(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
同種のワークであっても、収容器に載置されているワークの姿勢が全て一定とは限らない。また、製造誤差によって、ワークのサイズが異なる場合がある。ワークを保持する保持部が、このようなワーク毎の状態に適応できないと、ワークを保持する際、ワークを損傷する場合がある。しかし、ワーク毎の状態に適応して保持部の位置がずれてしまうと、移載先の載置位置の位置精度が低下する。
【0006】
本発明の目的は、ワークを保持する際の衝撃を緩衝すると共に保持したワークの位置精度の低下を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
ワークを保持可能な保持ユニットと、
前記保持ユニットを上下方向に移動可能な駆動ユニットと、を備え、
前記保持ユニットは、
ワークを保持可能な保持部と、
前記保持部を支持する可動部と、
前記可動部を上下方向に変位自在に支持する支持部と、
前記支持部に対して前記可動部を下方向に付勢する付勢部と、を備え、
前記支持部は、前記可動部の変位を案内する第一の案内面を有し、
前記可動部は、前記第一の案内面に当接する第一の当接面を有し、
前記第一の案内面および前記第一の当接面は、それぞれ、前記支持部に対して前記可動部を下方向に変位したときに互いに当接して位置決めされるよう、上方向または下方向に先細りとなる面である、
ことを特徴とする移載ユニットが提供される。
【0008】
また、本発明によれば、
前記移載ユニットと、
前記移載ユニットを、ワークの移載元から移載先へ移動する駆動ユニットと、
前記保持部に保持されるワークを下方から撮像する撮像ユニットと、を備える、
ことを特徴とする移載装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、
ワークを保持可能な保持部と、
前記保持部を支持する可動部と、
第一の方向および前記第一の方向と反対の第二の方向に前記可動部を変位自在に支持する支持部と、
前記支持部に対して前記可動部を前記第一の方向に付勢する付勢部と、を備え、
前記第一の方向は、前記保持部を前記支持部から離間させる方向であり、
前記支持部は、前記可動部の変位を案内する案内面を有し、
前記可動部は、前記案内面に当接する当接面を有し、
前記案内面および前記当接面は、それぞれ、前記第一の方向または前記第二の方向に先細りとなる面である、
ことを特徴とする保持ユニットが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ワークを保持する際の衝撃を緩衝すると共に保持したワークの位置精度の低下を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<装置の概要>
図1は本発明の一実施形態に係る移載装置1の斜視図である。移載装置1は、電子部品等のワークを移載する装置である。図中、矢印X、Y、Zは互いに直交する方向を示し、矢印Zは第一方向となる上下方向を示し、矢印Xおよび矢印Yは第一方向と直交し、お互いが直交する第二方向および第三方向となる水平方向を示している。
【0013】
移載装置1は、移載ユニット2と、駆動ユニット3と、搬送ユニット4および5と、撮像ユニット6と、を備える。搬送ユニット4および5は、ワークを搬送する機構である。搬送ユニット4は、X方向に延設されたベルトコンベア等のコンベアであり、搬送対象物41をX方向に搬送する。搬送ユニット4の所定の位置で搬送対象物41は不図示のワーク位置決め機構により位置決めされる。搬送対象物41は、ワークを多数収容したトレイや回路基板等である。搬送ユニット5は、Y方向に延設されたベルトコンベア等のコンベアであり、トレイPをY方向に搬送する。搬送ユニット5の所定の位置でトレイPを不図示のトレイ位置決め機構により位置決めされる。トレイPには、ワークの収容部がマトリックス状に配置されており、ワークが各収容部に載置される。
【0014】
移載ユニット2は、ワークを保持する機構であり、駆動ユニット3は、移載ユニット2を移動する機構である。本実施形態の場合、搬送ユニット4と搬送ユニット5との間で、ワークが移載される。駆動ユニット3は、移載ユニット2をX方向およびY方向に移動させて、ワークの移載元となる搬送ユニット4または搬送ユニット5の一方から、ワークの移載先となる搬送ユニット5または搬送ユニット4の他方へ、ワークを移動する。本実施形態の場合、駆動ユニット3はガントリ型の機構であり、Y方向に延びる梁部31と、X方向に延びる互いに平行な一対の梁部32と、を備える。梁部31は一対の梁部32間に架設されている。梁部31は、スライダ31aと、モータ31bを駆動源とし、スライダ31aをY方向に移動する機構と、を備える。スライダ31aには移載ユニット2が支持されている。各梁部32は、スライダ32aと、モータ32bを駆動源とし、スライダ32aをX方向に移動する機構と、を備える。梁部31の各端部は、各スライダ32aに支持されており、一対の梁部32の各モータ32bを同期的に制御することで、各スライダ32aがX方向に平行移動され、梁部31がX方向に移動される。
【0015】
移載ユニット2は、ワークを個別に保持可能な複数の保持ユニット21と、保持ユニット21の上下方向の移動ならびにZ軸周りの回転が可能な駆動ユニット22と、を備える。複数の保持ユニット21は、本実施形態の場合、合計で7つ設けられており、Y方向に一列に配列されている。駆動ユニット3による移載ユニット2のX方向およびY方向の移動と、駆動ユニット22による保持ユニット21のZ方向の昇降とによって、保持ユニット21に保持されるワークは三次元で移動される。
【0016】
撮像装置6は、搬送ユニット4と搬送ユニット5との間に配置されており、保持ユニット21に保持されているワークを、その下方(保持ユニット21と反対側)から撮影可能である。撮像装置6は、例えば、X方向に延設されたラインセンサである。撮像装置6で撮影されたワークの画像を解析することで、保持ユニット21の中心軸に対するワークの位置ずれや保持ユニット21に保持されるワークの向き等を検知することができ、移載先でのワークの解放位置が調節され、より正確なワークの移載が可能となる。例えば、位置の基準を保持ユニット21の中心軸(昇降軸22a:
図2参照)とし、その中心軸(中心軸線L:
図10参照)を下方から撮像したときの中心点を基準点とし、ワークの複数の部位の位置と基準点とから、ワークの保持位置を算出することができる。
【0017】
<移載ユニット>
移載ユニット2について更に説明する。
図2は移載ユニット2の斜視図である。駆動ユニット2は、保持ユニット21毎の昇降軸22aを備える。昇降軸22aは、保持ユニット21が取付けられ、上下に延びる中空の取付部材であり、本実施形態の場合、Z方向を軸方向とする軸である。保持ユニット21は昇降軸22aの下端部に取り付けられている。駆動ユニット22は、昇降軸22a毎にモータ22bおよび22cを有する。モータ22bは昇降軸22aをその中心軸線(
図10の一点鎖線L)を回転中心として回転させる回転機構の駆動源である。昇降軸22aを回転させることにより保持ユニット21を中心軸線周りに回動することができ、保持されたワークを回転してその姿勢(向き)を変化させることができる。モータ22cは昇降軸22aを昇降させる昇降機構の駆動源である。
図2においてモータ22cは一つのみ図示されているが、昇降軸22a毎に設けられている。昇降軸22aの回転機構は、例えば、昇降軸22aとスプライン結合される駆動軸を有し、モータ22bにより駆動軸を回転させるものであってもよい。スプライン結合とすることで、昇降軸22aのZ方向の移動が許容される。昇降機構は例えばボールねじ機構であってもよい。昇降機構は、昇降軸22aの回転を許容しつつ、上下方向に係合する機構であってもよい。
【0018】
本実施形態の場合、保持ユニット21は、負圧吸引によりワークを吸着して保持する。このため、移載ユニット2には、保持ユニット21毎の接続部23が設けられている。接続部23は、ポンプ等の不図示の負圧源に、不図示の配管を介して接続される。本実施形態では、昇降軸22aは中空の円筒体であり、その内部に接続部23と連通した通路形成部材22a1(
図10)が設けられている。通路形成部材22a1は後述するように保持ユニット21と連通している。なお、ワークの保持方式は負圧吸引に限られず、例えば、磁力を利用した吸着であってもよく、また、開閉駆動機構による把持であってもよい。
【0019】
<保持ユニット>
保持ユニット21について
図3〜
図5を参照して説明する。
図3は保持ユニット21の斜視図であり、
図4は保持ユニット21の分解斜視図である。
図5は保持ユニット21の上部の分解斜視図である。
【0020】
保持ユニット21は、ワークを保持する保持部24と、保持部24を支持する可動部25と、可動部25を上下方向に変位自在に支持する支持部26と、支持部26に対して可動部25を下方向に付勢する付勢部27とを備える。本実施形態の場合、支持部26は筒状の部材であり、可動部25および付勢部27は支持部26の内部に収容されている。保持部24は可動部25に対して上下方向に着脱自在に装着され、これにより、保持部24はワークの種類に応じて交換可能である。
【0021】
本実施形態の場合、支持部26は、本体部261と取付部262とで構成される。
図6は支持部26の分解斜視図である。本体部261は、全体として、上下に開放し、かつ、中心軸線Lと同軸の円筒形状を有しており、その内部穴である内部空間S1は可動部25および付勢部27の収容空間あるいは動作空間とされる。また、本体部261の周壁には、内部空間S1と連通され、上下方向に延びる長円形状の窓部(長穴)が形成されている。
【0022】
取付部262は、昇降軸22aへの取付けに用いられる。取付部262は、本体部261の上側の開口を閉鎖するように本体部261に取り付けられる蓋体であり、その下部に本体部261と固定される固定部262eが設けられている。固定部262eは本体部261に挿入され、両者は、嵌合、接着、ねじ等により固定される。
【0023】
取付部262の中央には、昇降軸22aが挿入される中心軸線Lと同軸の開口部262aが形成されている。開口部262aにはキー溝262a1が形成されており、このキー溝262a1とほぼ対向する位置に割り溝262bが形成されている。この割り溝262bは、取付部262における直径全長に亘って形成されるものではなく、半径のみに亘って形成されるものである。取付部262の周面に、割り溝262bを横切るようにして、横穴262cが貫通形成されており、この横穴262cにボルト262dが挿入される。横穴262cの一部にはボルト262cと螺合する雌ねじが形成されている。開口部262aに昇降軸22aを挿入した状態で、ボルト262dを締め付けることで、開口部262aが縮径され、昇降軸22aに取付部262が固定される。また、昇降軸22aには図示しないキーが設けられており、このキーがキー溝262a1に嵌め合わせられる。これにより、取付部262と昇降軸22aとの間において周方向に係合する。
【0024】
図5を参照して、可動部25は、本体部251と、円筒部252とを備える。本体部251は、中心軸線Lと同軸で、全体として下方向に先細りの円錐形状(より具体的には円錐台形状)を有している。本体部251の周面は、当接面251aと取付部251bとが周方向に交互に形成されている。本実施形態の場合、当接面251aは中心軸線Lと同軸で下方向に先細りとなる円錐面である。取付部251bには、保持部24に係合される保持部材253が取り付けられ、本実施形態の場合、取付部251bは平坦面であり、少なくとも上部は、当接面251aの上部外周面より凹んで形成される。言い換えると、取付部251bは、当接面251aをZ軸に平行な平面で切り欠いて形成される。本実施形態の場合、複数の保持部材253により保持部24が着脱自在に保持される。本実施形態の場合、保持部材253は板ばねを曲折して形成され、その弾性変形により、保持部24が保持/保持解除自在に保持される。本体部251の上部に形成された上面251cは付勢部27の座面として機能する。付勢部27は、本実施形態の場合、コイルばねであるが、ゴム等の他の種類の弾性部材であってもよい。円筒部252は、本体部251に設けられた上面251cの直径より小さな直径の円筒部であり、中心軸線Lと同軸で、上面251cから上方へ延びている。円筒部252の中心穴252aには昇降軸22aが挿入される。
【0025】
図7は保持部24の分解斜視図である。保持部24は、本体(241、242)と、本体の下部に設けられ、ワークを保持する複数のツール246とを備える。本体は、ベース部241と、ベース部241の中央部から上方へ延びる被保持部242とを備える。ベース部241は方形の板状をなし、その四隅にはツール246が取付けられる取付穴241aが上下方向に貫通して形成されている。また、取付穴241cに連通して流体通路241aが形成されている。
【0026】
被保持部242はベース部241と一体に形成されており、全体として、中心軸線Lと同軸の筒状をなしている。被保持部242の根元部分には、複数の係合溝243が形成されている。本実施形態の場合、係合溝243は、被保持部242の周方向に等間隔(120°間隔)で3つ形成されている。係合溝243に、保持部材253が解除自在に係合される。この係合によって、保持部24が可動部25に保持される。係合溝243と保持部材253とを周方向に等間隔で複数設けたことにより、保持部24をバランスよく支持でき、かつ、中心軸線L1と同軸上に支持し易い。
【0027】
被保持部242の周面には、被回動規制部244が形成されている。被回動規制部244は、可動部25の回動規制部材251e(
図16)と共に、可動部25に対する保持部24の中心軸線Lの周りの回動を規制する回動規制機構を構成する。本実施形態の場合、被回動規制部244は、上下方向に延び、かつ、上方に開放した溝であり、溝の内側壁に回動規制部材251eが係合することで、可動部25に対する保持部24の回動が規制される。
【0028】
被保持部242の上部は、中心軸線Lと同軸で上方向に先細りの円錐形状(より具体的には円錐台形状)を有しており、その周面は可動部25と当接する当接面242bを形成している。本実施形態の場合、当接面242bは、中心軸線Lと同軸で上方向に先細りとなる円錐面である。被保持部242の中心穴245には昇降軸22a内に設けられた通路形成部材22a1(
図10)が挿入される。
【0029】
ツール246は、ツール本体246aと、蛇腹状の吸着パッド246bとを備えた吸着ツールである。ツール本体246aの上部は取付穴241aに嵌合され、ツール本体246aの下部に吸着パッド246bが嵌合される。ツール本体246aは、流体通路241aと連通する流体通路246c(
図10)を有している。流体通路246cは、ツール本体246aの内部に設けられ、上下方向に延びる中心穴と、ツール本体246aの上部に設けられ、中心穴を外部に連通させる水平穴とを備える。吸着パッド246bは流体通路246cと連通して下方に開放している。吸着パッド246bの下部から空気を吸引することで、ワークが吸着パッド246bに吸着保持される。吸着パッド246bは、ワークを吸着した際に蛇腹部が収縮変形することで、吸着したワークの吸着保持面がツール本体246の下端部(中心穴の下端)に当接される。これにより、ワーク吸着時におけるワークの上下方向の移動が規定され、ツール246に安定してワークが位置決め保持される。
【0030】
図8および
図9は保持ユニット21の垂直断面図であり、
図8は切断面がベース部241の四辺のうちの対向辺の中点を通る断面図であり、
図9は切断面がベース部241の対角線を通る断面図である。
【0031】
可動部25は支持部26の内部空間S1に中心軸線L方向(上下方向)に移動可能に挿入または収容されている。付勢部27は、可動部25の上面251cと支持部26の取付部262との間に配置されており、可動部25を下方へ付勢する。
【0032】
本体部261の内部空間S1を画定する内壁は、可動部25の上下方向の変位を案内する部分を有している。内部空間S1を画定する内壁の上部は円筒形状を有しており、下部は、中心軸線Lと同軸で、全体として下方向に先細りのすり鉢状の面(換言すると、円錐形状(より具体的には円錐台形状)の面)を形成している。
図13および
図14は可動部25の円筒部252における水平断面図であり、
図13は斜視図を
図14は平面図を示している。
図13及び
図14により、内部空間S1の内壁の上部の形状が理解される。
図15および
図16は可動部25の本体部251における水平断面図であり、
図15は斜視図を
図16は平面図を示している。
図15及び
図16により、内部空間S1の内壁の下部の形状が理解される。
【0033】
内部空間S1を画定する内壁は、案内面261aと、凹部261bとが周方向に交互に形成されている。本実施形態の場合、案内面261aは、可動部25の当接面251aと対向する位置に形成されており、凹部261bは取付部251bと対向する位置に形成されている。
図15および
図16により、案内面261aと当接面251aとの位置関係および凹部261bと取付部251bとの位置関係が理解される。凹部261bを設けたことにより、取付部251bにおける保持部材253と支持部26との干渉を回避しつつ、本体部261の案内面261aによる可動部25の当接面251aのガイドを可能にしている。
【0034】
案内面261aは中心軸線Lと同軸で下方向に先細りとなるすり鉢状の面(円錐面)である。可動部25の当接面251aは支持部26の案内面261aに付勢部27の付勢力により押圧されて当接する。当接面251aと案内面261aとは同じ傾きの斜面とされている。可動部25は上下方向に変位自在であるものの、付勢部27の付勢により上側から下方向に変位すると、当接面251aと案内面261aとが当接する。支持部26は、取付部262により昇降軸に中心軸線Lと支持部26の中心軸とが一致するように取り付けられているため、この当接によって、可動部25の中心が中心軸線Lと同軸に案内(センタリング)されて位置決めされる。
【0035】
可動部25は保持部24(特に被保持部242)が挿入される内部空間S2となる穴を有している。内部空間S2は、その上部において中心穴252aと連通し、その下部は下方へ開放されている。内部空間S2を画定する内壁の下部は円筒形状を有しており、上部は、中心軸線Lと同軸で、全体として上方向に先細りのすり鉢状の面(換言すると、円錐形状(より具体的には円錐台形状)の面)を形成している。
【0036】
内部空間S2の上部の内壁は、保持部24が装着される案内面251dを有している。
図11は、保持部24を取り外した状態での可動部25および支持部26の垂直断面図であり、
図11により内部空間S2の内壁の形状が理解される。
【0037】
案内面251dは、被保持部242の当接面242bと対向する位置に形成されている。案内面251dは中心軸線Lと同軸で上方向に先細りとなるすり鉢状の面(円錐面)である。当接面242bと案内面251dとは同じ傾きの斜面とされている。保持部24を可動部25に装着するにあたり、被保持部242を内部空間S2に下方から上方向に挿入すると、案内面251dに当接面242bが当接する。これにより、保持部24の中心が中心軸線Lと同軸に案内(センタリング)されて位置決めされる。そして、保持部材253と係合溝243との係合により、保持部24が可動部25に装着される。
【0038】
保持部24を可動部25に装着することで、被回動規制部244と、可動部25の回動規制部材251eとが係合状態となる。本実施形態の場合、回動規制部材251eは、
図15および
図16に示すように、可動部25の内部空間S2の内壁から径方向内側に突出して設けられたピン状の部材である。本実施形態の場合、回動規制部材251eと被回動規制部244とは二組設けられており、周方向に120°離間して設けられ、保持部24を可動部25に装着する際、可動部25に対する保持部24の周方向における位置合わせ(位相合わせ)にも用いられる。
【0039】
被回動規制部244は上部が開放された上下方向の溝であるため、保持部24を可動部25に装着する際には、被回動規制部244の上開放端から回動規制部材251eを被回動規制部244内に進入させ、保持部24の挿抜方向には係合せず、周方向に係合する。これにより可動部25に対する保持部24の回動が規制され、保持されるワークの姿勢が意図せず変化することを防止する。
【0040】
図8、
図9あるいは
図12に示すように、保持部24に設けられた中心穴245の下部242aは、流体通路241bと連通され、流体通路が形成される。
図12は保持部24の垂直断面図である。流体通路241bはベース部241の対角線上に交差して形成されており、下部242aはその交差点に接続されている。流体通路241bは、また、流体通路246cと連通している。
【0041】
中心穴245の上部には、シール部材245bおよびシール部材245bを中心穴245に封止する封止部材245aが嵌合されている。
図10に示すように、通路形成部材22a1の下端部は、中心穴245に挿入され、シール部材245bによりその周囲が気密にシールされて保持部24に連結される。通路形成部材22a1は、昇降軸22aと同軸の筒部材であって、昇降軸22a内を上下に移動可能に設けられており、空気の流通路を形成する。
図10の状態では、接続部23(
図2)、通路形成部材22a1、流体通路241bおよび246cが連通した状態となっている。通路形成部材22a1が昇降軸22aの内部を上下方向に移動可能であるため、保持部24は昇降軸22aに対して、気密性を維持したまま、上下方向に変位可能である。
【0042】
<保持ユニットの機能>
保持ユニット21の動作例について
図17を参照して説明する。同図は、ワークを保持する際の動作を示している。
【0043】
状態ST1は、不図示のワークを上方に取り上げるために、保持ユニット21を下降させている状態を示している。付勢部27の付勢により、可動部25が下方へ押圧され、案内面261aと当接面251aとが当接した状態にある。つまり、可動部25および可動部25に支持されている保持部24が、昇降軸22aと同軸上に位置決めされている。
【0044】
状態ST2は、保持部24が不図示のワークに上から当接した状態を示している。このとき、吸着パッド246bの弾性変形と、フローティング機能とにより、ワークに対する保持ユニット21の当接時の衝撃が緩衝される。フローティング機能とは、付勢部27の付勢力に抗して可動部25および保持部24が支持部26に対して上方へ変位する機能である。
【0045】
図17の拡大図に示すように、支持部26に対して可動部25が相対的に上方(矢印Z1方向))へ変位すると、案内面261aと当接面251aとが離間する。可動部25は、水平方向における位置決めが解除され、矢印D方向に隙間G分だけ変位可能となる。矢印Dは任意の水平方向である。つまり、可動部25および保持部24は、水平方向における位置決めが解除されるものの、その姿勢変化が許容された状態になる。そして、この隙間Gは、上方に移動するほど大きくなる。よって、取り上げるワークの姿勢(ここでは水平姿勢)に誤差(例えば取り出し前のワークの水平面に対する傾き)があっても、その姿勢(傾き)に適応して可動部25および保持部24が変位またはその姿勢が変化する。これによって、ワークに無理な力が加わることが防止されると共に、それぞれの吸着パッド246bがワーク保持面にそれぞれ確実に当接され、ワークを精度良く、確実に吸着保持することができる。
【0046】
状態ST2において、負圧吸引を開始すると、ワークが保持部24に保持される。その後、保持ユニット21を上昇させると、ワークが上方に取り上げられる。保持ユニット21を上昇させると、付勢部27の付勢により、可動部25が下方へ押圧され、案内面261aに当接面251aが案内され、周方向においてそれぞれの案内面261aと当接面251aとが再び当接した状態に戻る。つまり、状態ST1と同様、可動部25および可動部25に支持されている保持部24が、昇降軸22aと同軸上に位置決めされた状態に戻る。また、移載先において、保持したワークを解放する際に、可動部25および保持部24が位置決めされた状態を維持して、ワークを解放することができ、ワークの位置精度の低下を防止することができる。
【0047】
図18の状態ST11、ST12は、保持部24を着脱した状態を示している。本実施形態の場合、保持部材253が板ばねで形成されているため、状態ST11の状態から、保持部24を強く下方へ引くと、双方の係合が解除されて可動部25から保持部24が分離される。
【0048】
保持部24を再装着する際には、可動部25の内部空間S2に対して保持部24の被保持部242を下方から上方へ挿入する。案内面251dに当接面242bが当接され、案内されることで、保持部24の中心軸と可動部25との中心軸とがセンタリングされ、同軸上に位置決めされる。ここで、本実施形態の場合、当接面251aと案内面261aの組は、下方向に先細りとなる面の組であり、当接面242bおよび案内面251dの組は、上方向に先細りとなる面の組である。つまり、先細りの方向が、互いに逆向きとされている。また、
図17の例と同様に、可動部25へ保持部24を装着させる際に可動部25が上方へ変位される。装着が完了すると、付勢部27の付勢力により、可動部25が下方へ押圧され、案内面261aに当接面251aが案内され、周方向においてそれぞれの案内面261aと当接面251aとが再び当接した状態に戻る。つまり、可動部25の中心軸および保持部24の中心軸がセンタリングされ、昇降軸22aと同軸上に位置決めされた状態になる。したがって、ある保持部24を可動部25から取り外し、新たな保持部24を可動部25に対して再装着したとしても、その新たな保持部24を精度よく、かつ、再現性よく可動部25に再装着することができる。その結果、保持部24の脱着に伴い、ワークの位置決め精度に影響が生じることはない。
【0049】
特に、保持部24をワークの種類に合わせて複数種類準備する場合、被装着部242の仕様を共通にしておけば、いずれの保持部24を用いる場合であっても、それぞれの保持部24の中心軸を中心軸線Lに一致させて可動部25に装着させることが可能となる。その結果、保持部24に保持させたワークを撮像装置6により撮像し、保持部24に対してのワーク保持位置の算出を行う際、算出基準となる基準点が中心軸線Lとなるため、正確にワークの保持位置を算出することができる。そのため、保持したワークを移載先の移載位置に精度よく移載することができる。
【0050】
また、保持したワークの姿勢(向き)を変更させて移載先に移載する場合であっても、中心軸線Lと保持部24の中心軸とが回転の中心として一致している。このため、保持したワークを回転させても回転させたワークの保持位置を容易に算出することができ、姿勢変更したワークを移載先に精度よく移載することができる。
【0051】
<他の実施形態>
上記実施形態では、当接面251a、242bおよび案内面261a、251dをいずれも曲面としたが、平坦な傾斜面としてもよい。つまり、先細りの形状は、円錐形状でなくてもよく、角錐形状であってもよい。
【0052】
上記実施形態では、当接面251aと案内面261aは、下方向に先細りとなる面としたが、上方向に先細りとなる面としてもよい。同様に、当接面242bおよび案内面251dは、上方向に先細りとなる面としたが、下方向に先細りとなる面としてもよい。
【0053】
上記実施形態では、支持部26に可動部25が収容される構成としたが、逆に、支持部26の一部が可動部25に挿入される構成であってもよい。同様に、可動部25に保持部24の一部が挿入される構成としたが、逆に、可動部25の一部が保持部24に挿入される構成としてもよい。