(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した広角レンズの実施例を説明する。
【0018】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る広角レンズの説明図であり、
図1(a)、(b)、(c)は、レンズ構成を示す説明図、各面の物性等を示す説明図、および非球面係数を示す説明図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る広角レンズの収差を示す説明図であり、
図2(a)、(b)、(c)は、倍率色収差の説明図、像面湾曲収差の説明図、および歪曲収差の説明図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る広角レンズの横収差を示す説明図であり、
図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、光軸に対して成す角度が0°、24.14°、47.75°、71.55°、97.25°でのタンジェンシャル方向(Y方向)およびサジタル方向(X方向)での横収差を示してある。
【0019】
なお、
図1(a)、(b)では、非球面に「*」を付してある。また、
図1(b)には、各面の以下の項目
曲率半径(Radius)
厚さ(Thickness)
屈折率Nd
アッベ数νd
焦点距離f
が示されている。
図1(c)には、非球面の形状を下式(数1)で表した際の非球面係数A4、A6、A8、A10が示されている。
【数1】
【0020】
上式においては、光軸方向の軸をZ、光軸と垂直方向の高さをr、円錐係数をK、曲率半径の逆数をcとしてある。また、曲率半径、厚さ、焦点距離等の単位はmmである。
【0021】
また、
図2および
図3には、赤色光R(波長486nm)、緑色光G(波長588nm)、青色光B(波長656nm)の色収差の各々にR、G、Bを付してある。また、
図2(b)には、サジタル方向の特性にはSを付し、タンジェンシャル方向の特性にはTを付してある。なお、後述する
図4〜
図12でも同様である。
【0022】
図1(a)に示すように、本形態の広角レンズ100は、5群6枚のレンズ構成を有しており、水平画角が130°以上である。より具体的には、広角レンズ100は、光軸Lに沿って、物体側L1より像側L2に向けて第1レンズ110、第2レンズ120、第3レンズ130、絞り190、第4レンズ140、第5レンズ150および第6レンズ160が配置されている。絞り190は、第7面7を構成している。また、第6レンズ160に対して像側L2にはフィルタ181や撮像素子182が配置されており、フィルタ181および撮像素子182は各々、第13面13および第14面14を構成している。
【0023】
ここで、物体側L1から第1番目の第1レンズ110は、物体側L1に凸面(第1面1)を向け、像側L2に凹面(第2面2)を向けた負のパワーを有するレンズである。本形態において、第1レンズ110は、第1面1および第2面2が球面のガラスレンズである。
【0024】
物体側L1から第2番目の第2レンズ120は、像側L2に凹面(第4面4)を向けた負のパワーを有するレンズである。本形態において、第2レンズ120は、物体側L1に凸面(第3面3)を向けており、第2レンズ120は、第3面3および第4面4が非球面のプラスチックレンズからなる。
【0025】
物体側L1から第3番目の第3レンズ130は、像側L2に凸面(第6面6)を向けた正のパワーを有するレンズである。本形態において、第3レンズ130は、物体側L1に凹面(第5面5)を向けており、第3レンズ130は、第5面5および第6面6が非球面のプラスチックレンズからなる。
【0026】
物体側L1から第4番目の第4レンズ140は、像側L2に凸面(第9面)を向けた正のパワーを有するレンズである。本形態において、第4レンズ140は、物体側L1に凸面(第8面8)を向けており、第4レンズ140は、第8面8および第9面9が非球面のガラスレンズからなる。
【0027】
物体側L1から第5番目の第5レンズ150は、物体側L1に凹面(第10面10)を向け、像側L2に凹面(第11面11)を向けた負のパワーを有するプラスチックレンズであり、物体側L1から第6番目の第6レンズ160と接合レンズ170を構成している。
【0028】
第6レンズ160は、物体側L1に凸面(第11面11)を向け、像側L2に凸面(第12面12)を向けた正のパワーを有するプラスチックレンズである。本形態において、接合レンズ170(第5レンズ150および第6レンズ160)は、第10面10、第11面11および第12面12が非球面からなる。
【0029】
また、各面(Surf)は、
図1(b)、(c)に示す構成を有しており、広角レンズ100は、レンズ系全体の有効焦点距離f0(Effective Focal Length)は1.062mmであり、第1レンズ110の物体側L1の面(第1面1)から撮像素子182までの物像間
距離D(Total Track)は、13.938mmである。また、広角レンズ100のF値(Image Space)は、2.0であり、最大画角(Max. Field Angle)は208°であり、水平画角(Horizontal Field Angle)は195°である。
【0030】
また、広角レンズ100は、以下の条件1〜5を満たしている。まず、有効焦点距離f0、第3レンズ130の焦点距離f3、および第5レンズ150の焦点距離f5は各々、1.062mm、9.370mm、−1.589mmである。従って、f3/f0は、8.823であり、f5/f0は、−1.496である。それ故、以下の条件1および条件2
条件1:6<f3/f0<12
条件2:−1.5<f5/f0<−1
の双方を満たしている。
【0031】
条件1において、f3/f0が6(下限)以下であると、第3レンズ130の負のパワーが弱くなる。そのため、第2レンズ120の曲率半径の絶対値が小さくなって第2レンズ120を製造しにくくなる。一方、f3/f0が12(上限)以上であると、色収差を補正しにくくなる。また、条件2から外れると、色収差を補正しにくくなる。従って、本形態では、条件1、2を満たしているので、第2レンズ120を製造しやすく、かつ、色収差を補正しやすいという利点がある。
【0032】
また、第3レンズ130のアッベ数ν3、および第4レンズ140のアッベ数ν4は各々、30.3、63.9であり、以下の条件3および条件4
条件3:ν3≦35
条件4:ν4≧50
の双方を満たしている。このため、本形態では、色収差を補正しやすい。
【0033】
また、物像間距離Dは13.938mmであるため、D/f0は、13.124である。従って、以下の条件5
条件5:10<D/f0<15
を満している。ここで、D/f0が10(下限)以下であると、広角化に不利である。また、D/f0が15(上限)以上であると、広角レンズ100が大型化する。それ故、条件5を満たせば、小型の広角レンズ100を構成するのに有利である。
【0034】
また、第5レンズ150のアッベ数ν5、および第6レンズ160のアッベ数ν6は各々、24.0、55.8である。従って、以下の条件6および条件7
条件6:ν5≦35
条件7:ν6≧40
の双方を満たしている。それ故、色収差を補正しやすい。
【0035】
また、第5レンズ150は、物体側L1に凹面(第10面10)を向けているため、色収差を補正しやすいという利点がある。
【0036】
よって、本形態の広角レンズ100の収差(倍率色収差、像面湾曲収差、歪曲収差、および横収差)は、
図2および
図3に示す通りであり、十分なレベルまで収差を低減することができる。すなわち、本形態では、各レンズの形状および屈折力を適正化してある。また、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う位置に正のパワーを有する第4レンズ140を配置したため、広角であっても、コマ収差、非点収差、色収差等の補正が可能である。また、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う位置に正のパワーを有する第4レンズ140を配置したため、結像面への入射角を小さく抑えることができる。それ故、高画素な撮像素子182に対応することができる。
【0037】
さらに、第5群は、両凹の第5レンズ150と両凸の第6レンズ160との接合レンズ170であるため、倍率色収差の補正に有利である。それ故、広角化に伴う倍率色収差の発生を抑制することができる。この場合でも、絞り190と接合レンズ170との間に第4レンズ140が介在するので、接合レンズ170を構成するプラスチックレンズ(第5レンズ150および第6レンズ160)の接合面(第11面11)の曲率半径の絶対値を比較的大きくすることができる。それ故、接合レンズ170を製造しやすい。
【0038】
また、本形態の広角レンズ100において、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う第4レンズ140がガラスレンズからなる。このため、温度変化による解像度の低下や像高の変化を抑制することができる。
【0039】
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2に係る広角レンズの説明図であり、
図4(a)、(b)、(c)は、レンズ構成を示す説明図、各面の物性等を示す説明図、および非球面係数を示す説明図である。
図5は、本発明の実施の形態2に係る広角レンズの収差を示す説明図であり、
図5(a)、(b)、(c)は、倍率色収差の説明図、像面湾曲収差の説明図、および歪曲収差の説明図である。
図6は、本発明の実施の形態2に係る広角レンズの横収差を示す説明図であり、
図6(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、光軸に対して成す角度が0°、24.32°、47.26°、70.56°、97.23°でのタンジェンシャル方向(Y方向)およびサジタル方向(X方向)での横収差を示してある。
【0040】
図4(a)に示すように、本形態の広角レンズ100でも、実施の形態1と同様、5群6枚のレンズ構成を有しており、光軸Lに沿って、物体側L1より像側L2に向けて第1レンズ110、第2レンズ120、第3レンズ130、絞り190、第4レンズ140、第5レンズ150および第6レンズ160が配置されている。また、第6レンズ160に対して像側L2にはフィルタ181や撮像素子182が配置されている。
【0041】
ここで、第1レンズ110は、物体側L1に凸面(第1面1)を向け、像側L2に凹面(第2面2)を向けた負のパワーを有するレンズである。本形態において、第1レンズ110は、第1面1が球面で、第2面2が非球面のプラスチックレンズである。
【0042】
第2レンズ120は、像側L2に凹面(第4面4)を向けた負のパワーを有するレンズである。本形態において、第2レンズ120は、物体側L1に凸面(第3面3)を向けており、第2レンズ120は、第3面3および第4面4が非球面のプラスチックレンズからなる。
【0043】
第3レンズ130は、像側L2に凸面(第6面6)を向けた正のパワーを有するレンズである。本形態において、第3レンズ130は、物体側L1に凹面(第5面5)を向けており、第3レンズ130は、第5面5および第6面6が非球面のプラスチックレンズからなる。
【0044】
第4レンズ140は、像側L2に凸面(第9面)を向けた正のパワーを有するレンズである。本形態において、第4レンズ140は、物体側L1に凸面(第8面8)を向けており、第4レンズ140は、第8面8および第9面9が非球面のプラスチックレンズからなる。
【0045】
第5レンズ150は、物体側L1に凹面(第10面10)を向け、像側L2に凹面(第11面11)を向けた負のパワーを有するプラスチックレンズであり、第6レンズ160と接合レンズ170を構成している。
【0046】
第6レンズ160は、物体側L1に凸面(第11面11)を向け、像側L2に凸面(第12面12)を向けた正のパワーを有するプラスチックレンズである。本形態において、接合レンズ170(第5レンズ150および第6レンズ160)は、第10面10、第11面11および第12面12が非球面からなる。
【0047】
また、各面(Surf)は、
図4(b)、(c)に示す構成を有しており、広角レンズ100は、レンズ系全体の有効焦点距離f0は1.047mmであり、第1レンズ110の物体側L1の面(第1面1)から撮像素子182までの物像間距離Dは、13.982mmである。また、広角レンズ100のF値は、2.0であり、最大画角は213°であり、水平画角は194°である。
【0048】
また、広角レンズ100は、以下の条件1〜5を満たしている。まず、有効焦点距離f0、第3レンズ130の焦点距離f3、および第5レンズ150の焦点距離f5は各々、1.047mm、10.006mm、−1.522mmである。従って、f3/f0は、9.557であり、f5/f0は、−1.454である。それ故、以下の条件1および条件2
条件1:6<f3/f0<12
条件2:−1.5<f5/f0<−1
の双方を満たしている。従って、第2レンズ120を製造しやすく、かつ、色収差を補正しやすいという利点がある。
【0049】
また、第3レンズ130のアッベ数ν3、および第4レンズ140のアッベ数ν4は各々、30.2、55.8であり、以下の条件3および条件4
条件3:ν3≦35
条件4:ν4≧50
の双方を満たしている。このため、本形態では、色収差を補正しやすい。
【0050】
また、物像間距離Dは13.982mmであるため、D/f0は、13.354である。従って、以下の条件5
条件5:10<D/f0<15
を満している。それ故、小型の広角レンズ100を構成するのに有利である。
【0051】
また、第5レンズ150のアッベ数ν5、および第6レンズ160のアッベ数ν6は各々、24.0、55.8である。従って、以下の条件6および条件7
条件6:ν5≦35
条件7:ν6≧40
の双方を満たしている。それ故、色収差を補正しやすい。
【0052】
また、第5レンズ150は、物体側L1に凹面(第10面10)を向けているため、色収差を補正しやすいという利点がある。
【0053】
よって、本形態の広角レンズ100の収差(倍率色収差、像面湾曲収差、歪曲収差、および横収差)は、
図5および
図6に示す通りであり、十分なレベルまで収差を低減することができる。すなわち、本形態では、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う位置に正のパワーを有する第4レンズ140を配置したため、広角であっても、コマ収差、非点収差、色収差等の補正が可能である。また、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う位置に正のパワーを有する第4レンズ140を配置したため、結像面への入射角を小さく抑えることができる。それ故、高画素な撮像素子182に対応することができる。さらに、第5群は、両凹の第5レンズ150と両凸の第6レンズ160との接合レンズ170であるため、倍率色収差の補正に有利である。それ故、広角化に伴う倍率色収差の発生を抑制することができる。この場合でも、絞り190と接合レンズ170との間に第4レンズ14
0が介在するので、接合レンズ170を構成するプラスチックレンズ(第5レンズ150および第6レンズ160)の接合面(第11面11)の曲率半径の絶対値を比較的大きくすることができる。それ故、接合レンズ170を製造しやすい。
【0054】
さらに、本形態では、第1レンズ110、第2レンズ120、第3レンズ130、第4レンズ140、第5レンズ150および第6レンズ160の全てがプラスチックレンズからなる。このため、広角レンズ100の低コスト化を図ることができる。
【0055】
[実施の形態3]
図7は、本発明の実施の形態3に係る広角レンズの説明図であり、
図7(a)、(b)、(c)は、レンズ構成を示す説明図、各面の物性等を示す説明図、および非球面係数を示す説明図である。
図8は、本発明の実施の形態3に係る広角レンズの収差を示す説明図であり、
図8(a)、(b)、(c)は、倍率色収差の説明図、像面湾曲収差の説明図、および歪曲収差の説明図である。
図9は、本発明の実施の形態3に係る広角レンズの横収差を示す説明図であり、
図9(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、光軸に対して成す角度が0°、20.23°、39.42°、67.71°、76.79°、96.34°でのタンジェンシャル方向(Y方向)およびサジタル方向(X方向)での横収差を示してある。
【0056】
図7(a)に示すように、本形態の広角レンズ100でも、実施の形態1、2と同様、5群6枚のレンズ構成を有しており、光軸Lに沿って、物体側L1より像側L2に向けて第1レンズ110、第2レンズ120、第3レンズ130、絞り190、第4レンズ140、第5レンズ150および第6レンズ160が配置されている。また、第6レンズ160に対して像側L2にはフィルタ181や撮像素子182が配置されている。
【0057】
ここで、物体側L1から第1番目の第1レンズ110は、物体側L1に凸面(第1面1)を向け、像側L2に凹面(第2面2)を向けた負のパワーを有するレンズである。本形態において、第1レンズ110は、第1面1および第2面2が球面のガラスレンズである。
【0058】
物体側L1から第2番目の第2レンズ120は、像側L2に凹面(第4面4)を向けた負のパワーを有するレンズである。本形態において、第2レンズ120は、物体側L1に凸面(第3面3)を向けており、第2レンズ120は、第3面3および第4面4が非球面のプラスチックレンズからなる。
【0059】
物体側L1から第3番目の第3レンズ130は、像側L2に凸面(第6面6)を向けた正のパワーを有するレンズである。本形態において、第3レンズ130は、物体側L1に凹面(第5面5)を向けており、第3レンズ130は、第5面5および第6面6が非球面のプラスチックレンズからなる。
【0060】
物体側L1から第4番目の第4レンズ140は、像側L2に凸面(第9面)を向けた正のパワーを有するレンズである。本形態において、第4レンズ140は、物体側L1に凸面(第8面8)を向けており、第4レンズ140は、第8面8および第9面9が非球面のガラスレンズからなる。
【0061】
物体側L1から第5番目の第5レンズ150は、物体側L1に凹面(第10面10)を向け、像側L2に凹面(第11面11)を向けた負のパワーを有するプラスチックレンズであり、物体側L1から第6番目の第6レンズ160と接合レンズ170を構成している。
【0062】
第6レンズ160は、物体側L1に凸面(第11面11)を向け、像側L2に凸面(第12面12)を向けた正のパワーを有するプラスチックレンズである。本形態において、接合レンズ170(第5レンズ150および第6レンズ160)は、第10面10、第11面11および第12面12が非球面からなる。
【0063】
また、各面(Surf)は、
図7(b)、(c)に示す構成を有しており、広角レンズ100は、レンズ系全体の有効焦点距離f0は1.259mmであり、第1レンズ110の物体側L1の面(第1面1)から撮像素子182までの物像間距離Dは、16.333mmである。また、広角レンズ100のF値は、2.0であり、最大画角は201°であり、水平画角は191°である。
【0064】
また、広角レンズ100は、以下の条件1〜5を満たしている。まず、有効焦点距離f0、第3レンズ130の焦点距離f3、および第5レンズ150の焦点距離f5は各々、1.259mm、9.321mm、−1.836mmである。従って、f3/f0は、7.403であり、f5/f0は、−1.458である。それ故、以下の条件1および条件2
条件1:6<f3/f0<12
条件2:−1.5<f5/f0<−1
の双方を満たしている。従って、第2レンズ120を製造しやすく、かつ、色収差を補正しやすいという利点がある。
【0065】
また、第3レンズ130のアッベ数ν3、および第4レンズ140のアッベ数ν4は各々、24.0、63.9であり、以下の条件3および条件4
条件3:ν3≦35
条件4:ν4≧50
の双方を満たしている。このため、本形態では、色収差を補正しやすい。
【0066】
また、物像間距離Dは16.333mmであるため、D/f0は、12.973である。従って、以下の条件5
条件5:10<D/f0<15
を満している。それ故、小型の広角レンズ100を構成するのに有利である。
【0067】
また、第5レンズ150のアッベ数ν5、および第6レンズ160のアッベ数ν6は各々、24.0、55.8である。従って、以下の条件6および条件7
条件6:ν5≦35
条件7:ν6≧40
の双方を満たしている。それ故、色収差を補正しやすい。
【0068】
また、第5レンズ150は、物体側L1に凹面(第10面10)を向けているため、色収差を補正しやすいという利点がある。
【0069】
よって、本形態の広角レンズ100の収差(倍率色収差、像面湾曲収差、歪曲収差、および横収差)は、
図8および
図9に示す通りであり、十分なレベルまで収差を低減することができる。すなわち、本形態では、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う位置に正のパワーを有する第4レンズ140を配置したため、広角であっても、コマ収差、非点収差、色収差等の補正が可能である。また、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う位置に正のパワーを有する第4レンズ140を配置したため、結像面への入射角を小さく抑えることができる。それ故、高画素な撮像素子182に対応することができる。さらに、第5群は、両凹の第5レンズ150と両凸の第6レンズ160との接合レンズ170であるため、倍率色収差の補正に有利である。それ故、広角化に伴う倍率色収差の発生を抑制することができる。この場合でも、絞り190と接合レンズ170との間に第4レンズ14
0が介在するので、接合レンズ170を構成するプラスチックレンズ(第5レンズ150および第6レンズ160)の接合面(第11面11)の曲率半径の絶対値を比較的大きくすることができる。それ故、接合レンズ170を製造しやすい。
【0070】
さらに、本形態の広角レンズ100において、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う第4レンズ140がガラスレンズからなる。このため、温度変化による解像度の低下や像高の変化を抑制することができる。
【0071】
[実施の形態4]
図10は、本発明の実施の形態4に係る広角レンズの説明図であり、
図10(a)、(b)、(c)は、レンズ構成を示す説明図、各面の物性等を示す説明図、および非球面係数を示す説明図である。
図11は、本発明の実施の形態4に係る広角レンズの収差を示す説明図であり、
図11(a)、(b)、(c)は、倍率色収差の説明図、像面湾曲収差の説明図、および歪曲収差の説明図である。
図12は、本発明の実施の形態4に係る広角レンズの横収差を示す説明図であり、
図12(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、光軸に対して成す角度が0°、19.93°、36.69°、53.86°、68.38°、93.11°でのタンジェンシャル方向(Y方向)およびサジタル方向(X方向)での横収差を示してある。
【0072】
図10(a)に示すように、本形態の広角レンズ100でも、実施の形態1、2、3と同様、5群6枚のレンズ構成を有しており、光軸Lに沿って、物体側L1より像側L2に向けて第1レンズ110、第2レンズ120、第3レンズ130、絞り190、第4レンズ140、第5レンズ150および第6レンズ160が配置されている。また、第6レンズ160に対して像側L2にはフィルタ181や撮像素子182が配置されている。
【0073】
ここで、物体側L1から第1番目の第1レンズ110は、物体側L1に凸面(第1面1)を向け、像側L2に凹面(第2面2)を向けた負のパワーを有するレンズである。本形態において、第1レンズ110は、第1面1および第2面2が球面のガラスレンズである。
【0074】
物体側L1から第2番目の第2レンズ120は、像側L2に凹面(第4面4)を向けた負のパワーを有するレンズである。本形態において、第2レンズ120は、物体側L1に凸面(第3面3)を向けており、第2レンズ120は、第3面3および第4面4が非球面のプラスチックレンズからなる。
【0075】
物体側L1から第3番目の第3レンズ130は、像側L2に凸面(第6面6)を向けた正のパワーを有するレンズである。本形態において、第3レンズ130は、物体側L1に凹面(第5面5)を向けており、第3レンズ130は、第5面5および第6面6が非球面のプラスチックレンズからなる。
【0076】
物体側L1から第4番目の第4レンズ140は、像側L2に凸面(第9面)を向けた正のパワーを有するレンズである。本形態において、第4レンズ140は、物体側L1に凸面(第8面8)を向けており、第4レンズ140は、第8面8および第9面9が非球面のガラスレンズからなる。
【0077】
物体側L1から第5番目の第5レンズ150は、物体側L1に凹面(第10面10)を向け、像側L2に凹面(第11面11)を向けた負のパワーを有するプラスチックレンズであり、物体側L1から第6番目の第6レンズ160と接合レンズ170を構成している。
【0078】
第6レンズ160は、物体側L1に凸面(第11面11)を向け、像側L2に凸面(第12面12)を向けた正のパワーを有するプラスチックレンズである。本形態において、接合レンズ170(第5レンズ150および第6レンズ160)は、第10面10、第11面11および第12面12が非球面からなる。
【0079】
また、各面(Surf)は、
図10(b)、(c)に示す構成を有しており、広角レンズ100は、レンズ系全体の有効焦点距離f0は1.344mmであり、第1レンズ110の物体側L1の面(第1面1)から撮像素子182までの物像間距離Dは、15.762mmである。また、広角レンズ100のF値は、2.0であり、最大画角は173°であり、水平画角は166°である。
【0080】
また、広角レンズ100は、以下の条件1〜5を満たしている。まず、有効焦点距離f0、第3レンズ130の焦点距離f3、および第5レンズ150の焦点距離f5は各々、1.344mm、9.393mm、−1.914mmである。従って、f3/f0は、6.989であり、f5/f0は、−1.424である。それ故、以下の条件1および条件2
条件1:6<f3/f0<12
条件2:−1.5<f5/f0<−1
の双方を満たしている。従って、第2レンズ120を製造しやすく、かつ、色収差を補正しやすいという利点がある。
【0081】
また、第3レンズ130のアッベ数ν3、および第4レンズ140のアッベ数ν4は各々、24.0、63.9であり、以下の条件3および条件4
条件3:ν3≦35
条件4:ν4≧50
の双方を満たしている。このため、本形態では、色収差を補正しやすい。
【0082】
また、物像間距離Dは15.762mmであるため、D/f0は、11.728である。従って、以下の条件5
条件5:10<D/f0<15
を満している。それ故、小型の広角レンズ100を構成するのに有利である。
【0083】
また、第5レンズ150のアッベ数ν5、および第6レンズ160のアッベ数ν6は各々、24.0、55.8である。従って、以下の条件6および条件7
条件6:ν5≦35
条件7:ν6≧40
の双方を満たしている。それ故、色収差を補正しやすい。
【0084】
また、第5レンズ150は、物体側L1に凹面(第10面10)を向けているため、色収差を補正しやすいという利点がある。
【0085】
よって、本形態の広角レンズ100の収差(倍率色収差、像面湾曲収差、歪曲収差、および横収差)は、
図11および
図12に示す通りであり、十分なレベルまで収差を低減することができる。すなわち、本形態では、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う位置に正のパワーを有する第4レンズ140を配置したため、広角であっても、コマ収差、非点収差、色収差等の補正が可能である。また、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う位置に正のパワーを有する第4レンズ140を配置したため、結像面への入射角を小さく抑えることができる。それ故、高画素な撮像素子182に対応することができる。さらに、第5群は、両凹の第5レンズ150と両凸の第6レンズ160との接合レンズ170であるため、倍率色収差の補正に有利である。それ故、広角化に伴う倍率色収差の発生を抑制することができる。この場合でも、絞り190と接合レンズ170との間に第4レンズ
140が介在するので、接合レンズ170を構成するプラスチックレンズ(第5レンズ150および第6レンズ160)の接合面(第11面11)の曲率半径の絶対値を比較的大きくすることができる。それ故、接合レンズ170を製造しやすい。
【0086】
さらに、本形態の広角レンズ100において、絞り190に後方(像側L2)で隣り合う第4レンズ140がガラスレンズからなる。このため、温度変化による解像度の低下や像高の変化を抑制することができる。
【0087】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、条件3として、第3レンズ130のアッベ数ν3を35以下が好ましいとしたが、30以下であれば、色収差をさらに補正することができる。また、条件4として、第4レンズ140のアッベ数ν4を50以上が好ましいとしたが、60以上であれば、色収差をさらに補正することができる。また、条件6として、第5レンズ150のアッベ数ν5を35以下が好ましいとしたが、30以下であれば、色収差をさらに補正することができる。