【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の柄状部保持構造及びその柄状部保持構造を備えた塵取りは、次のように表すことができる。
【0013】
(1) 柄状部を備えた器具を、その柄状部において保持するための柄状部保持構造であって、
柄状部の外周部を相対する向きに挟む第1の挟持体と第2の挟持体を有し、
一方又は両方の挟持体は、全体又は部分が弾性的に撓み得ることにより、他方の挟持体との間に挟持する柄状部に対し弾性的に挟圧力を加え得る弾性挟持体であり、
前記弾性挟持体の少なくとも一つは、その挟圧方向外側に間隙を介して又は接して位置する補助挟圧体を伴い、
その補助挟圧体は、全体又は部分が弾性的に撓み得ることにより、前記弾性挟持体が他方の挟持体との間に柄状部を挟持して挟圧方向外側に変位した場合に、その弾性挟持体を挟圧方向内向きに弾性的に支持して柄状部に対する挟圧力を高め得るものであることを特徴とする柄状部保持構造。
【0014】
対象器具における柄状部の外周部を、一方又は両方が弾性挟持体である第1の挟持体と第2の挟持体により、相対する向きに挟んで保持する場合、前記柄状部の太さに応じ、補助挟圧体による弾性挟持体に対する挟圧方向内向きの弾性的支持、すなわち挟圧力補助は、次のように行われる。
【0015】
前記柄状部が比較的細い場合は、弾性挟持体は挟圧方向外側にあまり変位しないため、補助挟圧体による弾性挟持体に対する挟圧方向内向きの弾性的支持による挟圧力補助は行われないか又は比較的弱く、柄状部に対する弾性挟持体の挟圧力を高めることは全くないか又はあまりない。すなわち、補助挟圧体による挟圧力補助が全くないか又はあまりない状態で両挟持体により柄状部が保持される。
【0016】
前記柄状部が比較的太い場合は、弾性挟持体は挟圧方向外側に比較的大きく変位するため、補助挟圧体による弾性挟持体に対する挟圧方向内向きの弾性的支持は比較的強く、柄状部に対する挟圧力を比較的強く高めることとなる。このように柄状部が比較的太い場合は、対象器具の重量も比較的重い傾向があるが、柄状部に対する挟圧力補助が比較的強いので、対象器具をしっかりと保持することが可能である。
【0017】
従って、対象器具の柄状部が比較的細い場合においても、また比較的太い場合においても、第1の挟持体と第2の挟持体により、その柄状部の外周部を相対する向きに挟んで対象器具を可及的に確実に保持し得る。以上の点は、第1の挟持体及び第2の挟持体並びに補助挟圧体を含む部分が、一定材料により一体成形されてなるものにも該当する。
【0018】
(2) 上記柄状部の外周部を相対する向きに挟む第1の挟持体と第2の挟持体のうち弾性挟持体であるものが、基部から突起する片持状をなす上記(1)記載の柄状部保持構造。
【0019】
一方又は両方が片持状の弾性挟持体である第1の挟持体と第2の挟持体の間に、対象器具における柄状部を片持状の弾性挟持体の端部側から押し込むことにより、前記柄状部の外周部を、両挟持体により両挟持体が相対する向きに挟んで保持することができる。
【0020】
(3) 上記補助挟圧体が、基部から突起する片持状をなす請求項1又は2記載の柄状部保持構造。
【0021】
片持状の補助挟圧体が弾性的に撓んで弾性挟持体を挟圧方向内向きに弾性的に支持することにより、柄状部に対する挟圧力を高め得る。
【0022】
(4) 上記第1の挟持体と第2の挟持体の両方が弾性挟持体であり、両弾性挟持体が、その挟圧方向外側に間隙を介して又は接して位置する補助挟圧体を伴い、
前記第1の挟持体と第2の挟持体が相対する方向において実質上対称状をなすと共に、第1の挟持体の挟圧方向外側に伴う補助挟圧体と第2の挟持体の挟圧方向外側に伴う補助挟圧体が相対する方向において実質上対称状をなす上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の柄状部保持構造。
【0023】
第1の挟持体と第2の挟持体が相対する方向において実質上対称状をなすと共に、第1の挟持体の挟圧方向外側に伴う補助挟圧体と第2の挟持体の挟圧方向外側に伴う補助挟圧体が相対する方向において実質上対称状をなすので、対象器具の柄状部を両挟持体間に対称状に保持し得る。
【0024】
(5) 上記第1の挟持体と第2の挟持体の両方が弾性挟持体であり、
両弾性挟持体が、その挟圧方向外側に間隙を介して又は接して位置する補助挟圧体を伴い、
両補助挟圧体の形態及び位置の一方又は両方、および/または、両弾性挟持体の形態が、相対する方向において非対称状をなす上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の柄状部保持構造。
【0025】
対象器具の柄状部が比較的細い場合は、弾性挟持体は挟圧方向外側にあまり変位しないため、補助挟圧体による弾性挟持体に対する挟圧方向内向きの弾性的支持による挟圧力補助は行われないか又は比較的弱く、柄状部に対する弾性挟持体の挟圧力を高めることは全くないか又はあまりない。すなわち、補助挟圧体による挟圧力補助が全くないか又はあまりない状態で両挟持体により柄状部が保持される。
【0026】
対象器具の柄状部の太いものとなるに従い、弾性挟持体は挟圧方向外側に比較的大きく変位することにより、補助挟圧体による弾性挟持体に対する挟圧方向内向きの弾性的支持が強くなり、柄状部に対する挟圧力を高める度合いが強くなる。
【0027】
この場合、両補助挟圧体の形態及び位置の一方又は両方、および/または、両弾性挟持体の形態が、相対する方向において非対称状をなすので、補助挟圧体による弾性挟持体に対する挟圧方向内向きの弾性的支持は、相対する両挟持体に対し非対称に強くなる。そのため、柄状部に対する挟圧力を高める度合いは、両挟持体について個別に段階的に強くなるので、対象器具の柄状部の太さに応じ、第1の挟持体と第2の挟持体により、その柄状部の外周部を相対する向きに挟んで対象器具を可及的に確実に保持し得る。
【0028】
(6) 第1の挟持体及び第2の挟持体並びに補助挟圧体を含む部分が、一定材料により一体成形されてなる上記(1)乃至(5)の何れか1項に記載の柄状部保持構造。
【0029】
第1の挟持体及び第2の挟持体並びに補助挟圧体を含む部分が、一定材料により一体成形されてなるものであっても、柄状部を備えた器具を、柄状部が比較的細い場合においても、また比較的太い場合においても、第1の挟持体と第2の挟持体により、その柄状部の外周部を相対する向きに挟んで可及的に確実に保持し得る。
【0030】
(7) 上記(1)乃至(6)の何れか1項に記載の柄状部保持構造を備えた塵取り。
【0031】
この塵取りでは、柄状部保持構造において、箒等の柄状部を備えた清掃器具を、柄状部が比較的細い場合においても、また比較的太い場合においても、第1の挟持体と第2の挟持体により、その柄状部の外周部を相対する向きに挟んで可及的に確実に保持し得る。