(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
苗植付装置において、苗載台の苗残量を検出する検出スイッチを設け、検出スイッチからの情報を電線によって警報装置や制御装置に伝達するよう構成するなどの際、電線をメインフレームの上端面側に機体横方向に配備することにより、メインフレームを電線ガードに利用できるなど有利である。しかし、メインフレームのうちのフィードケースが支持される部位において、フィードケースのためにメインフレームの上端面側に配線できない場合、フィードケースを機体前方側や機体後方側に迂回して配線せねばならず、電線がメインフレームから機体前方側や機体後方側にはみ出ることになる。
【0005】
メインフレームの上端面にフィードケースやその他の部材などをポップナットによって締め付け連結するのに、ポップナットがメインフレームの上端面から突出する場合、フィードケースの連結座部をメインフレームの上端面に載せ付けることの障害にポップナットがなる。ポップナットがメインフレームの上端面から突出しても、ポップナットが障害にならず、フィードケースの連結座部をメインフレームの上端面に安定的に載置されるように、フィードケースの連結座部がポップナットを機体前方側や機体後方側に避けた部位でメインフレームの上端面に載置されるよう構成した場合、フィードケースの連結座部のうちのメインフレームの上端面に載置される面積が狭くなりがちである。
【0006】
走行機体が備える連結部材にローリング支軸を介して連結され、走行機体に対する作業部のローリングを可能にするフィードケースを備える作業装置にあっては、ローリング支軸がフィードケースの前部に設けたローリングボス部に支持されるため、ローリングボス部によるローリング支軸の支持を作業装置の荷重に抗して強固に行わせる必要がある。
【0007】
本発明の目的は、メインフレームのうちのフィードケースが支持される部位でも電線をメインフレームからはみ出ないようにメインフレームの上端面側に配備し易い、あるいは、フィードケースの連結座部をメインフレームの上面側にポップナットによって安定的に締め付け連結できる、あるいは、フィードケースによるローリング支軸の強固な支持を構造簡単に行わせられる作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による作業装置は、
機体横向きのメインフレームと、
前記メインフレームの上端面に連結座部が締め付け連結されることによって前記メインフレームに支持されるフィードケースとを備え、
走行機体からの駆動力が入力され、入力した駆動力を作業部に出力する伝動装置が前記フィードケースに収容され、
前記連結座部に前記上端面のうちの前側部分及び後側部分に分かれて載置される前側座部及び後側座部を備えるように、かつ、前記メインフレームの上端面側に機体横方向に沿わせて配線される電線を挿通させ得る空隙が前記前側座部と前記後側座部との間に形成されるように、さらに、前記前側座部と前記後側座部との下端側での間隔が上端側での間隔よりも広くなるように、前記連結座部の機体側面視での形状を二又形状に形成してあ
り、
前記前側座部と前記後側座部との一方の前記空隙を形成する側面を前記上端面に対する垂直面に形成し、
前記前側座部と前記後側座部との他方の前記空隙を形成する側面を前記上端面に対する傾斜面に形成してあり、
前記前側部分及び前記後側部分それぞれに、機体横方向に沿ったポップナット取付け溝を設け、
前記前側座部の前後方向長さを、前記前側座部が前記前側部分の前記ポップナット取付け溝を機体前後方向に跨ぐ長さに設定し、
前記後側座部の前後方向長さを、前記後側座部が前記後側部分の前記ポップナット取付け溝を機体前後方向に跨ぐ長さに設定し、
前記連結座部は、前記前側座部が前記前側部分の前記ポップナット取付け溝を前後に跨いで前記上端面に載る状態で、かつ、前記後側座部が前記後側部分の前記ポップナット取付け溝を前後に跨いで前記上端面に載る状態で、前記前側座部及び前記後側座部の少なくとも一方が、前記ポップナット取付け溝に取付けられたポップナットと連結ボルトとによる締め付け力によって前記上端面に締め付け連結されている。
【0009】
本構成によると、電線が空隙を通るようにして配線することにより、メインフレームのうちのフィードケースが支持される部位において、電線がフィードケースの連結座部のうちの前側座部と後側座部との間におけるメインフレームの上端面側に位置するので、メインフレームのうちのフィードケースが支持される部位でも電線をメインフレームの上端面側に配備できる。
【0010】
空隙を形成する前側座部と後側座部との下端側での間隔が上端側での間隔よりも広いので、空隙の機体側面視での形状が、下端側での前後方向広さが上端側での前後方向広さよりも広い下広がり形状になり、電線を空隙に通すのに、空隙のうちのメインフレーム上端面寄りの部位を通すことによって通し易い。
加えて、前側座部及び後側座部それぞれの側面をメインフレーム上端面に対する傾斜面に形成することによって、空隙の機体側面視での形状を下広がり形状にするのに比べ、前側座部と後側座部との一方の側面の傾斜角を急傾斜角にでき、空隙に位置する電線を傾斜面側の側面の下端側に入り込ませることにより、側面による電線の浮き上がり防止を行なわせ易い。
更に、ポップナットがポップナット取付け溝に入り込んでメインフレームの上端面から突出しないので、連結座部における前側座部及び後側座部をメインフレームの上端面に載置することの障害にポップナットがならない。連結座部における前側座部及び後側座部それぞれは、ポップナット取付け溝を機体前後方向に跨いでメインフレームの上端面に載置するものだから、前側座部がポップナットを機体前方側に避けた部位でメインフレームの上端面に載置され、後側座部がポップナットを機体後方側に避けた部位でメインフレームの上端面に載置されるように構成するに比べ、前側座部及び後側座部それぞれのメインフレームの上端面に載置される面積を広くできる。そして、前側座部及び後側座部をメインフレームの上端面に対して、ポップナットによる載置障害を受けずに、かつ、広い面積で載置し、連結座部をメインフレームの上端面に安定的に支持させて、メインフレームによるフィードケースの支持を強固に行わせられる。
【0011】
従って、
本発明によると、メインフレームのうちのフィードケースを支持する部位においても、電線がメインフレームから機体前方側や機体後方側にはみ出ない状態で、メインフレームの上端面側に作業容易に配線し、メインフレームによる電線ガードを良好に行わせられるなど有利な配線を容易かつ能率良くできる。
【0012】
本発明の別の作業装置では、
機体横向きのメインフレームと、
前記メインフレームの上端面に連結座部が締め付け連結されることによって前記メインフレームに支持されるフィードケースとを備え、
走行機体からの駆動力が入力され、入力した駆動力を作業部に出力する伝動装置が前記フィードケースに収容され、
前記連結座部に前記上端面のうちの前側部分及び後側部分に分かれて載置される前側座部及び後側座部を備えるように、かつ、前記メインフレームの上端面側に機体横方向に沿わせて配線される電線を挿通させ得る空隙が前記前側座部と前記後側座部との間に形成されるように、さらに、前記前側座部と前記後側座部との下端側での間隔が上端側での間隔よりも広くなるように、前記連結座部の機体側面視での形状を二又形状に形成してあり、
前記前側部分及び前記後側部分それぞれに、機体横方向に沿ったポップナット取付け溝を設け、
前記前側座部の前後方向長さを、前記前側座部が前記前側部分の前記ポップナット取付け溝を機体前後方向に跨ぐ長さに設定し、
前記後側座部の前後方向長さを、前記後側座部が前記後側部分の前記ポップナット取付け溝を機体前後方向に跨ぐ長さに設定し、
前記連結座部は、前記前側座部が前記前側部分の前記ポップナット取付け溝を前後に跨いで前記上端面に載る状態で、かつ、前記後側座部が前記後側部分の前記ポップナット取付け溝を前後に跨いで前記上端面に載る状態で、前記前側座部及び前記後側座部の少なくとも一方が、前記ポップナット取付け溝に取付けられたポップナットと連結ボルトとによる締め付け力によって前記上端面に締め付け連結されている。
【0013】
本構成によると、電線が空隙を通るようにして配線することにより、メインフレームのうちのフィードケースが支持される部位において、電線がフィードケースの連結座部のうちの前側座部と後側座部との間におけるメインフレームの上端面側に位置するので、メインフレームのうちのフィードケースが支持される部位でも電線をメインフレームの上端面側に配備できる。
空隙を形成する前側座部と後側座部との下端側での間隔が上端側での間隔よりも広いので、空隙の機体側面視での形状が、下端側での前後方向広さが上端側での前後方向広さよりも広い下広がり形状になり、電線を空隙に通すのに、空隙のうちのメインフレーム上端面寄りの部位を通すことによって通し易い。
加えて、ポップナットがポップナット取付け溝に入り込んでメインフレームの上端面から突出しないので、連結座部における前側座部及び後側座部をメインフレームの上端面に載置することの障害にポップナットがならない。連結座部における前側座部及び後側座部それぞれは、ポップナット取付け溝を機体前後方向に跨いでメインフレームの上端面に載置するものだから、前側座部がポップナットを機体前方側に避けた部位でメインフレームの上端面に載置され、後側座部がポップナットを機体後方側に避けた部位でメインフレームの上端面に載置されるように構成するに比べ、前側座部及び後側座部それぞれのメインフレームの上端面に載置される面積を広くできる。そして、前側座部及び後側座部をメインフレームの上端面に対して、ポップナットによる載置障害を受けずに、かつ、広い面積で載置し、連結座部をメインフレームの上端面に安定的に支持させて、メインフレームによるフィードケースの支持を強固に行わせられる。
従って、メインフレームのうちのフィードケースを支持する部位においても、電線がメインフレームから機体前方側や機体後方側にはみ出ない状態で、メインフレームの上端面側に作業容易に配線し、メインフレームによる電線ガードを良好に行わせられるなど有利な配線を容易かつ能率良くできる。
【0016】
【0017】
本第4発明による作業装置は、
走行機体が備える連結部材にローリング支軸を介して連結され、前記走行機体に対する作業部のローリングを可能にするフィードケースを備え、
走行機体からの駆動力が入力軸を介して入力され、入力した駆動力を作業部に出力する伝動装置が前記フィードケースに収容され、
前記フィードケースの前部に、前記ローリング支軸を支持するローリングボス部と、前記入力軸を相対回転可能に支持する入力ボス部とを機体上下方向に並べて設け、
前記ローリングボス部と前記入力ボス部とにわたって補強リブを連結してある。
【0018】
本構成によると、ローリングボス部は、入力軸を相対回転可能に支持する機能を有することによって優れた強度を備える入力ボス部に補強リブによって連結されて補強作用を受けるので、補強リブを設けるだけの簡単な補強手段によってローリングボス部の強度アップをできる。
【0019】
従って、本第4発明によると、ローリングボス部による作業装置の強固な支持を、補強リブを設けるだけで安価に行わせられる。
【0020】
本第5発明では、前記補強リブが左右に並べられている。
【0021】
本第5発明によると、ローリングボス部に掛かる荷重が左右の補強リブに分散し、左右の補強リブから入力ボス部に掛かるから、入力ボス部おける応力集中を回避できる。
【0022】
本第6発明では、前記入力ボス部の外径が前記ローリングボス部の外径よりも大に設定され、前記左右の補強リブの前記入力ボス部側での間隔が前記ローリングボス部側での間隔よりも広く設定されている。
【0023】
本第6発明によると、ローリングボス部に掛かる荷重が左右の補強リブに分散し、左右の補強リブから入力ボス部に掛かるのに、左右の補強リブの入力ボス部側の広い間隔により、入力ボス部の広い範囲に分散して掛かり、入力ボス部おける応力集中を効果的に回避できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る作業機の全体を示す側面図である。
図1に示すように、本発明の実施例に係る作業機は、機体フレーム1の前部に左右一対の前車輪2,2が操向操作可能及び駆動可能に装備され、機体フレーム1の後部に左右一対の後車輪3,3が駆動可能に装備された自走可能な走行機体を備えている。走行機体の前部に、前車輪2及び後車輪3を駆動するエンジン4aが備えられた原動部4、及び、原動部4の両横側に配置した予備苗載せ装置5を設けてある。走行機体の後部に、運転座席6a及びステアリングハンドル6bが備えられた搭乗型の運転部6を設けてある。
【0026】
機体フレーム1の後部からリンク機構7を後方向きに上下揺動可能に延出し、リンク機構7の延出端部に作業装置10を支持してある。作業装置10は、リンク機構7が油圧シリンダ7aによって揺動操作されることにより、接地フロート11が圃場面に接地した下降作業状態と、接地フロート11が圃場面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作される。作業装置10は、エンジン4aからの駆動力が走行機体の前部に位置するミッションケース8、及び、リンク機構7の下方に走行機体前後向きに位置する回転伝動軸9を介して伝達されて駆動される。
【0027】
作業機は、作業装置10を下降作業状態に下降させ、走行機体を走行させることにより、作業装置10によって6条植えが可能な苗植え作業を行なうものである。
【0028】
作業装置10について説明する。
図2は、作業装置10を示す側面図である。
図3は、作業装置10の下部を示す平面図である。
図2,3に示すように、作業装置10には、作業装置10の後部に走行機体横方向に所定間隔を空けて並んで位置する三つの走行機体前後向きの作業部駆動ケース12を有した植付フレームFが備えられている。三つの作業部駆動ケース12それぞれの後端部の両横側に苗植付機構13を駆動可能に支持してある。植付フレームFの前部の上方に、各苗植付機構13に苗供給する苗載台14を下端側が後方に位置する傾斜姿勢で設けてある。植付フレームFの下部に、走行機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ三つの接地フロート11を取り付けてある。
【0029】
植付フレームFは、作業装置10の前端部に走行機体横向きに位置するメインフレーム15と、メインフレーム15の走行機体横方向での中央部に支持されたフィードケース16と、メインフレーム15の後方に走行機体横方向に所定間隔を空けて並んで位置し、前端部がメインフレーム15に連結された三つの走行機体前後向きの作業部駆動ケース12とを備えている。
【0030】
図2,7に示すように、フィードケース16は、前端部から前方向きに延出された走行機体前後向きのローリング支軸17を備え、リンク機構7の後端部に設けられた連結部材7bが備えるボス部7cにローリング支軸17を介して相対回動可能に支持されている。従って、フィードケース16は、植付フレームFがローリング支軸17の軸芯をローリング軸芯Rとしてリンク機構7に対してローリングし、六つの苗植付機構13が走行機体に対してローリングすることを可能にしている。
【0031】
各苗植付機構13は、作業部駆動ケース12に走行機体横向きの回転支軸を介して回転駆動可能に支持されたロータ13a、及び、ロータ13aの両端部に振り分けて回転駆動可能に支持された一対の植付アーム13b,13bを備えている。一対の植付アーム13bそれぞれは、ロータ13aが回転駆動されることにより、ロータ13aの回転軸芯まわりに公転し、ロータ13aに収容された駆動機構(図示せず)によって回転駆動されてロータ13aに対して自転する。つまり、各苗植付機構13は、一対の植付アーム13bによって交互に、苗載台14から苗を取出し、取出した苗を圃場面に下降させて植付け、植付後に上昇して苗載台14に戻る苗植え運動を行なう。
【0032】
苗植付機構13の駆動を可能にする伝動構造について説明する。
図4に示すように、フィードケース16に苗植付機構13を駆動する伝動装置20を収容してある。リンク機構7の下方に位置する回転伝動軸9に伝達されたエンジン4aからの駆動力を、フィードケース16の前部に設けた走行機体前後向きの入力軸21によって伝動装置20に入力するように構成してある。伝動装置20は、入力した駆動力を、フィードケース16の後端側の出力ケース部16aと各作業部駆動ケース12の前端部とにわたって設けてある走行機体横向きの出力軸22から出力して各作業部駆動ケース12に伝達する。各作業部駆動ケース12は、伝動チェーン又は回転伝動軸を利用した植付伝動機構(図示せず)を収容しており、出力軸22からの駆動力を植付伝動機構によってロータ13aの回転支軸に伝達する。
【0033】
苗載台14について説明する。
苗載台14には、六つの苗植付機構13に各別に苗供給する六つ苗載置部を走行機体横方向に並べて備えてある。苗載台14は、作業部駆動ケース12の上方に設けられて苗載台14の下端部に案内作用するガイドレール18、及び、メインフレーム15から上方向きに立設されて苗載台14の上端側に支持作用する支持フレーム19に走行機体横方向に移動可能に支持されている。
【0034】
支持フレーム19による苗載台14の移動可能な支持を可能にするのに、
図2に示すように、苗載台14の裏面側に縦断面形状が下向きコ字状のレール部材14aを設けてある。レール部材14aの内部に支持作用する支持ローラ19aが、支持フレーム19の上端部から延出された支持アーム19bに相対回転可能に支持されている。
【0035】
苗載台14は、苗載台14の裏面側と、フィードケース16とにわたって設けられた苗横送り機構25(
図3参照)により、苗植付機構13の苗植え運動に連動させて走行機体横方向に往復移送され、各苗植付機構13が苗載台14に載置されているマット状苗の下端部において、マット状苗の横一端側から他端側に向けて順次に苗を取出していくように、マット状苗を苗植付機構13に対して走行機体横方向に往復移送する。
【0036】
図3に示すように、苗横送り機構25は、フィードケース16、及びメインフレーム15に設けた支持部材26に回転可能に支持された走行機体横向きの苗横送り軸27と、苗横送り軸27の外周側に相対回転可能に、かつ相対摺動可能に嵌められた台送り体28とを備えている。苗横送り軸27は、フィードケース16に収容された伝動装置20によって苗植付機構13の苗植え運動に連動させて回転駆動される。台送り体28は、苗横送り軸27の外周面に設けられた往復螺旋溝の送り作用によって苗横送り軸27に沿って往復移送され、台送り体28と苗載台14との連結部材を介して苗載台14を横送り操作する。
【0037】
図2に示すように、苗載台14の各苗載置部の下端側に苗縦送りベルト14bを設けてある。各苗載置部の苗縦送りベルト14bは、苗載台14が横移送の左右のストロークエンドに到達した際、苗載台14とフィードケース16とにわたって設けられた苗縦送り機構30(
図3参照)によって所定ストロークだけ回転駆動され、苗載置部に載置されているマット状苗を、苗植付機構13による苗載台縦方向での苗取り長さに相当する長さだけ、苗植付機構13に向けて縦送りする。
【0038】
図3に示すように、苗縦送り機構30は、フィードケース16、及びメインフレーム15に設けた支持部材31に回転可能に支持された走行機体横向きの縦送り駆動軸32と、苗載台14の裏側に揺動操作できるように設けられた受動アーム33とを備えている。縦送り駆動軸32は、フィードケース16に収容された伝動装置20によって回転駆動され、縦送り駆動軸32に備えられた左右一対の伝動アーム34,34を常に回転駆動する。受動アーム33は、苗載台14が横移送の右のストロークエンドに到達すると、右の伝動アーム34に当接してこの伝動アーム34によって設定揺動角だけ駆動され、駆動力を各苗縦送りベルト14bを巻回してあるベルト駆動輪体に伝達し、ベルト駆動輪体を駆動して苗縦送りベルト14bを駆動する。受動アーム33は、苗載台14が横移送の左のストロークエンドに到達すると、左の伝動アーム34に当接してこの伝動アーム34によって設定揺動角だけ駆動され、駆動力を各苗縦送りベルト14bのベルト駆動輪体に伝達し、ベルト駆動輪体を駆動して苗縦送りベルト14bを駆動する。
【0039】
従って、作業装置10は、走行機体横方向に所定間隔を空けて並ぶ六つの苗植付機構13を備え、下降作業状態に下降されて駆動されることにより、六つの苗植付機構13により、圃場面のうちの接地フロート11の滑動によって整地された箇所に苗植付けを行なう。
【0040】
作業装置10は、前車輪2及び後車輪3が耕盤の凹入部に入り込むとか、耕盤の凸部に乗り上がるとかによって走行機体が左右に傾斜しても、接地フロート11が圃場面に接地していて、フィードケース16がリンク機構7に対してローリングして植付フレームFが走行機体に対してローリングするため、左右の苗植付機構13による苗植え深さを同じ又はほぼ同じ深さに維持する。
【0041】
伝動装置20について説明する。
図4に示すように、伝動装置20は、フィードケース16の左右の横側壁部16bに相対回転可能に支持され、入力軸21の駆動力がベベルギヤ40及びベベルギヤ41によって伝達される回転伝動軸42を備えている。
【0042】
伝動装置20は、回転伝動軸42の駆動力を回転伝動軸42の端部に相対回転不能に設けられた伝動ギヤ43から苗植用の作業部としての苗植付機構13に伝達する植付伝動部20Aと、回転伝動軸42の駆動力を作業部変速装置50によって変速し、変速後の駆動力を作業部変速装置50の出力軸51(以下、変速出力軸51と呼称する。)から苗供給用の作業部としての苗横送り機構25及び、苗供給用の作業部としての苗縦送り機構30に伝達する苗供給伝動部20Bとを備えている。
【0043】
植付伝動部20Aは、回転伝動軸42の端部に相対回転不能に設けられた伝動ギヤ43と、この伝動ギヤ43に咬み合った中継伝動ギヤ44と、この中継伝動ギヤ44に咬み合った状態で出力軸22に相対回転不能に連結された出力軸駆動ギヤ45とを備えている。
【0044】
作業部変速装置50は、回転伝動軸42と、回転伝動軸42よりも上方でフィードケース16の左右の横側壁部16bに相対回転可能に支持された機体横向きの変速出力軸51と、回転伝動軸42と変速出力軸51とにわたり装着され、回転伝動軸42及び変速出力軸51の軸芯方向に並んだ4対のギヤ対52〜55とを備えている。
【0045】
変速出力軸51の一端側は、フィードケース16の横側壁部16bに横外向きに突設された出力ボス部16cに軸受部材を介して相対回転可能に支持されている。変速出力軸51のうちの出力ボス部16cからフィードケース外に突出している端部が苗横送り軸27に相対回転不能に連動連結されている。変速出力軸51のうちの苗横送り軸27に連結されている側と反対側の端部に出力ギヤ56が相対回転不能に設けられ、この出力ギヤ56に咬み合った縦送り軸駆動ギヤ57が縦送り駆動軸32に相対回転不能に連動連結されている。
【0046】
4対のギヤ対52〜55それぞれは、回転伝動軸42に相対回転可能に支持された入力側の変速伝動ギヤ52a〜55aと、この入力側の変速伝動ギヤ52a〜55aに咬み合った状態で変速出力軸51に相対回転不能に支持された出力側の変速伝動ギヤとを備えている。
【0047】
4対のギヤ対52〜55それぞれは、入力側の変速伝動ギヤ52a〜55aと出力側の変速伝動ギヤとによって設定される変速伝動比によって回転伝動軸42の駆動力を変速して変速出力軸51に伝達する。4対のギヤ対52〜55が備える変速伝動比が異なるように、4対のギヤ対52〜55における入力側の変速伝動ギヤ52a〜55a及び出力側の変速伝動ギヤの外径を相違させてある。
【0048】
つまり、4対のギヤ対52〜55のうち、伝動ギヤ43に隣り合うギヤ対52が1速用のギヤ対となり、1速用のギヤ対52に隣り合うギヤ対53が2速用のギヤ対となっている。2速用のギヤ付53に対して1速用のギヤ対52が位置する側とは反対側で隣り合うギヤ対54が3速用のギヤ対となり、3速用のギヤ対54に対して2速用のギヤ対53が位置する側とは反対側で隣り合うギヤ対55が4速用のギヤ対となっている。
【0049】
回転伝動軸42に備えられたキー溝60に、シフトキー61が回転伝動軸42の軸芯方向にスライド操作可能に収容されている。シフトキー61は、スライド操作されると、シフトキー61の一端部に備えてある係合突起部61aにより、4つの入力側の変速伝動ギヤ52a〜55aを択一的に回転伝動軸42に一体回転可能に係合させるように構成してある。
【0050】
すなわち、各ギヤ対52〜55における入力側の変速伝動ギヤ52a〜55aそれぞれの内周側部分に受動凹入部58を設けてある。シフトキー61がスライド操作され、1速用の操作位置に操作された場合、1速用のギヤ対52の入力側の変速伝動ギヤ52aの受動凹入部58に係合突起部61aが入り込み、係合突起部61aが入力側の変速伝動ギヤ52aと回転伝動軸42とを相対回転不能に係合させる。シフトキー61が2速用の操作位置に操作された場合、2速用のギヤ対53の入力側の変速伝動ギヤ53aの受動凹入部58に係合突起部61aが入り込み、係合突起部61aが入力側の変速伝動ギヤ53aと回転伝動軸42を相対回転不能に係合させる。シフトキー61が3速用の操作位置に操作された場合、3速用のギヤ対54の入力側の変速伝動ギヤ54aの受動凹入部58に係合突起部61aが入り込み、係合突起部61aが入力側の変速伝動ギヤ54aと回転伝動軸42とを相対回転不能に係合させる。シフトキー61が4速用の操作位置に操作された場合、4速用のギヤ対55の入力側の変速伝動ギヤ55aの受動凹入部58に係合突起部61aが入り込み、係合突起部61aが入力側の変速伝動ギヤ55aと回転伝動軸42とを相対回転不能に係合させる。
【0051】
回転伝動軸42のうちの4つの入力側の変速伝動ギヤ52a〜55aから外れた部位にスプリング収容部62を設け、このスプリング収容部62に収容した球体63及びスプリング64によってシフトキー61を入力側の変速伝動ギヤ52a〜55aに係合する状態に付勢するよう構成してある。
【0052】
すなわち、シフトキー61のうちの係合突起部61aが位置する側とは反対側の部位に、シフトキー61のスライド方向に並ぶ4つの位置決め凹入部を設けてある。シフトキー61が1速用から4速用の各操作位置に操作されると、4つの位置決め凹入部のうちの操作位置に対応する位置決め凹入部に球体63が入り込み、スプリング64が球体63を介してシフトキー61に押圧作用する。シフトキー61のうちの係合突起部61aと、シフター65が連結している部位との間に球体63が作用するため、シフトキー61は、シフター65を揺動支点にした状態で、係合突起部61aが各変速伝動ギヤ52a〜55aの受動凹入部に向かう側にスプリング64によって揺動操作される。
【0053】
図4,5に示すように、回転伝動軸42におけるスプリング収容部62の外径D1を、他の部位の外径D2よりも大きく設定してある。すなわち、回転伝動軸42の半径方向での長さが長いスプリング収容空間をスプリング収容部62に備えさせて、自由長が長いスプリング64をスプリング収容部62に収容し、シフトキー61が各変速伝動ギヤ52a〜55aに対する係合状態に強い付勢力で保持されるように構成してある。
【0054】
スプリング収容部62は、隣り合う変速伝動ギヤ55aの側面に支持作用するように構成してある。スプリング収容部62の外径D1が他の部位の外径D2よりも大きいので、スプリング収容部62の回転伝動軸42の軸芯に沿う方向視での形状が、変速伝動ギヤ55aのうちの受動凹入部58が位置する部位での半径よりも大きい半径を備える円形となる。従って、変速伝動ギヤ55aに対するスプリング収容部62の支持面の面積を広くし、スプリング収容部62による変速伝動ギヤ55aの支持を安定的に行わせられる。
【0055】
シフトキー61に一端側が相対スライド不能に連結されたシフター65の他端側を、走行機体横向きの変速操作軸66の端部に相対スライド不能に連動連結してある。変速操作軸66は、フィードケース16の横側壁部16bに設けられた支持部67に支持されている。変速操作軸66は、支持部67をスライド可能に貫通している。
図3に示すように、変速操作軸66のフィードケース外の端部は、メインフレーム15に揺動操作できるように支持された変速レバー68に連動連結されている。
【0056】
支持部67は、横側壁部16bにフィードケース16の内側に向けて突設された内側のボス部67bと、横側壁部16bにフィードケース16の横外側に向けて突設された外側のボス部67aとを備えている。つまり、支持部67は、内側のボス部67bが備える支持スパンと、外側のボス部67aが備える支持スパンとで成る長い支持スパンを備え、変速操作軸66を長い支持スパンによってガタ付き難いように安定的に支持する。
【0057】
支持部67のうちのフィードケース外のボス部67a、及び出力ボス部16cを容易に形成できるようにボス部67aの横側壁部16bから突出する突出長さL1と、出力ボス部16cの横側壁部16bから突出する突出長さL2とを同じに設定してある。ボス部67bの突出長さL1と、出力ボス部16cの突出長さL2とが、製作誤差などによって少し相違し、ほぼ等しい長さの状態であるものも、ボス部67bの突出長さL1と出力ボス部16cの突出長さL2とを同じに設定した概念のものとする。
【0058】
従って、作業部変速装置50は、変速レバー68が揺動操作されることにより、1速から4速の4段階の変速状態に変速操作される。すなわち、変速レバー68が揺動操作されると、変速操作軸66がスライド操作され、シフター65を介してシフトキー61をスライド操作し、シフトキー61が4つの入力側の変速伝動ギヤ52a〜55aを択一的に回転伝動軸42に一体回転可能に係合させる。
【0059】
作業部変速装置50は、変速操作されると、入力軸21からの駆動力によって駆動される回転伝動軸42の駆動力を、回転伝動軸42に一体回転可能に係合された入力側の変速伝動ギヤ52a〜55aを備えるギヤ対52〜55によって変速し、変速後の駆動力を変速出力軸51から苗横送り軸27に伝達し、苗横送り軸27の駆動速度を変更して苗横送り機構25による苗載台14の横送り速度を4段階に変速し、苗植付機構13のよるマット状苗の横方向での苗取り長さを変更する。
【0060】
作業部変速装置50は、変速操作されると、変速後の駆動力を出力ギヤ56から縦送り軸駆動ギヤ57に伝達して縦送り駆動軸32の駆動速度を変更し、苗縦送り機構30による苗縦送りベルト14bの駆動を、苗載台14の横送り速度変更にかかわらず、苗載台14が横移送の左右のストロークエンドに到達したタイミングに合致した適切なタイミングで行わせ、かつ、所定の適切な駆動ストロークで行わせる。
【0061】
ローリング支軸17及び入力軸21の支持構造について説明する。
図10は、ローリング支軸17及び入力軸21の支持構造を示す縦断側面図である。
図13は、フィードケース16の前部を示す斜視図である。
図10,12に示すように、フィードケース16の前壁部16dに、走行機体前後向きの入力ボス部70、及び、走行機体前後向きのローリングボス部71を、ローリングボス部71が入力ボス部70よりも上方に位置する配置で設けてある。ローリングボス部71及び入力ボス部70は、フィードケース16の鋳造時に前壁部16dに一体成形してある。
【0062】
入力ボス部70は、走行機体前方向き及び走行機体後方向きに開口した筒状に形成してある。ローリングボス部71は、フィードケース内側の端部に一体形成された底壁部71aを備え、走行機体前方向きのみに開口した底付きの筒状に形成してある。入力ボス部70の外径及び内径は、ローリングボス部71の外径及び内径よりも大に設定してある。
【0063】
ローリングボス部71の周囲に、走行機体前方向きの連結座面72aを備えた連結座部72、及び、連結座部72のうちの4箇所のボルト連結部72bそれぞれとローリングボス部71とにわたって連結されたメインリブ73を設けてある。4つのメインリブ73のうちのローリングボス部71と入力ボス部70との間に位置する2つのメインリブ73の間に、ローリングボス部71と入力ボス部70とにわたって連結され、走行機体左右方向に並ぶ左右一対の補強リブ74,74を設けてある。左右一対の補強リブ74,74の入力ボス部側での間隔をローリン部ボス部側での間隔よりも広く設定してある。
【0064】
ローリング支軸17は、基部に一体成形された連結フランジ部17a、及び、連結フランジ部17aよりも後方に突出した連結軸部17bを備えている。ローリング支軸17は、連結軸部17bがローリングボス部71に前方から入り込んだ状態で、連結フランジ部17aが連結座面72aに連結ボルト75によって締め付け連結されることにより、ローリングボス部71に支持されている。
【0065】
入力軸21は、入力ボス部70を走行機体前後方向に挿通し、入力軸21と入力ボス部70との間のうちの、入力ボス部70の前端部と後端部との二箇所に設けられた軸受部材76を介して入力ボス部70に相対回転可能に支持されている。
【0066】
三つの作業部駆動ケース12のうちの、フィードケース16の下方でメインフレーム15に支持される作業部駆動ケース12Aは、
図6,7,9に示す支持構造によってメインフレーム15に支持されるように構成してある。
【0067】
すなわち、作業部駆動ケース12Aの前端部に連結フランジ部12fが一体形成されている。連結フランジ部12fの左右両端部の上下二箇所にボルト孔12cが設けられ、連結フランジ部12fの上端部に左右一対の係止部80が設けられている。
【0068】
連結フランジ部12fを左右一対の係止部80がメインフレーム15の後端側の上角部に係合する状態でメインフレーム15の後側に位置させ、各ボルト孔12cに後方から装着した連結ボルト81,82をメインフレーム15に後方から前方に貫通する状態で装着し、各連結ボルト81,82のうちのメインフレーム15から前方に突出した端部にナット83を装着し、連結ボルト81,82及びナット83による締め付け力によって連結フランジ部12fをメインフレーム15の後端面Bに締め付け連結するように構成してある。
【0069】
左右両端の上下の連結ボルト81,82のうち、下の連結ボルト82として、ボルト径が全長にわたって同じボルトを採用してある。上の連結ボルト81として、基部側のボルト径が先端側のボルト径よりも太いリーマボルトを採用してある。上の連結ボルト81は、
図13に示す取付要領に基づいて取り付けるように構成してある
【0070】
すなわち、上の連結ボルト81を装着する際、連結フランジ部12fのボルト孔12c孔径と、連結ボルト81の先端側のボルト径との径差を利用し、連結ボルト81をボルト孔12cに対して傾斜させた状態でボルト孔12cに装着し、連結ボルト81の頭部側が作業部駆動ケース12の出力軸22が通るボス部12dに触れないようにする。連結フランジ部12fに対する連結ボルト81の前方側への移動が進み、頭部側がボス部12dに触れなくなると、連結ボルト81のボルト孔12cに対する傾斜を解除することにより、大径の基端側をボルト孔12cに装着でき、連結ボルト81を連結フランジ部12fに対してガタ付かないように装着できる。
【0071】
左右一対の係止部80は、側面視形状がフック形状となるように構成され、メインフレーム15の後端側の上角部に対して後方から係離操作できるようになっている。
図6,14に示すように、左右一対の係止部80は、メインフレーム15の後端側の上角部に対して係合した状態で、作業部駆動ケース12の荷重をメインフレーム15に支持させるように、かつ、メインフレーム15に対して走行機体横方向にスライドするように構成してある。
【0072】
作業部駆動ケース12をメインフレーム15に対して脱着する際、係止部80をメインフレーム15に係合させることにより、作業部駆動ケース12の荷重をメインフレーム15に支持させながら、連結ボルト81,82の締め付けや取外しをできるように構成してある。また、係止部80をメインフレーム15に係合させた状態で、作業部駆動ケース12をメインフレーム15に対して走行機体横方向にスライド操作することにより、作業部駆動ケース12の荷重をメインフレーム15に支持させながら、連結フランジ部12fのメインフレーム15に対する位置合わせをできるように構成してある。
【0073】
3つの作業部駆動ケース12のうち、フィードケース16の左横側方及び右横側方でメインフレーム15に支持される作業部駆動ケース12Bがメインフレーム15に支持される支持構造は図示しないが、左横側方及び右横側方でメインフレーム15に支持される作業部駆動ケース12Bも、フィードケース16の下方でメインフレーム15に支持される作業部駆動ケース12Aの支持構造と同じ構成を備えた支持構造によってメインフレーム15に支持されるように構成してある。
【0074】
フィードケース16がメインフレーム15に支持される支持構造について説明する。
図6,7,9に示すように、メインフレーム15を、縦断面形状が矩形で、上下3段の中空部が全長にわたって備えられた管状体によって構成してある。フィードケース16の前端側の左右の下部に連結部90を設け、左右の連結部90をメインフレーム15に連結ボルト91,92によって締め付け連結するように構成してある。
【0075】
すなわち、メインフレーム15の上端面Uの前側部分及び後側部分に、走行機体横方向に沿ったポップナット取付け溝85を設けてある。
【0076】
図7に示すように、フィードケース16の左の連結部90は、フィードケース16に一体成形された鋳造製の連結座部93と、連結座部93と別部材に形成された連結部材94とを備えている。
【0077】
図7,8に示すように、連結座部93は、機体側面視の形状が二又形状となるように構成され、メインフレーム15の上端面Uのうちの前側部分と後側部分とに分かれ載置される前側座部93Fと後側座部93Rとを備えている。前側座部93Fの前後方向長さFLを、上端面Uの前側部分に位置するポップナット取付け溝85を前後に跨ぐ長さに設定してある。後側座部93Rの前後方向長さRLを、上端面Uの後側部分に位置するポップナット取付け溝85を前後に跨ぐ長さに設定してある。前側座部93Fに機体上下方向のボルト孔95を設けてある。
【0078】
つまり、上端面Uの前側部分のポップナット取付け溝85にポップナット96を取り付ける。すなわち、ポップナット96の抜け止めフランジをポップナット取付け溝85に入り込ませ、ポップナット96の本体をメインフレーム15の中空部に収容させる。ボルト孔95に装着した連結ボルト91を、ポップナット取付け溝85を通してポップナット96に装着する。すると、連結座部93は、前側座部93Fが前側部分のポップナット取付け溝85を前後に跨いて上端面Uに載る状態で、かつ、後側座部93Rが後側部分のポップナット取付け溝85を前後に跨いで上端面Uに載る状態で、連結ボルト91及びポップナット96による締め付け力によって上端面Uに締め付け連結され、連結部90をメインフレーム15に締め付け連結する。
【0079】
連結部材94の上端側を、後側座部93Rの後部に設けられた支持部97に走行機体前後向きの連結ボルト97aによって連結する。連結部材94の下端側に後方から装着した連結ボルト92を、メインフレーム15に後方から前方に貫通する状態で装着し、連結ボルト92のうちのメインフレーム15から前方に突出した端部にナット98を装着する。すると、連結部材94は、後側座部93Rとメインフレーム15とにわたって連結され、かつ連結ボルト92及びナット98による締め付け力によってメインフレーム15の後端面Bに締め付け連結され、連結部90をメインフレーム15に締め付け連結する。
【0080】
図11,14に示すように、後側座部93Rにおける支持部97の下端部に、フィードケース下方の作業部駆動ケース12Aがメインフレーム15に対して横スライドされた際、左右一対の係止部80のうちの左の係止部80が入り込む凹入部99としての切欠き部を設けてある。すなわち、作業部駆動ケース12Aの取り外しを行なう際、作業部駆動ケース12Aをメインフレーム15に沿わせて左横方向にスライド操作することにより、左側の係止部80が凹入部99に入り込み、作業部駆動ケース12Aの横移動ストロークを大にして、作業部駆動ケース12Aをフィードケース16の出力ケース部16aから分離させることができる。この場合、連結部材94を取外して、凹入部99の後側を開放しておく。つまり、通常時は、連結部材94が凹入部99の後向き開口を閉じる蓋体となっている。
【0081】
前側座部93Fと後側座部93Rとの間に電線100を通し得る空隙101が形成されるように連結座部93を構成し、電線100が空隙101を通ってメインフレーム15の上端面側を機体横方向に通るように配線してある。電線100は、苗載台14の各苗載置部に設けられ、苗載置部の苗残量を検出する検出スイッチの情報を制御装置や警報装置に伝達するものである。
【0082】
前側座部93Fと後側座部93Rとの下端側での間隔が上端側での間隔よりも広くなるように連結座部93を構成してある。具体的には、後側座部93Rの空隙101を形成する側面101aを、メインフレーム15の上端面Uに対する垂直面に形成し、前側座部93Fの空隙101を形成する側面101bを、メインフレーム15の上端面Uに対する傾斜面に形成してある。つまり、空隙101の側面視形状を、電線100を通し易い下広がり形状にしてある。
【0083】
図9に示すように、フィードケース16の右の連結部90は、フィードケース16に一体成形された鋳造製の連結座部93を備えている。
【0084】
連結座部93は、機体側面視の形状が二又形状となるように構成され、メインフレーム15の上端面Uのうちの前側部分と後側部分とに分かれて載置される前側座部93Fと後側座部93Rとを備えている。前側座部93Fの前後方向長さを、上端面Uの前側部分に位置するポップナット取付け溝85を前後に跨ぐ長さに設定してある。前側座部93Fに機体上下方向のボルト孔95を設けてある。後側座部93Rの後部に締付連結部102を一体成形してある。
【0085】
つまり、上端面Uの前側部分のポップナット取付け溝85にポップナット96を取り付ける。すなわち、ポップナット96の抜け止めフランジをポップナット取付け溝85に入り込ませ、ポップナット96の本体をメインフレーム15の中空部に収容させる。ボルト孔95に装着した連結ボルト91を、ポップナット取付け溝85を通してポップナット96に装着する。すると、連結座部93は、前側座部93Fが前側部分のポップナット取付け溝85を前後に跨いて上端面Uに載る状態で、かつ、後側座部93Rが上端面Uの後端部に載る状態で、連結ボルト91及びポップナット96による締め付け力によって上端面Uに締め付け連結され、連結座部93をメインフレーム15に締め付け連結する。
【0086】
締付連結部102に装着した連結ボルト92をメインフレーム15に後方から前方に貫通する状態で装着し、連結ボルト92のうちのメインフレーム15から前方に突出した端部にナット98を装着する。すると、締付連結部102が連結ボルト92及びナット98による締め付け力によってメインフレーム15の後端面Bに締め付け連結され、連結座部93をメインフレーム15に締め付け連結する。
【0087】
前側座部93Fと後側座部93Rとの間に電線100を通し得る空隙101が形成されるように連結座部93を構成し、電線100が空隙101を通ってメインフレーム15の上側を機体横方向に通るように配線してある。電線100は、苗載台14の各苗載置部に設けられ、苗載置部の苗残量を検出する検出スイッチの情報を制御装置や警報装置に伝達するものである。
【0088】
前側座部93Fと後側座部93Rとの下端側での間隔が上端側での間隔よりも広くなるように連結座部93を構成してある。具体的には、後側座部93Rの空隙101を形成する側面101aを、メインフレーム15の上端面Uに対する傾斜面に形成し、前側座部93Fの空隙101を形成する側面101bを、メインフレーム15の上端面Uに対する垂直面に形成してある。つまり、空隙101の側面視形状を、電線100を通し易い下広がり形状にしてある。
【0089】
〔別実施例〕
(1)上記した実施例では、六つの苗植付機構13を備えた例を示したが、五つ以下や、七つ以上の苗植付機構を備えて実施してもよい。
【0090】
(2)上記した実施例では、ローリングボス部71が入力ボス部70の上方に位置する例を示したが、入力ボス部70をローリングボス部71の上方に配置して実施してもよい。
【0091】
(3)上記した実施例では、左右一対の補強リブ74を備えた例を示したが、補強リブ74を一つのみ備えて、あるいは三つ以上備えて実施してもよい。
【0092】
(4)上記した実施例では、入力ボス部70の外径をローリングボス部71の外径よりも大に設定した例を示したが、入力ボス部70の外径をローリングボス部71の外径よりも小に設定して、あるいは入力ボス部70とローリングボス部71との外径を同じ大きさに設定して実施してもよい。