【課題を解決するための手段】
【0008】
発明および有利な構成
この課題は、特許請求項1に記載の装置、特許請求項11に記載の方法、および、請求項15に記載のコンピュータプログラムによって達成される。有利な構成は、それぞれ従属特許請求項の対象物である。
【0009】
この点で、ここで設けられている装置は、担体装置に軸支された物体を幾何学的に計測するために形成されている。この装置は、とりわけ反射する物体、例えば、レンズの厚さ計測およびウェッジエラー測定に適している。この装置は、基部、および、これに配置されていてかつ物体を軸支する担体装置、ならびに、担体装置に対してないし基部に対して固定可能ないし固定された少なくとも1つの参照物体を有する。
【0010】
この装置には、さらに距離計測装置が設けられていて、これを用いて、位置固定の参照物体と、物体のこの参照物体側の表面との間の距離が測定可能である。この距離計測装置を用いて、参照物体に対する物体の表面輪郭も導き出されうる。さらに、この装置は、上面と下面とを有する物体保持部を有する。物体保持部には、計測されるべき物体が固定可能である。この際、物体保持部は、任意選択的に第1方位と第2方位で担体装置に配置可能である。典型的には物体保持部は、その上面またはその下面で担体装置に軸支可能、ないし、担体装置に固定可能である。そして、上面および下面のうちの、担体装置に対してそれぞれ逆側の面は、距離計測装置側にあり、その結果、物体保持部の上面または下面に割り当てられている物体の表面は、物体保持部の該当する方位で、距離計測装置を用いてスキャン可能である。
【0011】
この場合、走査とは、距離計測装置側の、物体の計測されるべき表面の、点での二次元の走査を意味する。距離計測装置と物体保持部とは、物体の表面を走査するために、互いに対して相対的に可動である。物体保持部は、その上面およびその下面に、物体保持部と距離計測装置との相対移動に対応する参照構造部をそれぞれ1つ有する。
【0012】
物体を物体保持部に固定することにより、典型的には対向し互いに逆側の表面を備えた物体は、物体保持部の参照構造部に対しても固定されている。例えば上面側の物体の表面を走査する時には、典型的には物体保持部の上面に設けられている上方参照構造部が、同様にスキャン可能である。同じことが、物体の対向する表面と、これに従って物体保持部の下面に設けられている下方参照構造部とに該当する。
【0013】
物体保持部に構成された参照構造部を用いて、物体の対向する表面、典型的には上面および下面の形態の表面が、順々にそれぞれ物体保持部側にある参照構造部と共にスキャン可能となる。したがってこのようにして生成された表面の画像中には、関連する表面に割り当てられた参照構造部の少なくとも1つの部分が必ず備わって含まれる。参照構造部は、このスキャンされた表面の画像中で識別可能である。物体の対向する表面について連続的におよび順々に行われたスキャンプロセス、および、ここで生成された表面画像は、それぞれ物体保持部の上面および下面で形成された参照構造部を用いて、互いに関連づけられうる。
【0014】
順々に導き出されうる表面画像の、とりわけ物体の対向する表面の姿勢および相互の位置合わせは、このようにして、計算機で互いに割り当てられ、かつ、少なくとも仮想的に3次元で物体を模造するために互いに対して関連づけられる。物体の対向する表面画像を少なくとも仮想的に割り当てることにより、輪郭を導き出し、かつ、物体の厚さを測定することが可能になる。さらに、少なくとも2つの参照構造部が設けられた物体保持部を用いて、物体のウェッジエラーも精確に導き出しうる。
【0015】
距離計測装置は、典型的には光学的なしたがって非接触の距離計測装置として構成されている。しかし、本発明は、決して光学走査方法に限定されるのではない。したがって、距離計測装置は、同様に触覚性走査装置としても構成可能である。
【0016】
物体の表面の走査は、様々な様式で行うことができる。物体が参照物体に対して静止し続ける一方で、距離計測装置が、物体の幾何学形状ないし表面輪郭のいずれかに対応して、物体に対してないし担体装置に対して相対的に、少なくとも2次元または3次元でさえのスキャン移動を行うことも考えられうる。当然、逆も考えることができ、距離計測装置が参照物体に対して静止していて、距離計測装置と物体との相対移動のみが、対応する物体保持部の距離計測装置に対する移動により行われることも考えられる。しかし、装置的にも計測技術的にも、組み合わせられた構成が有利であることは明らかであり、距離計測装置も物体も、参照物体に対して規定された移動をしうる。
【0017】
本発明のさらなるある構成では、物体保持部は、物体用の収容領域の外側で、その上面に上方参照構造部を有し、同様に物体用の収容領域の外側に、その下面に下方参照構造部を有する。物体用の収容領域は、貫通開口を有することができ、その中に、例えば、光学レンズの形態で構成された物体が取り外し可能に配置可能である。収容領域中またはこれに接する位置で、この物体は、典型的には上面が、物体保持部の上面と位置合わせされている。下面では、この物体は、さらに物体保持部の下面と位置合わせされていて、したがって、物体保持部に配置されている。このようにして、物体の上面は、上方参照構造部と共にスキャンされ、その輪郭が導き出されうる。この点は、物体の下面と、物体下面に割り当てられた下方参照構造部とにも同様に該当する。
【0018】
さらなるある構成によれば、上方参照構造部は、物体の、物体保持部の上面に設けられている表面と共にスキャン可能であり、かつ、下方参照構造部は、物体の、物体保持部の下面に設けられている表面と共にスキャン可能である。物体上面と物体下面とは、物体保持部の方位に応じて、上方ないし下方参照構造部をそれぞれ備えた担体装置においてスキャンされうる。
【0019】
上方または下方参照構造部を、物体の上面または下面と共にスキャンするとは、必ずしも同時にスキャンすることを意味しない。1つの同じスキャン過程で、まず例えば、上方参照構造部をスキャンし、その後この参照構造部に割り当てられた、物体の上側の表面をスキャンすることも十分可能である。そこで、後続の工程で、物体保持部が第1方位から第2方位に移行し、その後後続のスキャン過程中で、同様に対応する下方参照構造部と、物体の下面とを、同時にまたは連続的にスキャンする。参照構造部のスキャンと、これに関連する物体の表面のスキャンとの間で、物体保持部の方位転換は生じないので、このようにして得られた表面画像は、常に対応する参照構造部に関連づけられている。
【0020】
双方の参照構造部同士の関係はわかっていて、または較正により導き出されうるので、上方および下方参照構造部に対応する領域を、物体の上方および下方表面画像内に割り当てることにより、物体の対向する表面画像の相互で精確な割り当てを行いうる。この割り当てから、物体の多様で幾何学的なサイズおよび特性、例えば、物体の厚さや、厚さ輪郭やウェッジエラーも測定できる。
【0021】
さらなるある構成によれば、装置は、さらに制御部を有し、この制御部を用いて、物体の互いに対向する表面であって、物体保持部の上面と下面とに設けられていてかつ距離計測装置を用いてスキャンされる表面が、物体表面と共にスキャンされる上方および下方参照構造部に互いに割り当て可能である。
【0022】
制御部は、とりわけコンピュータで実装されて構成されている。この制御部は、一方では、距離計測装置と計測されるべき物体との相対移動、およびしたがって物体表面端面の走査を制御しうる。これに加えて、この制御部は、距離計測装置を用いて導き出されうる表面画像を電子的に処理し、このようにして得られた表面画像中で参照構造部を識別することにより、表面画像を相互に割り当てることも、および、ここから由来するデータおよび幾何学的なパラメータを決定することもできる。
【0023】
制御部を用いて、計測方法をほぼ全自動的におよび/またはプログラムで制御して進めることも可能である。
【0024】
さらなるある構成によれば、物体保持部は、その上面とその下面との間で、外側からアクセス可能である外側参照構造部を有する。この外側参照構造部は、上方および下方参照構造部のように、好適には物体保持部と距離計測装置との間で行われる相対移動に対応して伸張する。上面および下面に設けられている上方および下方参照構造部を用いて、物体保持部に配置されている物体を、距離計測装置への距離に関して参照を行う一方で、外側参照構造部を用いて、物体保持部と距離計測装置との相対移動に関するさらなる参照を、スキャン過程の間に提供することができる。
【0025】
担体装置において回転可能に軸支された物体の計測時に、外側参照構造部を用いたこの種の参照は、とりわけ回転対称ではない物体の場合には、特に重要である。とりわけこれにより仮想的な表面画像の横方向の位置ずれ、すなわち、スキャン時に回転する物体の回転軸に垂直の方向での位置ずれが補償されうる。
【0026】
さらなるある構成によれば、距離計測装置は、平面(x、z)中で、参照物体および担体装置のうちの少なくとも1つに対して相対的に可動である。この平面は典型的には計測面を形成するが、この計測面中では、距離計測装置が、担体装置に対して相対的に、したがって物体に対しても相対的に、また、少なくとも1つの位置固定の参照物体に対しても相対的に可動である。典型的には2つの参照物体は、互いに対して距離をあけて設けられていることができ、これらを用いて距離計測装置の位置測定は、この平面中で、互いに対して固定された双方の参照物体に対して相対的に行われうる。計測されるべき物体の具体的な幾何学的な構成に応じて、例えば、距離計測装置を、参照物体に対して相対的ないし担体装置に対して相対的に、1次元のみでほぼ並進的に可動とすることも考えられうる。
【0027】
距離計測装置が平面中で可動であることにより、装置には高い柔軟性が与えられる。距離計測装置が二次元で可動であることにより、異なる物体の幾何学的な計測について、普遍的で多様に採用することが可能になる。
【0028】
さらなるある構成によれば、物体保持部は、担体装置に対して回転可能に軸支されている。物体保持部の回転軸は、この場合、典型的には距離計測装置の計測面中にあり、または、この計測面に対して平行に伸張している。物体保持部を担体装置で回転可能に軸支することは、とりわけ回転対称の物体を計測するには、計測技術的な観点から有利である。担体装置で回転する物体は、距離計測装置により、物体の回転運動時に、半径方向で外側から内側へまたは内側から外側へ走査されないし非接触でスキャンされうる。
【0029】
さらなるまたは代替となるある構成によれば、さらに物体保持部は、担体装置に対して線形で並進的に軸支されていると考えることができる。物体保持部の並進移動は、この際、典型的には距離計測装置の計測面に対して垂直でまたは所定の角度をとって伸張する。担体装置に物体をこのように並進的に軸支することは、とりわけ段階的なスキャンまたは円柱対称形状である物体(例えば、シリンドリカルレンズ)の走査にとって有利であることが明らかである。この場合、とりわけ、計測されるべき物体の縦軸が、担体装置の並進軸方向と位置合わせされていて、これに従って、物体が物体保持部に配置されているように設けることができる。
【0030】
さらなるある構成によれば、距離計測装置は、参照物体に対して可動である保持部を有し、この保持部に、参照体と、第1距離センサーと、第2距離センサーとが配置されている。第1および第2距離センサーは、この際、参照体に対して回転可能に軸支されている。距離センサーを回転可能に軸支することは、とりわけ計測されるべき物体表面に対する直交条件を設定するために有利である。
【0031】
とりわけ距離計測装置ないしその距離センサーと、物体の計測されるべき表面との間の距離を、精確に導き出すことができるために、関連するセンサーを、計測されるべき表面に対して実質的に直交して位置合わせし、その位置合わせを、計測されるべき物体の輪郭に応じて合わせなければならない。このように合わせるために、センサーの並進移動も回転運動も行うべきであろう。空間中の距離センサーの並進移動および位置は、保持部に配置されていて参照物体に対して位置合わせされた少なくとも1つのさらなる距離センサーを用いて、少なくとも1つの参照物体に対して十分高精度で問題なく導き出しうる一方で、センサーの回転ないしひっくり返しは、計測技術的な観点では、問題があることがわかっている。
【0032】
可動な保持部に参照体を配置して設けることは、距離センサーを旋回可能に軸支しているにも関わらず、精確な距離測定にとっては極めて有利であるが、これは、特許文献1にすでに記載されている通りである。
【0033】
典型的には第1および第2距離センサーは、互いに固定されて配置されている。第1距離センサーは、装置の作動中に、物体の計測されるべき表面の方向を向いている一方で、第2距離センサーは、典型的には直径方向で逆方向で、参照体側にある。参照体は、双方の距離センサーの回転運動に対応しかつシステム全体でわかっているないし予め較正により導き出された参照面を有し、その結果、直径方向で逆方向で位置合わせされた双方の第1および第2距離センサーを用いて、物体の計測されるべき表面上の選択された点から、計測装置の保持部の参照体までの相対的な距離が測定可能である。
【0034】
保持部自体は、少なくともすでに述べたさらなる距離センサーを用いて、少なくとも1つの参照物体に対するこのさらなる距離センサーまでの位置に関して、空間中で参照されている。保持部の姿勢は、1つまたは複数の補充の距離センサーを用いて、上述の少なくとも1つの参照物体ないし複数の参照物体に対して、精確に測定可能である。
【0035】
保持部の参照体の参照面は、例えば実質的に円セグメント様の幾何学形状を備えた凹面鏡として構成可能である。この際、この凹面鏡の中心点は、典型的には距離計測装置の回転軸と、すなわち、第1および第2距離センサーの共通の回転軸と一致しうる。
【0036】
さらなるある構成によれば、第3の距離センサーとして構成された少なくとも1つの参照センサーが保持部にあり、これを用いて、参照物体に対する保持部の相対的な距離または位置合わせが測定可能である。この参照物体は、この際、距離センサーに対応した典型的に反射する参照面を有する。
【0037】
この距離計測装置を用いれば、物体の計測されるべき表面の個々のないし複数の点の、装置の保持部の参照体へのないし距離計測装置への相対的な距離が測定可能である。少なくとも1つの参照センサー(これも同様に距離センサーとして形成されている、さらなる第2参照センサー)を用いて、少なくとも1つのまたは複数の参照物体に対する、保持部の相対的な位置または姿勢を精確に測定できる。
【0038】
距離センサーないし参照センサーは、物体または参照体または参照物体までの距離を、多重波長計測原理を用いて測定するために、典型的には異なる波長の複数の光源と結合されている。この種のヘテロダイン計測方法により、ナノメータ領域およびサブナノメータ領域での分解能での非常に精確な距離計測が可能になり、さらに、ミリメータ領域までの計測結果の一意性の領域が提供されうる。好適には光源として、ほぼ単色レーザが設けられていて、その波長は、1520〜1630nmの範囲である。典型的には用いられるレーザ波長領域は光学通信スペクトルのS、CまたはL帯にある。しかし、基本的に可視領域および/またはUVスペクトル領域の波長も考えられうる。
【0039】
原理的には、本発明は、1つの波長のみで動作する距離計測装置用にも実装可能である。しかし、多重波長計測方法を用いると、受信信号の一意性領域を明らかにより拡大することが可能である。物体表面から反射された光線の各位相または位相位置は、波長選択的に検出され、電子評価の過程で距離の測定のために処理される。
【0040】
距離センサーは、さらに光ファイバーで、関連する光源と結合可能である。場合によっては生じうる環境に起因するノイズの影響は、このようにして、最低限まで限定可能である。
【0041】
さらなる態様によれば、本発明は、さらに、上述の装置を用いた物体の幾何学的な計測方法に関する。ここで、第1工程では、計測されるべき物体が設けられた物体保持部を、第1方位で、計測装置の担体装置に配置する。続く工程では、その後、物体の第1表面と、物体保持部の上方(通常は、距離計測装置側の)参照構造部とを、距離計測装置を用いてスキャンし、かつ、物体とこれに関連する参照構造部との第1表面画像を生成する。
【0042】
その後、物体保持部を、典型的には裏返しの第2方位で担体装置において配置し、その後、同様の様式で、第1表面に対向して配置された物体の第2表面をも、上方参照構造部とは逆側の物体保持部の下方参照構造部をも、距離計測装置を用いて、第2表面画像を生成するためにスキャンされる。
【0043】
後続の工程中では、第1および第2表面画像中の上方および下方参照構造部に基づいて、第1および第2表面画像の割り当てを行い、したがって、対応する表面画像中に含有された、物体の各表面を表す計測値が割り当てられうる。この割り当てにより、計測された物体の複数の幾何学的なパラメータを決定可能である。したがって、とりわけ、物体の厚さ、表面についての厚さ輪郭、および、物体のウェッジエラーも精確に導き出され、かつ決定できる。
【0044】
これのさらなる構成によれば、物体の第1および第2表面のスキャンならびにそれぞれの関連する参照構造部のスキャンは、時間的に順々に距離計測装置を用いてそれぞれ行われる。例えば上方参照構造部の連続的な走査と、これに続く物体の上面とのスキャンは、1つの同じ距離計測装置を用いて行うことができ、その結果、この方法の実施にかかる装置コスト、および、装置の実装にかかる装置のコストを、最低限まで低減することができる。
【0045】
しかし、基本的に、物体の表面を、物体保持部の割り当てられた参照構造部と共に同時にスキャンすることも考えられる。しかし、この際、相応の距離センサーと、その信号とを、わかっているように確実に固定的に関連づけうる。
【0046】
さらなる構成によれば、この上方および下方参照構造部のうちの少なくとも1つ、または、物体の表面のうちの少なくとも1つを、物体保持部の外側参照構造部と共にスキャンするように設けられている。この外側参照構造部は、物体保持部の外側縁または外側に存在する。この種の方法は、とりわけ回転対称ではない物体の場合に重要である。さらに、これにより順々に異なる方位で計測された表面画像の、場合によっては生じうる横方向の変位を補償しうる。このようにして、物体を担体装置の回転軸に、絶対的に精確でかつ中央で軸支する要件も減らすことができるので有利でありうる。
【0047】
この方法のさらなるある構成によれば、少なくとも1つの参照構造部のスキャンと、物体の少なくとも1つの表面のスキャンとを、同じ距離計測装置を用いて行う。このようにして、1つのみの距離計測装置(これは、典型的には直径方向で反対側に位置合わせされた上述の2つの距離センサーを利用する)を用いて、参照構造部も、参照構造部にそれぞれ割り当てられた物体の表面も、精確に計測できる。装置のコストは、この際、限度内に保つことができる。
【0048】
この方法のさらなるある構成によれば、物体の第1および第2表面画像を相互に割り当てる工程から、少なくとも物体の厚さおよび/または物体のウェッジエラーを導き出す。厚さおよび/またはウェッジエラーの導出は、この場合、典型的には計算機で支援されて行われる。第1および第2表面画像の割り当ては、各表面画像により記録された参照構造部に基づいて行われ、これらの参照構造部の姿勢は互いにわかっている、または、その姿勢は装置の始動時の較正により互いに決められる。
【0049】
さらに、冒頭で説明した装置は、ここで説明する方法を実施するために設けられていて、用いられうる点に留意するべきである。この限りで、装置について挙げた全特徴および利点は全て、同様にこの方法についても該当し、逆もまた該当する。
【0050】
さらなる態様によれば、本発明は、さらにコンピュータプログラムに関し、これは、典型的には上述の装置の制御部中で動く。このコンピュータプログラムは、この種の物体の上述の計測装置に基づいて物体の幾何学的な計測のために機能する。
【0051】
このコンピュータプログラムは、物体の第1表面をスキャンするため、および、第1方位で担体装置に配置されている物体保持部の上方参照構造部をスキャンするためのプログラム手段を有する。
【0052】
同様に、このプログラム手段は、物体の第2表面と、第2方位で担体装置に配置されている物体保持部の下方参照構造部とをスキャンするためにも形成されている。このプログラム手段は、さらに、物体の第2表面画像を生成するために構成されている。この第2表面画像は、計測されるべき物体の、第1表面画像とは逆側の表面を映す。
【0053】
コンピュータプログラムは、さらに第1および第2表面画像を、上方および下方参照構造部に基づいて割り当てるプログラム手段を利用可能である。このコンピュータプログラムは、とりわけ、計測された表面画像内で上方および下方参照構造部を識別し、表面画像を、固定されてわかっている関係で互いに置かれている参照構造部に基づいて、少なくとも仮想的に重畳させるように形成されている。この重畳から、物体の表面および空間の非常に精確な再構成が可能になり、これから、物体の表面についての厚さ輪郭も、物体のウェッジエラーも測定可能になる。
【0054】
ここで、さらに留意すべきであろう点は、このコンピュータプログラムは、とりわけ上述の方法をこれも同様に上述の装置を用いて実施するのに適切であり、このために独自に形成されていると言う点である。このコンピュータプログラムは、典型的には装置の制御中に実装されていて、この点に関して制御部により実行可能である。このコンピュータプログラムは、距離計測装置を用いて導き出されうる表面画像の評価のみに役立つのではなく、さらに物体の表面画像の生成のためのスキャン過程も自動的に制御可能である。
【0055】
装置および方法に関連して説明した全ての特徴および利点は、ここで挙げたコンピュータプログラムについても同様に該当し、また逆も該当することを、さらに留意すべきである。
【0056】
さらなる目的、特徴および有利な応用の可能性については、図を参照した実施形態の説明に基づき説明する。