【実施例1】
【0012】
以下、本発明を適用した車輪作用力検出装置の実施例1について説明する。
実施例1の車輪作用力検出装置は、例えば乗用車等の自動車において、車輪ハブにホイルボルトで締結されるとともにタイヤが取り付けられるホイール(リム)に、直交3軸方向の分力及び各軸回りのモーメントを検出可能な6分力検出装置を組み込んで構成されている。
図1は、実施例1の車輪作用力検出装置を車軸を含む平面で切って見た断面図である。
図2は、
図1のII−II部矢視図である。
【0013】
図1、
図2に示すように、車輪作用力検出装置1は、ディスク10、リム20、ベース30、ディテクタ40、6分力検出装置100等を有して構成されている。
【0014】
ディスク10は、車輪作用力検出装置1が、車両側に設けられた車輪ハブに取り付けられる基部である。
車輪ハブは、ハブベアリングハウジングに収容されたハブベアリングによって回転可能に支持されている。この車輪ハブの回転中心軸が車軸となる。
ハブベアリングハウジングは、サスペンション装置及びステアリング装置等を介して車体に対してストローク、転舵(操向輪の場合)可能に取り付けられる。
ディスク10は、車軸と同心に形成され、車輪ハブに対して外径側に張り出した円盤状の部材である。
ディスク10の車幅方向内側には、車輪ハブの取付面と当接する平面部が形成されている。
ディスク10の車幅方向外側には、所定の意匠的形状が形成されている。
【0015】
ディスク10は、センターボア11、ボルト穴12、スポーク13等を一体に形成したものである。
センターボア11は、ディスク10の中心部に設けられた開口であって、車輪ハブに形成されたセンターハブと係合することによってディスク10を車軸と同心となるように位置決め(芯出し)するものである。
【0016】
ボルト穴12は、車輪ハブの取付面から車幅方向外側に突出して設けられたホイルボルトが挿入される開口である。ホイルボルトには、図示しないホイルナットが締結される。
ボルト穴12の車幅方向外側には、ホイルナットの座面となるテーパ面が形成されている。
ボルト穴12は、所定のピッチ円の周上に、例えば5個が等間隔に配列されている。
【0017】
スポーク13は、ディスク10の外径側に突き出して形成されたアーム状の部分である。
スポーク13は、例えば5本が放射状に配置されている。
【0018】
リム20は、図示しないタイヤのビード部分が取り付けられる部分である。
リム20は、本体部21、フランジ22,23、センタードロップ24、スポーク25等を一体に形成したものである。
本体部21は、実質的に円筒状に形成されており、車両への取付時に図示しない車輪ハブ、ブレーキ装置などはこの内径側に収容される。
【0019】
フランジ22,23は、本体部21の車幅方向外側、内側の端部からそれぞれ外径側に張り出して形成されている。
フランジ22,23は、図示しないタイヤの外側、内側のビード部をそれぞれ保持する部分であって、車軸方向に所定のリム幅だけ離間して配置されている。
センタードロップ24は、本体部21の軸方向における中間部分において部分的に径を小さくした部分である。
センタードロップ24は、タイヤの組み付け時にビードを落とし込んで装着を容易とするものである。
【0020】
スポーク25は、本体部21の車幅方向外側の端部近傍から、内径側に突き出して形成されたアーム状の部分である。
スポーク25は、周方向に等間隔に分散して例えば5本が設けられている。
スポーク25の突端部は、ディスク10側のスポーク13の突端部と間隔を隔てて隣接して配置されている。この間隔は、6分力検出装置100による測定時に感受体110の変形を妨げないよう考慮して設定される。
図2に示すように、各スポーク13、25に周方向に挟まれた領域は、開口Oとなっている。
【0021】
ベース30は、ディスク10と感受体110の第1フランジ112とを連結する部材である。
ベース30は、車軸と実質的に同心の円環状に形成されるとともに、その内周縁部近傍をスポーク13の先端部にボルトによって締結されている。
また、ベース30は、スポーク13との締結箇所よりも外径側において、車幅方向内側に突出した突出部31を有する。
突出部31の車幅方向内側の突端部には、車軸と直交する平面状の平面部が形成されている。
突出部31は、この平面部が感受体110の第1フランジ112の車幅方向外側の面部と当接するように、第1フランジ112にボルトによって締結されている。
【0022】
ディテクタ40は、リム20の本体部21の内周面に実質的に密着した状態で取り付けられ、リム20と感受体110の第2フランジ113とを連結する部材である。
ディテクタ40は、円環状に形成されるとともに、外周面はリム20の本体部21の内周面に実質的に沿いかつ密着するように形成されている。
ディテクタ40の車幅方向外側の端部は、スポーク25にボルトによって締結されている。
ディテクタ40の車幅方向内側の端部には、感受体110の第2フランジ113から張り出した締結面部114がボルトによって締結されている。
ディテクタ40の内周面は、感受体110の円筒部111、第1フランジ112、及び、ベース30と、間隔を隔てて対向して配置されている。
この間隔は、6分力検出装置100による測定時に感受体110の変形を妨げないよう考慮して設定される。
【0023】
6分力検出装置100は、実質的に円筒状に形成されベース30とディテクタ40とを連結する感受体110、この感受体110に設けられた複数のひずみゲージ、及び、これらひずみゲージを含むブリッジ回路を有して構成されている。
感受体110は、ディテクタ40の内径側に配置されている。
図1に示すように、感受体110は、円筒部111、第1フランジ112、第2フランジ113等を有して形成されている。
【0024】
円筒部111は、所定の軸方向長さにわたって内径及び外径が実質的に一定である円筒状に形成された部分であって、後述する複数のひずみゲージが貼付(接着)される部分である。円筒部111は、車軸と実質的に同心に配置されている。
円筒部111は、外周面及び内周面を、旋盤を用いた機械加工(切削加工)によって仕上げられている。
【0025】
第1フランジ112は、円筒部111の車幅方向外側の端部に設けられ、円筒部111に対して外径側及び内径側にそれぞれ張り出し、肉厚に形成されている。
第1フランジ112の車幅方向内側の面部と、円筒部111の外周面、内周面との接合部は、所定の曲率を有する円弧状の断面形状である凹曲面を介して接続されている。
第1フランジ112の車幅方向外側の端面は、車軸と直交する平面状に形成されている。
第1フランジ112は、この端面をベース30の外周縁部における車幅方向内側の面部に当接させた状態でベース30にボルトによって締結されている。
第1フランジ112の外周面は、ディテクタ40の内周面と間隔を隔てて対向して配置されている。
【0026】
第2フランジ113は、円筒部111の車幅方向内側の端部に設けられ、円筒部111に対して外径側及び内径側にそれぞれ張り出し、肉厚に形成されている。
第2フランジ113の車幅方向外側の面部と、円筒部111の外周面、内周面との接合部は、所定の曲率を有する円弧状の断面形状である凹曲面を介して接続されている。
第2フランジ113の車幅方向内側の端面は、車軸と直交する平面状に形成されている。
第2フランジ113の外周面は、対向するディテクタ40の内周面と実質的に当接している。
第2フランジ113の外周面部における車幅方向内側の端部には、外径側に鍔状に張り出した締結面部114が設けられている。
締結面部114は、ディテクタ40の車幅方向内側の面部にボルトによって締結されている。
ディテクタ40の車幅方向内側の端部近傍における内周縁部には、締結面部114を収容する凹部が形成されている。
【0027】
また、感受体110の内径側には、保護筒200が設けられている。
保護筒200は、感受体110の内周面部を異物から保護するものである。
保護筒200は、実質的に円筒状に形成され、円筒部111の内周面を実質的にカバーするよう構成されている。
保護筒200の外径は、第2フランジ113の内径と実質的に同等に設定されている。
保護筒200は、その車幅方向内側の端部を、第2フランジ113にボルト等で固定されている。
保護筒200の車幅方向外側の端部は、第1フランジ112の内周面部における円筒部111側の領域を凹ませた凹部内に収容されるとともに、第1フランジ112とは隙間を隔てて対向して配置されている。
【0028】
以上説明した構成によって、ディスク10とリム20との間で作用する力は、全て感受体110の円筒部111に作用することになる。
また、ディスク10、リム20、ベース30、ディテクタ40、保護筒200は、いずれも円筒部111のひずみに起因するディスク10とリム20との相対変位を妨げることがないよう構成されていることから、円筒部111のひずみを検出することによって、ディスク10とリム20との間に作用する各軸力及びモーメントを、任意の分力ごとに検出することが可能である。
以下、このような各分力の検出手段について詳しく説明する。
【0029】
6分力検出装置100は、上述した感受体110の円筒部111に設けられるひずみゲージを含むブリッジ回路をそれぞれ有するFx検出系、Fy検出系、Fz検出系、Mx検出系、My検出系、Mz検出系をそれぞれ有する。
Fx検出系は、感受体110の円筒部111に作用する径方向(以下、x軸方向と称する)の力Fxを検出するものである。
Fy検出系は、感受体110の円筒部111に作用するx軸方向と直交する方向の径方向(以下、y軸方向と称する)の力Fyを検出するものである。
Fz検出系は、感受体110の円筒部111に作用する軸方向(以下、z軸方向と称する)の力Fzを検出するものである。
【0030】
Mx検出系は、感受体110の円筒部111に作用するx軸回りのモーメントMxを検出するものである。
My検出系は、感受体110の円筒部111に作用するy軸回りのモーメントMyを検出するものである。
Mz検出系は、感受体110の円筒部111に作用するz軸回りのモーメントMzを検出するものである。
【0031】
上述したFx検出系、Fy検出系、Fz検出系、Mx検出系、My検出系、Mz検出系は、それぞれ4つのひずみゲージを含むブリッジ回路を有して構成されている。
図3は、実施例1の6分力検出装置におけるひずみゲージの配置を示す模式的斜視図である。
図4は、実施例1の6分力検出装置における力検出系のひずみゲージの配置及びブリッジ回路の構成を示す図である。
図4(a)、
図4(b)、
図4(c)は、それぞれFx検出系、Fy検出系、Fz検出系を示している。
図5は、実施例1の6分力検出装置におけるモーメント検出系のブリッジ回路の構成を示す図である。
図5(a)、
図5(b)、
図5(c)は、それぞれMx検出系、My検出系、Mz検出系を示している。
【0032】
図3及び
図4に示すように、Fx検出系は、ひずみゲージ121〜124を有して構成されている。ひずみゲージ121〜124は、単軸のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の中心軸方向と平行となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ121は、円筒部111の外周面における第1フランジ112側の領域(中間部114に近接した領域)に配置されている。
ひずみゲージ122は、ひずみゲージ121を通りかつ円筒部111の軸方向と平行な直線上に配置され、円筒部111の外周面における第2フランジ113側の領域(中間部115に近接した領域)に配置されている。
ひずみゲージ123は、ひずみゲージ122からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ122に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
ひずみゲージ124は、ひずみゲージ121からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ121に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
【0033】
また、
図4(a)に示すように、Fx検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ121〜124をループ状に順次接続し、ひずみゲージ122とひずみゲージ123との間、及び、ひずみゲージ121とひずみゲージ124との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ121とひずみゲージ122との間、及び、ひずみゲージ123とひずみゲージ124との間の電位差を出力として抽出するものである。
【0034】
Fy検出系は、ひずみゲージ131〜134を有して構成されている。ひずみゲージ131〜134は、単軸のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の中心軸方向と平行となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ131は、Fx検出系のひずみゲージ121に対して、円筒部111の中心軸回りに90度ずらして配置されている。
ひずみゲージ132は、Fx検出系のひずみゲージ122に対して、円筒部111の中心軸回りに90度ずらして配置されている。
ひずみゲージ131とひずみゲージ132とは、円筒部111の軸方向と平行な同一直線上に配置されている。
ひずみゲージ133は、ひずみゲージ132からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ132に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
ひずみゲージ134は、ひずみゲージ131からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ131に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
【0035】
また、
図4(b)に示すように、Fy検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ131〜134をループ状に順次接続し、ひずみゲージ132とひずみゲージ133との間、及び、ひずみゲージ131とひずみゲージ134との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ131とひずみゲージ132との間、及び、ひずみゲージ133とひずみゲージ134との間の電位差を出力として抽出するものである。
【0036】
Fz検出系は、ひずみゲージ141〜144を有して構成されている。ひずみゲージ141〜144は、単軸のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の中心軸方向と平行となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ141は、Fx検出系のひずみゲージ121、122の中間に配置されている。
ひずみゲージ142,143,144は、それぞれひずみゲージ141に対して、円筒部111の中心軸回りの位相が、90度、180度、270度ずれた位置に配置されている。
【0037】
また、
図4(c)に示すように、Fz検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ141,142,144,143をループ状に順次接続し、ひずみゲージ141とひずみゲージ143との間、及び、ひずみゲージ142とひずみゲージ144との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ141とひずみゲージ142との間、及び、ひずみゲージ143とひずみゲージ144との間の電位差を出力として抽出するものである。
【0038】
図3及び
図5に示すように、Mx検出系は、ひずみゲージ151〜154を有して構成されている。ひずみゲージ151〜154は、単軸のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の中心軸方向と平行となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ151は、Fy検出系のひずみゲージ131に対して、円筒部111の中心軸方向に隣接して配置されている。
ひずみゲージ152は、Fy検出系のひずみゲージ132に対して、円筒部111の中心軸方向に隣接して配置されている。
ひずみゲージ151とひずみゲージ152とは、円筒部111の軸方向と平行な同一直線上に配置されている。
ひずみゲージ153は、ひずみゲージ152からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ152に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
ひずみゲージ154は、ひずみゲージ151からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ151に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
【0039】
また、
図5(a)に示すように、Mx検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ151,153,152,154をループ状に順次接続し、ひずみゲージ151とひずみゲージ153との間、及び、ひずみゲージ152とひずみゲージ154との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ151とひずみゲージ154との間、及び、ひずみゲージ153とひずみゲージ152との間の電位差を出力として抽出するものである。
【0040】
My検出系は、ひずみゲージ161〜164を有して構成されている。ひずみゲージ161〜164は、単軸のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の中心軸方向と平行となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ161は、Fx検出系のひずみゲージ121に対して、円筒部111の中心軸方向に隣接して配置されている。
ひずみゲージ162は、Fx検出系のひずみゲージ122に対して、円筒部111の中心軸方向に隣接して配置されている。
ひずみゲージ161とひずみゲージ162とは、円筒部111の軸方向と平行な同一直線上に配置されている。
ひずみゲージ163は、ひずみゲージ162からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ162に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
ひずみゲージ164は、ひずみゲージ161からみて円筒部111の中心軸回りに180度ずらした位置(ひずみゲージ161に対して円筒部111の中心軸対称な位置)に配置されている。
【0041】
また、
図5(b)に示すように、My検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ161,163,162,164をループ状に順次接続し、ひずみゲージ161とひずみゲージ163との間、及び、ひずみゲージ162とひずみゲージ164との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ161とひずみゲージ164との間、及び、ひずみゲージ163とひずみゲージ162との間の電位差を出力として抽出するものである。
【0042】
Mz検出系は、ひずみゲージ171〜174を有して構成されている。ひずみゲージ171〜174は、せん断形のひずみゲージであって、その検出方向が円筒部111の周方向となるように、円筒部111の外周面に貼付されている。
ひずみゲージ171は、Fz検出系のひずみゲージ141、142の中間に配置されている。
ひずみゲージ172は、Fz検出系のひずみゲージ142,144の中間に配置されている。
ひずみゲージ173,174は、それぞれひずみゲージ172,171に対して、円筒部111の中心軸対称となる位置に配置されている。
【0043】
また、
図5(c)に示すように、Mz検出系のブリッジ回路は、ひずみゲージ171,173,174,172をループ状に順次接続し、ひずみゲージ171とひずみゲージ173との間、及び、ひずみゲージ172とひずみゲージ174との間に電源の正極、負極をそれぞれ接続するとともに、ひずみゲージ171とひずみゲージ172との間、及び、ひずみゲージ173とひずみゲージ174との間の電位差を出力として抽出するものである。
なお、各ゲージの出力は、例えば図示しないスリップリングや無線通信手段を用いて、車体側に設けられた情報処理手段に伝達される構成とすることができる。
【0044】
以上説明した実施例1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)車輪作用力検出装置1を、通常のホイール交換と実質的に同様の作業によって簡単に車両に取り付けることができる。
また、リム幅、リム径、インセット、PCD等の諸元が共通である車両間であれば容易に転用することが可能であり、汎用性が高い。
さらに、円筒部111を有する感受体110は例えば十字形のビームを有する感受体に対して製作が容易であり精度を確保しやすく、また強度面でも優れている。
また、ディスク10の車幅方向外側の面部の意匠設計の自由度が高く、試験目的に限らず販売等に供される車両であっても適用しやすい。
(2)感受体100の円筒部111の内周面を保護する保護筒200を設けたことによって、ブレーキ装置やハブ等の感受体の内径側に存在する回転部品から遠心力で飛散する水、泥、異物等から感受体110を保護することができる。
【実施例2】
【0045】
次に、本発明を適用した車輪作用力検出装置の実施例2について説明する。
以下説明する各実施例において、従前の実施例と実質的に共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
【0046】
図6は、実施例2の6分力検出装置におけるひずみゲージの配置を示す模式的斜視図である。
実施例2の6分力検出装置100は、実施例1におけるFx検出系のひずみゲージ121〜124、Fy検出系のひずみゲージ131〜134に代えて、以下説明するFx検出系のせん断ひずみゲージ221,222、Fy検出系のせん断ひずみゲージ231,232を設けたものである。
【0047】
図7は、実施例2の6分力検出装置における2軸せん断ひずみゲージのゲージパターンを模式的に示す図である。
図7においては、一例としてせん断ひずみゲージ221を示すが、せん断ひずみゲージ222,231,232も実質的に同様のゲージパターンを有する。
せん断ひずみゲージ221は、いわゆる矢型2軸(2極)のものである。
せん断ひずみゲージ221は、金属箔からなる第1検出部221a、第2検出部221bを、絶縁体の薄膜である共通の基材221c状に形成したものである。
【0048】
第1検出部221a、第2検出部221bは、それぞれ検出方向に沿って平行に配置された複数の直線部を順次直列に接続して構成されている。
第1検出部221a、第2検出部221bは、直線部が伸縮する方向(検出方向)のひずみに応じて電気抵抗が変化しやすいように設定されている。
第1検出部221a、第2検出部221bの検出方向は、実質的に直交するように配置されている。
せん断ひずみゲージ221は、第1検出部221a、第2検出部221bの検出方向が、円筒部111の中心軸方向に対してそれぞれ45°反対方向に傾斜するように円筒部111の外周面に取り付けられる。(せん断ひずみゲージ222,231,232も同様)
【0049】
図6に示すように、せん断ひずみゲージ221,222,231,232は、円筒部111の中心軸方向における中央部の外周面に貼付されている。
Fx検出系のせん断ひずみゲージ221は、Mx検出系のひずみゲージ151,152の中間に配置されている。
Fx検出系のせん断ひずみゲージ222は、Mx検出系のひずみゲージ153,154の中間(せん断ひずみゲージ221と中心軸対象となる位置)に配置されている。
Fy検出系のせん断ひずみゲージ231は、My検出系のひずみゲージ161,162の中間に配置されている。
Fy検出系のせん断ひずみゲージ232は、My検出系のひずみゲージ163,164の中間(せん断ひずみゲージ231と中心軸対象となる位置)に配置されている。
【0050】
また、実施例2においては、Fz検出系のひずみゲージ141〜144、Mz検出系のひずみゲージ171〜174は、Fx検出系、Fy検出系のひずみゲージ221,222,231,232との干渉を避けるため、中心軸回りにおける位置をずらして配置されている。
例えば、
図6に示すように、せん断ひずみゲージ221、ひずみゲージ142、ひずみゲージ172、せん断ひずみゲージ232、ひずみゲージ144、ひずみゲージ174、せん断ひずみゲージ222、ひずみゲージ143、ひずみゲージ173、せん断ひずみゲージ231、ひずみゲージ141、ひずみゲージ171を、円筒部111の周方向に沿って、中心軸回りの角度を30°間隔でずらした位置に順次配置する構成とすることができる。
【0051】
実施例2において、Fx検出系のせん断ひずみゲージ221,222がそれぞれ有する第1検出部、第2検出部は、
図4(a)に示すものと同様のブリッジ回路を構成する。
このブリッジ回路は、感受体110へ入力されるFx方向分力に応じた出力を発生する。
同様に、Fy検出系のせん断ひずみゲージ231,232がそれぞれ有する第1検出部、第2検出部は、
図4(b)に示すものと同様のブリッジ回路を構成する。
このブリッジ回路は、感受体110へ入力されるFy方向分力に応じた出力を発生する。
【0052】
以上説明した実施例2によれば、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果に加えて、Fx、Fy検出系のゲージの取付箇所を低減して製造工程を簡素化することができる。
また、感受体110の軸方向長さを十分に確保できない場合であっても、Fx及びFyを精度よく検出することができる。