特許第6385156号(P6385156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385156
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】枠連結金具
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/02 20060101AFI20180827BHJP
   F16B 35/00 20060101ALI20180827BHJP
   F16B 37/04 20060101ALI20180827BHJP
   E06B 3/96 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   F16B5/02 A
   F16B35/00 F
   F16B37/04 B
   E06B3/96 B
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-127019(P2014-127019)
(22)【出願日】2014年6月20日
(65)【公開番号】特開2016-6335(P2016-6335A)
(43)【公開日】2016年1月14日
【審査請求日】2017年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】390030340
【氏名又は名称】株式会社ノダ
(74)【代理人】
【識別番号】100085589
【弁理士】
【氏名又は名称】▲桑▼原 史生
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 篤
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−129782(JP,A)
【文献】 特開2002−167855(JP,A)
【文献】 特開2003−213800(JP,A)
【文献】 特開2004−132481(JP,A)
【文献】 特開2006−076301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/02
E06B 3/96
F16B 35/00
F16B 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の枠部材の端面を他方の枠部材の内側面に当接させた状態でこれら枠部材同士を直交状態に連結する枠連結金具であって、雌ネジおよび該雌ネジより大径のネジ挿入穴が側面を貫通して形成された受具と、雄ネジ部の先端側に該雄ネジ部より細くネジ山を持たない円柱状の先端部が形成された取付ネジとからなり、受具は、一方の枠部材の金具挿入穴の所定深さ位置に挿入されてネジ挿入穴の開口縁が取付ネジの先端部で押されたときに回転可能に配置され、取付ネジは、一方の枠部材の端面を他方の枠部材の内側面に当接させたときに略整列するように形成される他方の枠部材のネジ挿通穴および一方の枠部材のネジ挿入穴を通って、雄ネジ部が受具の雌ネジに螺着されることを特徴とする枠連結金具。
【請求項2】
取付ネジの先端部の最先端が傾斜面を介して先細状に形成されることを特徴とする、請求項1記載の枠連結金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠部材同士(たとえば縦枠と横枠)を直交状態で連結するために用いる枠連結金具に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばドア枠などの開口枠を形成するためには枠部材同士を直交状態で連結する必要があるが、従来は、下記特許文献1,2に示すような枠連結金具(受具)を取付ネジと共に用いて枠部材同士の連結を行っていた。この枠連結金具は、軸方向に直交して延長する貫通穴を有する円柱状部材と、該円柱状部材の貫通穴に同心状に設けられる板状ナット部材とからなる。連結すべき一方の枠部材(たとえば上枠)にあらかじめその端面から長手方向に延長するネジ挿入穴を形成すると共にその上面から金具挿入穴を形成してネジ挿入穴と直交させておくと共に、他方の枠部材(たとえば縦枠)の上枠端面との接合領域に第1穴と整列するようにネジ挿通穴を形成しておく。そして、現場で、板状ナット部材を円柱状部材に挿入した枠連結金具を、上枠の金具挿入穴から挿入してネジ挿入穴と交差する位置に配置すると共に、この位置で円柱状部材を適宜回転させて板状ナット部材の向きをネジ挿入穴に略整列させた状態にして、上枠に対して所定位置に置いた縦枠のネジ挿通穴に貫通させ、さらに上枠のネジ挿入穴に挿入して、金具挿入穴とネジ挿入穴の交点に所定の向きで収容されている板状ナット部材に螺合することにより、縦枠と上枠とを連結する。
【0003】
このような従来技術によると、上枠のネジ挿入穴と金具挿入穴の交点位置に挿入した枠連結金具の板状ナット部材の向き(軸心)が上枠のネジ挿入穴の軸心(したがってネジ挿入穴に挿入される取付ネジの軸心)とが厳密に一致せずに角度的に若干のずれがあったとしても、円柱状部材は金具挿入穴の内径と略同一またはそれより若干小さい外径を有するものとして形成されているので、取付ネジを螺合させていくときに、枠連結金具全体が金具挿入穴の中で自動的に回転してこれらの軸心を合わせる作用(自動調心作用)が働く。したがって、枠部材同士の連結作業において軸心合わせに細心の注意を払わなくても、枠部材同士を強固に連結することができるという利点が発揮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−050797号公報
【特許文献2】特開2008−088648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術においても、上枠のネジ挿入穴と金具挿入穴の交点位置に挿入した枠連結金具の板状ナット部材の軸心がネジ挿入穴の軸心と大きくずれていると、自動調心作用は発揮されない。すなわち、枠連結金具の板状ナット部材Aが、図6に示すような回転角度位置で、縦枠ネジ挿通穴Bおよび上枠ネジ挿入穴Cに通した取付ネジDに対して大きく軸心がずれた状態で金具挿入穴に挿入されている場合、取付ネジDの先端が板状ナット部材Aの雌ネジEに通じるネジ挿入穴Fに入り込むことができず、板状ナット部材Aの側面に当接した図示の状態で止まってしまうため、自動調心作用を得ることができない。
【0006】
また、従来技術に用いられる取付ネジDは先端までネジ山が形成されているため、図6に示すように板状ナット部材Aの側面に当接した状態を自動調心後の雌ネジEに入り込む直前の状態と勘違いして取付ネジDの頭部をドライバーなどで回していくと、取付ネジDの先端が板状ナット部材Aの側面に螺入してしまうことがあった。このような状態になると、一旦取付ネジDを逆回転させて板状ナット部材Aの側面から引き離した後に、再度作業をやり直さなければならず、作業効率を大きく低下させることになっていた。
【0007】
図6に示すほど大きく軸心がずれていない場合には、取付ネジDを前進させていくとその先端がネジ挿入穴Fに入り込んでいって板状ナット部材Aを回転させ、自動調心作用が得られることになるが、軸心が完全に一致しないと取付ネジDを雌ネジEに螺着させることができないため、その作業に時間と手間がかかることがあった。
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、上記自動調心作用がより確実に発揮されるようにするための金具構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、一方の枠部材の端面を他方の枠部材の内側面に当接させた状態でこれら枠部材同士を直交状態に連結する枠連結金具であって、雌ネジおよび該雌ネジより大径のネジ挿入穴が側面を貫通して形成された受具と、雄ネジ部の先端側に該雄ネジ部より細くネジ山を持たない円柱状の先端部が形成された取付ネジとからなり、受具は、一方の枠部材の金具挿入穴の所定深さ位置に挿入されてネジ挿入穴の開口縁が取付ネジの先端部で押されたときに回転可能に配置され、取付ネジは、一方の枠部材の端面を他方の枠部材の内側面に当接させたときに略整列するように形成される他方の枠部材のネジ挿通穴および一方の枠部材のネジ挿入穴を通って、雄ネジ部が受具の雌ネジに螺着されることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の枠連結金具において、取付ネジの先端部の最先端が傾斜面を介して先細状に形成されることを特徴とする、
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明によれば、取付ネジをねじ込んでいくと、その先端部が受具の雌ネジの内部に入り込んで、雄ネジ部を受具の雌ネジに案内する役割を果たすので、自動調心作用を確実に発揮して、作業手間の省略および施工時間の短縮を図ることができる。
【0014】
請求項に係る本発明によれば、取付ネジの先端部の最先端が傾斜面を介して先細状に形成されるので、先端部を受具の雌ネジ内に入り込ませることが容易であると共に、雌ネジに通じる開口(ネジ挿入穴)の開口縁に取付ネジの傾斜面が当たることによって受具を回転させて自動調心作用をより確実に発揮させることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】枠連結構造の一例を示す平面図(a)および側面図(b)である。
図2】この枠連結構造を得るために用いられる本発明の一実施形態による枠連結金具の受具の平面図(a)、正面図(b)、底面図(c)、側面図(d)、A−A断面図(e)およびB−B断面図(f)である。
図3図2の受具と共に用いられる取付ネジの正面図(a)および先端部側の側面図(b)である。
図4】この枠連結金具を用いて枠連結構造を得るときに自動調心作用が発揮されることを時系列的に示す説明図である。
図5】取付ネジの先端部形状についての他実施形態を示す部分正面図である。
図6】従来技術による枠連結金具を用いたときの不都合状態を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好適な一実施形態による枠連結金具について、図1図4を参照して以下に詳述する。この枠連結金具は、上枠20と縦枠30とがいわゆる縦勝ちに連結された枠連結構造(図1)を得るために用いられるものであって、受具10と取付ネジ40とからなる。この実施形態において、上枠20および縦枠30はいずれもMDFで形成されている。
【0017】
図1を参照して、上枠20には、端面21で開口してその長手方向(枠体幅方向X)に所要長さ延長する一対のネジ挿入穴22,23が枠体奥行方向Yに所定間隔をおいてあらかじめ形成されている。ネジ挿入穴22,23は水平な軸心を有して平行に延長する。また、ネジ挿入穴22,23の内径は取付ネジ40より若干大きく形成される。
【0018】
さらに、上枠表面24で開口する金具挿入穴25,26が、ネジ挿入穴22,23が形成されている長さ範囲内においてそれらの直上位置に各々形成され、ネジ挿入穴22,23より深くまで下方に延長している。これら金具挿入穴25,26は垂直な軸心を有する。したがって、上枠20の厚み内において、ネジ挿入穴22は金具挿入穴25と直交状に交差し、ネジ挿入穴23は金具挿入穴26と直交状に交差している。符号24は、上枠20の上面を示す。
【0019】
縦枠30には、その上端近くを厚み方向(枠体幅方向X)に貫通するネジ挿通穴31,32が枠体奥行方向Yに所定間隔(ネジ挿入穴22,23と同間隔)をおいてあらかじめ形成されている。ネジ挿通穴31,32の内径は取付ネジ40より若干大きく形成され、たとえばネジ挿入穴22,23と同径であって良い。ネジ挿通穴31,32の枠体奥行方向Yにおける位置は、上枠20と縦枠30とを縦勝ちに連結したときに、上枠20におけるネジ挿入穴22,23と整列する位置関係となるように設計されている。ネジ挿通穴31,32の縦枠外面36側の開口部33,34は、取付ネジ40の頭部41を受容するため、頭部41の径に応じて拡径されている。符号35は、上枠20の端面21と接合される縦枠30の内面を示す。符号37は、縦枠30の上端面を示す。
【0020】
図1に示す枠連結構造を得るために取付ネジ40と共に用いられる受具10は、一例として、図2に示す形状を有する。この受具10は、上枠20の金具挿入穴25,26の内径と略同一の外径を有する円柱体として形成されている。受具10には、その軸方向と直交する方向に延長して側面11を貫通するネジ挿入穴14が形成される。ネジ挿入穴14の内径は取付ネジ40より若干大きく形成される。さらに、ネジ挿入穴14と軸心を同じにして、雌ネジ15を有する板状ナット16が内設される。また、ネジ挿入穴14が受具側面11に開口する開口部では、徐々に内径が大きくなるように傾斜面17が形成されている。なお、この実施形態では、板状ナット16がネジ挿入穴14の中央でネジ挿入穴14と同心となる位置で受具10に一体に固定されているが、従来技術として引用した特許文献1,2に示すように、受具10の下面13にスリットを形成して、別部材として用意した板状ナット16を該スリットから挿入してネジ挿入穴14と同心位置に配置しても良い。
【0021】
受具10の上面12には、後述するようにして上枠20の金具挿入穴25,26に挿入された受具10が所定の向きとなるように適宜回転させるために、ドライバーの先端を挿入可能な溝18が形成されている。この実施形態では、マイナスドライバーとプラスドライバーの両方を使用可能なように、受具10の直径に亘る長溝18aと、この長溝18aと中心位置で直交する短溝18bとで溝18が形成されているが、短溝18bも直径に至る長溝として形成したり、マイナスドライバー専用に長溝18aだけで溝18を形成したり、あるいは、プラスドライバー専用に短溝18bを直交させて溝18としても良いことは言うまでもない。この実施形態において、長溝18aはネジ挿入穴13と同方向に延長するものとして形成されているので、これを枠体幅方向Xに合わせることにより、上枠20の金具挿入穴25,26に挿入した受具10の向きをネジ挿入穴22,23の軸心C(図1)に略一致させることが容易である。
【0022】
受具10の軸方向長さは、これを上枠20の金具挿入穴25,26に挿入して板状ナット14の雌ネジ15の軸心をネジ挿入穴22,23の軸心に整列させたときに、上枠20の表面24から突出しないことが必要であり、好ましくは、このときに受具10の上面12が表面24と略面一となるような寸法に形成される。特に、受具10の軸方向の全長を金具挿入穴25,26の深さと略同一とし、受具10を金具挿入穴25,26の奥底まで挿入したときに、その軸心が自動的にネジ挿入穴22,23の軸心と整列するように、各部の寸法を設定することが好ましい。すなわち、雌ネジ15の軸心は受具10の上面から距離h(図1(b))の位置にあり、ネジ挿入穴22,23の軸心Cと一致している。
【0023】
この受具10と共に用いられる取付ネジ40は、一例として、図3に示す形状を有する。この取付ネジ40は、頭部41と、ネジ山を持たない軸部42と、雄ネジ部43と、雄ネジ部43より小径であってネジ山を持たない先端部44とからなる。雄ネジ部43の外径は、縦枠ネジ挿通穴31,32および上枠ネジ挿入穴22,23の内径と略同一であっても良いが、自動調心作用をより効果的に発揮させるためには、既述したようにこれらの内径より若干小さく形成することが好ましく、その場合の径寸法差は1mm以下とするのが良い。この径寸法差が1mmより大きくなると、取付ネジ40を縦枠ネジ挿通穴31,32および上枠ネジ挿入穴22,23に挿入したときに、取付ネジ40の軸心がこれら穴の軸心から大きくずれやすくなり、自動調心作用がうまく働かず、取付ネジ40を受具10のネジ挿入穴14にスムーズに挿入することができなくなる。また、図1の枠連結構造を得た後にネジ頭部41に大きな衝撃が加わったときに、取付ネジ40がこれら穴の中で動いてしまい、雌ネジ15に対する螺合が緩んだり、雄ネジ部43や雌ネジ15のネジ山が破損して枠同士の連結が緩むおそれがある。
【0024】
この実施形態における取付ネジ40の先端部44は、雄ネジ部43より小径の円柱状に形成されているが、その最先端は傾斜面45を介して先細状に形成されて先端面46に至っている。すなわち、従来技術における取付ネジは先端までネジ山が形成されている(図6)が、取付ネジ40は、雄ネジ部43の先端側により小径で且つネジ山を持たない先端部44が形成される点で大きく異なっている。このような先端部44を形成することにより、取付ネジ40を縦枠ネジ挿通穴31,32および上枠ネジ挿入穴22,23に挿入するときにこれら穴の側面にネジ山が引っ掛からず、スムーズに挿入することができるものとなる。また、雌ねじ15のねじ山にも引っ掛からず、雄ネジ先端面43aを雌ねじ15の開口端までスムーズに案内することができる。円柱状の先端部44の径は、雄ネジ部43の径の20〜90%とすることが好ましい。20%未満とすると、先端部44が雄ネジ部43に対して極端に細くなってこれらの境界部分の強度が低下し、わずかな力が加わっても変形や破損を生ずるおそれがある。90%より大きくなると、加工が難しいことに加えて、取付ネジを挿入しやすくなるメリットが十分に発揮されなくなる。
【0025】
また、取付ネジ40の先端部44に形成される傾斜面45は、図4を参照して後述するように、受具10に対する自動調心作用を効果的に発揮させる上で有用である。傾斜面45の取付ネジ40の軸心に対する傾斜角度は10〜45度とすることが好ましい。この傾斜角度が10度未満であると加工が難しく、45度を超えると、傾斜面45が受具10のネジ挿入穴14の開口縁(傾斜面17)に当接した状態(図4(a))で取付ネジ40を押し込んでいったときに、受具10を回転させようとする分力より、受具10を取付ネジ40の進行方向に押動させようとする分力の方が大きくなってしまい、受具10を回転させることによる自動調心作用が十分に働かなくなる。
【0026】
取付ネジ40の寸法は、一例として、雄ネジ部43が長さ45mm、径4.0mmであり、先端部44が長さ5mm、径3.2mmであって、先端部44の軸心に対して20度の傾斜角度で傾斜面45が形成されている。この実施形態において、縦枠ネジ挿通穴31,32および上枠ネジ挿入穴22,23の内径はいずれも4.2mmであるので、取付ネジ40の雄ネジ部43との径寸法差は0.2mmである。雄ネジ部43は、取付ネジ40の頭部41が縦枠ネジ挿通穴31,32の拡径開口部33,34に収容されるまでねじ込んだときに、上枠ネジ挿入穴22,23と縦枠ネジ挿通穴31,32との交点位置に配置された受具10の雌ネジ15の軸方向長さ(板状ナット16の厚さ)を完全に含むような位置および長さに形成される。
【0027】
以上に説明した受具10と取付ネジ40を用いて図1の枠連結構造を得るには、上枠20と縦枠30とを、上枠20の表面24が縦枠30の上端面37と面一になるように縦勝ちにした位置関係とし、この位置関係において水平方向に整列状態となっている縦枠ネジ挿通穴31,32と上枠ネジ挿入穴22,23に対して各々取付ネジ40を挿入する。
【0028】
受具10はあらかじめ上枠20の金具挿入穴25,26とネジ挿入穴22,23との交点位置にセットされていても良いし、枠連結構造を組み立てる現場で上記交点位置にセットしても良いが、いずれの場合も、上枠表面24に開口する金具挿入穴25,26の開口から目視しながら、ドライバーを溝18に入れてその向きが枠体幅方向Xと略平行になるように適宜回転させて仮位置合わせを行っておく。
【0029】
この仮位置合わせを行っても、受具10の板状ナット16の軸心(したがって雌ネジ15の軸心)が縦枠ネジ挿通穴31,32および上枠ネジ挿入穴22,23の軸心と大きくずれていることがあり、あるいは受具10を上記交点位置にセットした後に衝撃などで受具10が不慮に回転して軸心ずれが大きくなることもある。図7を参照して既述したように、軸心ずれが一定以上大きくなると、自動調心作用が働かなくなって、枠連結作業に多くの時間と労力を要することになる。しかしながら、本発明によれば、取付ネジ40の雄ネジ部43の先端側により小径でネジ山を持たない先端部44が形成されているので、この問題を解決することができる。以下、この作用について、図4を参照して説明する。図4では、受具10の板状ナット16の軸心が図6と同じ角度だけ大きくずれているが、本発明によれば、この場合にも自動調心作用が働いて、取付ネジ40を雌ネジ15にスムーズに螺合させることができる。
【0030】
図4(a)には、取付ネジ40を縦枠ネジ挿通穴31,32に挿通させ且つ上枠ネジ挿入穴22,23に挿入してねじ込んでいき、取付ネジ40の先端が、上記交点位置において大きく軸心がずれた状態で配置されている受具10の側面11に当たったときの状態が示されている。
【0031】
図4(a)の状態から、取付ネジ40の頭部41に形成したプラスまたはマイナスの溝(図示せず)にドライバーの先端を差し込んで締め付け方向に回転させながらさらに挿入していくと、取付ネジ先端部44の傾斜面45が、受具10のネジ挿入穴14が側面11で開口する開口縁に形成された傾斜面17に当たる(図4(b))ので、さらに取付ネジ40が押し込まれることにより、受具10を反時計方向(図4において。以下も同じ。)に回転させて、先端部44がネジ挿入穴14の中に入り込んでいく(図4(c))。
【0032】
図4(d)は、図4(c)の状態からさらに取付ネジ40が押し込まれて、先端部44との段差となる雄ねじ先端面43aが、受具10のネジ挿入穴14の開口縁の回りの側面11に突き当たった状態を示す。この位置関係でさらに取付ネジ40を押し込もうとしても、雄ネジ先端面43aが側面11に当たっているので前進することができず、受具11を回転させることもできない。しかしながら、既述したように雄ネジ部43の外径は縦枠ネジ挿通穴31,32および上枠ネジ挿入穴22,23の内径よりわずかに小さく形成され、その径寸法差による隙間を利用して、取付ネジ40をこれら穴の中で上下左右に動かすことができるので、図4(d)の状態であれば取付ネジ40を上方に動かすことにより、先端部44の側面でネジ挿入穴14の開口縁や傾斜面17を押して、受具10を反時計方向にさらに回転させることができる。
【0033】
このようにして受具10が図4(d)に示す回転角度位置からわずかでも反時計方向に回転すれば、雄ネジ部43をネジ挿入穴14の中に入り込ませることが可能となり、図4(e)に示すように、雄ネジ先端面43aの一方(図では上方部分)がネジ挿入穴14の開口縁の回りの受具側面11に当接するので、その後さらに取付ネジ40が前進することにより受具10を反時計方向にさらに回転させ、ついにはその軸心が縦枠ネジ挿通穴31,32および上枠ネジ挿入穴22,23の軸心と一致する(図4(f))。これで自動調心作用が得られるので、この状態からさらに取付ネジ40をねじ込んでいくことにより、雄ネジ部43が雌ネジ15に螺合され、最終的に取付ネジ40の頭部41が縦枠外面36の拡径開口部33,34に収容されるまでねじ込まれて、図4(g)の状態が得られる。これにより、受具10および取付ネジ40により、上枠20と縦枠30を連結して、図1の枠連結構造が得られる。
【0034】
以上において図示実施形態に基づいて本発明の枠連結金具について詳述したが、本発明はこの特定の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に定義される発明の範囲内において様々に変形ないし変更して実施可能である。
【0035】
取付ネジ40の形状については、図5に示すような他形状を採用しても良い。図5(a)の取付ネジ40は、円柱状の先端部44の最先端を傾斜面45を有する円錐状に形成したもの(したがって先端面46が無い)であり、図5(b)の取付ネジ40は、円錐台状の先端部44の最先端周縁を曲面状の傾斜面45として形成したものである。いずれも、先端部44の全体が雄ネジ部43より細く形成されている。このような先端部形状であっても、図示実施形態の場合と同様に自動調心作用を発揮することができる。
【0036】
また、既述実施形態では、縦勝ちで枠組みされる枠連結構造の上枠に受具10を用いるものとしているが、他の横枠(中横枠や、四方枠であれば下枠)に用いても良いし、横勝ちで枠組みされる枠連結構造の縦枠に用いても良い。枠連結構造の形状や枠部材の形状・材質は特に限定されない。
【0037】
既述実施形態では、受具10が、金具挿入穴25,26の内径と略同一外径の略円柱形状を有するものとして示されているが、受具10は、金具挿入穴25,26に挿入可能な外形状および外寸法を有するものであれば良く、これに限定されない。金具挿入穴25,26の横断面形状は円形であるが、その全体形状は円柱形状のほか、円錐形状や円錐台形状などであっても良い。あるいは、たとえば下部が円柱形状で上部が円錐形状ないし円錐台形状のように特殊な形状を有するものであっても良い。受具10は、金具挿入穴25,26に挿入可能であり且つその内部で回転可能な形状であれば良く、たとえば下部が円柱形状で上部が円錐または円錐台形状である金具挿入穴25,26の場合は、その形状に対応する上部および下部形状を有する受具10としても良い。
【0038】
既述実施形態の受具10には側面11を貫通するネジ挿入穴13が形成され、このネジ挿入穴13に雌ネジ15を備える板状ナット14が固定されているが、既述したように、受具10の下面13にネジ挿入穴13に通じるスリットを形成し、このスリットから板状ナット14を挿入して所定位置に配置するようにしても良いし、ネジ挿入穴13自体に雌ネジ15を設けて取付ネジ40を螺着するようにしても良い。
【符号の説明】
【0039】
10 受具
11 側面
12 上面
13 下面
14 ネジ挿入穴
15 雌ネジ
16 板状ナット
17 傾斜面
18 溝
18a 長溝
18b 短溝
20 上枠
21 上枠の端面
22,23 上枠ネジ挿入穴
24 上枠の表面
25,26 金具挿入穴
30 縦枠
31,32 縦枠ネジ挿通穴
33,34 拡径開口部
35 縦枠の内面
36 縦枠の外面
37 縦枠の上端面
40 取付ネジ
41 頭部
42 軸部
43 雄ネジ部
43a 雄ネジ先端面
44 先端部
45 傾斜面
46 先端面
図1
図2
図3
図4
図5
図6