(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記録音データ記憶手段には、更に前記事象に対応するエンジニアとの対話の内容を記録した録音データが、当該録音データの識別情報及び録音開始日時情報を対応付けして記憶されており、
前記紐づけ手段は、更に当該事象に対応する案件識別情報を、前記エンジニアとの対話に関連する情報を含む対話情報及び当該対話の内容を記録した録音データと紐づけることを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、その後の状況の報告を受けるために顧客から電話が再度かかってきたり、あるいはエンジニアの派遣スケジュールの調整のためにオペレータから顧客に電話をしたりするなど、発生した障害等の事象につき顧客と何度か電話でやり取りする場合がある。その際、オペレータは、顧客と過去に行った対話の内容を確認してより正確に顧客と話す必要がある。
【0007】
しかしながら、従来においては、録音データには記録日時や対話に使用された電話機を特定する情報しか紐付けられていなかったので、オペレータは、顧客と対話したときのおおよその日時を頼りに録音データを探し出さなければならなかった。また、同じ顧客の設備に複数の障害が発生している場合には、目的とする録音データを探し出すのが更に困難な状況になってしまう。このため、目的とする録音データを探し出すのに時間を余計に費やしてしまう場合があった。
【0008】
本発明は、顧客の設備に新たに発生した不具合な事象毎に当該事象に関連する対話の履歴を提示可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る監視システムは、顧客からの電話に対応するオペレータにより使用されるオペレータ端末と、顧客との対話の内容を記録する録音データに、当該録音データの識別情報及び録音開始日時情報を対応付けして記憶する録音データ記憶手段と、を有し、前記オペレータ端末は、顧客から電話を受けると電話受付画面の表示制御を行う表示制御手段と、オペレータが顧客の設備に不具合な事象が新たに発生したと判断したときに行う新規発行指示に応じて当該事象に対応付けて案件識別情報を発行する発行手段と、顧客からの電話の対話時に特定される事象に対応する案件識別情報を、当該対話に関連する情報を含む対話情報及び当該対話の内容を記録した録音データと紐づける紐づけ手段と、を有し、前記表示制御手段は、顧客からの電話の対話時に特定される事象に紐づけられた対話情報を対話された順番に前記電話受付画面に表示させることを特徴とする。
【0010】
また、前記録音データ記憶手段には、更に前記事象に対応するエンジニアとの対話の内容を記録した録音データが、当該録音データの識別情報及び録音開始日時情報を対応付けして記憶されており、前記紐づけ手段は、更に当該事象に対応する案件識別情報を、前記エンジニアとの対話に関連する情報を含む対話情報及び当該対話の内容を記録した録音データと紐づけることを特徴とする。
【0011】
また、前記対話情報が蓄積される対話情報記憶手段を有し、前記対話情報には、案件識別情報、発信元の顧客の顧客情報、電話への対応開始日時、顧客に対応するオペレータのオペレータ識別情報、当該対話の録音データの識別情報が含まれていることを特徴とする。
【0012】
また、前記対話情報が蓄積される対話情報記憶手段を有し、前記エンジニアとの対話に関連する情報を含む対話情報には、案件識別情報、当該事象に対応する顧客の顧客情報、電話への対応開始日時、対話したエンジニアのエンジニア識別情報、エンジニアに対応するオペレータのオペレータ識別情報、当該対話の録音データの識別情報が含まれていることを特徴とする。
【0013】
また、前記対話情報を構成する情報項目のうち設定されていない情報項目がある対話情報を保留情報として記憶する保留情報記憶手段と、前記保留情報の設定されていない情報項目に情報を補充するための情報編集手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、前記対話情報記憶手段に記憶されている対話情報に含まれている案件識別情報を編集する情報編集手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、顧客の設備に新たに発生した不具合な事象毎に当該事象に関連する対話の履歴を提示することができる。
【0016】
また、事象に関連するエンジニアとの対話の履歴を提示することができる。
【0017】
また、設定されていない情報項目がある対話情報に対して情報を後から補充することができる。
【0018】
また、事象と対話情報との紐付けを後から変更することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。本実施の形態では、契約先のビル施設に設置されているエレベーター等の設備を監視する監視システムを例にして説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る監視システムの一実施の形態を示した全体構成図である。
図1には、監視センタ10及びサーバセンタ20がイントラネット1で接続された構成が示されている。本実施の形態における監視システムは、全国を複数のエリアに分割し、エリア毎に監視センタを設けている。監視センタ10では、担当エリア内のビルオーナー等の顧客からの電話に対応するなどの業務が行われる。なお、各監視センタ10は、同等の業務を行うので、
図1には1つの監視センタ10のみ図示している。サーバセンタ20は、複数のサーバコンピュータが設置され、各監視センタ10が使用するデータベース等を複数のサーバコンピュータを用いて一括管理する。
【0022】
本実施の形態における監視センタ10は、オペレータ端末11及びPBX(構内交換機:Private Branch eXchange)12をLAN(Local Area Network)13に接続した構成を有している。LAN13は、ルータ14を介してイントラネット1に接続される。なお、監視センタ10には、その他にも例えばエレベーターのかご内に設置されたインターフォンを接続するための装置等が設けられているが、本実施の形態の説明に用いない構成要素に関しては
図1から省略している。
【0023】
オペレータ端末11は、顧客からの電話に対応するオペレータにより使用される専用の端末装置である。オペレータ端末11には、電話機が対応付けして接続されている。本実施の形態では、オペレータ端末及び電話機の組を単に「オペレータ端末」と総称することにする。オペレータ端末11は、複数台用意されているが、それぞれ同等の機能を持っているので図面では1台のみ示した。
【0024】
オペレータ端末11は、コンピュータを内蔵した専用の端末装置であり、CPU、ROM、RAM、HDDを有し、更にネットワーク通信を行うネットワークインタフェース及びユーザインタフェースを有している。ユーザインタフェースとして、電話を用いて対話を行うためのヘッドセット、表示手段としてのディスプレイ、入力手段としてのマウスやキーボードが構成される。
【0025】
また、オペレータ端末11は、
図1に示すように処理機能として、電話処理部111、情報処理部112、表示制御部113及びユーザインタフェース(UI)部114を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素は
図1から省略している。電話処理部111は、回線接続、対話処理、また対話の内容の記録処理等電話機を用いた処理全般を行う。ユーザインタフェース部114は、ユーザからの指示の受け付け、また表示制御部113による制御のもと情報の表示を行う。表示制御部113は、ディスプレイに表示する各種画面を生成してユーザインタフェース部114に表示させる。
【0026】
情報処理部112は、オペレータ端末11において取り扱う情報の生成、変更等の処理全般を行う。具体的には、オペレータが顧客の設備に不具合な事象が新たに発生したと判断したときに行う新規発行指示に応じて当該事象に対応付けて案件識別情報を発行する発行手段、顧客からの電話の対話時に特定される事象に対応する案件識別情報を、当該対話に関連する情報を含む対話情報及び当該対話の内容を記録した録音データと紐づける紐づけ手段、更に保留情報の設定されていない情報項目に情報を補充したり、対話情報に含まれている案件識別情報を編集したりする情報編集手段として機能する。
【0027】
オペレータ端末11における各構成要素111〜114は、オペレータ端末11に搭載されたコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0028】
PBX12は、図示しない電話回線網に接続されており、顧客からの電話(外線)をオペレータ端末11につなげる。
【0029】
サーバセンタ20は、複数のサーバコンピュータを用いて対応ログ記憶部21、保留情報記憶部22、録音データ情報記憶部23、顧客マスタ24及びエンジニアマスタ25を管理している。対応ログ記憶部21には、オペレータと顧客又はエンジニアとの対話に関連する情報を含む対話情報やオペレータのアクションに関する情報が対応ログとして蓄積される。対話情報には、後述するように各種情報項目が含まれているが、オペレータが電話の対応等が忙しく1又は複数の情報項目を、蓄積される対話情報に設定することができずに一部欠落する場合がある。保留情報記憶部22には、このような対話情報を構成する情報項目のうち設定されていない情報項目がある対話情報が保留情報として記憶される。
【0030】
図2は、本実施の形態における録音データ情報記憶部23に蓄積される録音データ情報のデータ構成例を示す図である。録音データ情報記憶部23には、オペレータが顧客及びエンジニアとした対話の内容を記録する録音データが電話処理部111によって記録される。電話処理部111は、記録する際、
図2に示すように、当該録音データの識別情報(以下「録音ID」)を付与し、録音ID、録音開始日時及び録音データを組にして録音データ情報記憶部23に登録する。
【0031】
図3は、本実施の形態における顧客マスタ24に登録される顧客情報のデータ構成例を示す図である。顧客情報は、契約先となる顧客のビル毎に生成され、ビルを特定する建物番号に、顧客名称、住所、電話番号、ビルオーナー等の担当者、契約内容情報及び当該顧客の警備等を行う警備会社に関する情報等を含む。
図3には、電話受付画面に表示されたり、対話情報に含まれたりする情報項目を示しており、顧客情報に含まれる情報項目はこれに限るものではない。
【0032】
図4は、本実施の形態におけるエンジニアマスタ25に登録されるエンジニア情報のデータ構成例を示す図である。エンジニアは、顧客のビル設備で発生した障害を修復する作業員であり、エンジニア情報には、各エンジニアを識別するエンジニア識別情報(以下、「エンジニアID」)、当該エンジニアの氏名、所属事業所及び部署、電話番号が含まれている。もちろん、これ以外の情報を含めてもよい。
【0033】
なお、本実施の形態では、説明に用いないので
図1から省略しているが、サーバセンタ20にもオペレータ端末11と同等の処理機能を持たせ、同等の処理を行う端末装置を設けてもよい。
【0034】
図5は、本実施の形態においてオペレータ端末11に表示される電話受付画面の一例を示す図である。電話受付画面は、オペレータが顧客からの電話を受け、所定の操作をすることで表示されることになるが、ここで、電話受付画面の画面構成について説明する。
【0035】
電話受付画面には、オペレータに関連する情報の表示領域31、顧客情報の表示領域32、対応経緯の表示領域33及び案件に関連する情報の入力領域34が設けられている。また、状況に応じてオペレータが操作するアクション追加ボタン35、新規案件ボタン36、エンジニアボタン37、キャンセルボタン38、保存ボタン39、対応終了ボタン40及びプルダウンメニューを表示させるためのプルダウンボタン41が設けられている。
【0036】
オペレータの表示領域31には、オペレータ端末11を特定するオペレータ端末識別情報(以下、「オペレータ端末ID」)とオペレータ端末11を使用しているオペレータの識別情報(以下、「オペレータID」)が表示される。
【0037】
顧客情報の表示領域32には、電話をかけてきた顧客であって当該顧客の契約対象となるビルに関する顧客情報が表示される。なお、各ビルは建物番号によって識別される。
【0038】
対応経緯の表示領域33には、該当する案件に関連する対話情報が対話された順番、つまり時系列順に表示される。本実施の形態では、対話に関する情報だけでなく、当該案件に関連する情報の全てを時系列順に表示する。ここで、「案件」というのは、顧客のビル設備に発生した不具合な事象のことをいう。本実施の形態では、どのビルでどのような不具合な事象(故障)が発生したか、すなわち、建物番号で特定されるビルと故障とにより案件が特定される。案件に関連する情報には、顧客との対話はもちろんのこと、故障を修復するエンジニアとの対話、更に故障の修復のためにオペレータ等が施した処理等に関する情報の全てが含まれる。
【0039】
案件に関連する情報の入力領域34には、顧客及びエンジニアとの対話の内容を記録するために、オペレータが入力するための領域である。例えば、
図5に例示したように、顧客からの電話の内容、つまり故障内容を入力するための「受信」領域、エンジニアが現場(ビル)に訪問したことを記録するための「到着」領域、エンジニアから報告を受けた故障の原因を記録するための「原因」領域、エンジニア等が故障に対して施した内容を記録するための「処置」領域に分けて入力できるようにしてもよい。
【0040】
次に、本実施の形態における動作について説明する。
【0041】
オペレータは、オペレータ端末11からオペレータID及びパスワードを入力することによって監視システム及びPBX12にログインし、業務を開始する。そして、オペレータが顧客からかかってきた電話を受けると、電話処理部111は、オペレータと顧客との対話の内容の録音を開始する。
【0042】
オペレータは、電話により顧客のビル(建物番号)を特定するための情報を聞き出し、所定の検索画面(図示せず)から聞き出した顧客の情報を入力する。そして、所定の操作を行うことで電話受付画面を表示させる。表示された電話受付画面の表示領域31にはオペレータ端末ID及びオペレータIDが、表示領域32には情報処理部112が入力された顧客の情報に基づき顧客マスタ24を検索して取得した顧客情報が、それぞれ表示される。
【0043】
まず、ここでは、顧客の設備に故障等何らかの不具合な事象が新たに発生したことにより、顧客から電話がかかってきたとする。なお、以降の説明では、不具合な事象として故障が発生した場合を例にして説明する。
【0044】
オペレータは、顧客との対話により故障が新たに発生したことを認識すると、新規案件ボタン36を選択する。情報処理部112は、新規案件ボタン36の選択、すなわち新規発行指示に応じて当該故障に対応付けして案件識別情報(以下「案件ID」)を発行する。なお、ここでは新規案件なので、該当する案件IDを含む対応ログは対応ログ記憶部21登録されていない。従って、対応経緯の表示領域33には何も表示されない。オペレータは、続いて顧客から故障の内容を聞き出すと、その内容を記録するために入力領域34に書き込む。そして、顧客との対話が終了し、電話回線を切断すると、電話処理部111は、録音データに付与する録音IDを生成し、その録音IDに録音データ及び録音を開始した日時を付加して録音データ情報を生成し、録音データ情報記憶部23に登録する。その後、電話処理部111は、録音IDを情報処理部112に通知する。
【0045】
顧客との対話を終了したオペレータは、保存ボタン39を選択する。情報処理部112は、保存ボタン39の選択に応じて対話情報を生成する。すなわち、情報処理部112は、新規に発行された案件IDに、表示された顧客情報に含まれている建物番号、アクション、顧客からの電話への対応を開始した日時(対応開始日時)、PBX12から取得した発信元の電話番号、オペレータID、電話処理部111から受け取った録音ID、そしてオペレータ端末ID及び入力領域34に書き込まれた故障内容等の情報を対応付けすることで対話情報を生成し、対応ログ記憶部21に登録する。このように、本実施の形態においては、顧客からの電話の対話時に新規案件ボタン36の選択により新規故障に対応した案件IDが発行され、この案件IDに各情報項目を紐付けることで対応ログを生成する。なお、アクションには、オペレータの行為の種別が設定される。例えば、電話の受信/発信、エンジニア(出動者)の予約等がある。前述した顧客からの電話を受けた場合のアクションは「受信」となる。
【0046】
図6は、本実施の形態における対応ログ記憶部21に記憶される対話情報のデータ構成例を示す図である。ここでは、
図6に示した2種類の対話情報のうち顧客対応により生成されたデータ構成の対話情報が登録される。このデータ構成から明らかなように、今回の顧客との対話により生成される対話情報により、当該案件に関し、建物番号により顧客、録音IDにより録音データ、オペレータIDによりオペレータが紐付けられることになる。
【0047】
ところで、顧客は、故障が新たに発生したときに限らず、発生している故障について、例えばエンジニアの到着時刻等を監視センタに確認するために電話をかける場合がある。
【0048】
この場合の動作について説明すると、オペレータが顧客からかかってきた電話を受けると、電話処理部111は、上記と同様にオペレータと顧客との対話の内容の録音を開始する。
【0049】
オペレータは、電話により顧客及びビルを特定するための情報を聞き出し、所定の検索画面(図示せず)から聞き出した顧客の情報を入力する。そして、所定の操作を行うことで電話受付画面を表示させる。表示された電話受付画面の表示領域31にはオペレータ端末ID及びオペレータIDが、表示領域32には情報処理部112が入力された顧客の情報に基づき顧客マスタ24を検索して取得した顧客情報が、それぞれ表示される。更に、情報処理部112は、顧客から聞き出した内容から特定した建物番号と電話番号で対応ログ記憶部21を検索すると、前述した新規故障の場合と異なり、該当する対応ログが登録されているので、その対応ログから案件IDを取得し、その取得した案件IDを含む対応ログを抽出して対応経緯の表示領域33に時系列順にリスト表示する。
【0050】
本実施の形態によれば、このような同じ案件に関連する対応ログをオペレータが探し出すことなく、対応経緯の表示領域33に自動的に表示することができる。なお、同じ顧客に対して複数の案件が同時並行して動いている場合もあり得る。なお、動いている案件というのは対応中の案件のことを意味するが、この場合、対応中の案件を別画面にリスト表示し、オペレータにそのリストの中から案件を選択させ、選択された案件に関連する対応ログを表示領域33に表示させるようにしてもよい。
【0051】
このように、電話受付画面への表示に関しては、新規案件の場合と異なるが、その他は新規案件の場合と同じなので説明を省略する。すなわち、情報処理部112は、
図6に例示した顧客対応の対話情報を生成し、対応ログ記憶部21に登録する。ここでは、顧客からの電話の対話時に顧客から聞き出した情報に基づきオペレータが特定した故障に対応した案件IDに各情報項目を紐付けることで対応ログを生成することになる。
【0052】
故障の内容が特定すると、エンジニアを現地に派遣して故障を修復させる必要があるかもしれない。前述した顧客と同様にエンジニアと電話をする場合がある。この場合、オペレータは、顧客の建物番号、あるいは顧客に対応中の案件が複数あるときには建物番号と案件を指定して故障修復の対象となる案件に関連する情報を電話受付画面に表示させ、この画面のエンジニアボタン37を選択する。情報処理部112は、この選択操作に応じてエンジニアマスタ25を検索して、エンジニアの情報を別画面にリスト表示する。そして、オペレータは、修復を依頼するエンジニアを選択すると、オペレータ端末11は、そのエンジニアの電話番号宛に自動発呼を行う。
【0053】
このようにして、エンジニアの電話との間で回線が接続されると、電話処理部111は、顧客との対話と同様にオペレータとエンジニアとの対話の内容の録音を開始する。
【0054】
オペレータは、電話によりエンジニアに対して現地に出向くスケジュール等を指示したりするが、この対話の内容を入力領域34に書き込む。そして、エンジニアとの対話が終了し、電話回線を切断すると、電話処理部111は、録音データに付与する録音IDを生成し、その録音IDに録音データ及び録音を開始した日時を付加して録音データ情報を生成し、録音データ情報記憶部23に登録する。その後、電話処理部111は、録音IDを情報処理部112に通知する。
【0055】
エンジニアとの対話を終了したオペレータは、保存ボタン39を選択する。情報処理部112は、保存ボタン39の選択に応じて対話情報を生成するが、保存ボタン39の選択後における処理は、対話の相手が異なるだけで顧客との対応の場合と同じでよい。すなわち、情報処理部112は、当該案件の案件IDに、表示された顧客情報に含まれている建物番号、アクション、エンジニアからの電話への対応を開始した日時(対応開始日時)、エンジニアの電話番号、オペレータID、電話処理部111から受け取った録音ID、そしてオペレータ端末ID及び入力領域34に書き込まれた指示内容等の情報を対応付けすることで対話情報を生成し、対応ログ記憶部21に登録する。なお、この場合のアクションは「発信」となる。
【0056】
図6には、エンジニアとの対応(社内対応)時における対話情報のデータ構成が示されているが、このデータ構成から明らかなように、エンジニアとの対話により生成された対話情報は、今回のエンジニアとの対話により生成される対話情報の案件IDにより、顧客対応時に生成された対話情報と紐付けられることになる。
【0057】
また、この後、エンジニアの派遣スケジュールが確定すると、オペレータは、顧客に電話をかけることになるが、この場合も当該案件の情報を電話受付画面に表示させ、顧客に発信し、そして対話終了後、保存ボタン39を選択する。情報処理部112は、この選択操作に応じて対話情報を生成して対応ログ記憶部21に登録する。
【0058】
また、オペレータは、エンジニアから現地に到着したことや故障の原因、故障に対する処理等の連絡を電話で受けることに伴い、情報処理部112は、上記と同様に対話情報を生成して対応ログ記憶部21に登録する。
【0059】
ところで、オペレータが案件に対して行うアクションには、電話の対応のみとは限らない。例えば、自ら行う作業を忘れないようにアラームを設定したりする。この場合、オペレータは、該当する案件の情報を電話受付画面に表示させ、アクション追加ボタン35を選択し、その選択により表示されるプルダウンメニューの中からアクション設定を選択することで表示された所定の設定画面(図示せず)からアクションを設定する。情報処理部112は、このオペレータの操作に応じて対応ログを生成して対応ログ記憶部21に登録する。
【0060】
このように、案件IDにより紐付けられている対応ログは、対応経緯の表示領域33に時系列順に表示されることになる。表示領域33には、対応開始日時、アクション、オペレータが対話した相手、オペレータ及び故障内容等の詳細が表示され、オペレータは、この表示を参照することで本案件に対する対応履歴を一目瞭然に把握することができる。
【0061】
また、表示領域33の詳細の右端のプルダウンボタン41を選択することで表示されるプルダウンメニューには、当該対応ログに関連して実施可能な処理がリスト表示される。例えば、電話にて対応したアクション「受信」や「発信」のプルダウンメニューには、「録音再生」が含まれている。オペレータが「録音再生」を選択すると、情報処理部112は、その対応ログ(対話情報)に含まれている録音IDを取得し、その録音IDに対応した録音データを録音データ情報記憶部23からダウンロードして再生する。
【0062】
本実施の形態によれば、顧客やエンジニアとの対話の内容を確認したい場合、オペレータは、リスト表示されている対応ログの中から選択操作するだけで、聞きたい対話の録音データを再生させることができる。
【0063】
発生した故障が復旧し、当該故障に対する対応をこれ以上行う必要がなくなった場合、オペレータは、当該案件の情報を電話受付画面に表示させ、対応終了ボタン40を選択する。情報処理部112は、この選択操作に応じて、当該案件をクローズする。これは、例えば、案件が対応中か終了したのかの別を示すフラグ情報を各案件に紐付けて情報管理するようにしてもよい。前述した顧客との対話の内容から案件を特定する処理において、対応中の案件についてはリスト表示してオペレータに選択させるようにしたが、フラグ情報を用いることでクローズした案件を表示するリストに含ませないようにすることができる。
【0064】
ところで、複数の顧客から連続して着信がある場合、特に保留中の着信がある場合、オペレータは、顧客から聞き出した故障内容等を電話受付画面から書き込めず、保存ボタン39を選択できないまま次の電話への対応を開始するような場合がある。このように、保存ボタン39が選択されずに他の顧客の情報が電話受付画面に表示される場合、情報処理部112は、表示中の案件の処理が終了したとして取得済みの情報項目のみで対話情報の生成を試みる。例えば、故障内容が書き込まれていない場合、あるいは案件が特定できていない場合でも対話情報の生成を試みる。このように情報が不十分である対話情報しか生成できないような場合、情報処理部112は、この不完全な対話情報を対応ログ記憶部21には登録せずに、保留情報として保留情報記憶部22に登録する。
【0065】
その後、オペレータは、時間を確保できるときに対話情報に必要な情報を補充して対話情報として完成させることになる。すなわち、オペレータIDは、オペレータがログインして電話受付画面が表示される段階では取得済みなので、情報処理部112は、オペレータIDを保留情報に含めることができる。また、対応開始日時や電話処理部111から取得する録音IDも保留情報に含めることは可能である。そこで、オペレータが保留情報の編集処理を行う場合、電話受付画面のアクション追加ボタン35を選択し、その選択により表示されるプルダウンメニューの中から情報の補充処理を選択する。情報処理部112は、この補充処理の選択操作に応じて、編集処理を行うオペレータに対応する保留情報を保留情報記憶部22から取り出し、所定の編集画面(図示せず)に表示する。複数の保留情報が存在する場合には、その保留情報をリスト表示して、その中から編集対象とする保留情報を選択させる。オペレータは、この編集画面から不足している情報を入力することで補充する。補充が終了すると、情報処理部112は、完成させた対話情報を対応ログ記憶部21に登録すると共に当該保留情報を保留情報記憶部22から削除する。
【0066】
本実施の形態では、このように業務の関係とから対話情報に含まれるべき情報項目の全てを設定できなかった場合でも追って設定できるようにした。
【0067】
更に、本実施の形態では、対話情報への情報の補充のみならず、案件IDを変更させて対話情報を他の案件に移せるようにした。すなわち、オペレータが対応ログを他の案件に移動させたい場合、電話受付画面のアクション追加ボタン35を選択し、その選択により表示されるプルダウンメニューの中から他の案件への移動処理を選択する。情報処理部112は、この移動処理の選択操作に応じて、移動元と移動先の案件をオペレータに選択させ、移動元に含まれている案件の中から移動対象の対応ログを選択させる。このようにして、案件を構成する対応ログを編集させることができる。なお、移動先の案件を新規に作成するようにしてもよい。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態によれば、新たに発生した故障毎に案件IDを割り振り、当該案件に関連する対応ログには当該案件の案件IDを付加して情報管理するようにした。これにより、一の案件に関連する対応ログをまとめて電話受付画面に表示することができる。これにより、オペレータは、案件への対応の履歴を一目瞭然に把握することができる。つまり、当該案件に関し、誰から電話がかかってきたか、また誰に電話をしたかという対話の履歴を把握することができる。また、表示されている対応ログに対応させて表示したプルダウンボタン41を操作し、表示されたプルダウンメニューから選択することで対話の録音データを容易に再生することができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、サーバセンタ20を設けて、各監視センタ10が取り扱うデータを一括管理させたが、各監視センタ10が個々に管理するようにしてもよいし、双方に持たせてデータを二重系にて管理するようにしてもよい。
【0070】
また、本実施の形態では、監視対象の設備としてビルに設置したエレベーター等の設備を例にして説明したが、他の設備の監視目的に利用してもよい。
【解決手段】顧客との対話により故障が新たに発生したことを認識したオペレータの操作指示に応じて故障毎に付与する案件IDを生成し、顧客との対話が終了すると、案件IDに、建物番号、対応開始日時、オペレータID、電話処理部111から受け取った録音データに設定された録音ID等を対応付けて対話情報を生成して対応ログ記憶部21に登録する情報処理部112を有する。その後かかってきた電話による顧客との対話によりオペレータが案件を特定すると、情報処理部112は、当該案件の案件IDが設定されている対応ログを取得し、電話受付画面に時系列順にリスト表示する。また、表示されている対応ログ(対話情報)の所定のボタンが選択されると、当該対話の録音データを再生する。