特許第6385667号(P6385667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385667
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】クリーニング情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20180827BHJP
   D06F 93/00 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   D06F93/00
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-229479(P2013-229479)
(22)【出願日】2013年11月5日
(65)【公開番号】特開2015-90533(P2015-90533A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年11月4日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】306021424
【氏名又は名称】株式会社ハッピー
(74)【代理人】
【識別番号】100188422
【弁理士】
【氏名又は名称】小沼 良平
(72)【発明者】
【氏名】橋本 英夫
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−123384(JP,A)
【文献】 特開2004−318290(JP,A)
【文献】 特開2004−073675(JP,A)
【文献】 特開2008−117216(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0268389(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
D06F 93/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け付けられた預かり物に対して物件識別コードを付与し、前記物件識別コードにより作業工程を管理するコンピュータと、
前記物件識別コードに対応して前記コンピュータにより作成され、前記預かり物のクリーニング処理前後の寸法を含む情報データが登録された第1の記憶手段と、
前記預かり物のクリーニング処理前とクリーニング処理後の画像が前記物件識別コードに関連付けられて記憶された第2の記憶手段とを備え、
閲覧者又は前記預かり物を預けた顧客は、端末装置から前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段にアクセスして、前記第1の記憶手段に登録された前記クリーニング処理前後の寸法を検索条件として前記クリーニング処理前画像と前記クリーニング処理後画像を抽出でき、
前記クリーニング処理前画像と前記クリーニング処理後画像が比較できるように、前記顧客又は閲覧者の表示装置に表示され、
前記クリーニング処理前画像と前記クリーニング処理後画像は前記預かり物のアングルを変えて撮影した画像が含まれることを特徴とするクリーニング情報提供システム。
【請求項2】
受け付けられた預かり物に対して物件識別コードを付与し、前記物件識別コードにより作業工程を管理するコンピュータと、
前記物件識別コードに対応して前記コンピュータにより作成され、前記預かり物のクリーニング処理前後の寸法を含む情報データが登録された第1の記憶手段と、
前記預かり物のクリーニング処理前とクリーニング処理後の画像が前記物件識別コードに関連付けられて記憶された第2の記憶手段とを備え、
閲覧者又は前記預かり物を預けた顧客は、端末装置から前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段にアクセスして、前記第1の記憶手段に登録された前記クリーニング処理前後の寸法を検索条件として前記クリーニング処理前画像と前記クリーニング処理後画像を抽出でき、
前記クリーニング処理前画像と前記クリーニング処理後画像が比較できるように、前記顧客又は閲覧者の表示装置に表示され、
前記クリーニング処理前画像と前記クリーニング処理後画像は前記預かり物の表側、裏側、横方向、上下方向にアングルを変えて撮影した画像が含まれることを特徴とするクリーニング情報提供システム。
【請求項3】
前記クリーニング処理前画像と前記クリーニング処理後画像は、それぞれ前記預かり物の部分画像が含まれており、
前記部分画像において、前記クリーニング処理前画像における部分画像の上下の並びと前記クリーニング処理後画像における部分画像の上下の並びを同じ位置に同じ部位の画像が並ぶように配置することを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニング情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング処理工程における情報や顧客からの情報等の様々な情報を随時閲覧でき、クリーニング対象物の様々な情報を管理することができるクリーニング情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1のように、クリーニングサービスにおいて、クリーニング履歴等の情報をクリーニング業者側のデータベースに蓄積し、適宜クリーニング履歴を参照して、業務を進めるシステムは提供されていた。
【0003】
また、特許文献2のように、顧客が所有する預かり物について、クリーニング履歴や現在の状態等をクリーニング業者側のサーバにアクセスして閲覧でき、顧客が家庭で洗濯した履歴を業者側のサーバに反映させるシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2010−140143号公報
【特許文献2】特開2003−159500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、業者側のデータベースに蓄積されたクリーニング履歴に対して、顧客側からアクセスできたとしても、顧客に提供されるのは、クリーニング履歴情報程度であるので、その情報を管理して活用しようとしても、使用しにくいものとなっていた。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、顧客が非常に管理しやすく、かつ、その情報が十分活用できるように構成された情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のクリーニング情報提供システムは、受け付けられた預かり物に対して物件識別コードを付与し、前記物件識別コードにより作業工程を管理するコンピュータと、前記物件識別コードに対応して前記コンピュータにより作成され、前記預かり物の属性情報を含む情報データが登録された電子カルテを記憶する第1の記憶手段と、前記預かり物のクリーニング処理前とクリーニング処理後の画像が前記物件識別コードに関連付けられて記憶された第2の記憶手段とを備え、閲覧者又は前記預かり物を預けた顧客は、端末装置から前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段にアクセスして、前記電子カルテに登録された情報データを検索条件として前記クリーニング処理前画像と前記クリーニング処理後画像を抽出できることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、顧客が非常に管理しやすく、かつ、その情報が十分活用できるように構成されたクリーニング情報提供システムを提供することができる。また、クリーニング業者以外の業種の業者に対しても、有益な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のクリーニング情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図2】顧客が電子カルテ情報を閲覧する場合のフローを示す図である。
図3】顧客が預かり物画像を閲覧する場合のフローを示す図である。
図4】顧客がウエブカウンセリングを受ける場合のフローを示す図である。
図5】カルテDBのデータ構造を示す図である。
図6】預かり物画像DBのデータ構造を示す図である。
図7】特定の預かり物のクリーニング処理前後の画像やメンテナンス履歴等を検索する画面例を示す図である。
図8図7の検索画面により検索が行われた結果を示す図である。
図9図8の抽出された物件の一つを選択して表示した画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0011】
例えば、クリーニング情報提供システムは、図1のように情報管理部101とクリーニング工程管理部100等で構成される。情報管理部101とクリーニング工程管理部100と顧客30は、インターネット回線等の外部通信回線網等による通信回線4により、相互に接続されている。情報管理部101は、データサーバ1、データを記憶しておく記憶部60等により構成される。記憶部60は、預かり物画像データベース2、カルテデータベース3等により構成される。なお、以下の説明では、データベースのことをDBと簡略して表記する場合がある。また、説明を分かりやすくするために、記憶部60を預かり物画像DB2、カルテDB3等で構成されるとしたが、記憶部60を1つのデータベース等とし、このデータベースの中を預かり物画像領域、カルテデータ領域と分けて使用するようにしても良い。
【0012】
データサーバ1は、主として、制御部18、預かり物画像DB検索部12、カルテDB検索部13、電子カルテ記録部14、預かり物画像DB記録部15、SNS接続部16等により構成される。
【0013】
また、クリーニング情報提供システムは、顧客30から依頼された預かり物21を受け付けて、一連のクリーニング作業を行い、出荷するまでの処理を行うクリーニング工程管理部100を備えており、クリーニング工程管理部100は工程管理サーバ5を有している。工程管理サーバ5は、通信回線4を通じて、情報管理部101内のデータサーバ1と通信する。なお、ここで、預かり物とは、衣類だけに限らず、クリーニング可能な対象物をすべて含むもので、例えば、靴、ベルト等の物品も含まれる。
【0014】
クリーニング工程管理部100内には、顧客30がクリーニングサービスを受けようとする預かり物21を受け取る入荷セクション6と、入荷セクション6で受けた預かり物21に基づいて電子カルテを作成するカルテ作成セクション7、預かり物21の預かり時点での寸法を採寸する採寸セクション66、預かり物21に割り当てられた固有の物件識別コードを有する識別タグ20を預かり物21に取り付ける識別タグ取付セクション8、カルテ作成セクション7で作成された電子カルテに基づいて顧客30と預かり物21に関する事項をカウンセリングするカウンセリングセクション9、カウンセリングセクション9で確認された事項に基づいてクリーニング作業を行うクリーニング作業セクション10、クリーニング作業セクション10でクリーニング作業が終了した預かり物を顧客30に向けて出荷するための出荷セクション11を備えている。また、セクション6〜11のそれぞれに設置された端末装置51〜56それぞれが、LAN回線などの工場内ネットワーク回線網によるネットワーク70を通じて、工程管理サーバ5と通信する。
【0015】
更に、クリーニング情報提供システムでは、顧客30が所持する、携帯端末やパソコンなどの端末装置57が、データサーバ1、工程管理サーバ5と通信可能な構成となっており、顧客30は、自身が所持する端末装置57により、通信回線4を通じて、情報管理部101内のデータサーバ1、クリーニング工程管理部100内の工程管理サーバ5にアクセスすることができる。すなわち、顧客30は、情報管理部101のデータサーバ1に登録した、顧客IDやパスワードなどといった個人識別情報を、端末装置57を通じて、データサーバ1に送信することで、預かり物画像データベース2内及びカルテデータベース3内における、顧客30に許可された記憶領域へのアクセスが可能となる。また、カルテDB3及び預かり物画像データベース2については、顧客30自身に許可された記憶領域だけでなく、他の顧客の記憶領域に対してもアクセス可能となっている。
【0016】
他方、閲覧者31も、閲覧者31が所持する、携帯端末やパソコンなどの端末装置58が、データサーバ1、工程管理サーバ5と通信可能な構成となっており、閲覧者31は、自身が所持する端末装置58により、通信回線4を通じて、情報管理部101内のデータサーバ1、クリーニング工程管理部100内の工程管理サーバ5にアクセスすることができる。閲覧者31には、顧客30のように預かり物21のクリーニング処理の依頼を行うことを前提とした者だけではなく、情報の閲覧だけを行う者も含まれる。
【0017】
なお、図1の構成は、クリーニング情報システムの構成の一例を示したものにすぎない。例えば、情報管理部101には、コンピュータやデータベース等を含めた情報管理システムが存在し、クリーニング工程管理部100には、コンピュータやデータベース等を含めたクリーニング工程管理システムが存在するので、複数のクリーニング工程管理部(例えばクリーニング処理工場)がある場合には、それぞれの工程管理部にクリーニング工程管理システムを設置して、情報管理部と接続するようにして、情報管理部で情報を一元管理することもできる。また、情報管理部101のデータサーバ1及び記憶部60とクリーニング工程管理部100の工程管理サーバ5及び6〜11、66の各セクションの処理機能を1箇所に統合し、1つの管理サーバで管理することもできる。
【0018】
さらに、図1の構成例では、セクション6〜11、66及び工程管理サーバ5が同じクリーニング工程管理部100内に配置されているものとしているが、セクション6〜11、66をクリーニング工程管理部100と異なる施設にそれぞれ別個に配置されるものとしてもよい。そして、セクション6〜11、66が工程管理サーバと別の施設に配置される場合は、インターネット回線網等の通信回線を利用して相互に通信可能とされる。このとき、専用回線や仮想専用回線を利用しても良い。また、工程管理サーバ5については、各セクション6〜11、66と独立して設置されるものとして説明するが、各セクション6〜11、66のいずれかに設置されるものであってもよく、更には、各セクション6〜11、66に設置された端末装置51〜56、65に工程管理サーバ5の機能を備えさせるものとしてもよい。以上のように、クリーニング情報システムは、様々な構成の態様を含むものである。
【0019】
以下に、各セクション6〜11、66で行われる処理内容について説明するが、これらの内容は一例であり、例えば、各セクション6〜11、66の処理で状況によっては実行されない処理が発生する場合もある。また、各セクション6〜11、66で行われる処理の順番は、セクション6、7、66、8から11に従って順に行われる場合に限るものではない。
【0020】
(顧客からの依頼)
顧客30とクリーニング工程管理部100との間で、電話、ファクシミリ通信、メールの送信、ホームページを利用したデータ入力などによる通信がなされて、複数の預かり物21を1つの物品群140とした宅配物をクリーニング工程管理部100へ配送することが伝えられる。また、物品群140をクリーニング工程管理部100に配送するのではなく、持参することが伝えられる場合もある。また、預かり物を受け付ける取次店がある場合には、クリーニング工程管理部100に預かり物21の配送又は持ち込みを直接行わずに、取次店に預かり物21の配送又は持ち込みが行われる場合もある。
【0021】
そして、顧客30より通知された物品群140の配送日又は持参日と顧客30の顧客情報とが、工程管理サーバ5に与えられる。尚、顧客30の顧客情報は、顧客30の氏名又は名称や、住所又は居所などの配送元や、電話番号、ファクシミリ番号、又はメールアドレスなどの連絡先情報が含まれる。
【0022】
一方、事前に顧客30から連絡がなく、物品群140がクリーニング工程管理部100に配送される場合又は顧客30が物品群140をクリーニング工程管理部100に持参する場合、あるいは上記のように取次店に配送又は持ち込みが行われた場合には、物品群140を受け付けた入荷セクション6以降のいずれかのセクションで顧客情報が入力される。
【0023】
このとき、新規の顧客であれば、顧客を識別するための顧客IDを発行し、過去に取引があった顧客の場合は、過去に割り当てた顧客IDを用いる。さらに、物品群140毎に管理する電子カルテの識別コードを発行して、個々の電子カルテを作成してカルテDB3で管理するとともに、電子カルテには、顧客ID、上述した、顧客30の氏名又は名称や、住所又は居所などの配送元や、電話番号、ファクシミリ番号、又はメールアドレスなどの連絡先情報などの顧客情報が登録される。なお、複数の預かり物21からなる物品群140ではなく、単品の預かり物21の依頼の場合には、単品の預かり物21に対して電子カルテの識別コードが発行される。
【0024】
上記顧客30からの依頼時の応対は、図1には記載されていないが、例えば、受付セクションで行っても良いし、図1の入荷セクション6やカウンセリングセクション9で行っても良い。また、顧客30がインターネット回線網などの通信回線4を通じて工程管理サーバ5にアクセスすることで、物品群140の搬送日と顧客30の顧客情報とを工程管理サーバ5に送信するものとしてもよい。
【0025】
(入荷の受付)
クリーニング工程管理部100では、入荷セクション6で顧客30からの物品群140を受け取る。入荷セクション6では、物品群140による宅配物に添付された配送伝票に表記された顧客情報を取得し、取得した顧客情報を工程管理サーバ5を介してデータサーバ1に通知する。データサーバ1は、カルテDB3内を検索し、通知された顧客情報と一致する顧客情報が登録された電子カルテを読み出して、入荷セクション6に送信する。これにより、入荷セクション6では、搬入されて開梱しようとしている物品群140に対応した電子カルテが、端末装置51のディスプレイなどに表示(出力)されるので、先に受け付けを行った顧客から依頼された物品群140であることが確認できる。
【0026】
(カルテ作成)
次に、物品群140はカルテ作成セクション7に搬送される。カルテ作成セクション7では、上記の入荷の受付で行ったようにして、端末装置52のディスプレイなどに電子カルテを表示させ、各預かり物21の登録を行う。このとき、預かり物21の登録を工程管理サーバ5に要求し、工程管理サーバ5では、預かり物21の登録が要求されると、その預かり物21に対応する物件識別コードを発行して、カルテ作成セクション7に通知する。これにより、カルテ作成セクション7では、表示(出力)されている電子カルテ上において、各預かり物21に対して割り当てられた物件識別コードが表示される。物件識別コードは、個々の預かり物21を特定するための識別コードであり、数字、記号、符号、文字、模様、又はこれらを組み合わせた表記等、識別できる表記形式であれば良く、その態様を問わない。カルテコードについても同様である。
【0027】
そして、カルテ作成セクション7では、預かり物21の状態、破損箇所、破損種別などといった預かり物状態情報や、ジャケット、コート等の預かり物に関するアイテム、ブランド、形状、素材、色、種類、冬物、夏物、購入年度等の預かり物属性情報、預かり物21に対して推奨されるクリーニング作業に関するクリーニング処理情報などについて、その入力が受け付けられる。預かり物21に対する入力の受付が終了されると、入力が受け付けられた預かり物状態情報、預かり物属性情報及びクリーニング処理情報は、預かり物21の物件識別コード及びカルテコードと共に、工程管理サーバ5を通してデータサーバ1に送信される。データサーバ1の制御部18は電子カルテ記録部14に指令を出し、電子カルテ記録部14は、預かり物状態情報、預かり物属性情報及びクリーニング処理情報を物件識別コードに関連づけて、対応するカルテコードによる電子カルテに登録し、カルテDB3に記憶する。
【0028】
図5は、カルテDB3のデータ構造の一例を示す。カルテDB3には、電子カルテの識別コード別毎に各種のデータが管理されているが、図5の例では、電子カルテの識別コードとして番号を用い、カルテコード毎に各種のデータが管理される。
【0029】
1つのカルテコードには、顧客情報、カウンセリング情報が記録されており、入荷受付した物品群140の各預かり物21についての情報が管理されている。例えば、物品群140が、2つの預かり物からなる場合には、預かり物Aに関する情報として、物件識別コード、アイテム、ブランド、素材、色、特徴、預かり時点の状態情報、メンテナンス情報等が記録される。ここで、アイテム、ブランド、素材、色、特徴は、預かり物属性情報に該当する。
【0030】
また、預かり時点の状態情報として汚れの状態、風合い、色合い、繊維の状態、シルエット、しみ、寸法等の預かり物状態情報が記録される。メンテナンス情報はクリーニング処理情報に該当し、その情報としてメンテナンス内容、メンテナンス料金等が記録される。また、預かり物Bに関する情報として、上記と同様の項目の情報が登録される。
【0031】
電子カルテの顧客情報は、前述したように、住所又は居所、電話番号、ファクシミリ番号、又はメールアドレスなどの連絡先情報などの情報である。カウンセリング情報は、後述するカウンセリングセクションで行う顧客30とのカウンセリングの結果が記録される。物件識別コードは、物品群140を構成する個々の預かり物21に与えられるもので、番号や記号等による識別コードである。アイテムは、例えばジャケット、コート、パンツ等の預かり物の種類が登録される。ブランドは、ブランド名情報が登録される。素材は、例えばシルク、麻、革、レーヨン等の預かり物の素材情報が登録される。色は、例えばレッド、ブルー、ピンク等の預かり物の色情報が登録される。特徴は、フリル、コーデュロイ、レース等の預かり物の特徴となる情報が登録される。
【0032】
メンテナンス情報のメンテナンス内容には、預かり物に対して施したクリーニング処理の内容が登録されており、そのクリーニング処理内容に対する料金がメンテナンス料金という項目に記録される。
【0033】
物品群140が、複数の預かり物からなる場合には、その数だけ、預かり物情報が登録される。
【0034】
一方、クリーニング作業処理を行う前の預かり物21の写真撮影を行っておく。写真撮影は、個々の預かり物21について、全体の写真撮影と、複数の領域に分割した部分の写真撮影が行われる。写真撮影された画像データは、物件識別コードとともに、工程管理サーバ5を介してデータサーバ1に送信され、データサーバ1の制御部18は預かり物画像DB記録部15に指令を出し、預かり物画像DB記録部15は、画像データを物件識別コードに関連づけて、預かり物画像DB2に記憶する。このように、預かり物画像DB2とカルテDB3は、物件識別コードにより関連付けられている。
【0035】
これにより、カルテDB3内において、各預かり物21の預かり物状態情報、預かり物属性情報、クリーニング処理情報(メンテナンス情報)が管理されると同時に、1つの物品群140を構成する複数の預かり物21の情報は、1つの電子カルテによって纏めて管理される。また、預かり物画像DB2において、クリーニング処理前の画像データが物件識別コード毎に管理される。なお、クリーニング処理情報については、後述するカウンセリングセクション9で、作成入力するようにしても良い。
【0036】
(預かり物の採寸)
電子カルテへの預かり物21に対する所定の入力情報や画像データの登録が終了すると、採寸セクション66に搬送される。採寸セクションでは、預かり時点の状態を示すものとして、預かり物21の採寸が行われる。預かり物21の寸法を測定して、作業者が端末装置65から寸法データを送信し、寸法データは工程管理サーバ5を介してデータサーバ1に送信され、データサーバ1の制御部18は電子カルテ記録部14に指令を出し、電子カルテ記録部14は、寸法データを物件識別コードに関連づけて、カルテDB3に記憶させる。このときの寸法データが図5に示す「預かり時点の状態」の項目の「寸法」に該当する。
【0037】
(識別タグの取付)
採寸が終了すると、物品群140の預かり物21のクリーニング処理の依頼が初めての場合や識別タグが取り付けられていない場合は、識別タグ取付セクション8に搬送される。工程管理サーバ5は、識別タグ取付セクション8に対して、入力情報の登録が終了した預かり物21への物件識別コードが記録された識別タグ20の取付を端末装置53に表示する等して指示する。識別タグ取付セクション8では、物件識別タグ9の取付指令が与えられると、物件識別コードが記録された識別タグ20を預かり物21に取り付ける。識別タグ20は、その表面に物件識別コードを特定できる符号、記号や番号等を示すバーコードが表記されるものであってもよいし、物件識別コードを特定できる表記を記憶できるICタグ、RFIDなどのデータキャリアで構成されるものであってもよい。なお、識別タグ20の取り付けは、カルテ作成セクション7や入荷セクション6で行われるようにしても良い。
【0038】
(カウンセリング)
カウンセリングセクション8では、顧客30とカウンセリングを行う。このカウンセリングには、預かり物の現状の画像表示、各種の説明事項、リスク事項等の説明と確認が含まれる。カウンセリングの手順を図4に示す。カウンセリングは電話連絡等で行われることもあるが、基本的にはウエブ上でカウンセリングを受けられるようにしている。電話連絡によるカウンセリングの場合には、預かり物の現状の画像表示ができないため、説明がわかりにくくなることが発生する。図4では、ウエブカウンセリングの場合の例である。
【0039】
まず、工程管理サーバ5から通信回線4を介して、顧客30の端末装置57のメールアドレスなどにアクセスするべきURL等を送信してカウンセリングの作業を促す。次に、S21に示すように、送付されてきたURL又は既に取引がある場合は、所定のウエブページに顧客ID、パスワードを入力してログインする。ログインした後、預かり物の現状の画像表示、各種の説明事項、リスク事項、ポイント制度等の説明表示が行われるので、これらの事項を確認承認していく(S22)。具体的な例を挙げると以下のようになる。預かり物についてクリーニング処理工場で受け付けた時の状態、すなわち預かり物の汚れの状態、破損状態等を画像表示して、内容の説明が行われる。これは、データサーバ1の制御部18の指令により、顧客IDとカウンセリングが未処理となっている物件識別コードに基づいて、預かり物画像DB検索部12が預かり物画像DB2から対応する預かり物の画像を検索抽出し、カルテDB検索部13がカルテDB3から対応する預かり物の汚れや破損状態等の預かり物状態情報を検索抽出して、顧客30の端末装置57に表示する。
【0040】
例えば、ウエブページに「了解する」等が表示されたチェックボックスを設けておき、顧客30が、預かり物の現状の状態について了解する場合には、このチェックボックスにチェックの印を入力してもらうことで承認が行われるようにする。また、各種の説明事項、リスク事項の確認が行われる。例えば、以下のような説明が表示される。(1)推奨するクリーニング作業の内容を表示するとともに、その作業内容に対するリスクが表示される。(2)クリーニング作業に対する料金の説明が表示される。(3)リスクの高いクリーニング作業の場合、同意条項が表示される。(4)「事故賠償等基本規約」、「支払期限等」の説明が表示される。(5)ポイント制度の説明が表示される。上記、(1)〜(5)のいずれの項目に対しても、例えば、それぞれ「了解する」又は「了解しない」等が表示されたチェックボックスが設けられ、そのチェックボックスにチェックの印を入力してもらうことで承認が行われる。上記の承認が行われると、その承認データが端末装置57から通信回線4を介してデータサーバ1に送信され、データサーバ1の電子カルテ記録部14により、カルテDB3内の対応する電子カルテに各項目の承認の書き込みが行われる。
【0041】
そして、クリーニング処理に関する料金の支払いについて、支払い方法の選択が表示され、クレジットカードの場合は、ウエブ上でクレジットカードの認証が行われる(S23)。
【0042】
(クリーニング作業)
クリーニング処理を開始する預かり物21がクリーニング作業セクション10に搬入されると、クリーニング作業セクション10内の複数の作業エリアで作業を行うために、オペレータにより預かり物21が振り分けられる。それぞれの作業エリアには、預かり物21に対して、例えば、洗濯処理、仕上げ処理、修理・修繕処理などのクリーニング処理を施すための処理装置が設置されている。上記のように、本発明でのクリーニング作業には、預かり物に対して外れたボタンを取り付ける、色落ちした箇所を元の色に戻す等、修理・修繕処理が含まれており、この処理は、通常行われる洗濯処理、仕上げ処理と共に行われる場合もあれば、単独で行われる場合もある。
【0043】
そして、各作業エリアにおけるオペレータは、預かり物21に取り付けられた識別タグ20より取得された物件識別コードを入力して、工程管理サーバ5に通知する。このとき、識別タグ20より直接情報を読み出すリーダ装置が用いられることで、リーダ装置で読み出された物件識別コードが工程管理サーバ5に通知されるものであってもよい。また、オペレータが、識別タグ20に表記された物件識別コードを認識して、オペレータが端末装置に物件識別番号の入力を行うことにより、端末装置から物件識別番号が工程管理サーバ5に通知されるものであってもよい。
【0044】
工程管理サーバ5は、クリーニング作業セクション10から物件識別コードが通知されると、これを通信回線4を介してデータサーバ1に送信し、カルテDB検索部13は通知された物件識別コードと一致する物件識別コードが登録された電子カルテを、カルテDB3より検索する。そして、データサーバ1は、カルテDB3より抽出された電子カルテを、物件識別コードを通知した作業エリアにおける処理に対応した処理情報として、クリーニング作業セクション10に送信する。なお、クリーニング作業セクション10がデータサーバ1に物件識別コードを通知するとき、この物件識別コードと共に作業エリアを示す情報をも通知するものとしてもよい。
【0045】
クリーニング作業セクション10の作業エリアでは、物件識別コードに対応した電子カルテを受けると、受けた電子カルテを表示(出力)することで、オペレータに対して、預かり物21に必要な処理情報を認識させる。このとき、データサーバ1より受けた処理情報が、端末装置の表示部又はディスプレイなどに表示されるものとしてもよいし、プリンタによって記録紙に印字されることで表記されるものとしてもよい。
【0046】
このようにして、電子カルテにおける処理情報が表示(出力)されると、オペレータは、処理情報に基づいて必要な処理を認識し、その処理を行うための処理装置を使用して、預かり物21への処理を開始する。特に、カウンセリングセクション9で、顧客30が決定した納期のスケジュールに従って、各種のクリーニング作業が行われる。そして、預かり物21への処理を開始すると同時に、オペレータは、預かり物21への処理を開始することを、工程管理サーバ5を介してデータサーバ1に通知し、処理を行う預かり物21に対する処理履歴を更新することを要求する。これにより、クリーニング処理を行う預かり物21に対応する電子カルテに対して、預かり物21にクリーニング作業セクション10で決定された処理が為されていることを示す履歴が追加登録される。
【0047】
さらに、洗濯処理、仕上げ処理、又は修理修繕処理等がなされるとき、処理対象となる預かり物に取り付けられた識別タグ20に記録された物件識別コードを、リーダ装置等で読み出すか、その物件識別コードを各作業エリアで入力することにより、物件識別コードと各作業エリアでのエリア識別コードとが工程管理サーバ5及びデータサーバ1に送信されることにより、各種処理の開始、終了を認識し、対応する電子カルテへその作業履歴を登録できる。
【0048】
クリーニング作業が終了すると、各預かり物の写真撮影又は採寸が行われる。採寸は、クリーニング処理後の預かり物21の寸法を測定するものである。作業者は測定した寸法を、端末装置65から寸法データを送信する。寸法データは工程管理サーバ5を介してデータサーバ1に送信され、データサーバ1の制御部18は電子カルテ記録部14に指令を出し、電子カルテ記録部14は、寸法データを物件識別コードに関連づけて、カルテDB3に記憶させる。このときの寸法データが図5に示す「クリーニング処理後の状態」の項目の「寸法」に該当する。このように、電子カルテには、預かり物について、クリーニング処理前の寸法とクリーニング処理後の寸法が記録されるので、これらを比較して、クリーニング処理により型崩れがないか等を判定することができる。
【0049】
一方、写真撮影は、クリーニング処理前の写真撮影と同様、個々の預かり物21について、全体の写真撮影と、複数の領域に分割した部分の写真撮影が行われる。このクリーニング処理後の写真データは、識別タグ20に基づく物件識別コードとともに、工程管理サーバ5を介してデータサーバ1に送信される。データサーバ1の預かり物画像記録部15は、物件識別コードに関連付けてクリーニング処理後の預かり物画像データとして預かり物画像DB2に記憶させる。前述したように、クリーニング処理には、預かり物を修理・修繕する処理が含まれているので、クリーニング処理後の預かり物画像データには、預かり物を洗濯、仕上げ処理等を行わずに、修理・修繕のみを行った画像データが含まれている。
【0050】
図6に、預かり物画像DB2のデータ構造を示す。物件識別コード毎に、預かり時点画像(クリーニング処理前画像)とメンテナンス後画像(クリーニング処理後画像)が記憶されている。預かり時点画像は、複数の全体画像1〜n、複数の部分画像1〜mが登録されている。複数の全体画像については、対象となる預かり物の全体を把握できるようにするために、例えば衣類の表側、裏側、横方向、上下方向等アングルを変えて写真撮影しており、このアングルを変えて撮影した全体画像に対して、それぞれ部分画像を単数又は複数撮影するようにしている。
【0051】
また、メンテナンス後画像についても、複数の全体画像1〜N、複数の部分画像1〜Mが登録されている。預かり時点で撮影した画像の複数の全体画像1〜nに対応して、ほぼ同じアングルで撮影したメンテナンス後画像が全体画像1〜Nとして登録される。さらに、この全体画像1〜Nに対して、それぞれ複数の部分画像1〜Mが、預かり時点の複数の部分画像1〜m画像に対応して、ほぼ同じ部位の部分画像が部分画像1〜Mとして登録される。
【0052】
上述した、クリーニング処理前後の複数の全体画像1〜n、1〜N、複数の部分画像1〜m、1〜Mが物件識別コードで特定される預かり物毎に写真撮影されて、画像として預かり物画像DB2に登録される。また、特定の物件識別コードで示される預かり物を過去に複数回受付処理し、クリーニング処理を行っている場合には、その物件識別コードには、過去に行われたクリーニング処理毎に関し、預かり時点画像とメンテナンス後画像がそれぞれ時系列で登録される。また、入荷時に識別タグが取り付けられていない場合には、異なる物件識別コードが割り当てられた識別タグが取り付けられるため、その物件識別コードにより、クリーニング処理前画像と処理後の画像が管理される。
【0053】
(出荷)
クリーニング作業セクション10での処理が全て完了した預かり物8が出荷セクション56に搬入されると、オペレータは、搬入された預かり物21に取り付けられた識別タグ20に基づく物件識別コードを入力する。この預かり物21の物件識別コードは、リーダ装置又は端末装置56などから、工程管理サーバ5を通じてデータサーバ1に通知される。
【0054】
データサーバ1は、出荷セクション11から通知された物件識別コードを受けると、カルテDB検索部13が、カルテDB3内を検索し、受信した物件識別コードが登録された電子カルテを抽出する。そして、電子カルテ記録部14は、出荷セクション56に搬入されて包装又は検品などの処理がなされたものとして、包装済又は検品済であることを示す履歴情報を、抽出した電子カルテに対して、受信した物件識別コードと一致する預かり物21に対して追加登録する。
【0055】
そして、同じ顧客からの預かり物が全て指定エリアに揃ったとき、これらの預かり物を1つの宅配物として梱包して発送する。または、カウンセリングセクション9で、顧客が個々の預かり物毎に、異なる納期を設定していた場合は、その納期に従って、個別に宅配便により発送する。以上の全ての預かり物を1つにまとめて発送する場合、個別に発送する場合のいずれの場合でも、識別タグ20は取り付けたままにして顧客30の元へ配送するようにしても良い。また、識別タグ20を取り外して顧客30の元へ配送しても良い。
【0056】
(同じ預かり物についての2度目以上の依頼)
次に、顧客30が、クリーニング処理工場に対してクリーニングの依頼を再度行う場合、一度依頼を行って顧客の元へ戻ってきた預かり物に識別タグ20が取り付けられた状態になっている場合は、取り付けられた状態のままクリーニング処理工場に配送又は持ち込まれ場合は、クリーニング処理工場では、上述したように、入荷の受付から出荷まで作業が行われるのであるが、1度依頼を受けた預かり物については、識別タグ20が取り付けられているので、物件識別コードを付与する必要がなく、識別タグを取り付ける必要もない。したがって、同じ預かり物の2度目以上の依頼の場合には、当該預かり物について識別タグ取付作業の必要がなく、識別タグ取付セクション8での作業を省略して処理を進めることができる。また、物件識別コードの発行を行う必要がなく、預かり物属性情報等は、過去の履歴を用いれば良いので、カルテ作成セクション7における作業が簡略化される。
【0057】
一方、出荷する際に識別タグ20を取り外して顧客30の元へ配送した場合や顧客30が識別タグ20を取り外した場合等、識別タグ20が取り付けられていない状態の場合には、識別タグ取付セクション8で、新たな物件識別コードが当該預かり物に付与されて、新たな物件識別コードが登録された識別タグが取り付けられる。なお、顧客30が識別タグ20を取り外した痕跡等が残っている等、取り付けられていた識別タグの物件識別コードがわかる場合には、新たな物件識別コードを発行せずに、前の物件識別コードを使用する場合もある。
【0058】
(顧客又は閲覧者のアクセス)
顧客30は、情報管理部101の預かり物画像DB2及びカルテDB3にアクセスすることができる。また、カルテDB3にアクセスした場合には、電子カルテの一部の内容を変更できるだけでなく、新たな項目を追加してカスタマイズすることができる。例えば、所定のウエブページに顧客IDとパスワードを入力してログインした後、カルテDB3から特定の電子カルテを検索して抽出し、夏物、冬物等の項目が間違っていた場合には、それを訂正することができる。また、電子カルテには、例えば、備忘録(○○の結婚式で使用、○○よりプレゼント)を入力する欄を設けることができる。このように新規の項目を複数追加して、カスタマイズすることも可能に構成されている。
【0059】
図2は、電子カルテ情報の閲覧の流れを示すフローチャートである。顧客30は所有する端末装置57を使用し、所定のウエブページに顧客IDとパスワードを入力してログインする(S1)。検索画面では、例えば、図7に示すような画面が表示される。返却された預かり物に識別タグ20が取り付けられている場合は、識別タグ20より直接情報を読み出すリーダ装置が用いられるか、または、顧客が識別タグ20に表記された物件識別コード入力する等して、図7の物件識別コードの欄に入力を行う。
【0060】
入力された物件識別コードにより検索が行われ、電子カルテに登録されている物件識別コードと入力された物件識別コードが一致する電子カルテが抽出される(S2)。顧客の端末装置57から通信回線4を介して顧客IDと物件識別コードがデータサーバ1に送信され、顧客IDと物件識別コードに基づいて、カルテDB検索部13がカルテDB3を検索し、該当する電子カルテを全て抽出する。抽出された電子カルテには、預かり物属性情報やクリーニング処理の履歴情報等も記載されているので、これらを合わせて表示する(S3)ことにより、特定の預かり物についての過去のクリーニング処理履歴を確認し、参考にすることができる。
【0061】
次に、図3は、預かり物画像の閲覧の流れを示すフローチャートである。顧客30又は閲覧者31は所有する端末装置57を使用し、所定のウエブページに顧客IDとパスワードを入力してログインする(S11)。ログインした後、物件検索画面を選択して表示させる。物件検索画面は、例えば図7のように構成されている。顧客は、物件検索条件設定の項目に、検索のためのキーワードを入力する。図7の例では、アイテム、ブランド、素材、色、特徴の5項目がキーワード入力又は選択の項目として挙げられている。特徴の項目については、フリル、コーデュロイ、レース等の項目から1つ又複数の項目を選択する構成となっており、選択する場合は、チェックボックスにチェックを入れる。これらの5項目は、カルテDB3に記憶された電子カルテに登録されている項目である。これらの項目にキーワードを入力又は洗濯を行い、検索ボタンをクリックして検索を行う(S12)。キーワードの入力又は選択を行う項目は、図7に示された5項目だけに限らず、電子カルテに登録されている項目であれば、使用することができる。
【0062】
図7の例では、アイテム、ブランド、素材、色の全ての項目にキーワードを入力しているが、キーワードを入力する項目は1つだけであっても良いし、複数の項目を組み合わせて使用しても良い。
【0063】
検索ボタンがクリックされると、顧客の端末装置57から通信回線4を介して顧客IDとキーワードがデータサーバ1に送信され、キーワードに基づいて、カルテDB検索部13がカルテDB3を検索し、該当する電子カルテが全て抽出される。カルテDB3と預かり物画像DBとは、物件識別コードにより関連付けられているので、抽出された電子カルテに登録されている物件識別コードに基づき、預かり物画像DB検索部12は、預かり物画像DBから対応する預かり物全てについて、クリーニング処理前画像(預かり時点画像)とクリーニング処理後画像(メンテナンス後画像)を抽出する。このようにして、端末装置57には、抽出された預かり物について、顧客自身が所有する預かり物だけでなく、他人が所有する預かり物についても、クリーニング処理前画像とクリーニング処理後画像の両方の画像を対比して表示させることができる(S13)。
【0064】
図7の物件検索画面を用いて検索を行った後の該当する物件が表示された画面の例を図8に示す。図8では、アイテム、ブランド、素材、色の各項目に入力されたキーワードに合致する物件が、物件識別コードとともに一覧表示される。複数の物件から特定の物件を選択する場合は、物件識別コードの横に表示されている選択ボタンをクリックする。例えば、図8で一番上に表示されている物件識別コードを選択すると、図9のような画面が表示される。図9の例では、物件識別コード1000567の預かり物件について、預かり時点画像とメンテナンス後画像が対比して表示される。
【0065】
一例として画像の表示は、上段に全体画像が、下段に部分画像が表示され、全体画像では、アングルを変えて写真撮影を行った画像が表示される。全体画像表示では、クリーニング処理前後の違いが良くわかるように、預かり時点画像における全体画像の左右の並びとメンテナンス後画像における全体画像の左右の並びを同じ位置に同じアングルの画像が並ぶように配置され、対比できるように表示される。
【0066】
部分画像表示では、特定のアングルで撮影した全体画像に対する部分画像を全体画像の直下に表示している。部分画像が複数枚ある場合には、全体画像の直下に直列に並べて表示する。また、クリーニング処理前後の違いが良くわかるように、預かり時点画像における部分画像の上下の並びとメンテナンス後画像における部分画像の上下の並びを同じ位置に同じ部位の画像が並ぶように配置するようにし、対比できるように表示される。なお、画像の表示に関しては、クリーニング処理前とクリーニング処理後の画像を比較することが目的であるので、比較できれば、必ずしも1画面上に並べて表示しなくとも良い。
【0067】
さらに、メンテナンス後画像には、メンテナンス内容と料金の表示が行われるようにしても良い。図9では、物件識別コード1000567の預かり物のクリーニング作業に関し、施されたメンテナンス内容とメンテナンス内容に対応した料金が表示されるようにしている。これにより、顧客は、これからクリーニングに出す預かり物が、どのようなメンテナンス内容が行われた場合に、どのような仕上げになるのか、メンテナンス後の預かり物の仕上がり具合を事前に想定することができ、その料金も知ることができるので、クリーニングを依頼しやすくなる。また、メンテナンスの内容によっては、処理後に風合いが変わるといったようなリスクが発生する場合がある。そこで、図9では図示していないが、メンテナンス内容の項目に、リスク内容を表示するようにしても良い。例えば、メンテナンス1の項目の下に、リスク1というように表示することができる。上記、メンテナンス料金、リスク内容のデータについては、電子カルテに対応する項目を設けて登録しても良いし、別の記憶手段に記憶させておいても良い。
【0068】
上記のように、顧客30又は閲覧者31がクリーニング業者側のデータサーバ1、預かり物画像DB2、カルテDB3にアクセスできることにより、過去の履歴から、ブランド名・商品種別・素材・メンテナンス内容等で検索・抽出して該当する預かり物の情報を確認することができる。また、その衣服の属性情報やメンテナンス情報(クリーニング処理の履歴)を確認することができる。
【0069】
また、過去のクリーニング処理前とクリーニング処理後の写真画像を全体及び部分で比較することができるので、例えば、顧客が所有している衣服と類似した他人の衣服(同じブランド、同じアイテム、同系色)のクリーニング処理前及び処理後の写真画像を検索して閲覧することができ、顧客が所有している衣服のクリーニング処理後の状態を擬似的に確認することができる。また、これから購買する予定の衣服のクリーニング処理後の写真を確認することもできる。これにより、クリーニング処理方法を選択する場合の参考としたり、購買する予定の衣服の種類を選択する際の参考とすることができる。
【0070】
他方、閲覧者31は、クリーニング処理前とクリーニング処理後の写真画像を全体及び部分で比較することができるので、例えば、閲覧者31が衣類や装飾品のブランドメーカーの場合は、自社の商品についてメンテナンス後の仕上がり具合の情報を得ることができ、メンテナンス方法等を自社の顧客にアドバイスできる。
【0071】
次に、クリーニング情報提供システムは、SNS接続部16を備えており、全機能がSNS(預かり物、クリーニング処理、クリーニング処理後の保管等に関する様々な情報を交換できる場)に連動しており、クリーニングを利用した感想をクリーニング処理前及び処理後の写真を交えながら共有することができるようになっている。さらに、ブランドや、アイテムに関する“うんちく”を公開したり、イベント情報など、クリーニング利用者間で、預かり物やメンテナンスに関する様々な情報を交換することができる。
【0072】
クリーニング情報提供システムはクリーニングに関する情報を活用することのできるクリーニング業務の総合システムであり、経理、人事等の基幹業務を総合的に管理できるERPシステムとすることも可能である。今流行のERPシステムはERPパッケージを基本として、多くの企業で共通化することのできる業務をパッケージとして導入することにより、システムの開発コストを抑えることが目的となっている、そのためにカスタマイズもできるだけ抑えるというのが基本的な考え方になっている。これでは、どの会社も個性の無い同じ顔の会社が出来上がり、過当競争にさらされ、業界の発展につながらない。
【0073】
本来は基幹システムの部分をその企業の個性にあわせることにより、企業の個性と価値を生かすことができ、企業文化を生み出すことで、本当の競争力を生み出すことができる。クリーニング情報提供システムは、クリーニングに関するケアメンテナンス業務を網羅して最適化することで衣服のケアメンテナンスの価値を最大限に引き出すことのできるERPシステムとすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、クリーニングに関する情報を活用することのできるクリーニング業務の総合システムであり、経理、人事等の基幹業務を総合的に管理できるERPシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 データサーバ
2 預かり物画像DB
3 カルテDB
4 通信回線
5 工程管理サーバ
6 入荷セクション
7 カルテ作成セクション
8 識別タグ取付セクション
9 カウンセリングセクション
10 クリーニング作業セクション
11 出荷セクション
12 預かり物画像DB検索部
13 カルテDB検索部
14 電子カルテ記録部
15 預かり物画像記録部
16 SNS接続部
51〜57、65 端末装置
66 採寸セクション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9