特許第6385239号(P6385239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6385239-電飾パネル 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385239
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】電飾パネル
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   G09F13/18 N
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-216030(P2014-216030)
(22)【出願日】2014年10月23日
(65)【公開番号】特開2016-85267(P2016-85267A)
(43)【公開日】2016年5月19日
【審査請求日】2017年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】392003292
【氏名又は名称】株式会社インターコスモス
(74)【代理人】
【識別番号】100080724
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 久喜
(74)【代理人】
【識別番号】100174816
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 貴久
(72)【発明者】
【氏名】作道 成俊
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0140097(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0208503(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0284308(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル基台と、該パネル基台の周面を囲繞する透明体とを有するパネルであって、該パネル基台外周部と該透明体内周部との間には空隙があり、LED発光素子とICチップを順に配置してなるLEDテープ体が、放射状外向きを照射方向として周回するように該空隙に嵌る形で該パネル基台周面側に配置されており、該パネルの裏面には、該空隙から該LEDテープ体内周面に嵌り込んで該ICチップと接触する吸熱部と、パネル裏面に沿う部分である放熱部とで形成される放熱板が設けられており、該吸熱部と該放熱部は断面T字状に一体化されているものであることを特徴とする電飾パネル。
【請求項2】
放熱板は、アルミニウム製、銅製、又は真鍮製である請求項1記載の電飾パネル。
【請求項3】
透明体の背面側外周稜線部は面取りされて斜面が形成されており、且つ該斜面にはすりガラス状に粗面加工が施されている請求項1又は2記載の電飾パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電飾パネルの構造、更に言えば、LED発光素子とICチップを連続的に配置してなる電飾パネルの放熱構造部分に特徴のある電飾パネルの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光体を内蔵する電飾パネル自体は、古くより存在している。発光体を自らが有しているので夜間であっても視認できることもあり、重要な広告媒体でもある。
【0003】
近時LED発光素子が安価・容易に用いられるようになってからは、発光の形態も多種提案実施されるようになり、かつてのネオンサインのように高価なものではなくなったこともあり、個人的に装飾を楽しむという場面で電飾パネルが採用されることすらある。
【0004】
電飾パネル自体は、典型的なものを述べると、厚さ数乃至10数センチメールの直方体の内部に発光体が外側に向かって配置されており、画像や文字等の記載をその透過光若しくは反射光で確認できるようにしたものである。その場合には、単色光を用いることが多い。
また、これ以外の形態として、アピールしたい記載の周囲を光で縁取るという手法も多種提案実施されている。この場合には、単色光ではなく様々な色を用い、自動又は手動で変更できるようにしたもの、点灯し続けるのではなく点滅するようにしたものも市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−361628
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、LEDによる発光、その発光色の変更、点滅時間の変更や制御、等々は、コントローラーと呼ばれる機材からの信号をICチップと呼ばれる部品で処理してLED発光素子に伝達されるという形でなされる。周知の通りLED発光素子は、通電されても殆んど発熱しないが、ICチップは容易に発熱する。従って、放熱がうまくなされていないと誤作動したり、断線や火災発生の原因となってしまう。
またICチップの発熱量は、信号処理が煩雑となるに従って増大するので、LEDに複雑な発光パターンを与えることは難しく、その結果、発光パターンの変化に乏しいものとならざるを得なかった。
【0007】
ICチップの発熱に対処するために、発熱部分に熱伝導率の高い素材を接触させ熱の放散によって温度を下げるヒートシンクと呼ばれる方法が採られる。ヒートシンクの性能を上げるためには、表面積を大きくする必要があるので通常は、フィンと呼ばれる板や棒を剣山状或いは蛇腹状に成形したものが多い。
ところが、電飾パネルは厚さが数センチメートルしかないということが多く、フィンを収納できるだけの空間が確保できない場合が多い。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで本発明者は、こうした点に鑑み鋭意研究の結果遂に本発明を成したものでありその特徴とするところは、パネル基台と、該パネル基台の周面を囲繞する透明体とを有するパネルであって、該パネル基台外周部と該透明体内周部との間には空隙があり、LED発光素子とICチップを順に配置してなるLEDテープ体が、放射状外向きを照射方向として周回するように該空隙に嵌る形で該パネル基台周面側に配置されており、該パネルの裏面には、該空隙から該LEDテープ体内周面に嵌り込んで該ICチップと接触する吸熱部と、パネル裏面に沿う部分である放熱部とで形成される放熱板が設けられており、該吸熱部と該放熱部は断面T字状に一体化されている点にある。
【0009】
即ち本発明において、この電飾パネルは放射状外向きを照射方向とするLED発光素子を有している。従って、その光が照射される方向は、このパネルを正面から観察する者に向いていない。(なお予め断っておくが、本発明電飾パネルは放射状外向きを照射方向とするLED発光素子を有しているものであり、そのような発光素子と同時に、正面方向に照射される発光素子を有することを否定するものではない)
【0010】
基台に設置されるLEDテープ体は、放射状外向きを照射方向として周回するので、テープ体の表裏面は、パネル本体の正面或いは背面に対して直角という位置関係にあるということになる。故に、テープ体上に配置されているICチップに面接触する放熱板も、パネル本体の正面或いは背面に対して直角という位置関係にあるということを意味する。
そして本発明においては、この直角部分はパネル厚さに相当する部分である。パネル厚さは、既述したように数センチメートルであることが多く、また放熱に充分な空間を確保することが困難である。
そこで、裏面で直角(即ち90°と270°)に折曲させ、断面T字状にしたわけでありこの点が本発明最大の特徴である。基台・透明体間の空隙には「T」における縦棒部分が嵌り込み、パネル裏面には「T」における横棒部分が沿うことになり、機能としては、縦棒部分がICチップの発する熱量を吸熱し、横棒部分がその熱量を放散させるということになる。縦棒部分を吸熱部、横棒部分を放熱部と呼び、放熱板はこれらの総称である。
また、放熱板の材質については特に限定するものではないが、アルミニウム、銅、真鍮、等々が本発明において好適な材質である。
【0011】
本発明者は、放熱させるための構造を求めて種々実験していたが、当初放熱板は、この縦棒部分(即ち吸熱部)のみの構造であった。この場合、放熱板の厚みを大きくすることで、短時間稼動の場合にはある程度の効果を得られたが、長時間の使用には耐えられず、また、複雑な発光パターンが得られるような処理をさせた場合には、極めて不十分な効果しか得られなかった。
【0012】
次に本発明者は、裏面で直角に折曲させて断面「L」字上にした放熱板を試作し実験してみた。すると、格段に高い効果が得られた。しかし、これとて充分なものとは言えず、満足できるものではなかった。断面を「T」字状とすることによって初めて、所期の目的が達成されたと言える。
【0013】
なお、LED発光素子とICチップを順に配置してなるLEDテープ体を、放射状外向きを照射方向として周回させた場合、基台周縁には透明体が存在するので、放射された光はこの透明体部分を透過し、端面から外に出てゆく。そこで、透明体の端面を例えばすりガラス状に加工すると、端面部分で乱反射し、その反射光を正面から視認することができる。外観すると、発光源がすりガラス状部分にあるように見える。ところが、すりガラス状部分と基台部分との間には透明体が存在しており、この透明体中或いは透明体越しには配線その他が見当たらないので、どのような原理で発光しているのか理解できず、不思議な電飾パネルであるという印象を与えることになる。よってこの不思議さが高い訴求効果を招くこととなる。
【0014】
なお本発明に係る電飾パネルに採用されるLEDテープ体、コントローラーについては、全く限定するものではなく、市販されている典型的なものを利用して構わない。また本発明の目的は、発光パターンを多く或いは複雑にしても、それに伴うICチップの発熱を効率よく拡散できるようにすることにあるが、発光パターンを多く或いは複雑にしなければならないというものではない。従って、発光が多色であることすら絶対条件としない。
【0015】
基台には、LEDテープ体が固定されている。また基台の周縁には透明体が配置されている。そしてこの基台は、電飾パネルを正面から見たときに中央部分に相当する部分であるので、本発明では限定しないがこの部分に例えばポスターや絵画等が取設されることになる。そこでこれらを、ある程度光を透過させる材質のもので製作し、裏面側からライトアップさせるようにしても良い。その場合にLEDテープ体を使用するのであれば、そのLED発光素子の光照射方向は、放射状外向きではなく「内向き」となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、パネル基台と、該パネル基台の周面を囲繞する透明体とを有するパネルであって、該パネル基台外周部と該透明体内周部との間には空隙があり、LED発光素子とICチップを順に配置してなるLEDテープ体が、放射状外向きを照射方向として周回するように該空隙に嵌る形で該パネル基台周面側に配置されており、該パネルの裏面には、該空隙から該LEDテープ体内周面に嵌り込んで該ICチップと接触する吸熱部と、パネル裏面に沿う部分である放熱部とで形成される放熱板が設けられており、該吸熱部と該放熱部は断面T字状に一体化されていることを特徴とするものであり、以下の如き効果を有する極めて高度な発明である。
【0017】
(1)ICチップの発熱を効果的に放散できるので、複雑な発色パターンを持つ電飾用パネルとしても、誤作動や破損の危険性が軽減される。
(2)放熱板が断面T字形であるので、厚みがあまりないことの多い電飾パネルであっても、容易に採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る電飾パネルの一例を示す概略分解斜視図である。
図2】本発明に係る電飾パネルの一例の一部分を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明に係る電飾パネル1(以下本発明パネル1という)の一例を示すものである。本図は概略分解斜視図であって、本発明パネル1を背面側から見た状態を示すものである。図より明らかなように本例の本発明パネル1は、基台2と、LEDテープ体3、透明体4、及び放熱板5を有するものである。
透明体4は、基台2の周囲を取り囲む構造のものであるが、透明体4の内周面と基台2の外周面は離反しており、その間隙にLEDテープ体3のほぼ全てと放熱板5の一部が格納されるものである。また透明体4の背面側外周稜線部分は、面取りがなされて斜面41を形成している。この斜面41表面はすりガラス状に粗面加工されている。
【0020】
LEDテープ体3は、LED発光素子31とICチップ32が順に配置されてなるものであって、端部には制御基板や電源コード等が存在するが本図ではそれらの描出を省略している。
【0021】
放熱板5は、透明体4の内周面と基台2の外周面との間隙の全てを覆うと共に、該間隙内にも一部嵌り込む部材である。断面T字状であって、放熱部51と吸熱部52とにより成る。機能としては、吸熱部52が吸熱したICチップの熱を、放熱部51から外部に放出するものであり、故に、吸熱部52はLEDテープ体3の裏面に接触するものである。
なお図では、放熱板5は4本の直状材を連結したものとしているが、これに限定するものではない。
【0022】
図2は、本発明パネル1の一部分を示す断面図である。基台2と透明体4とが接触しておらず空隙7が設けられていること、この空隙7にLEDテープ体3と放熱板5の直角部52が収まっていること、などが明らかになっている。
LEDテープ体3のLED発光素子31から放射される光は、基台2から透明体4の方向に向かっており、透明部分を通過して斜面41に当たりここで乱反射される。観察者は透明体中を通過している光線を認識することはできず乱反射された光のみを認識することになる。
なお、観察者が実際の光源を視認するのは好ましくないので、基台2と透明体4との空隙7部分を本発明パネル1の正面側から被覆体6で覆うのが好ましい。本例では被覆体6として粘着剤付きアルミホイルテープを用いた。
【符号の説明】
【0023】
1 本発明に係る電飾パネル
2 基台
3 LEDテープ体
31 LED発光素子
32 ICチップ
4 透明体
41 斜面
5 放射板
51 放熱部
52 吸熱部
6 被覆部
7 空隙
図1
図2