特許第6385770号(P6385770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6385770高濃度オゾンハイドレートの製造方法及びその製造装置並びに高濃度オゾンハイドレート
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  • 特許6385770-高濃度オゾンハイドレートの製造方法及びその製造装置並びに高濃度オゾンハイドレート 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385770
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】高濃度オゾンハイドレートの製造方法及びその製造装置並びに高濃度オゾンハイドレート
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/00 20060101AFI20180827BHJP
   C01B 13/10 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   C01B13/00
   C01B13/10 D
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-192942(P2014-192942)
(22)【出願日】2014年9月22日
(65)【公開番号】特開2016-64929(P2016-64929A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(73)【特許権者】
【識別番号】592009281
【氏名又は名称】IHIプラント建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】大村 亮
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 一駿
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 美栄
(72)【発明者】
【氏名】小島 知弥
(72)【発明者】
【氏名】西 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 竜郎
(72)【発明者】
【氏名】西塚 史郎
(72)【発明者】
【氏名】戸村 重男
【審査官】 廣野 知子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−240901(JP,A)
【文献】 特開2011−168413(JP,A)
【文献】 特開2011−080671(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/004321(WO,A1)
【文献】 特開平08−107925(JP,A)
【文献】 特開2010−101560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/00ー13/36
F25C 1/00−1/12
F25C 1/16−5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧酸素雰囲気下で氷片を製造し、その製造した氷片をオゾンハイドレート生成器に導入し、該オゾンハイドレート生成器内で、氷片とオゾンと二酸化炭素ガスとを接触させると共にオゾンハイドレート生成器内の圧力を2MPa以上3MPa以下、温度を−2℃以下−3℃以上に保ってオゾンハイドレートを生成し、生成したオゾンハイドレートをハイドレート冷凍冷却器に導入し、これを−25℃以下に冷却し、その後、大気圧に戻してオゾンハイドレートとすることを特徴とする高濃度オゾンハイドレートの製造方法。
【請求項2】
製氷機内を2MPa以上の酸素雰囲気に保つと共に製氷機内の冷却壁面に製氷水を噴射して冷却壁面に薄い氷の膜を形成し、この氷の膜を−5℃以下に冷却し氷粉砕機で粉砕して0.2mm以下の氷片とする請求項1記載の高濃度オゾンハイドレートの製造方法。
【請求項3】
粉砕した氷片を圧力差と重力で前記オゾンハイドレート生成器内の一端側に送入し、該オゾンハイドレート生成器内の移送スクリューで一端側から他端側に移送し、その他端側からオゾンハイドレート生成器内に、オゾンと二酸化炭素ガスと酸素の混合ガスを注入し、氷片と混合ガスを向流状態で接触させてオゾンハイドレートを連続して製造する請求項2記載の高濃度オゾンハイドレートの製造方法。
【請求項4】
混合ガスの組成は、二酸化炭素ガス65mol%以上、75mol%以下、酸素22mol%以上、35mol%以下、オゾン約3mol%以下からなり、1m3当たり約3mass%以下の濃度のオゾンハイドレートを製造する請求項3記載の高濃度オゾンハイドレートの製造方法。
【請求項5】
高圧酸素雰囲気下で氷片を製造する製氷装置と、該製氷装置で製造した氷片とオゾンと二酸化炭素ガスとを接触させてオゾンハイドレートを生成するオゾンハイドレート生成器と、生成したオゾンハイドレートを導入し、これを−25℃以下に冷却してオゾンハイドレートを大気圧下に戻すためのハイドレート冷凍冷却器とを備えたことを特徴とする高濃度オゾンハイドレートの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温で安定して長期保存可能な高濃度オゾンハイドレートの製造方法及びその製造装置並びに高濃度オゾンハイドレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オゾン氷の製造方法は、酸素よりも水への溶解度の高いオゾンを水に溶解し、これを冷却してオゾン氷としている。しかし、大気圧下でCO2、O2が約97mol%を占める混合ガスでは、氷中に閉じ込められたオゾンは濃度が20〜30ppmと低く、しかも保存中、短時間で氷中のオゾンが自己分解してしまい、長期保存はできない。
【0003】
そこで、特許文献1では、13MPa以上の高圧で、しかも、低温条件でオゾンと水とを接触させてオゾンハイドレートとすることが提案されているが、この条件でオゾンと水とを接触させてオゾンハイドレートとするには、製造上からも、コストの面からも実施が困難である。
【0004】
本出願人は、二酸化炭素(CO2)を補助ゲスト剤として低温の水とオゾン(O3)を混合することにより、オゾンと二酸化炭素のハイドレートを2〜3MPa、温度約0℃で生成させるオゾンハイドレートの製造方法を提案した(特許文献2、3)。
【0005】
この提案では、オゾンハイドレートを生成する際に二酸化炭素との混合比により、オゾンハイドレート生成圧力を下げることができ、単位体積当たりの氷中の保有オゾン濃度を20000ppm以上に飛躍的に高めることができ、また約2℃の低温水でオゾンハイドレートの生成熱を冷却することにより、比較的低圧力(2〜3MPa)でハイドレートを生成できるメリットがある。
【0006】
このオゾンハイドレートは、大気圧下でも、約−20℃以下の過冷却状態で保存することで、オゾンが分解せずに長期保存が可能となり、また大気圧下で、−5℃にすると、オゾンハイドレートが分解してオゾン殺菌が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−210881号公報
【特許文献2】特開2011−168413号公報
【特許文献3】特開2012−240901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、生成されるオゾンハイドレートを、2〜3MPaの生成容器から冷却水と分離し、これを大気圧まで戻すと同時に過冷却にするには、未だ技術的な課題を残している。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、比較的低圧でオゾンハイドレートを生成でき、しかも簡単に大気圧下に保存できる高濃度オゾンハイドレートの製造方法及びその製造装置並びに高濃度オゾンハイドレートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、高圧酸素雰囲気下で氷片を製造し、その製造した氷片をオゾンハイドレート生成器に導入し、該オゾンハイドレート生成器内で、氷片とオゾンと二酸化炭素ガスとを接触させると共にオゾンハイドレート生成器内の圧力を2MPa以上3MPa以下、温度を約−2℃〜−3℃に保ってオゾンハイドレートを生成し、生成したオゾンハイドレートをハイドレート冷凍冷却器に導入し、これを長期保存が可能な温度である−25℃以下に冷却し、その後、大気圧に戻してオゾンハイドレートとすることを特徴とする高濃度オゾンハイドレートの製造方法である。
【0011】
製氷機内を2MPa以上の酸素雰囲気に保つと共に製氷機内の冷却壁面に製氷水を噴射して冷却壁面に薄い氷の膜を形成し、この氷の膜を−5℃以下に冷却し氷粉砕機で粉砕して0.2mm以下の氷片とするのがオゾンハイドレート生成速度上好ましい。
【0012】
粉砕した氷片を圧力差と重力で前記オゾンハイドレート生成器内の一端側に送入し、該オゾンハイドレート生成器内の移送スクリューで一端側から他端側に移送し、その他端側からオゾンハイドレート生成器内に、オゾンと二酸化炭素ガスと酸素の混合ガスを注入し、氷片と混合ガスを向流状態で接触させてオゾンハイドレートを連続して製造するのが好ましい。
【0013】
混合ガスの組成は、二酸化炭素ガス65mol%以上、75mol%以下、酸素22mol%以上、35mol%以下、オゾン約0.2mol%〜3mol%からなり、1m3当たり0.2mass%以上、3mass%以下の濃度のオゾンハイドレートを製造することができる。
【0014】
また、本発明は、高圧酸素雰囲気下で氷片を製造する製氷装置と、該製氷装置で製造した氷片とオゾンと二酸化炭素ガスとを接触させてオゾンハイドレートを生成するオゾンハイドレート生成器と、生成したオゾンハイドレートを導入し、これを−25℃以下に冷却してオゾンハイドレートを大気圧下に戻すためのハイドレート冷凍冷却器とを備えたことを特徴とする高濃度オゾンハイドレートの製造装置である。
【0015】
さらに、本発明は、上記した高濃度オゾンハイドレートの製造方法で得られたことを特徴とする高濃度オゾンハイドレートである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、氷片とオゾンとを2〜3MPaで接触させてオゾンハイドレートとし、これを過冷却にすることで、大気圧下に戻しても分解せずに長期保存できるオゾンハイドレートを製造できるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0019】
図1は、高濃度オゾンハイドレートの製造装置を示したものである。
【0020】
高濃度オゾンハイドレートの製造装置は、基本的には、製氷装置10と、原料ガス供給装置11と、オゾンハイドレートを生成するオゾンハイドレート生成器12と、オゾンハイドレート冷凍冷却器13と、オゾンハイドレート低温貯蔵タンク14と、ガス循環装置15と、LNG冷凍装置16とから構成される。
【0021】
製氷装置10は、内周面に冷却面を有する筒状の製氷機20と、軟水装置(図示せず)で処理された製氷水を、ハイドレートの生成圧(2〜3MPa)より高い圧力で、製氷機20の冷却面に噴射する製氷水ライン21と、製氷機20内の雰囲気を高圧(ハイドレートの生成圧以上)の酸素雰囲気に保つ酸素供給ライン22と、製氷機20の冷却面で生成された氷を薄氷にして掻き取る掻き取り機23と、掻き取り機23で掻き落とされた氷片を0.2mm以下のサイズも粉砕すると共にオゾンハイドレート冷凍冷却器13に重力落下で移送する氷粉砕機24とから構成される。
【0022】
製氷機20には、氷結しない余水を製氷水ライン21に戻して循環する循環ポンプ25が接続され、その循環ポンプ25が製氷機20に設けた液位計26にて制御される。製氷水ライン21には、流量指示計27にて制御される流量調節弁28が接続される。
【0023】
酸素供給ライン22には、製氷機20に設けた圧力計30にて制御される圧力調節弁31が接続される。
【0024】
原料ガス供給装置11は、原料ガスとしての、酸素(O2)供給ライン32と、二酸化炭素(CO2)供給ライン33からなる。酸素供給ライン32は、酸素ボンベ35、開閉弁36、流量計37、流量調節弁38、オゾナイザ39が順次接続されて構成される。二酸化炭素供給ライン33は、二酸化炭素ボンベ40、開閉弁41、流量計43、流量調節弁42が順次接続されて構成される。
【0025】
酸素(O2)供給ライン32と、二酸化炭素(CO2)供給ライン33は、原料ガス供給ライン45として合流され、その原料ガス供給ライン45から原料ガス制御弁46を介して原料ガスがオゾンハイドレート生成器12に供給されるようになっている。
【0026】
オゾンハイドレート生成器12は、円筒状の生成器本体50の内部に、スクリュー型の氷片混合機51を設けて構成される。製氷装置10の氷粉砕機24からの粉砕氷は、ライン52から、生成器本体50に設けた粉砕氷レベルセンサ54で制御される開閉弁53を介して生成器本体50内に導入され、これを氷片混合機51にて搬出側に移送すると共に搬出側から原料ガス供給ライン45にて導入されたCO2、O2、O3を含有するガスと接触させ、原料ガスと氷片の表面とで固気接触させることで、オゾンハイドレートを生成する。
【0027】
オゾンハイドレート生成器12内では、圧力を約2MPa(1.5〜2.5MPa)、温度を−2℃以下−3℃以上に保つことで、氷片の表面に接触しているCO2、O3が反応して、オゾンハイドレートを生成する。
【0028】
このオゾンハイドレートを生成する際に、余剰の原料ガスや酸素は、生成器本体50の頂部に接続した排出ライン56からガス循環装置15に戻されるようになっている。
【0029】
オゾンハイドレート冷凍冷却器13は、オゾンハイドレート生成器12で生成されたオゾンハイドレートをライン58から導入し、これを生成温度(−2〜−3℃)から−25℃に急冷するもので、これによりオゾンハイドレートのオゾン減衰速度を極度に遅くして長期保存が可能な状態にする。この冷却操作はオゾンハイドレート生成器12と同圧かそれよりやや低い圧力に保ち、減圧によるオゾンハイドレートの分解による減衰を避ける。
【0030】
このオゾンハイドレート冷凍冷却器13での冷却は、LNG冷凍装置16に接続された冷却管60で、オゾンハイドレート生成器12からオゾンハイドレートと共に流入した二酸化炭素を約−30℃に冷却・凝縮させることで、その凝縮液61がオゾンハイドレート冷凍冷却器13内に溜まり、凝縮液61中にオゾンハイドレートが落下により降り注がれることで、オゾンハイドレートが液体二酸化炭素の潜熱で急冷される。
【0031】
冷却されたオゾンハイドレートは、オゾンハイドレート冷凍冷却器13に設けたスクリューポンプからなる冷凍オゾンハイドレート送出ポンプ62によりライン63、開閉弁64を介してオゾンハイドレート低温貯蔵タンク14に移送される。
【0032】
また、オゾンハイドレート冷凍冷却器13内の未反応オゾンや酸素は、排気ライン65から、制御弁66を介して脱オゾン器67を通して一部大気に排気されるようになっている。
【0033】
オゾンハイドレート低温貯蔵タンク14は、生成されたオゾンハイドレートを長期間にわたって減衰量を非常に少ない状態で貯蔵するものである。
【0034】
前述したようにオゾンハイドレートは大気圧下で−20℃以下の環境下では、O3の減衰率が非常に低くなるので、オゾンハイドレート低温貯蔵タンク14は、冷却器70が付属した構造とする。
【0035】
オゾンハイドレート低温貯蔵タンク14への外部からの入熱によりオゾンハイドレートが分解するのを防止するために、冷却器70の一例としてはタンク14の外壁氷面に冷却管を張り付け、その上を低温断熱材で被覆した構造、或いは二重タンクとして内外槽間を冷媒で冷却して外部入熱を遮断してもよい。
【0036】
オゾンハイドレート低温貯蔵タンク14には、オゾンハイドレートを需要先に送るために、搬送用容器72への出荷用オゾンハイドレート出荷ポンプ73が設置されている。
【0037】
また、オゾンハイドレート低温貯蔵タンク14には、タンク内の圧力を一定に保つためのブリージングタンク75が接続される。
【0038】
ガス循環装置15は、オゾンハイドレート生成器12に接続した排出ライン56から分岐した循環ライン76からの主に反応に寄与しない酸素を圧縮する圧縮機80と、圧縮機80で2〜3MPaに圧縮された酸素から水分を除去する脱湿気装置81と、脱湿気装置81で脱湿された酸素をオゾン化する循環用オゾナイザ82とからなり、その循環用オゾナイザ82からのオゾンが、循環ライン83を介して原料ガス供給ライン45に接続されて構成される。この脱湿気装置81と循環用オゾナイザ82を接続する循環ライン83には流量計84と制御弁85が接続される。
【0039】
また、オゾンハイドレート生成器12からの循環ライン76は、オゾンハイドレート冷凍冷却器13からの排気ライン65に接続され、循環ライン76のオゾンが、排気弁77にて脱オゾン器67に流して一部大気に排出されるようになっている。
【0040】
オゾンハイドレート生成器12の排出ライン56は、制御弁90を介してオゾンハイドレート低温貯蔵タンク14に接続した排気ライン78に接続され、またオゾンハイドレート冷凍冷却器13の排気ライン65から分岐した排出ライン68は制御弁91を介して排気ライン78に接続される。オゾンハイドレート低温貯蔵タンク14に接続した排気ライン78は、制御弁92を介して脱湿気装置81の吐出側に接続される。オゾンハイドレート生成器12、オゾンハイドレート冷凍冷却器13、オゾンハイドレート低温貯蔵タンク14の各オゾンと酸素は、排気ライン78で合流され、排気ライン78から制御弁92を介して脱湿気装置81に供給循環される。
【0041】
脱湿気装置81は、一対の吸湿筒100a、100bからなり、両吸湿筒100a、100bの出入口に切替弁101a、101b、102a、102bが接続され、いずれかの吸湿筒100a(100b)で、圧縮機80からの圧縮酸素を導入して、その酸素中の水分を吸着し、他方の吸湿筒100b(100a)では、脱湿用ブロワ105で吸引すると共に脱湿冷却器106で、酸素中の脱湿蒸気を冷却・凝縮してドレンとし、脱湿用ブロワ105で脱湿後の酸素を加熱器107で加熱して再度脱湿する吸湿筒100b(100a)に循環して再生する。
【0042】
LNG冷凍装置16は、冷媒(R−404A)を貯留する凝縮冷媒レシーバタンク110と、そのレシーバタンク110に設けられ、蒸発冷媒をLNGの低温を利用して凝縮するためのLNG気化器111からなる。
【0043】
LNGの気化で冷却された冷媒は、レシーバタンク110から、冷媒ポンプ112にて冷媒供給ライン113から、制御弁120を介して製氷機20、制御弁121を介してオゾンハイドレート冷凍冷却器13の冷却管60、制御弁122を介してオゾンハイドレート低温貯蔵タンク14の冷却器70に供給された後、冷媒戻りライン114を介してLNG気化器111に戻され、LNG気化器111内のLNG伝熱管115を流れるLNGにて冷却されて凝縮されて、レシーバタンク110に溜まり再度循環される。
【0044】
LNG気化器111内のLNG伝熱管115は、LNG供給ライン116とNG加温器117に接続される。レシーバタンク110内の冷媒は、温度計&圧力計118にて、LNG供給ライン116に接続した制御弁119が制御される。
【0045】
また、冷媒ポンプ112から吐出された冷媒の一部は、流量計125にてバイパスライン126に接続したバイパス弁127にてレシーバタンク110内に戻されて、LNG供給ライン116へ供給する冷媒量が制御される。
【0046】
次に、この図1の高濃度オゾンハイドレートの製造装置でのオゾンハイドレートの製造を説明する。
【0047】
この図1において、製氷装置10にて、高圧酸素雰囲気下で氷片を製造し、その製造した氷片をオゾンハイドレート生成器12に導入し、オゾンハイドレート生成器12内で、氷片とオゾンと二酸化炭素ガスとを接触させると共にオゾンハイドレート生成器12内の圧力を約2MPa(1.5〜2.5MPa)、温度を−2℃以下−3℃以上に保ってオゾンハイドレートを生成する。生成したオゾンハイドレートをハイドレート冷凍冷却器13に導入し、これを−25℃以下に冷却した後、これをオゾンハイドレート低温貯蔵タンク14に移送すると共に、大気圧に戻してオゾンハイドレートとする。
【0048】
この製造したオゾンハイドレートは、出荷用オゾンハイドレート出荷ポンプ73により搬送用容器72へ移送し、搬送用容器72を適宜オゾンハイドレート低温貯蔵タンク14から取り外し、再度新たな搬送用容器72を装着してオゾンハイドレートを取り込む。
【0049】
搬送用容器72は、冷凍庫内に保存し、オゾンハイドレートを必要とする際には、冷凍状態の搬送用容器72からオゾンハイドレートを取り出して使用すればよい。この際、オゾンハイドレートは、−25℃以下に冷却されており、取り出した時点でオゾンハイドレートは分解することがないので安全であり、その後、オゾンハイドレートを殺菌すべきエリアや室に散布し、オゾンハイドレートが−5℃以上となるとオゾンハイドレートが分解してオゾンが発生し、オゾンによる殺菌が行える。
【0050】
このオゾンハイドレート化反応は、温度、圧力、ガス組成によって決まる。
【0051】
温度が低い程反応圧力が低くなり、二酸化炭素濃度が高い程反応圧力は低くなる。
【0052】
ここで、混合ガスの組成は、二酸化炭素ガス65mol%以上、75mol%以下、酸素22mol%以上、35mol%以下、オゾン約0.2mol%〜3mol%からなり、1m3当たり約3mass%以下の濃度のオゾンハイドレートを製造する。
【0053】
一例としてオゾンハイドレート化反応の条件を示すと、
温度 −2 ℃
圧力 2.3 MPa
組成 (mol%)
CO2 70
2 28
3
計 100
生成O3目標濃度 1.6 mass%
である。
【0054】
製氷機20内はO3を封入して、オゾンハイドレート生成器12内よりも僅かに高い圧力に維持してオゾンハイドレート生成器12からのハイドレート化ガスの浸入を防止する。
【0055】
製氷機20は、LNG冷凍装置16からの冷媒で壁面が平均約40℃に維持できるようにして、製氷水をその壁面に噴射させて薄片状に結氷させる。
【0056】
オゾンハイドレート生成器12は、氷粉砕機24から連続的に供給される破砕氷と、CO2、O2、O3の混合ガスとを、向流接触させてオゾンハイドレートを生成する。
【0057】
ハイドレート冷凍冷却器13でのハイドレート中のO3は、急速に減衰するので、生成されたO3ハイドレートを短時間で、反応圧力と略同圧で約−25℃に冷却して圧力を略大気圧に落圧してO3ハイドレートを安定して維持できるようにする。
【0058】
オゾンハイドレート低温貯蔵タンク14は、生成されたO3ハイドレートを略大気圧下で、約−25℃に維持し、O3ハイドレートを安定して長時間貯蔵する。
【0059】
CO2との共存O3ハイドレートは、O3含有氷に比較して、単位体積当たりの保有O3を飛躍的に大きくすることができる。例えば、1m3(約1100kg)当たり濃度数mass%のO3ハイドレートを確保し得る。
【0060】
製氷機20の圧力をO3ハイドレートの反応圧力以上にすることにより、O3ハイドレート生成器12への氷供給が連続的にできる。また製氷機への給水も液体状なので少ない動力で円滑に行える。
【0061】
氷中のCO2とO3は氷の結晶中には拡散は殆どしないので、氷の表面で反応が進むと考えられる。従って、氷の表面積を大きくすることが反応を促進することになるので、質量当たりの表面積が大きくなるように氷を微粉砕することが有効である。
【0062】
しかし、極度に微粉砕すると粉砕エネルギーが増大して無駄になるので、反応に適切な氷サイズを実験で求めた、実験結果からは、径が約0.2mm以下のサイズであれば氷片の略全量が反応に関わることができる。
【0063】
CO2と共存O3ハイドレートの生成反応は比較的大きい発熱反応なので、生成時には冷却しないと反応温度が上昇して生成圧力(平衡圧力)も上昇する。従って、反応器の圧力も高圧となる。冷却を効果的に行う方法として氷の表面でハイドレートが生成できることが知られている。ハイドレートの生成熱(発熱反応)と氷の融解熱(約0℃)は略等しい(80kcal/kg)ので、氷の表面で生成されたハイドレートの生成熱により氷を融解し、融解熱はO3及びCO2と包接化合物を生成して、反応熱は氷の融解熱に冷却されてハイドレートが生成される。反応が水の融解温度付近で行われるために圧力の変動が殆どなく、安定して進む。
【0064】
オゾンハイドレート生成器12は、CO2、O2、O3を含有するガス相と氷片の表面と良く接触するように円筒形にして内部に氷片混合機51の回転により氷片が円筒の断面の上部に持ち上げられ、重力により器内を断面方向にばらばらに落下してガスと接触する。
【0065】
氷片は、スクリューにより充填口から出口に向かって徐々に進行し、氷片の出口付近から送入されて氷片の入口付近で排出されるガスと氷片が、向流状態でガスと接触して反応が効率よく進行する。
【0066】
オゾンハイドレート生成器12は出口に向かって緩いダウン勾配に設置して反応の進んだ氷片は徐々に出口に移動する。ガスの空間速度を対流速度より大きく(速度>0.1m/sec)してガス流れがピストン流になるようにする。
【0067】
オゾンハイドレート生成器12の反応温度付近でのO3ハイドレートの半減期は3時間程度なので、これらの操作を短時間(約0.5時間)に終了するようにしてO3の分解による濃度低下を防止する。
【0068】
ハイドレート冷凍冷却器13では、オゾンハイドレート生成器12で得られたハイドレートを急速に約−25℃に冷却する。
【0069】
CO2との共存でO3ハイドレートは、約−25℃(248K)以下の温度に冷却して保存すれば、減衰率が非常に小さくなり、長期に高濃度で保存できる。
【符号の説明】
【0070】
10 製氷装置
11 原料ガス供給装置
12 オゾンハイドレート生成器
13 オゾンハイドレート冷凍冷却器
14 オゾンハイドレート低温貯蔵タンク
15 ガス循環装置
16 LNG冷凍装置
図1