【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この課題は、請求項1記載のMRデータの取得方法、請求項7記載のB1磁場の決定方法、請求項12記載の磁気共鳴装置、請求項14記載のコンピュータプログラム製品および請求項15記載の電子的に読取可能なデータ媒体によって解決される。従属請求項は、本発明の好ましくて有利な実施形態を明らかにする。
【0008】
本発明の範囲内において、磁気共鳴装置によりボリューム部分の内部のMRデータを取得する方法が提供される。この方法は、MRデータを取得するために、次のステップa)〜g)を含むシーケンスを繰り返し使用する。
a)第1の共鳴高周波パルスが照射されるステップ、
b)第2の共鳴高周波パルスが照射されるステップ、
c)第1の共鳴高周波パルスの後において第2の共鳴高周波パルスの前に印加されてディフェーズを行う第1の傾斜磁場が印加されるステップ、
d)第2の共鳴高周波パルスの後に照射される第3の共鳴高周波パルスが照射されるステップ、
e)第1の傾斜磁場によって準備された磁化成分の励起エコーをリフォーカスするために第3の共鳴高周波パルスの後に印加される第2の傾斜磁場が印加されるステップ(この場合に特に、第2の傾斜磁場は、第1の傾斜磁場に、例えば両傾斜磁場の極性が同じであるように合わされている。)、
f)MRデータが読み出されるステップ、
g)MRデータの読み出し後に縦磁化を低減するために照射される第4の共鳴高周波パルスが照射されるステップ。
【0009】
傾斜磁場の印加とは、相応の傾斜磁場モーメントを形成することを意味する。傾斜磁場もしくは傾斜磁場モーメントは、1つの空間方向、2つの空間方向、又は3つの全空間方向における成分を有し得る。換言するならば、第1の傾斜磁場も第2の傾斜磁場も全ての空間軸において適用されてよい。更に、第1の傾斜磁場モーメント(即ち、第1の傾斜磁場によって生成される傾斜磁場モーメント)も、第2の傾斜磁場モーメント(即ち、第2の傾斜磁場によって生成される傾斜磁場モーメント)も、他の理由からシーケンスの構成要素である傾斜磁場モーメントに付け加えることができる。
【0010】
特に比較的大きい偏向角もしくはフリップ角(例えば80°〜90°)を有する第4の共鳴高周波パルスの照射によって、縦磁化が横磁化に変換される。それによって、直前の撮像によって残されたままの準備された縦磁化が低減される。それによって、有利なことに、後続の測定における誤差が低減され、又は完全に防止される。それによって、有利なことに、上述の画像アーチファクトに関する問題も抑制される。
【0011】
換言するならば、相前後するシーケンスもしくは撮像において、各シーケンスの終端でその都度、第4の共鳴高周波パルスを照射することによって、有利なことに、MRデータの読み出し時に、同一のシーケンス中もしくは撮像中に(第1の傾斜磁場モーメントによって)準備された(縦方向の)磁化成分のエコーのみがリフォーカスされる。換言するならば、現在のシーケンスの読み出し時点で、その現在のシーケンスに属するシーケンス準備部分において準備された(縦方向の)磁化成分に由来する励起エコーのみが検出される。従って、測定されたMRデータの誤差が防止され、又は少なくとも低減され、それによって、有利なことに、MRデータから作成されたMR画像における画像アーチファクトが、同様に少なくとも低減される。
【0012】
現在のシーケンスの読み出し時点で、現在のシーケンスの期間中に準備された磁化成分に由来する励起エコーのみが検出されるためには、第1の傾斜磁場もしくは第1の傾斜磁場モーメントと、第2の傾斜磁場もしくは第2の傾斜磁場モーメントとが互いに合わせられなければならず、もしくは定められた関係を持たなければならない(例えば、第2の傾斜磁場モーメントが、第1の傾斜磁場モーメントと同じ大きさであるか、又は第1の傾斜磁場モーメントよりも若干大きくなければならない)。一般に、第1の傾斜磁場モーメントの特定パーセンテージだけの増大(縮小)が、第2の傾斜磁場モーメントの同一パーセンテージだけの増大(縮小)を生じることが必要である。両傾斜磁場モーメントの間の関係は、特にMRデータの読み出しの時間的長さに関係する。
【0013】
本発明によれば、B1磁場を決定すべきボリューム部分が、1つのスライスを含むか、又は1つのスライスからなるとよい。この場合に、第1の共鳴高周波パルスの期間中に、第2の共鳴高周波パルスの期間中に、第3の共鳴高周波パルスの期間中に、そして第4の共鳴高周波パルスの期間中にも、それぞれ1つのスライス選択傾斜磁場が印加され、従って共鳴高周波パルスは、主に、その1つのスライスの核スピンにのみ影響を及ぼす。
【0014】
もちろん、本発明によれば、第1、第2、第3、第4の共鳴高周波パルスが、それぞれ3次元のボリューム部分を励起することも可能である。
【0015】
換言するならば、本発明は、MRの2次元つまりスライスごとのデータ取得においても、MRの3次元データ取得においても使用可能である。
【0016】
好ましい本発明による実施形態によれば、第2の共鳴高周波パルスの後において第3の共鳴高周波パルスの前に、磁化の横方向成分をディフェーズするスポイラー傾斜磁場が印加される。
【0017】
有利なことに、スポイラー傾斜磁場によって、もしくはスポイラー傾斜磁場モーメントによって、磁化の横方向成分がMRデータの読み出し時にもはや殆ど信号に、つまり結果に影響しないように、その磁化の横方向成分を強くディフェーズすることができる。
【0018】
同様の理由から、横磁化へ変換された縦磁化を、この縦磁化が次の撮像(MRデータの取得)時に測定信号に影響しないようにディフェーズするために、第4の共鳴高周波パルスの後に(従って、後続のシーケンスの開始前に)、別の強いスポイラー傾斜磁場を印加すると有利である。
【0019】
特に、第4の共鳴高周波パルスが照射される前に、第3の共鳴高周波パルスが照射されるステップと、第2の傾斜磁場が印加されるステップと、MRデータが読み出されるステップとが繰り返し実行される。
【0020】
第1および第2の共鳴高周波パルスは、MRデータを取得するために、それぞれ90°のフリップ角を有するとよい。以下において更に詳細に説明するように、B1磁場を決定するためには、第1および/または第2の共鳴高周波パルスに対して、異なったフリップ角を使用すると有利である。
【0021】
90°のフリップ角を有する第1の共鳴高周波パルスの使用によって、磁化が、(他のフリップ角に比べて)最適に強く、(縦方向に対して垂直な)横方向平面へ偏向させられる。同様にして、90°のフリップ角を有する第2の共鳴高周波パルスによって、磁化が再び縦方向に向けられる。第1の共鳴高周波パルスのフリップ角が90°である場合には、元の磁化の最大の成分を、横方向平面へ偏向させて第1の傾斜磁場によりディフェーズすることができる。第2の共鳴高周波パルスのフリップ角が90°である場合には、第1の傾斜磁場によってディフェーズされた、つまり準備された磁化全体が縦磁化成分に移行させられる(そして、第3の共鳴高周波パルスによって再び横磁化へ変換されるまでは、縦磁化成分の状態で、いわば記憶されている)。
【0022】
しかし、例えば不均一性に基づいて、いつでも90°のフリップ角が得られるとは限らない。従って、ここで明確に述べておくに、本発明は、第1および第2の共鳴高周波パルスが90°のフリップ角を持たなければならないことを前提とするものではない。
【0023】
両共鳴高周波パルスが90°とは異なるフリップ角を有する場合には、各共鳴高周波パルスの照射前に存在する磁化成分の或る特定の割合が残る。90°からの第1および第2の共鳴高周波パルスの実際のフリップ角の偏差が大きいほど、直前のシーケンスにおいて準備された磁化が現在のシーケンスの励起エコーにますます大きく影響する。
【0024】
本発明によれば、1つの特定のシーケンスにおける第1の傾斜磁場および/または第2の傾斜磁場が、時間的にその特定のシーケンスの後に続く他のシーケンスの第1もしくは第2の傾斜磁場と異なることもあり得る。換言するならば、他のシーケンスの第1の傾斜磁場が特定のシーケンスの第1の傾斜磁場と異なること、および/または他のシーケンスの第2の傾斜磁場が特定のシーケンスの第2の傾斜磁場と異なることもあり得る。第1の傾斜磁場も第2の傾斜磁場も変化される場合に、特定のシーケンスの第1の傾斜磁場によって発生された傾斜磁場モーメントと他のシーケンスの第1の傾斜磁場によって発生された傾斜磁場モーメントとの間の差モーメントが、特定のシーケンスの第2の傾斜磁場によって発生させられる傾斜磁場モーメントと他のシーケンスの第2の傾斜磁場によって発生させられる傾斜磁場モーメントとの差モーメントに等しいと有利である。
【0025】
相前後するシーケンスつまり撮像(MRデータの取得)において、第1の傾斜磁場もしくは第1の傾斜磁場モーメント、および/または第2の傾斜磁場もしくは第2の傾斜磁場モーメントが異なった設定をされることによって、MRデータの読み出し時に、有利なことに同一のシーケンスもしくは撮像において(第1の傾斜磁場モーメントによって)準備された(縦方向の)磁化成分のエコーのみがリフォーカスされる。直前のシーケンスの(縦方向の)磁化成分が異なったディフェージングを有し、有利なことに現在のシーケンスの読み出し時にはリフォーカスされない。換言するならば、現在のシーケンスの読み出し時点で、現在のシーケンスに属したシーケンス準備部分において準備された(縦方向の)磁化成分に由来する励起エコーのみが検出されることである。従って、測定されたMRデータの誤差が防止され、又は少なくとも低減され、それによって有利なことに、MRデータから作成されたMR画像における画像アーチファクトが同様に少なくとも低減される。
【0026】
本発明の範囲内において、磁気共鳴装置を用いたボリューム部分の内部のB1磁場の決定方法も提供される。
【0027】
本発明によるB1磁場の決定方法は、励起エコーの第1の信号強度と、グラジエントエコーつまり自由誘導減衰エコーの第2の信号強度とを決定するために、本発明によるMRデータの取得方法を使用する。そのために、励起エコーもグラジエントエコー(自由誘導減衰エコー)もリフォーカスするべく、第2の傾斜磁場の後に、その第2の傾斜磁場に対して反対の極性を有する第3の傾斜磁場が印加される。励起エコーの第1の信号強度およびグラジエントエコーの第2の信号強度は、MRデータの読み出し時に決定される。第1の共鳴高周波パルスおよび第2の共鳴高周波パルスによって生成されるB1磁場の振幅は、第1の信号強度および第2の信号強度に関係して決定される。
【0028】
励起エコーの第1の信号強度I
1とグラジエントエコーの第2の信号強度I
2との比から、次式(1)によって第1および第2の共鳴高周波パルスにより生じた偏向角αを算定することができる。
【数1】
【0029】
このようにして算定された偏向角αから、次式(2)によって当該第1又は第2の共鳴高周波パルスにより生じた磁場のB1振幅を算定することができる。
【数2】
【0030】
上式において、γは磁気回転比である。B
1(t)は第1および第2の共鳴高周波パルスにより生じたB1磁場の時間的推移である。従って、両高周波パルスが既知のパルス波形の場合に、式(1)および(2)により、両高周波パルスにより生じたB1磁場のB1振幅を算定することができる。
【0031】
本発明に従って、B1磁場の振幅を決定するために1つのシーケンスの終端で(2つのシーケンスの間で)、第4の共鳴高周波パルスを照射し、特にこれにスポイラー傾斜磁場が後続させることによって、有利なことに、このシーケンスにより残されたままの準備された縦磁化を低減し、それによって後続の測定もしくはシーケンスにおける誤差を低減又は防止することができる。
【0032】
第1および第2の共鳴高周波パルスはそれぞれ両方とも同じ目標フリップ角、即ち目標偏向角を有し、その角度が45°〜65°の範囲内、最善で55°にあると有利である。この範囲内では励起エコーおよび自由誘導減衰エコーの信号強度がほぼ等しい大きさである。
【0033】
第1および第2の高周波パルスが同じフリップ角を生じる場合には、式(1)によりB1磁場を非常に簡単に算定することができる。両高周波パルスが異なるフリップ角を生じさせる場合にも、B1磁場を本発明に従って式(1)に基づいて決定することができる。式(1)から明らかのように、第1又は第2の共鳴高周波パルスの偏向角の一義的な算定は0°〜90°の範囲に限られている。目標偏向角が上述の範囲内にあるならば、実際の偏向角の測定時における統計学的な誤差が最小である。ボリューム部分全体においてB1磁場が均一であるならば、目標偏向角は縦磁化が傾けられた角度に相当する。実際の偏向角は、例えば被検体固有のもしくは位置固有の伝導率および/または磁化率に基づいて、縦磁化が実際に傾けられる角度に一致する。換言するならば、目標偏向角もしくは目標フリップ角は、実際に達成されるもしくはひき起こされる偏向角もしくはフリップ角とは異なる。
【0034】
第4の共鳴高周波パルスの目標偏向角又は目標フリップ角は、90°の値に設定されると有利である。というのは、90°の偏向角では縦磁化を完全に横磁化に変換することができ、この場合にはスポイラー傾斜磁場により完全にディフェーズ(スポイル)することができるからである。
【0035】
しかし、局所的なB1変化によって、実際の偏向角が目標偏向角(つまり、前述の例では90°)とは明らかに相違することがある。従って、第4の共鳴高周波パルスの目標偏向角が第1および第2の共鳴高周波パルスの目標偏向角に等しく、又はそれよりも少し大きく、第4の共鳴高周波パルスの目標偏向角を選ぶことを提案する。
【0036】
第1および第2の共鳴高周波パルスの実際の偏向角が90°の値に近づくほど、シーケンスによって準備されて第2の共鳴高周波パルスによって戻し変換される磁化の割合がますます大きくなる。換言するならば、第1および第2の共鳴高周波パルスの実際の偏向角が90°の角度に近づくほど、本発明により解決すべき課題がますます重要となる。もちろん、第4の共鳴高周波パルスの目標偏向角が第1および第2の共鳴高周波パルスの目標偏向角に等しくか又はそれよりも少し大きく選ばれることによって、いわば、第4の共鳴高周波パルスの効果の増大により本発明により解決すべき課題が拡張される。
【0037】
第1および第2の高周波パルスが90°の偏向角を生じさせる場合に、このことが本発明による方法の精度に不利な影響を生じる。第1および第2の高周波パルスが80°までの偏向角を生じる場合には、本発明による方法の精度への不利な影響はまだ我慢ができる。この場合に、90°の励起角を有する最後の高周波パルスは、直前の撮像により残されたままの準備された縦磁化の除去に関して、なおも効果的な改善を提供する。
【0038】
第1、第2および第3の傾斜磁場モーメントが互いに合わせられていると有利である。一般に、第1の傾斜磁場モーメントおよび第2の傾斜磁場モーメントの特定の割合の増大(縮小)が、第3の傾斜磁場モーメントの同じ割合の増大(縮小)を生じることが必要である。3つの傾斜磁場モーメントの間の関係は、例えばMRデータの読み出しの時間的長さにも関係する。もちろん、第1の傾斜磁場モーメントおよび/または第2の傾斜磁場モーメントが変化させられる場合に、第3の傾斜磁場モーメントが変化しないままであってもよい。更に、第1、第2および第3の傾斜磁場モーメントは、とりわけ同一の空間方向において作用する(同一の空間軸に関係する)。
【0039】
本発明によれば、準備後に、準備された縦方向成分と準備されない縦方向成分とが存在することによって両磁化成分の信号を時間的に相前後してリフォーカスすることができ、その結果、各第3の共鳴高周波パルス(読み出し高周波パルス)後に、2つの時間的にずれたエコー(励起エコーおよびグラジエントエコー)が発生する。励起エコーもグラジエントエコーも、ただ1つの撮像(MRデータの取得)においてリフォーカスされることによって、有利なことに、B1振幅を求めるのに、ただ1つの撮像(MRデータの取得)しか必要でない。本発明による方法は、この高速のB1振幅決定のおかげで、有利なことに運動の影響を受けにくい。
【0040】
複数の送信チャネル又は複数の高周波送信アンテナを有する磁気共鳴装置の場合には、シーケンスの高周波パルスがそれぞれ同一グループの送信チャネル又は高周波送信アンテナから照射され、それによってこのグループによって発生されたB1磁場を測定又は決定することができる。当該グループは1つのみの送信チャネル又は1つのみの高周波送信アンテナによって構成することもできる。読み出し部分における高周波パルスは、全ての送信チャネルから照射することができ、このことは原理的に最終の高周波パルスについても当てはまる。
【0041】
この方法によって、有利なことに、送信チャネルの任意の構成について(例えば各送信チャネルついて個別に、又は複数の送信チャネルの任意の組合せについて)B1磁場を決定することができる。
【0042】
例えば、N個の送信チャネル配列に対してB1磁場を決定するためには、B1磁場を決定する本発明による方法をN回実行するとよい。配列ごとに少なくとも1つのシーケンスが実行される。少なくとも1つのシーケンスの高周波パルスは、それぞれその配列に対応する送信チャネル、又はその配列に対応する送信チャネルグループにおいてのみ送出される。
【0043】
従来技術によれば、このケースにおいて、本発明によって解決された課題が非常に顕著に現れる。というのは、1つのチャネルグループによって準備された磁化がこのチャネルグループの後に続くチャネルグループの測定に影響し、このことがB1磁場を決定する際に不都合なことに付加的な誤差を生じるからである。
【0044】
本発明の範囲内において、ボリューム部分の内部のMRデータを取得する磁気共鳴装置も提供される。この磁気共鳴装置は、静磁場磁石と、傾斜磁場システムと、少なくとも1つの高周波送信/受信アンテナと、少なくとも1つの受信コイル要素と、制御装置とを含む。制御装置は、傾斜磁場システムおよび少なくとも1つの高周波送信/受信アンテナを制御するために用いられる。更に、制御装置は、少なくとも1つの高周波送信/受信アンテナ又は少なくとも1つの受信コイル要素によって捕捉された測定信号を受信するように構成されている。磁気共鳴装置は、MRデータを取得するために次のシーケンスを繰り返し実行もしくは出力するように構成されている。そのために磁気共鳴装置は次のように構成されている。即ち、少なくとも1つの高周波アンテナにより、第1の共鳴高周波パルスおよび第2の共鳴高周波パルスを照射し、傾斜磁場システムにより、第1の共鳴高周波パルスの後でかつ第2の共鳴高周波パルスの前に、ディフェーズを行う第1の傾斜磁場を印加し、少なくとも1つの高周波アンテナにより、第2の共鳴高周波パルスの後に第3の共鳴高周波パルスを照射し、第3の共鳴高周波パルスの後に第2の傾斜磁場を印加することにより、第1の傾斜磁場によって準備された磁化成分の励起エコーを傾斜磁場システムによりリフォーカスし、MRデータを読み出し、MRデータの読み出し後に少なくとも1つの高周波アンテナにより第4の共鳴高周波パルスを照射するように構成されている。
【0045】
更に、磁気共鳴装置は、磁気共鳴装置がB1磁場を決定する方法を実施するように構成されている。そのために、磁気共鳴装置は、励起エコーも自由誘導減衰エコーもリフォーカスするために、磁気共鳴装置が傾斜磁場システムにより第2の傾斜磁場の後に第2の傾斜磁場とは異なる極性を有する第3の傾斜磁場を印加することによって、励起エコーの第1の信号強度および自由誘導減衰エコー(グラジエントエコー)の第2の信号強度を決定するように構成されている。磁気共鳴装置は、励起エコーの第1の信号強度および自由誘導減衰エコーの第2の信号強度をMRデータの読み出し時に検出して、第1の信号強度および第2の信号強度に関係してB1磁場の振幅を決定するように構成されている。
【0046】
本発明による磁気共鳴装置の利点は、殆ど、既に詳述した本発明による方法の利点に対応するので、ここで繰り返して説明することはしない。
【0047】
更に、本発明は、磁気共鳴装置のプログラム可能な制御装置もしくは計算ユニットのメモリにロードすることができるコンピュータプログラム製品、特にプログラム又はソフトウェアに関する。このコンピュータプログラム製品により、当該製品が制御装置において作動するとき、本発明による方法の全ての又はさまざまの既述の実施形態が実施可能である。コンピュータプログラム製品は、方法の相応の実施形態を実現するために、場合によっては、プログラム手段、例えばライブラリおよび補助機能を必要とする。換言するならば、コンピュータプログラム製品に関する請求項により、特に、本発明による方法の上述の実施形態の1つが実施可能である、又はこの実施形態を実施するコンピュータプログラム又はソフトウェアが保護されるべきである。そのソフトウェアは、なおもコンパイルされて結合されるか又は翻訳されさせすればよいソースコード(例えば、C++)であるか、又は実行するために相応の計算ユニットもしくは制御装置にロードするだけでよい実行可能なソフトウェアコードである。
【0048】
更に、本発明は、電子読取可能な制御情報、特にソフトウェア(上記参照)が記憶されている電子的に読取可能なデータ媒体、例えばDVD、磁気テープ又はUSBスティックに関する。これらの制御情報(ソフトウェア)をデータ媒体から読み取って磁気共鳴装置の制御装置もしくは計算ユニットに格納すれば、上述の方法の全ての本発明による実施形態を実施することができる。
【0049】
本発明によって、有利なことに、MRデータの取得の際に、従ってB1磁場を求める際にも、不完全なT1緩和によってひき起こされる系統的な誤差を低減することができる。本発明は、そのために、相前後するシーケンスの間、つまりシーケンス実行の間において、完全なT1緩和を待たなくても、この測定誤差の低減を可能にし、それによって、有利なことに測定時間を短縮することができ、それにも拘らず画像アーチファクトを低減することができる。
【0050】
本発明は、特に拡散イメージングおよびB1磁場の決定に適している。もちろん本発明はこの好ましい適用範囲に限定されない。というのは、本発明はSTEAM準備に基づくあらゆる方法に殆ど使用できるからである。STEAMは、“Stimulated Echo Acquisition Mode”を表す。
【0051】
以下において、図面を参照しながら本発明の実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。