特許第6385295号(P6385295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385295
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】ハニカム構造体
(51)【国際特許分類】
   B01J 35/04 20060101AFI20180827BHJP
   B01J 32/00 20060101ALI20180827BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20180827BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20180827BHJP
   B01D 46/00 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   B01J35/04 301F
   B01J32/00ZAB
   B01J35/04 301E
   B01D53/94 222
   B01D39/20 D
   B01D46/00 302
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-35780(P2015-35780)
(22)【出願日】2015年2月25日
(65)【公開番号】特開2016-155105(P2016-155105A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2017年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】近藤 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】加藤 靖
【審査官】 壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0010720(US,A1)
【文献】 特開2010−142724(JP,A)
【文献】 特開2003−181233(JP,A)
【文献】 特開昭53−112910(JP,A)
【文献】 特開2010−227755(JP,A)
【文献】 特開2008−055424(JP,A)
【文献】 特開2016−155722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J21/00−38/74
B28B3/00−5/12
B01D39/00−41/04
B01D46/00−46/54
B01D53/73,53/86−53/90,53/94,53/96
C04B33/00−33/36
C04B35/00−35/553
C04B35/56−35/599
C04B38/00−38/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、前記セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する長方形状であるハニカム本体を備え、
前記複数のセルは、前記セルの延びる方向に直交する断面における形状が六角形である六角セルであり、
前記六角セルは、前記六角セルにおける最も長い対角線と前記ハニカム本体の前記長径とのなす角度が、0〜6°となるように形成されているハニカム構造体。
【請求項2】
一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、前記セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する台形状であるハニカム本体を備え、
前記複数のセルは、前記セルの延びる方向に直交する断面における形状が六角形である六角セルであり、
前記六角セルは、前記六角セルにおける最も長い対角線と前記ハニカム本体の前記長径とのなす角度が、0〜6°となるように形成されているハニカム構造体。
【請求項3】
一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、前記セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が3つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する三角形状であるハニカム本体を備え、
前記複数のセルは、前記セルの延びる方向に直交する断面における形状が六角形である六角セルであり、
前記六角セルは、前記六角セルにおける最も長い対角線と前記ハニカム本体の前記長径とのなす角度が、0〜6°となるように形成されているハニカム構造体。
【請求項4】
前記六角セルは、前記六角セルにおける最も長い対角線と前記ハニカム本体の前記長径とのなす角度が、1〜6°となるように形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体に関する。更に詳しくは、耐熱衝撃性が向上されたハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスを浄化するためのフィルタとして、排ガスの流路となるセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム構造体が知られている。このフィルタは、排ガス中のNOxなど有害成分や微粒子除去を行うことにより排ガスを浄化するものである。
【0003】
このハニカム構造体としては、セルの延びる方向に直交する断面において、形状が六角形状のセル(六角セル)が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、六角セルは、この六角セルを構成する隔壁の表面に触媒が均一に担持されることから、四角セルに較べて高浄化性能となり、その結果、採用が拡大している。なお、四角セルは、セルの延びる方向に直交する断面において、形状が四角形状のセルである。また、最近では、3元触媒だけでなく、NOx浄化用担体にも六角セルが形成されたハニカム構造体(六角セルハニカム構造体)の採用が拡大されてきている。更に、この六角セルハニカム構造体は、大型化が図られたり、さまざまな形状(セルの延びる方向に直交する断面における外周形状)の採用が検討されたりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−270334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のハニカム構造体は、セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が円形のものである。外周形状が円形でないもの(例えば、楕円形など)の場合、耐熱衝撃性が十分に得られないという問題があった。つまり、上述の通り、六角セルハニカム構造体は、外周形状(セルの延びる方向に直交する断面における外周形状)について様々な形状(異形状)が検討されている。しかし、六角セルハニカム構造体は、異形状である場合、上記問題があった。特に、大型のハニカム構造体の場合、この問題が生じ易い。
【0006】
そのため、セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が円形でない場合において、耐熱衝撃性が向上されたハニカム構造体の開発が切望されていた。
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明の課題とするところは、耐熱衝撃性が向上されたハニカム構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下に示す、ハニカム構造体が提供される。
【0009】
[1] 一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、前記セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する長方形状であるハニカム本体を備え、前記複数のセルは、前記セルの延びる方向に直交する断面における形状が六角形である六角セルであり、前記六角セルは、前記六角セルにおける最も長い対角線と前記ハニカム本体の前記長径とのなす角度が、0〜6°となるように形成されているハニカム構造体。
【0010】
[2] 一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、前記セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する台形状であるハニカム本体を備え、前記複数のセルは、前記セルの延びる方向に直交する断面における形状が六角形である六角セルであり、前記六角セルは、前記六角セルにおける最も長い対角線と前記ハニカム本体の前記長径とのなす角度が、0〜6°となるように形成されているハニカム構造体。
【0011】
[3] 一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、前記セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が3つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する三角形状であるハニカム本体を備え、前記複数のセルは、前記セルの延びる方向に直交する断面における形状が六角形である六角セルであり、前記六角セルは、前記六角セルにおける最も長い対角線と前記ハニカム本体の前記長径とのなす角度が、0〜6°となるように形成されているハニカム構造体。
【0012】
[4] 前記六角セルは、前記六角セルにおける最も長い対角線と前記ハニカム本体の前記長径とのなす角度が、1〜6°となるように形成されている前記[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカム構造体。
【発明の効果】
【0013】
本発明のハニカム構造体は、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体の長径とのなす角度が0〜6°となるように、六角セルが形成されている。このような構成を有することにより、本発明のハニカム構造体は、耐熱衝撃性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。
図2】本発明のハニカム構造体の一の実施形態を一方の端面側から見た模式図である。
図3】本発明のハニカム構造体の一の実施形態のセルを模式的に示す拡大図である。
図4】本発明のハニカム構造体の他の実施形態を一方の端面側から見た模式図である。
図5】本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態を一方の端面側から見た模式図である。
図6】本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態を一方の端面側から見た模式図である。
図7】本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態を一方の端面側から見た模式図である。
図8】本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態を一方の端面側から見た模式図である。
図9】本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態を一方の端面側から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0016】
[1]ハニカム構造体(面取り長方形状):
本発明のハニカム構造体の一実施形態は、図1に示すハニカム構造体100である。ハニカム構造体100は、一方の端面である流入端面11から他方の端面である流出端面まで延びる複数のセル2を区画形成する隔壁1を有するハニカム本体10を備えている。このハニカム本体10は、セル2の延びる方向に直交する断面における外周形状が4つの角が面取りされ且つ長径Lと短径Sを有する長方形状である(図2参照)。そして、複数のセル2は、セル2の延びる方向に直交する断面における形状が六角形である六角セル2aである。この六角セル2aは、六角セル2aにおける最も長い対角線Dとハニカム本体10の長径Lとのなす角度θ(以下、「傾斜角」と記す場合がある)が、0〜6°となるように形成されている(図3参照)。
【0017】
このようなハニカム構造体は、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体の長径とのなす角度が0〜6°となるように、六角セルが形成されているため、耐熱衝撃性が向上されたものである。
【0018】
図1は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を一方の端面側から見た模式図である。図3は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態のセルを模式的に示す拡大図である。
【0019】
従来、複数のセルが六角セルであるハニカム構造体は、その外周形状(セルの延びる方向に直交する断面における外周形状)が円形状であるものが実用的に使用されている。一方で、最近では、3元触媒だけでなく、NOx浄化用担体にも六角セルが形成されたハニカム構造体の採用が拡大されてきている。また、六角セルが形成されたハニカム構造体は、大型化や、さまざまな形状(セルの延びる方向に直交する断面における外周形状)の採用が拡大されてきている。そのため、六角セルが形成されたハニカム構造体としては、外周形状が円形でないもの(例えば、楕円形など)も使用される場合がある。
【0020】
しかしながら、セルが六角セルであり且つ外周形状が円形でないハニカム構造体(異形ハニカム構造体)は、この六角セルとハニカム構造体の外周形状との関係において方向性が重要であるという問題がある。つまり、耐熱衝撃性が十分に得られない場合がある。
【0021】
本発明のハニカム構造体は、六角セルとハニカム構造体の外周形状との関係における方向性が重要であることを見出した。具体的には、本発明のハニカム構造体は、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体の長径とのなす角度が0〜6°となるように、六角セルが形成されている。このようにすることで、本発明のハニカム構造体は、耐熱衝撃性が向上される。
【0022】
より具体的には、異形ハニカム構造体(単に「ハニカム構造体」と記す場合がある)には、実際に使用される条件の下で加熱及び冷却された場合、ハニカム構造体内に熱応力が発生する。この熱応力によって異形ハニカム構造体にクラックが発生するなどの問題が生じることがある。このような問題に対して、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体の長径とのなす角度が0〜6°となるように、六角セルが形成されている、異形ハニカム構造体に生じる熱応力が減少するため、耐熱衝撃性が向上される。
【0023】
[1−1]六角セル:
傾斜角は、上述の通り、0〜6°であることが必要であり、1〜6°であることが好ましく、1〜4°であることが更に好ましい。即ち、六角セルは、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体の長径とのなす角度が、1〜6°となるように形成されていることが好ましく、1〜4°となるように形成されていることが更に好ましい。傾斜角が上限値超であると、耐熱衝撃性が十分に得られない。
【0024】
本発明において、六角セルは、セルの延びる方向に直交する断面における形状が六角形である限り特に制限はなく、正六角形であることが好ましい。正六角形であると、ハニカム構造体は、耐熱衝撃性がより向上される。
【0025】
本明細書において「六角セルにおける最も長い対角線」とは、六角セルにおいて描かれる複数の対角線のうち、最も長い対角線をいう。
【0026】
本発明のハニカム構造体は、全ての六角セルが上記傾斜角の条件を満たすことが好ましい。
【0027】
[1−2]ハニカム本体:
「4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する長方形状」は、長辺と短辺からなる長方形において、4つの角が面取りされた形状を意味する。このとき、「角が面取りされた」とは、長方形の角部が、湾曲した軌跡で切り取られたことをいい、切り取られる角部の大きさに制限はない。つまり、例えば、楕円形状やレーストラック形状などは、「4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する長方形状」に相当する形状である。
【0028】
本実施形態において「長径」とは、セルの延びる方向に直交する断面におけるハニカム本体の外周縁上の2点を結んだ直線のうち最も長いものをいう。そして、「短径」とは、セルの延びる方向に直交する断面において、上記「長径」に直交する直線をいう。
【0029】
図2は、「4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する長方形状」が楕円形状のハニカム構造体100を示している。また、図4は、「4つの角が面取りされ且つ長径Lと短径Sを有する長方形状」が楕円形状のハニカム構造体の別の例であるハニカム構造体101を示している。また、図5は、「4つの角が面取りされ且つ長径Lと短径Sを有する長方形状」が楕円形状のハニカム構造体の更に別の例であるハニカム構造体102を示している。
【0030】
図6は、「4つの角が面取りされ且つ長径Lと短径Sを有する長方形状」がレーストラック状のハニカム構造体103を示している。「レーストラック状」は、図6に示すように、平行な1対の直線とこれらを繋ぐ円弧状の曲線からなる形状である。
【0031】
図7は、「4つの角が面取りされ且つ長径Lと短径Sを有する長方形状」がテレビスクリーン状のハニカム構造体104を示している。「テレビスクリーン状」は、面取りされた部分の曲率半径が、「レーストラック状」よりも小さい形状である。
【0032】
なお、図4図7では、セル及び隔壁の記載を省略している。
【0033】
本実施形態において長径と短径との比の値(長径/短径)は、特に制限はなく、1.02〜3.0であることが好ましく、1.1〜2.2であることが更に好ましい。このような条件を満たすハニカム構造体について、耐熱衝撃性をより向上させることができる。
【0034】
長径は、具体的には、50〜360mmとすることができる。短径は、具体的には、40〜355mmとすることができる。
【0035】
ハニカム本体の隔壁は、セラミックを主成分とするものであることが好ましい。隔壁の材質としては、例えば、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、アルミニウムチタネートなどを挙げることができる。そして、これらからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、コージェライトが好ましい。なお、「主成分」とは、隔壁を構成する材料中に含まれる成分が50質量%以上の成分のことを意味する。
【0036】
ハニカム本体10の隔壁1の厚さは、40〜440μmであることが好ましく、45〜310μmであることが更に好ましく、50〜170μmであることが特に好ましい。上記隔壁の厚さが下限値未満であると、アイソスタティック強度が低下するおそれがある。一方、上限値超であると、圧力損失が上昇するおそれがある。
【0037】
ハニカム本体10の隔壁1の厚さは、中央領域と外周領域とで異なっていてもよい。外周領域は、セルの延びる方向に直交する断面において、ハニカム構造体の外周面から中央に向かってセルを数えたときに、1個目のセルから10個目のセルまでの範囲のことである。中央領域は、外周領域以外の領域のことである。別言すれば、セルの延びる方向に直交する断面において、外周領域より内側の領域のことである。
【0038】
中央領域の隔壁の厚さは、40〜440μmであることが好ましく、45〜310μmであることが更に好ましく、50〜170μmであることが特に好ましい。上記隔壁の厚さが下限値未満であると、アイソスタティック強度が低下するおそれがある。一方、上限値超であると、圧力損失が上昇するおそれがある。
【0039】
外周領域の隔壁の厚さは、45〜440μmであることが好ましく、50〜310μmであることが更に好ましく、55〜170μmであることが特に好ましい。上記隔壁の厚さが下限値未満であると、アイソスタティック強度が低下するおそれがある。一方、上限値超であると、圧力損失が上昇するおそれがある。
【0040】
ハニカム本体10のセル密度は、15〜240個/cmであることが好ましく、30〜200個/cmであることが更に好ましく、45〜140個/cmであることが特に好ましい。上記セル密度が下限値未満であると、浄化性能が低下するおそれがある。一方、上限値超であると、圧力損失が上昇するおそれがある。
【0041】
ハニカム本体10は、複数のハニカムセグメントからなる接合体であってもよい。即ち、ハニカム本体は、複数のハニカムセグメントの集合体と、これらのハニカムセグメントを互いに接合する接合材からなる接合部とを備えるものであってもよい。
【0042】
ハニカム構造体のセルの延びる方向の長さは、35〜440mmとすることができる。
【0043】
本発明のハニカム構造体は、ハニカム本体の側面に外周壁20(図2参照)を更に備えていてもよい。
【0044】
本発明のハニカム構造体は、ハニカム本体の外周面に外周コート層を備えるものであってもよい。即ち、本発明のハニカム構造体は、上述の通り、ハニカム本体を外周壁と一体に形成したものであってもよい。また、本発明のハニカム構造体は、後述するハニカム焼成体の外周を研削して研削体を得た後、この研削体の外周面に外周コート材を塗布して外周コート層を形成したものであってもよい。
【0045】
ここで、ハニカム焼成体の外周を研削する場合、仮に、ハニカム焼成体に寸法変形が生じていたとしても、研削によって所望の寸法に適合するように整形されることも考えられる。つまり、外周コート層を形成する過程において、付随的な効果として寸法変形が修正されることがある。しかし、最近では、大型のハニカム構造体が使用されることがあり、この大型のハニカム構造体の場合には、研削による操作だけでは十分でないことがある。つまり、大型のハニカム構造体は、通常のハニカム構造体に比べて重量が増加するため、寸法変形の影響も大きくなり、セルが変形することがある。この場合、上述のように付随的な効果として寸法変形を修正することは困難であり、大きく削る必要が生じる。一方、大きく削ることは、コストなどの問題があり、通常では行わない。そのため、外周コート層を形成する過程における研削では、耐熱衝撃性が十分なハニカム構造体は得られ難い。このようなことから、外周コート層を備えるハニカム構造体であっても、本発明の効果を得るには、上記条件を満たす六角セルが形成されることが重要である。
【0046】
なお、後述する図8に示すハニカム構造体105、及び図9に示すハニカム構造体106は、図1に示すハニカム構造体100と同様に、ハニカム本体の外周面に外周コート層を備えるものであってもよい。そして、図8に示すハニカム構造体105、及び図9に示すハニカム構造体106は、外周コート層を備える場合、上記同様の理由により、上記条件を満たす六角セルが形成されることが重要である。
【0047】
[2]ハニカム構造体(面取り長方形状)の製造方法:
次に、本実施形態のハニカム構造体の製造方法について説明する。まず、柱状のハニカム成形体を成形する。このハニカム成形体は、セラミック原料を含有する成形原料を成形して作製することができる。ハニカム成形体は、流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁(焼成前の隔壁)と最外周に位置する外周壁(焼成前の外周壁)とを備えるものである。
【0048】
成形原料に含有されるセラミック原料としては、例えば、以下の「原料群」から選択される少なくとも1種のセラミックが好ましい。「原料群」とは、「炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、及びアルミニウムチタネートからなる群」である。
【0049】
成形原料は、上記セラミック原料に、造孔材、バインダ、分散剤、界面活性剤、分散媒等を混合して調製することが好ましい。
【0050】
成形原料を用いてハニカム成形体を形成する際には、まず、成形原料を混練して坏土とし、得られた坏土をハニカム形状に成形することが好ましい。
【0051】
坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法としては、特に制限はなく、押出成形法、射出成形法、プレス成形法等の成形方法を用いることができる。
【0052】
ハニカム成形体を形成する際に、上述した「傾斜角」が上記条件(0〜6°)を満たすように設定する。
【0053】
ハニカム成形体は、図2に示すハニカム構造体100のように、長径Lが水平方向と平行になるように押出されることが好ましい。このようにすることで、ハニカム構造体は、上下方向(鉛直方向)における変形が抑えられる。そして、その結果として、得られるハニカム構造体の寸法精度を向上させることが可能になる。そして、押出されたハニカム成形体は、受台によって受けられ、次工程に搬送される。
【0054】
ハニカム成形体を成形した後に、得られたハニカム成形体を従来公知の条件で乾燥することが好ましい。そして、得られたハニカム成形体を焼成(本焼成)してハニカム構造体を得ることが好ましい。なお、ハニカム成形体を焼成(本焼成)する前には、そのハニカム成形体を仮焼することが好ましい。
【0055】
本焼成における焼成条件(温度・時間)は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。例えば、コージェライト化原料を使用している場合には、焼成最高温度は、1410〜1440℃が好ましい。また、焼成最高温度キープ(保持)時間は、3〜15時間が好ましい。
【0056】
以上のようにして、本発明のハニカム構造体を製造することができる。但し、本発明のハニカム構造体の製造方法については、これまでに説明した製造方法に限定されることはない。
【0057】
[3]ハニカム構造体(面取り台形形状):
本発明のハニカム構造体の他の実施形態は、図8に示すハニカム構造体105である。ハニカム構造体105は、一方の端面である流入端面11から他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム本体10を備えている。このハニカム本体10は、セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が4つの角が面取りされ且つ長径Lと短径Sを有する台形状である。そして、複数のセルは、セルの延びる方向に直交する断面における形状が六角形である六角セルである。この六角セルは、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体10の長径Lとのなす角度(傾斜角)が、0〜6°となるように形成されている。
【0058】
このようなハニカム構造体は、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体の長径とのなす角度が0〜6°となるように、六角セルが形成されているため、耐熱衝撃性が向上されたものである。
【0059】
図8は、本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態を一方の端面側から見た模式図である。
【0060】
本実施形態のハニカム構造体は、上述した一の実施形態であるハニカム構造体100におけるハニカム本体の外周形状が「4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する長方形状」に代えて「4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する台形状」となっている。
【0061】
[3−1]六角セル:
傾斜角は、上述の通り、0〜6°であることが必要であり、1〜6°であることが好ましく、1〜4°であることが更に好ましい。即ち、六角セルは、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体の長径とのなす角度が、1〜6°となるように形成されていることが好ましく、1〜4°となるように形成されていることが更に好ましい。傾斜角が上限値超であると、耐熱衝撃性が十分に得られない。
【0062】
[3−2]ハニカム本体:
「4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する台形状」は、長辺(下底)と短辺(上底)からなる台形において、4つの角が面取りされた形状を意味する。このとき、「角が面取りされた」とは、台形の角部が、湾曲した軌跡で切り取られたことをいい、切り取られる角部の大きさに制限はない。
【0063】
本実施形態において「長径」とは、セルの延びる方向に直交する断面において、上底と下底の中間で上底側の部分と下底側の部分に分けた場合、下底に平行で且つ下底側の部分で最も長い直線をいう。別言すれば、水平な平面上に、長辺側を下方にして本実施形態のハニカム構造体を載置した場合(図8参照)、セルの延びる方向に直交する断面におけるハニカム本体の外周縁上の2点を結んだ直線のうち上記平面に平行で且つ最も長い直線をいう。そして、「短径」とは、セルの延びる方向に直交する断面において、上記「長径」に直交する直線をいう。なお、本実施形態においては、長径と短径とが同じ長さになる場合もあるが、本実施形態における「長径」と「短径」とは、上記のようにして決定されるものとする。
【0064】
台形としては、特に制限はなく、等脚台形を採用することができる。
【0065】
本実施形態において長径と短径との比の値(長径/短径)は、特に制限はなく、1.02〜3.0であることが好ましく、1.1〜2.2であることが更に好ましい。このような条件を満たすハニカム構造体について、耐熱衝撃性をより向上させることができる。
【0066】
長径は、具体的には、50〜360mmとすることができる。短径は、具体的には、40〜355mmとすることができる。
【0067】
本実施形態のハニカム構造体についてその他の条件は、上述した一の実施形態であるハニカム構造体と同様の条件を採用することができる。
【0068】
[4]ハニカム構造体(面取り台形形状)の製造方法:
本実施形態のハニカム構造体は、上述した一の実施形態であるハニカム構造体と同様にして製造することができる。
【0069】
ここで、ハニカム成形体を形成する際に、上述した「傾斜角」が上記条件(0〜6°)を満たすように設定する。
【0070】
そして、上記ハニカム成形体は、図8に示すように長辺(下底)側を下方にしてセルの延びる方向に押し出すことが好ましい。このようにすることで、ハニカム構造体は、上下方向(鉛直方向)における変形が抑えられる。そして、その結果として、得られるハニカム構造体の寸法精度を向上させることが可能になる。
【0071】
[5]ハニカム構造体(面取り三角形状):
本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態は、図9に示すハニカム構造体106である。ハニカム構造体106は、一方の端面である流入端面11から他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム本体10を備えている。このハニカム本体10は、セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が3つの角が面取りされ且つ長径Lと短径Sを有する三角形状である。そして、複数のセルは、セルの延びる方向に直交する断面における形状が六角形である六角セルである。この六角セルは、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体10の長径Lとのなす角度(傾斜角)が、0〜6°となるように形成されている。
【0072】
このようなハニカム構造体は、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体の長径とのなす角度が0〜6°となるように、六角セルが形成されているため、耐熱衝撃性が向上されたものである。
【0073】
図9は、本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態を一方の端面側から見た模式図である。
【0074】
本実施形態のハニカム構造体は、上述した一の実施形態であるハニカム構造体100におけるハニカム本体の外周形状が「4つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する長方形状」に代えて「3つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する三角形状」となっている。
【0075】
[5−1]六角セル:
傾斜角は、上述の通り、0〜6°であることが必要であり、1〜6°であることが好ましく、1〜4°であることが更に好ましい。即ち、六角セルは、六角セルにおける最も長い対角線とハニカム本体の長径とのなす角度が、1〜6°となるように形成されていることが好ましく、1〜4°となるように形成されていることが更に好ましい。傾斜角が上限値超であると、耐熱衝撃性が十分に得られない。
【0076】
[5−2]ハニカム本体:
「3つの角が面取りされ且つ長径と短径を有する三角形状」は、三角形において、3つの角が面取りされた形状を意味する。このとき、「角が面取りされた」とは、三角形の角部が、湾曲した軌跡で切り取られたことをいい、切り取られる角部の大きさに制限はない。
【0077】
本実施形態において「長径」とは、水平な平面上に、以下の関係を満たすように本実施形態のハニカム構造体を載置したときに決定される直線である。即ち、セルの延びる方向に直交する断面において、上記平面から最も遠い1つの頂点が他の2つの頂点の中間部に位置する関係となるように上記平面上にハニカム構造体を載置した状態とする(図9参照)。そして、「長径」は、この状態において、ハニカム本体の外周縁上の2点を結んだ直線のうち上記平面に平行で且つ最も長い直線をいう。そして、「短径」とは、セルの延びる方向に直交する断面において、上記「長径」に直交する直線をいう。なお、本実施形態においては、長径と短径とが同じ長さになる場合もあるが、本実施形態における「長径」と「短径」とは、上記のようにして決定されるものとする。
【0078】
三角形としては、特に制限はなく、正三角形を採用することができる。
【0079】
本実施形態において長径と短径との比の値(長径/短径)は、特に制限はなく、1.02〜3.0であることが好ましく、1.1〜2.2であることが更に好ましい。このような条件を満たすハニカム構造体について、耐熱衝撃性をより向上させることができる。
【0080】
長径は、具体的には、50〜360mmとすることができる。短径は、具体的には、40〜355mmとすることができる。
【0081】
本実施形態のハニカム構造体についてその他の条件は、上述した一の実施形態であるハニカム構造体と同様の条件を採用することができる。
【0082】
[6]ハニカム構造体(面取り三角形状)の製造方法:
本実施形態のハニカム構造体は、上述した一の実施形態であるハニカム構造体と同様にして製造することができる。
【0083】
ここで、ハニカム成形体を形成する際に、上述した「傾斜角」が上記条件(0〜6°)を満たすように設定する。
【0084】
そして、上記ハニカム成形体は、図9に示すように長径Lが水平になるように1つの辺を下方にしてセルの延びる方向に押し出すことが好ましい。このようにすることで、ハニカム構造体は、上下方向(鉛直方向)における変形が抑えられる。そして、その結果として、得られるハニカム構造体の寸法精度を向上させることが可能になる。
【実施例】
【0085】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0086】
(実施例1)
まず、セラミック原料を含有する成形原料を用いて、ハニカム成形体を成形するための坏土を調製した。セラミック原料として、コージェライト化原料を用いた。コージェライト化原料に、分散媒、有機バインダ、分散剤、造孔材を添加して、成形用の坏土を調製した。分散媒の添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、33質量部とした。有機バインダの添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、5.6質量部とした。造孔材の添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、0.5質量部とした。得られたセラミック成形原料を、ニーダーを用いて混練して、坏土を得た。
【0087】
次に、得られた坏土を、真空押出成形機を用いて押出成形し、ハニカム成形体を得た。口金としては、得られるハニカム構造体において、セルの断面形状が六角形となり、セルの延びる方向に直交する断面における外周形状が楕円形状となる口金を用いた。
【0088】
次に、得られたハニカム成形体を高周波誘電にて加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥した。その後、1350〜1440℃で10時間焼成して、ハニカム構造体を得た。
【0089】
表1には、得られるハニカム構造体における「セル密度(個/cm)」、「中央領域の隔壁の厚さ(μm)」、「外周領域の隔壁の厚さ(μm)」、「気孔率(%)」、「セル形状」、「断面形状」、「長径」、「短径」、「全長」、及び「セル角度」を示す。なお、「外周領域の隔壁の厚さ」は、セルの延びる方向に直交する断面において、ハニカム構造体の外周面から中央に向かってセルを数えたときに、1個目セルから10個目のセルまでの範囲(外周領域)に存在する隔壁の厚さの平均値を示す。具体的には、外周領域に存在する隔壁の厚さを任意に複数測定し、その平均値を「外周領域の隔壁の厚さ」とする。「中央領域の隔壁の厚さ」は、上記外周領域以外の領域(中央領域)に存在する隔壁の厚さの平均値を示す。具体的には、中央領域に存在する隔壁の厚さを任意に複数測定し、その平均値を「中央領域の隔壁の厚さ」とする。「セル形状」は、セルの延びる方向に直交する断面におけるセルの形状を示す。「断面形状」は、セルの延びる方向に直交する断面におけるハニカム構造体の外周形状を示す。「長径」は、セルの延びる方向に直交する断面におけるハニカム構造体の長径を示す。「短径」は、セルの延びる方向に直交する断面におけるハニカム構造体の短径を示す。「全長」は、ハニカム構造体の、セルの延びる方向の長さを示す。「セル角度」は、セルにおける最も長い対角線とハニカム構造体の長径とのなす角度を示す。
【0090】
【表1】
【0091】
表1、2中、「担体種類」の欄は、ハニカム構造体の構造について記載する。この欄の「ハニカム担体」は、排ガスが貫通セル内を通過する構造(いわゆるウォールスルー型のハニカム構造体)であることを意味する。「ハニカムフィルター」は、目封止部を有し、排ガスが隔壁を通過する構造(いわゆるウォールフロー型のハニカム構造体)であることを意味する。表2中、「長径/直径」は、セルの延びる方向に直交する断面におけるハニカム構造体の長径または直径を示す。なお、「直径」は、セルの延びる方向に直交する断面におけるハニカム構造体の外周形状が円形である場合の上記円形の直径を意味する。
【0092】
得られたハニカム構造体について、以下の「耐熱衝撃性」の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0093】
[耐熱衝撃性]
ハニカム構造体を収納する缶体内に加熱ガスを供給することができる「プロパンガスバーナー装置」を用いて、ハニカム構造体の耐熱衝撃性の評価を行った。具体的には、ハニカム構造体を缶体内に収納(キャニング)し、上記プロパンガスバーナー装置にセットした。次に、ハニカム構造体に燃焼ガスを流した。燃焼ガスは、流量50NL/分で10分間流し、ハニカム構造体の前方10mm位置での中央部のガス温度を10分後に1100℃とする。その後、燃焼ガスを停止し、代わりに冷却エアーを流量250NL/分で10分間流し、10分後にハニカム構造体の前方10mm位置での中央部のガス温度を100℃とする。このような、燃焼ガスと冷却エアーの通気を1サイクルとし、これを20サイクル行う。その後、クラックの有無を目視にて観察した。このようにして、耐熱衝撃性の試験を行った。そして、以下の評価基準で評価を行った。
【0094】
クラックが確認されなかった場合を「A」とし、クラックが確認されたセルが1セルのみ場合を「B」とし、2セル以上に連続するクラックが確認された場合を「C」とした。なお、「1セルのみ」とは、クラックが1箇所の1セルにのみ発生していることを意味する。また、「2セル以上に連続」するとは、クラックが2箇所以上のセルに渡って連続して発生していることを意味する。
【0095】
(実施例2〜18、比較例1〜13、参考例1〜5)
表1、表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を作製した。作製したハニカム構造体について、「耐熱衝撃性」の評価を行った。評価結果を表1、表2に示す。
【0096】
なお、参考例1〜5は、ハニカム構造体の外周形状が円形である場合を示している。これらの参考例から分かるように、ハニカム構造体の外周形状が円形である場合には、六角セルとハニカム構造体の外周形状との関係における方向性が問題にならない。一方、異形ハニカム構造体である場合、耐熱衝撃性が十分に得られないという上述した問題が生じる。
【0097】
【表2】
【0098】
表1、表2から、実施例1〜18のハニカム構造体は、比較例1〜13のハニカム構造体に比べて、耐熱衝撃性が向上されていることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明のハニカム構造体は、自動車のエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスを浄化するためのフィルタとして採用することができる。
【符号の説明】
【0100】
1:隔壁、2:セル、2a:六角セル、10:ハニカム本体、11:流入端面、20:外周壁、100,101,102,103,104,105,106:ハニカム構造体、D:対角線、L:長径、S:短径。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9