特許第6385235号(P6385235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6385235電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385235
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   H05K9/00 G
   H05K9/00 R
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-213505(P2014-213505)
(22)【出願日】2014年10月20日
(65)【公開番号】特開2016-82114(P2016-82114A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】中島 謙太郎
(72)【発明者】
【氏名】依田 元
(72)【発明者】
【氏名】山之内 学
(72)【発明者】
【氏名】山浦 千明
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−030400(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H05K 7/14
H05K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品と、当該電気部品を保持するホルダと、前記電気部品および前記ホルダを覆うシールドケースとを備えて基板に搭載可能に構成された電気部品ユニットであって、
前記ホルダは、当該ホルダと前記電気部品との位置関係を予め決められた第1の位置関係に維持した状態で当該電気部品を保持する保持部を備えて構成され、
前記シールドケースは、当該シールドケースと前記ホルダとの位置関係を予め決められた第2の位置関係に維持した状態で当該ホルダを支持する支持部を備えて、当該支持部によって支持されている前記ホルダを前記基板に接触させない状態で、前記基板に固定可能に構成されている電気部品ユニット。
【請求項2】
前記シールドケースは、壁部によって区画されると共に前記電気部品を保持した状態の前記ホルダを収容可能な収容部を備え、
前記支持部は、前記収容部に収容された前記ホルダの外周部に当接可能に形成された複数の支持用突起を備えて構成されている請求項1記載の電気部品ユニット。
【請求項3】
前記シールドケースは、主板と、前記基板に搭載される際に当該基板に端面が当接可能に前記主板の縁部に立設された側板と、前記基板に形成された位置決め用孔に嵌合可能に前記側板の前記端面に配設された位置決め部材とを備え、
前記側板の前記端面には嵌め込み穴が形成され、
前記位置決め部材は、前記嵌め込み穴に嵌め込まれた柱状体または筒状体で構成されている請求項1または2記載の電気部品ユニット。
【請求項4】
前記シールドケースは、単一の材料を切削して形成した切削品で構成されている請求項1から3のいずれかに記載の電気部品ユニット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の電気部品ユニットと、当該電気部品ユニットが搭載された前記基板とを備えている部品搭載基板。
【請求項6】
請求項5記載の部品搭載基板と、当該部品搭載基板から出力された電気信号に基づく処理を行う処理部とを備えている電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品と電気部品を保持するホルダと電気部品および前記ホルダを覆うシールドケースとを備えて基板に搭載可能に構成された電気部品ユニット、その電気部品ユニットが搭載された部品搭載基板、およびその部品搭載基板を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の電気部品ユニットとして、下記特許文献1において出願人が開示したコンデンサユニットが知られている。このコンデンサユニットは、一側電極および他側電極で形成される電気部品としてのコンデンサと、コンデンサを位置決めして保持可能な位置決めケースとを備えて構成されている。また、一側電極および他側電極には、差込足がそれぞれ設けられている。この場合、このコンデンサユニットを基板に搭載する際には、基板に形成されているスルーホールに各電極(一側電極および他側電極)の差込足を差し込んで、差込足と基板の導体部とを半田付けすることによってコンデンサを基板に固定すると共に、位置決めケースに形成されている突起部などの嵌合部と基板に形成されている孔などの嵌合部とを嵌合させて位置決めケースを基板に固定する。
【0003】
また、出願人は、上記のコンデンサユニットと、基板に搭載したこのコンデンサユニットを覆うシールドケースとを備えた電気部品ユニットを開発している。この電気部品ユニットのシールドケースは、金属板を板金加工(曲げ加工、切り抜き加工および孔あけ加工)することにより、底部側が開口する箱形に形成されている。また、シールドケースを構成する側板における底部側の端部には、基板のスルーホールに差し込まれる差込足が設けられている。この場合、このシールドケースを基板に搭載する際には、差込足を基板のスルーホールに差し込んで差込足と基板の導体部とを半田付けすることによってシールドケースを基板に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−49459号公報(第5頁、第1−4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、コンデンサユニットとシールドケースとを備えた出願人が開発している上記の電気部品ユニットには、改善すべき以下の課題がある。すなわち、この電気部品ユニットでは、基板のスルーホールに各電極の差込足を差し込んで電気部品(コンデンサユニット)が基板に固定されると共に、基板のスルーホールにシールドケースの差込足を差し込んでシールドケースが基板に固定される。この場合、加工精度に起因してスルーホールの形成位置が設計上の位置から位置ずれすることがある。また、組立効率の向上のために、差込足とスルーホールの縁部との間には、ある程度のクリアランスを設ける必要がある。このため、電気部品ユニットを基板に搭載する際に、スルーホールに差し込んだ電気部品の差込足とスルーホールの縁部との間、およびスルーホールに差し込んだシールドケースの差込足とスルーホールの縁部との間に「がた」が生じることがある。この結果、上記した加工精度に起因するスルーホールの形成位置の位置ずれや、このような「がた」により、基板に搭載された電気部品とシールドケースとの間の距離が設計値と異なる距離となることがある。この場合、電気部品とシールドケースとの間の距離が設計値と異なるときには、両者の間の静電容量が変化して、電気部品ユニットを組み込んだ回路の電気的特性が設計上の電気的特性とは異なる電気的特性となるおそれがある。このように、この電気部品ユニットには、電気的特性が設計した電気的特性とは異なるおそれがあり、この点の改善が望まれている。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、設計どおりの電気的特性を維持し得る電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1記載の電気部品ユニットは、電気部品と、当該電気部品を保持するホルダと、前記電気部品および前記ホルダを覆うシールドケースとを備えて基板に搭載可能に構成された電気部品ユニットであって、前記ホルダは、当該ホルダと前記電気部品との位置関係を予め決められた第1の位置関係に維持した状態で当該電気部品を保持する保持部を備えて構成され、前記シールドケースは、当該シールドケースと前記ホルダとの位置関係を予め決められた第2の位置関係に維持した状態で当該ホルダを支持する支持部を備えて、当該支持部によって支持されている前記ホルダを前記基板に接触させない状態で、前記基板に固定可能に構成されている。
【0008】
また、請求項2記載の電気部品ユニットは、請求項1記載の電気部品ユニットにおいて、前記シールドケースは、壁部によって区画されると共に前記電気部品を保持した状態の前記ホルダを収容可能な収容部を備え、前記支持部は、前記収容部に収容された前記ホルダの外周部に当接可能に形成された複数の支持用突起を備えて構成されている。
【0009】
また、請求項3記載の電気部品ユニットは、請求項1または2記載の電気部品ユニットにおいて、前記シールドケースは、主板と、前記基板に搭載される際に当該基板に端面が当接可能に前記主板の縁部に立設された側板と、前記基板に形成された位置決め用孔に嵌合可能に前記側板の前記端面に配設された位置決め部材とを備え、前記側板の前記端面には嵌め込み穴が形成され、前記位置決め部材は、前記嵌め込み穴に嵌め込まれた柱状体または筒状体で構成されている。
【0010】
また、請求項4記載の電気部品ユニットは、請求項1から3のいずれかに記載の電気部品ユニットにおいて、前記シールドケースは、単一の材料を切削して形成した切削品で構成されている。
【0011】
また、請求項5記載の部品搭載基板は、請求項1から4のいずれかに記載の電気部品ユニットと、当該電気部品ユニットが搭載された前記基板とを備えている。
【0012】
また、請求項6記載の電子機器は、請求項5記載の部品搭載基板と、当該部品搭載基板から出力された電気信号に基づく処理を行う処理部とを備えている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の電気部品ユニット、請求項5記載の部品搭載基板、および請求項6記載の電子機器では、ホルダと電気部品との位置関係を予め決められた第1の位置関係に維持した状態で電気部品を保持する保持部を備えてホルダが構成され、シールドケースとホルダとの位置関係を予め決められた第2の位置関係に維持した状態でホルダを支持する支持部を備えて、支持部によって支持されているホルダを基板に接触させない状態で、基板に固定可能にシールドケースが構成されている。このため、この電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器によれば、電気部品ユニットを基板に搭載したときに、電気部品ユニット(電気部品ユニットを構成する電気部品やシールドケース)が基板に対して位置ずれしたとしても、電気部品とシールドケースとの位置関係、つまり、電気部品とシールドケースとの間の距離を変化させることなく予め決められた距離(設計どおりの距離)に維持させることができる。したがって、この電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器によれば、電気部品とシールドケースとの間の距離が変化する(設計どおりの距離と異なる)ことによる電気部品ユニットの電気的特性の変化を防止して、電気部品ユニットの電気的特性を設計どおりに確実に維持することができる。
【0014】
また、請求項2記載の電気部品ユニット、請求項5記載の部品搭載基板、および請求項6記載の電子機器では、電気部品を保持した状態のホルダを収容可能な収容部を備えてシールドケースが構成され、収容部に収容されたホルダの外周部に当接可能に形成された複数の支持用突起を備えて支持部が構成されている。このため、この電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器によれば、収容部にホルダを嵌め込むだけで、ホルダに保持されている電気部品とシールドケースとの位置関係を予め決められた位置関係(設計どおりの位置関係)に維持させることができる結果、電気部品ユニットの組み立て作業の効率を十分に向上させることができる。
【0015】
また、請求項3記載の電気部品ユニット、請求項5記載の部品搭載基板、および請求項6記載の電子機器では、シールドケースを構成する側板の端面に配設されて基板に形成された位置決め用孔に嵌合可能な位置決め部材を備えてシールドケースが構成され、位置決め部材が側板の端面に形成された嵌め込み穴に嵌め込まれた柱状体または筒状体で構成されている。このため、この電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器によれば、設計どおりの形状で設計どおりの位置に嵌め込み穴を形成することができると共に、設計どおりの形状に位置決め部材を形成することができる結果、設計どおりの形状の位置決め部材を設計どおりの位置に設けることができる。したがって、この電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器によれば、基板に対してシールドケースを正確に位置決めすることができるため、シールドケース(および、シールドケース内に収容されている各電気部品)と部品搭載基板に搭載される他の搭載部品との間の距離を予め決められた距離(設計どおりの距離)に維持することができる結果、部品搭載基板全体としての電気的特性を設計どおりに確実に維持することができる。
【0016】
また、請求項4記載の電気部品ユニット、請求項5記載の部品搭載基板、および請求項6記載の電子機器では、単一の材料を切削して形成した切削品でシールドケースが構成されている。このため、この電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器によれば、例えば、板体を板金加工することによって形成したシールドケースと比較して、シールドケースの各部を高い寸法精度で形成することができる結果、基板に対してシールドケースをさらに正確に位置決めすることができる。したがって、この電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器によれば、シールドケース(および、シールドケース内に収容されている各電気部品)と部品搭載基板に搭載される他の搭載部品との間の距離を予め決められた距離(設計どおりの距離)に一層確実に維持することができる結果、部品搭載基板全体としての電気的特性を設計どおりに一層確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】測定装置1の構成を示す構成図である。
図2】部品搭載基板2の構成を示す斜視図である。
図3】部品搭載基板2の分解斜視図である。
図4】ホルダ23の底面図である。
図5】シールドケース24の底面図である。
図6】電気部品ユニット20の組立て方法を説明する第1の説明図である。
図7】電気部品ユニット20の組立て方法を説明する第2の説明図である。
図8】電気部品ユニット20の組立て方法を説明する第3の説明図である。
図9】電気部品ユニット20の組立て方法を説明する第4の説明図である。
図10】基板10への電気部品ユニット20の搭載方法を説明する説明図である。
図11】基板10への電気部品ユニット20の搭載が完了した部品搭載基板2の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、電気部品ユニット、部品搭載基板および電子機器の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0019】
最初に、図1に示す測定装置1の構成について説明する。測定装置1は、電子機器の一例であって、同図に示すように、部品搭載基板2、測定部3、操作部4、表示部5、制御部6、およびこれらの構成要素を収容する筐体1aを備え、被測定量(例えば、測定対象に供給されている電圧)を測定可能に構成されている。
【0020】
部品搭載基板2は、図2に示すように、基板10および電気部品ユニット20を備えて構成されている。なお、部品搭載基板2は、電気部品ユニット20の他にも各種の電気部品や機構部品を備えているが、発明の理解を容易とするため、電気部品ユニット20を除く他の部品の図示および説明を省略する。
【0021】
この場合、図3に示すように、基板10には、複数の導体パターン12が形成されている。また、基板10には、電気部品ユニット20を構成する電気部品としてのコンデンサ22の端子81b,82b(図6参照)の挿通が可能なスルーホール13が形成されている。また、基板10には、図3に示すように、電気部品ユニット20を構成するシールドケース24の位置決め部材45(図5,8,9参照)との嵌合が可能な平面視円形の位置決め用孔14が形成されている。さらに、基板10には、図3に示すように、電気部品ユニット20を構成するシールドケース24を基板10に固定するための固定ねじ25を挿通させる固定用孔15が形成されている。
【0022】
電気部品ユニット20は、図8に示すように、抵抗21(電気部品の一例)、コンデンサ22(電気部品の他の一例)、ホルダ23およびシールドケース24を備えて構成されている。
【0023】
抵抗21は、図6に示すように、本体部71aと、本体部71aの下部(基板10に搭載された搭載状態において基板10側に位置する部位であって、同図における上部)に配設された端子71bとを備えて構成されている。本体部71aは、略矩形の板状に形成されている。この場合、抵抗21は、本体部71aが基板10に対して立った状態で基板10に搭載されるようにホルダ23によって保持される。
【0024】
コンデンサ22は、空気を誘電体とするコンデンサであって、図6に示すように、第1電極22aおよび第2電極22b(以下、区別しないときには「電極22a,22b」ともいう)を備えて構成されている。第1電極22aは、一例として、金属板を板金加工(曲げ加工、切り抜き加工および孔あけ加工)することによって形成され、同図に示すように、コ字状の本体部81aと、本体部81aの下部(搭載状態において基板10側に位置する部位であって、同図における上部)に設けられた端子81bとを備えて構成されている。また、本体部81aの下部には、抵抗21の端子71bを挿通させる挿通孔81dが形成されて抵抗21における本体部71aの下部を支持する支持片81cが設けられている。
【0025】
第2電極22bは、図6に示すように、第1電極22aと同様にして、金属板を板金加工することによって形成され、コ字状の本体部82aと、本体部82aの下部(同図における上部)に設けられた端子82bとを備えて構成されている。また、本体部82aの下部には、抵抗21の端子71bを挿通させる挿通孔82dが形成されて抵抗21における本体部71aの下部を支持する支持片82cが設けられている。この場合、第1電極22aおよび第2電極22bは、本体部81a,82aが基板10に対して立った状態で基板10に搭載されるようにホルダ23によって保持される。
【0026】
ホルダ23は、図4,6に示すように、非導電性および適度な弾性を有する材料(一例として、PC(ポリカーボネート)やABS)でそれぞれ構成された本体部31および複数の保持部32a〜32n(以下、区別しないときには「保持部32」ともいう)を備えて構成されている。この場合、本体部31は、一例として、略矩形の板状に形成されている。
【0027】
保持部32は、ホルダ23と抵抗21との位置関係、およびホルダ23とコンデンサ22(電極22a,22b)との位置関係が設計どおりの位置関係(第1の位置関係)に維持されるように、ホルダ23に対する抵抗21およびコンデンサ22の移動(ホルダ23における本体部31の表面に沿った方向、および本体部31の表面に交差する方向への移動)を規制した状態で、保持部32の弾性力によって抵抗21およびコンデンサ22を挟持して保持可能に構成されている。この場合、保持部32a,32bが抵抗21の本体部71aにおける上部(図6における下部)の両端部を保持する。また、保持部32c〜32hが第1電極22aにおける本体部81aの上部(同図における下部)を保持し、保持部32i〜32nが第2電極22bにおける本体部82aの上部(同図における下部)を保持する。
【0028】
シールドケース24は、搭載状態において、抵抗21、コンデンサ22およびホルダ23を覆うように構成されている(図2参照)。具体的には、シールドケース24は、図5に示すように、略矩形の主板41と、主板41の縁部41aに立設されて搭載状態において端面51が基板10に当接する複数(この例では、4つ)の側板42a〜42d(以下、区別しないときには「側板42」ともいう)とを有して、一面(搭載状態において基板10側に位置する面であって、図5,8における上面)が開口する箱形に構成されている。
【0029】
また、シールドケース24の内部には、図5に示すように、2つの仕切板61a,61b(以下、区別しないときには「仕切板61」ともいう)が主板41から立設するように設けられ、主板41、仕切板61a,61bおよび側板42c,42d(これらの各板41,61a,61b,42c,42dが壁部に相当する)によって区画された収容部43が形成されている。この収容部43は、抵抗21およびコンデンサ22を保持した状態のホルダ23を収容可能に構成されている。また、収容部43には、ホルダ23とシールドケース24との位置関係を設計どおりの位置関係(第2の位置関係)に維持した状態でホルダ23を支持する支持部としての支持用突起62が設けられている。
【0030】
この場合、このシールドケース24では、図5に示すように、互いに対向する仕切板61aおよび側板42cには、平面視が台形状の2つの支持用突起62が各板61a,42cから収容部43の中心部に向けて突出するようにそれぞれ形成され、仕切板61bには、平面視が台形状の1つ支持用突起62が仕切板61bから収容部43の中心部に向けて突出するように形成されている。また、側板42dには、平面視が帯状の1つ支持用突起62が側板42dから収容部43の中心部に向けて突出するように形成されている。これらの支持用突起62は、収容部43に収容されたホルダ23の外周部(本体部31の外周部の端面)に当接し、ホルダ23の弾性力によって生じる当接部分の摩擦力でホルダ23の移動(シールドケース24における主板41の表面に沿った方向、および主板41の表面に交差する方向への移動)を規制する。
【0031】
また、図5に示すように、シールドケース24の側板42a,42cの端面51には、基板10に搭載される際に基板10に形成されている位置決め用孔14(図3参照)に嵌合可能な位置決め部材45がそれぞれ配設されている。この場合、位置決め部材45は、円柱状に形成されて、側板42a,42cの端面51に形成されている平面視円形の嵌め込み穴44(図5参照)に嵌め込まれることによって側板42a,42cに固定されている。また、同図に示すように、シールドケース24の側板42a,42c,42dの端面51には、シールドケース24を基板10に搭載して基板10に固定する際に用いるねじ25(図10参照)をねじ込ませるねじ穴46が形成されている。
【0032】
また、この電気部品ユニット20では、単一の材料(例えば、アルミニウムのインゴット)を切削することによって主板41、側板42および収容部43等の各構成要素を形成した切削品でシールドケース24が構成されている。
【0033】
測定部3は、処理部として機能し、制御部6の制御に従い、部品搭載基板2に搭載された電気部品ユニット20内の電気部品等によって構成される電気回路から出力される電気信号に基づいて被測定量を測定する処理を行う。操作部4は、各種のスイッチやキーを備えて構成され、これらのスイッチやキーが操作されたときに操作信号を出力する。表示部5は、制御部6の制御に従って測定部3によって測定された被測定量などの各種の情報を表示する。制御部6は、操作部4から出力される操作信号に従って測定装置1を構成する各部を制御する。
【0034】
次に、電気部品ユニット20を基板10に搭載して(取り付けて)部品搭載基板2を製造する製造方法について、図面を参照して説明する。
【0035】
この部品搭載基板2の製造方法では、まず、電気部品ユニット20を組み立てる。具体的には、図6に示すように、ホルダ23の本体部31を下向きにした状態(各保持部32が上向きとなる状態)で、ホルダ23における保持部32a,32bの各切り欠き部に、抵抗21の本体部71aにおける上部(同図における下部)の両端部を嵌め込む。これにより、保持部32a,32bによって抵抗21が保持される(図7参照)。
【0036】
次いで、図6に示すように、ホルダ23における保持部32c〜32hの各切り欠き部に、コンデンサ22を構成する第1電極22aにおける本体部81aの上部(同図における下部)を嵌め込む。この際に、第1電極22aにおける本体部81aの下部(同図における上部)に設けられている支持片81cの挿通孔81dに抵抗21の端子71bを挿通させる。これにより、保持部32c〜32hによって第1電極22aが保持される(図7参照)。
【0037】
続いて、図6に示すように、ホルダ23における保持部32i〜32nの各切り欠き部に、コンデンサ22を構成する第2電極22bにおける本体部82aの上部(同図における下部)を嵌め込む。この際に、第2電極22bにおける本体部82aの下部(同図における上部)に設けられている支持片82cの挿通孔82dに抵抗21の端子71bを挿通させる。これにより、保持部32i〜32nによって第2電極22bが保持される(図7参照)。
【0038】
次いで、第1電極22aの支持片81cの挿通孔81d、および第2電極22bの支持片82cの挿通孔82dにそれぞれ挿通させた抵抗21の端子71bを支持片81c,82cにそれぞれ半田付けして固定する。これにより、抵抗21、コンデンサ22およびホルダ23が一体化される(以下、一体化された抵抗21、コンデンサ22およびホルダ23で構成される構成体を「構成体100」ともいう)。この場合、ホルダ23の各保持部32によって抵抗21およびコンデンサ22を保持した状態では、ホルダ23と抵抗21との位置関係、およびホルダ23とコンデンサ22との位置関係が設計どおりの位置関係(第1の位置関係)に維持されている。
【0039】
続いて、構成体100をシールドケース24に支持させる。具体的には、図8に示すように、シールドケース24の主板41を下向きにした状態(開口部が上向きとなる状態)で、シールドケース24の収容部43に構成体100を収容する(図9参照)。この際に、収容部43に設けられている各支持用突起62にホルダ23の外周部(本体部31の外周部)が当接して支持され、これによってホルダ23(構成体100)の移動が規制される。続いて、位置決め部材45を嵌め込み穴44に嵌め込んで固定する。以上により、図9に示すように、電気部品ユニット20が組み立てられる。この場合、シールドケース24における収容部43の各支持用突起62によってホルダ23(構成体100)を保持した状態では、ホルダ23と抵抗21との位置関係、およびホルダ23とコンデンサ22との位置関係が設計どおりの位置関係(第2の位置関係)に維持されている。
【0040】
次いで、電気部品ユニット20を基板10に搭載する。具体的には、図10に示すように、シールドケース24の主板41を下向きにした状態(開口部が上向きとなる状態)で、電気部品ユニット20に基板10を被せるようにして、電気部品ユニット20と基板10とを近接させて、シールドケース24の各側板42の端面51と基板10とを当接させる。この際に、電気部品ユニット20における電極22a,22bの端子81b,82bを、基板10に形成されているスルーホール13に挿通させる。また、シールドケース24の側板42a,42cの端面51に配設されている位置決め部材45を、基板10に形成されている位置決め用孔14に嵌合させて、基板10に対して電気部品ユニット20を位置決めする。
【0041】
ここで、例えば、板体を板金加工することによって形成したシールドケースでは、基板10の位置決め用孔14に嵌合させる突起部(差込足)を設計どおりの形状で設計どおりの位置に形成するのは一般的に困難であるため、基板10に対してシールドケースを正確に位置決めするのが困難となる。これに対して、この電気部品ユニット20では、位置決め部材45が、側板42a,42cの端面51に形成されている嵌め込み穴44に嵌め込むことによって側板42a,42cに固定されている。この場合、一般的に、穴(特に、平面視円形の嵌め込み穴44)を設計どおりの形状で設計どおりの位置に形成するのは比較的容易であり、柱状の部材(特に、円柱状の位置決め部材45)を設計どおりの形状に形成するのも比較的容易である。このため、この電気部品ユニット20では、設計どおりの形状の位置決め部材45が設計どおりの位置に設けられることとなるため、基板10に対してシールドケース24を正確に位置決めすることが可能となっている。また、この電気部品ユニット20では、単一の材料を切削して形成した切削品でシールドケース24が構成されている。このため、このシールドケース24では、板体を板金加工することによって形成したシールドケースと比較して、シールドケース24の各部を高い寸法精度で形成することができるため、基板10に対してシールドケース24をさらに正確に位置決めすることが可能となっている。
【0042】
続いて、位置決めした電気部品ユニット20を基板10に固定する。この場合、図10に示すように、基板10に形成されている固定用孔15に固定ねじ25を挿通させ、次いで、シールドケース24に形成されているねじ穴46に固定ねじ25をねじ込む。これにより、図11に示すように、電気部品ユニット20が基板10に固定される。続いて、基板10のスルーホール13に挿通させた電気部品ユニット20における電極22a,22bの端子81b,82bを導体部に半田付けして固定する。以上により、基板10への電気部品ユニット20の搭載が完了して、部品搭載基板2が完成する。
【0043】
ここで、この電気部品ユニット20では、ホルダ23によって保持された電気部品(抵抗21およびコンデンサ22)とホルダ23との位置関係が設計どおりの位置関係(予め決められた第1の位置関係)に維持されると共に、シールドケース24に支持されたホルダ23とシールドケース24とが予め決められた設計どおりの位置関係(予め決められた第2の位置関係)に維持される。このため、この電気部品ユニット20では、電気部品ユニット20を基板10に搭載したときに、電気部品ユニット20(電気部品ユニット20を構成する電気部品やシールドケース24)が基板10に対して位置ずれしたとしても、電気部品とシールドケース24との位置関係、つまり、電気部品とシールドケース24との間の距離が変化することなく一定に維持される。したがって、この電気部品ユニット20では、電気部品ユニット20の電気的特性を設計どおりに確実に維持することが可能となっている。
【0044】
また、この部品搭載基板2では、シールドケース24が基板10に対して正確に位置決めされている。このため、シールドケース24(および、シールドケース24内に収容されている各電気部品)と部品搭載基板2に搭載されている他の搭載部品との間の距離を設計どおりの距離に維持することができる。このため、この部品搭載基板2では、部品搭載基板2全体としての電気的特性を設計どおりに確実に維持することが可能となっている。
【0045】
一方、この電気部品ユニット20を搭載した部品搭載基板2を備えた測定装置1を用いて、測定対象の被測定量を測定するときには、操作部4を操作して、測定の開始を指示する。この際に、制御部6が操作部4からの操作信号に従って各部に処理を開始させる。次いで、部品搭載基板2に搭載された電気部品ユニット20内の電気部品等によって構成される電気回路が入力信号を処理して電気信号を出力し、測定部3が、その電気信号に基づいて被測定量を測定する。続いて、表示部5が測定部3によって測定された被測定量を表示する。この場合、この測定装置1では、上記したように部品搭載基板2の電気的特性が設計どおりに維持されている。このため、この測定装置1では、被測定量を正確に測定することが可能となっている。
【0046】
このように、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1では、ホルダ23と電気部品(抵抗21およびコンデンサ22)との位置関係を予め決められた第1の位置関係(設計どおりの位置関係)に維持した状態で電気部品を保持する保持部32を備えてホルダ23が構成され、シールドケース24とホルダ23との位置関係を予め決められた第2の位置関係(設計どおりの位置関係)に維持した状態でホルダを支持する支持部(支持用突起62)を備えてシールドケース24が構成されている。このため、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1によれば、電気部品ユニット20を基板10に搭載したときに、電気部品ユニット20(電気部品ユニット20を構成する電気部品やシールドケース24)が基板10に対して位置ずれしたとしても、電気部品とシールドケース24との位置関係、つまり、電気部品とシールドケース24との間の距離を変化させることなく設計どおりの距離に維持させることができる。したがって、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1によれば、電気部品とシールドケース24との間の距離が変化する(設計どおりの距離と異なる)ことによる電気部品ユニット20の電気的特性の変化を防止して、電気部品ユニット20の電気的特性を設計どおりに確実に維持することができる。
【0047】
また、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1では、電気部品を保持した状態のホルダ23を収容可能な収容部43を備えてシールドケース24が構成され、収容部43に収容されたホルダ23の外周部に当接するように収容部43を区画するする壁部(仕切板61a,61bおよび側板42c,42d)から突出形成された複数の支持用突起62を備えて支持部が構成されている。このため、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1によれば、収容部43にホルダ23を嵌め込むだけで、ホルダ23に保持されている電気部品とシールドケース24との位置関係を設計どおりの位置関係に維持させることができる結果、電気部品ユニット20の組み立て作業の効率を十分に向上させることができる。
【0048】
また、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1では、シールドケース24を構成する側板42の端面51に配設されて基板10に形成された位置決め用孔14に嵌合可能な位置決め部材45を備えてシールドケース24が構成され、位置決め部材45が側板42の端面51に形成された嵌め込み穴44に嵌め込まれた柱状体で構成されている。このため、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1によれば、設計どおりの形状で設計どおりの位置に嵌め込み穴44を形成することができると共に、設計どおりの形状に位置決め部材45を形成することができる結果、設計どおりの形状の位置決め部材45を設計どおりの位置に設けることができる。したがって、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1によれば、基板10に対してシールドケース24を正確に位置決めすることができるため、シールドケース24(および、シールドケース24内に収容されている各電気部品)と部品搭載基板2に搭載される他の搭載部品との間の距離を設計どおりの距離に維持することができる結果、部品搭載基板2全体としての電気的特性を設計どおりに確実に維持することができる。
【0049】
また、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1では、単一の材料を切削して形成した切削品でシールドケース24が構成されている。このため、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1によれば、板体を板金加工することによって形成したシールドケースと比較して、シールドケース24の各部を高い寸法精度で形成することができる結果、基板10に対してシールドケース24をさらに正確に位置決めすることができる。したがって、この電気部品ユニット20、部品搭載基板2および測定装置1によれば、シールドケース24(および、シールドケース24内に収容されている各電気部品)と部品搭載基板2に搭載される他の搭載部品との間の距離を設計どおりの距離に一層確実に維持することができる結果、部品搭載基板2全体としての電気的特性を設計どおりに一層確実に維持することができる。
【0050】
なお、電気部品ユニット、部品搭載基板および測定装置1の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、電気部品としての抵抗21およびコンデンサ22を備えて電気部品ユニット20を構成した例について上記したが、電気部品は、抵抗21およびコンデンサ22に限定されず、IC、コイル、ダイオード、トランスおよびコネクタ等の各種の電気部品が含まれる。したがって、これらの電気部品を備えた電気部品ユニットに適用した場合においても、上記した各効果を実現することができる。
【0051】
また、単一の材料としてのアルミニウムのインゴットを切削して形成した切削品でシールドケース24を構成した例について上記したが、シールドケースの構成はこれに限定されない。例えば、単一の材料としての導電性樹脂のブロックを切削して形成したシールドケースや、単一の材料としての非導電性樹脂のブロックを切削して形成した切削品の表面に導電性膜を設けたシールドケースを採用することもできる。また、導電性樹脂を用いた射出成形によって形成したシールドケースや、非導電性樹脂を用いた射出成形によって形成した成形品の表面に導電性膜を設けたシールドケースを採用することもできる。また、ダイキャスト、チクソモールディング、金属粉末射出成形等の金属成形によって形成したシールドケースを採用することもできる。
【0052】
また、金属板を板金加工することによって形成したシールドケースを採用することもできる。この場合、この構成においても、シールドケースの側板の下部に上記した嵌め込み穴44と同様の嵌め込み穴を形成し、上記した位置決め部材45と同様の柱状または筒状の位置決め部材を嵌め込み穴に挿入して固定することで、上記したシールドケース24と同様にして、搭載状態において位置決めを正確に行うことが可能なシールドケースを作製することができる。
【0053】
また、シールドケース24の収容部43に設ける支持部としての支持用突起62の数や形状は任意に変更することができる。例えば、上記の例では、仕切板61から突出する支持用突起62を設けた例について上記したが、主板41に立設した柱状(例えば、円柱状)の突起部を支持部として機能させることもできる。この場合、ホルダ23の本体部31に突起部の外径よりもやや小径の嵌合孔を設け、主板41に立設した突起部を嵌合孔に圧入することで、突起部の弾性力によって嵌合孔の縁部と突起部とを固定し、これによってホルダ23の移動(主板41の表面に沿った方向、および主板41の表面に交差する方向への移動)を規制した状態で、ホルダ23を支持することができる。
【0054】
また、円柱状の位置決め部材45を用いる例について上記したが、円筒状の位置決め部材を用いることもできる。また、断面形状が楕円形や多角形の柱状または筒状の位置決め部材を用いることもできる。この場合、これらの位置決め部材の断面形状に応じた平面視形状の嵌め込み穴44を側板42a,42cに形成することで、嵌め込み穴44および位置決め部材45を備えたシールドケース24が有する上記の効果と同様の効果を実現することができる。
【0055】
また、被測定量としての電圧を測定する電子機器の一例としての測定装置1に適用した例について上記したが、電圧、抵抗、電力、位相、温度、湿度、歪み、輝度、照度等の各種の物理量や、原子量、分子量、化学式量等の各種の化学量を被測定量として測定する各種の測定装置、並びに被測定量の測定機能を有していない電子機器(表示装置や記録装置)に適用することができ、この場合においても、上記した各効果を実現することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 測定装置
2 部品搭載基板
3 測定部
10 基板
20 電気部品ユニット
21 抵抗
22 コンデンサ
23 ホルダ
24 シールドケース
32a〜32n 保持部
41 主板
41a 縁部
42a〜42d 側板
43 収容部
44 嵌め込み穴
45 位置決め部材
51 端面
61a,61b 仕切板
62 支持用突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11