(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記触媒が、シクロデキストリンおよび、アスコルビン酸、ギ酸、酢酸および/または硫酸などの有機酸または無機酸から選択される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
ステップ(i)において、前記酸化剤を前記反応の混合物に添加するときに、前記反応の温度が25℃以下または15℃以下の温度に維持される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
ステップ(ii)において使用される前記シクロデキストリンが、W6(α)シクロデキストリン(六糖の環状分子)、W7(β)シクロデキストリン(七糖の環状分子)、W8(γ)シクロデキストリン(八糖の環状分子)、これらの誘導体、およびこれらの混合物のうちの1つまたは複数から選択される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[定義]
別段の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される以下の用語
は、以下に示す意味を有する。
【0022】
「治療有効量」は、本明細書において言及される疾患または状態を治療するために対象
に投与されたときに、その疾患または状態に対してそのような治療を達成するのに十分で
ある、化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物の形態(例えば、塩形態)、関
係する疾患または状態およびその重症度、ならびに治療される対象の年齢、体重等に応じ
て変化しうる。
【0023】
「個体」という用語は、本明細書において、温血哺乳動物を意味するために用いられる
。したがって、本発明の化合物は、ヒトおよび/または獣医学用途のために使用すること
ができる。特定の実施形態では、対象はヒトである。
【0024】
エリソリンという用語は、本明細書において、以下に示す構造を有する化合物を指すた
めに用いられる。
【化3】
【0025】
[スルフォラファンを生成する方法]
本明細書において記載される合成方法の説明において、水性溶媒の選択、反応雰囲気、
反応温度、実験の持続期間および採用される任意の後処理手順を含め、すべての提示され
た反応条件は、当業者により選択することができることが理解されよう。分子の多様な部
分上に存在する官能基が、利用される試薬および反応条件と適合性があるものでなければ
ならないことも、有機合成の当業者は理解されよう。
【0026】
上記したように、本発明は、水性溶媒中、触媒の存在下で、式A:
【化4】
の化合物を酸化剤と反応させるステップを含む、スルフォラファンを合成する方法を提供
する。
【0027】
得られるスルフォラファン化合物は、以下に示す構造を有する。
【化5】
【0028】
スルフォラファンは、収集され、その後の使用のために適切に保管することができ、ま
たはより好ましくは、直接もしくはインサイチューでシクロデキストリンと混合して、本
明細書においてさらに定義される安定化スルフォラファン−シクロデキストリン錯体を形
成することができる。このことにより、スルフォラファン最終生成物の労力を要する精製
をする必要がなくなる。
【0029】
任意の適切な水性溶媒を反応に使用することができる。本発明の一実施形態では、溶媒
は水であるが、水と1種または複数の水混和性溶媒との混合物についても、ある特定の状
況において使用することができる。
【0030】
適切には、水性溶媒は反応の前に脱気される。当技術分野において公知の、水性溶媒を
脱気するための任意の適切な手順を使用することができる。例えば、溶媒を不活性ガス(
窒素やアルゴンなど)で散布(sparging)することによって、溶媒を還流させる
ことによって、または真空もしくは超音波脱気手順を利用することによって、溶媒を脱気
することができる。
【0031】
水性環境中で式Aの化合物をスルフォラファンに酸化することが可能なものであること
を条件として、任意の適切な酸化剤を反応において使用することができる。例えば、酸化
剤は、過酸化水素または水溶性もしくは水混和性の有機過酸、例えばメタ−クロロ過安息
香酸(mCPBA:meta−Chloroperoxybenzoic acid)か
ら選択することができる。一実施形態では、酸化剤は過酸化水素である。過酸化水素は、
本発明の方式において反応して、最終生成物としてスルフォラファンおよび水を形成する
(すなわち、不要な副生成物が形成されない)ため、特に適切である。
【0032】
適切には、酸化剤は、すべての式Aの化合物をスルフォラファンに酸化するのに十分な
量で存在する。スルホニル副生成物の形成を防止または制限するように条件が制御される
場合は、わずかに過剰の酸化剤を使用することも可能であるが、通常は、(式Aの化合物
に対して)約1モル当量の酸化剤が必要とされる。例えば、ある場合には、(式Aの化合
物に対して)1〜2モル当量の酸化剤を使用することができ、より適切には1〜1.5モ
ル当量の酸化剤を使用することができ、さらにより適切には1〜1.1モル当量の酸化剤
を使用することができる。
【0033】
反応はまた、適切な触媒の存在下で進行する。水性溶媒に相溶性があり、式Aの化合物
の酸化を促進することが可能である任意の触媒を使用することができる。触媒は、水性環
境中で活性があるものでなければならず、均一系であっても不均一系であってもよい。適
切な触媒の例には、シクロデキストリンおよび/またはフラー土(Fuller’s E
arth)などの酸触媒、ならびに有機酸または無機酸、例えば、アスコルビン酸、ギ酸
、酢酸、および/または硫酸などが含まれる。
【0034】
特定の一実施形態では、触媒はシクロデキストリンである。任意の適切なシクロデキス
トリンを触媒として使用することができる。例えば、シクロデキストリンは、W6(α)
シクロデキストリン(六糖の環状分子、six sugar ring molecul
e)、W7(β)シクロデキストリン(七糖の環状分子、seven sugar ri
ng molecule)、W8(γ)シクロデキストリン(八糖の環状分子、eigh
t sugar ring molecule)、これらの誘導体(ヒドロキシアルキル
誘導体など、例えば、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン)、およびこれらの混合物
の1つまたは複数から選択することができる。当技術分野において公知のその他のシクロ
デキストリンについても、本合成方法において有用であると考慮されるものであり、本発
明は列挙された特定のシクロデキストリンに限定されないものとする。
【0035】
本発明の一実施形態では、触媒として使用されるシクロデキストリンは、α−シクロデ
キストリンである。
【0036】
必要とされる触媒の量は、使用される酸化剤、触媒および反応条件の性質に応じて変化
しうる。適切には、(式Aの化合物に対して)0.0001〜1.0モル当量の触媒が存
在し、より適切には、0.005〜0.2モル当量の触媒が存在し、さらにより適切には
、0.005〜0.05モル当量の触媒が存在する。
【0037】
酸化剤が過酸化水素である本発明の実施形態では、過酸化水素は適切には反応混合物に
ゆっくりと添加され、反応混合物の温度が15℃以下、より好ましくは、10℃以下に維
持される。適切には、過酸化水素を添加する間、温度をモニタリングし、温度が所望の範
囲内に留まることを確実にするように添加速度を調節する。
【0038】
本発明の一実施形態では、酸化剤は過酸化水素であり、溶媒は水であり、触媒はシクロ
デキストリン、フラー土、ならびにアスコルビン酸、ギ酸、酢酸および/または硫酸など
の酸から選択される。本発明の特定の一実施形態では、酸化剤は過酸化水素であり、溶媒
は水であり、触媒はシクロデキストリン、特にα−シクロデキストリンである。そのよう
な実施形態では、式Aの化合物と触媒を水中に溶解させ、15℃未満か、より好ましくは
、10℃未満(例えば、1〜2℃の間)に冷却してもよく、次に、過酸化水素水溶液を、
温度が15℃、より好ましくは、10℃を超えないように制御された下で冷却された溶液
に添加してもよい。次に、反応物を撹拌し、適切な時間、例えば、1〜48時間の間、反
応を進行させてもよい。次に、スルフォラファン生成物を収集してもよいし、その後の方
法のステップにおいて使用してもよい。
【0039】
出発物質、すなわち、式Aの化合物は、商業的に入手することができ(多様な供給業者
から天然もしくは合成製品として得ることができる)かつ/または当技術分野において公
知の技術により調製することができる。例えば、式Aの化合物は、Vermeulenと
共同研究者(Eur.J.Med.Chem、2003、38(78)、729〜737
)、D’Souzaと共同研究者(Journal of Labelled Comp
ounds&Radiopharmaceuticals、2003、46(9)、85
1〜859)、Caoとその共同研究者(Chinese Chemical Lett
ers、2006、17(9)、1152〜1154)ならびにChenと共同研究者(
Synthesis、2011、24、3991〜3996およびCN10224996
8)により記載された手順により、以下に示す式B
【化6】
の化合物から中間体として調製することができる。
【0040】
本発明の一実施形態では、式Aの化合物は、適切な溶媒(例えば、THF)中、適切な
塩基(Et
3Nなど)および適切な酸化剤(過酸化水素など)の存在下で、式B
【化7】
の化合物を二硫化炭素と反応させることにより調製される。
【0041】
特定の一実施形態では、溶媒はTHFであり、塩基はトリエチルアミンであり、酸化剤
は過酸化水素である。
【0042】
さらなる一実施形態では、式Bの化合物と塩基(例えば、トリエチルアミン)を、低温
(例えば、25℃未満、より好ましくは0℃未満、さらにより好ましくは、−10℃未満
)で、溶媒(例えば、THF)中に溶解させる。次に、二硫化炭素を反応混合物に添加す
る。適切には、二硫化炭素を添加する間、温度を制御する(例えば、25℃未満、より好
ましくは5℃未満、さらにより好ましくは、0℃未満に温度を維持する)。二硫化炭素は
、反応混合物の温度を低く維持するために、制御された速度で添加してもよい(例として
、例えば0.5〜4時間の期間にわたって滴下して加えてもよい)。次に、反応混合物を
(例えば、5〜25℃の間に、より好ましくは5〜20℃の間に)温めてもよく、次に、
酸化剤(例えば、過酸化水素)が添加される。
【0043】
当技術分野において周知の技術を使用して、得られた式Aの化合物の粗生成物を収集し
、洗浄し、(例えば蒸留により)精製して、純粋な式Aの化合物を得ることができる。
【0044】
[スルフォラファン−シクロデキストリン錯体を生成する方法]
本発明は、スルフォラファンとシクロデキストリンの錯体を調製するための方法であっ
て、
(i)水性溶媒中、触媒の存在下で、式A:
【化8】
の化合物を酸化剤と反応させて、スルフォラファンを形成するステップと、
(ii)ステップ(i)からのスルフォラファンの水溶液を水性溶媒中でシクロデキス
トリンの水溶液と混合して、スルフォラファン−シクロデキストリン錯体の沈殿物を形成
するステップと
を含む、方法をさらに提供する。
【0045】
反応のステップ(i)は、上述したスルフォラファンを合成する方法である。ステップ
(i)において水性溶媒を使用することの特別な利点の1つは、反応を完了させ、反応混
合物にシクロデキストリンの水溶液を単純に添加することで、安定化スルフォラファン−
シクロデキストリン錯体を形成することを可能にすることである。したがって、本方法は
、スルフォラファンを安定化させることができる単純で、効果的で、迅速な手段を提供す
る。
【0046】
スルフォラファン−シクロデキストリン錯体は、その全内容を参照により本明細書の一
部となす米国特許第7,879,822号明細書において記載されている。
【0047】
本発明の方法は、適切には、スルフォラファン−シクロデキストリン錯体の沈殿物を収
集し、次に任意選択で、沈殿物を洗浄し乾燥させるさらなるステップを含む。沈殿物は、
ろ過などの、当技術分野において周知の技術によって収集することができる。
【0048】
水溶液中でスルフォラファン−シクロデキストリン錯体を形成するための適切な反応条
件は、米国特許第7,879,822号明細書から、当技術分野において公知である。
【0049】
いくつかの実施形態では、生じた錯体の純度を、再結晶によりさらに高めることができ
る。
【0050】
任意の適切なシクロデキストリンは、スルフォラファンとの錯体の形成用になり得る。
ステップ(i)における触媒がシクロデキストリンである実施形態では、ステップ(ii
)において錯体を形成させるために使用されるシクロデキストリンは、ステップ(i)に
おいて触媒として使用されるシクロデキストリンと同一であっても、異なっていてもよい
。例として、本発明の方法において使用するためのシクロデキストリンは、W6(α)シ
クロデキストリン(六糖の環状分子)、W7(β)シクロデキストリン(七糖の環状分子
)、W8(γ)シクロデキストリン(八糖の環状分子)、これらの誘導体(ヒドロキシア
ルキル誘導体など、例えば、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン)、およびこれらの
混合物の1つまたは複数から選択することができる。当技術分野において公知のその他の
シクロデキストリンについても本方法において有用であると考慮されるものであり、本発
明は列挙された特定のシクロデキストリンに限定されないものとする。
【0051】
本発明の一実施形態では、ステップ(ii)においてスルフォラファンと錯体を形成さ
せるために使用されるシクロデキストリンは、α−シクロデキストリンである。
【0052】
ステップ(i)から得られたスルフォラファンと混合する前に、本方法のステップ(i
i)において利用するシクロデキストリンを水などの水性溶媒中に溶解させてもよい。シ
クロデキストリンの溶媒中への溶解/分散は、当技術分野において公知の任意の方法によ
り達成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、シクロデキストリンを溶媒
中に入れて混合物を加熱することにより、シクロデキストリンを水性溶媒中に完全にまた
は部分的に溶解させることができる。さらなる実施形態では、超音波処理を利用して、シ
クロデキストリンを溶媒中に完全にまたは部分的に溶解させることができる。さらなる実
施形態では、複数の溶解方法を利用して、例えば、溶媒を加熱すると共に超音波処理を利
用することにより、使用者が所望する溶解レベルを達成することができる。
【0053】
本方法のステップ(ii)においてスルフォラファンとシクロデキストリンを足し合わ
せ(add together)、混合する準備ができたら、任意の混合方法を利用する
ことができる。例えば、撹拌、超音波処理、かき混ぜ、または当技術分野において公知の
その他の方法により、構成要素(component)を混合することができる。いくつ
かの実施形態では、複数の混合方法を一緒に利用することができる。
【0054】
混合の持続期間は、利用する特定の混合方法に基づいて変化しうる。例えば、撹拌また
は超音波処理を利用する場合、スルフォラファンとシクロデキストリンは、約2時間〜約
48時間混合されうる。他の実施形態では、スルフォラファンおよびシクロデキストリン
は、撹拌器または超音波処理により約6時間〜約15時間混合されうる。
【0055】
上述したように、スルフォラファンとシクロデキストリンを混合するために、複数の混
合方法を利用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、撹拌と共に超音波処
理を利用することができる。そのような実施形態では、撹拌器で約2時間〜約48時間混
合している最中に、約0.01時間〜約1.5時間の期間、超音波処理を利用することが
できる。
【0056】
スルフォラファンとシクロデキストリンの最初の混合は、周囲温度、例えば15℃〜2
5℃の間で行うことができる。しかしながら、特定の一実施形態では、スルフォラファン
とシクロデキストリンを混合した後、形成された沈殿物を安定化させるため、混合物は冷
却される。使用される特定のスルフォラファンおよびシクロデキストリンが、必要とされ
る冷却の持続期間および程度を決定しうる。例えば、混合物は、約−10℃〜約20℃の
間、より適切には約−8℃〜約10℃の間、さらにより適切には約−5℃〜約4℃の間の
範囲内の温度に冷却されうる。冷却の持続期間は変化しうるものであり、例えば、約0.
1時間〜約24時間でありうる。
【0057】
特定の一実施形態では、任意選択で約0.5時間〜約4時間の期間、混合物を約−5℃
〜約2℃の温度に冷却することができる。次に、沈殿物をろ過して、純度の高いスルフォ
ラファン−シクロデキストリン錯体を得ることができる。
【0058】
適切には、生じた錯体におけるスルフォラファンとシクロデキストリンのモル比は、0
.4:1〜1:1、適切には0.8:1〜1:1、より適切には0.9:1〜1:1、0
.95:1〜1:1または0.98:1〜1:1の範囲内である。
【0059】
さらなる実施形態では、生じた錯体を再結晶させて、スルフォラファンの純度レベルが
さらに高い錯体を得ることができる。そのような実施形態では、当技術分野において公知
の任意の再結晶方法を利用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、生じた
混合物を冷却させることにより、生じた混合物を第2の溶媒中に溶解させることにより、
化学反応により、混合物のpHを変化させることにより、または溶媒を蒸発させることに
より、再結晶を達成することができる。使用者の仕様によって、利用される特定の方法が
決定されうる。
【0060】
いくつかの実施形態では、再結晶方法には、形成された固体粒子を溶媒中に溶解させる
ことが含まれうる。そのような溶解は、当技術分野において公知の任意の方法により完了
させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、超音波処理により溶解を完了さ
せることができる。超音波処理は、高温、すなわち、約50℃〜約100℃で完了させる
ことができ、固体粒子が残らなくなるまで継続することができる。さらに、シクロデキス
トリンを溶解させることに関連して有用でありうる上述の溶媒を含め、当技術分野におい
て公知の任意の溶媒を利用することができる。
【0061】
溶解が実質的に完了した後、混合物を室温で保持して、溶液から固体を沈殿させること
ができる。利用される物質に応じて、混合物が室温で保持される時間は変化しうる。例え
ば、スルフォラファンを利用した場合、固体の大部分は、室温で保持された1時間以内に
溶液から沈殿しうる。他の実施形態では、溶液により、錯体の固体を溶液から十分に沈殿
させるのに、1時間超または1時間未満がかかりうる。
【0062】
上述したように、次に、固体を冷却して、錯体の形成および安定化を促進することがで
きる。使用される特定の錯体が、必要な冷却量を決定しうる。例えば、いくつかの実施形
態では、混合物は、任意選択で約0.1時間〜約2時間の時間、約−10℃〜約20℃の
温度で維持された冷却装置、例えば冷蔵庫などで冷却されうる。他の実施形態では、混合
物は、約2℃〜約6℃の温度で維持された冷却装置内で、約0.5時間〜1時間の間の時
間冷却してもよい。錯体が十分に結晶した後、次に、結晶をろ過して、純度がさらに高い
スルフォラファン−シクロデキストリン錯体を生成することができる。
【0063】
[医薬組成物および治療方法]
別の態様では、本発明は、抗がんおよび/または抗微生物治療を、そのような治療を必
要とする対象に提供する方法を対象とする。本方法は、治療有効量における本明細書にお
いて定義される純度が高いスルフォラファン−シクロデキストリン錯体をそのような治療
を必要とする対象に投与するステップを含む。
【0064】
本治療方法の第1の構成要素は、本明細書において定義される方法に従って調製される
スルフォラファン−シクロデキストリン錯体である。本発明において有用である構成要素
は、製剤が医薬的用途に適した品質および安定性を有し、生じる製剤の生理的活性または
安全性に影響を与えない限り、いかなる純度またはグレードであってもよい。
【0065】
本方法は、その他の薬学的に許容される構成要素の投与をさらに含むことができる。「
薬学的に許容される」という用語は、本明細書において形容詞的に用いられ、修飾された
名詞が医薬品において使用するのに適していることを意味する。
【0066】
本方法により創製されたスルフォラファン−シクロデキストリン錯体が、薬学的に許容
される担体または薬学的に許容される賦形剤(これらの用語は本明細書において互換的に
用いられうる)と共に供給されたとき、医薬組成物を形成することができる。本発明の医
薬組成物は、周知の薬学技術のいずれかにより、例えば、構成要素を混合することにより
、調製することができる。
【0067】
本発明の医薬組成物は、本明細書において記載される障害の予防または治療に適した組
成物を対象とする。
【0068】
薬学的に許容される担体および賦形剤は、医薬化合物由来の副作用が最小化され、治療
効果がなくなるほど化合物の性能が相殺または阻害されないように選択される。薬学的に
許容される担体には、生理食塩液、リンゲル液(Ringer’s)、リン酸塩溶液また
はリン酸塩緩衝液、緩衝食塩水、および当技術分野において公知のその他の担体が含まれ
るが、これらに限定されない。医薬組成物は、安定剤、抗酸化剤、着色剤および希釈剤も
含むことができる。
【0069】
担体は、組成物の他の成分と適合性があるという意味で許容されるべきであり、レシピ
エントに有害であってはならない。担体は固体もしくは液体、またはその両方でもよく、
約0.01重量%〜約95重量%の活性化合物を含有しうる単位用量組成物、例えば、錠
剤として、化合物と共に製剤化することができる。
【0070】
薬学的に許容される担体は、化合物の所望の投与経路に基づいて選択することもできる
。所望の投与経路は、経口、経腸、非経口、注射、口腔、および局所の1つまたは複数で
あってもよい。例えば、一実施形態では、担体は経口投与に適したものである。いくつか
の実施形態では、組成物は、消化管または腸管への化合物の送達を促進するのに適した担
体またはさらなる薬剤を含む。
【0071】
特に、本発明の医薬組成物、またはそれらを含む組成物は、例えば、錠剤、コーティン
グ錠、糖衣錠、トローチ剤、薬用ドロップ、水性もしくは油性の懸濁剤、分散性散剤もし
くは分散性顆粒剤、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシ
ル剤として、経口的に投与することができる。経口使用が意図される組成物は、当技術分
野において公知の任意の医薬組成物の製造方法により調製することができ、そのような組
成物は、甘味剤、矯味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種または複数
の薬剤を含有することで、薬学的に許容される風味がよい製剤を提供することができる。
錠剤は、錠剤の製造に適した無毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合された有効成分を
含有しうる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸
ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなど;造粒および
崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼ
ラチン、またはアラビアゴム、ならびに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸またはタルクとすることができる。錠剤はコーティングしなくてもよく、または
、公知の技術によりコーティングして、消化管における崩壊および吸着を遅らせることに
より、より長い期間にわたって持続的作用を提供するものとしてもよい。例えば、モノス
テアリン酸グリセリル、またはジステアリン酸グリセリルなどの徐放化剤を採用すること
ができる。
【0072】
経口使用のための製剤は、有効成分が不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン
酸カルシウム、またはカオリンなどと共に混合されているゼラチン硬カプセル剤として提
供することもでき、または、有効成分が水または油媒体、例えばラッカセイ油、流動パラ
フィン、多種多様な薬草エキスのいずれか、牛乳、もしくはオリーブ油などと共に存在す
るか混合されているゼラチン軟カプセル剤として提供することもできる。
【0073】
活性物質を水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合し含有して、水性懸濁剤を生成する
ことができる。そのような賦形剤には、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナ
トリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナト
リウム、ポリビニルピロリドン トラガントガム、アラビアゴムなど;天然由来のホスフ
ァチド、例えばレシチンなど、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えばポ
リオキシエチレンステアレートなど、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールと
の縮合物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノールなど、またはエチレンオキシドと
脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシエ
チレンソルビトールモノオレエートなど、またはエチレンオキシドと脂肪酸および無水ヘ
キシトールから誘導された部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタ
ンモノオレエートなどを用い得る分散剤または湿潤剤が含まれる。
【0074】
水性懸濁剤はまた、1種もしくは複数の保存料、例えばエチルもしくはn−プロピルの
p−ヒドロキシ安息香酸など、1種もしくは複数の着色剤、1種もしくは複数の矯味剤、
または1種もしくは複数の甘味剤、例えばショ糖、グリセロール、ソルビトール、もしく
はサッカリンなども含有することができる。
【0075】
油性懸濁剤は、オメガ−3脂肪酸、植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油
、ヤシ油などに、または流動パラフィンなどの鉱油に有効成分を懸濁させることにより製
剤化することができる。油性懸濁剤は、増粘剤、例えばミツロウ、固形パラフィン、また
はセチルアルコールなどを含有することができる。
【0076】
上記したものなどの甘味剤、および矯味剤を添加して、風味がよい経口製剤を提供する
ことができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することにより
保存することができる。
【0077】
水を加えることにより水性懸濁剤を調製するのに適した分散性の散剤および顆粒剤は、
分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種または複数の保存料と混合された有効成分を提
供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、すでに上述したものにより例示さ
れる。さらなる賦形剤、例えば甘味剤、矯味剤および着色剤も存在していてもよい。
【0078】
スルフォラファン−シクロデキストリン錯体を含有するシロップ剤およびエリキシル剤
は、甘味剤、例えばグリセロール、ソルビトール、またはショ糖などと共に製剤化するこ
とができる。そのような製剤は、粘滑薬、保存料、ならびに/または矯味剤および着色剤
も含有することができる。経口投与用の液体剤形には、当技術分野において通常使用され
る水などの不活性希釈剤を含有する、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ
剤、および/またはエリキシル剤が含まれうる。そのような組成物は、湿潤剤、乳化剤お
よび/または懸濁化剤、ならびに甘味剤、矯味剤および/または着香剤などの補助薬も含
むことができる。
【0079】
経口投与に適した医薬組成物は、それぞれが所定の量の少なくとも1種の本発明におい
て有用な治療化合物を含有する個別の単位で、散剤もしくは顆粒剤として、水性もしくは
非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤として、または水中油型もしくは油中水型の乳剤とし
て提供することができる。上述したとおり、そのような組成物は、任意の適切な薬学的方
法により調製することができ、その方法は活性化合物と担体(1つまたは複数の副成分を
構成しうる)を組み合わせるステップを含みうる。概して、組成物は、活性化合物を液体
もしくは微粉固形担体、またはその両方と混合して、次に、必要に応じて、生成物を成形
することにより調製される。
【0080】
例えば、錠剤は、化合物の粉末または顆粒を、任意選択で1つまたは複数の副成分と共
に圧縮成形するか、型に入れることにより調製することができる。圧縮錠(compre
ssed tablet)は、適切な機械で、任意選択で結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤
および/または界面活性剤/分散剤と混合した、粉末または顆粒などの自由流動形態(f
ree−flowing form)の化合物を圧縮成形することにより調製することが
できる。湿製錠(molded tablet)は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で
湿潤させた化合物粉末を型に入れることにより作製することができる。
【0081】
本発明の組合せの経口送達には、当技術分野において周知のように、いくつもの機構に
より消化管および/または腸管に薬物の徐放性または持続性送達をもたらすための製剤が
含まれうる。これらには、小腸のpH変化に基づく剤形からのpH感受性放出、錠剤また
はカプセル剤の緩徐な崩壊、製剤の物理的特性に基づく胃における保持、腸管の粘膜内層
への剤形の生体接着、または剤形からの活性薬の酵素による放出が含まれるが、これらに
限定されない。本発明の方法、組合せおよび組成物において有用な治療化合物のいくつか
について、意図する効果は、剤形の操作(manipulation)により、活性薬物
分子を作用部位に送達させる期間を延長することである。したがって、腸溶性および腸溶
性制御放出製剤は、本発明の範囲内である。適切な腸溶コーティングには、セルロースア
セテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースフタレートならびにメタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルのアニオン性
ポリマーが含まれる。
【0082】
ある特定の実施形態では、医薬組成物には、コーティングされていない素錠、または、
公知の技術によりコーティングして消化管における崩壊および吸収を遅らせることにより
、より長い期間にわたって徐放性作用をもたらすこともできる錠剤が含まれうる。徐放化
剤としては、例えば、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリルなどを採
用することができる。
【0083】
さらなる実施形態では、本方法により創製された組成物を、非経口的に、例えば皮下、
静脈内、筋肉内、胸骨内などに、または無菌注射用の水性もしくは油性の懸濁剤の形態で
注入技術により投与することができる。無菌注射用製剤はまた、無毒性の非経口的に許容
される希釈剤または溶媒中の無菌注射用液剤または懸濁剤、例えば1,3−ブタンジオー
ル中の溶液などであってもよい。採用することができる許容されるビヒクルおよび溶媒は
とりわけ、水、リンゲル液および等張食塩水である。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒
または懸濁化媒体として通常採用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたは
ジグリセリドを含め、任意の無菌性の不揮発性油を採用することができる。さらに、n−
3多価不飽和脂肪酸は、注射可能薬剤の調製において使用されうる。
【0084】
非経口投与に適した医薬組成物には、本発明の化合物の無菌の水性製剤が含まれうる。
これらの製剤は静脈内投与することができるが、皮下、筋肉内、もしくは皮内注射によっ
て、または注入により投与を行うこともできる。そのような製剤は、化合物を水と混合し
、得られた溶液を無菌かつ血液と等張にすることにより調製することができる。本発明に
よる注射用組成物は概して、0.01〜10%の重量比(w/w)の本明細書において開
示される化合物を含有するであろう。
【0085】
有効成分は、例えば、生理食塩水、デキストロース、または水が適切な担体として使用
されうる組成物として注射により投与することもできる。それぞれの活性治療化合物の適
切な1日の用量は、上述の経口投与によりもたらされるのと比較的同じ血清レベルを達成
する用量である。
【0086】
口腔または「舌下」投与もまた本発明により包含され、これには本明細書において示さ
れた化合物を含む薬用ドロップまたはチュアブルガムが含まれる。化合物を風味付け基材
およびアラビアゴムまたはトラガントに入れることもでき、ゼラチン、グリセリンなどの
不活性基材またはショ糖およびアラビアゴム中に化合物を含む芳香錠に化合物を入れるこ
ともできる。
【0087】
本発明の医薬組成物は、皮膚への局所適用にも適しており、軟膏剤、クリーム剤、ロー
ション剤、パスタ剤、ゲル剤、スプレー剤、散剤、ゼリー剤、洗眼剤、液剤、懸濁剤、エ
アゾール剤、または油剤の形態をとることができる。担体を使用することができ、これに
はワセリン(例えば、Vaseline(登録商標))、ラノリン、ポリエチレングリコ
ール、アルコール、およびこれらの2種以上の組合せが含まれる。活性化合物(複数可)
は概して、組成物の0.01〜50%の重量比(w/w)、例えば約0.01〜約2%な
どの濃度で存在する。
【0088】
本発明は、安全で有効な量の等張化剤も含むことができ、これには塩化ナトリウムなど
の塩および/またはソルビトール、マンニトールなどの非電解質等張化剤が含まれる。
【0089】
本組成物の構成要素の溶解度は、組成物中の界面活性剤またはその他の適切な共溶媒に
より高めることができる。そのような共溶媒には、ポリソルベート20、60、および8
0、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン界面活性剤(例えば、BASF(登録商
標)から入手可能である、Pluronic F−68、F−84およびP−103)、
シクロデキストリン、または当業者に公知のその他の薬剤が含まれる。そのような共溶媒
は、約0.01重量%〜約2重量%のレベルで採用することができる。
【0090】
薬学的に許容される賦形剤および担体は、上記のすべてのものなどを包含する。有効な
製剤および投与手順は、当技術分野において周知であり、標準的なテキストにおいて記載
されている。例えば、Gennaro,A.R.、Remington:The Sci
ence and Practice of Pharmacy、第20版、(Lipp
incott,Williams and Wilkins)、2000;Hoover
,John E.、Remington’s Pharmaceutical Scie
nces、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylv
ania、1975;Libermanら編、Pharmaceutical Dosa
ge Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、198
0;およびKibbeら編、Handbook of Pharmaceutical
Excipients(第3版)、American Pharmaceutical
Association、Washington、1999を参照されたい。
【0091】
本方法では、本明細書において記載される障害および/または関連する状態の治療およ
び/または予防を必要とする対象を、ある量の本発明の精製スルフォラファンで治療する
ことができ、個々の構成要素の量が治療または予防有効量を構成するのに十分な投薬量ま
たは量を提供する。
【0092】
精製スルフォラファン−シクロデキストリン錯体の有効量は、当然、選択された特定の
化合物、意図する用途、投与様式、治療されるホスト、レシピエントの臨床状態などの、
いくつかの要因に依存する。
【0093】
発がん、腫瘍形成、または抗菌の症状は、利益がいかにわずかであろうと達成されたと
き、改善または改良されたとみなされる。
【0094】
本明細書において提供される本組成物および方法のための投薬量は、化学的防御または
化学的予防結果をもたらす際に実証される効力に基づいて決定し、調節することができる
。さらに、発がんまたは腫瘍形成の症状の有無を測定し、定量化する方法を当業者は知っ
ているであろう。
【0095】
本組成物のための投薬量は、化学的防御、化学的予防、および/または抗菌効果をもた
らすのに有効な量である。
【0096】
投薬量は、Goodman&GilmanのThe Pharmacological
Basis of Therapeutics、第9版(1996)、補遺II、17
07〜1711ページからのガイダンスによっても決定することができることを、当業者
において理解されよう。
【実施例】
【0097】
次に、本発明を以下の例において例証する。
【0098】
[一般的材料および方法]
1Hおよび
13CのNMRスペクトルを、内部標準としてTMSを使用して、Oxfo
rd 400MHz分光計で記録し、化学シフトをppmで報告する。
【0099】
エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)を、Waters 2695セ
パレーションモジュールおよびWater 996フォトダイオードアレイ検出器に接続
したMicromass Platform LCZで実施した。GC−MS分光分析を
、Agilent 7820A/5975 MSDシリーズを用いて実施した。
【0100】
HPLCを、HP 1050モジュール、カラム:Phenomenex Gemin
i C18、5μ、110Å、250×4.6mmで実施した。総実行時間を40分とし
た。H
2O中MeCN+0.1%TFA、流量:1.5mL/分とし、検出器:244n
m(VWD)とした。
【0101】
カールフィッシャー(H
2O含量)分析を、滴定スタンド703型(Tiスタンド)を
備えたKFクーロメータ831で実施した。
【0102】
すべての反応を乾燥窒素雰囲気下で行った。報告した収率は単離収率である。すべての
化学試薬は、商業的供給源から購入し、そのまま使用した。
【0103】
[出発物質の調製]
[1−イソチオシアナト−4−メチルチオブタン(式A)の調製]
【化9】
オーバーヘッドスターラ、温度プローブおよび1Lの添加用ロート(funnel)な
らびにN
2の正流(positive flow)を備えた50Lの多口丸底フラスコを
MeOH/氷浴中で−10℃に冷却して、THF(EMD、試薬グレード、15.0L)
を入れた。1−アミノ−4−メチルチオブタン(式B;1.5Kg、12.6モル、1.
0当量)およびトリエチルアミン(1.75L、1.0当量)を加え、その溶液を−10
℃未満に冷却されるまでさらに撹拌した。内部温度を−3℃未満に維持しながら(浴温度
は−20℃であった)、二硫化炭素(755mL、1.0当量)を2時間にわたって滴加
した後、その黄緑色の溶液を11℃まで温めた。内部温度を11〜18℃の間で維持しな
がら(浴温度は0℃であった)、過酸化水素(35%水溶液、1224mL、1.0当量
)を2.5時間にわたってゆっくりと添加すると、黄色の微粒子が渦を巻いている暗橙赤
色の懸濁液を生じた。
【0104】
後処理(Workup):一夜撹拌した後、一定分量をGC(15℃/分で75℃→2
00℃、次いで40℃/分で300℃まで、2分保持:7.73分)により検査し、次に
フィルターヘッドを備えたホースを使用して50Lの後処理ステーションに混合物を移し
た。混合物を酢酸エチル4.5Lで希釈し、次に10%HCl(6L)、水(6L)、お
よびブライン(7.5L)で洗浄した。収集した有機層を無水Na
2SO
4で脱水し、ろ
過し、真空下で濃縮して、約2kgの暗赤色の油を得た。
【0105】
蒸留:その赤色の油を2Lの(3バッチ)丸底フラスコに移し、クーゲルロールに接続
した。装置を高真空下(約0.3〜0.5torr)に置き、空気浴を85℃に加熱した
。前留分(大部分が酢酸エチル、および微量の未知の副生成物)を廃棄した。レシーバを
換えた後、浴温度を115℃まで上げた。淡黄色の物質が100〜110℃で抽出され、
ドライアイス/アセトン浴と接触されてすぐに凍結した。蒸留(3回のバッチ)の後、H
PLCでの純度は98%、GCでの純度は>99%である物質1.7Kg(収率84%)
が得られた。
【0106】
1HNMR (CDCl
3, 400 MHz); δ1.7-1.85(m, 4H), 2.2 (s, 3H), 2.55 (t, 2H), 3.56 (
t, 2H)
【0107】
<例1 スルフォラファン(1−イソチオシアナト−4−メチルスルフィニルブタン)
の調製>
【化10】
オーバーヘッドスターラ、温度プローブおよび500mLの添加用ロートを備えた5L
の多口丸底フラスコに、N
2の正流を供給した。α−シクロデキストリン(α―CD、3
0g、0.03モル、0.01当量)を蒸留水1L中に溶解させ、30分にわたって窒素
でパージすることにより脱気した。上記の溶液に、501g(3.1モル、1当量)の1
−イソチオシアナト−4−メチルチオブタン(式A)を加え、0℃で30分にわたって再
度脱気した。温度を0〜2℃の間に維持しながら、この2相の反応混合物に、305mL
のH
2O
2(3.1モル、1当量、35%水溶液)をゆっくりと添加した[注:温度が1
0℃を超えて上がらないように、過酸化水素を十分に低い速度で滴加した]。添加が完了
したら、反応混合物を氷浴温度で約8時間撹拌した後、一夜でゆっくりと室温にならせた
。反応混合物をろ過して薄黄色の不溶性固体を除去した後、ろ液を冷蔵庫で約1時間保持
した。HPLC分析において、粗製のスルフォラファンは純度約95%であった。
【0108】
この物質を、さらなる後処理/精製なしで、錯体化ステップ(例2)に使用した。
[3回の反復の概要−]
【表1】
【0109】
3回のバッチすべてを同じ反応スケールで行い、反応は反応時間および生成物純度の点
で同様に進行した。
【0110】
1HNMR (CDCl
3, 400 MHz); δ1.90 (m, 4H), 2.58 (s, 3H), 2.75 (m, 2H), 3.60 (t, 2
H).
【0111】
13CNMR (CDCl
3, 100 MHz); δ130.2, 53.4, 44.5, 38.5, 29.5, 20.1
【0112】
<例2 スルフォラファン−シクロデキストリン錯体の調製>
【化11】
窒素雰囲気下で55℃まで加熱することにより、α−シクロデキストリン(Wacke
r CAVAMAX W6 Food Grade、3015g、3.1モル、1当量)
を蒸留水(8L)に溶解させた。均一な溶液を氷−水浴を使用して約25℃まで冷却させ
、次に窒素をパージすることにより約20分間脱気した。脱気後、溶液は曇った(fog
gy)溶液となった。スルフォラファンの水溶液を冷蔵庫から取り出し(前のステップを
参照のこと)、上記の曇ったα−シクロデキストリン溶液にすぐに加えた。この段階で反
応温度は約18℃であり、室温で一夜(約16時間)撹拌を継続した。不均一な反応混合
物を氷−メタノール浴を使用して1〜2℃まで冷却させ、その温度で3時間撹拌した。沈
殿した白色固体をろ過によって採取し、ろ過ロートをラテックスシートで被覆することに
より高真空下、室温で一夜乾燥させた。白色のろ過ケーク(cake)を10Lのロータ
リーエバポレーターのフラスコ中に移し、高真空下、室温でさらに乾燥させ、錯体2,8
02g(HPLCによる純度98.7%、収率78.5%)を得た。
[3回の反復の概要−]
【表2】
【0113】
3回のバッチすべてをほぼ同じスケールで行い、反応は反応時間、収率、生成物純度お
よびα−シクロデキストリンへのスルフォラファンのローディング率(%)の点で同様に
進行した。
【0114】
1HNMR (D
2O, 400 MHz); δ1.99 (br, 4H), 2.73 (s, 3H), 2.98 (br, 2H), 3.60 (m, 1
2H), 3.70 (br, 2H), 3.92(m, 24H), 5.11 (d, 6H).
【0115】
13CNMR (D
2O, 100 MHz); δ130.05, 101.82, 81.40, 74.05, 71.98, 71.84, 60.34, 52
.02, 44.94, 37.03, 29.29, 20.08.
【0116】
<例3 異なる触媒および反応条件を用いたスルフォラファン(1−イソチオシアナト
−4−メチルスルフィニルブタン)の調製>
一般的手順:
【化12】
オーバーヘッドスターラ、温度プローブおよび添加用ロートを備えた多口丸底フラスコ
に、N
2の正流を供給した。酸触媒(0.001〜0.01当量)を溶媒(水、アセトニ
トリル、アセトン等)に溶解させ、窒素でパージすることにより30分にわたって脱気し
た。上記の溶液に1当量のチオエーテル出発物質(2)を添加し、0〜5℃で30分にわ
たって再度脱気した。温度を0〜10℃の間に維持しながら、この2相の反応混合物に1
当量の酸化剤(H
2O
2、m−CBPA等)をゆっくりと添加した。添加が完了したら、
反応混合物を氷浴温度で約8〜24時間撹拌した後、一夜でゆっくりと室温にならせた。
反応混合物をろ過して不溶性固体を除去した後、ろ液を冷蔵庫で保持するか、次のステッ
プにおいて直ちに使用した。HPLC分析において、粗製のスルフォラファンは純度≧9
5%であった。この物質をさらなる精製なしで錯体化ステップに使用した。
【0117】
多様な溶媒中のおよび/または異なる触媒/酸の存在下での化合物2のスルフォラファ
ンへの酸化を、反応条件と共に下の表に示す。
【表3】
【0118】
上記の結果に基づくと、列挙された触媒のすべてが同様の結果をもたらしたが、シクロ
デキストリンはスルフォラファンを安定化させるために次の錯体化ステップにおいて使用
されるため、シクロデキストリンが好ましい。
【0119】
HPLCによって、微量のスルホニル不純物(エリソリン)のみ検出された。