特許第6385334号(P6385334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385334
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】糖類の化粧的および医薬的使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/60 20060101AFI20180827BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20180827BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   A61K8/60
   A61Q19/02
   A61P17/04
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-500983(P2015-500983)
(86)(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公表番号】特表2015-513357(P2015-513357A)
(43)【公表日】2015年5月11日
(86)【国際出願番号】GB2013050705
(87)【国際公開番号】WO2013140153
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2016年3月8日
(31)【優先権主張番号】1205177.7
(32)【優先日】2012年3月23日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】315004317
【氏名又は名称】キュラペル(スコットランド)リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100128750
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 しのぶ
(72)【発明者】
【氏名】オニール,キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】パウス,ラルフ
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−524122(JP,A)
【文献】 特表2000−516591(JP,A)
【文献】 特開2009−007261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
A61K31/33−33/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用組成物の皮膚への局所適用を含む、皮膚の色調をホワイトニングまたは薄色化(lightening)する美容方法であって、該化粧用組成物が以下:
メリビオースまたはその塩、および
化粧的に許容できるキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤
を含み、ここで当該メリビオースまたはその塩は、少なくとも0.5%重量/体積(w/v)の量で該組成物中に存在する、前記美容方法。
【請求項2】
メリビオースが少なくとも1.0%重量/体積(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項1に記載の美容方法。
【請求項3】
メリビオースが10%重量/体積(w/v)までの量で組成物中に存在する、請求項1に記載の美容方法。
【請求項4】
メリビオースが0.5%から5%重量/体積までの量で組成物中に存在する、請求項1または3に記載の美容方法。
【請求項5】
組成物が1種類より多くの非消化性オリゴ糖(NDO)を含む、請求項1に記載の美容方法。
【請求項6】
組成物が局所適用のために配合されている、請求項1記載の美容方法。
【請求項7】
組成物が、クリーム、エマルジョン、ローション、ゲル、ヒドロゲル、ペースト、散剤、軟膏、泡状物質、ソーク、スティック、スプレー、エアロゾル、バスオイル、液剤等として配合されている、請求項6記載の美容方法。
【請求項8】
組成物がさらにサンスクリーン剤を含む、請求項1に記載の美容方法。
【請求項9】
該方法が白斑、黒皮症、色素沈着過剰、炎症後色素沈着過剰、色素沈着過剰の染み、加齢による染み、母斑、肝斑、そばかすにおいて皮膚の色調をホワイトニングまたは薄色化する、皮膚をホワイトニングする、皮膚を薄色化する、およびより若々しい顔貌を得るためのものである、請求項1に記載の美容方法。
【請求項10】
組成物が他の皮膚ホワイトニングまたは皮膚色素沈着低減剤を含まない、請求項1に記載の美容方法。
【請求項11】
該方法が、加齢による染み、母斑、日光による損傷、肝斑およびそばかすから選択される色素沈着過剰の領域の外観を低減するための皮膚のホワイトニングまたは皮膚の色調の薄色化の方法であり、化粧用組成物の皮膚への局所適用を含む、請求項1に記載の美容方法。
【請求項12】
唯一の皮膚のホワイトニング有効薬剤としてのメリビオースまたはその塩および1種類以上のキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤を含む皮膚のホワイトニング組成物であって、当該メリビオースまたはその塩は、少なくとも0.5%重量/体積(w/v)の量で該組成物中に存在する、前記組成物
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
序論
皮膚色素沈着の障害は、たとえその皮膚色素沈着の障害が他の身体的症状の非存在下で起こった場合でも、それらを発現している人々にとって心理的および社会的の両方でかなりの影響を有する。
【0002】
白斑は斑点状の皮膚の色の喪失を引き起こす慢性的な予測不能の疾患である。色素脱失したパッチの外観は、特に浅黒い皮膚または日焼けした皮膚において体裁が悪い可能性がある。白斑は心理的および社会的の両方でかなりの影響を有し得る。さらに、皮膚の色素脱失したパッチは、世界の一部の地域でまだ流行し恐れられている疾患であるハンセン病の病変と間違えられる可能性があり、これは冒された人が社会的に孤立し、汚名を着せられる可能性があることを意味する。
【0003】
炎症は白斑の特徴であり、炎症誘発性サイトカインの上昇したレベルがこの状態と関係している。皮膚の炎症誘発性サイトカインの上昇したレベルは、皮膚上に現れる赤色の痒いパッチが含まれる皮膚炎症をもたらす。白斑において、その皮膚の赤色の痒いパッチが色素産生細胞の喪失の前に起こり得る。
【0004】
“褐色斑”または“妊娠顔貌”としても知られている黒皮症は、皮膚のより黒ずんだパッチが頬、額、鼻および上唇上に徐々に発現する障害である。この障害は男性よりも女性においてより一般的であり、妊娠およびホルモンを含有する薬物投与と関係している。黒皮症は通常数年間持続する。妊娠関連黒皮症は出産後数ヶ月間持続する可能性があり、ホルモン処置に関連する黒皮症は経口避妊用ホルモンを止めた後長く持続する可能性がある。黒皮症は慢性疾患であり、再発が一般的である。結果として、黒皮症は心理的に苦悩を与え得る。
【0005】
皮膚色素沈着の他の障害は、ホルモン変化、例えば妊娠および経口避妊薬の結果として生じ得る。
炎症後色素沈着過剰(既に色素沈着した皮膚においてより悪い可能性がある)は、炎症性皮膚疾患、例えばアトピー性湿疹、接触皮膚炎、乾癬またはざ瘡(acne)の結果として生じ得る。
【0006】
色素沈着過剰は皮膚への外傷の後にも生じ得る。
皮膚色素沈着の障害を患う人にとって、これらの障害を処置および管理するための安全かつ有効な製品および療法は極めて有益であろう。より一様な皮膚の色調をもたらす製品および療法は、そのような障害を有する人々の生活の質を大きく高めるであろう。
【0007】
加えて、心理的または病理学的動機がなくても、より色素沈着していない皮膚を必要とする人にとって美容的な理由が存在する。皮膚の色調/色の一様化または皮膚色素沈着の局所的な低減が、加齢による染み、母斑、日光による損傷およびそばかすの外観を低減するために、または皮膚色素沈着の障害の管理を助けるために必要とされ得る。社会的圧力は、一般的な皮膚のホワイトニングまたは皮膚色素沈着の低減に対する需要をもたらし得る。加えて、一部の浅黒い皮膚の人はより薄い皮膚の色を好み、これは特にアジア文化においてそれが美または富裕の特別なサインとみなされているためである。皮膚のホワイトニング、皮膚色素沈着の低減または皮膚の色調の一様化のための製品および療法が必要とされている。
【0008】
今日まで、皮膚色素沈着の障害に関する処置はしばしば不満足なものであった。
皮膚色素沈着の障害に関する従来の処置には、皮膚漂白組成物(化学的薬剤、例えばヒドロキノンが含まれる)、ざ瘡クリーム(化学的薬剤、例えばアゼライン酸が含まれる)、局所用レチノイド類(例えばトレチノイン(tretinion))および酸性溶液を用いて皮膚の外層を除去するフェイシャルピール(facial peels)(例えばグリコール酸ピール)が含まれる。一部の処置は、3重組み合わせクリーム(ヒドロキノン、トレチノインおよびステロイド)のような組み合わせアプローチを組み込んでいる。1つの例は、フルオシノロンアセトニド0.01%(合成フッ素化コルチコステロイド)、ヒドロキノン4%(療法的には色素脱失剤に分類される)およびトレチノイン0.5%(レチノイド)を含有するTri−Luma(商標)クリームである。
【0009】
既存の色素脱失処置におけるこれらの苛酷な(harsh)化学物質は、負の副作用、例えば皮膚に対する刺激、皮膚の発赤、皮膚剥脱、ひりひりする痛み、灼熱感、皮膚の乾燥、腫脹および掻痒症を引き起こし得る。そのような化学物質は発癌性および催奇性であることも示唆されてきた。
【0010】
従って、皮膚色素沈着を低減する、および/または皮膚の色調を一様にすることができ、皮膚色素沈着の障害の処置および管理において用いることができる、苛酷な化学物質を必要とせず安全かつ有効である化粧および医薬組成物および療法に関する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、安全であり十分に許容される化合物を有効薬剤として含む、皮膚色素沈着を低減することができる化粧用および医薬組成物および療法を開発してきた。
本発明の第1観点は、化粧用組成物の皮膚への局所適用を含む、皮膚色素沈着を低減する、または皮膚の色調を一様にする美容方法を提供し、その化粧用組成物は非消化性オリゴ糖(NDO)、および化粧的に許容できるキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤を含む。
【0012】
本発明の第2観点は、皮膚色素沈着の障害を処置または管理する方法における使用のための非消化性オリゴ糖を提供する。
本発明の第3観点は、皮膚色素沈着の障害の処置または管理のための医薬品の製造における非消化性オリゴ糖の使用に関する。
【0013】
本発明の第4観点は皮膚色素沈着の障害を処置または管理する方法を提供し、その方法は療法上有効量の非消化性オリゴ糖および医薬的に許容できるキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤を含む組成物の色素沈着の低減を必要とする皮膚への局所適用を含む。
【0014】
本発明の第5観点は、唯一の皮膚ホワイトニング有効薬剤としての1種類の(またはより多くの)NDO(単数または複数)および1種類以上のキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤を含む皮膚ホワイトニング組成物を提供する。
【0015】
さらなる観点における本発明の方法および組成物は、サンスクリーン剤も含む。
本発明の別の観点は、皮膚における炎症誘発性サイトカインの発現を低減する方法を提供し、その方法は非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体の局所適用を含む。
【0016】
本発明のさらなる観点は、非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体および医薬的に許容できるキャリヤー、希釈剤または賦形剤を含む組成物の皮膚への局所適用を含む、皮膚の炎症を処置する方法を提供する。
【0017】
本発明のさらに別の観点は、皮膚の炎症と関係する自己免疫の病気を処置または予防する方法における使用のための非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、非消化性オリゴ糖メリビオースの構造を示す。
図2a図2aは、マッソン・フォンタナ免疫化学染色手順を用いてメラニンに関して染色してあるex vivoのヒトの皮膚の切片を示す。パネル1は、NDOで処理しなかった対照の皮膚試料である。パネル2は、1.5%メリビオースと共に培養した試験皮膚試料である。パネル3は、3.0%メリビオースと共に培養した試験皮膚試料である。
図2b図2bは、2種類の濃度の非消化性オリゴ糖メリビオースで処理した皮膚および対照としての未処理の皮膚におけるメラニン染色の平均密度を示す。
図3図3は、2種類の濃度の非消化性オリゴ糖P95(オリゴフルクトースの95%混合物)および2種類の濃度の非消化性オリゴ糖メリビオースで処理した皮膚ならびに対照としての未処理の皮膚におけるメラニン染色の平均密度を示す。
図4a図4aは、メリビオースがHaCaTケラチノサイトによるインターロイキン−8(Il−8)炎症誘発性サイトカインのベースライン発現を低減することができることを示す。
図4b図4bは、インターロイキン−1βによるケラチノサイトの刺激に反応したIL−8の産生も低減されたことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、皮膚色素沈着を低減する、ならびに皮膚色素沈着の障害を処置および管理するための、安全であり十分に許容される組成物ならびに美容方法および療法的方法ならびに療法を提供する。
【0020】
本発明において、皮膚色素沈着を低減することは、皮膚色素沈着過剰を低減すること、および/または皮膚の色素脱失として、および/または皮膚の薄色化(lightening)および/または皮膚のホワイトニングおよび/または加齢の徴候の予防および/もしくは遅延および/または加齢した皮膚の皮膚外観の向上としても言及され得る。本発明の組成物、方法および療法は、皮膚におけるメラニン形成の阻害にも関わっていてよい。
【0021】
本発明は、皮膚色素沈着の障害を管理および処置する、ならびに皮膚の色調を一様にするための医薬および化粧用組成物および方法を提供する。
皮膚色素沈着の障害および皮膚の色調を一様にする必要性には、以下のものが含まれる:
−白斑、
−褐色斑または妊娠顔貌としても知られている黒皮症、
−妊娠または経口避妊薬のようなホルモン変化に起因する色素沈着過剰、
−炎症性皮膚疾患、例えばアトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬またはざ瘡の結果として生じ得る炎症後色素沈着過剰、
−皮膚への外傷後の色素沈着過剰、
−色素沈着過剰の染み、
−加齢による染み
−母斑
−肝斑
−そばかす
−低減した皮膚の色に関する、または白化した、もしくは薄色化した皮膚に関する願望
−皮膚のブライトニング(brightening)および/またはより若々しい顔貌に関する願望。
【0022】
一部の任意の態様において、管理または処置される障害は炎症後の状態ではない。そのような態様において、その医薬または化粧用組成物は炎症反応を管理、処置または制御するためには用いられず、場合により管理または処置されている対象(および/またはその対象上の皮膚の領域)は炎症反応を示していなくてよい。
【0023】
非消化性糖類(NDS)とも呼ばれる非消化性オリゴ糖類(NDO)は、食事の不活性な食物繊維構成要素である。それらは植物、例えばニンニク、タマネギ、アスパラガス、アーティチョークおよびチコリーの食用部分中にある。NDOはあらゆる内在性の消化プロセスに抵抗性である炭水化物と呼ぶことができる。より具体的には、非消化性オリゴ糖は、ヒトの小腸中での加水分解に耐え、未変化で通過して結腸に入る炭水化物である。ここで、細菌の酵素による分解は水および単鎖脂肪酸を生成することができ、それはプラスの健康への利益を有すると信じられている。加えて、一部の非消化性オリゴ糖は活発にプレバイオティック(prebiotic)であり、すなわちそれらはいわゆる“善玉菌”、例えば乳酸菌およびビフィズス菌の増殖を刺激する。
【0024】
非消化性オリゴ糖は、食品産業で、対象の健康に有益であると信じられている消化系中の細菌の増殖または活動を刺激するためのプレバイオティック配合物において広く用いられている。しかし、“善玉菌”の増殖への作用以外では、非消化性オリゴ糖は腸に関して不活性な分子であると考えられている。
【0025】
2001年1月10日に提出されたアメリカ穀物化学者協会の取締役会に対する食物繊維定義委員会の報告(A Report of the Dietary Fiber Definition Committee to the Board of Directors of the American Association Of Cereal Chemists)は、以下の定義を提供した。“食物繊維は、ヒトの小腸中での消化および吸収に抵抗性であり、大腸中で完全または部分的に発酵する植物の食用部分または類似の炭水化物である。”食物繊維には、多糖、オリゴ糖、リグニンおよび関係する植物物質が含まれる。食物繊維は、便通、および/または血中コレステロールの減弱、および/または血糖の減弱が含まれる有益な生理的作用を促進する。
【0026】
従って、本発明において有用なNDOは、ヒトの小腸中での消化および吸収に抵抗性である炭水化物と記載することができる。
NDOは天然源からの直接抽出により得ることができ、または多糖類を加水分解する化学的プロセスにより、もしくは二糖類からの酵素的合成および化学合成により生成することができる。
【0027】
公認分析化学者協会の公式の総食物繊維の分析法:AOAC公式法985.29(AOAC 1990 Official Methods of Analysis of the Association of Official Analytical Chemists, Vol II, 第15版 Sec 985.29. 協会:バージニア州アーリントン)(その方法を本明細書に援用する)は、ある糖類が非消化性であり、従って食物繊維構成要素の一部であるかどうかを試験するための方法を提供する。この方法はAACC法32−05としても知られている可能性があり、その方法も本明細書に援用する。1985年以来、AOAC法985.29は食物中の総食物繊維の決定のための標準的な方法として世界的に採用されてきた。
【0028】
従って、本発明において有用なNDOは、AOAC法985.29により食物繊維として分類される炭水化物と記載することができる。
本発明において特に有用なNDOは以下のものである:
a)α−結合型NDO、例えばメリビオース、ラフィノースおよびスタキオース、
b)β−結合型NDO、例えばラクツロースおよびガラクト−オリゴ糖(GOS)、ならびに
c)他のタイプのNDO、例えばフルクト−オリゴ糖(FOS)およびイヌリン。
【0029】
一部の態様において、好ましいNDOは二糖類、三糖類または四糖類である。
メリビオースはガラクトースおよびグルコースのプレバイオティックな二糖(D−Gal−α(1→6)−D−Glc、図1参照)であり、それは三糖ラフィノースのインベルターゼに媒介される加水分解により生成され得る。
【0030】
ラフィノースはガラクトース、グルコースおよびフルクトースからなる三糖(Galα−(1→6)−Glcα−(1→2)−βFru)であり、野菜、例えばキャベツ、マメ類、芽キャベツ、および一部の全穀粒中にある。
【0031】
スタキオースはガラクトース、ガラクトース、グルコースおよびフルクトースからなる四糖(Galα−(1→6)−Galα(1→6)−Glcα(1→2)−βFru)である。
【0032】
ラフィノースおよびスタキオースは共通のα1−6結合型ガラクトシル残基を共有する2〜4の重合度(DP)を有するオリゴ糖類のセットの一部を形成している。
ラクツロースはガラクトースおよびフルクトースからなる二糖(Galβ−(1→4)−Fru)であり、ラクトースの異性化により生成され得る。
【0033】
オリゴガラクトシルラクトース、オリゴガラクトース、オリゴラクトースまたはトランスガラクトオリゴ糖類(TOS)としても知られているガラクト−オリゴ糖類(GOS)は、2〜8、またはより通常には2〜5の重合度(DP)を有するβ−1→3,4および6結合型オリゴ糖類の混合物である。GOSはラクトースの酵素的変換により生成され得る。
【0034】
時々オリゴフルクトースまたはオリゴフルクタンとも呼ばれるフルクトオリゴ糖(FOS)はオリゴ糖フルクタンであり、それはフルクトースからなり、代替甘味料として用いることができる。FOSは果実および野菜、例えばバナナ類、タマネギ類、チコリーの根、ニンニク、アスパラガス、オオムギ、コムギおよびニラ類から抽出することができる。2つの異なるクラスのFOSの混合物を、イヌリンの分解またはトランスフルクトシル化(transfructosylation)プロセスに基づいて商業的に製造することができる。この開示において用いられる際、P95はオリゴフルクトース、一般にβ−結合型オリゴフルクトースの95%混合物である。P95は本発明の方法において用いることができる。加えて、P90、P91、P92、P93、P94、P96、P97、P98、P99およびP100(それはそれぞれオリゴフルクトース、一般にβ−結合型オリゴフルクトースの90%、91%、92%、93%、94%、96%、97%、98%、99%および100%混合物である)のいずれも本発明において用いることができる。
【0035】
イヌリン類は主にフルクトース単位からなるポリマーであり、典型的には末端グルコースを有する。イヌリン類中のフルクトース単位はβ(2→1)グリコシド結合により連結されていてよい。一般に、植物のイヌリン類は5〜数千個のフルクトース単位を含有する。FOSは大きさが2から6残基までの範囲のイヌリン加水分解産物の混合物であることができる。
【0036】
本発明の一部の任意の態様において、NDOはシアリル修飾されたNDOではない。例えば、そのNDOはシアル酸でもシアル酸の配糖体でもない。例えば、一部の態様において、そのNDOはシアリルメリビオースでもシアリルラフィノースでもシアリルスタキオースでもシアリルラクツロースでもない。特定の態様において、そのNDOは3’−シアリルメリビオースでも3’−シアリルラフィノースでも3’−シアリルスタキオースでも3’−シアリルラクツロースでもない。
【0037】
特定の態様において、用いられるNDOは可溶性である。本発明において有用な好ましいNDOは、メリビオースおよびオリゴフルクトースまたはP95である。
NDOの塩類、エステル類および誘導体も本発明において有用である。好ましい誘導体の例には、ジフルクトース無水物IIIおよびジフルクトース無水物IVが含まれる。
【0038】
NDOとして、メリビオースは不活性であることが予想された。しかし、本発明者らは、不活性であるどころか、メリビオースは腸細胞の機能を変化させることを実証した。本発明者らはメリビオースがケラチノサイトの生物学にも影響を及ぼし得るかどうか調べる気になり、注目すべきことにメリビオースはケラチノサイトの生物学に影響を及ぼし、皮膚の色素脱失をもたらすことを見出した。さらなる研究は、他のNDO、例えばオリゴフルクトースは類似の作用を有し、皮膚の色素脱失をもたらすことを確証した。
【0039】
NDOは天然の食物の一部であるため、それらは皮膚への局所適用に関して安全であり、それらは他の色素脱失剤と関係する負の副作用を有しない。
一部の観点において、本発明は、本発明に従うNDOの投与または適用を含む美容的処置に関する。本明細書で用いられる際の“美容的”は、非療法的である。そのような方法は療法によるヒトまたは動物の体の処置を含まない。美容的処置は、皮膚色素沈着を低減するため、および/または皮膚の外観および/または手触りを向上させるために用いることができる。
【0040】
本発明は、美容的処置の方法におけるNDOの使用、およびNDOを用いた美容的処置の方法も意図している。例えば、皮膚の外観を向上させる、および/または色素沈着した皮膚の領域の外観を向上させる方法において。本明細書において用いられる際、用語“美容方法”は、EPC第53条(c)に従う外科手術もしくは療法によるヒトもしくは動物の体の処置のための方法またはヒトもしくは動物の体に対して実行される診断法を指していない。
【0041】
本発明は、NDOを含む化粧用組成物も提供する。その組成物は、皮膚色素沈着を低減するためおよび/または皮膚の外観を向上させるために用いることができる。化粧用組成物は、本明細書で記載されるように、医薬組成物と同様に配合することができる。
【0042】
処置すべき対象はあらゆる動物またはヒトであってよい。その対象は非ヒト哺乳類であってよいが、より好ましくはヒトである。その対象は雄または雌であってよい。一部の態様において、その対象はその美容的処置を適用すべき部位における処置を必要としない。
【0043】
本発明に従う美容方法は、好ましくは“化粧的に有効な量”の投与を含む。これは、化合物、成分、物質、組成物、剤形等の美容上の利益を誘導するために有効な量での投与に関係する。これは関連する専門家の適切な判断の範囲内である。当業者には、その有効化合物、およびその有効化合物を含む組成物の適切な投与量は対象ごとに異なり得ることは理解されるであろう。
【0044】
この開示において、NDOの、および本発明の組成物のあらゆる他の構成要素の濃度は%w/v(百分率重量/体積)で表されてよく、ここで100mlの溶液中に1gのNDOまたは他の構成要素を含む溶液は1%または1%w/vと呼ぶことができる。
【0045】
本発明の組成物はその組成物の重量により少なくとも0.0015%の量の、またはその組成物の重量により少なくとも0.0050%、もしくは少なくとも0.010%、もしくは少なくとも0.050%、もしくは少なくとも0.10%、もしくは少なくとも0.50%の量の、そして場合により少なくとも1.0%の濃度でNDOを含んでいてよく、そして本発明の方法はその組成物の重量により少なくとも0.0015%の量の、またはその組成物の重量により少なくとも0.0050%、もしくは少なくとも0.010%、もしくは少なくとも0.050%、もしくは少なくとも0.10%、もしくは少なくとも0.50%の量の、そして場合により少なくとも1.0%の濃度でNDOを用いてよい。
【0046】
本発明の組成物はその組成物の重量により10%までの量の、または9%まで、8%まで、7%まで、6%まで、そして場合により5%まで、または4%まで、または3%までの量のNDOを含んでいてよく、そして本発明の方法はその組成物の重量により10%までの量の、または9%まで、8%まで、7%まで、6%まで、そして場合により5%まで、または4%まで、または3%までの量のNDOを用いてよい。
【0047】
本発明の組成物中のNDOに関する量の予想される範囲は、その組成物の重量により0.0015%〜5%である。
この開示において、可溶性のNDO、例えばメリビオースの、および本発明の組成物のあらゆる他の構成要素の濃度は、ミリモル濃度の量で表されてよい。本発明の組成物はNDOを少なくとも0.05mMの濃度で、または少なくとも0.1mM、もしくは少なくとも0.5mM、もしくは少なくとも1mM、もしくは少なくとも5mM、もしくは少なくとも10mM、もしくは少なくとも20mMの濃度で、そして場合により少なくとも30mMの濃度で含むことができ、そして本発明の方法はNDOを少なくとも0.05mMの濃度で、または少なくとも0.1mM、もしくは少なくとも0.5mM、もしくは少なくとも1mM、もしくは少なくとも5mM、もしくは少なくとも10mM、もしくは少なくとも20mMの濃度で、そして場合により少なくとも30mMの濃度で用いることができる。
【0048】
本発明の組成物はNDOを320mMまでの濃度で、または300mMまで、250mMまで、225mMまで、もしくは200mMまでの濃度で、そして場合により160mMの濃度まで含み、そして本発明の方法はNDOを320mMまでの濃度で、または300mMまで、250mMまで、225mMまで、もしくは200mMまでの濃度で、そして場合により160mMの濃度まで用いることができる。
【0049】
本発明の組成物中のNDOに関する濃度の予想される範囲は、0.05mM〜160mMである。
本発明において用いられるNDOの好ましい濃度の例は、1.5%または50mMおよび0.75%または25mMである。
【0050】
本発明の組成物は1タイプのNDO、または1より多くのタイプのNDO、例えば少なくとも2種類のNDO、もしくは少なくとも3種類のNDO、またはNDOの混合物もしくは組み合わせを含むことができ、本発明の方法は1タイプのNDO、または1より多くのタイプのNDO、例えば少なくとも2種類のNDO、もしくは少なくとも3種類のNDO、またはNDOの混合物もしくは組み合わせを用いることができる。
【0051】
本発明において有用な医薬または化粧用組成物は皮膚への局所投与のためのものであってよく、1種類以上の医薬的または化粧的に許容できるキャリヤーと共に、クリーム、エマルジョン、ローション、ゲル、ヒドロゲル、散剤、軟膏、泡状物質、ペースト、ソーク(soak)、スティック、スプレー、エアロゾル、バスオイル、液剤等として配合することができ、または皮膚用パッチ中に含浸させることができ、または包帯もしくは衣服中に含浸させることができる。本発明の局所用組成物において、NDOは適切な薬剤、例えば湿潤剤、皮膚軟化薬、ゲル化および増粘剤、保存剤、浸透増進剤および場合により芳香ならびに他のキャリヤー、ビヒクルおよび賦形剤と共に配合されてよい。局所用皮膚組成物の配合に関する情報は、例えばMark Gibsonにより編集されたPharmaceutical Preformulation and Formulation: A Practical Guide from Candidate Drug Selection to Commercial Dosage Formにおいて当業者に既知であり、それを本明細書に援用する。
【0052】
本発明において有用な組成物には、さらに皮膚科学的に有効な薬剤、例えばさらなるメラニン発現の可能性の低減および既存の皮膚色素沈着の低減の両方を行うサンスクリーン(sun screen)またはサンブロック(sun block)を製造するためのサンスクリーンまたはサンブロッキング剤が含まれてよい。
【0053】
本発明の組成物中で用いることができるサンスクリーン剤には、紫外(UV)線を吸収する有機化学化合物、紫外線を反射、散乱および吸収する無機性微粒子(例えば二酸化チタンおよび酸化亜鉛)、ならびに有機化学化合物のように主に光を吸収するが多数の発色団を含有しており、それが無機性微粒子のように光の一部を反射および散乱して、配合物中で有機化学化合物とは異なる方式で振る舞うことができる有機性微粒子(例えば、Bisoctrizoleとしても知られているTinosorb M(商標)、広いスペクトルのUV吸収剤であり、UVBもUVAも吸収し、UVの反射および散乱もする)が含まれる。当業者はさらなるサンスクリーン剤を知っているであろう。加えて、当業者は、異なる管轄権において使用に関して認可されたサンスクリーン剤の最大濃度を知っているであろう。
【0054】
本発明において有用な組成物には、さらに皮膚科学的に有効な薬剤、例えば皮膚の加湿および皮膚色素沈着の低減の両方を行うスキンケア製品を製造するための加湿構成要素が含まれていてよい。
【実施例】
【0055】
実施例1−メリビオースは培養したヒトの ex vivoの皮膚を色素脱失させる
完全な厚さのex vivoのヒトの皮膚の試料を、選択的形成手術手順から得た。(このプロジェクトに関する倫理的承認をノースウエスト研究倫理委員会から得た(番号09/H1010/10を有する)。患者はそのプロジェクトの全ての詳細を説明する情報パックを与えられ、彼らが彼らの皮膚試料を提供することを希望するかどうか決定するために最低24時間を有していた。全ての皮膚試料は選択的な化粧的手順から得られた。)その皮膚試料を器官培養において6日間維持した。NDOメリビオースの2種類の濃度、1.5および3.0%(w/v)を、その培養された皮膚試料の周囲の培地に1日目において、およびその後その培地を交換するたびごとに添加することにより、皮膚色素沈着を低減するそれらの能力に関して試験した。対照として、一部の皮膚試料をメリビオースの存在を除いて同一の条件下で培養した。
【0056】
6日目に、その皮膚試料を凍結包埋媒体中に浸し、5μmの切片に切り、マッソン・フォンタナアッセイを用いて染色した。マッソン・フォンタナアッセイの原理は、メラニン顆粒はアンモニア性硝酸銀溶液から銀を還元して見ることができる金属状態にすることである。マッソン・フォンタナアッセイに関するプロトコルについての情報は、関連する実験室用の手引書、例えばLille RD, 1965, Histopathologic Technique and Practical Histochemistry, 第3版 1965, the Blakiston Division, McGraw Hill Book Company, p240において見付けることができ、それを本明細書に援用する。
【0057】
皮膚の凍結切片をエタノール/酢酸で固定した後、スライドを0.5%アンモニア性硝酸銀溶液中でマイクロ波を用いて加熱した。次いで切片を1%塩化金中で調色し(toned)、5%チオ硫酸ナトリウム中で固定し、ヘマトキシリンで対比染色した後、DPEXを用いてマウントした。次いでメラニン染色を光学顕微鏡を用いて可視化することができる。
【0058】
切片の分析は、図2aにおいて示されるように、メリビオース処理した試料における未処理の対照試料と比較したメラニンにおける有意な低減を示した。図2bは、NDOの非存在下で培養した、および25mMまたは50mMメリビオースと共に培養した皮膚試料に関するメラニン染色の平均密度を示す。この画像分析は、処理した皮膚対対照におけるおおよそ10%のメラニン染色における低減を実証している。
【0059】
実施例2−メリビオースおよびP95は培養したヒトのex vivoの皮膚を色素脱失させる
完全な厚さのex vivoのヒトの皮膚の試料を実施例1において記載したように得て、器官培養において6日間維持した。NDOメリビオースの2種類の濃度(25mMおよび50mM)、およびNDO P95(フルクトオリゴ糖(FOS)としても知られているオリゴフルクトースの95%混合物)の2種類の濃度(25mMおよび50mM)を、その培養された皮膚試料の周囲の培地に1日目において、およびその後その培地を交換するたびごとに添加することにより、皮膚色素沈着を低減するそれらの能力に関して試験した。対照として、一部の皮膚試料をNDOの非存在を除いて同一の条件下で培養した。
【0060】
6日目に、その皮膚試料を凍結包埋媒体中に浸し、5μmの切片に切り、実施例1において述べたようにマッソン・フォンタナアッセイを用いて染色した。
図3は、NDOの非存在下で培養した、25mMまたは50mMのP95と共に培養した、および25mMまたは50mMのメリビオースと共に培養した皮膚試料に関するメラニン染色の平均密度を示す。この画像分析は、図3において示されるように、対照に対するp95またはメリビオースのどちらかで処理した処理した皮膚におけるメラニン染色の低減を実証している。
【0061】
実施例1および2の結果は、NDO、例えばメリビオースおよびオリゴフルクトースの皮膚への適用は、皮膚色素沈着を低減する能力を有することを示している。従って、NDOは皮膚色素沈着の障害、例えば白斑、黒皮症および色素沈着過剰において役に立つ療法薬を提供し、化粧的な皮膚のホワイトニングが必要とされる場合に有用である。
【0062】
実施例3−皮膚色素沈着の低減または皮膚の色調の一様化における使用のための化粧用組成物
以下の表は、皮膚色素沈着を低減する、または皮膚の色調を一様にする方法における皮膚への局所適用のための化粧用組成物の例を提供する。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
以下の表は、皮膚色素沈着を低減する、または皮膚の色調を一様にする方法における皮膚への局所適用のためのサンスクリーン剤を提供する。
【0066】
【表3】
【0067】
実施例4−皮膚色素沈着の障害を処置または管理するための医薬組成物
以下の表は、皮膚色素沈着の障害を処置または管理する方法における使用のための皮膚への局所適用のための医薬組成物の例を提供する。
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
実施例5−メリビオースはケラチノサイトによる炎症性サイトカイン類の産生を抑制する
この実験は、炎症誘発性サイトカインであるインターロイキン−8(IL−8)に対して産生された抗体を用いてケラチノサイトに由来する培養上清中のIL−8のレベルを検出して、NDOメリビオースはHaCaTケラチノサイトによるIL−8のベースライン発現を低減することができることおよびインターロイキン−1βによるケラチノサイトの刺激に反応したIL−8の産生も低減されることを実証した。
【0073】
平底96ウェルプレートを抗IL−8抗体により一晩コーティングの後、2000pg/mlのIL−8ストック溶液からの系列希釈を用いて9点IL−8標準曲線を生成した。これらを糖類に曝露したケラチノサイトに由来する培養上清と共に96ウェルプレート上で2時間培養した。次いでそのプレートを洗浄し、抗IL−8ビオチン抗体と共に2時間インキュベートした後、そのプレートを再度洗浄し、ストレプトアビジン−HRPの溶液と共に20分間そのままにしておいた。最後の洗浄後、そのプレートをテトラメチルベンジジンの溶液で覆い、青色の反応生成物が形成され、その強度は元の培養上清中に存在するIL−8の量に関連する。この反応を硫酸を用いて停止すると溶液が黄色に変わり、次いでそれをマルチプレートリーダー上で450nMにおいて読み取った。IL−8の未知の試料濃度を標準曲線を用いて決定した。
【0074】
図4aにおいて示されるように、メリビオースはHaCaTケラチノサイトにおけるIL−8の産生を抑制する。メリビオースは構成的なIL−8の分泌の穏やかな(mildly)用量応答性の抑制を示した。さらに、図4bにおいて示されるように、ケラチノサイトのIL−1β刺激に反応したIl−8の分泌(Il−1β)が5%メリビオースで処理した細胞においてほとんど対照レベルまで低減した(Il−1b+M)。2番目のNDSであるP95の作用を比較のために示す(Il−1b+P)。
【0075】
従って、NDO、例えばメリビオースおよびP95を用いて炎症誘発性サイトカイン類の発現を抑制または低減することができる。NDOを含む組成物を用いて、炎症を起こした皮膚および/または赤色の痒いパッチを有する皮膚の状態を予防、処置または改善することができる。NDOを含む組成物は、皮膚色素沈着の障害と関係する皮膚炎症の処置または予防または管理において用いることができる。特定の態様において、NDOは白斑と関係する炎症を処置、管理または予防するために用いられる。他の態様において、NDOを含む組成物は炎症と関係する皮膚障害、例えば皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬、ざ瘡、酒さおよびじんま疹の処置、予防または管理において用いることができる。
【0076】
実施例6−配合
次の表は、本発明に従う組成物の配合を示す。
【0077】
【表8】
【0078】
その組成物は室温より下で約15〜20℃において調製される。メリビオースを水に添加し、5分間ゆっくりと攪拌して溶解させる。グリセリンおよび変性アルコール(IMS)を添加し、5分間ゆっくりと攪拌して溶解させる。キサンタンガムを30分間かけてゆっくりと攪拌しながらゆっくりと添加する。次いでその組成物を均質になるまで約1時間攪拌する。次いで保存剤を添加し、5分間ゆっくりと攪拌する。クエン酸溶液を適量添加してpHを4.5〜5.5にして、その組成物を30分間ゆっくりと攪拌する。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]
化粧用組成物の皮膚への局所適用を含む、皮膚色素沈着を低減する、または皮膚の色調を一様にする美容方法であって、該化粧用組成物が以下:
非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体、および
化粧的に許容できるキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤
を含む、前記美容方法。
[態様2]
NDOがメリビオース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ガラクト−オリゴ糖、フルクト−オリゴ糖(オリゴフルクトース)もしくはイヌリンまたはそれらの混合物から選択される炭水化物である、態様1に記載の美容方法。
[態様3]
NDOがヒトの小腸中での加水分解に耐え、未変化で通過して結腸に入る炭水化物である、態様1に記載の美容方法。
[態様4]
NDOがAOAC法985.29により食物繊維として分類される炭水化物である、請求項1に記載の美容方法。
[態様5]
NDOが少なくとも0.0015%重量/体積(w/v)の量で、または場合により少なくとも1.0%w/vの濃度で組成物中に存在する、態様1〜4のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様6]
NDOが5%重量/体積(w/v)まで、または場合により5%w/vまでの量で組成物中に存在する、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様7]
NDOが約0.0015%から約5%重量/体積までの量で組成物中に存在する、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様8]
組成物が1種類より多くのNDOまたはNDOの組み合わせを含む、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様9]
組成物が局所適用のために、場合によりクリーム、エマルジョン、ローション、ゲル、ヒドロゲル、ペースト、散剤、軟膏、泡状物質、ソーク、スティック、スプレー、エアロゾル、バスオイル、液剤等として配合されている、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様10]
組成物がさらにサンスクリーン剤を含む、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様11]
前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法であって、該方法が白斑、黒皮症、色素沈着過剰、場合により炎症性皮膚疾患から生じる炎症後色素沈着過剰、色素沈着過剰の染み、加齢による染み、母斑、肝斑、そばかすにおいて皮膚色素沈着を低減する、または皮膚の色調を一様にする、皮膚を白化する、皮膚を薄色化する、およびより若々しい顔貌を得るためのものである、前記美容方法。
[態様12]
組成物が他の皮膚ホワイトニングまたは皮膚色素沈着低減剤を含まない、前記の態様のいずれか1項に記載の美容方法。
[態様13]
加齢による染み、母斑、日光による損傷、肝斑およびそばかすから選択される色素沈着過剰の領域の外観を低減するための皮膚のホワイトニングまたは皮膚の色調の一様化の美容方法であって、化粧用組成物の皮膚への局所適用を含み、該化粧用組成物がメリビオースおよび化粧的に許容できるキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤を含む、前記美容方法。
[態様14]
皮膚色素沈着の障害を予防、処置または管理する方法における使用のための、非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体。
[態様15]
NDOがメリビオース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ガラクト−オリゴ糖、フルクト−オリゴ糖(オリゴフルクトース)もしくはイヌリンまたはそれらの混合物から選択される炭水化物である、態様14に記載の使用のためのNDO。
[態様16]
NDOがヒトの小腸中での加水分解に耐え、未変化で通過して結腸に入る炭水化物である、態様14に記載の使用のためのNDO。
[態様17]
NDOがAOAC法985.29により食物繊維として分類される炭水化物である、請求項14に記載の使用のためのNDO。
[態様18]
NDOが少なくとも0.0015%重量/体積(w/v)の量で、または場合により少なくとも1.0%w/vの濃度で組成物中に配合される、態様14〜17のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様19]
NDOが5%重量/体積(w/v)まで、または場合により5%w/vまでの量で組成物中に配合される、態様14〜18のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様20]
NDOが約0.0015%から約5%重量/体積までの量で組成物中に配合される、請求項14〜19のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様21]
1種類より多くのNDOまたはNDOの組み合わせが方法において用いられる、態様14〜20のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様22]
NDOが局所適用のために、場合によりクリーム、エマルジョン、ローション、ゲル、ヒドロゲル、ペースト、散剤、軟膏、泡状物質、ソーク、スティック、スプレー、エアロゾル、バスオイル、液剤等として組成物中に配合される、態様14〜21のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様23]
組成物がさらにサンスクリーン剤を含む、態様22に記載の使用のためのNDO。
[態様24]
皮膚色素沈着の障害が白斑、黒皮症、色素沈着過剰、場合により炎症性皮膚疾患から生じる炎症後色素沈着過剰、色素沈着過剰の染み、加齢による染み、母斑、肝斑、そばかす、皮膚を白化すること、皮膚を薄色化すること、およびより若々しい顔貌を得ることから選択される、態様14〜23のいずれか1項に記載の使用のためのNDO。
[態様25]
皮膚色素沈着の障害の処置または管理のための医薬品の製造におけるNDOの使用。
[態様26]
皮膚色素沈着の障害を処置または管理する方法であって、該方法が以下:
(i)療法上有効量の非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体
および
(ii)医薬的に許容できるキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤
を含む組成物の色素沈着の低減を必要とする皮膚への局所適用を含む、前記方法。
[態様27]
NDOがメリビオース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ガラクト−オリゴ糖、フルクト−オリゴ糖(オリゴフルクトース)、イヌリンおよびそれらの混合物からなる群から選択される炭水化物である、態様26に記載の方法。
[態様28]
NDOがヒトの小腸中での加水分解に耐え、未変化で通過して結腸に入る炭水化物である、態様26に記載の方法。
[態様29]
NDOがAOAC法985.29により食物繊維として分類される炭水化物である、請求項26に記載の方法。
[態様30]
NDOが少なくとも0.0015%重量/体積(w/v)の量で、または場合により少なくとも1.0%w/vの濃度で組成物中に存在する、態様26に記載の方法。
[態様31]
NDOが5%重量/体積(w/v)まで、または場合により5%w/vまでの量で組成物中に存在する、態様26に記載の方法。
[態様32]
NDOが約0.0015%から約5%重量/体積までの量で組成物中に存在する、請求項26に記載の方法。
[態様33]
組成物が1種類より多くのNDOまたはNDOの組み合わせを含む、態様26に記載の方法。
[態様34]
組成物がクリーム、エマルジョン、ローション、ゲル、ヒドロゲル、ペースト、散剤、軟膏、泡状物質、ソーク、スティック、スプレー、エアロゾル、バスオイルおよび液剤等からなる群から選択される配合物として提供される、態様26に記載の方法。
[態様35]
組成物がさらにサンスクリーン剤を含む、態様26に記載の方法。
[態様36]
皮膚色素沈着の障害が白斑、黒皮症、色素沈着過剰、場合により炎症性皮膚疾患から生じる炎症後色素沈着過剰、色素沈着過剰の染み、加齢による染み、母斑、肝斑、そばかす、皮膚を白化すること、皮膚を薄色化すること、およびより若々しい顔貌を得ることから選択される、態様26に記載の方法。
[態様37]
白斑、黒皮症、妊娠または経口避妊薬におけるホルモン変化の結果としてもたらされる皮膚色素沈着の障害、アトピー性湿疹、接触皮膚炎、乾癬またはざ瘡(acne)から選択される炎症性皮膚疾患における炎症後色素沈着過剰、皮膚への外傷の後にも生じ得る色素沈着過剰から選択される皮膚色素沈着の障害を処置または管理する方法における使用のためのメリビオース。
[態様38]
唯一の皮膚のホワイトニング有効薬剤としての1種類の(またはそれより多くの)NDO(単数または複数)および1種類以上のキャリヤー、ビヒクルまたは賦形剤を含む皮膚のホワイトニング組成物。
[態様39]
実質的に本明細書において前に図を参照して記載されたような組成物または方法。
[態様40]
皮膚における炎症誘発性サイトカインの発現を低減する方法であって、療法上有効量の非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体のそれを必要とする対象の皮膚への局所適用を含む、前記方法。
[態様41]
NDOまたはその塩もしくは誘導体の局所適用が炎症誘発性サイトカインであるインターロイキン−8(IL−8)を抑制する、態様40に記載の方法。
[態様42]
療法上有効量の非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体および医薬的に許容できるキャリヤー、希釈剤または賦形剤を含む組成物の皮膚への局所適用によりそれを必要とする対象において皮膚炎症を低減することを含む、皮膚炎症を処置または管理する方法。
[態様43]
NDOがメリビオースである、態様42に記載の方法。
[態様44]
皮膚炎症が白斑である、態様42に記載の方法。
[態様45]
皮膚炎症を処置、予防または管理する方法における使用のための非消化性オリゴ糖(NDO)またはその塩もしくは誘導体であって、該皮膚炎症が白斑におけるものである、前記NDO。
[態様46]
NDOがメリビオースである、態様45に記載の使用のためのNDO。
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b