【実施例】
【0055】
実施例1−メリビオースは培養したヒトの ex vivoの皮膚を色素脱失させる
完全な厚さのex vivoのヒトの皮膚の試料を、選択的形成手術手順から得た。(このプロジェクトに関する倫理的承認をノースウエスト研究倫理委員会から得た(番号09/H1010/10を有する)。患者はそのプロジェクトの全ての詳細を説明する情報パックを与えられ、彼らが彼らの皮膚試料を提供することを希望するかどうか決定するために最低24時間を有していた。全ての皮膚試料は選択的な化粧的手順から得られた。)その皮膚試料を器官培養において6日間維持した。NDOメリビオースの2種類の濃度、1.5および3.0%(w/v)を、その培養された皮膚試料の周囲の培地に1日目において、およびその後その培地を交換するたびごとに添加することにより、皮膚色素沈着を低減するそれらの能力に関して試験した。対照として、一部の皮膚試料をメリビオースの存在を除いて同一の条件下で培養した。
【0056】
6日目に、その皮膚試料を凍結包埋媒体中に浸し、5μmの切片に切り、マッソン・フォンタナアッセイを用いて染色した。マッソン・フォンタナアッセイの原理は、メラニン顆粒はアンモニア性硝酸銀溶液から銀を還元して見ることができる金属状態にすることである。マッソン・フォンタナアッセイに関するプロトコルについての情報は、関連する実験室用の手引書、例えばLille RD, 1965, Histopathologic Technique and Practical Histochemistry, 第3版 1965, the Blakiston Division, McGraw Hill Book Company, p240において見付けることができ、それを本明細書に援用する。
【0057】
皮膚の凍結切片をエタノール/酢酸で固定した後、スライドを0.5%アンモニア性硝酸銀溶液中でマイクロ波を用いて加熱した。次いで切片を1%塩化金中で調色し(toned)、5%チオ硫酸ナトリウム中で固定し、ヘマトキシリンで対比染色した後、DPEXを用いてマウントした。次いでメラニン染色を光学顕微鏡を用いて可視化することができる。
【0058】
切片の分析は、
図2aにおいて示されるように、メリビオース処理した試料における未処理の対照試料と比較したメラニンにおける有意な低減を示した。
図2bは、NDOの非存在下で培養した、および25mMまたは50mMメリビオースと共に培養した皮膚試料に関するメラニン染色の平均密度を示す。この画像分析は、処理した皮膚対対照におけるおおよそ10%のメラニン染色における低減を実証している。
【0059】
実施例2−メリビオースおよびP95は培養したヒトのex vivoの皮膚を色素脱失させる
完全な厚さのex vivoのヒトの皮膚の試料を実施例1において記載したように得て、器官培養において6日間維持した。NDOメリビオースの2種類の濃度(25mMおよび50mM)、およびNDO P95(フルクトオリゴ糖(FOS)としても知られているオリゴフルクトースの95%混合物)の2種類の濃度(25mMおよび50mM)を、その培養された皮膚試料の周囲の培地に1日目において、およびその後その培地を交換するたびごとに添加することにより、皮膚色素沈着を低減するそれらの能力に関して試験した。対照として、一部の皮膚試料をNDOの非存在を除いて同一の条件下で培養した。
【0060】
6日目に、その皮膚試料を凍結包埋媒体中に浸し、5μmの切片に切り、実施例1において述べたようにマッソン・フォンタナアッセイを用いて染色した。
図3は、NDOの非存在下で培養した、25mMまたは50mMのP95と共に培養した、および25mMまたは50mMのメリビオースと共に培養した皮膚試料に関するメラニン染色の平均密度を示す。この画像分析は、
図3において示されるように、対照に対するp95またはメリビオースのどちらかで処理した処理した皮膚におけるメラニン染色の低減を実証している。
【0061】
実施例1および2の結果は、NDO、例えばメリビオースおよびオリゴフルクトースの皮膚への適用は、皮膚色素沈着を低減する能力を有することを示している。従って、NDOは皮膚色素沈着の障害、例えば白斑、黒皮症および色素沈着過剰において役に立つ療法薬を提供し、化粧的な皮膚のホワイトニングが必要とされる場合に有用である。
【0062】
実施例3−皮膚色素沈着の低減または皮膚の色調の一様化における使用のための化粧用組成物
以下の表は、皮膚色素沈着を低減する、または皮膚の色調を一様にする方法における皮膚への局所適用のための化粧用組成物の例を提供する。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
以下の表は、皮膚色素沈着を低減する、または皮膚の色調を一様にする方法における皮膚への局所適用のためのサンスクリーン剤を提供する。
【0066】
【表3】
【0067】
実施例4−皮膚色素沈着の障害を処置または管理するための医薬組成物
以下の表は、皮膚色素沈着の障害を処置または管理する方法における使用のための皮膚への局所適用のための医薬組成物の例を提供する。
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
実施例5−メリビオースはケラチノサイトによる炎症性サイトカイン類の産生を抑制する
この実験は、炎症誘発性サイトカインであるインターロイキン−8(IL−8)に対して産生された抗体を用いてケラチノサイトに由来する培養上清中のIL−8のレベルを検出して、NDOメリビオースはHaCaTケラチノサイトによるIL−8のベースライン発現を低減することができることおよびインターロイキン−1βによるケラチノサイトの刺激に反応したIL−8の産生も低減されることを実証した。
【0073】
平底96ウェルプレートを抗IL−8抗体により一晩コーティングの後、2000pg/mlのIL−8ストック溶液からの系列希釈を用いて9点IL−8標準曲線を生成した。これらを糖類に曝露したケラチノサイトに由来する培養上清と共に96ウェルプレート上で2時間培養した。次いでそのプレートを洗浄し、抗IL−8ビオチン抗体と共に2時間インキュベートした後、そのプレートを再度洗浄し、ストレプトアビジン−HRPの溶液と共に20分間そのままにしておいた。最後の洗浄後、そのプレートをテトラメチルベンジジンの溶液で覆い、青色の反応生成物が形成され、その強度は元の培養上清中に存在するIL−8の量に関連する。この反応を硫酸を用いて停止すると溶液が黄色に変わり、次いでそれをマルチプレートリーダー上で450nMにおいて読み取った。IL−8の未知の試料濃度を標準曲線を用いて決定した。
【0074】
図4aにおいて示されるように、メリビオースはHaCaTケラチノサイトにおけるIL−8の産生を抑制する。メリビオースは構成的なIL−8の分泌の穏やかな(mildly)用量応答性の抑制を示した。さらに、
図4bにおいて示されるように、ケラチノサイトのIL−1β刺激に反応したIl−8の分泌(Il−1β)が5%メリビオースで処理した細胞においてほとんど対照レベルまで低減した(Il−1b+M)。2番目のNDSであるP95の作用を比較のために示す(Il−1b+P)。
【0075】
従って、NDO、例えばメリビオースおよびP95を用いて炎症誘発性サイトカイン類の発現を抑制または低減することができる。NDOを含む組成物を用いて、炎症を起こした皮膚および/または赤色の痒いパッチを有する皮膚の状態を予防、処置または改善することができる。NDOを含む組成物は、皮膚色素沈着の障害と関係する皮膚炎症の処置または予防または管理において用いることができる。特定の態様において、NDOは白斑と関係する炎症を処置、管理または予防するために用いられる。他の態様において、NDOを含む組成物は炎症と関係する皮膚障害、例えば皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬、ざ瘡、酒さおよびじんま疹の処置、予防または管理において用いることができる。
【0076】
実施例6−配合
次の表は、本発明に従う組成物の配合を示す。
【0077】
【表8】
【0078】
その組成物は室温より下で約15〜20℃において調製される。メリビオースを水に添加し、5分間ゆっくりと攪拌して溶解させる。グリセリンおよび変性アルコール(IMS)を添加し、5分間ゆっくりと攪拌して溶解させる。キサンタンガムを30分間かけてゆっくりと攪拌しながらゆっくりと添加する。次いでその組成物を均質になるまで約1時間攪拌する。次いで保存剤を添加し、5分間ゆっくりと攪拌する。クエン酸溶液を適量添加してpHを4.5〜5.5にして、その組成物を30分間ゆっくりと攪拌する。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]
化粧用組成物の皮膚への局所適用を含む、皮膚色素沈着を低減する、または皮膚の色調を一様にする美容方法であって、該化粧用組成物が以下:
非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体、および
化粧的に許容できるキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤
を含む、前記美容方法。
[態様2]
NDOがメリビオース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ガラクト−オリゴ糖、フルクト−オリゴ糖(オリゴフルクトース)もしくはイヌリンまたはそれらの混合物から選択される炭水化物である、態様1に記載の美容方法。
[態様3]
NDOがヒトの小腸中での加水分解に耐え、未変化で通過して結腸に入る炭水化物である、態様1に記載の美容方法。
[態様4]
NDOがAOAC法985.29により食物繊維として分類される炭水化物である、請求項1に記載の美容方法。
[態様5]
NDOが少なくとも0.0015%重量/体積(w/v)の量で、または場合により少なくとも1.0%w/vの濃度で組成物中に存在する、態様1〜4のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様6]
NDOが5%重量/体積(w/v)まで、または場合により5%w/vまでの量で組成物中に存在する、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様7]
NDOが約0.0015%から約5%重量/体積までの量で組成物中に存在する、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様8]
組成物が1種類より多くのNDOまたはNDOの組み合わせを含む、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様9]
組成物が局所適用のために、場合によりクリーム、エマルジョン、ローション、ゲル、ヒドロゲル、ペースト、散剤、軟膏、泡状物質、ソーク、スティック、スプレー、エアロゾル、バスオイル、液剤等として配合されている、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様10]
組成物がさらにサンスクリーン剤を含む、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様11]
前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法であって、該方法が白斑、黒皮症、色素沈着過剰、場合により炎症性皮膚疾患から生じる炎症後色素沈着過剰、色素沈着過剰の染み、加齢による染み、母斑、肝斑、そばかすにおいて皮膚色素沈着を低減する、または皮膚の色調を一様にする、皮膚を白化する、皮膚を薄色化する、およびより若々しい顔貌を得るためのものである、前記美容方法。
[態様12]
組成物が他の皮膚ホワイトニングまたは皮膚色素沈着低減剤を含まない、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様13]
加齢による染み、母斑、日光による損傷、肝斑およびそばかすから選択される色素沈着過剰の領域の外観を低減するための皮膚のホワイトニングまたは皮膚の色調の一様化の美容方法であって、化粧用組成物の皮膚への局所適用を含み、該化粧用組成物がメリビオースおよび化粧的に許容できるキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤を含む、前記美容方法。
[態様14]
皮膚色素沈着の障害を予防、処置または管理する方法における使用のための、非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体。
[態様15]
NDOがメリビオース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ガラクト−オリゴ糖、フルクト−オリゴ糖(オリゴフルクトース)もしくはイヌリンまたはそれらの混合物から選択される炭水化物である、態様14に記載の使用のためのNDO。
[態様16]
NDOがヒトの小腸中での加水分解に耐え、未変化で通過して結腸に入る炭水化物である、態様14に記載の使用のためのNDO。
[態様17]
NDOがAOAC法985.29により食物繊維として分類される炭水化物である、請求項14に記載の使用のためのNDO。
[態様18]
NDOが少なくとも0.0015%重量/体積(w/v)の量で、または場合により少なくとも1.0%w/vの濃度で組成物中に配合される、態様14〜17のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様19]
NDOが5%重量/体積(w/v)まで、または場合により5%w/vまでの量で組成物中に配合される、態様14〜18のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様20]
NDOが約0.0015%から約5%重量/体積までの量で組成物中に配合される、請求項14〜19のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様21]
1種類より多くのNDOまたはNDOの組み合わせが方法において用いられる、態様14〜20のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様22]
NDOが局所適用のために、場合によりクリーム、エマルジョン、ローション、ゲル、ヒドロゲル、ペースト、散剤、軟膏、泡状物質、ソーク、スティック、スプレー、エアロゾル、バスオイル、液剤等として組成物中に配合される、態様14〜21のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様23]
組成物がさらにサンスクリーン剤を含む、態様22に記載の使用のためのNDO。
[態様24]
皮膚色素沈着の障害が白斑、黒皮症、色素沈着過剰、場合により炎症性皮膚疾患から生じる炎症後色素沈着過剰、色素沈着過剰の染み、加齢による染み、母斑、肝斑、そばかす、皮膚を白化すること、皮膚を薄色化すること、およびより若々しい顔貌を得ることから選択される、態様14〜23のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様25]
皮膚色素沈着の障害の処置または管理のための医薬品の製造におけるNDOの使用。
[態様26]
皮膚色素沈着の障害を処置または管理する方法であって、該方法が以下:
(i)療法上有効量の非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体
および
(ii)医薬的に許容できるキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤
を含む組成物の色素沈着の低減を必要とする皮膚への局所適用を含む、前記方法。
[態様27]
NDOがメリビオース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ガラクト−オリゴ糖、フルクト−オリゴ糖(オリゴフルクトース)、イヌリンおよびそれらの混合物からなる群から選択される炭水化物である、態様26に記載の方法。
[態様28]
NDOがヒトの小腸中での加水分解に耐え、未変化で通過して結腸に入る炭水化物である、態様26に記載の方法。
[態様29]
NDOがAOAC法985.29により食物繊維として分類される炭水化物である、請求項26に記載の方法。
[態様30]
NDOが少なくとも0.0015%重量/体積(w/v)の量で、または場合により少なくとも1.0%w/vの濃度で組成物中に存在する、態様26に記載の方法。
[態様31]
NDOが5%重量/体積(w/v)まで、または場合により5%w/vまでの量で組成物中に存在する、態様26に記載の方法。
[態様32]
NDOが約0.0015%から約5%重量/体積までの量で組成物中に存在する、請求項26に記載の方法。
[態様33]
組成物が1種類より多くのNDOまたはNDOの組み合わせを含む、態様26に記載の方法。
[態様34]
組成物がクリーム、エマルジョン、ローション、ゲル、ヒドロゲル、ペースト、散剤、軟膏、泡状物質、ソーク、スティック、スプレー、エアロゾル、バスオイルおよび液剤等からなる群から選択される配合物として提供される、態様26に記載の方法。
[態様35]
組成物がさらにサンスクリーン剤を含む、態様26に記載の方法。
[態様36]
皮膚色素沈着の障害が白斑、黒皮症、色素沈着過剰、場合により炎症性皮膚疾患から生じる炎症後色素沈着過剰、色素沈着過剰の染み、加齢による染み、母斑、肝斑、そばかす、皮膚を白化すること、皮膚を薄色化すること、およびより若々しい顔貌を得ることから選択される、態様26に記載の方法。
[態様37]
白斑、黒皮症、妊娠または経口避妊薬におけるホルモン変化の結果としてもたらされる皮膚色素沈着の障害、アトピー性湿疹、接触皮膚炎、乾癬またはざ瘡(acne)から選択される炎症性皮膚疾患における炎症後色素沈着過剰、皮膚への外傷の後にも生じ得る色素沈着過剰から選択される皮膚色素沈着の障害を処置または管理する方法における使用のためのメリビオース。
[態様38]
唯一の皮膚のホワイトニング有効薬剤としての1種類の(またはそれより多くの)NDO(単数または複数)および1種類以上のキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤を含む皮膚のホワイトニング組成物。
[態様39]
実質的に本明細書において前に図を参照して記載されたような組成物または方法。
[態様40]
皮膚における炎症誘発性サイトカインの発現を低減する方法であって、療法上有効量の非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体のそれを必要とする対象の皮膚への局所適用を含む、前記方法。
[態様41]
NDOまたはその塩もしくは誘導体の局所適用が炎症誘発性サイトカインであるインターロイキン−8(IL−8)を抑制する、態様40に記載の方法。
[態様42]
療法上有効量の非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体および医薬的に許容できるキャリヤー、希釈剤または賦形剤を含む組成物の皮膚への局所適用によりそれを必要とする対象において皮膚炎症を低減することを含む、皮膚炎症を処置または管理する方法。
[態様43]
NDOがメリビオースである、態様42に記載の方法。
[態様44]
皮膚炎症が白斑である、態様42に記載の方法。
[態様45]
皮膚炎症を処置、予防または管理する方法における使用のための非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体であって、該皮膚炎症が白斑におけるものである、前記NDO。
[態様46]
NDOがメリビオースである、態様45に記載の使用のためのNDO。