特許第6385709号(P6385709)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILの特許一覧 ▶ 株式会社岐阜多田精機の特許一覧

<>
  • 特許6385709-手洗装置 図000002
  • 特許6385709-手洗装置 図000003
  • 特許6385709-手洗装置 図000004
  • 特許6385709-手洗装置 図000005
  • 特許6385709-手洗装置 図000006
  • 特許6385709-手洗装置 図000007
  • 特許6385709-手洗装置 図000008
  • 特許6385709-手洗装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385709
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】手洗装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20180827BHJP
   E03C 1/33 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   A47K1/00 Q
   E03C1/33
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-86859(P2014-86859)
(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2015-204990(P2015-204990A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(73)【特許権者】
【識別番号】505389547
【氏名又は名称】株式会社岐阜多田精機
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】新美 智一
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅子
(72)【発明者】
【氏名】春日 孝俊
(72)【発明者】
【氏名】鷹股 憲
(72)【発明者】
【氏名】堀 正明
【審査官】 中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−082272(JP,A)
【文献】 実開昭60−100480(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00− 1/14
E03D 1/00−13/00
E03C 1/12− 1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体に設置されるべき手洗器を備え、
前記手洗器は、
鉢部と、
前記鉢部の側方に設けられる側壁部と、
前記基体に固定されるべき固定部と、を有し、
前記手洗器は、樹脂材料を素材として一体成形され、
前記固定部は、前記鉢部と前記側壁部の間に架け渡され
前記固定部は、前記鉢部から前記側壁部に近づく方向に向けて延びる内側部分と、前記側壁部から前記鉢部に近づく方向に向けて延びる外側部分と、を有し、
前記内側部分と前記外側部分は、それぞれ異なる方向に沿って延びるように形成され、いずれか一方の先端部が他方に接続されることを特徴とする手洗装置。
【請求項2】
前記内側部分と前記外側部分の接続部分は、前記鉢部から間を置いた位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の手洗装置。
【請求項3】
前記鉢部は、第1面部と第2面部を接続する曲げ部を有し、
前記固定部は、前記曲げ部に一端部が接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の手洗装置。
【請求項4】
前記内側部分は、板状に形成され、
前記外側部分は、板状に形成され、
前記内側部分と前記外側部分は、いずれか一方の先端部の幅方向が他方の延びる方向と交差するように、その一方の先端部が他方に接続されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の手洗装置。
【請求項5】
前記固定部は、前記基体から上方に間を置いて配置され、前記基体との間に配置される留め具により前記基体に固定され、
前記側壁部の一部は、前記留め具と水平方向に重なる位置に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の手洗装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレや洗面所等に設置される手洗装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、トイレの室内空間を有効利用するため、洋風大便器とキャビネットを一体化したトイレユニットが提案されている。このユニットでは、大便器の後部にキャビネットが設置される。キャビネットには、物品の収納部の他に、ロータンクの収納部が設けられ、物品の収納空間を確保しつつすっきりとした外観が得られる。
【0003】
キャビネットのカウンターには、トイレの利用後にユーザが手洗いできるように、手洗装置が取り付けられる場合がある(特許文献1参照)。手洗装置は、鉢部を有する樹脂成形品の手洗器と、鉢部に水を吐き出す吐水部材を備える。手洗器には、通常、カウンターと上下に対向する位置に鉢部等から片持ち状に突出する固定部が設けられ、その固定部の下面には第1面ファスナーが貼り付けられる。この第1面ファスナーは、カウンターの上面に貼り付けられる第2面ファスナーと脱着可能に結合され、手洗器の固定部がカウンターに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−000402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の手洗器では、各面ファスナーを着け外しするときに、手洗器の固定部に大きな荷重が作用する。この荷重に対する強度を確保するため、固定部に補強リブが接続される場合がある。補強リブは、通常、固定部を補強するため、手洗器の鉢部等に対して広い範囲で接続される。
【0006】
ここで、手洗器は、その成形過程で生じる素材の収縮により、ユーザに視認される意匠面に窪みであるヒケが生じ得る。よって、固定部を補強するために補強リブを広い範囲で接続すると、その補強リブの収縮により意匠面にヒケが生じ易くなり、手洗器の外観を損ないかねない。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、固定部に作用する荷重に対する強度を確保しつつ、高い意匠性を実現できる手洗装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明のある態様は手洗装置に関する。手洗装置は、基体に設置されるべき手洗器を備え、手洗器は、鉢部と、鉢部の側方に設けられる側壁部と、基体に固定されるべき固定部と、を有し、固定部は、鉢部と側壁部の間に架け渡される。
この態様によると、鉢部や側壁部と固定部との接続範囲を小さくでき、鉢部の内側面や側壁部の外側面でのヒケの発生範囲を小さくし、手洗器の意匠性が良好となる。また、固定部に作用する荷重を鉢部と側壁部に分散して伝達できるため、その荷重に対する強度を確保し易くなる。
【0009】
固定部は、鉢部の上端部から下方に離れた位置に一端部が接続され、側壁部の上端部から下方に離れた位置に他端部が接続されてもよい。
この態様によると、鉢部や側壁部の上端部から下方に離れた位置に固定部の両端部が接続されるため、ユーザに目立つ箇所でのヒケの発生が抑えられ、手洗器の意匠性がより良好となる。
【0010】
鉢部は、第1面部と第2面部を接続する曲げ部を有し、固定部は、曲げ部に一端部が接続されてもよい。
この態様によると、鉢部で剛性に優れる曲げ部に固定部の一端部が接続されるため、固定部に作用する荷重に対する強度を確保し易くなる。
【0011】
固定部は、鉢部から側壁部に近づく方向に向けて延びる内側部分と、側壁部から鉢部に近づく方向に向けて延びる外側部分と、を有し、内側部分と外側部分は、それぞれ異なる方向に沿って延びるように形成され、いずれか一方の先端部が他方に接続されてもよい。
この態様によると、内側部分と外側部分の接続部で剛性を確保し易くなり、固定部に作用する荷重に対する強度を確保し易くなる。
【0012】
内側部分は、板状に形成され、外側部分は、板状に形成され、内側部分と外側部分は、いずれか一方の先端部の幅方向が他方の延びる方向と交差するように、その一方の先端部が他方に接続されてもよい。
この態様によると、内側部分と外側部分のうちの他方について、その延びる方向の方向軸周りの撓みを抑え易くなり、固定部の強度を確保し易くなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、固定部に作用する荷重に対する強度を確保しつつ、手洗器の意匠性を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る手洗装置が用いられるトイレユニットを示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係るキャビネットから手洗装置を取り外した状態を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る手洗装置の側面断面図である。
図4】第1実施形態に係る手洗器を斜め下側から見た斜視図である。
図5】第1実施形態に係る手洗器の底面図である。
図6図5のA−A線断面図である。
図7】第1実施形態に係る手洗器の一部を拡大した正面断面図である。
図8】関連技術に係る手洗器の概略的な構成を示す拡大正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施の形態]
図1は第1実施形態に係る手洗装置10が用いられるトイレユニット100を示す斜視図である。トイレユニット100は、キャビネット110と、便器120と、手洗装置10を備える。
【0016】
キャビネット110には、洗浄水タンク130が収容されるタンク収納部(図示せず)が設けられ、タンク収納部の前方には前板111が設けられる。前板111の前方には便器120が設置される。前板111の左右方向Xの両側には側板113が開閉可能に設けられ、側板113の奥側には物品収納部(図示せず)が設けられる。キャビネット110の上部にはカウンター115が設置され、カウンター115の左右方向Xの一端側には手洗装置10が取り付けられる。
【0017】
図2はキャビネット110から手洗装置10を取り外した状態を示す斜視図である。本図ではキャビネット110はカウンター115のみ図示する。
【0018】
手洗装置10は、手洗器20と、吐水部材80を備える。手洗器20は基体としてのカウンター115に設置される。手洗器20には、後述する固定部31(本図では図示せず)に留め具としての第1面ファスナー53が複数取り付けられる。カウンター115には第1面ファスナー53と上下に対向する位置に第2面ファスナー55が取り付けられる。手洗器20は、各面ファスナー53、55により脱着可能にカウンター115に結合される。なお、キャビネット110の上部には、後述する導水管131や排水管133を内部に導くための切欠孔17が形成される。
【0019】
図3は手洗装置10の側面断面図を示す。本図では図1の左右方向Xに沿った方向から見た断面図を示す。以下、左右方向Xと直交する水平方向を前後方向Y、上下方向を方向Zとして説明する。なお、方向X、Yは互いに直交する水平方向と一致する。
【0020】
手洗器20は、その背面側を壁面140に臨ませて配置される。手洗器20は、吐水部材80から吐き出される水を受ける鉢部21と、吐水部材80が着座する座面23を備える。座面23には貫通孔25が形成される。手洗器20の詳細は後述する。
【0021】
吐水部材80は、本体部81と、挿通軸部83を有する。本体部81は、樹脂、金属等を素材とする管体により構成され、手洗器20の座面23に起立した状態で設けられる。本体部81の先端部には鉢部21内に臨む吐水口85が形成される。本体部81の基端側には挿通軸部83が設けられ、本体部81と挿通軸部83の間には径方向外側に張り出す係止段部87が形成される。吐水部材80は、係止段部87が座面23に着座した状態で固定される。
【0022】
挿通軸部83は、筒状に形成され、本体部81の基端側に設けられる。挿通軸部83は、手洗器20の貫通孔25に挿通され、その先端側が手洗器20の裏面側に突き出る。挿通軸部83の手洗器20の裏面側に突き出る部位には固定具90が装着される。吐水部材80は、固定具90により、手洗器20に対して挿通軸部83の軸方向に固定される。
【0023】
挿通軸部83の先端部には導水管131の一端部が接続される。導水管131は可撓性を有し、その他端部(図示せず)がキャビネット110の切欠孔17を通してキャビネット110内に導かれ、給水装置としてのボールタップに接続される。吐水口85には給水装置から導水管131、吐水部材80を通して水が供給され、吐水口85から鉢部21内に吐水される。
【0024】
図4は手洗器20を斜め下側から見た斜視図であり、図5は手洗器20の底面図である。手洗器20は、鉢部21の他に、側壁部29と、固定部31を備える。手洗器20は、樹脂材料を素材として各部位が一体成形されるが、セラミックス等を素材としてもよい。手洗器20は、金型内に溶融樹脂等の溶融材を流し込み、溶融材を冷却して固化させる射出成形等の成形法により得られる。
【0025】
鉢部21は、底面部33と、複数の側面部35を有する。底面部33は、鉢部21の底側に設けられ、矩形を呈する板状に形成される。各側面部35は、底面部33の四周の側端部から立ち上がるように形成される。各側面部35は、それぞれ矩形を呈する板状に形成される。
【0026】
側面部35は、底面部33の四周にある側面部35のうち、前後方向Yの一方に設けられる第1側面部35Aと、他の位置に設けられる第2側面部35Bと、を含む。第1側面部35Aは、第2側面部35Bよりも、水平面に対する鋭角での傾斜角度が小さくなるように形成される。第1側面部35Aの内側面21cには座面23が形成される(図3参照)。
【0027】
底面部33には、図3に示すように、鉢部21内で受けた水を排水するための排水口37が形成される。底面部33には排水口37から下方に突出する排水筒部39が設けられ、排水筒部39には排水管133の一端部が接続される。排水管133は可撓性を有し、その他端部(図示せず)がキャビネット110の切欠孔17を通してキャビネット110内に導かれ、洗浄水タンク130内に配置される。排水筒部39と排水管133の内側には排水路135が形成され、鉢部21内で受けた水が排水路135を通して洗浄水タンク130に排水される。
【0028】
鉢部21の内側面21cである底面部33、各側面部35の内側面は、排水口37に向けて下向きに傾斜して形成される。底面部33の内側面21cは、各側面部35の内側面21cより緩やかに傾斜して形成される。鉢部21の内側面21cは、ユーザに視認可能に露出する意匠面として設けられる。
【0029】
鉢部21は、その上端部21aが側壁部29の上端部29aにリム部27を介して接続される。側壁部29は、リム部27から下方に延びて平板状に形成され、鉢部21の側方に間隔を空けて設けられる。リム部27は、鉢部21の上端部21aに沿って環状に形成される(図2参照)。
【0030】
底面部33と各側面部35の境界部分には、それらを接続する第1曲げ部41が設けられる。第1曲げ部41は、底面部33と各側面部35を滑らかに繋ぐとともに、鉢部21の外側に向けて凸となるように湾曲して形成される。第1曲げ部41は、底面部33の側端部の全周に亘り滑らかに連なる形状を有する。
【0031】
隣接する側面部35同士の境界部分には、図4図5に示すように、それらを接続する第2曲げ部43が設けられる。第2曲げ部43は、隣接する側面部35を滑らかに繋ぐとともに、鉢部21の外側に向けて凸となるように湾曲して形成される。
【0032】
側壁部29は、鉢部21の左右方向X、前後方向Yのそれぞれ、つまり、鉢部21の四周の側方に設けられる。各側壁部29は、鉢部21を取り囲むように設けられ、全体として角形の筒状に形成される。鉢部21の前方や左右方向Xにある側壁部29は、それらの外側面29bがユーザに視認可能に露出する意匠面として設けられる。
【0033】
図6図5のA−A線断面図を示す。固定部31は、左右方向Xの各側壁部29と鉢部21の間に配置される。固定部31は、手洗器20がカウンター115に設置されるとき、詳細を後述するようにカウンター115に固定される。
【0034】
図7図6の部分拡大図を示す。固定部31は、鉢部21の外側面21bと、側壁部29の内側面29cの間に架け渡される。より詳細には、固定部31は、鉢部21の第1曲げ部41の外側面21bに一端部31aが接続され、側壁部29の内側面29cに他端部31bが接続される。固定部31の一端部31aは、鉢部21の下部にある第1曲げ部41、つまり、鉢部21の上端部21aから下方に離れた位置に接続される。固定部31の他端部31bは、側壁部29の下部、つまり、側壁部29の上端部29aから下方に離れた位置に接続される。固定部31が架け渡される方向に沿って切断した断面には、鉢部21の側面部35と、側壁部29と、固定部31とにより囲まれた中空部47を有する閉断面が形成される。
【0035】
ここで、鉢部21の上端縁21dを通る仮想線をLb1とし、仮想線Lb1とカウンター115の上面115aとの中央位置を通る仮想線をLc1とする。各仮想線Lb1、Lc1は、カウンター115の上面115aと平行である。このとき、固定部31の一端部31aは、この仮想線Lc1より下方の位置で鉢部21に接続され、その仮想線Lc1から上方の位置では鉢部21に接続されない。また、側壁部29の上端縁29dを通る仮想線Lb2とし、仮想線Lb2とカウンター115の上面115aとの中央位置を通る仮想線をLc2とする。本例では、側壁部29の上端縁29dは鉢部21の上端縁21dと同じ位置にある。各仮想線Lb2、Lc2は、カウンター115の上面115aと平行であり、本例では仮想線Lb1、Lc1と同じ位置にある。このとき、固定部31の他端部31bは、この仮想線Lc2より下方の位置で側壁部29に接続され、その仮想線Lc2から上方の位置では側壁部29に接続されない。
【0036】
固定部31は、鉢部21から側壁部29に近づく方向に向けて延びる内側部分49と、側壁部29から鉢部21に近づく方向に向けて延びる外側部分51を有する。内側部分49は水平面に傾斜する板状に形成され、外側部分51は水平面と平行な板状に形成される。各部分49、51は、それぞれ異なる方向に沿って延びるように形成される。各部分49、51は、内側部分49の先端部49aが外側部分51の先端部51aに接続される。各部分49、51の接続部分は、下向きに凸となるように曲げた形状を有する。
【0037】
外側部分51は、カウンター115の上面115aと対向して設けられ、その上面115aと平行に設けられる。外側部分51のカウンター115との対向面である下面51bには、カウンター115に固定部31を留めるための留め具として第1面ファスナー53が貼付等により取り付けられる。カウンター115にも外側部分51との対向面である上面115aには第2面ファスナー55が貼付等により取り付けられる。
【0038】
各面ファスナー53、55は、固定部31等に裏面が取り付けられる面状部57と、面状部57の表面に設けられる複数の係合部59を備える。各面ファスナー53、55は、各々の係合部59同士の係合により脱着可能に結合する。係合部59は、面状部57から突出する柱状部の頭部が拡径したマッシュルーム状のオス係合部により構成される。なお、係合部59は、かぎ状等の他の形状のオス係合部により構成されてもよいし、ループ状等のメス係合部により構成されてもよい。この種の面ファスナー53、55は周知なため、詳細な説明は省略する。
【0039】
各部分49、51は、図5に示すように、それらの幅方向P1が平行となるように設けられる。本例では各部分49、51の幅方向P1は前後方向Yに一致する。各部分49、51は、内側部分49の先端部49aの幅方向P1が外側部分51の延びる方向P2と直交するように接続される。内側部分49の先端部49aは、その幅方向P1が外側部分51の延びる方向P2と交差するように接続されることになる。本例では外側部分51の延びる方向P2は左右方向Xと一致する。
【0040】
なお、固定部31は、図5図7に示すように、その上面に板状の補強リブ61が接続される。補強リブ61は、鉢部21の第1曲げ部41の外側面21bに一端部61aが接続され、側壁部29の内側面29cに他端部31bが接続される。補強リブ61の一端部61aは、固定部31と同様に、鉢部21の上端部21aから下方に離れた位置に接続され、補強リブ61の他端部61bは、側壁部29の上端部29aから下方に離れた位置に接続される。また、補強リブ61の一端部61aは、仮想線Lc1より下方の位置で鉢部21に接続され、その仮想線Lc1から上方の位置では鉢部21に接続されない。また、補強リブ61の他端部61bは、仮想線Lc2より下方の位置で側壁部29に接続され、その仮想線Lc2から上方の位置では側壁部29に接続されない。補強リブ61はなくともよい。
【0041】
また、固定部31の他端部31bは、図5に示すように、側壁部29の前後方向Yでの中央位置を含む範囲で、側壁部29の中間部29eに接続される。
【0042】
以上の実施形態に係る手洗装置10の作用効果を説明する。図8は関連技術としての手洗器220の概略的な構成を示す図である。手洗器220の固定部231は、鉢部221の外側面221bから突出して平板状に形成される。固定部231は、その下面251bの第1面ファスナー253を、カウンター315の上面315aの第2面ファスナー255に脱着可能に結合させて、カウンター315に固定される。なお、本構造では手洗器220の鉢部221がキャビネットの上部に形成される切欠孔317内に挿通される形状を有する。
【0043】
各面ファスナー253、255を着け外しするとき、固定部231には大きな荷重が作用する。このとき、固定部231は片持ち状に鉢部221に接続されるため、その荷重に抵抗し難くい。この対策として、固定部231は、鉢部221の外側面221bから突出する補強リブ223に接続される。
【0044】
補強リブ223は、鉢部221の外側面221bに対して、その上端部221aから固定部231との接続箇所にかけて連なるように接続され、リム部227の下面に対しても接続される。よって、関連技術の構造では、手洗器220の成形過程において、補強リブ223の面内方向の収縮により、鉢部221の内側面221cやリム部227の上面等の意匠面に広い範囲でヒケが生じ、手洗器220の外観を損ないかねない。
【0045】
この点、本実施形態に係る手洗装置10によれば、固定部31が鉢部21と側壁部29の間に架け渡される形状を有する。よって、関連技術の補強リブ223を比較して、鉢部21や側壁部29との上下方向Zでの接続範囲やリム部27との接続範囲を抑えられる。よって、鉢部21の内側面21c、側壁部29の外側面29b、リム部27の上面等のように、ユーザに視認される意匠面でのヒケの発生範囲を小さくでき、手洗器20の意匠性が良好となる。
【0046】
また、本実施形態に係る固定部31は、鉢部21と側壁部29に接続されるため、固定部31に荷重が作用したとき、その荷重を鉢部21と側壁部29に分散して伝達でき、これらを含む部位でこの荷重に抵抗できる。よって、関連技術の構造のように、固定部231が片持ち状に鉢部221に接続される場合と比較して、固定部31に作用する荷重に抵抗する範囲が広くなり、その荷重に対する強度を確保し易くなる。特に、固定部31は、鉢部21と側壁部29の一方に片持ち支持されるのではなく、これらに両持ち支持されるため、その接続部での応力集中を抑え易くなる。
【0047】
また、関連技術の構造では、固定部231が片持ち状に接続されるため、その先端部231aと側壁部229の間に空間230が形成される。この空間230があると、金型を用いて樹脂成形するときに、その狭い空間230に入り込む挿入部を金型に設ける必要が生じる。この挿入部は空間230が狭いため小寸法になり易く、その耐荷重強度を確保し難くなり、金型の耐久性が低下しかねない。
【0048】
この点、本実施形態に係る固定部31は、鉢部21と側壁部29に接続されるため、関連技術のように空間230が生じない。よって、関連技術の構造の手洗器220を成形するときのように、金型に小寸法の挿入部を設ける必要が生じ難くなり、その耐荷重強度を確保し易くなり、金型の耐久性を低下させ難くできる。
【0049】
また、ユーザが手洗器20を利用するとき、通常、ユーザは鉢部21内に手を差し出し、その手を見ながら手洗いをする。このとき、リム部26の近傍にある鉢部21や側壁部29の上端部21a、29aの付近はユーザにより視認され易い。この点、本実施形態に係る手洗装置10によれば、固定部31は、鉢部21や側壁部29の上端部21a、29aから下方に離れた位置に両端部が接続されるため、ユーザに目立つ箇所でのヒケの発生が抑えられ、手洗器20の意匠性がより良好となる。
【0050】
また、鉢部21では、底面部33や側壁部29等よりも、これらを接続する曲げ部41の方が剛性を確保し易い。固定部31の一端部31aは、鉢部21で剛性に優れる曲げ部41に接続されるため、固定部31に作用する荷重に対する強度を確保し易くなる。また、曲げ部41は、平板状ではなく曲げた形状を有するため、その箇所でヒケが発生しても目立ちにくい。よって、固定部31の一端部31aの曲げ部41への接続により、その曲げ部41の内側面21cで発生するヒケが目立ちにくく、手洗器20の意匠性がより良好となる。
【0051】
また、固定部31は、それぞれ異なる方向に沿って延びる内側部分49と外側部分51を有するため、それらの接続部で剛性を確保し易くなる。また、各面ファスナー53、55の着け外しにより外側部分51に荷重が作用したとき、その荷重を内側部分49に分散したうえで鉢部21に伝達でき、外側部分51に面外方向の過度の力が作用するのを抑えられる。よって、外側部分51の撓み等の変形を抑え易くなり、固定部31の強度を確保し易くなる。
【0052】
また、内側部分49と外側部分51は板状に形成され、一方の先端部49aの幅方向P1が他方の延びる方向P2と交差するように、その一方の先端部49aが他方に接続される。よって、各部分49、51のうちの一方の先端部49aの幅方向P1が他方の延びる方向P2と平行に形成される場合と比べて、その他方の延びる方向P2の方向軸周りの撓みを抑え易くなり、固定部31の強度を確保し易くなる。
【0053】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【0054】
手洗装置10は、トイレユニット100のキャビネット110の上部に取り付けられる例を説明したが、その用途はこれに限られず、洗浄水タンク130の蓋として用いられてもよい。また、手洗装置10は、トイレユニット100の他に、洗面台等に用いられてもよい。
【0055】
また、手洗器20は、基体としてのカウンター115に設置される例を説明した。この手洗器20の設置対象となる基体は、これに限られず、洗浄水タンク130、壁面等でもよい。
【0056】
手洗器20、吐水部材80は、それらの形状について特に限られず、公知の形状に形成されてもよい。手洗器20の座面23は、鉢部21の一部として設けられたが、鉢部21とは異なる位置に設けられてもよい。座面23は、水平面に対して傾斜して設けられたが、水平面と平行に設けられてもよい。
【0057】
固定部31は、基体としてのカウンター115に留め具としての面ファスナー53、55により固定される例を説明した。留め具は、面ファスナー53、55の他にも、ビス、ボルト等の点ファスナーでもよいし、マグネット等でもよい。固定部31は、留め具を用いずに、溝、突起等の第1嵌合部を固定部31に設け、その溝、突起等と嵌まり合う突起、溝等の第2嵌合部を基体に設け、これらの嵌め合いにより固定されてもよい。
【0058】
固定部31は、鉢部21と側壁部29の間に架け渡されていれば、その形状について特に限られない。たとえば、固定部31は、外側部分51と内側部分49を設けずに、鉢部21と側壁部29の間に直線状に延びる単一の部分により構成されてもよい。また、外側部分51と内側部分49は、下向きに凸ではなく、上向きに凸となるように曲げた形状を有してもよい。また、各部分49、51は、それらの一方の先端部が他方の中間部に接続されてもよい。また、各部分49、51のうち、外側部分51が留め具により基体としてのカウンター115に固定される例を説明した。各部分49、51は、いずれか一方が留め具により基体に固定されていればよく、内側部分49が基体に固定されてもよい。
【0059】
また、固定部31の一端部31aは、鉢部21の第1曲げ部41に接続されたが、各側面部35を接続する第2曲げ部43に接続されてもよい。つまり、固定部31の一端部31aは、互いに異なる方向に延びる第1面部と第2面部を接続する曲げ部に接続されていてよい。ここでの曲げ部とは第1曲げ部41や第2曲げ部43をいう。第1曲げ部41では底面部33が第1面部となり、側面部35が第2面部となる。また、第2曲げ部43では隣接する側面部35が第1面部、第2面部となる。また、各曲げ部41、43は、鉢部21の外側に向けて凸となるように湾曲して形成されたが、曲げられていれば屈曲して形成されてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…手洗装置、20…手洗器、21…鉢部、21a…上端部、29…側壁部、29a…上端部、31…固定部、31a…一端部、31b…他端部、41…第1曲げ部、43…第2曲げ部、49…内側部分、51…外側部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8