(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動モータ(206;1212)は、前記手持ち部分(500;1204)に対して少なくとも2つの自由度で移動可能である、請求項2に記載の器具(200;1200)。
前記駆動機構(1201)を支持し、前記複数のアクチュエータ(1302,1304)のうちの少なくとも1つによりピッチ及びヨー方向に前記手持ち部分(1204)に対して可動なケース(1208)と、前記作業部分(202,204)を支持するノーズチューブ(1218)とを更に備え、前記ノーズチューブ(1218)が、並進方向に前記並進軸に沿って前記ケース(1208)に対して移動可能である、請求項1に記載の器具(1200)。
ケース(1208)及びノーズチューブ(1218)を更に備え、前記ケース(1208)が、前記駆動機構(1201)及び前記複数のアクチュエータ(1204)のうちの1つを支持し、前記複数のアクチュエータ(1302,1304)のうちの少なくとも別の1つにより移動可能であり、前記ノーズチューブ(1218)が、前記作業部分(202,204)を支持し、前記複数のアクチュエータ(1240)のうちの前記1つにより移動可能である、請求項1に記載の器具(1200)。
前記作業部分(202,204)は、前記ピッチ、ヨー及び並進のそれぞれで少なくとも2.54cmの総変位が可能である遠位側チップ(204)を備えている、請求項1に記載の器具(200;1200)。
前記作業部分(202,204)の周りに配置され、前記ジンバル(1258)に対して移動可能なノーズチューブ(1218)をさらに備えている、請求項1に記載の器具(200)。
前記ジンバル(1258)によって支持され、前記手持ち部分(1204)に対してピッチ及びヨー方向で移動するケース(1208)をさらに備え、前記ノーズチューブ(1218)は、前記作業部分(202,204)を支持し且つ前記ケース(1208)に対して前記作業部分(202,204)とともに移動可能である、請求項11に記載の器具(1200)。
前記駆動機構(1201)は、前記作業部分(202,204)に連結して前記回転軸の周りで前記作業部分(202,204)を回転させる駆動シャフト(1210)を含み、前記複数のアクチュエータ(1240)のうちの1つは、内部に前記駆動シャフト(1210)を回転可能に収める中空ロータ(1287)を有し、それにより、前記駆動シャフト(1210)が、前記作業部分(202,204)を回転可能に駆動すべく、前記中空ロータ(1287)内で、前記中空ロータ(1287)に対して回転するようになっている、請求項1に記載の器具(1200)。
【発明を実施するための形態】
【0033】
I.概観
図1を参照すると、トラッキング及び制御システム100が示されている。トラッキング及び制御システム100は、器具200に取り付けられた切断アクセサリ202の遠位側端チップ204を既定の境界に対して所望の関係に保つように器具200をトラッキングするものである。(ここで、「遠位側」は、器具200を保持する医師から離れて、器具が適用される組織に向かうことを意味する。「近位側」は、医師に向かって、器具が適用される組織から離れることを意味する。)トラッキング及び制御システム100は、器具200の基準点に対して切断アクセサリチップ204の位置を制御するものである。この制御は、切断アクセサリ202が適用される手術部位における境界に切断アクセサリチップ204が突き当たり、又は、これを突破することを防いでいる。
【0034】
トラッキング及び制御システム100は、アクセサリ遠位側端チップ204を既定の境界外に保つように使用されることができる。例えば、切除器具のアクティブなチップを体内の或る特定の領域から遠ざけ、又は、或る特定の体の部位から遠ざけておくことが望ましい場合がある。また、切断の深さを制御することが望ましい場合がある。この観点から、システム100は、これらの領域又は体の部位を避けるようにアクセサリ遠位側端チップ204の位置を制御している。
【0035】
図示の手術器具200は、動力付きの手術用ハンドピースである。器具200は、作業部分、例えば、切断アクセサリ202に連結される、例えば、
図8、
図16及び
図57で参照される駆動機構201を備えている。切断アクセサリ202は、例えば、バー、ドリルビット等を回転させるいくつかの実施形態では、駆動機構201は、作業部分を回転軸Rの回りで回転させるようになっている。器具200に関して更に以下に述べるように、回転軸Rは、手持ち部分、例えば、ハンドルアセンブリ500に対して、ピッチ方向、ヨー方向及びZ軸に沿って移動するようになっている。駆動機構201は、モータ206を有し、モータ206から作業部分、すなわち、切断アクセサリ202に回転を伝達する他のベアリング、ロッド等を有することができる。
【0036】
図16の断面で見られる連結アセンブリ207は、モータ206の前方に位置している。連結アセンブリ207は、器具200に様々な切断アクセサリ202を取り外し可能に保持している。連結アセンブリ207は、また、切断アクセサリ202がモータ206によって作動されることができるように、モータ206とアクセサリ202の間の機械的リンクを提供している。切断アクセサリ202は、患者の組織に医療的/外科的仕事を行う構成部分である。器具200により駆動されることが可能な切断アクセサリのタイプは、のこ歯、シェーバ、ドリルビット及びバーを含んでいる。
図1において、図示された切断アクセサリ202は、その遠位側端に骨を除去する球状バーヘッド204を有するバーである。
【0037】
図16及び
図17を参照して、ノーズチューブとも称されるスリーブ209は、切断アクセサリ202を少なくとも部分的に覆っている。切断アクセサリ202は、以下に更に議論するように、例えば、ピッチ、ヨー及び軸Zに沿う並進を行うものであり、複数の自由度で切断アクセサリ202が移動するときに、スリーブ209とともに移動するようになっている。軸Zは、z軸とも称される。スリーブ209は、医療施術の間、回転軸Rの回りで固定状態に保たれ、すなわち、切断アクセサリ202は、スリーブ209内で回転するよう構成されている。
【0038】
トラッキング及び制御システム100は、他のタイプの手術器具200をトラッキング及び制御することができる。これらの器具は、電気エネルギー、光子エネルギー(光)、RFエネルギー、熱エネルギー等の機械エネルギー以外のエネルギーを出力し、振動する(振動の形態の機械エネルギーを放出する)動力付きの手術器具を含んでいる。本発明の手術器具200は、パワー放出要素さえ有さない場合がある。器具200は、切断アクセサリ202
を含むことができる。代替的に、切断アクセサリ202は、手動で作動されることができる。手動で作動される切断アクセサリの例は、鉗子及び絞断器を含んでいる。
【0039】
図1及び
図1Aに示す切断アクセサリ202としてバーを有する器具は、大腿骨102の一部を成形するのに使用するものとして示されている。器具200は、軟組織を含む他のタイプの組織の除去に使用することができる。
【0040】
実施形態が示される
図1を続けて参照すると、大腿骨102は、バーヘッド204により除去されるべき物質の目標体積104を有している。目標体積104は、作業境界と呼ばれる境界106により画定される。この作業境界106は、施術の後に残るべき骨の表面を画定するものである。システム100は、バーヘッド204が、物質の目標体積104のみを除去し、作業境界106を越えないことを確かにするように、器具200をトラッキング及び制御している。他の実施形態における作業境界は、任意の形状又はサイズにより規定され、2次元又は3次元形状、線、軌道、表面、直線経路、非直線経路、体積、平面、孔穴、外形等を含むことができることが理解されるだろう。いくつかの実施形態では、作業境界は、器具が超えるべきでない2次元又は3次元境界を規定することができる。他の実施形態では、作業境界は、それに沿って器具の作業部分が移動すべき線、経路、軌道又はコースを規定することができる。これらの場合、作業境界は、作業経路、作業軌道又は作業コースとも称される。
【0041】
II.トラッキング及び制御システム
図1を参照して、トラッキング及び制御システム100は、ナビゲーションユニット108を含んでいる。ナビゲーションユニット
108は、大腿骨102及び手術器具200の位置及び方位をトラッキングするものである。ナビゲーションユニット108は、カメラ110を含んでいる。ナビゲーションコンピュータ112は、カメラ110から信号を受け取り、処理している。カメラ110は、データ接続107によりナビゲーションコンピュータ112に接続されている。データ接続107は、高速通信及びアイソクロナスリアルタイムデータ伝送に標準のシリアルバスインタフェースであるIEEE1394インタフェースであることができる。データ接続107は、個別企業特有のプロトコルを使用することもできる。
【0042】
システム100に組み込むことができる1つのカメラ110は、ミシガン州カラマズのストライカ・コーポレイションから販売されるFlashPoint(商標)6000カメラである。カメラ110は、3つの個別の高解像度CCDカメラ(不図示)を含んでいる。CCDカメラは、赤外(IR)信号を検知するものである。カメラ110は、理想的には、障害物の無い以下に述べるトラッカ114,116の視野をカメラ110に提供するように、施術が行われる領域上にカメラ110を配置するスタンド(図示せず)に取り付けられている。トラッカ114及び116は、それぞれ、トラッキング装置114及び116とも称される。
【0043】
ナビゲーションコンピュータ112は、ラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータであることができる。ナビゲーションコンピュータ112は、ディスプレイ113、中央処理ユニット(図示せず)、メモリ(図示せず)及び記憶装置(図示せず)を有している。
【0044】
ナビゲーションコンピュータ112には、ソフトウェアがロードされている。ソフトウェアは、カメラ110から受信した信号をトラッカ114及び116が取り付けられた物体の位置及び方位を表すデータに変換するものである。同様にナビゲーションコンピュータ112に関連付けられているのは、マウス又は他の適切なポインタ入力装置及びキーボードである。
【0045】
カメラ110は、データ接続107を介してナビゲーションコンピュータ112と通信するようになっている。ナビゲーションコンピュータ112は、まず、ナビゲーションユニット108をセットアップ及び登録する。ソフトウェアは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提供する。また、ソフトウェアは、作業境界106の形状及び配置も提供する。ナビゲーションコンピュータ112は、カメラ110から受信するデータを解析し、器具コントローラ120に伝送される対応する位置及び方位データを生成している。
【0046】
図1を参照すると、例えば、トラッカ114及び116は、器具200及び大腿骨102にそれぞれ固定されている。詳細には、トラッカ114、すなわち、トラッキング装置114は、後述のように、器具200をトラッキングするように、器具200の手持ち部分に取り付けられている。各トラッカ114,116は、カメラ110に赤外光を伝達する3つのLED(図示せず)等の発光ダイオードの形態の複数の光学マーカを有している。いくつかの場合、光学マーカは、光反射器から反射した光を伝達するカメラユニット(図示せず)とともに使用する3つ以上の光反射器(図示せず)である。他の施術では、追加のトラッカが他の骨、組織又は体の他の部位、道具又は装備に固定されることができる。
【0047】
カメラ110から送られた光捕捉信号に基づいて、ナビゲーションコンピュータ112は、カメラ
110に対する各光学マーカの位置、したがって、これらが取り付けられた物体の位置及び方位を決定する。カメラ110、ナビゲーションコンピュータ112並びにトラッカ114,116の例は、そこに開示されているカメラ、ナビゲーションコンピュータ及びトラッカ並びに関連する操作方法及び使用方法を含めて引用することにより本明細書の一部をなすMalackowski他への米国特許第7,725,162号に示されている。
【0048】
器具コントローラ120は、データ接続121を介してナビゲーションコンピュータ112と通信するようになっている。データ接続121は、高速通信及びアイソクロナスリアルタイムデータ伝送に標準のシリアルバスインタフェースであるIEEE1394インタフェースであることができる。データ接続121は、個別企業特有のプロトコルを使用することができる。本発明のいくつかの態様では、ナビゲーションコンピュータ112及び器具コントローラ120は、単一のユニットであることができることが理解されるべきである。器具コントローラ120は、データ接続123により器具200と通信するようになっている。
【0049】
位置及び方位データ並びに他の下記のデータに基づいて、器具コントローラ120は、大腿骨102に対する切断アクセサリ202の位置及び方位を決定している。ひいては、器具コントローラ120は、作業境界106に対する
バーヘッド204のようなアクセサリチップ
の相対位置を決定することになる。この決定に基づいて、コントローラ120は、必要な場合、以下に更に述べるように、切断アクセサリを再配置し、器具モータ206の速度を低下させている。器具コントローラ120は、典型的には、これらの操作を単一の制御ループで実行している。本発明の多くの態様において、コントローラ120は、少なくとも1kHzの周波数でこれらの制御を反復して実行している。本発明のいくつかの態様では、コントローラ120は、複数のCPUを有している。コントローラ120の構造に依存して、これらのCPUは、連続して、及び/又は、パラレルで動作するようになっている。
図1では、器具コントローラ120は、パーソナルコンピュータとして表されている。
【0050】
システム100は、器具ドライバ130を更に含んでいる。器具ドライバ130は、モータ206を制御するように器具モータ206に電力を提供している。電源及びドライバ130内部の制御要素は、そこに開示されている電源及び制御コンソールの制御要素並びに関連する操作及び使用方法を含めて引用することにより本明細書の一部をなす「CONTROL CONSOLE TO WHICH POWERED SURGICAL HANDPIECES ARE CONNECTED, THE CONSOLE CONFIGURED TO SIMULTANEOUSLY ENERGIZE MORE THAN ONE AND LESS THAT ALL OF THE HANDPIECES(電源付き手術ハンドピースが接続された、2つ以上かつ全数未満(正:LESS THAN)のハンドピースに同時に加電するように構成された制御コンソール)」という名称の米国特許第7,422,582号に記載されている手術器具制御コンソールの電源及び制御コンソールと同様であることができる。器具ドライバ130は、データ接続131を介して器具コントローラ120と通信するようになっている。データ接続131は、高速通信及びアイソクロナスリアルタイムデータ伝送に標準のシリアルバスインタフェースであるIEEE1394インタフェースであることができる。データ接続131は、個別企業特有のプロトコルを使用することができる。他の実施形態では、器具ドライバ130は、器具コントローラ120に一体化され、又は、器具コントローラ120の一部であることができることが理解されるべきである。
【0051】
図1〜
図8を参照すると、例えば、器具200に取り付けられた手動作動型トリガ208は、器具モータ206の作動を統御するように選択的に押されることになる。器具200内に配置されたセンサ(特定されていない)は、トリガ208が作動される程度に応じて信号を生成している。センサからの出力信号は、データ接続133により器具ドライバ
130に送られることになる。このセンサ信号の状態及び下記の他の入力に応じ、器具ドライバ130は、器具モータ206に加電信号を印加するようになっている。
【0052】
ディスプレイ113は、大腿骨102及び切断アクセサリ202の仮想的表示(又は三次元モデル)を表示している。大腿骨102の表示は、大腿骨102について撮られた術前画像に基づいている。このような画像は、典型的には、MRI又はCTスキャンに基づいている。代替的に、蛍光透視装置、低レベルX線又は任意の同様の装置を用いた術中画像も使用されることができる。これらの画像は、トラッキングに用いるようにトラッキング装置116に登録される。一旦登録されると、大腿骨102の動きは、ディスプレイ113上での対応する画像の動きを生じさせることになる。これは、ディスプレイ1402(下記参照)にも表示されることができる。ディスプレイ1402のスクリーンショットが
図68及び
図107〜
図111に示されている。
図68及び
図107〜
図111のスクリーンショットに示される種々の特徴は、任意の組み合わせで使用することができることが理解されるべきである。
【0053】
器具200及び大腿骨102は、位置及び方位データが、許容される正確性のレベル内で、器具200及び大腿骨102の真の相対位置に対応することを確かにするように、ナビゲーションユニット108に登録されている。
【0054】
ディスプレイ113(及び/又は1402)は、また、大腿骨102に残されるべき物質から除去されるべき物質の目標体積104を区別するカラーコーディング又は他の視覚的手法を用いて作業境界106を表示している。
【0055】
図1Aを参照すると、器具コントローラ120は、バッファ105を画定するように作業境界106から既定の距離に位置する制約境界111を規定している。システムの一実施態様では、器具コントローラ120は、器具200を制御するように、制約境界111に対するバーヘッド204の中心の位置を決定している。作業境界106と制約境界111の間の相対距離は、部分的に、切断アクセサリ
202の形状によって決まる。例えば、切断アクセサリ
202が球形のバーヘッド204を含む場合、制約境界は、バーヘッド204の直径の1/2である。このように、バー
ヘッド204の重心が制約境界111上にあるとき、バーの外部切断表面は、作業境界106にある。
【0056】
III.手術器具
A.概観
図1を参照すると、手術器具200は、データ接続123を介して器具コントローラ120と通信するようになっている。データ接続123は、ナビゲーションコンピュータ112により生成され、器具コントローラ120に伝送される位置及び方位データに基づいて器具200を制御するのに必要な入力及び出力の経路を提供している。
【0057】
器具200は、手持ち部分、例えば、以下に更に述べるようなハンドルアセンブリ500、及び、作業部分、例えば、切断アクセサリ202を備えている。作業部分は、手持ち部分に可動に連結されている。手持ち部分は、作業部分で患者の組織を処置する医療施術の間、ユーザにより手動で支持及び移動されるようになっている。ユーザは、手持ち部分を把持及び支持することで器具200を操作し、器具200は、他の機械的アーム、フレーム等では支持されていない。
【0058】
器具200は、複数のアクチュエータ、例えば、モータ220、222、224を有する。モータ220、222、224は、手持ち部分、例えば、ハンドルアセンブリ500に対して複数の自由度で作業部分を移動させるように、作業部分、例えば、切断アクセサリ202に連結している。各モータ220、222、224は、別々のコントローラ230、232、234によりそれぞれ制御される。コントローラ230〜234は、ミシガン州カントンのテクノソフトUS インコーポレテッドから提供されるコントローラである部品番号IBL2401−CANであることができる。いくつかの実施形態では、モータ220、222、224は、単一のコントローラにより制御されることができる。コントローラ230、232、234は、各モータを所与の目標位置に個別に導くように、モータ220、222、224にそれぞれ別個に配線される。本発明のいくつかの態様では、コントローラ230、232、234は、線形積分微分型のコントローラである。データ接続123は、器具コントローラ120及びコントローラ230、232、234の間のCAN−busインタフェース又は任意の他の高速インタフェースであることができる。他の実施形態では、コントローラ230、232、234は、器具コントローラ120と一体化され、又は、器具コントローラ120の一部を形成することができる。
【0059】
電源140は、モータ220、222、224に、例えば、24VDCの電力信号を提供するものである。24VDC信号は、コントローラ230、232、234を介してモータ220、222、224に印加される。各コントローラ230、232、234は、選択的にモータを起動するように、相補的モータ220、222、224にそれぞれ電力信号を選択的に提供する。このモータ220、222、224の選択的な起動により、切断アクセサリ202の位置が決まることになる。電源140は、また、コントローラ内部の要素に加電するように、コントローラ230、232、234に電力を供給している。電源140は、例えば、12VDC、40VDC等の他のタイプの電力信号を提供することができることが理解されるべきである。
【0060】
モータ220、222、224は、バー
ヘッド204が制約境界111に接近し、一致し、又は、これを越えたときに、切断アクセサリ202、ひいては、バーヘッド204を移動させるようになっている。例えば、器具コントローラ120は、バー
ヘッド204が骨を除去するにつれて制約境界111を越えることを決定することができる。その応答として、器具コントローラ120は、バーヘッド204を制約境界111から遠ざけるように移動させる切断アクセサリ202の偏位を生じさせる信号をコントローラ230、232又は234の少なくとも1つに伝送している。
【0061】
本発明の一態様では、モータ220、222、224は、ブラシレスDCサーボモータである。1つのサーボモータは、フロリダ州クリアウォータのマイクロモ(部品番号 1628T024B K1155)から入手できる。各サーボモータは、器具コントローラ120に信号を返送する3つの集積リニアホールセンサ(図示せず)を含んでいる。これらの信号のレベルは、関連するモータのロータの回転位置に応じて変化するものである。これらのホール効果センサは、ロータから検出される磁界に基づくアナログ信号を出力するようになっている。上記モータでは、センサは、ロータの回りで相互に120度離間している。典型的にはモータのホール効果センサに加電させる5VDCの低電圧信号が、ホール効果センサが配置されるモータ220、222又は224に関連するコントローラ230、232又は234から供給されるようになっている。
【0062】
各モータ220、222、224の内部のホール効果センサからの出力信号は、それぞれ、関連するコントローラ230、232、234に印加される。各コントローラ230、232、234は、受信した信号のレベルの変化を監視している。これらの信号に基づき、コントローラ230、232又は234は、ロータ位置を決定している。ここで、「ロータ位置」は、初期又はホーム位置からのロータの回転角度であると理解される。モータのロータは、複数の360度回転を受けることができる。したがって、ロータ位置は、360度を越えることができる。各モータのコントローラ230、232、234は、ホーム位置からのロータ位置を表す「カウント」と呼ばれるスカラー値を保持している。モータのロータは、時計回り及び反時計回り方向の双方に回転するようになっている。複数のアナログ信号の信号レベルが既定の状態変化を経るごとに、コントローラ
230、232、234は、ロータ位置の円弧運動(arcuate)変化を示すように、カウントを増加又は減少させている。モータのロータの完全な360度回転ごとに、関連するモータのコントローラ230、232、234は、決まったカウント数だけカウントの値を増加又は減少させている。本発明のいくつかの態様では、カウントは、ロータの360度回転ごとに1500〜2500だけ増加又は減少されている。
【0063】
各コントローラ230、232、234の内部にはカウンタ(図示せず)がある。カウンタは、コントローラ230、232又は234により増加又は減少されたカウントの累積数に等しい値を記憶している。カウント値は、正、ゼロ、又は負であることができる。
【0064】
図2〜
図8を参照すると、手術器具200の種々の図が示されている。これは、保護カバー240a、240bを有する器具200(
図2〜
図5)と、保護カバー240a、240bを有さない器具200(
図6〜
図8)の図を含んでいる。保護カバー240a、240bは、器具200の上部アセンブリ300のハウジングの2つの半体ハウジングである。上部アセンブリ300は、切断アクセサリ202を駆動する駆動アセンブリ314を含んでいる。カバー240a、240bは、上部アセンブリ300のどちらかの側に配置されており、締結具等によって固定されている。他の実施形態では、保護カバー240a、240bは、単一片のカバー又はハウジング(図示せず)で置換することが可能である。
【0065】
上部アセンブリ300に加え、器具200は、ハンドルアセンブリ500、シェル670及びブラケットアセンブリ700を備えている。駆動アセンブリ314は、手持ち部分、例えば、ハンドルアセンブリ500に連結されている。駆動アセンブリ314は、ハンドルアセンブリ500にスライド可能に連結されている。ブラケットアセンブリ700及びシェル670は、ハンドルアセンブリ500に固定されている。切断アクセサリ202は、上部アセンブリ300から遠位側に前方に延びている。ハンドルアセンブリ500は、ユーザにより手動で操作されるピストルグリップ型のハンドル502及びトリガ208を含んでいる。他の実施形態は、鉛筆グリップ等の異なるグリップ型の代替的なハンドルを有している。
【0066】
B.上部アセンブリ
図9〜
図17、
図24及び
図41を参照すると、器具200の上部アセンブリ300の種々の図が示されている。上部アセンブリ300、より詳細には、駆動アセンブリ314は、作業部分、例えば、切断アクセサリ202を支持している。以下に更に説明するように、上部アセンブリ300及び切断アクセサリ202は、複数の自由度で手持ち部分、例えば、ハンドルアセンブリ500に対して移動するようになっている。
【0067】
駆動機構201は、手持ち部分、例えば、ハンドルアセンブリ500に対して少なくとも1つの自由度で移動するようになっている。詳細には、駆動モータ206は、手持ち部分に対して少なくとも2つの自由度で動作し、より詳細には、手持ち部分に対して少なくとも3つの自由度で動作するようになっている。アクチュエータのうちの少なくとも1つが、手持ち部分に対して、ピッチ、ヨー及び軸Zに沿う並進方向に駆動機構201及び駆動モータ206を移動させるようになっている。詳細には、モータ220、222及び224は、手持ち部分に対して、それぞれ、ピッチ、ヨー及び軸Zに沿う並進方向に駆動機構201及び駆動モータ206を移動させるようになっている。
【0068】
図18〜
図27及び
図56に最も良く示されるように、複数のアクチュエータ、例えば、モータ220、222、224は、手持ち部分に対して、ピッチ、ヨー及び軸Zに沿う並進を含む少なくとも3つの自由度で作業部分を移動させることが可能である。これらの個々の自由度は、
図18〜
図20(ピッチ)、
図21〜
図23(ヨー)及び
図37〜
図39(z軸)に最も良く示されている。
図24〜
図27は、ピッチ及びヨーについての可能な位置の例を示し、
図56は、3つ全ての自由度を表現したときの結果としての動作範囲を示す。さらに、作業部分、すなわち、切断アクセサリ202がバー
ヘッド204を有する実施形態では、駆動モータ
206は、手持ち部分に対して4つの自由度で動作し、すなわち、駆動モータ
206は、バー
ヘッド204を回転させている。
【0069】
上部アセンブリ300は、例えば、
図17で特定されるようなキャリア302を含んでいる。キャリア302は、ハンドルアセンブリ500にスライド可能に取り付けられている。キャリア302は、しばしばアルミニウムで形成される単一片金属構造の形態である。キャリア302は、矩形フレームの形態のベース305を有するように成形されている。キャリア302の一部でもあるライザ307がベースの近位側端部から垂直に上方に延びている。フランジ303は、ベース305の対向する外側縁部に沿って外方に延びている。フランジ303は、ハンドルアセンブリ500に形成されたチャネル504に乗り入れている。
図43に見られるように、キャリア302は、キャリッジベース305の下向き面から上方に延びる細長いスロット317を有するように更に形成されている。スロット317は、断面形状が半円であり、ベースの全長に延びている。スロット317は、スロットベース305の下向き面に沿って延びる縦軸上で中央に位置している。
【0070】
図17を参照すると、ジンバルハウジング306がキャリアベース305に取り付けられている。ジンバルハウジング306は、モータ206をキャリア302に旋回可能に固定するように、モータ206の回りに配置されたジンバル304を保持している。作業部分、例えば、切断アクセサリ202は、手持ち部分、例えば、ハンドルアセンブリ500に対して少なくとも2つの自由度でジンバル304の回りで移動するようになっている。詳細には、作業部分は、ジンバル304の回りで、ピッチ及びヨー方向に調整可能である。ジンバル304は、手持ち部分、例えば、ハンドルアセンブリ500に対して軸Zに沿って移動可能である。
【0071】
ジンバル304は、その対向端部が除去された球の外形を有するリング形状の構造である。ジンバル304は、切断アクセサリ202が2つの軸の回りで旋回できるように、上部アセンブリ300に切断アクセサリ202を保持する。より具体的には、モータ206及び連結アセンブリ207は、ジンバル304に強固に取り付けられた器具200の構成部分である。ジンバル304は、切断アクセサリ202、モータ206及び連結アセンブリ207からなるサブアセンブリの重心の付近に位置している。これにより、サブアセンブリが旋回するときの質量慣性モーメントが最小となり、所与の印加トルクに対する角加速度が最大となる。
【0072】
続けて
図17を参照すると、ジンバルハウジング306は、上部カラー308及び下部カラー310を有している。カラー308及び310は、いずれも概略U字形状である。上部カラー308は、締結具301により下部カラー310に取り付けられている。締結具309は、下部カラー310をキャリアベース305に取り付けられている。カラー308及び310の対向する内面は、球を通るスライス断面に合致する形状の表面を有している。ジンバル304は、カラー308及び310の間で挟まれている。ジンバルハウジング306及びジンバル304は、ジンバルの横及び縦移動を阻止し、かつ、ジンバルハウジング306を通って延びる縦軸に対して2つの自由度でモータ
206及び切断アクセサリ202の旋回を許容するよう集合的に成形されている。
【0073】
締結具424は、ハウジング306を通る縦軸の回りのロール方向でのジンバルハウジング306に対する
ジンバル304の回転を防ぐものである。締結具424は、上部カラー308に取り付けられたときに、ジンバル304のスロット425に一致する遠位側突起を有している。スロット425は、ジンバル304に沿って縦に延びている。締結具424のステムのスロット425への着座は、切断アクセサリ202のピッチ及びヨー調整を許容しつつ、ジンバル304、ひいては、切断アクセサリ202の回転を阻止している。
【0074】
続けて
図17を参照すると、上部アセンブリ300は、切断アクセサリ202のピッチを設定するピッチ調整機構312を含んでいる。ここで、「ピッチ」は、ジンバルハウジング306の中央を通る水平面に対する切断アクセサリ202の縦軸
又は回転軸Rの上下の角度方位である。ヨー調整機構412は、切断アクセサリ202のヨーを設定するものである。「ヨー」は、ジンバルハウジング
306の中央を通る垂直面に対する切断アクセサリ202の縦軸
又は回転軸Rの左右の角度方位である。ピッチ調整機構312及びヨー調整機構412は、それぞれ、切断アクセサリ202のピッチ及びヨーを同時に調整するように動かされている。ピッチ調整機構312及びヨー調整機構412は、独立調整も可能である。
【0075】
ピッチ調整機構312は、3面構造の揺動アームと呼ばれることがあるリンク316を含んでいる。リンク316は、ベース319を含み、ベース319から一対の平行アーム318が遠位側外方に延びている。リンク316は、ベース319がキャリアライザ307の近位側に位置し、アーム318の自由端が、
下部カラー310の対向側に対して位置するように配置されている。各アーム318の外側端部は、深座ぐり穴321を備えた穴320を有している。フランジ付きベアリング322が各穴320及び深座ぐり穴321に着座している。ネジ324が各ベアリング322を通って延びている。このネジ
324は、フランジ付きベアリング322をアーム318に保持するヘッド326を有している。各ネジ324は、また、下部カラー
310の隣接側部に形成された対応するネジ山付き穴330に係合するネジ山付きシャフト328を有している。リンク316は、同軸のネジ324を通る軸の回りでジンバルハウジング306に対して旋回するようになっている。この軸は、ジンバル304の中央を通って延びている。
【0076】
リンクベース319は、細長いスロット332を有するように形成されている。スロット332は、モータ206の近位側端から延びるガイドポスト334を収めている。ガイドポスト334は、切断アクセサリ202のヨーが調整されるときにスロット332に乗り入れられている。ピッチが調整されるとき、ガイドポスト334は、リンク316により、バー
ヘッド204を所望のピッチ位置に配置するように移動されることになる。スロット332は、切断アクセサリ202のヨーが変化したときにガイドポスト334がスロット332内で自由にスライドすることをなお許容しつつ、スロット332の幅に渡ってガイドポスト334に対して比較的余裕のない公差で寸法決めされている。本発明の一態様では、ガイドポスト334は、0.4cmの直径を有し、スロット334に渡る幅は、約0.01mm〜0.05mmより広い。スロット334に渡る長さは、約2.1cmである。
【0077】
ピッチ調整機構312は、モータ220により駆動される送りネジ336を含んでいる。送りネジ336は、形状が円筒状の対向する第1のステム338及び第2のステム340をそれぞれ有している。ステム338及び340は、ネジ山が形成された(ネジ山は示されていない)ネジ本体339の対向側に位置している。各ネジステム338及び340は、別個のベアリング342に着座している。ベアリング342は、キャリア302に形成された対向する同軸穴344、345に位置する。1つの穴、すなわち穴344が、ライザ307の部分に形成されている。第2の穴、すなわち穴345が、キャリアベース305に形成されている。端部プラグ346は、ベアリング342及び送りネジ336をキャリア302に固定するように、ライザ307に形成された穴344の回りの相手となる内部ネジ山347に通されている。
【0078】
平歯車348は、2つのネジステムのうちの上側のものであるステム338上に固定されている。ギアがステム
338と一体で回転するように、固定ネジ(特定されていない)が平歯車348をステム338に保持している。平歯車348は、平歯車352の歯と噛合する歯を有している。平歯車352は、固定ネジ(特定されていない)によりピッチモータ220の出力シャフト354に固定されている。
図17Aは、送りネジ336を通る断面を示している。取付ブラケット358は、締結具360でキャリアライザ307の近位側向き面にモータ220を固定している。詳細には、キャリアライザ307は、ライザ
307の近位側向き面から内側に延びる弧状の凹部362を有するように形成されている。凹部362は、円筒形状のモータ220の部分を収める形状を有している。取付ブラケット358は、キャリアライザ307の外方に延びるモータ220の部分の回りに着座するように、形状が弧状である。
【0079】
ピッチ調整機構312は、ヨークアセンブリ364を更に有している。ヨークアセンブリ364は、矩形バー366を有している。バー366は、バー366を通って縦に延び、その開口のみが見える細長い穴372を有するように形成されている。ネジ山付き締結具374が送りネジ336に隣接してリンク316のアーム318の外面にバー366を固定している。図示されていないが、バー366には、隣接するアーム318に対して配置されたバー366の面から外方に突起するリブが形成されていてもよい。このリブは、バー366の幅よりも小さい差し渡し幅を有している。リンクアーム318には、リブの緊密な着座を可能にする幅を有する溝が形成されている。このリブ−溝着座構成(rib−in−groove)は、リンクへのバー366の固定を容易にするものである。このリブは、また、穴372をリンクアーム318の比較的近くに配置することを可能にするものである。
【0080】
ヨークアセンブリ364は、3面ヨーク368を更に含んでいる。ロッド370は、ヨーク
368と一体であり、ヨーク368から遠位側前方に延びている。ロッド370は、形状が円筒状である。ロッド370は、バー366の内部の穴372にスライド可能に配置されている。ナット376は、ヨーク368に旋回可能に取り付けられている。ナット376は、対向するトラニオン377を有するように形成されている。各トラニオン377は、ヨーク368の側部に取り付けられたベアリングアセンブリ379に着座している(
図17A参照)。ナット376は、送りネジ336と噛合する内部ネジ山を有している。
【0081】
切断アクセサリ202は、作動モータ220によりY軸に沿って上下に旋回するようになっている。結果としてのモータの出力シャフト354の回転は、ギア352及び348を介して伝達され、送りネジ336の同様の回転を生じさせている。ナット376は、ヨーク368に取り付けられている。ヨーク368は、ロッド370を介してリンク316に取り付けられている。ナット376のリンク316への取り付けの結果、ナット376は、回転を阻止されることになる。したがって、送りネジ336の回転は、送りネジ336を上下させるナット376の動きを生じさせることになる。このナット376の変位は、リンク316の同様の変位を生じさせるロッド370の変位を生じさせている。この変位の間、ヨーク368は、ナットのトラニオン377の回りで旋回している。ロッド370は、プレート366内部の穴372に対して自由にスライドして出入りするようになっている。シャフトに隣接するブラケットの部分の上下変位の結果、リンク316は、ベアリング322を通る軸の回りで旋回することになる。ピッチ調整部316が旋回するとき、ガイドポスト334は、同様の変位をするように力を受ける。このガイドポストの変位が、モータ206及び切断アクセサリ202に同様の旋回を行わせている。リンク316及びガイドポスト334の下向き旋回により、
バーヘッド204の上向き旋回を生じさせることになる
ことが理解されるべきである。
【0082】
送りネジ本体339は、逆駆動を防ぐ精密ピッチ及びリード角を有している(すなわち、セルフロックである)。その結果、バー
ヘッド204に掛かる負荷は、モータ220を逆駆動させない。一実施形態では、送りネジ本体339は、0.125インチ(0.318cm)の直径を有し、0.024インチ/回転(0.061cm/回転)のリードを有している。このような送りネジの1つは、コネチカット州ウォータバリーのハイドン カーク モーション ソリューション インコーポレーテッドから入手可能である。
【0083】
磁石380は、リンクアーム318のうちの1つの外側面に画定された一対のポケット(特定されていない)に取り付けられている。プレート384は、磁石380をポケットに保持するように締結具(特定されていない)によりアーム318に取り付けられている。磁石380は、
第1の磁石のN極及び第2の磁石のS極がプレート384に隣接するように、アーム318に取り付けられている。磁石380は、X軸上で切断アクセサリ202のゼロ(又は「ホーム」)位置を確立するように使用されている。
【0084】
ヨー調整機構412は、リンク316と形状が類似のリンク416を含んでいる。
図17からは明らかではないが、
図11及び
図12に見られるように、リンク416は、リンク316の遠位側前方に配置されている。リンク416は、ベース419を含み、ベース419から一対の平行なアーム418が遠位側前方に延びている。各アーム418の第1の端部は、深座ぐり穴421を備えた穴420を有している。フランジ付きベアリング422が各穴420及び深座ぐり穴421に支持されている。
フランジ付きベアリング422に着座する締結具である締結具424は、フランジ付きベアリング422を上に位置するアーム418に保持するヘッド426を有している。締結具424は、また、上部カラー308に形成された対応するネジ山付き穴430に係合するネジ山付きシャフト428を有している。締結具424と類似であるが同一ではない締結具425は、下に位置するアームを下部カラー310に対して保持している。締結具425は、下部カラー310に形成された穴内に延びている(穴は特定されていない)。リンク416は、フランジ付きベアリング422により規定される軸の回りでキャリア302に対して自由に旋回可能である。この軸は、ジンバル304の中心を通って延びている。
【0085】
細長いスロット432が、リンクベース419に形成されている。スロット432は、リンクベース419の縦軸上で中心に位置し、リンクベース419の縦軸に沿って延びている。スロット432は、リンク316と一体のスロット332と同様に、モータ206の近位側端から延びるガイドポスト334を収めている。スロット432は、約2.0cmの長さを有している。リンク416のピッチがリンク316のヨーよりも大きいため、スロット432は、両端長さがリンク316と一体のスロット332よりも僅かに小さい。したがって、切断アクセサリ202の遠位側端の同じ上/下及び左/右の円弧運動を確保するように、リンク416の左右へのポスト334の移動は、リンク316に対する上下へのポスト334の移動よりも小さくあるべきである。スロット432を横切る両側間幅は、スロット332を横切る両側間幅に概略等しい。ガイドポスト334は、切断アクセサリ202のピッチが調整されるときに、スロット432内で自由に上下に移動するようになっている。切断アクセサリ202のヨーが調整されるときは、ガイドポスト334は、バー
ヘッド204を所望の位置に配置するように、ヨー調整機構412により移動されることになる。スロット432は、切断アクセサリ202のピッチが器具コントローラ120により変更されたときにガイドポスト334がスロット432内で自由にスライドすることをなお許容しつつ、スロット432の幅に渡ってガイドポスト334に対して比較的余裕のない公差で寸法決めされている。
【0086】
ヨー調整機構412は、モータ222により回転される送りネジ436を含んでいる。送りネジ436は、対向する第1のステム438及び第2のステム440をそれぞれ有している。ステム438、440は、形状が円筒状である。
送りネジ436は、ステム438、440の間に位置するネジ山付き部分439を有している。ステム438、440は、(その間にブシュ(符号付与されていない)を有する)2つのベアリング442により回転可能に支持されている。ベアリング442は、キャリア302に形成された対向する穴444、445内に位置している。ベアリング442及び送りネジ436をキャリア302に固定するように、端部プラグ446が、キャリア302の相手の内部ネジ447に通されている。第1のステム438は、固定ネジ(特定されていない)によりネジ436に固定された平歯車448を支持している。平歯車448は、平歯車452の歯と噛合する歯を有している。平歯車452は、固定ネジ(特定されていない)によりヨーモータ222の出力シャフト454に固定されている。
図17Bは、送りネジ436を通る断面図を示している。
【0087】
取付ブラケット458は、締結具(特定されていない)でキャリア302にモータ222を固定するものである。特に、キャリアベース305の近位側端部には、円筒形状のモータ222の部分を収める円弧状凹部462が形成されている。取付ブラケット458は、モータ
222を所定の位置に保持するようにキャリア
302を越えて延びるモータの部分の上に着座する円弧形状を有している。
【0088】
ヨー調整機構412は、リンク416に取り付けられたヨークアセンブリ464を更に有している。ヨークアセンブリ464は、矩形形状のバー466を有している。バー466は、バー466を通って縦に延び、その開口のみが見える穴472を有するように形成されている。バー466は、締結具(特定されていない)によりリンク416の2つのアーム418のうちの下側のものの外面に固定されている。バー466は、穴472がアーム
418に向くように隣接するアーム418に固定されている。バー466は、バー366と同一であることができる。したがって、隣接するリンクアーム418は、バー466と一体のリブを収める凹部を有することが可能である。
【0089】
ヨークアセンブリ464は、3面ヨーク468を含んでいる。ヨーク468と一体の円筒状ロッド470は、ヨーク
468の遠位側に前方に延びている。ロッド470は、バー466と隣接するリンクアーム418との間で穴472にスライド可能に配置されている。
【0090】
ナット376と同一のナット476は、トラニオン477によってヨーク468に旋回可能に取り付けられている。各トラニオン477は、ヨーク468の側部に取り付けられたベアリングアセンブリ内に着座している。ナット476は、送りネジ436のネジ山と一致する内部ネジ山を有している。ヨーク468及びロッド470によるリンク416へのナット476の接続は、ナット476の回転を防いでいる。したがって、送りネジ436の回転は、ネジ436に沿うナット476の左右の動きを生じさせることになる。ヨーク468、ひいては、ロッド470は、ナット476の移動とともに左右に移動することになる。リンク416及びバー466にスライド可能に連結したロッド470は、リンク416に同様の変位を行わせるものである。これらの構成部品の移動の間、ヨーク468がナットのトラニオン477の回りで旋回し、ロッド470がバーの穴472にスライドして出入することが理解されるべきである。リンク416は、ジンバルハウジング306に旋回可能に取り付けられているため、リンク416の左右の変位は、ベアリング422を通る軸の回りでリンク416を旋回させることになる。このリンク416の旋回は、ガイドポスト334が同様の左右の移動を行うように付勢している。ガイドポスト334の変位は、
バーヘッド204の反対の左右の旋回を生じさせることになる。
【0091】
送りネジのネジ山付き部分
439及び相補的なヨークナット476は、逆駆動を防ぐための精密ピッチ及びリード角を有している(すなわち、セルフロックである)。その結果、バー
ヘッド204に掛かる大きい負荷は、ヨーモータ222の望ましくない逆駆動を生じさせないことはなくなる。本発明の一実施形態では、送りネジ436は、送りネジ336と同一である。
【0092】
磁石480は、アーム418のうちの1つの外面に画定された一対のポケット(特定されていない)に取り付けられている。矩形のプレート484は、一対の締結具(特定されていない)によりアーム418に取り付けられている。プレート484は、ポケットに磁石480を保持している。磁石480は、1つの磁石
480のN極及び第2の磁石
480のS極がいずれもプレート484に向くようにアーム418に取り付けられている。磁石480は、Y軸に沿う切断アクセサリ202のホーム位置を確立するのに使用されている。
【0093】
ブラケット488は、締結具490によりキャリア302に固定されている。ブラケット488は、キャリアベース305の上面に取り付けられている。ブラケット488の中央は開口している。ブラケット
488は、2つのポケット、すなわちポケット394及びポケット494を有するように形成されている。ポケット394は、キャリアベース305の直上に位置している。ポケット494は、キャリアベース305の更に上に離間している。手術器具200の組み立ての際に、モータ206は、ブラケット
488に着座し、ブラケット
488を通って延びている。それぞれリンク316、416のアーム318、418は、いずれも、ブラケット488の外側に位置している。磁石380を保持するリンクアーム318は、ポケット394に隣接して位置している。磁石480を保持するリンクアーム418は、ポケット494に隣接して位置している。ホール効果センサ392、492は、それぞれ、ポケット394、494に取り付けられている。ホール効果センサ394からの信号は、磁石380の接近度に応じて変化するようになっている。ホール効果センサ494からの信号は、磁石490の接近度に応じて変化するようになっている。
【0094】
ホール効果センサ392及び492から出力されるアナログ信号は、それぞれ、モータコントローラ230及びモータコントローラ232に印加されるようになっている。各モータコントローラ230、232は、関連するアナログのホールセンサ信号が印加される(図示されない)アナログ−デジタルコンバータを有している。モータコントローラ230、232は、ホール効果センサ392、492からの信号のデジタル表示をそれぞれコントローラ120に送っている。
【0095】
図18〜
図27は、切断アクセサリ202の種々のピッチ位置及びヨー位置を示している。これらの図から、送りネジ336がモータ220と平行であることを理解することができる。送りネジ436はモータ222と平行である。器具200の構成部品のこの配置は、器具200の全体のサイズを最小化させることになる。
【0096】
C.ハンドルアセンブリ
ここでは、
図28〜
図37を参照してハンドルアセンブリ500が説明されている。ハンドルアセンブリ500は、キャリア302をスライド可能に支持している。キャリア302のスライド移動は、器具200の縦軸Z(z軸とも称される)に沿う切断アクセサリ202の直線的な調整を生じさせることになる。ハンドルアセンブリ500は、ハンドル502、トリガアセンブリ506及び直線調整機構513を有している。
【0097】
ハンドル502は、中空で、モータ224が配置されるキャビティ503を画定している。ハンドル502の上部は壁510である。ハンドル502の手把持部分は、壁510から下方に延びている(descends)。壁510には、キャビティ503に延びる開口505(
図37に特定されている)が形成されている。ハンドル502は、開口505の下に位置し、キャビティ503の部分を画定する2つのステップ509及び511(
図50で最も良く見える)を有するように更に形成されている。2つのステップのうちのより近位側のステップ509は、壁510に最も近い。ステップ511は、ステップ509から遠位側に前方に延び、ステップ509の下に位置している。ネジ山付き穴515は、ステップ511の基部から下方に延びている。
【0098】
図34に示されるように、細長いレール508がハンドル壁510の上部の対向側部に沿って縦に延びている。各レール508は、溝512を画定するように成形されている。ハンドル502は、溝512が相互に向き合うように形成されている。ベアリングストリップ又はライナ514が溝512内に嵌合している。ベアリングストリップ514は、対応するキャリアフランジ303を収めるチャネル504を画定するようにチャネル形状を有している。キャリアフランジ303は、キャリア302の重量がベアリングライナ514により担持されるように、ベアリングライナ514内で支持されている。ベアリングライナ514は、好ましくは、ベアリングライナ514内でのキャリアフランジ303の滑動を容易にすべく、低摩擦材料で形成されている。このような材料は、ロードアイランド州イーストプロビデンスのイグス インコーポレイテッドによるiglide(商標)等の高性能ポリマを含むことができる。ネジ
517は、ネジ位置(示されていない)でライナ514内のフラットに係合することでベアリングライナ514を所定の位置に保持している。
【0099】
キャリアフランジ303がライナ514内で前後にスライドできる一方、理想的には、ハンドル502に対するキャリア300の上下又は左右移動がないように、キャリア300、ハンドル502及びライナ514は、総体的に設計されている。詳細には、ライナ514の外径が、ライナ514が着座するレール溝512の径よりも僅かに小さいように、ハンドル502及びライナ514は設計される。本発明のいくつかの態様では、レール溝512の径は、ライナ514の径よりも約0.02mmから0.12mmの間だけ大きい。ライナ514は、約4.78mmの外径を有する。キャリアフランジ303が着座するライナ514の対向面間の距離も、フランジ303の対向外面間の距離よりも僅かに小さい。この差は、約0.05mm〜0.15mmの間である。これらの特徴は、総体的に、ライナ514内でのキャリアフランジ303の上下及び左右の遊びを最小化するものである。
【0100】
ハンドル502は、図
36で特定されるように、壁510と一体で壁510の上に位置する2つの離間した同軸スリーブ523を有している。1つのスリーブ523は、壁510の近位側端から前方に延びている。第2のスリーブ523は、壁510の遠位側端から近位側後方に延びている。各スリーブ523は、穴524を有するように形成されている。
【0101】
図36を参照すると、直線調整機構513は、モータ224により回転される送りネジ516を含んでいる。ネジ516は、それぞれ形状が円筒形の対向する第1のステム518及び第2のステム520を有している。ネジ516は、ステム518、520の間に位置するネジ山付き本体519を有している。ベアリング522は、送りネジ516をスリーブ523に保持している。2つのベアリング522は、各ネジステム部分518、520上に配置されている。ベアリング522の各対は、スリーブ穴524のうちの1つの中に位置している。ベアリング522及び送りネジ516をハンドル502に固定するように、端部プラグ526及び528が穴524の内部ネジ山に通されている(穴のネジ山は、特定されていない)。端部プラグ526は、最も遠位側のスリーブ523の遠位側端部に配置されている。端部プラグ528は、近位側スリーブ523の近位側端部に配置されている。
【0102】
ベアリング522内では、ブシュ530、532が、それぞれ、ネジステム518、520の周囲に配置されている。ブシュ530は、送りネジ516のネジ山付き本体519の端部に隣接する環状の外方に延びるフランジ534を有している。ブシュ532は、ブシュの近位側端部に位置する傘歯車536と一体に形成されている。傘歯車536は、固定ネジ(1つだけが示されている)によりネジステム520に固定されている。傘歯車536は、別の相補的な傘歯車540の歯と噛合する歯を有している。相補的な傘歯車540は、固定ネジ(特定されていない)によりモータ224の出力シャフト542に固定されている。傘歯車536、540は、それらの対応する歯が噛合してモータ224の作動の際に送りネジ516を回転させるように配置されている。
【0103】
取付ブラケット546は、締結具548でハンドル502にモータ224を固定している。特に、ハンドル502は、キャビティ503内に、モータ224の円筒形状の外壁の一部を収める(
図49に示すような)弧状の凹部550を有している。取付ブラケット546は、ハンドル
502の隣接する内面から離れる方に延びるモータ224の一部の上に着座するように、弧状に成形されている。
【0104】
ナット552が
図35Aに示すキャリアスロット317に配置されている。ナット552は、中央の円筒状本体(特定されていない)を有し、当該本体から2つのウィング557(
図38に特定されている)が延びている。ナット552は、ウィング557が共通平面の面を有するように形成されている。この共通平面の面の一部は、ナット552の本体を横切って延びている。ナット552は、ウィング557がスロット317の対向側において、キャリアベース502の面に対して配置されるように位置している。締結具553
(図35B)は、ナット
552をキャリア302に保持するように、ウィング557の開口及びキャリアベース305の相補的な開口を通って延びている(ナット及びキャリアの開口は、特定されていない)。ナット552は、送りネジ516のネジ山と歯合する内部ネジ山を有している。ナット552は、キャリア302に強固に取り付けられているため、ナット
552が回転しないことを理解すべきである。したがって、送りネジ516の回転は、ハンドル502に対するナット552、ひいては、キャリア302及び取り付けられた構成部品の移動を生じさせることになる。
【0105】
ナット552が送りネジ516に沿って移動するとき、キャリアフランジ303は、
ベアリングライナ514内で自由にスライドすることが可能である。送りネジ516に沿うナット552の変位の間に、上部アセンブリ300の全質量がハンドル502に対して移動することになる。送りネジ516は、逆駆動を防ぐ精密ピッチ及びリード角を有している(すなわち、セルフロックである)。その結果、バー
ヘッド204に掛かる大きい負荷は、軸モータ224の望ましくない逆駆動を生じさせないことになる。一実施形態では、送りネジ516は、ネジ336、436と同じ直径であり、同じリードを有している。
【0106】
ここで
図35及び
図35Bを参照して説明される磁石ホルダー560は、ハンドルキャビティ503内に配置されている。磁石ホルダー560は、ビーム559及び該ビームの下に位置する足561を含む単一片ユニットである。足561は、足561の近位側端がビーム559の近位側端の前方に位置し、ビーム559の遠位側端がビーム559の遠位側端の後方に位置するように、ビーム559に対する長さを有している。閉鎖された端部穴563(1つが特定されている)がビーム559の各端部を通って延びている。穴563は、ビーム559の下側から開口し、ビーム559の縦軸に対して垂直な縦軸を有している。器具200が組み立てられると、磁石ホルダービーム559の近位側端は、ハンドルステップ509に着座し、足561がステップ511に着座することになる。締結具565がビーム559及びステップ511を通ってハンドル穴515に延び、磁石ホルダー560をハンドル502に固定している。磁石556は、各ホルダー穴563に取り付けられている。磁石556は、1つの磁石
556のN極及び第2の磁石
556のS極がいずれもキャリッジ302に向くようにホルダー560に取り付けられている。
【0107】
プレート564は、キャリア302にナット552を取り付けるのと同じ締結具553でナット552に固定されている。プレート564は、ナットのウィング557の共通の平面状の外面に対して配置されている。ホール効果センサ566がプレート564に形成されポケット567に据え付けられている。センサ566は、磁石556により生成される磁界へのセンサ566の接近度に応じた信号を出力するようになっている。センサ566により出力されたアナログ信号は、コントローラ234に印加されるようになっている。コントローラ234は、この信号をデジタル化し、デジタル化した信号を器具コントローラ120に送るものである。
【0108】
トリガアセンブリ506は、トリガ208を含んでいる。トリガ208は、トリガハウジング570内でスライドするようになっている。トリガハウジング570は、締結具(特定されていない)でハンドル502に取り付けられている。トリガ208は、ユーザの指で押される形状のヘッド(特定されていない)を有している。ステム574は、トリガヘッドから後方に延びている。
【0109】
トリガステム574は、トリガシャフト578の穴576の内側に位置している。固定ネジは、トリガシャフト578の内側にステム574を保持している。トリガシャフト578は、トリガハウジング570のより大きい穴582内でスライドする大きさにされた概略円筒形状のヘッド580を有している。ヘッド580は、その上部にリブ584を有している。リブ584は、ヘッド580のフラット上に形成される。リブ584は、穴582の延長としてトリガハウジング570の内側に画定された対応する溝588内に上方に延びている。リブ584は、トリガハウジング570に対するトリガシャフト578の回転を防ぐために、溝588内でスライドするようになっている。
【0110】
スプリングピン594は、ハンドル502の円筒形状のポケット590に位置している。特に、スプリングピン594は、ポケット590に位置するヘッド592を有している。ピンシャフトは、ヘッド592からトリガシャフト578の対応する形状の穴598の前方へ延びている。スプリング600は、少なくとも部分的に穴598に位置している。スプリング600は、トリガシャフト578の内部端壁とスプリングピン594のヘッド592の間に位置している。スプリング600は、トリガシャフト578をハンドル502から離れるように付勢している。
【0111】
トリガシャフト578は、その下側の磁石ポケットを更に画定している。磁石606は、好ましくは接着剤で、磁石ポケットに固定されている。トリガハウジング570は、溝588の反対側にセンサポケットを画定している。
【0112】
ホール効果センサ610は、好ましくは接着剤で、センサポケットに固定されている。ホール効果センサ610は、ホール効果センサ610からの磁石606の距離に基づいて、器具コントローラ120に可変信号を返信するようになっている。したがって、器具コントローラ120は、ユーザによるトリガ208の押し込み量を決定できる。データ接続133は、モータ206及び器具ドライバ130の間の電力信号及び制御信号を伝送するだけでなく、ホール効果センサ610から器具コンソール130への信号もまた伝送するようになっている。
【0113】
図37〜
図39は、ハンドル502に対する軸Zに沿うナット552(及びキャリア302)の種々のZ軸位置を示している。
【0114】
D.ワイヤーの取り付け
ここで
図40〜
図45を参照して説明するように、キャリア302は、多数の穴を含み、それら穴を通して配線が引き回されている。これらの配線(図示せず)は、これらの配線を介してセンサ信号が受信され、かつ、電力信号がキャリア302に取り付けられた種々の構成部品に印加される配線である。キャリアベース305は、一対の縦の貫通穴612を画定している。各貫通穴612は、フランジ303のうちの個々の1つ上及び内側に位置している。好ましくはプラスチックで形成されるガイドチューブ614が各貫通穴612の内側に位置している。1つのチューブ614の内部のルーメン615は、モータ220に延びる8本の配線の導管として機能している。第2のチューブ614を通るルーメン615は、モータ222に接続する8本の配線のルーメンとして機能している。組立の間、ガイドチューブ614は、穴612の一端に挿入されるようになっている。プラグチューブ616は、各穴612の対向端を閉鎖するものである。各ガイドチューブ614は、関連する穴612に配置された第1の端部と、キャリアベース305の近位側向きの面に当接するヘッド618を備えた第2の端部を有している。
図44に示すように、各ガイドチューブ614は、キャリア穴612内に配置された端部である遠位側端部に足617があるように成形されている。チューブ
614の本体と同じ弧状寸法を有する足617は、チューブ
614の本体の内側面と一致する面を有している(面は特定されていない)。チューブ本体の端部から遠位側に前方に延びるにつれ、この足の面は下方に湾曲している。
【0115】
2つの孔620がキャリアベース
305の上面311から下方に延びている。孔620は、断面形状が楕円形である。各孔620は、隣接する穴612の内側に位置し、隣接する穴612に交わらないようになっている。キャリアベース305は、2つの対向するポケット636を有するように更に形成されている。各ポケット636は、キャリア
302の側面313から内側へ延びている。各ポケット636は、貫通穴612のうちの一方及び隣接する孔620と交差している。プラスチックのスリーブ622は、各孔620に着座している。各スリーブ622は、孔620に滑合する寸法の管状本体630を有している。スリーブ本体630は、貫通穴632を有している。フランジ628は、本体
630の上端から放射状に外方へ延びている。フランジ628は、キャリアベースの上面311と同一平面にスリーブ
622を保持するように、孔620の周りの深座ぐり穴に着座している。プラグ624は、各ポケット636に着座している。各プラグ624には、中間穴634が形成されている。スリーブ622と隣接するプラグ624がキャリアベース305に嵌め込まれたときに、プラグの中間穴
634は、スリーブ穴632と一緒に整列されている。また、一対のスリーブ626がキャリア302に取り付けられている。各スリーブ626は、キャリア302の底面表面315のうちの1つから上方に延びる穴(特定されていない)に着座している。各スリーブ626は、関連するキャリア穴620に隣接し、関連するキャリア穴620の内側へ位置している。各スリーブ626もまた、関連する穴612と交差するように位置している。スリーブ626の外面は、キャリアベース305の底面315と同一平面である。各スリーブ626は、上部穴632及び中間穴634と整列する底部穴638を有するように形成されている。プラグ622、624、626は、接着剤及び/又は圧入により所定の位置に保持されている。全てのプラグ622、624、626は、好ましくはプラスチックから形成されている。
【0116】
図46〜
図50は、ハンドル502の内部の中空空間を示し、該ハンドル
502の中空空間を通して配線が引き回されるようになっている。これらの中空空間は、一対の配線トラフ640を含んでいる。トラフ640は、ハンドル
502の頂部の壁510から内側に延びる平行の凹部である。各トラフ640は、キャリア302に延びる配線の束を保持している(配線の束は特定されていない)。配線の束は、切断アクセサリ202及びホール
効果センサ392、492、566を旋回させる器具モータ206、及びモータ220、224に延びる配線を含んでいる。
【0117】
トリガ208及びモータ226に関連する配線同様、キャリア302を通って延びる配線は、ハンドルキャビティ503を通って延びている。今度は
図52及び
図53を参照して説明されるキャビティ503内に配置される配線分別具642は、配線を固定状態に保持している。
図53を参照すると、配線分別具642は、ハンドルキャビティ503に滑合する寸法のヘッド650を有している。ヘッド650は、キャビティ
503を通る縦軸に対して垂直の平面に配置されている。複数の開口644がヘッド
650を通って上から下に延びている。開口644は、個々の配線及び配線の束がキャビティ5
03を通過する導管として機能している。各開口644には、ネジ山付きリテーナ648及びフェルール646が配置されている。脚652は、ヘッド650から下方へ延びている。本発明の図示の態様では、ヘッド650を通る上下軸に対して垂直な平面において、ヘッド
650は形状が楕円形である。脚652は、ヘッド
650の対向する平行側部から下方へ延びている。足654は、各脚652の自由端から外方に延びている。配線分別具の足
654は、分別具ヘッド650の位置をハンドルキャビティ503内で固定するように、下端シェル蓋674(
図54)の周囲の内側ステップに接着固定されている。
【0118】
配線分別具642は、ハンドル502を通る配線の束の損傷緩和をもたらすものである。プラスチックで形成されるフェルール646は、配線の束を適所に保持している。
図53Aに最も良く見えるフェルール646は、テーパの付いた前部及びネジ山付きリテーナ648によりテーパの付いた前部に付与される推力を介して分別具の開口644内で圧縮されている。ネジ山付きリテーナ648がそのテーパの付いた孔にフェルールのテーパの付いた先端を押し込むとき、各フェルール646が直径方向へ圧縮するように、各フェルール646には、その全長に沿って溝が付けられている。図では明示されていないが、各フェルール
646の径は、フェルール
646が着座する開口の径に比例している。
【0119】
E.シェル
図54を参照すると、シェル670は、ハンドル502の底部に取り付けられている。シェル670は、コントローラ230、232、234を収容している。シェル670は、コントローラ230、232及び234が配置される矩形のケース676を含んでいる。ケース676は、頂部が開口している。蓋674は、ケース
676の開口した頂部端上に固定されている。蓋674は、締結具672でハンドル502の底部に取り付けられている。ケース
676の内部には、形状が柱状の支柱675を有している。コントローラ230、232、234は、ケース
676内で他のものの上に積み重ねられている。一組の支柱675は、ケース
676の底から最下部のコントローラを離して保持している。第2の組の支柱は、最下部のコントローラから中間のコントローラを離して保持している。第3の組の支柱675は、中間のコントローラから最上部のコントローラを離して保持している。モータ220、222、224並びにホール
効果センサ392、492、566からの配線は、コントローラ230、232、234で終端している。
【0120】
代替実施形態では、コントローラ230、232、234は、コントロールユニット120に取り付けられており、器具200上には取り付けられていない。本発明のこれらの実施形態は、シェル670を含まない。
【0121】
F.トラッカブラケット
図55を参照すると、必要な場合に、ブラケットアセンブリ700が、トラッキング装置114を保持するように、ハンドル502に取り付けられている。代替的な実施形態では、トラッキング装置114のLEDが器具200に組み込まれてブラケットアセンブリ700の必要性を解消している。
【0122】
ブラケットアセンブリ700は、略U字形状のブラケット701を含んでいる。ブラケット701は、ウェブ704から下方へ延びる一対の平行取付アーム702を有している。各取付アーム702の端部は、整列ピン706によりハンドル502と整列されている。締結具708は、ハンドル502に取付アーム702を保持している。トラッキング装置114は、ハンドル502に固定されるように設計されている。
【0123】
ブラケットウェブ704には、ネジ穴710が形成されている。ブロック712がウェブ704上に配置されている。ネジ山付き締結具716がブロック712の穴713を通ってウェブ穴710に延びている。締結具716は、ブロック
712がウェブ穴710を通る軸の回りで回転できるように、ブロック712をブラケット701に保持している。締結具
716の長さはブロック712よりも長い。ワッシャ718が締結具716のヘッドの直下に位置している(締結具のヘッドは、特定されていない)。締結具716は、ブロック712を固定した方位に固定するように、ブロック
712がブラケットウェブ704とワッシャ718との間でクランプされるように締め付けられている。
【0124】
締結具716はブロック712の方位を調整するため、緩められるようになっている。バネ720は、ワッシャ718の下で締結具716の周りに延びている。バネ
720の対向端は、ブロックの穴713の内側のブロック
712内のステップ(図示せず)に対して着座している。ブロック712の回転方位を調整するために締結具716が緩められたとき、バネ720は、ワッシャ718とブロック
712内のステップとの間で圧縮状態にある。この圧縮力は、締結具716を緩めたときのブロック712の自由回転を阻止している。
【0125】
図示しないが、本発明のいくつかの態様では、ブラケットウェブ704には、穴710から外方に放射する弧状に離間した歯が形成される。隣接するブロック712の底面には、相補的な歯が形成されている。ブロック
712の回転位置の設定位置の一部として、ブロック
712は、ブロックの歯がブラケットウェブ704の相補的な歯の間に差し込まれるようにセットされている。この歯と歯との係合は、固定状態のときのブロック
712の回転移動を更に防止することに役立っている。
【0126】
第2のブロックであるブロック722は、ブロック712に回転可能に取り付けられている。ブロック722は、ブロック712の側面である面714に当接するよう配置されている。ブロック722には、ブロック
722を軸方向に通る貫通穴723が形成されている。ブロック712には、面714の中央から内側に延びる第2の穴(図示せず)が形成されている。この第2の穴はブロックの穴713に対して垂直である。同一でないとしても締結具716と類似の締結具726は、ブロックの穴723を通ってブロック712の第2の穴に延びている。締結具726は、ブロック722が締結具716の周りで回転できるように、ブロック722をブロック712に保持している。ワッシャ728は、締結具726のヘッドとブロック722との間に位置している。締結具716を締めると、ブロック722は、ブロック712とワッシャ718との間でクランプされることになる。
【0127】
図示されないが、ブロック712、722には、相補的な歯が形成されている。ブロック712と一体の歯は、ブロックの面714に形成された穴から放射状に外方へ延びている。ブロック722と一体の歯は、ブロック712に着座するブロック722の面に形成されている。ブロック722の回転方位を固定する過程の一部として、ブロック722が回転されると、ブロック722と一体の歯がブロック712の面714に形成された歯の間で係合するようになっている。この歯と歯の間の係合は、ブロック722をブロック712に更に固定するものである。
【0128】
バネ730は、締結具726の周りに配置されている。バネ730は、ワッシャ728からブロックの穴723に
延びている。バネ730は、ブロックの穴723の内部のステップに対して着座している。締結具726を緩めると、バネ730は、ブロック722の自由な回転を阻止する力をブロック722に印加することになる。
【0129】
ブロック722には、第2の穴である穴724が更に形成されている。穴724は、穴273に向かってブロック
722の側面のうちの1つを通って延びている。フィティング732は、穴724に圧入されている。フィティング732は、トラッカのフィティング
732への取り外し可能な取り付けを容易にする本発明と関係のない特徴を有することが可能である。
【0130】
ブロック712は、ブラケットアーム702の間の縦軸の周りで回転するようになっている。ブロック722は、ブロック712がその周りで回転する軸に垂直な軸の周りで回転するようになっている。そのため、この配置は、フィティング732に取り付けられたトラッカの位置を2つの回転自由度で選択的に配置することを可能にするものである。これは、ナビゲーションユニット108のカメラ110に良好な見通し線を確保するため、トラッカを向けることができることを容易にするものである。
【0131】
本発明の図示された態様では、1つのブラケットアーム702にネジ穴730が設けられている。第2のアーム
702には、ネジ穴740が設けられている。穴730、740は、いずれも締結具716を収めるよう設計されている。図示されないが、ブラケットアーム702には、ウェブの穴710の周りに設けられた歯と類似の穴730、740の周りの歯が設けられている。したがって、これらの構造的特徴が、ブロック712、722をブラケットアーム702のどちらか一方に取り付けることを可能にしている。これは、もし、そのような配置がローカライザと見通し線の関係を確保するためのトラッカの最適な配置及び方位決めを容易にするのであれば、ブラケットアーム702のどちらかにトラッカを取り付けることを可能にするものである。
【0132】
IV.登録、較正及びホーミング
図58を参照すると、システムの操作の準備に向けて取られる基本的ステップが示されている(システムは、トラッキング、制御システム100及び器具200と考えられる)。第1のステップ800では、システムが電源投入される。システムを操作するソフトウェアアプリケーションは、ステップ802で開始する。ステップ804及び806では、トラッカ114、116並びにポインタ(図示せず)が初期化され、トラッカ116及び114は、目標の骨(例えば、大腿骨102)及び器具200に配置される。
【0133】
トラッカ116が大腿骨102に取り付けられると、大腿骨102(及び任意の他の骨又は組織)は、当業者に知られた登録技術を用いてステップ808で登録される。これは、トラッキングされたポインタデバイスで大腿骨102の或る特定の表面又は目標にタッチすることをユーザに要求することができる。いくつかの実施形態では、これは、ポインタデバイスの選択ボタンを押しながら、大腿骨102の表面のいくつかの点をタッチすることをユーザに要求する。これにより、大腿骨102の術前又は術中画像とマッチングするように、システム内で表面上の点が「ペイント」される。この大腿骨102の術前画像又は術中画像は、ナビゲーションコンピュータにロードされる。大腿骨102のトラッキングされた部分は、術前画像に登録される。ひいては、これにより、大腿骨102が動くにつれて、トラッキング及び制御システム100が、ディスプレイ113(及び/又はディスプレイ1402)上で、術前画像に基づいて骨の実際の位置及び方位の画像を表示することを可能にする。
【0134】
ステップ810では、作業境界106が規定される。器具コンピュータ120上で動作するソフトウェアは、作業境界106の初期的定義を生成する。ユーザは、典型的には、必要となる場合があるように、作業領域106の配置を調整する能力及び選択肢を有している。いくつかの実施形態では、術前画像が取られ、大腿骨102又は他の組織の3Dモデルが生成された後ではあるが、患者の手術の準備が整う前等の手術前に作業境界106が規定される。このように、作業境界106は、術前又は術中に既定されることができる。
【0135】
ステップ812の較正の手順では、トラッキング装置114の方位及び位置が、ディボット507(
図3)の固定された既知の位置を参照してハンドル502に対して較正される。トラッキング装置114が器具200に一体化された実施形態では、LED又は他の伝送器の相対位置が既知のため、このような較正は不要であろう。
【0136】
ポインタ装置は、トラッキング装置116に目標の骨102を登録するように使用される。
【0137】
図56及び
図58を参照すると、ステップ814のホーミング手順は、バーヘッドの遠位側端部であるアクセサリ遠位側端
バーヘッド204のホーム位置を確立する。このプロセスは、キャリッジ302並びにリンク316、416の初期位置を確立する。最初に、このプロセスでは、モータ220、222、224内のロータの角度位置を示す累積カウントを記憶するコントローラ230、232、234内のカウンタがゼロにセットされる。
【0138】
キャリッジ302が軸Zに沿うホーム位置にセットされるプロセスを最初に説明する。このプロセスの開始ステップでは、コントローラ120が、関連するモータ224を起動するようにモータコントローラ234に指示する。最初に、モータ224は、キャリッジ302の前方への遠位側への移動を生じさせるように、送りネジ519を回転するように作動される。この時間、モータコントローラ234は、モータ224内のホール効果センサからの信号を監視する。コントローラ234は、出力シャフト542の総回転度数を示すカウンタのカウントを維持する。本発明のいくつかの構成では、モータのロータの遠位側への移動を生じさせるモータのロータの回転に関連する各増分カウントは、正の増分カウントである。キャリッジの近位側への移動を生じさせるロータの回転に関連する各減分カウントは、負の減分カウントである。キャリッジ302の変位の結果、センサ566は、ハンドル502に取り付けられた2つの磁石556のうちの遠位側のものに向けて前進する。遠位側の磁石556に向かうセンサ566の移動の結果、センサからの出力信号が変化する。
【0139】
キャリッジ302のこの変位中、コントローラ234は、ホール効果センサ566により出力される信号のデジタル化された表示をコントローラ120に送信する。このプロセスの間にコントローラ234からコントローラ120に更に送信されるものは、モータのロータの回転位置を示す累積カウントデータである。
【0140】
コントローラ120は、コントローラ234と一体のカウンタからのデータを第1の閾値と比較する。この第1の閾値は、センサ566がハンドル502に沿う規定の位置にあるときにホール効果センサ566が出力する信号を示す信号レベルである。このキャリッジ
302の位置は、遠位側のホーミング位置と考えることができる。センサ566からの信号がこの第1の閾値レベルに至ったとき、コントローラ120は、コントローラ234に、モータ224への加電信号の印加を終了するよう指示する。これは、キャリッジ302の遠位側への前進を停止させる。コントローラ120は、カウンタからの現在の累積カウント値を記憶する。
【0141】
コントローラ120は、その後、加電信号を印加するようにモータコントローラ234に指示し、この加電信号はモータ224に印加され、モータがキャリッジ302を近位側に変位させる。キャリッジ302のこの変位の間、コントローラ234は、ロータを回転させる角度を示す負の増分カウントを生成する。これらの負のカウントは、カウンタに印加されたとき、累積カウントを減少させる。カウンタに記憶される累積カウントは、ゼロ又は負の値に減少することができる。キャリッジ302のこの変位中、モータコントローラ234は、再度、ホール効果センサ566からの出力信号のデジタル表示及びカウンタ内のデータをコントローラ120に送信する。
【0142】
キャリッジ302をハンドル502に沿って近位側のホーミング位置に移動させるように、モータ224が作動される。キャリッジ302の変位の結果、ホール
効果センサ566により出力される信号は、キャリッジ302が遠位側の磁石556から離れ、近位側の磁石556に向かって移動するに従ってレベルを変化させる。コントローラ120は、ホール効果センサ566からの信号を第2の閾値レベルと比較する。この第2の閾値レベルは、キャリッジ302が近位側のホーミング位置にあるときに信号センサ566が出力するレベルである。キャリッジ302が近位側のホーミング位置にあることを信号の比較が示すとき、コントローラ120は、モータ
224の作動を終了するようにコントローラ234に指示する。このとき、コントローラ120は更に、コントローラ234の内部のカウンタからのカウントデータを記憶する。
【0143】
このとき、コントローラ120は、キャリッジ
302を最初に遠位側のホーミング位置に移動させ、その後、近位側のホーミング位置に移動させるのに必要なモータのロータの角度位置を示す累積カウントをデータとして記憶している。これらの2つのカウント間の絶対差が計算される。この差は2で割られる。この値は、モータ234と一体のロータが、現在の位置からキャリッジ302をハンドル502上でホーム位置に中央に位置させるように、回されなければならないカウンタ数を表す。例えば、このプロセスでは、コンピュータは、キャリッジ302が遠位側のホーミング位置にあるときにはカウントは250であり;近位側のホーミング位置にあるときにはカウント値は−148であった:という指示を受信することができる。これらのカウント値の差は398である。この差の半分は199である。
【0144】
この変位カウントが計算されると、コントローラ120は、現在のカウント値にこの値を加算する。本例では、−148+199=51である。この数は、目標位置と称される。このホーミングプロセスの間、この目標位置は、モータ234と一体のロータが、キャリッジ302を軸Zホーム位置まで変位させるように回転すべき角度位置を表す累積カウントに等しい正又は負の数である。コントローラ120は、この目標位置をモータコントローラ234に送信する。モータコントローラ234は、今度は、この目標位置で示されるこのカウントに向けてロータを回転させるように加電信号をモータ
224に印加する。その結果のモータのロータの回転の間、モータのホール効果センサの値の変化は、コントローラのカウンタに記憶されるカウント値に増分増加を生じさせるカウントの出力を生じさせる。
【0145】
このステップの間、モータコントローラ234は、カウンタに記憶された累積カウントを目標位置により表されるカウントと比較する。これらの2つの値が等しいとき、コントローラ234は、モータ224への加電信号の印加を終了する。モータのロータ、ひいては、送りネジ516のこの回転は、送りネジ516に沿うキャリッジナット552の変位を生じさせることが理解されるべきである。ナット552のこの移動は、キャリッジ302及び切断アクセサリ202をこれら自身の軸Zに沿うホーム位置に移動させるものである。
【0146】
モータ220、222は、同様の態様で、切断アクセサリ202をX軸及びY軸に沿うホーム位置に配置するように作動される。詳細には、モータ220は、リンク316を反対の上下のホーミング位置の間で旋回させるように作動される。このプロセスの間、ホール効果センサ392からの信号は、磁石380の変位の結果として、変化する。このホール信号のデジタル表示は、コントローラ230からのカウント値とともに、コントローラ120に出力される。このホール効果センサ392からの信号は、リンク316がいつ閾値位置に到達したかを決定するように、2つの閾値信号レベルの間で比較される。リンク316がこれらの2つの位置にあるときのモータのロータからの累積カウントの差が決定される。累積カウントの差は、2で割られる。得られた商は、現在のカウント値に加算されて目標位置が生成される。この目標位置は、目標とされた累積カウントと等しい正又は負の数である。この目標とされた累積カウントは、リンク316のホーム位置へのリンク316の移動を生じさせるようにモータのロータが回転することが必要な角度位置に比例する。
【0147】
目標位置は、コントローラ120からコントローラ230に出力される。コントローラ230は、モータのロータの回転を生じさせる加電信号をモータ220に印加する。このロータの回転は、コントローラ230内のカウンタにより維持されるカウントを目標位置の累積カウントに到達せしめる。累積カウントが目標位置に等しいと一旦コントローラ230が決定すると、コントローラ230は、モータ220への加電信号の印加を終了する。送りネジ336の回転及びそれによるナット376の変位は、リンク316をそのホーム位置に旋回せしめる。このリンク316のホーム位置への旋回は、今度は、切断アクセサリ
202のそのX軸に沿うホーム位置への同様の旋回を生じさせる。
【0148】
切断アクセサリ202をそのY軸上のホーム位置に移動させるように、モータ222は、反対の左右のホーミング位置の間でリンク416を旋回させるように作動される。このプロセスの間、ホール効果センサ492からの信号は、磁石480のセンサ
492への/からの移動に応じて変化する。このホーミングプロセスの間、コントローラ232は、ホール効果センサ492からの出力信号のデジタル化された表示;及びモータのロータの回転の結果としてのコントローラ232により維持されるカウント値をコントローラ120に供給する。例として、モータ222は、リンク416を最初に左のホーミング位置に旋回させるように最初に作動される。コントローラ120は、ホール効果センサ492からの信号を第1の閾値レベルと比較する。この比較は、リンク
416がいつ左のホーミング位置に到達したかを決定するように行われる。モータ222は、その後、リンク
416を右のホーミング位置に旋回させるように作動される。コントローラ120は、ホール効果センサ492からの信号が第2の閾値レベルに到達したときに、リンク
416が第2のホーミング位置にあると認識する。
【0149】
コントローラ120は、その後、リンク416が右及び左のホーミング位置にあるときからのカウント値の差を計算する。このカウント値の差は、2で割られる。得られた商は、現在の累積カウントに加算される。この和が、リンク416をそのホーム位置に中央に位置させるようにモータ222の内部のロータが回転する必要のある角度位置を示すカウント値である。このカウント値は、モータ222の内部のロータに関連する現在のカウント値に加算される。コントローラ120は、この目標位置をコントローラ232に出力する。
【0150】
この目標位置の受信に応答して、コントローラ232は、ロータの回転を生じさせる加電信号をモータ222に印加する。より詳細には、ロータは、目標位置への累積カウントの増加又は減少を生じさせるカウントをモータ222と一体のホール効果センサが出力するように、ロータが回転される。一旦、累積カウントが目標位置に等しいとコントローラ232が判断すると、コンピュータは、モータ222への加電信号の印加を終了する。このプロセスの間、モータのロータ及び送りネジ436の回転は、ナット476の変位及びリンク416の旋回を生じさせることになる。リンク416は、そのホーム位置に旋回し、これにより、切断アクセサリ202のY軸に沿う切断アクセサリホーム位置への同様の旋回が生じる。
【0151】
各コントローラ230、232、234は、そのコントローラと関連するロータのカウントがいつ目標位置に到達したかをコントローラ120に通知する。コントローラ120は、これらの状態データを切断アクセサリ202がホーム位置にあることの表示として受け取る。一旦、切断アクセサリ202がX軸、Y軸及びZ軸上で中央に位置すると、コントローラ120は、ロータのカウンタ値を維持するモータコントローラ230、232、234内のカウンタをゼロ設定する。
【0152】
一旦、切断アクセサリ202がホーム位置になると、ナビゲーションポインタが切断アクセサリ
202の遠位側端
であるバーヘッド204の位置を決定するように使用されることが可能となる。このように、システム100は、ホーム位置にあるバーヘッド204の位置及びその手持ち部分の位置及び方位との関係を知ることになる。したがって、手持ち部分がユーザによって移動され、その位置及び方位がトラッカ114を用いてトラッキングされると、システム100は、バーヘッド204の位置もトラッキングする。本発明の他の態様では、以前の較正プロセスの結果として、器具200に対する切断アクセサリ202の遠位側端部の位置が既知とみなされる。
【0153】
登録、較正及びホーミング(使用される場合)が完了すると、ナビゲーションユニット108は、目標の骨102及び目標体積104に対するバーヘッド204の空間位置を決定できる。器具200は、ステップ816で、物質の目標体積104の境界抑制された切断の準備ができる。
【0154】
V.器具制御
ホーミングプロセスの後、器具200のコントローラ120による制御は、(1)ナビゲーションコンピュータ112からの位置及び方位データ;(2)コントローラ230、232、234からの累積カウント;及びトリガ208が作動された程度を示す3つの信号に基づいている。
【0155】
図56に示すように、手術器具
200は、バーヘッド204のX(ピッチ)、Y(ヨー)及びZ軸のそれぞれにおける少なくとも±0.2インチ(±0.508cm)の変位を生じさせる切断アクセサリ202の変位を可能にするよう設計されている。換言すれば、作業部分の遠位側チップ
すなわちバーヘッド204は、各複数の自由度において少なくとも0.4インチ(1.016cm)の総変位が可能である。別の実施形態では、例えば、作業部分の遠位側チップ
、例えば、バー
ヘッド204は、各複数の自由度において、0.2インチ(0.508cm)の総変位、すなわち、±0.1インチ(±0.254cm)が可能である。他の実施形態では、例えば、作業部分の遠位側チップ
は、少なくとも0.5インチ(1.27cm)、すなわち、±0.25インチ(±0.635cm);少なくとも1.0インチ(2.54cm)、すなわち、±0.5インチ(±1.27cm);少なくとも1.5インチ(3.81cm)、すなわち、±0.75インチ(±1.905cm);少なくとも2.0インチ(5.08cm)、すなわち、±1.0インチ(±2.54cm)、少なくとも2.4インチ(6.096cm)、すなわち、±1.2インチ(±3.048cm)又は少なくとも3.0インチ(7.62cm)、すなわち、±1.5インチ(±3.81cm)、又はそれ以上の総変位が可能である。本発明の多くの態様では、X軸に沿うバーヘッド204の変位は、Z軸に沿う変位に等しいY軸に沿う変位に等しい。
【0156】
切断アクセサリ202の通常の動作位置は、ホーム位置である。上記動作範囲データは、バーの中心に対して与えられている。本発明の多くの態様で、バーヘッド204がホーム位置にあるときに、バーヘッド204は、それぞれX軸、Y軸及びZ軸である上下、左右、軸に沿う遠位側/近位側に等しい距離を移動できるようになっている。バーヘッド204の潜在変位が各軸に沿って等しい場合、バーヘッド204は、ホーム位置にあるときに、制御システム100により規定される移動範囲を表す球の中心にあると考えることができる。この球の外縁は、ホーム位置から離れるバーヘッド204の潜在的移動の外部境界である。以下に述べるように、器具コントローラ120は、バー
ヘッド204が境界111に交わり又はこれを越えたときに、バーヘッド204を制約境界111から遠ざけている。この偏位は、切断アクセサリ202がそれに沿って変位することができる軸の任意の1つ、2つ又は3つに沿うものである。
【0157】
図59を参照すると、器具200を制御するように器具コンピュータ120により行われるステップの例示的なフローチャートが示されている。ステップ900で、目標の骨102及び器具200の最新の位置がナビゲーションコンピュータ112から器具コントローラ120にデータ接続121を介して伝送される。ステップ902では、これらのデータを用い、器具コントローラ120は、自由空間における作業境界、制約境界111及びバーヘッド204の位置を決定する。ステップ902の一部として、制約境界
111に対するバーヘッド204の相対位置も計算される。ステップ904では、器具コントローラ120は、バー
ヘッド204が適用される組織に対するバー
ヘッド204の位置でナビゲーションGUI(ディスプレイ113)を更新する。作業境界106の位置の表示もまた提供されることができる。
【0158】
制約境界111に対するバーヘッド204の位置には関係なく、バーヘッド204が組織に押し当てられたとき、バーヘッド204は組織の抵抗にさらされる。この抵抗は、医者が器具200を前方に移動させたことの結果として医者がバーヘッド204に与える力に対する反作用である。組織の抵抗は、本質的に、医者が切断アクセサリ202に与えた前方への力の反作用で切断アクセサリ202に課される力である。この力は、組織が骨等の硬くて柔軟性のない組織である場合に顕著である。
【0159】
上記のとおり、送りネジ336、436、516及び相補的ナット376、476、552は、それぞれ、精密にネジ切りされている。この精密なネジ切りは、送りネジの縦軸に平行な力がナットに掛かったときの関連するナット376、476又は552の変位を防ぐものである。例として、切断アクセサリ202の縦軸が骨の表面に対して垂直になるようにバーヘッド204が骨の表面に対して押された時に、骨の抵抗は、切断アクセサリ202に対する戻し力となる。この戻し力は、連結アセンブリ207及びジンバル304を通してキャリッジ302に伝達される。ひいては、この戻し力は、キャリッジナット552を近位側に後方に押そうとする。しかし、精密なピッチでの送りネジ516へのナット552の係合は、ナット552のこの近位側への変位を阻止し、ロックアウトすることになる。このナット552の後方移動に対するロックアウトは、キャリッジ302、したがって、切断アクセサリ202による同様の後方移動のロックアウトを生じることになる。この送りネジ516の移動のロックアウトは、出力シャフト542又はモータ224のロータの逆駆動を同様に阻止することが同様に理解されるべきである。
【0160】
同様に、送りネジ336へのナット376の精密ピッチの係合は、X軸に沿う切断アクセサリ202の意図しない変位をロックアウトすることになる。送りネジ436へのナット476の精密ピッチの係合は、Y軸に沿う切断アクセサリ202の意図しない変位をロックアウトすることになる。また、この送りネジ376、476のロックアウトは、それぞれ、モータ220及び222の逆駆動を防ぐことになる。
【0161】
ステップ906では、アクション、すなわち、バー
ヘッド204の移動、バー
ヘッド204の回転速度の変更、バー
ヘッド204の停止等を取ることが必要かを判断するように、制約境界111に対するバーヘッド204の重心の相対位置がコントローラ120により評価される。ディスプレイ1402(下記参照)もまた、器具コントローラ120により更新されることができる。
【0162】
ステップ908に示されるように、器具コントローラ120は、モータコントローラ230、232、234に対して指示データパケットを送信するようになっている。これらの指示データパケットは、コントローラが関連するモータ220、222、224のロータの目標位置を含んでいる。ここで、各目標位置は、関連するモータのロータの目標累積カウントを表す正又は負の数である。この目標累積カウントは、コントローラにより制御されるモータ220、222又は224と一体のロータについてのホーム位置からの、モータのロータの目標角度位置に比例している。
【0163】
器具コントローラ120は、これらの指示データパケットを、0.5ミリ秒〜4ミリ秒ごとに1パケットの速度で生成して各モータコントローラ230、232又は234に送信するようになっている。本発明の多くの態様では、各コントローラ230、232、234は、少なくとも2ミリ秒ごとに1度指示パケットを受信するようになっている。
【0164】
ステップ910に示すように、器具コントローラ120は、また、制約境界
111に対するバーヘッド204の相対位置に基づいて器具の速度を選択的に規制している。
【0165】
ステップ912では、視覚的なフィードバックが、器具200に位置し、データを器具コントローラ120に送信し、器具コントローラ120から受信するように器具コントローラ120にデータ接続1002で別個に配線されたディスプレイにより外科医に提供される。
【0166】
これらのステップは、ステップ914で反復される。
【0167】
図60及び
図61を参照すると、作業境界106が面(
図60)又は体積(
図61)としてモデル化されることができる。作業境界106をモデル化するのに面が使用された場合、面は、三角、四辺形、NURBS等に碁盤目状にすることができる。他方、作業境界106が体積としてモデル化された場合、体積は、立方体のボクセル又は他の平行六面体形状のボクセルにより表すことができる。
【0168】
図62及び
図63を参照すると、作業境界106及び制約境界111に関する器具200の動作が示されている。ここで、手術器具200は、いわゆる受動モードで操作される。受動モードでは、システム100は、作業境界106に対するバーヘッド204の位置を監視する。バーヘッド204がこの境界106に接近し、又は、交ったときに、システム100は、切断アクセサリ202の位置を偏位させ、及び/又は、モータ206の速度を低下させるようになっている。
【0169】
図62において、バーヘッド204は、制約境界111から離間している。このとき、コントローラ120は、バーヘッド204をホーム位置に維持する。手術器具200がこの状態のとき、器具コントローラ120は、ゼロの目標位置を示すデータパケットを連続的にモータコントローラ230、232、234に送信する。切断アクセサリ202が既にホーム位置にあると仮定すると、コントローラ230、232、234により維持される現在の累積カウントは、既にゼロである。目標位置が現在のゼロ値の累積カウントと等しいとすると、コントローラ230、232、234は、それぞれ、モータ220、222、224を作動させない。したがって、切断アクセサリ202は、ホーム位置に保持されることになる。
【0170】
バーヘッド204が組織に対して前進すると、ヘッド204は、
図63に示すように、ついには作業境界106と接触することになる。器具コントローラ120は、ナビゲーション108への接続を介して、バーヘッド204の重心が制約境界111に交差したとの決定の結果として、バーヘッド204がこの位置にあることを認識することになる。バーヘッド204がこの位置にあることの結果として、器具コントローラ120は、バーヘッド204の新しい位置である制約境界111に垂直な偏位位置を計算する。この偏位位置は、ホーム位置から離間している。詳細には、アルゴリズム又は他のプロセスを用いて、器具コントローラ120は、バーヘッド204の偏位位置を計算している。この偏位位置は、器具200の基準フレームを参照して計算される。この偏位位置は、ホーム位置に対するX軸、Y軸及びZ軸に沿う距離の組として定量化されている。
【0171】
器具コントローラ120は、その後、切断アクセサリ202を偏位位置に再配置するようにモータ220、222、224と一体のロータが回転しなければならない一組の目標位置カウントを生成する。目標のモータのロータの角度位置は、以下の関係に基づいて決定される。
1)切断アクセサリ202の上下及び左右の旋回の間、切断アクセサリ202は、ジンバル304の中心の回りで旋回するレバーとして機能する。このレバーの一端は、バーヘッド204である。このレバーの対向端は、ナット376又は476である。これは、ナット376又は476の変位が、それぞれ、切断アクセサリ202の上下又は左右の旋回を生じさせるからである。バーヘッド204をそのホーム位置からX軸又はY軸上で旋回させるように、各ナット376、476がナットのホーム位置から変位する必要がある程度の間には、概略一次の相関がある。切断アクセサリ202を軸Zに沿って変位させるには、キャリッジ302、ひいては、キャリッジナット552が前方又は後方に同距離変位される必要がある。したがって、ナット552のそのホーム位置からの変位とバーヘッド204の軸Zに沿う変位との間には、直線相関がある。(X軸又はY軸上での切断アクセサリ202の旋回の結果、バーヘッド204のZ軸上でのホーム位置からのいくらかの変位がある。この変位は、バーヘッド204を偏位位置に配置するようにバーヘッド204の個々のX軸変位、Y軸変位及びZ軸変位を決定するのに使用されるアルゴリズムにおいて考慮される。)
2)各送りネジ336、436、516の回転角度と送りネジに取り付けられたナットであって、それぞれ、ナット376、476、552の線形変位との間には、一次の相関がある。
3)各モータ220、222、224のロータの回転角度とロータにギア連結接続された送りネジであって、それぞれ、送りネジ336、436、516との間には、一次の相関がある。
4)各モータ220、222、224のロータが回転する角度と、その位置を示すそれぞれ関連するコントローラ230、232、234により維持される累積カウントとの間には、一次の相関がある。
【0172】
上記関係に基づき、一旦、コントローラ120がX軸、Y軸及びZ軸上でのバーヘッド204の偏位位置を決定すると、コンピュータは、各モータのロータの目標位置を決定する。コントローラ120は、これらの目標位置を含むパケットをモータコントローラ230、232、234に伝送する。これらの目標位置に基づいて、各モータコントローラ230、232、234は、それぞれ関連するモータ220、222、224に適切な加電信号を印加する。これらの加電信号は、バーヘッド204を意図した偏位位置に変位させるキャリッジ302、リンク316及びリンク416の再配置を生じさせるロータの回転を生じさせる。
【0173】
時間的に、バーヘッド204をホーム位置から約2cm離れた偏位位置まで変位させるのに、典型的には、約40m秒かかる。この時間の間、医者は、ハンドピース200に前方への力をなおも掛けている。このように、しばしば、バーヘッド204が適用される骨の表面からバーヘッド204が完全に退くよりむしろ、バーヘッド204は、骨に対して押し当たったままになる。しかし、バーヘッド204の偏位の結果、バーヘッド204は、あるとしても、最小量のみ作業境界106を超える。バーヘッド204が作業境界106を越えるとしても、組織が成形される形状に対して許容可能な公差レベル内の距離だけ境界106を越えて進むだけである。その代わりに、制約境界111に垂直な線に沿うバーヘッド204の変位
の結果、バーヘッド204は、作業境界106において骨と接触した状態に保たれることになる。このように、バーヘッド204が組織を除去し続けるが、除去される組織は、医者が組織を除去したい骨の部分内のものである。
【0174】
システム100が受動モードで操作されるとき、モータ206への加電信号の印加は、コントローラ120及び器具ドライバ130により連携して規制される。最初に、器具ドライバ130の制御を設定することで、外科医は、モータ206の最大速度を確立する。システム100が受動モードで作動する時間を通して、ステップ908のプロセスで、コントローラ120は、器具ドライバ130に指示パケットを送信する。これらのパケットは、モータ206が動作すべき外科医が確立した最大速度のパーセンテージを示している。コントローラ120が、切断アクセサリ202を偏位する必要がないと判断する限り、これらの指示パケットは、モータが確立された最大速度の100%で動作することを示している。
【0175】
これらの指示パケットが受信される限り、トリガ208の押下があった指示をいつ器具ドライバ130が受信しても、ドライバは、モータ206を最大速度で動作させる加電信号を出力する。システムが以下に述べる手動モードで動作している場合に、ドライバがモータ206を最大速度未満の速度で動作させる加電信号を出力するようなトリガの押下があったとしても、器具ドライバ130は、この動作を行うことになる。
【0176】
図64に示す発明の態様では、コントローラ120は、モータ206の速度を、バーヘッド204がホーム位置から偏位される程度に応じて選択的に低下させ、すなわち、制御システム100は、医療施術の間、作業部分のホーム位置からの逸脱をトラッキングするようになっている。ここで、コントローラ120は、コンピュータがバーヘッド204をホーム位置から偏位させる必要がないと判断する限り、モータ速度を低下させる指示を生成しない。換言すれば、作業部分は、作業部分がホーム位置にあるときには最大切断速度で動作可能であり、制御システム100は、作業部分がホーム位置から逸脱したときに作業部分の切断速度を低下させることになる。詳細には、以下に更に説明するように、作業部分が仮想境界、例えば、制御システム100で規定された作業境界106を越えたときに、作業部分はホーム位置から逸脱して、作業部分を仮想境界から離れるように偏位させることになる。換言すれば、作業部分は、作業境界106を越える組織の除去を防ぐために、組織の作業境界106から離れるように偏位することになる。
【0177】
制御システム100は、この逸脱に基づいて作業部分の切断速度を低下させている。モータ206の速度制御は、1)医者により設定された最大速度、2)医者によるトリガ208の押下、3)全偏位のパーセンテージ、4)速度プロファイルの形状、すなわち
図64を含むいくつかの因子に基づいている。コンピュータがバーヘッド204についての偏位位置を決定することが必要なときは、コントローラ120は、バーヘッド204の偏位のパーセンテージを決定する。この偏位は、バーヘッド204の可能な最大逸れ(diversion)に対する必要な逸れの比例比較に基づく。本発明の一態様では、可能な最大逸れは、切断アクセサリ202のホーム位置から可能な総偏位の外部範囲までの距離である。個々のX軸、Y軸及びZ軸のうちのどの1つに沿っても、この距離は、その軸に沿う切断アクセサリ202の実際の可能な最大逸れよりも小さい場合がある。
【0178】
計算されたバーヘッド204の必要な逸れが可能な最大偏位の既定のパーセンテージ未満である限り、コントローラ120は、モータ速度を低下させる指示を生成しない状態を続ける。一旦、計算されたバーヘッド204の偏位が最大偏位の閾値パーセンテージを越えると、コントローラ120は、モータ速度を低下させ始める。
図64の例では、閾値パーセンテージは最大偏位の40%である。システム100がこの状態のとき、コントローラ120は、モータ206が確立された最大速度の100%未満で駆動されるべきことを示す指示パケットをドライバ130に伝送する。これらの指示パケットは、モータ206に対するユーザ設定速度の100%未満の速度でモータ206が動作することになる加電信号をモータ206に印加することをコンソール130に指示する。コントローラ120は、モータ206が動作すべきユーザ設定速度のパーセンテージを可能な最大偏位に対するバーヘッド204の計算された偏位のパーセンテージに応じて決定する。
図64の速度プロファイルでは、計算された偏位が可能な最大偏位の90%に到達したときに、コントローラ120は、モータ206を切断するようにコンソール130に指示する。偏位が可能な最大偏位の40%から90%に増加するにつれ、コントローラ120は、モータ速度がユーザ設定速度の100%からモータ切断状態に直線的に低下するべきであることを示す指示パケットをコンソール130に送信する。
【0179】
本発明のいくつかの態様では、コンソール130は、低下した速度への器具モータ206の実際の制動、すなわち実際の減速を生じさせる信号をモータ206に送信する(asserts)。この制動は、切断アクセサリ202を減速させる一次的な力である。切断アクセサリ202を減速させる二次的な力は、切断される組織に対するバーヘッド204の抵抗である。
【0180】
本発明の一態様では、コントローラ120は、500Hzと2000Hzとの間の周波数でモータ速度が低下するべき程度を示す指示パケットをコンソール130に送信する。これらの指示パケットは、モータ204の速度を低下させる必要がない位置にバーヘッド204があるときにでも送信される。
【0181】
開示された作業境界106に対する器具200の相対位置を決定するナビゲーションシステムは、例示的であり、限定的なものではない。例えば、いくつかのナビゲーションシステムは、光を反射するトラッカを有している。更に他のナビゲーションシステムは、固定線源から放射された光又は電磁場をモニタするセンサを有するトラッカを含んでいる。
【0182】
コントローラ120は、制約境界111に対するバーヘッド204の相対位置を決定している。本発明の一形態では、器具コントローラ120は、この評価を1000Hzの周波数で実行するものである。多くのナビゲーションシステムは、この周波数で器具が適用される骨に器具200の相対位置を示すナビゲーションデータを提供しない。コントローラ120は、ナビゲーションシステムからの比較的遅い更新を補償している。この補償を行う1つの方法は、ナビゲーションシステムからのデータを最初にトラッカの位置の決定に使用することである。これらの位置は、平均位置を決定するように何回か決定される。これらの平均トラッカ位置に基づいて、作業境界に対する切断アクセサリ202の遠位側端部の相対位置が決定される。これらの平均化プロセスは、実際のトラッカ位置が測定される時点の間の時点で作業境界106に対する切断アクセサリ202の位置の平均表示を生成することを可能にするものである。
【0183】
コントローラ120が上記評価を行うごとに、バーヘッド204がホーム位置にあるとの仮定の下でその評価が行われる。したがって、この評価では、バーヘッド204が実際には偏位位置にあることができることは無視されることになる。器具コントローラ120は、これらの各評価のそれぞれに基づいて、必要とすれば、バーヘッド
204に対する適切な偏位位置はどこであるかを決定する。このように、これらの評価のうちの1つの結果、バーヘッド204が制約境界111を越えたと決定された場合、コントローラ120は、バーヘッド204の偏位位置が、現在の偏位位置よりもホーム位置から更に離間していると決定することができる。代替的には、器具コントローラ120は、制約境界111に対するバーヘッド204の現在の相対位置により、バーヘッド204の適切な偏位位置は、現在の偏位位置よりもホーム位置により近いと決定することができる。どちらの決定であっても、その終わりに、コントローラ120は、モータ220、222、224と一体のロータの目標位置を生成する。これらの目標位置は、モータのコントローラ230、232、234に伝送される。新たな目標位置が以前の目標位置と異なる場合、モータのコントローラ
230、232、234は、バーヘッド204の新たに決定された目標位置への変位を強行するように、それぞれ、モータ220、222、224に加電信号を印加する。
【0184】
上記のように、一旦、器具コントローラ120が、ホーム位置から規定距離離れた偏位位置にバーヘッド204を再配置することが適切であると決定すると、コントローラは、モータ206の速度を低下させる。モータ速度の低下の結果、器具200により生成される音のピッチが変化する。1つの理由は、モータ速度の低下は、常に、モータ206により放射される音の特性の変化を生じさせることである。バーヘッド204が骨に対して押し当てられると、この金属対骨接触の結果として生じる音のピッチも変化する。これらの音の変化は、バーヘッド204が作業境界106に接近し、又は、作業境界106に位置することの医者へのフィードバックをもたらしている。
【0185】
モータ
206から医者が受ける上記聴覚的なフィードバックは、一実施形態において、ユーザが最初に設定した最高速度からモータ206を減速できないようにシステム100が構成されている理由である。施術の間に医者がそのようにモータ206の速度を低下させることが許される場合、切断アクセサリ202が作業境界106に接近し、又は、作業境界106を突破していることの結果としてモータ速度の低下を医者が聴覚的に把握することが困難である可能性がある。
【0186】
医者への別のフィードバック源は、器具の減速の結果、医者の手の中での器具の振動が変化することである。このフィードバックの結果、バーヘッド204が作業境界106を越えて組織を除去することを防ぐように、バーヘッド204を再配置し、及び/又は、骨に対してバーヘッド204を押し当てるように器具に加える力を調整することが必要であることを医者に通知される。
【0187】
作業境界106に対するバーヘッド204の位置に関して医者が有する別のフィードバック源は、ハンドピースの残りの部分に対する切断アクセサリ202の相対位置である。ホーム位置からの切断アクセサリ202の視覚的に適度ないし大きい変位は、容易に判る。これらの変位された位置のうちの1つへの切断アクセサリ202の移動は、したがって、バーヘッド204が作業境界106にあり、又は、作業境界106に接近していることの医者に対する視覚的な合図として使える。
【0188】
これらは、バーヘッド204が作業境界106を越えて組織を除去することを防ぐように器具の位置が十分リセットされていないと考えられる状況であることができる。器具がこの位置にあるとき、切断アクセサリ202がホーム位置から偏位された状態に既にあることが理解されるべきである。しかし、この状態では、切断アクセサリ202の逸れは、可能な最大逸れより小さい。この場合、切断アクセサリ202の更なる必要な逸れが、許容された最大の逸れを超過することができる。
図64に示す例では、許容された最大逸れは、総逸れの90%である。バーヘッド204が作業境界106を越えて移動することを防ぐようにバーヘッド204をそのように再配置することが必要とコントローラ120が判断した場合、コントローラ120は、モータ206への加電信号の印加を終了するようにコンソール130を指示する指示パケットをコンソール130に送信する。
【0189】
器具モータ206の停止は、2つの最終効果を有している。第1に、モータ206の停止は、バーヘッド204が作業境界106を越えて組織を切断することを防いでいる。第2に、モータ206の停止は、作業境界106の外の組織の切断を防ぐには、器具200の再配置が必要であることの医者への通知を提供している。作業境界106から離間させる器具200の再配置は、モータ206への加電信号の継続印加を生じさせることになる。
【0190】
バーヘッド204が偏位された後、医者は、手術器具を継続して再配置する。この再配置の結果、コントローラ120は、しばしば、バーヘッド204がホーム位置にある場合には、バーヘッド204が制約境界111から離間しているように器具が配置されることを決定する。この条件が生じたとき、コントローラ120は、モータのロータがホーム角度位置にあるべきことを示す目標位置とともにモータのコントローラ230、232、234に指示パケットを送信する。これらの指示パケットにおけるカウント値は、ゼロである。これらの指示パケットの受信に応答して、モータのコントローラ230、232、234は、それぞれ、モータ220、222、224を選択的に作動させる。モータ220、222、224は、キャリッジ302並びにリンク316、416をそれらのホーム位置に復帰させるように作動される。このキャリッジ302並びにリンク316、416の変位は、バーヘッド204のホーム位置への同様の復帰を生じさせることになる。
【0191】
システム100は、また、いわゆる「能動」モードで切断アクセサリ202の位置を制御することができる。能動モードでは、コントローラ120は、切断アクセサリ202を制約境界111から離間させるように偏位させない。その代わり、コントローラ120は、それに沿って組織が除去される経路に切断アクセサリ202を能動的に導く。例えば、システムは、特定の縦軸に沿って位置する骨の穴又は他の空所を形成するように能動モードで操作されることができる。
【0192】
能動モードで空所を形成するため、空所の縦軸が最初に規定され、コントローラ120にロードされる。この軸の延長線が骨の外に延びるようにプロットされる。バーヘッド204が空所への開口の位置の直上にあるように器具を保持する医者は、この軸に概略整列するように器具を運ぶ。この作業は、手術ナビゲーションディスプレイ上に提示される画像を参照して行われる。この画像は、それに沿って空所が形成されるべき軸の描画を含んでいる。
【0193】
最初に、コントローラ120は、切断アクセサリ202の遠位側端部が開口が形成されるべき骨の表面上の設定された空間内にあるかを判断する。本発明のいくつかの用途では、この距離は、約0.5cm〜1.5cmである。コントローラ120は、その後、切断アクセサリ202が空隙が形成されるべき位置から所与の径であるスナップ径内にあるかを判断する。この径は、典型的には、切断アクセサリ202の最大偏位径より小さい。器具200がそのように配置されていない場合、コントローラ120は、医者が器具を再配置することが必要であるというメッセージをナビゲーションディスプレイに表示させる。コントローラ120が、切断アクセサリ202がスナップ半径内にあると判断した場合、コンピュータは、切断アクセサリ202を偏位、スナップさせる。詳細には、コントローラ120は、切断アクセサリ202の遠位側端部が、空所が形成されるべき位置の直上に位置するように、器具モータ220、222、224を作動させるようにモータのコントローラ230、232、234に指示する。このプロセスのこれらのステップの間、コントローラ120は、
器具モータ206の動作を防ぐ指示パケットをコンソール130に送信する。
【0194】
したがって、医者による器具の継続移動は、空隙が形成されるべき位置の組織の表面に対して切断アクセサリ202の遠位側端が押し当てられる結果を生じる。また、このとき、医者は、器具モータ206を作動させることができない。また、それに沿って空所が形成されるべき軸に対する器具の相対位置を示す画像がナビゲーションディスプレイに表示される。
【0195】
器具200がこのように配置されると、医者は、目標軸に対する器具の画像に基づいて、器具を方向付けする。器具の最初の方向付けの結果、コントローラ120は、切断アクセサリ202をホーム位置に復帰させる。医者は、器具の方向付けを継続する。詳細には、医者は、目標軸に対する切断アクセサリ202の方位を示す画像に基づいて、アクセサリがこの軸に位置合わせされるまで、アクセサリの方向付けを継続する。
【0196】
ナビゲーションスクリーン上での情報の監視の結果、医者は、それに沿って空所が形成されるべき軸と切断アクセサリ202が整列した事実に気付く。一旦、器具がこの状態になったとコントローラ120が判断すると、コントローラは、器具のモータ206が作動することができることを示す指示パケットをコンソール130に送信し始める。このとき、医者は、モータ206を作動させるようにトリガ208を押下する。切断アクセサリ202は、したがって、目標位置において、かつ、目標軸に沿って意図した空所が組織に形成されるように、加電されることになる。
【0197】
一旦、医者が空隙の形成を開始すると、コントローラ120は、医者が目標軸を外れて切断アクセサリ202を適用する可能性をかなり制限する。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、切断アクセサリ202が軸を外れて移動していることを示す任意の指示をナビゲーションシステムが提供すると、コントローラ120は、直ちに、器具のモータ206への加電信号の印加を終了することをコンソール130に指示する。コントローラ120は、切断アクセサリ
202の何らの偏位を実行することなく、この動作を行う。これにより、空所の深さが大きくなるにつれて、空所が目標軸から軸外れの軸に沿って形成される可能性が低下する。本発明のこの特徴のいくつかの実施形態では、目標軸との切断アクセサリ202の不整合の許容可能な変化は、形成される空所の深さが増加するのと反比例して変化することができる。
【0198】
コントローラ120は、切断の深さを監視する。本発明のいくつかの態様では、空所の深さが目標深さの0.1mm〜2.0mmの間と判断されたときには、コントローラ120は、切断アクセサリ202の偏位を開始する。この特定のタイプの偏位は、単に切断アクセサリ202の後方への収縮であることができる。キャリアが偏位されると、コントローラ120は、モータ206の減速とその後の停止を生じさせる指示パケットをコンソール130に送信する。このように、これらのプロセスのステップは、結果としての空所を目標深さに形成させる。
【0199】
能動モードのシステム
100の代替的な使用においては、システム
100は、バーヘッド204が除去されるべき組織の表面に隣接して配置されるように医者がハンドピースを配置するように指示するプロンプトを表示する。この距離は、バーヘッド204がホーム位置から偏位することができる最大距離より小さい。典型的には、この距離は、バーヘッド204が偏位されることができる全距離の20%〜80%より小さい。
【0200】
一旦、器具200がこのように配置されると、器具コントローラ120は、ホーム位置から切断されるべき組織に向けてのバーヘッド204の逸れを生じさせる指示をモータのコントローラ230、232、234に送信する。バーヘッド204は組織を除去する。このプロセスの間、バーヘッド204の変位に関して器具コントローラ120が生成する指示は、作業境界
106に向かうバーヘッド204の変位を生じさせるだけである。コントローラ120は、作業境界106を越えるバーヘッド204の再配置を生じさせることができる指示は送信しない。したがって、このプロセスでは、コントローラ120は、骨を所望の形状に切削するようにバーヘッド204を指示する指示を送信することになる。
【0201】
このプロセスでは、医者は、切断される骨のより近くに向けて器具を移動することができる。器具がそのように再配置されたとのコントローラ120の決定に応答して、コンピュータは、所望の組織除去を行うようにバーヘッド204が偏位される必要のある程度を調整する。このバーヘッド204の位置の再調整において、バーヘッド204は、ホーム位置にリセットされることが可能である。器具200が骨に更に近く移動された状況では、コントローラ120は、その後、切断される組織から離間させるバーヘッド204の偏位を開始する必要があると決定することができる。したがって、この器具の能動モード動作の態様は、作業境界を越えた組織の除去を防ぐように、バーヘッド204の受動モードの逸れを含んでいてもよい。
【0202】
上述の能動モード及び受動モードの間の交互のシステム
100の動作は、システム
100の混成モードの動作と考えることができる。この動作は、骨の表面を形成するのに有用である。これらの表面は、骨内に位置する空所を画定する露出した骨の表面から内側に位置する表面を含んでいる。
【0203】
システム
100は、手動オーバライドモードでも動作することができる。このモードでは、ユーザは、バー
ヘッド204を再配置するモータ220、222、224の能力をオーバライドする。このモードでは、器具200は、ホーム位置をデフォルト位置とし(defaults)、本質的に固定された、硬直した切削工具となる。所望であれば、バー
ヘッド204の回転速度を制御する要素は維持されることができる(例えば、制約境界111の外側の切断は、なおも許可されない場合がある)。完全なオーバライドは、ユーザがバー
ヘッド204の回転速度を変更するようにトリガ208を使用することを許可するであろう(能動モード及び受動モードでは、トリガ208は、単なるオン/オフの安全装置である)。この場合、器具200はもはやナビゲーションユニット108によりガイドされないため、器具200は本質的に従来的な器具になる。
【0204】
器具が上記モードで操作された場合、送りネジのナットの自己ロック機能は、ホーム位置からのバーヘッド204の意図しない変位、逆駆動を防ぐことが理解されるべきである。
【0205】
受動モード及び能動モードは、(表面加工の)考えられる動作モードの範囲の両極端と考えられるが、変形形態は可能である。例えば、システム
100は、バーチップ予測を伴う受動モードで動作することができる。このモードでは、バー
ヘッド204は、作業境界106に実際に到達する前に作業境界106から離間するように加速を開始する。これを実行するには、バー
ヘッド204の将来の位置の見積りが必要である。位置に加えて、骨102及び器具200に対するバー
ヘッド204の将来の位置を予測し、それに従って反応するように、目標の骨102及び器具200の両方の速度がナビゲーションユニット108から器具コントローラ120に出力される。このモードは、各モータの特性仕様の知識を活用する(モータの速度−トルク曲線を知ることに類似する)。この受動モードの変形形態は、器具の特性包絡線(反応性)及び全体的な正確性を増大させることになる。
【0206】
別の混成モードは、より長い「スティッキング」時間の追加である。このようなモードでは、制御システム100は、手持ち部分の移動とは独立に作業部分が境界に実質的に維持されるように、ユーザが手持ち部分を境界に対して移動させる間に、作業部分を境界に能動的に配置すべく、例えば、モータ220、222、224であるアクチュエータを制御するように構成されている。本質的には、バー
ヘッド204が境界への「乗り入れ」を開始した後にのみ、バー
ヘッド204は、境界への吸引体のように振る舞う。これは、バー
ヘッド204が境界から引き離される間に、バー
ヘッド204が「ホーム」位置を越えて移動することを許容することにより達成される。この特徴は、ユーザの好みに従って調整されることができる。
【0207】
更に別の混成モードは、半自発切断である。このモードでは、医療処置の間、ユーザが実質的に手持ち部分を目標体積に対する総体的位置に維持する間、物質の目標体積を除去するために制御システム
100内で規定された経路を作業部分が自発的にたどるように、制御システム100は、手持ち部分に対して作業部分を移動させるべくアクチュエータを制御するように構成されている。ここで、ユーザは、バー
ヘッド204を総体的に配置し、次いで、対象の領域に器具200を保持することになる。バー
ヘッド204は、その後、器具コントローラ120からコントローラ230、232、234への信号に基づいてガイドされて移動し、作業境界106により画定された物質104の目標体積を切除する。CNCフライスのように、器具200は、器具コントローラ120又はユーザにより計算された規定の経路(又は、実行中に生成された経路)をたどることにより、半自発作業を実行する。
器具経路のカバレッジは、利用可能な動作範囲(及びユーザが器具200を静止して保持する能力)により制限されることになる。
【0208】
動作の別の混成モードは、切断アクセサリ202が制御されたパターンで移動するディザリングを含む。このパターンは、特定の平滑度を有する仕上げ表面を生じるように骨102を成形するバーヘッドを生じさせるものであることができる。ディザリング動作では、バーヘッド204を、軌道パターンで移動させ、八の字パターンで移動させ、及び/又は、規定の弧に沿って振動させるように、切断アクセサリ202がホーム位置から移動することが可能である。このディザリングは、局所的な境界の表面に平行に実行される。
【0209】
VI.用途
図65を参照すると、システムの1つの可能な用途は、上記のような骨の切削に用いるものである。本質的には、除去された骨は、移植片(例えば、膝移植片)の「ネガ」のキャビティ1006を提供する。器具200は、複雑な3次元形状(すなわち、鏡面対称形状)をも切り出することができる。同様に、器具200は、突出した骨及び変形を剃り落とし/平滑化するように使用されることができる。
【0210】
図66を参照すると、システム
100は、骨、他の組織又は他の物質に通路を掘るのに使用されることができる。器具200は、バー
ヘッド204の直径に等しい(又はそれより少し大きい)直線穴1008を開けるように構成されることができる。
図66が示すように、逆にした錐体の制約形状1010が、体の種々の部位(例えば、脊椎)にアクセスするように規定されることができる。
【0211】
図67A〜
図67Cを参照すると、目標設定/整列でのシステム
100の使用が示されている。これは、ドリルビット1014のチップを穴の中央線(例えば、椎弓根ネジの予備穿孔)に「スナッピング」することにより、ユーザが素早く事前計画又は
穴1012の事前規定された
位置
を特定することを可能にする。一旦、位置が特定されると、その後、ドリルビット
1014(又は他の切断アクセサリ)の軸を所望の穴
1012の軸に適切に整列させるようにディスプレイ1402が使用されることができる。
図68に示すディスプレイ1402のスクリーンショットを参照して、ディスプレイは、整列が軸外れ1018であり、移動の必要があることを示すドット1016を表示している。器具200は、ドリルビット1014のピッチ、ヨー又は軸Zに沿う並進を変更することにより、穿孔の進行中に、整列からの逸脱を修正するようになっている。
【0212】
図69を参照すると、器具200は、柔軟組織及び神経1020近傍における、これらの繊細な領域を避ける能力を伴って、切断、切除又は他の外科的施術に使用されることができる。この用途では、手術前撮像及び事前計画として、これらの敏感な領域を避ける制約境界を生成している。いくつかの実施形態では、器具200は、神経の損傷を防ぐように神経モニタと組み合わされることができる。このマッピングは、必要に応じて処置中に行われることができる。
【0213】
図70を参照すると、器具200は、深さ制御されることができる。これは、ユーザが特定深さに切断又は穿孔(例えば、椎弓根ネジ)することを可能にする。しかし、ユーザは、過度に深く切断し、又は骨の反対側まで貫通することは妨げられる(例えば、バイ−コーティカルネジ)。この用途では、作業領域は、骨の深さ表面である。
【0214】
図71を参照すると、器具200は、あつらえの移植片成形に使用されることもできる。この用途では、バー又は他の成形工具は、非骨物体1022を特定の形状に切断することができる(例えば、プラスチック移植片)。システムは、器具200で切削、又は、手動で切断を行うことで以前に生成した表面に一致させ又は整合させるよう物体を変形するようにも構成されることができる。
【0215】
本書で記載したシステム100及び器具200は、本発明の単なる例である。本発明は、硬質組織及び軟質組織を含むいくつかのタイプの組織に対して、プラスチック及び金属等の材料に、及び、これらに限定はされないが、切断、切除、穿孔、一般的な衝突回避等を含む多くの異なる処置に使用されることができる。
【0216】
VII.代替的な実施形態
上記は、システムの特定の一態様に向けられている。本発明のシステムの代替的な態様が可能である。例えば、器具200は、境界の近く又は境界上にあるときに、又は、或る特定の量の偏位を超過した後で振動する機構(例えば、偏心モータ)を有することができる。これは、ユーザに、切断アクセサリの遠位側端チップが境界に接近していることの更なるフィードバックを提供するものである。切断アクセサリの作業境界への接近度の視覚的表示を提供するように、器具200、例えば、ハンドル502に光源(例えば、LED)を設けることができる。例えば、緑の信号=良好、黄色=境界上、赤=問題/停止。
【0217】
バー
ヘッド204がそのホーム位置から偏位した程度を示す特徴を器具200に設けることができる。これらの特徴は、器具200上のディスプレイ1402に組み込まれることができる(
図1及び
図68参照)。ディスプレイ1402は、好ましくは、使用中にハンドル502に対して固定されたままであるように、ハンドル502に取り付けられる。代替的な実施形態では、ディスプレイ1402は、上部アセンブリ300とともに移動させるように、上部アセンブリ300に取り付けることができる。ディスプレイ1402のドライバ(図示せず)が器具コントローラ120にインストールされる。
【0218】
本発明の手術器具200は、上記システム以外のナビゲーションシステムとともに使用することができる。例えば、器具は、無画像ナビゲーションシステムとともに使用することができる。
【0219】
骨切削用途では、ディスプレイ1402は、切断アクセサリ202/バー
ヘッド204の現在の偏位量又は切断アクセサリ202/バー204が「ホーム」位置にあるかの状態を与えるであろう。目標設定/整列用途では、ディスプレイ1402は、切断アクセサリの軸を目標の軸に整列させるようにユーザに指示する。半自発切断モード中は、ディスプレイ1402は、バー
ヘッド204又は器具200を総体的にどこに配置するのが最良かをユーザに知らせる視覚的指示を与えることができる。さらに、ディスプレイ1402は、ナビゲーション情報(すなわち、遮られたトラッキング向けのLED、追加的な材料を除去する必要がある場合の切断が完了したパーセンテージ等)を表示することができる。
【0220】
データ接続1002は、器具コントローラ120及びディスプレイ1402の間の高速通信及びアイソクロナスリアルタイムデータ伝送に標準のシリアルバスインタフェースであるIEEE1394インタフェースであることができる。データ接続1002は、個別企業特有のプロトコルを使用することができる。
【0221】
切断アクセサリをホーム位置に/ホーム位置から移動させる代替的なアセンブリが提供されることが可能である。例えば、モータからの力を伝達する機械的アセンブリは、送りネジ上に配置されたナット以外のアセンブリを含むことができる。そのような1つのアセンブリは、モータに取り付けられた駆動プレートを有することができる。プレートは、切断アクセサリを変位させるべく切断アクセサリに接続されたリンクを係合するピンを含んでいる。また、本発明のいくつかの態様では、切断アクセサリを変位させるのにベルト駆動が採用されてもよい。本発明の更に別の態様では、モータの作動は、ラックを変位させることができる。ラックは、切断アクセサリを変位させるように切断アクセサリにリンクすることができる。
【0222】
本発明の別の代替的な態様では、切断アクセサリが取り付けられたジンバルは、それ自体が器具の本体に旋回可能に取り付けられる。したがって、ジンバルは、切断アクセサリのX軸偏位及びY軸偏位をも提供することになる。本発明のこれらの態様では、切断アクセサリをジンバルに保持する機構は、可動にジンバルに取り付けられている。例えば、モータと連結アクセサリ、又は、連結アクセサリのみが、近位側又は遠位側に可動にジンバルに取り付けられることができる。本発明のこれらの態様では、切断アクセサリを遠位側及び近位側に移動させるモータは、それ自身、ジンバルとともに旋回するようにジンバルに取り付けることもできる。この切断アクセサリの変位は、軸Zに沿う切断アクセサリの変位であることが理解されるべきである。
【0223】
同様に、本発明の全ての態様において、切断アクセサリを配置する動力源が機械的エネルギーである必要はない。例えば、切断アクセサリは、ホーム位置へ/ホーム位置から電磁的に選択的に変位されることができる。本発明のこの実施形態の一態様では、器具200は、ソレノイドを含むことができる。これらのソレノイドは、切断アクセサリに取り付けられたピンを収縮/伸長させるように選択的に作動される。ピンは、切断アクセサリのホーム位置への/ホーム位置からの変位を生じさせるように選択的に収縮/伸長される。代替的には、器具の内部に取り付けられた他のコイルがあることができる。これらのコイルは、局所化された磁場を生成するものである。各組のコイルのコイルは、切断アクセサリ上の磁石の組を選択的に吸引又は反発するようになっている。磁石の移動は、切断アクセサリの移動を生じさせることになる。本発明のこの態様では、特定の組のコイルへの加電は、磁石の組を選択的に応答/吸引することができ、これにより、2軸又は3軸上での切断アクセサリの同時的な変位を生じることになる。
【0224】
精密ピッチの送りネジ以外のアセンブリは、アクセサリが抵抗にさらされたときの切断アクセサリの意図しない戻り移動を防ぐ器具の自己ロック特徴部として機能することができる。自己ロックアセンブリの厳密な構造は、切断アクセサリを変位させるアクチュエータの構造次第である。例えば、電磁アクチュエータが使用された場合、アクチュエータが自己ロック機構として機能する。具体的には、切断アクセサリの意図しない変位を防ぐように、切断アクセサリに印加される抵抗力を防ぐ電流がコイルに印加される。いくつかの態様では、バネもまた、切断アクセサリの意図しない動きを阻止する力を与えることができる。意図しない動きをしないように、切断アクセサリをロックするのにカムアセンブリもまた使用されることができる。
【0225】
器具200は、切断アクセサリ202の位置の決定及び制御をするように、モータ内部に上記ホール効果センサ以外の要素を含むことができる。例えば、本発明のいくつかの態様では、切断アクセサリを変位させる要素の回転位置を監視するように、アブソリュート回転位置エンコーダ又はアブソリュート角度位置エンコーダが使用されることができる。いくつかのタイプの動き、例えば、軸Zに沿うキャリッジの動きを監視するように、アブソリュート直線位置エンコーダが本発明の器具に組み込まれることができる。本発明のこれらの態様では、切断アクセサリのゼロ状態又はホーム中央配置を容易にする補助的な位置エンコーダを設けることは必要とは限らない。
【0226】
本発明の全ての態様で、切断アクセサリ
202にエネルギーを提供するモータ又は他の要素が切断アクセサリ
202に固定的に連結される必要は無い。したがって、本発明のいくつかの態様では、エネルギー出力要素は、切断アクセサリ
202にフレキシブルにリンクされることができる。例えば、切断アクセサリ
202が機械的に駆動される装置の場合、何らかのタイプの駆動ケーブル又は可撓性ジョイントが切断アクセサリに動力を伝達することができる。例えば、切断アクセサリ
202が
キャリア302に旋回可能に連結される一方で、モータが可動
キャリア302に固定的に取り付けられることができる。この構造の利点は、ホーム位置に向かって/ホーム位置から離れるように移動される必要がある器具
200の要素の重量を減少させることである。
【0227】
本発明のいくつかの態様では、器具200は、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれの上で切断アクセサリ202が変位することができる程度が相互に等しくないように設計されていてもよい。
【0228】
また、切断アクセサリ202をホーム位置に配置するのに用いられるプロセスにおける変形形態も存在することができる。例えば、典型的には、切断アクセサリ
202が軸Zに沿って変位する場合、アクセサリ
202は、通常、後方に向かって近位側に移動する。したがって、コントローラ120は、ホーミングプロセスの間に最初に確立されたホーム位置に対して典型的には前方、遠位側であるキャリ
ア302のZ軸ホーム位置を確立する。このホーム位置のオフセットは、処置の間に、切断アクセサリ202が近位側に後退できる程度を増加させるものである。
【0229】
このような
キャリア302のホーム位置のリセットの1つの手段は、上記ホーミングプロセスを用いて
キャリア302をホーム位置に移動させるように最初にモータ224を作動させることである。コントローラ120は、その後、変位したホーム位置へ
キャリア302が移動した以前に計算された目標位置のカウントにオフセットカウントを加算する。このオフセットカウントは、コントローラ120に以前に記憶されたデータに基づく。このオフセット目標位置カウントは、その後、モータのコントローラ234に送られる。コントローラ234は、
キャリア302を遠位側に移動させるようにモータ224を作動させる。
キャリア302は、モータからの累積カウントがオフセット目標位置カウントと等しくなるまで移動する。一旦、
キャリア302がそのようにオフセットホーム位置に再配置されると、コントローラ120は、累積カウントをゼロ設定する。
【0230】
切断アクセサリ202のZ軸のホーム位置がそのようにオフセットされるとき、軸Zに沿うアクセサリチップ
すなわちバーヘッド204の動作範囲は、X軸及びY軸に沿うチップの動作範囲と等しくならない。したがって、本発明のこれらの実施形態では、アクセサリチップ
すなわちバーヘッド204がその最大偏位位置に変位したときにアクセサリチップ
すなわちバーヘッド204が移動する離間した体積の境界は、球状ではない。
【0231】
同様に、本発明の他の態様では、X軸及びY軸における切断アクセサリチップ
すなわちバーヘッド204の全偏位範囲は、等しくない場合があることが理解されるべきである。
【0232】
器具モータ206の速度が低下する程度もまた、
図64で記載したものから変化することができる。例えば、本発明のいくつかの態様では、ホーム位置から切断アクセサリ
202の任意の変位があると、直ちに、コントローラ120は、モータ速度のいくらかの低下を生じさせる。これにより、バーヘッド
204が作業境界
106にあることの何らかの即時の聴覚的及び触感的なフィードバックが医者に提供されることになる。この速度低下のレベルは、偏位が最大累積偏位の設定されたパーセンテージ内である限り、一定に留まる。一旦、偏位がこの閾値パーセンテージを超過すると、コントローラ120は、モータ速度を低下させる程度を増加させるように作用する指示パケットをコンソール130に送信する。これにより、切断アクセサリ202の位置及び切断アクセサリ202に加える力を更に調整することが適切であることができるとの第2の組の聴覚的及び触覚的なフィードバック信号が医者に提供される。
【0233】
さらに、本発明のいくつかの態様では、コントローラ120は、アクセサリチップ
すなわちバーヘッド204の作業境界
106への接近度に応じて、器具モータ206の速度を低下させることができる。具体的には、アクセサリチップ
すなわちバーヘッド204が作業境界から第1の距離と判断されたときに、第1のレベルの速度低下を生じさせる指示パケットがコンソール130に
送られることができる。一旦アクセサリチップ
すなわちバーヘッド204が作業境界
106に交わり、又は、作業境界
106を越えると、コントローラ120は、モータ速度を第2のレベルに低下させる。そして、
バーヘッド204がホーム位置から逸れた程度が閾値レベルを越えて増加するにつれ、コントローラ120は、モータ速度の低下を増加させる。このモータ速度の段階的な低下は、アクセサリチップ
すなわちバーヘッド204の作業境界
106への接近度の段階的な表示を医者に提供することになる。
【0234】
また、コントローラ120が作業境界
106に対する切断アクセサリ
202の遠位側端チップの相対位置を決定するプロセスは、上記とは相違していてもよい。理想的には、ナビゲーション
ユニット108は、この位置を決定することができるデータを、切断アクセサリ202がホーム位置から移動される程度をコンピュータが再計算する頻度と等しい頻度で提供できるべきである。実際には、ナビゲーションシステムは、典型的には、これらの頻度で測定を実行することはできない。1つの潜在的な解決策は、コントローラ120に、器具200の骨に向かう/骨から離れる方向の速度を決定するように、ナビゲーション
ユニット108からの最新のいくつかのデータのフレームを使用させることである。この決定に基づいて、コントローラ120は、ナビゲーション
ユニット108から受信した最新の真の位置情報の後に、骨に対する器具200の相対位置の外挿評価を生成する。これらの器具位置の予測に基づき、
コントローラ120は、切断アクセサリ202をホーム位置から逸らすべきかどうか、及び、切断アクセサリ202をホーム位置から逸らすべき程度を決定する。
【0235】
作業境界
106に対する切断アクセサリ202の遠位側端部の相対位置及び方位の測定された、又は、円弧運動の(arcuate)評価を提供する更に他の手段は、本発明の範囲内にないナビゲーション
ユニット108の特徴と関連している。
【0236】
同様に、処理速度及び/又はコントローラ120への/コントローラ120からのデータの伝送の能力により、アクセサリ
202がホーム位置にあるとの推定に基づいて切断アクセサリ202の相対位置を決定することは、常に必要な訳ではない。この決定がトラッカ
114、116の相対位置だけによらずに行われることは、本発明の範囲内である。
この追加のデータは、切断アクセサリ202の遠位側端部をホーム位置から逸らす程度を規定するデータを示している。
【0237】
同様に、全ての要素が、本発明の全ての態様内にあることは要求されない。例えば、システム
100のいくつかの態様では、単一組のセンサが、最初に切断アクセサリ
202を中央配置又はホーム位置にすることと、次に切断アクセサリ
202をホーム位置から変位させる程度を監視することとの両方に使用される信号を提供することがあることができる。
【0238】
また、必要な整列の程度は、器具
200に取り付けられる切断アクセサリ
202のタイプによることが理解されるべきである。例えば、能動モードで穴を形成する場合、アクセサリ
202がバー
ヘッド204ではなくてドリルビットであるときに、しばしば、切断アクセサリ
202をより正確に配置することが必要となる。
【0239】
代替的な実施形態では、切断アクセサリ
202の位置を設定するアクチュエータを規制するコントローラ230、232、234は、制御ユニット120に取り付けられる。これにより、器具200にシェル670のような構造部を設ける必要が解消されることになる。
【0240】
器具200の動作の正確性は、境界に対するアクセサリの決定及びそれに続く器具の制御サイクルが実行される頻度を増加させることで高めることができることが同様に理解されるべきである。例えば、器具コントローラ120に、2kHz以上、4kHz以上及び8kHz以上の頻度でこれらのサイクルを実行することができるハードウェア及びソフトウェアを設けることが望ましいとすることができる。
【0241】
いくつかの実施形態では、器具
200及び解剖学的組織に取り付けられるトラッキング装置
114、116は、電磁波、超音波、RF信号を送信又は受信するトラッキング装置又は当業者に知られた他のトラッキング装置等の非光ベースのトラッカであることができる。
【0242】
VIII.ペンシルグリップの実施形態
上節で記載した代替的な実施形態に加え、
図72〜
図111は、ペンシルグリップの構成を有する以下で1200の符号が付される手術器具の別の実施形態を示している。手術器具1200は、
図1に示されており、上記されたトラッキング及び制御システム100において使用可能である。上記のように、トラッキング及び制御システム100は、切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204を目標体積104に保つように目標体積104及び手術器具1200の位置及び方位をトラッキングするようになっている。手術器具1200は、上記手術器具200と同様の用途で使用されることができる。手術器具1200は、典型的には、トラッキング及び制御システム100、特に、器具コントローラ120に接続するコード1203を有している。
【0243】
図72〜
図74を参照すると、手術器具1200は、駆動アセンブリ1202とも称される遠位側アセンブリ1202と、手持ち部分1204とも称される近位側アセンブリ1204とを備えている。手持ち部分1204は、ユーザにより手動で保持及び移動されるようになっている。ユーザは、手持ち部分
1204を把持及び支持することで器具1200を操作し、器具1200は、他の機械的なアーム、フレーム等によっては支持されない。上記実施形態について述べたように、トラッキング装置114は、器具1200をトラッキングするように手持ち部分1204に取り付けられている。
【0244】
作業部分、例えば、切断アクセサリ202は、手持ち部分1204に移動可能に連結されている。以下により詳細に述べるように、遠位側アセンブリ1202は、作業部分、例えば、切断アクセサリ202を解放可能に保持し、患者の組織に医療的/手術的仕事を行うように作業部分を駆動し、
図72及び
図73に特定されるように、アクセサリ202の遠位側チップ
すなわちバーヘッド204が、切断アクセサリ202が適用される目標体積104の作業境界106に突き当たる又は切断アクセサリ202が適用される目標体積104の作業境界106を突破することを防ぐように、軸Zで作業部分を移動させている。
【0245】
近位側アセンブリ1204は、遠位側アセンブリ1202に係合し、アクセサリ202の遠位側チップ
すなわちバーヘッド204が目標体積104の作業境界106に突き当たり、又は、目標体積104の作業境界106を突破することを防ぐように、切断アクセサリ202のピッチ及びヨーを調整するように遠位側アクセサリ1202を移動させるようになっている。上記のように、「ピッチ」は、ジンバルブシュ1256の中心を通る水平面に対する遠位側アセンブリ1202及び切断アクセサリ202の縦軸
Aの上下の角度方位(すなわち、図に示されるX軸)である。「ヨー」は、ジンバルブシュ1256の中心を通る垂直面に対する遠位側アセンブリ1202及び切断アクセサリ202の縦軸
Aの左右の角度方位(すなわち、図に示されるY軸)である。
図75A〜
図75Cは、例えば、近位側アセンブリ1204に対する遠位側アセンブリ1202のピッチ方向の調整の3つの異なる位置を示している。制御システム100が規定する遠位側アセンブリ1202に対する切断アクセサリ202のチップ204の動作範囲は、
図75A〜
図75C及び
図85〜
図87で円
Cとして示されている。遠位側アセンブリ1202又はその部分の種々の図が
図74〜
図106に示されている。
図75A〜
図75Cを参照すると、近位側アセンブリ1204は、外側ケース1206を有し、遠位側アセンブリ1202は、近位側アセンブリ1204の外側ケース1206に対して
縦軸Aの回りで回転が固定されたままであるケース1208を有している。近位側アセンブリ1204は、遠位側アセンブリ1202に係合し、以下に更に述べるように、近位側アセンブリ1204に対して遠位側アセンブリ1202のピッチ及びヨーを調整するようになっている。
【0246】
図75A〜
図75Cを参照すると、ノーズチューブ1218がケース1208から延びて切断アクセサリ202を支持している。ノーズチューブ1218は、(
図76及び
図80で最も良く見えるように)ノーズチューブ穴1220を画定している。コレットアセンブリ1211(
図81〜
図84で分離して示される)は、以下に更に述べるように、ノーズチューブ穴1220内に切断アクセサリ202を解放可能に係合するように、ノーズチューブ穴1220内に回転可能に配置されている。
【0247】
駆動機構1201は、
円弧R
で示される縦軸Aの作業部分を回転させるように、作業部分に連結されている。駆動機構1201は、コレットアセンブリ1211及び切断アクセサリ202を駆動するものであって、例えば、切断アクセサリ202を回転させるように、ケース1208内に配置されたアクセサリモータ1212とも称される駆動モータ1212を有している。
【0248】
以下に更に詳細に述べるように、駆動アセンブリ1202及び切断アクセサリ202は、複数の自由度で手持ち部分1204に対して移動するようになっている。複数のアクチュエータ、例えば、送りネジモータ1240、ヨーモータ1302及びピッチモータ1304は、手持ち部分
1204に対して複数の自由度で作業部分を移動させるように作業部分に、作動的に連結されている。
【0249】
駆動機構1201は、手持ち部分1204に対して少なくとも1つの自由度で移動し、より詳細には、駆動モータ1212は、手持ち部分1204に対して少なくとも2つの自由度で移動するようになっている。アクチュエータのうちの少なくとも1つ、より詳細には、ヨーモータ1302及びピッチモータ1304は、駆動機構1201及び駆動モータ1212を手持ち部分1204に対してピッチ及びヨー方向に移動させている。詳細には、ケース1208は、アクチュエータのうちの少なくとも1つ、例えば、ヨーモータ1302及びピッチモータ1304により手持ち部分1204に対してピッチ及びヨー方向に移動可能である。駆動機構1201及び駆動モータ1212は、手持ち部分1204に対して
縦軸Aに沿って固定されている。この実施形態では、
縦軸Aは、手持ち部分
1204に対してピッチ及びヨー方向に移動している。
【0250】
図75A〜
図75C及び
図85〜
図87に最も良く示されるように、複数のアクチュエータ、例えば、送りネジモータ1240、ヨーモータ1302及びピッチモータ1304は、ピッチ、ヨー及び
縦軸Aに沿う並進を含む少なくとも3つの自由度で手持ち部分1204に対して作業部分を移動させることが可能である。作業部分、すなわち、切断アクセサリ202がバー
ヘッド204を有する実施形態では、駆動モータ1212は、4つの自由度で手持ち部分
1204に対して移動し、すなわち、駆動モータ1212は、バー
ヘッド204を回転させている。
【0251】
駆動アセンブリ1202は、作業部分及びアクチュエータのうちの1つを支持し、アクチュエータのうちの少なくとも他の1つにより移動可能である。具体的には、駆動アセンブリ1202、より詳細には、ケース1208は、軸モータ1240とも称される送りネジモータ1240及び駆動モータ1212を支持している。送りネジモータ1240は、作業部分を
縦軸Aに沿って並進させている。駆動アセンブリ1202は、ヨーモータ1302及びピッチモータ1304により移動可能である。ヨーモータ1302及びピッチモータ1304は、手持ち部分1204に対してピッチ及びヨー方向に駆動モータ1212、作業部分及び送りネジモータ1240を移動させている。
【0252】
駆動モータ1212は、前述の実施形態においてモータ206が制御されるのと同じ態様で器具ドライバ130により制御されることができる。以下に更に述べるように、シャフト1210が、ケース1208内に配置され、切断アクセサリ202を駆動すべく駆動モータ1212からコレットアセンブリ1211に回転を伝達するように、駆動モータ1212からコレットアセンブリ1211に延びている。
【0253】
駆動モータ1212は、例えば、
図84に示すように、切断アクセサリ202を駆動するようにケース1208に回転可能に連結されたロータ1214を有している。ロータ1214は、ロータ1214をケース1208に回転可能に連結し、ケース1208に対するロータ1214の回転を可能にするように、ケース1208に係合する少なくとも1つのベアリング1213を有することができる。
【0254】
ロータ1214は、キー穴1215を有する。例えば、
図84に示されるシャフト1210は、ロータ1214の回転がシャフト1210に伝達されるように、ロータ1214のキー穴1215に係合すべく構成された第1の端部1217を有している。キー穴1215及び第1の端部1217の断面形状は、
図84に示すように2重D形状であるが、代替的には、本発明の本質から逸脱することなく、任意の適した形状であることができる。
【0255】
コレットアセンブリ1211は、切断アクセサリ202が駆動シャフト1210の回転により
縦軸Aの周りで
R方向に回転するように、駆動シャフト1210を切断アクセサリ202に回転可能に連結している。
図81〜
図84に分離して示されるコレットアセンブリ1211は、ノーズチューブ穴1220内でノーズチューブ1218に回転可能に連結されている。
図76を参照すると、種々の要素の積層構造体1285がノーズチューブ穴1220内のコレットアセンブリ1211とリップ1281との間に配置されている。
図76で最も良く示されるリング1283が、ノーズチューブ穴1220内にコレットアセンブリ1211及び積層構造体1285を保持するように、典型的には、圧入により、コレットアセンブリ1211に隣接してノーズチューブ穴1220内に固定されている。
【0256】
コレットアセンブリ1211は、コレットアセンブリ1211をノーズチューブ1218に回転可能に連結し、ノーズチューブ1208に対するコレットアセンブリ1211の回転を許容するように、ノーズチューブ1218に係合する(例えば、
図76に示す)少なくとも1つのベアリング1219を有することができる。
【0257】
コレットアセンブリ1211は、キー端部1221を有し、シャフト1210は、シャフト1210の回転がコレットアセンブリ1211に伝達されるようにキー端部1221に係合すべく構成された第2の端部1223を有している。第2の端部1223及びキー端部1211は、相互に対して移動可能である。通常の動作条件では、コレットアセンブリ1211及びシャフト1210は、単一ユニットとして一緒に移動し、コレットアセンブリ1211が以下に更に述べるように切断アクセサリ202を固定及び解放するように移動したときには、キー端部1221及びシャフト1210の第2の端部1223は、相互に対してスライドするようになっている。キー端部1221及びシャフト1210の第2の端部1223の断面形状は、
図84に示す2重D形状であるが、代替的には、本発明の本質から逸脱しない任意の適した形状であることができる。
【0258】
図76を参照すると、ノーズチューブ1218は、作業部分、例えば、切断アクセサリ202を支持し、
縦軸A、すなわち、典型的には円筒状で、
縦軸Aに沿う切断アクセサリ202の位置を調整するノーズチューブ1218に沿って
Z方向にケース1208に対して
並進移動可能である。
【0259】
図85〜
図89を参照すると、通常動作の間、ノーズチューブ1218は、
縦軸Aに沿ってシャフト1210に対して軸固定されている。このように、ノーズチューブ1218が
縦軸Aに沿って軸移動するにつれ、ノーズチューブ1218は、
図85〜
図87に示すように、
縦軸Aに沿ってシャフト1210を移動させるようになっている。コレットアセンブリ1211が切断アクセサリ202を固定及び解放するように移動すると、ノーズチューブ1218及びシャフト1210は、
図88及び
図89に示し、以下に更に述べるように、相互に対して移動することになる。
【0260】
図78及び
図79を参照すると、ノーズチューブ穴1220は、シャフト1210及び切断アクセサリ202を回転可能に収納している。
図76に最も良く示されるように、ベアリング1222は、切断アクセサリ202をノーズチューブ穴1220に回転可能に支持するようにノーズチューブ穴1220内に配置されている。
【0261】
図85〜
図87を参照すると、ケース1208は、入れ子式にノーズチューブ1218を収納している。
図90に最も良く示されるように、ケース1208は、チャネル1224を画定している。
図79及び
図80に最も良く示されるように、ノーズチューブ1218は、チャネル1224に係合する突起1228を有するフランジ1226を有している。チャネル1224は、ケース1208の回りで円周方向に相互に離間している。突起1228は、チャネル1224と一致するように、ノーズチューブ1218の回りで円周方向に相互に離間する。チャネル1224は、
縦軸Aに平行に延び、
縦軸Aに沿う移動に対して突起1228を保持するサイズ及び形状を有している。突起1228及びチャネル1224は、ケース1208及びノーズチューブ1218のどちらにでも画定することができ、ケース1208及びノーズチューブ1218は、本発明の本質から逸脱することなく任意数の対応する突起1228及びチャネル1224を有することができる。ケース1208は、例えば、ケース1208の残りの部分に固定されてチャネル1224を画定するブシュ1265を有することができる。ブシュ1265は、典型的には、ケース1208とは異なるタイプの材料により形成されている。ブシュ1265は、典型的には、ノーズチューブ1218に対して低摩擦の接触面を提供する材料で形成され、典型的には、位置検出を可能にするように非磁性の材料で形成されている。
【0262】
図85〜
図89、
図91及び
図92に最も良く示されるように、遠位側アセンブリ1202はケース1208内で回転可能に取り付けられた送りネジ1230を有している。送りネジ1230は、典型的には円筒状である。ベアリング1232がケース1208と送りネジ1230の間でケース1208内に配置されている。
【0263】
図85〜
図89を参照すると、送りネジ1230は、ノーズチューブ1218にネジ係合している。ノーズチューブ1218は、送りネジ1230から
縦軸Aに沿って入れ子式に延び、送りネジ1230に対して
縦軸Aに沿って入れ子式に調整可能である。具体的には、送りネジ1230は、送りネジ穴1234及び送りネジ穴1234内の内部ネジ山1236を画定している。ノーズチューブ1218は、外部ネジ山1238を画定している。送りネジ1230は、送りネジ穴1234にノーズチューブ1218を入れ子式に収納している。ノーズチューブ1218の外部ネジ山1238は、送りネジ穴1234内の内部ネジ山1236にネジ係合している。内部ネジ山1236及び外部ネジ山1238は、逆駆動を防ぐ、すなわち、自己ロックを助長する精密ピッチ及びリード角を有している。
【0264】
上記のように、アクチュエータは、送りネジモータ1240を含んでいる。送りネジモータ1240は、
図75A〜
図75C及び
図77に特定されるように、作業部分を回転可能に駆動し、駆動シャフト1210が中空ロータ1287内で中空ロータ1287に対して回転するように、駆動シャフト1210を中空ロータ1287内で回転可能に収納する中空ロータ1287を有している。
【0265】
ノーズチューブ1218は、中空ロータ1287にネジ結合している。具体的には、送りネジモータ1240は、
図85〜
図87に最も良く示されるように、送りネジ1230を回転させるように送りネジ1230と係合し、ノーズチューブ1218は、送りネジ1230とネジ係合している。
【0266】
ノーズチューブ1218は、中空ロータ1287の回転がケース1208に対してノーズチューブ1218を伸縮させるように、ケース1208内で回転が抑制されている。換言すれば、対応する突起1228及びチャネル1224がケース1208に対するノーズチューブ1218の回転を妨げ、
縦軸Aに沿うケース1208に対するノーズチューブ1218の並進を許容するため、送りネジモータ1240がノーズチューブ1218の外部ネジ山1238に対して送りネジ1230の内部ネジ山1236を回転させるときに、ノーズチューブ1218は、ケース1208に対して回転を固定されたままになる。この内部ネジ山1236と外部ネジ山1238との相対回転が、ノーズチューブ1218をケース1208に対して
縦軸Aに沿って移動させることになる。突起1228は、ノーズチューブ1218が
縦軸Aに沿って移動するときに、それぞれ、チャネル1224内でスライドすることになる。その結果、動作中にノーズチューブ1218に担持される切断アクセサリ202は、送りネジ1230の回転に応じて
縦軸Aに沿って並進することになる。
【0267】
図85〜
図87は、例えば、
縦軸Aに沿ってケース1208に対して異なる位置に移動したノーズチューブ1218を示している。詳細には、
図85では、ノーズチューブ1218は、ほぼ完全に伸長しており、
図87では、ノーズチューブ1218は、ほぼ完全に収縮している。
図86は、
図85の位置及び
図87の位置の間の位置を示す。詳細には、
図86は、「ホーム」位置にあるノーズチューブ1218を示している。ノーズチューブ1218がケース1218に対して移動すると、コレットアセンブリ1211、切断アクセサリ202及びノーズチューブ1218に収容される全ての他の要素がノーズチューブ1218とともに移動するようになっている。
【0268】
図85〜
図87に示すように、キー穴1215は、シャフト1210を入れ子式に収納している。シャフト1210は、ノーズチューブ1218が
縦軸Aに沿って伸長及び収縮するにつれてシャフト1210がキー穴1215に出入りするにつれ、キー穴1215に沿ってスライドするようになっている。上記のように、シャフト1210の第1の端部1217は、回転がロータ1214からシャフト1210に伝達するように、キー穴1215に係合すべく構成されている。また、上記のように、第2の端部1223は、コレットアセンブリ1211のキー端部1221に対して回転が固定されている。このように、ノーズチューブ1218が収縮又は伸長すると、シャフト1210は、キー穴1215内のシャフト1210の位置に関わらず、キー穴1215内でスライドし、回転をコレットアセンブリ1211に伝達するようになっている。
【0269】
続けて
図85〜
図87を参照すると、ベアリング1243は、キー穴1215内でシャフト1210を回転可能に支持している。ベアリング1243は、送りネジモータ1240及びシャフト1210の間に配置される。駆動モータ1212のロータは、送りネジのモータ1240のロータが駆動モータ1212のロータの回りで回転する間、送りネジモータ1240内で同心に回転している。シャフト1210は、ノーズチューブ1218の収縮及び伸長の間、ベアリング1243に対して縦にスライド可能である。
【0270】
ベアリング1245は、ノーズチューブ1218内でシャフト1210を回転可能に支持している。シャフト1210は、コレットアセンブリ1211が切断アクセサリ202を固定及び解放するように移動するときに、ベアリング1245に対して縦にスライド可能である。
【0271】
図76及び
図90を参照すると、フランジ1226は、磁石1255等の位置識別具を収納するキャビティ1242を画定することができる。このような実施形態では、ケース1208又はブシュ1265は、
縦軸Aに沿うノーズチューブ1218の位置をトラッキングするように磁石1255の接近度を測定する1つ又は複数の位置センサ、例えば、ホール効果センサ等の磁気センサ(図示せず)を支持している。位置センサは、制御システム100と連通している。
【0272】
上記のように、コレットアセンブリ1211は、切断アクセサリ202に解放可能に係合している。コレットアセンブリ1211は、既定の作動限界を越える送りネジモータ1240の作動に応答して切断アクセサリ202を解放するように構成されている。コレットアセンブリ1211は、シャフト1210から切断アクセサリ202に移動、例えば、トルクを伝達ように切断アクセサリ202に係合している。詳細には、コレットアセンブリ1211は、シャフト1210に対して切断アクセサリ202の回転を固定する。コレットアセンブリ1211は例えば、引用することにより本明細書の一部をなすWalenへの米国特許第5,888,200号に示されるタイプ又は引用することにより本明細書の一部をなすWalenへの米国特許第6,562,055号に示されるタイプのものであることができる。
【0273】
図81〜
図84を参照すると、コレットアセンブリ1211は、外部スリーブ1225及び外部スリーブ1225に入れ子式に収納される内部部材1227を有している。クランプ部材1267、すなわち、
図83に示すコレットは、内部部材1227及び外部スリーブ1225の間で挟まれている。以下に更に述べるように、内部部材1227は、切断アクセサリ202と係合するように、クランプ部材1267を選択的に付勢している。
【0274】
クランプ部材1267は、リング1269及びリング1269から延びる少なくとも1つのアーム1229を有している。
図85は、2つのアーム1229を示す。クランプ部材1267は、本発明の本質から逸脱することなく、任意数のアーム1229を有することができることが理解されるべきである。
【0275】
図81及び
図82を参照すると、内部部材1227は、切断アクセサリ202を収める穴1231を画定している。内部部材1227は、
図84にも示される穴1231と連通する少なくとも1つの開口1233を画定している。各アーム1229は、以下に更に述べるように、切断アクセサリ202と係合するように、開口1233を通って穴1231に延びることができる足1235を有している。
【0276】
内部部材1227は、固定位置(
図88に示される)及び解放位置(
図89に示される)の間で外部スリーブ1225及びアーム1229に対して縦にスライド可能である。詳細には、固定位置では、外部スリーブ1225は、足1235を開口1233に保持するようにアーム1229に保持力を提供している。解放位置では、外部スリーブ1225は、保持力を消滅させるようにアーム1229に対して移動し、足1235は、開口1233から外に自由に移動するようになっている。詳細には、外部スリーブ1225が解放位置のときは、足1235は自然に開口1233内に留まるが、アーム1229は、自由に曲がって足1235が開口1233から外に移動することを許容している。このように、切断アクセサリ202が穴1231に挿入されると、切断アクセサリ202は、足1235を外方に移動させている。
【0277】
コレットアセンブリ1211は、
図88に最も良く示されるように、シャフト1210に隣接するピン1251を有している。バネ1279は、ピン1251と係合するようにシャフト1210に予荷重を与えている。特に、カラー1299がシャフト1210に固定され、バネ1279がカラー1299を遠位側に押し遣るようにノーズチューブ1218に軸固定されたベアリング1245に対して作用している。上記のように、シャフト1210は、コレットアセンブリ1211が切断アクセサリ202を固定及び解放するように移動するときに、ベアリング1245に対して縦にスライド可能であり、バネ1279は、ノーズチューブ1218の通常動作中、シャフト1210をノーズチューブ1218とともに遠位側に移動させるように付勢している。
【0278】
外部スリーブ1225は、外部スリーブ1225及びピン1251が内部部材1227に対する単一ユニットとして一緒に移動するように、ピン1251を収める
図83及び
図84に示す穴1275を画定している。内部部材1227は、ピン1251を収めるスロット1277を画定している。
【0279】
外部スリーブ1225及び内部部材1227が相互に移動すると、シャフト1210が内部部材1227のキー端部1221内で縦にスライドし、ピン1251がスロット1277に沿ってスライドすることになる。換言すれば、内部部材1227は、外部スリーブ1225、ピン1251及びシャフト1210に対して移動することになる。以下に更に述べるように、解放位置に移動するように、シャフト1210は、外部スリーブ1225をケース1208に対して所定の位置に保持するようにピン1251に力を作用させ、ノーズチューブ1218は、内部部材1227を外部スリーブ1225に対して移動させるように内部部材1227に力を作用させている。
【0280】
外部スリーブ1225は、アーム1229に沿って乗り入れるボス1239を有している。固定位置では、外部スリーブ1225のボス1239は、
図88に示すように、スロット1233内及び穴1231内に足1235を保持している。外部スリーブ1225は、穴1249を画定し、解放位置で、穴1249を通ってアーム1229/足1235は伸長することができる。
【0281】
バネ1247が外部スリーブ1225及び内部部材1227の間に配置されている。バネ1247は、外部スリーブ1225及び内部部材1227を固定位置に向けて付勢している。バネ1247は、クランプ部材1267のリング1269に当接し、ワッシャ1273に当接している。バネ1247は、内部部材1227のフランジ1271に対してリング1269を付勢し、外部スリーブ1225に対して固定されたピン1251に対してワッシャ1273を付勢している。
【0282】
図88及び
図89に最も良く示されるように、切断アクセサリ202は、フラット203を画定している。切断アクセサリ202をコレットアセンブリ1211に係合させるのに、外部スリーブ1225及び内部部材1227は、ボス1239が足1235から離れるようにアーム1229に沿って移動するように、解放位置に移動することになる。その後、切断アクセサリ202が穴1231に挿入され、フラット203が足1235と整列するまで穴1231から出るように足1235を付勢する。足1235がフラット203のうちの1つに係合するように、フラット203が足1235と整列したときに、足1235は穴1231にはね戻る。内部部材1227は、その後、切断アクセサリ202をコレットアセンブリ1211に回転的及び並進的に固定するように足1235をフラット203と係合するように固定するように、外部スリーブ1225に対して固定位置に移動する。
【0283】
外部スリーブ1225及び内部部材1227は、送りネジ1230の選択的な移動により、固定位置と解放位置との間で移動することができる。上記のように、ノーズチューブ1218の通常動作範囲内の種々の位置が
図85〜
図87に概略示されている。シャフト1210は、フランジ1241を有している。ノーズチューブ1218が伸長及び収縮すると、フランジ1241は、ベアリング1243に対して移動することになる。
図87に示すように、ノーズチューブ1218がほぼ完全に収縮したときに、フランジ1241はベアリング1243に近い。ノーズチューブ1218が完全に収縮すると、フランジ1241は、ベアリング1243から僅かに離間し、又は、代替的には、ベアリング1243と接触している。
【0284】
外部スリーブ1225及び内部部材1227は、ノーズチューブ1218を
図88のほぼ収縮した位置を越えて、すなわち、通常動作の既定の作動限界を越えて収縮させることで、解放位置に移動させることができる。ノーズチューブ1218が収縮位置を越えて収縮すると、
図88及び
図89に示すように、シャフト1210のフランジ1241が、ベアリング1243に当接し、キー穴1215へのシャフト1210の更なる移動を防いでいる。
【0285】
上記のように、内部部材1227及びノーズチューブ1218は、相互に対する並進が固定され、内部部材1227は、外部スリーブ1225に入れ子式に収納されている。バネ1247は、アーム1229が固定位置になるように、外部スリーブ1225及び内部部材1227を付勢している。フランジ1241がベアリング1243に当接し、ノーズチューブ1218が更に収縮すると、シャフト1210は、ピン1251、したがって、外部スリーブ1225の更なる移動を防ぎ、したがって、ノーズチューブ1218の更なる収縮が外部スリーブ1225に対して内部部材1227を移動させ、これにより、
図89に示すように、バネ1247を圧縮することになる。換言すれば、内部部材1227が移動及びバネ1247の圧縮を継続する間、シャフト1210は、外部スリーブ1225の更なる移動を防ぐように、外部スリーブ1225に固定されたピン1251に当接している。このように、内部部材1227は、送りネジモータ1240の既定の作動限界を越える作動に応答し、上記のように、アーム1229を解放位置に移動させるように外部スリーブ1225に対して移動することになる。
【0286】
通常動作の間、例えば、ナビゲートされた手術処置での使用の間、ノーズチューブ1218は、伸長及び収縮位置の間で移動することができ、収縮位置を越えては収縮しない。切断アクセサリ202をノーズチューブ1218に係合させ、又は、切断アクセサリ202をノーズチューブ1218から解除するには、通常動作外の追加のステップが要求される。上記のようにノーズチューブ1218が収縮位置を越えて収縮して、アーム1229を解放位置に移動させることを可能にする入力を提供するように、例えば、ボタン、スイッチ等の入力装置(図示せず)が外部ケース1206に取り付けられることができる。代替的には、ノーズチューブ1218の収縮位置を越える移動がソフトウェアにより制御されることができる。
【0287】
図81〜
図84に示すコレットアセンブリ1211は、単に例示目的で示されたのであり、シャフト1210は、本発明の本質から逸脱することなく任意の適切な態様で切断アクセサリ202に係合することができることが理解されるべきである。
【0288】
図93及び
図94に示す別の実施形態では、ノーズチューブ1218は、送りネジ1230及びノーズチューブ1218に係合する反発防止(anti−backlash)装置1224を有することができる。反発防止装置1224は、送りネジ1230の内部ネジ山1236とネジ係合するネジ切りされたショルダ1248を有するインサート1246を含んでいる。カップリング1250がノーズチューブ穴1220内でノーズチューブ1218に固定されている。カップリング1250は、典型的には、圧入係合によりノーズチューブ穴1220に固定されるが、カップリング1250は、本発明の本質から逸脱することなく任意の適切な態様でノーズチューブ穴1220に固定されることができる。インサート1246及びカップリング1250は、シャフト1210を回転可能に収納する穴1247を画定している。ベアリング1249が、インサート1246及びシャフト1210の間に配置されることができる。
【0289】
インサート1246は、円周上で離間した指1252を有し、カップリング1250はスロット1253を有している。指1252及びスロット1253は、
縦軸Aの周りで交互配置にて円周状に係合している。インサート1246の指1252及びカップリング1250のスロット1253は、相対回転を防ぐように
縦軸Aの回りの円周上で相互に噛み合い、反発防止装置1224の組立の間、
縦軸Aに沿う相対的な並進を可能にするように
縦軸Aに沿って相互にスライド可能に係合している。このように、インサート1246は、ノーズチューブ穴1218に対して
縦軸Aに沿ってスライドすることができる。
【0290】
バネ部材1254は、インサート1246及びノーズチューブ1218の間に配置され、インサート1246及びノーズチューブ1218の間で
縦軸Aに沿って延びている。バネ部材1254は、エラストマ材料のOリングであることができるが、代替的には、本発明の本質から逸脱することなく、任意のタイプの適したバネ部材であることができる。バネ部材1254は、ノーズチューブ1218の外部ネジ山1238を送りネジ1230の内部ネジ山1236に対して付勢するように
縦軸Aに沿ってノーズチューブ1218に軸圧を印加し、これにより、ノーズチューブ1218に対する送りネジ1230の回転方向の変化の間、外部ネジ山1238と内部ネジ山1236との間の遊びが解消されて反発が解消されることになる。
【0291】
図78に最も良く示されるように、ケース1208は、例えばノーズチューブ1218、送りネジ1230、送りネジモータ1240等の遠位側アセンブリ1202の残りの部分を支持し、少なくとも部分的に取り囲んでいる。したがって、以下に更に述べるように、ケース1208のヨー及びピッチの調整は、遠位側アセンブリ1202の残りの部分及び遠位側アセンブリ1202により保持される切断アクセサリ202のピッチ及びヨーも調整している。
【0292】
図95を参照すると、作業部分、例えば、切断アクセサリ202は、手持ち部分1204に対して少なくとも2つの自由度でジンバル1258の回りで移動するようになっている。具体的には、作業部分は、ジンバル1258の回りでピッチ及びヨーの調整が可能である。ジンバル1258は、
縦軸Aに沿って手持ち部分1204に対して固定されている。ノーズチューブ1218は、
縦軸Aに沿ってジンバル1258に対して並進するようになっている。
【0293】
ジンバルブシュ1256は、外部ケース1206に連結されている。ジンバル1258は、遠位側アセンブリ1202のケース1208に取り付けられ、ジンバルブシュ1256は、遠位側アセンブリ1202のケース1208を近位側アセンブリ1204の外部ケース1206に旋回可能に固定するようジンバル1258を保持している。ジンバルブシュ1256及びジンバル1258は、典型的には、ジンバル1258がジンバルブシュ1256に対して旋回することができるように整合する内面及び外面を有している。例えば、図に示すジンバルブシュ1256は、分かれており、すなわち、2つの部分を有している。ジンバルブシュ1256は、例えば、真鍮又は青銅等の低摩擦材料で形成されている。
【0294】
ジンバル1258は、錐台球形状、すなわち、対向端部が除去された球の外形を有するリング形状である。ジンバル1258は、遠位側アセンブリ1202及び切断アクセサリ202が近位側アセンブリ1204に対して旋回可能なように、遠位側アセンブリ1202のケース1208に取り付けられている。ジンバル1258は、遠位側アセンブリ1202が所与の供給トルクに対して角加速度を最大化するよう旋回するときに、遠位側アセンブリ1202の質量慣性モーメントを最小化するように、遠位側アセンブリ1202の重心Gの周りに位置している。
【0295】
図95を続けて参照すると、ジンバル1258は、スロット1260を画定し、近位側アセンブリ1204は、ジンバルブシュ1256からスロット1260に延びてこれに固定されたペグ1262を有している。スロット1260は、ジンバル1258に沿って縦に延びている。ペグ1262及びスロット1260は、遠位側アセンブリ1202の近位側アセンブリ1204に対するピッチ及びヨーの調整を許容しつつ、遠位側アセンブリ1202の
縦軸Aの回りの近位側アセンブリ1204に対する回転を防ぐサイズ及び形状を有している。
【0296】
近位側アセンブリ1204は、遠位側アセンブリ1202の近位側アセンブリ1204に対するピッチ及びヨーを調整する調整アセンブリ1264を有している。近位側アセンブリ、例えば、外部ケース1206は、ユーザにより保持及び把持されている。
図74〜
図75Cに示すように、近位側アセンブリ1204の外部ケース1206は、調整アセンブリ1264を収容している。調整アセンブリ1264又はその部分の種々の図が
図97〜
図106に示されている。
【0297】
図101を参照すると、調整アセンブリ1264は、ヨー調整装置1268、すなわち、ヨー調整機構1268と、ピッチ調整装置1270、すなわち、ピッチ調整機構1270とを収容するフレーム1266を含んでいる。フレーム1266は、近位側アセンブリ1204の外部ケース1206内に固定されている。ヨー調整装置1268及びピッチ調整装置1270は、遠位側アセンブリ1202の近位側アセンブリ1204に対するそれぞれヨー及びピッチを調整し、遠位側アセンブリ1202をフレーム1266及び外部ケース1206に対して移動させるために、フレーム1266に対して移動し、遠位側アセンブリ1202に係合するようになっている。
【0298】
図101を続けて参照すると、ヨー調整装置1268及びピッチ調整装置1270はそれぞれネジ山付きの一対の送りネジ1272及び送りネジ1272にネジ係合するキャリッジ1274を有している。送りネジ1272は、典型的には、逆駆動(上記参照)を防ぐように精密ピッチのネジ山を有している。ヨー調整装置1268及びピッチ調整装置1270の構成部品、例えば、一対の送りネジ1272及びキャリッジ1274は、相互に同一であり、フレーム1266内に配置されている。具体的には、フレーム1266は、軸の回りに延び、ヨー調整装置1268及びピッチ調整装置1270は、その軸に沿って相互に離間し、その軸の回りで相互に対して90度回転している。
【0299】
図101を参照すると、ヨー調整装置1268及びピッチ調整装置1270の送りネジ1272はフレーム1266に回転可能に係合している。ベアリング1276は、送りネジ1272をフレーム1266内に回転可能に保持するように、送りネジ1272及びフレーム1266の間に配置されている。
図101を参照すると、送りネジ1272はそれぞれネジ山付き面1278を画定し、キャリッジ1274は、送りネジ1272をねじ込み式に収める一対のネジ山付き穴1280を画定している。以下に更に述べるように、一対の送りネジ1272の同時回転が、キャリッジ1274を送りネジ1272に沿って移動させている。キャリッジ1272は、位置センサ、例えば、ホール効果センサと通信する位置特定具、例えば、磁石を収納するポケット(符号は付されていない)を有している。このような位置センサは、例えば、フレーム1266に固定されることができる。位置センサは、制御システム100と連通している。
【0300】
図105及び
図106に示す別の実施形態では、キャリッジ1274は、それぞれ、各送りネジ1272に配置された反発防止装置1282を有することができる。各反発防止装置1282は、送りネジ1272にネジ係合するネジ山付き穴1286を画定するキャップ1284を備えている。
【0301】
キャップ1284は、送りネジ1272に連結されている。キャップ1284は、ネジ山付き穴1286の回りで離間した円周状に離間した指1288を有している。
図105を参照すると、キャリッジ1274は、円周状に離間したスロット1290を画定している。指1288及びスロット1290は、送りネジ1272の周りで円周状に交互配置で係合する。キャップ1284の指1288は、相対回転を防ぎ、送りネジ1272に沿う相対的な並進を可能にするように送りネジ1272に沿って軸方向に相互にスライド可能に係合するように、送りネジ1272の回りで円周状にスロット1290に係合している。このように、キャップ1284は、送りネジ1272に軸方向に沿って、キャリッジ1274に沿って、キャリッジ1274に対してスライドすることができる。
【0302】
バネ部材1292は、キャップ1284及び送りネジ1272の間に配置されている。バネ部材1292は、送りネジ1272に沿って軸方向にキャップ1284及び送りネジ1272の間で延びている。バネ部材1292は、エラストマ材料のOリングであることができるが、代替的には、本発明の本質から逸脱することなく、任意のタイプの適切なバネ部材であることができる。バネ部材1292は、送りネジ1272のネジ山付き面1278のネジ山に対してキャリッジ1274のネジ山付き穴1280のネジ山にバイアスをかけるように、送りネジ1272に沿って軸方向にキャリッジ1274に圧力を作用させ、これにより、キャリッジ1274に対する送りネジ1272の回転方向の変化の間、反発が制限されるようになっている。
【0303】
図101を参照すると、ヨー調整装置1268及びピッチ調整装置1270のキャリッジ1274は、それぞれ、スロット1294を画定している。スロット1294は、垂直方向に延びてポケット1296で交差する。
図96に最も良く示されるように、遠位側アセンブリ1202のケース1208は、ポケット1296内に延びるポスト1298を有している。
【0304】
図102及び
図103を参照すると、スロット1294は、断面に丸みがあり、又は、弓状である。
図96、
図102及び
図104に最も良く示されるように、接続部材1257が、各スロット1294及びポスト1298に係合している。詳細には、各接続部材1257は、ジンバル1258に似た形状を有し、ポスト1298を収める開口1259を画定している。ポスト1298、スロット1294及び接続部材1257の開口1259は、典型的には、それぞれ、例えばステンレス鋼、真鍮又は青銅等の低摩擦材料で形成される面を有し、典型的には、高度に研磨されている。接続部材1257の外面は、スロット1294の弓状の内面に対して旋回することができる。
【0305】
図102及び
図104を参照すると、接続部材1257は、それぞれ、スロット1294の幅Wよりも小さい厚みTを有し、接続部材1257は、それぞれ、スロット1294の幅Wよりも大きい高さHを有している。このように、接続部材1257は、接続部材1257の厚みTがスロット1294の幅W内にフィットするような方位でスロット1294に導入される。接続部材1257は、その後、
図96及び
図97に示す位置に回転し、スロット1294の接続部材1257に係合することになる。開口1259に係合したとき、ポスト1298は、スロット1294から解除された位置への接続部材1257の回転を防ぐことになる。
【0306】
図100を参照すると、ヨーモータ1302は、ヨー調整装置1268の送りネジ1272と係合し、ピッチモータ1304は、ピッチ調整装置1270の送りネジ1272と係合している。ヨーモータ1302及びピッチモータ1304は、
図1に示し、上記した電源140に接続される各モータコントローラ232、234に接続される。モータコントローラ232、234は、典型的には、器具1200から遠くに配置されている。
【0307】
ヨーギアセット1306は、ヨーモータ1302及びヨー調整装置1268の送りネジ1272と係合している。ピッチギアセット1308は、ピッチモータ1304及びピッチ調整装置1270の送りネジ1272に係合している。ヨー調整装置1268及びピッチ調整装置1270の送りネジ1272は、圧入係合及び/又は例えば六角形状の端部等のキー端部を用いた係合により、それぞれ、ギアセット1306、1308のギア(個別には符号が付されていない)に係合している。近位側アセンブリ1204の外部ケース1206は、ヨーモータ1302及びヨーギアセット1306を収容し、ピッチモータ1304及びピッチギアセット1308を収容している。
【0308】
ヨーギアセット1306は、ヨーモータ1302の作動時に、同速度及び角度でヨー調整装置1268の両送りネジ1272を同時に回転させるように構成されている。ピッチギアセット1308は、ピッチモータ1304の作動時に同速度及び角度でピッチ調整装置1270の両送りネジ1272を同時に回転させるように構成されている。このように、各調整装置のキャリッジ1274は、送りネジ1272が回転するときに円滑に送りネジ1272に沿って移動するようになっている。
【0309】
近位側アセンブリ1204に対して遠位側アセンブリ1202のヨーを調整するように、ヨーモータ1302は、ヨーギアセット1306を回転させ、次いで、送りネジ1272を回転させ、調整アセンブリ1264のフレーム1266に対してヨー調整装置1268のキャリッジ1274を移動させる。ヨー調整装置1268のキャリッジ1274がフレーム1266に対して移動するにつれ、キャリッジ1274は、ポスト1298を移動させ、これが、ジンバル1258の回りでケース1208を旋回させて、遠位側アセンブリ1202及び遠位側アセンブリ1202に取り付けられた切断アクセサリ202のヨーを調整するようになっている。
【0310】
近位側アセンブリ1204に対して遠位側アセンブリ1202のピッチを調整するために、ピッチモータ1304は、ピッチギアセット1308を回転させ、次いで、送りネジ1272を回転させ、調整アセンブリ1264のフレーム1266に対してピッチ調整装置1270のキャリッジ1274を移動させる。ピッチ調整装置1270のキャリッジ1274がフレーム1266に対して移動するにつれ、キャリッジ1274は、ポスト1298を移動させ、これが、ジンバル1258の回りでケース1208を旋回させて、遠位側アセンブリ1202及び遠位側アセンブリ1202に取り付けられた切断アクセサリ202のピッチを調整する。キャリッジ1274がポスト1298を移動させるとき、接続部材1257は、スロット1294に沿って移動することになる。
【0311】
ヨーモータ1302及びピッチモータ1304は、近位側アセンブリ1204に対して遠位側アセンブリ1202のヨー及びピッチを調整するように、同時及び/又は独立に動作することができる。送りネジモータ1240は、上記のように、近位側アセンブリ1204に対して切断アクセサリを
縦軸Aに沿って移動させ、遠位側アセンブリ1202のヨー及び/又はピッチを調整するように、ヨーモータ1302及び/又はピッチモータ1304と同時に操作されることができる。送りネジモータ1240は、ヨーモータ1302及びピッチモータ1304とは独立に動作することができる。
【0312】
図74に示すように、少なくとも1つの回路基板1263が外部ケース1206に取り付けられている。切断アクセサリ202の
縦軸A位置(例えば、磁石1255及び磁石センサ)、ヨー位置及びピッチ位置の位置センサが回路基板1263と通信状態にある。例えば、フレキシブル回路が位置センサを回路基板1263に接続している。
【0313】
一実施形態では、アクセサリモータに電源供給する(すなわち選択的に切断アクセサリ202に電源を供給し、又は、電源を供給しない)ように、トリガ又はフットペダル又は代替的にはボタン(不図示)が、近位側アセンブリ1204の外部ケース1206により支持されることができる。器具200について上記のように、器具1200は、器具1200内に配置されたセンサ(特定されていない)を有することができる。これらのセンサは、トリガが作動され、及び/又は、作動されない場合に信号を生成する。センサからの出力信号は、データ接続133から器具ドライバ
130に送られる。このセンサ信号の状態に基づき、器具ドライバ130は、切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204が目標体積104の境界106内にあるときに、加電信号を駆動モータ1212に印加する。トリガ又はボタンの代わりに、又は、トリガ又はボタンに加え、フットペダル(不図示)が、オン/オフの指示を駆動モータ1212に提供することで駆動モータ1212を制御するように、手術器具1200と通信状態であることができる。上記のように、アクセサリ202の回転速度はまた、「ホーム」位置に対するアクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204の位置に依存している。
【0314】
上記のように、切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204が目標体積104の境界106の外側にあるとき、器具ドライバ130は、トリガが作動されたとしても、駆動モータ1212に加電信号を印加しない。トラッキング及び制御システム100は、切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204が
図2に最も良く示される目標体積104のバッファ105に入ったときに、器具ドライバ
130が切断アクセサリ202の速度を低下させる加電信号を印加するよう構成されることができる。
【0315】
IX.ディスプレイスクリーン
ディスプレイ1402とも称されるディスプレイスクリーン1402が手術器具200、1200と通信状態にあり、切断アクセサリ202を作業境界106において配置及び方位決めするように手術器具200、1200の適切な位置及び方位の指示をユーザに提供している。上記のように、ディスプレイ1402は、作業境界
106に対する作業部分の位置を示すように、ナビゲーションシステムと通信状態にある。
【0316】
上記のように、手術器具200、1200は、アクセサリ202を作業境界106において方位決めするために、調整領域(図では特定されていない)内で3つの自由度の回りでアクセサリ202を調整するようになっている。ディスプレイスクリーン1402は、ユーザにより選択的に使用可能である。例えば、ディスプレイスクリーン1402の使用は、4つ以上のチップ配置の自由度を必要とする用途で必要とされる場合があり、3つ以下のチップ配置の自由度を必要とする用途では、選択的であることができる。
【0317】
上記のように、トラッキング及び制御システム100は、切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204を目標体積104内に保つために、解剖学的組織及び手術器具1200の配置及び方位をトラッキングするようになっている。トラッキング及び制御システム100による解剖学的組織及び手術器具1200の位置及び方位のトラッキングに基づき、ディスプレイスクリーン1402は、必要な場合には、作業境界106が手術器具200、1200の調整範囲内にあるように、すなわち、手術器具が作業境界106内に切断アクセサリ202を配置及び方位決めさせるために調整可能であるように、手術器具200のハンドルアセンブリ500又は手術器具1200の外部ケース1206を配置及び方位決めするのに必要な調整を表示している。
【0318】
ディスプレイスクリーン1402は、例えば、液晶表示(LCD)モニタ、発光ダイオード(LED)モニタ、有機発光ダイオード(OLED)モニタ等であることができるが、ディスプレイスクリーン1402は、本発明の本質から逸脱することなく、任意のタイプのデジタル又はアナログディスプレイであることができることが理解される。ディスプレイスクリーン1402は、手術器具200、1200に取り付けることができ、より詳細には、例えば、
図72及び
図73に示すように、切断アクセサリ202を見るときに、ユーザの視線に概略沿うように取り付けることができる。代替的には、ディスプレイスクリーン1402は、手術器具200、1200から離間して、これらに対して独立に移動可能である。
【0319】
ディスプレイスクリーン1402の視覚的な内容の種々の実施形態が
図107〜
図111に示されている。ディスプレイスクリーン1402は、十字線1406及び同心円1408を含む目標レチクル1404を表示することができる。十字線の交点1414は、手術器具200のハンドルアセンブリ500又は手術器具1200の外部ケース1206の望ましい位置及び/又は方位を特定している。
【0320】
図108、
図110及び
図111に示すように、ディスプレイスクリーン1402は、並進記号1410及び関連する並進マーカ1412を表示することができる。目標体積104に対する手術器具200のハンドルアセンブリ500又は手術器具1200の外部ケース1206の並進は、ディスプレイスクリーン1402上の並進マーカ1412の移動により反映されることができる。換言すれば、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206の右への並進に応答して並進マーカ1412はディスプレイスクリーン1402上で左に移動し、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206の左への並進に応答して、並進マーカ1412はディスプレイスクリーン1402上で右に移動するようになっている。同様に、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206の下又は上への並進に応答して、それぞれ、並進マーカ1412はディスプレイスクリーン1402上で上又は下に移動するようになっている。このように、切断アクセサリ202を目標体積104に対して適切に配置するには、ユーザは、十字線の交点1414が並進マーカ1412に向かって移動するようにハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を並進させる。ディスプレイスクリーン1402上の縮尺は、拡大又は縮小することができることが理解される。換言すれば、ディスプレイスクリーン1402上での並進マーカ1412の並進は、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206の実際の並進との比較で異なる縮尺であることができる。
【0321】
例えば、目標レチクル1404とともに使用した時には、ユーザは、最初に、十字線
1406の交点1414を並進マーカ1412に位置させるようにハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を左右及び/又は上下に並進させ、これにより、切断アクセサリ202が作業境界106内に配置される。外科的施術に応じて、並進マーカ1412が境界106内に残ってはいるけれども、十字線1406の交点1414から離れる方に移動するように、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206が移動されたときに、切断アクセサリ202に電源が供給されることができる。代替的には、ネジ又はピンの挿入準備における穴開け等の他の外科的施術では、十字線
1406の交点1414が並進マーカ1412又は同心円1408の内側円と整列したときにのみ切断アクセサリ202に電源供給されることができる。
【0322】
いくつかの実施形態では、ディスプレイスクリーン1402は、ホーム位置に対する作業部分の逸れを示している。並進マーカ1412は、ホーム位置からのアクセサリの遠位側チップ
すなわちバーヘッド204の逸れを示している。この実施形態では、ユーザは、チップ
すなわちバーヘッド204が調整包絡線を越えない、すなわち、ホーム位置からのピッチ/ヨー/
縦軸A調整の制約を越えない限り、経路又軌跡上に切断チップ204を保つようにピッチ、ヨー及び
縦軸Aに沿う並進を調整することができる。その結果、ユーザは、並進マーカ
1412を器具が逸れることができるホーム位置からの逸れの程度に応じた中心からの或る特定の範囲内に維持することが必要なだけになる。
【0323】
図107〜
図109に示すように、ディスプレイスクリーン1402は、方位記号1416及び関連する方位マーカ1418を表示することができる。方位記号1416及び方位マーカ1418は、目標体積104に対するハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206の方位、すなわち、ピッチ及びヨーを表示している。ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206の方位は、ディスプレイスクリーン1402上の方位マーカ1418の移動により概略反映されることができる。詳細には、方位マーカ1418は、目標体積104に対するハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206のそれぞれ右又は左へのヨーイングに応答して、ディスプレイスクリーン1402上で左又は右に移動するようになっている。方位マーカ1418は、目標体積104に対するハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206のそれぞれ下又は上へのピッチングに応答して、ディスプレイスクリーン1402上で上又は下に移動することになる。このように、切断アクセサリ202を目標体積104に対して適切に方位決めするように、ユーザは、十字線1406の交点1414が方位マーカ1418に向かって移動するように、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を移動させている。
【0324】
複数の円1408の間の間隔は、目標体積104に対して近位側アセンブリ1204を適切に方位決めするように必要な角度移動の非線形表示であることができる。例えば、方位マーカ1418が最内リング上にあるときは、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206の必要な移動は、1度であり、方位マーカ1418が次のリング上にあるときは、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206の必要な移動は、5度であり、方位マーカ1418が次のリング上にあるときは、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206の必要な移動は、25度である。各リングに関連する値は、調整されることができる。
【0325】
目標レチクル1404とともに使用した場合、例えば、ユーザは、最初に、十字線1406の交点1414を方位マーカ1418に位置させるようにハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を方位決めし、これにより、切断アクセサリ202が作業境界106内に方位決めされる。外科的施術に応じ、方位マーカ1418が十字線1406の交点1414から離れるように移動し、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206が移動するけれども、チップ
すなわちバーヘッド204が、境界
106が事前規定の軌跡の場合等には、目標体積104の境界106内、又は、境界106から事前規定の逸脱内に留まっている場合に、切断アクセサリ202は電源供給されることができる。代替的には、ネジ又はピンの挿入準備の穴開け等の他の外科的施術では、切断アクセサリ202は、十字線1406の交点1414が方位マーカ1418又は同心円1408の内側円と整列しているときのみ電源供給されることができる。
【0326】
図109を参照すると、目標レチクル1404は、許容リング1420を含むことができる。目標レチクル1404の同心円1408の最内のものであることができる許容リング1420は、識別されるように他の同心円1408と異なる色及び/又は太さのものであることができる。
【0327】
許容リング1420は、切断アクセサリ202が操作されることができるノーズチューブ1218の位置範囲を示し得る。許容リング1420は、典型的には、方位マーカ1418とともに使用される。換言すれば、切断アクセサリ202は、方位マーカ1418が許容リング1420内にあるときに操作可能である。
【0328】
制御システム100は、作業部分が仮想境界に接近するにつれてディスプレイ1402の解像度を変化させ、ディスプレイ1402を制御するよう構成されている。換言すれば、許容リング1420は、例えば、施術中に変化することができる。例えば、椎弓根ネジの穴を形成する穴開け施術の間、許容可能なノーズチューブ1218のピッチ及びヨー位置は、切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204が骨のより深くに移動するにつれて変化する場合があり、すなわち、穴が深くなるにつれて、ノーズチューブ1218と穴の側面との間での衝突を避けるように、許容可能なピッチ及びヨー位置は、減少することになる。このような施術では、許容リング1420は、ピッチ及びヨー方向の許容可能な逸脱量が減少していることを示すように、チップ
すなわちバーヘッド204が骨
102のより深くに移動するにつれて、小さくなるように構成されることが可能である。
【0329】
ディスプレイスクリーン1402は、深さ記号1422及び関連する深さマーカ1424を表示することができる。深さ記号1422及び深さマーカ1424は、目標体積104に対する切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204の深さを表示している。
【0330】
一実施形態では、深さ記号1422は、上限線1426、下限線1428及び中間線1430を有している。
図107〜
図109の深さ記号1422の最上の線である上限線1426は、目標体積104の表面を示し、
図126〜
図128及び
図131の深さ記号1422の最下線である下限線1428は、目標体積104の底部を示している。換言すれば、深さマーカ1424が上限線1426上に位置するときには、深さ記号1422及び深さマーカ1424は、切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204が目標体積104の表面にあることを示している。深さマーカ1424が下限線1428上に位置するときには、深さ記号1422及び深さマーカ1424は、切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204が目標体積104の底部にあることを示している。
【0331】
別の実施形態では、中間線1430は、チップ
すなわちバーヘッド204のホーム位置を示す。切断アクセサリ202の
バーヘッド204を目標体積104に対して正しい深さに配置するには、ユーザは、深さ記号1422の中間線1430が概略深さマーカ1424付近に表示されるように、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を移動させることになる。
【0332】
図107〜
図109に示すように、深さ記号1422は、上限線1426から上方に延びる延長線1432を表示することができる。延長線1432は、目標体積104の直近の領域を示している。
【0333】
図110に示すように、ディスプレイスクリーン1402は、図
110の深さ記号1422に隣接して示される許容バー1434を表示することができる。上限線1426が目標体積104の表面を示し、下限線1428が目標体積104の底部を示す代替形態では、図
110に示す許容バー1434は、目標体積104の表面を示す頂点1436及び目標体積104の底部を示す底点1438を有している。
【0334】
ディスプレイスクリーン1402は、それぞれが選択された情報を表示することができる上部バナー1440及び底部バナー1442を表示する。例えば、上部バナー1440及び/又は底部バナー1442は、実施中の施術のタイプ、患者情報等を表示することができる。上部バナー1440及び/又は底部バナー1442は、トラッカ114、116の遮られた視認性を示すインジケータ1444を有することができる。インジケータ1444は、視認性が確立されたか、又は、確立されていないかを示すように色分け(例えば、赤及び緑)されることができる。
【0335】
並進記号1410/並進マーカ1412、方位記号1416/方位マーカ1418及び深さ記号1422/深さマーカ1424は、ディスプレイスクリーン1402上で独立に表示又は非表示されることができる。並進マーカ1412、方位マーカ1418及び深さマーカ1424は、識別の容易化するように、それぞれ異なる色のものであることができる。並進記号1410、方位記号1416及び深さ記号1422は、識別の容易にするように、それぞれ、並進マーカ1412、方位マーカ1418及び深さマーカ1424と同じ色で着色されることができる。色分けに加え、又は、色分けの代わりに、並進マーカ1412、方位マーカ1418及び深さマーカ1424は、区別の容易にするように、それぞれ異なる記号であることができる。
【0336】
図107〜
図111は、ディスプレイスクリーン1402の視覚的な内容の種々の実施形態を示している。図
109に示すディスプレイスクリーン1402は、方位記号1416及び方位マーカ1418を表示し、深さ記号1422及び深さマーカ1424を表示する。上記のように、切断アクセサリ202を目標体積104に対して適切に方位決めするように、ユーザは、十字線1406の交点1414が方位マーカ1418に向かって移動するように、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を移動させている。このように、
図107に示すシナリオでは、ユーザは、交点1414を方位マーカ1418と整列させるように、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206のヨーを右に調整し、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を下にピッチングさせる。切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204を目標体積104に対して正しい深さに配置するように、ユーザは、深さ記号1422の最低線1428が深さマーカ1424上に配置されるようにハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を移動させる。例えば、椎弓根ネジ又はピンの穴を形成するように、バーで骨に穴開けするときには、最低線1428が深さマーカ1424に向かって移動することになる。
【0337】
図107に示すディスプレイスクリーン1402は、許容リング1420を表示し、したがって、許容リング1420が方位マーカ1418の回りに表示されるときに、切断アクセサリ202は電源供給されることができる。代替的には、
図109に示すディスプレイスクリーン1402は、許容リングを表示しない。
図108に示すディスプレイスクリーン1402は、並進記号1410及び並進マーカ1412、方位軸及び方位マーカ1418、及び、深さ記号1422及び深さマーカ1424を表示している。このシナリオでは、ユーザは、交点1414を方位マーカ1418に整列させるように、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206のヨーを右に調整し、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を下にピッチングさせている。ユーザは、また、交点1414を並進マーカ1412と整列させるように、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を上及び左に並進させる。切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204を目標体積104に対して正しい深さに配置するように、ユーザは、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を移動させている。
図108に示すディスプレイスクリーン1402は、許容リング1420を表示し、したがって、許容リング1420が方位マーカ1418の回りに配置されたときに、切断アクセサリ202は、電源供給されることができる。
【0338】
図108に示すディスプレイスクリーン1402は、並進記号1410及び並進マーカ1412を表示し、深さ記号1422及び深さマーカ1424を表示している。このシナリオでは、ユーザは、交点1414を並進マーカ1412と整列させるように、より好ましくは、交点1414を並進マーカ1412と整列させるように、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を上及び左に並進させている。上記のように、図
110のディスプレイスクリーン1402は、許容バー1434を表示している。図
110では、ユーザは、許容バー1434が深さマーカ1424に沿って表示されるまでチップ
すなわちバーヘッド204を目標体積104のより深くに移動させることにより、切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204を適切な深さに配置している。
【0339】
図示されないが、ディスプレイスクリーン1402は、空白であることができ、すなわち、目標レチクル1404を表示せず、何らの指示記号又はマーカも含まないことが理解されるべきである。このような実施形態は、ディスプレイスクリーン1402からの追加の案内も必要としない切断用途に使用されることができる。
【0340】
図111に示すディスプレイスクリーン1402は、並進記号1410及び並進マーカ1412を表示し、深さ記号1422及び深さマーカ1424を表示する。このシナリオでは、ユーザは、交点1414を並進マーカ1412と整列させるように、ハンドルアセンブリ500又は外部ケース1206を上及び左に並進させている。
図111を続けて参照すると、ユーザは、中間線1430が深さマーカ1424と整列するまで目標体積104から外に
バーヘッド204を移動させることにより、切断アクセサリ202のチップ
すなわちバーヘッド204を適切な深さに配置している。
【0341】
X.外科的施術
いくつかの外科的施術がシステム100及び器具200、1200により行うことができる。これらの施術のうちのいくつかは、骨等の組織の除去を含んでいる。器具200、1200を用いた骨の除去は、器具200、1200に取り付けられた切断アクセサリ202の施術及びタイプに応じて、スカルプティング、シェービング、コアリング、穴開け又は骨を除去する任意の他の方法を含むことができる。器具200、1200は、脊椎、膝、臀部、頭蓋の組織の除去及び他の施術に使用されることができる。これらの施術は、開腹術又は低侵襲施術であることができる。
【0342】
各外科的施術の間、器具200、1200のチップ
すなわちバーヘッド204及び処置される解剖学的組織の位置及び/又は方位が動的にトラッキングされる。
バーヘッド204及び解剖学的組織の表示は、外科医がこれらの相対位置を常に認識するようにディスプレイ113、1402に連続的に表示される。
バーヘッド204の位置は、上記のようにシステム100に規定された境界に対する
バーヘッド204の関係に基づいて、システム100により制御される。いくつかの場合、境界は、避けるべき解剖学的組織の領域を画定し、他の場合、境界は、
バーヘッド204が横切るようにシステム100により特に制御される経路を規定する。
【0343】
図112A〜
図112Dを参照すると、1つの施術では、器具200、1200は、脊椎固定を行うように使用される。組織を除去するように器具200、1200が使用されることができる脊椎固定術は、これらに限定はされないが、前方腰椎椎体間固定術(ALIF:anterior lumbar interbody fusion)、後方腰椎椎体間固定術(PLIF:posterior lumbar interbody fusion)、経椎間孔椎体間固定術(TLIF:transforamenallumbar interbody fusion)、直接側方椎体間固定術(DLIF:direct lateral interbody fusion)又は最側方椎体間固定術(XLIF:extreme lateral interbody fusion)を含んでいる。
【0344】
図112Aを参照すると、いくつかの椎体間脊椎固定術において、器具200、1200は、患者の椎間板1600にアクセスするように、骨を最初に切断及び貫通するのに使用されることができる。例えば、椎間板1600の後方でのアクセスは、椎弓板1602の貫通を必要とすることができる。外科医により採用される手法に応じ、椎間板1600へのアクセスには患者の椎弓板1602の全部又は一部の除去が必要であることができる。これらの実施形態では、切断アクセサリ202の
バーヘッド204(例えば、
チップ)は、椎弓板1602の全部又は一部を除去するように患者の椎弓板1602を貫通している。
【0345】
更に
図112Aを参照すると、椎間板1600へのアクセスを得るように骨が一旦除去されると、器具200、1200は、患者の椎間板1600の全部又は一部を切除することで椎間板切除術を行うことができる。
【0346】
いくつかの場合、椎間板切除術を行うのに最初に骨を除去することを必要としない。椎間板1600へアクセスするのに骨の除去を要するかどうかは、外科医の開始する施術の決定、例えば、ALIF、PLIF、TLIF、DLIF等のいずれにするかの決定に依存する。除去すべき椎弓板1602及び椎間板1600の部分は、
バーヘッド204の移動を制御するようにシステム100に記憶される境界として術前に規定されることができる。
【0347】
終板1604、1606及び椎間板1600を含む施術に関連する椎体の位置及び方位は、各椎体にトラッカ1612を取り付けて、その後、外科医がディスプレイ113、1402上で除去する物質を視覚化することができるように、術前画像に椎体をマッチングすることによるナビゲーションを用いてトラッキングされる。椎間板1600の位置及び方位は、椎間板1600の上下の骨の位置及び方位をトラッキングすることにより推測されることができる。除去されるべき骨又は椎間板の部分は、1つの色で表示することができ、他方、残されるべき物質は、異なる色で表示されることができる。表示は、既に除去した物質を消去しつつ、更に除去されるべき物質を示すように、切断が進展するにつれて更新される。いくつかの実施形態では、各トラッカは、椎体の移動をトラッキングする3つ以上の能動マーカ又は受動マーカ1614を有している。
【0348】
患者の解剖学的組織に術前画像を登録する技術は、手術ナビゲーションの分野で十分に既知である。いくつかの実施形態では、その開示が引用することにより本明細書の一部をなす「Surgery System(手術システム)」と題する米国特許第7,725,162号に示されるようなトラッキングされるポインタが、解剖学的組織に術前画像を登録するようにその後に術前画像とマッチングされる、各椎体上の解剖学的目印を識別するのに使用される。
【0349】
図112Bを参照すると、骨プレート1604、1606からの骨は、出血している海綿質骨を露出するように、
バーヘッド204により除去されることができる。出血している骨の露出は、骨マトリクス物質1608との骨の内部成長を促進するものである。
【0350】
終板1604、1606の表面は、外科医が好む形状に切断されることができる。終板1604、1606は、所望の形状を形成するように、トラッキング及び制御システム100の案内の下で、
バーヘッド204により成形されている。所望の形状は、
バーヘッド204が境界内に留まるように制御され、システム100内で境界として事前規定されることになる。いくつかの場合、所望の形状は、終板1604、1606に加工される平坦な表面であり、一方、他の場合、移植片1610
(図112C)を更に所定の位置に固定するリブ付けされた、波形の、凹凸の多い又は他の平坦でない表面が好ましい。
【0351】
終板1604、1606の準備の後、移植片1610が終板1604、1606の間に配置される。骨マトリクス物質1608は、使用される移植片のタイプ及びサイズ及びその位置に応じて、移植片1610の配置の前及び/又は後に、椎間板隙で移植片1610内に配置されることができる。骨マトリクス物質1608は、骨誘導因子(BMP:bone morphogenetic proteins)を有する又は有さない自己移植又は自家移植物質を含むことができる。骨マトリクス物質1608は、鉗子、カニューレ及びプランジャー等により椎間板隙に配置されることができる。
図112Cは、移植片1610の前面及び移植片1610の内部の椎間板隙に位置する骨マトリクス物質1608とともに配置された移植片1610を示している。
【0352】
示す移植片1610は、移植片1610の上面及び下面に画定されるリブ1616を有している。リブ1616に適合し、更には移植片1610を所定位置に固定する凹部(符号は付されていない)を設けるために終板1604、1606が加工されるように、システム100において境界が規定されることができる。
【0353】
図112Dを参照すると、一旦、移植片1610が終板1604、1606の間に配置されると、器具200、1200の
バーヘッド204が椎弓根にパイロット孔1618を準備するのに使用されることができる。パイロット孔
1618は、移植片1610を安定化させるように使用されるネジ/ロッド固定システムの一部を形成する椎弓根ネジ1620を収めるように形成されている。
【0354】
別個の境界がパイロット孔の軌跡を規定している。システム100は、方向及び深さを含めて、パイロット孔
1618を正確に切断するように、前述のように、
バーヘッド204が軌跡に沿って留まるように制御する。ネジ1620は、ネジ駆動工具(図示せず)でパイロット孔
1618に固定されている。ネジ1620は、適切なロッド1622で固定されている。
【0355】
前方術又は側方術等の他の実施形態では、移植片の固定を提供するように、ネジが骨プレートとともに使用されている。
【0356】
脊椎固定術の間、
バーヘッド204が避ける必要のある敏感な解剖学的組織の位置を示すように、システム100において追加の境界(図示せず)が規定されることができる。システム100においてこれらの境界を規定することにより、器具200、1200のナビゲーションによりこれらを避けることができる。このような境界に
バーヘッド204が接近すると、上記のように、
バーヘッド204は、3つの自由度の移動で逸れることができる。さらに、外科医は、敏感な解剖学的組織を画定する境界をディスプレイ113、1402上で視覚化することができる。敏感な解剖学的組織は、患者の大動脈及び/又は大静脈又は患者の任意の脈管構造及び/又は神経を含んでいる。
【0357】
器具200、1200が採用されることができる他の脊椎施術は、狭窄、椎体置換又は瘢痕組織除去を含む任意の施術を含んでいる。論じた脊椎施術では、組織が切断及び切開される開腹術、又は、
バーヘッド204がガイドチューブ、カニューレ又は他のアクセスチャネルを通して骨の部位に配置される低侵襲施術のどちらかで対象の骨にアクセスすることができる。
【0358】
図113A及び
図113Bを参照すると、器具200、1200により行うことができる別の施術は、大腿寛骨臼インピンジメント(FAI:femoral acetabular impingement)手術である。FAIは、患者の大腿骨骨頭に過剰量の骨が存在するときに生じることができる。過剰の骨は、通常、大腿骨骨頭の上面に沿って位置し、カム形状の骨頭を形成している。その非球形である形状により、通常に形成された関節窩内での大腿骨骨頭の回転は、インピンジメントを生じさせている。例えば、
図113Aに示すインピンジメント参照。このインピンジメントを軽減するのに、器具200、1200の
バーヘッド204は、より均一な大腿骨骨頭を形成し、インピンジメントの領域を緩和するように過剰の骨を除去している。器具200、1200は、いくつかの実施形態では、寛骨臼又は所望の場合は寛骨臼に連結される開節唇の骨を成形するのにも使用されることができる。
【0359】
FAI術が始まる前に、計画は、例えば、大腿骨1640及び臀部1642の3D画像を提供するMRI又はCTスキャンである術前スキャンを含んでいる。これらの画像は、システム100に記憶される。除去される過剰の骨1641及び/又は残される解剖学的組織の部分(寛骨臼等)の体積を画定する境界は、その後、臀部の動きの動的なシミュレーションに基づいてシステム100により自動的に、又は、外科医により規定される。境界は、システム100に記憶され、
バーヘッド204と境界との間の所望の関係を維持する3つの自由度での
バーヘッド204の移動を制御するように、後に使用される。
【0360】
能動マーカ又は受動マーカ1646を有するトラッカ1644は、大腿骨1640及び臀部1642に取り付けられる。トラッカ1644は、皮膚を通して骨に挿入された骨ピンを用い、又は、当業者に知られた他の方法を用いて大腿骨1640及び臀部1642に固定されることができる。
【0361】
術前画像は、システム100が、大腿骨1640及び臀部1642に対する
バーヘッド204(例えば、
チップ)の移動をトラッキングすることができるように、前述のように、トラッカ1644及びポインタを用いて解剖学的組織に登録される。特に、大腿骨骨頭1648及び寛骨臼1650の位置及び方位が施術中にトラッキングされる。
【0362】
施術の次のステップでは、患者の皮膚を通して2つの別個のアクセス通路が形成される。一方の通路は、器具200、1200の
バーヘッド204に対して形成され、一方の通路は、内視鏡(図示せず)に対して形成される。これらのアクセス通路は、ガイドチューブ、カニューレ又は他のアクセス形成装置により設けることができる。或る特定の実施形態では、これらのアクセス装置は、この装置にトラッカ(不図示)を取り付けることにより、システム100によりトラッキングされることができる。これにより、システム100又はユーザが寛骨臼/股関節への正しい通路を確立することが可能になる。
【0363】
器具200、1200は、その後、一方のアクセス通路を通して配置される。器具200、1200は、大腿骨骨頭1648から過剰の骨1641の所望の体積を除去するように操作される。トラッカ1644は、大腿骨骨頭1648、寛骨臼及びこれに関連付けられた任意の規定された境界に対する
バーヘッド204の位置を監視するようにシステム100によって使用される。器具200、1200は、その後、残すべき組織を避けて、除去すべき物質の切断のみを確実にするように、必要により、
バーヘッド204を移動させるシステム100により制御される。これにより、インピンジメントを軽減するように大腿骨骨頭1648から物質1641の所望の体積のみが除去されることが確実になる。
【0364】
この施術において、骨が除去されるとき、大腿骨骨頭1648の到達困難な領域にアクセスするのに、臀部を収縮させることが必要な場合がある。自発モードでは、システム100は、これらの他の領域にアクセスするのに、最初に、患者の移動及び臀部の収縮を促すことができる。
【0365】
この施術の間、外科医は、ディスプレイ113、1402上で残すべき骨と異なる色で表示されることができる除去されるべき大腿骨骨頭1648の骨の体積を見ることができる。ディスプレイ113、1402は、大腿骨骨頭1648の所望の最終形状を画定する境界に対する除去すべき残りの骨をも示すことができる。
バーヘッド204、大腿骨骨頭1648及び寛骨臼1650をトラッキングすることで、境界及び解剖学的組織に対する
バーヘッド204の位置をディスプレイ113、1402上に表示し、それにより、施術後に適切に成形された大腿骨骨頭1648が残る確実性を外科医に与えることができる。
【0366】
除去すべき残りの大腿骨骨頭1648の骨の表示は、大腿骨骨頭の所望の最終形状とともに、内視鏡(不図示)と関連付けられた視認ステーションにオーバーレイされることができる。この態様で、内視鏡のディスプレイは、骨及び他の組織の内視鏡視野とともに、除去されるべき骨も動的に表示している。この実施形態では、内視鏡の位置及び方位が解剖学的組織及び器具200、1200と同じ座標系で決定することができるように、トラッキング装置(図示せず)が、内視鏡(図示せず)にも取り付けられている。
【0367】
システム100は、骨が除去されるときに、臀部動作の動的シミュレータが緩和又は存置されるインピンジメントの量を評価するように事前プログラムされることができる。例えば、施術の開始時に、寛骨臼1650の大腿骨骨頭1648の自由回転(すなわち、インピンジメントの無いときの回転)の量は、X度であることができる。施術の進行に伴い、Xの値は増加する。この値は、ディスプレイ113、1402に表示されることができる。システム100は、Xの値が十分な骨の物質が除去されたことを示す事前決定した閾値に到達したときに、外科医に警告することができる。
【0368】
いくつかの実施形態では、
バーヘッド204により他の物質が除去されることができる。例えば、
バーヘッド204は、軟骨損傷部又は関節唇(labral)を創傷清拭し、骨隆起を切除し及び/又は寛骨臼骨縁を整形するように使用されることができる。
【0369】
図114を参照すると、システム100及び器具200、1200により行われる別の施術は、前十字靭帯(ACL:anterior cruciate ligament)再建術である。ACL再建術では、膝へのアクセスは、関節鏡(不図示)又は他のガイドチューブ若しくはカニューレにより行われる。既存のACLは、シェーバ又は他の装置を用いて最初に除去される。グラフト
1651が、その後、除去されたACLを置換するように形成される。適切なグラフトは、半腱様筋(正:semi−tendinosus)/薄筋グラフト又は骨付き膝蓋腱(BTB:bone−tendon−bone)グラフトを含んでいる。
【0370】
ACL再建術の前に、MRI又はCTスキャン等の術前画像が、大腿骨1656及び頸骨1658並びにACLを含む膝関節の3次元モデルを生成するのに使用されることができる。能動マーカ又は受動マーカ1662を有するトラッキング装置1660は、施術の間、及び、前述のように術前画像を解剖学的組織に登録するように、大腿骨1656及び頸骨1658の位置及び方位をトラッキングするのに、従来の方法を用いて大腿骨1656及び頸骨1658のそれぞれに取り付けられる。
【0371】
施術の間、2つのトンネル又は通路1652、1654が、グラフト1651が固定される大腿骨1656及び頸骨1658にそれぞれ形成される。従来的には、通路1652、1654は、大腿骨1656及び頸骨1658への異なるアクセス通路とは別個に形成され、したがって、2つの別個の切断ガイドを必要とする。例えば、典型的な施術では、頸骨1658への接近は、関節下部から行われ、その後、上記通路(tunnel)が関節に向かって穿孔される。大腿骨1656は、関節から開始し、その後、関節から離れて大腿骨1656に向けて穿孔することにより穿孔される。器具200、1200は、切断ガイドを用いることなく、同じ従来的な態様で使用されることができる。
【0372】
図114の実施形態では、通路1652、1654を画定する境界がシステム100で確立されることができる。
バーヘッド204、大腿骨1656及び頸骨1658の位置をトラッキングすることで、システム100は、
バーヘッド204(例えば、
チップ)の移動を境界内に留めるように制御することができる。境界が解剖学的組織に結びついているため、解剖学的組織の移動のトラッキングで、境界の移動もトラッキングされることになる。
【0373】
トラッキング及び制御システム100を使用し、上記のような大腿骨1656及び頸骨1658に2つの別々の不連続に形成された経路の代わりに、膝関節の外側から開始し、頸骨1658を通過し、膝関節に、そして、その後、大腿骨1656に連続的に形成された通路が形成されることができる。膝関節の外側から開始し、大腿骨1656を通過し、膝関節に、そして、その後、頸骨1658に通路を形成することもできる。
【0374】
連続的に形成された通路を容易にするため、大腿骨1656の通路1652を画定する仮想境界が、頸骨1658の通路1654を画定する仮想境界と整列されることができる。例えば、頸骨
1658の通路1654が最初に形成されることができ、その後、頸骨通路1654から切断アクセサリ202を除去することなく、大腿骨通路1652を画定する仮想境界が、頸骨通路1654(又はその仮想境界)と整列されることができる。これは、大腿骨1656及び頸骨1658をトラッキングし、ディスプレイ113、1402上で通路又は境界整列(又は不整列)の表示を提供することで行われることができる。整列の値が、ディスプレイ113、1402上で数値的に又はグラフでも表示されることができる整列線からの度合い又は同様の値として確立されることができる。施術は、最初に大腿骨1656で切断を行い、その後、頸骨1658に進むことでも行うことができる。
【0375】
通路1652、1654が整列すると、外科医が、器具200、1200を操作して更に大腿骨1656に
バーヘッド204を貫通させて切断を完了することができるように、ディスプレイ
113、1402が聴覚的又は視覚的表示を提供することができる。外科医は、整列が維持される限り、継続する。その結果、最初に形成した通路からの
バーヘッド204を除去せずに、また、何らの切断ガイドも用いずに、1つの連続的な方向への通路1652、1654が形成されることになる。
【0376】
通路1652、1654が一旦形成されると、グラフト1651がACL配置器具によって通路1652、1654に通される。グラフト1651は、その後、ネジ、ピン等を用いて通路1652、1654内に固定される。
【0377】
図115A及び
図115Bを参照すると、システム100及び器具200、1200が採用されることができる別の施術は、局所軟骨欠損修復術である。1つのこのような施術は、関節鏡微小骨折術(AMS:arthroscopic microfracture surgery)である。AMSは、摩滅して骨1674を露出させた関節表面の軟骨1670の修復に使用される。関節表面上にある露出した骨は、しばしば、荷重を支持し、患者に痛みを生じる可能性がある。しばしば、AMSは、膝関節、特に大腿骨1672の関節表面で採用される。
【0378】
AMSの前に、大腿骨1672(及び必要であれば頸骨)の3次元モデルを生成するようにMRI又はCTスキャン等の術前画像が使用されることができる。施術の間、そして、前述のように術前画像を解剖学的組織に登録するように、大腿骨1672及び頸骨をトラッキングするのに、能動マーカ又は受動マーカ1678を有するトラッキング装置1676が大腿骨1672及び頸骨(トラッキングされる場合)のそれぞれに従来の方法を用いて取り付けられる。
【0379】
施術の間、骨1674の摩滅した領域及び周囲の軟骨1670へのアクセスが、患者の皮膚を通して配置された骨1674の摩滅領域へのアクセス通路を提供する関節鏡、カニューレ又は他のガイドチューブにより行われる。その後、器具200、1200の
バーヘッド204は、骨1674の近傍に形成されたアクセス通路を通して配置される。骨
1674の摩滅した領域は、その後、骨1674の回りの残った軟骨1670のいかなる凹凸の多い縁部も平滑にするように、
バーヘッド204(例えば、
チップ)によって再成形される。露出した骨1674もまた、摩滅した元の軟骨1670と似た外形に
バーヘッド204により平滑化される。
【0380】
図115Bに示すように、再成形される体積を画定する境界がシステム100で確立されることができる。この体積は、切断の深さ及び平滑な外縁部により画定される。施術の間、
バーヘッド204、大腿骨1672及び軟骨(トラッキングされる場合)の位置及び/又は方位をトラッキングすることで、
バーヘッド204が境界内に維持されることができる。境界が解剖学的組織に結びついているため、解剖学的組織の移動のトラッキングにより、境界の移動もまたトラッキングされる。
【0381】
図115Bを参照すると、一旦、骨1674及び軟骨1670の摩滅した領域が再成形されると、骨1674の近傍のアクセス通路を通して錐1680又は他の骨のパンチング又は穿孔器具が配置されることができる。錐1680の先端部は、その後、いくつかの点で骨1674に突き入れられ、骨1674に微小骨折1681を形成して骨1674の出血を生じさせる。この出血が、失われた軟骨を置換する骨1674上の物質層の成長を容易にして痛みを軽減する。マーカ1684を有する別個のトラッキング装置1682が、錐1680の先端部の位置をトラッキングするように錐1680に関連付けられることができる。その結果、既定のパターンの微小骨折1681を形成するように、骨1674の既定の深さに、相互に対して既定の空間位置で微小骨折1681が配置可能となる。いくつかの実施形態では、錐1680の代替として、錐1680で孔をパンチングするのに代えて、
バーヘッド204が、多数の小さい孔を穿孔するより小さい直径のチップ(例えば、直径が錐の先端部に近似するより小さい直径のバーヘッド)と置換されることができる。
【0382】
器具200、1200を使用することができる他の膝関節形成術は、局所軟骨欠損を処置するモザイクプラスティ、他の靱帯修復又は再構築、骨欠損の除去等を含む。上記のようなACL再建術に採用される同様の施術は、PCL修復及び関節を安定化させる他の靱帯の修復に採用されることができる。
【0383】
モザイクプラスティ術では、関節の損傷を受けていない領域の軟骨が、損傷した領域に移植される。したがって、上記の局所欠損において、AMSに代えて、局所欠損は、
バーヘッド204で局所欠損箇所の大腿骨に小孔を穿孔し、その後、損傷を受けていない領域からの骨/軟骨のプラグでこの孔を充填することにより修復されることができる。システム100は、孔の深さが、損傷を受けていない領域からのプラグが孔に配置されたときに、プラグの軟骨表面が孔の周囲の軟骨と同一面となるものであることを確実にするのに使用されることができる。システム100は、孔の直径が、孔にフィットする既定の干渉又はプラグを所定の位置に固定するセメント又は他の接着剤を収める既定の公差をプラグが有するようなものであることを確実にするのにも使用されることができる。
【0384】
システム100及び器具200、1200は、移植片を収めるポケットを骨に切削するのにも使用されることができる。
図116に示すように、蝸牛インプラント1702の受信器/刺激器1700が頭蓋骨1706に切削されたポケット1704に配置されることができる。前述の実施形態と同様に、ポケット1704を画定する境界がシステム100に確立されることができる。受信器/刺激器1700に必要なポケット1704の所望のサイズ及び形状のみを切断するのに境界内に
バーヘッド204が維持されるように、骨1706は、
バーヘッド204とともにトラッキングされることができる。
【0385】
システム100で骨1706をトラッキングするのに、及び、骨1706を撮った術前MRI又はCTスキャンに骨1706を登録するのに、マーカ1710を有するトラッカ1708が骨1706に取り付けられることができる。施術中、
バーヘッド204及び骨1706の位置をトラッキングすることにより、
バーヘッド204は境界内に維持されることができる。境界が解剖学的組織に結びついているため、解剖学的組織の移動のトラッキングにより、境界の移動もトラッキングされることになる。
【0386】
ポケットは、神経刺激器、深部脳刺激器等を含む他のタイプの移植片に対しても、器具200、1200で形成されることができる。
【0387】
骨等の組織切除の際に、
バーヘッド204の回転速度制御が、或る特定の外科施術で採用されることができる。例えば、上記FAI術では、
バーヘッド204(例えば、
チップ)は、
バーヘッド204が寛骨臼に接近するにつれて
バーヘッド204の速度が低下するように、システム100により制御されることができる。さらに、
バーヘッド204が敏感な解剖学的組織に接近するにつれて
バーヘッド204の速度を低下させることができる。更に他の実施形態では、
バーヘッド204がホーム位置から逸脱するまで、回転速度は影響されないこともできる。
【0388】
したがって、本発明の真の精神及び範囲内に含まれる全てのこのような変更及び変形を包含することが意図された特許請求の範囲の目的である。