(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に相当し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式的斜視図である。
図1に表したように、本実施形態に係る表示装置110は、複数の第1配線L1(例えばゲート線GL)と、複数の第2配線L2(例えば信号線SL)と、複数の第3配線L3(例えばコモン線CL)と、を含む。
【0009】
複数の第1配線L1のそれぞれは、第1方向D1に延在する。複数の第1配線L1は、第2方向D2に並ぶ。第2方向D2は、第1方向D1と交差する。この例では、第2方向D2は、第1方向D1に対して垂直である。
【0010】
複数の第2配線L2のそれぞれは、第2方向D2に延在する。複数の第2配線L2は、第1方向D1に並ぶ。
【0011】
複数の第3配線L3のそれぞれは、第2方向D2に延在する。複数の第3配線L3は、第1方向D1に並ぶ。
【0012】
第1方向D1及び第2方向D2を含む平面をX−Y平面とする。X−Y平面に対して垂直な方向をZ軸方向とする。X−Y平面内の1つの方向がX軸方向である。X−Y平面内の1つの方向がY軸方向である。Y軸方向は、X軸方向に対して垂直である。この例では、第1方向D1は、X軸方向に対して平行である。第2方向D2は、Y軸方向に対して平行である。
【0013】
この例では、複数の第4配線(例えば検出線RL)が設けられる。複数の第4配線L4は、X−Y平面に対して垂直な方向(Z軸方向、第5方向D5)において、第1〜第3配線L1〜L3と離間する。複数の第4配線L4のそれぞれは、第3方向D3に延在する。第3方向D3は、X−Y平面に対して平行であり、第2方向D2に対して交差する。複数の第4配線L4は、第4方向D4に並ぶ。第4方向は、X−Y平面に対して平行で、第3方向D3と交差する。この例では、第3方向D3は、X軸方向に対して平行であり、第4方向D4は、Y軸方向に対して平行である。
【0014】
複数のゲート線GLは、例えば、第1ゲート線GL1、第2ゲート線GL2、及び、第nゲート線GLnを含む。ゲート線GLの数は、nである。nは、2以上の整数である。例えば、nは、1920である。実施形態において、nは任意である。
【0015】
複数の信号線SLは、例えば、第1信号線SL1、第2信号線SL2、及び、第m信号線SLmを含む。信号線SLの数は、mである。mは、2以上の整数である。例えば、mは、1080×3である。すなわち、例えば、赤画素、緑画素及び青画素の組が1つの要素となる場合、要素の数が1080である。第1方向に沿って並ぶ複数の画素の数に対応して信号線SLが設けられる。実施形態において、mは任意である。
【0016】
複数のコモン線CLは、例えば、第1コモン線CL1、第2コモン線CL2、及び、第Nコモン線CLNを含む。コモン線CLの数は、Nである。Nは、2以上の整数である。実施形態において、Nは任意である。
【0017】
複数の検出線RLは、例えば、第1検出線RL1、第2検出線RL2、及び、第M検出線RLMを含む。検出線RLの数は、Mである。Mは、2以上の整数である。実施形態において、Mは任意である。
【0018】
この例では、ゲート線GLと検出線RLとの間に、信号線SL及びコモン線CLが配置されている。実施形態においては、これらの線の配置(第5方向D5における配置)は種々の変形が可能である。
【0019】
後述するように、複数のゲート線GLと、複数の信号線SLと、を用いて表示が行われる。この例では、複数のコモン線CLと、複数の検出線RLと、を用いて、例えば入力(例えばタッチ入力)が行われる。実施形態において、入力動作を行わない場合は、検出線RLは省略しても良い。
入力動作において、複数のコモン線CLには、入力を検出するためのタッチ検出用パルス信号が印加され、検出線RLは、コモン線CLから出力されたタッチ検出用パルス信号を受けて、タッチ検出信号として出力する。
コモン線CLと検出線RLとの間の容量変化により物体の接触または近接が検出される。
検出線RLは、コモン線CLとの間に容量が形成されるように配置されていればどのような形状や延在方向であっても良い。
【0020】
図1に表したように、信号線SLと、コモン線CLとは、平行に延在する。このようにすることで、コモン線CLと信号線SLとの間の見かけの容量をなくすことができる。このため、入力動作におけるコモン線CLの駆動の負荷を減少させることができ、入力動作の高速化や、駆動電力の削減が可能となる。
【0021】
図1に表したように、例えば、信号線SLの数(すなわち、m)は、コモン線CLの数(すなわち、N)よりも大きい。信号線SLの数が大きいことで、高精細の表示が実施できる。一方、入力の解像度は、表示の解像度よりも低くても良い場合が多い。このため、コモン線CLの数は、ゲート線GLの数よりも小さくできる。コモン線CLの数を小さくすることで、検出動作に要する時間を短くでき、違和感のない(少ない)表示が可能になる。
【0022】
例えば、複数の信号線SLが複数のグループに分けられる。例えば、複数の信号線SLは、第1〜第kグループなどを含む。複数のグループのそれぞれは、互いに隣り合う複数の信号線SLを含む。例えば、1つのグループに含まれる信号線SLの数は、例えばjである。jは、2以上の整数である。
【0023】
例えば、X−Y平面に投影したときに、1つのコモン線CL(例えば、複数のコモン線CLのそれぞれ)は、複数の信号線SLのグループのそれぞれと重なる。
【0024】
図2は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図2に例示したように、表示装置110において、複数のスイッチ素子11と、複数の画素電極Pxと、表示層30と、が設けられる。複数のスイッチ素子11のそれぞれは、複数の第1配線L1(ゲート線GL)のいずれか、及び、複数の第2配線L2(信号線SL)のいずれかと電気的に接続される。
【0025】
実施形態において、電気的に接続される状態は、2つの導体が直接接する状態、及び、間に他の導体が挿入されて2つの導体の間に電流が流れる状態を含む。さらに、電気的に接続される状態は、間に素子(例えばスイッチ素子など)が挿入されて2つの導体の間に電流が流れる状態を形成可能な状態を含む。
【0026】
例えば、スイッチ素子11は、ゲート11gと、半導体層12と、を含む。半導体層12は、第1部分12aと、第2部分12bと、を含む。ゲート11gが、複数のゲート線GLの1つと電気的に接続される。半導体層12の第1部分12aが、複数の信号線SLの1つと電気的に接続される。
【0027】
複数の画素電極Pxのそれぞれは、複数のスイッチ素子11のそれぞれと電気的に接続される。例えば、1つの画素電極Pxは、スイッチ素子11の半導体層12の第2部分12bと、電気的に接続される。
【0028】
表示層30は、複数の画素電極Pxに与えられる電気信号に基づいて、光学動作を行う。光学動作は、光学特性の変化と、発光と、の少なくともいずれかを含む。後述するように、表示層30は、例えば、複数の画素電極Pxと複数の検出線RLとの間に設けられる。
【0029】
表示層30として液晶層が用いられる場合は、光学動作は、光学特性の変化を含む。光学特性は、例えば、複屈折率、旋光性、散乱性、光反射率及び光吸収率の少なくいずれかを含む。例えば、画素電極Pxに与えられる電気信号によって、表示層30(液晶層)における液晶配向が変化し、実効的な複屈折率が変化する。旋光性、散乱性、光反射率及び光吸収率の少なくともいずれかが変化しても良い。
【0030】
例えば、表示層30として発光層(例えば有機発光層)が用いられ場合は、光学動作は、発光(光の放出)を含む。すなわち、表示層30は、光学特性の変化と、発光と、の少なくともいずれかの光学動作を行う。
【0031】
表示層30は、例えば、負荷容量となる。この例では、表示層30と並列に、蓄積容量Csが設けられている。蓄積容量Csは、必要に応じて設けられ、省略しても良い。
【0032】
表示装置110において、複数の画素35が設けられる。複数の画素35のそれぞれに、少なくとも1つのスイッチ素子11と、少なくとも1つの画素電極Pxと、が設けられる。すなわち、複数のスイッチ素子11のそれぞれが、複数の画素35のそれぞれに設けられる。複数の画素電極Pxのそれぞれが、複数の画素35のそれぞれに設けられる。
【0033】
図2に例示したように、表示装置110に制御部60(駆動装置210)が設けられる。
例えば、制御部60は、第1駆動回路61と、第2駆動回路62と、制御回路63と、を含む。第1駆動回路61は、複数のゲート線GLと電気的に接続される。第2駆動回路62は、複数の信号線SL及び複数のコモン線CLと電気的に接続される。制御回路63は、第1駆動回路61及び第2駆動回路62と電気的に接続される。制御回路63が入手する電気信号(画像信号を含む)に、適切な信号処理が行われる。信号処理が行われた電気信号が、第1駆動回路61及び第2駆動回路62に供給される。
のちに説明するように、第2駆動回路62は、ソース回路を含む表示駆動集積回路62aを含む。表示駆動集積回路62aは、例えば、ソースドライバである。表示駆動集積回路62aは、例えば、LSI(Large Scale Integrated-circuit)である。
【0034】
ゲート線GL、信号線SL、スイッチ素子11及び画素電極Pxにより、複数の画素35における表示層30(例えば液晶層)の光学動作が制御される。これにより、表示が行われる。表示動作において、例えば、コモン線CLが、画素電極Pxの対向電極として利用される。すなわち、スイッチ素子11を介して画素電極Pxに電気信号が供給され、複数の画素電極Pxのそれぞれの電位が制御される。画素電極Pxとコモン線CLとにより生じる電界により液晶の配向が変化して、表示が行われる。
【0035】
例えば、制御部60に、検出回路を含むタッチ検出部65がさらに設けられても良い。タッチ検出部65は、検出線RLと電気的に接続される。検出動作においては、例えば、第2駆動回路62とタッチ検出部65とにより、複数のコモン線CLのそれぞれと、複数の検出線RLのそれぞれと、の間に形成される容量が検出される。
タッチ検出部65は、タッチICであってもよい。タッチ検出部65は、別基板、例えば、フレキシブル基板上に設けられていてもよい。タッチ検出部65は、制御回路63を介して第2駆動回路62にタッチ検出の際に駆動する駆動電極の選択情報を送信することができる。
【0036】
例えば、複数の検出線RLと、複数のコモン線CLと、により、表示装置110へのタッチ入力が検出される。検出動作においては、例えば、表示装置110の観視者(使用者)の指または入力部材(例えば入力ペンなど)などが表示装置110に接触、または、近接する。検出線RLとコモン線CLとによって形成される電気容量が、上記の接触または近接により変化する。この電気容量の変化を検出することで、タッチ入力が検出される。例えば、静電容量型の検出が行われる。表示装置110は、例えば、入力機能付きの表示装置である。
【0037】
この例では、コモン線CL(第3配線L3)が、表示のための対向電極として用いられつつ、検出のための対向電極、すなわち、タッチ検出用パルス信号が印加される駆動電極としても用いられる。
【0038】
図2に例示したように、例えば、複数の画素35は、第1色画素35aと、第2色画素35bと、を含む。例えば、複数の画素電極Pxは、第1色用の第1色画素電極Pxaと、第2色用の第2色画素電極Pxbと、を含む。第2色は、第1色とは異なる。複数の信号線SLは、第1色配線SLaと、第2色配線SLbと、を含む。第1色配線SLaは、複数のスイッチ素子11のいずれかを介して第1色画素電極Pxaと電気的に接続される。第2色配線SLbは、複数のスイッチ素子11の別のいずれかを介して第2色画素電極Pxbと電気的に接続される。さらに、第3色画素及び第3画素電極が設けられても良い。これに伴い、第3色配線が設けられても良い。さらに、4色以上の画素35が設けられても良い。以下では、3色の画素35が設けられる場合の例について、説明する。
【0039】
図3は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式的断面図である。
図3に表したように、表示装置110において、第1基板部10uと、第2基板部20uと、表示層30と、が設けられる。表示装置110には、複数の画素35が設けられる。
図3は、1つの画素35の部分を例示している。
【0040】
例えば、第1基板部10uとして、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ基板が用いられる。第1基板部10uには、例えば、第1基板10と、ゲート線GL(第1配線L1)と、スイッチ素子11と、信号線SL(第2配線L2)と、コモン線CL(第3配線L3)と、画素電極Pxと、が設けられる。
【0041】
ゲート線GL及び信号線SLは、例えば、X−Y平面内に延在する。第1基板部10uは、X−Y平面内に延在する。
【0042】
この例では第1基板10は、光透過性である。第1基板10には、例えば、ガラスまたは樹脂が用いられる。第1基板10の上に、ゲート線GLが設けられる。
【0043】
この例では、スイッチ素子11として、TFTが用いられる。スイッチ素子11は、半導体層12を含む。半導体層12は、第1部分12aと、第2部分12bと、第3部分12cと、を含む。第2部分12bは、X−Y平面内で、第1部分12aと離間する。第3部分12cは、第1部分12aと第2部分12bとの間に配置される。第1部分12aは、スイッチ素子11のソース及びドレインの一方となる。第2部分12bは、ソース及びドレインの他方となる。第3部分12cは、スイッチ素子11のチャネル部となる。
【0044】
スイッチ素子11は、ゲート11gと、ゲート絶縁膜11iと、をさらに含む。第3部分12cとゲート11gとの間に、ゲート絶縁膜11iが設けられる。この例では、ゲート11gの上に第3部分12cが配置される。この例では、スイッチ素子11は、ゲート下置き構造を有する。実施形態において、スイッチ素子11は、ゲート上置き構造を有しても良い。
【0045】
ゲート線GL及びゲート11gの少なくともいずれかには、第1金属層が用いられる。第1金属層には、例えば、Mo(モリブデン)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)及びそれらの合金の少なくともいずれかが用いられる。例えば、第1金属層は、Moを含む。
【0046】
半導体層12には、例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン及び結晶シリコンの少なくともいずれかが用いられる。半導体層12として、酸化物半導体を用いても良い。例えば、半導体層12は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)及び亜鉛(Zn)の少なくともいずれかを含む酸化物を含んでも良い。
【0047】
信号線SLは、第1部分12aと電気的に接続される。この例では、信号線SLの一部(第1接続部15a)が、第1部分12aと電気的に接続される。この例では、第1接続部15aは、第1接続導電部15cにより第1部分12aと電気的に接続される。
【0048】
一方、第2部分12bの上に、第2接続導電部15dが設けられる。第2接続導電部15dの上に、第2接続部15bが設けられる。
【0049】
第1接続部15a(信号線SL)、第1接続導電部15c、第2接続部15b及び第2接続導電部15dには、第2金属層が用いられる。第2金属層には、例えば、Al、Cr(クロム)、Ta(タンタル)及びそれらの合金の少なくともいずれかが用いられる。たとえば、第2金属層は、Alを含む。
【0050】
第1接続部15a(信号線SL)と半導体層12との間、第1接続導電部15cと半導体層12との間、第2接続部15bと半導体層12との間、及び、第2接続導電部15dと半導体層12との間に、層間絶縁層13が設けられる。
【0051】
層間絶縁層13には、例えば、金属酸化物などが用いられる。層間絶縁層13には、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物及びシリコン酸窒化物の少なくともいずれかが用いられる。
【0052】
この例では、コモン線CLが、信号線SLなどの第2金属層の上に設けられる。コモン線CLと信号線SLとの間には、第1絶縁層I1が設けられる。第1絶縁層I1は、複数の信号線SLと複数のコモン線CLとの間に設けられる。
【0053】
第1絶縁層I1は、例えば、平坦化層として機能する。例えば、第1絶縁層I1は、有機材料を含む。第1絶縁層I1は、例えば、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂の少なくともいずれかを含む。第1絶縁層I1として、有機材料を用いることで、高い平坦性が得られる。
【0054】
コモン線CLの上に、画素電極Pxが設けられる。この例では、画素電極Pxは、櫛状であり、画素電極Pxは、帯状の複数の部分Pxsを含む。複数の部分Pxsは、X−Y平面内で互いに離間する。画素電極Pxは、第2接続部15bと電気的に接続される。この例では、画素電極Pxは、第3接続導電部17により、第2接続部15bと電気的に接続される。
【0055】
コモン線CL及び画素電極Pxの少なくともいずれかには、例えば、光透過性の導電層が用いられる。例えば、コモン線CL及び画素電極Pxの少なくともいずれかには、In、Sn、Zn及びTiよりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物が用いられる。コモン線CL及び画素電極Pxには、例えばITO(Indium Tin Oxide)などが用いられる。コモン線CL及び画素電極Pxとして、例えば、光透過性の薄い金属層を用いても良い。後述するように、コモン線CLに補助配線を設けても良い。
【0056】
画素電極Pxとコモン線CLとの間には、第2絶縁層I2が設けられる。この例では、複数のコモン線CLの少なくとも一部は、複数の画素電極Pxのいずれかの少なくとも一部と、複数の信号線SLのいずれかの少なくとも一部と、の間に配置される。そして、第2絶縁層I2は、複数のコモン線CLの上記の少なくとも一部と、複数の画素電極Pxのいずれかの上記の少なくとも一部と、の間に配置される。
【0057】
第2絶縁層I2には、例えば、第1絶縁層I1と同じ材料を用いても良い。第2絶縁層I2には、例えば金属化合物(酸化物、窒化物または酸窒化物など)を用いても良い。第2絶縁層I2の材料は任意である。
【0058】
この例では、画素電極Pxの上に第1配向膜18が設けられる。
【0059】
第2基板部20uは、Z軸方向において、第1基板部10uと離間する。この例では、第2基板部20uは、第2基板20と、カラーフィルタ層25と、第2配向膜28と、検出線RL(第4配線L4)と、を含む。検出線RLは、スイッチ素子11及び複数の画素電極Pxと離間している。検出線RLと第1基板部10uとの間に、第2基板20が設けられる。第2基板20と第1基板部10uとの間に、カラーフィルタ層25が設けられる。カラーフィルタ層25と第1基板部10uとの間に、第2配向膜28が設けられる。
【0060】
この例では、第2基板20は、光透過性である。第2基板10には、例えば、ガラスまたは樹脂が用いられる。
【0061】
検出線RLは、例えば、光透過性である。検出線RLには、In、Sn、Zn及びTiよりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物(例えば、ITOなど)などが用いられる。検出線RLとして、光透過性の薄い金属層を用いても良い。
【0062】
カラーフィルタ層25は、例えば、赤着色層、緑着色層及び青着色層などを含む。赤着色層、緑着色層及び青着色層のそれぞれは、複数の画素35のそれぞれに対応して配置される。カラーフィルタ層25の色は、4色以上でも良い。実施形態において、カラーフィルタ層25は省略しても良い。カラーフィルタ層は、第1基板部10uに設けられても良い。
【0063】
第1配向膜18及び第2配向膜28には、例えば、ポリイミドなどが用いられる。これらの配向膜には、必要に応じて配向処理(例えばラビング処理など)が行われる。
【0064】
第1基板部10uと第2基板部20uとの間に、表示層30が設けられる。表示層30は、複数の画素電極Pxと、複数の検出線RLと、の間に配置される。例えば、第1配向膜18と第2配向膜28との間に、表示層30が配置される。
【0065】
この例では、第1偏光層51と第2偏光層52とが設けられる。第1偏光層51と第2偏光層52との間に、第1基板部10uが配置される。第1基板部10uと第2偏光層52との間に、第2基板部20uが配置される。
【0066】
この例では、バックライト部55がさらに設けられる。バックライト部55と第2偏光層52との間に第1偏光層51、第1基板部10u、表示層30及び第2基板部20uが配置される。バックライト部55は、光を放出する。この光は、第1偏光層51、第1基板部10u、表示層30第2基板部20u及び第2偏光層52を通過して、表示装置110の外部に出射する。
【0067】
この例では、画素電極Pxは、帯状の複数の部分Pxsを含む。画素電極Pxと、コモン線CLと、の間に、「横電界」が生じる。横電界は、X−Y平面に対して平行な成分を有する電界である。横電界により、表示層30(液晶層)の液晶分子のダイレクタ(液晶分子の長軸方向)を、X−Y平面内で変化させる。ダイレクタの方向の変化により、例えば、複屈折率及び旋光性の少なくともいずれかが変化する。すなわち、光学特性の変化が生じる。偏光層を用いることで、光学特性の変化が透過率の変化に変換される。
【0068】
光学特性の変化により、バックライト部55から出射した光の透過率が変化する。画素電極Pxに与えられる電気信号(画像信号)に応じて、光の透過率が変化し、すなわち、明るさが変化する。明るさが変化した光が、表示装置110の上面Ufから出射する。これにより、表示が行われる。
【0069】
一方、複数の検出線RLと、複数のコモン線CLと、により、表示装置110の上面Ufへのタッチ入力が検出される。
【0070】
制御部60の少なくとも一部は、第1基板部10uに設けられても良い。制御部60の少なくとも一部は、表示装置の駆動装置210(
図2参照)に含まれても良い。駆動装置210の少なくとも一部が、制御部60に含まれても良い。
【0071】
以下、表示装置110の動作の例について、説明する。
【0072】
図4は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図4は、本実施形態に係る表示装置111の一部を例示している。
図4に例示した以外の部分は、表示装置110に関して説明した構成が適用される。
【0073】
図4に表したように、複数の第1配線L1(ゲート線GL)は、第iゲート線Gate<i>と、第(i+1)ゲート線Gate<i+1>と、を含む。
【0074】
例えば、赤(R)、緑(G)及び青(B)に対応する画素電極Pxが配置される。
【0075】
複数の第2配線L2(信号線SL)は、第1信号線Sl1を含む。第1信号線Sl1は、例えば、第1色画素(例えばR色画素)に対応する。この例では、複数の第2配線L2は、第2信号線Sl2及び第3信号線Sl3をさらに含む。第2信号線Sl2は、例えば、第2色画素(例えばG画素)に対応する。第3信号線Sl3は、例えば、第3色画素(例えばB画素)に対応する。
【0076】
複数の第3配線L3(コモン線CL)は、第1コモン線Cl1を含む。
【0077】
制御部60は、表示対向電位線COMlと、検知電位線SVlと、第1検知電位スイッチSVS1と、第1信号線スイッチSlS1と、第1コモンセレクタCS1と、第2コモンセレクタCS2と、を含む。
【0078】
図4では、第2配線L2と第3配線L3とは、信号線スイッチと、コモンセレクタとを介して接続されている。すなわち、制御部60は、第2配線L2と、第3配線L3との間に1つ以上のスイッチを含む。
【0079】
表示対向電位線COMlは、表示対向電位COMDCに設定される。表示対向電位COMDCは、例えば、0ボルト(例えば接地電位)〜−1ボルトである。この値は例であり、実施形態は、これに限定されない。
【0080】
検知電位線SVlは、表示対向電位COMDCとは異なる電位(例えば、タッチ動作電位TPH)に設定される。タッチ動作電位TPHは、例えば、4ボルト〜10ボルトである。この値は例であり、実施形態は、これに限定されない。
【0081】
第1検知電位スイッチSVS1の一端は、検知電位線SVl(タッチ動作電位TPH)と電気的に接続される。
【0082】
第1信号線スイッチSlS1の一端は、第1信号線Sl1と電気的に接続される。第1信号線スイッチSlS1の他端は、第1検知電位スイッチSVS1の他端と電気的に接続される。第1検知電位スイッチSVS1の他端における電位(信号)を、信号DDI−OUTということにする。信号DDI-OUTは、表示駆動集積回路62aの出力である。
【0083】
第1コモンセレクタCS1の一端は、第1信号線Sl1と電気的に接続される。第1コモンセレクタCS1の他端は、第1コモン線Cl1と電気的に接続される。
【0084】
第2コモンセレクタCS2の一端は、第1コモンセレクタCS1の他端及び第1コモン線Cl1と電気的に接続される。第2コモンセレクタCS2は、第1コモン線Cl1を第1検知電位スイッチSVS1の他端、及び、表示対向電位線COMlのいずれかに電気的に接続する。
【0085】
この例では、制御部60は、第1ソース回路SC1と、第1ソーススイッチSS1と、をさらに含む。第1ソース回路SC1は、画像信号の一部の信号を出力可能である。
【0086】
第1ソーススイッチSS1の一端は、第1ソース回路SC1に電気的に接続可能である。第1ソーススイッチSS1の他端は、第1検知電位スイッチSVS1の他端に電気的に接続される。
【0087】
この例では、制御部60は、第2信号線スイッチSlS2と、第3コモンセレクタCS3と、第4コモンセレクタCS4と、をさらに含む。
【0088】
第2信号線スイッチSlS2の一端は、第2信号線Sl2と電気的に接続される。第3コモンセレクタCS3の一端は、第2信号線Sl2と電気的に接続される。第3コモンセレクタCS3の他端は、第1コモン線Cl1と電気的に接続される。
【0089】
第4コモンセレクタCS4の一端は、第3コモンセレクタCS3の他端及び第1コモン線Cl1と電気的に接続される。第4コモンセレクタCS4は、第1コモン線Cl1を第1検知電位スイッチSVS1の他端、及び、表示対向電位線COMlのいずれかと電気的に接続する。
【0090】
この例では、制御部60は、第2ソース回路SC2と、第2ソーススイッチSS2と、をさらに含む。
【0091】
第2ソース回路SC2は、画像信号のうちの、上記の一部の信号(第1ソース回路SC1の信号)とは異なる信号を出力可能である。例えば、第2ソース回路SC2から出力される信号の極性は、第1ソース回路SC1から出力される信号の極性の反対である。
【0092】
第2ソーススイッチSS2の一端は、第2ソース回路SC2と電気的に接続可能である。第2ソーススイッチSS2の他端は、第2信号線スイッチSlS2の他端と電気的に接続される。
【0093】
さらに、この例では、制御部60は、第3信号線スイッチSlS3と、第5コモンセレクタCS5と、をさらに含む。
【0094】
第3信号線スイッチSlS3一端は、第3信号線Sl3と電気的に接続される。第3信号線スイッチSlS3の他端は、第1検知電位スイッチSVS1の他端と電気的に接続される。
【0095】
第5コモンセレクタCS5の一端は、第3信号線Sl3と電気的に接続される。第5コモンセレクタCS5の他端は、第1コモン線Cl1と電気的に接続される。
【0096】
例えば、第1信号線スイッチSlS1、第2信号線スイッチSlS2及び第3信号線スイッチSlS3は、セレクタスイッチSEL_SWに含まれる。
【0097】
例えば、第1コモンセレクタCS1、第3コモンセレクタCS3及び第5コモンセレクタCS5は、コモンセレクタCOM_SEL1に含まれる。第2コモンセレクタCS2及び第4コモンセレクタCS4は、コモンセレクタCOM_SEL2に含まれる。
【0098】
この例では、コモンセレクタCOM_SELが設けられている。コモンセレクタCOM_SELと、セレクタスイッチSEL_SWと、の間に、ゲート線GLが配置される。コモンセレクタCOM_SELは、コモン線CLのそれぞれ(例えば第1コモン線Cl1)を、表示対向電位COMDC及び配線CCのいずれかに電気的に接続する。コモンセレクタCOM_SEL、及び、配線CCは、第3回路部62cに含まれる。
【0099】
例えば、セレクタスイッチSEL_SW、コモンセレクタCOM_SEL1、コモンセレクタCOM_SEL2、コモンセレクタCOM_SEL、表示対向電位COMDC及び配線CCは、例えば、第1基板10の上に設けられる。
【0100】
例えば、セレクタスイッチSEL_SW、コモンセレクタCOM_SEL1及びコモンセレクタCOM_SEL2、表示対向電位COMDCを含む回路部62bは、第1基板10の1つの辺に沿って設けられる。表示対向電位COMDC及び配線CCは、第1基板10の別の1つの辺に沿って設けられる。
上記の辺は、第1基板10の、第3配線L3が延在する第2方向に直交する辺である。回路部62bは、例えば、第1基板10の、表示領域の外側にある額縁領域に設けられる。
【0101】
例えば、第1ソース回路SC1、第2ソース回路SC2、第1ソーススイッチSS1、第2ソーススイッチSS2及び第1検知電位スイッチSVS1は、第1回路部62aに含まれる。ソース回路は、ソースアンプを含む。第1回路部62aは、例えば、ICチップである。第1回路部62aは、例えば、COGなどの方法により、第1基板10の上に実装される。ここで、第1回路部62aは、ソース回路を含む表示駆動集積回路62aである。
【0102】
表示装置111(表示装置110)において、第1動作と、第2動作と、が実施される。第1動作は、例えば、表示動作である。第2動作は、非表示動作である。第2動作は、例えば、入力検知動作である。
表示装置111は、表示駆動集積回路62aの出力を用いて第3配線L3にタッチ検出用パルス信号を印加し、入力検知を行う。このように表示動作にも使用する表示駆動集積回路62aの出力を用いて入力検知を行うことで、第3配線L3を駆動するためのタッチ駆動ドライバのための回路を削減することができる。
また、表示装置111は、コモン線CLと信号線SLとが平行な構造であるので、コモン線CLに引き回す配線が短くてすみ、タッチ検出を高速化できる場合がある。
また、ソースアンプの出力を用いて駆動するタッチ駆動電極を任意に選択することができるので、駆動電極を間引いて駆動したり、一部の駆動電極を部分的に駆動することができる。
【0103】
図4は、表示装置111における第1動作OP1の状態を例示している。以下、第1動作OP1の例について説明する。
【0104】
図5は、第1の実施形態に係る表示装置の第1動作を例示する模式図である。
図5は、第1動作OP1のタイミングチャートを例示している。
図5の横軸は、時間である。
【0105】
図5に表したように、表示期間DTにおいて、第1動作OP1が実施される。例えば、表示期間DTは、第1表示期間DT1〜第k表示期間を有する。第1表示期間DT1において、第1〜第kゲート線GLが順次選択され、走査される。第2表示期間(図示しない)において、第(k+1)ゲート線GL〜第2kゲート線GLが、順次選択され、走査される。
図5においては、第1表示期間DT1に含まれる、第iゲート線Gate<i>の走査期間(1H)と、第(i+1)ゲート線Gate<i+1>の走査期間(1H)と、が図示されている。
【0106】
この例では、信号DDI−OUTは、例えば、第1ソース回路SC1の出力に対応する。
【0107】
信号SEL1は、第1信号線スイッチSlS1の信号である。第2信号線スイッチSlS2の信号は、第1信号線スイッチSlS1の信号と同じである。信号SEL2は、第3信号線スイッチSlS3の信号である。これらの信号において、ハイ状態「H」において、これらのスイッチが導通状態となる。ロー状態「L」において、これらのスイッチにおいて非導通(遮断)状態となる。
【0108】
コモンセレクタCOM_SEL1(第1コモンセレクタCS1、第3コモンセレクタCS3及び第5コモンセレクタCS5)において、ハイ状態「H」において、これらのコモンセレクタ(スイッチ)が電気的に導通する。ロー状態「L」において、これらのコモンセレクタ(スイッチ)が電気的に非導通(遮断)状態となる。
【0109】
コモンセレクタCOM_SEL2(第2コモンセレクタCS2及び第4コモンセレクタCS4)において、ハイ状態「H」において、コモンセレクタCOM_SEL1(第1コモンセレクタCS1、第3コモンセレクタCS3及び第5コモンセレクタCS5)のそれぞれの他端が、表示対向電位線COMl(表示対向電位COMDC)に接続される。ロー状態「L」において、コモンセレクタCOM_SEL1(第1コモンセレクタCS1、第3コモンセレクタCS3及び第5コモンセレクタCS5)のそれぞれの他端が、第1検知電位スイッチSVS1の他端に接続される。
【0110】
第1動作OP1(表示動作)において、第iゲート線Gate<i>、及び、第(i+1)ゲート線Gate<i+1>がハイ状態「H」のとき、スイッチ素子11が電気的に導通状態になる。ロー状態「L」において、スイッチ素子11が非導通(遮断)状態となる。
【0111】
例えば、1つの1Hの期間において、第iゲート線Gate<i>が導通状態となる。1Hの期間の始まりと、ゲート線の導通状態との始まりと、の間の時間は、時間t12である。この後、時間t13の導通状態が設けられる。別の1つの1Hの期間において、第(i+1)ゲート線Gate<i+1>が導通状態となる。
【0112】
1Hの期間の中の時間t1において、第1ソース回路SC1は、画像信号1selを出力する。時間t1の後の時間t2(期間Hi−Z、高インピーダンス)において、第1ソース回路SC1は、画像信号の出力を休止する。時間t2の後の時間t3において、第1ソース回路SC1は、画像信号2selを出力する。時間t3の後の時間(期間Hi−Z)において、第1ソース回路SC1は、画像信号の出力を休止する。
【0113】
第1信号線スイッチSlS1及び第2信号線スイッチSlS2は、時間t5において、ハイ状態「H」となる。時間t1の始まりと、時間t5の始まりと、の間の時間は、時間t4である。第1信号線スイッチSlS1及び第2信号線スイッチSlS2は、時間t2及び時間t3においては、ロー状態「L」である。
【0114】
第3信号線スイッチSlS3は、時間t1において、ロー状態「L」である。時間t1の始まりと、時間t5の始まりと、の間の時間は、時間t4である。第3信号線スイッチSlS3は、時間t7において、ハイ状態「H」となる。時間t1の始まりと、時間t7の始まりと、の間の時間は、時間t6である。
【0115】
一方、コモンセレクタCOM_SEL1(第1コモンセレクタCS1、第3コモンセレクタCS3及び第5コモンセレクタCS5)は、ロー状態「L」である。一方、コモンセレクタCOM_SEL2(第2コモンセレクタCS2及び第4コモンセレクタCS4)において、ハイ状態「H」である。
【0116】
すなわち、第1動作OP1(表示動作)において、以下が実施される。
第1検知電位スイッチSVS1は、検知電位線SVlを第2コモンセレクタCS2と電気的に遮断する。
第1ソース回路SC1は、画像信号の一部の信号を出力する。
第1ソーススイッチSS1は、第1ソース回路SC1と第1信号線スイッチSlS1の他端とを電気的に接続する。
第1信号線スイッチSlS1は、第1ソーススイッチSS1の他端と、第1信号線Sl1と、を電気的に接続する。
第1コモンセレクタCS1は、第1信号線Sl1を第2コモンセレクタCS2と電気的に遮断する。
第2コモンセレクタCS2は、第1コモン線Cl1と、表示対向電位線COMlと、を電気的に接続する。
これにより、第1信号線Sl1に対応する画素35において、所望の表示が行われる。
【0117】
さらに、
図4に例示したように、第1動作OP1において、以下が行われる。
第2ソース回路SC2は、第1ソース回路SC1とは異なる信号を出力する。
第2ソーススイッチSS2は、第2ソース回路SC2と、第2信号線スイッチSlS2の他端と、を電気的に接続する。
第2信号線スイッチSlS2は、第2ソーススイッチSS2の他端と、第2信号線Sl2とを電気的に接続する。
第3コモンセレクタCS3は、第2信号線Sl2を第4コモンセレクタCS4と電気的に遮断する。
第4コモンセレクタCS4は、第1コモン線CL1と、表示対向電位線COMlと、を電気的に接続する。
これにより、第2信号線Sl2に対応する画素35において、所望の表示が行われる。
【0118】
さらに、
図4に例示したように、第1動作OP1において、以下が行われる。
第3信号線スイッチSlS3は、第1ソーススイッチSS1の他端を第3信号線Sl3と電気的に遮断する。
第5コモンセレクタCS5は、第3信号線Sl3を第2コモンセレクタと電気的に遮断する。
これにより、第3信号線Sl3に対応する画素35において、所望の表示が行われる。
【0119】
図6は、第1の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図6は、表示装置111の第2動作OP2(非表示動作)の状態を例示している。この例では、第2動作OP2では、検出動作が行われる。
図6に表したように、第2動作OP2において、以下が行われる。
第1検知電位スイッチSVS1は、検知電位線SVlと、第2コモンセレクタCS2と、を電気的に接続する。
第1信号線スイッチSlS1は、第1信号線Sl1を第1検知電位スイッチSVS1の他端と電気的に遮断する。
第1コモンセレクタCS1は、第1信号線Sl1と、第1コモン線Cl1と、を電気的に接続する。
第2コモンセレクタCS2は、第1コモン線Cl1を、第1検知電位スイッチSVS1の他端、及び、表示対向電位線COMlのいずれかに繰り返し交互に電気的に接続する。 これにより、第1コモン線Cl1を用いた検出が行われる。
【0120】
このとき、第1ソーススイッチSS1は、第1ソース回路SC1を第1信号線スイッチSlS1の他端と電気的に遮断している。
【0121】
さらに、第2動作OP2において、以下が行われる。
第3コモンセレクタCS3は、第3信号線Sl3と、第1コモン線Cl1と、を電気的に接続する。
第4コモンセレクタCS4は、第1コモン線Cl1を、第1検知電位スイッチSVS1の他端、及び、表示対向電位線COMlのいずれかに繰り返し交互に電気的に接続する。
【0122】
このとき、第2ソーススイッチSS2は、第2ソース回路SC2を第2信号線スイッチSlS2の他端と電気的に遮断している。
【0123】
さらに、第2動作OP2において、以下が行われる。
第3信号線スイッチSlS3は、第3信号線Sl3を第1検知電位スイッチSVS1の他端と電気的に遮断する。
第5コモンセレクタCS5は、第3信号線Sl3と、第1コモン線Cl1と、を電気的に接続する。
【0124】
これにより、第2動作OP2において、第1信号線Sl1と、第2信号線Sl2と、第3信号線Sl3と、第1コモン線Cl1と、が互いに実質的に同じ電位になる。この状態で、例えば、タッチ入力の検知が行われる。
この例では、第2動作において、第1回路部62aは、第1回路部62aに含まれる検知電位線SVlの電圧を出力し、出力の電位と、第2回路部62bに含まれる表示対向電位線COMlの電位とから生成されるタッチ検出用パルス信号が、選択された第3配線L3に印加される。検知電位線SVlの電位と、表示対向電位線COMlの電圧とは、異なる電圧であればよい。表示対向電位線COMlは、第1動作OP1において表示の対向電極であるコモン線CLに印加される対向電圧であってもよい。
【0125】
図7は、第1の実施形態に係る表示装置の第2動作を例示する模式図である。
図7は、第2動作OP2のタイミングチャートを例示している。
【0126】
図7に表したように、2つの第1動作OP1(第1表示期間DT1及び第2表示期間DT2)の間に非表示期間NDTが設けられる。非表示期間NDTにおいて、第2動作OP2が実施される。
【0127】
この例では、第2動作OP2において、入力の検知が行われる。このとき、複数のコモン線CLが、順次、選択状態SEとされる。選択状態SEではないコモン線CLは、非選択状態NSとされる。
【0128】
図7には、非選択状態NSの場合の信号DDI−OUTと、選択状態SEの場合の信号DDI−OUTと、が示されている。
【0129】
非選択状態NSの場合には、信号DDI−OUTは、表示対向電位COMDCに設定される。接地電位GNDに設定されても良い。
【0130】
選択状態SEの場合には、信号DDI−OUTは、検知電位線SVlの電位(例えばタッチ動作電位TPH)に設定される。選択状態SEの信号DDI−OUTにおける検知電位線SVlの電位の始まりと、非表示期間NDTの始まりと、の間の時間は、時間t31である。
【0131】
信号SEL1(第1信号線スイッチSlS1及び第2信号線スイッチSlS2)は、非表示期間NDTにおいて、ロー状態「L」である。信号SEL2(第3信号線スイッチSlS3)も、非表示期間NDTにおいて、ロー状態「L」である。
【0132】
一方、コモンセレクタCOM_SEL1(第1コモンセレクタCS1、第3コモンセレクタCS3及び第5コモンセレクタCS5)は、非表示期間NDTの一部において、ハイ状態「H」である。非表示期間NDTの始まりと、コモンセレクタCOM_SEL1におけるハイ状態「H」の始まりと、の間の時間は、時間t38である。
【0133】
コモンセレクタCOM_SEL2(第2コモンセレクタCS2及び第4コモンセレクタCS4)は、非表示期間NDTにおいて、ハイ状態「H」と、ロー状態「L」と、を交互に繰り返す。このハイ状態「H」とロー状態「L」との電圧、すなわち、タッチ検出用パルス信号が、第1コモン線Cl1に印加される。そして、検出線RL(
図7では図示しない)と、第1コモン線Cl1と、により、例えば、タッチ入力が検出される。このとき、第1〜第3信号線Sl1〜Sl3は、第1コモン線Cl1と同じ電位に設定されている。
【0134】
この例では、例えば、コモンセレクタCOM_SEL2のハイ状態「H」の時間は、時間t41である。コモンセレクタCOM_SEL2のロー状態「L」の時間は、時間t42である。非表示期間NDTの始まりと、コモンセレクタCOM_SEL2の最初のハイ状態「H」の始まりと、の間の時間は、時間t40である。
【0135】
このように、実施形態に係る表示装置111(表示装置110)においては、第2動作OP2において、以下が行われる。
制御部60は、以下の第1動作OP1を実施する。
制御部60は、表示期間DT(例えば第1表示期間DT1など)において、複数の第1配線L1のいずれか(例えば、第iGate線<i>または第(i+1)ゲート線<i+1>)、を選択電位(ハイ状態「H」)に設定する。そのときに、制御部60は、複数の第2配線L2(第1〜第3信号線Sl1〜Sl3など)に画像信号を供給する。複数のスイッチ素子11は、選択電位が設定された第1配線L1に接続された選択スイッチ素子11selを有する。複数の画素電極Pxは、選択スイッチ素子11selと接続された選択画素電極Pxselを有する。制御部60は、選択画素電極Pxselを、画像信号に基づく画像電位に設定し、複数の第3配線L3のいずれかを表示対向電位COMDCに設定する。これにより、表示動作が行われる。
【0136】
制御部60は、以下の第2動作OP2を実施する。制御部60は、非表示期間NDTにおいて、複数の第2配線L2の少なくともいずれかの電位を、複数の第3配線L3のいずれかの電位と同じにする。すなわち、例えば、第1〜第3信号線Sl1〜Sl3の電位を、第1コモン線Cl1の電位と同じにする。このような第2動作OP2において、例えば、第3配線L3と、第4配線L4と、を用いて、タッチ入力の検知が行われる。
【0137】
実施形態においては、第3配線L3が、第2配線L2に沿って延在している。そして、第2動作OPにおいて、第3配線L3の電位が第2配線L2の電位と実質的に同じに設定される。このため、第3配線L3と第2配線L2との間において、容量が実質的に形成されない。または、この容量を小さくできる。例えば、第2動作OP2において、第3配線L3の負荷が大幅に減少する。例えば、第2動作OP2においてタッチ入力の検出が行われる場合、検出時間が減少でき、検出時の消費電力が低減できる。すなわち、第3配線L3と第4配線L4とを用いた検出時間が高速化できる。第3配線L3の負荷が減少する。小型の駆動ICのサイズを用いて上記の駆動が実現できる。表示部の周りの額縁部の幅が低減できる。例えば、表示装置が小型化できる。
IC中でタッチ検出用パルス信号を生成し、第3配線L3に引き回した場合、駆動電圧によってはICが大型化したり、コストが高くなる場合が考えられる。これに対して、IC上の第1回路部62aの出力をタッチ検出用パルス信号の高電圧とし、基板の額縁領域の第2回路部62bにおいて、別途配線した低電圧電位線との間でパルス信号を生成するようにした。これにより、表示用の駆動ICを大型化させずに、低コストで額縁領域の回路を削減することができる。
【0138】
実施形態においては、第2動作OP2(非表示動作)として、例えばタッチ入力の検出を行う場合においても、高い表示品位を維持できる。そして、検出時間が高速化できる。小型の駆動ICを用いることができる。表示装置を小型化できる。
【0139】
実施形態において、第2動作OP2においては、検出が行われる。すなわち、制御部60は、第2動作OP2において、複数の第4配線L4の少なくともいずれかと、複数の第3配線L3の少なくともいずれかと、の間に流れる電流を検知する。例えば、制御部60は、複数の第4配線L4の少なくともいずれかに近接する物体(例えば、観視者、使用者または操作者など)による、複数の第4配線L4の少なくともいずれかと、複数の第3配線L3の少なくともいずれかと、の間の容量の変化に基づく電流の変化を検出する。
【0140】
実施形態において、第2動作OP2は、非表示動作が行われる。例えば、第2動作OP2において、装置の少なくとも一部において生じるノイズを測定しても良い。ノイズの測定結果に基づいて、例えば、表示動作を調整することで、高品位の表示を提供できる。
【0141】
実施形態に係る表示装置111(表示装置110)においては、制御部60は、表示対向電位線COMlと、ソース回路(例えば第1ソース回路SC1)と、セレクタスイッチSEL_SWと、コモンセレクタCOM_SEL(第1〜第5コモンセレクタCS1〜CS5など)と、を含む。
【0142】
第1動作OP1において、セレクタスイッチSEL_SWは、ソース回路(例えば、第1ソース回路SC1)と、複数の第2配線L2のそれぞれと、を電気的に接続する。そして、コモンセレクタCOM_SELは、表示対向電位線COMlと、複数の第3配線L3のそれぞれと、を電気的に接続する。この状態において、複数の第1配線L1を順次操作して、複数の第2配線L2に画像信号を供給して、所望の表示を行う。
【0143】
一方、第2動作OP2において、セレクタスイッチSEL_SWは、ソース回路を複数の第2配線L2のそれぞれと電気的に遮断する。コモンセレクタCOM_SELは、複数の第3配線L3の少なくともいずれかと、複数の第2配線L2の少なくともいずれかと、を電気的に接続する。この状態で、例えば、第3配線L3と第4配線L4とを用いて検出が行われる。例えば、ノイズの測定を行っても良い。
【0144】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図8は、本実施形態に係る表示装置112の一部を例示している。
図8に例示した以外の部分は、表示装置110に関して説明した構成が適用される。
【0145】
図8に表したように、複数の第2配線L2は、第1信号線Sl1と、第2信号線Sl2と、を含む。複数の第3配線L3は、第1コモン線Cl1を含む。
【0146】
制御部60は、表示対向電位線COMlと、検知信号線TSVCOMと、基準電位線SV01と、基準電位線SV02と、第1コモン線用セレクタSESと、第1ソース回路SC1と、第1ソーススイッチSS1と、第2ソース回路SC2と、第2ソーススイッチSS2と、第1信号線スイッチSlS1と、第2信号線スイッチSlS2と、第1〜第4コモンセレクタCS1〜CS4と、を含む。基準電位線SV02は、基準電位線SV01とは異なる電位線である。
【0147】
図8では、第2配線L2と第3配線L3とは、信号線スイッチと、コモンセレクタと、コモン線用セレクタとを介して接続されている。
【0148】
表示対向電位線COMlは、表示対向電位COMDCに設定される。
検知信号線TSVCOMには、例えば、検知信号が入力される。
基準電位線SV01は、基準電位(例えば接地電位など、ローレベルの電位)に設定される。基準電位線SV02は、例えばハイレベルの電位に設定される。検知信号は、例えば、異なる2つの電圧から生成される、タッチ検出用パルス信号である。
【0149】
第1コモン線用セレクタSESは、第1制御端子SEaと、第2制御端子SEbと、を有する。第1制御端子SEaは、制御信号を受ける。第2制御端子SEbは、制御信号の反転の信号を受ける。第1コモン線用セレクタSESは、制御信号に応じて、第1コモン線Cl1を、表示対向電位線COMl及び検知信号線TSVCOMのいずれかに接続する。
【0150】
第1ソース回路SC1は、画像信号の一部の信号を出力可能である。
第1ソーススイッチSS1の一端は、第1ソース回路SC1と電気的に接続可能である。
【0151】
第2ソース回路SC1は、画像信号のうちの、上記の一部の信号とは異なる信号を出力可能である。
第2ソーススイッチSS2の一端は、第2ソース回路SC2と電気的に接続可能である。
【0152】
第1信号線スイッチSlS1の一端は、第1信号線Sl1と電気的に接続される。第1信号線スイッチSlS1の他端は、第1ソーススイッチSS1の他端と電気的に接続される。
第2信号線スイッチSlS2の一端は、第2信号線Sl2と電気的に接続される。第2信号線スイッチSlS2の他端は、第2ソーススイッチSS2の他端と電気的に接続される。
【0153】
第1コモンセレクタCS1の一端は、第1信号線Sl1と電気的に接続される。第1コモンセレクタCS1の他端は、第1コモン線Cl1と電気的に接続される。
【0154】
第2コモンセレクタCS2の一端は、第1制御端子SEaと電気的に接続される。第2コモンセレクタCS2は、第1制御端子SEaを、第1ソーススイッチSS1の他端、及び、基準電位線SV01のいずれかと電気的に接続する。
【0155】
第3コモンセレクタCS3の一端は、第2信号線Sl2と電気的に接続される。第3コモンセレクタCS3の他端は、第1コモン線Cl1と電気的に接続される。
【0156】
第4コモンセレクタCS4の一端は、第2制御端子SEbと電気的に接続される。第4コモンセレクタCS4は、第2制御端子SEbを、第2ソーススイッチSS2の他端、及び、基準電位線SV02のいずれかと電気的に接続する。
【0157】
この例では、第1コモン線用セレクタSESは、第1伝送ゲートTS1と、第2伝送ゲートTS2と、を含む。第1伝送ゲートTS1の一端は、第1コモン線Cl1と接続される。第1伝送ゲートTS1の他端は、表示対向電位線COMlと接続される。第2伝送ゲートTS2の一端は、第1コモン線Cl1と接続される。第2伝送ゲートTS2の他端は、検知信号線TSVCOMと接続される。第1伝送ゲートTS1の負極性ゲートは、第2伝送ゲートTS2の正極性ゲートと接続される。第1伝送ゲートTS1の正極性ゲートは、第2伝送ゲートTS2の負極性ゲートと接続される。これらのゲートの一方が、第1制御端子SEaとなる。これらのゲートの他方が、第2制御端子SEbとなる。
【0158】
図8は、表示装置112における第1動作OP1(表示動作)を例示している。
第1動作OP1においては、第1ソース回路SC1は、画像信号の一部の信号を出力する。第2ソース回路SC2は、上記の一部の信号とは異なる信号を出力する。
【0159】
第1ソーススイッチSS1の一端は、第1ソース回路SC1と電気的に接続される。
第2ソーススイッチSS2の一端は、第2ソース回路SC2と電気的に接続される。
第1信号線スイッチSlS1は、第1信号線Sl1と、第1ソーススイッチSS1の他端(第1信号出力DDI−OUT1)と、を電気的に接続する。
第2信号線スイッチSlS2は、第2信号線Sl2と、第2ソーススイッチSS2の他端(第2信号出力DDI−OUT2)と、を電気的に接続する。
第1コモンセレクタCS1は、第1信号線Sl1を第1コモン線Cl1と電気的に遮断する。
第2コモンセレクタCS2は、第1制御端子SEaを基準電位線SV01と電気的に接続する。
第3コモンセレクタCS3は、第2信号線Sl3を第1コモン線Cl1と電気的に遮断する。
第4コモンセレクタCS4は、第2制御端子SEbを基準電位線SV02と電気的に接続する。
これにより、第1信号線Sl1及び第2信号線Sl2に対応する画素35において、所望の表示が行われる。他の画素35においても、同様の動作が行われる。
【0160】
この例では、第2コモンセレクタCS2は、第1スイッチCS2aと、第2スイッチCS2bと、を含む。第1スイッチCS2aの一端は、第1制御端子SEaと接続される。第1スイッチCS2aの他端は、第1ソーススイッチSS1の他端(第1信号出力DDI−OUT1)と接続される。第2スイッチCS2bの一端は、第1制御端子SEaと接続される。第2スイッチCS2bの他端は、基準電位線SV01と接続される。
【0161】
第4コモンセレクタCS4は、第3スイッチCS4aと、第4スイッチCS4bと、を含む。第3スイッチCS4aの一端は、第2制御端子SEbと接続される。第3スイッチCS4aの他端は、第2ソーススイッチSS2の他端(第2信号出力DDI−OUT2)と接続される。第4スイッチCS4bの一端は、第4制御端子SEbと接続される。第4スイッチCS4bの他端は、基準電位線SV02と接続される。
【0162】
第1スイッチCS2a及び第3スイッチCS4aは、コモンセレクタCOM_SELの信号により制御される。第2スイッチCS2b及び第4スイッチCS4bは、反転コモンセレクタ信号xCOM_SELの信号により制御される。反転コモンセレクタ信号xCOM_SELの信号は、コモンセレクタCOM_SELの信号の反転信号である。
【0163】
一方、第1コモンセレクタCS1及び第3コモンセレクタCS3は、コモンセレクタCOM_SELの信号により制御される。
これにより、上記の第1動作OP1が実施される。表示装置112における第1動作OP1のタイミングチャートは、
図5に関して説明した構成、及び、その変形を用いることができるので、説明を省略する。
【0164】
図9は、第2の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図9は、表示装置112の第2動作OP2(非表示動作)の状態を例示している。この例では、第2動作OP2では、検出動作が行われる。
【0165】
図9に表したように、第2動作OP2において、制御部60において、以下の動作が行われる。
第1ソース回路SC1は、第1電圧(ハイレベル電圧)を出力する。第2ソース回路SC2は、第2電圧(ローレベル電圧)を出力する。第2電圧は、第1電圧よりも低い。
第1電圧と第2電圧とは、ソース回路のソースアンプから出力することができ、これらの電圧の出力を用いて、第1回路部62aは、第3配線L3への検知信号の印加を制御する。
【0166】
第1ソーススイッチSS1の一端は、第1ソース回路SC1と電気的に接続される。
第2ソーススイッチSS2の一端は、第2ソース回路SC2と電気的に接続される。
第1信号線スイッチSlS1は、第1信号線Sl1を第1ソーススイッチSS1の他端と電気的に遮断する。
第2信号線スイッチSlS2は、第2信号線Sl2を第2ソーススイッチSS2の他端と電気的に遮断する。
【0167】
第1コモンセレクタCS1は、第1信号線Sl1と、第1コモン線Cl1と、を電気的に接続する。
第2コモンセレクタCS2は、第1制御端子SEaを、第1ソーススイッチSS1の他端と電気的に接続する。
第3コモンセレクタCS3は、第2信号線Sl2と、第1コモン線Cl1と、を電気的に接続する。
第4コモンセレクタCS4は、第2制御端子SEbを、第2ソーススイッチSS2の他端と電気的に接続する。
【0168】
例えば、検知信号線TSVCOMの検知信号は、高電位と、その高電位よりも低い低電位と、を繰り返すパルス信号を含む。このパルス信号を用いて、第1コモン線Cl1(第3配線L3)と、第4配線L4と、の間に流れる電流(容量)が検出される。これにより、例えば、タッチ入力が検出される。
【0169】
図10は、第2の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図10は、表示装置112における、第2動作OP2の第1の状態を例示している。第1の状態においては、検出動作において、第1コモン線Cl1が、選択状態である。すなわち、第1コモン線CL1が、選択ブロックに対応する。
図10は、
図9と同じである。第1の状態においては、
図9に関して説明した動作が行われる。
【0170】
図11は、第2の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
図11は、表示装置112における、第2動作OP2の第2の状態を例示している。第2の状態においては、検出動作において、第1コモン線Cl1が、非選択状態である。すなわち、第1コモン線CL1が、非選択ブロックに対応する。第2の状態は、第1の状態とは異なる状態である。
【0171】
第2の状態において以下が実施される。
第1ソース回路SC1は、第1電圧を出力する。第2ソース回路SC2は、第1電圧よりも低い第2電圧を出力する。
第1ソーススイッチSS1の一端は、第2ソース回路SC2と電気的に接続される。
第2ソーススイッチSS2の一端は、第1ソース回路SC1と電気的に接続される。
この他は、
図9に関して説明した動作が実施される。
【0172】
表示装置112においても、以下の動作が実施可能である。
第1動作OP1において、セレクタスイッチSEL_SWは、ソース回路(例えば、第1ソース回路SC1)と、複数の第2配線L2のそれぞれと、を電気的に接続する。そして、コモンセレクタCOM_SELは、表示対向電位線COMlと、複数の第3配線L3のそれぞれと、を電気的に接続する。この状態において、複数の第1配線L1を順次操作して、複数の第2配線L2に画像信号を供給して、所望の表示を行う。
【0173】
一方、第2動作OP2において、セレクタスイッチSEL_SWは、ソース回路を複数の第2配線L2のそれぞれと電気的に遮断する。コモンセレクタCOM_SELは、複数の第3配線L3の少なくともいずれかと、複数の第2配線L2の少なくともいずれかと、を電気的に接続する。この状態で、例えば、第3配線L3と第4配線L4とを用いて検出が行われる。例えば、ノイズの測定を行っても良い。
【0174】
本実施形態に係る表示装置112においても、第3配線L3が、第2配線L2に沿って延在している。そして、第2動作OPにおいて、第3配線L3の電位が第2配線L2の電位と実質的に同じに設定される。このため、第3配線L3と第2配線L2との間において、容量が実質的に形成されない。または、この容量を小さくできる。例えば、第2動作OP2において、第3配線L3の負荷が大幅に減少する。例えば、第2動作OP2において、第3配線L3の負荷が大幅に減少する。例えば、第2動作OP2においてタッチ入力の検出が行われる場合、検出時間が減少でき、検出時の消費電力が低減できる。第3配線L3と第4配線L4とを用いた検出時間が高速化できる。第3配線L3の負荷が減少する。小型の駆動ICにより上記の駆動が実現できる。表示部の周りの額縁部の幅が低減できる。例えば、表示装置が小型化できる。
【0175】
表示装置112においては、表示装置111に比べて、第1検知電位スイッチSVS1および検知電位線が省略されている。これにより、ソースアンプのIC(第1回路部62a)が小型化できる。コストが低減できる。一方、表示装置111は、表示装置112に比べて、第2回路部62bの構成が簡単である。これにより、例えば、第1基板10のサイズが小さくできる。
また、ソースアンプを用いて駆動するコモン線CLを選択できるので、ドライバ回路を省略できるとともに、部分スキャンや間引きスキャンなど任意の駆動が可能となる。
【0176】
本実施形態においては、例えば、タッチ動作において、第1回路部62aの出力は、スイッチの制御のみに使用し、タッチ検出用パルス信号は、第2回路部62b内の配線から供給する。このため、駆動ICの耐圧を超えた振幅の信号を第3配線L3に供給することができる。すなわち、検知用信号線TSVOCMを高い(大きな)振幅で振幅させても良い。その結果、タッチ動作用の信号の改善が可能になる。例えば、表示装置111においては、第3配線L3に供給される信号(すなわち、検知用信号線TSVCOMに供給される信号)の電圧は、駆動ICの耐圧に制限される。例えば、駆動ICの耐圧が±6V程度であるときに、検知用信号線TSVCOMの電圧(振幅)は、10V程度にすることができる。
【0177】
図12は、第2の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図12は、表示装置112における第2動作OP2のタイミングチャートを例示している。
【0178】
図12に表したように、第2動作OP2(非表示期間NDT)において、例えば、第1ソーススイッチSS1の他端(第1信号出力DDI−OUT1)は、ハイレベル状態「H」であり、第2ソーススイッチSS2の他端(第2信号出力DDI−OUT2)は、ローレベル状態「L」である。信号SEL1は、ロー状態Lであり、信号SEl2は、ハイ状態Hである。コモンセレクタCOM_SELは、時間t39において、ハイ状態Hである。検知信号線TSVCOMの検知信号は、高電位と低電位とを繰り返す信号を含む。これにより、上記の動作が行われる。
【0179】
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図13は、表示装置113の一部を例示している。
図13に例示した以外の部分は、表示装置110に関して説明した構成が適用される。
【0180】
図13に表したように、この例では、接地電位スイッチSVSGが設けられている。接地電位スイッチSVSGの一端は、第1検知電位スイッチSVS1の他端に接続される。接地電位スイッチSVSGの他端は、例えば、接地電位GNDに接続される。
また、接地電位GNDは、接地電位GNDと異なる電位(タッチ動作電位TPH)の検知電位線SVlに接続され、
図4に関して説明したコモンセレクタCOM_SEL2と同様の制御回路に接続される。これにより、タッチ検出用パルス信号が生成されるようになっている。
図13は、表示装置113における第1動作OP1を例示している。
【0181】
図14は、第3の実施形態に係る表示装置を例示する模式図である。
図14は、表示装置114における第2動作OP2を例示している。
表示装置113においても、表示装置111及び112に関して説明した動作と同様の動作が実施可能である。
【0182】
表示装置113においても、第3配線L3が、第2配線L2に沿っている。これにより、容量を小さくでき、検出時間を減少でき、検出時の消費電力が低減できる。小型の駆動ICを用いることができる。第1回路部62aの内部でタッチ検出用パルス信号を生成するようにしたので、表示部の周りの額縁部の幅が低減できる。第1回路部62aを用いて駆動する第3配線L3を選択するので、間引きスキャンや部分スキャンが可能となる。
第1〜第3の実施形態は、表示装置の駆動方法として実施しても良い。
【0183】
(第4の実施形態)
図15は、第4の実施形態に係る表示装置の一部を例示する模式的断面図である。
図15に表したように、本実施形態に係る表示装置114においては、カラーフィルタ層25と、複数の第5配線L5と、がさらに設けられる。これ以外は、表示装置110〜113に関して説明した構成が適用できる。
【0184】
カラーフィルタ層25は、赤色フィルタ層RFと、緑色フィルタ層GFと、青色フィルタ層BFと、を含む。
【0185】
カラーフィルタ層25は、第1境界部p1と、第2境界部p2と、第3境界部p3と、を有する。第1境界部p1は、赤色フィルタ層RFと緑色フィルタ層GFとの間の境界部である。第2境界部p2は、緑色フィルタ層GFと青色フィルタ層BFとの間の境界部である。第3境界部p3は、青色フィルタ層BFと赤色フィルタ層RFとの間の境界部である。
【0186】
複数の第5配線L5は、第2方向D2(例えば、Y軸方向)に延在する。複数の第5配線L5のそれぞれは、複数の第3配線L3のいずれかに電気的に接続されている。複数の第5配線L5のそれぞれの電気抵抗は、複数の第3配線L3のそれぞれの電気抵抗よりも低い。第5配線L5は、第3配線L3の補助配線となる。
【0187】
既に説明したように、第3配線L3として、光透過性の導電材料が用いられる。一方、第5配線L5には、低抵抗の材料(金属など)が用いられる。これにより、第3配線L3の実効的な抵抗が低減できる。クロストークの発生が抑制できる例えば、タッチ動作の性能が向上でき、表示性能が改善する。
【0188】
この例では、複数の第5配線L5は、X−Y平面に投影したときに、第1境界部p1または第2境界部p2と重なる。第5配線L5は、第3境界部p3とは重ならなくても良い。
【0189】
図15に例示したように、遮光層27(例えばブラックマトリクス)をさらに設けても良い。遮光層27は、X−Y平面に投影したときに、第1境界部p1、第2境界部p2及び第3境界部p3のそれぞれと重なる部分を有する。これにより、光漏れがさらに抑制でき、より高品位の表示が得られる。
【0190】
遮光層27には、クロムまたはクロム化合物などが用いられる。遮光層27として、黒色の樹脂を用いても良い。遮光層27として、赤色フィルタ層RFと、緑色フィルタ層GFと、青色フィルタ層BFと、の少なくとも2つを積層した積層膜を用いても良い。
【0191】
第1〜第3の実施形態に関して説明した構成及び動作と、第4の実施形態と組み合わせても良い。
【0192】
実施形態によれば、高品位の表示装置が提供できる。
【0193】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0194】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置に含まれる配線、スイッチ素子、表示層、絶縁層、制御部、スイッチ、セレクタ及び回路などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0195】
本発明の実施の形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0196】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0197】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。