特許第6385302号(P6385302)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385302
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】ドグクラッチ
(51)【国際特許分類】
   F16D 11/10 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   F16D11/10 C
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-57111(P2015-57111)
(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公開番号】特開2016-176529(P2016-176529A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2017年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 愼一
【審査官】 尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−064617(JP,U)
【文献】 実公昭45−027134(JP,Y1)
【文献】 実開昭53−081756(JP,U)
【文献】 英国特許出願公告第715029(GB,A)
【文献】 米国特許第6112873(US,A)
【文献】 国際公開第2012/052234(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転方向にトルク伝達可能であって軸方向に延在された係合側凸部を有する係合体と、軸方向に延在された被係合側凸部を有する被係合体と、を有し、前記係合体もしくは前記被係合体を軸方向係合側に移動させて前記係合側凸部と前記被係合側凸部とを回転方向に係合可能なドグクラッチであって、
前記係合側凸部は、
前記係合体と一体に回転し、前記係合体に対して軸方向移動可能であって第1弾性体により前記軸方向係合側に付勢された第1係合側凸部と、
前記係合体と一体に回転し、前記係合体に対して軸方向移動可能であって第2弾性体により前記軸方向係合側に付勢され、前記第1係合側凸部と同一円周上、かつ、異なる円周方向位置に配置された第2係合側凸部と、
を有し、
前記被係合側凸部は、前記第1もしくは第2係合側凸部のいずれか一方のみを軸方向に押し込む円周方向位置に配置されていることを特徴とするドグクラッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のドグクラッチにおいて、
前記係合体は、前記第1弾性体及び前記第1係合側凸部が設置されると共に前記第2弾性体及び前記第2係合側凸部が設置される有底円筒状の筒部と、前記第1及び第2係合側凸部が貫通する貫通孔を有し、前記第1及び第2係合側凸部を軸方向に保持すると共に前記筒部と一体に回転する蓋部と、を有することを特徴とするドグクラッチ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のドグクラッチにおいて、
前記第1係合側凸部と前記第2係合側凸部との円周方向における間隔は、前記被係合側凸部の円周方向幅と略同一であることを特徴とするドグクラッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドグクラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドグクラッチとして、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この公報には、係合体側の凸部と被係合体側の凸部とが回転方向において互い違いに配置されることで噛み合うドグクラッチにおいて、被係合体を係合体に向けて付勢する弾性体を有する。そして、係合体が軸方向に移動して被係合体と噛合う際、係合体側の凸部と被係合体側の凸部とが当接し、回転方向において互い違いに配置できず、係合不良となっても、係合体は弾性体を押し縮めて軸方向係合位置に移動できる。よって、係合体と被係合体との間に相対回転が生じ、被係合体側の凸部位置が係合体側の凸部位置と回転方向にずれると、押し縮められた被係合体が弾性体の復元力によって軸方向にストロークし、両凸部が噛み合うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−163484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ドグクラッチが係合不良の状態で、係合体もしくは被係合体の回転数が一気に変化するような場合、弾性体の復元力による被係合体の軸方向ストローク量が不十分となり、係合不良の状態が継続的に発生するという問題があった。
【0005】
本発明の目的とするところは、ドグクラッチの係合不良状態が継続することなく安定した締結を達成可能なドグクラッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、回転方向にトルク伝達可能であって軸方向に延在された係合側凸部を有する係合体と、軸方向に延在された被係合側凸部を有する被係合体と、を有し、前記係合体もしくは前記被係合体を軸方向係合側に移動させて前記係合側凸部と前記被係合側凸部とを回転方向に係合可能なドグクラッチであって、前記係合側凸部は、前記係合体と一体に回転し、前記係合体に対して軸方向移動可能であって第1弾性体により前記軸方向係合側に付勢された第1係合側凸部と、前記係合体と一体に回転し、前記係合体に対して軸方向移動可能であって第2弾性体により前記軸方向係合側に付勢され、前記第1係合側凸部と同一円周上、かつ、異なる円周方向位置に配置された第2係合側凸部と、を有し、
前記被係合側凸部は、前記第1もしくは第2係合側凸部のいずれか一方のみを軸方向に押し込む円周方向位置に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
すなわち、第1もしくは第2係合側凸部の一方と被係合側凸部とが当接し、係合不良となったとしても、他方の係合側凸部は被係合側凸部に押し込まれることがない。一方の係合側凸部が係合不良の状態で係合体と被係合体との間に相対回転が生じると、確実に他方の係合側凸部と被係合側凸部とを係合できる。このとき、他方の係合側凸部は凸部が押し縮められた状態ではないため、弾性体の復元力による復帰不足や回転数が一気に変化するといった状況に影響を受けない。よって、ドグクラッチの係合不良状態が継続することなく、安定した締結を達成可能なドグクラッチを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1のドグクラッチの係合体及び被係合体を表す図である。
図2】実施例1のドグクラッチの係合体及び被係合体の断面図である。
図3】実施例1の第1及び第2係合側凸部の構成を表す図である。
図4】実施例1の円筒部材の構成を表す図である。
図5】実施例1の天板の構成を表す図である。
図6】実施例1のドグクラッチの構成を模式的に表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
図1は実施例1のドグクラッチの係合体及び被係合体を表す図、図2は実施例1のドグクラッチの係合体及び被係合体の断面図である。実施例1のドグクラッチは、例えば車両用の変速機内部において、回転要素同士を締結・解放する、もしくは回転要素を非回転要素(ハウジング等)に選択的に係止する係合要素として機能する。ドグクラッチは、係合体100と被係合体200との軸方向移動によって係合する。よって、係合体100が軸方向に移動してもよいし、被係合体200が軸方向に移動してもよい。実施例1では、図外のシフトアクチュエータによって被係合体200が軸方向係合側に移動し、係合体100と係合する例を示す。また、係合体100には図外の第1シャフトがスプライン嵌合し、第1シャフト及び係合体100のトルクをドグクラッチの締結により被係合体200に伝達するものとする。また、係合体100と被係合体200とが向かい合う側を係合側とし、係合側と軸方向反対側を解放側と定義する。図1(a)は係合体100を軸方向係合側から解放側(図2の矢印参照)に向かって見た平面図であり、図1(b)は被係合体200を軸方向係合側から解放側に向かって見た平面図である。
【0010】
係合体100は、3つの第1係合側凸部1aが円周方向等間隔に配置された第1係合部材1と、3つの第2係合側凸部2aが円周方向等間隔に配置された第2係合部材2と、第1係合部材1及び第2係合部材2を収容する円筒部材5と、円筒部材5の解放側を閉塞する底板6と、円筒部材5の係合側を閉塞する天板7と、を有する。
【0011】
図3は実施例1の第1及び第2係合側凸部の構成を表す図である。図3(a)は第1及び第2係合部材1,2の側面図、図3(b)は軸方向係合側から解放側に向かって見た第1及び第2係合部材1,2の平面図である。第1係合部材1は、リング状であって外周に第1係合側凸部1aを保持する第1保持部1bと、第1保持部1bから解放側に向かって延在され第1弾性体3を保持すると共に、第1係合部材1の解放側への過度の移動を規制する第1ストッパ1cと、を有する。第2係合部材2は、リング状であって内周に第2係合側凸部2aを保持する第2保持部2bと、第2保持部2bから解放側に向かって延在され第2弾性体4を保持すると共に、第2係合部材2の解放側への過度の移動を規制する第2ストッパ2cと、を有する。
【0012】
実施例1の第1弾性体3及び第2弾性体4は、コイルスプリングを採用した例を示したが、皿ばね等を採用してもよく特に限定しない。第1ストッパ1c及び第2ストッパ2cは、第1係合部材1及び第2係合部材2が、被係合側凸部201に勢いよく押し込まれたとしても、後述する底板6と当接することで、第1弾性体3や第2弾性体4が過度に潰れることを回避する。
【0013】
第1保持部1bの外周面は、第2係合側凸部2aの内周端より内周側に形成され、第2保持部2bの内周面は、第1係合側凸部1aの外周端より外周側に形成されている。そして、第1係合側凸部1aと第2係合側凸部2aとは、略同一円周上に等間隔に配置されている。また、第1係合側凸部1aと第2係合側凸部2aとの間隔は、被係合側凸部201の円周方向幅と略同一とされている。
【0014】
図4は実施例1の円筒部材の構成を表す図である。図4(a)は円筒部材の断面図、図4(b)は軸方向係合側から解放側に向かって見た円筒部材の平面図である。円筒部材5の係合側開口端には、内周側に突出した複数の円筒凸部5aが円周方向等間隔に形成されている。この円筒凸部5aは、後述する天板7に形成された天板凹部7bと回転方向において係合する。尚、実施例1では、円筒部材5は他の回転要素等に直接トルクを伝達しないが、例えば、円筒部材5の外周面に外歯を形成することで、トルク伝達ギヤとして機能させてもよい。
【0015】
図5は実施例1の天板の構成を表す図である。図5(a)は天板の断面図、図5(b)は軸方向係合側から解放側に向かって見た天板の平面図である。天板7は、円筒部材5の係合側開口を閉塞する天板部7dを有する。天板部7dは、第1係合側凸部1a及び第2係合側凸部2aが出没可能な凸部用開口7aと、図外の第1シャフトが嵌合可能なスプライン部7cと、天板部外周端に形成され、上述の円筒部材5に形成された円筒凸部5aと係合する天板凹部7bと、を有する。天板部7dの中央には図外の第1シャフトがスプライン嵌合可能な円筒嵌合部7eを有する。天板部7d及び円筒嵌合部7eの軸方向長さは、円筒部材5の軸方向長さと略同一であり、底板6と、円筒部材5と、天板7とを一体に組み付ける。
【0016】
実施例1の天板7は、凸部用開口7aにより第1係合部材1と第2係合部材2の円周方向の位置決めを行うと共に、第1弾性体3や第2弾性体4により付勢された第1係合部材1と第2係合部材2を所定セット荷重で保持する保持器としても機能する。加えて、天板7には円筒嵌合部7eを有するため、第1係合側凸部1aや第2係合側凸部2aから伝達されたトルクを、スプラインを介して図外の第1シャフトに伝達する部材としても機能する。また、円筒部材5側からトルクが入力される場合には、円筒部材5から伝達されたトルクを第1係合側凸部1aや第2係合側凸部2aに伝達する部材としても機能する。
【0017】
図2に戻って説明すると、底板6は、円筒部材5の外周と略同一系の外周を有する円盤状部材であり、中央に図外の第1シャフトが貫通可能なシャフト用開口6aを有する。そして、底板6上に第1弾性体3及び第2弾性体4を介して第1係合部材1及び第2係合部材2を配置し、円筒部材5及び天板7を底板6と接続することで、係合体100の組み付けを行う。被係合体200は、第1係合側凸部1a及び第2係合側凸部2aと略同一円周上に等間隔に配置された3つの被係合側凸部201と、被係合側凸部201を保持する保持部202と、保持部202の中心に開口した貫通孔203と、を有する。この貫通孔203は内周にスプラインが形成され、図外の第2シャフト(係合体100と係合する第1シャフトとは異なるシャフト)とスプライン嵌合する。そして、図外のシフトアクチュエータ等により被係合体200を軸方向に移動可能とする。
【0018】
ドグクラッチの解放状態にあっては、第1係合側凸部1a及び第2係合側凸部2aの天板7からの突出長さL1と、被係合側凸部201の保持部202からの突出長さL2とは略同一とされている。また、第1及び第2ストッパ1c,2cの解放側下端と底板6との間の隙間はL1やL2よりも大きくされており、第1係合側凸部1aや第2係合側凸部2aが被係合側凸部201に押し込まれたとしても、底板6と第1及び第2ストッパ1c,2cとが当接しない間隔を確保している。
【0019】
次に、作用を説明する。図6は実施例1のドグクラッチの構成を模式的に表す模式図である。実際には、係合体100及び被係合体200は共に回転要素であるが、説明のため、回転方向を上下方向に展開して説明する。図6(a)は、ドグクラッチが解放状態であって、第1係合側凸部1aと被係合側凸部201とが軸方向から見て干渉する位置にある状態を表す。この状態で被係合体200が係合側にストロークして軸方向係合位置に移動すると、図6(b)に示すように、第1係合側凸部1aと被係合側凸部201とが当接し、第1係合部材1のみを押し縮める。このとき、第2係合部材2と被係合側凸部201とは干渉しないため、第2係合部材2の軸方向位置に変化はない。このとき、係合体100と被係合体200とは係合していない。
【0020】
次に、係合体100と被係合体200とが相対移動すると、図6(c)に示すように、被係合側凸部201の位置が第1係合側凸部1aの位置からずれるため、第1係合側凸部1aは第1弾性体3の復元力により元の位置に復帰する。また、被係合側凸部201は、回転により図6(c)中の下方に移動し、第2係合側凸部2aと係合する。このとき、第2係合側凸部2aは、当初から押し縮められた状態ではないため、第2弾性体4の復元力や回転数が一気に変化するといった状況に影響を受けない。被係合側凸部201と第2係合側凸部2aとが係合すると、被係合体200から伝達されたトルクは、第2係合側凸部2aから天板7に形成された凸部用開口7aの側面に伝達され、天板部7dを介して円筒嵌合部7eの内周に形成されたスプラインを介して図外の第1シャフトに伝達される。よって、ドグクラッチの係合不良状態が継続することなく、安定した締結を達成可能なドグクラッチを提供できる。
【0021】
また、第1係合側凸部1aと第2係合側凸部2aとの間隔は、被係合側凸部201の円周方向幅と略同一とされているため、一旦、第2係合側凸部2aと被係合側凸部201とが係合すると、第1係合側凸部1aは第1弾性体3の復元力により突出した状態となる。よって、トルクの方向が反転した場合も、第1係合側凸部1aと被係合側凸部201とが即座に係合できる。
【0022】
以上説明したように、実施例1にあっては下記の作用効果が得られる。
(1)回転方向にトルク伝達可能であって軸方向に延在された第1係合側凸部1a,第2係合側凸部2a(係合側凸部)を有する係合体100と、軸方向に延在された被係合側凸部201を有する被係合体200と、を有し、係合体100もしくは被係合体200を軸方向係合側に移動させて第1係合側凸部1aもしくは第2係合側凸部2aと被係合側凸部201とを回転方向に係合可能なドグクラッチであって、係合側凸部は、係合体100と一体に回転し、係合体100に対して軸方向移動可能であって第1弾性体3により軸方向係合側に付勢された第1係合側凸部1aと、係合体100と一体に回転し、係合体100に対して軸方向移動可能であって第2弾性体4により軸方向係合側に付勢され、第1係合側凸部1aと同一円周上、かつ、異なる円周方向位置に配置された第2係合側凸部2aと、を有する。
すなわち、第1もしくは第2係合側凸部1a,2aの一方と被係合側凸部201とが当接し、係合不良となったとしても、他方の係合側凸部は被係合側凸部201に押し込まれることがない。一方の係合側凸部が係合不良の状態で係合体100と被係合体200との間に相対回転が生じると、確実に他方の係合側凸部と被係合側凸部201とを係合できる。このとき、他方の係合側凸部は凸部が押し縮められた状態ではないため、弾性体の復元力や回転数が一気に変化するといった状況に影響を受けない。よって、ドグクラッチの係合不良状態が継続することなく、安定した締結を達成可能なドグクラッチを提供できる。
【0023】
(2)係合体100は、第1弾性体3及び第1係合側凸部1aが設置されると共に第2弾性体4及び第2係合側凸部2aが設置される円筒部材5及び底板6(有底円筒状の筒部)と、第1及び第2係合側凸部1a,2aが貫通する凸部用開口7a(貫通孔)を有し、第1及び第2係合側凸部1a,2aを軸方向に保持すると共に円筒部材5及び底板6と一体に回転する天板7(蓋部)と、を有する。
すなわち、天板7は、凸部用開口7aにより第1係合部材1と第2係合部材2の円周方向の位置決めを行うと共に、第1弾性体3や第2弾性体4により付勢された第1係合部材1と第2係合部材2を所定セット荷重で保持する保持器として機能する。加えて、天板7には円筒嵌合部7eを有するため、第1係合側凸部1aや第2係合側凸部2aから伝達されたトルクを、スプラインを介して図外の第1シャフトに伝達する部材としても機能する。また、円筒部材5側からトルクが入力される場合には、円筒部材5から伝達されたトルクを第1係合側凸部1aや第2係合側凸部2aに伝達する部材としても機能する。よって、簡単な構成で複数の機能を兼用できる。
【0024】
(3)第1係合側凸部1aと第2係合側凸部2aとの円周方向における間隔は、被係合側凸部201の円周方向幅と略同一である。
よって、トルクの方向が反転した場合も、第1係合側凸部1aもしくは第2係合側凸部2aと被係合側凸部201とが即座に係合できる。
【0025】
以上、実施例1に基づいて本発明を説明したが、上記構成に限らず、他の構成により本発明を実施してもよい。例えば、実施例1では、第1係合側凸部1aと第2係合側凸部2aと被係合側凸部201とが、同一円周上でほぼ完全に重なる位置に配置したが、同一円周上において部分的に重なる位置を有していればよく、必ずしも完全に重なる位置に配置する必要はない。また、実施例1では係合体100の中心に第1シャフトを設けた構成を示したが、シャフトに限らず、円筒部材5の外周に外歯を形成し、この外歯を介してトルクの授受を行う構成であってもよい。また、実施例1では、被係合体200の歯数を3つとした例を示したが、より複数の歯数から構成されていてもよい。この場合、第1係合側凸部1a及び第2係合側凸部2aもそれぞれ被係合側凸部201と同じ歯数となるように形成してもよいし、被係合側凸部201よりも多くの歯数を持たせてもよい。
【0026】
実施例1では、天板7を介してトルクの伝達を行う例を示したが、例えば、第2係合部材2の第2保持部2bの外周にスプラインを形成し、円筒部材5の内周との間で軸方向に移動可能なスプライン嵌合を行い、このスプラインを介して円筒部材5との間のトルク伝達を行ってもよい。同様に、第1係合部材1の第1保持部1bの内周にスプラインを形成し、円筒嵌合部7eの外周との間で軸方向に移動可能なスプライン嵌合を行い、このスプラインを介して円筒嵌合部7eとの間のトルク伝達を行ってもよい。
【0027】
また、実施例1では天板7に複数の機能を備えた例を示したが、各機能を達成する部材を別途設けてもよい。例えば、円筒部材5の端部を折り曲げて保持器として機能させ、第1係合部材1や第2係合部材2に作用するトルクの授受は、天板7ではなく、上述のように円筒部材5とスプライン嵌合により行う構成としてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 第1係合部材
1a 第1係合側凸部
1b 第1保持部
1c 第1ストッパ
2 第2係合部材
2a 第2係合側凸部
2b 第2保持部
2c 第2ストッパ
3 第1弾性体
4 第2弾性体
5 円筒部材
5a 円筒凸部
6 底板
6a シャフト用開口
7 天板
7a 凸部用開口
7b 天板凹部
7c スプライン部
7d 天板部
7e 円筒嵌合部
100 係合体
200 被係合体
201 被係合側凸部
202 保持部
203 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6