【文献】
LI, Tingxi et al.,Organic electroluminescent devices using europium complex_doped poly(N-vinylcarbazole),POLYMERS FOR ADVANCED TECHNOLOGIES,英国,2004年 6月,Vol.15 No.6,Page.302-305
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記赤色有機発光材料の含有量は、前記電子型有機ホスト材料に対して2wt%〜5wt%である、ことを特徴とする請求項1に記載の赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記赤色有機発光材料は、ジ(2−フェニルキノリナト)−(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イリジウム、ジ(2−ベンゾ[b]2−チエニルピリジナト)アセチルアセトナトイリジウム、トリス(1−フェニルイソキノリナト)イリジウム、ジ(1−フェニルイソキノリナト)(アセチルアセトナト)イリジウム、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリナト](アセチルアセトナト)イリジウム、ジ[2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)キノリナト](アセチルアセトナト)イリジウム、ジ(2−フェニルキノリナト)(2−(3−メチルフェニル)ピリジネート)イリジウム、トリス[2−フェニル−4−メチルキノリナト]イリジウム、ビス(フェニルイソキノリナト)(2,2,6,6−テトラメチルヘキサン−3,5−ジオナト)イリジウム、ジ(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)(アセチルアセトナト)イリジウム及びジ[2−(2−メチルフェニル)−7−メチル−キノリナト](アセチルアセトナト)イリジウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1或2に記載の赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記電子型有機ホスト材料は、2,6−ビス[3−(9H−9−カルバゾリル)フェニル]ピリジン、1,4−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン、2,2’−ビス(4−(9−カルバゾリル)フェニル)ビフェニル、[2,4,6−トリメチル−3−(3−ピリジル)フェニル]ボラン、1,3,5−トリス[(3−ピリジル)−3−フェニル]ベンゼン、1,3−ビス[3,5−ジ(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン、1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ベンゼン、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール及び9−(8−ジフェニルホスホリル)−ジベンゾ[b,d]フラン−9H−カルバゾールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記正孔支配型発光層は、赤色有機発光材料及び正孔型有機ホスト材料から構成され、前記赤色有機発光材料は、前記正孔型有機ホスト材料に対して2.0wt%〜5.0wt%であり、
前記赤色有機発光材料は、ジ(2−フェニルキノリナト)−(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イリジウム、ジ(2−ベンゾ[b]2−チエニルピリジナト)アセチルアセトナトイリジウム、トリス(1−フェニルイソキノリナト)イリジウム、ジ(1−フェニルイソキノリナト)(アセチルアセトナト)イリジウム、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリナト](アセチルアセトナト)イリジウム、ジ[2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)キノリナト](アセチルアセトナト)イリジウム、ジ(2−フェニルキノリナト)(2−(3−メチルフェニル)ピリジネート)イリジウム、トリス[2−フェニル−4−メチルキノリナト]イリジウム、ビス(フェニルイソキノリナト)(2,2,6,6−テトラメチルヘキサン−3,5−ジオナト)イリジウム、ジ(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)(アセチルアセトナト)イリジウム及びジ[2−(2−メチルフェニル)−7−メチル−キノリナト](アセチルアセトナト)イリジウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、
前記正孔型有機ホスト材料は、4,4’−N,N’−ジカルバゾールジフェニル、1,3−ジ(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、9,9’−(5−(トリフェニルシリル)−1,3−フェニル)ジ−9H−カルバゾール、1,3,5−トリス(9−カルバゾリル)ベンゼン、4,4’,4’ ’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン及び1,4−ビス(トリフェニルシリル)ビフェニルからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記正孔輸送−電子阻止層の材料は、4,4’−シクロヘキシルジ[N,N−ジ(4−メチルフェニル)アニリン]、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル、N4,N4’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N4,N4’−ビス(4−ビニルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−2,7−ジアミン−9,9−スピロビフルオレン、N,N,N’,N’−テトラ−(3−メチルフェニル)−3−3’−ジメチルp−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(3−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)ビフェニル、N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジ(フェニル)ジアミノビフェニル、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−2,7−ジアミノ−9,9−スピロビフルオレン、N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−2,7−ジアミノ−9,9−ジメチルフルオレン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−2,7−ジアミノ−9,9−ジメチルフルオレン、N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−2,7−ジアミノ−9,9−ジフェニルフルオレン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−2,7−ジアミノ−9,9−ジフェニルフルオレン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−2,2’−ジメチルジアミノビフェニル、2,2’,7,7’−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)−2,7−ジアミノ−9,9−スピロビフルオレン、9,9−ジ[4−(N,N−ジナフタレン−2−イル−アミノ)フェニル]−9H−フルオレン、9,9−[4−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニルアミン)−フェニル]−9H−フルオレン、2,2’−ジ[N,N−ジ(4−フェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン、2,2’−ビス(N,N−フェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン、N,N’−ジフェニル−N,N’−(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、及び4,4’−ジ[N−(p−トリル)−N−フェニル−アミノ]ジフェニルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記正孔阻止−電子輸送層の材料は、トリス([2,4,6−トリメチル−3−(3−ピリジル)フェニル]ボラン、1,3,5−トリス[(3−ピリジル)−3−フェニル]ベンゼン、1,3−ビス[3,5−ジ(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン、及び1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ベンゼンからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記陽極修飾層の厚さが1〜10nmであり、前記正孔輸送−電子阻止層の厚さが30〜60nmであり、前記正孔支配型発光層の厚さが5〜20nmであり、前記電子支配型発光層の厚さが5〜20nmであり、前記正孔阻止−電子輸送層の厚さが30〜60nmであり、前記陰極修飾層の厚さが0.8〜1.2nmであり、前記陰極層の厚さが90〜300nmである、ことを特徴とする請求項1に記載の赤色有機エレクトロルミネッセンス素子。
基板上の陽極層をエッチングし、乾燥した後に前記陽極層上に陽極修飾層、正孔輸送−電子阻止層、正孔支配型発光層、電子支配型発光層、正孔阻止−電子輸送層、陰極修飾層及び陰極層を順次に蒸着し、
前記電子支配型発光層は、有機増感材料、赤色有機発光材料及び電子型有機ホスト材料から構成され、
前記有機増感材料は、トリス(ジベンゾイルメタナト)(1,10−フェナントロリナト)ユウロピウム及びトリス(テノイルトリフルオロアセトナト)(1,10−フェナントロリナト)ユウロピウムのうちから選択される1種又は2種以上であり、
前記有機増感材料は、前記電子型有機ホスト材料の0.1wt%〜0.5wt%である赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
前記陽極修飾層の蒸発速度が0.01〜0.05nm/sであり、前記正孔輸送−電子阻止層、正孔支配型発光層、電子支配型発光層及び正孔阻止−電子輸送層におけるホスト材料の蒸発速度が0.05〜0.1nm/sであり、前記電子支配型発光層における有機増感材料の蒸発速度が0.00005〜0.0005nm/sであり、前記電子支配型発光層および正孔支配型発光層における赤色発光材料の蒸発速度が0.001〜0.005nm/sであり、前記陰極修飾層の蒸発速度が0.005〜0.05nm/sであり、前記陰極層の蒸発速度が0.5〜2.0nm/sであることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明をさらに理解するために、以下、実施例を組み合わせて本発明の好適な実施態様を説明するが、これらの説明は、本発明の請求範囲を制限するものではなく、本発明の特徴および利点をさらに説明するためであるに過ぎない。
【0022】
本発明の実施例は、
基板と、
前記基板に積層された陽極層と、
前記陽極層に積層された陽極修飾層と、
前記陽極修飾層に積層された正孔輸送−電子阻止層と、
前記正孔輸送−電子阻止層に積層された正孔支配型発光層と、
前記正孔支配型発光層に積層された電子支配型発光層と、
前記電子支配型発光層に積層された正孔阻止−電子輸送層と、
前記正孔阻止−電子輸送層に積層された陰極修飾層と、
前記陰極修飾層に積層された陰極層と、
を含み、
前記電子支配型発光層は、有機増感材料、赤色有機発光材料及び電子型有機ホスト材料から構成され、
前記有機増感材料は、トリス(ジベンゾイルメタナト)(1,10−フェナントロリナト)ユウロピウム及びトリス(テノイルトリフルオロアセトナト)(1,10−フェナントロリナト)ユウロピウムのうちから選択される1種又は2種であり、
前記有機増感材料は、電子型有機ホスト材料に対して0.1wt%〜0.5wt%である、赤色有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【0023】
有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)の発光原理は、外部電圧の駆動下で、電極から注入された電子と正孔とが有機物中で遭遇し、さらにエネルギーを有機発光分子へ伝達し、それを励起させ、基底状態から励起状態へと遷移させ、励起された分子が励起状態から基底状態へと戻れるときには放射遷移により発光の現象が発生するということである。本発明は、赤色有機エレクトロルミネッセンス素子を提供し、それが赤色光を発光するのは、用いた発光材料が赤色発光材料からであり、電子と正孔とがそれぞれ発光層へ注入されると、電子と正孔とが遭遇して再結合し、さらに1つの励起子を生成し、励起子がエネルギーを発光層における赤色発光材料の分子へと伝達され、1つの電子を励起状態となるように励起し、励起状態の電子が遷移の方式により基底状態へと戻れる時に1つの赤色光子を生成し、有機エレクトロルミネッセンス素子の赤色光発光を実現する。
【0024】
本発明に係る赤色有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板、陽極層、陽極修飾層、正孔輸送−電子阻止層、正孔支配型発光層、電子支配型発光層、正孔阻止−電子輸送層、陰極修飾層及び陰極層を順次に接続して設けられている。ただし、正孔支配型発光層及び電子支配型発光層は、赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層である。
【0025】
本発明の電子支配型発光層は、有機増感材料、赤色有機発光材料及び電子型有機ホスト材料から構成され、その中、有機増感材料は、エレクトロルミネッセンス過程において増感の作用を果たし、ホスト材料から発光材料までのエネルギー移動を向上させ、かつ電子と正孔の発光領域における分布を平衡させる。赤色有機発光材料の分子は電子支配型発光層において発光中心として分散されている。電子型有機ホスト材料は、マトリックスとして機能し、電子輸送能力を提供する。電子支配型発光層において、前記有機増感材料のエネルギー準位及び三重項エネルギーは、ホスト材料、発光材料のエネルギー準位及び三重項エネルギーと整合する必要があり、このように電子と正孔の発光領域における分布を平衡させることができ、さらにホスト材料から発光材料までのエネルギー移動を加速させ、赤色有機エレクトロルミネッセンス素子が良好な総合性能を有するようになる。したがって、本発明は、発光材料に対する選択によって、前記有機増感材料として希土類錯体を選択し、前記有機増感材料としてトリス(ジベンゾイルメタナト)(1,10−フェナントロリナト)ユウロピウム(Eu(DBM)
3phen)及び式(X)の構造を有するトリス(テノイルトリフルオロアセトナト)(1,10−フェナントロリナト)ユウロピウム(Eu(TTA)
3phen)のうちの1種又は2種を選択する。
【0027】
本発明において、前記電子支配型発光層における前記有機増感材料のドープ濃度は、有機エレクトロルミネッセンス素子の性能に影響を与える。前記有機増感材料のドープ濃度が低過ぎると、増感効果が理想でなくなり、ドープ濃度が高過ぎると、有機エレクトロルミネッセンス素子の総合性能が低下してしまう。したがって、前記有機増感材料は前記電子型有機ホスト材料に対して0.1wt%〜0.5wt%であり、好ましくは0.2wt%〜0.3wt%である。
【0028】
本発明によれば、前記電子支配型発光層において、前記赤色有機発光材料は、当業者によく知られている発光材料であり、本発明では特に限定されないが、発光効果をよりよくするために、前記赤色有機発光材料は、好ましくは、式(II
1)の構造を有するジ(2−フェニルキノリナト)−(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イリジウム(PQ
2Ir(dpm))、式(II
2)の構造を有するジ(2−ベンゾ[b]2−チエニルピリジナト)アセチルアセトナトイリジウム(Ir(btp)
2(acac))、式(II
3)の構造を有するトリス(1−フェニルイソキノリナト)イリジウム(Ir(piq)
3)、式(II
4)の構造を有するジ(1−フェニルイソキノリナト)(アセチルアセトナト)イリジウム(Ir(piq)
2(acac))、式(II
5)の構造を有するジ[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリナト](アセチルアセトナト)イリジウム(Ir(fliq)
2(acac))、式(II
6)の構造を有するジ[2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)キノリナト](アセチルアセトナト)イリジウム(Ir(flq)
2(acac))、式(II
7)の構造を有するジ(2−フェニルキノリナト)(2−(3−メチルフェニル)ピリジネート)イリジウム(Ir(phq)
2tpy)、式(II
8)の構造を有するトリス[2−フェニル−4−メチルキノリナト]イリジウム(Ir(Mphq)
3)、式(II
9)の構造を有するビス(フェニルイソキノリナト)(2,2,6,6−テトラメチルヘキサン−3,5−ジオナト)イリジウム(Ir(dpm)(piq)
2)、式(II
10)の構造を有するジ(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)(アセチルアセトナト)イリジウム(Ir(MDQ)
2(acac))、及び式(II
11)の構造を有するジ[2−(2−メチルフェニル)−7−メチル−キノリナト](アセチルアセトナト)イリジウム(Ir(dmpq)
2(acac))からなる群より選ばれる1種又は2種以上である。
【0030】
電子支配型発光層において、前記赤色有機発光材料のドープ濃度も赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の総合性能に影響を与える。前記赤色有機発光材料のドープ濃度が低すぎると、素子効率が低くなり、色純度が理想でなくなり、ドープ濃度が高すぎると、発光材料分子の凝集を引き起こし、消滅分子を形成し、結果として、素子の総合性能が低くなる。したがって、前記電子支配型発光層において前記赤色有機発光材料は、好ましくは前記電子型有機ホスト材料に対して2.0wt%〜5.0wt%であり、より好ましくは2.5wt%〜4.5wt%である。前記電子型ホスト材料は、電子支配型発光層においてマトリックスとして機能し、電子輸送能力を提供し、前記電子型ホスト材料は当業者によく知られている材料であり、好ましい態様として、前記電子型ホスト材料は、好ましくは、式(XI)構造を有する2,6−ジ[3−(9H−9−カルバゾリル)フェニル]ピリジン(26DCzPPy)、式(XII)構造を有する1,4−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH2)、式(XIII)構造を有する2,2’−ビス(4−(9−カルバゾリル)フェニル)ビフェニル(BCBP)、式(XIV)構造を有する[2,4,6−トリメチル−3−(3−ピリジル)フェニル]ボラン(3TPYMB)、式(XV)構造を有する1,3,5−トリス[(3−ピリジル)−3−フェニル]ベンゼン(TmPyPB)、式(XVI)構造を有する1,3−ビス[3,5−ジ(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(BmPyPhB)、式(XVII)構造を有する1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)、式(XVIII)構造を有する9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール(CzSi)及び式(XIX)構造を有する9−(8−ジフェニルホスホリル)−ジベンゾ[b,d]フラン−9H−カルバゾール(DFCzPO)からなる群より選ばれる1種又は2種以上である。
【0032】
本発明において、前記正孔支配型発光層は赤色有機発光材料及び正孔型有機ホスト材料から構成され、中でも、赤色有機発光材料の分子が発光中心として正孔支配型発光層に分散されている。前記赤色有機発光材料は、前記正孔支配型発光層において、好ましくは前記正孔型有機ホスト材料に対して2.0wt%〜5.0wt%であり、より好ましくは2.0wt%〜5.0wt%である。前記赤色有機発光材料のドープ濃度が低すぎると、素子効率が低くなり、色純度が理想でなくなり、ドープ濃度が高すぎると発光材料分子の凝集を引き起こし、消滅分子を形成し、結果として素子の総合性能が低くなる。前記正孔型ホスト材料は、マトリックスとして機能し、正孔輸送能力を提供する。本発明において、前記正孔支配型発光層における前記赤色有機発光材料は、好ましくは式(II
1)の構造を有するジ(2−フェニルキノリナト)−(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イリジウム(PQ
2Ir(dpm))、式(II
2)の構造を有するジ(2−ベンゾ[b]2−チエニルピリジナト)アセチルアセトナトイリジウム(Ir(btp)
2(acac))、式(II
3)の構造を有するトリス(1−フェニルイソキノリナト)イリジウム(Ir(piq)
3)、式(II
4)の構造を有するジ(1−フェニルイソキノリナト)(アセチルアセトナト)イリジウム(Ir(piq)
2(acac))、式(II
5)の構造を有するジ[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリナト](アセチルアセトナト)イリジウム(Ir(fliq)
2(acac))、式(II
6)の構造を有するジ[2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)キノリナト](アセチルアセトナト)イリジウム(Ir(flq)
2(acac))、式(II
7)の構造を有するジ(2−フェニルキノリナト)(2−(3−メチルフェニル)ピリジネート)イリジウム(Ir(phq)
2tpy)、式(II
8)の構造を有するトリス[2−フェニル−4−メチルキノリナト]イリジウム(Ir(Mphq)
3)、式(II
9)の構造を有するビス(フェニルイソキノリナト)(2,2,6,6−テトラメチルヘキサン−3,5−ジオナト)イリジウム(Ir(dpm)(piq)
2)、式(II
10)の構造を有するジ(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)(アセチルアセトナト)イリジウム(Ir(MDQ)
2(acac))、及び式(II
11)の構造を有するジ[2−(2−メチルフェニル)−7−メチル−キノリナト](アセチルアセトナト)イリジウム(Ir(dmpq)
2(acac))からなる群より選ばれる1種又は2種以上である。
【0033】
前記正孔型有機ホスト材料は、好ましくは、式(III)の構造を有する4,4’−N,N’−ジカルバゾールジフェニル(CBP)、式(IV)の構造を有する1,3−ジ(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mCP)、式(V)の構造を有する9,9’−(5−(トリフェニルシリル)−1,3−フェニル)ジ−9H−カルバゾール(SimCP)、式(VI)の構造を有する1,3,5−トリス(9−カルバゾリル)ベンゼン(TCP)、式(VII)の構造を有する4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(TcTa)、及び式(VIII)の構造を有する1,4−ビス(トリフェニルシリル)ビフェニル(BSB)からなる群より選ばれる1種又は2種以上である。
【0035】
本発明によれば、前記赤色有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記基板はガラス基板、石英基板、多結晶シリコン基板、単結晶シリコン基板又はグラフェン薄膜基板であってもよく、本発明では特に制限されない。前記陽極層は、好ましくはインジウムスズ酸化物(ITO)から選択され、その表面抵抗は好ましくは5〜25Ωである。前記陽極修飾層は、駆動電圧を低下させ、正孔の注入を加速させることができ、前記陽極修飾層には、好ましくは酸化モリブデン(MoO
3)が用いられる。
【0036】
本発明において、前記正孔輸送−電子阻止層の作用は正孔を輸送し、かつ電子を阻止することである。前記正孔輸送−電子阻止層の材料は、好ましくは式(I
1)の構造を有する4,4’−シクロヘキシルジ[N,N−ジ(4−メチルフェニル)アニリン](TAPC)、式(I
2)の構造を有するジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)、式(I
3)の構造を有するN4,N4’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N4,N4’−ビス(4−ビニルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン(VNPB)、式(I
4)の構造を有するN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−2,7−ジアミン−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−TPD)、式(I
5)の構造を有するN,N,N’,N’−テトラ−(3−メチルフェニル)−3−3’−ジメチルp−ジアミノビフェニル(HMTPD)、式(I
6)の構造を有する2,2’−ジ(3−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)ビフェニル(3DTAPBP)、式(I
7)の構造を有するN,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジ(フェニル)ジアミノビフェニル(β−NPB)、式(I
8)の構造を有するN,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−2,7−ジアミノ−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−NPB)、式(I
9)の構造を有するN,N’−ジ(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−2,7−ジアミノ−9,9−ジメチルフルオレン(DMFL−TPD)、式(I
10)の構造を有するN,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−2,7−ジアミノ−9,9−ジメチルフルオレン(DMFL−NPB)、式(I
11)の構造を有するN,N’−ジ(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−2,7−ジアミノ−9,9−ジフェニルフルオレン(DPFL−TPD)、式(I
12)の構造を有するN,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−2,7−ジアミノ−9,9−ジフェニルフルオレン(DPFL−NPB)、式(I
13)の構造を有するN,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−2,2’−ジメチルジアミノビフェニル(α−NPD)、式(I
14)の構造を有する2,2’,7,7’−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)−2,7−ジアミノ−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−TAD)、式(I
15)の構造を有する9,9−ジ[4−(N,N−ジナフタレン−2−イル−アミノ)フェニル]−9H−フルオレン(NPAPF)、式(I
16)の構造を有する9,9−[4−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニルアミン)−フェニル]−9H−フルオレン(NPBAPF)、式(I
17)の構造を有する2,2’−ジ[N,N−ジ(4−フェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−Spiro−DBP)、式(I
18)の構造を有する2,2’−ビス(N,N−フェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−BPA)、式(I
19)の構造を有するN,N’−ジフェニル−N,N’−(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)及び式(I
20)の構造を有する4,4’−ジ[N−(p−トリル)−N−フェニル−アミノ]ジフェニル(TPD)からなる群より選ばれる1種又は2種以上である。
【0038】
本発明によれば、前記正孔阻止−電子輸送層の作用は、正孔を阻止し、かつ電子を輸送し、電子の注入を促進することである。前記正孔阻止−電子輸送層の材料は、好ましくは式(XIV)の構造を有するトリス[2,4,6−トリメチル−3−(3−ピリジル)フェニル]ボラン(3TPYMB)、式(XV)の構造を有する1,3,5−トリス[(3−ピリジル)−3−フェニル]ベンゼン(TmPyMB)、式(XVI)の構造を有する1,3−ビス[3,5−ジ(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(BmPyPhB)及び式(XVII)の構造を有する1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)からなる群より選ばれる1種又は2種以上である。
【0040】
本発明において、前記陰極修飾層の作用は駆動電圧を低下させ、電子の注入を加速することであり、前記陰極修飾層は、好ましくはフッ化リチウムである。前記陰極層は、好ましくはアルミニウムである。
【0041】
本発明は、前記正孔輸送−電子阻止層の材料、赤色有機発光材料、正孔型有機ホスト材料、有機増感材料、電子型有機ホスト材料及び正孔型阻止−電子輸送層の材料の由来をいずれも特に制限しておらず、当業者によく知られている方式によって製造すればよい。
【0042】
本発明において、前記陽極層と前記陰極層とが互いに交差して素子の発光領域を形成し、本発明に係る赤色有機エレクトロルミネッセンス素子において、層のそれぞれの厚さの前記素子への影響も大きく、厚さが薄すぎると、素子効率の減衰を加速させ、厚さが厚すぎると素子の動作電圧が高くなり、寿命が低くなる。したがって、前記陽極修飾層の厚さが、好ましくは1〜10nmであり、正孔輸送−電子阻止層の厚さが好ましくは30〜60nmであり、正孔支配型発光層の厚さが好ましくは5〜20nmであり、電子支配型発光層の厚さが好ましくは5〜20nmであり、正孔阻止−電子輸送層の厚さが好ましくは30〜60nmであり、陰極修飾層の厚さが好ましくは0.8〜1.2nmであり、陰極層の厚さが好ましくは90〜300nmである。
【0043】
本発明は、さらに
基板上の陽極層をエッチングし、乾燥した後に前記陽極層上に陽極修飾層、正孔輸送−電子阻止層、正孔支配型発光層、電子支配型発光層、正孔阻止−電子輸送層、陰極修飾層及び陰極層を順次に蒸着し、
前記正孔支配型発光層は、赤色有機発光材料及び正孔型有機ホスト材料から構成され、
前記電子支配型発光層は、有機増感材料、赤色有機発光材料及び電子型有機ホスト材料から構成され、
前記有機増感材料は、式(IX)の構造を有するトリス(ジベンゾイルメタナト)(1,10−フェナントロリナト)ユウロピウム、及び式(X)の構造を有するトリス(テノイルトリフルオロアセトナト)(1,10−フェナントロリナト)ユウロピウムのうちから選択される1種又は2種以上である、
前記有機増感材料は、前記電子型有機ホスト材料の0.1wt%〜0.5wt%である、赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供する。
【0045】
本発明によれば、前記赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、具体的に、
まず、基板上の陽極層をストリップ状の電極となるようにレーザーエッチングし、その後、洗浄液、脱イオン水を順次に用いて10〜20min超音波洗浄してオーブンに放置して乾燥させ、
乾燥後の基板を前処理真空室に放置し、真空度8〜15Paの雰囲気下で350〜500Vの電圧により1〜10minの低圧プラズマ処理を行った後に有機蒸着室へ移送し、
真空度1〜2×10
−5Paとなると、陽極層に陽極修飾層、正孔輸送−電子阻止層、正孔支配型発光層、電子支配型発光層、及び正孔阻止−電子輸送層をこの順に蒸着し、未完成の素子が金属蒸着室へ移送され、4〜6×10
−5Paの真空雰囲気下で蒸着陰極修飾層及び金属陰極層を順次に蒸着する。
【0046】
赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の製造過程において、本発明は、蒸発速度を制御することで材料の蒸着を実現する。本発明によれば、前記陽極修飾層の蒸発速度が0.01〜0.05nm/sに制御され、正孔輸送−電子阻止層、正孔支配型発光層、電子支配型発光層、正孔阻止−電子輸送層におけるホスト材料の蒸発速度が0.05〜0.1nm/sに制御され、有機増感材料の蒸発速度が0.00005〜0.0005nm/sに制御され、赤色有機発光材料の蒸発速度が0.001〜0.005nm/sに制御され、陰極修飾層の蒸発速度が0.005〜0.015nm/sに制御され、金属陰極層の蒸発速度が0.5〜2.0nm/sに制御されている。ただし、正孔支配型発光層の蒸着時に、その中の赤色有機発光材料及び正孔型有機ホスト材料は、異なる蒸発源において同時に蒸発され、2種の材料の蒸発速度を調整することにより、ドーピングした赤色有機発光材料と正孔型有機ホスト材料との重量比を2.0%〜5.0%間に制御している。電子支配型発光層の蒸着時に、その中の有機増感材料、赤色有機発光材料、及び電子型有機ホスト材料は、異なる蒸発源において同時に蒸発され、3種の材料の蒸発速度を調整することによって、ドーピングした有機増感材料と電子型有機ホスト材料との質量比を0.1%〜0.5%間に制御し、このようにドーピングした赤色有機発光材料と電子型有機ホスト材料との質量比を2.0%〜5.0%間に制御している。
【0047】
本発明は、赤色有機エレクトロルミネッセンス素子を提供し、前記赤色有機エレクトロルミネッセンス素子中の電子支配型発光層において、整合するエネルギー準位分布を有する希土類錯体、例えば、Eu(DBM)
3phen又はEu(TTA)
3phenを有機増感材料として選択し、電子深束縛中心として機能し、キャリアの分布を平衡させ、素子の発光領域を広げることにより、素子の発光効率を向上させ、素子の動作電圧を低下させ、素子効率の減衰を遅延させ、素子の動作寿命を向上させることに有利であり、かつ、前記有機増感材料は、整合する三重項エネルギーを有し、エネルギー移動階段として機能し、ホスト材料から発光材料までのエネルギー移動を加速させ、発光材料のキャリア捕獲能の不十分に起因したホスト材料の発光問題を緩和することによって、素子のスペクトル安定性を向上させ、素子性能の発光材料ドープ濃度に対する依存性を低下させることができる。
【0048】
本発明をさらに理解するために、以下、実施例を組み合わせて本発明が提供している赤色有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法を詳しく説明し、本発明の保護範囲は下記の実施例により制限されることはない。
【0049】
図1に示すように、
図1は、本発明に係る赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の構造模式図であり、その中、1はガラス基板、2は陽極層、3は陽極修飾層、4は正孔輸送−電子阻止層、5は正孔支配型発光層、6は電子支配型発光層、7は正孔阻止−電子輸送層、8は陰極修飾層、9は金属陰極層である。
【0050】
実施例1
まず、ITOガラス上のITO陽極層をストリップ状の電極となるようにレーザーエッチングし、その後、洗浄液、脱イオン水を順次に用いて15min超音波洗浄してオーブンに放置して乾燥させた。次いで、乾燥後の基板を前処理真空室に放置し、真空度10Paの雰囲気下で400Vの電圧を用いてITO陽極に対して3minの低圧プラズマ処理を行った後に、それを有機蒸着室へ移送した。真空度1〜2×10
−5Paの有機蒸着室において、ITO層に厚さ3nmのMoO
3陽極修飾層3、厚さ40nmのTAPC正孔輸送−電子阻止層4、厚さ10nmのPQ
2Ir(dpm)ドープTcTaの正孔支配型発光層5、厚さ10nmのTb(acac)
3phenとPQ
2Ir(dpm)共ドープCzSiの電子支配型発光層6及び厚さ40nmのTmPyPB正孔阻止−電子輸送層7をこの順に蒸着した。次いで、未完成の素子が金属蒸着室へ移送され、4〜6×10
−5Paの真空雰囲気下で厚さ1.0nmのLiF陰極修飾層8を蒸着し、結果として、特製のマスク版を介してLiF層上に厚さ120nmの金属Al陰極層9を蒸着し、構造がITO/MoO
3/TAPC/PQ
2Ir(dpm)(4%):TcTa/Eu(TTA)
3phen(0.2%):PQ
2Ir(dpm)(4%):CzSi/TmPyPB/LiF/Alである有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。陽極修飾層3においてMoO
3の蒸発速度が0.01nm/sに制御され、正孔輸送−電子阻止層4においてTAPCの蒸発速度が0.05nm/sに制御され、正孔支配型発光層5においてPQ
2Ir(dpm)及びTcTaの蒸発速度がそれぞれ0.002nm/s及び0.05nm/sに制御され、電子支配型発光層6においてEu(TTA)
3phen、PQ
2Ir(dpm)及びCzSiの蒸発速度がそれぞれ0.0001nm/s、0.002nm/s及び0.05nm/sに制御され、正孔阻止−電子輸送層7においてTmPyPBの蒸発速度が0.05nm/sに制御され、陰極修飾層8においてLiFの蒸発速度が0.005nm/sに制御され、金属陰極層9においてAlの蒸発速度が1.0nm/sに制御された。
【0051】
図2に示すように、
図2は本実施例で作製された赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の電圧−電流密度−輝度特性曲線であり、
図2において○曲線は素子の電流密度−電圧曲線であり、□曲線は素子輝度−電圧曲線であり、
図2によれば、素子の輝度は電流密度及び駆動電圧の上昇に伴って上昇し、素子の点灯電圧が2.9Vであり、電圧が9.8V、電流密度が438.91ミリアンペア毎平方センチメートル(mA/cm
2)である場合、素子が取得した最大輝度が72933カンデラ毎平方メートル(cd/m
2)である。
【0052】
図3に示すように、
図3は本実施例で作製された赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の電流密度−電力効率−電流効率特性曲線であり、
図3によれば、素子の最大電流効率が65.73cd/A、最大電力効率が71.17lm/Wである。
【0053】
図4に示すように、
図4は本発明が提供している赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度が20000cd/m
2の場合のスペクトログラムであり、
図4によれば、スペクトルメインピークが592nmに位置している。素子の色座標が(0.592,0.377)である。
【0054】
実施例2
まず、ITOガラス上のITO陽極層をストリップ状の電極となるようにレーザーエッチングし、その後、洗浄液、脱イオン水を順次に用いて15min超音波洗浄してオーブンに放置して乾燥させた。次いで、乾燥後の基板を前処理真空室に放置し、真空度10Paの雰囲気下で400Vの電圧を用いてITO陽極に対して3minの低圧プラズマ処理を行った後に、それを有機蒸着室へ移送した。真空度1〜2×10
−5Paの有機蒸着室において、ITO層に厚さ3nmのMoO
3陽極修飾層3、厚さ40nmのTAPC正孔輸送−電子阻止層4、厚さ10nmのPQ
2Ir(dpm)ドープmCPの正孔支配型発光層5、厚さ10nmのEu(TTA)
3phenとPQ
2Ir(dpm)共ドープ26DCzPPyの電子支配型発光層6及び厚さ40nmのTmPyPB正孔阻止−電子輸送層7をこの順に蒸着した。次いで、未完成の素子が金属蒸着室へ移送され、4〜6×10
−5Paの真空雰囲気下で厚さ1.0nmのLiF陰極修飾層8を蒸着し、結果として、特製のマスク版を介してLiF層上に厚さ120nmの金属Al陰極層9を蒸着し、構造がITO/MoO
3/TAPC/PQ
2Ir(dpm)(4%):mCP/Eu(TTA)
3phen(0.2%):PQ
2Ir(dpm)(4%):26DCzPPy/TmPyPB/LiF/Alである有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。陽極修飾層3においてMoO
3の蒸発速度が0.01nm/sに制御され、正孔輸送−電子阻止層4においてTAPCの蒸発速度が0.05nm/sに制御され、正孔支配型発光層5においてPQ
2Ir(dpm)及びmCPの蒸発速度がそれぞれ0.002nm/s及び0.05nm/sに制御され、電子支配型発光層6においてEu(TTA)
3phen、PQ
2Ir(dpm)及び26DCzPPyの蒸発速度がそれぞれ0.0001nm/s、0.002nm/s及び0.05nm/sに制御され、正孔阻止−電子輸送層7においてTmPyPBの蒸発速度が0.05nm/sに制御され、陰極修飾層8においてLiFの蒸発速度が0.005nm/sに制御され、金属陰極層9においてAlの蒸発速度が1.0nm/sに制御された。
【0055】
本実施例で作製された赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を検出した実験の結果、素子は、直流電源駆動下、592nm程度の赤色光を発光することがわかった。輝度が20000cd/m
2である場合、素子の色座標が(0.596,0.378)であり、動作電圧の変化に伴い、素子の色座標がほとんど変化しなかった。素子の点灯電圧が3.0Vであり、素子の最大輝度が70528cd/m
2であった。素子の最大電流効率が64.92cd/Aであり、最大電力効率が67.95lm/Wであった。
【0056】
実施例3
まず、ITOガラス上のITO陽極層をストリップ状の電極となるようにレーザーエッチングし、その後、洗浄液、脱イオン水を順次に用いて15min超音波洗浄してオーブンに放置して乾燥させた。次いで、乾燥後の基板を前処理真空室に放置し、真空度10Paの雰囲気下で400Vの電圧を用いてITO陽極に対して3minの低圧プラズマ処理を行った後に、それを有機蒸着室へ移送した。真空度1〜2×10
−5Paの有機蒸着室において、ITO層に厚さ3nmのMoO
3陽極修飾層3、厚さ40nmのTAPC正孔輸送−電子阻止層4、厚さ10nmのPQ
2Ir(dpm)ドープTcTaの正孔支配型発光層5、厚さ10nmのEu(DBM)
3phenとPQ
2Ir(dpm)共ドープ26DCzPPyの電子支配型発光層6及び厚さ40nmのTmPyPB正孔阻止−電子輸送層7をこの順に蒸着した。次いで、未完成の素子が金属蒸着室へ移送され、4〜6×10
−5Paの真空雰囲気下で厚さ1.0nmのLiF陰極修飾層8を蒸着し、結果として、特製のマスク版を介してLiF層上に厚さ120nmの金属Al陰極層9を蒸着し、構造がITO/MoO
3/TAPC/PQ
2Ir(dpm)(4%):TcTa/Eu(DBM)
3phen(0.3%):PQ
2Ir(dpm)(4%):26DCzPPy/TmPyPB/LiF/Alである有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。陽極修飾層3においてMoO
3の蒸発速度が0.01nm/sに制御され、正孔輸送−電子阻止層4においてTAPCの蒸発速度が0.05nm/sに制御され、正孔支配型発光層5においてPQ
2Ir(dpm)及びTcTaの蒸発速度がそれぞれ0.003nm/s及び0.05nm/sに制御され、電子支配型発光層6においてEu(DBM)
3phen、PQ
2Ir(dpm)及び26DCzPPyの蒸発速度がそれぞれ0.0003nm/s、0.004nm/s及び0.1nm/sに制御され、正孔阻止−電子輸送層7においてTmPyPBの蒸発速度が0.05nm/sに制御され、陰極修飾層8においてLiFの蒸発速度が0.005nm/sに制御され、金属陰極層9においてAlの蒸発速度が1.0nm/sに制御された。
【0057】
本実施例で作製された赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を検出した実験の結果、素子は、直流電源駆動下、592nm程度の赤色光を発光することがわかった。輝度が20000cd/m
2である場合、素子の色座標が(0.590, 0.381)であり、動作電圧の変化に伴い、素子の色座標がほとんど変化しなかった。素子の点灯電圧が3.0Vであり、素子の最大輝度が69864cd/m
2であった。素子の最大電流効率が63.75cd/Aであり、最大電力効率が66.73lm/Wであった。
【0058】
実施例4
まず、ITOガラス上のITO陽極層をストリップ状の電極となるようにレーザーエッチングし、その後、洗浄液、脱イオン水を順次に用いて15min超音波洗浄してオーブンに放置して乾燥させた。次いで、乾燥後の基板を前処理真空室に放置し、真空度10Paの雰囲気下で400Vの電圧を用いてITO陽極に対して3minの低圧プラズマ処理を行った後に、それを有機蒸着室へ移送した。真空度1〜2×10
−5Paの有機蒸着室において、ITO層に厚さ5nmのMoO
3陽極修飾層3、厚さ30nmのTAPC正孔輸送−電子阻止層4、厚さ15nmのIr(dmpq)
3(acac)ドープmCPの正孔支配型発光層5、厚さ15nmのEu(DBM)
3phenとIr(dmpq)
3(acac)共ドープ26DCzPPyの電子支配型発光層6及び厚さ35nmの3TPYMB正孔阻止−電子輸送層7をこの順に蒸着した。次いで、未完成の素子が金属蒸着室へ移送され、4〜6×10
−5Paの真空雰囲気下で厚さ1.1nmのLiF陰極修飾層8を蒸着し、結果として、特製のマスク版を介してLiF層上に厚さ250nmの金属Al陰極層9を蒸着し、構造がITO/MoO
3/TAPC/Ir(dmpq)
3(acac)(2%):mCP/Eu(DBM)
3phen(0.1%):Ir(dmpq)
3(acac)(3%):26DCzPPy/3TPYMB/LiF/Alである有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。陽極修飾層3においてMoO
3の蒸発速度が0.01nm/sに制御され、正孔輸送−電子阻止層4においてTAPCの蒸発速度が0.06nm/sに制御され、正孔支配型発光層5においてIr(dmpq)
3(acac)及びmCPの蒸発速度がそれぞれ0.002nm/s及び0.1nm/sに制御され、電子支配型発光層6においてEu(DBM)
3phen、Ir(dmpq)
3(acac)及び26DCzPPyの蒸発速度がそれぞれ0.0001nm/s、0.003nm/s及び0.1nm/sに制御され、正孔阻止−電子輸送層7において3TPYMBの蒸発速度が0.08nm/sに制御され、陰極修飾層8においてLiFの蒸発速度が0.01nm/sに制御され、金属陰極層9においてAlの蒸発速度が0.9nm/sに制御された。
【0059】
本実施例で作製された赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を検出した実験の結果、素子は、直流電源駆動下、592nm程度の赤色光を発光することがわかった。輝度が20000cd/m
2である場合、素子の色座標が(0.588, 0.379)であり、動作電圧の変化に伴い、素子の色座標がほとんど変化しなかった。素子の点灯電圧が3.1Vであり、素子の最大輝度が64572cd/m
2であった。素子の最大電流効率が60.11cd/Aであり、最大電力効率が60.89lm/Wであった。
【0060】
実施例5
まず、ITOガラス上のITO陽極層をストリップ状の電極となるようにレーザーエッチングし、その後、洗浄液、脱イオン水を順次に用いて15min超音波洗浄してオーブンに放置して乾燥させた。次いで、乾燥後の基板を前処理真空室に放置し、真空度10Paの雰囲気下で400Vの電圧を用いてITO陽極に対して3minの低圧プラズマ処理を行った後に、それを有機蒸着室へ移送した。真空度1〜2×10
−5Paの有機蒸着室において、ITO層に厚さ6nmのMoO
3陽極修飾層3、厚さ50nmのTAPC正孔輸送−電子阻止層4、厚さ12nmのIr(MDQ)
2(acac)ドープTCPの正孔支配型発光層5、厚さ16nmのEu(DBM)
3phenとIr(MDQ)
2(acac)共ドープUGH2の電子支配型発光層6及び厚さ45nmのBmPyPhB正孔阻止−電子輸送層7をこの順に蒸着した。次いで、未完成の素子が金属蒸着室へ移送され、4〜6×10
−5Paの真空雰囲気下で厚さ1.1nmのLiF陰極修飾層8を蒸着し、結果として、特製のマスク版を介してLiF層上に厚さ240nmの金属Al陰極層9を蒸着し、構造がITO/MoO
3/TAPC/Ir(MDQ)
2(acac)(3%):TCP/Eu(DBM)
3phen(0.3%):Ir(MDQ)
2(acac)(3%):UGH2/BmPyPhB/LiF/Alである有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。陽極修飾層3においてMoO
3の蒸発速度が0.01nm/sに制御され、正孔輸送−電子阻止層4においてTAPCの蒸発速度が0.08nm/sに制御され、正孔支配型発光層5においてIr(MDQ)
2(acac)及びTCPの蒸発速度がそれぞれ0.003nm/s及び0.1nm/sに制御され、電子支配型発光層6においてEu(DBM)
3phen、Ir(MDQ)
2(acac)及びUGH2の蒸発速度がそれぞれ0.0003nm/s、0.003nm/s及び0.1nm/sに制御され、正孔阻止−電子輸送層7においてBmPyPhBの蒸発速度が0.09nm/sに制御され、陰極修飾層8においてLiFの蒸発速度が0.012nm/sに制御され、金属陰極層9においてAlの蒸発速度が1.2nm/sに制御された。
【0061】
本実施例で作製された赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を検出した実験の結果、素子は、直流電源駆動下、592nm程度の赤色光を発光することがわかった。輝度が20000cd/m
2である場合、素子の色座標が(0.592,0.378)であり、動作電圧の変化に伴い、素子の色座標がほとんど変化しなかった。素子の点灯電圧が3.1Vであり、素子の最大輝度が60782cd/m
2であった。素子の最大電流効率が62.34cd/Aであり、最大電力効率が63.14lm/Wであった。
【0062】
実施例6
まず、ITOガラス上のITO陽極層をストリップ状の電極となるようにレーザーエッチングし、その後、洗浄液、脱イオン水を順次に用いて15min超音波洗浄してオーブンに放置して乾燥させた。次いで、乾燥後の基板を前処理真空室に放置し、真空度10Paの雰囲気下で400Vの電圧を用いてITO陽極に対して3minの低圧プラズマ処理を行った後に、それを有機蒸着室へ移送した。真空度1〜2×10
−5Paの有機蒸着室において、ITO層に厚さ3nmのMoO
3陽極修飾層3、厚さ40nmのTAPC正孔輸送−電子阻止層4、厚さ10nmのIr(dpm)(piq)
2ドープBSBの正孔支配型発光層5、厚さ10nmのTb(acac)
3phenとIr(dpm)(piq)
2共ドープBCBPの電子支配型発光層6及び厚さ40nmのTPBi正孔阻止−電子輸送層7をこの順に蒸着した。次いで、未完成の素子が金属蒸着室へ移送され、4〜6×10
−5Paの真空雰囲気下で厚さ1.0nmのLiF陰極修飾層8を蒸着し、結果として、特製のマスク版を介してLiF層上に厚さ120nmの金属Al陰極層9を蒸着し、構造がITO/MoO
3/TAPC/Ir(dpm)(piq)
2(4%):BSB/Eu(TTA)
3phen(0.3%):Ir(dpm)(piq)
2(4%):BCBP/TPBi/LiF/Alである有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。陽極修飾層3においてMoO
3の蒸発速度が0.02nm/sに制御され、正孔輸送−電子阻止層4においてTAPCの蒸発速度が0.08nm/sに制御され、正孔支配型発光層5においてIr(dpm)(piq)
2及びBSBの蒸発速度がそれぞれ0.004nm/s及び0.1nm/sに制御され、電子支配型発光層6においてIr(dpm)(piq)
2、Eu(TTA)
3phen及びBCBPの蒸発速度がそれぞれ0.004nm/s、0.0003nm/s及び0.1nm/sに制御され、正孔阻止−電子輸送層7においてTPBiの蒸発速度が0.08nm/sに制御され、陰極修飾層8においてLiFの蒸発速度が0.005nm/sに制御され、金属陰極層9においてAlの蒸発速度が1.5nm/sに制御された。
【0063】
本実施例で作製された赤色有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を検出した実験の結果、素子は、直流電源駆動下、592nm程度の赤色光を発光することがわかった。輝度が20000cd/m
2である場合、素子の色座標が(0.592, 0.380)であり、動作電圧の変化に伴い、素子の色座標がほとんど変化しなかった。素子の点灯電圧が3.0Vであり、素子の最大輝度が63110cd/m
2であった。素子の最大電流効率が61.71cd/Aであり、最大電力効率が64.59lm/Wであった。
【0064】
以上の実施例の説明は、本発明の方法及びその中心思想への理解を容易にするためのものに過ぎない。なお、当業者にとって、本発明の原理を逸脱しない限り、さらに本発明に対して幾つかの改進及び修飾を行うことができ、これらの改進及び修飾も本発明の請求範囲の保護範囲内に入っている。
【0065】
開示されている実施例を上記のように説明することで、当業者は本発明を実現又は使用できるようになっている。これらの実施例に対するさまざまな変更は、当業者にとって容易になしうることであり、明細書において定義付けられた一般的な原理は、本発明の精神又は範囲を逸脱しない限り、その他の実施例で実現することができる。そのため、本発明は、明細書に示されているこれらの実施例に制限することなく、本明細書に開示されている原理及び新規特徴に一致する最も広い範囲に合致している。