特許第6385477号(P6385477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社S−Cubeの特許一覧

特許6385477盗難防止システム、盗難防止用ゲート、盗難防止用ゲートの制御方法およびプログラム
<>
  • 特許6385477-盗難防止システム、盗難防止用ゲート、盗難防止用ゲートの制御方法およびプログラム 図000002
  • 特許6385477-盗難防止システム、盗難防止用ゲート、盗難防止用ゲートの制御方法およびプログラム 図000003
  • 特許6385477-盗難防止システム、盗難防止用ゲート、盗難防止用ゲートの制御方法およびプログラム 図000004
  • 特許6385477-盗難防止システム、盗難防止用ゲート、盗難防止用ゲートの制御方法およびプログラム 図000005
  • 特許6385477-盗難防止システム、盗難防止用ゲート、盗難防止用ゲートの制御方法およびプログラム 図000006
  • 特許6385477-盗難防止システム、盗難防止用ゲート、盗難防止用ゲートの制御方法およびプログラム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385477
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】盗難防止システム、盗難防止用ゲート、盗難防止用ゲートの制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/16 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   G08B13/16 B
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-3634(P2017-3634)
(22)【出願日】2017年1月12日
(65)【公開番号】特開2018-112944(P2018-112944A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2017年1月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594127499
【氏名又は名称】マイティキューブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100168284
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 英夫
(72)【発明者】
【氏名】犬伏 宏文
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 直
(72)【発明者】
【氏名】野間 保裕
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 覚
(72)【発明者】
【氏名】辰己 一道
【審査官】 松平 英
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−081874(JP,A)
【文献】 特開平09−212761(JP,A)
【文献】 特開2000−123262(JP,A)
【文献】 特表2009−543184(JP,A)
【文献】 特開2005−301637(JP,A)
【文献】 特開2006−329681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/72−1/82
3/80−3/86
5/18−5/30
7/52−7/64
15/00−15/96
G08B13/00−15/02
19/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
盗難防止用ゲートと盗難防止用タグとを含む盗難防止システムであって、
前記盗難防止用ゲートは、
ゲート信号を送信する送信手段と、
前記盗難防止用タグから出力された音波信号を受信する受信手段と、
前記音波信号の受信タイミングに基づいて、前記盗難防止用タグが所定距離範囲内に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて警報を出力する出力手段と、
を備え、
前記盗難防止用タグは、
前記盗難防止用ゲートから前記ゲート信号を受信する受信手段と、
音波信号を出力する出力手段と、
を備え、
前記ゲート信号の受信に応じて前記盗難防止用タグから出力される音波信号は、第1の周波数及び第2の周波数を含み、
前記盗難防止用ゲートの前記出力手段は、
前記受信された音波信号に前記第1の周波数及び前記第2の周波数の両方が含まれる場合には前記判定結果に基づいて警報を出力し、
前記受信された音波信号に前記第1の周波数が含まれ、前記第2の周波数が含まれない場合には警報を出力しないことを特徴とする盗難防止システム。
【請求項2】
前記盗難防止用ゲートの前記判定手段は、前記ゲート信号の送信タイミングと、前記音波信号の受信タイミングとの時間差に基づいて前記盗難防止用タグが所定距離範囲内に存在するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の盗難防止システム。
【請求項3】
前記盗難防止用ゲートは、他の盗難防止用ゲートに対して同期信号を出力する同期信号出力手段をさらに備え、
前記盗難防止用ゲートの送信手段及び前記他の盗難防止用ゲートが備えるゲート信号の送信手段は、前記同期信号に応じてゲート信号を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の盗難防止システム。
【請求項4】
前記盗難防止用ゲートは、他の盗難防止用ゲートから受信した同期信号に応じて前記ゲート信号を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の盗難防止システム。
【請求項5】
前記盗難防止用ゲートの前記出力手段は、前記音波信号に、前記ゲート信号の受信に応じて前記盗難防止用タグから出力された周波数の信号が含まれる場合に、前記判定手段による判定結果に基づいて警報を出力することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の盗難防止システム。
【請求項6】
前記盗難防止用タグは、前記盗難防止用タグからの対象物の取り外しを検知する検知手段をさらに備え、
前記盗難防止用タグの前記出力手段は、前記検知手段により前記取り外しが検知された場合には、前記第1の周波数を含み、前記第2の周波数を含まない音波信号を出力することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の盗難防止システム。
【請求項7】
前記第1の周波数は可聴音領域の周波数であり、前記第2の周波数は超音波領域の周波数であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の盗難防止システム。
【請求項8】
盗難防止用タグと通信可能な盗難防止用ゲートであって、
ゲート信号を送信する送信手段と、
前記盗難防止用タグから出力された音波信号を受信する受信手段と、
前記音波信号の受信タイミングに基づいて、前記盗難防止用タグが所定距離範囲内に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて警報を出力する出力手段と、
を備え、
前記ゲート信号の受信に応じて前記盗難防止用タグから出力される音波信号は、第1の周波数及び第2の周波数を含み、
前記出力手段は、
前記受信された音波信号に前記第1の周波数及び前記第2の周波数の両方が含まれる場合には前記判定結果に基づいて警報を出力し、
前記受信された音波信号に前記第1の周波数が含まれ、前記第2の周波数が含まれない場合には警報を出力しないことを特徴とする盗難防止用ゲート。
【請求項9】
盗難防止用タグと通信可能な盗難防止用ゲートの制御方法であって、
ゲート信号を送信する送信工程と、
前記盗難防止用タグから出力された音波信号を受信する受信工程と、
前記音波信号の受信タイミングに基づいて、前記盗難防止用タグが所定距離範囲内に存在するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程による判定結果に基づいて警報を出力する出力工程と、
を有し、
前記ゲート信号の受信に応じて前記盗難防止用タグから出力される音波信号は、第1の周波数及び第2の周波数を含み、
前記出力工程では、
前記受信された音波信号に前記第1の周波数及び前記第2の周波数の両方が含まれる場合には前記判定結果に基づいて警報を出力し、
前記受信された音波信号に前記第1の周波数が含まれ、前記第2の周波数が含まれない場合には警報を出力しないことを特徴とする盗難防止用ゲートの制御方法。
【請求項10】
請求項に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難防止システム、盗難防止用ゲート、盗難防止用ゲートの制御方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
店舗等での商品の盗難を防止するために、商品等の対象物に対して取り付ける盗難防止用タグや、未会計の商品が店舗外に持ち出されることを防止するための盗難防止用ゲートが開発されている。
【0003】
盗難防止用タグは対象物に対して取り付けられ、不正な取り外しを検知することにより警報音を報知する。また、盗難防止用ゲートは、盗難防止用タグが取り付けられた対象物の近接あるいは通過を検知することにより警報音を報知する。一例として、盗難防止用タグから送信された信号を受信したことに応じて、盗難防止用ゲートが発報する。
【0004】
特許文献1では、警報ユニットの警報音を検知して警報信号を発生する音波受信方式の警報音検知装置が開示されている。
【0005】
音波受信方式により盗難防止用タグから信号が送信される場合、音波は距離による減衰が小さいことから、盗難防止用ゲートが盗難防止用タグから離れた位置にあっても盗難防止用ゲートが発報可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−044951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、音波受信方式を用いる場合は広範囲の盗難防止用ゲートを発報させてしまうことがある。店舗には複数の出入り口が設けられることがあり、各出入り口に盗難防止用ゲートが設置されているような場合に、すべての盗難防止用ゲートで発報させる必要はなく、盗難防止用タグが取り付けられている対象物の近くにある盗難防止用ゲートに発報範囲を限定したいというニーズがある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、盗難防止用ゲートの発報を所望の範囲に限定するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成する本発明に係る盗難防止システムは、
盗難防止用ゲートと盗難防止用タグとを含む盗難防止システムであって、
前記盗難防止用ゲートは、
ゲート信号を送信する送信手段と、
前記盗難防止用タグから出力された音波信号を受信する受信手段と、
前記音波信号の受信タイミングに基づいて、前記盗難防止用タグが所定距離範囲内に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて警報を出力する出力手段と、
を備え、
前記盗難防止用タグは、
前記盗難防止用ゲートから前記ゲート信号を受信する受信手段と、
波信号を出力する出力手段と、
を備え
前記ゲート信号の受信に応じて前記盗難防止用タグから出力される音波信号は、第1の周波数及び第2の周波数を含み、
前記盗難防止用ゲートの前記出力手段は、
前記受信された音波信号に前記第1の周波数及び前記第2の周波数の両方が含まれる場合には前記判定結果に基づいて警報を出力し、
前記受信された音波信号に前記第1の周波数が含まれ、前記第2の周波数が含まれない場合には警報を出力しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、盗難防止用ゲートの発報を所望の範囲に限定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る盗難防止システムの構成例を示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る盗難防止用タグおよび盗難防止用ゲートの機能構成の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る盗難防止用ゲートと盗難防止用タグとの間の処理の説明図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る盗難防止用タグが出力する信号例の説明図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る盗難防止用ゲートが出力する信号例の説明図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る複数の盗難防止用タグから信号を受信する場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0013】
<概要>
本実施形態では、複数の盗難防止用ゲートの各々から出力されたゲート信号(電波信号)の受信に応じて盗難防止用タグから送信された音波信号(タグ発報信号)が盗難防止用ゲートへ到達するまでの到達時間に基づいて、盗難防止用ゲートでの警報の出力を制御する例を説明する。より具体的には、盗難防止用ゲートは、到達時間に基づいて盗難防止用タグが所定距離範囲にある場合に警報を出力する(発報する)制御を行う。また、その際に複数の盗難防止用ゲート間の同期を行う。
【0014】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る盗難防止システムの構成例を示す図である。盗難防止システム1は、盗難防止用タグ10,11と、複数の盗難防止用ゲート20,30,40とを含んで構成されている。盗難防止用タグ10,11は、店舗等に配置された対象物(商品等)50,51に取り付けられている。対象物50,51から盗難防止用タグ10,11が不正に取り外されたり、盗難防止用タグ10,11が取り付けられた対象物50,51が盗難防止用ゲート20,30,40に近接または通過したりした場合に、盗難防止用タグ10,11や盗難防止用ゲート20,30,40は警報を出力する。なお、ここでは2つの盗難防止用タグ10,11を図示したが、あくまでも一例に過ぎず、さらに他の盗難防止用タグが存在してもよい。同様に、ここでは3つの盗難防止用ゲート20,30,40を図示したが、複数の盗難防止用ゲートであればその数は問わない。
【0015】
<装置構成>
次に図2を参照して、本実施形態に係る盗難防止用タグ10,11および盗難防止用ゲート20,30,40の機能構成を説明する。図2(a)に示されるように、盗難防止用タグ10,11は、制御部101と、検知部102と、警報出力部103と、信号受信部104と、信号送信部105と、記憶部106とを備えている。以降説明する各処理部の動作は、制御部101が記憶部106に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、盗難防止用タグ10,11は同様の構成を備えており、以下では盗難防止用タグ10を例に各処理部の説明を行う。
【0016】
制御部101は、例えばCPUであり、各処理部の動作を制御するとともに各種の処理を実行する。例えば、信号受信部104により受信されたゲート信号の受信に応じて、信号送信部105の動作を制御して音波信号を送信させる。このときの音波信号は例えば可聴音領域の周波数の信号と、超音波領域の周波数の信号とを含んでおり、可聴音領域の周波数の信号が警報出力部103により出力される警報音に相当している。
【0017】
一方、検知部102により盗難防止用タグ10が対象物50から取り外されている取外状態が検知された場合には、音波信号には、可聴音領域の周波数の信号だけが含まれ、超音波領域の周波数の信号は含まれないように制御する。詳細は後述するが、盗難防止用ゲートが音波信号を受信した際に、超音波領域の周波数の信号が受信されている場合であって所定距離範囲内に盗難防止用タグ10が存在する場合には盗難防止用ゲートは警報を出力し、可聴音領域の周波数の信号だけ受信される場合には警報を出力しないように制御する。すなわち、取り外しの場合には盗難防止用ゲートでの警報出力は行わないように構成する。なお、取外状態が検知された場合の音波信号の構成例は上記の例に限定されない。取り外しによる警報出力(タグ発報)によって盗難防止用ゲートで警報出力しないようにすればどのような周波数を設定してもよく、取り外しによる警報出力(タグ発報)については、盗難防止用ゲートでの警報出力に含まれない周波数を設定すればよい。すなわち、取外状態が検知された場合には、音波信号には、盗難防止用ゲートから信号を受信した場合に発生する周波数の信号が含まれないように制御する。盗難防止用ゲートが音波信号を受信した際に、盗難防止用ゲートから信号を受信した場合に発生する周波数の信号が受信されている場合であって所定距離範囲内に盗難防止用タグ10が存在する場合には盗難防止用ゲートは警報を出力するように制御する。
【0018】
検知部102は、盗難防止用タグ10が対象物50に取り付けられている取付状態、又は対象物50から取り外されている取外状態を検知する。警報出力部103は、検知部102により盗難防止用タグ10が対象物50から取り外された状態が検知されたり、盗難防止用ゲート20,30,40からゲート信号を受信したりした場合に、警報を出力する。
【0019】
信号受信部104は、盗難防止用ゲート20,30,40から送信されたゲート信号を受信する。信号送信部105は、盗難防止用ゲート20,30,40に対して、制御部101により生成された音波信号を送信する。記憶部106は、各処理部の動作を実現するためのプログラムを記憶する。
【0020】
また、図2(b)に示されるように、盗難防止用ゲート20,30,40は、制御部201と、検知部202と、警報出力部203と、信号受信部204と、信号送信部205と、記憶部206とを備えている。以降説明する各処理部の動作は、制御部201が記憶部206に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。各処理部の構成は盗難防止用タグ10と同様であるが、処理の内容が異なっている。また、以下では盗難防止用タグ10からの信号受信を例に各処理部の説明を行う。
【0021】
制御部201は、例えばCPUであり、各処理部の動作を制御するとともに各種の処理を実行する。検知部202は、信号受信部204により受信された音波信号に基づいて、盗難防止用タグ10が取り付けられた対象物50が盗難防止用ゲート20から所定距離範囲内に存在することを検知する。警報出力部203は、盗難防止用タグ10から受信した音波信号に基づいて警報を出力する。例えば、信号送信部205により送信したゲート信号(電波信号)の送信時と、信号受信部204により受信された音波信号の受信時とに基づいて、盗難防止用タグ10までの距離を解析し、盗難防止用タグ10が所定距離範囲に存在する場合に警報を出力する。
【0022】
信号受信部204は、盗難防止用タグ10から送信された音波信号を受信する。信号送信部205は、盗難防止用タグ10に対してゲート信号を送信する。記憶部206は、各処理部の動作を実現するためのプログラムを記憶する。
【0023】
<盗難防止システムの処理>
図3に示されるように、まず盗難防止用ゲート20,30,40がゲート信号(電波信号)を送信し、盗難防止用タグ10,11は当該ゲート信号を受信する。盗難防止用ゲート20,30,40は、ゲート信号の受信に応じて盗難防止用タグ10,11から送信された音波信号(タグ発報信号)が盗難防止用ゲート20,30,40へ到達するまでの到達時間に基づいて、盗難防止用タグと盗難防止用ゲートとの距離を算出する。そして、当該距離に基づいて盗難防止用タグが盗難防止用ゲートから所定距離範囲にある場合に警報を出力する(発報する)制御を行う。所定距離は、任意の値を設定可能であり、例えば3m〜6mの間の任意の値に設定する。また、距離を算出することなく、到達時間が閾値以下である場合に警報を出力する(発報する)制御を行ってもよい。
【0024】
図3の例では、盗難防止用タグ10が盗難防止用ゲートから1mの距離にあり、盗難防止用タグ11が盗難防止用ゲートから4mの距離にある。この場合、盗難防止用タグ10の到達時間は約2.9msとなり、盗難防止用タグ11の到達時間は約11.8msとなる。なお、電波の伝搬速度は、音波(超音波)の伝搬速度よりも大きいため、盗難防止用タグ10,11はゲート信号をほぼ同時に受信する(誤差を無視できる)。また、一般的に音波(超音波)は空気中を伝搬する場合、20度、湿度0%の条件では、例えば3mの距離の場合は8.73msかかる。一方、20度、湿度100%の条件では6.18msと高速になり、湿度によって計測誤差の原因となりうる。しかし、小売店舗等の場合、通常は空調で制御されていることから温度や湿度はある程度一定に制御されていると考えられ、十分な距離計測精度を確保することができる。
【0025】
<盗難防止用ゲート間の同期>
さらに、複数の盗難防止用ゲート間でゲート信号の送信タイミングを同期させる制御を行ってもよい。盗難防止用ゲート20,30,40を含む複数の盗難防止用ゲートのうち、任意の一台のゲートをマスタとする。そしてマスタである盗難防止用ゲートは、図4に示されるように同期信号を出力する。各盗難防止用ゲートは、無線又は有線で同期信号を受信し、当該同期信号の受信に応じてゲート信号(f0kHz、周期:Ymsの電波信号)を送信する。これにより、複数の盗難防止用ゲートの各々から送信されるゲート信号の出力タイミングを同期させるとともに、当該ゲート信号により発生する音波信号(タグ発報信号)の出力タイミングを同期させることができる。
【0026】
各盗難防止用タグは、規定時間幅のゲート信号の受信に応じて、警報の出力を行う(タグ発報を行う)。タグ発報パターンは、f1kHzの周波数でX/2ms、f2kHzの周波数でX/2msで構成されている(f1<f2、f2は超音波領域の周波数)。f1kHzの可聴音領域の音波信号(発報音)のOFF区間に、f2kHzの超音波信号を発生させている。ここで、タグ発報パターンの周期を、ゲート信号のバースト波の周期と同じに構成する(周期:Xms)ことにより、複数の盗難防止用タグが異なるタイミングのゲート信号に応じてタグ発報した場合であっても、タグ発報パターンを同期させることが可能となる。なお、タグ発報パターンの時間割合は1対1である必要はなく、例えばf1kHzの周波数でx1ms、f2kHzの周波数でx2msとし、x1+x2=Xmsとなるように構成してもよい。さらに、必ずしもf1<f2である必要もなく、一方又は両方が超音波領域の周波数に限定されるものではない。
【0027】
一方、ゲート信号に起因しない発報の場合は、図4に示されるように、f2kHzの超音波信号を発生させず、ゲート信号に起因するタグ発報の場合と区別する。すなわちf1kHzの可聴音領域の音波信号をX/2msごとに出力する。あるいは、f1kHzの可聴音領域の音波信号をx1msごとに出力するように構成してもよい。ここで、ゲート信号に起因しない発報とは、例えばスイッチに起因する発報であり、対象物50などから盗難防止用タグ10が取り外されたことでスイッチがONになり盗難防止用タグ10が発報する場合が挙げられる。
【0028】
盗難防止用ゲートは、図5に示されるように、例えばf1kHz〜f2kHz〜f1kHzの3X/2ms分のタグ発報パターンをゲート受信信号(音波信号)として検出し、当初のゲート信号の送信時からの経過時間(ゲート信号の受信に応じて盗難防止用タグから送信されたタグ発報信号が盗難防止用ゲートへ到達するまでの到達時間とほぼ同じ時間)を算出する。この時間に基づいて、盗難防止用タグと盗難防止用ゲートとの距離を算出する。そして、当該距離に基づいて盗難防止用タグが盗難防止用ゲートから所定距離範囲にある場合に警報を出力する(発報する)制御を行う。あるいは、距離を算出せずに、算出した時間が規定時間内である場合に警報を出力する(発報する)制御を行ってもよい。また、ここではf1kHz〜f2kHz〜f1kHzの3X/2ms分のタグ発報パターンをゲート受信信号(音波信号)として検出する例を示したが、f1kHz〜f2kHzのXms分のタグ発報パターンを検出するように構成してもよい。
【0029】
一方、図4に示したゲート信号に起因しない発報の場合は、f2kHzの信号がゲート受信信号(音波信号)として検出されることがない。この場合、盗難防止用ゲートは警報の出力を行わない。すなわち、音波信号にf2kHzの信号が含まれない場合には盗難防止用ゲートは警報の出力を行わないように制御する。
【0030】
続いて、図6を参照して、盗難防止用ゲートがゲート信号を送信した後、複数の盗難防止用タグ10,11から音波信号(タグ発報信号)を受信する例を説明する。この場合、盗難防止用タグ10からの音波信号(f1kHZ、f2kHz)が先に受信され、少し遅れて盗難防止用タグ11からの音波信号(f1kHZ、f2kHz)が受信されている。
【0031】
よって、ゲート受信信号(f1kHZ)は、盗難防止用タグ10からの音波信号(f1kHZ)と、盗難防止用タグ11からの音波信号(f1kHZ)との重複期間に受信される。同様に、ゲート受信信号(f2kHZ)は、盗難防止用タグ10からの音波信号(f2kHZ)と、盗難防止用タグ11からの音波信号(f2kHZ)との重複期間に受信される。複数の盗難防止用タグから信号を受信する場合であっても、フーリエ変換によりf1kHZとf2kHzとの各周波数の信号の発生タイミングを算出することで、最も近くに存在する盗難防止タグが所定距離範囲にあるか否かを判定することができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る盗難防止用ゲートは、盗難防止用タグから出力された音波信号の受信タイミングに基づいて、盗難防止用タグが所定距離範囲内に存在するか否かを判定し、その判定結果に基づいて盗難防止用ゲートでの警報の出力を制御する。これにより、簡易な構成で盗難防止用ゲートの発報を所望の範囲に限定することが可能となる。
【0033】
また、本実施形態によれば、複数の盗難防止用ゲートから出力されるゲート信号を同期させるとともに、ゲート信号に応じて発生する音波信号(タグ発報信号)を同期させることができる。さらに、盗難防止用ゲートは、盗難防止用タグから出力された音波信号の受信に応じて動作することから、電波信号の受信が不要となり、盗難防止用ゲートを小型化することができる。
【符号の説明】
【0034】
1:盗難防止システム
10,11:盗難防止用タグ
20,30,40:盗難防止用ゲート
50:対象物
101:制御部
102:検知部
103:警報出力部
104:信号受信部
105:信号送信部
106:記憶部
201:制御部
203:警報出力部
204:信号受信部
205:信号送信部
206:記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6