(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385469
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】共振モータを有する個人用衛生デバイス
(51)【国際特許分類】
H02P 25/02 20160101AFI20180827BHJP
H02K 33/02 20060101ALI20180827BHJP
B06B 1/04 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
H02P25/02
H02K33/02 A
B06B1/04 A
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-573107(P2016-573107)
(86)(22)【出願日】2015年6月24日
(65)【公表番号】特表2017-523751(P2017-523751A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】IB2015054748
(87)【国際公開番号】WO2015198246
(87)【国際公開日】20151230
【審査請求日】2016年12月14日
(31)【優先権主張番号】14174206.4
(32)【優先日】2014年6月26日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】15169330.6
(32)【優先日】2015年5月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト、シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】ケルビン、クーヒラー
(72)【発明者】
【氏名】トルシュテン、クレム
(72)【発明者】
【氏名】マルティン、ストラートマン
(72)【発明者】
【氏名】カール、シュテュックラート
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス、メーリング
【審査官】
マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−219756(JP,A)
【文献】
特開2011−176997(JP,A)
【文献】
特開2003−153517(JP,A)
【文献】
特表2010−509023(JP,A)
【文献】
特開2008−131730(JP,A)
【文献】
特開2006−034082(JP,A)
【文献】
特開2011−155817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 25/02
B06B 1/04
H02K 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人用衛生デバイスであって、
共振モータと、
前記共振モータを、駆動周波数と等しい振動周波数を有する振動運動へと駆動するために、前記共振モータに前記駆動周波数を有する周期的電圧信号を印加するためのモータ制御ユニットと、を備え、
前記モータ制御ユニットは、少なくとも2つの電圧パルスが前記周期的電圧信号の各周期の2つの半サイクルのうちの少なくとも1つで印加されるように、前記駆動周波数よりも高いパルス周波数で提供される可変長の電圧パルスから、前記周期的電圧信号をデジタル合成するための合成器回路を備え、
前記モータ制御ユニットが、半サイクル毎に単一電圧パルスを前記共振モータに提供するためのデジタル電圧回路を備え、
前記モータ制御ユニットが、前記合成器回路と前記デジタル電圧回路との間で選択的に切り替えることによって、前記周期的電圧信号を形成するように配設され、特にこの切り替えが、前記周期的電圧信号の周期毎の少なくとも1つの半サイクルの間に少なくとも1回起こる、個人用衛生デバイス。
【請求項2】
前記モータ制御ユニットによって印加される前記周期的電圧信号に影響を与えるため、特に前記周期的電圧信号の形状に影響を与えるための、ユーザが制御可能な入力ユニットを更に備える、請求項1に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項3】
前記周期的電圧信号の各周期の2つの半サイクルのうちの少なくとも1つにおいて、又は前記周期的電圧信号のいくつかの連続する周期の少なくとも1つの半サイクルにおいて、前記共振モータに印加される前記電圧は、モータ電流がゼロまで低下することが可能である特定の所定時間周期の間でゼロに設定されて、少なくともモータ電圧測定をゼロ電流で実行することを可能にする時間の間でゼロに留まるように設定されている、請求項1又は2に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項4】
前記電圧信号がゼロに設定される前記時間周期は、1/4サイクルの時間長を有し、特にこの1/4サイクルは、共振モータに印加される前記電圧がゼロに設定される前記少なくとも1つの半サイクルの真ん中で開始し、この半サイクルが終わるまで継続する、請求項3に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項5】
前記ユーザが制御可能な入力ユニットは、前記周期的電圧信号に選択的に影響を与えるための制御要素を備え、特に前記制御要素が、個人用衛生デバイスのハンドル区分に配設されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項6】
前記ユーザが制御可能な入力ユニットは、前記個人用衛生デバイスのハンドル区分から物理的に分離した分離制御デバイスを備え、前記個人用衛生デバイスが、前記ハンドル区分と前記分離制御デバイスとの間に無線接続を確立するための無線接続ユニットを更に備える、請求項2〜5のいずれか一項に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項7】
前記分離制御デバイス、特にスマートフォン又はタブレット型コンピューターが、前記周期的電圧信号、特に前記周期的電圧信号の形状に、選択的に影響を与えるための制御要素を有する、請求項6に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項8】
前記合成器回路は、前記周期的電圧信号の少なくとも1つの半サイクルのための電圧パルス長の値の少なくとも1つの参照テーブルが中に記憶されるメモリユニットを備え、任意選択として、各々が前記周期的電圧信号の少なくとも1つの半サイクルの電圧パルス長の値を含む少なくとも2つの参照テーブルは、前記メモリユニット中に記憶される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項9】
前記合成器回路はメモリユニットを備え、前記メモリユニットには、各々が前記周期的電圧信号の少なくとも1つの半サイクルのための電圧パルス長の値を含む、少なくとも2つの参照テーブルが記憶され、前記ユーザが制御可能な入力ユニットは、前記周期的電圧信号を生成するためにどの参照テーブルが使用されるかに影響を与えるように配設されている、請求項2に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項10】
前記合成器回路の前記パルス周波数が、前記駆動周波数の少なくとも6倍の高さであり、任意選択として、前記合成器回路の前記パルス周波数が、前記駆動周波数の少なくとも20倍の高さであり、更に任意選択として、前記パルス周波数が、前記駆動周波数の少なくとも100倍の高さである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項11】
前記パルス周波数が18kHzを超え、任意選択として、前記パルス周波数が約20kHzを超え、かつ更に任意選択として100kHz未満である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項12】
前記合成器回路のクロック周波数が、前記パルス周波数の少なくとも32倍であり、任意選択として、前記パルス周波数の少なくとも128倍であり、更に任意選択として、前記パルス周波数の少なくとも256倍である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の個人用衛生デバイス。
【請求項13】
前記周期的電圧信号が、正弦波信号、三角形信号、台形信号、又はのこぎり歯形信号のうちの1つである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の個人用衛生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御ユニットによって振動運動へと駆動される共振モータを有する個人用衛生デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
共振モータ(すなわち、共振周波数で又はそれに近似する周波数で駆動されるとき、モータが特に効率的であるような共振挙動を有するばね質量系として本質的に記載され得るモータ)は、振動運動周期の半サイクル毎に、本質的に矩形の電圧信号を周期的に印加することによって、振動運動へと駆動され得ることが既知であり、この電圧信号は、個別の周期の異なる半サイクルで、交互符号で印加される。共振モータは、Hブリッジ回路のブリッジ区分に配設され得、これにより、印加された電圧信号が方向を変える、すなわち反転され得、モータ電流が運動方向の変化の前にモータコイルから放電され得る。文献、国際公開WO第2004/034561 A1号は、Hブリッジ回路のブリッジ区分に配設される共振モータ、及びHブリッジ回路を備えたモータ制御ユニットによって矩形電圧パルス信号をモータに印加することによる駆動スキームについて、概して論じている。
【0003】
共振モータが電動歯ブラシ又は電動カミソリ等の個人用衛生デバイスに使用され得ることは、更に既知である。
【0004】
本開示の目的は、既知の個人用衛生デバイスよりも改善された、特にその騒音挙動に関して改善された、共振モータを有する個人用衛生デバイスを提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開WO第2004/034561 A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に従って、共振モータと、共振モータを、駆動周波数と等しい振動周波数を持つ振動運動へと駆動するために、共振モータに駆動周波数を持つ周期的電圧信号を印加するためのモータ制御ユニットと、を備える個人用衛生デバイスが提供され、モータ制御ユニットは、少なくとも2つの電圧パルスが周期的電圧信号の各周期の2つの半サイクルのうちの少なくとも1つで印加されるように、駆動周波数よりも高いパルス周波数で提供される可変長の電圧パルスから、周期的電圧信号をデジタル合成するための合成器回路を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
提唱される個人用衛生デバイスは、例示的な実施形態の詳細な説明及び図への参照によって、更に明瞭になるであろう。各図において
【
図1】本開示に従う個人用衛生デバイスの例示的な実施形態の概略図である。
【
図2】共振モータを駆動させるためのモータ制御ユニットの概略図である。
【
図3】共振モータを駆動させるための周期的電圧信号をデジタル合成する合成器回路を備えるモータ制御ユニットの概略図である。
【
図4】可変長の電圧パルスから構成される正弦関数の周期的電圧信号の半サイクルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示に従う「共振モータ」(又は振動モータ)は、共振振動挙動を有するモータを意味する。共振モータは、調和振動子、すなわちばね質量系として数学的に表すことができる。本開示に従う共振モータは、外力、特に以下の段落で説明されるように周期的電圧信号の周期性の印加によって、振動運動へと駆動される。共振モータの可動部の振幅は、外部駆動力の駆動周波数が共振周波数であるとき、最大となる。したがって、共振モータは、共振モータの共振周波数、又はその近くでの周期的電圧信号の駆動周波数で効率的に駆動され得、共振モータを共振周波数とは異なる駆動周波数を有する周期的電圧信号で駆動させることもまた可能であるが、あまり効率的でない駆動(共振周波数でのものと同じ振幅を達成するためにより多くのエネルギーが必要とされる)につながる。
【0009】
共振モータは、モータコイルと、モータ電機子と固定して接続される少なくとも1つの永久磁石を有する少なくとも1つの永久磁石アセンブリを担持する少なくとも1つの可動モータ電機子とを、一般的に備える。モータ電機子は、少なくとも1つのばね要素によって休止位置に保持される。共振モータは、電池又は蓄電池などの電源からモータコイルを通る電流フローが刺激されるように、モータコイルに周期的電圧信号(周期的電圧信号の論議に関しては以下を参照されたい)を印加することによって振動運動へと駆動される。モータ電機子の永久磁石アセンブリは、モータコイルを通る電流フローによって生成される電磁場と相互作用する。この相互作用によって、少なくとも1つのばね要素の手段によって休止位置に保持されるモータ電機子は、その休止位置から少なくとも1つのばね要素のばねの力に逆らって出ていくことを余儀なくされる。電磁相互作用が終わるか又はその方向が変化する(例えば、周期的電圧信号が周期毎の2つの半サイクルの間のその符号を変化させる)とき、電機子はその休止位置へと戻り、また休止位置を越え(その最大撓み振幅に達するまで)、そのため、最終的に電機子は、電圧信号の連続的で周期性の印加によって、振動運動へと駆動される。振動運動は、周期的電圧信号が共振モータに印加される、駆動周波数で発生する(すなわち、駆動周波数は共振モータの振動運動の振動周波数を決定する)。
【0010】
本開示に従う、「周期的「電圧信号」は、モータに外部駆動力を提供するために、周期的に再発する非ゼロ電圧信号内容を有する電圧信号を意味する。周期的に再発する電圧信号の周波数が共振モータの振動周波数を決定するとき、周期的電圧信号は2つの均等な長さの半サイクルへと分割される周期を有する。いくつかの実施形態において、非ゼロ電圧信号は両方の半サイクルに存在するが(しかしながら、2つの振動方向で共振モータを駆動させるための反対の信号で)、両方の半サイクルで共振モータを駆動させるために必須ではない。いくつかの実施形態において、周期的電圧信号は、各周期の2つの半サイクルのうちの1つのみにおいて非ゼロ電圧信号を有する。周期的電圧信号が、数学的な意味で、P周期関数(Pが周期である)、すなわち(f(x+P)=f(x))であり得る一方で、共振モータが、本質的に一定の振幅で振動するために異なる負荷条件下で継続的な周期で変化する駆動力を必要とし得るため、これは必須ではなく、また多くの場合生産的ではない。一定で留まるものは、電圧信号の再発の周期、すなわち周期の長さ及び半サイクル(又は言い換えれば、駆動周波数)の長さであり、更に下で説明されるように、ユーザによって影響を受け得る駆動周波数を除外するべきではない。半サイクルのうちの1つのみで非ゼロ電圧信号を印加することによって共振モータを駆動することに関して既に明らかにされたように、両方の半サイクルのための電圧信号上での時間積分が同一である(すなわち、共振モータへのエネルギー供給は、周期の2つの半サイクルで異なり得る)ことも必須ではない。いくつかの実施形態において、2つの半サイクルでの電圧信号の時間積分は、有限であるが異なる。
【0011】
したがって、いくつかの実施形態において、周期的電圧信号の周期毎の2つの半サイクルで、共振モータに印加される電圧信号は、反対の符号を有し、更に、特に1つの半サイクルに印加される電圧信号は、異なる符号を有するが、他の半サイクルに印加される電圧信号と比べて同じ絶対電圧レベルを有し、それは、2つの半サイクルの絶対電圧レベルが同一ではない実施形態を除外するものではない。いくつかの実施形態において、周期的電圧信号は、半サイクルのうちの1つにおいてゼロ電圧を有する(個人がブランコで印加する励起関数と同様で、ブランコでも1つの移動方向のエネルギーのみがブランコに印加される)。その半サイクルのうちの1つでゼロ電圧を有する周期的電圧信号を提供することは、両方の半サイクルで電圧信号を印加するよりもエネルギー的に効率的でないことが発見された。
【0012】
明瞭性のため、共振モータの駆動は直流モータの駆動とは異なり、印加される電圧信号の周波数は回転数を決定しないが、回転数は直流モータ(例えば、米国特許公開第2011/005015 A1号は、ある特定の負荷サイクル(PWM信号のより高い負荷サイクル、すなわちPWMパルスの、一定の周波数で)のPWM信号によって提供される平均的な電圧信号の印加によって回転へと駆動される、直流モータを記載し、回転数はより高い)に印加される電圧の高さに依存する。米国特許公開第2011/005015 A1号において、直流モータの2つの異なる回転数が、取替用ブラシの異なる機械的な共振モードを励起するために使用される。直流モータそれ自体は共振モータではない。
【0013】
本開示における駆動周波数は、高い効率性を達成するために、一般的に共振モータの共振周波数であり得るか、又はそれに近似する周波数であり得る。しかしながら明らかなことに、これは単に効率性の理由であり、共振モータは任意の駆動周波数(低減した効率性で)で実際上は駆動され得、その駆動周波数は次に駆動周波数と等しい振動周波数を有する共振モータの振動運動につながる。
【0014】
永久磁石アセンブリの移動により、モータコイルを横断して電圧が誘導され、モータコイルを通って電流フローが誘導され、その誘導された電流フローは一般的に、電源からの電流フローよりも小さい。誘導電圧は電機子の速度の尺度であり、その直接的な関係のため、それは電機子の振幅のための尺度でもある。参照によって本明細書に組み込まれる、前に言及した文献、国際公開WO第2004/034561 A1号は、特に交流の周期的電圧信号によって共振モータがどのように駆動されるかを一般的に記載している。共振モータの電機子は、直線的な往復運動又は振動回転運動向けて、特に配設され得る。
【0015】
半サイクル毎(負荷サイクルの長さが、異なる負荷状態のために補填するように制御され得る)のある特定の使用周期の単一電圧信号のみを備える周期的電圧信号を印加することによって、共振モータを駆動することが一般的に既知である(例えば、文献、国際公開WO第2004/034561 A1号から)。すなわち、共振モータの振動周波数がf
o(例えば非限定的な例において、f
oは100Hzである)であれば、そのときは駆動周波数f
dがf
oに設定され得、すなわちf
d=f
oである。周期的「電圧信号の(及びしたがって共振モータの振動運動の)全サイクルは、したがって0.01秒及び半サイクル、0.005秒持続する。この既知の実施例において、1つの電圧パルスが半サイクル毎に提供され、そのため周期的電圧信号のパルス周波数は駆動周波数の2倍の高さであり、すなわちf
p=2・f
dである。振動運動の半サイクル毎の単一電圧パルスの代わりに、印加される周期的電圧信号が、正弦波電圧信号又は別の同様な関数、少なくとも周期的電圧信号のサイクルのある特定の部分に近似する場合、共振モータが、より滑らかに駆動し、かつより静かに振動運動できることが、現在わかっている。
【0016】
本明細書で論じられるいくつかの実施形態において、電圧信号(それ以外では略連続的、例えば正弦関数)は、いくつかの半サイクル(例えば、印加される周期的電圧信号の各5番目の周期の第1の半サイクルにおいて)におけるある特定の期間、ゼロに設定され得るか、又は電圧が、各周期の2つの半サイクル(この半サイクルは常に第1又は第2の半サイクルであるか、又はこの半サイクルは第1と第2の半サイクルとの間を交互に繰り返し得る)のうちの1つにおけるある特定の期間、ゼロに設定され得る。電圧信号が次いでゼロに設定される期間が、一定の振幅が変化する負荷条件下であっても達成されるように、共振モータの移動するモータ電機子の速度及び振幅を示すパラメータを達成するため、及びしたがって周期的電圧信号を制御することを可能にするために、モータコイル内の言及した誘導電圧が、別な方法でゼロの外部電流フローで計測することを可能にするために選択され得る。
【0017】
本開示に従う共振モータを有する個人用衛生デバイスは、選択可能な(デジタル合成された)周期的電圧信号を共振モータに提供できるモータ制御ユニットを有し、特に周期的電圧信号は、正弦波電圧信号になるように選択され得る。理想的な正弦波電圧信号は全く高調波を含まず、したがって全体的な個人用衛生デバイスのより滑らかな動作につながる傾向にあり、並びに高調波によって引き起こされる騒音及び振動が効率的に低減される。本開示に従う合成器回路は、可変長の電圧パルスの大きい数から滑らかな周期的電圧信号をデジタル合成し、電圧パルスが駆動周波数よりも高いパルス周波数で提供され、そのため、周期毎の半サイクルのうちの少なくとも1つにおいて、2つの電圧パルスが提供される(したがって、パルス周波数はその結果、駆動周波数より少なくとも4倍の高さである)。パルス周波数は電圧パルス間の一定の(一時的な)距離によって決定される。いくつかの実施形態において、パルス周波数は、駆動周波数より少なくとも6倍の高さであり(すなわち、各半サイクルにおける電圧信号は、少なくとも3つの電圧パルスによって近似する)、任意選択として少なくとも20倍の高さであり(半サイクル毎に少なくとも10パルス)、更に任意選択として駆動周波数より少なくとも100倍の高さである(半サイクル毎に少なくとも50パルス)。生成されたような電圧信号が個別のパルスを含む一方で、モータが連続的な電圧信号を「見る」ように、モータの特性(例えば、キャパシタンス及びインダクタンス)がパルスを選別する。記載されるようなデジタル合成された正弦波電圧信号は、必ずしも理想的な正弦波の信号をもたらさないが、最大−10dBの騒音の低減が、個人用衛生デバイスの共振モータを、矩形駆動関数(すなわち、周期的電圧信号の半サイクル毎に印加される単一の矩形電圧パルス)で駆動することと、本明細書に記載されるようにデジタル合成されるほとんど正弦波電圧信号で駆動することとの間で達成され得ることが発見された。正弦波の電圧信号はまたモータコイルを通る正弦波の電流フローにもつながる。デジタル合成された周期的電圧信号(電圧信号合成の詳細は、更に下に記述される)対理想的な正弦波電圧信号の近似品質は、例えば、パルス周波数と駆動周波数の比率に依存し、したがって略正弦波電流のみが結果として生じることが理解される。各電圧パルスの間、コイルへの電流フローが蓄積され、次の電圧パルスが提供されるまで電圧パルスが中断された場合、コイル内に蓄えられた電荷が、コイルからある程度流出する。
【0018】
本開示に従う個人用衛生デバイスは、電動歯ブラシ、電動舌清掃具、電動フロッシングデバイス、電動カミソリ、電動脱毛デバイス、電動皮膚マッサージデバイス等であり得る。
【0019】
図1は、本記述に従う個人用衛生デバイス1の概略図である。ここで、個人用衛生デバイス1は電動歯ブラシとして実現されるが、限定的なものとしてみなされるべきではない。個人用衛生デバイス1は一般的に、個人用衛生デバイス1のハンドル区分20内に提供される共振モータ(
図2を参照)によって、振動運動(ヘッド区分10全体がかかる振動運動へと駆動されるか、又はヘッド要素11を備えるヘッド区分10が振動運動へと駆動される)へと駆動されるヘッド区分10を備える。個人用衛生デバイス1は、電源スイッチ21、及び任意選択としてモード選択ボタン22を有し得るが、個人用衛生デバイス1はこれらの特色を必ずしも有する必要はない(例えば、個人用衛生デバイス1は、ヘッド11が組織に近い場合、自動的に共振モータのスイッチを入れるように配設され得、それは容量性閾値センサによって検出され得、及び/又は個人用衛生1は切り替え可能なモードを有さないか、又はモード選択は別の様式、例えば音声認識を介して実行され得る)。
【0020】
いくつかの実施形態において、個人用衛生デバイス1は、更に下でより詳細に説明されるように、モータ制御ユニット50を介して共振モータに印加される周期的電圧信号に影響を与えるユーザが選択した入力を提供するための、ユーザが制御可能な入力ユニット30を有する。一般的に、ユーザは周期的電圧信号の形状又は周期的電圧信号の周波数に影響を与えることができる場合があり、パルスの周波数は、理想的な周期的電圧信号(以下を参照)等に近似するために使用される。いくつかの実施形態において、ユーザが制御可能な入力ユニット30は制御要素31を有し、それを介してユーザは、モータ制御ユニットを介して共振モータに印加される周期的電圧信号に選択的に影響を与えることができる。追加で又は代替として、ユーザが制御可能な入力ユニット30は分離制御デバイス40(すなわち、ハンドル区分20から物理的に分離した分離制御デバイス)を備え得る。個人用衛生デバイスは、分離制御デバイス40とハンドル区分20との間に無線接続34を確立するための無線接続ユニット33を備え得、そのため、例えばデータが分離制御デバイス40からハンドル区分20へ、したがってモータ制御ユニット50へ無線様式で通信され得る。無線接続34は、特にブルートゥース接続として実現され得るが、他の無線接続基準、例えば、IEEE802.11無線周波数接続又は専有無線接続もまた可能である。一般的に、分離制御デバイス40は制御要素42を備え、それを介してユーザが共振モータを駆動するために使用される周期的電圧信号に影響を与えることができる。制御要素42は、スイッチ、又は選択ボタン、スライダ等として実現され得る。いくつかの実施形態において、分離制御デバイス40はタッチ感応画面41を備え、その上に仮想的な制御要素42が表示され得、それは指で画面41に触れ、指を画面上でスライドさせることによって調整され得る。示された実施例において、仮想的な制御要素42は、仮想的なスライダとして実現され、それによりユーザは共振モータに印加される周期的電圧信号に影響を与えることができ、例えばユーザは周期的電圧信号が正弦波形状又は矩形形状のいずれかを有するように設定でき、潜在的にユーザは正弦波形状と矩形形状との間のより多くの中間的な特性を有する周期的電圧信号の少なくとも1つの更なる形状を設定できる。いくつかの実施形態において、分離制御デバイス40は、スマートフォンによって、タブレット型コンピューターによって、又は任意の他の携帯機器によって実現される。分離制御デバイス40は、次いで仮想的な制御要素42を実現するため、及びユーザによって選択された設定を分離制御デバイス40からハンドル区分20内の受信機32へ送信するために提供されたソフトウエアモジュール(携帯機器ソフトウェア又は「アプリ」など)を有し得る。周期的電圧信号の形状が、動作の間に個人用衛生デバイス1の騒音特性に影響を与える傾向があるため、記載されたような、かかるユーザが制御可能な入力デバイス30は、ユーザが個人的に好む周期的電圧信号、例えば、個人用衛生デバイス1の製造業者によって設定される標準的な周期的電圧信号と比較してより小さな(又はより大きい)騒音(又は音)を生成する周期的電圧信号を設定することを可能にする。例えば、製造業者は周期的電圧信号を選択し得、そこでは共振モータのエネルギー消費は比較的低いが、個人用衛生デバイスの騒音又は音レベルは中位のレベルであるか、又は個人用衛生デバイスの騒音又は音は、騒音又は音内のスペクトル成分のため、異なる周期的電圧信号で生成される騒音又は音よりも、あまり好ましくないものとして個別のユーザによって知覚される。一部のユーザは、彼らが騒音によっていらいらさせられるためより小さい騒音を好み得る一方で、他のユーザは、彼らが個人用衛生デバイスの音とその衛生特質(例えば電動歯ブラシの場合、高い音レベルは高い仮定された洗浄力を与え得る)とを結びつけて考えるためより大きな音を好み得る。分離制御デバイスに関して上に記載される影響の可能性は、分離されず、例えば個人用衛生デバイスのハンドル区分の一部分として実現される、ユーザが制御可能な入力ユニットの場合においても適用できる。
【0021】
図2は、共振モータ200(それは前に言及したように個人用衛生デバイスのハンドル区分に配置され得る)を振動運動、例えば、直線的な往復運動又は振動回転又はそれらの混合へと駆動するためのモータ制御ユニット100の概略図である。共振モータ200は、4つのスイッチ191、192、193、及び194を備えるHブリッジ(又はフルブリッジ)回路のブリッジ区分に配設される。Hブリッジ回路のスイッチは、前に言及した文献、国際公開WO第2004/034561 A1号において論じられたようにスイッチ制御ユニット110によって制御され、電源210から供給される電圧は、次いで、スイッチ191及び194のスイッチを入れ、スイッチ192及び193のスイッチを切ることによって正の方向に印加され得、スイッチ192及び193のスイッチを入れ、スイッチ191及び194のスイッチを切ることによって負の方向に印加され得る。共振モータ200を短絡させることは、例えばスイッチ193及び194のスイッチを入れ、スイッチ191及び192のスイッチを切ることによっても可能である(再び、文献、国際公開WO第2004/034561 A1号に記載されるように)。スイッチ191〜194は、電界効果トランジスタ(FET)、特にモス電界効果トランジスタによって各々実現され得る。スイッチ191〜194は、過電圧からそれぞれのスイッチを保護するための、並列に接続された保護ダイオードを、特に各々備え得る。スイッチ191〜194はまた、それらがモータ制御ユニット100によって要求されるパルス周波数、1つの非限定的な例として、例えば30kHzで切り替えることができるように選択される。
【0022】
文献、国際公開WO第2004/034561 A1号が、単一電圧パルスが各周期の各半サイクルで共振モータに印加されることを記載する一方、本明細書で提唱されるモータ制御ユニット100は、変化するパルス長の電圧パルスを共振モータが駆動される駆動周波数よりも少なくとも4倍の高さであるパルス周波数で共振モータに提供するための合成器回路を備える。それぞれに高いパルス周波数での電圧パルスの印加の背景にある考え方は、本質的に一定の高さ(電圧の高さは、電源によって決定され得る)を有するが、変化するパルス長(デジタル合成)を有する電圧パルスによって、平均周期的電圧信号の標的形状を形作ることである。(理想的な)正弦波の周期的電圧信号は、次いで前に説明したように、モータコイルを通る正弦波の電流フローにつながるであろう。一般的に、個人用衛生デバイス内の共振モータは、他の駆動周波数値を除外しない、約50Hz〜約500Hzの駆動周波数で駆動され得る。電動歯ブラシは、約65Hz〜約300Hzの周波数で多くの場合駆動される。非限定的な例として、150Hzの駆動周波数が使用され得る。パルス周波数は、連続した電圧パルスの間の一定の時間的距離によって与えられ、パルスは、周期的電圧信号の標的形状を形作るために、変化するパルス長を有し得る。パルス周波数は、駆動周波数より少なくとも4倍の高さであるべきであり、特にパルス周波数は、駆動周波数より少なくとも6倍の高さであり(そのとき、少なくとも3つの電圧パルスが半サイクル毎に印加される)、任意選択としてパルス周波数は、駆動周波数よりも少なくとも20倍の高さであり(そのとき、少なくとも10個の電圧パルスが半サイクル毎に印加される)、更に任意選択としてパルス周波数は、駆動周波数より少なくとも100倍の高さである(そのとき、少なくとも50個の電圧パルスが半サイクル毎に印加される)。例えば150Hzの駆動周波数で、パルス周波数は少なくとも900Hz、少なくとも3kHz、又は少なくとも15kHzであり得る。一般的に、パルス周波数を(人間の耳には)聞こえないパルス周波数へと移行させるために、パルス周波数は18kHzを超え、任意選択として20kHzを超え得る。パルス周波数は100kHz未満となるように選択され得る。
【0023】
本開示に従い、モータ制御ユニットは、その合成器回路を介して可変長の電圧パルスを共振モータに提供する。平均的な周期的電圧信号の実用的な形状を可能にするために、各電圧パルスの長さは、十分な解像度で制御可能であるべきであり、それは電圧パルス長が、パルス周波数より高い、例えば128倍の高さである(電圧パルスの7ビットの解像度をもたらす)か、又は256倍の高さである(8ビットの解像度)(9ビット、又は10ビット、又は6ビット、又は5ビット、又は4ビット等の、より高さがある若しくはより低い解像度は除外されるべきではない)、モータ制御ユニットのクロック周波数で制御され得ることを要求する。例えば、15kHzのパルス周波数での、8ビットの解像度のためのクロック周波数は3.84MHzである。別の例として、駆動周波数は150Hzであり、パルス周波数は30kHzであり、解像度は7ビット(再び、3.84MHzのクロック周波数につながる)である。
【0024】
図3は、本開示に従う例示的な合成器回路120を有する例示的なモータ制御ユニット1000の概略図である。示されるような合成器回路120は、
図2に示されるようなHブリッジのスイッチ191〜194を切り替えるためのスイッチ制御ユニット121、クロック周波数(例えば、3.84MHz)を提供するためのクロック122、及びメモリユニット123を備える。メモリユニット123は、1つの半サイクルの間又は周期的電圧信号の1周期の間に印加される、少なくとも1つの正規化された電圧パルス長の値の参照テーブルを特に備え得る。そのような場合では、第2の半サイクルの間に印加される電圧信号は、各周期の第1の半サイクルの間に印加される電圧信号と同一であるが、反転されており、それは第1の半サイクルのための電圧パルス長の値を単に提供するために十分である(Hブリッジのスイッチは、共振モータに印加された電圧の符号を逆にするために使用される)。いくつかの実施形態において、メモリユニット123は、少なくとも2つの電圧パルス長の値の参照テーブル、例えば、正弦波の周期的電圧信号のための1つの参照テーブルと矩形の周期的電圧信号のための1つの参照テーブルとを備える。いくつかの実施形態において、3つ以上の参照テーブルが提供され、例えば、第3の参照テーブルは、正弦波と矩形形状との間の中間的な形状に類似する周期的電圧信号のための電圧パルス長の値を提供する。いくつかの実施形態において、2つ、3つ以上、5つ又は10個等のような参照テーブルは、ユーザが周期的電圧信号の形状を、正弦波と矩形形状との間に位置するように細かく調整できる(前に記載したユーザが制御可能な入力デバイスを介して)ように、中間的な周期的電圧信号形状のために提供される。そのため、合成器回路120は、
図1への参照とともに論じられるユーザが制御可能な入力デバイス30からの入力信号124を受信するように配設され得る。いくつかの実施形態において、正弦波又は矩形形状(又はそれら2つの間の中間の形状)と異なる周期的電圧信号を生成するため、例えば周期的な三角形信号、周期的な台形(trapeze)信号、又は周期的なのこぎり歯形信号を生成するために、少なくとも1つの参照テーブルが提供され、この一覧は排他的であると見なされるべきではなく、任意の他の周期的電圧信号形状もまた用いられ得る。
図1への参照とともに論じられるような分離制御デバイスが使用される場合、それぞれのアプリケーションソフトウェアモジュールは、ユーザが恣意的な周期的電圧信号形状を自由に画定することを可能にするように準備され得る。合成器回路120は、直接デジタル合成(DDS)回路(例えば、ユーザがタッチ感応画面上で指を滑らせることで形状を描くことが可能であり得る)として実現され得る。非限定的な例として、合成器回路120の少なくとも一部分は、Analog Devices(Norwood,MA,USA)から入手可能な低出力のDDS AD9838チップ(又は同様なIC)によって実現され得る。他の実施形態において、合成器回路は、集積回路(IC)、特に特定用途向けIC(ASIC)として、実現される(任意選択としてHブリッジのスイッチと一緒に)。追加又は代替として、合成器回路は、参照テーブルを使用する代わりに、例えば実時間内の正弦波の電圧関数のための電圧パルス長の値を計算する計算ユニットを備え得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、及び
図3に点線で示された、モータ制御ユニット1000は、先行技術から知られているように、半サイクル毎に単一の矩形電圧パルスを共振モータに提供するように配設される、デジタル電圧回路160を追加で備える。電圧生成制御回路180は、合成器回路120又はデジタル電圧回路160のいずれかに、選択的にスイッチを入れるために提供され得る。合成器回路120及びデジタル電圧回路の両方は、したがってHブリッジのスイッチ191、192、193、194と一体となり得、電圧生成制御回路180は、選択的にこれら2つの回路120、160のうちの1つのみがスイッチを制御することを可能にする。いくつかの実施形態において、合成器回路120が、多数の短い電圧パルス(例えば、上向きの電圧ランプ)によって使用されて、周期的電圧信号の第1の部分を提供することができ、次いで電圧生成制御回路180により、デジタル電圧回路160に切り替えられて、半サイクル毎の周期的電圧信号の第2の部分として単一の長い電圧パルスを生成することができる。任意選択として、電圧信号の第3の部分は、次いで再び合成器回路120によって、例えば下向きの電圧ランプを印加されることができ、そのため、例えば台形信号が、上向きのランプ及び長い電圧パルスと一緒に生成される。明らかなことに、長い矩形電圧信号は、アナログ電圧回路の代わりに合成器回路によっても成形され得る。Hブリッジ(
図2を参照)のスイッチ191〜194を切り替えることを介して電圧パルスを印加することの代わりに、合成器回路によって生成された周期的電圧信号が、共振モータ(次いで合成器回路は、周期的電圧信号が合成される電圧パルスを切り替えるために必要なスイッチを備える)に直接印加され得ることも、理解されるべきである。
【0026】
図4は、可変長であるが一定の高さの、複数の短い電圧パルスから生成される例示的な正弦波の周期的電圧信号の概略図であり、共振モータに印加される略正弦波の周期的電圧信号の周期の、第1の半サイクルのみが示される。第2の半サイクルは、同じ機能的挙動を有し得るが、電圧符号は逆であることが理解される。
図4において、正弦波の周期的電圧信号の第1の半サイクルは、10個の電圧パルス301〜310(すなわちパルス周波数は、駆動周波数の20倍、例えば150Hzの駆動周波数であり、これは3kHzのパルス周波数につながる)を印加することによって例示的に生成される。上で説明されたように、電圧パルス301〜310の各々のための電圧パルス長の値は、表にした値としてメモリユニット内に提供され得、平均的には略正弦波の電圧が結果として生じるように予め決定され得る。
図4は、16個のチェックマーク400によって示される、第3の電圧パルス303の拡大図を含み、示される場合の解像度は4ビットであり(これは非限定的な例であり、一般概念の体裁の良さのためも選択される)、そのため48kHzのクロック周波数がこの実施例の場合には必要とされる。概略図において、第3の電圧パルス303は、7つのクロック周波数周期のパルス長W3を有し、次いで、9つのクロック周波数周期の電圧オフ長O3が続く(第4の電圧パルス304のスイッチが入れられるまで)。
図4にも示されるように、共振モータに提供される最大電圧V
maxは、電源からの、利用可能な電圧V
Bよりも低い場合がある(例えば、V
maxは、V
Bの60%であり得る)。これは、共振モータが同じ振動振幅を提供するためにより多くのエネルギーを要求するとき、共振モータでの電圧レベルを負荷条件下で増加させることを可能にする(例えば、表にした電圧長の値は、負荷状態を反映する1を超える換算係数によって次いで増加され得る)。
【0027】
前の段落で説明されたように、共振モータに印加される負荷は、エネルギー供給が適切に適合されていない場合、低減された運動振幅につながり得る。共振モータのモータ負荷は、モータの逆EMF電圧(すなわち、移動する電機子の永久磁石アセンブリを移動することによって、モータコイル内に誘導される電圧)を、誘導電圧が電機子の速度の尺度であるように決定することによって、決定され得る(それは次に、振動周波数が、駆動周波数によって与えられるときに変化する負荷下で確かに一定に留まるような、電機子運動の振幅の尺度である)この誘導電圧を決定する1つの方法は、電機子の近くに位置する更なるコイルを備えることであり、それは更なる費用及び更なる部品を伴う。別の方法は、本質的にモータ電流が流れないときに(印加される電圧及び自己誘導電圧が、本質的にゼロまで低減されるとき)、モータコイルで逆EMFを計測することである。しかしながら、正弦波の周期的電圧信号が駆動信号としてモータコイルに提供される場合、正弦波の電流が結果として生じ、したがって、電流フローがモータコイルを通らない、周期の間の時間帯はない。いくつかの実施形態において、したがって、少なくとも各周期又は各5
番目若しくは10
番目等の周期の半サイクルのうちの1つの間であり、少なくともモータ電流がゼロまで低下し逆EMFが作られる測定までゼロに留まることを可能にする時間周期の間、正弦波の又は任意の他の連続的な(又は半連続的な)駆動信号のスイッチを切ることが提案されている。モータは、迅速な電流放電を達成するために短絡され得る。いくつかの実施形態において、電圧パルスの供給は、逆EMFが作られる測定の後に電圧パルスの供給が停止されていた同じ半サイクルにおいて再開される。これは、ゼロ電圧を提供した後、比較的高い値の電圧のスイッチを入れるため、高調波の生成につながり得る。いくつかの実施形態において、電圧のスイッチが切られる半サイクルの完全な第二象限において、電圧パルス供給はスイッチを切られる。これは、一方では電流消費と騒音生成との間の良好なバランスを表し、他方では逆EMF測定の信頼性を表すことが発見された。
【0028】
製作公差のため、共振モータは常に同じ共振周波数を有さない場合があり、共振周波数は製造業者によって共振モータの組み立ての終わりに決定され得る。いくつかの実施形態において、共振モータの共振周波数とモータ制御ユニットによって印加される駆動周波数との間で、常に同じ差異を有することが重要であると考えら、当初の予定と異なる駆動周波数を印加することが必要になり得る。例えば、150Hzの駆動周波数が予定され得、それぞれ100電圧パルス長の値が、合成器回路のメモリユニット内の半サイクルのために提供される。しかしながら、共振モータの共振周波数内の差異のため、駆動周波数は約145Hz〜約155Hzの範囲内にある必要があり得る。所与の実施例において、単一電圧パルスは約0.75Hzに関連し、そのため、145Hzの低減された駆動周波数が用いられる場合、103.45パルスが半サイクル毎に用いられる必要がある(クロック周波数及びパルス周波数が固定値であると仮定される)。この状態に対処するために、駆動周波数は例えば約144.75Hzに設定され得、7個の電圧パルス長の値は、周期毎に2度用いられ得る(より高い駆動周波数が要求される場合、いくつかの電圧パルスは省かれ得る)。これは別の周波数のためでもある利用可能な参照テーブルを使用することを可能にする。いくつかの実施形態において、ユーザはユーザが制御可能な入力ユニットを介して、駆動周波数に影響を与え得る。
【0029】
本明細書において開示されている寸法及び値は、列挙されている正確な数値に厳密に限定されるものと理解すべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。