【文献】
WANG C,CARBON DIOXIDE CAPTURE BY SUPERBASE−DERIVED PROTIC IONIC LIQUIDS,ANGEW CHEM INT ED,2010年 7月15日,V49 N34,P5978−5981
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記窒素塩基が、N−tert−ブチル−1、1,3−3−テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデク−7−エン(DBU)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の溶媒系。
前記相対酸性成分が、2,2,3,3,4,4,5,5‐オクタフルオロペンタノール(OFP)、2,2,3,3‐テトラフルオロプロパノール(TFP)、2,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロパノール(PFP)、2,2,3,3,4,4‐ヘキサフルオロブタノール(HFB)、2,2,2‐トリフルオロエタノール(TFE)、ノナフルオロ‐1‐ヘキサノール、4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ノナフルオロヘプタノール、1,1,3,3‐ヘキサフルオロ‐2‐フェニル‐2‐プロパノール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の溶媒系。
前記窒素塩基が、N−tert−ブチル−1、1,3−3−テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデク−7−エン(DBU)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のプロセス。
【背景技術】
【0002】
燃焼プロセスからの望ましくない排気物質の産生および/もしくは放出を最小限にするために、多様な方法が行われている。そのような方法の1つに、炭素燃焼プロセスの排気ガスなどのガス混合物から特定の酸性ガスを除去する技術の発展がある。大きな工業的発電所により要求されるような、大規模に使用されてきたプロセスが知られていないにも関わらず、ガス混合物からCO
2などの酸性ガスを分離することは、百年以上も、工業的に実行されてきた。CO
2の分離に使用される多くのプロセスは、BENFIELD
TMプロセス(UOP,LLC)の炭酸アルカリ、ECONAMINE FG PLUS
TMプロセス(Fluor Corporation)のアルコールアミン、およびRECTISOL(登録商標)プロセス(Lurgi、GMBH)のアルコール、ジオールおよびエーテル、およびSELEXOL
TM溶媒(The Dow Chemical Company)などの多様な溶媒を使用することに、主に焦点を当てている。典型的な溶媒系プロセスでは、処理されるガス混合物が、ガスストリーム(例えば、CO
2およびSO
2)内の成分と相互作用し、非酸性成分からそれらを分離する液体溶媒を通すものである。この液体は、酸性ガス成分を多く含むようになり、その後、追加的な酸性ガス除去のために再利用されるため、溶媒が異なる動作条件下で除去される。
【0003】
リッチソルベントから酸性ガス成分を除去する方法は、圧力および温度変化を含む。ガス混合物の温度および混合物中の酸性ガスの分圧により、ある溶媒は、特定の適用に好ましい。溶媒が、化学的吸着により作用する時、酸性ガスとの発熱化学反応が起こる。この反応の逆反応は、少なくとも、逆反応が適切である温度のリッチソルベントを引き起こし、適切な範囲にて逆反応を完了するための条件を維持する必要があるエネルギーを維持しないよう、正反応により生成されるリッチソルベントへ追加しなおすエネルギー量を要求する。リッチソルベントから精製された酸性ガスを得るために要求されるエネルギーは、精製された生成物の費用となる。特に、精製された酸性ガスの費用は、排気ガスから酸性ガスを除去するための化石燃料火力発電所の溶媒技術の適用にとって著しい障害となってきた。
【0004】
非水系溶媒は、天然ガスストリームからCO
2を除去し、再生のためにより少ないエネルギーを要求するよう使用されてきた。RECTISOL
TMおよびSELEXOL(登録商標)などの単一成分アルコール性物理吸着溶媒は、CO
2分離に商業的に利用可能であるが、湿気のあるところでは、排気ガスが大気圧に近く、湿度のある状態では、あまり作用しない。アルコールアミンおよびアミンは、反応機構および動態機構が文献で研究されてきた「ハイブリッド溶媒」を形成する多様な研究により、アルコール、ジオール、および環状カーボネートエステルと結合する。Alvarez‐Fuster, et al., Chem. Eng. Sci. 1981, 36, 1513; Ali, et al., Separation and Purification Technology 2000, 18, 163; Usubharatana, et al., Energy Procedia 2009, 1, 95; and Park, et al., Sep. Sci. Technol. 2005, 40, 1885.を参照のこと。加えて、「位相移行吸着方法」として知られているプロセスは、ガス混合物の非酸処理に関連する方法が開示されており、一般的に、水の「キャリア位相」内へ吸着した酸性ガスを移動に続き、窒素塩基およびアルコールからなる水よりも低密度の「吸着相」内への酸性ガスの吸着からなる。水のキャリア位相は、「再生装置」内で再生されることができる。このプロセスは、吸着相のみ吸着よりも早い割合で、酸性ガスを吸着することにより、また、吸着および再生のための単一カラム内の位相間の酸性ガスを移動する重力を利用することによって、分離再生装置へリッチ吸着相を吸い上げるために要求されるエネルギーを回避することにより、エネルギーを保存することが可能となる。
【0005】
イオン液体は、現在発展している別の非水系溶媒である。これらの溶液は、室温近くで液体状態である相補的なイオン対からなる。これらは、低再生必要条件を有するが、CO
2荷重、粘性、費用および特に重要である水による解重合を含む要素による作用での超過した含水アミン溶媒を有するものではない。水蒸気を含むガス混合物からCO
2を分離する非水系液体溶媒は、プロセス条件(例えば、圧力、温度、H
2O濃度)およびH
2Oの非水系溶媒の親和性に依存する、単相もしくは二相溶液のどちらかとしての液体溶液内のH
2Oの集積を引き起こすことができる。溶媒から水を連続的に除去する必要性のため、より多くのエネルギーが溶媒再生のために要求されるため、H
2Oの集積は、CO
2の分離および精製プロセスに有害である。
【0006】
CO
2溶媒に影響する多くの問題を起こすよう展開し得る別の非水系液体群は、室温にて転換可能なイオン性液体である。これらのアミジンもしくはグアニジン窒素塩基類およびアルコール類の等モル混合物は、室温イオン性液体を形成するためにCO
2と反応する非イオン性室温液体である。概して、等モル混合物の伝導率は、CO
2を加えた時、1桁もしくは2桁増加する。さらに重要なことに、これらの溶媒はいくつかの含水アミン類よりも高いCO
2荷電を有し、より穏やかな条件下で再生可能である。これらの溶媒が、代替的な技術を約束しているのに対し、以前に開示された技術は、概して、主要な排気ガスの成分である水の化学的性質により、排気ガスの適用にあまり好適ではない。CO
2は、脱プロトン化アルコール成分からの共役塩基に由来するアミジニウムおよびグアニジウムアルキル炭酸塩の形成を通して捕獲される。しかしながら、アルコールの共役塩基が、水よりも弱い酸である場合、酸‐塩基の平衡が、アルコール‐共役塩基および水の間に確立されており、水の脱プロトン化反応およびプロトン化したアルコールの再編成に有利に働く。水の共役塩基、水酸化物イオンは、炭酸水素アニオンを形成するCO
2と有利に反応し、アルキルカーボネートアニオンよりも逆向きのエネルギーを必要とする。
【0007】
従って、ガスストリーム(特に、水含有ガスストリーム)から酸性ガスを効果的に除去することができ、このような目的のために現在利用されている溶媒よりも低温度および低エネルギー荷電で再生可能である、新規の溶媒系を組み立てることは有効である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、これ以降の図とともにより完全に記述されているが、しかし、必ずしも本発明の全ての実施形態が示されてはいない。従って、これらの発明は、多くの異なる形体にて使用され得、本明細書に明らかにされている実施形態に制限するものではなく、むしろこれらの実施形態は、この開示が法的に適用可能な有効性を満たすものであるために、提供される。本明細書および請求項で使用されるように、単一の「a」、「an」および「the」は、明白に内容が他の意味を示していない限り、複数の参照対象を意味することを含むものである。
【0019】
本発明の実施態様の1つでは、液体溶媒系が提供される。溶媒系は、ガス混合物から酸性ガスを分離するために使用され得る。用語「酸性ガス」は、水と混合したときに、酸形成の結果としてのいずれかのガス成分を意味するよう意図される。制限するものではないが、本発明に用いられる酸性ガスの例は、CO
2、SO
2、CS
2およびCOSを含む。簡単に表現するために、本発明は、以下では特にCO
2に関して記載されている。しかしながら、本発明は、ガスストリームからいずれかの酸性ガス成分を除去するための方法および系をもたらすことが理解されている。
【0020】
ある実施形態では、溶媒系は、酸性ガスが、溶媒から放出され、溶媒が、さらなるガス混合物から追加的な酸性ガスを分離するために再利用することができる点において、再生可能なものである。特定の実施形態では、溶媒系は、このような目的で使用される溶媒に典型的に要求される温度よりも低い温度にて再生可能である。
【0021】
いくつかの実施形態において、本発明の溶媒系は、相対酸性成分と窒素系成分の混合物を含むものである。本明細書で使用される用語「相対酸性成分」は、用語「酸性成分」と交換することができ、水の酸性度よりも高く、好ましくは、実質的に水の酸性度よりも高い酸性度を有する物質を意味すると理解されている。例えば、いくつかの実施形態では、酸性成分は、約15未満、約14未満、約13未満約12未満、約11未満、もしくは約10未満のpKaを有することができる。いくつかの実施形態では、相対酸性成分は、約9から約15、約10から約15、約11から約15、約12から約15、約13から約15、約9から約14、約9から約13、約9から約12、もしくは約9から約11、約10から約12、約10から約13、約10から約14、約11から約13もしくは約11から約14のpKaを有することができる。
【0022】
本発明により使用される相対酸性成分の例示的な分類は、制限するものではないが、以下の、フッ化アルコール、任意に置換されたフェノール、および窒素複素環類を含む。特に、フッ化アルコール類および任意に置換されたフェノール類から選択された相対酸性成分が好ましい。本発明に有益なフッ化アルコールは、式R‐OHを有するいずれかの化合物を含み、Rは、アルキル基(例えば、C
1‐C
10アルキル、C
1‐C
8アルキル、C
1‐C
6アルキル、C
2‐C
10アルキル、C
2‐C
8アルキル、C
2‐C
6アルキル、C
3‐C
10アルキル、C
3‐C
8アルキル、もしくはC
3‐C
6アルキル)であり、アルキル基の1つ以上の水素原子は、フッ素と置換される。いくつかの実施形態では、フッ素と置換可能な水素原子の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは有益とみなされるそれ以上の数であり得る。さらなる実施形態では、アルキル基の1つ以上の水素原子は、制限するものではないが、C
1‐C
6アルキル、C
1‐C
6アルコキシ、およびハロ置換基を含む1つ以上の他の置換基と任意に置換し得る。本発明にて任意に置換された有益なフェノールは、フェニル環上の1つ以上の水素原子が、置換基と置換し得るフェノールを意味すると理解されている。制限するものではないが、フェニル環上の1つ以上の水素原子と置換する例示的な基は、C
1‐C
6アルキル、C
1‐C
6アルコキシおよびハロゲンを含む。窒素複素環類は、環状構造(制限するものではないが、イミダゾール、ピラゾールおよびトリアゾール)内に少なくとも1つの窒素原子を含むいずれかの環状化合物を意味し、環状構造上の1つ以上の水素原子が置換基と任意に置換することを意味することとして理解されている。ある実施形態では環構造中の少なくとも1つの窒素原子は、約15未満(例えば、約8および約15の間)のpKaを持つ酸性水素原子を有する。制限するものではないが、環上の1つ以上の水素原子と置換される例示的な置換基は、C
1‐C
6アルキル、C
1‐C
6アルコキシおよびハロゲンを含む。
【0023】
いくつかの特定の実施形態では、相対酸性成分は、2,2,3,3,4,4,5,5‐オクタフルオロペンタノール(OFP)、2,2,3,3‐テトラフルオロプロパノール(TFP)、2,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロパノール(PFP)、2,2,3,3,4、4‐ヘキサフルオロブタノール(HFB)、2,2,2‐トリフルオロエタノール(TFE)、ノナフルオロ‐1‐ヘキサノール、4,4,5,5,6,6,7,7,7‐ノナフルオロヘプタノール、1,1,3,3‐ヘキサフルオロ‐2‐フェニル‐2‐プロパノール、4‐メトキシフェノール(4‐MeOPh)、4‐エトキシフェノール(4‐EtOPh)、2‐エトキシフェノール、4‐プロポキシフェノール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、N‐メチルイミダゾール、1‐トリフルオロアセチルイミダゾール、1,2,3‐トリアゾール、1,2,4‐トリアゾール、2‐トリフルオロメチルピラゾール、3,5‐ビストリフルオロメチルピラゾール、3‐トリフルオロメチルピラゾール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2−トリフルオロメチルフェノール、3−トリフルオロメチルフェノール、4−トリフルオロメチルフェノールおよびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0024】
窒素塩基成分は、概して、アミジン類およびグアニジン類のような相対強塩基から選択される。ある実施形態では、窒素塩基は、グアニジンであり、RNC(NR
1R
2)
2の構造を有する化合物と理解され、R、R
1およびR
2は、独立して、Hもしくは、制限するものではないが、C
1−C
20アルキルを含む炭素含有基である。R、R
1および/もしくはR
2上の1つ以上の水素原子は、1つ以上の置換基と任意に置換し得る。例えば、R、R
1および/もしくはR
2上の1つ以上の水素原子は、任意に置換されたC
1‐C
6アルキル、任意に置換されたC
1‐C
6アルコキシ、任意に置換されたC
1‐C
10アルケニル、任意に置換されたC
2‐C
10アルキニル、任意に置換されたアルカリール、任意に置換されたアリールアルキル、任意に置換されたアリーロキシ、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換された複素環、ハロゲン(例えば、CI、F、BrおよびI)、ハロゲン化アルキル(例えば、CF
3、2−Br−エチル、CH
2CF
3およびCF
2CF
3)、任意に置換されたアミノ基、任意に置換されたアルキルアミノ基、任意に置換されたアリールアミノ基、任意に置換されたアシル基、CN、N0
2、N
3、CH
2OH、CONH
2、C
1−C
3アルキルチオ、硫酸塩、スルホン酸、スルホン酸エステル(例えば、メタンスルホニル)、ホスホン酸、リン酸塩、ホスホン酸塩、モノ、ジもしくはトリ‐リン酸エステル、トリチル、もしくはモノメトキシトリチル、CF
3S、CF
3S0
2、もしくはシリル(例えば、トリメチルシリル、ジメチル‐t‐ブチルシリル、およびジフェニルメチルシリル)と置換され得る。
【0025】
ある実施形態では、窒素塩基が、制限するものではないが、カルボキシアミジン/カルボキシジアミドを含む、アミジンであり、RC(=NH)NR
1R
2の構造を有する化合物と理解され、R、R
1および/もしくはR
2は、それぞれ、Hもしくは、制限するものではないが、C
1−C
20アルキルを含む炭素含有基である。R、R
1および/もしくはR
2上の1つ以上の水素原子は、任意に、1つ以上の置換基と置換し得る。例えば、R、R
1および/もしくはR
2上の1つ以上の水素原子は、任意に置換されたC
1‐C
6アルキル、任意に置換されたC
1‐C
6アルコキシ、任意に置換されたC
1‐C
10アルケニル、任意に置換されたC
2‐C
10アルキニル、任意に置換されたアルカリール、任意に置換されたアリールアルキル、任意に置換されたアリーロキシ、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換された複素環、ハロゲン(例えば、CI、F、BrおよびI)、ヒドロキシ基、ハロゲン化アルキル(例えば、CF
3、2−Br−エチル、CH
2CF
3およびCF
2CF
3)、任意に置換されたアミノ基、任意に置換されたアルキルアミノ基、任意に置換されたアリールアミノ基、任意に置換されたアシル基、CN、N0
2、N
3、CH
2OH、CONH
2、C
1−C
3アルキルチオ、硫酸塩、スルホン酸、スルホン酸エステル(例えば、メタンスルホニル)、ホスホン酸、リン酸塩、ホスホン酸塩、モノ、ジもしくはトリ‐リン酸エステル、トリチル、もしくはモノメトキシトリチル、CF
3S、CF
3S0
2、もしくはシリル(例えば、トリメチルシリル、ジメチル‐t‐ブチルシリル、およびジフェニルメチルシリル)と置換され得る。
【0026】
より特定の実施形態では、窒素塩基は、1,1,3,3‐テトラメチルグアニジン(TMG)、N−tert−ブチル‐1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン、もしくは1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデク‐7−エンからなる群から選択される。本発明によりある実施形態に有益であり得る他の例示的なグアニジンは、制限するものではないが、l,l,3−トリメチル−3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)グアニジン、l,l,3−トリメチル−3−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)グアニジン、1,3−ジメチル−l,3−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)グアニジン、1,3−ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)グアニジン、l,3−ビス(4−フルオロフェニル)グアニジン、l,3−ビス(3−フルオロフェニル)グアニジンおよびl,3−ビス(2−フルオロフェニル)グアニジンを含む。本発明によるある実施形態に有益であり得る他のアミジンは、2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−l、4,5,6,−テトラヒドロピリミジン、2−(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)−l,4,5,6,−テトラヒドロピリミジン、3,3,4,4−テトラフルオロ−N、N−ジメチルブタンイミドアミド、および3,3,3−トリフルオロ−N,N−ジメチルプロパイミドアミドである。本発明により使用され得るさらなる他の窒素塩基は、例えば、開示されたJessopらの米国特許第2008/0058549号を含み、この開示は、本明細書に参考文献として組み込まれている。ある実施形態では、窒素塩基は、約12から約15、約12から約14、もしくは約13から約15のpKaを有することができる。いくつかの実施形態では、窒素塩基は、約12、約13、約14もしくは約15のpKaを有することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、溶媒系は、窒素塩基および相対酸性アルコールを含む混合物を含み、成分が、(すなわち、等モル量で存在している)モル濃度により、概略的に同一の比率で存在し得る。いくつかの実施形態では、溶媒は、水にてもしくは相対酸性成分を過剰に使用することにより、希釈される。例えば、相対酸性成分に対する窒素塩基のモル比率は、約1:1から約100:1、例えば、約1.1から約20、約1.1:約15、1.1:約10、1.1:約5、1.1:約3、約2:約20、約2:約15、2:約10、2:約5、約3:約20、約3:約15、約3:約10、約4:約20、約4:約15、約4:約10、約5:約20、約5:約15もしくは約5:約10とすることができる。理論的に結合が望まれていないにも関わらず、希釈の使用が、溶媒系内の固体の沈殿を減少させるもしくは防ぐために有益であり得る。いくつかの実施形態では、溶媒系は、1つ以上の追加的な成分をさらに含み得る。この追加的な成分は、例えば、溶媒系内にて捕獲されたCO
2産物の溶解度を増加させ、よって沈殿の生成を避けるために、添加し得る。他の実施形態では、しかしながら、固体形成は、望ましく、このような形成は、1つ以上の溶媒成分の濃度を変えることにより強化し得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、本発明の溶媒系は、ガスストリームからCO
2を捕獲するために特に有用である。このガスストリームは、CO
2に加えて1つ以上の他の成分を有する混合ガスストリームであり得る。本発明の溶媒系を含む溶液が、CO
2を含むガス混合物で浄化される時、溶媒系の成分は、溶液とCO
2が結合するようなCO
2と化学反応を起こす。いくつかの実施形態では、本発明の溶媒系は、高CO
2荷電を有する。例えば、溶媒系は、窒素塩基1モルあたり約0.05モル以上のCO
2、窒素塩基1モルあたり約0.1モル以上のCO
2、窒素塩基1モルあたり約0.2モル以上のCO
2、窒素塩基1モルあたり約0.3モル以上のCO
2、窒素塩基1モルあたり約0.4モル以上のCO
2、窒素塩基1モルあたり約0.5モル以上のCO
2、窒素塩基1モルあたり約0.6モル以上のCO
2、窒素塩基1モルあたり約0.7モル以上のCO
2、窒素塩基1モルあたり約0.8モル以上のCO
2、窒素塩基1モルあたり約0.9モル以上のCO
2、もしくは窒素塩基1モルあたり約1モル以上のCO
2を補獲もしくは除去するために有益であり得る。
【0029】
図1は、相対酸性アルコールおよび窒素塩基を含むイオン液体を使用したCO
2を補獲するための反応経路を例示する。このプロセスによるCO
2の可逆的な捕獲は、アルコールの共役塩基および窒素塩基の共役酸から形成されたイオン液体との反応を含む。
図1では、窒素塩基は、アルコールを脱プロトン化する酸性求核試薬(アルコール)と反応し、イオン液体を形成することが示される。溶媒系は、いずれかの当業者によるイオン液体として分類することができる。例えば、溶媒系は、約100microsiemens/cm
2以上の伝導率を有するよう決定することができる。例えば、好ましい実施形態では、溶媒系は、400microsiemens/cm
2以上の伝導率を有する。イオン液体は、カーボネートエステルとしてCO
2を補獲することができる。系から除去された酸性ガスを変化させることにより、捕獲された産物の構造が、同様に変化する必要があることが示されている。ある実施形態では、酸性ガスは、カーボネートエステルの
ヘテロ原子類似体として捕獲される。
【0030】
本発明の溶媒系は、相対酸性成分(例えば、上記の実施形態中のアルコール)が、水より酸性であり、従って、この共役塩基は、比較すると、水によるプロトン化に影響をより受けないように設計される。従って、本発明は、いくつかの非水系の溶媒が存在する水による化学的解重合の衝撃を改善する。開示されたCO
2と溶媒系との反応は、ある条件下において、完全に可逆的である。例えば、この反応は、上昇したCO
2の圧力および(例えば、50℃およびそれ以上に加熱された時の)温度の下で、可逆的である。
【0031】
ある実施形態では、相対酸性成分は、水との低混和性を有するようなものから選択される。例えば、いくつかの実施形態では、相対酸性成分は、25℃の水に約10g/100mL(すなわち、水100mLあたり10gの溶媒)以下の溶解度を有する。他の実施形態では、相対酸性成分は、25℃の水に約0.01g/100mL以下、約0.1g/100mL以下、約0.5g/100mL以下、約1g/100mL以下、約1.5g/100mL以下、約2g/100mL以下、約2.5g/100mL以下、約3g/100mL以下、約4g/100mL以下、約5g/100mL以下、約6g/100mL以下、約7g/100mL以下、約8g/100mL以下、もしくは約9g/100mL以下の水の溶解度を有する。いくつかの実施形態では、相対酸性成分は、完全に水に非溶解性である。水に、より低溶解の相対酸性成分の使用することは、再生のエネルギーがより少ない、高いCO
2の荷電能力を有し得、ガスストリーム内の水に耐えることが可能であり、および/もしくは大きなエネルギー損失がなく水と分離することが可能であるといった結果となり得る。
【0032】
追加的な実施形態では、溶媒系の窒素塩基の成分は、同様に、水との低混和性を有するようなものから選択される。好ましい実施形態では、窒素塩基は、水とよりも高い相対酸性成分との混和性を有する。いくつかの実施形態では、窒素塩基は、相対酸性成分との高い溶解度を有する。このような窒素塩基の例は、制限するものではないが、1つ以上の置換されたもしくは置換されていない炭化水素鎖、1つ以上の置換されたもしくは置換されていない芳香族部分、(例えば、フッ素‐置換型芳香族部分)、および/もしくは1つ以上の置換されたもしくは置換されていないアルキル芳香族部分(例えば、フッ素‐置換型アルキル芳香族部分)を有するようなグアニジン類、アミジン類を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、溶媒系は、水の存在に耐性がある。ある実施形態では、溶媒系は、体積の約30%までまたは同等の水に耐性がある。例えば、いくつかの実施形態では、体積の約25%までまたは同等、体積の約20%までまたは同等、体積の約15%までまたは同等、体積の約10%までまたは同等、体積の約5%までまたは同等、体積の約2%までまたは同等、もしくは体積の約1%までまたは同等の水に耐性がある。いくつかの実施形態では、水の存在への耐性は、示される水の体積まで、溶媒の解重合の作用がほとんど起こらないことを意味する。いくつかの実施形態では、溶媒系は、示される水の体積まで荷電されたCO
2の初期容量にて、もしくは示される水の体積まで荷電されたCO
2の初期容量近くまで維持される。
【0034】
好ましい実施形態では、本発明の溶媒系を使用して隔離されたCO
2は、再利用のための溶媒系を再生するために放出され得る。溶媒系は、穏やかな条件を使用することにより再生可能である。いくつかの実施形態では、CO
2の放出および対応する溶媒系の再生は、溶液を加熱することにより実現される。CO
2結合を含む溶液が加熱された時、化学反応が戻り、CO
2は、濃縮されたCO
2ストリームを生産しながら、放出される。
【0035】
いくつかの実施形態では、本発明の適用は、ガスストリームからのCO
2の除去を目的とする溶媒系およびプロセスに関連する。本発明は、CO
2を含むいずれかのガスストリームに適用する。例えば、特定の実施形態では、本発明は、化石燃料燃焼排気ガス、天然ガス混合物、もしくはCO
2を含む閉鎖環境からの呼吸ガス混合物からCO
2を除去するためのプロセスに関連する。このプロセスは、相対酸性成分および窒素塩基成分を含む溶媒系を通じて混合ガスストリームを通過することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、溶媒系の再生とさらに関連し、CO
2の放出に関連する。いくつかの実施形態では、溶媒系の再生は、CO
2の放出に十分な温度にて溶媒系を加熱することを含む。いくつかの実施形態では、このプロセスは、約200℃以下、例えば、約185℃以下、約150℃以下、もしくは約125℃以下の温度で溶媒系を加熱することを含む。好ましい実施形態では、このプロセスは、約100℃以下、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約75℃以下、もしくは約70℃以下の温度で溶媒系を加熱することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、相対酸性成分は、フッ化アルコールであり、CO
2は、フルオロアルキルカーボネートとして捕獲され、約40℃および約85℃の間の温度で溶媒系を加熱することにより、CO
2を放出するよう分解される。いくつかの実施形態では、CO
2は、大気の温度にて放出される。
【0036】
ある実施形態では、約100%のCO
2が、CO
2リッチソルベント系から除去される。しかしながら、他の実施形態では、CO
2リッチソルベント系から100%未満のCO
2が除去される。好ましい実施形態では、約50から100%の捕獲されたCO
2がCO
2リッチソルベント系から除去され、好ましくは約75%から100%、約80%から100%、約90%から100%、約95%から100%、もしくは約98%から100%の捕獲されたCO
2がCO
2リッチソルベント系から除去される。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも約98%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、60%もしくは50%の捕獲されたCO
2がCO
2リッチソルベント系から除去される。
【0037】
いくつかの実施形態では、CO
2に加えてH
2Oを含むガス混合物からのCO
2の除去が、反応条件に依存する単一相もしくは二相のどちらかとしての溶媒系内のH
2Oの累積を引き起こし得る。上記のように。溶媒混合物中H
2Oの存在は、望ましくない副反応、および溶媒から水を除去する必要があるため、より多くのエネルギーが、溶液再生に要求されるため、不利益である。従って、溶媒系内のH
2Oの累積は、再生エネルギーの需要を増やし、再生系の有効性を低くし得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、本発明のプロセスは、溶媒系内のH
2Oの累積の有害である効果を回避し得る方法を提供する。例えば、溶媒系再生エネルギー需要上のH
2Oの累積の有害である効果は、ガス混合物のH
2Oの飽和温度よりも高い温度で溶媒系内のCO
2を隔離するプロセスを提供することにより、最小限になり得る。加えて、溶媒系再生エネルギー需要上のH
2Oの累積の有害である効果は、溶媒系内の分離水相としてH
2Oを累積するプロセスを提供することによって最小限になり得る。このプロセスは、水との溶解度がほとんどないもしくは全くないことを示す溶媒系の使用を含む。このような系の中で、集積する水は、分離相として存在する。この分離水相は、有効なCO
2除去系を維持するために要求されるエネルギーを最小限にするために、熱的プロセスよりはむしろ機械的プロセスによってデカントもしくは遠心分離され得る。例えば、脂肪族アルコールの炭化水素鎖の長さが増加した時、水の中のアルコールの溶解度は減少する。このことは、同様に、フッ化アルコールにもあてはまる。例えば、2,2,3,3,4,4,5,5‐オクタフルオロペンタノール(OFP)は、本質的に水に非溶解である。従って、適切な窒素塩基およびOFPを含む溶媒系は、水と結合する時、二相性の液体溶液を形成する。このような溶媒では、水は、蒸留もしくはフッ素化した相から水層のデカントもしくは遠心分離することによる膜の使用なしに溶媒系から分離することができる。いくつかの実施形態では、H
2Oの除去後、CO
2リッチソルベント系は、分圧条件を満たすために低沸点の希釈剤を加え、低温度にて再生することができる。この溶媒系は、従って、水の蒸留に関連するエネルギーを節約することができる。低水溶解度の溶媒系に吸着する非水系CO
2を提供することにより、溶媒系は、水系もしくは高水親和性CO
2溶媒系よりも低いエネルギー需要およびより穏やかな再生条件を有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、ガスストリームからのCO
2を除去するための系が提供される。本発明の例示的な系の概略的な例は、
図2から6に記載されている。CO
2除去系10は、ガスストリームを受け取る入口を構成する吸着装置12を含む。ガスストリームは、例えば、パワー生成工場内のボイラー系の燃焼チャンバーから直接移行するものである。ガスストリームは、CO
2除去系を通る前に、他の洗浄系を通過してもしなくても良い。吸着装置は、CO
2の除去を目的とする溶媒系が、ガスストリームの入口および排出口を有する、CO
2を除去するための溶媒系が含まれるいずれかのチャンバーであり得、このガスストリームは、溶媒系との接触を引き起こし得る。吸着装置の中で、CO
2は、本明細書にて議論された原則により、気相から液相へ移行する。この吸着装置は、同様にいずれかの型であり得、例えば、吸着装置は、スプレー塔吸着装置、(逆流‐フロー塔、クロス‐フロー塔を含む)充填層吸着装置、(バブルキャップトレイ、多孔板塔、衝突トレイ、および/もしくはフロートバルブトレイを含む様々な型を有する)段塔吸着装置、ベンチャー吸着装置、排出吸着装置を含み得る。吸着装置内の温度および圧力は、制御し得る。例えば、1つの実施形態では、吸着装置の温度は、50から60℃近くであり、吸着装置は、大気圧で、もしくは大気圧近くで維持され得る。従って、吸着装置は、加熱/冷却系および/もしくは圧力/真空系を備え得る。
【0040】
吸着装置の中で、ガスストリームは、流体接点を引き起こし、相対酸性成分および窒素塩基成分を含む溶媒系を通る。溶媒系は、維持されるガス成分からCO
2を隔離し、ガスストリーム内に存在するCO
2と反応し、結果としてCO
2遊離ガスストリームは、排出口を通して吸着装置から放出される。溶媒系は、混合ガスストリームを通過する際に、CO
2に「富む」まで、入ってくるCO
2と反応し続ける。吸着装置は、任意に1つ以上の成分と接触する。例えば、吸着装置は、好ましくは、ユニットへ溶媒を辿る方法として構成され、水は、デカント、遠心分離、もしくは他方で系から除去され得る。
【0041】
CO
2の捕獲のいずれかの段階にて、溶媒系は再生し得る。この系は、それ故に、分離CO
2ガスストリームを通して捕獲されたCO
2を放出するために任意の再生系14を含み、従って、溶媒系を再生する。再生系は、吸着装置から「リッチ」ソルベントを受け取り、いったんCO
2が「リッチ」ソルベントから分離されると、吸着装置へ再生された溶媒を戻すように構成されている。この再生系は、再生系からCO
2が除去されるための放出バルブに沿ってガスを放出するために十分な温度で溶媒系を加熱する加熱ユニットを備えたチャンバーを単純に含む。それは、蒸留カラムであり得、吸収カラムのために上記に記載されたものと本質的に同一の設計を有する。再生装置は、任意に1つ以上の成分と接触し得る。例えば、再生装置は、好ましくは、ユニットへの溶媒のルートを決定する方法が構成され、水は、デカント、遠心分離、もしくは他方で系から除去され得る。
【0042】
放出されたCO
2は、貯蔵するため、もしくはあらかじめ決定された使用のために排出される。再生された溶媒は、再びガスストリームからCO
2を吸収する準備ができ、吸着装置へと直接戻され得る。
【0043】
本明細書で発表された本発明の多くの修正および他の実施形態は、これらの発明が、前述の記載および関連する図の中に存在する技術の有効性を有することに関係する当業者の技術に記載されるものである。それゆえに、本発明は、開示された特定の実施形態に制限されるものではなく、他の実施形態は、付加された請求項の範囲内に含まれるよう意図される。特定の用語が、本明細書で使用されているが、それらは、一般的および記述的な意味にのみ使用され、制限する目的のために使用されるものではない。
【0044】
実施例
以下の例は、完全な開示の目的のために提供され、本発明を制限するものではない。
【0045】
実施例1.カーボネートエステルの形成の結果となるl,l,3,3−テトラメチルグアニジン/2,2,2−トリフルオロエタノールの吸着
適度な熱産生の発熱性の事象の結果として、等モルの1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)および2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)の溶液が、調製された。この溶液は、インピンジャー内に配置され、(窒素と釣り合いをとる)約13%のCO
2を含む二成分のガス混合物を浄化する。反応器を出るガスのCO
2濃度は、NDIRCO
2分析器により管理される。このCO
2荷重曲線は、
図7に示される。窒素の流れストリームにおける80℃までの溶液の加熱により、吸着は、約0.56モルCO
2/モルアミンの放出の結果として、可逆的となる。
【0046】
図8は、TMG/TFE溶媒系およびガス状のCO
2間の反応の結果の核磁気共鳴(NMR)スペクトルを提供する。室温でのNMRチューブにおいて、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(0.6mmol)は、重水素化されたクロロホルム(CDC13、0.6g)中の2,2,2−トリフルオロエタノール(0.6mmol)と結合した。初期溶液の19F NMRスペクトルは、記録された。単一の共鳴は、
図8の上部に示されており、化学的に等量であるフッ素の環境に対応して、約77ppmの化学的変化を備えたNMRにおいて現れた。
【0047】
NMRチューブは、13.3%のCO
2および平衡である窒素のガス混合物にて30分間浄化された。第2の19F NMRスペクトルは、この時間に記録されており、
図8の下部に示されている。このスペクトルは、約3ppmに変化した(新しいフッ素‐含有産物を示す)新しいピークの出現を示している。
【0048】
このデータは、カーボネートエステルが、実験の条件下で形成された証拠を提供するものである。フッ素の原子核は、(本明細書中の)アルコール反応物中に存在する時、フッ素NMRは、カーボネートエステルとしてCO
2を補獲におけるアルコールの関与を同定するための簡便な処理である。アルコールを含む新規の産物の形成は、NMRスペクトルにおける新規の19F共鳴という結果となる。フッ素のスペクトルは、脱共役されたプロトンを示している。
【0049】
実施例2:1,1,3,3−テトラメチルグアニジンおよび1,1,3,3−テトラフルオロプロパノールの等モル混合物からなるイオン液体によるCO
2の吸着
1,1,3,3−テトラメチルグアニジンは、等モルの2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールと結合し、得られた発熱性の反応は、約440μS/cm
2に等しい最初の伝導率を備えた室温のイオン液体の形成の結果として起こり、
図9に示される。この図は、さらに、約13。3%の(窒素を平衡化する)CO
2から構成される二成分のガス混合物にて浄化される。溶液の伝導率は、最大約1175μS/cm
2まで増加した。この(伝導率の増加という)データは、NDIR分光法を利用したCO
2分析器に続き、溶液を通して観察されたガスの濃度の減少により明白になった溶液によるCO
2の吸着と対応する。この溶液は、約0.35モルCO
2/モルアミンを吸着した。窒素下で、約80℃に加熱された窒素が浄化されたとき、溶液は、捕獲された全てのCO
2を放出することにより、完全に再生可能となった。
【0050】
実施例3:1,1,3,3−テトラメチルグアニジンおよび2,2,3,3,4,4,−ヘキサフルオロブタノールの等モル混合物からなるイオン液体によるCO
2の吸着
室温のイオン液体を形成する1,1,3,3−テトラメチルグアニジンおよび2,2,3,3,4,4,−ヘキサフルオロブタノールの等モル混合物が、約400μS/cm
2に等しい最初の伝導率にて形成され、これは、
図10に示されている。この図に示されているように、イオン液体が、約13。3%の(窒素を平衡化する)CO
2から構成される二成分のガス混合物を、約800μS/cm
2まで増加した伝導率で浄化した。この(伝導率の増加という)データは、溶液が、NDIR分光法を利用したCO
2分析器に続き、溶液を通して観察されたガスの濃度の減少の観察により明白になったCO
2を吸着することを示す。このことは、リーンソルベントが、イオン液体伝導率が、二酸化炭素の吸着を増加させることを示す。この溶液は、合計約0.25モルCO
2/モルアミンを吸着した。約80℃まで加熱された時、溶媒は、完全に再生可能となった。
【0051】
実施例4:1,3,3−N−tert―ブチル―テトラメチルグアニジンおよび2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロオペンタノールによる二酸化炭素の吸着
1,3,3−N−tert―ブチル―テトラメチルグアニジンの等モル混合物は、
図10に示されるように、約150μS/cm
2に等しい最初の伝導率を備えた室温のイオン液体を得るために、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオトブタノールと結合した。
図11に示されるように、約13。3%の(窒素を平衡化する)CO
2から構成される二成分のガス混合物を浄化した。溶液の伝導率は、最大約200μS/cm
2まで増加した。この(伝導率の増加という)データは、赤外分光法を利用するCO
2分析器に続いて溶液を通るガスの濃度の減少が観察されることにより、溶液が対応するCO
2を吸着することを例証する。このことは、リーンソルベントが、伝導率が増加するにつれて二酸化炭素の吸着が増加するイオン液体であることを示している。この溶液は、合計約0.67モルCO
2/モルアミンを吸着し、窒素の浄化の下で、80℃まで加熱することにより完全に再生可能となった。
【0052】
実施例5:1,8−ジアザ−ビシクロ−ウンデク−7−エン(DBU)および2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールから構成されるイオン液体による二酸化炭素の吸着
イオン液体は、1,8−ジアザ−ビシクロ−ウンデク−7−エン(DBU)および2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールを混合することにより調製された。この系の最初の伝導率は、約135μS/cm
2であり、形成された溶液は、非可逆的なイオン液体であることを示していた。反応器を出るガスのCO
2の濃度は、NDIR C0
2分析器により管理された。C0
2荷重曲線は、
図12に示される。示されるように、この溶液は、約0.56モルCO
2/モルアミンを吸着し、窒素の流れストリームにおいて、80℃まで溶液を加熱することにより可逆的になった。