【文献】
Aqua Serum,ID 2115180,Mintel GNPD[online],2013年7月,[検索日2018.02.13],インターネット,URL,http://www.portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヒドロキシ置換芳香族化合物が、8−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリンサルフェート、8−キノリノール−1−オキシド、5−ヒドロキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、7−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−7−スルホ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−7−ブロノ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−スルホン酸−8−ヒドロキシキノリン、7−スルホン酸−8−ヒドロキシキノリン、5−スルホン酸−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−チオシアノ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−アザインドール、7−シアノ−2−ナフトール、8−シアノ−2−ナフトール、5−シアノ−2−ナフトール、1−ヒドロキシ−3,6,8−ピレントリスルホン酸、トランス−3−ヒドロキシスチルベン、2−ヒドロキシメチルフェノール、ペラルゴニジン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
ケラチン繊維の機械的成形は、ヒトの頭髪又はヒトの睫毛などケラチン繊維を真直化すること、及びヒトの頭髪又はヒトの睫毛などケラチン繊維を捲縮化することからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
前記光触媒が、300nm〜750nmの波長を有する入射放射線による励起によって光励起状態に活性化されることができ、前記器具が、300nm〜750nmの波長を有する放射線を放出する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
前記組成物が、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドの誘導体、ホルマリン、及び加熱時にホルムアルデヒドを生成する任意の化合物を、組成物の総重量に対して、1%未満で含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
−活性剤であって、前記活性剤が糖類であり、前記糖類は還元糖であり、前記還元糖は、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ガラクトース、マンノース、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記活性剤が500g/mol以下の分子量を有する、活性剤と、
−8−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリンサルフェート、8−キノリノール−1−オキシド、5−ヒドロキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、7−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−7−スルホ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−7−ブロノ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−スルホン酸−8−ヒドロキシキノリン、7−スルホン酸−8−ヒドロキシキノリン、5−スルホン酸−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−チオシアノ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−アザインドール、7−シアノ−2−ナフトール、8−シアノ−2−ナフトール、5−シアノ−2−ナフトール、1−ヒドロキシ−3,6,8−ピレントリスルホン酸、トランス−3−ヒドロキシスチルベン、2−ヒドロキシメチルフェノール、ペラルゴニジン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒と、
を含む、ケラチン繊維を成形するための架橋性組成物。
(a)活性剤であって、前記活性剤が糖類であり、前記糖類は還元糖であり、前記還元糖は、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ガラクトース、マンノース、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記活性剤が500g/mol以下の分子量を有する、活性剤と、
(b)8−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリンサルフェート、8−キノリノール−1−オキシド、5−ヒドロキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、7−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−7−スルホ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−7−ブロノ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−スルホン酸−8−ヒドロキシキノリン、7−スルホン酸−8−ヒドロキシキノリン、5−スルホン酸−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−チオシアノ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−アザインドール、7−シアノ−2−ナフトール、8−シアノ−2−ナフトール、5−シアノ−2−ナフトール、1−ヒドロキシ−3,6,8−ピレントリスルホン酸、トランス−3−ヒドロキシスチルベン、2−ヒドロキシメチルフェノール、ペラルゴニジン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒と、
(c)化粧用として許容可能なキャリアと、
を混合する工程を含む、架橋性組成物を形成するプロセス。
【背景技術】
【0002】
消費者は、毛髪を傷めることなく、毎日のスタイリング及びコンディショニングニーズを満たす製品を常に求めている。ブロー乾燥及びフラットアイロンなど様々な処理及び装置の認識される影響、場合によっては実際の影響は、急性及び慢性の髪質に悪影響を及ぼし得る。
【0003】
パーマネント法、つまり、縮毛矯正は、通常、高pH溶液(又は高pHを生成する成分の組み合わせ)を毛髪に塗布する工程と、長期間塗布したままにしておく工程と、次いで中和組成物を塗布する工程と、を含む。縮毛矯正は、主にアフリカ系の人々によって使用される、毛髪を永続的に真直化する処理である。この処理は、1段階型の水酸化ナトリウム(苛性アルカリ溶液)又は2段階型(例えば、炭酸グアニジン及び水酸化カルシウム)のいずれかに依存して、非常に高いpH(pH12〜14)を達成する。
【0004】
チオグリコール酸(TGA)及び過酸化水素など酸化還元成分を使用することにより、半永久的な利益が達成され得る。この場合、TGAとの反応によってジスルフィド結合が切断されるため、縮毛は直毛に変わる。過酸化水素を使用した酸化工程中に、より真直なスタイルが固定される。
【0005】
非パーマネント方法は、通常、フラットアイロン又は加熱素子による毛髪の加熱工程を含む。毛髪の内部繊維の化学修飾と共にかかる装置を使用する方法により、長期間、例えば数か月にわたる効果を得ることができる。ブラジリアンケラチントリートメント(BKT)では、シャンプー処理によって数か月持続する真直なヘアスタイルを達成できる。BKTにおける主な活性物質はホルムアルデヒドである。(主に美容院で使用される)最も有効な処理は、高温(通常、232℃(450°F))でホルムアルデヒドを使用することに依存する。ブラジリアンブローアウトなど高濃度ホルムアルデヒドを含む製品を使用して処理された毛髪は、半永久的な直毛をもたらす。時間と共に、その後シャンプーを行うと、毛髪は捲縮状態に戻る。
【0006】
全ての既知の直毛化法には欠点がある。パーマネント法は、通常、時間がかかり、毛髪を傷めることがある。加えて、かかる方法は柔軟性が乏しく、髪型を変更する必要性及び/又は希望が生じた場合には、再び毛髪に「パーマネント」ウェーブを施す必要がある。これは、時間を要し、更に毛髪を傷める。
【0007】
塗布中に皮膚炎になる高い可能性と併せて、縮毛矯正は、毛髪中の自然のジスルフィド結合切断することにより毛髪を永久的に変化させる傾向を有する。これは、毛髪をより脆弱な状態にしておくことになり、更に切れ毛が生じやすくする。過剰処理も毛髪の傷み及び皮膚炎を増加させ得る。酸化還元成分を使用する消費者製品は半永久的な利益を達成するが、毛髪の過剰処理及び強烈な硫黄臭は、酸化還元成分に基づく技法の懸念事項である。
【0008】
US National Toxicology Programによると、ホルムアルデヒドは、ヒトに対して発癌性であることが既知である。したがって、発癌性を有さない配合物を使用して半永久的なスタイルを提供することが最優先である。ホルムアルデヒドの安全性に対する懸念及び縮毛矯正の悪影響、及び化学物質の低減を考慮すると、ジスルフィド結合を切断しない、長持ちする真直化の安全な代替法に対する必要性が存在する。
【0009】
上記のいずれの方法も、毛髪を深刻に傷めたり、発癌性活性物質を使用したりせずに、少なくとも1回のシャンプー処理後に保持され得る及び/又は回復し得る髪型を達成することができない。上記のようなパーマネント技法など刺激の強い又は不快な毛髪処理を使用する必要なく、しばらく時間が経過してから髪型を変える機会を依然として有するように、少なくとも5回のシャンプー処理を経ても持続する髪型を達成する方法を提供することに対する必要性が存在する。
【0010】
国際公開第2011/074143A1号(De Boniら)は、少なくとも1種類の単糖類又はその誘導体を含む組成物をケラチン繊維に塗布する工程と、次いでケラチン繊維を閉鎖空間に配置する工程と、次いでケラチン繊維を加熱する工程と、を含み、この組成物が、還元剤又は式の炭酸イオン源(式中、O、OH、NH2、O−OH、及びO−COOからなる群から選択される基である)のいずれでもない、ケラチン繊維の処理プロセスについて述べている。米国特許出願公開第2007/0226916A1号(Mellulら)は、好ましい実施形態において、化粧用として許容可能な媒体中に、少なくとも1種類の単糖類及び/又は二糖類、少なくとも1種類のヒドロキシ酸、及び少なくとも1種類のセラミド化合物を含む組成物を開示する。国際公開第2009/140076A1号は、酸又は塩基の存在下にて、基材に共有結合できる官能基を有する活性物質、光に曝露すると酸又は塩基を生成できる光触媒、及び賦形剤を含む組成物を提供する。国際公開第2011/060110A1号は、酸又は塩基の存在下にて、基材に共有結合できる基を有する活性物質、光に曝露すると酸又は塩基を生成できる光触媒、及び賦形剤を含む組成物を提供する。活性物質はシリコーンポリマー及び/又はシリコーンオリゴマーであり、1,000グラム/モルを超える分子量を有し、かつ少なくとも1つの有機官能基を有する。国際公開第2010/126919A1号は、(a)酸又は塩基の存在下にて、非生体基材の補完的な官能基との共有結合を形成する1個、又は2個以上の官能基を有する活性物質と、(b)光に曝露すると酸又は塩基を生成できる光触媒と、(c)l(a)及びl(b)用の送達ビヒクル、あるいは活性物質を溶解させ、分散させることができる送達ビヒクル、あるいは、水、シリコーン、油、炭化水素、ラウリルサルフェート塩、及びこれらの組み合わせから選択される送達ビヒクルと、を含み、基材が生体物質を除外することによって特徴付けられる、基材を処理する組成物について述べている。
【0011】
したがって、ジスルフィド結合を切断しない活性物質(還元剤)又は発癌性が
ないと考えられる物質を使用して髪型を達成し、半永久的に保持し、及び/又は復元する方法を提供する必要性が存在する。また、シャンプー処理に対する耐性を呈する髪型を得る方法を提供する必要性も存在する。具体的には、少なくとも1回のシャンプー処理、具体的には5回のシャンプー処理後、より具体的には10回のシャンプー処理後に髪型を保持する、及び/又は復元する方法を提供する必要性が存在する。加えて、毛髪を傷めずに髪型を達成し、保持し、及び/又は復元する方法を提供する必要性が存在する。また、より経済的な半永久的直毛化処理又は縮毛矯正処理を提供する必要性が存在する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
定義及び概要
本発明の全ての態様の全ての実施形態を含む、本文書において、以下の定義が、別途具体的に記載されない限り、適用される。全ての割合(%)は、総組成物の重量による。全ての比率は、重量比である。「部」、例えば、1部のX及び3部のYの混合物への言及は、重量による比率である。「QS」又は「QSP」は、100%又は100gに対する十分な量を意味する。+/−は、標準偏差を示す。全ての範囲は包括的であり組み合わせ可能である。有効桁の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。すべての数量は、「約」という単語によって修飾されるものと理解される。全ての測定は、25℃及び周囲条件で実施され、「周囲条件」とは、101kPa(1気圧(atm))の圧力、及び50%の相対湿度を意味する。「相対湿度」は、同じ温度及び圧力における飽和水分レベルと比較した、空気の水分含量の比率(パーセントとして記載される)を指す。相対湿度は、湿度計、具体的には、VWR(登録商標)Internationalからのプローブ湿度計で測定することができる。本明細書において、「min」は、「分」を意味する。「mol」はモルを意味する。「ナノメートル」は、「nm」と略す。数の後の「g」は、「グラム」を意味する。全ての重量は、それらが列記される成分に関連する際、活性成分のレベルに基づき、商業的に入手可能な材料に含まれ得る担体又は副生成物を含まない。本明細書において、「含む(comprising)」は、他の工程及び他の成分を追加することができることを意味する。「含む(comprising)」は、「〜からなる」及び「本質的に〜からなる」という用語を包含する。本発明の組成物、配合物、方法、使用、キット、及びプロセスは、本明細書で説明される本発明の要素及び制約、並びに本明細書で説明される追加若しくは任意の成分、構成要素、工程、又は制約のいずれをも含み、それらからなり、本質的にそれらからなることができる。本明細書で説明される実施形態及び態様は、不相容性が記載されない限り、明白に組み合わせて例示されていないにもかかわらず、他の実施形態及び/又は態様の要素、特性、又は構成要素を含むか、又はこれらと組み合わせ可能であり得る。「少なくとも1つの実施形態において」は、本発明の1つ、又は2つ以上の実施形態、任意選択的に全ての実施形態、又はその大部分がその後説明される特性を有することを意味する。量の範囲が与えられる場合、これらは組成物中の当該成分の総量であるか、成分定義の範囲に1種、又は2種以上が収まる場合、組成物中の、その定義に適合する全ての成分の総量であると理解されるべきである。たとえば、組成物が約1%〜約5%の脂肪酸アルコールを含む場合、2%のステアリルアルコール及び1%のセチルアルコールを含む組成物は範囲に収まるであろう。
【0021】
「分子量」又は「M.Wt.」又は「MW」及び文法的な同等物は、数平均分子量を意味する。
【0022】
「粘度」は、12.9s
-1の剪断速度で、DIN 53019(MV−DIN)に従う冷却/加熱容器及びセンサーシステムを有するHAAKE回転粘度計VT 550を使用して、25℃で測定される。
【0023】
「水溶性」は、十分に水溶性であって、25℃の水中で物質の0.1重量%の濃度で、肉眼には透明の水溶液を形成する任意の物質を指す。用語「非水溶性」は、「水溶性」ではない任意の物質を指す。
【0024】
「実質的に含まない(「substantially free from」又は「substantially free of」)」は、組成物若しくは配合物の総重量で、約1%未満、又は0.8%未満、又は0.5%未満、又は0.3%未満、又は約0%を意味する。
【0025】
「ケラチン繊維」は、ケラチンからなる繊維状物質を意味する。「毛髪」は、頭髪、顔の毛、及び体毛を含む、哺乳類ケラチン繊維を意味する。それは、依然として生体に付着しているかかる毛髪、並びに、毛髪見本等の生体から除去された毛髪、及び人形/マネキン上の毛髪も含む。少なくとも1つの実施形態において、「毛髪」はヒトの毛髪を意味する。「毛幹」又は「毛髪繊維」は、個々の1本1本の毛髪を意味し、用語「毛髪」と互換的に使用され得る。
【0026】
「美容的に許容可能な」とは、説明される組成物、配合物、又は構成要素が、過度の毒性、不適応性、不安定性、及びアレルギー反応性等を伴わずに、ヒトのケラチン組織と接触させて使用するために好適であることを意味する。本明細書で説明され、ケラチン組織に直接適用されるという用途を有する全ての組成物及び配合物は、美容的に許容可能であるものに制限される。
【0027】
「誘導体」としては、所定の化合物のアミド誘導体、エーテル誘導体、エステル誘導体、アミノ誘導体、カルボキシル誘導体、アセチル誘導体、酸誘導体、塩誘導体及び/又はアルコール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態において、「その誘導体」は、アミド、エーテル、エステル、アミノ、カルボキシル、アセチル、酸、塩、及びアルコールの誘導体を意味する。
【0028】
「モノマー」は、反応開始剤の存在下での重合、又は、例えば、重縮合、重付加、アニオン性若しくはカチオン性重合といった巨大分子を作る任意の好適な反応を行うことができる分離性の重合されていない化学部分を意味する。「単位」は、既に重合された、即ち、ポリマーの部分であるモノマーを意味する。
【0029】
「ポリマー」は、2つ以上のモノマーの重合から形成される化学物質を意味する。「ポリマー」という用語は、モノマーの重合、並びに天然ポリマーによって作製される全ての材料を含むものとする。1種のモノマーのみから作製されるポリマーは、ホモポリマーと呼ばれる。本明細書において、ポリマーは、少なくとも2つのモノマーを含む。2種以上の異なる種類のモノマーから作製されるポリマーは、コポリマーと呼ばれる。異なるモノマーの分布は、ランダム、交互、又はブロック状(すなわち、ブロックコポリマー)であることができる。本明細書で使用される「ポリマー」という用語は、ホモポリマー及びコポリマーを含む、任意の種類のポリマーを包含する。
【0030】
「キット」は、複数の構成要素を含むパッケージを意味する。「キット」は、「パーツキット」を指し得る。キットの例は、例えば、第1組成物、及び別個にパッケージ化された第2組成物、並びに必要に応じて適用説明書である。
【0031】
説明
本発明は、とりわけケラチン繊維の成形方法に関する。本方法では、半永久的な髪型、すなわち長持ちする髪型及び半永久的な睫毛の成形を達成できる。この半永久的な髪型は、少なくとも1回のシャンプー処理後、具体的には5回のシャンプー処理後、より具体的には10回のシャンプー処理後に保持される。髪型がより長持ちすることに加えて、この方法は、毛髪の凝集を阻止し、並びに/又はシャンプー後の毛髪の絡まり及び手触りを改善する。加えて、本発明者らは、本方法が、形状の耐水性及び耐湿性を向上し、スタイリングの容易さを向上し、及び/又はシャンプー後の形状の取り扱いやすさを向上することを見い出した。理論に束縛されるものではないが、上記の利益は、実行される工程、その順序、並びに活性剤など、使用される特定の成分によるものであると考えられる。選択された活性剤は、ケラチン繊維の毛幹に拡散し、ケラチンポリペプチド内のアミノ基と反応し、ケラチンタンパク質構造のこれらの官能基を架橋し、ケラチン繊維構造の生来の復元力を克服するのに十分な架橋をもたらすと考えられる。この結果、例えば、長持ちする髪型又は長持ちする睫毛形状などケラチン繊維の長持ちする成形をもたらす。
【0032】
本発明の異なる態様の詳細は、後述する。本発明は、とりわけケラチン繊維の成形方法に関する。この方法は、架橋性組成物を準備する工程を含む。
【0033】
架橋性組成物
架橋性組成物は活性剤を含む。この活性剤は、ケラチンと反応し、ケラチン内で架橋をもたらすのに有用である。架橋性組成物は活性剤を含み、この活性剤は糖類である。砂糖は、多くの場合、天然由来であり、合成化合物と比較して消費者に好まれるため、有用である。これは、認識されている健康上の理由及び感作の欠如という理由だけではなく、持続可能性及び環境上の理由のためである。砂糖は、通常、自然にかつ短期間で分解され、特別な処分法を必要としないためである。更に、砂糖は調達も容易であり、比較的安価である。この活性剤は、500g/mol以下の分子量を有する。少なくとも1つの実施形態において、活性剤は、300g/mol以下、又は約50g/mol〜250g/mol、又は約80g/mol〜約150g/molの分子量を有する。ケラチン繊維に浸透して、架橋が外部要因により曝露される表面的にだけではなく、内部から架橋することを考慮すると、この分子量は有用である。ケラチン繊維との関連においては、この分子量は、毛幹に、すなわち、キューティクルの下まで浸透するために有用である。
【0034】
少なくとも1つの実施形態において、活性剤は25℃において液体である。この温度において液体である活性剤は、この温度において固体である活性剤と比較して、向上した毛髪の感触をもたらすという利点を有する。
【0035】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物が少なくとも100℃の温度に加熱される場合、この架橋性組成物は、約6%〜約20%の還元糖を含む。「架橋性組成物が少なくとも100℃の温度に加熱される場合、この架橋性組成物は、約X%〜約Y%の還元糖を含む」とは、架橋性組成物が少なくとも100℃の温度に加熱されると、その後、この架橋性組成物は、所定の割合範囲の還元糖を含むことを意味する。これは、架橋性組成物中に還元糖の形成をもたらす、糖類内での化学変化(例えば、分解)を生じさせる熱エネルギーを考慮したものである。これは、方法が、器具の温度を約100℃〜約300℃の温度に上げる工程と、その器具を使用してケラチン繊維を機械的に成形する工程と、を含み、これによって、架橋性組成物中に還元糖の形成をもたらす、糖類内での化学変化(例えば、分解)を生じさせる。したがって、本発明にとって還元糖の存在は有用であるが、特定の非還元糖と、ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒と、化粧用として許容可能なキャリアと、を含む架橋性組成物を準備する工程も有用であり、この方法は、器具の温度を約100℃〜約300℃の温度に上げる工程と、器具を使用してケラチン繊維を機械的に成形する工程と、を含み、加熱の結果として、非還元糖が還元糖に転換されることを意味する。少なくとも1つの実施形態において、「少なくとも100℃の温度に加熱される」は、2秒〜10分、又は1分〜5分、又は2分〜3分にわたって実行される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は還元糖を含み、この架橋性組成物が少なくとも100℃の温度に加熱される場合、この架橋性組成物は、約12%〜約18%の還元糖を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、スクロースと、緩衝剤と、ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒と、化粧用として許容可能なキャリアと、を含み、この架橋性組成物が少なくとも100℃の温度に加熱される場合、この架橋性組成物は、約6%〜約20%の還元糖を含む。スクロースは、その後の加熱で還元糖に分解できる。同様の効果は、O−メチルグリコシド、イソプロピリデン、及びベンジリデン(benylidene)で得られる。少なくとも1つの実施形態において、活性剤はO−メチルグリコシド、イソプロピリデン、又はベンジリデンである。少なくとも1つの実施形態において、糖類はグルコシドである。少なくとも1つの実施形態において、糖類はメチルグルコシドである。少なくとも1つの実施形態において、糖類は二糖類である。少なくとも1つの実施形態において、糖類はスクロースである。
【0036】
少なくとも1つの実施形態において、活性剤は単糖類である。少なくとも1つの実施形態において、糖類は単糖類であり、定着用組成物は、約0.1%〜約40%、又は約0.5%〜約20%、又は約1%〜約15%、又は約7%〜約20%、又は約8%〜約19%、又は約10%〜約18%の単糖類を含む。少なくとも1つの実施形態において、活性剤は、ペントース、テトラオース、ヘキソース、これらの誘導体、又はこれらの混合物である。誘導体は、アセチル誘導体であってよい。少なくとも1つの実施形態において、糖類は単糖類のアセチル誘導体である。少なくとも1つの実施形態において、活性剤は還元糖である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約7%〜約20%、又は約8%〜約19%、又は約10%〜約18%の還元糖を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約12%〜約18%の還元糖を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は還元糖を含み、この架橋性組成物が100℃の温度に加熱される場合、この架橋性組成物は、約12%〜約18%の還元糖を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約12%〜約18%の還元糖である、還元糖の総量を含む。
【0037】
本明細書で使用するとき、「還元糖」は、アルデヒド基を有するか、異性によって溶液中にアルデヒド基を形成できるかのいずれかであり、ベネディクトの試験で陽性結果をもたらす、任意の糖類を意味する。アルデヒド基は−C(=O)Hである。アルデヒド基は、毛髪との反応及び架橋を考慮すると重要である。ベネディクトの試験は、ベネディクトの溶液を用いることを含む。ベネディクトの溶液は、Sigma Aldrichから「Benedict‘s Reagent」として入手可能であり、炭酸ナトリウム、銅サルフェートペンタハイドレート、及び2,5−ジフルオロトルエンを含む。ベネディクトの試験では、溶解した被験化合物を含む、20mLの5%水溶液に1mLのベネディクトの溶液を加える。ベネディクトの溶液は、青銅(II)イオン(Cu
2+)を含む。この溶液を80℃に15分間加熱し、結果として生じる色の変化を記録する。ベネディクトの溶液の第二銅イオンは、糖類のアルデヒドによって第一銅イオンに還元される。ベネディクトの試験の陽性結果は、第二銅イオン(Cu
2+)が第一銅イオンに変換される、すなわち銅(I)イオン(Cu
+)に還元されるときの色の変化によって確認される。これらは、水不溶性である赤銅(I)酸化物として沈殿する。この試験はまた、より長い加熱時間及びより高温に対して任意の色の変化を記録するように設計されている。溶液は、(還元糖の量の増加に伴って)緑色から、黄色、オレンジ色を経て赤色までの色の範囲を含んでよい。青色からの任意の色変化は、還元糖の濃度を示唆する。溶液によって反射される光線の波長は、色と共に変化する。少なくとも1つの実施形態において、ベネディクトの陽性試験結果は、溶液が、450nm〜495nmの範囲の波長を頂点としない、光線を放出するときである。少なくとも1つの実施形態において、ベネディクトの陽性試験結果は、溶液が、620nm〜750nmの範囲の波長を頂点とする、光線を放出するときである。これは、分光光度計を使用して測定できる。
【0038】
【表1】
*ベネディクトの溶液のみ。
【0039】
当該技術分野では、ベネディクトの試薬は、還元糖の存在の試験として使用される。これは、全ての単糖類と、ラクトース及びマルトースなど多数の二糖類を含む。更により一般的には、ベネディクトの試験は、アルデヒド、及び特定のケトースで生じるものなどα−ヒドロキシケトンの存在を検出する。したがって、フルクトース、ケトースは厳密には還元糖ではないが、α−ヒドロキシケトンであり、試薬内の塩基によってアルドース、グルコース、及びマンノースに転換されるために陽性となる。ベネディクトの溶液中の銅サルフェートは還元糖と反応する。1Lのベネディクトの試薬は、100gの無水炭酸ナトリウム、173gのクエン酸ナトリウム、及び17.3gの銅(II)サルフェートペンタハイドレートから調製できる。ベネディクトの試薬は、定性試験と共に、定量試験を還元糖に提供する。得られる沈殿物の色は、溶液中に存在する糖類の概量を示す。緑色がかった沈殿物は、約0.5%の濃度を示し、黄色の沈殿物は1%の濃度を示す。オレンジ色は1.5%、赤色は2%以上の濃度を示す。ベネディクトの試験における陽性結果は、5%(重量/重量)化合物の水溶液での化合物において、赤色の着色として認められる。糖類のアルデヒド基のおかげで、糖類は、例えばベネディクトの試験において、還元剤として作用できる。
【0040】
少なくとも1つの実施形態において、還元糖は、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ガラクトース、マンノース、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、還元糖はフルクトース又はグルコースである。糖類及び還元糖は、Sigma Aldrichから入手可能である。少なくとも1つの実施形態において、還元糖は、リボース、アラビノース、又はこれらの混合物である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は還元糖を含み、この還元糖は、アラビノース、リボース、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は還元糖を含み、この還元糖は、D−アラビノース、L−アラビノース、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、還元糖はL−アラビノースである。少なくとも1つの実施形態において、単一還元糖はペントースである。少なくとも1つの実施形態において、単一還元糖は、アラビノース、リボース、及びこれらの混合物からなる群から選択される。アラビノース、リボース、及びこれらの混合物である還元糖は、優れた直毛化性能という利益を有する。還元糖を使用して毛髪を処理し、続いて本発明の通り毛髪を処理することにより、処理した毛髪は永続的に真直化する。アラビノース及びリボースは5炭糖であり、これらは、他の炭素数を有する糖類(6炭糖及び7炭糖など)よりも更に優れた性能を有することが見い出されている。その一方では、6炭糖は容易に入手でき、したがって経済上の利点を有する。少なくとも1つの実施形態において、糖類は還元糖であり、還元糖は、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ガラクトース、マンノース、及びこれらの混合物からなる群から選択されるか、糖類はアラビノースである。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約12%〜約18%の還元糖である還元糖の総量を含み、架橋性組成物はアラビノースを含む。
【0041】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は第2活性剤を更に含む。第2活性剤は、ケラチンと反応し、ケラチン内で更なる架橋をもたらすのに有用である。毛髪は、官能基−COOH、OH、及びNH
2、及びSHを有するケラチンのポリペプチドを含む。様々な活性剤が各官能基と優先的に反応できる。例えば、アラビノースはアミノ基と優先的に反応し、エチレンカーボネートは−COOHと優先的に反応する。少なくとも1つの実施形態において、第2活性剤は、−NH
2、−NH−、−SH、−OH、−C(=O)H、−C=O、及び−COOHからなる群から選択される少なくとも2個の官能基を有し、第2活性剤は、500g/mol以下の分子量を有する。少なくとも1つの実施形態において、第2活性剤は500g/mol以下の分子量を有する。少なくとも1つの実施形態では、第2活性剤は、300g/mol以下、又は約50g/mol〜250g/mol、又は約80g/mol〜約150g/molの分子量を有する。ケラチン繊維に浸透して、架橋が外部要因により曝露される表面的にだけではなく、内部から架橋することを考慮すると、この分子量は有用である。ケラチン繊維との関連においては、この分子量は、毛幹に、すなわち、キューティクルの下まで浸透するために有用である。少なくとも1つの実施形態において、第2活性剤は25℃において液体である。この温度において液体である第2活性剤は、この温度において固体である第2活性剤と比較して、向上した毛髪の感触をもたらすという利点を有する。
【0042】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は化粧用として許容可能なキャリアを含む。少なくとも1つの実施形態において、化粧用として許容可能なキャリアは、活性剤を毛髪への塗布に好適な架橋性組成物に配合するために好適な任意のキャリアである。少なくとも1つの実施形態において、化粧用として許容可能なキャリアは、水性媒体又は水性アルコール媒体のいずれかから選択される。少なくとも1つの実施形態において、キャリアが水性アルコールキャリアである場合、このキャリアは水及びアルコールを含む。少なくとも1つの実施形態において、アルコールはエタノール、イソプロパノール、プロパノール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、キャリアが水性キャリアである場合、このキャリアは本質的に水からなり、アルコールは実質的に含まれない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は安全かつ効果的な量の化粧用として許容可能なキャリアを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.1%〜約99%、又は約1%〜約98%、又は約10%〜約97%、又は約30%〜約95%の水を含む。
【0043】
架橋性組成物は、ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒を含む。光触媒は、電磁放射線、具体的には光線に曝露されると減少する(又は増加する)pKa(又はpKb)値を有する酸、塩基(又はこれらの複合体)である。光触媒は、例えば、Domcke and Sobolewski(2003),Unraveling the Molecular Mechanisms of Photoacidity,302,p.1693及びKowalewska(2005),Photoacid catalyzed sol−gel process,J.Mater.Chem.15,p.4997に記載されており、これらはいずれも参照することにより本明細書に組み込まれる。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、周辺光、太陽光、白色光、蛍光灯、LED光、レーザー光、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、可視光、近若しくは遠紫外光、又は近若しくは遠赤外光、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、光触媒は、約300nm〜約750nmの波長の入射放射線による励起によって光励起状態に活性化され、この器具は、約300nm〜約750nmの波長の放射線を放出する。
【0044】
少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、キノリン化合物又はナフトール化合物である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はフルオレセイン又はその誘導体である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はハロゲン置換フルオレセインである。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はブロモ置換フルオレセイン又はヨード置換フルオレセインである。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、ジヨードフルオレセイン、4,5,6,7−テトラクロロ−2’,4’,5’,7’−テトラヨードフルオレセイン(ローズベンガル)、2,4,5,7−テトラヨードフルオレセインの塩(エリスロシン)、エオシンY、エオシンB、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はヒドロキシフラボン又はその誘導体である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はジヒドロキシフラボン、又はトリヒドロキシフラボン、又はテトラヒドロキシフラボン、又はこれらの混合物である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、3−ヒドロキシフラボン、7−ヒドロキシフラボン、5,7−ヒドロキシフラボン、4’,5,7−トリヒドロキシフラボン、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−クロメン−4−オン(ケルシチン)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、ヒドロキシルトリアリールメタン、例えば、FD&C緑色3号である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物はアントシアニジン又はアントシアニンである。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、シアニジン(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)クロメニリウム−3,5,7−トリオール)、マルビジン、ペラルゴニジン(palargonidin)、又はエルダーベリー、ブルーベリー、クランベリー、ビルベリー、赤キャベツ、ソルガム、ブラックベリー、クロフサスグリ(black current)、チェリーレッドラズベリー、クロミキイチゴなどアントシアニン含有抽出物、及びこれらの混合物である。
【0045】
少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、8−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリンサルフェート、8−キノリノール−1−オキシド、5−ヒドロキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、7−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−7−スルホ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−フルオロ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−7−ブロノ−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−7−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−スルホン酸−8−ヒドロキシキノリン、7−スルホン酸−8−ヒドロキシキノリン、5−スルホン酸−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5−チオシアン−8−ヒドロキシキノリン、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン、5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5−ヨード−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、7−アザインドール、7−シアノ−2−ナフトール、8−シアノ−2−ナフトール、5−シアノ−2−ナフトール、1−ヒドロキシ−3,6,8−ピレントリスルホン酸、トランス−3−ヒドロキシスチルベン、2−ヒドロキシメチルフェノール、ペラルゴニジン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、8−キノリノール−1−オキシド、8−ヒドロキシキノリン、7−シアノ−2−ナフトール、8−シアノ−2−ナフトール、5−シアノ−2−ナフトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、8−キノリノール−1−オキシド、8−ヒドロキシキノリン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は8−ヒドロキシキノリンである。8−ヒドロキシキノリンは、低pH溶液中にて光酸触媒として、又は高pH溶液中にて光塩基触媒として作用し得る。8−ヒドロキシキノリンはCAS番号148−24−3を有し、Sigma−Aldrichから入手可能である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は多環式である。8−ヒドロキシキノリンは容易に入手可能であるという利点を有し、毛髪染剤組成物など化粧品組成物で使用するために特徴付けられている。
【0046】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、ヒドロキシ置換芳香族化合物である、約10ppm〜約500ppmの光触媒を含む。光触媒の濃度は、例えば、光触媒の化学構造、反応媒体、反応タイプ、及び基材など種々の要因にある程度依存してよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、ヒドロキシ置換芳香族化合物である、約20ppm〜約500ppm、又は約30ppm〜約450ppm、又は約30ppm〜約400ppm、又は約50ppm〜約350ppm、又は約70ppm〜約330ppm、又は約80ppm〜約310ppm、又は約90ppm〜約300ppm、又は約100ppm〜約290ppm、又は約260ppm以下、又は約250ppm以下、又は約240ppm以下、又は約220ppm以下、又は約210ppm以下、又は約200ppm以下の光触媒を含む。注釈:1ppm=100万分の1=1×10
-4%=0.0001%、及び10ppm=1×10
-3%=0.001%、及び100ppm=1×10
-2%=0.01%。
【0047】
架橋性組成物は、750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されていない。架橋性組成物の曝露は、光触媒の有効性を考慮すると重要である。これは、光触媒が特定の波長範囲内の電磁放射線に曝露されると、周囲分子が存在する場合には、パッケージ壁内の化合物など周囲分子と反応するためである。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、750nm以下の波長を有する電磁放射線が架橋性組成物と接触できない容器に入れられる。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、750nm以下、又は約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線、又は可視光、又はUV光に、20min以上、又は10min以上、又は2min以上曝露されている。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は不透明な容器に入れられる。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、琥珀色の容器又は茶色の容器に入れられる。
【0048】
架橋性組成物中には他の成分が存在してよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は酸化防止剤を含む。架橋性組成物により長期間の安定性をもたらすことを考慮すると、酸化防止剤は有用である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は安全かつ効果的な量の酸化防止剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.001%〜約5%、又は約0.5%〜約1.0%の酸化防止剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、酸化防止剤は、アスコルビン酸(ビタミンC)、脂肪酸のアスコルビルエステル、アスコルビン酸誘導体(例えば、マグネシウムアスコルビルホスフェート、ソジウムアスコルビルホスフェート、アスコルビルソルベート)、トコフェロール(ビタミンE)、トコフェロールソルベート、トコフェロールアセテート、トコフェロールの他のエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸及びその塩、過酸化水素、過ホウ酸塩、チオグリコレート、過硫酸塩など過酸化物、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(商標名Trolox(商標)で市販されている)、没食子酸及びそのアルキルエステル、特に没食子酸プロピル、尿酸及びその塩及びアルキルエステル、ソルビン酸及びその塩、リボ酸、アミン(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノグアニジン)、スルフヒドリル化合物(例えば、グルタチオン)、ジヒドロキシフマル酸及びその塩、リシンピドレート、アルギニンピロレート、ノルジヒドログアヤレト酸、バイオフラボノイド、クルクミン、リジン、1−メチオニン、プロリン、スーパーオキシドジスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、ブドウ果皮及び/又はブドウ種子抽出物、メラニン、ローズマリー抽出物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、酸化防止剤はトコフェロールソルベート又はトコフェロールのエステルである。例えば、局所用組成物における、本発明に適用可能なトコフェロールソルベートの使用法は、米国特許第4,847,071号(1989年7月11日発行、Donald L.Bissett、Rodney D.Bush及びRanjit Chatterjee)に記載されている。少なくとも1つの実施形態において、酸化防止剤は安息香酸ナトリウムである。少なくとも1つの実施形態において、酸化防止剤はアスコルビン酸である。アスコルビン酸は、配合物の酸化安定性を向上させるという利益を有する。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、安全かつ効果的な量のアスコルビン酸を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.001%〜約5%、又は約0.5%〜約1.0%のアスコルビン酸を含む。
【0049】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はキレート剤(chelator)又はキレート剤(chelating agent)を含む。本明細書で使用するとき、「キレート剤(chelator)」又は「キレート剤(chelating agent)」は、金属イオンが容易に化学反応に参加したり、化学反応に触媒作用を及ぼしたりできないように、複合体を形成することによって系から金属イオンを除去できる活性剤を意味する。キレート剤を含めることは、前述の通り酸化促進状況及び顔料沈着を生じさせる局所的な鉄負荷を減少させるために、過剰な落屑又は肌のきめの変化に寄与し得るUV放射線及び皮膚の損傷を引き起こし得る他の環境要因に対する保護を提供するのに特に有用である。架橋性組成物により長期間の安定性をもたらすことを考慮すると、キレート剤は有用である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、安全かつ効果的な量のキレート剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はキレート剤を含み、このキレート剤は、N−ヒドロキシスクシンイミド、EDTA、NTA、デフェロキサミン、ヒドロキサム酸及びその塩、フィチン酸、フィチン酸塩、グルコン酸及びその塩、トランスフェリン(transferrine)、ラクトフェリン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、安全かつ効果的な量のキレート剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、この架橋性組成物は、約0.001%〜約10%、又は約0.01%〜約5%、又は約0.1%〜約5%、又は約0.5%〜約1.0%のキレート剤を含む。本明細書において有用な例示のキレート剤は、米国特許第5,487,884号(1996年1月30日発行、Bissettら)、国際公開第91/16035号(Bushら、1995年10月31日公開)、及び同第91/16034号(Bushら、1995年10月31日公開)に開示されている。少なくとも1つの実施形態において、キレート剤は、N−ヒドロキシスクシンイミドデフェロキサミン、ラクトフェリン、ヒドロキサム酸、グルクロン酸、フィチン酸、これらの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0050】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は毛髪への塗布に好適な形態である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、エマルション、溶液、又は分散液の形態である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は界面活性剤を含む。この界面活性剤は、エマルションをもたらすのに有用である。少なくとも1つの実施形態において、エマルションの形態である場合、このエマルションは、油中水型エマルション、水中油型エマルション、又は多相エマルションであってよい。エマルションは、毛髪に塗布するための、容易に塗布できる組成物を消費者に提供するという利益を有し、審美的利点を有する。架橋性組成物は、残留型組成物又は洗い流し組成物であってよい。この架橋性組成物は、シャンプー、ヘアコンディショニング組成物、ヘアスタイリング組成物、又はこれらの組み合わせから選択される形態であってよい。ヘアスタイリング組成物である場合、この組成物は、ゲル組成物、任意選択的に機械的スプレー装置及び/若しくは少なくとも1種類の推進剤を使用して分注されるスプレーゲル組成物、任意選択的に好適な、機械的に操作されるスプレー装置を使用して分注される非エアゾールスプレー、任意選択的に泡立て用装置を使用して分注される、発泡性組成物、ヘアワックス組成物、ヘアローション組成物、ヘアクリーム組成物、又はこれらの組み合わせであってよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はマスカラ組成物である。
【0051】
架橋性組成物は、ヘアスタイリングポリマー、コンディショニング剤、ヘアクレンジング剤、又はこれらの混合物から選択される、少なくとも1種類の化粧用毛髪処理剤を更に含んでいてよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、非イオン性ヘアスタイリングポリマー、アニオン性ヘアスタイリングポリマー、双極性及び/若しくは両性ヘアスタイリングポリマー、カチオン性ヘアスタイリングポリマー、又はこれらの混合物からなる群から選択される。好適なヘアスタイリングポリマーは、CTFA International Cosmetics Ingredient Dictionary and Handbook,「Hair Fixatives」,12
th edition(2008)に見い出すことができる。例えば、好適なヘアスタイリングポリマーは、参照することにより本明細書に組み込まれる、2008年2月11日出願の欧州特許出願公開第08151246.9号の12頁5行目〜19頁1行目に開示されているような物質である。
【0052】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.01重量%〜約10重量%、又は約0.1%〜約8%、又は約0.1%〜約5%のヘアスタイリングポリマーを含む。
【0053】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は非イオン性ヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、天然ポリマー又は合成ポリマーである。少なくとも1つの実施形態において、非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルエステル、ビニルアルコール、ビニルアセテート、(メタ)アクリルアミド及び/若しくはその誘導体、(メタ)アクリル酸、その塩及び/若しくはその誘導体、プロピレン及び/若しくはエチレングリコール酸、クロトン酸、又はこれらの混合物から選択される少なくとも1種類のモノマーの重合から得られるポリマーである。例えば、かかるポリマーは、商標名Luviskol(登録商標)又はLuviset Clear(登録商標)で入手できる。
【0054】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はアニオン性ヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、アクリル酸/アルキルアクリレート/Nアルキルアクリルアミドターポリマー、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、C1〜C5−アルキルアクリレート/(メタ)アクリル酸コポリマー、ソジウムポリスチレンスルホネート、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルアルカノエートコポリマー、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルネオデカノエートコポリマー、アミノメチルプロパノールアクリレートコポリマー、ビニルピロリドン/(メタ)アクリルコポリマー、メチルビニルエーテル/マレイン酸モノアルキルエステルコポリマー、アリルメタクリレート/(メタ)アクリレートコポリマーのアミノメチルプロパノール塩、エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマー、ビニルアセテート/モノ−nブチルマレアート/イソボルニルアクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/(メタ)アクリル酸コポリマー、ジグリコール、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、及びスルホイソフタル酸のポリエステル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0055】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、双極性又は両性ヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、双極性又は両性ヘアスタイリングポリマーは、アルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルメタクリレート/(メタ)アクリル酸コポリマー;第四級アミン基を有する少なくとも1つの第1モノマー型及び酸性基を有する少なくとも1つの第2モノマー型から形成されるコポリマー;脂肪酸アルコールアクリレートのコポリマー、アルキルアミンオキシドメタクリレート及びアクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つのモノマーのコポリマー;メタクリロイルエチルベタイン/メタクリル酸及び/又はエステルコポリマー;ポリクオタニウム−47;ポリクオタニウム−43;第四級クロトンベタイン若しくは第四級クロトンベタインエステルから調製できる、オリゴマー若しくはポリマー;又はその混合物からなる群から選択される。
【0056】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はカチオン性ヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーからなる群から選択され、第四級窒素基はポリマー鎖中に、又は1個、若しくは2個以上のカチオン性モノマー上の置換基として存在する。アンモニウム基を含有するモノマーは、非カチオン性モノマーと共重合してよい。好適なカチオン性モノマーは、不飽和のフリーラジカル重合可能な化合物であって、少なくとも1つのカチオン性基、具体的には、例えばトリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム、ジアルキルジアリルアンモニウムなどのアンモニウム置換ビニルモノマー、及び、ピリジニウム、イミダゾリウム、又は四級ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、又はアルキルビニルピロリドン塩などの環状カチオン性窒素含有基を有する四級ビニルアンモニウムモノマーを有していてよい。これらのモノマーのアルキル基は、好ましくは、例えば、C1〜C7−アルキル基などの低アルキル基であり、特に好ましくはC1〜C3−アルキル基である。好適な非カチオン性モノマーは、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アクリレート及びその誘導体、ビニルカプロラクトン、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、ビニルエステル、ビニルアルコール、プロピレングリコール又はエチレングリコールから選択されてよい。例えば、好適なカチオン性ヘアスタイリングポリマーは、商標名Gafquat 755N、Gafquat 734、Gafquat HS 100、Luviquat HM 550、Merquat Plus 3300、Gaffix VC 713、Aquaflex SF 40で入手できる。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、天然ポリマー由来のカチオン性ヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、天然由来ポリマーであるカチオン性ヘアスタイリングポリマーは、セルロース、澱粉、及び/若しくはグアーなどカチオン性誘導体の多糖類;キトサン、その塩、及び/若しくはその誘導体;又はこれらの混合物からなる群から選択される天然ポリマー由来である。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−24、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、キトソニウムピロリドンカルボキシレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0057】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、コンディショニング剤又はヘアコンディショニング剤を含む。架橋性組成物は、任意の好適な従来のヘアコンディショニング剤を含んでよい。本明細書の「ヘアコンディショニング剤」という用語は、毛髪に光沢を与え、毛髪をより扱いやすくし、毛髪の手触りを改善し、櫛通りを改善し、及び/又は毛髪をボリュームアップさせるような、毛髪への化粧用効果を有する、化粧用として許容可能な任意の化合物を意味する。好適なヘアコンディショニング剤は、CTFA International Cosmetics Ingredient Dictionary and Handbook,「Hair conditioning agents」,12
th edition(2008)に見い出すことができる。少なくとも1つの実施形態において、ヘアコンディショニング剤は、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン化合物、有機油性コンディショニング剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。例えば、好適なヘアコンディショニング剤は、参照することにより本明細書に組み込まれる、2008年2月11日出願の欧州特許出願公開第08151246.9号の19頁3行目〜27頁33行目に開示されているような物質である。
【0058】
少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤はカチオン性界面活性剤である。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、アミノ又は第四級アンモニウム部分を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.05%〜約3.5%、又は約0.1%〜約3.0%、又は約0.5%〜約2.5%、又は約1.0%〜約2.0%のカチオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、以下の式IIに従う。
【0059】
【化1】
式中、R
71、R
72、R
73、及びR
74のうちの少なくとも1つは、8〜30個の炭素原子の脂肪族基;7〜22個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシエチレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、又はアルキルアリール基から選択され、残りのR
71、R
72、R
73、及びR
74は、1〜22個の炭素原子からなる脂肪族基;及び最大22個の炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、又はアルキルアリール基からなる群から独立して選択され、Xは、ハロゲン基、アセテート基、シトレート基、ラクテート基、グリコレート基、ホスフェート基、ニトレート基、スルホネート基、サルフェート基、アルキルサルフェート基、アルキルスルホネート基、及びこれらの混合物から選択される。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、式IIに従う(上記を参照)。式中、R
71、R
72、R
73、及びR
74のうちの少なくとも1つは、16〜24個の炭素原子を有する脂肪族基であり、残りのR
71、R
72、R
73、及びR
74は、1〜4個の炭素原子を有する脂肪族基からなる群から独立して選択され、Xは、クロリド又はサルフェートからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、ベヘニルトリメチルアンモニウムアンモニウムクロリド、メチルサルフェート、又はエチルサルフェート;ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、メチルサルフェート、又はエチルサルフェート;及びこれらの混合物からなる群から選択される。長鎖のアルキル基は、短鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、濡れた毛髪及び乾いた毛髪に対して、改善された滑らかさと柔らかい手触りを提供すると考えられる。かかるカチオン性界面活性剤はまた、短鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、頭皮のかぶれを軽減することができると考えられる。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、ジアルキル(14〜18個の炭素)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジヒドロ添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるジ長鎖アルキルル四級化アンモニウム塩である。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、約12〜約22個の炭素のアルキル基を有する第三級アミドアミンである。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ジメチルジタローアンモニウム塩、ステアリルアミドプロピルジメチルアミン、(ジ)エステルクォート、クオタニウム8、14、15、18、22、24、26、27、30、33、37、53、60、61、72、78、80、81、82、83、84、及び/若しくは91、又はこれらの混合物からなる群から選択される。
【0060】
少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は非イオン性界面活性剤である。好適な非イオン性界面活性剤は、8未満のHLB値を有する界面活性剤であってよい。好適な非イオン性界面活性剤は、グリセリンエステル;糖エステル;アルキルポリグルコシドエーテル;オレイル−若しくはイソステアリルポリグルコシド;ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート;又はこれらの混合物から選択されてよい。
【0061】
少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤はシリコーン化合物である。少なくとも1つの実施形態において、シリコーン化合物は、揮発性若しくは非揮発性、及び/又は可溶性若しくは不溶性シリコーンである。例えば、好適なシリコーンコンディショニング剤は、商標名SF 1075メチルフェニル流体(Electric company)、DC200流体、DC244、DC245、DC345、Dow 5−7113、DC556化粧品グレード流体、DC1248(Dow Corning)で入手できる。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、(a)アミノシラン、(b)ポリシロキサン、及び任意選択的に(c)ポリエーテルの反応生成物であるコンディショニング剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、(a)アミノシラン、(b)ポリシロキサン、及び(c)ポリエーテルの反応生成物であるコンディショニング剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はコンディショニング剤を含み、このコンディショニング剤は、エポキシアミノシランコポリマー、及びポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、(a)アミノシラン、(b)ポリシロキサン、及び(c)ポリエーテル、及び任意選択的に(d)アミンの反応生成物であるコンディショニング剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサンは、エポキシでエンキャップされたポリシロキサンである。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサンは、少なくとも2個のオキシラン基又はオキセタン基を含む。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサンは、約10〜約450個のケイ素原子、又は約40〜約400個のケイ素原子、約75〜約350個のケイ素原子、約150〜約250個のケイ素原子を含む。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサンは、エポキシでエンキャップされたポリシロキサンである。少なくとも1つの実施形態において、ポリエーテルは、CH
2(O)CHCH
2O(CH
2(CH
3)CH
2O)
nCH
2CH(O)CH
2(式中、nは1〜10の整数)という平均構造を有する。少なくとも1つの実施形態において、アミンは、1〜10個の炭素原子、又は2〜5個の炭素原子を含む。少なくとも1つの実施形態において、アミンは、少なくとも1個のアルキル基で置換されるアルキルアミンである。少なくとも1つの実施形態において、アミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、エタノールアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ヘキシルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、アニリンアミノプロピルトリメチルシラン、アミノプロピルトリエチルシラン、アミノモルホリン、アミノプロピルジエチルアミンベンジルアミン、ナフチルアミン(napthylamine)3−アミノ−9−エチルカルバゾーレ、1−アミノヘプタフロロヘキサン、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロ−1−オクタンアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、アミンは、メチルエチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジエタノールアミン、ジベンジルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピロリジンフタルイミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤はエポキシアミノシランコポリマーである。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は、(a)アミノシラン、(b)ポリシロキサンであって、約10〜約450個のケイ素原子、又は約40〜約400個のケイ素原子を含むポリシロキサン、及び(c)ポリエーテル、及び(d)アミンであって、少なくとも1個のアルキル基で置換されるアルキルアミンであるアミンの反応生成物であるコンディショニング剤である。エポキシアミノシランコポリマーは、欧州特許第2214633B1号(出願日は2008年10月30日であり、この特許は参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されており、Momentive(商標)Performance Materials Inc.(Columbus,Ohio,USA)から入手可能である。エポキシアミノシランコポリマーは、優れた耐久性という利益を有する。かかる例示のエポキシアミノシラン(expoxyaminosilane)コポリマーは、アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(40.77g)、平均構造CH
2(O)CHCH
2OCH
2CH
2Si(CH
3)
2O[Si(CH
3)
2O]
50Si(CH
3)
2CH
2CH
2CH
2OCH
2CH(O)CH
2を有するエポキシでエンキャップされたポリシロキサン(171.40g)、平均構造CH
2(O)CHCH
2O(CH
2(CH
3)CH
2O)
7CH
2CH(O)CH
2を有するエポキシでエンキャップされたポリエーテル(37.83g)、及びイソプロパノール(425.68g)を500mLのフラスコで混合するという手順で合成してよい。材料を還流させ、オーバーヘッド攪拌器を使用して攪拌する。還流は、全てのエポキシ基が消費される(滴定によって判定する)まで、15.5時間継続する。材料をロータリーエバポレーターに移し、70℃、532Pa(4トル)で2時間揮散させて、イソプロパノールを除去する。別の例示のエポキシアミノシランコポリマーは、アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(14.27g)、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン(7.05g)、平均構造CH
2(O)CHCH
2OCH
2CH
2CH
2Si(CH
3)
2O[Si(CH
3)
2O]
200Si(CH
3)
2CH
2CH
2CH
2OCH
2CH(O)CH
2を有するエポキシでエンキャップされたポリシロキサン(447.87g)、平均構造CH
2(O)CHCH
2O(CH
2CH
2O)
14CH
2CH(O)CH
2を有するエポキシでエンキャップされたポリエーテル(30.81g)、及びイソプロパノール(500g)を2000mLのフラスコで混合するという手順で合成してよい。材料を還流させ、オーバーヘッド攪拌器を使用して攪拌する。還流は、全てのエポキシ基が消費される(滴定によって判定する)まで、24時間継続する。材料をロータリーエバポレーターに移し、70℃、532Pa(4トル)で2時間揮散させて、イソプロパノールを除去する。
【0062】
少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は、エポキシアミノシランコポリマー、及びポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。ポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーは、参照することにより本明細書に組み込まれる、2008年12月10日出願の欧州特許第2074986B1号に記載されている。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーは、コポリマーの主鎖に少なくとも1個のポリシロキサン配列(又はブロック)と、少なくとも1個のポリ尿素配列(ブロック)を含む。少なくとも1つの実施形態において、コポリマー中に存在するポリシロキサンの量は、ポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーの総重量に対して90重量%を超える。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーはポリウレタンを含まない。非限定例としては、コポリマーは非イオン性ポリシロキサン/ポリ尿素コポリマーであってよい。つまり、イオン化基又はイオン性基を含まない。コポリマーの例としては、非限定的に、INCI名ポリ尿素ジメチコーンを有するジメチルポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーが挙げられてよい。かかるジメチルポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーは、例えば、α,ω−アミノシリコーンとジイソシアネートとの共重合により得ることができる。これらの特性に相当するポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーは、例えば、WackerによってWacker−Belsil(登録商標)UD 60、Wacker−Belsil(登録商標)UD 80、Wacker−Belsil(登録商標)DU 140、及Wacker−Belsil(登録商標)UD 200と称して販売される製品である。少なくとも1つの実施形態において、ポリシロキサン/ポリ尿素コポリマーは非イオン性である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.05〜約20%、例えば、0.1〜15%、又は0.5〜10%のポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマーを含む。
【0063】
少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は有機油性コンディショニング剤である。少なくとも1つの実施形態において、有機油性コンディショニング剤は非揮発性、水溶性、油性、又は脂肪性である。有機油性コンディショニング剤は、炭化水素油及び脂肪エステルから選択されてよい。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は脂肪酸アルコールである。少なくとも1つの実施形態において、脂肪酸アルコールは、非揮発性の低融点脂肪酸アルコールである。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は脂肪酸アルコールであり、この脂肪酸アルコールは、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミトレイルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0064】
架橋性組成物は、少なくとも1つの直接毛髪染料を更に含んでいてもよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.01%〜約15%、又は約0.1%〜約10%、又は約0.5%〜約8%の直接毛髪染料を含む。
【0065】
架橋性組成物は、少なくとも1種類の粘度調整剤を更に含んでよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.01%〜約20%、又は約0.05%〜約10%、又は約0.1%〜約5%の粘度調整剤を含む。
【0066】
架橋性組成物は、少なくとも1種類の乳化剤及び/又は界面活性剤を更に含んでよい。少なくとも1つの実施形態において、乳化剤及び/又は界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性(amphoretic)界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.01%〜約20%、又は約0.05%〜約10%、又は約0.1%〜約5%の乳化剤及び/又は界面活性剤を含む。
【0067】
架橋性組成物は、少なくとも1種類の顔料を更に含んでよい。少なくとも1つの実施形態において、顔料は、天然顔料、合成顔料、又はこれらの混合物から選択される。顔料は、有機顔料、無機顔料、又はこれらの混合物から選択されてよい。顔料は、着色顔料、真珠光沢顔料、又はこれらの混合物から選択されてよい。当該架橋性組成物は、総架橋性組成物の約0.01重量%〜10重量%、又は約1重量%〜約2重量%の、未溶解形態で製品本体中に存在する顔料を含んでよい。架橋性組成物は、C.I.名を有するものなど水溶性成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン(phthalocianine)、植物の色、天然の色などの顔料物質を含んでよい。
【0068】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、少なくとも1種類の粒子状物質を含む。少なくとも1つの実施形態において、粒子状物質は、シリカ、シリケート、アルミネート、陶土、雲母、不溶性塩(具体的に不溶性無機金属塩)、金属酸化物、鉱物、不溶性ポリマー粒子、又はこれらの混合物から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.01%〜約10%、又は約0.05%〜約5%の少なくとも1種類の粒子状物質を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は粘土など粒子状物質を実質的に含まない。
【0069】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は少なくとも1種類の防腐剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.05重量%〜約1重量%の防腐剤を含んでよい。
【0070】
種々の追加的な任意成分が本発明の架橋性組成物に組み込まれてもよい。これらの追加成分の非限定例は、防腐剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、溶媒、芳香剤及び香料、充填剤、スクリーニング剤、臭気吸収剤、着色料、脂質小胞、洗浄性界面活性剤、増粘剤及び懸濁剤、粘度調整剤、真珠光沢剤、UVフィルター及び日焼け止め、フリーラジカル駆除剤、ポリビニルアルコール、pH調整剤、塩、着色剤、ポリマー可塑剤、直接染料、又はこれらの混合物から選択されてよい。架橋性組成物は、約0%、又は約0.1%〜約5%の抗菌剤を含んでよい。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、グリシン、L−メチオニン、L−アルギニン、ビオチン、クレアチン、及びこれらの混合物からからなる群から選択される有機酸を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は抗ふけ剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は亜鉛ピリチオンを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はパンテノールを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はワックス化合物を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は蜜蝋を含む。
【0071】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、25℃で測定したとき、約0.1mPa・s〜約1,000,000mPa・s、又は約1mPa・s〜約80,000mPa・s、又は約5mPa・s〜約3,500mPa・sの粘度を有する。粘度は、DIN 53019(MV−DIN、SV−DIN)に従う冷却/加熱容器及びセンサーシステムを有するHAAKE回転粘度計VT 550によって測定され、剪断速度は、12.9s
-1である。
【0072】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドの誘導体、メチレングリコール、ホルマリン、及び加熱時にホルムアルデヒドを生成する任意の化合物を実質的に含まない。「加熱」は、化合物の温度を25℃よりも上げることを意味する。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は0%のホルムアルデヒドを含む。少なくとも1つの実施形態において、ホルムアルデヒドの誘導体は1,3,5−トリオキサン及びパラホルムアルデヒドである。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、ホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサン、パラホルムアルデヒド、メチレングリコール、ホルマリンを実質的に含まない。ホルムアルデヒドは、安全性プロフィールを考慮すると好ましくない。ホルマリンはホルムアルデヒドの誘導体であるため、ホルマリンは有益ではない。ホルムアルデヒドは複数の形態で存在する。水中では、ホルムアルデヒドは水和して、メチレングリコールを形成する。ホルムアルデヒドの水中飽和溶液(約40%のホルムアルデヒド)はホルマリンとして一般に知られている。メタノール及び/又はメチレンジオールは、ホルマリン中で安定剤として使用でき、したがって有益ではない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は第四級アンモニウム化合物及び/又は界面活性剤を実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、セラミド化合物、αヒドロキシ酸、チオグリコレート及び/又チオラクターテ化合物、重硫酸化合物、粘土、還元剤を実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、セラミド化合物、αヒドロキシ酸、チオグリコレート及び/又はチオラクターテ化合物、重硫酸化合物を実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物はカーボネート化合物を実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、セラミド化合物、αヒドロキシ酸、チオグリコレート及び/又チオラクターテ化合物、重硫酸化合物、粘土、ホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサン、パラホルムアルデヒド、メチレングリコール、第四級アンモニウム化合物、界面活性剤を実質的に含まない。
【0073】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は約pH6〜約pH10のpHを有する。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約pH6.5〜約pH9.75、又は約pH7.0〜約pH9.5、又は約pH7.5〜約pH9.25、又は約pH8.0〜約pH9.0のpHを有する。毛髪への浸透を考慮すると、塩基性のpHが糖類に有用である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は緩衝剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、緩衝剤はホスフェート緩衝剤である。少なくとも1つの実施形態において、緩衝剤はボレート緩衝剤又はカーボネート緩衝剤である。少なくとも1つの実施形態において、緩衝剤は、グリシン/ソジウムハイドロキシド;ソジウムカーボネート/ソジウムハイドロゲンカーボネート、ソジウムテトラボレート/ソジウムハイドロキシド:ソジウムバイカーボネート/ソジウムハイドロキシド;アンモニウムクロリド/アンモニアからなる群から選択される。緩衝剤は、架橋性組成物の安定性を促進するpHの制御という利益を有する。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、アルカリ化剤及び/又はpH値調整剤を含む。架橋性組成物はプロトン化剤を更に含んでよい。プロトン化剤は、一塩基酸若しくは多塩基酸で、水溶性若しくは非水溶性の酸、及び/又は有機酸若しくは無機酸であってよい。少なくとも1つの実施形態において、プロトン化剤は、ギ酸、酢酸、硫酸、塩酸、クエン酸、及びこれらの混合物から選択される。少なくとも1つの実施形態において、プロトン化剤はクエン酸である。クエン酸は、レモンからの天然由来であるため、有用である。
【0074】
方法
第1態様及び第2態様は、ケラチン繊維の成形方法に関する。少なくとも1つの実施形態において、この方法は、工程(a)と工程(b)との間にすすぎ工程を含まない。組成物を電磁放射線に曝露する前に、ケラチン繊維から活性剤及び光触媒が洗い流された場合、本発明の有効性に役立たない。少なくとも1つの実施形態において、ケラチン繊維の機械的成形は、ヒトの頭髪又はヒトの睫毛などケラチン繊維を真直化すること、及びヒトの頭髪又はヒトの睫毛などケラチン繊維を捲縮化することからなる群から選択される。
【0075】
この方法は、架橋性組成物をケラチン繊維に塗布することを含む。実施形態に関する更なる詳細及び架橋性組成物の説明は、上記に記載されている。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、時間Xにわたってケラチン繊維に留まっており、時間Xは約2min〜約60min、又は約5min〜約30minである。
【0076】
この方法は、器具又は装置を使用する。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、加熱素子を含む直毛化器具である。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、加熱素子を含む縮毛化器具である。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、加熱素子と、毛髪を電磁放射線に曝露するための電磁放射線源と、を含む直毛化器具である。少なくとも1つの実施形態において、この装置は、コーミング又はブラッシング手段であり、架橋性組成物は、ランプなど独立した電磁放射線源を使用して、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線に曝露される。少なくとも1つの実施形態において、この器具は発光ダイオードを含む。
【0077】
架橋性組成物は、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線に曝露される。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、約310nm以上、又は約320nm以上、又は約330nm以上、又は約340nm以上、又は約350nm以上、又は約360nm以上、又は約370nm以上、又は約380nm以上、又は約390nm以上、又は約400nm以上、又は約410nm以上、約740nm以下、又は約730nm以下、又は約720nm、又は約710nm以下、又は約700nm以下、又は約690nm以下、又は約680nm以下、又は約670nm以下、又は約650nm以下、又は約640nm以下の波長を有する。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、380nm〜約550nmの波長を有する。
【0078】
単位面積当たりのワット数単位での電磁放射線の電力である放射照度は、m
2当たりのワット数、つまりW/m
2という単位を有する。したがって、放射照度は、電磁放射線の強度の測定値である。光度は、照度の単位であるルクス(lx)でも測定できる。1lx=約1.5×10
-7W/cm
2(555nmにて)平均的な実験室空間又はオフィス空間は、約200lx〜約1000lxの光度、すなわち、約2.9×10
-5W/cm
2〜約1.4×10
-4W/cm
2の放射照度を有するであろう(555nmにて)。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、少なくとも約1×10
-3W/cm
2、又は少なくとも約5×10
-3W/cm
2、又は少なくとも約1×10
-2W/cm
2、又は少なくとも約5×10
-2W/cm
2、又は少なくとも約1×10
-1W/cm
2、又は少なくとも約5×10
-1W/cm
2の放射照度を有する。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、少なくとも約1000lx、又は少なくとも約2000lx、又は少なくとも約3000lx、又は少なくとも約4000lx、又は少なくとも約5000lx、又は少なくとも約6000lx、又は少なくとも約7000lx、又は少なくとも約8000lx、又は少なくとも約9000lx、又は少なくとも約10000lx、又は少なくとも約20000lx、又は少なくとも約30000lx、又は少なくとも約40000lx、又は少なくとも約50000lx、又は少なくとも約60000lx、又は少なくとも約70000lx、又は少なくとも約80000lxの照度を有する。
【0079】
少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、周辺光、太陽光、白色光、蛍光灯、LED光、レーザー光、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は、可視光、近若しくは遠紫外光、又は近若しくは遠赤外光、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、電磁放射線は光線である。少なくとも1つの実施形態において、好適な光線は、基材表面を照射可能な任意の供給源から提供されてよい。少なくとも1つの実施形態において、光線は、周辺太陽光、白色光、蛍光灯からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、光線は、ランプ及び携帯型又は電池式の光線などの従来の供給源により提供される。特定の装置が、本明細書に記載の架橋組成物及び方法で用いるために開発又は適合されてよい。少なくとも1つの実施形態において、器具は、LEDを組み込むように構成されている毛髪用ブラシである。少なくとも1つの実施形態において、光線はレーザー光である。レーザーは、例えば、正確な照準をもたらすために使用されてよい少なくとも1つの実施形態において、器具は、ハイブリッド型の熱及び光線を提供する直毛化アイロンである。
【0080】
少なくとも1つの実施形態において、工程(a)を実行し、続いて工程(b)を実行する。工程(b)は、架橋性組成物をケラチン繊維に塗布する工程と、器具又は装置を使用してケラチン繊維を機械的に成形する工程と、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露する工程と、を含む。少なくとも1つの実施形態において、工程(b)は、(i)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布する工程と、続いて、(ii)器具を使用してケラチン繊維を機械的に成形し、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露する工程と、を含む。少なくとも1つの実施形態において、工程(b)は、(i)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布する工程と、続いて、(ii)器具を使用してケラチン繊維を機械的に成形し、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露する工程と、を含む。少なくとも1つの実施形態において、工程(b)は、(i)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布する工程と、続いて、(ii)器具を使用してケラチン繊維を機械的に成形することであって、この器具の温度は約50℃〜約250℃、又は約80℃〜約180℃であり、次いで、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露する工程と、を含む。
【0081】
少なくとも1つの実施形態において、(b)は、器具の温度を約80℃〜約180℃の温度に上げる工程を含む。少なくとも1つの実施形態において、(b)は、器具の温度を約50℃〜約250℃の温度に上げる工程を含む。少なくとも1つの実施形態において、(b)は、器具の温度を約50℃以上、又は約60℃以上、又は約70℃以上、又は約80℃〜約220℃、又は約200℃以下、又は約180℃以下、又は約170℃以下、又は約160℃以下、又は約150℃以下、又は約140℃以下、又は約130℃以下の温度に上げる工程を含む。
【0082】
少なくとも1つの別の実施形態において、架橋性組成物は、ケラチン繊維の塗布前に準備するのではなく、ケラチン繊維上で形成される。例えば、架橋性配合物は活性剤を含み、化粧用として許容可能なキャリアをケラチン繊維に塗布し、続いて、光触媒を含む光触媒配合物をケラチン繊維に塗布する。
【0083】
第1態様
少なくとも1つの実施形態において、第1態様はケラチン繊維を成形する方法に関し、この方法は、
(a)架橋性組成物を準備する工程であって、この架橋性組成物は、
−活性剤であって、アラビノースである活性剤と、
−ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒と、
−化粧用として許容可能なキャリアと、を含み、
この架橋性組成物は、750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されていない、工程と、
(b)架橋性組成物をケラチン繊維に塗布し、器具を使用してケラチン繊維を機械的に成形し、約300nm〜約750nmの波長を有する電磁放射線にこの組成物を曝露する工程と、を含む。
【0084】
少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は粘度調整剤と、コンディショニング剤と、を更に含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は約pH8〜約pH10のpHを有する。
【0085】
第2態様
第2態様は、ケラチン繊維を成形する方法に関し、この方法は、(a)固体組成物を準備する工程であって、この固体組成物は活性剤であって、この活性剤は糖類であり、この活性剤は500g/mol以下の分子量を有する、活性剤と、ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒と、を含む、工程と、次いで、この固体組成物を化粧用として許容可能なキャリアと混合して、架橋性組成物を形成する工程と、を含む。この架橋性組成物は本明細書に記載される。第2態様は、固体組成物が750nm以下の波長を有する電磁放射線に30分以上曝露されていないことが要件ではないという利点を有する。これは、固体形態では、750nm以下の波長を有する電磁放射線に曝露されたとしても、光触媒は、例えば容器の包装材料など望ましくない材料とは反応できないためである。固体組成物は、25℃において固体である。
【0086】
第3態様−架橋性組成物
第3態様は、活性剤と、ヒドロキシ置換芳香族化合物である光触媒と、を含む架橋性組成物に関するものであり、このヒドロキシ置換芳香族化合物多環式である。架橋性組成物は、本明細書において広範囲にわたって記載されており、これらの特徴は、第3態様と完全に適合し、結合できる。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は固体組成物である。固体組成物は本明細書に記載されており、これらの特徴は、第3態様と完全に適合し、結合できる。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は化粧用として許容可能なキャリアを含む。
【0087】
第4態様−使用法
第4態様は、ケラチン繊維を成形するための架橋性組成物の使用法に関する。架橋性組成物は、本明細書において広範囲にわたって記載されており、これらの特徴は、第4態様と完全に適合し、結合できる。少なくとも1つの実施形態において、この使用は、ケラチン繊維の真直化を目的する。少なくとも1つの実施形態において、この使用は、ケラチン繊維の機械的成形を目的とする。少なくとも1つの実施形態において、ケラチン繊維の機械的成形は、ヒトの頭髪又はヒトの睫毛などケラチン繊維を真直化すること、及びヒトの頭髪又はヒトの睫毛などケラチン繊維を捲縮化することからなる群から選択される。
【0088】
第5態様−キット
第5態様はキットに関する。このキットは、活性剤を含む架橋性配合物を含み、この活性剤は糖類であり、この活性剤は500g/mol以下の分子量を有する。この活性剤は、本明細書において広範囲にわたって記載されており、これらの特徴は、第5態様と完全に適合し、結合できる。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は化粧用として許容可能なキャリアを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は液体形態である。少なくとも1つの実施形態において、架橋性組成物は、約0.1%〜約99%、又は約1%〜約98%、又は約10%〜約97%、又は約30%〜約95%の水を含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物はコンディショニング剤を含む。このコンディショニング剤は、本明細書において広範囲にわたって記載されており、これらの特徴は、第5態様と完全に適合し、結合できる。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は約pH6〜約pH10のpHを有する。少なくとも1つの実施形態において、コンディショニング剤は、エポキシアミノシランコポリマー、及びポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は、約0.01重量%〜約10重量%、又は約0.1重量%〜約8重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%のヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、架橋性配合物は固体である。
【0089】
このキットは、光触媒を含む光触媒配合物を含み、この光触媒はヒドロキシ置換芳香族化合物である。光触媒は、本明細書において広範囲にわたって記載されており、これらの特徴は、第5態様と完全に適合し、結合できる。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は多環式である。少なくとも1つの実施形態において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、8−キノリノール−1−オキシド、8−ヒドロキシキノリン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、光触媒配合物は固体形態である。
【0090】
少なくとも1つの実施形態において、このキットは、ケラチン繊維を機械的に成形するための器具を含む。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、LEDを組み込むように構成されているヘアブラシである。少なくとも1つの実施形態において、この器具は、ハイブリッド型の熱及び光線を提供する直毛化アイロンである。
【0091】
第6態様−プロセス
第6態様は、架橋性組成物を形成するプロセスに関する。架橋性組成物は、本明細書において広範囲にわたって記載されており、これらの特徴は、第6態様と完全に適合し、結合できる。少なくとも1つの実施形態において、混合することは、かき混ぜ、例えば攪拌による。少なくとも1つの実施形態において、光触媒は固体形態である。
【0092】
代替態様
代替態様は上記の態様に関するが、光触媒は、スルホン化ピレン化合物、オニウム塩、ジアゾメタン誘導体、ビススルホネート誘導体、ジ硫黄(disulfuno)誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、N−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステル、グリオキシム誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。ある種のその他の実施形態では、光触媒は、8−ヒドロキシ−1,3,6−ピレントリスルホン酸三ナトリウム塩(D&Cグリーン8)である。代替態様の少なくとも1つの実施形態において、光触媒は光塩基性である。光塩基触媒としては、例えば、マラカイトグリーンなどのトリチルアルコールの誘導体を挙げることができる。光塩基触媒としては、例えば、9−ヒドロキシ−10−メチル−9−フェニル−9,10−ジヒドロアクリジンなどのアクリジン誘導体も挙げることができる。光塩基触媒としては、光活性カルバメート含有化合物も挙げることができる。
【実施例】
【0093】
以下の実施例は、本発明の範囲内の実施形態を更に説明及び実証するものである。本発明にはその範囲から逸脱することなく多くの変形形態が可能であることから、これらの実施例はあくまで例示を目的として与えられるものであり、本発明を制限するものとして解釈すべきではない。
【0094】
【表2】
凡例:
1=ソジウムベンゾエート、
2=Acusol 823(Rohm and Haasより)、疎水変性アルカリ可溶性アクリルポリマーエマルション(HASE)、
3=Momentive(商標)Performance Materials Inc.(Columbus,Ohio,USA)から入手可能である、欧州特許第2214633B1号(2008年10月30日出願)に記載のエポキシアミノシランコポリマー
4=pH10緩衝液は、VWRなどの供給元から入手可能である、標準的なpH較正緩衝液である。あるいは、水を使用し、pHを変更できる。架橋性組成物Eは固体形態である。*=脱イオン水中での混合後の重量%。
【0095】
架橋性組成物A〜Dは、通常、約pH8〜10である。
【0096】
データ
本発明の架橋性組成物について、直毛化効果を試験する。低リフトの天然縮毛の房毛を使用する。これらをPanteneクラリファイングシャンプーでシャンプーして、毛髪を、結果に影響を及ぼし得る残留物のない清潔な状態にする。次いで、この房毛をすすぐ。房毛を絞ることにより、毛髪から過剰な水分を除去する。房毛は、暗室で事前に調製した架橋性組成物で処理する。架橋性組成物は、5%の活性剤と、100ppmの8−ヒドロキシキノリンと、100ppmの8−キノリノール−1−オキシドと、pH10で中和したQSP水と、を含む。これらの成分をスピナープレート上で30分間混合する。この架橋性組成物を琥珀色瓶又は電気テープで覆われた瓶中に保管して、架橋性組成物に光が到達しないようにする。毛髪1g当たり0.25gの架橋性組成物を使用する。架橋性組成物は30分間髪に付着したままにする。対照実験として、全く同一に処理するが、房毛には架橋性組成物を塗布しない。対象房毛は、湿らせた状態で30分間置く。この時間の経過後、毛髪をブローし、ブラッシングする。次いで、ハイブリッド型の光線及び熱放出真直化アイロン(121℃[250°F]、380nmでUV光を放出)を使用して8パスで房毛を機械的に真直化する。次いで、房毛を撮像する。持続性をシミュレーションするために、次いで、房毛に1回の洗浄乾燥サイクルを施す。1回の洗浄乾燥サイクルは、Hairtritionシャンプー(Zotosからのサルフェートを含まない、Hairtrition Color Protectシャンプー)を使用してシャンプーすることと、ゆすぐことと、次いでホットボックス内で乾燥させることと、を含む。房毛を乾燥させたら、もう一度撮像する。次いで、房毛に更に4回の洗浄乾燥サイクルを施す。房毛を乾燥させたら、もう一度撮像する。専門評価者は、房毛の画像に0〜10の尺度でスコアを与える。この尺度は、4〜5ノードの捲縮を有する縮毛が0スコアとなり、極めて直毛が10となる、標準的な尺度セットである。したがって、房毛は標準状態の毛髪と比較する。専門評価者を採用することにより信頼性が確保される。これは、評価者が、一貫した方法で、毛髪の構成を真直から捲縮まで測定/計測するようにトレーニングを受けているためである。
図1によると、斜め方向の陰影線を有する棒は、1回の洗髪乾燥サイクル後の専門評価者によるスコアを示し、水平方向の陰影線を有する棒は、5回の洗髪乾燥サイクル後の専門評価者によるスコアを示す。破線の陰影線を有する棒が示されている場合、これらは、10回の洗髪乾燥サイクル後の専門評価者によるスコアを示す。
【0097】
図2では、房毛は、アラビノースを含む架橋性組成物を使用して処理するが、様々な方法で処理する房毛を比較する。上記と同様の手順に従う。熱及び/又はUV光の効果を評価する。
【0098】
ケラチン繊維と同様に睫毛に関しては、以下の手順を実行する。つまり、使用する睫毛は人工睫毛であり、頭髪を棒に接着し、人工的に成形し、睫毛のように見えるように乾燥させて作製した。睫毛は、曲げられている。まず、クラリファイングシャンプーで睫毛を洗浄して清潔な状態にし、全ての残留物を除去する。20%のアラビノース、100ppmの8−ヒドロキシキノリン、100ppmの8−キノリノール−1−オキシド、及びpH10で中和したQSP水からなる架橋性組成物に睫毛を浸す。睫毛は、架橋性組成物に一晩浸す。その後、例えば、ピンセットを使用して睫毛を真直化する、又はこれらを捲縮化するなどによって睫毛を成形する。この段階後、睫毛の「後方」半分をホイルで包む。次いで、睫毛を光線(UV LED)に1分間曝露する。ホイルに包まれた部分の睫毛は、UV光を受けない。Olay顔用ワイプを使用して睫毛を拭いて、消費者の洗浄工程をシミュレートする。次いで、Olay顔用ワイプを使用して睫毛を更に拭いて、消費者の洗浄工程を更にシミュレートする。この工程の様々な時点で、睫毛を撮像する。
図3には、これらの試験の結果を示す。列1の画像は処理直後に撮像したものであり、列2の画像は1回の洗浄後であり、列3の画像は5回の洗浄後である。行Aでは、カメラに近い方の睫毛の半分がUV光を受けた。行Bでは、異なる角度から同一の睫毛を撮像した。ここでは、睫毛の右半分がUV光を受けた。これらのデータからの結論:UV光に曝露された部分の睫毛は、UV光に曝露されなかった部分の睫毛よりも著しく長持ちする成形を示す。
【0099】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0100】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願を含む、本明細書で引用される全ての文献は、明示的に除外又は別途限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書に開示若しくは特許請求される任意の文献に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは任意の他の参照との任意の組み合わせで任意のこのような実施形態を教示、提案、若しくは開示することを認めるものではない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と競合する程度に、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0101】
特定の実施形態が本明細書で図示及び説明されたが、請求される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正がなされ得ることを理解されたい。更に、請求される主題の様々な態様が本明細書で説明されたが、このような態様は組み合わせて利用される必要はない。したがって、添付される特許請求の範囲は、請求される主題の範囲内に属する全てのこのような変更及び修正を網羅することが意図される。