特許第6385364号(P6385364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6385364官能性エチレン系ポリマー組成物を含有する多層フィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385364
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】官能性エチレン系ポリマー組成物を含有する多層フィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/36 20060101AFI20180827BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   B32B27/36ZBP
   B32B27/32 Z
   B32B27/32 103
【請求項の数】15
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-550425(P2015-550425)
(86)(22)【出願日】2013年12月9日
(65)【公表番号】特表2016-507405(P2016-507405A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】US2013073858
(87)【国際公開番号】WO2014105404
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2016年12月1日
(31)【優先権主張番号】61/746,856
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】エヴァ・マリー・クプシュ
(72)【発明者】
【氏名】マーロス・ギウンティン・デ・オリヴィエイラ
(72)【発明者】
【氏名】ディデム・オナー・デリオーマンリ
(72)【発明者】
【氏名】アシシュ・バトラ
【審査官】 弘實 由美子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−500454(JP,A)
【文献】 特開平01−282278(JP,A)
【文献】 特表2010−504407(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0039082(US,A1)
【文献】 特表2011−513519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層フィルムであって、
少なくとも、第1の層、第2の層、および第3の層の、3つの層を含み、
前記第1の層が、ポリエステル、ポリ乳酸、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される極性ポリマーを含む第1の組成物から形成され、
前記第2の層が、少なくとも以下
A)官能化エチレン系ポリマー、
B)少なくとも50モル%のエチレンを含む少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマー、を含む第2の組成物から形成され、
前記第3の層が、オレフィン系ポリマー、官能化オレフィン系ポリマーまたはその塩、ポリエステル、ポリアミド、ポリ乳酸、エチレンビニルアルコール、およびそれらの組み合わせを含む第3の組成物から形成される、多層フィルム。
【請求項2】
前記第1の層が、前記第2の層に直接隣接する、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項3】
前記第2の組成物が、構成要素Aおよび構成要素Bの合計重量に基づき、50重量%以下の構成要素Aの前記官能化エチレン系ポリマーを含む、請求項1または2に記載の多層フィルム。
【請求項4】
前記第2の組成物が、構成要素Aおよび構成要素Bの合計重量に基づき、40重量%以上の構成要素Bの前記少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層フィルム。
【請求項5】
前記第2の組成物が、前記第2の組成物の重量に基づき、90重量%以上の構成要素AおよびBの合計重量を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層フィルム。
【請求項6】
構成要素Bと構成要素Aとの重量比が、90:10〜40:60である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層フィルム。
【請求項7】
構成要素Bの前記少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーが、0.86g/cc〜0.92g/ccの密度を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層フィルム。
【請求項8】
構成要素Bの前記少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーが、(i)エチレン、及び、(ii)C3〜C20α−オレフィンコモノマーから成るとともに、0.1g/10分〜50g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の多層フィルム。
【請求項9】
構成要素Bの前記少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーが、DSCによって決定された、93℃以上の融点(Tm)を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層フィルム。
【請求項10】
構成要素Aの前記官能化エチレン系ポリマーが、官能化エチレンホモポリマーまたは官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の多層フィルム。
【請求項11】
構成要素Aの前記官能化エチレン系ポリマーがMAHグラフト化エチレン系ポリマーである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の多層フィルム。
【請求項12】
前記MAHグラフトレベルが、前記第2の組成物の重量に基づき、0.05〜1.90重量%である、請求項11に記載の多層フィルム。
【請求項13】
前記ポリエステルまたはポリ乳酸が、200℃よりも高い融点(Tm)を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の多層フィルム。
【請求項14】
前記第2の組成物が、直鎖状低密度ポリエチレンをさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の多層フィルム。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載のうちのいずれかの前記多層フィルムを含む物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年12月28日出願の米国特許仮出願第61/746,856号の優先権を主張するものであり、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、多層フィルムを対象とする。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、フィルムに剛性、耐熱性、および光沢を与えるために、直接共押出での配向フィルムの外側層における使用が増している。PETは、PE−PA−EVOH−PA−PEフィルム等のバリアフィルムとの組み合わせで、高い酸素バリアおよび優秀な耐破壊性の安全を伴い、食品包装に必要とされる高い剛性、耐熱性、耐破壊性、および高いバリア特性を提供する。かかるフィルムを生成するために、PETは、PETとポリオレフィンまたはバリア層との間の層間付着を提供することができる押出可能タイ層を使用して共押出されなければならない。
【0004】
典型的には、PET/タイ/PE/タイ/PA/タイ/PE、PET/タイ/イオノマーもしくはEAA/タイ/PA/EVOH/PA/タイ/PE、またはPET/タイ/PE/タイ/PA/EVOH/タイ/PE等の構造体は、多くの場合、25ミクロン〜150ミクロンの範囲のフィルムに押出される。いくつかの従来のタイ層の解決策には、無水マレイン酸変性エチレンメチルアクリレートポリマー、および無水マレイン酸変性エチレンビニルアセテートポリマーが挙げられる。このタイ層の要件に対する要求がより高くなっており、より高い付着特性を必要としている。しかしながら、これらの現在のタイ層の材料は、否定的な味覚性および香気性、ならびに/または高い処理温度(225℃以上)での不十分な熱安定性のため、不利になることが多い。
【0005】
したがって、極性ポリマー(ポリエステルポリ乳酸等)への改善された付着性を有し、かつ良好な高温処理可能性、ならびに低味覚性および低香気性レベルを有するタイ層を含有する新しいフィルムが必要とされている。ポリエステルへの改善された付着性を有するタイ層組成物を含有する新しい多層フィルム構成にさらに必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、多層フィルムを対象とする。一実施形態では、本多層フィルムは、第1の層、第2の層、および第3の層の、少なくとも3つの層を含む。第1の層は、第1の組成物から形成される。第1の組成物は、ポリエステル、ポリ乳酸、およびそれらの組み合わせから選択される極性ポリマーを含む。第2の層は、第2の組成物から形成される。第2の組成物は、少なくとも、
A)官能化エチレン系ポリマーと、
B)少なくとも1つのオレフィンブロックコポリマーと、を含む。
第3の層は、第3の組成物から形成される。第3の層は、オレフィン系ポリマー、官能化オレフィン系ポリマーまたはその塩、ポリエステル、ポリアミド、ポリ乳酸、エチレンビニルアルコール、およびそれらの組み合わせを含む。
【0007】
本開示の利点は、極性ポリマーへの高い付着性および高い処理温度での良好な処理可能性を有するタイ層を有する多層フィルムである。
【0008】
本開示の利点は、低い味覚性レベルおよび低い香気性レベルを有する多層フィルムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に従う多層フィルムの概略図である。
図2】付着試験において使用された「密閉フィルム」を描写する概略図である。
図3】付着試験において使用された「引張フィルム」を描写する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、多層フィルムを提供する。本多層フィルムは、少なくとも、第1の層、第2の層、および第3の層の、3つの層を有する。
【0011】
第1の層は、極性ポリマーを含む第1の組成物から形成される。極性ポリマーは、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0012】
第2の層は、(A)官能化エチレン系ポリマー、(B)少なくとも1つのオレフィンブロックコポリマー、およびそれらの組み合わせから構成される第2の組成物から形成される。
【0013】
第3の層は、第3の組成物から形成される。第3の組成物は、オレフィン系ポリマー、官能化オレフィン系ポリマーまたはその塩、ポリエステル、ポリアミド(PA)、PLA、エチレンビニルアルコール(EVOH)、およびそれらの組み合わせを含む。
【0014】
1.第1の層
第1の層は、極性ポリマーから構成された第1の組成物から形成される。極性ポリマーは、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0015】
一実施形態では、このポリエステルおよびPLAのそれぞれは、DSCによって決定された、200℃よりも高い、または230℃よりも高い、または240℃よりも高い融点(Tm)を有する。好適なポリエステルの非限定的な例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、および他の類似するポリマーが挙げられる。
【0016】
一実施形態では、第1の層は、唯一のポリマー構成要素として、ポリエステルのみから構成される(すなわち、100重量%ポリエステル)。さらなる実施形態では、第1の層はPETのみから構成される。別の実施形態では、第1の層は、唯一のポリマー構成要素としてPBTのみから構成される。
【0017】
一実施形態では、第1の層は、唯一のポリマー構成要素として、PLAのみから構成される(すなわち、100重量%PLA)。
【0018】
一実施形態では、第1の組成物は、ポリエステルおよびPLAのブレンドを含む。本ブレンドは、30重量%、または40重量%、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または80重量%、または90重量%のポリエステル、および相反する量のPLA、すなわち、70重量%、または60重量%、または50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、または10重量%のPLAを含有し得る。重量%は、第1の組成物の合計重量に基づく。さらなる実施形態では、第1の組成物は、前述の範囲のPET/PLAブレンドである。別の実施形態では、第1の組成物は、前述の範囲のPET/PBTブレンドである。
【0019】
第1の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。第1の層は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0020】
2.第2の層
第2の層は、(A)官能化エチレン系ポリマー、(B)少なくとも1つのオレフィンブロックコポリマー、およびそれらの組み合わせを含む、第2の組成物から形成される。
【0021】
A.官能化エチレン系ポリマー(A)
「官能化エチレン系ポリマー」という用語は、共有結合によって結合した、少なくとも1つの化学基(化学置換基)を含むエチレン系ポリマーであって、その基が少なくとも1つのヘテロ原子を含む、エチレン系ポリマーを指す。ヘテロ原子は、炭素または水素でない原子と定義される。一般的なヘテロ原子には、酸素、窒素、硫黄、リンが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン系ホモポリマー、または官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される。
【0022】
エチレン系ポリマー上でグラフト化され得る化合物のいくつかの例には、エチレン不飽和カルボン酸、ならびに、エステル、無水物、および酸性塩等の酸誘導体が挙げられる。例には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ノルボルン−5−エン−2,3−ジカルボン酸、無水ナジック酸、無水ハイミック酸、およびそれらの混合物が挙げられる。無水マレイン酸は、好ましい化合物である。
【0023】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、以下から選択される少なくとも1つの官能基:
【化1】
無水物、およびそれらの組み合わせを含み、式中、Rは水素またはアルキルであり、R’は水素またはアルキルである。さらなる実施形態では、それぞれのアルキル基は、独立して、メチル、エチル、プロピル、またはブチルである。一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマーまたは官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマーである。別の実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには、官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーである。好ましいα−オレフィンには、C3〜C8α−オレフィン、ならびにさらには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが挙げられる。
【0024】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは少なくとも1つの無水物基、およびさらには少なくとも1つの無水マレイン酸基を含む。一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマー、または官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマーである。別の実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには、官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーである。好ましいα−オレフィンには、C3〜C8α−オレフィン、およびさらには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが挙げられる。
【0025】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、無水マレイン酸グラフト化ポリマーである。一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマー、または官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマーである。別の実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには、官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーである。好ましいα−オレフィンには、C3〜C8α−オレフィン、ならびにさらには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが挙げられる。
【0026】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーから誘導される官能基(複数可)の量は、第2の組成物の重量に基づき、0.05、または0.07、または0.1、または0.3、または0.5、または0.6、または0.7、または0.8〜0.9、または1.0、または1.2、または1.5、または1.7、または1.9、または2.0重量%である。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、第2の組成物の重量に基づき、0.07〜1.20重量%の官能基レベルを有する。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、第2の組成物の重量に基づき、0.10〜0.80重量%の官能基レベルを有する。
【0027】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーから誘導される官能基(複数可)の量は、構成要素AおよびBの合計重量に基づき、0.05、または0.07、または0.1、または0.3、または0.5、または0.6、または0.7、または0.8〜0.9、または1.0、または1.2、または1.5、または1.7、または1.9、または2.0重量%である。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、構成要素AおよびBの合計重量に基づき、0.07〜1.00重量%の官能基レベルを有する。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、構成要素AおよびBの合計重量に基づき、0.10〜0.60重量%の官能基レベルを有する。
【0028】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、MAHグラフト化官能性を含む。さらなる実施形態では、MAHグラフトレベルは、構成要素AおよびBの合計重量に基づき、0.05、または0.07、または0.1、または0.3、または0.5、または0.6、または0.7、または0.8〜0.9、または1.0、または1.2、または1.5、または1.7、または1.9、または2.0重量%である。さらなる実施形態では、MAHグラフトレベルは、構成要素AおよびBの合計重量に基づき、0.07〜1.20重量%である。さらなる実施形態では、MAHグラフトレベルは、構成要素AおよびBの合計重量に基づき、0.10〜0.60重量%である。
【0029】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーはMAHグラフト化官能性を含む。さらなる実施形態では、MAHグラフトレベルは、官能化エチレン系ポリマーの重量に基づき、0.05〜2.0重量%である。さらなる実施形態では、MAHグラフトレベルは、官能化エチレン系ポリマーの重量に基づき、0.05、または0.07、または0.1、または0.3、または0.5、または0.6、または0.7、または0.8から、0.9、または1.0、または1.2、または1.5、または1.7、または1.9、または2.0重量%である。さらなる実施形態では、MAHグラフトレベルは、官能化エチレン系ポリマーの重量に基づき、0.07〜1.00重量%である。さらなる実施形態では、MAHグラフトレベルは、官能化エチレン系ポリマーの重量に基づき、0.10〜0.90重量%である。さらなる実施形態では、MAHグラフトレベルは、官能化エチレン系ポリマーの重量に基づき、0.50〜1.50重量%である。さらなる実施形態では、MAHグラフトレベルは、官能化エチレン系ポリマーの重量に基づき、0.80〜1.20重量%である。
【0030】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、0.860〜0.960g/cc、さらには0.865〜0.940g/cc、さらには0.870〜0.920g/cc、およびさらには0.870〜0.900g/ccの密度を有する。一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマー、または官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマーである。別の実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーである。好ましいα−オレフィンには、C3〜C8α−オレフィン、ならびにさらには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが挙げられる。
【0031】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、0.890g/cc未満、または0.885g/cc未満、または0.880g/cc未満の密度を有する。一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマー、または官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは官能化エチレンホモポリマーである。別の実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーである。好ましいα−オレフィンには、C3〜C8α−オレフィン、ならびにさらには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが挙げられる。
【0032】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、0.850g/cc以上、さらには0.855g/cc以上、およびさらには0.860g/cc以上の密度を有する。一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマー、または官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは官能化エチレンホモポリマーである。別の実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーである。好ましいα−オレフィンには、C3〜C8α−オレフィン、ならびにさらには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが挙げられる。
【0033】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、0.1g/10分〜50g/10分、さらには0.5g/10分〜20g/10分、さらには1.0g/10分〜10g/10分、およびさらには1.0g/10分〜8.0g/10分のメルトインデックス(I2:2.16kg/190℃)を有する。一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマー、または官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは官能化エチレンホモポリマーである。別の実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーである。好ましいα−オレフィンには、C3〜C8α−オレフィン、ならびにさらには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが挙げられる。
【0034】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、0.1g/10分〜20g/10分、さらには0.5g/10分〜10g/10分、およびさらには1.0g/10分〜10g/10分の、メルトインデックス(I2:2.16kg/190℃)を有する。一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレンホモポリマー、または官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは官能化エチレンホモポリマーである。別の実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーである。好ましいα−オレフィンには、C3〜C8α−オレフィン、ならびにさらには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが挙げられる。
【0035】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーである。好ましいα−オレフィンには、C3〜C8α−オレフィン、ならびにさらにはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが挙げられる。さらなる実施形態では、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーを形成するために使用される、ベースポリマー(エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらにはエチレン/α−オレフィンコポリマー)は、0.860〜0.910g/cc、さらには0.860〜0.900g/cc、およびさらには0.860〜0.890g/ccの密度を有する。さらなる実施形態では、ベースポリマーは、1〜20g/10分、さらには2〜10g/10分、およびさらには3〜6g/10分の、メルトインデックス(I2)を有する。さらなる実施形態では、ベースポリマーは、1〜10、さらには1〜5、およびさらには1〜3のメルトインデックス比I21/I2を有する。
【0036】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーである。好ましいα−オレフィンには、C3−C8α−オレフィン、ならびにさらにはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが挙げられる。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらには官能化エチレン/α−オレフィンコポリマーを形成するために使用される、ベースポリマー(エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらにはエチレン/α−オレフィンコポリマー)は、0.890g/cc未満、さらには0.885g/cc未満、およびさらには0.880g/cc未満の密度を有する。さらなる実施形態では、ベースポリマーは、1〜20g/10分、さらには2〜15g/10分、およびさらには3〜10g/10分の、メルトインデックス(I2)を有する。さらなる実施形態では、ベースポリマーは、1〜10、さらには1〜8、およびさらには1〜5の、メルトインデックス比I21/I2を有する。
【0037】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーのベースポリマーは、GPCによって決定された、1.1以上、または1.2以上、または1.5以上、または1.7以上の、分子量分布(Mw/Mn)を有する。さらなる実施形態では、ベースポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらにはエチレン/α−オレフィンコポリマーである。好適なα−オレフィンは、上述のものである。
【0038】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーのベースポリマーは、GPCによって決定された、4.0以下、または3.5以下、または2.5以下、または2.1以下の、分子量分布(Mw/Mn)を有する。さらなる実施形態では、ベースポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらにはエチレン/α−オレフィンコポリマーである。好適なα−オレフィンは、上述のものである。
【0039】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーのベースポリマーは、均質分岐した直鎖状エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらにはコポリマー、または均質分岐した実質的直鎖状インターポリマー、およびさらにはコポリマーである。好適なα−オレフィンは、上述のものである。
【0040】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーのベースポリマーは、均質分岐した実質的直鎖状エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらにはコポリマーである。好適なα−オレフィンは、上述のものである。
【0041】
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーのベースポリマーは、均質分岐した直鎖状エチレン/α−オレフィンインターポリマー、およびさらにはコポリマーである。
【0042】
「均質」および「均質分岐した」という用語は、エチレン/α−オレフィンインターポリマーを指して使用され、ここにおいて、α−オレフィンコモノマーは、所与のポリマー分子内に無作為に分布され、ポリマー分子の全てが同じまたは実質的に同じコモノマー対エチレン比を有する。
【0043】
均質分岐した直鎖状エチレンインターポリマーは、エチレンポリマーであり、これは、長鎖分岐を欠如するが短鎖分岐を有し、インターポリマーに重合されたコモノマーから誘導され、同じポリマー鎖内と異なるポリマー鎖の間との両方で均質的に分布している。これらのエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、直鎖状ポリマー骨格と、狭い分子量分布とを有し、測定可能な長鎖分岐を有さない。この階級のポリマーは、例えばElstonの米国特許第3,645,992号に開示され、かかるポリマーを生成するための、例えばビス−メタロセン触媒を使用する、後続のプロセスは、例えば欧州特許第0 129 368号、欧州特許第0 260 999号、米国特許第4,701,432号、米国特許第4,937,301号、米国特許第4,935,397号、米国特許第5,055,438号、および国際公開第WO90/07526号において示されるように、開発されており、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。上記のように、均質分岐した直鎖状エチレンインターポリマーは、直鎖状低密度ポリエチレンポリマーまたは直鎖状高密度ポリエチレンポリマーの場合と同様に、長鎖分岐を欠如する(測定可能でない)。均質分岐した直鎖状エチレン/α−オレフィンインターポリマーの市販の例には、三井化学株式会社のTAFMERポリマー、ならびにExxonMobil Chemical CompanyのEXACTおよびEXCEEDポリマーが挙げられる。
【0044】
実質的直鎖状エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、長鎖分岐を有する。長鎖分岐は、ポリマー骨格と同じコモノマー分布を有し、ポリマー骨格の長さとほぼ同じ長さを有し得る。「実質的直鎖状」は、典型的に、平均で「1000炭素当たり0.01長鎖分岐」〜「1000炭素当たり3長鎖分岐」で置換されるポリマーを指す。長鎖分岐の長さは、短鎖分岐の炭素長さよりも長く、あるコモノマーのポリマー骨格への組み込みから形成される。例えば米国特許第5,272,236号、同第5,278,272号を参照されたく、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
実質的直鎖状エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、均質分岐したエチレンポリマーの特有の階級を形成する。これらは、上記のように、従来の均質分岐した直鎖状エチレン/α−オレフィンインターポリマーの公知の階級とは実質的に異なり、さらに、これらは従来の不均質「チーグラーナッタ触媒重合」直鎖状エチレンポリマー(例えば超低密度ポリエチレン(ULDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または高密度ポリエチレン(HDPE)、例えばAndersonらの米国特許第4,076,698号において開示の技術を使用して製造)とは同じ階級ではなく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−アクリル酸(EAA)コポリマー、およびエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマー等の、高圧、フリーラジカル開始、高分岐ポリエチレンと同じ階級でもない。
【0046】
長鎖分岐は、13C核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して決定することができ、Randall(Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29(2&3),1989,p.285〜297)の方法を使用して定量化することができ、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。他の2つの方法は、小角レーザー光散乱検出器と連結したゲル浸透クロマトグラフィ(GPCLALLS)、および示差粘度検出器と連結したゲル浸透クロマトグラフィ(GPC−DV)である。長鎖分岐検出のためのこれらの技術の使用および根本的な理論は、文献に十分に解説されている。例えば、Zimm,B.H.and Stockmayer,W.H.,J.Chem.Phys.,17,1301(1949)ならびにRudin,A.,Modern Methods of Polymer Characterization,John Wiley&Sons,New York(1991)pp.103〜112を参照されたい。
【0047】
「実質的直鎖状エチレンポリマー」とは対照的に、「直鎖状エチレンポリマー」は、そのポリマーが測定可能または実証可能な長鎖分岐を欠如する、つまり、そのポリマーが平均で1000炭素当たり0.01未満の長鎖分岐と置換されるということを意味する。
【0048】
好適な市販の官能化オレフィン系ポリマーには、The Dow Chemical Companyから入手可能なAMPLIFY GRおよびTY官能性ポリマー(例えば、AMPLIFY TY 1052H)が挙げられる。
【0049】
官能化エチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0050】
B.オレフィンブロックコポリマー(B)
「オレフィンブロックコポリマー」または「OBC」という用語は、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーを意味し、化学または物理特性において異なる、2つ以上の重合モノマーユニットの複数のブロックまたはセグメントを特徴とする、エチレンおよび1つ以上の共重合可能α−オレフィンコモノマーを重合形態で含む。「インターポリマー」および「コポリマー」という用語は、本明細書において交換可能に使用される。ポリマー内の「エチレン」または「コモノマー」の量を指すとき、これはその重合ユニットを意味するということが理解される。いくつかの実施形態では、マルチブロックコポリマーは、以下の式によって表すことができる:
(AB)
式中、nは、少なくとも1、好ましくは、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはより大きい数等の、1よりも大きい整数であり、「A」は、ハードブロックまたはセグメントを表し、「B」は、ソフトブロックまたはセグメントを表す。好ましくは、AおよびBは、実質的分岐または実質的星形様式とは対照的に、実質的直鎖状様式で結合する。他の実施形態では、AブロックおよびBブロックは、ポリマー鎖に沿って無作為に分布する。換言すると、ブロックコポリマーは、通常、以下のような構造を有さない。
AAA−AA−BBB−BB
【0051】
さらに他の実施形態では、ブロックコポリマーは、通常、異なるコモノマー(複数可)を含む3種類目のブロックを有さない。さらに他の実施形態では、ブロックAおよびブロックBのそれぞれは、そのブロック内で実質的に無作為に分布されるモノマーまたはコモノマーを有する。換言すれば、ブロックAもブロックBも、ブロックの残りの部分とは実質的に異なる組成物を有するチップセグメント等の、異なる組成物の2つ以上のサブセグメント(またはサブブロック)を含まない。
【0052】
好ましいエチレンは、ブロックコポリマー全体の大半のモル分率を構成する、すなわち、エチレンは、ポリマー全体の少なくとも50モル%を構成する。より好ましくは、エチレンは、好ましくは3つ以上の炭素原子を有するα−オレフィンである、少なくとも1つの他のコモノマーを含むポリマー全体の実質的残余物を伴い、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、または少なくとも80モル%を構成する。いくつかの実施形態では、オレフィンブロックコポリマーは、50モル%〜90モル%、好ましくは60モル%〜85モル%、より好ましくは65モル%〜80モル%のエチレンを含み得る。多くのエチレン/オクテンブロックコポリマーには、好ましい組成物は、ポリマー全体の80モル%よりも多いエチレン含有量およびポリマー全体の10〜15、好ましくは15〜20モル%のオクテン含有量を含む。
【0053】
オレフィンブロックコポリマーは、様々な量の「ハード」および「ソフト」セグメントを含む。「ハード」セグメントは、エチレンがポリマーの重量に基づき95重量%を超える量、または98重量%を超え、最大100重量%の量で存在する、重合ユニットのブロックである。換言すれば、ハードセグメント内のコモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)は、ポリマーの重量に基づき5重量%未満、または2重量%未満でありゼロまで低くあり得る。いくつかの実施形態では、ハードセグメントはエチレンから誘導されるユニットの全てまたは実質的に全てを含む。「ソフト」セグメントは、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)が、ポリマーの重量に基づき5重量%を超えるか、または8重量%を超える、10重量%を超える、または15重量%を超える、重合ユニットのブロックである。いくつかの実施形態では、ソフトセグメント内のコモノマー含有量は、20重量%を超え、25重量%を超え、30重量%を超え、35重量%を超え、40重量%を超え、45重量%を超え、50重量%を超えるか、または60重量%を超え得、最大100重量%であり得る。
【0054】
ソフトセグメントは、OBC内で、OBCの合計重量の1重量%〜99重量%、または、OBCの合計重量の5重量%〜95重量%、10重量%〜90重量%、15重量%〜85重量%、20重量%〜80重量%、25重量%〜75重量%、30重量%〜70重量%、35重量%〜65重量%、40重量%〜60重量%、もしくは45重量%〜55重量%で存在し得る。逆に、ハードセグメントは、類似の範囲で存在し得る。ソフトセグメントの重量%およびハードセグメントの重量%は、DSCまたはNMRから得られるデータに基づいて計算され得る。かかる方法および計算は、例えば、2006年3月15日にColin L.P.Shan,Lonnie Hazlittらの名前で出願され、Dow Global Technologies Inc.に譲渡された、米国特許第7,608,668号、表題「Ethylene/α−Olefin Block Inter−polymers」に開示され、該特許の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特に、ハードおよびソフトセグメント重量%およびコモノマー含有量は、米国特許第7,608,668号の欄57〜欄63に記載のように決定され得る。
【0055】
オレフィンブロックコポリマーは、好ましくは直鎖状様式で接合した、2つ以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と称される)を含むポリマー、つまり、懸垂またはグラフト様式ではなく、重合エチレン官能性に関して端と端が接合した、化学的に異なるユニットを含むポリマーである。一実施形態では、該ブロックは、組み込まれたコモノマーの量または種類、密度、結晶化度の量、かかる組成物のポリマーに起因する結晶子の大きさ、立体規則性の種類または程度(アイソタクチックまたはシンジオタクチック)、部位規則性または部位不規則性、分岐の量(長鎖分岐または過剰分岐を含む)、均質性または任意の他の化学または物理特性において異なる。連続モノマー追加、流動性触媒、またはアニオン性重合技術によって生成されるインターポリマーを含む、先行技術のブロックインターポリマーと比較して、本OBCは、両方のポリマー多分散性(PDIまたはMw/MnまたはMWD)の特有の分布、ブロック長さ分布、および/またはブロック数分布を特徴とし、これらは、一実施形態では、それらの調製において使用された複数の触媒との組み合わせでの、シャトリング剤(複数可)の効果によるものである。
【0056】
一実施形態では、OBCは連続プロセスにおいて、バッチプロセスにおいて、または半バッチプロセスにおいて生成される。
【0057】
一実施形態では、OBCは、1.7〜3.5、または1.8〜3、または1.8〜2.5、または1.8〜2.2の多分散性インデックス、PDIを有する。
【0058】
一実施形態では、OBCは、1.0〜3.5、または1.3〜3、または1.4〜2.5、または1.4〜2の多分散性インデックス、PDIを有する。
【0059】
一実施形態では、OBCは連続プロセスにおいて生成され、1.7〜3.5、または1.8〜3、または1.8〜2.5、または1.8〜2.2の多分散性インデックス、PDIを有する。バッチまたは半バッチプロセスにおいて生成される場合、OBCは、1.0〜3.5、または1.3〜3、または1.4〜2.5、または1.4〜2のPDIを有する。
【0060】
さらに、オレフィンブロックコポリマーは、Poisson分布ではなくSchultz−Flory分布に適合するPDIを有する。本OBCは、多分散性ブロック分布ならびにブロックの大きさの多分散性分布の両方を有する。これは、改良した区別可能な物理特性を有するポリマー製品の形成をもたらす。多分散性ブロック分布の理論的利益は、Potemkin,Physical Review E(1998)57(6),pp.6902〜6912、およびDobrynin,J.Chem.Phvs.(1997)107(21),pp9234〜9238において、以前にモデル化および説明されている。
【0061】
一実施形態では、本オレフィンブロックコポリマーは、ブロック長さの最確分布を有する。一実施形態では、オレフィンブロックコポリマーは、以下を有するものとして定義される:
【0062】
(A)1.7〜3.5のMw/Mn、少なくとも1つの摂氏度単位での融点、およびグラム/立方センチメートル単位での密度、ここにおいてTmおよびdの数値が次の関係に対応し:
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)
式中、dは、0.850g/cc、もしくは0.860g/cc、もしくは0.866g/cc、もしくは0.87g/cc、もしくは0.880g/cc〜0.89g/cc、0.91g/cc、もしくは0.925g/ccであり、
Tmは、113℃、もしくは115℃、もしくは117℃、もしくは118℃〜120℃、もしくは121℃、もしくは125℃であり;ならびに/または
【0063】
(B)1.7〜3.5のMw/Mnを有し、J/g単位での溶融熱△H、および最高DSCピークと最高結晶化分析分画(「CRYSTAF」)ピークとの間の温度差として定義される摂氏度単位でのデルタ量△Tを特徴とし、△Tおよび△Hの数値が以下の関係を有し:
△Hがゼロよりも大きく最大130J/gの場合、△T>−0.1299△H+62.81
△Hが130J/gよりも大きい場合、△T≧48℃
式中、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5%を使用して決定され、そのポリマーの5%未満が特定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である;ならびに/または
【0064】
(C)エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成型フィルムで測定された、300%ひずみおよび1周期での%単位での弾性回復Re、ならびにグラム/立方センチメートル単位での密度dを有し、ここにおいて、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが実質的に無架橋相のときに、Reおよびdの数値が、以下の関係を満たし:
Re>1481−1629(d);ならびに/または
【0065】
(D)TREFを使用して分画したときに、40℃〜130℃の間で溶出する分子率を有し、分子率が量(−0.2013)T+20.07以上の、より好ましくは量(−0.2013)T+21.07以上のモルコモノマー含有量を有することを特徴とし、式中Tは℃単位で測定されたTREF率のピーク溶出温度の数値であり;ならびに/または
【0066】
(E)25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)、および100℃での貯蔵弾性率G’(100℃)を有し、ここにおいてG’(25℃)とG’(100℃)との比率は、1:1〜9:1の範囲内である。
【0067】
オレフィンブロックコポリマーは、以下も有し得る:
【0068】
(F)TREFを使用して分画したときに、40℃〜130℃の間で溶出する分子率を有し、分子率が少なくとも0.5〜最大1のブロックインデックスおよび1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mnを有することを特徴とし、
【0069】
(G)ゼロよりも大きく最大1.0の平均ブロックインデックスおよび1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mn。オレフィンブロックコポリマーは、特性(A)〜(G)のうちの1つ、いくつか、全て、または任意の組み合わせを有し得るということが理解される。ブロックインデックスは、その目的のために参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,608,668号に詳細に記載の通りに決定され得る。特性(A)〜(G)を決定するための分析方法は、例えば、米国特許第7,608,668号、欄31、26行目〜欄35、44行目に開示され、該特許はその目的のために本明細書に組み込まれる。
【0070】
本OBCの調製における使用のために好適なモノマーには、エチレンおよびエチレン以外の1つ以上の追加重合可能モノマーが挙げられる。好適なモノマーの例には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−l−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、および1−エイコセン等の、3〜30好ましくは3〜20炭素原子の直鎖状または分岐α−オレフィン;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、および2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等の、3〜30好ましくは3〜20炭素原子のシクロ−オレフィン;ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、および5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン等のジ−およびポリオレフィン;ならびに3−フェニルプロペン、4−フェニルプロペン、1,2−ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、および3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンが挙げられる。
【0071】
オレフィンブロックコポリマーは、0.850g/cc〜0.925g/cc、または0.860g/cc〜0.88g/cc、または0.860g/cc〜0.879g/ccの密度を有する。OBCは、40〜70、好ましくは45〜65、より好ましくは50〜65のShore A値を有する。一実施形態では、オレフィンブロックコポリマーは、ASTM D1238(190℃/2.16kg)によって決定された、0.1g/10分〜50g/10、または0.1g/10分〜30g/10、または0.1g/10分〜20g/10分、または0.1g/10分〜15g/10分のメルトインデックス(MI)を有する。
【0072】
オレフィンブロックコポリマーは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,858,706号に記載されるような、鎖シャトリングプロセスによって生成され得る。特に、好適な鎖シャトリング剤および関連情報は、欄16、39行〜欄19、44行に記載される。好適な触媒は、欄19、45行〜欄46、19行に記載され、好適な共触媒は、欄46、20行〜欄51、28行に記載される。本プロセスは、本文献全体を通して記載されているが、特に欄欄51、29行〜欄54、56行に記載されている。本プロセスは例えば以下にもまた記載される:米国特許第7,608,668号、同第7,893,166号、および同第7,947,793号。
【0073】
第2の組成物は、2つ以上のオレフィンブロックコポリマーを含み得る。
【0074】
一実施形態では、第2の層はタイ層である。
【0075】
オレフィンブロックコポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0076】
第2の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。第2の層は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0077】
C.構成要素(C)
第2の組成物は、構成要素(C)を任意に含み得る。
【0078】
一実施形態では、構成要素(C)は、華氏350度(176.7℃)で50,000cP以下の溶融粘度を有するエチレン/α−オレフィンインターポリマーである。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.1g/10分〜25g/10分、または0.5g/10分〜20g/10分、または0.8g/10分〜15g/10分のメルトインデックスおよび0.963g/cc未満、または0.960g/cc未満、または0.955g/cc未満の密度を有する。
【0079】
一実施形態では、構成要素(C)は直鎖状低密度ポリエチレンである。直鎖状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)は、重合形態で、LLDPEの合計重量に基づき大半の重量%のエチレンを含む。一実施形態では、LLDPEは、エチレンのインターポリマーおよび少なくとも1つのエチレン不飽和コモノマーである。一実施形態では、コモノマーはC〜C20α−オレフィンである。別の実施形態では、コモノマーはC〜Cα−オレフィンである。別の実施形態では、C〜Cα−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンから選択される。一実施形態では、LLDPEは、以下のコポリマー:エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、およびエチレン/オクテンコポリマーから選択される。さらなる実施形態では、LLDPEはエチレン/オクテンコポリマーである。
【0080】
LLDPEは約0.890g/cc〜約0.940g/cc、または約0.904g/cc〜約0.94g/ccの範囲内の密度を有する。LLDPEは約0.1g/10分〜約20g/10分、または約0.5g/10分〜約15g/10分のメルトインデックス(MI)を有する。
【0081】
LLDPEは、チーグラーナッタ触媒、またはバナジウム触媒、束縛構造触媒、およびメタロセン触媒等の、シングルサイト触媒で製造され得る。一実施形態では、LLDPEはチーグラーナッタ種類の触媒で生成される。一実施形態では、LLDPEは直鎖状であり、長鎖分岐を含まず、分岐または不均質分岐ポリエチレンである低密度ポリエチレン(「LDPE」)とは異なる。LDPEは、相対的に多くの数の、主ポリマー骨格から延在する長鎖分岐を有する。LDPEは、フリーラジカル開始剤を使用して高圧で調製され得、典型的に0.915g/cc〜0.940g/ccの密度を有する。LLDPEは、典型的に0.940g/ccより高い密度を有する高密度ポリエチレン(「HDPE」)とは異なる。
【0082】
一実施形態では、構成要素(C)は、低密度ポリエチレン(LDPE)である。
【0083】
D.第2の組成物−構成要素割合
一実施形態では、第2の組成物は、構成要素Aおよび構成要素Bの合計重量に基づき、10重量%、または20重量%、または30重量%、または40重量%、または50重量%、または60,重量%または60重量%、または70重量%、または80重量%、または90重量%の構成要素Aおよび相反する量の構成要素B、すなわち、90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%を含む。
【0084】
一実施形態では、第2の組成物は、第2の組成物の合計重量に基づき10重量%、または20重量%、または30重量%、または40重量%、または50重量%、または60,重量%または60重量%、または70重量%、または80重量%、または90重量%の構成要素Aおよび相反する量の構成要素B、すなわち、90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%を含む。
【0085】
一実施形態では、構成要素Bと構成要素Aとの重量比は、99:1〜10:90、さらには99:1〜40:60、およびさらには99:1〜50:50である。
【0086】
一実施形態では、第2の組成物は、構成要素Aおよび構成要素Bの合計重量に基づき50重量%以下の構成要素Aの官能化エチレン系ポリマーを含む。
【0087】
一実施形態では、第2の組成物は、構成要素Aおよび構成要素Bの合計重量に基づき40重量%以上の構成要素Bの少なくとも1つのオレフィンブロックコポリマーを含む。
【0088】
一実施形態では、第2の組成物は、第2の組成物の重量に基づき80、または90、または95、または98重量%以上の、「構成要素AおよびBの合計重量」を含む。
【0089】
一実施形態では、第2の組成物は、0.1〜15さらには0.8〜10、およびさらには1.0〜10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0090】
一実施形態では、第2の組成物は0.860〜0.930g/cc、さらには0.870〜0.920g/ccの密度を有する。
【0091】
第2の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。第2の層は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態を含み得る。
【0092】
3.第3の層
第3の層は第3の組成物から形成される。第3の組成物は、オレフィン系ポリマー、官能化オレフィン系ポリマーまたはその塩、ポリエステル、ポリアミド(PA)、PLA、エチレンビニルアルコール(EVOH)、およびそれらの組み合わせを含む。
【0093】
一実施形態では、第3の組成物は、オレフィン系ポリマーを含む。
【0094】
「オレフィン系ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、重合形態で、大半の量(ポリマーの重量に基づき)のオレフィンモノマー、例えばエチレンまたはプロピレンを含み、任意に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0095】
一実施形態では、第3の組成物は官能化オレフィン系ポリマーを含む。
【0096】
「官能化オレフィン系ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、共有結合で結合した、少なくとも1つの化学基(化学置換基)を含むオレフィン系ポリマーであって、その基が少なくとも1つのヘテロ原子を含む、オレフィン系ポリマーを指す。ヘテロ原子は炭素または水素でない原子と定義される。一般的なヘテロ原子には、酸素、窒素、硫黄、リンが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、官能化オレフィン系ポリマーは、官能化エチレン系ホモポリマーまたは官能化エチレン/α−オレフィンインターポリマーから選択される。好適なα−オレフィンは、上述のものである。
【0097】
一実施形態では、官能化オレフィン系ポリマーは、オレフィン系ポリマー、および「アミン含有化合物」、「ヒドロキシル含有化合物」、「イミド含有化合物」、「無水物含有化合物」、または「カルボン酸含有化合物」から選択される少なくとも1つの有機化合物から形成される。
【0098】
一実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、組成物の合計重量に基づき20重量%以下の量で存在する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、組成物の合計重量に基づき10重量%以下の量で存在する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化ポリマーは、組成物の合計重量に基づき5重量%以下の量で存在する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、組成物の合計重量に基づき20重量%以上の量で存在する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、組成物の合計重量に基づき30重量%以上の量で存在する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、組成物の合計重量に基づき40重量%以上の量で存在する。
【0099】
別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、約0.85g/cc〜約0.91g/ccの密度を有する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、約0.84g/cc〜約0.93g/ccの密度を有する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、約0.85g/cc〜約0.93g/ccの密度を有する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、約0.84g/cc〜約0.90g/ccの密度を有する。
【0100】
別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、0.1g/10分〜100g/10分のメルトインデックス(12)を有する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、1g/10分〜50g/10分のメルトインデックス(12)を有する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、1g/10分〜10g/10分のメルトインデックス(12)を有する。
【0101】
一実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、1g/10分〜20g/10分のメルトインデックス(12)を有する。別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーは、エチレン系ポリマーから形成される。さらなる実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーである。別の実施形態では、α−オレフィンは、C3〜C20α−オレフィン、および好ましくはC3〜C10α−オレフィンである。さらなる実施形態では、α−オレフィンは、1−プロペン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテン、ならびに好ましくは1−ブテン、および1−オクテンから成る群から選択される。別の実施形態では、官能化オレフィン系ポリマーを形成するために使用されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、ジエンをさらに含む。別の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.85g/cc〜0.93g/ccの密度を有する。別の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.01g/10分〜1500g/10分のメルトインデックス(12)を有する。
【0102】
別の実施形態では、官能化オレフィン系ポリマーを形成するために使用されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、均質分岐した直鎖状インターポリマーまたは均質分岐した実質的直鎖状インターポリマーである。別の実施形態では、官能化オレフィン系ポリマーを形成するために使用されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、均質分岐した実質的直鎖状インターポリマーである。
【0103】
別の実施形態では、少なくとも1つの官能化オレフィン系ポリマーはプロピレン系ポリマーから形成される。別の実施形態では、プロピレン系ポリマーはプロピレン/エチレンインターポリマーまたはプロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。別の実施形態では、プロピレン系ポリマーは、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーであり、ここにおいてα−オレフィンはC4〜C20α−オレフィン、および好ましくはC4〜C10α−オレフィンである。別の実施形態では、α−オレフィンは、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンから成る群から選択される。別の実施形態では、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.85g/cc〜0.93g/ccの密度を有する。別の実施形態では、プロピレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.01g/10分〜1500g/10分のメルトインデックス(12)を有する。別の実施形態では、プロピレン系ポリマーはプロピレン/エチレンインターポリマーである。さらなる実施形態では、プロピレン/エチレンインターポリマーは、0.85g/cc〜0.93g/ccの密度を有する。
【0104】
一実施形態では、プロピレン/エチレンインターポリマーは、0.01g/10分〜1500g/10分のメルトインデックスを有する。
【0105】
一実施形態では、少なくとも1つの小説化オレフィン系ポリマーは、オレフィンマルチブロックインターポリマーから形成される。
【0106】
一実施形態では、第3の組成物は、本明細書に記載のオレフィン系ポリマーおよび本明細書に記載の官能化オレフィン系ポリマーを含む。
【0107】
一実施形態では、第3の組成物は、オレフィン系ポリマーおよびポリエステルを含む。
【0108】
ポリエステルは、上記の第1の組成物において開示の任意のポリエステルであり得る。好適なポリエステルの非限定的例には、PETおよびPBTが挙げられる。
【0109】
一実施形態では、第3の組成物は、オレフィン系ポリマーおよびポリ乳酸(PLA)を含む。
【0110】
一実施形態では、第3の組成物は、オレフィン系ポリマーおよびポリアミド(PA)を含む。
【0111】
一実施形態では、第3の組成物は、オレフィン系ポリマーおよびエチレンビニルアルコール(EVOH)を含む。
【0112】
オレフィン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0113】
官能化オレフィン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0114】
ポリエステルは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0115】
ポリ乳酸は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0116】
ポリアミドは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0117】
エチレンビニルアルコールは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0118】
第3の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態を含み得る。第3の層は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態を含み得る。
【0119】
4.添加剤
前述の第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物の任意のものは任意に1つ以上の添加剤を含んでもよい。好適な添加剤には、抗酸化剤、充填剤、UV安定化剤、発泡剤、難燃剤、着色料もしくは顔料、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
5.多層フィルム
一実施形態では、第2の層は、極性材料と非極性材料との間に、特に極性ポリマー材料と非極性ポリマー材料との間に、例えば(i)ポリエチレンまたはポリプロピレン等の非極性ポリオレフィンのフィルム層、(ii)ポリ乳酸(PLA)またはポリアミドまたはポリエステル等の極性ポリマーのフィルム層、(iii)ポリアミド(PA)またはエチレンビニルアルコール(EVOH)等のバリア材料のフィルム層の間にタイ層を形成するために使用され得る。
【0121】
本開示の第2の層は、(iv)ポリエチレンもしくはポリプロピレンフィルム、または成型物品のポリエチレンもしくはポリプロピレン表面を(v)ポリ乳酸(PLA)もしくはPET、PBT等のポリエステルのフィルムもしくは成型物品の表面、または(vi)バリア層に、合わせて結合させるためのタイ層として十分に研究されている。共押出、押出積層、接着積層、および/または発泡注型もしくは押出を組み合わせた任意のプロセスが、1つの層が泡を含む構造体を含む、これらの積層構造体を作り出すために使用され得る。
【0122】
一実施形態では、第1の層は間接的に第2の層に隣接する。「間接的に隣接」という用語は、本明細書で使用される場合、その2つの層の間に介在する層または介在する構造体が位置付けられない、ある層の別の層との密着である。さらなる実施形態では、第1の層は、第2の層に共押出される。
【0123】
一実施形態では、第2の層は、第3の層に直接的に隣接する。さらなる実施形態では、第2の層は、第3の層へ共押出される。
【0124】
一実施形態では、第1の層は、第2の層に直接的に隣接し、第2の層は、第3の層に直接的に隣接する。さらなる実施形態では、第1の層は、第2の層へ共押出され、第2の層は、第3の層に共押出される。
【0125】
一実施形態では、本多層フィルムは、5層フィルムまたは7層フィルムの構成要素である。
【0126】
一実施形態では、本多層フィルムは、9層フィルム、または10層フィルム、または11以上の層を含むフィルムの構成要素である。
【0127】
本開示は物品を含む。一実施形態では、物品は本多層フィルムを含む。好適な物品の非限定的な例には、多層フィルム、押出被覆多層物品、積層多層物品、熱生計物品(シート、トレイ、カップ、容器)、多層ブロー成型物品、および多層注入成型物品が挙げられる。
【0128】
定義
対照的に述べられる、文脈から暗示的である、または当技術に通例であることがない限り、全ての割合および%は重量に基づき、全ての試験方法は本開示の出願日現在のものである。
【0129】
「組成物」という用語は、本明細書で使用される場合、組成物を構成する1つ以上の材料ならびにその組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
【0130】
「ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、同じまたは異なる種類のモノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという総称用語は、ホモポリマー(微量の不純物がポリマー構造体に組み込まれ得るという理解を伴い、1種類のみのモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)という用語および本明細書の以降で定義される通りのインターポリマーを包含する。微量の不純物(例えば触媒残留物)は、ポリマーへおよび/またはその内部に組み込まれ得る。
【0131】
「インターポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、インターポリマーという総称用語は、コポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)および2つ以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0132】
「オレフィン系ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、重合形態で、大半の量(ポリマーの重量に基づき)のオレフィンモノマー、例えばエチレンまたはプロピレンを含み、任意に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0133】
「エチレン系ポリマー」(またはPE)という用語は、本明細書で使用される場合、重合形態で、大半の量のエチレンモノマー(ポリマーの重量に基づき)を含み、任意に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0134】
「エチレン/α−オレフィンインターポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、大半の量(インターポリマーの重量に基づき)のエチレンモノマーおよびα−オレフィンを含むインターポリマーを指す。
【0135】
「エチレン/α−オレフィンコポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、重合形態で大半の量(コポリマーの重量に基づき)のエチレンモノマーおよびα−オレフィンを2つのみのモノマー種類として含むコポリマーを指す。
【0136】
「プロピレン系ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、重合形態で、大半の量(ポリマーの重量に基づき)のプロピレンモノマーおよび任意に1つ以上のコモノマーを含み得る、ポリマーを指す。
【0137】
「備える」「含む」「有する」という用語およびこれらの変形は、同じことが具体的に開示されるかまたはされないかに関わらず、任意の追加の構成要素、工程、または手順の存在を排除することを意図するものではない。あらゆる疑念を避けるために、「含む」という用語を使用して請求される全ての組成物は、ポリマーであるかまたは別様であるかに関わらず、その対照が述べられない限り、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、「本質的に〜から成る」という用語は、任意の後続の列挙から、あらゆる他の構成要素、工程、または手順を、操作性に必須でないものを除外し、排除する。「〜から成る」という用語は、具体的に叙述または記載されないあらゆる構成要素、工程、または手順を排除する。
【0138】
試験方法
無水マレイン酸(MAH)含有量の決定−官能化エチレン系ポリマーおよび第2の組成物
較正:無水マレイン酸含有量は以下のように測定される。乾燥樹脂試料(1〜2グラム;官能化ポリマーまたはMAH官能化エチレン系ポリマーおよびエチレン/アルキルアクリレートコポリマー(1つ以上の安定化剤のppm量で典型的に安定化される組成物)を含有する組成物)を、試料をホットプレート上で撹拌しながら100℃まで加熱することによって150mlのキシレン内で溶解する。溶解の際に、高温の間に試料を「1:1トルエン/メタノール内の0.025Nテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAOH)」で、10滴のブロモチモール青を指示薬として使用し、滴定する。終点は溶液が青くなった時に記録する。
【0139】
FTIR:FTIRスペクトラムは、上記のTBAOH滴定分析に対して較正された方法を使用して、それぞれの試料におけるg−MAHのレベルを決定するために使用される。g−MAHの重量%は、無水物のカルボニル伸縮に対応する約1790cm−1でのピークの高さの、2751cm−1の高さに対する比率から、以下のように決定される。
【数1】
【0140】
メルトインデックス
メルトインデックス(I2)は、ASTM D−1238(190℃、2.16kg)に従って測定された。結果は、グラム/10分単位で報告された。メルトフローレート(MFR)は、ASTM D−1238(230℃、2.16kg)に従って測定された。結果は、グラム/10分単位で報告された。
【0141】
密度
密度は、ASTM D−792に従って測定された。
【0142】
ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)
従来のGPC測定は、ポリマーの重量平均(Mw)および数平均(Mn)分子量を決定するために、かつMWD(=Mw/Mn)を決定するために使用された。試料は、高温GPC計具(Polymer Laboratories,Inc.モデルPL220)で分析される。
【0143】
本方法は、流体力学的容積の概念に基づく、公知の普遍的較正方法を用い、この較正は、狭ポリスチレン(PS)標準を140℃のシステム温度で動作する4つの混合A20μmカラム(Agilent製(正式にはPolymer Laboratory Inc.)の混合PLゲル)と共に使用して行われる。試料は、1,2,4−トリクロロベンゼン溶剤内の「2mg/mL」の濃度で調製された。流量は1.0mL/分であり、注入の大きさは100マイクロリットルであった。
【0144】
上記のように、分子量決定は、狭い分子量分布ポリスチレン標準(Polymer Laboratories製)をそれらの溶出容積との抱合で使用することにより、演繹された。等価ポリエチレン分子量は、ポリエチレンおよびポリスチレンのための適切なMark−Houwink係数(Journal of Polymer Science,Polymer Letters,Vol.6,(621)1968)においてWilliamsおよびWardによって記載の通り)を使用して、以下の等式を誘導することにより決定された。
Mポリエチレン=a×(Mポリスチレン)
【0145】
式中、a=0.4316およびb=1.0(Williams and Ward,J.Polym.Sc.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載の通り)。ポリエチレン等価分子量計算は、VISCOTEK TriSECソフトウェアVersion3.0を使用することで行われた。
【0146】
示差走査熱量計(DSC)
示差走査熱量計(DSC)は、ポリマー(例えばエチレン系(PE)ポリマー)における結晶化度を測定するために使用された。約5〜8mgのポリマー資料が計量されDSC皿内に配置された。閉鎖雰囲気を保証するために、蓋が皿に圧着された。試料皿はDSCセル内に配置され、その後約10℃/分の速度でPEの場合は180℃(ポリプロピレンまたは「PP」の場合は230℃)の温度まで加熱された。試料は3分間この温度で保持された。その後、試料は、10℃/分の速度でPEの場合は−60℃(PPの場合は−40℃)まで冷却され、その温度で3分間等温に保持された。試料は次に10℃/分の速度で、完全溶融まで加熱された(第2の加熱)。結晶化度%は、第2の加熱曲線から決定された溶融熱(H)を、PEの場合は292J/g(PPの場合は165J/g)の理論的溶融熱で割り、この量に100を乗じることによって計算された(例えば、結晶化度%=(H/292J/g)×100(PEの場合))。
【0147】
別様に述べられない限り、それぞれのポリマーの融点(複数可)(Tm)は、第2の加熱曲線(ピークTm)から決定され、結晶化温度(T)は、第1の冷却曲線(ピークTc)から決定される。
【0148】
本開示のいくつかの実施形態は、以下の実施例においてこれから詳細に説明される。
【実施例】
【0149】
1.材料
本研究において使用された材料は、以下の表1および表2において提供される。典型的には、ポリマーは、1つ以上の抗酸化剤および/または他の安定化剤で安定化される。
【表1】
【表2】
【0150】
2.タイ層組成物および調製
表2で特定した材料を使用するタイ層調合物1〜3は、以下の表3に示す重量%比に従いBUSS Kneader上で化合された。全ての構成要素は、190℃で2分間混合された。タイ層2(ADMER SF730E)およびタイ層3(BYNEL 21E787)は、PET含有フィルムにおいてタイ層樹脂として使用されることが既知の市販の樹脂である。表3の重量%は、タイ層調合物の合計重量に基づく。
【表3】
【0151】
表3で述べたタイ層調合物の場合は、発明実施例1は、122℃の融点(Tm、ピーク温度、主要ピーク、DSC)を有し、比較試料2は、67℃の融点(Tm、ピーク温度、主要ピーク、DSC)を有し、比較試料3は、92℃の融点(Tm、ピーク温度、主要ピーク、DSC)を有する。主要ピークは、第2の加熱プロフィールから決定される、最大ピーク部位を有する吸熱ピークである。発明の実施例1は、比較試料2および比較試料3よりも低いShore A値を有する。具体的な理論に束縛されず、発明の実施例1の高い融点および低いShore A硬度は、(i)弾性を改良する、(ii)熱安定性を改良する、および(iii)比較試料2または比較試料3のいずれかから調製されたタイ層と比較して、発明の実施例1から調製されたタイ層の付着を促進すると考えられる。したがって、これらの結果は、試料1をタイ層として使用して調製された多層フィルムは、比較試料2または比較試料3のいずれかを使用して調製されたタイ層を有する類似する多層フィルムと比較して、より良好な熱安定性を有するということをさらに示す。
【0152】
3.多層フィルムの調製
7層フィルムは、以下の表4に提供される層分布で、「7−Layer Dr.Collin Line」上に押出された。押出条件は、以下の通りであった:
BUR:2.5、
折り径:235.6mm、
フィルムの合計厚さ100ミクロン
押出器I:250〜260℃、1分当たり23回転(rpm)
押出器II:230℃、18rpm、
押出器III:230℃、65rpm、
押出器IV:230℃、20rpm、
押出器V:250℃、81rpm、
押出器VI:230℃、20rpm、および
押出器VII:220℃、60rpm。
PETおよびPAを押出の前に乾燥させる。乾燥後、PETおよびPAは、すぐに押出される。
【表4】
【0153】
4.付着測定
表4に示す構成に従って生成されたフィルム(100ミクロン)は、A4シート(21cm×29.7cm)に切断された。100ミクロンの厚さおよび表4の層構成を有する多層フィルムの概略図は図1に示される。より長い辺(29.7cm)は機械方向に沿っていた。記載したA4シートは、層VIIが層VIIに接触するように中央線に沿って折られた。折られたフィルム試料の中央セクションは、以下の特徴を有するSeal Equipment KOPP SGPE20上で密閉された:シールバー幅5mmおよびシールバー長さ200mm、TEFLON被覆;130℃まで加熱された上部および下部シールバー;密閉方向=交差方向。
【0154】
上部および下部シールバーは、0.5N/mmの圧力で0.5秒間加圧され、図2に示す密閉フィルムを生成した。密閉フィルムは、ISO 293に従い、48時間23℃で保存された。その後「幅15mm」のストリップが、35mmのグリップ距離を有する引張機械に適合するために十分長く切断された。試験試料は、Lloyd LR 5K密閉強度試験器内で、100mm/分の速度で引き開けられた。図3に示されるように、試験試料は180°の角度で、試験試料が完全に裂けるまで引っ張られた。「ピークの力」は以下の表に報告された。生成されたフィルム内の全てのタイ層が同じ調合物のものであり、タイ層のPETへの付着がポリアミド(PA)−タイ層インターポリマーよりも弱いインターフェースであるため、この「ピークの力」は、PET層への、この場合において「最小付着力」とも解釈される「最小密閉強度」を示す。密閉強度は以下の表5に記載された。
【表5】
【0155】
5.考察
タイ層1である、無水マレイン酸(MAH)グラフト化エチレン/オクテンエラストマーと組み合わせたオレフィンブロックコポリマーのブレンドは、PETとエチレン系ポリマー(PE)との間のタイ層として使用される際に、予想外にも、高い付着(39.2N/15mm)値を実証する。タイ層1は、ADMER SF 730Eの付着に匹敵し、BYNEL 21E 787(無水マレイン酸変性エチレンアルキルアクリレートターポリマー)の付着を超える。特定の理論に束縛されず、MAHは、160℃以上の共押出融点で、PETと反応すると考えられる。
【0156】
発明実施例1によって実証された高い付着性に加えて、発明実施例1のタイ層を有する多層フィルムは、比較試料2または比較試料3のいずれかから調製されたタイ層を有する多層フィルムと比較して、改良した熱安定性を有する。
【0157】
さらに、本タイ層は、以下の3つの特性を得ることができる。
1.PET、PP、PE、ナトリウム、および亜鉛イオノマーへの付着性
2.EVOH、バリア層、およびPAバリア層への付着性
3.吹込みフィルムライン上での良好な処理可能性
【0158】
PETは、本タイ層(および任意の他の層)との組み合わせで、融通の利く包装解決策において、アルミニウムまたは金属化積層体に取って代わるためのフィルムを生成するために使用することができる。
【0159】
本開示は本明細書に含まれる実施形態および例示に限定されず、以下の請求項の範囲内に収まる実施形態の一部および異なる実施形態の要素の組み合わせを含み、これらの実施形態の変形形態を含むことが具体的に意図される。
図1
図2
図3