(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385222
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】アキュムレータ
(51)【国際特許分類】
F25B 43/00 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
F25B43/00 T
F25B43/00 E
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-192396(P2014-192396)
(22)【出願日】2014年9月22日
(65)【公開番号】特開2016-61543(P2016-61543A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 侯史
(72)【発明者】
【氏名】山崎 庫人
(72)【発明者】
【氏名】堀田 照之
(72)【発明者】
【氏名】武田 幸彦
【審査官】
西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−202440(JP,A)
【文献】
特開2014−077606(JP,A)
【文献】
特開2014−070869(JP,A)
【文献】
特開2012−189313(JP,A)
【文献】
特開2014−052139(JP,A)
【文献】
特開2006−123590(JP,A)
【文献】
実公昭49−012703(JP,Y1)
【文献】
実開昭55−157675(JP,U)
【文献】
米国特許第06481241(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 39/00 − 39/04
F25B 43/00
B60H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端を開口する有底円筒状の胴体と、この胴体の開口部を封止するヘッダとからなるタンク本体と、このタンク本体内に設けた乾燥剤入りバッグとを備え、前記ヘッダに縦方向に開口する冷媒流入孔と冷媒流出孔を形成するとともに、この冷媒流出孔に前記胴体の内底部の近くまで延伸するインナーパイプを連結し、その外側にアウターパイプを外装して二重管とし、このアウターパイプに前記乾燥剤入りバッグを結束バンドで固定するアキュムレータであって、
前記乾燥剤入りバッグを前記アウターパイプの上下方向に位置決め保持する上鍔部と下鍔部を設けるとともに、この上鍔部と下鍔部との間に前記アウターパイプと平行する回転阻止手段を設け、この回転阻止手段に前記乾燥剤入りバッグを押し当てて二つ折りした状態で前記アウターパイプに沿わせた後、該乾燥剤入りバッグに結束バンドを巻き付けて前記アウターパイプに乾燥剤入りバッグを固定したことを特徴とするアキュムレータ。
【請求項2】
前記上鍔部と下鍔部は、前記胴体の中心から外側に延びる複数の梁板から成り、上鍔部と下鍔部の少なくとも一方の梁板の外端縁を前記胴体の内周面に嵌合させて位置決めしたことを特徴とする請求項1に記載のアキュムレータ。
【請求項3】
前記アウターパイプには、前記回転阻止手段と反対側の外周に前記結束バンドの位置決めリブを形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のアキュムレータ。
【請求項4】
前記回転阻止手段は、前記アウターパイプから突出して形成され、前記上鍔部と前記下鍔部との間に架設されたブレードであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のアキュムレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクルを循環する冷媒を貯留するアキュムレータに関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍サイクルを循環する冷媒を気液分離して貯留するため、レシーバタンクやアキュムレータ等が用いられる。この種のアキュムレータとして、例えば、本出願人は、特許文献1において、上端を開口する有底筒形の胴体と、この胴体の開口部を封止するヘッダとからなるタンク本体と、このタンク本体内に設けた乾燥剤入りバッグとを備えたアキュムレータを既に出願している。
【0003】
この特許文献1に示すアキュムレータは、前記ヘッダに縦方向に開口する冷媒流入孔と冷媒流出孔を形成し、冷媒流出孔に前記胴体の内底部の近くまで延伸するインナーパイプを連結し、その外側にアウターパイプを外装して二重管とし、前記冷媒流入孔からタンク本体内に流入した冷媒は、気液分離部材としての笠部に衝突して気相冷媒と、オイルを含む液相冷媒とに気液分離され、分離された気相冷媒がアウターパイプの上端開口部から流入し、アウターパイプ内を下降した後、アウターパイプの底部で折り返されてインナーパイプに流入し、インナーパイプ内を上昇して冷媒流出孔から排出される。そして、液相冷媒に含まれる水分及び気相冷媒に含まれる湿分はタンク本体内のバッグ内部に収納した乾燥剤によって吸湿される。この乾燥剤入りバッグは前記アウターパイプを包み込むように沿わせてから結束バンドを巻き付けてアウターパイプに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−77606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示すアキュムレータは、冷凍サイクルを循環する冷媒を気液分離し、液相冷媒に含まれる水分及び気相冷媒に含まれる湿分をタンク本体内の乾燥剤によって吸湿しているが、その乾燥剤入りバッグが断面円筒状のアウターパイプを包み込むようにして巻き付けた状態で結束バンドによって固定されている。このため、乾燥剤入りバッグはアウターパイプに対して水平方向の位置決め効果が弱く、特に車両用エアコン等の冷凍サイクルとして使用される場合、アキュムレータがエンジン部分など振動が多い環境下で使用される場合などにおいて、振動などに起因して乾燥剤入りバッグがアウターパイプを中心として水平方向に回って変動する虞れがあり、このように乾燥剤入りバッグが回ってしまうと胴体内での冷媒の流れが悪くなる、という懸念があった。
【0006】
すなわち、乾燥剤入りバッグを固定するアウターパイプは、ヘッダに開口した冷媒流出孔に接続され、その冷媒流出孔はアキュムレータの胴体(タンク本体)の中心に対して偏心した位置に形成されているため、乾燥剤入りバッグが水平方向に回転してしまうと、乾燥剤入りバッグと胴体の内壁との間隔が局部的に狭くなる部分が生じてしまい、この結果、胴体内での冷媒の流れが悪くなる、という課題が残っていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、アウターパイプに固定する乾燥剤入りバッグを単に結束バンドで巻きつけることによって水平方向への変動を防止して胴体内での冷媒の流れを安定化することができるアキュムレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成すべく、本発明に係るアキュムレータは、上端を開口する有底円筒状の胴体と、この胴体の開口部を封止するヘッダとからなるタンク本体と、このタンク本体内に設けた乾燥剤入りバッグとを備え、前記ヘッダに縦方向に開口する冷媒流入孔と冷媒流出孔を形成するとともに、この冷媒流出孔に前記胴体の内底部の近くまで延伸するインナーパイプを連結し、その外側にアウターパイプを外装して二重管とし、このアウターパイプに前記乾燥剤入りバッグを結束バンドで固定するアキュムレータであって、前記アウターパイプに前記乾燥剤入りバッグを上下方向に位置決め保持する上鍔部と下鍔部を設けるとともに、この上鍔部と下鍔部との間に前記アウターパイプと平行する回転阻止手段(を設け、この回転阻止手段に前記乾燥剤入りバッグを押し当てて二つ折りした状態で前記アウターパイプに沿わせた後、該乾燥剤入りバッグに結束バンドを巻き付けて前記アウターパイプに乾燥剤入りバッグを固定したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るアキュムレータは、前記上鍔部と下鍔部が前記胴体の中心から外側に延びる複数の梁板を備え、上鍔部と下鍔部の少なくとも一方の梁板の外端縁を前記胴体の内周面に嵌合させて位置決めしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るアキュムレータは、前記アウターパイプには、前記回転阻止手段と反対側の外周に前記結束バンドの位置決めリブを形成したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るアキュムレータは、前記回転阻止手段
が、前記アウターパイプから突出して形成され、前記上鍔部と
前記下鍔部
との間に架設されたブレードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のアキュムレータによれば、回転阻止手段を中心として乾燥剤入りバッグを二つ折りした状態で結束バンドによって乾燥剤入りバッグをアウターパイプに固定することにより、アウターパイプに対して乾燥剤入りバッグが回り止めされ、アウターパイプを中心として回ることなく、アウターパイプに固定される。このため、乾燥剤入りバッグが変動して乾燥剤入りバッグと胴体の内壁との間隔が狭くなる部分が生じることなく、胴体内での冷媒の流れを良好に保つことができる。さらに、乾燥剤充填量が違う乾燥剤バックでも確実に固定できて、アウターパイプの共通化が図れる。また、耐振動性がアップし、部品点数の削減によるコストダウンも可能である。
【0013】
また、本発明のアキュムレータによれば、上鍔部又は下鍔部を構成する何れか一方の梁板の外端縁を前記胴体の内周面に嵌合させることにより、上鍔部又は下鍔部の少なくとも一方を胴体に対して確実に位置決めすることができる。
【0014】
また、本発明に係るアキュムレータによれば、乾燥剤入りバッグを結束バンドによって固定する際、位置決めリブによって結束バンドを位置決めすることによって、乾燥剤入りバッグに対して結束バンドの位置が上下にずれることなく、確実に乾燥剤入りバッグの中央に掛けた状態でアウターパイプに固定することができる。
【0015】
さらに、本発明に係るアキュムレータによれば、回転阻止手段
が、アウターパイプから突出して形成され、上鍔部と下鍔部との間に架設されたブレードであることによって、下鍔部の曲げ応力に対する剛性を高めることができ、乾燥剤入りバッグを載置する下鍔部の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例を示すアキュムレータの縦断面図である。
【
図2】本発明の実施例を示す
図1のA−A線断面図である。
【
図3】本発明の実施例を示すアウターパイプの正面図である。
【
図4】本発明の実施例を示す本発明の実施例を示す乾燥剤入りバッグを組み付け手順を示す横断面図であり、
図4(a)は乾燥剤入りバッグの組み付け前の状態、
図4(b)は乾燥剤入りバッグをブレードに当接させて二つ折りしている状態、
図4(c)は乾燥剤入りバッグを結束バンドによって固定した状態を示している。
【
図5】本発明の回転阻止手段の変形例を示すアウターパイプの正面図である。
【
図6】本発明の回転阻止手段の他の変形例を示すアウターパイプの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の最適な一実施例のアキュムレータ1について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1〜
図4は、本発明の一実施形態にかかるアキュムレータ1を示し、同図に示すようにアキュムレータ1は、胴体3とヘッダ4とからなるタンク本体2と、タンク本体2内に配置されたアウターパイプ5、インナーパイプ6から成る二重管及び乾燥剤7a入りバッグ7等の内機部品等で構成される。
【0019】
前記タンク本体2は、上端が開口した有底円筒状の胴体3と、溶接部10を介して胴体3と溶接接合され、胴体3の開口端を封止するヘッダ4とから構成される。これら胴体3及びヘッダ4は、いずれもアルミニウム合金等の金属によって形成される。
【0020】
前記ヘッダ4は、上面視円状に形成され、ヘッダ4には冷媒流入孔8及び冷媒流出孔9が縦方向に貫通して形成され、冷媒流出孔9には前記胴体3の内底部の近くまで延伸するインナーパイプ6が接続され、その外側にアウターパイプ5を外装して二重管構造としている。
【0021】
前記ヘッダ4の下方には、冷媒流入孔8からの混合冷媒(気相分と液相分が混在した冷媒)を、密度の高い液相冷媒及びコンプレッサオイル(以下、「オイル」という)と、密度の低い気相冷媒とに分離する気液分離部材16が逆皿状に設けられる。
【0022】
アウターパイプ5は、合成樹脂からなり、上端部5aが開口した状態で胴体3内に嵌め込まれる。アウターパイプ5の底部には、金属や樹脂からなる網目部材21がインサート成形されたストレーナ20が設けられ、このストレーナ20が胴体3の内底面に載置される。
【0023】
インナーパイプ6は、アルミニウム合金等の金属からなり、下端部6aが開口すると共に、上端部6bがヘッダ4の冷媒流出孔9に連結される。また、インナーパイプ6の下部は、アウターパイプ5の内周面に凸設された複数のパイプリブ5rの内側に嵌入され、これにより、アウターパイプ5内においてインナーパイプ6が安定して保持される。
【0024】
前記胴体3内の上方空間には、気液分離部材16に近い位置で、乾燥剤(吸湿剤)7a入りバッグ7(以下、単に乾燥剤入りバッグ7と称する)が配置されており、この乾燥剤入りバッグ7を前記胴体3内において上下に位置決めするために前記アウターパイプ5に下鍔部22と上鍔部23が一体形成されている。この下鍔部22と上鍔部23は、胴体3の中心から外側に(例えば放射状に)延びる梁板24から成り、下鍔部22の梁板24の下面と上鍔部23の梁板24の上面にはそれぞれ補強用リブ22a,23aが形成されている。また、
図2に示すように前記下鍔部22を構成する各梁板24の外周縁が胴体3の内周面に当接しており、これにより、胴体3に対して下鍔部22を位置決めしている。
【0025】
また、前記下鍔部22と上鍔部23との間には、前記乾燥剤入りバッグ7を押し当てて乾燥剤入りバッグ7を二つ折りする際の回転阻止手段50としてプレート状のブレード25が設けられている。このブレード25は前記アウターパイプ5の外周から突出して前記下鍔部22と上鍔部23との間を架設され、ブレード25を介してアウターパイプ5と下鍔部22及び上鍔部23とを一体的に連結している。また、アウターパイプ5のブレード25と反対側に位置する外周には、結束バンド30を位置決めする溝部31を有する位置決めリブ32,32が一体形成されている。
【0026】
次の
図4(a)〜(c)を参照して前記乾燥剤入りバッグ7の組付手順について説明する。乾燥剤入りバッグ7は、下鍔部22と上鍔部23との間に挿入されて胴体3内の上方空間に位置決め保持されるが、
図4(a)に示すように乾燥剤入りバッグ7を下鍔部22と上鍔部23との間に挿入する際、まず、乾燥剤入りバッグ7はアウターパイプ5と平行するブレード25の外端縁に当接させように下鍔部22と上鍔部23との間に挿入され、
図4(b)で示すようにブレード25を中心として乾燥剤入りバッグ7を二つ折りとした後、乾燥剤入りバッグ7の両端部をアウターパイプ5に沿わせるように巻き付ける。そして、
図4(c)に示すように乾燥剤入りバッグ7に結束バンド30を巻き付けて結束させることによって乾燥剤入りバッグ7をアウターパイプ5に固定している。なお、乾燥剤入りバッグ7に結束バンド30を巻き付ける際、結束バンド30を位置決めリブ32の溝部31に嵌め入れることによって、乾燥剤入りバッグ7が上下にずれることなく、結束バンド30により乾燥剤入りバッグ7が下鍔部22と上鍔部23の間のほぼ中央部に正確に位置決めされる。
【0027】
以上のように構成されるアキュムレータ1の動作について、
図1を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、アキュムレータ1を冷凍サイクルの蒸発器と圧縮機との間に配置し、蒸発器からの冷媒に含まれる水分を除去してガス冷媒を生成し、これを圧縮機へ戻す場合を例にとって説明する。
【0028】
蒸発器から冷媒が排出されると、接続配管(不図示)を通じてアキュムレータ1に搬送される。アキュムレータ1に到達した冷媒は、冷媒流入孔8から胴体3の内部に流入した後、気液分離部材16に衝突し、密度の高い液相冷媒及びオイルと、密度の低い気相冷媒(ガス冷媒)とに分離される。
【0029】
気液分離後の液相冷媒及びオイルは、自重により胴体3内に貯留される。その過程で、液相冷媒とオイルとの分離が進み、オイルは液相冷媒の下方に溜まる。このとき、液相冷媒の液面は、乾燥剤入りバッグ7の一部(略中央)が浸漬する高さ位置にまで達する。したがって、液相冷媒に含まれる水分も気相冷媒に含まれる湿分も乾燥剤7aによって吸湿される。
【0030】
一方、気液分離された気相冷媒は、アウターパイプ5の上端開口部から流入し、アウターパイプ5内を下降する。その後、アウターパイプ5の底部で折り返されてインナーパイプ6に流入し、インナーパイプ6内を上昇して冷媒流出孔9に導かれる。このとき、オイル戻し孔24を通じて、胴体3の底に溜まったオイルが吸引され、ここでオイル成分を潤沢に含んだ気相冷媒となり、それが冷媒流出孔9から接続配管(不図示)を通じて圧縮機に供給される。
【0031】
また、乾燥剤7a入りバッグ7は、下鍔部22と上鍔部23との間に挿入して結束バンド30によってアウターパイプ5に固定することによって気液分離部材16に近い上方位置に配置されているため、胴体3に貯留される液相冷媒が乾燥剤7aと触れる割合が少なくなり、それに伴って気泡の発生が少なくなり、気泡発生に伴う異音が減少する。また、気泡が発生したとしても、気泡の発生位置から気液分離部材16までの距離が短いため、気泡が勢いよく気液分離部材16に衝突することが回避され、このこととの相乗効果によって、異音の発生は著しく減少する。
【0032】
さらに、乾燥剤入りバッグ7をブレード25に当接させてブレード25を中心として乾燥剤入りバッグ7を二つ折りした状態で結束バンド30によってアウターパイプ5に固定することにより、アウターパイプ5に対して乾燥剤7a入りバッグ7が回り止めされ、アウターパイプ5を中心として回ることなく、アウターパイプ5に固定される。このため、乾燥剤入りバッグ7が変動して乾燥剤入りバッグ7と胴体3の内壁との間隔が狭くなる部分が生じることなく、胴体3内での冷媒の流れを良好に保つことができる。また、ブレード25で下鍔部22と上鍔部23及びアウターパイプ5を一体化することによって、乾燥剤入りバッグ7を載置する下鍔部22の曲げ応力に対する剛性を高めることができる。
【0033】
以上、本発明の最適の一つの実施例について詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例においては、下鍔部22と上鍔部23を4つの梁板24を十字型に配して例を示したが十字型に限定されるものではなく、梁板24の個数や配置などは特に前記実施例に限定されるものではないし、下鍔部22と上鍔部23の形状などは特に前記実施例に限定されるものではない。さらに、梁板24の外端縁を胴体3の内周面に当接させて胴体3に対して下鍔部22を位置決めした例を示したが、より安定的に位置決めするために梁板24の外端縁に胴体3の内周面と嵌合する環状の鍔部を梁板24の外端縁に一体形成する構造であってもよい。
【0034】
また、乾燥剤入りバッグ7の回転阻止手段50としてアウターパイプ5に平板状のブレード25を一体形成した例を示したが、例えば、
図5に示すようにアウターパイプ5と平行する棒状あるいは帯板状の柱状部51aを下鍔部22と上鍔部23との間に架設するように配置してもよい。さらには、
図6に示すように、アウターパイプ5と平行する回転阻止手段50として、柱状部51aとアウターパイプ5との間を横方向に延びる梁部材51bで連結する構造でもよく、プレート状のブレード25に限らず、要はアウターパイプ5と平行して乾燥剤入りバッグ7と当接して乾燥剤入りバッグ7を二つ折り状態に案内できて、結束により乾燥剤入りバッグ7の回転が阻止できる構造であればよい。
【符号の説明】
【0035】
1 アキュムレータ
2 タンク本体
3 胴体
4 ヘッダ
5 アウターパイプ
6 インナーパイプ
7 乾燥剤入りバッグ
8 冷媒流入孔
9 冷媒流出孔
22 下鍔部
23 上鍔部
24 梁板
25 ブレード(回転阻止手段 50)
30 結束バンド
32 位置決めリブ
51a 柱状部(回転阻止手段 50)
51b 梁部(回転阻止手段 50)