特許第6385067号(P6385067)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385067
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20060101AFI20180827BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20180827BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   G02B7/04 E
   H04N5/225 700
   H04N5/232 480
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-18120(P2014-18120)
(22)【出願日】2014年2月1日
(65)【公開番号】特開2015-145931(P2015-145931A)
(43)【公開日】2015年8月13日
【審査請求日】2016年10月21日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
(72)【発明者】
【氏名】渡部 博之
【審査官】 高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/172001(WO,A1)
【文献】 特表2011−521285(JP,A)
【文献】 特開2011−128583(JP,A)
【文献】 特開2013−250299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ枠と、ベース部材と、前記ベース部材に対して前記レンズ枠を光軸方向及び光軸と交差する方向に移動可能に支持する支持部を備えると共に、前記レンズ枠を光軸方向及び光軸と交差する方向にそれぞれ駆動する駆動手段を備え、
前記支持部は前記駆動手段への給電経路を備え、
前記ベース部材は、前記レンズ枠に対向した開口を備えると共に複数の接続端子を備え、
前記接続端子は、一部が前記ベース部材における前記レンズ枠に対向する面上で且つ前記開口と前記ベース部材の側面との間に露出し、他の一部が前記ベース部材の外側に向けて露出することで外部接続面を形成し、
前記駆動手段への給電経路が前記接続端子に接続されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記外部接続面は前記ベース部材の側面又は背面に露出しており、前記接続端子は前記ベース部材に埋め込み形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記レンズ枠を光軸方向に駆動するための第1コイルと前記レンズ枠を光軸と交差する方向に駆動するための第2コイルを備え、
前記支持部は、前記第1コイルへの給電経路を備え、
前記支持部が備える給電経路及び前記第2コイルが前記接続端子に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記支持部は、前記駆動手段のマグネットを備えて前記レンズ枠の周囲を囲むヨークと、前記ヨークに対して前記レンズ枠を光軸方向に沿って弾性支持する第1弾性支持部材と、前記ベース部材に対して前記ヨークを光軸と交差する方向に沿って弾性支持する第2弾性支持部材とを備え、
前記第1弾性支持部材と前記第2弾性支持部材が前記第1コイルへの給電経路になることを特徴とする請求項3記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記ベース部材には前記レンズ枠の光軸と交差する方向の位置を検出する位置検出素子が配置され、前記接続端子に前記位置検出素子が接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記支持部は、前記ベース部材の平面領域内に配備されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記接続端子は、前記開口を囲うように配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記複数の接続端子は、電気的な接続には使用していないものを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載されたレンズ駆動装置を備えたカメラモジュール。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載されたレンズ駆動装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光軸方向にレンズ枠を駆動すると共に、光軸と交差する平面内でレンズ枠を駆動して、フォーカス調整機能に加えて振れ補正機能を有するレンズ駆動装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。このようなレンズ駆動装置は、ベース部材と、ベース部材に配置され光軸に対して直交する平面内で像振れに対応して移動可能な可動部材と、可動部材に取り付けられて光軸方向に移動可能なレンズ枠と、可動部材又はレンズ枠に設けられたコイルへ電気的に接続されて、コイルに電流を供給するフレキシブル基板を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−156292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
振れ補正機能とフォーカス調整機能を有するレンズ駆動装置は、振れ補正駆動用のコイルとフォーカス調整駆動用のコイルのそれぞれに個々の制御信号に応じた電流供給がなされる。このため、このようなレンズ駆動装置は、フレキシブル基板や配線などによって、振れ補正駆動用のコイルとフォーカス調整駆動用のコイルに個別の給電経路が設けられている。従来のレンズ駆動装置は、個々の給電経路の端子を一つずつ給電源と接続しているため、カメラモジュールや各種の電子機器への組み付け作業が煩雑になる問題があった。
【0005】
また、フレキシブル基板などの給電経路をレンズ枠の周囲に配置するものでは、レンズ枠の周囲に比較的大きな配線スペースが必要になり、レンズ駆動装置の設置占有スペースが大きくなる問題があった。小型・薄型化の要求が高い携帯型電子機器などでは、内部に搭載されるレンズ駆動装置の設置占有スペースは可能な限り小さくすることが求められている。
【0006】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、レンズ駆動装置と給電源との接続の簡略化を可能にすること、レンズ駆動装置の設置占有スペースの省スペース化を可能にすること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明によるレンズ駆動装置は、明細書に記載された幾つかの発明のうち以下の構成を具備するものである。
レンズ枠と、ベース部材と、前記ベース部材に対して前記レンズ枠を光軸方向及び光軸と交差する方向に移動可能に支持する支持部を備えると共に、前記レンズ枠を光軸方向及び光軸と交差する方向にそれぞれ駆動する駆動手段を備え、前記支持部は前記駆動手段への給電経路を備え、前記ベース部材は、前記レンズ枠に対向した開口を備えると共に複数の接続端子を備え、前記接続端子は、一部が前記ベース部材における前記レンズ枠に対向する面上で且つ前記開口と前記ベース部材の側面との間に露出し、他の一部が前記ベース部材の外側に向けて露出することで外部接続面を形成し、前記駆動手段への給電経路が前記接続端子に接続されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の要部構成を示した説明図(分解斜視図)である。
図2】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の要部構成を示した説明図((a)が要部斜視図、(b)が要部正面図)である。
図3】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の要部構成を示した説明図((a)が要部断面図、(b)が要部背面図)である。
図4】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置のベース部材を詳細に示した説明図である((a)が平面図であり、(b)が(a)におけるA−A断面図である。)。
図5】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置を備えた電子機器などの例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置は、レンズ枠と、ベース部材と、ベース部材に対してレンズ枠を光軸方向及び光軸と交差する方向に移動可能に支持する支持部を備える。また、レンズ枠を光軸方向及び光軸と交差する方向にそれぞれ駆動する駆動手段を備える。そして、支持部は駆動手段への給電経路を備えており、ベース部材は、外部接続面を露出した複数の接続端子を備え、駆動手段への給電経路が接続端子に接続されている。このようなレンズ駆動装置は、ベース部材に設けた複数の接続端子の外部接続面を給電源に接続することで駆動手段への給電ができるようになっており、駆動手段への複数の給電経路を一括して給電源に接続することができる。これによって、レンズ駆動装置と給電源との接続を簡略化することができ、レンズ駆動装置をカメラモジュールなどに組み付ける作業を簡易に行うことができる。
【0010】
また、ベース部材に対してレンズ枠を光軸方向及び光軸と交差する方向に移動可能に支持する支持部が駆動手段への給電経路を備えているので、レンズ枠の周りに別途フレキシブル基板などで給電経路を設ける必要がない。また、ベース部材の設置面積内で支持部を介して駆動手段に給電することができる。これによって、レンズ駆動装置の設置占有面積の省スペース化が可能になる。
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下の図において、同一部位には同一符号を付しており、図面毎の重複説明を一部省略している。図1図3は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の要部構成を示した説明図であり、図1が分解斜視図、図2(a)が要部斜視図、図2(b)が要部正面図、図3(a)が要部断面図、図3(b)が要部背面図をそれぞれ示している。
【0012】
レンズ駆動装置1は、レンズ枠2、ベース部材3、支持部4、駆動手段7を備えている。レンズ枠2は、図示省略したレンズバレルが取り付けられるレンズ取付開口2Aを備え、レンズ取付開口2Aの中心に位置する光軸Oaに沿った一端側に上端取付部2B、他端側に下端取付部2Cが設けられている。また、レンズ枠2の側面2Dにはコイル保持部2D1が設けられている。このレンズ枠2は、支持部4を介してベース部材3に支持されている。
【0013】
図示の例では、支持部4は、環状ヨーク11、第1弾性支持部材5、第2弾性支持部材6によって構成されている。環状ヨーク11は、レンズ枠2の周囲を囲む磁性体であり、図示の例では矩形状の枠部材によって構成され、その四隅に駆動手段7の構成要素であるマグネット15(15A,15B,15C,15D)が取り付けられている。
【0014】
第1弾性支持部材5は、環状ヨーク11に対してレンズ枠2を光軸方向に沿って弾性支持しており、図示の例では、レンズ枠2の上端取付部2Bと環状ヨーク11の上縁11Aとの間に取り付けられる上板バネ5A,5Bと、レンズ枠2の下端取付部2Cと環状ヨーク11の下縁11Bとの間に取り付けられる下板バネ5Cによって構成されている。
【0015】
上板バネ5A,5Bは、左右一対の部材が互いに電気的に絶縁された状態で配置されており、上板バネ5Aは、レンズ枠取付部5A1、環状ヨーク取付部5A2,5A3、ワイヤ柱取付部5A4,5A5、弾性変形部5A6を備え、上板バネ5Bは、レンズ枠取付部5B1、環状ヨーク取付部5B2,5B3、ワイヤ柱取付部5B4,5B5、弾性変形部5B6を備えている。上板バネ5A,5Bのレンズ枠取付部5A1,5B1は、レンズ枠2の上端取付部2Bに取り付けられており、上板バネ5A,5Bの環状ヨーク取付部5A2,5A3,5B2,5B3は環状ヨーク11の上縁11Aに取り付けられている。また、下板バネ5Cは、一対のレンズ枠取付部5C1,5C1、環状の環状ヨーク取付部5C2、弾性変形部5C3を備えており、レンズ枠取付部5C1,5C1がレンズ枠2の下端取付部2Cに取り付けられ、環状ヨーク取付部5C2が環状ヨーク11の下縁11Bに取り付けられている。
【0016】
第2弾性支持部材6は、ベース部材3に対して環状ヨーク11を光軸と交差する方向に沿って弾性支持しており、図示の例では、複数のワイヤ柱6A,6B,6C,6Dによって構成されている。複数のワイヤ柱6A,6B,6C,6Dは、その上端部が環状ヨーク11に取り付けられた上板バネ5A,5Bのワイヤ柱取付部5A4,5A5,5B4,5B5に取り付けられており、下端部がベース部材3の四隅に設けられる挿通孔3G内に取り付けられている。このワイヤ柱6A,6B,6C,6Dは、ベース部材3上でレンズ枠2,環状ヨーク11,第1弾性支持部材5を宙づり状に支持しており、ワイヤ柱6A,6B,6C,6Dの弾性的な撓みによってレンズ枠2或いは環状ヨーク11を光軸Oaと交差する方向に移動可能にしている。
【0017】
駆動手段7は、第1コイル13、第2コイル14(14A,14B)、マグネット15(15A,15B,15C,15D)によって、電磁アクチュエータを構成している。第1コイル13は、レンズ枠2の側面2Dにおけるコイル保持部2D1に巻かれており、環状ヨーク11に取り付けられたマグネット15(15A,15B,15C,15D)と協働して、レンズ枠2を光軸Oaに沿って駆動する第1の電磁アクチュエータを構成している。マグネット15(15A,15B,15C,15D)は、レンズ枠2に対向する一面側がN,S極の一方であり、その裏面側がN,S極の他方になっており、一面側から第1コイル13を横切って裏面側に至る磁路が形成されている。この磁路を形成するためにマグネット15(15A,15B,15C,15D)の裏面側には板状ヨーク12A,12B,12C,12Dが配置されている。
【0018】
第2コイル14(14A,14B)は、ベース部材3における2つのコイル保持部3Eにそれぞれ保持されており、環状ヨーク11に取り付けられたマグネット15(15A,15B)と協働して、レンズ枠2を光軸Oaと交差する方向に駆動する第2の電磁アクチュエータを構成している。第2コイル14A,14Bは一対の直線部を有する長円状に巻かれており、第2コイル14A,14Bは光軸Oaと交差する平面内で互いに異なる方向に延びた直線部を有している。そして、マグネット15(15A,15B)は、その一方の極から第2コイル14(14A,14B)の一方の直線部を光軸方向に沿って横切った後他方の直線部を逆向きに横切って他方の極に戻る磁路を形成している。
【0019】
ベース部材3は、レンズ枠2のレンズ取付開口2Aに対向した開口3Aを備えており、その周囲に複数の接続端子8が配置されている。図示の例では、ベース部材3は、環状ヨーク11に対応する矩形状に形成されており、その四隅にワイヤ柱6A,6B,6C,6Dを支持する挿通孔3Gが形成されている。また、環状ヨーク11と対向する面には、前述したコイル保持部3Eと共にホール素子保持部3Fが設けられ、さらにレンズ枠2の下端が当接する当接突起3Hが設けられている。2箇所のホール素子保持部3Fには、回路基板16Aに実装されたホール素子(位置検出素子)16がそれぞれ設置される。2つのホール素子16は、光軸Oaと交差する平面内で互いに異なる方向に向いており、環状ヨーク11に取り付けられたマグネット15C,15Dに対向して配置されている。
【0020】
図4は、ベース部材を詳細に示した説明図である((a)が平面図であり、(b)が(a)におけるA−A断面図である。)。ベース部材3に配置される複数の接続端子8は、樹脂材などで形成されるベース部材3に独立して埋め込み形成(インサート成形)されており、一部がレンズ枠2側で露出し、他の一部がベース部材3の側面3B又は背面3Cに露出して外部接続面80を構成している。
【0021】
図示の例では、16個の接続端子8(8A〜8Q)がベース部材3に配備されている。そのうちで、接続端子8Qと接続端子8Bに第2コイル14Bの一端と他端が接続されており、接続端子8Cと接続端子8Eに第2コイル14Aの一端と他端が接続されている。また、接続端子8F,8G,8I,8Jに一方のホール素子16の4端子がそれぞれ接続されており、接続端子8K,8L,8N,8Pに他方のホール素子16の4端子がそれぞれ接続されている。また、ワイヤ柱6Aが給電経路Eとなって、その端部が挿通孔3G内で接続端子8Dに接続されており、ワイヤ柱6Dが給電経路Eとなって、その端部が挿通孔3G内で接続端子8Hに接続されている。
【0022】
このようなレンズ駆動装置1の給電経路について説明する。レンズ駆動装置1の駆動手段(電磁アクチュエータ)7の給電対象は、第1コイル13と2個の第2コイル14(14A,14B)である。第1コイル13は、その一端が上板バネ5Aのレンズ枠取付部5A1に接続されており、その他端が上板バネ5Bのレンズ枠取付部5B1に接続されている。この第1コイル13に対しては、ベース部材3に設けた接続端子8D,8Hの外部接続面80に給電源の出力端子が接続され、支持部4であり第2弾性支持部材6であるワイヤ柱6A,6Dが給電経路Eとなり、更に支持部4であり第1弾性支持部材5である上板バネ5A,5Bが給電経路Eとなって、レンズ枠取付部5A1,5B1を介して電気供給がなされる。
【0023】
第2コイル14Aに対しては、ベース部材3に設けた接続端子8C,8Eの外部接続面80に給電源の出力端子が接続されて直接電気供給がなされる。第2コイル14Bに対しては、ベース部材3に設けた接続端子8Q,8Bの外部接続面80に給電源の出力端子が接続されて直接電気供給がなされる。
【0024】
また、レンズ枠2の光軸Oaに対して交差する方向の位置検出を行うホール素子16の出力は、一つのホール素子16が接続端子8F,8G,8I,8Jの外部接続面80を経由して図示省略した制御回路に送られ、もう一つのホール素子16が接続端子8K,8L,8N,8Pの外部接続面80を経由して図示省略した制御回路に送られる。
【0025】
このようなレンズ駆動装置1は、駆動手段7における複数の給電対象への異なる給電経路の端部や、レンズ枠2の位置検出素子であるホール素子16の出力端子を、全てベース部材3に設けた接続端子8に接続しており、その接続端子8の外部接続面80をベース部材3の側面3B又は背面3Cに露出させている。これによって、駆動手段7及び位置検出素子であるホール素子16と制御回路との接続をベース部材3における外部接続面80との接続として一括して行うことが可能になる。これによって、制御回路との接続を含むレンズ駆動装置1の組み付けを簡易に行うことが可能になる。
【0026】
図示の例では、ベース部材3における接続端子8A,8Mは電気的な接続には使用していない。しかしながら、外部の制御回路の出力端子の構造上、第1コイル13への給電を接続端子8A,8Mの外部接続面80を使用して行った方が良い場合には、こちらを用いて接続端子8D,8Hを非使用にすることもできる。このように、実際に電気的に接続する端子の数より多くベース部材3に接続端子8を設けておくことで、外部の制御回路との接続の自由度を高めることができる。
【0027】
また、図示の例では、接続端子8A,8B,8C,8D,8E,8H,8M,8Qは、一つの端子から2つの外部接続面80を取り出している。このように一つの接続端子8から複数の外部接続面80を取り出してベース部材3の側面3Bや背面3Cに露出させることでも、外部の制御回路との接続の自由度を高めることができる。
【0028】
また、レンズ駆動装置1は、ワイヤ柱6A,6D(第2弾性支持部材6)を用いた給電経路を含む全ての給電経路がベース部材3の平面領域内に配備されている。これによって、レンズ枠の周りに別途フレキシブル基板などで給電経路を設ける場合と比較して、レンズ駆動装置の設置占有スペースの省スペース化が可能になる。
【0029】
なお、レンズ駆動装置1は、図1に示すように、レンズ枠2,支持部4,駆動手段7を覆い電磁シールド機能を有するカバー部材17を設けることができる。このカバー部材17は光路開口17Aを備えている上部にシャッター機構などの他の機構を設けることができる。このような他の機構の駆動手段に対しても、例えばカバー部材17に沿った配線を設けるなどしてベース部材3の接続端子8から給電することが可能である。
【0030】
図5は、レンズ駆動装置を備えた電子機器の例を示している。レンズ駆動装置1は、図5に示すような、カメラモジュール100或いはカメラモジュール100を備えた電子機器200(携帯電話,スマートフォン,タブレット型PC,ノート型PCなど)に装着される。レンズ駆動装置1を備えたカメラモジュール100や電子機器200は、レンズ駆動装置1を簡易に組み付けることができるので、高い生産性を得ることができる。また、レンズ駆動装置1の設置占有スペースが省スペース化できるので、カメラモジュール100自体や電子機器200自体の小型化・薄型化が可能になる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1:レンズ駆動装置,2:レンズ枠,2A:レンズ取付開口,
2B:上端取付部,2C:下端取付部,2D:側面,2D1:コイル保持部,
3:ベース部材,3A:開口,3B:側面,3C:背面,3E:コイル保持部,
3F:ホール素子保持部,3G:挿通孔,3H:当接突起,
4:支持部,11:環状ヨーク,11A:上縁,11B:下縁,
12A,12B,12C,12D:板状ヨーク,
5:第1弾性支持部材,5A,5B:上板バネ,
5A1,5B1:レンズ枠取付部,
5A2,5A3,5B2,5B3:環状ヨーク取付部,
5A4,5A5,5B4,5B5:ワイヤ柱取付部,
5A6,5B6:弾性変形部,
5C:下板バネ,5C1:レンズ枠取付部,5C2:環状ヨーク取付部,
5C3:弾性変形部,
6:第2弾性支持部材,6A,6B,6C,6D:ワイヤ柱,
7:駆動手段,13:第1コイル,14(14A,14B):第2コイル,
15(15A,15B,15C,15D):マグネット,
8(8A〜8Q):接続端子,80:外部接続面,
16:ホール素子(位置検出素子),16A:回路基板,
17:カバー部材,17A:開口,
E:給電経路,Oa:光軸,
図1
図2
図3
図4
図5