【実施例】
【0069】
以下、本発明の板状粒子の製造方法について具体的に説明する。
【0070】
[実施例1]
板状研磨材の製造
(板状粒子の調製)
はじめに、SiO
2換算での濃度2.2重量%の板状ゼオライト分散液Aを用意する。ここで、板状ゼオライト分散液Aに含まれる板状ゼオライト粒子は、平均長径250nm、平均短径100nm、平均厚み50nm、表面電位−47.4mVである。また、板状ゼオライト分散液Aの液組成は、固形分濃度2.2%:Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.01重量%、SiO
2濃度2.2重量%である。この板状ゼオライトの分散液A6818.2gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌する。陽イオン交換樹脂を分離すると、板状ゼオライトの精製分散液6818.2gが得られる。この精製分散液は固形分濃度2.2%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.01重量%、SiO
2濃度2.2重量%)であり、精製分散液のpHは3.7、電導度は149.4μSec/cmである。板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2である。
【0071】
この精製分散液6818.2gにポリ塩化アルミニウム(多木化学製:タキバイン#1000、Al
2O
3濃度23.55重量%)15.2gを添加し、常温で0.5時間撹拌する。このPAC処理により、板状ゼオライトの表面にAl
2O
3が被覆される。板状ゼオライトの表面をAl
2O
3で被覆することにより、後工程の焼成時に板状ゼオライト同士が焼結することが防止できる。このように、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gが得られる。ここで、板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2であり、分散液Bは、固形分濃度2.3%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.11重量%、SiO
2濃度2.2重量%)である。また、この分散液BのpHは3.6、電導度は0.473mS/cmである。
【0072】
次いで、ポリ塩化アルミニウムにより持ち込まれた塩素を除去する。すなわち、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gに陰イオン交換樹脂(三菱化学製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌する。その後、陰イオン交換樹脂を分離して分散液Cとなる。分散液Cは固形分濃度2.3%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.11重量%、SiO
2濃度2.2重量%)である。分散液Cに含まれる板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2であり、板状ゼオライトは脱塩されている。分散液CのpHは4.9であり、電導度は5.02μS/cmである。
【0073】
次いで、pHが6.0になるように分散液Cに濃度3重量%のアンモニア水溶液を添加する。この分散液Dを120℃で15時間乾燥して、板状ゼオライトの乾燥粉176.3gを得る。
ついで、この乾燥粉176.3gをマッフル炉にて1000℃で2時間焼成して142.6g板状粒子焼成品を得る。板状粒子焼成品のモル比組成は0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2であり、X線回折で無定形であった。
【0074】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
この板状粒子焼成品142.6gと純水488.4gを混合して、固形分濃度22.7%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度1.1重量%、SiO
2濃度21.6重量%)の懸濁液を得る。カンペ社製卓上サンドミルとシンマルエンタープライゼス社製のガラスビーズ0.5mmφを用いて、この懸濁液を180分間粉砕する。
この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液Eを遠心分離機(日立製作所(株)製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して固形分濃度10.0%(Na
2O濃度0.003重量%、Al
2O
3濃度0.48重量%、SiO
2濃度9.5重量%)の板状粒子の分散液F1050gが得られる。この分散液Fを凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積14m
2/g、X線回折で無定形であった。また、板状粒子の平均長径は250nm、平均短径は100nm、平均厚みは50nmである。さらに、分散液Fの固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、245.8nmであった。
【0075】
ついで、板状粒子の分散液F1050gをロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na
2O濃度0.007重量%、Al
2O
3濃度1.1重量%、SiO
2濃度21.9重量%)の分散液G456gを得る。
この分散液G456gに、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na
2O濃度0.003重量%、Al
2O
3濃度0.4重量%、SiO
2濃度8.6重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
【0076】
(被研磨基板)
被研磨基板には、65mmφの強化ガラス製のハードディスク用ガラス基板を用いる。このハードディスク用ガラス基板は、一次研磨済みであり、表面粗さは最大で0.21μmである。
【0077】
(研磨試験)
上記被研磨基板を、研磨パッド(ロデール社製:アポロン)を装着した研磨装置(ナノファクター社製:NF300)にセットし、基板荷重0.18MPa、テーブル回転速度30rpmで研磨用スラリーを20g/分の速度で10分間供給して研磨を行った。
研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算する。
また、研磨後の表面の平滑性を原子間力顕微鏡(日立ハイテクサイエンス社製)で測定する。
実施例1研磨材の評価結果を表1に示す。表1には後述する実施例2等や比較例による研磨材の評価結果も示す。表1中の研磨レート比とは、後述する比較例1の研磨速度を1としたときの、研磨速度の比率である。
【0078】
【表1】
【0079】
以下に、実施例1とは異なる研磨粒子を用いた実施例と比較例を説明する。なお、実施例1と重複する説明は適宜省略する。
【0080】
[実施例1−2]
板状研磨材の製造
(板状粒子の調製)
はじめに、SiO
2換算での濃度2.2重量%の板状ゼオライト分散液Aを用意する。ここで、板状ゼオライト分散液Aに含まれる板状ゼオライト粒子は、平均長径380nm、平均短径100nm、平均厚み50nm、表面電位−47.6mVである。また、板状ゼオライト分散液Aの液組成は、固形分濃度2.2%:Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.01重量%、SiO
2濃度2.2重量%である。この板状ゼオライトの分散液A6818.2gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌する。陽イオン交換樹脂を分離すると、板状ゼオライトの精製分散液6818.2gが得られる。この精製分散液は固形分濃度2.2%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.01重量%、SiO
2濃度2.2重量%)であり、精製分散液のpHは3.6、電導度は150.0μSec/cmである。板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2である。
【0081】
この精製分散液6818.2gにポリ塩化アルミニウム(多木化学製:タキバイン#1000、Al
2O
3濃度23.55重量%)15.2gを添加し、常温で0.5時間撹拌する。このPAC処理により、板状ゼオライトの表面にAl
2O
3が被覆される。板状ゼオライトの表面をAl
2O
3で被覆することにより、後工程の焼成時に板状ゼオライト同士が焼結することが防止できる。このように、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gが得られる。ここで、板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2であり、分散液Bは、固形分濃度2.3%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.11重量%、SiO
2濃度2.2重量%)である。また、この分散液BのpHは3.6、電導度は0.484mS/cmである。
【0082】
次いで、ポリ塩化アルミニウムにより持ち込まれた塩素を除去する。すなわち、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gに陰イオン交換樹脂(三菱化学製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌する。その後、陰イオン交換樹脂を分離して分散液Cとなる。分散液Cは固形分濃度2.3%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.11重量%、SiO
2濃度2.2重量%)である。分散液Cに含まれる板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2であり、板状ゼオライトは脱塩されている。分散液CのpHは5.0であり、電導度は5.22μS/cmである。
【0083】
次いで、pHが6.0になるように分散液Cに濃度3重量%のアンモニア水溶液を添加する。この分散液Dを120℃で15時間乾燥して、板状ゼオライトの乾燥粉176.3gを得る。
ついで、この乾燥粉176.3gをマッフル炉にて1000℃で2時間焼成して142.6g板状粒子焼成品を得る。板状粒子焼成品のモル比組成は0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2であり、X線回折で無定形であった。
【0084】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
この板状粒子焼成品142.6gと純水488.4gを混合して、固形分濃度22.7%(Na
2O濃度0.006重量%、Al
2O
3濃度1.1重量%、SiO
2濃度21.6重量%)の懸濁液を得る。カンペ社製卓上サンドミルとシンマルエンタープライゼス社製のガラスビーズ0.5mmφを用いて、この懸濁液を180分間粉砕する。
この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液Eを遠心分離機(日立製作所(株)製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して固形分濃度10.0%(Na
2O濃度0.003重量%、Al
2O
3濃度0.48重量%、SiO
2濃度9.5重量%)の板状粒子の分散液F1050gが得られる。この分散液Fを凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積9m
2/g、X線回折で無定形であった。また、板状粒子の平均長径は380nm、平均短径は100nm、平均厚みは50nmである。さらに、分散液Fの固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、370.3nmであった。
【0085】
ついで、板状粒子の分散液F1050gをロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na
2O濃度0.007重量%、Al
2O
3濃度1.1重量%、SiO
2濃度21.9重量%)の分散液G456gを得る。
この分散液G456gに、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na
2O濃度0.003重量%、Al
2O
3濃度0.4重量%、SiO
2濃度8.6重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
以降、実施例1と同様に評価を行った。表1に結果を示す。
【0086】
[実施例1−3]
板状研磨材の製造
(板状粒子の調製)
はじめに、SiO
2換算での濃度2.2重量%の板状ゼオライト分散液Aを用意する。ここで、板状ゼオライト分散液Aに含まれる板状ゼオライト粒子は、平均長径380nm、平均短径100nm、平均厚み80nm、表面電位−48.1mVである。また、板状ゼオライト分散液Aの液組成は、固形分濃度2.2%:Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.01重量%、SiO
2濃度2.2重量%である。この板状ゼオライトの分散液A6818.2gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌する。陽イオン交換樹脂を分離すると、板状ゼオライトの精製分散液6818.2gが得られる。この精製分散液は固形分濃度2.2%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.01重量%、SiO
2濃度2.2重量%)であり、精製分散液のpHは3.5、電導度は151.2μSec/cmである。板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2である。
【0087】
この精製分散液6818.2gにポリ塩化アルミニウム(多木化学製:タキバイン#1000、Al
2O
3濃度23.55重量%)15.2gを添加し、常温で0.5時間撹拌する。このPAC処理により、板状ゼオライトの表面にAl
2O
3が被覆される。板状ゼオライトの表面をAl
2O
3で被覆することにより、後工程の焼成時に板状ゼオライト同士が焼結することが防止できる。このように、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gが得られる。ここで、板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2であり、分散液Bは、固形分濃度2.3%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.11重量%、SiO
2濃度2.2重量%)である。また、この分散液BのpHは3.6、電導度は0.495mS/cmである。
【0088】
次いで、ポリ塩化アルミニウムにより持ち込まれた塩素を除去する。すなわち、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gに陰イオン交換樹脂(三菱化学製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌する。その後、陰イオン交換樹脂を分離して分散液Cとなる。分散液Cは固形分濃度2.3%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.11重量%、SiO
2濃度2.2重量%)である。分散液Cに含まれる板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2であり、板状ゼオライトは脱塩されている。分散液CのpHは4.8であり、電導度は5.38μS/cmである。
【0089】
次いで、pHが6.0になるように分散液Cに濃度3重量%のアンモニア水溶液を添加する。この分散液Dを120℃で15時間乾燥して、板状ゼオライトの乾燥粉176.3gを得る。
ついで、この乾燥粉176.3gをマッフル炉にて1000℃で2時間焼成して142.6g板状粒子焼成品を得る。板状粒子焼成品のモル比組成は0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・237SiO
2であり、X線回折で無定形であった。
【0090】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
この板状粒子焼成品142.6gと純水488.4gを混合して、固形分濃度22.7%(Na
2O濃度0.006重量%、Al
2O
3濃度1.1重量%、SiO
2濃度21.6重量%)の懸濁液を得る。カンペ社製卓上サンドミルとシンマルエンタープライゼス社製のガラスビーズ0.5mmφを用いて、この懸濁液を180分間粉砕する。
この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液Eを遠心分離機(日立製作所(株)製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して固形分濃度10.0%(Na
2O濃度0.003重量%、Al
2O
3濃度0.48重量%、SiO
2濃度9.5重量%)の板状粒子の分散液F1050gが得られる。この分散液Fを凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積9m
2/g、X線回折で無定形であった。また、板状粒子の平均長径は380nm、平均短径は100nm、平均厚みは80nmである。さらに、分散液Fの固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、371.6nmであった。
【0091】
ついで、板状粒子の分散液F1050gをロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na
2O濃度0.007重量%、Al
2O
3濃度1.1重量%、SiO
2濃度21.9重量%)の分散液G456gを得る。
この分散液G456gに、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na
2O濃度0.003重量%、Al
2O
3濃度0.4重量%、SiO
2濃度8.6重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
以降、実施例1と同様に評価を行った。表1に結果を示す。
【0092】
[実施例2]
本実施例は、実施例1の板状粒子の表面にセリア粒子を配した構成の粒子を板状研磨材として用いている。
実施例1の板状ゼオライトの分散液C6833.4gを50℃に昇温し、温度を維持したまま、攪拌しながら硝酸セリウム溶液を18時間かけて継続的に添加する。ここでは、硝酸第一セリウム6水和物183.8gにイオン交換水を2729.6g加えて換算で2.5重量%の硝酸セリウム溶液を用いた。硝酸セリウム溶液を添加する間、分散液のpHが7.85を維持するように、3%濃度のアンモニア水を逐次添加する。これにより、水酸化アルミニウム層が形成された板状ゼオライト粒子と、水酸化セリウム粒子との分散液αが作製できる。
ついで、分散液αの温度を93℃に昇温し、4時間攪拌して熟成させる。その後、室温に戻し、限外ろ過膜を用いてイオン交換水を補給しながら洗浄を行い、固形分濃度7.0%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.02重量%、SiO
2濃度3.9重量%、CeO
2濃度3.1重量%)の分散液βを得る。この分散液βのモル比組成は0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・228SiO
2・90CeO
2)、pHは8.3である。この分散液βに3%酢酸を添加してpHを6.0に調整し、分散液D
2を得る。次いで、分散液D
2を120℃−15時間で乾燥し、セリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉291.0gを得る。
【0093】
次いで、このセリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉を、マッフル炉を用いて1000℃で2時間焼成する。この焼成により、表面にセリア粒子を有する板状粒子が作製される。このようにして得られた板状粒子焼成品276.6gのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・228SiO
2・90CeO
2であり、X線回折でCeriaである。またセリア粒子の(111)面(2θ:28度近傍)における結晶子径が12nmである(X線回折による測定による)。なお、板状粒子の表面には水酸化アルミニウム層が存在することもある。即ち、セリア粒子と板状粒子の間に水酸化アルミニウム層が介在することがある。
【0094】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
次いで、この板状粒子焼成品(モル比組成:0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・228SiO
2・90CeO
2)276.6gと純水941.9gを混合して、固形分濃度22.7%(Na
2O濃度0.002重量%、Al
2O
3濃度0.06重量%、SiO
2濃度12.6重量%、CeO
2濃度10.0重量%)の懸濁液を得る。サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製:ガラスビーズ0.5mmφ)を用いてこの懸濁液を180分間粉砕する。この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液E
2を遠心分離機(日立製作所社製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して、固形分濃度10.0%(Na
2O濃度0.0008重量%、Al
2O
3濃度0.03重量%、SiO
2濃度5.6重量%、CeO
2濃度4.4重量%)の分散液F
21936.2gが得られる。この分散液F
2を凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積3.2m
2/g、X線回折でCeriaであった。また、板状粒子の平均長径は350nm、平均短径は250nm、平均厚みは80nmである。さらに、分散液F
2の固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、366.8nmであった。
次いで、板状粒子の分散液F
2をロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na
2O濃度0.002重量%、Al
2O
3濃度0.07重量%、SiO
2濃度12.9重量%、CeO
2濃度10.1重量%)の分散液G
2842gを得る。
この分散液G
2に、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na
2O濃度0.0007重量%、Al
2O
3濃度0.03重量%、SiO
2濃度5.0重量%、CeO
2濃度4.0重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
以降、実施例1と同様に評価を行った。表1に結果を示す。
【0095】
[実施例2−2]
本実施例は、実施例1−2の板状粒子の表面にセリア粒子を配した構成の粒子を板状研磨材として用いている。
実施例1−2の分散液C6833.4gを50℃に昇温し、温度を維持したまま、攪拌しながら硝酸セリウム溶液を18時間かけて継続的に添加する。ここでは、硝酸第一セリウム6水和物183.8gにイオン交換水を2729.6g加えて換算で2.5重量%の硝酸セリウム溶液を用いた。硝酸セリウム溶液を添加する間、分散液のpHが7.85を維持するように、3%濃度のアンモニア水を逐次添加する。これにより、水酸化アルミニウム層が形成された板状ゼオライト粒子と、水酸化セリウム粒子との分散液αが作製できる。
ついで、分散液αの温度を93℃に昇温し、4時間攪拌して熟成させる。その後、室温に戻し、限外ろ過膜を用いてイオン交換水を補給しながら洗浄を行い、固形分濃度7.0%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.02重量%、SiO
2濃度3.9重量%、CeO
2濃度3.1重量%)の分散液βを得る。この分散液βのモル比組成は0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・228SiO
2・90CeO
2)、pHは8.2である。この分散液βに3%酢酸を添加してpHを6.0に調整し、分散液D
2-2を得る。次いで、分散液D
2-2を120℃−15時間で乾燥し、セリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉291.0gを得る。
【0096】
次いで、このセリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉を、マッフル炉を用いて1000℃で2時間焼成する。この焼成により、表面にセリア粒子を有する板状粒子が作製される。このようにして得られた板状粒子焼成品276.6gのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・228SiO
2・90CeO
2であり、X線回折でCeriaである。またセリア粒子の(111)面(2θ:28度近傍)における結晶子径が13nmである(X線回折による測定による)。なお、板状粒子の表面には水酸化アルミニウム層が存在することもある。即ち、セリア粒子と板状粒子の間に水酸化アルミニウム層が介在することがある。
【0097】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
次いで、この板状粒子焼成品(モル比組成:0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・228SiO
2・90CeO
2)276.6gと純水941.9gを混合して、固形分濃度22.7%(Na
2O濃度0.002重量%、Al
2O
3濃度0.06重量%、SiO
2濃度12.6重量%、CeO
2濃度10.0重量%)の懸濁液を得る。サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製:ガラスビーズ0.5mmφ)を用いてこの懸濁液を180分間粉砕する。この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液E
2-2を遠心分離機(日立製作所社製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して、固形分濃度10.0%(Na
2O濃度0.0008重量%、Al
2O
3濃度0.03重量%、SiO
2濃度5.6重量%、CeO
2濃度4.4重量%)の分散液F
2-21936.2gが得られる。この分散液F
2-2を凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積3m
2/g、X線回折でCeriaであった。また、板状粒子の平均長径は390nm、平均短径は100nm、平均厚みは50nmである。さらに、分散液F
2-2の固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、395.4nmであった。
次いで、板状粒子の分散液F
2-2をロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na
2O濃度0.002重量%、Al
2O
3濃度0.07重量%、SiO
2濃度12.9重量%、CeO
2濃度10.1重量%)の分散液G
2-2842gを得る。
この分散液G
2-2に、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na
2O濃度0.0007重量%、Al
2O
3濃度0.03重量%、SiO
2濃度5.0重量%、CeO
2濃度4.0重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
以降、実施例1と同様に評価を行った。表1に結果を示す。
【0098】
[実施例2−3]
本実施例は、実施例1−3の板状粒子の表面にセリア粒子を配した構成の粒子を板状研磨材として用いている。
実施例1−3の板状ゼオライトの分散液C6833.4gを50℃に昇温し、温度を維持したまま、攪拌しながら硝酸セリウム溶液を18時間かけて継続的に添加する。ここでは、硝酸第一セリウム6水和物183.8gにイオン交換水を2729.6g加えて換算で2.5重量%の硝酸セリウム溶液を用いた。硝酸セリウム溶液を添加する間、分散液のpHが7.85を維持するように、3%濃度のアンモニア水を逐次添加する。これにより、水酸化アルミニウム層が形成された板状ゼオライト粒子と、水酸化セリウム粒子との分散液α
2-3が作製できる。
ついで、分散液α
2-3の温度を93℃に昇温し、4時間攪拌して熟成させる。その後、室温に戻し、限外ろ過膜を用いてイオン交換水を補給しながら洗浄を行い、固形分濃度7.0%(Na
2O濃度0.0006重量%、Al
2O
3濃度0.02重量%、SiO
2濃度3.9重量%、CeO
2濃度3.1重量%)の分散液β
2-3を得る。この分散液β
2-3のモル比組成は0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・228SiO
2・90CeO
2)、pHは8.1である。この分散液β
2-3に3%酢酸を添加してpHを6.0に調整し、分散液D
2-3を得る。次いで、分散液D
2-3を120℃−15時間で乾燥し、セリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉291.0gを得る。
【0099】
次いで、このセリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉を、マッフル炉を用いて1000℃で2時間焼成する。この焼成により、表面にセリア粒子を有する板状粒子が作製される。このようにして得られた板状粒子焼成品276.6gのモル比組成は、0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・228SiO
2・90CeO
2であり、X線回折でCeriaである。またセリア粒子の(111)面(2θ:28度近傍)における結晶子径が14nmである(X線回折による測定による)。なお、板状粒子の表面には水酸化アルミニウム層が存在することもある。即ち、セリア粒子と板状粒子の間に水酸化アルミニウム層が介在することがある。
【0100】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
次いで、この板状粒子焼成品(モル比組成:0.06Na
2O・1.0Al
2O
3・228SiO
2・90CeO
2)276.6gと純水941.9gを混合して、固形分濃度22.7%(Na
2O濃度0.002重量%、Al
2O
3濃度0.06重量%、SiO
2濃度12.6重量%、CeO
2濃度10.0重量%)の懸濁液を得る。サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製:ガラスビーズ0.5mmφ)を用いてこの懸濁液を180分間粉砕する。この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液E
2-3を遠心分離機(日立製作所社製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して、固形分濃度10.0%(Na
2O濃度0.0008重量%、Al
2O
3濃度0.03重量%、SiO
2濃度5.6重量%、CeO
2濃度4.4重量%)の分散液F
2-31936.2gが得られる。この分散液F
2-3を凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積3m
2/g、X線回折でCeriaであった。また、板状粒子の平均長径は390nm、平均短径は100nm、平均厚みは80nmである。さらに、分散液F
2-3の固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、397nmであった。
次いで、板状粒子の分散液をロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na
2O濃度0.002重量%、Al
2O
3濃度0.07重量%、SiO
2濃度12.9重量%、CeO
2濃度10.1重量%)の分散液G
2-3842gを得る。
この分散液G
2-3に、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na
2O濃度0.0007重量%、Al
2O
3濃度0.03重量%、SiO
2濃度5.0重量%、CeO
2濃度4.0重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
以降、実施例1と同様に評価を行った。表1に結果を示す。
【0101】
[比較例1]
球状のシリカ粒子を含むシリカゾルを用意する。シリカ粒子の平均粒子径108nmであり、シリカゾルのSiO
2濃度は40重量%、pHは10.2、表面電位は−60mVである。このシリカゾルに、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液とを加え、SiO
2濃度9重量%、pH10.5の研磨用スラリーを調製する。以降は実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0102】
[比較例2]
結晶系がフォージャサイトの板状ゼオライト(モル比組成:1.05Na
2O・1.0Al
2O
3・3.97SiO
2)に、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液とを加え、固形分濃度9.0%(Na
2O濃度1.5重量%、Al
2O
3濃度2.2重量%、SiO
2濃度5.4重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製した。ここで用いた板状ゼオライト粒子は、平均長径250nm、平均短径100nm、平均厚み50nm、表面電位−47.4mVである。
以降は実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0103】
[比較例3]
結晶系がフォージャサイトの板状ゼオライト(モル比組成:1.05Na
2O・1.0Al
2O
3・3.97SiO
2)を純水で希釈し、固形分濃度3.7%(Na
2O濃度0.6重量%、Al
2O
3濃度0.9重量%、SiO
2濃度2.2重量%)の分散液6818.2gを得た。ここで用いた板状ゼオライト粒子は、平均長径250nm、平均短径100nm、平均厚み50nm、表面電位−47.4mVである。
この分散液6818.2gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌した。陽イオン交換樹脂を分離して、固形分濃度3.1%(Na
2O濃度0.01重量%、Al
2O
3濃度0.9重量%、SiO
2濃度2.2重量%)の板状ゼオライトの分散液6818.2gを得た。分散液のモル比組成は0.02Na
2O・1.0Al
2O
3・3.97SiO
2、pHは3.7、電導度は149.4μS/cmである。
次いで、この分散液6818.2gに陰イオン交換樹脂(三菱化学社製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌する。その後、陰イオン交換樹脂を分離し、固形分濃度3.2%(Na
2O濃度0.01重量%、Al
2O
3濃度1.0重量%、SiO
2濃度2.2重量%)の板状ゼオライト脱塩品(モル比組成:0.02Na
2O・1.0Al
2O
3・3.97SiO
2)の分散液を作製した。分散液のpHは5.5、電導度は4.02μS/cmであった。
以降、実施例1と同様に研磨用スラリーを調製し、研磨性の評価を行った。結果を表に示す。
【0104】
[比較例4]
実施例2と同様に作製した分散液E
2(Na
2O濃度0.01重量%、Al
2O
3濃度1.2重量%、SiO
2濃度2.7重量%、CeO
2濃度3.1重量%)をロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮し、固形分濃度23.0%(Na
2O濃度0.02重量%、Al
2O
3濃度3.9重量%、SiO
2濃度9.0重量%、CeO
2濃度10.1重量%)の分散液1250gを作製する。この分散液に、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na
2O濃度0.03重量%、Al
2O
3濃度1.5重量%、SiO
2濃度3.5重量%、CeO
2濃度4.0重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを調製する。以降は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。