品の提供のオファーを管理サーバに送信する(