(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385296
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】間接的なインクジェットプリンタ、および間接的なインクジェットプリンタの画像受け入れ表面にある親水性層を処理するためのブロワ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20180827BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
B41J2/01 101
B41M5/00 132
B41J2/01 123
B41J2/01 125
B41J2/01 401
【請求項の数】19
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-39572(P2015-39572)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2015-178271(P2015-178271A)
(43)【公開日】2015年10月8日
【審査請求日】2018年2月15日
(31)【優先権主張番号】14/219,518
(32)【優先日】2014年3月19日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・エス・コンデロ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジー・リン
(72)【発明者】
【氏名】チュ−ヘン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ジェイ・マクベイ
【審査官】
村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−214439(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/185920(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 〜 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリンタであって、
インクジェットプリンタの処理方向に移動するように構成された画像受け入れ表面を有する、間接的な画像受け入れ部材と、
液体担体および吸収剤を含む親水性組成物の層を画像受け入れ表面に塗布するように構成された表面管理ユニットと、
親水性組成物の層から液体担体の少なくとも一部を除去するために、画像受け入れ表面にある親水性組成物の層の方へ空気流を向かわせるように構成され、乾燥した層を形成するブロワと、
乾燥した層の上に水系インクを放出し、画像受け入れ表面に水系インク画像を作成するように構成された複数のインクジェットと、
画像受け入れ部材と係合して転写固定爪を作成し、乾燥した層の上の水系インク画像が転写固定爪を通って移動し、水系インク画像および水系インクを受け入れる乾燥した層の領域を印刷媒体表面に転写固定するにつれて、転写固定爪を通って移動する印刷媒体に圧力を加えるように構成された転写固定部材と、
画像受け入れ部材から反射した光に対応するインク液滴の画像データを作成するように構成された光学センサと、
ブロワおよび光学センサに作動可能に接続し、光学センサによって作成されたインク液滴の画像データを参照しつつブロワを操作するように構成されたコントローラとを備える、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
ブロワは、さらに、
電源に選択的に接続するように構成された加熱要素を備え、
コントローラは、親水性組成物に向かって進む空気流の温度を制御するために、光学センサによって作成されたインク液滴の画像データを参照しつつ加熱要素を電源に選択的に接続するようにさらに構成される、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
親水性組成物に向かって進む空気流の温度を検知するために配置され、空気流で検知された温度の指標となる電気シグナルを作成するように構成された温度センサをさらに備え、
コントローラは、温度センサによって作成された電気シグナルを受け入れるように温度センサに作動可能に接続し、コントローラは、さらに、温度センサから受け入れた電気シグナルと予め記憶されている最大温度値とを比較し親水性組成物に向かって進む空気流の温度を制御するように構成される、請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
ブロワに作動可能に接続し、画像受け入れ部材に向かって、また、画像受け入れ部材から離れるようにブロワを移動させるように構成されたアクチュエータをさらに備え、
コントローラは、さらに、光学センサによって作成されたインク液滴の画像データを参照しつつブロワを移動させるようにアクチュエータを操作するように構成される、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
親水性組成物に向かって進む空気流の圧力を検知するように配置され、検知された空気流の圧力の指標となる電気シグナルを作成するように構成された圧力センサをさらに備え、
コントローラは、圧力センサによって作成された電気シグナルを受け入れるように圧力センサに作動可能に接続し、コントローラは、さらに、圧力センサから受け入れた電気シグナルと予め記憶されている最大圧力値とを比較し親水性組成物に向かって進む空気流の圧力を制御するようにさらに構成される、請求項4に記載のプリンタ。
【請求項6】
コントローラは、さらに、親水性組成物に向かって進む空気流の圧力を制御するために、光学センサによって作成されたインク液滴の画像データを参照しつつ、ブロワを移動させるように、または、ブロワの速度を調節するようにアクチュエータを操作するように構成される、請求項5に記載のプリンタ。
【請求項7】
親水性組成物に向かって進む空気流の圧力を検知するように配置され、空気流で検知された圧力の指標となる電気シグナルを作成するように構成された圧力センサをさらに備え、
コントローラは、圧力センサによって作成される電気シグナルを受け入れるように圧力センサに作動可能に接続され、コントローラは、さらに、圧力センサから受け入れた電気シグナルと予め記憶されている最大圧力値とを比較し親水性組成物に向かって進む空気流の圧力を制御するように構成される、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項8】
コントローラは、さらに、画像受け入れ部材の上のインク画像の後側の縁が光学センサを通過したことを示すインク液滴の画像データを参照しつつブロワの操作を停止させるように構成される、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項9】
コントローラは、インク画像が光学センサを1回通過する間にブロワによって作成された空気流の圧力を下げるように構成される、請求項8に記載のプリンタ。
【請求項10】
親水性組成物の液体担体の少なくとも一部を除去するために、インクジェットプリンタの画像受け入れ表面にある親水性組成物の方へ空気流を向かわせるように構成されたブロワと、
画像受け入れ部材から反射した光に対応するインク液滴の画像データを作成するように構成された光学センサと、
ブロワおよび光学センサに作動可能に接続し、光学センサによって作成されたインク液滴の画像データを参照しつつブロワを操作するように構成されたコントローラとを備える、インクジェットプリンタのための親水性組成物処理システム。
【請求項11】
ブロワは、さらに、
電源に選択的に接続するように構成された加熱要素を備え、
コントローラは、親水性組成物に向かって進む空気流の温度を制御するために、加熱要素を電源に選択的に接続するようにさらに構成される、請求項10に記載の親水性組成物処理システム。
【請求項12】
コントローラは、最大温度値を参照しつつ空気流の温度を制御するように構成される、請求項11に記載の親水性組成物処理システム。
【請求項13】
親水性組成物に向かって進む空気流の温度を検知するために配置され、空気流で検知された温度の指標となる電気シグナルを作成するように構成された温度センサをさらに備え、
コントローラは、温度センサによって作成された電気シグナルを受け入れるように温度センサに作動可能に接続し、コントローラは、さらに、温度センサから受け入れた電気シグナルと予め記憶されている最大温度値とを比較し親水性組成物に向かって進む空気流の温度を制御するように構成される、請求項11に記載の親水性組成物処理システム。
【請求項14】
ブロワに作動可能に接続し、画像受け入れ部材に向かって、また、画像受け入れ部材から離れるようにブロワを移動させるように構成されたアクチュエータをさらに備え、
コントローラは、さらに、空気流の圧力を制御するために、光学センサによって作成されたインク液滴の画像データを参照しつつブロワを移動させるようにアクチュエータを操作するように構成される、請求項10に記載の親水性組成物処理システム。
【請求項15】
親水性組成物に向かって進む空気流の圧力を検知するように配置され、検知された空気流の圧力の指標となる電気シグナルを作成するように構成された圧力センサをさらに備え、
コントローラは、圧力センサによって作成された電気シグナルを受け入れるように圧力センサに作動可能に接続し、コントローラは、さらに、圧力センサから受け入れた電気シグナルと予め記憶されている最大圧力値とを比較し親水性組成物に向かって進む空気流の圧力を制御するようにさらに構成される、請求項14に記載の親水性組成物処理システム。
【請求項16】
コントローラは、さらに、親水性組成物に向かって進む空気流の圧力を制御するために、光学センサによって作成されたインク液滴の画像データを参照しつつ、ブロワを移動させるように、または、ブロワの速度を調節するようにアクチュエータを操作するように構成される、請求項15に記載の親水性組成物処理システム。
【請求項17】
親水性組成物に向かって進む空気流の圧力を検知するように配置され、空気流で検知された圧力の指標となる電気シグナルを作成するように構成された圧力センサをさらに備え、
コントローラは、圧力センサによって作成される電気シグナルを受け入れるように圧力センサに作動可能に接続され、コントローラは、さらに、圧力センサから受け入れた電気シグナルと予め記憶されている最大圧力値とを比較し親水性組成物に向かって進む空気流の圧力を制御するように構成される、請求項13に記載の親水性組成物処理システム。
【請求項18】
コントローラは、さらに、画像受け入れ部材の上のインク画像の後側の縁が光学センサを通過したことを示すインク液滴の画像データを参照しつつブロワの操作を停止させるように構成される、請求項10に記載の親水性組成物処理システム。
【請求項19】
コントローラは、インク画像が光学センサを1回通過する間にブロワによって作成された空気流の圧力を下げるように構成される、請求項18に記載の親水性組成物処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、間接的な水系インクジェットプリンタに関し、特に、水系インクインクジェット印刷のための表面調製に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、インクジェット印刷機またはプリンタは、液体インクの液滴または吐出物を記録表面または画像作成表面に放出する少なくとも1つの印刷ヘッドを備えている。水系インクジェットプリンタは、顔料または他の着色剤が懸濁しているか、溶液の状態の水系インクまたは溶媒系インクを使用する。印刷ヘッドによって水系インクが画像受け入れ表面に放出されると、水または溶媒が蒸発し、画像受け入れ表面でインク画像が安定化する。水系インクが媒体に直接放出されるとき、水系インクは、媒体が多孔性(例えば、紙)であるときは媒体に染みこみ、媒体の物理特性を変える傾向がある。媒体にぶつかったインク液滴の広がりは、媒体表面の特性および空隙率の関数であるため、印刷品質は、一貫性がない。この問題に対処するために、ドラムまたは終端のないベルトに取り付けられたブランケットにインクを放出する間接的なプリンタが開発されてきた。ブランケットの上でインクが乾燥し、その後、媒体に転写される。このようなプリンタは、水系インク中の水または溶媒と媒体との接触に応答して起こる画質、液滴の広がりおよび媒体の性質の変化を防ぐ。間接的なプリンタは、最終的なインク画像を保持するために用いられるさまざまな異種の紙および膜の使用から生じる他の媒体の特性変動の影響も小さくする。
【0003】
水系インクによる間接的な印刷では、中間の画像作成表面(典型的には、ブランケットと呼ばれる)に水系インクが吐出され、画像が媒体基材(例えば、紙シート)に転写固定される前に、ブランケットの上でインクが部分的に乾燥する。優れた印刷品質を確保するために、ブランケットに吐出されるインク液滴は、乾燥の前に十分に広がらなければならず、融着が悪くないものでなければならない。そうでなければ、インク画像は、ザラザラになったり、欠損したりするようである。広がらないと、印刷ヘッド中の欠けたインクジェットまたはうまく動かないインクジェットが、インク画像に縞模様を生成することもある。水系インクの広がりは、高エネルギー表面を有する材料によって促進される。しかし、ブランケットから媒体基材へのインク画像の転写を促進するためには、比較的低い表面エネルギーを有する表面を有するブランケットが好ましい。これらの全く反対の競合するブランケット表面の特性は、ブランケット用材料の選択を困難にしている。インク液滴の表面張力を下げると良いが、適切な画質のための広がりが一般的に不十分である。ブランケットの表面エネルギーを上げるブランケット材料のオフライン酸素プラズマ処理が試され、有効であることが示されている。このようなオフライン処理の利点は、表面の汚染、摩耗、経時変化に起因して、短期間しかもたない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
間接的な水系インクジェット印刷プロセスが直面する問題の1つは、印刷プロセス中のインク液滴の広がりに関連する。間接的な画像受け入れ部材は、間接的な画像受け入れ部材表面から最終的な印刷画像を受け入れる印刷媒体へのインクの転写を促進する低表面エネルギー材料から作られる。しかし、低表面エネルギー材料は、画像受け入れ表面上での個々のインク液滴の「球状化」を促進する傾向もある。プリンタは、インク液滴を印刷媒体に転写する前に、水系インク液滴を部分的に乾燥させるため、水系インクは、転写/印刷プロセス中に強制的に広げられる機会がない。得られた印刷画像は、ザラザラしているか、または最終的な印刷画像の中に、連続した特徴の代わりに、一連の点として実線または中身が塗りつぶされた印刷領域が再現されると思われる。結果として、間接的な印刷プロセス中に水系インク液滴の広がり特徴を向上させる間接的なインクジェットプリンタの改良が有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、間接的なインクジェットプリンタのコントローラは、画像受け入れ表面でのインクの広がりを制御するために、ブロワの操作を制御する。プリンタは、インクジェットプリンタの処理方向に移動するように構成された画像受け入れ表面を有する、間接的な画像受け入れ部材と、液体担体および吸収剤を含む親水性組成物の層を画像受け入れ表面に塗布するように構成された表面管理ユニットと、親水性組成物の層から液体担体の少なくとも一部を除去するために、画像受け入れ表面にある親水性組成物の方へ空気流を向かわせるように構成されたブロワと、乾燥した層の上に水系インクを放出し、画像受け入れ表面に水系インク画像を作成するように構成された複数のインクジェットと、画像受け入れ部材と係合して転写固定爪を作成し、乾燥した層の上の水系インク画像が転写固定爪を通って移動し、水系インク画像および水系インクを受け入れる乾燥した層の領域を印刷媒体表面に転写固定するにつれて、転写固定爪を通って移動する印刷媒体に圧力を加えるように構成された転写固定部材と、画像受け入れ部材の上にインク液滴の画像データを作成するように構成された光学センサと、ブロワおよび光学センサに作動可能に接続し、画像受け入れ部材の上のインク液滴の画像データを参照しつつブロワを操作するように構成されたコントローラとを備える。
【0006】
別の実施形態では、親水性組成物処理システムは、プリンタの画像受け入れ表面でのインクの広がりを制御するために、間接的なインクジェットプリンタで使用するために構成される。親水性組成物システムは、親水性組成物の液体担体の少なくとも一部を除去するために、インクジェットプリンタの画像受け入れ表面にある親水性組成物の方へ空気流を向かわせるように構成されたブロワと、画像受け入れ部材の上にインク液滴の画像データを作成するように構成された光学センサと、ブロワおよび光学センサに作動可能に接続し、画像受け入れ部材の上のインク液滴の画像データを参照しつつブロワを操作するように構成されたコントローラとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、シート媒体に印刷する間接的な水系インクジェットプリンタの模式図である。
【
図2】
図2は、連続ウェブに印刷する間接的な水系インクジェットプリンタの模式図である。
【
図3】
図3は、終端のないベルトである間接的な画像受け入れ部材を備えるインクジェットプリンタの概略図である。
【
図4】
図4は、インクジェットプリンタの間接的な画像受け入れ部材の表面で親水性組成物層を乾燥させるブロワおよびブロワコントローラの模式図である。
【
図5】
図5は、親水性組成物層の上の5ピコリットル水系インク液滴のスポットの大きさに対する空気圧の影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態の一般的な理解のために、図面を参照する。図面において、同じ要素を示すために、同じ参照番号が全体で使用される。本明細書で使用する場合、「プリンタ」、「印刷デバイス」または「画像作成デバイス」という用語は、一般的に、印刷媒体の上に水系インクを用いて画像を製造するデバイスを指し、任意の目的で印刷画像を作る任意のこのような装置、例えば、デジタル複写機、製本機、ファクシミリ機、多機能機などを包含してもよい。画像データは、一般的に、インクジェット放出部を操作し、印刷媒体の上に印刷画像を作成するように調整され、用いられる電子形態での情報を含む。これらのデータは、文字、グラフィック、図などを含んでいてもよい。着色剤を用いて画像(例えば、グラフィック、文字、写真など)を印刷媒体の上に製造する操作は、一般的に、本明細書では、印刷またはマーキングと呼ばれる。水系インクジェットプリンタは、インク中の着色剤および/または溶媒の量と比較して、多量の水を含むインクを使用する。
【0009】
「印刷ヘッド」という用語は、本明細書で使用する場合、画像受け入れ表面にインク液滴を放出するためのインクジェット放出部を備えるように構成されたプリンタ内の要素を指す。典型的な印刷ヘッドは、インクジェット放出部のアクチュエータを操作する発生シグナルに応答し、画像受け入れ表面に1種類以上のインク色のインク液滴を放出する複数のインクジェット放出部を備えている。インクジェットは、1つ以上の列および行に並ぶように配列する。ある実施形態では、インクジェットを、印刷ヘッドの面に沿って千鳥状の斜めになった列に配列する。種々の実施形態のプリンタは、画像受け入れ表面にインク画像を作成する1つ以上の印刷ヘッドを備えている。ある実施形態のプリンタは、印刷ゾーンに配列された複数の印刷ヘッドを備えている。画像受け入れ表面(例えば、中間画像作成表面)は、印刷ゾーンの処理方向に印刷ヘッドが通過するように移動する。印刷ヘッド中のインクジェットは、画像受け入れ表面を横切る処理方向に垂直の処理方向を横切る方向に、インク液滴を列になるように放出する。本書面で使用する場合、「水系インク」という用語は、着色剤が、水を含む液体溶媒および/または1種類以上の液体溶媒を用いた溶液、懸濁物または分散物中にある液体インクを含む。「液体溶媒」またはもっと簡単に「溶媒」という用語は、着色剤を溶解して溶液にし得る化合物、または、着色剤を溶解することなく、着色剤粒子を懸濁物または分散物の中に保持する液体であってもよい化合物を含むように広く用いられる。
【0010】
本明細書で使用する場合、「親水性」という用語は、水系インク中で用いられる水分子または他の溶媒を引き寄せる任意の組成物または化合物を指す。本明細書で使用する場合、親水性組成物という言及は、親水性吸収剤を保有する液体担体を指す。液体担体の例としては、限定されないが、分散物、懸濁物または吸収剤溶液を保有する液体、例えば、水またはアルコールが挙げられる。次いで、乾燥部は、液体担体の少なくとも一部を除去し、残った固体またはゼラチン相の吸収剤は、水系インク液滴中の着色剤が吸収剤の表面に広がることを可能にしつつ、水系インク液滴中の水の一部を吸収するほど高い表面エネルギーを有する。本明細書で使用する場合、吸収剤の乾燥した層との言及は、液体担体のすべてまたはかなりの部分が乾燥プロセスによって組成物から除去された後の親水性化合物の配置を指す。以下にさらに詳細に記載するように、間接的なインクジェットプリンタは、親水性組成物の層を塗布するために液体担体(例えば、水)を用い、画像受け入れ部材の表面に親水性組成物の層を形成する。液体担体を、液体担体中の吸収剤を画像受け入れ表面に運び、画像受け入れ表面に親水性組成物の均一な層を形成する機構として用いられる。
【0011】
本明細書で使用する場合、「吸収剤」という用語は、親水性組成物の一部であり、親水性を有し、プリンタが吸収剤を乾燥させ、画像受け入れ表面を覆う乾燥した層または「皮」にした後、印刷プロセス中に水系インク中の水および他の溶媒に実質的に不溶性の材料を指す。プリンタは、親水性組成物を乾燥させ、液体担体のすべてまたは一部を除去し、画像受け入れ表面の上に吸収剤の乾燥した「皮」を生成する。吸収剤の乾燥した層は、画像受け入れ表面に放出されるインク液滴に対し、高い表面エネルギーを有する。高い表面エネルギーは、乾燥した層の表面でのインクの広がりを促進し、高い表面エネルギーは、印刷プロセス中に、移動する画像受け入れ部材の所定位置に水系インクを保持する。
【0012】
水系インク液滴が、乾燥した層の吸収剤と接触すると、吸収剤は、水系インク液滴中の水および他の溶媒の一部を吸収する。乾燥した層のうち、水を吸収する部分の吸収剤が膨潤するが、印刷操作中に実質的に変化せずに維持され、溶解しない。乾燥した層のうち、水系インクと接触しない部分の吸収剤は、画像受け入れ表面に対する付着性が比較的高く、印刷媒体(例えば、紙)に対する付着性は比較的低い。乾燥した層のうち、水系インクから水および溶媒を吸収する部分は、画像受け入れ表面に対する付着性が低く、インク中の着色剤および他の高接着性成分が画像受け入れ表面と接触するのを防ぐ。したがって、乾燥した層の吸収剤は、インク液滴の広がりを促進し、高品質の印刷画像を作成し、印刷プロセス中に水系インクを所定位置に保持し、画像受け入れ部材から紙または別の印刷媒体への潜像インク画像の転写を促進し、水系インク画像が印刷媒体に転写された後に画像受け入れ表面からの印刷媒体の分離を促進する。
【0013】
親水性組成物の層は、例えば、液体担体(例えば、水)に分散、懸濁または溶解したデンプンまたはポリ酢酸ビニルのような材料から作られる。親水性組成物を液体として画像受け入れ表面に塗布し、画像受け入れ表面に均一な層を作成することができる。プリンタは、親水性組成物を乾燥させ、親水性組成物から液体担体の少なくとも一部を除去し、固体または半固体の吸収剤の乾燥した層を作成する。
【0014】
図1は、高速水系インク画像製造機械またはプリンタ10を示す。示されているように、プリンタ10は、中間回転体12の周囲に取り付けられたブランケット21の表面にインク画像を形成し、次いで、インク画像を、ブランケット21と転写固定ローラー19との間に作られる爪18によって通過する媒体に転写する間接的なプリンタである。ブランケット21の表面14は、表面14が親水性組成物および水系インク画像を受け入れ、これを印刷プロセス中に印刷媒体に転写固定するため、ブランケット21および回転体12の画像受け入れ表面と呼ばれる。ここで、プリンタ10を参照しつつ、印刷サイクルを記載する。この書類で使用される場合、「印刷サイクル」は、印刷のために画像表面を調製し、調製した表面へのインクの放出、媒体に転写するために画像を安定化し、調製するための画像形成表面でのインクの処理、および画像形成表面から媒体への画像の転写のためのプリンタの操作を指す。
【0015】
プリンタ10は、以下に記載する操作サブシステムおよび要素を直接的または間接的に支えるフレーム11を備えている。プリンタ10は、間接的な画像受け入れ部材を備えており、
図1では回転する画像形成ドラム12として示されるが、支えられた終端のないベルトとして構成されていてもよい。画像形成ドラム12は、ドラム12の周囲に沿って取り付けられた外側ブランケット21を有する。ブランケットは、部材12が回転するにつれて、方向16に動く。方向17に回転可能な転写固定ローラー19は、ブランケット21の表面に負荷をかけ、転写固定爪18を形成し、その中で、ブランケット21の表面に作られたインク画像を、媒体シート49に転写固定する。ある実施形態では、ドラム12にあるヒーター(図示せず)またはプリンタの別の位置にあるヒーターが、ブランケット21の画像受け入れ表面14を、約35℃〜70℃の範囲の温度まで加熱する。この高温によって、親水性組成物を配置するために用いられる液体担体および画像受け入れ表面14に配置される水系インク液滴中の水の部分的な乾燥を促進する。
【0016】
ブランケットは、爪18において、ブランケット21の表面から媒体シート49へのインク画像の転写を容易にするために、比較的表面エネルギーが低い材料から作られる。このような材料としては、シリコーン、フルオロ−シリコーン、Vitonなどが挙げられる。表面管理ユニット(SMU)92は、インク画像を媒体シート49に転写した後、ブランケット21の表面に残った残留インクを除去する。ブランケットの低エネルギー表面は、このような表面がインク液滴を広げず、高エネルギー表面であるため、良好な品質のインク画像を作成するのを補助しない。結果として、SMU92は、ブランケット21の画像受け入れ表面14に親水性組成物のコーティングを塗布する。親水性組成物は、画像受け入れ表面での水系インク液滴の広がりを補助し(液体インクから析出する固体を含む)、ブランケットからのインク画像の放出を補助する。親水性組成物の例としては、界面活性剤、デンプンなどが挙げられる。
【0017】
一実施形態では、SMU92は、コーティングアプリケータ(例えば、供与ローラー)を備えており、液体担体中に親水性組成物を保持する容器に部分的に沈んでいる。供与ローラーは、画像受け入れ表面14の移動に応答し、処理方向に回転する。供与ローラーは、容器から液体親水性組成物を取り出し、親水性組成物の層を画像受け入れ表面14に堆積させる。以下に記載するように、親水性組成物を、約1μm〜約10μmの厚みの均一な層として堆積させる。SMU92は、画像受け入れ表面14に親水性組成物を堆積させ、親水性組成物の液体担体中の吸収剤の均一な分布を作り出す。乾燥プロセスの後、乾燥した層は、プリンタが印刷プロセス中にインク液滴を放出する前に、画像受け入れ表面14を実質的に覆う吸収剤の「皮」を生成する。ある具体的な実施形態では、供与ローラーは、アニロックスローラー、または例えばゴムのような材料で作られるエラストマーローラーである。SMU92を、以下に詳細に記載するように、コントローラが、供与ローラー、計量ブレードおよびクリーニングブレードを選択的に操作することができるようにコントローラ80に作動可能に接続し、ブランケット表面にコーティング材料を堆積させ、分配し、転写されなかったインクピクセルをブランケット21の表面から除去する。
【0018】
プリンタ10および200は、熱を放出し、場合により、画像受け入れ表面14に塗布される親水性組成物に空気流を向かわせる乾燥部96を備えている。乾燥部96は、画像受け入れ部材が印刷ヘッドモジュール34A〜34Dを通り、水系印刷画像を受け入れる前に、親水性組成物からの液体担体の少なくとも一部の蒸発を容易にし、画像受け入れ表面14の上に吸収剤の乾燥した層を残す。以下にさらに完全に記載するように、コントローラは、乾燥部96の圧力および/または温度を制御するように乾燥部を操作する。
【0019】
プリンタ10および200は、部材12が回転してセンサを通過するにつれて、ブランケット表面14およびブランケット表面に塗布されたコーティングから反射した光を検出するように構成された光学センサ94A(イメージオンドラム(「IOD」)センサとも呼ばれる)を備えていてもよい。光学センサ94Aは、ブランケット21の処理方向を横切る方向に整列した個々の光学検出器が列になった線状の配列を含む。光学センサ94Aは、ブランケット表面14およびコーティングから反射した光に対応するデジタル画像データを作成する。光学センサ94Aは、画像受け入れ部材12が方向16にブランケット21を回転させ、光学センサ94Aを通るにつれて、「スキャンライン」と呼ばれる一列の画像データを作成する。一実施形態では、光学センサ94Aのそれぞれの光学検出器は、さらに、赤色、緑色、青色(RGB)の反射光の色に対応する光の波長に感受性の3つの検知要素を含む。または、光学センサ94Aは、赤色、緑色および青色に輝く照射源を含むか、または、別の実施形態では、センサ94Aは、ブランケット21の表面で白色の光が輝く照射源を有し、白色光の検出器を使用する。光学センサ94Aは、画像受け入れ表面で相補的な色の光が輝き、光検出器を用い、異なるインク色を検出することができる。光学センサ94Aによって作られる画像データを、プリンタ10または200内のコントローラ80または他のプロセッサによって分析し、ブランケットの上のコーティングの厚みおよび被覆面積を特定することができる。ブランケット表面および/またはコーティングからの鏡面反射光または拡散光の反射から、厚みおよび被覆を特定することができる。他の光学センサ(例えば、94B、94Cおよび94D)は、類似の構成であり、印刷プロセス中の他のパラメータ、例えば、インクジェットの欠けまたは動作不能、および画像乾燥前のインク画像の作成(94B)、画像転写のためのインク画像の処理(94C)およびインク画像の転写効率(94D)を特定し、評価するために、ブランケット21の周囲の異なる位置に配置されていてもよい。または、ある実施形態は、媒体での画質を評価するために使用可能なさらなるデータを作成するために、光学センサを備えていてもよい(94E)。
【0020】
プリンタ10は、印刷ゾーンへの空気の流れを作り出し、制御する空気流管理システム100を備えている。空気流管理システム100は、印刷ヘッド空気供給部104と、印刷ヘッド空気戻り部108とを備える。印刷ヘッド空気供給部104と戻り部108は、プリンタ10のコントローラ80またはある種の他のプロセッサに作動可能に接続され、コントローラが、印刷ゾーンへ流れる空気を管理することができる。この空気流の制御は、全体または約1つ以上の印刷ヘッドの整列としての印刷ゾーンにわたってもよい。この空気流の制御によって、インク中の蒸発した溶媒および水が印刷ヘッド上で凝集するのを防ぐのに役立ち、印刷ゾーン中の熱を弱め、インクジェット内でインクが乾燥し、インクジェットが詰まり得る可能性を減らすのに役立つ。空気流管理システム100は、さらに、印刷ゾーンの湿度および温度を検出するためのセンサを備えていてもよく、空気供給部104および戻り部108の温度、流れ、湿度をもっと正確に制御することができ、印刷ゾーン内の最適条件を確保することができる。プリンタ10内のコントローラ80またはある種の他のプロセッサは、さらに、画像領域のインク被覆に関し、システム100の制御を可能にしてもよく、または時間までは、画像が印刷されないときに空気のみが印刷ゾーンを通って流れるように、システム100の操作を可能にしてもよい。
【0021】
高速水系インクプリンタ10は、さらに、ある色の水系インクの少なくとも1つの供給源22を含む水系インク供給および運搬サブシステム20を備える。示されているプリンタ10が、多色画像製造機である場合、インクを運搬するシステム20は、4種類の異なる色CYMK(シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック)の水系インクをあらわす4種類の供給源22、24、26、28を備える。
図1の実施形態では、印刷ヘッドシステム30は、印刷ヘッド支持部32を備えており、複数の印刷ヘッドモジュールを支え、プリントボックスユニット(34A〜34D)としても知られる。それぞれの印刷ヘッドモジュール34A〜34Dは、ブランケットの幅方向にわたって効果的に延び、ブランケット21の表面14にインク液滴を放出する。印刷ヘッドモジュールは、1個の印刷ヘッドまたは千鳥状の配列に構成された複数の印刷ヘッドを備えていてもよい。それぞれの印刷ヘッドモジュールは、フレーム(図示せず)に作動可能に接続し、インク液滴を放出するように整列し、ブランケット表面14の上のコーティングの上にインク画像を作成する。印刷ヘッドモジュール34A〜34Dは、1つ以上の印刷ヘッドにインクを供給するために、関連する電子機器、インク容器およびインク経路を備えていてもよい。示した実施形態において、経路(図示せず)は、印刷ヘッドモジュール34A〜34Dに供給源22、24、26および28を作動可能に接続し、モジュール内の1つ以上の印刷ヘッドにインクを供給する。一般的によく知られているように、印刷ヘッドモジュール内の1つ以上の印刷ヘッドは、それぞれ、1色のインクを放出することができる。他の実施形態では、印刷ヘッドは、2色以上のインクを放出するように構成されていてもよい。例えば、モジュール34Aおよびモジュール34B中の印刷ヘッドは、シアンおよびマゼンタのインクを放出することができ、一方、モジュール34Cおよびモジュール34D中の印刷ヘッドは、イエローおよびブラックのインクを放出することができる。示されているモジュール中の印刷ヘッドは、モジュールによって印刷されるそれぞれの色の分離解像度を高めるために、互いに相殺する(すなわち、千鳥状の)2つの並びに配列される。このような配列によって、たった1色のインクのみを放出する印刷ヘッドの1つの並びを有する印刷システムのみの解像度の2倍で印刷することができる。プリンタ10は、4個の印刷ヘッドモジュール34A〜34Dを備えているが、それぞれ、2つの印刷ヘッドの並びを有し、交互に並ぶ構造は、異なる数の印刷ヘッドモジュールを有するか、またはモジュール内の並びを有する。
【0022】
ブランケット表面14の上に印刷される画像が印刷ゾーンから出た後、画像が、画像乾燥部130の下を通る。画像乾燥部130は、ヒーター(例えば、放射赤外線型、放射近赤外線型および/または強制温風対流ヒーター)134、乾燥部136(温風源136として示される)および空気戻り部138Aおよび138Bを備える。赤外線型ヒーター134は、ブランケット21の表面14に印刷した画像に赤外熱をあて、インク中の水または溶媒を蒸発させる。温風源136は、インクに温風を向かわせ、インクから水または溶媒の蒸発を補助する。一実施形態では、乾燥部136は、乾燥部96と同じデザインを有する温風源である。乾燥部96は、親水性組成物を乾燥させるために処理方向に沿って配置されているが、乾燥部136は、画像受け入れ表面14の水系インクを少なくとも部分的に乾燥させるために、印刷ヘッドモジュール34A〜34Dの後に、処理方向に沿って配置される。次いで、空気を集め、戻り部138Aおよび138Bによって排気し、印刷領域中の空気の流れと他の要素との干渉を減らす。
【0023】
さらに示されるように、プリンタ10は、記録媒体を供給し、取り扱うシステム40を備え、例えば、種々の大きさの紙媒体シートの1つ以上の積み重ねを保存する。記録媒体を供給し、取り扱うシステム40は、例えば、シートまたは基材の供給源42、44、46および48を備える。プリンタ10の実施形態では、供給源48は、例えば、切断した媒体シート49の形態で画像受け入れ基材を保存し、供給するための高容量紙供給部またはフィーダである。記録媒体を供給し、取り扱うシステム40は、さらに、基材を取り扱い、輸送するシステム50を備え、媒体プレコンディショナアセンブリ52と媒体ポストコンディショナアセンブリ54とを有する。プリンタ10は、印刷媒体が転写固定爪18を通った後、印刷媒体にさらなる熱および圧力を加えるための任意要素の融合デバイス60を備える。
図1の実施形態では、プリンタ10は、書類保持トレイ72、書類シートを供給し、回復するデバイス74および書類を露出させ、スキャンするシステム76を含む元々の書類フィーダ70を備える。
【0024】
機械またはプリンタ10の種々のサブシステム、要素および機能の操作および制御は、コントローラまたは電子サブシステム(ESS)80の助けを借りて行われる。ESSまたはコントローラ80は、画像受け入れ部材12、印刷ヘッドモジュール34A〜34D(したがって、印刷ヘッド)、基材を供給し、取り扱うシステム40、基材を取り扱い、輸送するシステム50、ある実施形態では、1つ以上の光学センサ94A〜94Eに作動可能に接続する。ESSまたはコントローラ80は、例えば、中央処理ユニット(CPU)82を含む自己内蔵型の専用のミニコンピュータであり、電子記憶部84およびディスプレイまたはユーザインターフェース(UI)86を備える。ESSまたはコントローラ80は、例えば、センサ入力部および制御回路88と、ピクセルの配置および制御回路89とを含む。それに加え、CPU82は、画像入力源、例えば、スキャンシステム76、またはオンラインまたはワークステーションの接続90および印刷ヘッドモジュール34A〜34Dの間の画像データフローを読み取り、捕捉し、作成し、管理する。このように、ESSまたはコントローラ80は、以下に記載する印刷プロセスを含む他の機械サブシステムおよび機能のすべてを操作し、制御するための主なマルチタスクプロセッサである。
【0025】
コントローラ80は、プログラム化された命令を実行する汎用または特殊用途用のプログラム制御可能なプロセッサで実行することができる。プログラム制御された機能を発揮するのに必要な命令およびデータを、プロセッサまたはコントローラに関連するメモリに保存することができる。プロセッサ、そのメモリおよびインターフェース回路は、以下に記載する操作を行うためのコントローラを構成する。これらの要素は、印刷配線回路カードで与えられてもよく、または特定用途向け集積回路(ASIC)の回路として与えられてもよい。それぞれの回路は、別個のプロセッサを用いて実行されてもよく、または複数の回路が同じプロセッサで実行されてもよい。または、回路を別個の要素で実行してもよく、または超大規模集積(VLSI)回路で与えられる回路で実行してもよい。また、本明細書に記載する回路は、プロセッサ、ASIC、別個の要素またはVLSI回路の組み合わせで実行することができる。
【0026】
操作中に、印刷ヘッドモジュール34A〜34Dに対する印刷ヘッド制御シグナルの出力を処理し、作成するために、作成すべき画像のための画像データは、スキャンするシステム76から、またはオンラインまたはワークステーションの接続90によってコントローラ80に送られる。さらに、コントローラ80は、例えば、ユーザインターフェース86を介するオペレータの入力から、関連するサブシステムおよび要素の制御を決定し、および/または受け入れ、したがって、このような制御を実行する。結果として、適切な色のための水系インクを印刷ヘッドモジュール34A〜34Dに運ぶ。さらに、ブランケット表面14に対し、ピクセルの配置制御が行われ、画像データおよび媒体(媒体シート49の形態であってもよい)に対応するインク画像を作成し、供給源42、44、46、48のいずれかによって供給され、爪18にタイミングよく運ぶために、記録媒体輸送システム50によって取り扱われる。爪18において、インク画像は、ブランケットおよびコーティング21から、転写固定爪18の媒体基材に転写される。
【0027】
図1のプリンタ10および
図2のプリンタ200は、中間回転体12の周囲に取り付けられたブランケット21を有するものとして記載されているが、画像受け入れ表面の他の構造を使用してもよい。例えば、中間回転体は、その周囲に組み込まれた表面を有してもよく、水系インク画像を表面に作成することができる。または、ブランケットは、終端のない回転ベルトとして構成され、水系画像を作成するために
図1および
図2において中間回転体12とともに回転する。これらの構造の他の変更例は、この目的のために構成されていてもよい。この書類で使用される場合、「中間画像作成表面」または「画像作成表面」という用語は、これらの種々の構造を含む。
【0028】
ある印刷操作において、1つのインク画像が、ブランケット21の表面14全体を覆ってもよく(シングルピッチ)、または複数のインク画像が、ブランケット21に堆積してもよい(マルチピッチ)。マルチピッチ印刷構造において、画像受け入れ部材の表面は、複数のセグメントに分けられていてもよく、それぞれのセグメントが、書類ゾーンの全ページ画像(すなわち、シングルピッチ)およびブランケット21に作られる複数のピッチに分けられる書類内のゾーンを含む。例えば、2ピッチの画像受け入れ部材は、ブランケット21の周囲に2つの書類内ゾーンによって分けられる2つの書類ゾーンを含む。同様に、例えば、4ピッチの画像受け入れ部材は、4つの書類ゾーンを含み、それぞれ、ブランケット21を通過または一巡りする間に1つの媒体シートに作られるインク画像に対応する。
【0029】
1つ以上の画像が、コントローラ80の制御下、ブランケットおよびコーティングに作られたら、図示したインクジェットプリンタ10は、プリンタ内の要素を操作し、ブランケット表面14から媒体へ1つ以上の画像を転写し、固定するためのプロセスを行う。書類ゾーンの後に行うことができる転写プロセスは、印刷ゾーンを1回通過し、書類ゾーンにインク画像を作成するか、または、1つ以上の書類ゾーンの後に行うことができる転写プロセスは、1つ以上の書類ゾーンで画像を作成するために1回より多く印刷ゾーンを通って回転する。プリンタ10では、コントローラ80は、媒体輸送システム50中の1つ以上のローラー64を動かすためのアクチュエータを操作し、媒体シート49を処理方向Pに転写固定ローラー19に隣接する位置まで移動させ、次いで、転写固定ローラー19とブランケット21との間にある転写固定爪18を通って移動する。転写固定ローラー19は、ブランケット21および画像受け入れ部材12に対して記録媒体49の前側を押しつけるように、記録媒体49の裏側に対して圧力を加える。転写固定ローラー19も加熱してもよいが、
図1の例示的な実施形態では、転写固定ローラー19は加熱されない。その代わりに、媒体シート49のためのプレヒーターアセンブリ52が、爪に向かう媒体の経路に与えられる。プレコンディショナアセンブリ52は、媒体シート49を所定の温度に慣らし、画像を媒体に転写するのを助け、それによって、転写固定ローラーのデザインを単純化する。加熱した媒体シート49の裏側に対し、転写固定ローラー19によって作られる圧力は、画像受け入れ部材12から媒体シート49への画像の転写固定(転写および融合)を容易にする。画像受け入れ部材12および転写固定ローラー19両方の回転または転がりによって、媒体シート49に画像を転写固定するだけではなく、媒体シート49が爪を通って運ばれるのにも役立つ。画像受け入れ部材12は、回転し続け、印刷プロセスを繰り返すことができる。
【0030】
画像受け入れ部材を転写固定爪18によって移動させた後、画像受け入れ表面は、クリーニングユニットを通り、画像受け入れ表面14から、吸収剤の残留部分および少量の残留インクを除去する。プリンタ10および200では、クリーニングユニットは、画像受け入れ表面14に係合するクリーニングブレード95として具現化される。ブレード95は、ブランケット21を損傷させることなく、画像受け入れ表面14を拭き取る材料から作られる。例えば、クリーニングブレード95は、プリンタ10および200中、可とう性ポリマー材料から作られる。
図3で以下に示すように、別の実施形態は、画像受け入れ部材が転写固定爪18を通って移動した後、水および洗剤の混合物を塗布し、画像受け入れ表面14から残留物質を除去するためのローラーまたは他の部材を含むクリーニングユニットを有する。本明細書で使用する場合、「洗剤」または洗浄剤という用語は、画像受け入れ表面に残り得る吸収剤の乾燥した部分および任意の残留インクを画像受け入れ表面から除去するのに適した任意の界面活性剤、溶媒、または他の化学化合物を指す。適切な洗剤の一例は、ステアリン酸ナトリウムであり、一般的に石鹸に用いられる化合物である。別の例は、IPAであり、画像受け入れ表面からインク残渣を除去するのに非常に効果的な一般的な溶媒である。
【0031】
図2に示す実施形態において、同じ要素は、
図1のプリンタの記載で使用したのと同じ参照番号で特定される。
図1と
図2のプリンタの違いの1つは、使用する媒体の種類である。
図2の実施形態において、媒体ウェブWは、必要な場合、媒体204のロールから引き出され、種々のモータ(図示せず)は、媒体ウェブWをプリンタから除去するためにローラー212に巻き取るように媒体ウェブWが爪18を通って進むように、1つ以上のローラー208を回転させる。または、例えば、媒体を切断、結合、照合および/または綴じるなどの作業を行う他の処理ステーションに媒体を向かわせることができる。プリンタ10と200の他の違いの1つは、爪18である。プリンタ200において、転写ローラーは、媒体ウェブWが爪に連続的に存在するように、ブランケット21に対して連続的に押しつけられたままである。プリンタ10において、転写ローラーは、爪18を選択的に作成することができるようにブランケット21に向かって、またはブランケット21から離れるように選択的に移動するように構成される。
図1の実施形態では、爪18は、爪への媒体の到着と同期して形成され、インク画像を受け入れ、媒体の後側の縁が爪から離れたら、ブランケットから分離し、爪が失われる。
【0032】
図3は、別のインクジェットプリンタ300の単純化された概略図であり、間接的な画像受け入れ部材は、終端のないベルト13の形態である。ベルト13は、矢印316で示されるような処理方向に移動し、SMU92、乾燥部96、印刷ヘッドモジュール34A〜34Dおよびインク乾燥部35A〜35Dを通過し、吸収剤の乾燥した層および乾燥した層の上に作られる潜像水系インク画像を受け入れる。ベルト13は、低表面エネルギー材料、例えば、シリコーン、フルオロシリコーン、ヒドロフルオロエラストマーおよびハイブリッド、およびシリコーンとヒドロフルオロエラストマーのブレンドなどから作られる。プリンタ300において、ベルト13は、加圧ローラー319と319との間を通過し、転写固定爪318を形成する。印刷媒体、例えば、媒体シート330は、潜像インク画像と同時に爪318を通って移動する。潜像インク画像および乾燥した層の吸収剤の一部は、転写固定爪318でベルト13から印刷媒体330に転写され、印刷した画像を作成する。クリーニングユニット395は、転写固定操作が終了した後、ベルト13から乾燥した層の吸収剤の残留部分を除去する。単純化のために明らかに示されていないが、プリンタ300は、限定されないが、コントローラ、光学センサ、媒体供給部、媒体経路、インク容器、およびインクジェットプリンタでインクおよび印刷媒体の取り扱いに関連する他の要素を含め、プリンタ10および200と同様のさらなる要素を備えている。
【0033】
親水性組成物処理システム400の概略図を
図4に示す。システム400は、ブロワ420と、圧力センサ412と、アクチュエータ416と、温度センサ424と、コントローラ428とを備える。ブロワ420は、インクジェットプリンタの画像受け入れ表面(例えば、終端のないベルト404)が、処理方向Pにブロワを移動させ、親水性組成物の液体担体の少なくとも一部を除去するにつれて、親水性組成物層408の方へ空気流を向かわせるように構成される。コントローラ428は、ブロワに作動可能に接続し、コントローラは、上述のように、プログラム制御された装置および/または電気回路とともに、ブロワ420を操作し、ブロワによって作られる空気流の圧力を制御するように構成される。ブロワ420は、電源436に選択的に接続するように構成された加熱要素432を備える。コントローラは、親水性組成物層408に向かって進む空気流の温度を制御するために、加熱要素を電源436に選択的に接続するように構成される。
【0034】
コントローラ428は、さらに、光学センサ94B、94Cおよび94Eの少なくとも1つに作動可能に接続する。ある実施形態では、コントローラ428は、光学センサの3つすべてに作動可能に接続する。光学センサは、中間画像受け入れ表面の上にインク液滴の画像データを与える。これらの画像データをコントローラ428によって分析し、液滴の広がりを、例えば、所定範囲の乾燥度を有する親水性層の上の経験的に決定される液滴の広がりと比較する。この所定範囲は、プリンタによって製造される画像について受け入れ可能な画質に対応する。したがって、コントローラ428は、画像データおよび経験的に決定された液滴の広がりを参照しつつブロワ420および加熱要素432を操作し、親水性層を適切な乾燥度に維持する。
【0035】
ブロワ420によって作られる空気流の温度を制御しやすくするために、温度センサ424を、ある実施形態では、親水性組成物層408に向かって進む空気流の温度を検知するように配置する。温度センサは、空気流で検知される温度の指標となる電気シグナルを作成し、コントローラが温度センサ424によって作られる電気シグナルを受け入れるように、コントローラ428に作動可能に接続する。画像データによって示される液滴の広がりが、親水性層をもっと乾燥させることが必要であるとコントローラ428が決定する場合、コントローラ428は、親水性組成物層404に向かって進む空気流の温度を上げることができる。この増加した温度を、温度センサからのデータを用いて監視し、空気が過剰に加熱されないようにする最大温度値と比較することができる。液滴の広がりが変化するにつれて、コントローラ428は、さらに、乾燥度が素早く調節され過ぎる可能性を減らすために、加熱要素への電流の印加を調節し、監視することができる。
【0036】
コントローラは、アクチュエータ416にも作動可能に接続し、アクチュエータ416は、ブロワに作動可能に接続し、画像受け入れ部材404に向かって、または画像受け入れ部材404から離れるようにブロワを移動させることができる。コントローラ428は、ブロワ420によって作られる空気流の圧力を制御するために、ブロワを移動させるようにアクチュエータ416を操作するように構成される。空気流の圧力に関するフィードバックを与えるために、圧力センサ412は、親水性組成物層408に向かって進む空気流の圧力を検知するように配置され、検知した空気流の圧力の指標となる電気シグナルを作成するように構成される。画像データによって示される液滴の広がりが、親水性層をもっと乾燥させることが必要であるとコントローラ428が決定する場合、コントローラ428は、親水性組成物層404に向かって進む空気流の量を増やすことができる。この増加した空気流を、圧力センサからのデータを用いて監視し、生成した圧力が大きくなり過ぎないようにする最大圧力レベルと比較することができる。液滴の広がりが変化するにつれて、コントローラ428は、さらに、乾燥度が素早く調節され過ぎる可能性を減らすために、ブロワの位置を調節し、監視することができる。これに代えて、またはこれに追加して、コントローラは、空気流を作り出すブロワの速度を調節することができる。
【0037】
上述のように、プリンタは、光学センサ94B、94Cおよび94Eを備えていてもよく、すべてが、画像作成表面にあるインク液滴の画像データを作成するように構成される。これらのデータは、コントローラ428またはプリンタの別のコントローラに与えることができ、画像受け入れ部材でのインク液滴の広がりを検出するために画像データを分析し、検出した液滴の広がりに対応する電気シグナルを作成する。コントローラが、光学センサ94Aによって作られた電気シグナルを参照しつつ親水性組成物層408に向かって進む空気流の圧力を制御するように、この電気シグナルは、コントローラ428に作動可能に接続する。具体的には、コントローラ428は、画像受け入れ部材の上のインク画像の後側の縁がブロワを通過した後、ブロワの操作を停止させることができる。この種の操作によって、インク画像の下にある親水性層404のみを処理し、層の連続的な乾燥を防ぎ、インク液滴が影響を受けないようにすることができる。複数回のインク作成操作の間に、インク画像の前側および後側の縁を検出することによって、コントローラは、インク画像がブロワを通過するそれぞれの通過の間、ブロワによって作られる空気流の圧力を下げることができる。
【0038】
圧力センサ412、温度センサ424、アクチュエータ416およびブロワのための電源がコントローラ428に作動可能に接続したシステム400が示されているが、センサ、アクチュエータおよび電源の異なる組み合わせおよび並べ替え(これら1つのみを含めて)を、コントローラに作動可能に接続し、ブロワの操作を制御することができる。したがって、コントローラは、コントローラが圧力のみ、温度のみ、ブロワと層408との距離のみ、またはこれらのパラメータの組み合わせを制御するように、種々の組み合わせおよび並べ替えについて異なった構成であってもよい。操作中に、間接的なプリンタは、プリンタの親水性組成物層の乾燥をもっと効率よく、有効に制御することができるように、親水性組成物システム400の実施形態のうちの1つを有するように構成される。このもっと有効な乾燥によって、従来の低表面エネルギーの画像受け入れ表面で起こるような、個々の液滴が丸まるのではなく、周囲にある水系インク液滴が画像受け入れ表面で一緒に溶け合うことができる。インク液滴の広がり(液滴の大きさ)とブロワ420からの空気流の圧力との関係を
図5のグラフに示す。
【0039】
種々の上に開示した特徴および機能の改変物またはその代替物、および他の特徴および機能の改変物またはその代替物は、他の異なるシステムまたは用途に組み込まれてもよいことが理解されるだろう。種々の現時点でわかっていないか、または予想されていない代替物、改変、変形または改良は、当業者によって後でなされてもよく、これらも以下の特許請求の範囲に包含される。