特許第6385124号(P6385124)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6385124行進方向制限装置及び該行進方向制限装置を備えた車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385124
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】行進方向制限装置及び該行進方向制限装置を備えた車両
(51)【国際特許分類】
   B62B 7/04 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   B62B7/04
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-91170(P2014-91170)
(22)【出願日】2014年4月25日
(65)【公開番号】特開2014-213856(P2014-213856A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年11月22日
(31)【優先権主張番号】201310150893.3
(32)【優先日】2013年4月26日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509046262
【氏名又は名称】明門香港股▲フェン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 憲璋
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−158331(JP,A)
【文献】 特開2012−136222(JP,A)
【文献】 特開2012−116369(JP,A)
【文献】 特開2013−052865(JP,A)
【文献】 特開2010−234988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームと、該車体フレームにそれぞれ転向自在に取付けられている第1の車輪ユニットと第2の車輪ユニットとを備える車両に用いられ、前記第1の車輪ユニット及び前記第2の車輪ユニットの行進方向を制限する行進方向制限装置であって、
前記第1の車輪ユニットの行進方向を制限する第1の制限位置にスライドすることができるように構成されて前記車体フレームに取付けられた第1の制限手段と、
前記第2の車輪ユニットの行進方向を制限する第2の制限位置にスライドすることができるように構成されて前記車体フレームに取付けられた第2の制限手段と、
一端部が前記第1の制限手段に接続され、該一端部の反対側にある他端部が前記第2の制限手段に接続されている連動手段と、
前記第2の制限手段に接続され、前記第2の制限手段を前記第2の制限位置にスライドさせることができるように構成された作動手段と、
常に前記第1の制限手段を前記第1の制限位置にスライドさせる勢いを前記第1の制限手段に付与するように配置構成された付勢手段と、を備えた上、
前記作動手段が前記第2の制限手段を作動して前記第2の制限位置にスライドさせると共に、前記連動手段を介して前記第1の制限手段を前記第1の制限位置から離れさせることができ、且つ前記作動手段が前記第2の制限手段を作動しなくなると、前記付勢手段が前記第1の制限手段を前記第1の制限位置にスライドさせると共に、前記連動手段を介して前記第2の制限手段を前記第1の制限位置から離れさせることができるように配置構成されていることを特徴とする行進方向制限装置。
【請求項2】
前記作動手段が前記第2の制限手段を作動する/しないことによって、前記第2の車輪ユニットの行進方向が前記第2の制限手段によって制限されて前記第1の車輪ユニットのみが行進方向を自由に変えることができる第1の行進状態と、前記第1の車輪ユニットの行進方向が前記第1の制限手段によって制限されて前記第2の車輪ユニットのみが行進方向を自由に変えることができる第2の行進状態と、の間に切り替えることができることを特徴とする請求項1に記載の行進方向制限装置。
【請求項3】
前記第1の行進状態においては、前記第2の制限手段が前記作動手段の作動により前記第2の車輪ユニットへスライドして前記第2の車輪ユニットの行進方向を制限し、前記第2の行進状態においては、前記第1の制限手段が前記付勢手段が付与する勢いにより前記第1の車輪ユニットへスライドして前記第1の車輪ユニットの行進方向を制限することを特徴とする請求項2に記載の行進方向制限装置。
【請求項4】
前記作動手段は、
前記第2の車輪ユニットの上側で前記車体フレームに回転可能に枢支されている回転プレートと、
前記第2の車輪ユニットの隣で前記車体フレームに回転可能に枢支されている滑車と、
一端が前記回転プレートに固定され、他端が前記滑車を巻いてから前記第2の制限手段に繋がっている駆動紐とを有し、
前記回転プレートが回転されると、前記駆動紐が前記回転プレートに巻き付けられて前記第2の制限手段を引張って前記第2の制限位置にスライドさせることができるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の行進方向制限装置。
【請求項5】
前記作動手段は、
前記第2の車輪ユニットの上側で前記車体フレームに回転可能に枢支されている回転プレートと、
前記第2の制限手段の隣に配置され、その両端における一端が前記第2の制限手段に接続され、前記両端の間における所定の位置で前記車体フレームに回転可能に枢支されている回転リンクと、
一端が前記回転プレートに固定され、他端が前記回転リンクの前記両端における一端の反対側にある他端に繋がっている駆動紐とを有し、
前記回転プレートが回転されると、前記駆動紐が前記回転プレートに巻き付けられて前記回転リンクの前記他端を引っ張ることによって、前記回転リンクの前記第2の制限手段に接続する前記一端を動かして前記第2の制限手段を前記第2の制限位置にスライドさせることができるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の行進方向制限装置。
【請求項6】
前記回転プレートに、その回転軸を円心とする円弧線に沿って延伸する案内溝が形成されており、
前記車体フレームに、前記回転プレートの前記案内溝に嵌め込む案内突起が形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の行進方向制限装置。
【請求項7】
前記作動手段は、前記回転プレートと連動して共に回転できるように前記車体フレームに回転可能に枢支されているハンドルを更に有していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の行進方向制限装置。
【請求項8】
前記回転プレート及び前記ハンドルは、同軸で回動できるように前記車体フレームに取り付けられており、
前記回転プレートに連動孔が形成されており、
前記ハンドルに、前記回転プレートの前記連動孔に挿し込まれて前記回転プレートを前記ハンドルと共に回転させる連動柱が突起するように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の行進方向制限装置。
【請求項9】
前記連動手段は、金属またはプラスチック材料により作成された紐であることを特徴とする請求項1に記載の行進方向制限装置。
【請求項10】
前記駆動紐は、金属またはプラスチック材料により作成された紐であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の行進方向制限装置。
【請求項11】
車体フレームと、該車体フレームにそれぞれ転向自在に取付けられている第1の車輪ユニットと第2の車輪ユニットとを備える車両であって、
請求項1〜請求項10におけるいずれか1項に記載の行進方向制限装置を更に備え、前記第1の車輪ユニットと前記第2の車輪ユニットの行進方向を制限することができる車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は行進方向制限装置及び該行進方向制限装置を備えた車両に関し、特に、車両が有する車輪ユニットの行進方向を制限する行進方向制限装置及び該行進方向制限装置を備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーカーは人力で押したり引いたりして進行するものであるため、使用上の利便性からすべての車輪ユニットがユニバーサルジョイントを介して車体フレームに取り付けられるものが多い。
【0003】
一方、ベビーカーを押し続ける場合では、すべての車輪ユニットが転向自在であると、ベビーカーの行進方向を保持するのに苦労することもある。
【0004】
したがって、ユニバーサルジョイントを介して車体フレームに取り付けられる車輪ユニットの行進方向を一時的に制限できるものとしてたとえば特許文献1に記載のベビーカーを挙げることができる。しかし、特許文献1に記載のベビーカーは構造が複雑で製造コストも高く、ベビーカーを前方へ押す使用状態から後方へ引く使用状態に変える際、手動で前輪の行進方向を固定しなければならない。
【0005】
また、特許文献2〜特許文献5にはベビーカーの行進方向を変える際自動的に前輪または後輪の行進方向を制限する構成が開示されているが、それらの制限手段は車体フレームに露出するように取り付けられているため故障しやすい欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4779879号明細書
【特許文献2】特開2002−284015号公報
【特許文献3】特開2008−254688号公報
【特許文献4】特開2008−254693号公報
【特許文献5】特開2010−234988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題点に鑑みて、構造が簡単で容易に制御することが出来、且つ故障の発生率を抑えた行進方向制限装置及び該行進方向制限装置を備えた車両の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明は、車体フレームと、該車体フレームにそれぞれ転向自在に取付けられている第1の車輪ユニットと第2の車輪ユニットとを備える車両に用いられ、前記第1の車輪ユニット及び前記第2の車輪ユニットの行進方向を制限する行進方向制限装置であって、前記第1の車輪ユニットの行進方向を制限する第1の制限位置にスライドすることができるように構成されて前記車体フレームに取付けられた第1の制限手段と、前記第2の車輪ユニットの行進方向を制限する第2の制限位置にスライドすることができるように構成されて前記車体フレームに取付けられた第2の制限手段と、一端部が前記第1の制限手段に接続され、該一端部の反対側にある他端部が前記第2の制限手段に接続されている連動手段と、前記第2の制限手段を前記第2の制限位置にスライドさせることができるように構成された作動手段と、常に前記第1の制限手段を前記第1の制限位置にスライドさせる勢いを前記第1の制限手段に付与するように配置構成された付勢手段と、を備えた上、前記作動手段が前記第2の制限手段を作動して前記第2の制限位置にスライドさせると共に、前記連動手段を介して前記第1の制限手段を前記第1の制限位置から離れさせることができ、且つ前記作動手段が前記第2の制限手段を作動しなくなると、前記付勢手段が前記第1の制限手段を前記第1の制限位置にスライドさせると共に、前記連動手段を介して前記第2の制限手段を前記第1の制限位置から離れさせることができるように配置構成されていることを特徴とする行進方向制限装置を提供する。
【0009】
上記行進方向制限装置において、前記作動手段が前記第2の制限手段を作動する/しないことによって、前記第2の車輪ユニットの行進方向が前記第2の制限手段によって制限されて前記第1の車輪ユニットのみが行進方向を自由に変えることができる第1の行進状態と、前記第1の車輪ユニットの行進方向が前記第1の制限手段によって制限されて前記第2の車輪ユニットのみが行進方向を自由に変えることができる第2の行進状態と、の間に切り替えることができるように構成されることが好ましい。
【0010】
上記行進方向制限装置において、前記第1の行進状態においては、前記第2の制限手段が前記作動手段の作動により前記第2の車輪ユニットへスライドして前記第2の車輪ユニットの行進方向を制限し、前記第2の行進状態においては、前記第1の制限手段が前記付勢手段が付与する勢いにより前記第1の車輪ユニットへスライドして前記第1の車輪ユニットの行進方向を制限するように構成されることが好ましい。
【0011】
上記行進方向制限装置において、前記作動手段は、前記第2の車輪ユニットの上側で前記車体フレームに回転可能に枢支されている回転プレートと、前記第2の車輪ユニットの隣で前記車体フレームに回転可能に枢支されている滑車と、一端が前記回転プレートに固定され、他端が前記滑車を巻いてから前記第2の制限手段に繋がっている駆動紐とを有し、前記回転プレートが回転されると、前記駆動紐が前記回転プレートに巻き付けられて前記第2の制限手段を引張って前記第2の制限位置にスライドさせることができるように構成されることができる。
【0012】
上記行進方向制限装置において、前記作動手段は、前記第2の車輪ユニットの上側で前記車体フレームに回転可能に枢支されている回転プレートと、前記第2の制限手段の隣に配置され、その両端における一端が前記第2の制限手段に接続され、前記両端の間における所定の位置で前記車体フレームに回転可能に枢支されている回転リンクと、一端が前記回転プレートに固定され、他端が前記回転リンクの前記両端における一端の反対側にある他端に繋がっている駆動紐とを有し、前記回転プレートが回転されると、前記駆動紐が前記回転プレートに巻き付けられて前記回転リンクの前記他端を引っ張ることによって、前記回転リンクの前記第2の制限手段に接続する前記一端を動かして前記第2の制限手段を前記第2の制限位置にスライドさせることができるように構成されることもできる。
【0013】
上記行進方向制限装置において、前記回転プレートに、その回転軸を円心とする円弧線に沿って延伸する案内溝が形成されており、前記車体フレームに、前記回転プレートの前記案内溝に嵌め込む案内突起が形成されていることが好ましい。
【0014】
上記行進方向制限装置において、前記作動手段は、前記回転プレートと連動して共に回転できるように前記車体フレームに回転可能に枢支されているハンドルを更に有するように構成されることが好ましい。
【0015】
上記行進方向制限装置において、前記回転プレート及び前記ハンドルは、同軸で回動できるように前記車体フレームに取り付けられており、前記回転プレートに連動孔が形成されており、前記ハンドルに、前記回転プレートの前記連動孔に挿し込まれて前記回転プレートを前記ハンドルと共に回転させる連動柱が突起するように形成されることが好ましい。
【0016】
上記行進方向制限装置において、前記連動手段は、金属またはプラスチック材料により作成された紐であるように構成されることが好ましい。
【0017】
上記行進方向制限装置において、前記駆動紐は、金属またはプラスチック材料により作成された紐であるように構成されることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、車体フレームと、該車体フレームにそれぞれ転向自在に取付けられている第1の車輪ユニットと第2の車輪ユニットとを備える車両であって、上記いずれか1つの行進方向制限装置を更に備え、前記第1の車輪ユニットと前記第2の車輪ユニットの行進方向を制限することができる車両をも提供する。
【発明の効果】
【0019】
上記構成によれば、本発明の行進方向制限装置及び該行進方向制限装置を備えた車両は、第1の車輪ユニット及び第2の車輪ユニットそれぞれの行進方向を制限する制限位置にスライドすることができる第1、第2の制限手段と、第1、第2の制限手段を連動させる連動手段と、第2の制限手段を作動する作動手段とを有することにより、構造が簡単で容易に制御することが出来、且つ故障の発生率を抑えた行進方向制限装置及び該行進方向制限装置を備えた車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の行進方向制限装置が用いられる車両(ベビーカー)の構成(第1の行進状態に対応)が示されている側面図である。
図2】該車両の一部拡大側面図である。
図3】本発明の行進方向制限装置の第1の実施形態の構成が簡略的に示されている説明図である。
図4】第2の制限手段及び第2の車輪ユニットの構成が示されている一部拡大側面図である。
図5】同車体フレームのハンドル及び回転プレートの構成が示されている一部拡大分解図である。
図6】本発明の行進方向制限装置が用いられる車両の構成(第2の行進状態に対応)が示されている側面図である。
図7】本発明の行進方向制限装置の第2の実施形態の構成が簡略的に示されている説明図である。
図8】本発明の行進方向制限装置の第2の実施形態における回転リンクの構成が示されている一部拡大側面図である。
図9】本発明の行進方向制限装置の第2の実施形態の変化例の構成が簡略的に示されている説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では図1図9を参照しながら、本発明の行進方向制限装置の各好ましい実施形態について詳しく説明する。図1図6に第1の実施形態が示されており、図7図9に第2の実施形態が示されている。また、図1は本発明の行進方向制限装置が用いられる車両(ベビーカー)の構成(第1の行進状態に対応)が示されている側面図であり、図2は該車両の一部拡大側面図であり、図3は本発明の行進方向制限装置の第1の実施形態の構成が簡略的に示されている説明図であり、図4は第2の制限手段及び第2の車輪ユニットの構成が示されている一部拡大側面図であり、図5は、車体フレームのハンドル及び回転プレートの構成が示されている一部拡大分解図であり、図6は本発明の行進方向制限装置が用いられる車両の構成(第2の行進状態に対応)が示されている側面図であり、図7は本発明の行進方向制限装置の第2の実施形態の構成が簡略的に示されている説明図であり、図8は本発明の行進方向制限装置の第2の実施形態における回転リンクの構成が示されている一部拡大側面図であり、図9は本発明の行進方向制限装置の第2の実施形態の変化例の構成が簡略的に示されている説明図である。
【0022】
本発明の行進方向制限装置は車体フレーム200と、車体フレーム200にそれぞれユニバーサルジョイントを介して転向自在に取付けられている第1の車輪ユニット301及び第2の車輪ユニット302と、を備えている車両に用いられるものであり、図1に示されるように、この第1の実施形態における車体フレーム200は例えばベビーカーの車体フレームである。
【0023】
図2に示されているように、この第1の実施形態における車体フレーム200は第1のフレーム部201と第2のフレーム部202とを有するように構成され、第1のフレーム部201の下端に第1の車輪ユニット301が取り付けられ、第2のフレーム部202の下端に第2の車輪ユニット302が取り付けられている。
【0024】
本発明の行進方向制限装置は、第1のフレーム部201の下端に取り付けられて第1の車輪ユニット301の行進方向を前後方向、即ち第1の車輪ユニット301と第2車輪ユニット302とが並ぶ方向にのみ行進できるように制限する第1の制限位置にスライドすることができるように構成された第1の制限手段101と、第2のフレーム部202の下端に取り付けられて第2の車輪ユニット302の行進方向を前後方向にのみ行進できるように制限する第2の制限位置にスライドすることができるように構成された第2の制限手段102と、を有している上、第1の制限手段101及び第2の制限手段102の作動及び連動を制御する連動手段21と作動手段22とを更に有している。
【0025】
図3は本発明の行進方向制限装置の構成が簡略的に示されている説明図である。図示されているように、この説明図において車体フレーム200及び第1の車輪ユニット301、第2の車輪ユニット302は省略されており、本発明の行進方向制限装置を構成する第1の制限手段101と、第2の制限手段102と、連動手段21と、作動手段22と、付勢手段23とのみが示されている。
【0026】
この実施形態において、第1の制限手段101及び第2の制限手段102は、それぞれ上下方向(重力方向)においてスライドすることによって、車輪ユニットの行進方向を制限する第1の制限位置または第2の制限位置に進入するように車体フレーム200に取り付けられている。
【0027】
この実施形態において、連動手段21は金属またはプラスチック材料により作成された連動紐であり、一端部(図中の左端部)が第1の制限手段101に接続し、該一端部の反対側にある他端部(図中の右端部)が第2の制限手段102に接続されている。更に、連動手段21としての連動紐は両端部がそれぞれ第1の制限手段101と第2の制限手段102とに接続されていると共に、第1のフレーム部201と第2のフレーム部202とが延伸する方向に従い延伸するように配置されている。図中ではその構成を見やすくするため第1のフレーム部201と第2のフレーム部202の表面を伝うように構成されているが、第1のフレーム部201と第2のフレーム部202を中空に構成した上で、第1のフレーム部201と第2のフレーム部202の内側を伝うように配置することによって、連動手段21としての連動紐が外部からの衝撃によって切れて故障することを避けることができる。
【0028】
この実施形態において、作動手段22は、第2の車輪ユニット302の上側で車体フレーム200に回転可能に枢支されている回転プレート221と、第2の車輪ユニット302の隣で車体フレーム200(第2のフレーム部202)に回転可能に枢支されている滑車222と、一端が回転プレート221に固定され、他端が滑車222を巻いてから第2の制限手段102に繋がっている駆動紐223とを有し、回転プレート221が回転されると、駆動紐223が回転プレート221に巻き付けられて第2の制限手段102を下方へ引張って第2の制限位置にスライドさせることができるように構成されている。また、上記のように第1の制限手段101と第2の制限手段102とは連動紐である連動手段21によって繋げられているので、作動手段22が第2の制限手段102を下方へ引張ると、連動手段21を経由して第1の制限手段101を上方へ引き上げて第1の制限位置から離れさせることができる。
【0029】
ちなみに、図示では駆動紐223は連動手段21としての連動紐と同じように第2のフレーム部202の表面を伝うように構成されているが、第2のフレーム部202を中空に構成した上で、第2のフレーム部202の内側を伝うように配置することによって、駆動紐223が外部からの衝撃によって切れて故障することを避けることができる。
【0030】
この実施形態において、付勢手段23は、第1の制限手段101と車体フレーム200(第1のフレーム部201)との間に介在するように取り付けられている圧縮コイルばねであり、常に第1の制限手段101を第1の制限位置にスライドさせる勢いを第1の制限手段101に付与するように配置構成されている。従って、作動手段22の第2の制限手段102に対する作動がなくなると、圧縮コイルばねである付勢手段23は第1の制限手段101を第1の制限位置に押し付けると共に、連動手段21を経由して第2の制限手段102を上方へ引き上げて第2の制限位置から離れさせることができる。
【0031】
即ち、本発明の行進方向制限装置は、連動手段21と、作動手段22と、付勢手段23とを備えることにより、作動手段22の第2の制限手段102を作動する/しないことによって、第2の車輪ユニット302の行進方向が第2の制限手段102によって制限されて第1の車輪ユニット301のみが行進方向を自由に変えることができる第1の行進状態と、第1の車輪ユニット301の行進方向が第1の制限手段101によって制限されて第2の車輪ユニット102のみが行進方向を自由に変えることができる第2の行進状態と、の間に切り替えることができるようになっており、第1の行進状態において、第2の制限手段102が作動手段22の作動(駆動紐223が回転プレート221に巻き付けられることによる引き上げ)により第2の車輪ユニット302へスライドして第2の車輪ユニット302の行進方向を制限し、第2の行進状態においては、第1の制限手段101が付勢手段23が付与する勢いにより第1の車輪ユニット301へスライドして第1の車輪ユニット301の行進方向を制限する。
【0032】
次いで、図4を用いて第2の制限手段102の構成について詳しく説明する。
【0033】
図示されているように、車体フレーム200の第2のフレーム部202の下端に第2の車輪ユニット302が取り付けられており、第2の車輪ユニット302は、水平面において回転できるように第2のフレーム部202の下端に枢支されている保持フレーム304と、垂直面において回転できるように保持フレーム304に枢支されている車輪303とを有するように構成されていると共に、保持フレーム304には第2のフレーム部202側に向かって開口する係止溝305が形成されている。
【0034】
第2の制限手段102は車体フレーム200の第2のフレーム部202に上下スライド可能に取り付けられていると共に、下方へスライドすると保持フレーム304に形成されている係止溝305に嵌まり込んで保持フレーム304の水平面における回転を係止するように配置されている。即ち、第2の制限手段102が保持フレーム304に形成されている係止溝305に嵌まり込んで保持フレーム304の水平面における回転を係止する位置が、上記第2の制限位置であり、第2の制限手段102の上下スライドは作動手段22または付勢手段23によって制御される。また、図示されているように、駆動紐223の第2の制限手段102に繋げられている他端は、滑車222が第2のフレーム部202に枢支されている位置の上方にあるため、駆動紐223が回転プレート221に巻き付けられると、滑車222を経由して第2の制限手段102を下方へ引張って保持フレーム304に形成されている係止溝305に嵌め込むことができるようになっている。
【0035】
次いで、図1図5図6を用いて本発明の行進方向制限装置の操作方法に関する構成及び第1、第2の行進状態について詳しく説明する。
【0036】
図1は本発明の行進方向制限装置が用いられる車両(ベビーカー)の構成(第1の行進状態に対応)が示されている側面図であり、図5は車体フレーム200のハンドル224及び回転プレート221の構成が示されている一部拡大分解図であり、図6は本発明の行進方向制限装置が用いられる車両の構成(第2の行進状態に対応)が示されている側面図である。
【0037】
図示のように、本発明の行進方向制限装置が有する作動手段22は、回転プレート221と連動して共に回転できるように車体フレーム200に回転可能に枢支されているハンドル224を更に有している。
【0038】
回転プレート221に連動孔225と案内溝227とが形成されており、ハンドル224に、回転プレート221の連動孔225に挿し込まれて回転プレート221をハンドル224と共に回転させる連動柱226が突起するように形成されていると共に、回転プレート221及びハンドル224は、軸線Lを回転軸として同軸で回動できるように車体フレーム200に取り付けられている。
【0039】
また、車体フレーム200に回転プレート221の案内溝227に嵌め込む案内突起(図示せず)が形成されており、回転プレート221に形成される案内溝227は、回転プレート221が配置される平面において軸線Lが通過する点を円心とする円弧線に沿って延伸するように形成されている。従って、ハンドル224が軸線Lを回転軸として回動できると共に、ハンドル224の連動柱226により連動孔225を挿通される回転プレート221は案内溝227と案内突起との嵌め合いによって案内されながらハンドル224と共に軸線Lを回転軸として回転することができる。そしてハンドル224が軸線Lを回転軸として回動すると、ハンドル224と共に回転する回転プレート221は駆動紐223を巻きつけて第2の制限手段102を第2の車輪ユニット302の行進方向が制限される第2の制限位置に引張って図1に示される第1の車輪ユニット301のみが行進方向を自由に変えることができる第1の行進状態に切り替えることができ、そして図1に示される第1の行進状態からハンドル224が図6に示される位置に揺動されると、駆動紐223はハンドル224と共に回転する回転プレート221から解放されると共に、付勢手段23が第1の制限手段101を第1の車輪ユニット301の行進方向が制限される第1の制限位置に押し付けると共に、第2の制限手段102を第2の車輪ユニット302の行進方向が制限される第2の制限位置から離れさせて第2の行進状態に切り替えることができる。
【0040】
即ち、本発明の行進方向制限装置が有する作動手段22は、回転プレート221と連動して共に回転できるように車体フレーム200に回転可能に枢支されているハンドル224を更に有することにより、第1の制限手段101及び第2の制限手段102の位置をハンドル224の揺動で簡単に制御して第1の行進状態と第2の行進状態とを素早く切り替えることができるようになっている。
【0041】
次いで、図7図9を用いて本発明の行進方向制限装置の第2及び第3の実施形態について説明する。図示のように、本発明の行進方向制限装置の第2及び第3の実施形態の構成は第1の実施形態とほぼ一致しており、ただ作動手段22の構成に少し変化が加わっている。
【0042】
図7及び図8に示されているように、本発明の行進方向制限装置の第2の実施形態における作動手段22は、第2の車輪ユニット302の上側で車体フレーム200に回転可能に枢支されている回転プレート221と、棒状に形成されていると共に第2の制限手段102の隣に配置され、その両端における一端(図中の左端)が第2の制限手段102に接続し、前記両端の間における所定の位置で車体フレーム200の第2のフレーム部202に回転可能に枢支されている回転リンク228と、一端が回転プレート221に固定され、他端が回転リンク228の前記両端における一端の反対側にある他端(図中の右端)に繋がっている駆動紐229と、を有する構成になっている。即ち、本発明の行進方向制限装置の第2の実施形態における作動手段22は、第1の実施形態における滑車を有しない代わりに、第2のフレーム部202に回転可能に枢支されている回転リンク228で第2の制限手段102と駆動紐229とを繋ぎ、回転プレート221の回転運動に従って第2の制限手段102を引き動かす構成で第1の実施形態と同じ機能を果たすことができる。
【0043】
また、図9は本発明の行進方向制限装置の第2の実施形態の変化例であり、この変化例において作動手段22が有する回転リンク228Aは棒状ではなく円盤状に形成されている点以外はすべて図7及び図8に示されている第2の実施形態と同じ構成になっている。回転リンク228Aを棒状ではなく円盤状に形成することによって、回転リンク228Aの第2の制限手段102及び駆動紐229と繋ぐ両端と、回転リンク228Aが第2のフレーム部202に回転可能に枢支されている回転軸とが一直線に並ぶ必要がなくなるので、構成の自由が利く利点を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
上記構成によれば、本発明の行進方向制限装置及び該行進方向制限装置を備えた車両は、第1の車輪ユニット及び第2の車輪ユニットそれぞれの行進方向を制限する制限位置にスライドすることができる第1、第2の制限手段と、第1、第2の制限手段を連動させる連動手段と、第2の制限手段を作動する作動手段とを有することにより、構造が簡単で容易に制御することが出来、且つ故障の発生率を抑えた行進方向制限装置及び該行進方向制限装置を備えた車両を提供することができる。
【符号の説明】
【0045】
101 第1の制限手段
200 車体フレーム
201 第1のフレーム部
202 第2のフレーム部
202 第2のフレーム部
21 連動手段
22 作動手段
221 回転プレート
222 滑車
223 駆動紐
224 ハンドル
225 連動孔
226 連動柱
227 案内溝
228 回転リンク
229 駆動紐
23 付勢手段
301 第1の車輪ユニット
302 第2の車輪ユニット
303 車輪
304 保持フレーム
305 係止溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9