特許第6385777号(P6385777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6385777
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】電子体温計
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/42 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   G01K7/42 A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-198765(P2014-198765)
(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-70748(P2016-70748A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康生
(72)【発明者】
【氏名】萩野 喜晴
(72)【発明者】
【氏名】栗尾 勝
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−265539(JP,A)
【文献】 特開平4−160327(JP,A)
【文献】 特開平9−229780(JP,A)
【文献】 特開2007−24531(JP,A)
【文献】 特開昭61−2029(JP,A)
【文献】 特開昭58−47229(JP,A)
【文献】 特開2000−240949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 7/42
G01K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度センサによる被計測部位の温度の実測値に基づいて平衡温度を予測する電子体温計であって、
前記実測値と第1予測モデルとに基づいて平衡温度の予測を開始した後に前記実測値の異常が発生した場合に、前記異常の解消の後に、前記実測値と、前記第1予測モデルとは異なる第2予測モデルとに基づいて平衡温度を予測する処理部を備える、
ことを特徴とする電子体温計。
【請求項2】
前記処理部は、前記実測値の所定のサンプリング間隔で更新される2次微分値が正から負に変化したことに応じて前記異常が解消したと判定し、その後、前記実測値と前記第2予測モデルとに基づいて平衡温度を予測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子体温計。
【請求項3】
前記第1予測モデルは、前記実測値に基づいて複数の予測モデルから選択される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子体温計。
【請求項4】
前記第2予測モデルは、前記実測値に基づいて複数の予測モデルから選択される、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子体温計。
【請求項5】
前記処理部は、前記実測値の所定のサンプリング間隔で更新される2次微分値が負から正に変化したことに応じて前記異常の発生を検出し、前記異常の解消の後に、前記実測値と前記第2予測モデルとに基づいて平衡温度を予測する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子体温計。
【請求項6】
温度センサによる被計測部位の温度の実測値に基づいて平衡温度を予測する電子体温計であって、
前記実測値に基づいて平衡温度の予測を開始した後に前記実測値の異常が発生した場合に、前記実測値に基づく平衡温度の予測を停止し、その後、前記実測値の所定のサンプリング間隔で更新される2次微分値が正から負に変化したことに応じて前記実測値に基づく平衡温度の予測を再開する処理部を備える、
ことを特徴とする電子体温計。
【請求項7】
前記処理部は、前記実測値の所定のサンプリング間隔で更新される2次微分値が負から正に変化したことに応じて前記異常の発生を検出する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電子体温計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子体温計に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子体温計においては、実測値が所定値以上、かつ温度上昇率が所定値以上になった時を予測演算の起点とし、平衡温度の予測値の変動が所定値以内になった時を予測成立点とする。予測式は、例えば、予測値をY、実測値をT、上乗量をUとすると、Y=T+Uで与えられる。上乗量Uは、例えば、tを予測起点からの経過時間とすると、U=a×dT/dt+b、あるいはU=(a×t+b)×dT+(c×t+d)に従って計算されうる。ここで、a、b、a、b、c、dは、予め設定される係数である。
【0003】
想定される被験者の特性を複数の群に分け、群ごとに予測値Yの計算式(予測式)、より具体的には、予測値Y=T+Uにおける上乗量Uを計算するための式の係数を定めることもなされている。このような方式では、実測値に基づいて被験者の現在の状態が属する群を複数の群の中から選択し、その群に対応する式に従って上乗量Uを計算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−24531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子体温計において温度センサによる実測値が異常な変化をした場合、例えば、単調増加していた実測値が低下し始めた場合や、収束傾向にあった温度増加が急に大きくなった場合などにおいて、予測値を正確に計算することができない。実測値が異常な変化をする場合の例としては、電子体温計の温度センサを脇で挟み直した場合や、温度センサを挟む力を急に強くした場合などを挙げることができる。
【0006】
特許文献1には、計測の開始後に実測値が低下した場合であっても所定の条件を満たす場合には予測式に代入する経過時間tを0に変更する技術が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載された電子体温計では、実測値の低下が検出され、経過時間tを0に変更した場合に使用される予測式の候補は、実測値の低下が検出されない場合に使用される予測式の候補と同じである。つまり、特許文献1に記載された電子体温計では、実測値の低下が検出され、経過時間tを0に変更した場合においても、実測値の低下が検出されない場合においても、両者に共通の12個の群の中から1個の群が選択され、その選択された群に対応する予測式に従って予測値が計算される。したがって、実測値の低下が検出され、経過時間tを0に変更した場合における予測値の精度は低くなる可能性があり、そのため、予測成立までに時間がかかったり、エラーとなったりする場合がある。
【0007】
あるいは、別の観点において、特許文献1に記載された電子体温計では、実測値が低下した後に実測値が上昇を始めたタイミングで経過時間tを0に設定する。しかしながら、このような方式では、電子体温計の温度センサを脇で挟み直す動作がもたついた場合や、体動が長引いた場合などにおいて、経過時間tを0に設定した後においても実測値が不安定になりうるので、エラーが発生する可能性が高い。
【0008】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、例えば、体動などによって温度センサによる実測値が一時的に異常になった場合においても、より正確又はより確実に平衡温度を予測することができる電子体温計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面は、温度センサによる被計測部位の温度の実測値に基づいて平衡温度を予測する電子体温計に係り、該電子体温計は、前記実測値と第1予測モデルとに基づいて平衡温度の予測を開始した後に前記実測値の異常が発生した場合に、前記異常の解消の後に、前記実測値と、前記第1予測モデルとは異なる第2予測モデルとに基づいて平衡温度を予測する処理部を備える。
【0010】
本発明の第2の側面は、温度センサによる被計測部位の温度の実測値に基づいて平衡温度を予測する電子体温計に係り、該電子体温計は、前記実測値に基づいて平衡温度の予測を開始した後に前記実測値の異常が発生した場合に、前記実測値に基づく平衡温度の予測を停止し、その後、前記実測値の所定のサンプリング間隔で更新される2次微分値が正から負に変化したことに応じて前記実測値に基づく平衡温度の予測を再開する処理部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、体動などによって温度センサによる実測値が一時的に異常になった場合においても、より正確又はより確実に平衡温度を予測することができる電子体温計が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の電子体温計の外観を示す図。
図2】本発明の一実施形態の電子体温計のブロック図。
図3】本発明の一実施形態における群分けを示す図。
図4】本発明の一実施形態の電子体温計の処理部による平衡温度の予測に関する処理を例示する図。
図5】被験者が温度センサを脇で挟み直した場合に温度センサによって計測される温度の実測値(温度データ)の典型的な変化を例示する図。
図6】被験者が温度センサを脇で挟み直した場合に温度センサによって計測される温度の実測値(温度データ)の典型的な変化を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
【0014】
図1には、本発明の一実施形態の電子体温計1の外観が示されている。電子体温計1は、本体ケース2の先端に金属キャップ3を有する。金属キャップ3が設けられた部分は、被計測部位と接触する測温部である。本体ケース2の1つの面には、表示部30が配置されている。
【0015】
図2には、電子体温計1のブロック図が示されている。電子体温計1は、温度センサ10と、処理部20と、表示部30と、ブザー40と、不図示の電源部および電源スイッチとを含む。温度センサ10は、金属キャップ3の内側に配置された測温素子としてのサーミスタ12と、サーミスタ12の抵抗値を温度データに変換して処理部20に提供する回路(不図示)とを含む。温度データは、温度を示すデータを意味する。以下の説明における温度の実測値は、温度データが示す温度の値を意味する。
【0016】
処理部20は、温度センサ10による被計測部位(典型的には、人の脇の下や口腔内)の温度の実測値(温度データ)に基づいて平衡温度を予測する処理を実行する。平衡温度とは、被計測部位の温度とサーミスタ12の温度とが平衡状態に達したときの温度、つまり、被計測部位の温度を意味する。サーミスタ12の温度が平衡温度に達する前において温度センサ10によって計測される被計測部位の温度の実測値は、平衡温度よりも低い温度を示す。
【0017】
処理部20は、例えば、CPU22と、メモリ24とを含む。メモリ24は、制御プログラム26を格納した不揮発性メモリおよび演算処理用のRAMを含む。CPU22は、制御プログラム26に基づいて動作し、これによって処理部20の機能が実現される。
【0018】
表示部30は、処理部20によって予測された平衡温度(つまり、被計測部位の温度の予測値)などを処理部20からの指令に従って表示する。ブザー40は、温度の予測の終了時やエラーの発生時に、そのことを処理部20からの指令に従って報知する。
【0019】
以下、電子体温計1における平衡温度の予測方法の基本原理を説明する。電子体温計1は、温度センサ10における被計測部位の温度の実測値が所定値以上、かつ温度上昇率が所定値以上になった時を予測演算の起点とし、平衡温度の予測値の変動が所定値以内になった時を予測成立点とする。予測式(予測モデル)は、例えば、予測値をY、実測値をT、上乗量をUとすると、Y=T+Uで与えられる。上乗量Uは、例えば、tを予測起点からの経過時間とすると、U=a×dT/dt+b、あるいはU=(a×t+b)×dT+(c×t+d)に従って計算されうる。ここで、a、b、a、b、c、dは、予め設定される係数である。また、一例において、dTは、過去5秒間における温度上昇量であり、dtは、5秒間である。
【0020】
本実施形態では、想定される被計測部位(被験者)の特性を複数の群に分け、群ごとに予測値Yの計算式(予測式)、より具体的には、予測値Y=T+Uにおける上乗量Uを計算するための式の係数が定められている。処理部20は、実測値Tに基づいて被計測部位の現在の状態が属する群を複数の群の中から選択し、その群に対応する予測式(予測モデル)に従って上乗量Uを計算する。
【0021】
図3には、温度計測の開始時(t=0)(予測起点)からの経過時間が15〜20秒の間における温度の上昇値(横軸)と、温度の計測の開始時からの経過時間が20秒における温度の実測値と、に応じて分類される12個の群が例示されている。第1群(図3では、「1群」と標記されている。他の群も同様)は、最も熱応答の早い群であり、最初の温度は高いがすぐに上昇が収まる群である。第8群は最も熱応答の遅い群で、最初の温度は低いが温度上昇が遅くまで続く群である。第2群から第7群は、第1群と第8群との間の群である。第9群および第10群は、通常の実測値変化から大きく外れている群であり、実測値がこれらの群に分類された場合には、例えば予測不可としてエラー終了するよう構成してもよいし、予測を行わず実測値の表示を行うよう構成してもよい。また、第11群および第12群は、20秒時に体温が36.5度以上となっている群である。
【0022】
図4には、電子体温計1の処理部20による平衡温度の予測(つまり、被計測部位の温度の予測)に関する処理が例示されている。図4に例示された処理は、処理部20において、制御プログラム26に基づいてCPU22によって実行される。ステップS10、S12、S14、S18、S20は、一般的な処理であり、ステップS16、S22、S24、S26、S28、S30、S32、S34が本実施形態に特有の処理である。
【0023】
まず、ステップS10、S12、S14、S18、S20における処理について説明する。ステップS10において不図示の電源スイッチがオンされる。その後、ステップS12では、予備計測が実行される。この予備計測では、温度センサ10における被計測部位の温度の実測値(例えば、0.5秒間隔でサンプリング)が所定値(例えば、30℃)以上、かつ温度上昇率が所定値(例えば、0.03℃/0.5秒)以上になった時に温度センサ10が所定の測定部位に装着されたと見なし、この時点を予測演算の起点とし(即ちt=0とし)、ステップS14の本計測へ移行する。
【0024】
ステップS14では、本計測が開始される。本計測では、本計測の開始時(t=0)(予測起点)からの経過時間が15〜20秒の間における温度の上昇値(図3横軸)と、温度の計測の開始時からの経過時間が20秒における温度の実測値(図3縦軸)と、に応じて群分けが実行される。即ち、図3に例示される複数の群のうちいずれの群に被計測部位の特性が属するかが決定される。各群には、前述のように予測式(予測モデル)が対応付けられており、これに基づいて平衡温度が予測される。ステップS18では、平衡温度の予測値の変動が監視され、該変動が所定値以内になった時点で本計測が終了する(即ち、予測値が被計測部位の温度として確定される)。そして、ステップS20では、予測値が表示部30に表示される。
【0025】
以下、ステップS16、S22、S24、S26、S28、S30、S32、S34における処理について説明する。ステップS16は、ステップS14とステップS16との間、即ち本計測の間において実行される。ステップS16は、例えば、ステップS14において本計測が開始された後、ステップS18において本計測が終了されるまでの間に、所定時間間隔(典型的には、温度の実測値のサンプリング間隔)で実行される。ステップS16では、温度センサ10による温度の実測値に異常が発生したかどうかが判定される。
【0026】
温度センサ10による温度の実測値の異常は、例えば、被験者が温度センサ10を脇で挟み直した場合や、温度センサ10を挟む力を急に強くした場合などにおいて発生しうる。温度センサ10による温度の実測値に異常が発生したかどうかは、種々の方法で判定されうるが、例えば、温度データの微分演算(例えば、1次微分、2次微分など)によって判定される。ここで、温度データの1次微分をT’、所定時間をΔt、所定時間Δtにおける温度データ(実測値)の変化量をΔTとすると、一次微分T’は、T’=ΔT/Δtで与えられうる。また、温度データの2次微分をT”、所定時間ΔtにおけるT’の変化量をΔT’とすると、2次微分T”は、T”=ΔT’/Δtで与えられうる。
【0027】
図5には、被験者が温度センサ10を脇で挟み直した場合に温度センサ10によって計測される温度の実測値(温度データ)の典型的な変化が例示されている。図5には、温度データの1次微分および2次微分も例示されている。温度データ、その1次微分および2次微分は、所定のサンプリング間隔で更新される。
【0028】
被験者が温度センサ10を脇で挟み直した場合、温度データは、一旦その値が下降した後に上昇し、そのことは、例えば、温度データの2次微分値が負から正に変化することに現れる。したがって、温度データの2次微分値が負から正に変化したことに応じて、被験者が温度センサ10を脇で挟み直したことを検出することができる。図5に示された例では、温度データの2次微分値が負から正に変化したことは、t11において検出される。
【0029】
図6には、被験者が温度センサ10を挟む力を急に強くした場合に温度センサ10によって計測される温度の実測値(温度データ)の典型的な変化が例示されている。図6には、温度データの1次微分および2次微分も例示されている。被験者が温度センサ10を挟む力を急に強くした場合、温度データの上昇速度が増加し、そのことは、例えば、温度データの2次微分値が負から正に変化することに現れる。したがって、温度データの2次微分値が負から正に変化したことに応じて、被験者が温度センサ10を挟む力を急に強くしたことを検出することができる。図6に示された例では、温度データの2次微分値が負から正に変化したことは、t21において検出される。
【0030】
温度データの2次微分値が負から正に変化したことに応じて異常が発生したと判定する判定基準は、被験者が温度センサ10を脇で挟み直した場合および温度センサ10を挟む力を急に強くした場合の双方に対応可能である。
【0031】
以上のように、温度センサ10による温度の実測値の異常は、例えば、温度データの2次微分値が負から正に変化したことに応じて判定されうる。温度センサ10による温度の実測値に異常が発生したと判定されると、ステップS22において本計測が停止される。
【0032】
その後、ステップS24では、温度センサ10による温度の実測値の異常が解消したかどうかが判定される。ここで、被験者が温度センサ10を脇で挟み直したことによる異常は、挟み直し後に状態が安定し実測値が安定することによって解消する。被験者が温度センサ10を挟む力を急に強くしたことによる異常は、その力が弱くなったことによって解消する。
【0033】
本実施形態では、ステップS24において、温度データの2次微分値が正から負に変化したことに応じて異常が解消したと判定される。図5に示された例では、温度データの2次微分値が正から負に変化したことは、t12において検出される。図6に示された例では、温度データの2次微分値が正から負に変化したことは、t22において検出される。温度データの2次微分値が正から負に変化したことに応じて異常が解消したと判定する判定基準は、被験者が温度センサ10を脇で挟み直した場合および温度センサ10を挟む力を急に強くした場合の双方に対応可能である。
【0034】
ステップS24において2次微分値が正から負に変化したと判定されなかった場合、ステップS26において所定の起点から所定時間(例えば、ステップS16における異常の検出から所定時間(例えば、5秒))が経過するまでは再びステップS24が実行される。ステップS26において、所定の起点から所定時間が経過したと判定された場合には、ステップS26において、表示部30へのエラーの表示および/またはブザー40からのエラー音の出力がなされる。
【0035】
ステップS24において2次微分値が正から負に変化したと判定された場合には、ステップS30において本計測が再開される。ここで、再開された本計測では、温度センサ10による温度の実測値と、新たな予測式(これを第2予測式と呼ぶ)、即ち、新たな予測モデル(これを第2予測モデルと呼ぶ)とに基づいて平衡温度が予測されうる。第2予測式は、ステップS14で決定された予測式(これを第1予測式と呼ぶ)とは異なる予測式である。換言すると、第2予測モデルは、ステップS14で決定された予測モデル(これを第1予測モデルと呼ぶ)とは異なる予測モデルである。
【0036】
本計測を再開する場合に予測式(予測モデル)を変更することが好ましい理由は、ステップS14における選択候補としての群およびそれに対応する予測式(予測モデル)は、被験者が温度センサ10を脇で挟み直した場合や温度センサ10を挟む力を急に強くした場合などのような異常時に対応していないからである。
【0037】
再開された本計測では、予測起点が新たな予測起点に変更されうる。ここで、新たな予測起点は、例えば、2次微分値が正から負に変化したことが判定された時点とされうる。つまり、2次微分値が正から負に変化した時点がt=0の時点とされうる。ここで、複数の第2予測式(第2予測モデル)が準備され、その中から被計測部位の特性に応じて1つの第2予測式(第2予測モデル)が選択されてもよい。なお、複数の第2予測式(第2予測モデル)としては、新たな予測起点での実測値に応じた第2予測式(第2予測モデル)を複数(例えば、30〜32℃用、32〜34℃用、等)準備してもよいし、異常検出から解消までの時間に応じた第2予測式(第2予測モデル)を複数準備してもよいし、異常検出時における温度データの2次微分値の正から負への最大変化量に応じた第2予測式(第2予測モデル)を複数準備してもよい。
【0038】
ステップS32では、平衡温度の予測値の変動が監視され、該変動が所定値以内になった時点で本計測が終了する(即ち、予測値を被計測部位の温度として確定される)。そして、ステップS34では、予測値が表示部30に表示される。ここで、異常が検出され、その後に本計測が再開された場合には、そのことを示す情報が出力されてもよい。例えば、当該情報は、表示部30および/またはブザー40によって出力されうる。
【符号の説明】
【0039】
1:電子体温計、2:本体ケース、3:金属キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6