特許第6385307号(P6385307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6385307板状粒子、及び該板状粒子を含む研磨用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385307
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】板状粒子、及び該板状粒子を含む研磨用組成物
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/46 20060101AFI20180827BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20180827BHJP
   C09G 1/02 20060101ALI20180827BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20180827BHJP
【FI】
   C01B33/46
   C09K3/14 550D
   C09G1/02
   B24B37/00 H
【請求項の数】9
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-70676(P2015-70676)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-199652(P2015-199652A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2017年9月28日
(31)【優先権主張番号】特願2014-73693(P2014-73693)
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000190024
【氏名又は名称】日揮触媒化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100160864
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 政治
(72)【発明者】
【氏名】俵迫 祐二
(72)【発明者】
【氏名】柏田 真吾
(72)【発明者】
【氏名】小松 通郎
【審査官】 西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−158500(JP,A)
【文献】 特開2005−272517(JP,A)
【文献】 特開平07−291620(JP,A)
【文献】 特開平07−206425(JP,A)
【文献】 特開平11−228127(JP,A)
【文献】 特開昭61−254256(JP,A)
【文献】 特開2000−272917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/20−39/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像解析法で測定された平均長径(D)が200〜400nm、平均短径(S)が70〜300nm、平均厚み(H)が20〜100nmの範囲にあり、平均長径(D)と平均厚み(H)との比(D)/(H)の値が4〜10の範囲にあり、平均長径(D)と平均短径(S)との比(D)/(S)の値が1.2〜10の範囲にあり、XRDパターンが無定形であり、そのモル比組成がAl23:Na2O:SiO2=100:1〜10:200〜25000で表されることを特徴とする板状粒子。
【請求項2】
前記板状粒子がゼオライトを含み、更に表面がアルミナ処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載の板状粒子。
【請求項3】
前記板状粒子が、その表面にセリア粒子を有し、XRDパターンがセリア以外は無定形であることを特徴とする請求項1または2に記載の板状粒子。
【請求項4】
前記セリア粒子の(111)面(2θ:28度近傍)における結晶子径が10nm〜25nmであることを特徴とする請求項3に記載の板状粒子。
【請求項5】
前記板状粒子におけるゼオライトとセリアの質量比が100:11〜230の範囲にあることを特徴とする請求項3または4に記載の板状粒子。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の板状粒子と、前記板状粒子を分散させる溶媒とを含むことを特徴とする研磨用組成物。
【請求項7】
次の工程1〜工程5を含むことを特徴とする板状粒子の製造方法。
工程1:画像解析法で測定された平均長径(D)が200〜400nm、平均短径(S)が70〜300nm、平均厚み(H)が20〜100nmの範囲にあり、平均長径(D)と平均厚み(H)との比(D)/(H)の値が4〜10の範囲にあり、そのモル比組成がAl23:Na2O:SiO2=100:1〜10:200〜25000で表される板状ゼオライト粒子を含む分散液A(固形分1〜30重量%)に、ポリ塩化アルミニウムを添加し、5〜40℃で混合し、アルミナで処理された板状ゼオライトを含む分散液Bを調製する工程。
工程2:前記工程1に続いて、前記分散液Bを脱塩素処理して、分散液Cを得る工程。
工程3:前記工程2に続いて、前記分散液Cを中和し、pH5.5〜10に調整して、分散液Dを得る工程。
工程4:前記工程3に続いて、前記分散液Dを乾燥し、乾燥粉体を得る工程。
工程5:前記工程4に続いて、前記乾燥粉体を300〜1200℃で焼成し、XRDパターンが無定形の板状粒子を得る工程。
【請求項8】
前記工程1において、前記分散液Aを陽イオン処理し、その後に前記ポリ塩化アルミニウムを添加することを特徴とする請求項7に記載の板状粒子の製造方法。
【請求項9】
前記工程2および工程3の間に、次の工程αおよび工程βを含み、工程3において、前記分散液Cに代わりに、工程βによって得られた分散液βを中和することを特徴とする請求項7または8に記載の板状粒子の製造方法。
工程α:前記分散液Cを5〜98℃にて、アルカリ添加によりpH6〜10を維持しながら硝酸セリウム水溶液を、逐次添加又は連続添加することにより、板状ゼオライト及び水酸化セリウム粒子を含む分散液αを調製する工程。
工程β:前記工程αで得た前記分散液αを温度5〜98℃で熟成して分散液βを調製する工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨材に用いられる板状粒子及びその製造方法に関する。特に、板状ゼオライトを焼成することにより得られる板状粒子を用いた研磨用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、球状のシリカ系微粒子を含む研磨材が知られている。研磨速度を高くするために、研磨材に異形状シリカ系微粒子、特に金平糖状シリカ系微粒子を用いることが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、特定の組成を持つ板状ゼオライトを研磨材等の担体として用いることが知られている(例えば、特許文献2を参照)。また、特定の組成を持つ板状のアルミノシリケート粒子を研磨材として用いることが知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−169102号公報
【特許文献2】特開平7−206425号公報
【特許文献3】特開平11−228127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように異形状シリカ系微粒子や金平糖状シリカ粒子を研磨用粒子として用いた場合には、球状粒子に比べて研磨速度は向上するものの、粒子表面の凹凸により研磨面にスクラッチが発生したり、研磨面の平滑性が低下したりする問題があった。
また、特許文献2や特許文献3では、高い研磨速度を得ることが困難であった。
そこで、本発明の目的は、研磨速度と研磨面の平滑性をともに向上させる研磨粒子、研磨材を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の板状粒子は、画像解析法で測定された平均長径(D)が200〜400nm、平均短径(S)が70〜300nm、平均厚み(H)が20〜100nmの範囲にあり、平均長径(D)と平均厚み(H)との比(D)/(H)の値が4〜10の範囲にあり、平均長径(D)と平均短径(S)との比(D)/(S)の値が1.2〜10の範囲にある。ここで、XRDパターンが無定形であり、モル比組成が0.01〜0.1Na2O:1.0Al23:2〜250SiO2(すなわち、Na2O:Al23:SiO2=0.01〜0.1モル:1.0モル:2〜250モル)で表される。
さらに、板状粒子の表面にセリア粒子を設けることが好ましい。セリア粒子の(111)面(2θ:28度近傍)における結晶子径が10nm〜25nmであることが好ましい。
また、本発明の研磨用組成物は、前述の構成の板状粒子と、この板状粒子を分散させる溶媒とを備えている。
【0006】
本発明の板状粒子はゼオライトを含み、更に表面がアルミナ処理されたものであることが好ましい。
また、本発明の板状粒子は、その表面にセリア粒子を有し、XRDパターンがセリア以外は無定形であることが好ましい。
ここで、前記セリア粒子の(111)面(2θ:28度近傍)における結晶子径が10nm〜25nmであることが好ましい。
また、前記板状粒子におけるゼオライトとセリアの質量比が100:11〜230の範囲にあることが好ましい。
【0007】
また、本発明は、本発明の板状粒子と、前記板状粒子を分散させる溶媒とを含むことを特徴とする研磨用組成物である。
【0008】
また、本発明は、次の工程1〜工程5を含むことを特徴とする板状粒子の製造方法である。
工程1:画像解析法で測定された平均長径(D)が200〜400nm、平均短径(S)が70〜300nm、平均厚み(H)が20〜100nmの範囲にあり、平均長径(D)と平均厚み(H)との比(D)/(H)の値が4〜10の範囲にあり、そのモル比組成がAl23:Na2O:SiO2=100:1〜10:200〜25000で表される板状ゼオライト粒子の分散液A(固形分1〜30重量%)に、ポリ塩化アルミニウムを添加し、5〜40℃で混合し、アルミナで処理された板状ゼオライトを含む分散液Bを調製する工程。
工程2:前記工程1に続いて、前記分散液Bを脱塩素処理して、分散液Cを得る工程。
工程3:前記工程2に続いて、前記分散液Cを中和し、pH5.5〜10に調整して、分散液Dを得る工程。
工程4:前記工程3に続いて、前記分散液Dを乾燥し、乾燥粉体を得る工程。
工程5:前記工程4に続いて、前記乾燥粉体を300〜1200℃で焼成し、XRDパターンが無定形の板状粒子を得る工程。
このような板状粒子の製造方法を、以下では本発明の製造方法ともいう。
【0009】
本発明の製造方法では、前記工程1において前記分散液Aを陽イオン処理し、その後に前記ポリ塩化アルミニウムを添加することが好ましい。
【0010】
本発明の製造方法は、前記工程2および工程3の間に、次の工程αおよび工程βを含み、工程3において、前記分散液Cに代わりに、工程βによって得られた分散液βを中和することが好ましい。
工程α:前記分散液Cを5〜98℃にて、アルカリ添加によりpH6〜10を維持しながら硝酸セリウム水溶液を、逐次添加又は連続添加することにより、板状ゼオライト及び水酸化セリウム粒子を含む前記分散液αを調製する工程。
工程β:前記工程αで得た前記分散液αを温度5〜98℃で熟成して分散液βを調製する工程。
【発明の効果】
【0011】
本発明の板状粒子を研磨材に用いることにより、研磨速度と研磨面の平滑性をともに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1における板状粒子焼成品の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)である。
図2】実施例1における板状粒子焼成品の走査型電子顕微鏡写真(倍率5万倍)である。
図3】比較例2の研磨用スラリーにおける板状粒子の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)である。
図4】比較例2の研磨用スラリーにおける板状粒子の走査型電子顕微鏡写真(倍率5万倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<本発明の板状粒子>
本発明の板状粒子について説明する。
【0014】
本発明の板状粒子は、XRDパターンが無定形であり、モル比組成が0.01〜0.1Na2O・1.0Al23・2〜250SiO2(Al23:Na2O:SiO2=100:1〜10:200〜25000)で表される。その形状は、平均長径(D)が200〜400nm、平均短径(S)が70〜300nm、平均厚み(H)が20〜100nmの範囲にあり、長径(D)と平均厚み(H)との比(D/H)が4〜10の範囲にあり、平均長径(D)と平均短径(S)との比(D)/(S)の値が1.2〜10の範囲にある。平均長径、平均短径および平均厚みは画像解析により算出する。
【0015】
本発明の板状粒子では、画像解析法で測定された平均長径(D)が200〜400nmであり、240〜390nmであることが好ましい。
また、平均短径(S)が70〜300nmであり、85〜270nmであることが好ましく、100〜250nmであることがより好ましい。
また、平均厚み(H)が20〜100nmであり、35〜90nmであることが好ましく、50〜80nmであることがより好ましい。
また、平均長径(D)と平均厚み(H)との比(D)/(H)の値が4〜10であり、4.15〜9であることが好ましく、4.3〜8であることがより好ましい。
さらに、平均長径(D)と平均短径(S)との比(D)/(S)の値が1.2〜10であり、1.3〜6であることが好ましく、1.4〜4.0であることがより好ましい。
【0016】
上記の平均長径(D)、平均短径(S)および平均厚み(H)は、下記に示す画像解析法により測定したものとする。
まず、本発明の板状粒子の分散液A(固形分濃度0.05重量%)の電子顕微鏡写真(倍率5万倍ないしは20万倍)を撮影する。そして、この画像中の各粒子について次のように処理するものとする。
平均長径(D):各板状粒子の外縁上の2点を結ぶ線分のうち最長の線分を長径とし、電子顕微鏡写真(倍率5万倍ないしは20万倍)の画像における任意の50個の粒子の長径の平均値を平均長径(D)とする。
平均短径(S):上記の長径を二等分する点と直交する線分と粒子外縁との交点(2点)を求め、両交点を結ぶ線分を短径とし、上記の平均長径(D)と同様に求めた平均値を平均短径(S)とする。
なお、上記の長径および短径について、長径/短径の値が10を超える場合、その粒子の長径と短径の測定値は、上記のそれぞれの平均値を求める際には除外する。
平均厚さ(H):上記の長径/短径の値が10を超える場合、その短径の値を厚さと見做し、平均長径(D)と同様に求めた平均値を平均厚さ(H)とする。
なお、電子顕微鏡写真としては、例えば、走査型電子顕微鏡写真又は透過型電子顕微鏡写真などが使用できる。後記の実施例では、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)を使用した。
本発明において平均長径(D)、平均短径(S)および平均厚み(H)は、特に断りがない限り、上記の方法で測定したものとする。
【0017】
また、本発明の板状粒子の平均粒子径(累積50%)は、200〜500nmの範囲にあることが好ましく、220〜400nmの範囲にあることがより好ましい。平均粒子径は、固形分濃度1重量%の水分散液を用いたレーザー回折・散乱法により求められる。ここでは、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いることができる。
【0018】
また、本発明の板状粒子は、その比表面積(SA)が1〜30m2/gであることが好ましく、2〜20m2/gであることがより好ましく、3〜15m2/gであることがさらに好ましい。
本発明において、比表面積は、次の方法で測定するものとする。
試料(本発明の板状粒子)0.5gを測定セルに取り、窒素30体積%/ヘリウム70体積%混合ガス気流中、300℃で20分間脱ガス処理を行い、その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、比表面積を算出する。このようなBET比表面積は、公知のBET式粉体比表面積測定装置(例えば、ユアサアイオニクス製、型番マルチソーブ12)を用いて測定することができる。
本発明において比表面積(SA)は、特に断りがない限り、上記の方法で測定したものとする。
【0019】
本発明の板状粒子は焼成処理を受けているため、無定形となっている。また、本発明の板状粒子が、その表面にセリア粒子を有する場合、XRDパターンはセリア以外は無定形である。すなわち、セリアのパターンのみが現れ、セリア以外は無定形を現す。板状粒子の結晶構造は、粉体状の板状粒子を乳鉢にて10分間粉砕し、X線回折装置(理学電気(株)製、RINT1400)を用いて測定したXRD回折パターンから調べる。
なお、本発明においてXRD回折パターンは、特に断りがない限り、上記の方法で測定したものとする。
【0020】
本発明の板状粒子は、そのモル比組成がAl23:Na2O:SiO2=100:1〜10:200〜25000であり、100:2〜9:1000〜24000であることが好ましく、100:4〜8:10000〜23800であることがより好ましい。
【0021】
本発明の板状粒子は、ゼオライトを含み、更に表面がアルミナ処理されたものであることが好ましい。このような板状粒子は、例えば、本発明の製造方法により得ることができる。
【0022】
本発明の板状粒子は、その表面にセリア粒子を有することが好ましい。
また、セリア粒子の(111)面(2θ:28度近傍)における結晶子径が10nm〜25nmであることが好ましく、10〜15nmであることがより好ましい。
また、本発明の板状粒子がゼオライトおよびセリアを含む場合、ゼオライトとセリアの質量比が100:11〜230であることが好ましく、100:50〜150であることがより好ましく、100:70〜90であることがさらに好ましい。
【0023】
上記のようなゼオライトを含み、表面がアルミナ処理され、更にその表面にセリア粒子を有する本発明の板状粒子は、以下に説明する本発明の製造方法によって得ることが好ましい。
【0024】
<本発明の製造方法>
本発明の製造方法が備える工程1〜5について説明する。
【0025】
<工程1>
本発明の製造方法が備える工程1では、始めに、板状ゼオライト粒子の分散液Aを用意する。この板状ゼオライト粒子では、画像解析法で測定された平均長径(D)が200〜400nmであり、好ましくは240〜390nmである。
また、平均短径(S)が70〜300nmであり、好ましくは85〜270nmであり、より好ましは100〜250nmである。
また、平均厚み(H)が20〜100nmであり、好ましくは35〜90nmであり、より好ましくは50〜80nmである。
また、平均長径(D)と平均厚み(H)との比(D)/(H)の値が4〜10であり、好ましくは4.15〜9であり、より好ましくは4.3〜8である。
さらに、上記の板状ゼオライト粒子では、平均長径(D)と平均短径(S)との比(D)/(S)の値が1.2〜10であることが好ましく、1.3〜6であることがより好ましく、1.4〜4.0であることがさらに好ましい。
【0026】
また、上記の板状ゼオライト粒子は、そのXRDパターンが無定形であることが好ましい。
【0027】
また、上記の板状ゼオライト粒子は、そのモル比組成がAl23:Na2O:SiO2=100:1〜10:200〜25000であり、好ましくは100:1〜8:1000〜24500であり、より好ましくは100:2〜7:10000〜24000である。
【0028】
工程1では、上記の板状ゼオライト粒子を水に分散し、板状ゼオライト粒子の分散液Aを得る。この分散液Aの固形分濃度は1〜30重量%であり、好ましくは1.5〜10重量%であり、より好ましくは2〜6重量%である。
【0029】
このような板状ゼオライト粒子の分散液Aを陽イオン処理し、その後にポリ塩化アルミニウムを添加することが好ましい。ここで、陽イオン処理とは、板状ゼオライト粒子の分散液Aに含まれる陽イオン成分の少なくとも一部を除去する処理である。この処理方法は、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、陽イオン交換樹脂を用いた方法が挙げられる。
上記の陽イオン処理を行った分散液A(以下、精製分散液ともいう)の固形分濃度は、好ましくは1〜30重量%であり、より好ましくは1.5〜10重量%であり、さらに好ましくは2〜6重量%である。
【0030】
工程1では、上記の板状ゼオライト粒子の分散液Aに、ポリ塩化アルミニウムを添加し、5〜40℃で混合し、アルミナで処理されたゼオライトを含む分散液Bを調製する。このポリ塩化アルミニウムを添加することで、板状ゼオライト粒子の表面にAl23が被覆され、後工程の焼成時における板状ゼオライト粒子同士の焼結を防止することができる。
上記の温度範囲において混合中の上記分散液Aの温度は、5〜40℃である。通常は、常温であれば、この温度範囲に含まれる。
【0031】
ポリ塩化アルミニウムの添加は、ポリ塩化アルミニウム中のAl23量が、板状ゼオライト粒子の分散液Aにおける固形分に対して、好ましくは0.001〜0.1倍、より好ましくは0.005〜0.05倍、さらに好ましくは0.01〜0.03倍となるように添加する。
このようにして、アルミナで処理されたゼオライトを含む分散液Bを調製する。
【0032】
<工程2>
本発明の製造方法が備える工程2では、工程1に続いて、分散液Bを脱塩素処理して、分散液Cを得る。この脱塩素処理により、工程1で添加したポリ塩化アルミニウムにより持ち込まれた塩素を除去することができる。
脱塩素処理は、塩素を除去できる処理であれば特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、分散液Bに陰イオン交換樹脂を添加、混合した後に、陰イオン交換樹脂を分離する方法で行うことができる。
【0033】
<工程3>
本発明の製造方法が備える工程3では、工程2に続いて、分散液Cを中和し、pHを調整して、分散液Dを得る。この際、pH5.5〜10、好ましくはpH5.8〜9、より好ましくはpH6〜8に調整する。
pH調整には、例えばアンモニア水溶液や酢酸等の従来公知のpH調整剤を用いることができる。
【0034】
<工程4>
本発明の製造方法が備える工程4では、工程3に続いて、分散液Dを乾燥し、乾燥粉体を得る。
乾燥温度は、80〜200℃が好ましく、90〜150℃がより好ましく、100〜130℃がさらに好ましい。また、乾燥時間は、5〜20時間が好ましく、10〜17時間がより好ましく、12〜16時間がさらに好ましい。なお、工程4における乾燥方法は、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。
【0035】
<工程5>
本発明の製造方法が備える工程5では、工程4に続いて、上記の乾燥粉体を焼成し、無定形の板状粒子を得る。焼成方法は特に限定されないが、例えばマッフル炉等を用いた焼成が挙げられる。
焼成温度は300〜1200℃であり、好ましくは700〜1150℃であり、より好ましくは900〜1100℃である。また、焼成時間は、0.5〜10時間が好ましく、1.0〜7時間がより好ましく、1.5〜5時間がさらに好ましい。
【0036】
このような本発明の製造方法によって、ゼオライトを含み、更に表面がアルミナ処理された本発明の板状粒子を得ることができる。
【0037】
本発明の製造方法は、上記の工程2および工程3の間に、下記の工程αおよび工程βを含むことが好ましい。工程αおよび工程βを含むことで、ゼオライトを含み、表面がアルミナ処理され、更にその表面にセリア粒子を有する板状粒子を得ることができる。
工程αおよび工程βを、以下に説明する。
【0038】
<工程α>
工程αでは、上記の工程2で得られた分散液Cに硝酸セリウム水溶液を、逐次添加又は連続添加することにより、板状ゼオライト及び水酸化セリウム粒子を含む分散液αを調製する。硝酸セリウム水溶液は、分散液Cの固形分に対し、硝酸セリウム量を好ましくは0.1〜2.0倍、より好ましくは0.2〜1.0倍、さらに好ましくは0.3〜0.5倍となるよう添加する。
この際、分散液Cの温度を、5〜98℃、好ましくは30〜60℃、より好ましくは40〜50℃に維持しながら、硝酸セリウム水溶液を添加する。また、アルカリ添加により、分散液CのpHを6〜10、好ましくは7〜9.5、より好ましくは7.8〜7.9に維持しながら、硝酸セリウム水溶液を添加する。
【0039】
<工程β>
工程βでは、工程αで得た板状ゼオライト及び水酸化セリウム粒子を含む分散液Cの温度を、5〜98℃で熟成する。この際、熟成温度は、70〜97℃であることが好ましく、90〜95℃であることがより好ましい。また、熟成時間は1〜10時間であることが好ましく、1.5〜8時間であることがより好ましく、2〜6時間であることがさらに好ましい。工程βでは、分散液Cを撹拌しながら熟成することが好ましい。
【0040】
このようにして、板状ゼオライト及び水酸化セリウム粒子を含む、熟成させた分散液βが得られ、続けて上記の工程3において、この分散液βを中和する。
本発明の製造方法では、工程3の前に、この分散液βを洗浄することが好ましい。洗浄方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、限外ろ過膜を用いて、イオン交換水を補給しながら洗浄する方法が挙げられる。
【0041】
上記工程2および工程3の間に、上記工程αおよび工程βを含む本発明の製造方法によって、ゼオライトを含み、表面がアルミナ処理され、更にその表面にセリア粒子を有する本発明の板状粒子を得ることができる。
【0042】
<研磨用組成物>
本発明の板状粒子を溶媒に分散させた液体(以下では「本発明の研磨用組成物」ともいう)は、研磨材として好ましく用いることができる。
【0043】
本発明の研磨用組成物は半導体基板などを研磨する際の研磨速度が高く、また研磨時に研磨面のキズ(スクラッチ)が少ないなどの効果に優れている。
【0044】
本発明の研磨用組成物は、分散溶媒として、水及び/又は有機溶媒を含む。この分散溶媒として、例えば純水、超純水、イオン交換水のような水を用いることが好ましい。さらに、本発明の研磨用組成物は、添加剤として、研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤及びpH緩衝剤からなる群より選ばれる1種以上を含んでいてもよい。
【0045】
<研磨促進剤>
本発明に係る研磨用組成物には、被研磨材の種類によっても異なるが、必要に応じて従来公知の研磨促進剤を使用することができる。この様な例としては、過酸化水素、過酢酸、過酸化尿素などおよびこれらの混合物を挙げることができる。このような過酸化水素等の研磨促進剤を含む研磨用組成物を用いると、被研磨材が金属の場合には効果的に研磨速度を向上させることができる。
【0046】
研磨促進剤の別の例としては、硫酸、硝酸、リン酸、シュウ酸、フッ酸等の酸、あるいはこれら酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩およびこれらの混合物などを挙げることができる。これらの研磨促進剤を含む研磨用組成物の場合、複合成分からなる被研磨材を研磨する際に、被研磨材の特定の成分についての研磨速度を促進することにより、最終的に平坦な研磨面を得ることができる。
【0047】
本発明に係る研磨用組成物が研磨促進剤を含有する場合、その含有量としては、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。
【0048】
<界面活性剤及び/又は親水性化合物>
研磨用組成物の分散性や安定性を向上させるためにカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性系の界面活性剤及び/又は親水性化合物を添加することができる。界面活性剤と親水性化合物は、いずれも被研磨面への接触角を低下させる作用を有し、均一な研磨を促す作用を有する。界面活性剤または親水性化合物としては、例えば、以下の群から選ばれるものを使用することができる。
【0049】
陰イオン系界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
【0050】
陽イオン系界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩;両性系界面活性剤として、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
【0051】
非イオン系界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキルおよびアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。その他に、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
【0052】
界面活性剤としては陰イオン系界面活性剤もしくは非イオン系界面活性剤が好ましく、また、塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられ、特にアンモニウム塩およびカリウム塩が好ましい。
【0053】
さらに、その他の界面活性剤、親水性化合物等としては、グリセリンエステル、ソルビタンエステルおよびアラニンエチルエステル等のエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリエチレングリコール、アルケニルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルケニルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリプロピレングリコール、アルキルポリプロピレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリプロピレングリコール等のエーテル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、カードラン及びプルラン等の多糖類;グリシンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;メチルタウリン酸アンモニウム塩、メチルタウリン酸ナトリウム塩、硫酸メチルナトリウム塩、硫酸エチルアンモニウム塩、硫酸ブチルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、1−アリルスルホン酸ナトリウム塩、2−アリルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩等のスルホン酸及びその塩;プロピオンアミド、アクリルアミド、メチル尿素、ニコチンアミド、コハク酸アミド及びスルファニルアミド等のアミド等を挙げることができる。
【0054】
なお、適用する被研磨基材がガラス基板等である場合は何れの界面活性剤であっても好適に使用できるが、半導体集積回路用シリコン基板などの場合であって、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはハロゲン化物等による汚染の影響を嫌う場合にあっては、酸もしくはそのアンモニウム塩系の界面活性剤を使用することが望ましい。
【0055】
本発明に係る研磨用組成物が界面活性剤及び/又は親水性化合物を含有する場合、その含有量は、総量として、研磨用組成物の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。
【0056】
界面活性剤及び/又は親水性化合物の含有量は、充分な効果を得る上で、研磨用組成物の1L中、0.001g以上が好ましく、研磨速度低下防止の点から10g以下が好ましい。
【0057】
界面活性剤または親水性化合物は1種のみでもよいし、2種以上を使用してもよく、異なる種類のものを併用することもできる。
【0058】
<複素環化合物>
本発明の研磨用組成物については、被研磨基材に金属が含まれる場合に、金属に不動態層または溶解抑制層を形成させて、被研磨基材の侵食を抑制する目的で、複素環化合物を含有させても構わない。ここで、「複素環化合物」とはヘテロ原子を1個以上含んだ複素環を有する化合物である。ヘテロ原子とは、炭素原子、又は水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味し、環系に対して外部に位置していたり、少なくとも一つの非共役単結合により環系から分離していたり、環系のさらなる置換基の一部分であるような原子は意味しない。ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。複素環化合物の例として、イミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾールなどを用いることができる。より具体的には、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
本発明に係る研磨用組成物に複素環化合物を配合する場合の含有量については、0.001〜1.0重量%であることが好ましく、0.001〜0.7重量%であることがより好ましく、0.002〜0.4重量%であることがさらに好ましい。
【0060】
<pH調整剤>
上記各添加剤の効果を高めるためなどに必要に応じて酸または塩基を添加して研磨用組成物のpHを調節することができる。
【0061】
研磨用組成物をpH7以上に調整するときは、pH調整剤として、アルカリ性のものを使用する。望ましくは、水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、エチルアミン、メチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルアミンなどのアミンが使用される。
【0062】
研磨用組成物をpH7未満に調整するときは、pH調整剤として、酸性のものが使用される。例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸などのヒドロキシ酸類が使用される。
【0063】
<pH緩衝剤>
研磨用組成物のpH値を一定に保持するために、pH緩衝剤を使用しても構わない。pH緩衝剤としては、例えば、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、4ホウ酸アンモ四水和水などのリン酸塩及びホウ酸塩または有機酸などを使用することができる。
【0064】
また、本発明の研磨用組成物の分散溶媒として、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類などの有機溶媒を用いることができる。これらを水と混合して用いてもよい。
【0065】
本発明の研磨用組成物に含まれる固形分濃度は0.3〜50重量%の範囲にあることが好ましい。この固形分濃度が低すぎると研磨速度が低下する可能性がある。逆に固形分濃度が高すぎても研磨速度はそれ以上向上する場合は少ないので、不経済となり得る。
【0066】
本発明の研磨用組成物に無機酸化物粒子を加えると、Raが向上する傾向があるので好ましい。ここで無機酸化物微粒子を本発明の板状粒子に対して(すなわち、無機酸化物微粒子の重量/(無機酸化物微粒子の重量+本発明の板状粒子の重量)×100が)、5〜20重量%となるように含有させると、Raがより向上する傾向があるのでより好ましい。
また、本発明の板状粒子と同等の大きさの無機酸化物微粒子を用いると、Raがさらに向上する傾向があるので好ましい。この無機酸化物粒子として、例えばシリカ、セリアが挙げられる。
【0067】
本発明の研磨用組成物(研磨用スラリー)を調製する際、通常は本発明の板状粒子を解砕し、所望の粒子径範囲の板状粒子を研磨用組成物の原料として使用する。典型的には、本発明の板状粒子を湿式粉砕し、得られたスラリーを遠心分離処理し、研磨用組成物とすることができる。
【0068】
また、本発明の研磨用組成物は、前述の板状粒子と、この板状粒子を分散させる溶媒とを備えている。板状粒子は被研磨面と面接触しているので接触面積が大きく、1部分に研磨圧力が集中する事がないため研磨速度が向上し、且つ被研磨面の表面粗さも良好になる。
【実施例】
【0069】
以下、本発明の板状粒子の製造方法について具体的に説明する。
【0070】
[実施例1]
板状研磨材の製造
(板状粒子の調製)
はじめに、SiO2換算での濃度2.2重量%の板状ゼオライト分散液Aを用意する。ここで、板状ゼオライト分散液Aに含まれる板状ゼオライト粒子は、平均長径250nm、平均短径100nm、平均厚み50nm、表面電位−47.4mVである。また、板状ゼオライト分散液Aの液組成は、固形分濃度2.2%:Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.01重量%、SiO2濃度2.2重量%である。この板状ゼオライトの分散液A6818.2gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌する。陽イオン交換樹脂を分離すると、板状ゼオライトの精製分散液6818.2gが得られる。この精製分散液は固形分濃度2.2%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.01重量%、SiO2濃度2.2重量%)であり、精製分散液のpHは3.7、電導度は149.4μSec/cmである。板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2である。
【0071】
この精製分散液6818.2gにポリ塩化アルミニウム(多木化学製:タキバイン#1000、Al23濃度23.55重量%)15.2gを添加し、常温で0.5時間撹拌する。このPAC処理により、板状ゼオライトの表面にAl23が被覆される。板状ゼオライトの表面をAl23で被覆することにより、後工程の焼成時に板状ゼオライト同士が焼結することが防止できる。このように、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gが得られる。ここで、板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2であり、分散液Bは、固形分濃度2.3%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.11重量%、SiO2濃度2.2重量%)である。また、この分散液BのpHは3.6、電導度は0.473mS/cmである。
【0072】
次いで、ポリ塩化アルミニウムにより持ち込まれた塩素を除去する。すなわち、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gに陰イオン交換樹脂(三菱化学製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌する。その後、陰イオン交換樹脂を分離して分散液Cとなる。分散液Cは固形分濃度2.3%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.11重量%、SiO2濃度2.2重量%)である。分散液Cに含まれる板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2であり、板状ゼオライトは脱塩されている。分散液CのpHは4.9であり、電導度は5.02μS/cmである。
【0073】
次いで、pHが6.0になるように分散液Cに濃度3重量%のアンモニア水溶液を添加する。この分散液Dを120℃で15時間乾燥して、板状ゼオライトの乾燥粉176.3gを得る。
ついで、この乾燥粉176.3gをマッフル炉にて1000℃で2時間焼成して142.6g板状粒子焼成品を得る。板状粒子焼成品のモル比組成は0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2であり、X線回折で無定形であった。
【0074】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
この板状粒子焼成品142.6gと純水488.4gを混合して、固形分濃度22.7%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度1.1重量%、SiO2濃度21.6重量%)の懸濁液を得る。カンペ社製卓上サンドミルとシンマルエンタープライゼス社製のガラスビーズ0.5mmφを用いて、この懸濁液を180分間粉砕する。
この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液Eを遠心分離機(日立製作所(株)製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して固形分濃度10.0%(Na2O濃度0.003重量%、Al23濃度0.48重量%、SiO2濃度9.5重量%)の板状粒子の分散液F1050gが得られる。この分散液Fを凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積14m2/g、X線回折で無定形であった。また、板状粒子の平均長径は250nm、平均短径は100nm、平均厚みは50nmである。さらに、分散液Fの固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、245.8nmであった。
【0075】
ついで、板状粒子の分散液F1050gをロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na2O濃度0.007重量%、Al23濃度1.1重量%、SiO2濃度21.9重量%)の分散液G456gを得る。
この分散液G456gに、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na2O濃度0.003重量%、Al23濃度0.4重量%、SiO2濃度8.6重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
【0076】
(被研磨基板)
被研磨基板には、65mmφの強化ガラス製のハードディスク用ガラス基板を用いる。このハードディスク用ガラス基板は、一次研磨済みであり、表面粗さは最大で0.21μmである。
【0077】
(研磨試験)
上記被研磨基板を、研磨パッド(ロデール社製:アポロン)を装着した研磨装置(ナノファクター社製:NF300)にセットし、基板荷重0.18MPa、テーブル回転速度30rpmで研磨用スラリーを20g/分の速度で10分間供給して研磨を行った。
研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算する。
また、研磨後の表面の平滑性を原子間力顕微鏡(日立ハイテクサイエンス社製)で測定する。
実施例1研磨材の評価結果を表1に示す。表1には後述する実施例2等や比較例による研磨材の評価結果も示す。表1中の研磨レート比とは、後述する比較例1の研磨速度を1としたときの、研磨速度の比率である。
【0078】
【表1】
【0079】
以下に、実施例1とは異なる研磨粒子を用いた実施例と比較例を説明する。なお、実施例1と重複する説明は適宜省略する。
【0080】
[実施例1−2]
板状研磨材の製造
(板状粒子の調製)
はじめに、SiO2換算での濃度2.2重量%の板状ゼオライト分散液Aを用意する。ここで、板状ゼオライト分散液Aに含まれる板状ゼオライト粒子は、平均長径380nm、平均短径100nm、平均厚み50nm、表面電位−47.6mVである。また、板状ゼオライト分散液Aの液組成は、固形分濃度2.2%:Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.01重量%、SiO2濃度2.2重量%である。この板状ゼオライトの分散液A6818.2gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌する。陽イオン交換樹脂を分離すると、板状ゼオライトの精製分散液6818.2gが得られる。この精製分散液は固形分濃度2.2%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.01重量%、SiO2濃度2.2重量%)であり、精製分散液のpHは3.6、電導度は150.0μSec/cmである。板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2である。
【0081】
この精製分散液6818.2gにポリ塩化アルミニウム(多木化学製:タキバイン#1000、Al23濃度23.55重量%)15.2gを添加し、常温で0.5時間撹拌する。このPAC処理により、板状ゼオライトの表面にAl23が被覆される。板状ゼオライトの表面をAl23で被覆することにより、後工程の焼成時に板状ゼオライト同士が焼結することが防止できる。このように、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gが得られる。ここで、板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2であり、分散液Bは、固形分濃度2.3%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.11重量%、SiO2濃度2.2重量%)である。また、この分散液BのpHは3.6、電導度は0.484mS/cmである。
【0082】
次いで、ポリ塩化アルミニウムにより持ち込まれた塩素を除去する。すなわち、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gに陰イオン交換樹脂(三菱化学製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌する。その後、陰イオン交換樹脂を分離して分散液Cとなる。分散液Cは固形分濃度2.3%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.11重量%、SiO2濃度2.2重量%)である。分散液Cに含まれる板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2であり、板状ゼオライトは脱塩されている。分散液CのpHは5.0であり、電導度は5.22μS/cmである。
【0083】
次いで、pHが6.0になるように分散液Cに濃度3重量%のアンモニア水溶液を添加する。この分散液Dを120℃で15時間乾燥して、板状ゼオライトの乾燥粉176.3gを得る。
ついで、この乾燥粉176.3gをマッフル炉にて1000℃で2時間焼成して142.6g板状粒子焼成品を得る。板状粒子焼成品のモル比組成は0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2であり、X線回折で無定形であった。
【0084】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
この板状粒子焼成品142.6gと純水488.4gを混合して、固形分濃度22.7%(Na2O濃度0.006重量%、Al23濃度1.1重量%、SiO2濃度21.6重量%)の懸濁液を得る。カンペ社製卓上サンドミルとシンマルエンタープライゼス社製のガラスビーズ0.5mmφを用いて、この懸濁液を180分間粉砕する。
この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液Eを遠心分離機(日立製作所(株)製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して固形分濃度10.0%(Na2O濃度0.003重量%、Al23濃度0.48重量%、SiO2濃度9.5重量%)の板状粒子の分散液F1050gが得られる。この分散液Fを凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積9m2/g、X線回折で無定形であった。また、板状粒子の平均長径は380nm、平均短径は100nm、平均厚みは50nmである。さらに、分散液Fの固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、370.3nmであった。
【0085】
ついで、板状粒子の分散液F1050gをロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na2O濃度0.007重量%、Al23濃度1.1重量%、SiO2濃度21.9重量%)の分散液G456gを得る。
この分散液G456gに、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na2O濃度0.003重量%、Al23濃度0.4重量%、SiO2濃度8.6重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
以降、実施例1と同様に評価を行った。表1に結果を示す。
【0086】
[実施例1−3]
板状研磨材の製造
(板状粒子の調製)
はじめに、SiO2換算での濃度2.2重量%の板状ゼオライト分散液Aを用意する。ここで、板状ゼオライト分散液Aに含まれる板状ゼオライト粒子は、平均長径380nm、平均短径100nm、平均厚み80nm、表面電位−48.1mVである。また、板状ゼオライト分散液Aの液組成は、固形分濃度2.2%:Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.01重量%、SiO2濃度2.2重量%である。この板状ゼオライトの分散液A6818.2gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌する。陽イオン交換樹脂を分離すると、板状ゼオライトの精製分散液6818.2gが得られる。この精製分散液は固形分濃度2.2%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.01重量%、SiO2濃度2.2重量%)であり、精製分散液のpHは3.5、電導度は151.2μSec/cmである。板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2である。
【0087】
この精製分散液6818.2gにポリ塩化アルミニウム(多木化学製:タキバイン#1000、Al23濃度23.55重量%)15.2gを添加し、常温で0.5時間撹拌する。このPAC処理により、板状ゼオライトの表面にAl23が被覆される。板状ゼオライトの表面をAl23で被覆することにより、後工程の焼成時に板状ゼオライト同士が焼結することが防止できる。このように、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gが得られる。ここで、板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2であり、分散液Bは、固形分濃度2.3%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.11重量%、SiO2濃度2.2重量%)である。また、この分散液BのpHは3.6、電導度は0.495mS/cmである。
【0088】
次いで、ポリ塩化アルミニウムにより持ち込まれた塩素を除去する。すなわち、PAC処理された板状ゼオライトの分散液B6833.4gに陰イオン交換樹脂(三菱化学製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌する。その後、陰イオン交換樹脂を分離して分散液Cとなる。分散液Cは固形分濃度2.3%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.11重量%、SiO2濃度2.2重量%)である。分散液Cに含まれる板状ゼオライトのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2であり、板状ゼオライトは脱塩されている。分散液CのpHは4.8であり、電導度は5.38μS/cmである。
【0089】
次いで、pHが6.0になるように分散液Cに濃度3重量%のアンモニア水溶液を添加する。この分散液Dを120℃で15時間乾燥して、板状ゼオライトの乾燥粉176.3gを得る。
ついで、この乾燥粉176.3gをマッフル炉にて1000℃で2時間焼成して142.6g板状粒子焼成品を得る。板状粒子焼成品のモル比組成は0.06Na2O・1.0Al23・237SiO2であり、X線回折で無定形であった。
【0090】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
この板状粒子焼成品142.6gと純水488.4gを混合して、固形分濃度22.7%(Na2O濃度0.006重量%、Al23濃度1.1重量%、SiO2濃度21.6重量%)の懸濁液を得る。カンペ社製卓上サンドミルとシンマルエンタープライゼス社製のガラスビーズ0.5mmφを用いて、この懸濁液を180分間粉砕する。
この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液Eを遠心分離機(日立製作所(株)製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して固形分濃度10.0%(Na2O濃度0.003重量%、Al23濃度0.48重量%、SiO2濃度9.5重量%)の板状粒子の分散液F1050gが得られる。この分散液Fを凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積9m2/g、X線回折で無定形であった。また、板状粒子の平均長径は380nm、平均短径は100nm、平均厚みは80nmである。さらに、分散液Fの固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、371.6nmであった。
【0091】
ついで、板状粒子の分散液F1050gをロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na2O濃度0.007重量%、Al23濃度1.1重量%、SiO2濃度21.9重量%)の分散液G456gを得る。
この分散液G456gに、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na2O濃度0.003重量%、Al23濃度0.4重量%、SiO2濃度8.6重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
以降、実施例1と同様に評価を行った。表1に結果を示す。
【0092】
[実施例2]
本実施例は、実施例1の板状粒子の表面にセリア粒子を配した構成の粒子を板状研磨材として用いている。
実施例1の板状ゼオライトの分散液C6833.4gを50℃に昇温し、温度を維持したまま、攪拌しながら硝酸セリウム溶液を18時間かけて継続的に添加する。ここでは、硝酸第一セリウム6水和物183.8gにイオン交換水を2729.6g加えて換算で2.5重量%の硝酸セリウム溶液を用いた。硝酸セリウム溶液を添加する間、分散液のpHが7.85を維持するように、3%濃度のアンモニア水を逐次添加する。これにより、水酸化アルミニウム層が形成された板状ゼオライト粒子と、水酸化セリウム粒子との分散液αが作製できる。
ついで、分散液αの温度を93℃に昇温し、4時間攪拌して熟成させる。その後、室温に戻し、限外ろ過膜を用いてイオン交換水を補給しながら洗浄を行い、固形分濃度7.0%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.02重量%、SiO2濃度3.9重量%、CeO2濃度3.1重量%)の分散液βを得る。この分散液βのモル比組成は0.06Na2O・1.0Al23・228SiO2・90CeO2)、pHは8.3である。この分散液βに3%酢酸を添加してpHを6.0に調整し、分散液D2を得る。次いで、分散液D2を120℃−15時間で乾燥し、セリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉291.0gを得る。
【0093】
次いで、このセリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉を、マッフル炉を用いて1000℃で2時間焼成する。この焼成により、表面にセリア粒子を有する板状粒子が作製される。このようにして得られた板状粒子焼成品276.6gのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・228SiO2・90CeO2であり、X線回折でCeriaである。またセリア粒子の(111)面(2θ:28度近傍)における結晶子径が12nmである(X線回折による測定による)。なお、板状粒子の表面には水酸化アルミニウム層が存在することもある。即ち、セリア粒子と板状粒子の間に水酸化アルミニウム層が介在することがある。
【0094】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
次いで、この板状粒子焼成品(モル比組成:0.06Na2O・1.0Al23・228SiO2・90CeO2)276.6gと純水941.9gを混合して、固形分濃度22.7%(Na2O濃度0.002重量%、Al23濃度0.06重量%、SiO2濃度12.6重量%、CeO2濃度10.0重量%)の懸濁液を得る。サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製:ガラスビーズ0.5mmφ)を用いてこの懸濁液を180分間粉砕する。この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液E2を遠心分離機(日立製作所社製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して、固形分濃度10.0%(Na2O濃度0.0008重量%、Al23濃度0.03重量%、SiO2濃度5.6重量%、CeO2濃度4.4重量%)の分散液F21936.2gが得られる。この分散液F2を凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積3.2m2/g、X線回折でCeriaであった。また、板状粒子の平均長径は350nm、平均短径は250nm、平均厚みは80nmである。さらに、分散液F2の固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、366.8nmであった。
次いで、板状粒子の分散液F2をロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na2O濃度0.002重量%、Al23濃度0.07重量%、SiO2濃度12.9重量%、CeO2濃度10.1重量%)の分散液G2842gを得る。
この分散液G2に、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na2O濃度0.0007重量%、Al23濃度0.03重量%、SiO2濃度5.0重量%、CeO2濃度4.0重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
以降、実施例1と同様に評価を行った。表1に結果を示す。
【0095】
[実施例2−2]
本実施例は、実施例1−2の板状粒子の表面にセリア粒子を配した構成の粒子を板状研磨材として用いている。
実施例1−2の分散液C6833.4gを50℃に昇温し、温度を維持したまま、攪拌しながら硝酸セリウム溶液を18時間かけて継続的に添加する。ここでは、硝酸第一セリウム6水和物183.8gにイオン交換水を2729.6g加えて換算で2.5重量%の硝酸セリウム溶液を用いた。硝酸セリウム溶液を添加する間、分散液のpHが7.85を維持するように、3%濃度のアンモニア水を逐次添加する。これにより、水酸化アルミニウム層が形成された板状ゼオライト粒子と、水酸化セリウム粒子との分散液αが作製できる。
ついで、分散液αの温度を93℃に昇温し、4時間攪拌して熟成させる。その後、室温に戻し、限外ろ過膜を用いてイオン交換水を補給しながら洗浄を行い、固形分濃度7.0%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.02重量%、SiO2濃度3.9重量%、CeO2濃度3.1重量%)の分散液βを得る。この分散液βのモル比組成は0.06Na2O・1.0Al23・228SiO2・90CeO2)、pHは8.2である。この分散液βに3%酢酸を添加してpHを6.0に調整し、分散液D2-2を得る。次いで、分散液D2-2を120℃−15時間で乾燥し、セリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉291.0gを得る。
【0096】
次いで、このセリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉を、マッフル炉を用いて1000℃で2時間焼成する。この焼成により、表面にセリア粒子を有する板状粒子が作製される。このようにして得られた板状粒子焼成品276.6gのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・228SiO2・90CeO2であり、X線回折でCeriaである。またセリア粒子の(111)面(2θ:28度近傍)における結晶子径が13nmである(X線回折による測定による)。なお、板状粒子の表面には水酸化アルミニウム層が存在することもある。即ち、セリア粒子と板状粒子の間に水酸化アルミニウム層が介在することがある。
【0097】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
次いで、この板状粒子焼成品(モル比組成:0.06Na2O・1.0Al23・228SiO2・90CeO2)276.6gと純水941.9gを混合して、固形分濃度22.7%(Na2O濃度0.002重量%、Al23濃度0.06重量%、SiO2濃度12.6重量%、CeO2濃度10.0重量%)の懸濁液を得る。サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製:ガラスビーズ0.5mmφ)を用いてこの懸濁液を180分間粉砕する。この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液E2-2を遠心分離機(日立製作所社製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して、固形分濃度10.0%(Na2O濃度0.0008重量%、Al23濃度0.03重量%、SiO2濃度5.6重量%、CeO2濃度4.4重量%)の分散液F2-21936.2gが得られる。この分散液F2-2を凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積3m2/g、X線回折でCeriaであった。また、板状粒子の平均長径は390nm、平均短径は100nm、平均厚みは50nmである。さらに、分散液F2-2の固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、395.4nmであった。
次いで、板状粒子の分散液F2-2をロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na2O濃度0.002重量%、Al23濃度0.07重量%、SiO2濃度12.9重量%、CeO2濃度10.1重量%)の分散液G2-2842gを得る。
この分散液G2-2に、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na2O濃度0.0007重量%、Al23濃度0.03重量%、SiO2濃度5.0重量%、CeO2濃度4.0重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
以降、実施例1と同様に評価を行った。表1に結果を示す。
【0098】
[実施例2−3]
本実施例は、実施例1−3の板状粒子の表面にセリア粒子を配した構成の粒子を板状研磨材として用いている。
実施例1−3の板状ゼオライトの分散液C6833.4gを50℃に昇温し、温度を維持したまま、攪拌しながら硝酸セリウム溶液を18時間かけて継続的に添加する。ここでは、硝酸第一セリウム6水和物183.8gにイオン交換水を2729.6g加えて換算で2.5重量%の硝酸セリウム溶液を用いた。硝酸セリウム溶液を添加する間、分散液のpHが7.85を維持するように、3%濃度のアンモニア水を逐次添加する。これにより、水酸化アルミニウム層が形成された板状ゼオライト粒子と、水酸化セリウム粒子との分散液α2-3が作製できる。
ついで、分散液α2-3の温度を93℃に昇温し、4時間攪拌して熟成させる。その後、室温に戻し、限外ろ過膜を用いてイオン交換水を補給しながら洗浄を行い、固形分濃度7.0%(Na2O濃度0.0006重量%、Al23濃度0.02重量%、SiO2濃度3.9重量%、CeO2濃度3.1重量%)の分散液β2-3を得る。この分散液β2-3のモル比組成は0.06Na2O・1.0Al23・228SiO2・90CeO2)、pHは8.1である。この分散液β2-3に3%酢酸を添加してpHを6.0に調整し、分散液D2-3を得る。次いで、分散液D2-3を120℃−15時間で乾燥し、セリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉291.0gを得る。
【0099】
次いで、このセリアコートされた板状ゼオライトの乾燥粉を、マッフル炉を用いて1000℃で2時間焼成する。この焼成により、表面にセリア粒子を有する板状粒子が作製される。このようにして得られた板状粒子焼成品276.6gのモル比組成は、0.06Na2O・1.0Al23・228SiO2・90CeO2であり、X線回折でCeriaである。またセリア粒子の(111)面(2θ:28度近傍)における結晶子径が14nmである(X線回折による測定による)。なお、板状粒子の表面には水酸化アルミニウム層が存在することもある。即ち、セリア粒子と板状粒子の間に水酸化アルミニウム層が介在することがある。
【0100】
(板状粒子を含む研磨用スラリーの作製)
次いで、この板状粒子焼成品(モル比組成:0.06Na2O・1.0Al23・228SiO2・90CeO2)276.6gと純水941.9gを混合して、固形分濃度22.7%(Na2O濃度0.002重量%、Al23濃度0.06重量%、SiO2濃度12.6重量%、CeO2濃度10.0重量%)の懸濁液を得る。サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製:ガラスビーズ0.5mmφ)を用いてこの懸濁液を180分間粉砕する。この懸濁液からビーズを分離し、得られた板状粒子の分散液E2-3を遠心分離機(日立製作所社製:高速冷却遠心機)により、1580Gで3分間分離して、固形分濃度10.0%(Na2O濃度0.0008重量%、Al23濃度0.03重量%、SiO2濃度5.6重量%、CeO2濃度4.4重量%)の分散液F2-31936.2gが得られる。この分散液F2-3を凍結乾燥して得られる板状粒子の物性は、比表面積3m2/g、X線回折でCeriaであった。また、板状粒子の平均長径は390nm、平均短径は100nm、平均厚みは80nmである。さらに、分散液F2-3の固形分濃度を1重量%に調整し、日機装株式会社マイクロトラックUPA装置を用いてレーザー回折・散乱法によって平均粒子径(累積50%)を求めたところ、397nmであった。
次いで、板状粒子の分散液をロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮して、固形分濃度23.0%(Na2O濃度0.002重量%、Al23濃度0.07重量%、SiO2濃度12.9重量%、CeO2濃度10.1重量%)の分散液G2-3842gを得る。
この分散液G2-3に、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na2O濃度0.0007重量%、Al23濃度0.03重量%、SiO2濃度5.0重量%、CeO2濃度4.0重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製する。
以降、実施例1と同様に評価を行った。表1に結果を示す。
【0101】
[比較例1]
球状のシリカ粒子を含むシリカゾルを用意する。シリカ粒子の平均粒子径108nmであり、シリカゾルのSiO2濃度は40重量%、pHは10.2、表面電位は−60mVである。このシリカゾルに、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液とを加え、SiO2濃度9重量%、pH10.5の研磨用スラリーを調製する。以降は実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0102】
[比較例2]
結晶系がフォージャサイトの板状ゼオライト(モル比組成:1.05Na2O・1.0Al23・3.97SiO2)に、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液とを加え、固形分濃度9.0%(Na2O濃度1.5重量%、Al23濃度2.2重量%、SiO2濃度5.4重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを作製した。ここで用いた板状ゼオライト粒子は、平均長径250nm、平均短径100nm、平均厚み50nm、表面電位−47.4mVである。
以降は実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0103】
[比較例3]
結晶系がフォージャサイトの板状ゼオライト(モル比組成:1.05Na2O・1.0Al23・3.97SiO2)を純水で希釈し、固形分濃度3.7%(Na2O濃度0.6重量%、Al23濃度0.9重量%、SiO2濃度2.2重量%)の分散液6818.2gを得た。ここで用いた板状ゼオライト粒子は、平均長径250nm、平均短径100nm、平均厚み50nm、表面電位−47.4mVである。
この分散液6818.2gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS(株)製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌した。陽イオン交換樹脂を分離して、固形分濃度3.1%(Na2O濃度0.01重量%、Al23濃度0.9重量%、SiO2濃度2.2重量%)の板状ゼオライトの分散液6818.2gを得た。分散液のモル比組成は0.02Na2O・1.0Al23・3.97SiO2、pHは3.7、電導度は149.4μS/cmである。
次いで、この分散液6818.2gに陰イオン交換樹脂(三菱化学社製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌する。その後、陰イオン交換樹脂を分離し、固形分濃度3.2%(Na2O濃度0.01重量%、Al23濃度1.0重量%、SiO2濃度2.2重量%)の板状ゼオライト脱塩品(モル比組成:0.02Na2O・1.0Al23・3.97SiO2)の分散液を作製した。分散液のpHは5.5、電導度は4.02μS/cmであった。
以降、実施例1と同様に研磨用スラリーを調製し、研磨性の評価を行った。結果を表に示す。
【0104】
[比較例4]
実施例2と同様に作製した分散液E2(Na2O濃度0.01重量%、Al23濃度1.2重量%、SiO2濃度2.7重量%、CeO2濃度3.1重量%)をロータリーエバポレーター(EYELA社製)により濃縮し、固形分濃度23.0%(Na2O濃度0.02重量%、Al23濃度3.9重量%、SiO2濃度9.0重量%、CeO2濃度10.1重量%)の分散液1250gを作製する。この分散液に、純水と濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、固形分濃度9.0%(Na2O濃度0.03重量%、Al23濃度1.5重量%、SiO2濃度3.5重量%、CeO2濃度4.0重量%)、pH10.5の研磨用スラリーを調製する。以降は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
図1
図2
図3
図4