(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1は、本発明の貯湯システムを適用した風呂給湯システム10の構成を示している。風呂給湯システム10は、貯湯タンクユニット11と、燃料電池4と、排熱回収装置50と、バックアップ熱源機としての風呂給湯器70とを備えて構成される。装置間の配管や外部配管は2重の矢印で示してある。
【0021】
貯湯タンクユニット11は、給水管12から供給される給水を蓄える貯湯タンク13を備えている。貯湯タンク13は中空略円柱状のタンクであり、下部には給水口14が設けてあり、上部には出湯口15が設けてある。さらに貯湯タンク13の下部には取水口16が、上部には戻り口17が設けてある。
【0022】
貯湯タンク13は、たとえば、容量100リットル程度を有し、底から20リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する第1温度センサ18aが、底から40リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する第2温度センサ18bが、底から60リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する第3温度センサ18cが、底から80リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する湯切れ温度センサ18dが、さらに貯湯タンク13内のほぼ最上部に、その箇所の水温を検出するタンク上部温度センサ18eがそれぞれ設けてある。
【0023】
排熱回収装置50は、燃料電池4の内部に設けられて燃料電池4の排熱を回収する。排熱回収装置50は排熱回収熱交換器51と、排熱回収ポンプ52とを有する。貯湯タンク13と排熱回収装置50の排熱回収熱交換器51は、これらの間に貯湯タンク13の水を循環させる排熱回収循環経路が構成されるように熱回収配管53(53a、53b)で接続されている。詳細には、貯湯タンク13の取水口16には熱回収配管(低温)53aの一端が接続され、排熱回収熱交換器51の入り側に熱回収配管(低温)53aの他端が接続されている。排熱回収ポンプ52は、排熱回収熱交換器51の入り側近傍の熱回収配管(低温)53aに介挿されており、排熱回収ポンプ52は熱回収配管(低温)53a内の水を貯湯タンク13の取水口16側から排熱回収熱交換器51の入り側に向けて送水する。
【0024】
排熱回収熱交換器51の出側には熱回収配管(高温)53bが接続され、熱回収配管(高温)53bの他端は、貯湯タンクユニット11内の第1三方弁21の第1接続口21aに接続されている。
【0025】
第1三方弁21は、前述の第1接続口21aと、第2接続口21bと第3接続口21cとを備え、第1接続口21aと第2接続口21bとを接続し第3接続口21cを閉鎖するA方向と、第1接続口21aと第3接続口21cとを接続し第2接続口21bを閉鎖するB方向とに接続状態を切り替え可能に構成されている。なお、第1三方弁21は第1接続口21aから流入する水の温度が所定温度以上ならばA方向となり、所定温度未満ならばB方向に切り替わるように制御部20により制御される。
【0026】
第1三方弁21の第2接続口21bは貯湯タンク13の戻り口17に配管されている。第1三方弁21の第3接続口21cにはバイパス管54の一端が接続され、バイパス管54の他端は貯湯タンクユニット11内で熱回収配管(低温)53aに合流している。
【0027】
第1三方弁21の第1接続口21a近傍の熱回収配管(高温)53bには熱回収配管高温側温度センサ22aが設けてあり、貯湯タンク13の取水口16からバイパス管54との合流箇所までの間の熱回収配管(低温)53aに熱回収配管低温側温度センサ22bが設けてある。
【0028】
貯湯タンクユニット11は、貯湯タンク13の出湯口15からの湯と、風呂給湯器70からの湯と、給水とを混合する混合器23を備えている。この混合器23は、実際には、貯湯タンク13の出湯口15からの湯の混合量を調整する第1混合器23aと、風呂給湯器70からの湯の混合量を調整する第2混合器23bと、給水管12からの給水の混合量を調整する第3混合器23cとを有して構成される。
【0029】
第1混合器23aの入り側は貯湯タンク13の出湯口15に配管で接続されており、この配管の途中には、過圧逃がし弁24、吸気弁25、タンク出口温度センサ26が設けてある。第2混合器23bの入り側は風呂給湯器70の給湯接続口に接続配管(高温)61で接続されている。接続配管(高温)61のうち貯湯タンクユニット11内の所定箇所には接続配管(高温)61内の水温を検出する接続配管高温側温度センサ28が設けてある。第3混合器23cの入り側には給水管12が接続されている。
【0030】
第1混合器23aの出側と第2混合器23bの出側は合流し、給湯高温温度センサ29の設けられた配管を経た後、第3混合器23cの出側からの配管と合流して混合器23の出口に通じている。混合器23の出口には給湯配管31が接続されている。混合器23の出口近傍の給湯配管31には出湯温度センサ32およびハイカット温度センサ33が設けてある。
【0031】
貯湯タンクユニット11内部の給水管12には流量センサ34、給水温度センサ35、減圧弁36が設けられている。給水管12は、これらの下流で3つに分岐し、その1つは逆止弁37aを介して第3混合器23cの入り側に接続され、他の1つは逆止弁37bを介して貯湯タンク13の給水口14に接続され、他の1つは逆止弁37cを介して第2三方弁38の第2接続口38bに接続されている。
【0032】
第2三方弁38は、第1接続口38aと第2接続口38bと第3接続口38cとを備え、第1接続口38aと第2接続口38bとを接続し第3接続口38cを閉鎖したC方向と、第1接続口38aと第3接続口38cとを接続し第2接続口38bを閉鎖したD方向とに接続状態を切り替え可能になっている。第3接続口38cには、ハイカット温度センサ33の下流側で給湯配管31から分岐した配管31bが接続されている。この配管31bの途中には、第3三方弁43と、逆止弁39が設けてある。第2三方弁38の第1接続口38aは風呂給湯器70の給水接続口に接続配管(低温)62を通じて接続されている。
【0033】
さらに貯湯タンクユニット11の取水口16には所定の排水箇所に通じる排水管41が接続されており、排水管41の途中にはこの管路を開閉する排水栓42が設けてある。
【0034】
第3三方弁43の第1接続口43aには、給湯配管31側からの配管31bが接続され、第2接続口43bには、第2三方弁38の第3接続口38cに向かう配管31bが接続されている。第3三方弁43の第1接続口43aは、排水栓42の下流で排水管41に接続されている。第3三方弁43は、第1接続口43aと第2接続口43bとを連通させ、第3接続口43cを閉鎖したE方向と、第1接続口43aと第3接続口43cとを連通させ第2接続口43bを閉鎖したF方向とに接続状態を切り替え可能になっている。なお、通常の使用状態では、第3三方弁43はE方向に設定される。
【0035】
貯湯タンクユニット11は、当該貯湯タンクユニット11の動作を統括制御する制御部20を備えている。制御部20はCPU(Central Processing Unit)と、該CPUが実行するプログラムや固定データなどが記憶されたフラッシュROM(Read Only Memory)と、CPUがプログラムを実行する際に各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、各種の信号を入出力するI/F(Interface)部などを主要部とする回路で構成されている。制御部20には、貯湯タンクユニット11の各種センサからの検出信号が入力されている。また制御部20からは各弁やその他の制御対象に対して制御信号が出力される。制御部20はさらに燃料電池4や風呂給湯器70と各種の情報や指令を授受するようになっている。
【0036】
次に、バックアップ熱源機としての風呂給湯器70の構成例を説明する。風呂給湯器70は接続配管(低温)62が接続された給水接続口から流入する水を加熱して出湯する機能、風呂(浴槽)2へ注湯(湯張り)する機能、浴槽内の湯水を追い焚きする機能、暖房用放熱器に加熱した熱媒体流体を流して暖房する機能などを備えたガス燃焼式の風呂給湯器である。なお、
図2では暖房機能に係る部分は省略してある。
【0037】
風呂給湯器70は、第1熱交換水管72aと第2熱交換水管72bとが通る一缶二水路型の熱交換器72と、この熱交換器72を加熱するバーナ73を備える。バーナ73にはガス供給管73aが接続され、このガス供給管73aの途中には、ガスの供給/遮断を切り替えるガス弁や供給ガス量を調整する比例弁などが設けてある。
【0038】
第1熱交換水管72aの入り側は入水管74により給水接続口に接続され、第1熱交換水管72aの出側は出湯管75により給湯接続口に接続されている。また、第2熱交換水管72bの入り側には風呂(浴槽)2へ通じる風呂戻り管76が、第2熱交換水管72bの出側には同じく風呂(浴槽)2へ通じる風呂往き管77がそれぞれ接続されている。
【0039】
出湯管75と風呂戻り管76とは、連結管78によって接続されており、該連結管78の途中には、連結管78の閉鎖/開通を切り替える注湯電磁弁79が設けてある。また、連結管78の接続箇所より上流側の出湯管75の途中には、略閉鎖状態から全開状態まで開度を調整可能な水量サーボ81が出湯水量を調整するために設けてある。水量サーボ81の下流側には、出湯温度を検出する出湯温度センサ82が設けてある。
【0040】
さらに、入水管74から分岐し、水量サーボ81より第1熱交換水管72a側の所定箇所で出湯管75に合流・接続されたバイパス管83を備え、このバイパス管83の途中に、略閉鎖から全開まで開度を調整可能なバイパス調整弁84を備えている。第1熱交換水管72aからの湯とバイパス管83を経由した水とを混合して設定温度の湯になるようにバイパス調整弁84が調整される。バイパス管83の分岐箇所より上流側の入水管74には、入水管74内の流量を検出する流量センサ85および入水温度を検知する入水温度センサ86が設けてある。
【0041】
風呂戻り管76の途中には、風呂(浴槽)2内の水を、追い焚き循環経路(風呂戻り管76、第2熱交換水管72b、風呂往き管77)を通じて循環させるための風呂循環ポンプ87が設けてある。風呂戻り管76に設けた流水スイッチ88は、風呂循環ポンプ87を作動させたとき、追い焚き循環経路に実際に水が循環しているか否かを検出する。
【0042】
このほか、風呂戻り管76および風呂往き管77には、それぞれ管内の温度を検出する風呂往き温度センサ89a、風呂戻り温度センサ89bが設けてある。
【0043】
制御部91は、CPUと、該CPUが実行するプログラムや固定データなどが記憶されたフラッシュROMと、CPUがプログラムを実行する際に各種情報を一時記憶するRAMなどを主要部とする回路で構成されている。制御部91には、風呂給湯器70が有する各種センサ、弁、風呂循環ポンプ87などが接続されている。
【0044】
通常は、制御部91に配線を介してリモコン92が直接接続されるが、ここでは、風呂給湯器70を貯湯タンクユニット11側の制御部20の制御下で動作させるために、制御部91を配線を介して制御部20に接続し、制御部20に配線を介してリモコン(貯湯タンクユニット11側と風呂給湯器70の共通のリモコン)92が接続されている。リモコン92は、給湯設定温度や風呂設定温度の指定、湯張り動作や追い焚き動作の開始・終了指示、電源のオン/オフなど各種の操作をユーザから受けるスイッチ類、および動作状態や設定温度などを表示する表示部などで構成される。
【0045】
風呂給湯器70の制御部91は、給湯接続口から接続配管(高温)61へ出湯する給湯動作では、貯湯タンクユニット11側の制御部20から指示された温度の湯が接続配管(高温)61へ出湯されるようにバーナ73の燃焼量やバイパス調整弁84の開度などを制御する。
【0046】
風呂(浴槽)2へ注湯(湯張り)する動作では、注湯電磁弁79を開けてバーナ73を燃焼させた状態で水量サーボ81の開度を調整することにより、給水接続口から流入する湯水が熱交換器72の第1熱交換水管72aを通って加熱され、さらに出湯管75から連結管78、風呂戻り管76および風呂往き管77の双方(もしくは一方)を通じて風呂(浴槽)2へ流れ込む(この経路を注湯回路とする)。この際、リモコン92でユーザが設定した風呂設定温度の湯が注湯されるようにバーナ73の燃焼量やバイパス調整弁84の開度などを制御する。なお、貯湯タンクユニット11側から接続配管(低温)62を通じて供給された湯が既に風呂設定温度に達しており風呂給湯器70で追加の加熱が不要な場合は、バーナ73を燃焼させずに注湯動作を行う。風呂給湯器70は風呂(浴槽)2内の水位をチェックし、設定水位に達すると注湯動作は終了する。
【0047】
追い焚き動作では、注湯電磁弁79を閉鎖し、風呂循環ポンプ87を作動させた状態でバーナ73を燃焼させる。これにより風呂(浴槽)2内の湯水が風呂戻り管76を通じて風呂給湯器70に取り込まれ熱交換器72の第2熱交換水管72bを通る間に加熱され、加熱後の湯水が風呂往き管77を通じて風呂(浴槽)2へ戻される。
【0048】
次に、風呂給湯システム10の各種動作について説明する。
【0049】
<排熱回収動作>
図3は、排熱回収動作における湯水の流れを表しており、排熱回収動作における湯水の流れる経路を太線で示してある。燃料電池4の排熱を回収して貯湯タンク13内の湯水を加熱する排熱回収動作では、制御部20は燃料電池4に指示して排熱回収ポンプ52を作動させる。これにより、貯湯タンク13内の湯水は、取水口16から出て、熱回収配管(低温)53a、排熱回収熱交換器51、熱回収配管(高温)53b、A方向の第1三方弁21を経由して戻り口17から貯湯タンク13の上部に戻る循環経路で循環する。なお、第1三方弁21の第1接続口21aには、排熱回収熱交換器51で加熱されて高温になった湯が到達するので制御部20は第1三方弁21をA方向にする。
【0050】
給水は貯湯タンク13の下部の給水口14から供給され、排熱回収動作で加熱された湯は貯湯タンク13の上部に戻されるので、貯湯タンク13内には下部が低温で上部が高温となるような温度勾配が形成される。そして排熱回収動作を続けることで上部に溜まる高温の湯量が次第に増加する。
【0051】
<給湯動作>
貯湯タンクユニット11は風呂給湯器70の近くに設置される場合もあれば、遠く離れて設置される場合もある。たとえば、2階に風呂があるような家屋では、風呂給湯器70は2階の外壁に設置され貯湯タンクユニット11および燃料電池4は1階に設置されるといったケースがあり、このような場合には装置間を結ぶ接続配管(高温)61および接続配管(低温)62の配管長が長くなって圧損の大きい設置状況になる。本発明の風呂給湯システム10では、低水圧地域において、配管が長くて圧損が大きい設置状況になっても、出湯量を十分確保できるように、圧損の増加を抑えた給湯を行うようになっている。
【0052】
給湯は以下の3つの制御モードのいずれかで行われる。
【0053】
(1)第1モード(タンク出湯)
第1モードは、貯湯タンク13に十分蓄熱されている場合の給湯動作である。
図4は、第1モードの給湯動作における湯水の流れを表している。図中、湯水の流れる経路を太線で示してある。第1モードでは、混合器23で貯湯タンク13からの湯と給水とを混合して給湯設定温度の湯を作り、給湯する。風呂給湯器70には給水は送らず、風呂給湯器70での加熱はなく燃焼運転しない。
【0054】
詳細には、混合器23の第2混合器23bは閉じ、第1混合器23aと第3混合器23cの開度を調整して、出湯温度センサ32によって検出される混合器23の出側の湯の温度が給湯設定温度になるように制御する。ここでは、たとえば、貯湯タンク13に設けた湯切れ温度センサ18dの検出温度が、給湯設定温度(実際には、給湯配管などでの温度低下を考慮してたとえば給湯設定温度+1℃とする)以上の場合は第1モードでの給湯を行う。
【0055】
(2)第2モード(給湯器出湯モード)
第2モードは、貯湯タンク13に利用可能な湯がない場合の給湯動作である。
図5は、第2モードの給湯動作における湯水の流れを表している。図中、湯水の流れる経路を太線で示してある。第2モードでは、給水を風呂給湯器70で給湯設定温度より高い温度に加熱した湯と給水とを混合器23で混合して給湯設定温度の湯を給湯する。
【0056】
詳細には、第2三方弁38をC方向に設定し、風呂給湯器70に給水を供給する。また、混合器23の第1混合器23aは閉じ、第2混合器23bと第3混合器23cの開度を調整して、出湯温度センサ32によって検出される混合器23の出側の湯の温度が給湯設定温度になるように制御する。
【0057】
なお、制御部20は、風呂給湯器70の出湯温度が給湯設定温度より十分高くなるように風呂給湯器70に対して出湯温度を指示する。これにより、給水と混ぜて給湯設定温度を得るために必要な風呂給湯器70からの湯の量が少なくなり、接続配管(低温)62、風呂給湯器70および接続配管(高温)61を経由することにより生じる圧損を小さく抑えることができる。たとえば、給湯設定温度が40℃ならば風呂給湯器70から55℃の湯をもらう。また給湯設定温度が60℃ならば風呂給湯器70から75℃の湯をもらう、というようにする。
【0058】
(3)第3モード(後混合出湯モード)
第3モードは、貯湯タンク13内に蓄熱はあるが、温度が低く、貯湯タンク13内の湯だけでは不十分な場合の給湯動作である。
図6は、第3モードの給湯動作における湯水の流れを表している。図中、湯水の流れる経路を太線で示してある。第3モードは、たとえば、貯湯タンク13の湯切れ温度センサ18dの検出温度が給湯設定温度より低いが給湯設定温度より10℃以上は低くないような場合に選択される。
【0059】
第3モードでは、給水を風呂給湯器70で加熱した湯と貯湯タンク13からの湯と給水とを混合して給湯設定温度の湯を作る。詳細には、第2三方弁38をC方向とし、給水を風呂給湯器70で加熱して作った湯と、給水と、貯湯タンク13からの湯とを混合器23で混合して給湯設定温度の湯を作り、給湯する。貯湯タンク13内の湯の温度が低くても、風呂給湯器70からもらった高温の湯と混ぜて使うことにより、貯湯タンク13に貯めた蓄熱をより使い切ることができるため、第1、第2モードのみで制御する場合よりも省エネ性が増す。
【0060】
なお、制御部20は第1モードを優先選択し、第1モードで設定温度の湯を給湯できない場合であって給湯設定温度より所定温度(たとえば、10℃)以上低くない湯を貯湯タンク13から供給可能な場合は第3モードを選択し、第3モードを選択できない場合に第2モードを選択する。
【0061】
<注湯動作>
図7は、注湯動作における湯水の流れを表している。図中、湯水の流れる経路を太線で示してある。注湯動作では、混合器23の出側の湯を風呂給湯器70の給水接続口へ供給すると共に、貯湯タンク13からの湯もしくは貯湯タンク13からの湯と給水とを混合した湯を混合器23でつくり、混合器23の出側から出た湯に風呂給湯器70による加熱を足してもしくは追加の加熱無しに風呂給湯器70から風呂(浴槽)2へ風呂設定温度の注湯が行われるように制御する。
【0062】
具体的には、貯湯タンク13に蓄熱がある状態で注湯(湯張り)する場合には、第2三方弁38をD方向とし、混合器23で貯湯タンク13からの湯と給水とを混合してつくった風呂設定温度の湯を風呂給湯器70に送り、風呂給湯器70の注湯回路により湯張りする。貯湯タンクユニット11の制御部20は風呂給湯器70に対してバーナ73の燃焼オフのまま注湯電磁弁79を開くように指示する。貯湯タンクユニット11が有する混合器23の出側からの湯は、接続配管(低温)62から風呂給湯器70の注湯回路、すなわち、風呂給湯器70内の入水管74、第1熱交換水管72a、注湯電磁弁79、連結管78を経由した後、風呂往き管77と風呂戻り管76の双方もしくは一方、を通って風呂(浴槽)2へ流出し注湯される。
【0063】
貯湯タンク13に蓄熱がない場合の注湯は、第2三方弁38をD方向とし、貯湯タンク13内の風呂設定温度よりも低い温度の湯、または給水、またはそれらを混合した風呂設定温度よりも低い温度の湯を風呂給湯器70に送り、風呂給湯器70において風呂設定温度まで加熱し、風呂給湯器70内の注湯回路を通じて注湯する。
【0064】
なお、水位の検知や追い焚きなど全自動風呂に用いる機能は、全て風呂給湯器70の有する機能をそのまま使用する。
【0065】
このように、第2三方弁38をD方向に切り替えて混合器23の出側からの湯を風呂給湯器70に供給するので、貯湯タンク13内の湯を活用して注湯することができる。
【0066】
<地震発生を検知した場合の動作>
図8は、地震発生に対応した動作に関する処理の流れを示している。制御部20は、地震の発生を検出する検出部を備えている。検出部は、実際に揺れを検出してもよいし、地震発生情報を外部から通信にて入手してもよい。
【0067】
制御部20は、地震の発生を検出すると(ステップS101;Yes)、風呂給湯器70から浴槽2の水位に関する情報を取得し、浴槽2の水位が所定の上限水位に達しているか否かを判別する(ステップS102)。上限水位に達していない場合は(ステップS102;No)、貯湯タンク13内の湯を浴槽2へ排水し(ステップS103)、ステップS105へ移行する。
【0068】
貯湯タンク13内の湯を浴槽2へ排水する場合の湯水の流れは
図7に示す注湯動作と同じである。浴槽2への排水動作では、貯湯タンク13の上部に溜まっている熱い湯がそのまま浴槽2へ排出される。
【0069】
具体的には、第2三方弁38をD方向とし、混合器23の第2混合器23b、第3混合器23cを閉じ、第1混合器23aを全開として、混合器23の出側から湯を風呂給湯器70に送り、風呂給湯器70の注湯回路により浴槽2へ湯張りする。
【0070】
貯湯タンクユニット11の制御部20は風呂給湯器70に対してバーナ73の燃焼オフのまま注湯電磁弁79を開くように指示する。貯湯タンクユニット11が有する混合器23の出側からの湯は、接続配管(低温)62から風呂給湯器70の注湯回路を通って風呂(浴槽)2へ流出し注湯される。
【0071】
これにより、貯湯タンク13には、下部の給水口14から給水が補給され、貯湯タンク13内の湯が冷たい水に入れ替えられる。
【0072】
ステップS102において、浴槽2の水位が上限水位に達した場合は(ステップS102;Yes)、貯湯タンク13内の湯を外部へ排水し(ステップS104)、ステップS105へ移行する。
【0073】
図9は、外部へ排水する場合であり、図中の太線はその通水経路を示している。貯湯タンク13の上部の出湯口15から流出する湯を排水管41から外部へ排水する。
【0074】
具体的には、第2三方弁38をD方向、第3三方弁43をF方向に設定し、混合器23の第2混合器23b、第3混合器23cを閉じ、第1混合器23aを全開として、混合器23の出側からの湯を排水管41から外部へ排水する。
【0075】
ステップS105では、制御部20は、貯湯タンク13内の全体が冷たい水になって入れ替えが完了したか否かを判別する。ここでは、タンク上部温度センサ18eの検出温度と、第1温度センサ18aまたは給水温度センサ35の検出温度が同一温度(あるいは一定以内の温度差)になったとき、入れ替え完了と判定する。
【0076】
入れ替え完了でなければ(ステップS105;No)、ステップS102に戻って、浴槽2への排水(ステップS103)もしくは外部への排水(ステップS104)を継続する。
【0077】
入れ替え完了ならば(ステップS105;Yes)、排水を停止させて(ステップS106)、処理を終了する。
【0078】
このように、地震の発生を検出したら、貯湯タンク13内に溜まっている湯を浴槽2等へ排水して、貯湯タンク13内を冷たい上水に入れ替えるので、地震発生からしばらくして断水になった場合でも、貯湯タンク13内の冷たい水で燃料電池4の排熱を回収し、燃料電池4の稼働を継続させることができる。地震発生後は、停電が生じる場合が多いので、燃料電池4の自立発電が長く継続できるように、断水前に貯湯タンク13内を冷たい水に入れ替えておくことが役に立つ。
【0079】
また、貯湯タンク13内の湯を浴槽2に排水する場合には、断水になっても入浴が可能になる。特に、貯湯タンク13内の熱い湯を浴槽2に排水して溜めるので、その後、ガスの供給が止まった場合にも、温かい風呂に入ることができる。また、投げ込み式の電気ヒータを使用すれば、浴槽2内の湯を、長期間、入浴可能な温度に維持することができる。
【0080】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0081】
本発明の貯湯システムは、風呂給湯システムのうちの貯湯タンクユニット11を備えれば、排熱回収装置50や風呂給湯器70、燃料電池4は含まれても含まれなくてもよく、たとえば、排熱回収装置50は燃料電池4に含まれる構成でもよいし、風呂給湯器70は既存のものを使用してもよい。
【0082】
実施の形態では、バックアップ熱源機を、バーナ73を燃焼させるタイプの風呂給湯器70としたが、これに限定されるものではない。
【0083】
貯湯タンクユニット11の構成は実施の形態に例示したものに限定されない。たとえば、実施の形態では、風呂給湯器70からの湯を混合器23に戻して混合可能な構成であったが、混合器23では、貯湯タンク13からの湯と給水とを混合して風呂給湯器70に供給し、風呂給湯器70からの湯はそのまま給湯栓へ供給するような構成であってもかまわない。
【0084】
実施の形態では、地震発生後の浴槽2への排水動作において、風呂給湯器70で追加加熱しない例を示したが、貯湯タンク13から供給される湯の温度が、たとえば、風呂設定温度に満たない場合でガスの供給が停止していなければ、風呂給湯器70で追加加熱を行い、風呂設定温度(またはそれ以上の温度)の湯が浴槽2に湯張りされるように構成してもよい。後にガスの供給が停止しても、温かい風呂へ入浴することが容易になる。
【0085】
実施の形態では、浴槽2への排水を優先し、浴槽2に排水できない場合に、外部へ排水するようにしたが、燃料電池4の稼働を確保する目的においては、排水先を外部のみとし、最初からすべてを外部へ排水する構成でもかまわない。