(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各ガイドの経路においては、両係止孔が互いに兼用され、両係止孔から周方向へずれた第一の案内孔と、両係止孔から幅方向へずれた第二の案内孔とを有していることを特徴とする請求項1に記載の手持ち具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような手持ち具では、支持部の係脱操作部を周方向へ捩じる操作手段により、ホルダのガイドと可動体のストッパとを互いに係脱させるので、ホルダを一方の手により把持した状態で支持部の係脱操作部を他方の手により操作して周方向へ捩じる必要があり、両手を使って操作しなければならない。従って、操作条件が制限されるため、機能部の出没操作が不便な場合があった。
【0005】
この発明は、刃体などの機能部をホルダに対し出没させることができる医療用刃物などの手持ち具において、出没操作をより便利にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
後記実施形態の図面(
図1〜13)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる手持ち具
は下記の特徴(イ)〜(ニ)を有している。
(イ) 機能部(25)を有する可動体(2)をホルダ(1)に対し移動可能に支持して、可動体(2)の機能部(25)がホルダ(1)から突出する突出位置(P)とホルダ(1)内に収容される収容位置(Q)とを取り、可動体(2)の機能部(25)を収容位置(Q)から突出位置(P)に設定する突出用の操作手段と、可動体(2)の機能部(25)を突出位置(P)から収容位置(Q)に設定する収容用の操作手段とのうち、少なくとも一方を複数備え、前記突出用の操作手段においてはホルダ(1)に設けたガイド(11)と可動体(2)に設けたストッパ(28)との係脱により可動体(2)の機能部(25)を突出位置(P)に設定し、前記収容用の操作手段においてはホルダ(1)に設けたガイド(11)と可動体(2)に設けたストッパ(28)との係脱により可動体(2)の機能部(25)を収容位置(Q)に設定し、それらのガイド(11)はストッパ(28)が通る経路(12,13)を有している。
【0007】
従って、複数の操作手段により、可動体(2)の機能部(25)をホルダ(1)に対し突出させたり収容したりすることができるので、容易に操作することができる。
【0009】
(ロ) 前記操作手段にかかるガイド(11)の経路(12,13)は、可動体(2)の移動方向(X)の両側に設けた係止孔(14,15)と、その両係止孔(14,15)間で両係止孔(14,15)に連通して延設された案内孔(16,17)とを有し、前記可動体(2)のストッパ(28)がこの経路(12,13)の両係止孔(14,15)に対し係脱される。
従って、案内孔(16,17)と両係止孔(14,15)とからなる経路(12,13)を簡単な構造にすることができる。
【0010】
(ハ) 前記突出用の操作手段におけるガイド(11)の経路(12,13)と前記収容用の操作手段におけるガイド(11)の経路(12,13)とは互いに兼用されている。
従って、ガイド(11)の経路(12,13)を兼用して、突出用の操作手段及び収容用の操作手段を簡単な構造にすることができる。
【0011】
(ニ) 前記可動体(2)は、機能部(25)を有する可動頭部(18)と、ガイド(11)に対しストッパ(28)を係脱させる係脱操作部(29,31)を有する支持部(19)と、その可動頭部(18)と支持部(19)との間に設けた連結部(20)とを備え、この連結部(20)に設けられて支持部(19)を可動頭部(18)に対し可動体(2)の移動方向(X)に沿う軸線に対する周方向(R)へ捩じる際に周方向(R)の付勢力を生じる第一のばね(26)と、この支持部(19)に設けられて可動体(2)の移動方向(X)に沿う軸線に対し直交する幅方向(Z)へ撓ませる際に幅方向(Z)の付勢力を生じる第二のばね(27)と、この第二のばね(27)に設けた前記ストッパ(28)とを備えている。
従って、操作手段を簡単な構造にすることができる。
【0012】
請求項1の発明を前提とする
請求項2の発明にかかる各ガイド(11)の経路(12,13)においては、両係止孔(14,15)が互いに兼用され、両係止孔(14,15)から周方向(R)へずれた第一の案内孔(16)と、両係止孔(14,15)から幅方向(Z)へずれた第二の案内孔(17)とを有している。
請求項2の発明では、第一の案内孔(16)と第二の案内孔(17)と両係止孔(14,15)とからなる簡単な構造の経路(12,13)を採用することができる。
【0013】
請求項2の発明を前提とする
請求項3の発明は下記のように構成されている。
前記ストッパ(28)は、前記ガイド(11)の経路(12,13)の両係止孔(14,15)に対し係脱される係止部(30)と、その係止部(30)を移動させる係脱操作部(29)とを有している。機能部(25)の突出位置(P)で両係止孔(14,15)のうち一方に第一のばね(26)の付勢力により係入されたストッパ(28)の係止部(30)と、機能部(25)の収容位置(Q)で両係止孔(14,15)のうち他方に第一のばね(26)の付勢力により係入されたストッパ(28)の係止部(30)とのうちいずれかが、第一のばね(26)の付勢力に抗して第一の案内孔(16)に係入され、第一の案内孔(16)に係入されたストッパ(28)の係脱操作部(29)とともに第一の案内孔(16)を移動する。機能部(25)の突出位置(P)で両係止孔(14,15)のうち一方に第二のばね(27)の付勢力により係入されたストッパ(28)の係止部(30)と、機能部(25)の収容位置(Q)で両係止孔(14,15)のうち他方に第二のばね(27)の付勢力により係入されたストッパ(28)の係止部(30)とのうちいずれかが、第二のばね(27)の付勢力に抗して第二の案内孔(17)に係入され、第一の案内孔(16)に係入されたストッパ(28)の係脱操作部(29)とともに第二の案内孔(17)を移動する。
請求項3の発明では、操作手段を簡単な構造にすることができる。
請求項1〜3のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項4の発明において、前記第二のばね(27)は可動体(2)の支持部(19)から延設された片持ち梁である。請求項4の発明では、ストッパ(28)を有する第二のばね(27)を容易に操作することができる。
請求項1〜4のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項5の発明において、前記ホルダ(1)は、前記可動体(2)の機能部(25)が出没する頭端部(5)と、その頭端部(5)に対し可動体(2)の移動方向(X)で反対側になる尻端部(6)とを有し、前記ホルダ(1)のガイド(11)はこの頭端部(5)と尻端部(6)との間に設けられ、前記可動体(2)において、機能部(25)を有する頭部(18)に対し可動体(2)の移動方向(X)で反対側になる支持部(19)の尻側には可動操作部(31)をホルダ(1)の尻端部(6)から露出させて設け、前記ストッパ(28)を機能部(25)と可動操作部(31)との間に設けた。請求項5の発明では、可動体(2)をホルダ(1)の長手方向(X)へ移動させる移動操作部として可動操作部(31)を操作することができるとともに、支持部(19)を頭部(18)に対し可動体(2)の移動方向(X)に沿う軸線に対する周方向(R)へ移動させる係脱操作部として可動操作部(31)を操作することができるので、可動体(2)を操作目的に応じて容易に操作することができる。
【0014】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項
1の発明を前提とする
第6の発明にかかる複数の突出用の操作手段、または、複数の収容用の操作手段、または、複数の突出用の操作手段及び複数の収容用の操作手段においては、各ガイド(11)に対するストッパ(28)の係脱方向(R,Z)が互いに異なる。
第6の発明では、互いに異なる係脱方向(R,Z)ごとにストッパ(28)を容易に操作することができる。
【0015】
請求項
1の発明または
第6の発明を前提とする
第7の発明にかかる複数の突出用の操作手段、または、複数の収容用の操作手段、または、複数の突出用の操作手段及び複数の収容用の操作手段においては、各ガイド(11)に対しストッパ(28)を係脱させる係脱操作部(29,31)が互いに異なる。
第7の発明では、互いに異なる係脱操作部(29,31)によりストッパ(28)を容易に操作することができる。
【0016】
請求項1の発明を前提とする
第8の発明にかかるガイド(11)の経路(12,13)において、案内孔(16,17)は両係止孔(14,15)を結ぶ線分に対しずれて延設されている。
第8の発明では、案内孔(16,17)を通って移動するストッパ(28)を両係止孔(14,15)に対し容易に係脱させることができる。
【0017】
請求項1の発明または
第8の発明を前提とする
第9の発明にかかる複数の突出用の操作手段、または、複数の収容用の操作手段、または、複数の突出用の操作手段及び複数の収容用の操作手段において、各ガイド(11)の経路(12,13)の案内孔(16,17)は互いにずれて並んでいる。
第9の発明では、互いにずれて並ぶ案内孔(16,17)の採用により複数の操作手段を簡単に設けることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、刃体(25)などの機能部をホルダ(1)に対し出没させることができる医療用刃物などの手持ち具において、複数の操作手段の採用により、出没操作をより便利にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】(a)は本実施形態にかかる医療用刃物などの手持ち具においてホルダから可動体を取り出した分解状態を示す側面図であり、(b)はそのホルダを側面側から見た断面図である。
【
図2】(a)は
図1の医療用刃物にかかる第一の操作手段及び第二の操作手段において刃体の突出状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図である。
【
図3】(a)は
図1の医療用刃物にかかる第一の操作手段及び第二の操作手段において刃体の突出状態を示す平面図であり、(b)は同じく平面側から見た断面図である。
【
図4】(a)は
図1の医療用刃物にかかる第一の操作手段において刃体の突出状態と収容状態との間の途中状態を側面側から見た断面図であり、(b)は同じくその途中状態を示す平面図である。
【
図5】(a)は
図1の医療用刃物にかかる第二の操作手段において刃体の突出状態と収容状態との間の途中状態を側面側から見た断面図であり、(b)は同じくその途中状態を示す平面図である。
【
図6】(a)は
図1の医療用刃物にかかる第一の操作手段及び第二の操作手段において刃体の収容状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図である。
【
図7】(a)は
図1の医療用刃物にかかる第一の操作手段及び第二の操作手段において刃体の収容状態を示す平面図であり、(b)は同じく平面側から見た断面図である。
【
図8】(a)は
図3(a)に示す第一の操作手段及び第二の操作手段においてロック状態を示す部分平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図であり、(c)は(b)において可動体を省略した断面図である。
【
図9】(a)は
図7(a)に示す第一の操作手段及び第二の操作手段においてロック状態を示す部分平面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図であり、(c)は(b)において可動体を省略した断面図である。
【
図10】(a)は
図3(a)に示す第一の操作手段においてロック解除状態を示す部分平面図であり、(b)は(a)のC−C線断面図である。
【
図11】(a)は
図4(b)に示す第一の操作手段において途中状態を示す部分平面図であり、(b)は(a)のD−D線断面図である。
【
図12】(a)は
図7(a)に示す第一の操作手段においてロック解除状態を示す部分平面図であり、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【
図13】(a)は
図3(a)に示す第二の操作手段においてロック解除状態を示す部分平面図であり、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【
図14】(a)は
図5(b)に示す第二の操作手段において途中状態を示す部分平面図であり、(b)は(a)のG−G線断面図である。
【
図15】(a)は
図7(a)に示す第二の操作手段においてロック解除状態を示す部分平面図であり、(b)は(a)のH−H線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態にかかる手持ち具について図面を参照して説明する。
この手持ち具は、医療用刃物であって、
図1(a)に示すように、ポリカーボネート樹脂などの透明樹脂により射出成形されたホルダ1と、ポリブタジエンテレフタレート樹脂などの樹脂により射出成形された可動体2とを備えている。
【0023】
図1(a)(b)に示すように、ホルダ1においては、前後方向X(長手方向)へ細長い筒状をなす外周壁3の内側に形成された内孔4が前端側の頭端部5の頭口5aと後端側の尻端部6の尻口6aとでそれぞれ開放されている。外周壁3において上下方向Zの両側のうち内周上側には頭口5aから押圧部7が後方へ延設されている。外周壁3の上側には押圧部7から段差7aを介して連続する押圧回避孔8が後方へ延設されて内孔4から外側へ開放されている。外周壁3の内周下側には頭口5aから案内溝9が押圧部7及び押圧回避孔8に対し下方で面して後方へ延設されている。外周壁3の内周下側には案内溝9から段差9aを介して連続する受け部10が押圧回避孔8に対し下方で面して後方へ延設されている。外周壁3の上側には押圧回避孔8よりも若干後方でガイド11が後方へ延設されている。
【0024】
図8及び
図9に示すように、ガイド11は互いに異なる第一の経路12と第二の経路13とを有している。第一の経路12及び第二の経路13は、共に、前後方向Xの両側で互いに離間して配設されて上下方向Zへ開放された係止孔14,15を有している。ホルダ1の外周壁3には前後両係止孔14,15間で壁部3aが形成されている。第一の経路12は、前後両係止孔14,15を結ぶ線分上の壁部3aに対し、前後方向Xに沿う軸線に対する周方向Rへずれた第一の案内孔16を有している。第二の経路13は、前後両係止孔14,15を結ぶ線分上の壁部3aに対し、前後方向Xに沿う軸線に対し直交する上下方向Z(幅方向)へずれた第二の案内孔17をホルダ1の内孔4の一部として有している。第一の案内孔16は両係止孔14,15間で前後方向Xへ延設されて上下方向Zへ開放されている。第二の案内孔17は両係止孔14,15間で前後方向Xへ延設されている。
【0025】
すなわち、第一の経路12は、互いに兼用される前後両係止孔14,15と、第一の案内孔16とを有している。また、第二の経路13は、互いに兼用される前後両係止孔14,15と、第一の案内孔16に対しずれて並設された第二の案内孔17とを有している。前後両係止孔14,15は、コ字形状の端縁部14a,15aと、周方向Rで第一の案内孔16に連通する出入口14b,15bと、上下方向Zで第二の案内孔17に連通する出入口14c,15cとを有している。
【0026】
ホルダ1の外周壁3の外側において前後方向X及び上下方向Zに対し直交する左右方向Yの両側には凹凸状の指当部3bが頭端部5の付近からガイド11の付近まで形成されている。外周壁3には頭端部5から指当部3bの付近まで表面が鏡面仕上げされて内孔4を外側から透視することができる視認部3cが形成されている。視認部3cを除く外周壁3の表面には梨地模様のシボ加工が施されているため、外周壁3の内孔4を外側から透視しにくい。
【0027】
図1(a)に示すように、可動体2は、可動頭部18と支持部19とその可動頭部18と支持部19との間の連結部20とを有している。可動頭部18は、円錐台形状のヘッド21と、ヘッド21から後方へ延設された支持板22と、支持板22の上下両側に形成された案内突部23,24とを有している。ヘッド21の端面21a側にはステンレス鋼により成形された機能部としての刃体25が取着されている。ヘッド21の外周には支持板22側から刃体25側へ向かうに従い直径を小さくするように傾斜する逃げ面21bが形成されている。上側の案内突部23の前後両側には頂部23aから支持板22側へ傾斜する逃げ面23bが形成されている。下側の案内突部24の前後両側には頂部24aから支持板22側へ傾斜する逃げ面24bが形成されている。
【0028】
連結部20は、上下方向Zの付勢力に抗して上下方向Zへ撓ませることができるとともに周方向Rの付勢力に抗して周方向Rへ捩じることができる第一のばね26を有している。第一のばね26は薄肉部26aで可動頭部18の支持板22に連結されている。支持部19の前端上側から片持ち梁状の第二のばね27が前方へ延設されている。第二のばね27は上下方向Zの付勢力に抗して上下方向Zへ撓む可撓性を有している。第二のばね27の自由端部側にはストッパ28が形成されている。
【0029】
ストッパ28は、第二のばね27から上方へ突出する腕部29aの上端部に指当部29bを段差状に形成した係脱操作部29と、第二のばね27と腕部29aとの間の隅部で前後両係止孔14,15間の壁部3aに隣接して形成された係止部30とを有している。支持部19の尻側から可動操作部31(係脱操作部)が後方へ延設されている。可動操作部31の後端部には膨出部31aが形成されている。
【0030】
可動体2をホルダ1に挿嵌する場合には、支持部19の可動操作部31をホルダ1の頭口5aから内孔4に挿入してホルダ1の尻口6aから突出させる。その際、第二のばね27が上下方向Zへ弾性力に抗して撓むため、第二のばね27上のストッパ28を外周壁3の内周に沿って移動させて第一の経路12に嵌め込むことができる。可動操作部31はホルダ1において可動頭部18が出没する頭口5aに対し反対側になる尻口6aから常時露出する。
【0031】
前記第一の操作手段(突出用の操作手段及び収容用の操作手段)は、ガイド11における第一の経路12の両係止孔14,15及び第一の案内孔16と、第一のばね26と、可動操作部31(係脱操作部)と、ストッパ28の係脱操作部29及び係止部30とにより構成される。また、前記第二の操作手段(突出用の操作手段及び収容用の操作手段)は、ガイド11における第二の経路13の両係止孔14,15及び第二の案内孔17と、第二のばね27と、ストッパ28の係脱操作部29及び係止部30とにより構成される。
【0032】
ちなみに、
図2,3に示す刃体25の突出位置Pで医療用刃物における長手方向(前後方向X)の全長が約144mmに設定され、
図6,7に示す刃体25の収容位置Qで医療用刃物における長手方向(前後方向X)の全長が約148mmに設定されている。また、医療用刃物における左右方向Yの幅寸法が約9mmに設定されている。
【0033】
次に、可動体2の刃体25をホルダ1に対し出没させる操作について説明する。
図2,3,8に示すように、第一の操作手段及び第二の操作手段において、刃体25の突出位置Pでは、可動体2の刃体25がホルダ1の頭口5aから外側へ突出する。可動体2のストッパ28は、係脱操作部29の腕部29aが第一の案内孔16に係入されて係脱操作部29の指当部29bが第一の案内孔16から上方へ離間する上位置Uにある。ストッパ28の係止部30は、第一のばね26の周方向Rへの付勢力により、または、第二のばね27の上下方向Zへの付勢力により、前側の係止孔14に係入されて端縁部14aにより前後方向Xの移動が阻止されたロック状態となる。可動頭部18においては、上側の案内突部23の頂部23aが押圧部7により第一のばね26の上下方向Zへの付勢力に抗して下方へ押されるため、ヘッド21の端面21a側が上向きに傾動し、下側の案内突部24の頂部24aが第一のばね26の上下方向Zへの付勢力により案内溝9に係入されて周方向Rへの回動が阻止される。また、ヘッド21の逃げ面21bの最大径部が押圧部7を含む外周壁3の内周面に沿って合わされるため、可動頭部18が上下方向Zや左右方向Yへ動くのを防止して可動頭部18の姿勢を安定させることができる。
【0034】
図6,7,9に示すように、第一の操作手段及び第二の操作手段において、刃体25の収容位置Qでは、可動体2の刃体25がホルダ1の頭口5aから内側へ収容される。可動体2のストッパ28は、係脱操作部29の腕部29aが第一の案内孔16に係入されて係脱操作部29の指当部29bが第一の案内孔16から上方へ離間する上位置Uにある。ストッパ28の係止部30は、第一のばね26の周方向Rへの付勢力により、または、第二のばね27の上下方向Zへの付勢力により、後側の係止孔15に係入されて端縁部15aにより前後方向Xの移動が阻止されたロック状態となる。可動頭部18においては、上側の案内突部23の頂部23aが押圧回避孔8に係入されて上側の案内突部23の後端部が押圧回避孔8の後端部に当接するまで移動するため、第一のばね26の上下方向Zへの付勢力によりヘッド21の端面21a側が下向きに傾動し、下側の案内突部24の頂部24aが受け部10に当接する。また、ヘッド21の逃げ面21bの最大径部が押圧回避孔8を含む外周壁3の内周面に沿って合わされる。
【0035】
第一の操作手段により刃体25を突出位置Pから収容位置Qにする場合には、まず、一方の手でホルダ1を把持した状態で他方の手で可動体2の可動操作部31を操作して、その可動操作部31を支持部19及び第二のばね27とともに周方向R(係脱方向)へ回動させ、可動頭部18に対し第一のばね26を周方向Rへの付勢力に抗して捩じると、
図10に示すように、上位置Uにあるストッパ28が前側の係止孔14から出入口14bを通って第一の案内孔16の前端部に係入される。その際、上位置Uにあるストッパ28の係脱操作部29が第一の案内孔16に係入されたまま周方向Rへ回動し、ストッパ28の係止部30が第一の案内孔16に係入されて前側の係止孔14の端縁部14aから離脱し、ロック解除状態となる。
【0036】
次に、そのロック解除状態で、可動操作部31を捩じったまま後方へ引いて可動体2を後方へ移動させると、
図4及び
図11に示すように、上位置Uにあるストッパ28の係脱操作部29及び係止部30が第一の案内孔16を後方へ移動する。また、可動頭部18においては、上側の案内突部23の頂部23aが押圧部7に当接しながら後方へ移動した後に押圧回避孔8で後方へ移動する。その際、案内突部23の逃げ面23bが押圧部7の段差7aから離れるに従い、第一のばね26の上下方向Zへの付勢力によりヘッド21の端面21a側が下向きに傾動する。また、可動頭部18においては、下側の案内突部24の頂部24aが第一のばね26の上下方向Zへの付勢力により案内溝9から段差9aを経て受け部10に当接しながら後方へ移動する。
【0037】
さらに、
図12に示すように、上位置Uにあるストッパ28の係脱操作部29及び係止部30が第一の案内孔16の後端部に移動する。その後、可動操作部31に対する捩じり操作を解除すると、上位置Uにあるストッパ28が第一のばね26の周方向Rへの付勢力により周方向Rへ回動し、ストッパ28の係脱操作部29が第一の案内孔16に係入されたままストッパ28の係止部30が後側の係止孔15に出入口15bを通って係入されてロック状態となり、刃体25が収容位置Qとなる。
【0038】
逆に、第一の操作手段により刃体25を同様に収容位置Qから突出位置Pにすることができる。
一方、第二の操作手段により刃体25を突出位置Pから収容位置Qにする場合には、まず、ホルダ1を片手で把持して、その把持した手の指をストッパ28の係脱操作部29の指当部29bに当てがい、そのストッパ28を第二のばね27の上下方向Zへの付勢力に抗して上下方向Z(係脱方向)に沿って内孔4側へ押し下げると、
図13に示すように、上位置Uから下位置Dになったストッパ28が前側の係止孔14から出入口14cを通って第二の案内孔17の前端部に係入される。その際、ストッパ28の係脱操作部29が第一の案内孔16に係入されたまま押し下げられ、ストッパ28の係止部30が第二の案内孔17に係入されて前側の係止孔14の端縁部14aから離脱し、ロック解除状態となる。
【0039】
次に、そのロック解除状態で、ストッパ28の係脱操作部29に指を当てがったまま可動体2を後方へ移動させると、
図5及び
図14に示すように、下位置Dにあるストッパ28の係脱操作部29が第一の案内孔16を後方へ移動するとともに、下位置Dにあるストッパ28の係止部30が第二の案内孔17を後方へ移動する。また、ホルダ1に対する可動頭部18の移動については第一の操作手段の場合と同様である。
【0040】
さらに、
図15に示すように、下位置Dにあるストッパ28の係脱操作部29が第一の案内孔16の後端部に移動するとともに、下位置Dにあるストッパ28の係止部30が第二の案内孔17の後端部に移動する。その後、係脱操作部29の指当部29bに対する押し下げ操作を解除すると、下位置Dにあるストッパ28が第二のばね27の上下方向Zへの付勢力により上位置Uになり、ストッパ28の係脱操作部29が第一の案内孔16に係入されたままストッパ28の係止部30が後側の係止孔15に出入口15cを通って係入されてロック状態となり、刃体25が収容位置Qとなる。
【0041】
逆に、第二の操作手段により刃体25を同様に収容位置Qから突出位置Pにすることができる。
本実施形態は下記の効果を有する。
【0042】
(1) 第一の操作手段では一方の手でホルダ1を把持した状態で他方の手で可動体2の可動操作部31を捩って、可動体2の刃体25をホルダ1に対し突出させたり収容したりすることができる。また、第二の操作手段では片手でストッパ28の係脱操作部29を操作して、可動体2の刃体25をホルダ1に対し突出させたり収容したりすることができる。従って、使用条件に応じて第一の操作手段と第二の操作手段とを使い分けることにより、ホルダ1に対する刃体25の出没操作をより便利にすることができる。
【0043】
(2) 第一の操作手段において両係止孔14,15と第一の案内孔16とを有する第一の経路12と、第二の操作手段において両係止孔14,15と第二の案内孔17とを有する第二の経路13とにおいて、両係止孔14,15を兼用するとともに、可動体2のストッパ28も兼用したので、第一の操作手段及び第二の操作手段を簡単な構造にすることができる。
【0044】
(3) ホルダ1のガイド11において、両係止孔14,15から周方向Rへずれた第一の案内孔16と、両係止孔14,15から上下方向Zへずれた第二の案内孔17とを有しているので、第一の経路12及び第二の経路13を簡単な構造にすることができる。
【0045】
(4) 可動体2は、可動頭部18と支持部19との間に設けた連結部20で周方向Rの付勢力を生じる第一のばね26と、支持部19で上下方向Zの付勢力を生じる第二のばね27と、第二のばね27に設けたストッパ28とを有しているので、第一の操作手段及び第二の操作手段を簡単な構造にすることができる。
【0046】
(5) 刃体25の突出位置Pで両係止孔14,15のうち一方に第一のばね26の付勢力により係入されたストッパ28の係止部30と、刃体25の収容位置Qで両係止孔14,15のうち他方に第一のばね26の付勢力により係入されたストッパ28の係止部30とのうちいずれかが、第一のばね26の付勢力に抗して第一の案内孔16に係入され、第一の案内孔16に係入されたストッパ28の係脱操作部29とともに第一の案内孔16を移動するか、または、第二のばね27の付勢力に抗して第二の案内孔17に係入され、第一の案内孔16に係入されたストッパ28の係脱操作部29とともに第二の案内孔17を移動する。従って、第一の操作手段及び第二の操作手段を簡単な構造にすることができる。
【0047】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 前記実施形態では、第一の操作手段及び第二の操作手段においてそれぞれ突出用の操作手段と収容用の操作手段とを兼用したが、第一の操作手段、または第二の操作手段、または第一の操作手段及び第二の操作手段において、突出用の操作手段と収容用の操作手段とを別々に設けてもよい。
【0048】
・ 前記実施形態では、第一の操作手段と第二の操作手段とを設けたが、三以上の操作手段を設けてもよい。
・ 前記実施形態では、第一の操作手段における第一の経路12と第二の操作手段における第二の経路13とにおいてそれぞれ両係止孔14,15を互いに兼用したが、第一の経路12と第二の経路13ごとに両係止孔14,15を別々に設けてもよい。また、第一の操作手段と第二の操作手段とで可動体2のストッパ28を互いに兼用したが、第一の操作手段と第二の操作手段ごとにストッパ28を別々に設けてもよい。
【0049】
・ 可動頭部18と連結部20の第一のばね26とを互いに別々に設けて取着したり、第一のばね26と支持部19とを互いに別々に設けて取着したりしてもよい。
・
図1(b)に示すホルダ1の全体を透明または半透明にしてもよい。
【0050】
・ 刃体25を可動頭部18に対し着脱可能に設けて交換できるようにしてもよい。
・ ホルダ1の断面形状を円形の筒状以外に、三角形や四角形などの多角形の筒状に設けてもよい。
【0051】
・ 可動体2の移動機構としては、ボールペンなどの筆記具に広く用いられているノック方式や、マイクロメータのように回転しながら長手方向へ移動するねじ方式など、目的や形態に応じて種々採用することができる。
【0052】
・ 眼科手術用などの医療用刃物において、複数種類の機能部を揃える場合には、ホルダ1や可動体2の色の違いによって、機能部の種類の違いを認識できるようにすれば、わざわざ機能部を確認するまでもなく色の違いだけで機能部の種類を容易に区別することができる。
【0053】
・ 手持ち具としては、メス等の医療用刃物以外に、ボールペン等の筆記具、剃刀やカッターやナイフや彫刻刀等の刃物、耳掻き、フォーク、化粧用ブラシ、口紅など、各種広義のものを含む。機能部はそれらの手持ち具に応じて異なる。